説明

アルファシヌクレイン・エピトープのミモトープのレヴィ小体病治療への使用

本発明はシヌクレイノパチーの予防および/または治療用の薬物を製造するためのペプチドまたはポリペプチドに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシヌクレイノパチー(synucleinopathies)を予防しおよび/または治療するために用いられる薬物に関する。
【背景技術】
【0002】
シヌクレイノパチーは共通の病理学的特徴を共有する様々な神経変性疾患である:神経病理学的試験において、ニューロンおよびグリア細胞の選択された集合の中にアルファシヌクレイン(アルファシン、αシン)蛋白質の異常な凝集を含む特徴的な損傷が検出できる。
【0003】
アルファシン(PARK1およびPARK4として初めて同定された)は新皮質、海馬、歯状回、嗅球、線条体、視床および小脳に広く発現している140アミノ酸蛋白質である。アルファシンはまたB-、T-およびNK細胞を含む造血細胞中にも単球および血小板中にも高度に発現している。これらの細胞の正確な役割は知られていないが、巨核球(血小板前駆体)の分化において示唆されてきた。
【0004】
最も一般的シヌクレイノパチーは、限定的ではないが、パーキンソン病(PD)、認知症(PDD)を伴ったパーキンソン病およびレヴィ小体病を伴った認知症(DLB)の様なレヴィ小体病(LBD)、同様に多系統萎縮症(MSA)または鉄の沈着を伴う神経変性症タイプI (NBIA Type I)を含む。これらの疾患に対する現在の治療オプションはL-ドーパ、抗コリン剤と同様にモノアミン酸化酵素阻害剤の様な対症的投薬を含む。しかしながら、現存する全ての治療オプションは症状の緩和をもたらすだけで、患者に長く持続して疾患を修飾する(modifying)効果を誘導しない。
【0005】
レヴィ小体病(LBD)は振戦、固縮、寡動によって、および脳内ドーパミン作動性ニューロンの消失によって特徴づけられる進行性の神経変性疾患である。DLBおよびPDDの場合、兆候には認識機能障害も含む。西欧諸国では60才以上の人口の2%までが典型的なPD/LBD兆候を発症する。現在は対症療法のみが利用可能である。不幸なことには、これらの療法は初期症状からの一時的な救済を提供するのみであり病気の進行を止めはしない。PD/LBDの発症機序(pathogenesis)は依然として完全には理解されていないが、しかし、遺伝的感受性および環境因子が病気の進行に含まれている様にみえる。全ての遺伝的進歩にも拘わらず、PD/LBDは1次的には原因不明の散発性疾患(特発性PD/LBDとも呼ばれる)である。
【0006】
この病気に罹患している患者は、脳の皮質および皮質下に、特徴的なユビキチン化されたレヴィ小体と呼ばれる細胞内封入体を発達させる。特にドーパミン作動性ニューロンまたはニューロン投射の高含量領域はこの典型的な病理学的特徴を示す。最近、幾つかの研究が、シナプス蛋白質アルファシンはLBD発症機序において中心的役割を果たすと云うことを示すことができた。LBDにおいて、アルファシンは罹患した脳領域を通してLBに蓄積する。加えて、単一点突然変異と同様にアルファ-シン遺伝子中の複製または増幅もパーキンソン症候群の稀な家系と関連すると云うことを実証することができた。重要なことは、遺伝子組み換え(tg)マウスにおけると同様にキイロショウジョウバエにおいても、過剰発現研究の結果に基づき、これらの動物モデルがPDの幾つかの特徴に似た症状を呈することから、PD/LBDの発症機序におけるその(アルファシン遺伝子)の重要な役割が強調される。
【0007】
多の非常に重要なシヌクレイノパチーは多系統萎縮症(MSA)である。MSAはL-DOPA耐性パーキンソン症候群、小脳性運動失調症および自律神経失調症の症状で特徴づけられる散発的な神経変性疾患である。患者は線条体、黒質、小脳、脳橋と同様に下オリーブおよび脊髄を含む種々の脳領域を侵す多系統ニューロン欠損に苦しむ。MSAは中枢神経系全体のアルファ-シン陽性なグリア細胞質(GCI)の、及び、稀なニューロン性の封入体によって特徴づけられる。これらの封入体は、線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症および自立神経核の髄質および脊髄中への包含と関係する。MSAの発症機序に対するGCIの重要性は、乏突起グリア細胞中におけるアルファシン過剰発現の効果を分析する遺伝子組み換えマウスモデルの最近の解析によって、一般的に認められ且つ強調されている。
【0008】
アルファシンの蓄積がシヌクレイノパチーにおける神経変性の典型的な特徴に導く正確な機序は完全には理解されていないものの、最近の研究は、アルファシンの異常な形成と蓄積がシヌクレイノパチーに内在する変性過程に含まれることを示唆する。最近、アルファシンの異なる形態がLB中に特定された。蛋白質の完全長型の他に、リン酸化された、硝酸化された、およびモノ、ジ、またはトリ置換されたアルファシンを含む、修飾されたアルファシンの異なる型が特定された。加えて、アルファシン 1-119、アルファシン 1-122およびアルファシン 1-123のような蛋白質のC末端切断型が、遺伝子組み換えマウスおよびPD症例双方からの脳組織中に検出された。LBおよびレヴィ神経突起(lewy neurites)中に検出されたアルファシンの15%までが切断されていると現在では信じられている。切断されたアルファシンを用いた以前のインビトロ研究は、C末端の20〜30アミノ酸欠損アルファシンが凝集して、レヴィ神経突起およびLB中に見出される繊維を形成する増加した傾向を示すことを実証することができた。これらの切断型は、かくして、アルツハイマー病(AD)におけるアミロイドベータ(Aβ)の切断された及び修飾された型と同様な風に活動することができた。Aβのこれら切断された及び修飾された型は、プラーク析出の種分子として働き、インビボおよびインビトロに於ける高い神経毒性およびシナプス毒性と同様により高い凝集性向を示すと考えられる。
【0009】
かくして、完全長アルファシンも、潜在的な種効果を示しているアルファシンの切断された及び/又は修飾された型も、蓄積してオリゴマー形成に至ると信じられる。最近の研究によると、例えばシナプス終点および軸索中のその様なオリゴマー形成がPD/LBD発達に重要な役割を果たし、かくして、アルファシンの切断型の存在によって強化されると信じられる。ここから、アルファシンの析出およびオリゴマー化の削減が、シヌクレイノパチーの治療、特に特発性LBD/PDおよびMSAの治療に有益であって、L-DOPA適用の様な現在の治療から生ずる兆候の単なる緩和に加えて、これらの神経変性疾患の治療の第一戦略を提示することができるであろう。
【0010】
Iwatsubo T. (Neuropathology 27 (5)(2007): 474-478) において、アルファ-シヌクレイン析出もそのリン酸化も、アルファ-シヌクレイノパチーの発症機序との関係が研究された。この論文の著者は、シヌクレイノパチー病変の中に析出したアルファシヌクレインのセリン129が広くリン酸化されていることを見出した。US 2007/213253は、野生型ヒト・アルファシヌクレインの凝集の阻害に使用可能な突然変異体ヒト・アルファシヌクレインと同様にその誘導ペプチドにも関する。WO 2004/041067において、アルファシヌクレイン断片の使用を含んで成るアルファシヌクレイン凝集と関係する疾患の阻害または治療に対する手段および方法が開示されている。US 2003/166558には、蛋白質析出に応答する免疫の誘導に用いることのできるペプチドが記述されている。US 2005/198694は、少なくとも100アミノ酸を含んで成り且つ1〜23アミノ酸のC末端欠失を有するアルファシヌクレイン断片に関する。
【0011】
Liangら(J. Neurochem. 99(2006): 470-482)は、ラットにおけるアルファ-シヌクレインの規制を研究した。彼らは、アルコール嗜好性ラット中に於いて、アルファシヌクレインの発現速度がアルコール非嗜好性ラットに比べて増加することを観察した。
【0012】
Hamilton BA (Genomics 83(2004): 739-742) において、霊長類におけるアルファシヌクレイン53Thrおよび53Alaの分布が調べられている。
【0013】
US 2005/0037013において、アルファシヌクレインの70〜140残基内の特定のエピトープに対する免疫応答を誘発することが出来る免疫原性のアルファシヌクレイン断片が開示されている。
【0014】
WO 2006/045037は、レヴィ小体病の治療に有効な薬理学的活性を有する試剤のスクリーニングに用いることが出来るC末端切断アルファシヌクレイン分子に関する。
【0015】
神経栄養因子およびドーパミン作動性細胞の移植(grafting)を利用する試験的療法は有望な結果を生みはしたが、アルファシンのニューロンの蓄積を減少するべく設計された代替的アプローチが求められている。アルファシン凝集が免疫療法によって標的とされるかも知れないとい云う確実な証拠が蓄積されつつある。実に最近、シヌクレイノパチーの治療の可能性が示された。ヒト・アルファシンを過剰発現しているTg(トランスジェニック)マウスが、ヒト・アルファシン蛋白質でワクチン接種された。ワクチン接種で高い相対的親和性抗体を産生したマウス中においてニューロン細胞体およびシナプス中に凝集したアルファシンの蓄積減少があり、それは減少した神経変性と関連していた。さらに、免疫された(または、免疫化された:immunized)動物によって産生された抗体はまた、ニューロンの膜(membrane)と関連したアルファシンの異常な凝集形態をも検出し、おそらくリソソーム経路を通して、これらの凝集の分解を促進した。同様な効果は体外から投与されたアルファシン特異的な抗体での受動免疫を用いて観察された。これらの結果は、ワクチン接種はアルファシン凝集のニューロン的蓄積の減少に有効であること、および、このアプローチの更なる発展がLBDおよびシヌクレイノパチーの治療に有益な効果を引き出すかもしれないと云うことを示唆する。
【発明の概要】
【0016】
ワクチンの基礎に立って、シヌクレイノパチーを予防し及び治療する薬物を提供することが本発明の目的である。
【0017】
本発明は、少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドの提供に関し、該ペプチドまたはポリペプチドは、アミノ酸配列:
(X1)nX2X3X4X5GX6P(X7)m (式 I)
を含んで成り、ここで
X1 はいかなるアミノ酸残基でよく、
X2 はリジン(K)、アルギニン(R)、アラニン(A)およびヒスチジン(H)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X3 はアスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、グリシン(G)およびアラニン(A)から、好ましくはアスパラギン(N)、セリン(S)、グリシン(G)およびアラニン(A)から、成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X4 はグルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D) およびアラニン(A)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X5 はグルタミン酸(E)およびアスパラギン酸(D)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X6 はアラニン(A) およびチロシン(Y)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X7 は如何なるアミノ酸残基でよく、
nおよびmは独立に、0または0より大きい整数であり、
ここで、式Iのアミノ酸配列は、アミノ酸配列KNEEGAPを有するアルファシヌクレインの7量体ポリペプチド断片と同一でなく又は含有せず、
前記アルファシヌクレインのエピトープに特異的な抗体への結合能力を有する少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドはアミノ酸配列KNEEGAPを含んで成る、
シヌクレイノパチーの予防および/または治療に用いるペプチドまたはポリペプチドに関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、アルファシヌクレイン(140aa;スイスプロット登録:P37840)の完全長配列ならびに完全長アルファシヌクレインと同様にそのC末端切断および修飾型の検出のためのモノクロナール抗体の創製に用いられた配列を示す。
【図2】図2は、ヒト・アルファシヌクレインの100〜109位に対して発生させた特異的モノクロナール抗体を用いたELISAによるアルファシヌクレインの検出を示す。
【図3】図3は、ELISAによるモノクロナール抗体12-9-9の最小エピトープの定義を示す。
【図4】図4は、ヒト・アルファ-シヌクレインの100-109位に対する特異的モノクロナールを用いたELISAによるエピトープおよびミモトープの検出を示す。
【図5】図5は、ペプチド免疫後のアルファシヌクレインに対する免疫応答の誘発を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明によるこれらのペプチドまたはポリペプチドは、シヌクレイノパチーの予防及び/又は治療への意図された使用に適した組成物、特に、医薬組成物であり、好ましくは薬学的に許容される担体と組み合わせて提供される。その様な医薬組成物はそれらを必要とする患者に予防的および/または治療的効果を達成するための有効な量で投与することができる。
【0020】
本発明によるペプチドまたはポリペプチドは、アルファ-シヌクレインおよびその断片、特にアミノ酸配列KNEEGAPを含んで成るアルファシヌクレインの断片に向けた(または、結合する)抗体のインビボ生成を誘導することがでる。前記ペプチドまたはポリペプチドに向けた抗体は、しかしながら、ベータシヌクレイン(ベータシン、bシン)に対して何ら又は実質的に何ら免疫反応性を示さない。それ故に、オリジナルのアルファシヌクレイン又はその断片とは異なり、本発明によるペプチドまたはポリペプチドは、疾病関連剤に対して特異性を与えて、シヌクレイン類と関係しない疾病との交差反応性を回避する。このことは効能および安全性に関する重要な優位性を強く示唆する。後者(安全性)は特にベータシヌクレインに対して記述された神経保護的特性の故に重要である (Hashimoto M.ら、J Biol Chem. 2004 May 28;279(22):23622-9. Hashimoto M.、Neuron. 2001 Oct 25;32(2):213-23)。
【0021】
本発明の化合物の投与によって誘導されたアルファシヌクレインに特異的な抗体はアルファシヌクレインの単量体型に結合するのみならず、多量体型にも結合する。このことは、治療されるべき個体の体内におけるアルファシヌクレインのオリゴマーの量を減少することを可能にする。アルファシヌクレインの減少はシヌクレイノパチーの治療に於いて特に有益である。
【0022】
アミノ酸配列(X1)nX2X3X4X5GX6P(X7)mは、アミノ酸配列KNEEGAPを含んで成るアルファシヌクレインのエピトープのミモトープであると考えられる。本発明によれば、用語「ミモトープ」は、それが模倣するエピトープと同等なトポロジー(幾何位相)を有する形態を持つ分子を指す。ミモトープは、所望の抗原に免疫特異的に結合する抗体の同じ抗原結合領域に結合する。ミモトープは、その模倣体である抗原に反応性を有するホスト中に免疫原的応答を引き出すであろう。ミモトープはまた、エピトープおよび該エピトープに結合する抗体を含むインビトロ阻害アッセイ(例えば、ELISA阻害アッセイ)においては、それが模倣体であるエピトープに対する競合物としても作用し得る。しかしながら、本発明のミモトープは、それが哺乳類に投与されたときに特定の免疫応答を誘発することが可能ではあるが、インビトロアッセイでは、それが模倣しているエピトープの結合を必ずしも阻害または競合しないかも知れない。
【0023】
本明細書で使われる様に、用語「エピトープ」は、特定の抗体分子によって認識される抗原の免疫原性領域を指す。一般的に、抗原は1つ以上のエピトープを有するであろうし、それぞれのエピトープは特定のエピトープを認識する抗体を結合することが可能である。
【0024】
本発明のミモトープは当業者によく知られた化学的合成方法によって、単離されたペプチドとしてか、または他のペプチドもしくはポリペプチドの一部として、合成的に製造することができる。それに代えて、ペプチドミモトープはそれを産生することができる微生物中で製造することができ、それは次に単離され、もし所望なら更に精製される。ペプチドミモトープは、細菌、酵母または真菌のような微生物中で、哺乳類または昆虫細胞の様な真核細胞中で、またはアデノウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、セムリキ森林熱ウイルス、バキュロウイルス、バクテリオファージ、シンドビスウイルスまたはセンダイウイルスの様な組み替えウイルスベクター中で製造することができる。ペプチドミモトープを製造するために適切な細菌は、大腸菌、枯草菌またはペプチドミモトープの様なペプチドを発現することのできる他の如何なる細菌をも含む。ペプチドミモトープを発現する適切な酵母型は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、カンジダ、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)またはペプチドを発現することのできる他の如何なる酵母を含む。対応する方法は当分野ではよく知られている。組み替え的に製造されたペプチドの単離および精製方法もまた当分野ではよく知られており、例えば、ゲルろ過、アフィニティクロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ等を含む。
【0025】
ペプチドミモトープの単離を促進するために融合ポリペプチドが作られてよく、そこではペプチドミモトープが、アフィニティクロマトグラフィでの単離を可能にする非相同なポリペプチドに翻訳的に融合される(共有結合される)。典型的な非相同のポリペプチドはHis-タグ(例えば、His6;6ヒスチジン残基)、GST-タグ(グルタチオン-S-転移酵素)等である。融合ポリペプチドはミモトープの精製を促進するのみならず、ミモトープポリペプチドが精製中に分解することを防ぐこともできる。もし精製後に非相同のペプチドを除去することが望ましいなら、融合ポリペプチドは、ペプチドミモトープと非相同のポリペプチドとの間の接合部に開裂サイトを含有してよい。開裂サイトはそのサイトのアミノ酸配列に特異的な酵素(例えば、蛋白質分解酵素)で開裂されるアミノ酸配列から成る。
【0026】
本発明の好ましい実施態様によれば、X2 はリジン(K)およびアルギニン(R)から成る群から選択されるアミノ酸残基であり、および/またはX6 はアラニン(A)である。
【0027】
本発明の特に好ましい実施態様によれば、ペプチドまたはポリペプチドは、以下から成る群:(X1)nKNDEGAP(X7)m、(X1)nANEEGAP(X7)m、(X1)nKAEEGAP(X7)m、(X1)nKNAEGAP(X7)m、(X1)nRNEEGAP(X7)m、(X1)nHNEEGAP(X7)m、(X1)nKNEDGAP(X7)m、(X1)nKQEEGAP(X7)m、(X1)nKSEEGAP(X7)m、(X1)nKNDDGAP(X7)m、(X1)nRNDEGAP(X7)m、(X1)nRNEDGAP(X7)m、(X1)nRQEEGAP(X7)m、(X1)nRSEEGAP(X7)m、(X1)nANDEGAP(X7)m、(X1)nANEDGAP(X7)m、(X1)nHSEEGAP(X7)m、(X1)nASEEGAP(X7)m、(X1)nHNEDGAP(X7)m、(X1)nHNDEGAP(X7)m、(X1)nRNAEGAP(X7)m、(X1)nHNAEGAP(X7)m、(X1)nKSAEGAP(X7)m、(X1)nKSDEGAP(X7)m、(X1)nKSEDGAP(X7)m、(X1)nRQDEGAP(X7)m、(X1)nRQEDGAP(X7)m、(X1)nHSAEGAP(X7)m、(X1)nRSAEGAP(X7)m、(X1)nRSDEGAP(X7)m、(X1)nRSEDGAP(X7)m、(X1)nHSDEGAP(X7)m、(X1)nHSEDGAP(X7)m、(X1)nRQDDGAP(X7)m、好ましくは、(X1)nKNDEGAP(X2)m、(X1)nRNEEGAP(X2)m、(X1)nRNDEGAP(X2)m、(X1)nKNAEGAP(X2)m、(X1)nKSDEGAP(X2)m、(X1)nRNAEGAP(X2)m又は(X1)nRSEEGAP(X2)mから成る群、から選択されたアミノ酸配列を含んで成る。
【0028】
式Iによるペプチドおよびポリペプチドがシヌクレイノパチーの治療および予防に使用できるのみならず他のペプチドおよびポリペプチドも使用できることが分かった。従って、本発明の他の側面は、以下から成る群:(X1)nKNEAGAP(X7)m、(X1)nKNEEAAP(X7)m、(X1)nKNEEGAA(X7)m、(X1)nKPSFKNE(X7)m、(X1)nQPSFAME(X7)m、(X1)nSPSFKQE(X7)m、(X1)nTPSWKGE(X7)m、(X1)nDPSFALE(X7)m、(X1)nLPSFRLE(X7)m、(X1)nEPNSRMD(X7)m、(X1)nQPSSKLD(X7)m、(X1)nHIHQSKFFDAPP(X7)m、(X1)nQASFAME(X7)m、(X1)nTASWKGE(X7)m、(X1)nQASSKLD(X7)m、(X1)nQPAFAME(X7)m、(X1)nTPAWKGE(X7)m、(X1)nQPASKLD(X7)m、(X1)nQPSFAMA(X7)m、(X1)nTPSWKGA(X7)m、(X1)nQPSSKLA(X7)m、(X1)nAPSWKGE(X7)m、(X1)nTPSAKGE(X7)m、(X1)nTPSWAGE(X7)m、(X1)nTPSWKAE(X7)m、(X1)nTPSWKGE(X7)m、特に、(X1)nQASFAME(X7)m、(X1)nTASWKGE(X7)m、(X1)nQASSKLD(X7)m、(X1)nTPAWKGE(X7)m、(X1)nTPSWAGE(X7)m、(X1)nTPSWKGE(X7)mから成る群、から選択された少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドに関し、
ここで、
X1はいかなるアミノ酸残基でよく、
X7はいかなるアミノ酸残基でよく、
nおよびmは、独立に、0または0より大きな整数であり、
前記少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドは、アミノ酸配列KNEEGAPを含んで成るアルファシヌクレインのエピトープに特異的な抗体への結合能力を有しており、
該ペプチドまたはポリペプチドのシヌクレイノパチーの予防および/または治療における使用、特にそのための薬物の製造に関する。
【0029】
本発明のペプチドおよびポリペプチドはまた、該位置にシステイン残基がそこに結合できるようにそのNおよび/またはC末端で又はその近辺で修飾することもできる。好ましい実施態様において、末端に位置した(ペプチドのNおよびC末端に配置された)システイン残基は、該分子をKLHの様な担体分子と架橋させるために又はジスルフィド結合を通じてペプチドを環化させるために用いられる。従って、nおよび/またはmは、好ましくは1であり、X1および/またはX7は、好ましくはシステイン(C)である。
【0030】
本発明のミモトープは多様なアッセイおよびキットに、特に、免疫学的アッセイおよびキットにも用いることができる。従って本発明のペプチドおよびポリペプチドが他のペプチドまたはポリペプチドの一部、特に免疫学的アッセイにおいてレポーターとして用いられる酵素の一部であることが特に好ましい。その様なレポーター酵素は、例えば塩基性リン酸化酵素またはセイヨウワサビ過酸化酵素を含む。
【0031】
本発明によるアルファシヌクレイン・ミモトープは好ましくは、アミノ酸配列においてアルファシヌクレインまたはアルファシヌクレイン断片のアミノ酸配列と異なる抗原性ポリペプチドである。この点に関して、本発明のミモトープは1以上の天然アミノ酸残基のアミノ酸置換を含んで成るのみならず、1以上の非天然型アミノ酸(即ち、20の「古典的」アミノ酸からでない)のアミノ酸置換を含んでよく、または該ミモトープはその様な非天然型アミノ酸で完全に組み立てられていてよい。さらには、抗アルファシヌクレイン抗体を誘発する本発明の抗原は、DまたはLアミノ酸の集合体、またはDLアミノ酸の組合せの集合体であってよく、随意にそれらは、更なる修飾、閉環または誘導体化によって変化されてよい。適切な抗アルファシヌクレイン抗体誘発性抗原は商業的に入手可能なペプチドライブラリーから入手してもよい。好ましくは、これらのペプチドは少なくとも7アミノ酸であり、好ましい長さは16まで、好ましくは14まで、または20アミノ酸残基(例えば、7または8から20まで、7または8から16まで等)であってよい。かくして、本発明のペプチドまたはポリペプチドは、7から30、好ましくは7から20、より好ましくは7から16、最も好ましくは8、のアミノ酸残基を含んで成る。本発明によれば、しかしながら、より長いペプチドもまた、抗アルファ-シヌクレイン抗体誘発性の抗原として極めてよく採用されてよい。さらに、本発明のミモトープはポリペプチドの一部であってよく、従ってそのN及び/又はC末端において少なくとも1つの更なるアミノ酸残基を含んで成る。
【0032】
アルファシヌクレイン・ミモトープ(即ち、抗アルファシヌクレイン抗体誘発性抗原)の調製にとって、勿論、ファージライブラリー、ペプチドライブラリーもまた適切であり、例えば、コンビナトリアルケミストリーの方法によって製造されたライブラリー、又は最も変化に富んだ構造に対するハイスループットスクリーニング技法によって得られたライブラリーがある(Carlos F. Barbas (Editor)らによる「ディスプレイ: 実験室マニュアル」;「Willats WGファージディスプレイ: 実用性および展望」 Plant Mol. Biol. 2002 Dec.;50(6):837-54)。
【0033】
さらに本発明によれば、核酸に基づく抗アルファシヌクレイン抗体誘発性抗原(「アプタマー」)もまた採用できて、これらもまた、最も変化に富む(オリゴヌクレオチド)ライブラリー(例えば、 with 2〜180核酸残基をもった)で見出され得る(例えば、Burgstallerら、Curr. Opin. Drug Discov. Dev. 5(5) (2002), 690-700;Famulokら、Acc. Chem. Res. 33 (2000)、591-599;Mayerら、PNAS 98 (2001)、4961-4965、等)。核酸に基づく抗アルファシヌクレイン抗体誘因性抗原において、核酸主鎖は、例えば天然のリン酸ジエステル化合物によって、またはリン酸チオエートまたは組合せ又は化学的変種(例えば、PNAとして)によっても与えられ、ここで塩基として、本発明によれば、第一にU、T、A、C、G、HおよびmCが採用し得る。本発明に従って好ましく用いることのできるヌクレオチドの2’残基はH、OH、F、Cl、NH2、O-メチル、O-エチル、O-プロピルまたはO-ブチルであり、ここで核酸はまた別に修飾されてよく、例えば、オリゴヌクレオチド合成でよく採用される様に保護基で修飾されてよい。かくして、アプタマーに基づく抗アルファシヌクレイン抗体誘発性抗原もまた、本発明の範囲の好ましい抗アルファシヌクレイン抗体誘発性抗原である。
【0034】
本発明によれば、用語「シヌクレイノパチー」は病理学的なシヌクレイン凝集で特徴付けられる全ての神経変性疾患を含む。パーキンソン病(PD)、レヴィ小体病(LBD)、びまん性レヴィ小体病(DLBD)、レヴィ小体型認知症(DLB)、認知症を伴ったパーキンソン症候群(PDD)、多系統萎縮症(MSA)および鉄の沈着を伴う神経変性症タイプI (NBIAタイプI)を含む幾つかの神経変性疾患が集合的にシヌクレイノパチーとしてグループ化される。
【0035】
本発明によるペプチドおよびポリペプチドは、シヌクレイノパチーの治療用のみならず、シヌクレイノパチーを発達させるリスクを持った個体(例えば、シヌクレイノパチーを発達させ易い、例えば、遺伝子的に発達させ易い個体)中の該疾患を予防するためにも採用することができる。
【0036】
本発明中に開示されたアミノ酸残基の略語はIUPAC命名法勧告に従う:
【表1】

【0037】
本発明のペプチドおよびポリペプチドはまた7から30のアミノ酸残基を含んで成るポリペプチドの部分であってもよい。従って、nおよびmは独立に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20および25の群から選択された整数であってよい。
【0038】
本発明による少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドはアミノ酸配列 (X1)nX2X3X4X5GX6P(X7)m から成ってよく、ここで、nおよびmは独立に0または1であり、または、少なくとも7アミノ酸残基、好ましくは少なくとも10アミノ酸残基、より好ましくは少なくとも15アミノ酸残基、および/または最大50アミノ酸残基、好ましくは最大30アミノ酸残基、より好ましくは16アミノ酸残基を含んで成るポリペプチドの部分である。
【0039】
驚くべき事には、上で列記されたアミノ酸配列を含んで成る又は該配列から成る本発明による化合物はシヌクレイノパチーを治療し又は予防するために用いられる薬物の製造用に特に適していることが判明した。これらのペプチド(ミモトープ)はアミノ酸配列KNEEGAPを含んで成るヒト・アルファシヌクレインの最初のエピトープに対する、およびヒト・アルファシヌクレイン蛋白質自体に対する、抗体のインビボ生成を誘発することができる。該ペプチド(ミモトープ)は、しかしながら、ヒト・ベータシヌクレイン蛋白質に対する免疫反応性を誘発することができない。ペプチドで誘発された抗体はアルファシヌクレイン(アルファシヌクレイン凝集体、レヴィ小体の生成に含まれる)の除去に対して、および/または個体中のアルファシヌクレイン凝集体(レヴィ体)の分解に対して関与する。
【0040】
本発明のペプチドおよびポリペプチドは薬物、特にワクチンの調製用に用いることができて、該ワクチンはアルファシヌクレイノパチーの治療に用いることができ、ここで、薬物は特に、パーキンソン病(PD)、レヴィ小体病 (LBD)、びまん性レヴィ小体病(DLBD)、レヴィ小体病を伴った認知症(DLB)、認知症を伴ったパーキンソン症候群(PDD)、多系統萎縮症(MSA)および鉄の沈着を伴う神経変性症タイプI (NBIAタイプ I)から成る群から選択されたシヌクレイノパチーを治療するために適している。
【0041】
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドが薬学的に許容し得る担体と共役しており、担体として好ましくは、KLH(スカシガイヘモシアニン(Keyhole Limpet Hemocyanin))、破傷風(tetanus)トキソイド、アルブミン結合性蛋白質、ウシ(bovine)血清アルブミン、デンドリマー(MAP;Biol. Chem. 358: 581)、ペプチドリンカー(またはフランキング(franking)領域)、および同様に、Singhら、Nat. Biotech. 17 (1999)、1075-1081(特に、その文献の表1の物質)、およびO'Haganら、Nature Reviews、Drug Discovery 2 (9) (2003)、727-735(特に、そこに記載された内因性の免疫強化性化合物および送達システム)に記載されたアジュバント物質、並びに他の物質またはそれらの混合物である。共役化学(例えば、GMBSの様なヘテロ2官能性化合物および勿論「Bioconjugate Techniques」、 Greg T. Hermanson、に記載された様な他の化合物経由の共役化学)はこの文脈に於いて当業者に知られた反応から選択することができる。さらに、ワクチン組成物がアジュバントで、好ましくは低溶解性アルミニウム組成物で、特に水酸化アルミニウムで、形成されてよい。勿論、MF59リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、サイトカイン(例えばIL-2、IL-12、GM-CSF)、サポニン(例えば、QS21)、MDP誘導体、CpGオリゴマー、IC31、LPS、MPL、ポリホスファゼン、エマルジョン(例えば、Freund’s、SAF)、リポソーム、ウイロゾーム(virosomes)、イスコム(iscoms)、コヒレート(cochleates)、PLGマイクロ粒子、ポロキサマー粒子、ウイルス様粒子、熱不安定エンテロトキシン(LT)、コレラ毒素(CT)、変異トキシン(例えば、LTK63およびLTR72)、マイクロ粒子及び/又は重合したリポソームなどのアジュバントもまた用いることができる。
【0042】
本発明のペプチドまたはポリペプチドは好ましくは担体又はアジュバントにリンカーを通して結合しており、リンカーはNHS-ポリ(エチレンオキシド)(PEO)(例えば、NHS-PEO4-マレイイミド)から成る群から選択される。
【0043】
本発明の化合物(ミモトープ)および薬学的に許容される担体を含んで成るワクチンは、適用のための如何なる方式で、例えば、i.d.、i.p.、i.m.、経鼻、口腔経由、経皮等、および如何なる適切な送達器具で、投与されてもよい(O'Haganら、Nature Reviews, ドラッグデリバリー 2 (9)、(2003)、727-735)。本発明の化合物は好ましくは、経皮、皮膚内または筋肉内投与用に製剤される(例えば、「医薬製造処方ハンドブック」、Sarfaraz Niazi、CRC Press Inc、2004を参照)。
【0044】
典型的には、ワクチンは本発明による化合物を0.1 ng〜10 mg、好ましくは10 ng〜1 mg、特に100 ng〜100μg、または、それに代えて、例えば、100 fmol〜10μmol、好ましくは10 pmol〜1μmol、特に100 pmol〜100 nmolの量で含む。典型的には、ワクチンはまた補助剤を含んでよく、例えば、緩衝剤、安定剤等である。好ましくは、その様な補助剤、例えば薬学的に許容し得る賦形剤、例えば、水、緩衝剤および/または安定剤は、1〜99 %(重量)、より好ましくは5〜80%(重量)、特に10〜70 %(重量)の量で含まれる。可能な投与レジメは、他のワクチン類について既に示唆されている他のレジメの他に、約1〜12月に亘って1週間単位、隔週単位、4週間(1月)単位または隔月単位の治療を含む;しかしながら、また、2〜5、特に3〜4回の初期ワクチン投与(1又は2月中に)に引き続いて、その後6〜12ヶ月後、またはその後数年後の補充ワクチン接種も好ましい。本発明の他の側面は、以下から成る群:(X1)nKNDEGAP(X7)m、(X1)nANEEGAP(X7)m、(X1)nKAEEGAP(X7)m、(X1)nKNAEGAP(X7)m、(X1)nKNEAGAP(X7)m、(X1)nKNEEAAP(X7)m、(X1)nKNEEGAA(X7)m、(X1)nRNEEGAP(X7)m、(X1)nHNEEGAP(X7)m、(X1)nKNEDGAP(X7)m、(X1)nKQEEGAP(X7)m、(X1)nKSEEGAP(X7)m、(X1)nKNDDGAP(X7)m、(X1)nKPSFKNE(X7)m、(X1)nQPSFAME(X7)m、(X1)nSPSFKQE(X7)m、(X1)nTPSWKGE(X7)m、(X1)nDPSFALE(X7)m、(X1)nLPSFRLE(X7)m、(X1)nEPNSRMD(X7)m、(X1)nQPSSKLD(X7)m、(X1)nHIHQSKFFDAPP(X7)m、(X1)nQASFAME(X7)m、(X1)nTASWKGE(X7)m、(X1)nQASSKLD(X7)m、(X1)nQPAFAME(X7)m、(X1)nTPAWKGE(X7)m、(X1)nQPASKLD(X7)m、(X1)nQPSFAMA(X7)m、(X1)nTPSWKGA(X7)m、(X1)nQPSSKLA(X7)m、(X1)nAPSWKGE(X7)m、(X1)nTPSAKGE(X7)m、(X1)nTPSWAGE(X7)m、(X1)nTPSWKAE(X7)m、(X1)nTPSWKGE(X7)m、(X1)nRNDEGAP(X7)m、(X1)nRNEDGAP(X7)m、(X1)nRQEEGAP(X7)m、(X1)nRSEEGAP(X7)m、(X1)nANDEGAP(X7)m、(X1)nANEDGAP(X7)m、(X1)nHSEEGAP(X7)m、(X1)nASEEGAP(X7)m、(X1)nHNEDGAP(X7)m、(X1)nHNDEGAP(X7)m、(X1)nRNAEGAP(X7)m、(X1)nHNAEGAP(X7)m、(X1)nKSAEGAP(X7)m、(X1)nKSDEGAP(X7)m、(X1)nKSEDGAP(X7)m、(X1)nRQDEGAP(X7)m、(X1)nRQEDGAP(X7)m、(X1)nHSAEGAP(X7)m、(X1)nRSAEGAP(X7)m、(X1)nRSDEGAP(X7)m、(X1)nRSEDGAP(X7)m、(X1)nHSDEGAP(X7)m、(X1)nHSEDGAP(X7)m及び(X1)nRQDDGAP(X7)m、から選択されたアミノ酸配列を有するペプチドに関し、特に、以下から成る群:(X1)nKNDEGAP(X7)m、(X1)nANEEGAP(X7)m、(X1)nKAEEGAP(X7)m、(X1)nKNAEGAP(X7)m、(X1)nRNEEGAP(X7)m、(X1)nHNEEGAP(X7)m、(X1)nKNEDGAP(X7)m、(X1)nKQEEGAP(X7)m、(X1)nKSEEGAP(X7)m、(X1)nKNDDGAP(X7)m、(X1)nQASFAME(X7)m、(X1)nTASWKGE(X7)m、(X1)nQASSKLD(X7)m、(X1)nTPAWKGE(X7)m、(X1)nTPSWAGE(X7)m、(X1)nTPSWKGE(X7)m、(X1)nRNDEGAP(X7)m、(X1)nRNEDGAP(X7)m、(X1)nRQEEGAP(X7)m、(X1)nRSEEGAP(X7)m、(X1)nANDEGAP(X7)m、(X1)nANEDGAP(X7)m、(X1)nHSEEGAP(X7)m、(X1)nASEEGAP(X7)m、(X1)nHNEDGAP(X7)m、(X1)nHNDEGAP(X7)m、(X1)nRNAEGAP(X7)m、(X1)nHNAEGAP(X7)m、(X1)nKSAEGAP(X7)m、(X1)nKSDEGAP(X7)m、(X1)nKSEDGAP(X7)m、(X1)nRQDEGAP(X7)m、(X1)nRQEDGAP(X7)m、(X1)nHSAEGAP(X7)m、(X1)nRSAEGAP(X7)m、(X1)nRSDEGAP(X7)m、(X1)nRSEDGAP(X7)m、(X1)nHSDEGAP(X7)m、(X1)nHSEDGAP(X7)mおよび(X1)nRQDDGAP(X7)m、から選択されたアミノ酸配列を有するペプチドに関し、ここで、X1 およびX7 はシステインであり、nおよびmは独立に0または1である。
【0045】
本発明の好ましい実施態様によれば、ペプチドは薬学的に許容される担体、好ましくはKLH(スカシガイヘモシアニン)に共役(結合)している。
【0046】
本発明による薬学的製剤は、例えば、皮下、皮膚内及び/又は筋肉内投与用のワクチンとして製剤することができて、如何なる種類のシヌクレイノパチーの治療にも用いられ得る。
【0047】
本発明はさらに以下の図および実施例で説明されるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
図1は、アルファシヌクレイン(140aa;スイスプロット番号(swiss prot entry): P37840)の完全長配列ならびに完全長アルファシヌクレインと同様にそのC末端切断および修飾型の検出のためのモノクロナール抗体の創製に用いられた配列を示す。モノクロナール抗体の発生に用いられた100〜109位置のペプチドは下線で示した。ペプチド(p4453)はC末端位置のCに共役(結合)させた。
【0049】
図2は、ヒト・アルファシヌクレインの100〜109位に対して発生させた特異的モノクロナール抗体を用いたELISAによるアルファシヌクレインの検出を示す。モノクロナール抗体12-9-9を発生させ、シヌクレインに対するその特異性をELISA中で試験した。アルファシヌクレイン(p4446)およびp4453ヒト・エピトープを検出した。ネガティブコントロール(陰性対照)蛋白質p4447(ベータシヌクレイン)は検出されなかった。
【0050】
図3は、ELISAによるモノクロナール抗体12-9-9の最小エピトープの定義を示す。
【0051】
ペプチドp4446(アルファシヌクレイン)、p4453(試験した抗体を発生させるのに用いたヒト・エピトープ)は抗体で検出される。オリジナルのエピトープp4453はN又はC末端で切断されてELISAとして用いて、特異的結合に要求される最小のエピトープを特定した。ペプチp5399およびp5403はモノクロナール抗体12-9-9への結合を失った。かくして、12-9-9の結合に要求される最小の配列が、アルファシヌクレインの102〜108位に局在したKNEEGAPであると予言され、一方、フランキングアミノ酸の1つの切断は結合を放棄した。データを線形スケールで示した。
【0052】
図4は、ヒト・アルファ-シヌクレインの100〜109位に対する特異的モノクロナールを用いたELISAによるエピトープおよびミモトープの検出を示す。アルファシヌクレインもペプチドp5436(ヒト最小エピトープ)およびミモトープp5439も、モノクロナール抗体12-9-9によって同様に検出される。ミモトープp5440は検出されず、一方、ミモトープp5444はモノクロナール抗体12-9-9によってヒト・エピトープよりも非常に微弱に検出される。
【0053】
図5は、ペプチド免疫(または、免疫化:immunization)後のアルファシヌクレインに対する免疫応答の誘発を示す。免疫されたマウス(p5436〜p5590)の血清は3回のワクチン接種後にアルファシヌクレインに対する力価(または、滴定量)を示す。免疫されたマウス(p5463〜p5466)の血清はアルファシヌクレインを検出しない(ELISA中で測定された力価は凡そ1:50 最大半量(half-max)またはそれ未満である)。免疫原性のクラス(または、等級)は以下の通り決定された:クラス2:OD最大半量が1:1000より高い免疫応答を含むペプチド。クラス1:OD最大半量が1000および51の間の免疫応答を含むペプチド。クラス0:免疫応答を全く示さないか、またはOD最大半量が凡そ50またはそれより低い極めて小さな免疫応答をもったペプチド。
【0054】
<実施例>
シヌクレイノパチーの治療および/または予防に使用されるペプチドおよびポリペプチドを特定するために抗体を用いた。抗体はヒト・アルファシヌクレインから誘導されたアミノ酸配列LGKNEEGAPQ(=オリジナルのエピトープ、SEQ ID No. 3、p4453)および完全長ヒト・アルファシヌクレイン(SEQ ID No. 1、p4446)の検出が可能である。抗体は、ヒト・ベータシヌクレイン(SEQ ID No. 2、p4447;受託番号 Q16143: mdvfmkglsm akegvvaaae ktkqgvteaa ektkegvlyv gsktregvvq gvasvaektk eqashlggav fsgagniaaa tglvkreefp tdlkpeevaq eaaeepliep lmepegesye dppqeeyqey epea)を認識しない。抗体はモノクロナールまたはポリクロナール抗体製剤またはそれらの如何なる抗体部分または誘導体であってよく、特異的にヒト・アルファシヌクレインのLGKNEEGAPQエピトープに結合する、即ち、その抗体はペプチドおよび完全長蛋白質に結合するが、ヒト・ベータシヌクレインには結合しない。ミモトープはその様なモノクロナール抗体(ヒト・アルファシヌクレイン蛋白質のアミノ酸100〜109内の配列を検出する)およびペプチドライブラリーで特定され、さらに特徴付けされる。
【0055】
実施例1:オリジナルのヒト・アルファシヌクレイン・エピトープLGKNEEGAPQC SEQ ID No. 3、p4453およびヒト・アルファシヌクレインを特異的に検出するが、ヒト・ベータシヌクレインは検出しないモノクロナール抗体の発生
【0056】
融合体「AFFiRiS 6」から誘導されたモノクロナール抗体:
Balb/c マウス (Charles River)を、アジュバントとしてのBTG (ウシ・サイログロブリン)およびCFA(完全フロイントアジュバント;初回注射)と同様にIFA(不完全フロイントアジュバント;3回追加免疫注射)とも共役したオリジナルのアルファシヌクレイン・エピトープLGKNEEGAPQ-Cで免疫した。LGKNEEGAPQペプチド特異的な抗体産生ハイブリドーマをELISA(LGKNEEGAPQCペプチド塗布ELISAプレート)で検出した。ヒト・アルファシヌクレイン(組み替え蛋白質、p4446)を陽性対照(positive control)ペプチドとして用いる:ELISAプレート上に固定化した組み替え蛋白質を認識するハイブリドーマを含める、なぜなら、それはペプチドも完全長アルファシヌクレインも共に特異的に結合するからである:ヒト・ベータシヌクレイン(組み替え蛋白質、p4447)は陰性対照(negative control)ペプチドとして用いる:ELISAプレート上に固定化された両方の組み替え蛋白質を認識するハイブリドーマは除外した、なぜなら、それらは2つの異なるシヌクレイン蛋白質の間を識別しないからである。ハイブリドーマクローン(12-9-9;IgG1、カッパ)を、天然ヒト・アルファシヌクレイン・エピトープLGKNEEGAPQの特異的検出のために解析した。12-9-9は、注射されたエピトープもELISA中の完全長アルファシヌクレイン蛋白質(組み替え蛋白質;rペプチドから得られた、Bogart、GA、USA)も同様に認識する(図2参照)。それは、しかしながら、ELISA中のベータ-シヌクレイン蛋白質(組み替え蛋白質;rペプチドから得られた、Bogart、GA、USA)を検出しない(図2を参照)。引き続いて、抗体を結合するために必要とされる末端エピトープを、ペプチドp4446、p4453、p5397、p5398、p5399、p5400、p5401、p5402、p5403、p5404、p5405、p5406(図3を参照)およびp5436(図4を参照)を用いてELISAで特定した。p4446、p4453、p5397、p5398およびp5402もp5436も同様に完全な結合能力を保持したが、一方、p5399、p5400、p5401、p5403、p5404、p5405およびp5406は12-9-9への結合を失った。かくして、結合に必要とされる末端エピトープはKNEEGAPであると特定された。
【0057】
実施例2:ファージディスプレイ、インビトロ結合および阻害ELISA
この実験で用いたファージディスプレイ・ライブラリーは:Ph.D. 7:New England BioLabs E8102L(鎖状7量体ライブラリー)、Ph.D. 12:New England BioLabs E8111L(鎖状12量体ライブラリー)およびPh.D. C7C:New England BioLabs E8120L(ジスルフィド拘束ヘプタペプチドライブラリー)であった。ファージディスプレイは製造者プロトコール(www.neb.com)に従って行った。引き続く2または3回のパニング(panning)後に単一ファージクローンをピックアップし、ファージ上澄み液をパニング操作に用いた抗体を塗布したプレート上でELISAに付した。このELISAで陽性(ターゲットに対しては強いシグナルなるも、非特定対照に対しては無シグナル)を示したファージクローンの配列を決定した。DNA配列からペプチド配列を推定した。これらのペプチドを合成し、結合および阻害ELISAを特徴づけた。幾つかのペプチドに対して付加的なAAをC末端に取り付けた。加えて、スクリーン(screen)中で特定されたミモトープからの配列情報を組み合わせて、幾つかの新規なミモトープを創造した。新たにデザインしたミモトープを含む双方の群を、ミモトープワクチン接種に対するコンセンサス配列の特定をサポートするために用いた。
【0058】
1. インビトロ結合アッセイ(ELISA)
ファージディスプレイから誘導されたペプチド及びそのN末端切断変異体も同様にBSAに共役させ、ELISAプレートに結合させ(1μM)、次いで、スクリーニング操作で用いたモノクロナール抗体と一緒に培養して、特定されたペプチドの結合能力を分析した(図4参照)。
【0059】
2. インビトロ阻害アッセイ(ELISA)
ファージディスプレイから誘導された異なる量のペプチド(濃度は400μg/ml〜3μg/mlに亘る(連続希釈))を、スクリーニング操作に用いたモノクロナール抗体と一緒に培養した。ELISAプレート上に塗布されたオリジナルのヒト・アルファシヌクレイン・エピトープ(p5436)およびヒト・アルファ-シヌクレイン蛋白質(p4446)に対する抗体結合が培養後に減少するペプチドは、このアッセイに於いて、阻害的であると考えられた。
【0060】
実施例3:ミモトープのインビボ試験:免疫原性の分析
1. ミモトープのインビボ試験
阻害性ペプチドも非阻害性ペプチドも同じ様にKLHに共役(結合)させて、適切なアジュバント(水酸化アルミニウム)と一緒にマウスに注射した(野生型C57/Bl6またはBalbCマウス;
脇腹中への皮下注射)。動物を隔週の間隔で3回ワクチン接種し、血清を同様に隔週毎に採取した。注射されたペプチドへの力価(または、滴定値)も無関係なペプチドに対する力価と同じ様に血清毎に決定した。組み替えヒト・アルファシヌクレイン蛋白質および組み替えヒト・ベータシヌクレインに対する力価を、それぞれ血清2から始めて決定した。一般的に、ELISAプレート上に固定化したウシ血清アルブミン(BSA)および組み替え完全長蛋白質と共役したペプチドに対する反応によって、血清を分析した。力価は、抗マウスIgG特異的抗体を用いて決定した。注射されたペプチドおよびアルファシヌクレインに対する免疫原性の例として、表5および表6を参照のこと。
【0061】
2. 結果
2.1. アルファシヌクレイン特異的Mabの特定:図2は、融合体Affiris 6から誘導されたアルファシヌクレイン特異的モノクロナール抗体12-9-9(IgG1、カッパ)の特徴付けを描写する。
2.2. アルファシヌクレイン特異的ミモトープのスクリーニング:
2.2.1. ファージディスプレイ PhD 7、PhD12およびPhD C7Cおよび変異性スクリーン(Screen)
【0062】
2.2.1.1. 抗LGKNEEGAPQに向けてのモノクロナール抗体でのスクリーニング
PhD 7、PhD12およびPhD C7Cファージディスプレイ・ライブラリーのスクリーニングおよび単一アミノ酸の選択的置換によって、60配列の全てを特定した(表1;ID18-77参照)。
【0063】
表1は使用した全てのペプチドを示す。
【表2】

【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
表2は、オリジナルのエピトープに比べた、ペプチドおよびその結合能力の例を示す。
【0067】
【表5】

【0068】
【表6】

【0069】
【表7】

【0070】
表2:モノクロナール抗体12-9-9に結合しているアルファシヌクレイン・エピおよびミモトープの例
結合能力は以下の記号で表記した:
0:ELISA中で検出可能な12-9-9への何の結合も無し
1:弱い結合:最小のオリジナル配列 p5436に比べて、より弱いミモトープの結合
2:強い結合:最小のオリジナル配列 p5436と同程度のミモトープの結合
【0071】
2.3. 抗アルファシヌクレインに向けたモノクロナール抗体でのスクリーン(ファージディスプレイおよびペプチドスクリーニング)で特定されたミモトープのインビトロ特性付け:
図2および3は、インビボでミモトープを特性付けするために用いた結合および阻害アッセイに対する代表例を示す。得られたデータを表2および3にそれぞれ要約した。
【0072】
【表8】

【0073】
表3:阻害アッセイにおいて陽性結果を与えた本発明で特定されたアルファ-シヌクレイン・ミモトープ
表3の説明:競合能力は以下の記号で表記した:
0:ELISA中で検出可能な12-9-9の何の競合も無し
1:弱い競合:最小のオリジナル配列p5436と比べて、より弱いミモトープの競合
2:強い競合:最小のオリジナル配列p5436と同程度のミモトープの競合
【0074】
【表9】

【0075】
2.4. 抗アルファシヌクレインに向けたモノクロナール抗体でのファージディスプレイ・ライブラリーのスクリーニングにおいて特定された、ミモトープのインビトロ特性付け:
雌C57/Bl6マウスまたはBalbCマウス、群当たり5〜6マウス、をKLHと共役した30μgのペプチドで皮下免疫した。対照群にPBSまたはオリジナルエピトープを注射した。アジュバントとしてミョウバンを用いた。投与したペプチドは全てヒト・アルファシヌクレインのaa100〜109に特異的に結合しているモノクロナール抗体に結合することができたが、一方、幾つかのペプチドはオリジナルエピトープの、その親抗体への結合をインビトロにおいて弱くしか阻害しなかった(インビトロ阻害アッセイにおいて)。抗体力価を決定するためのインビトロELISAアッセイは2週間間隔の各ワクチン接種後に、一匹のマウスの血清で実施した(表5参照)。ELISAのプレートウエルをミモトープ-BSA共役体でコーティングした。親抗体をそれぞれのミモトープ-BSA共役体と反応させて、陽性対照実験を実施した。検出は抗マウスIgGで実施した。加えて、組み替え蛋白質をELISAプレート上に固定化し、引き続き血清を反応させた。C57/Bl6マウス又はBalbCマウス中で試験した全てのミモトープにとって、注射した個々のペプチドに反応した抗体は、繰り返しワクチン接種の後に検出することができた。しかしながら、全てのマウスがアルファシヌクレインに対する高い力価を誘発した訳ではない(例えば、表5を参照)。
【0076】
表5:免疫応答の誘発は注射したペプチド(p4446)に対する力価で示される。力価はELISAで測定し、OD 最大半量(halfmax)として示した。
【表10】

【0077】
表6:aシンに対するミモトープの免疫原性のクラス(または、等級)
【表11】

【0078】
免疫原性のクラス(または、等級):
ペプチドを、免疫応答を誘発するその能力に従ってランク付けした。
2:1000より高いOD最大半量(halfmax)の免疫応答を誘発するペプチド。
1:1000および51の間のOD最大半量の免疫応答を誘発するペプチド1000。
0:何ら免疫応答を誘発しない又は凡そ50以下の非常に低いOD最大半量の免疫応答を誘発するペプチド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドを含んで成り、該ペプチドまたはポリペプチドは、アミノ酸配列:
(X1)nX2X3X4X5GX6P(X7)m (式 I)
を含んで成り、ここで
X1 は如何なるアミノ酸残基でよく、
X2 はリジン(K)、アルギニン(R)、アラニン(A)およびヒスチジン(H)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X3 はアスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、グリシン(G)およびアラニン(A)から、好ましくはアスパラギン(N)、セリン(S)、グリシン(G)およびアラニン(A)から、成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X4 はグルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)およびアラニン(A)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X5 はグルタミン酸(E)およびアスパラギン酸(D)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X6 はアラニン(A) およびチロシン(Y)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり、
X7 は如何なるアミノ酸残基でよく、
nおよびmは独立に、0 または0より大きい整数であり、
ここで、式Iのアミノ酸配列は、アミノ酸配列KNEEGAPを有するアルファ-シヌクレインの7量体ポリペプチド断片と同一でなく又は含有せず、
前記アルファシヌクレインのエピトープに特異的な抗体への結合能力を有する少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドはアミノ酸配列KNEEGAPを含んで成る、
シヌクレイノパチーの予防および/または治療用の組成物。
【請求項2】
X2 がリジン(K)およびアルギニン(R)から成る群から選択されたアミノ酸残基であり並びに/またはX6 がアラニン(A)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ペプチドまたはポリペプチドは、以下から成る群:
(X1)nKNDEGAP(X7)m、(X1)nANEEGAP(X7)m、(X1)nKAEEGAP(X7)m、(X1)nKNAEGAP(X7)m、(X1)nRNEEGAP(X7)m、(X1)nHNEEGAP(X7)m、(X1)nKNEDGAP(X7)m、(X1)nKQEEGAP(X7)m、(X1)nKSEEGAP(X7)m、(X1)nKNDDGAP(X7)m、(X1)nRNDEGAP(X7)m、(X1)nRNEDGAP(X7)m、(X1)nRQEEGAP(X7)m、(X1)nRSEEGAP(X7)m、(X1)nANDEGAP(X7)m、(X1)nANEDGAP(X7)m、(X1)nHSEEGAP(X7)m、(X1)nASEEGAP(X7)m、(X1)nHNEDGAP(X7)m、(X1)nHNDEGAP(X7)m、(X1)nRNAEGAP(X7)m、(X1)nHNAEGAP(X7)m、(X1)nKSAEGAP(X7)m、(X1)nKSDEGAP(X7)m、(X1)nKSEDGAP(X7)m、(X1)nRQDEGAP(X7)m、(X1)nRQEDGAP(X7)m、(X1)nHSAEGAP(X7)m、(X1)nRSAEGAP(X7)m、(X1)nRSDEGAP(X7)m、(X1)nRSEDGAP(X7)m、(X1)nHSDEGAP(X7)m、(X1)nHSEDGAP(X7)m、(X1)nRQDDGAP(X7)m、好ましくは、(X1)nKNDEGAP(X2)m、(X1)nRNEEGAP(X2)m、(X1)nRNDEGAP(X2)m、(X1)nKNAEGAP(X2)m、(X1)nKSDEGAP(X2)m、(X1)nRNAEGAP(X2)m or (X1)nRSEEGAP(X2)m、から成る群、から選択されたアミノ酸配列を含んで成ることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物であって、少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドを含んで成り、該ペプチドまたはポリペプチドは、(X1)nQASFAME(X7)m、(X1)nTASWKGE(X7)m、(X1)nQASSKLD(X7)m、(X1)nTPAWKGE(X7)m、(X1)nTPSWAGE(X7)m、(X1)nTPSWKGE(X7)mから成る群から選択されたアミノ酸配列を含んで成り、
ここで、
X1はいかなるアミノ酸残基でよく、
X7はいかなるアミノ酸残基でよく、
nおよびmは、独立に、0または0より大きな整数であり、
前記少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドは、アミノ酸配列KNEEGAPを含んで成るアルファシヌクレインのエピトープに特異的な抗体への結合能力を有している、
シヌクレイノパチーの予防および/または治療用の組成物。
【請求項5】
nおよび/またはmが1であり、X1 および/またはX7 がシステイン(C)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項6】
ペプチドまたはポリペプチドが、7〜30、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜16、最も好ましくは8、のアミノ酸残基を含んで成ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項7】
シヌクレイノパチーが、レヴィ小体病(LBDs)、好ましくはパーキンソン病(PD)、認知症(PDD)を伴ったパーキンソン病およびレヴィ小体病(DLB)を伴った認知症、同様に、多系統萎縮症(MSA)または鉄の沈着を伴う神経変性症タイプ I (NBIA タイプI)から成る群から選択される事を特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドが、薬学的に許容される担体、好ましくはKLH(スカシガイヘモシアニン)に共役していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドが、静脈内、皮下、皮膚内または筋肉内投与用に製剤されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドが、アジュバント、好ましくは水酸化アルミニウム、と一緒に製剤されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドが、薬物中に0.1 ng〜10 mg、好ましくは10 ng〜1 mg、特に100 ng〜100μgの量で含まれることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項12】
ペプチドであって、(X1)nKNDEGAP(X7)m、(X1)nANEEGAP(X7)m、(X1)nKAEEGAP(X7)m、(X1)nKNAEGAP(X7)m、(X1)nRNEEGAP(X7)m、(X1)nHNEEGAP(X7)m、(X1)nKNEDGAP(X7)m、(X1)nKQEEGAP(X7)m、(X1)nKSEEGAP(X7)m、(X1)nKNDDGAP(X7)m、(X1)nQASFAME(X7)m、(X1)nTASWKGE(X7)m、(X1)nQASSKLD(X7)m、(X1)nTPAWKGE(X7)m、(X1)nTPSWAGE(X7)m、(X1)nTPSWKGE(X7)m、(X1)nRNDEGAP(X7)m、(X1)nRNEDGAP(X7)m、(X1)nRQEEGAP(X7)m、(X1)nRSEEGAP(X7)m、(X1)nANDEGAP(X7)m、(X1)nANEDGAP(X7)m、(X1)nHSEEGAP(X7)m、(X1)nASEEGAP(X7)m、(X1)nHNEDGAP(X7)m、(X1)nHNDEGAP(X7)m、(X1)nRNAEGAP(X7)m、(X1)nHNAEGAP(X7)m、(X1)nKSAEGAP(X7)m、(X1)nKSDEGAP(X7)m、(X1)nKSEDGAP(X7)m、(X1)nRQDEGAP(X7)m、(X1)nRQEDGAP(X7)m、(X1)nHSAEGAP(X7)m、(X1)nRSAEGAP(X7)m、(X1)nRSDEGAP(X7)m、(X1)nRSEDGAP(X7)m、(X1)nHSDEGAP(X7)m、(X1)nHSEDGAP(X7)m及び(X1)nRQDDGAP(X7)mから成る群から選択されたアミノ酸配列を有しており、ここで、X1 およびX7 はシステインであり、nおよびmは独立に0または1である、ペプチド。
【請求項13】
ペプチドが薬学的に許容される担体、好ましくはKLH(スカシガイヘモシアニン)に共役していることを特徴とする、請求項12に記載のペプチド。
【請求項14】
シヌクレイノパチーの予防および/または治療用の、請求項12または13に記載のペプチド。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか1つに記載の少なくとも1つのペプチドを含んで成る、医薬製剤、好ましくはワクチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−502379(P2013−502379A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524998(P2012−524998)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000303
【国際公開番号】WO2011/020133
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(506083604)アフィリス・アクチェンゲゼルシャフト (12)
【氏名又は名称原語表記】AFFIRIS AG
【Fターム(参考)】