説明

アルミノケイ酸ガラスから作製される基板ガラスを有する光電池

本発明は、光電池、好ましくは薄膜光電池であって、アルミノケイ酸ガラスから作製される基板ガラスを有し、このアルミノケイ酸ガラスは、SiOおよびAlならびにアルカリ酸化物NaOおよびアルカリ土類酸化物CaO、MgO、およびBaO、ならびに任意にさらなる成分を有するガラス組成物を含み、このガラス組成物は、10〜16重量%のNaO、>0〜<5重量%のCaO、および>1〜10重量%のBaOを含有し、かつCaO:MgOの比は、0.5〜1.7の範囲にある光電池、好ましくは薄膜光電池に関する。本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスは、CaO/MgO選択された比のため結晶化に対して安定であり、かつ580℃を超える転移温度Tgおよび1200℃未満の加工温度VAを有する。それゆえ、本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスは、ソーダ石灰ガラスに対する熱的により安定な代替物となる。また本発明の目的は、光電池用、好ましくは薄膜光電池用、特にCdTe、CIS、もしくはCIGSなどの複合型半導体材料に基づく光電池用、好ましくは薄膜光電池用の基板ガラス、スーパーストレート構造ガラス、および/またはカバーガラスとしてのアルミノケイ酸ガラスの使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高耐熱性、低い加工温度、および高い耐結晶化性を有するアルミノケイ酸ガラスから作製される基板ガラスを有する光電池に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ−アルカリ土類ケイ酸ガラスとも呼ばれるソーダ石灰ガラスは、最も古くから知られたガラスの種類のうちの1つであり、量に関して最も頻繁に使用される種類のガラス(「標準ガラス」)である。ソーダ石灰ガラスは、例えば鏡用ガラスまたは窓ガラスなどの板ガラスとして、例えば瓶、食品パッケージ、および飲用グラス用のパッケージング用ガラスとして、または自動車製造において、複合安全ガラスとして、多くの分野で使用される。公知のソーダ石灰ガラスは、比較的低い耐熱性しか有しない、例えば、およそ490〜530℃の範囲の転移温度(「Tg」)しか有しないという短所を有する。ソーダ石灰ガラスの応用は、この点で、著しく制限される。
【0003】
ガラスおよびガラスから製造される製品の特性は、多くの応用例について、特別に適合している必要がある。それゆえ、公知のガラス組成物を、ガラスの特性が特別の応用例に適しているように変えて改変するというニーズが存在する。しかしながら、これに関しては、1つの成分の割合の減少または増加が、それだけでガラス特性に対して異なって作用する複数の効果を誘発する可能性があるということが、常に問題となる。ガラス組成物における複数の成分の置き換えまたは改変という事象における手順および効果は、さらにより複雑であり、個々のガラス成分が互いに相互に影響し合い、そのため、単純な関係は予測できないのが通常である。それゆえ、特別の応用例のために特別に誂えたガラス組成物を提供することは、比較的困難である。
【0004】
上記の種類に関するガラスに関する多くの刊行物が先行技術にある。
【0005】
つまり、特許文献1は、プラズマディスプレイパネル用の低アルミニウムのアルカリガラスを記載し、そのガラス組成物は、0.3〜2.5重量%のLiO、7.0〜12重量%のNaO、1.5〜4.5重量%のKO、0〜5.0重量%のMgO、6.0〜9.0重量%のCaO、0〜5.0重量%のSrO、3.5〜15.0重量%のBaO、2.0〜4.5重量%のAl、57.0〜68.0重量%のSiO、0〜5.0重量%のZrO、および0〜0.5重量%のCeOから合成され、LiO+NaO+KOの合計は9.0〜16.0重量%である。
【0006】
特許文献2は、フラットディスプレイ、好ましくはプラズマディスプレイ(PDP、プラズマディスプレイパネル)に特に好適な基板用のガラス組成物を記載する。このガラス組成物は、実質的に、59〜72重量%のSiO、1〜15重量%のAl、0.5〜9重量%のMgO、0.5〜11重量%のCaO、0〜6重量%のSrO、0〜5重量%のBaO、4〜19重量%のMgO+CaO+SrO+BaO、0〜9重量%のNaO、4〜21重量%のKO、10〜22重量%のNaO+KO、および0.5〜10.5重量%のZrOを含み、SiO含有量とAl含有量との差は、50〜71重量%であり、相対密度は2.6未満である。
【0007】
さらには、特許文献3は、基板用の、特にプラズマディスプレイ用のガラス組成物を開示し、このガラス組成物は、52〜62重量%のSiO、5〜12重量%のAl、0〜4重量%のMgO、3〜5.5重量%のCaO、6〜9重量%のSrO、0〜13重量%のBaO、17〜27重量%のMgO+CaO+SrO+BaO、7〜14重量%のLiO+NaO+KO、0.2〜6重量%のZrO、および0〜0.6重量%のSOを含む。しかしながら、このガラス組成物におけるこのような高いSrOの割合は、大きな不都合を有する。SrOは比較的費用がかかる材料であり、そのため、このガラスの生産は、著しくより費用がかかるものとなる。転移温度が著しく上昇し熱膨張係数が上昇するという特許文献3で主張される利点は、本発明によっては再現できなかった。むしろ、増やされたSrO含有量は、本発明に係る応用分野のための特性および効果に対して、肯定的な影響をまったく示さない。それゆえ、本発明によれば、SrOは、特許文献3に記載される高い量では与えられない。
【0008】
さらには、特許文献4は、ディスプレイ技術において使用するために好適な、特にプラズマディスプレイパネルに好適な、ソラリゼーション(solarization)に対して安定なアルミノケイ酸ガラスを記載し、このアルミノケイ酸ガラスは以下の組成を有する。
SiO 45〜68重量%
Al >5〜18重量%
NaO 0〜5重量%
O >9〜15重量%
ただし、NaO+KO ≧10重量%
CaO 0〜10重量%
SrO 0.5〜18重量%
BaO 0〜10重量%
CaO+SrO+BaO 8〜<17重量%
ZrO 1〜6重量%
TiO 0.2〜5重量%。
【0009】
特許文献5は、熱的に安定なガラス組成物に関し、そのガラス組成物は以下の組成を含む。
SiO 45〜68重量%
Al 0〜20重量%
ZrO 0〜20重量%
0〜10重量%
NaO 2〜12重量%
O 3.5〜9重量%
CaO 1〜13重量%
MgO 0〜8重量%、
SiO+Al+ZrOの合計は≦70重量%であり、Al+ZrOの合計は≧2重量%であり、NaO+KOの合計は≧8重量%であり、所望に応じて、酸化物BaOおよび/またはSrOが、11重量%≦MgO+CaO−BaO+SrO>30重量%であるような量で与えられる。このガラス組成物は、耐火性窓ガラス、特にプラズマシールド、エレクトロルミネセンスシールド、および冷陰極シールド(cold cathode shields)(電界放出ディスプレイ)の生産のために使用される。
【0010】
さらには、特許文献6は、化学処理を通してより高い強度を得るガラス組成物を開示する。このガラス組成物は、以下のものを含む。
SiO 59〜68重量%
Al 9.5〜15重量%
LiO 0〜1重量%
NaO 3〜18重量%
O 0〜3.5重量%
MgO 0〜15重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜4.5重量%
BaO 0〜1重量%
TiO 0〜2重量%
ZrO 1〜10重量%。
このガラス組成物は、例えば、磁気記録媒体用のガラス基板として使用される。
【0011】
さらには、高耐熱性および低加工温度を有するアルミノケイ酸ガラスが、2009年9月25日出願の特許文献7から公知である。しかしながら、このガラスは、必要とされる物理的性質こそ有するが、特定の場合には、耐結晶化性に関しては満足できる結果を呈示しないということが実験によって示された。
【0012】
特に、再生可能なエネルギーまたは再生エネルギー、すなわち、短期間に再生するかまたは使用されても自身の枯渇に寄与しないかのいずれかの源からのエネルギーに関して、ガラスの新規でかつ改良された使用の可能性は、ますます重要になっている。化石エネルギーキャリアの限られた資源、環境保護および気候保護の必要性、およびエネルギー輸出国への依存を下げるための努力または全体としての、より持続可能なエネルギー供給のための努力には、既存の技術の的を絞った改良が必要である。太陽放射(太陽エネルギー)などのこれらの利用可能な持続可能なエネルギー資源のために、使用されるべきガラスに対する非常に特化された要求がさらに考慮される必要がある。
【0013】
それゆえ、先行技術の短所を呈示せず、その特性に関して改変されており、かつ特に太陽エネルギーを電流へと変換する分野(光発電)で使用されてもよいガラスを提供するという要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平07−101748号公報
【特許文献2】米国特許第5,858,897号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0 769 481(A1)号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0 879 800(A1)号明細書
【特許文献5】米国特許第5,958,812A号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0003136(A1)号明細書
【特許文献7】独国特許第10 2009 042 796.1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明は、先行技術の短所を回避して、ソーダ石灰ガラスの代替物を提供するという目的に基づく。この代替物は、ソーダ石灰ガラスと比べてより高い熱保有容量(thermal carrying capacity)(Tg)を有するが、とはいうものの最も低い加工可能温度(VA)を有し、かつ結晶化に向かう傾向がなく、かつ光発電で使用される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は、本発明によれば、光電池、好ましくは薄膜光電池であって、アルミノケイ酸ガラスから作製される基板を含み、このアルミノケイ酸ガラスは、SiOおよびAlならびにアルカリ酸化物NaOおよびアルカリ土類酸化物CaO、MgO、およびBaO、ならびに任意にさらなる成分を有するガラス組成物を含み、このガラス組成物は、10〜16重量%、好ましくは>10〜14重量%、より好ましくは>10〜13重量%のNaO、>0〜<5重量%、好ましくは0.1〜4.9重量%、より好ましくは1〜4.7重量%、さらにより好ましくは3〜4.7重量%、特に好ましくは3〜<4.5重量%のCaO、および>1〜10重量%、好ましくは1.1〜10重量%、より好ましくは1.25〜10重量%、さらにより好ましくは1.5〜10重量%、特に好ましくは1.75〜10重量%のBaOを含有し、CaO:MgOの比(重量%)は0.5〜1.7の範囲にある光電池、好ましくは薄膜光電池、によって成し遂げられる。
【0017】
また、本発明の目的は、光電池用、好ましくは薄膜光電池用、特にCdTe、CIS、もしくはCIGSなどの複合型半導体材料に基づく光電池用、好ましくは薄膜光電池用の基板ガラス、スーパーストレート構造(superstrate)ガラス、および/またはカバーガラスとしてのアルミノケイ酸ガラスの使用であって、このアルミノケイ酸ガラスは、SiOおよびAlならびにアルカリ酸化物NaOおよびアルカリ土類酸化物CaO、MgO、およびBaO、ならびに任意にさらなる成分を有するガラス組成物を含み、このガラス組成物は、10〜16重量%、好ましくは>10〜14重量%、より好ましくは>10〜13重量%のNaO、>0〜<5重量%、好ましくは0.1〜4.9重量%、より好ましくは1〜4.7重量%、さらにより好ましくは3〜4.7重量%、特に好ましくは3〜<4.5重量%のCaO、および>1〜10重量%、好ましくは1.1〜10重量%、より好ましくは1.25〜10重量%、さらにより好ましくは1.5〜10重量%、特に好ましくは1.75〜10重量%のBaOを含有し、CaO:MgOの比(重量%)は0.5〜1.7の範囲にある、使用である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、以下のガラス組成物を含むかまたは以下のガラス組成物からなる(酸化物基準の重量%による)アルミノケイ酸ガラスが、光電池、好ましくは薄膜光電池の基板として、特に基板ガラス、スーパーストレート構造ガラス、および/もしくはカバーガラスとして提供または使用される。
SiO 49〜69重量%
0〜2重量%
好ましくはB 0重量%
Al >4.7〜15重量%
好ましくはAl >9〜15.5重量%
より好ましくはAl >11〜15.5重量%
LiO 0〜4重量%
好ましくはLiO 0〜<0.3重量%
NaO 10〜16重量%
O >0〜8重量%
好ましくはKO >0〜<5重量%
特にKO >2〜<5重量%
LiO+NaO+KOの合計は>12〜19重量%であり、
MgO >0〜6重量%
好ましくはMgO >2〜5.5重量%
CaO >0〜<5重量%
好ましくはCaO 2〜<5重量%
SrO 0〜8重量%
好ましくはSrO 0〜5重量%
より好ましくはSrO 0〜<3重量%
特に好ましくはSrO 0〜<0.5重量%
BaO >1〜10重量%
好ましくはBaO 1.1〜9重量%
特に好ましくはBaO 2〜8.5重量%、
MgO+CaO+SrO+BaOの合計は7〜16重量%であり、
F 0〜3重量%
好ましくはF >0〜0.3重量%
TiO 0〜6重量%
好ましくはTiO >0.1〜5重量%
Fe 0〜0.5重量%
ZrO >0〜6重量%
好ましくはZrO 1〜6重量%
特に好ましくはZrO 1.5〜5重量%、
BaO+ZrOの合計は4〜15重量%であり、
好ましくはBaO+ZrOの合計は5〜15重量%であり、
ZnO 0〜5重量%
好ましくはZnO 0.5〜3重量%
CeO 0〜2重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜3重量%
MoO 0〜3重量%、
CaO:MgOの比(重量%)は0.5〜1.7の範囲にある。硫酸塩、塩化物、Sb、As、SnOなどの典型的な清澄剤(refining agent)が上記のガラス/ガラス融液に加えられてもよい。
【0019】
本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスの組成は、好ましくは、下記の範囲にある。
SiO 48〜58重量%
0〜1重量%
好ましくはB 0重量%
Al 12〜16重量%
好ましくはAl >12〜15重量%
LiO 0〜1重量%
好ましくはLiO 0〜<0.3重量%
NaO 10〜14重量%
O 1〜5重量%
好ましくはKO 2〜4重量%
LiO+NaO+KOの合計は、11〜17重量%であり、
MgO 1.5〜6重量%
CaO 3〜4.5重量%
好ましくはCaO 3〜<4.5重量%
SrO 0〜3重量%
好ましくはSrO 0〜<0.5重量%
BaO 3〜10重量%
好ましくはBaO 4〜9.5重量%
特に好ましくはBaO 5〜8.5重量%、
MgO+CaO+SrO+BaOの合計は7〜18重量%であり、
好ましくはMgO+CaO+SrO+BaOの合計は12〜17重量%であり、
F 0〜3重量%
好ましくはF >0〜1重量%
TiO 0〜3重量%
好ましくはTiO 0〜2重量%
特に好ましくはTiO 0〜1重量%
Fe 0〜0.5重量%
ZrO >0〜7重量%
好ましくはZrO 1〜6重量%
特に好ましくはZrO 1.5〜6重量%、
BaO+ZrOの合計は8〜15重量%であり
好ましくはBaO+ZrOの合計は10〜15重量%であり、
より好ましくはBaO+ZrOの合計は8〜13重量%であり、
ZnO 0〜5重量%
好ましくはZnO 0.5〜2重量%
CeO 0〜2重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜3重量%
MoO 0〜3重量%、
CaO:MgOの比(重量%)は0.5〜1.7の範囲にある。硫酸塩、塩化物、Sb、As、SnOなどの典型的な清澄剤が上記ガラス/ガラス融液に加えられてもよい。
【0020】
従って、本発明の目的は、光電池、好ましくは薄膜光電池において使用するために特に適切な、まさに特別の応用例のために開発されたアルミノケイ酸ガラスである。このアルミノケイ酸ガラスは、ソーダ石灰ガラスの代替物として使用することができ、Tg>580℃、好ましくは>600℃というソーダ石灰ガラスより著しく高い転移温度が成し遂げられる。本発明に係るアルミノケイ酸ガラスの転移温度Tgは、例えばおよそ590℃〜625℃の範囲にある。同時に、<1200℃、好ましくは<1150℃という、アルミノケイ酸ガラスについてのより低い加工温度(「VA」)が得られる。従って、例えば、本発明に係る加工温度は、例えばおよそ1100℃〜およそ1170℃の範囲にある。
【0021】
加えて、ソーダ石灰ガラスの特徴であるおよそ8.5〜10×10−6/K(熱膨張係数)という熱膨張が、本発明に従って使用されるガラスによって、20〜300℃の温度範囲で成し遂げられる。
【0022】
これらの特徴的な特性、特に高い転移温度Tgおよび低い加工温度、ならびに高膨張を得るために、当該ガラスは、10重量%、好ましくは>11重量%、上限は≦16重量%という高含有量のNaOを有する。特に、本発明に係るガラスの、基板ガラスとしての、例えば光発電用のCIGS基板ガラス(銅−インジウム−ガリウムスルフィドおよび/またはセレニド)およびCdTe基板ガラス(カドミウムテルル)としてのまさに特別の応用例については、≧10重量%というNaO含有量は本質的な特徴である。この場合、ナトリウムは、ナトリウムイオンがCIGSまたはCdTe層へと拡散する可能性があるという点で、効率を上昇させるのに大きく寄与する。それゆえ、高ナトリウム含有量は、本発明に係る高Tg値が、本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスの低い加工温度および高膨張と同時に成し遂げられるという事実に決定的に寄与する。
【0023】
さらには、本発明に従って使用されるガラスにおいて、CaOの含有量が>0重量%〜<5重量%の範囲にあることは、本発明の範囲において重要である。CaO含有量は、特に好ましくは≦4.9重量%、より好ましくは≦4.7重量%、さらにより好ましくは≦4.5重量%、特に≦4.3重量%、特に好ましくは≦4.0重量%である。当該ガラスの記載した物理的性質および十分な耐結晶化性を設定するために、CaOの下限は>0重量%、好ましくは0.1重量%であり、特に好ましくは、下限は、≧0.5または1.0重量%、なお特に好ましくは≧2重量%である。それゆえCaOは、好ましくは、0.1〜4.9重量%の量で、より好ましくは1〜<4.7重量%の量で、さらにより好ましくは3〜4.7重量%の量で、特に好ましくは3〜<4.5重量%の量で、なお特に好ましくは3〜<4.3重量%の量で本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスに与えられる。
【0024】
CaO/MgOの比(重量%)が、0.5〜1.7の範囲、好ましくは0.8〜1.6の範囲、なお特に好ましくは1.1〜1.55の範囲に設定される場合、ガラスの所望の特性が、特に高い程度に実現されうる。この比を決定するために、CaOの量(重量%)がMgOの量(重量%)によって除算され、単位なしの数値が得られ、この数値が、本発明に従って請求される範囲であることになる。CaO/MgOの比(重量%)を上記の範囲に設定することにより、耐結晶化性を高めることができ、上記の物理的性質が同時に成し遂げられる。
【0025】
アルミノケイ酸ガラスが選択される場合、MgO+CaO+SrO+BaOの合計が7〜18重量%、特に好ましくは7〜17重量%、特に10〜16重量%の範囲にあることが本発明の範囲においては特に有利である。これも、ガラスの所望の物理的性質を高度にもたらすことに貢献することができる。
【0026】
それゆえ、アルミノケイ酸ガラスが本発明に従って使用される。主成分として、これらのガラスは、SiOおよびAlならびにアルカリ酸化物NaOおよびアルカリ土類酸化物CaOおよびMgO、ならびに任意にさらなる成分を含む。
【0027】
基礎となるガラスは、典型的には、好ましくは、少なくとも48重量%、より好ましくは少なくとも49重量%、特に好ましくは少なくとも50重量%のSiOを含有する。最も高い量のSiOは、69重量%、好ましくは64重量%、特に好ましくは60重量%のSiOである。SiO含有量の好ましい範囲は、50〜60重量%、さらにより好ましくは52〜58重量%である。
【0028】
Alの量は、好ましくは、>4.7重量%、より好ましくは>5重量%、さらにより好ましくは>7重量%、特に好ましくは>9重量%、なお特に好ましくは≧11重量%である。良好な可融性を可能にするために、Al含有量は、特に好ましくは≦16重量%、好ましくは≦15重量%、特に好ましい実施形態では≦14.5重量%である。>5〜16重量%という範囲、特に11〜15重量%という範囲は、なお特に好ましい。この含有量は、意図された使用に応じて変わってもよい。16重量%というAl含有量を超えると、可融性が悪くなるという不都合がある。4.7重量%というAl含有量を下回ると、ガラスの耐薬品性が悪くなり、結晶化に向かう傾向が高まるという不都合がある。
【0029】
アルカリ金属のリチウム、ナトリウム、およびカリウムの酸化物のうちで、すでに記載したように、酸化ナトリウムが、特に実質的に重要である。NaOは、本発明によれば、≧10〜16重量%の量で、特に>10〜15重量%の量で、より好ましくは10〜14重量%の量で、特に10〜13重量%の量で、なお特に好ましくは>11〜13重量%の量で含まれる。本発明に係るKOの含有量は、好ましくは>0〜8重量%、より好ましくは>0〜<5重量%、特に好ましくは>2〜<5重量%である。本発明によれば、LiO含有量は、好ましくは0〜4重量%、より好ましくは0〜1.5重量%、特に好ましくは0〜<0.3重量%である。LiOの添加は、熱膨張係数(CTE)を設定し、加工温度を下げるために使用することができる。しかしながら、LiO含有量は、特に好ましくは<0.3重量%であるか、または当該ガラスは完全にLiOを含まない。この時点まで、LiOがNaOと同様に作用するであろうということは指摘されていなかった。これは、LiOの拡散がおそらくは高すぎるからである。加えて、LiOは原料としては費用がかかり、そのため、より少量を使用することまたはLiOをまったく使用しない(LiO=0重量%)ことが有利である。
【0030】
それぞれの特定されたアルカリ酸化物含有量を超えると、既存のガラス接触材料(contact material)の腐食が悪くなるという不都合がある。それぞれのアルカリ酸化物含有量を下回ると、可融性が悪くなるという不都合がある。
【0031】
LiO+NaO+KOの合計は、好ましくは>11〜19重量%の範囲、より好ましくは>12〜17重量%の範囲にある。
【0032】
カルシウム、マグネシウム、任意にバリウムの酸化物は、および、より少ない程度ではあるが、ストロンチウムの酸化物も、アルカリ土類酸化物として使用される。
【0033】
本発明によれば、CaOは、>0〜<5重量%の範囲で、より好ましくは0.1〜4.9重量%の範囲で、さらにより好ましくは1〜4.7重量%の範囲で、特に2〜4.7重量%、特に好ましくは3〜4.7重量%の範囲で、より特に好ましくは3〜<4.5重量%の範囲で、なお特に好ましくは3〜<4.3重量%の範囲で本発明に係るガラス組成物に与えられる。
【0034】
MgOは、好ましくは>0〜6重量%の範囲で、より好ましくは0.1〜6重量%の範囲で、さらにより好ましくは1.5〜6重量%の範囲で、特に好ましくは1.5〜5.5重量%の範囲で、なお特に好ましくは2〜5.5重量%の範囲で使用される。本発明のアルミノケイ酸ガラスの上記の特性を成し遂げるために、本発明によれば、CaOおよびMgOの量(各々、重量%)は、比CaO:MgOが0.5〜1.7の範囲、好ましくは0.8〜1.6の範囲、なお特に好ましくは1.1〜1.55の範囲に設定されるように、上記の範囲内で選択される。CaO:MgOの比(重量%)を上記の範囲内に設定することにより、結晶化安定性が高められ、上記の物理的性質が所望の程度に成し遂げられる。
【0035】
本発明の範囲では、当該ガラス組成物の中の成分についての>X重量%という量の記載は、当該ガラス組成物がX重量%を超える量を含有するということを意味する。例えば、「>0重量%のある成分」は、当該ガラス組成物が0重量%を超える量、例えば0.1重量%以上の量を含有するということを意味する。
【0036】
本発明の範囲では、当該ガラス組成物の中の成分についての<Y重量%という量の記載は、当該ガラス組成物がY重量%未満の量を含有するということを意味する。例えば、「<5重量%のある成分」は、当該ガラス組成物が、5重量%未満の量、例えば4.9重量%以下の量を含有するということを意味する。
【0037】
BaOは、>1〜10重量%の範囲、好ましくは1.1〜10重量%の範囲、さらにより好ましくは1.25〜10重量%の範囲、特に好ましくは1.5〜10重量%の範囲、なお特に好ましくは1.75〜10重量%の範囲で本発明で使用される。さらには、>1〜9重量%、より好ましくは2〜9重量%、特に好ましくは2〜8.5重量%という範囲が好ましく使用される。より大きいBaO含有量の利点は、当該ガラス組成物の転移温度Tgを上昇させるためにBaOを使用することができるということである。より小さいBaO含有量の利点は、実質的に、より低い密度、それゆえガラスの軽量化、および高価な成分それ自体のコストの削減である。本発明によれば、>1〜10重量%の範囲のBaO含有量が使用される。低密度は、さらなる加工のためのガラスの輸送の際に、特に、ガラスから生産された製品が携帯機器に取り付けられる予定である場合は、特に有利である。光起電での応用例についての低密度およびそれゆえ低重量の基板ガラスのまさに具体的な利点は、例えば、本発明に係るガラスが使用されるモジュール/パネルが、例えば、小さい極限荷重しか有しない土台部分(例えば、工場の平屋根)に構築されうるということである。これは、例えば、BaOがSrOによって置き換えられることで、有利なことに、さらにより高い程度に成し遂げられうる。
【0038】
ZrO含有量は、特に有利には、本発明に従って>0〜7重量%の範囲、より好ましくは1〜6重量%、さらにより好ましくは1.5〜5重量%の範囲に設定される。
【0039】
BaO+ZrOの合計は、4〜15重量%の範囲、より好ましくは5〜15重量%の範囲、さらにより好ましくは7〜13重量%の範囲、特に好ましくは8〜12.5重量%の範囲に設定されることが有利である。このようにして、必要とされる物理的性質、特にガラス転移温度(Tg)および加工温度(VA)、が設定される可能性があり、しかも(MgOと一緒に)これらの成分を加えることで、CaO含有量を減少させる、従って結晶化安定性を高めることが可能になるので、上記合計を上記の範囲に設定することは有利である。
【0040】
SrOは、好ましくは、0〜8重量%の範囲で、より好ましくは0〜<6重量%、さらにより好ましくは0〜5重量%、なお好ましくは0〜<3.5重量%、特に0〜<0.5重量%の範囲で本発明に係るガラスに与えられる。SrOは、一般に、ガラスの転移温度Tgを高めるために使用される。しかしながら、SrOは、本発明に係るガラス組成物の中にまったく存在しなくてもよい(SrO=0重量%)。先行技術で主張されているもののような特に不都合な効果は、このようにすれば、顕在化しないようにできるであろう。
【0041】
本発明によれば、MgO+CaO+SrO+BaOの合計は、好ましくは7〜18重量%の範囲、より好ましくは7〜17重量%の範囲、さらにより好ましくは9〜16重量%の範囲、特に好ましくは12〜16重量%の範囲にある。
【0042】
本発明によれば、Bは、好ましくは、0〜2重量%、より好ましくは0〜1重量%、なお特に好ましくは0〜0.5重量%の量で与えられる。特に好ましい実施形態によれば、当該ガラスはBを含まない。このことは好ましい。なぜなら、Bは、一方で毒物学的な懸念があり(催奇性)、他方で費用がかかる成分であり、これは従量制価格を著しく上昇させるからである。加えて、より高い割合のBは、Bがガラス溶融の間に気化し、排出ガスエリアで妨害をするように沈殿し、ガラス組成物自体を変えるという不都合を有する。さらには、Bの添加は、特別の応用例においては不都合である。従って、基板ガラスの中での1重量%を超えるB含有量は、薄膜太陽電池の効率に対して不都合な効果を及ぼすということが示されている。なぜなら、基板ガラスからのホウ素原子は蒸発または拡散によって半導体層に到達し、その半導体層で、電気的に活性でありかつ再結合の増加を通してセルの性能を低下させる可能性がある効果を引き起こす可能性があるからである。
【0043】
さらには、ZnOは、好ましくは0〜5重量%の量で、好ましくは0.5〜3重量%の量で含まれる。特に好ましい実施形態は、0.5〜2.0重量%、好ましくは0.7〜1.5重量%の含有量のZnOを含有する。
【0044】
加えて、WO、MoO、Bi、CeO、TiO、Fe、ZnO、および/もしくはFまたはさらなる成分などの他の成分も、互いに独立に、本発明に係るアルミノケイ酸ガラスに与えられてもよい。
【0045】
WO、MoO、Biは、好ましくは、各々互いに独立に、0〜3重量%、好ましくは0〜1重量%の量で本発明に係るアルミノケイ酸ガラスに与えられる。これらの成分は、好ましくは、ガラスのUV吸収端を設定するために使用され、そして清澄化の際の酸化還元バッファーとしても使用されてよい。
【0046】
TiOは、およびCeOも、典型的には、ガラスのUV遮断のために添加されてもよい。応用分野に応じて、本発明に従って使用されるガラスは、例えばカバーガラスまたはエンベロープチューブ(envelope tube)の形態で与えられてもよく、そして、有害なUV線がガラスの下の部品に届かないようにするために、例えばTiOおよび/またはCeOを使用するドーピングを有してもよい。TiO含有量は、本発明によれば、好ましくは0〜6重量%の範囲、より好ましくは>0.1〜5重量%の範囲、さらにより好ましくは>0.1〜3重量%の範囲にある。本発明によれば、CeOは、好ましくは、0〜2重量%、より好ましくは0〜1重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲で与えられる。CeOがこのガラスに添加される場合、ガラスの着色を防止するために、対応する量のSnOがこのガラスに添加されることが好ましい。
【0047】
Feは0〜0.5重量%の量で使用されることが好ましく、Feは、典型的には、UV遮断を設定するために使用されるが、清澄化のための酸化還元バッファーとしても使用することができる。
【0048】
さらには、可融性を改善するために、フッ素を、NaFなどのフッ化物塩の形態で本発明のガラスに添加することができる。当該ガラス組成物の中で使用される量は、好ましくは0〜3重量%、より好ましくは0〜1重量%であり、当該ガラスは、さらにより好ましくは、0.05〜0.2重量%の濃度のFを含有する。
【0049】
本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスは、米国特許第5,434,111号明細書に係る先行技術とは対照的に、不可避の混入物質を除いて酸化ニオブを含まないべきである。
【0050】
典型的な清澄剤は、それらが本発明に従って使用されるガラス組成物の化学的性質および物理的性質に悪影響を及ぼさないかぎり、使用してもよい。例えば、硫酸塩、塩化物、Sb、As、および/またはSnOを使用する清澄化が可能である。清澄剤は、各々、好ましくは、>0〜1重量%の量でそれら自体が当該ガラスに含まれ、最小含有量は好ましくは0.05重量%、特に0.1重量%である。
【0051】
本発明に従って用いられるアルミノケイ酸ガラスは、いずれかの任意の形状で、例えば、板ガラス、管状ガラス、ブロックガラス、繊維グラス、バーグラス(bar glass)、例えば、丸型、卵形、構造化されまたは構造化されていないものとして使用することができるが、しかしながら、光発電の分野における使用に関しては、管状ガラスがなお特に好ましい。
【0052】
本発明の範囲内のアルミノケイ酸ガラスは、例えば、特にフロート法によって板ガラスを生産するために好適である。加えて、このアルミノケイ酸ガラスは、管状ガラスを生産するために適しており、方法は、ダンナー法(Danner method)が特に好ましい。しかしながら、ベロ(Vello)法またはA引き抜き(A−traction)法による管状ガラスの生産も可能である。好ましくは少なくとも5mm〜多くとも15cmの直径を有するガラス管も生産されてよい。特に好ましい管の直径は、1cm〜5cm、好ましくは1cm〜3cmであり、好ましい肉厚は、少なくとも0.5mm〜多くとも3mm、好ましくは0.8mm〜2mmである。
【0053】
当該アルミノケイ酸ガラスの本発明に係る使用、特にソーダ石灰ガラスの代替物としての使用は、ソーダ石灰ガラスよりも高い耐熱性に基づく。
【0054】
本発明の応用分野は、すべての種類の光起電での応用、好ましくはケイ素に基づいて動作しない技術、例えば、CIS、CIGS、またはCdTeのための基板ガラスとしてのソーラー技術の分野にある。
【0055】
本発明に従って提供されるアルミノケイ酸ガラスについての使用分野は、ソーラー用途(光起電での応用)、すなわち、高熱膨張および相対的な高温安定性(加工安定性)を有するガラスが必要とされる応用例であるが、当該ガラスの熱成形は、できる限り低い温度で実施することができる(いわゆる「短ガラス(short glass」)。当該ガラスの加工温度(VA)は、これらのガラスの費用効率のよい生産を可能にする上でできるだけ低いものであるべきである。本願における加工温度(VA)は、ガラスがη=10dPaの粘度ηを有する温度である。ガラス組成に応じて、粘度η=10dPaに到達する加工温度VAは変わりうる。本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスは、これらの要求を高い程度に満たす。なぜなら、本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスは、1200℃未満の加工温度をもたらし、それゆえこのような応用例に特によくに適しているからである。
【0056】
本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスは、基板/スーパーストレート構造ガラスとして、また、金属形態のカドミウムおよび/もしくはテルルを含有する層または、金属形態の銅、インジウム、ガリウム、硫黄、および/もしくはセレンを含有する層を含む光電池、特に薄膜光電池におけるカバーガラスとしても特に好適である。スーパーストレート構造は、準カバーガラスとして機能する基板ガラスである。なぜなら、コーティングされたガラスは薄膜光発電において「反転され」、その層が底部側に位置し、光は基板ガラスを通して光起電層に入射するからである。
【0057】
それゆえ、本発明に係るアルミノケイ酸ガラスは、CdTeに基づく技術、および銅−インジウム−ガリウム−スルフィド−セレニドに基づく技術、いわゆるCISまたはCIGSに特に適している。CIGSは、Cu(In1−x,Ga)(S1−y,Seを表し、太陽電池についての公知の薄膜技術であり、用いられる元素である銅、インジウム、ガリウム、硫黄、およびセレンの略称として使用される。重要な例は、Cu(In,Ga)Se(銅−インジウム−ガリウム−ジセレニド)またはCuInS(銅−インジウム−ジスルフィド)である。これらの物質は、特に、数マイクロメートルの比較的薄い層ですでに効果的に直接遷移型半導体として太陽光を吸収するという点で際立っている。このような薄い光活性層の堆積には、高効率を達成するために、高い加工温度が必要とされる。典型的な温度は450〜600℃の範囲にあり、最高温度は基板によって限定される。大面積の応用例については、周知のとおり、ガラスは、しばしば基板として使用される。熱膨張係数(CTE)が半導体層に適合するように、これまでは、例えば独国特許第4333407号明細書および国際公開第94/07269号パンフレットに開示されるように、フロートソーダ石灰ガラスが基板として使用されてきた。ソーダ石灰ガラスは、すでに説明したように、およそ525℃の転移温度を有するが、しかしながら、それゆえ、すべての加工プロセスをおよそ500℃に制限する。500℃に制限しなければ、いわゆる膨らみ(バルジ、bulge)が発生し、ガラスはたるみ始める。このことは、コーティングされるべき基板が大きいほど、および加工温度がガラスの転移温度Tgに近づくほど、ますます当てはまる。基板の膨らみおよびたるみは、特にインラインプロセスまたはインラインプラントにおいて問題を生じ、このため、処理量および歩留まりが劇的に低下する。
【0058】
それゆえ、本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスは、特にこの使用分野におけるソーダ石灰ガラスの代替物となり、そして、それらを有利に置き換える可能性がある。なぜなら、半導体層の気相堆積において、典型的なソーダ石灰ガラスの場合よりも、基板を不都合に変形させることなく高い方法温度を使用してよいからである。コーティング方法の際の所望のより高い温度は、より高い堆積速度および作製された層の非常に良好な結晶品質を付加的にもたらす。
【0059】
半導体層の付与の後の冷却の際に層のチップ化(chipping)が発生しないように、基板ガラスが、基板ガラスの上に付与された半導体の熱膨張係数(例えば、CIGSについてはおよそ8.5×10−6/K)にさらに適合することが必要である。CIGS層への熱的適合は、この場合は非常に重要であるが、想定できるように、背面の接触材料(back contact material)、例えばモリブデンのCTEへの熱的適合は重要ではない。なぜなら、背面の接触材料は、延性のため、より大きいCTE差を吸収できるからである。しかしながら、このCTEは、モリブデン層(およそ4×10−6/K以上)に対して低すぎるべきではない。なぜなら、低すぎると層のチップ化が発生するからである。これらの特性も、本発明に従って選択されるアルミノケイ酸ガラスによってもたらされる。
【0060】
それゆえ、本発明に係るアルミノケイ酸ガラスは、ソーラー技術の分野で、光電池用に、特に薄膜光電池、特にCdTe、CIS、またはCIGSなどの複合型半導体材料に基づく光電池用、好ましくは薄膜光電池用に使用される。それゆえ、本発明のガラスは、薄膜光電池基板またはスーパーストレート構造基板またはカバーガラスとして好ましく使用される。典型的な結晶性シリコンベースの光電池の場合よりも、この場合は、太陽光を電気に効率的に変換するために実質的に光活性が低い物質が必要とされる。この少ない半導体消費量および高度の製造の自動化は、この技術に関する顕著なコスト削減をもたらす。
【0061】
光起電技術において本発明に係るアルミノケイ酸ガラスを使用する際のさらなる優位点は、高含有量のナトリウムである。ナトリウムは、半導体の中に組み込まれ、従って半導体の結晶構造のカルコゲンの組み込みの改善を通して太陽電池の効率を向上させることができるということが知られている。従って、基板ガラスは、上記特性に加えて、ナトリウムイオン/原子を半導体の中へと的を絞って放出するためのキャリアとして、使用することもできる。
【0062】
顕著な利点をもたらすより高い温度安定性のため、慣用的に使用されるソーダ石灰ガラスよりも高い温度で半導体層の処理能力および堆積を実施することができるので、本発明に従って使用されるアルミノケイ酸ガラスは、上記の技術にまさに特によく適している。この目的についての基準はいわゆる転移温度Tgである。他方、特に高い温度は、本発明に係るアルミノケイ酸ガラスの溶融プロセスおよび熱成形プロセスのために必要とされず、これにより費用効率が高い生産が可能になる。
【0063】
特に好ましい実施形態によれば、この光電池の基板は、管状ガラスの形態で提供される。本発明に係るさらなる好ましい実施形態によれば、光電池の基板は、インナーチューブ(inner tube)の形態で実装され、アウターチューブ(outer tube)の形態での保護チューブによって取り囲まれ、このインナーチューブは、そして任意にアウターチューブも、すでに詳細に説明したアルミノケイ酸ガラスを含有するかまたはアルミノケイ酸ガラスからなる。
【0064】
このあと、本発明は、実施例に基づいてより詳細に説明されるが、それらの実施例は、本発明に係る教示を例証するものではあるが、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0065】
本発明に係る教示の範囲において、ガラス組成物を実施例1〜16について選択し、それらからガラスを製造した。この目的のために、融解のために1Lの白金るつぼを使用し、この中で原料を3時間にわたって1580℃の融解温度まで加熱し、この温度で4時間、保持および撹拌した。その後、この融液を、予め500℃に加熱したグラファイトの型の中へと注ぎ込んだ。鋳込みのあと、この鋳型を、予め650℃に加熱した冷却炉の中に置き、この冷却炉を5℃/時間で室温まで冷却した。比較例1〜3のガラス組成物を、同様に製造した。実施例1〜16に係る本発明に係る教示の範囲の使用されるべきガラスの組成物および特性ならびに比較例1〜3の組成物を以下の表1〜4に要約する。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

α 20〜300℃における熱膨張係数[×10−6−1
Tg 転移温度[℃]
VA 粘度が10dPasになる加工温度[℃]
OEG 上部失透温度(upper devitrification temperature)[℃]
UEG 下部失透温度(lower devitrification temperature)[℃]
Kgmax℃ 最大結晶成長速度を有する温度[℃]
Kgmax 最大結晶成長速度[μm/分]。
【0066】
失透または結晶化の挙動は、温度上昇制御の場合にこのあと説明するキャリアプレート法に従って確認した。
【0067】
温度上昇制御を用いたキャリアプレート法:
a)試料調製
試料を乳鉢の中で粉砕し、その後ふるいの中で>1.6mmの粒分へとふるいにかけた。
b)実施
2タイプのキャリアプレートがあり、これらを用いて1つまたは2つの試料を、勾配炉の中で同時に焼入れしてもよい。デバイス白金製のプレートは、互いに対して5mmの距離で互いにずれた2列の円錐形のへこみを有し、これらのへこみの中へ、等しいサイズの試料片を置く。既知の結晶化傾向を有するガラスの場合は、炉を、予想されるOEGのおよそ50K上に設定し、未知のガラスの場合には、Tmin〜Tg+50℃を有する範囲を設定する。
【0068】
試料が置かれたプレートを勾配炉の中心へと挿入する。セラミック製のピンが、留め具として、使用する炉の中の炉の後部に置かれている。
【0069】
高温の炉の中で焼入れする(tempering)ために、プレートを、コランダムの棒を用いて所望の挿入深さまで押し込む。異なる焼入れ時間が特定されていない場合は、このプレートを、最初に5分間、炉の中で焼入れし、その時間の半分が経過したあと、温度を読み取り、記録する。温度は高温の炉の中で外部の熱電対素子を使用して測定されるので、最小焼入れ時間(minimum tempering time)は15分であり、ほとんどの場合、試料は、60分間焼入れされる。
【0070】
その後、グラフ用紙上に炉の長さの関数として温度の値をプロットし、曲線を使用してつなぐ。焼入れ時間が経過した後、プレートを炉から取り出し、放冷し、その後、結晶化についてその試料を顕微鏡によって検討する。
【0071】
上記のキャリアプレート法を使用して結晶化安定性が確認された本発明に係る実施例1、3、6、7、9および12は、失透をまったく示さなかった。この失透は、この場合、転移範囲より低いところでガラスが晶出する過程を指す。比較例1〜3では、上記の実施例とは対照的に、強い結晶化傾向を示すガラスが得られた。というのも、上部失透温度および下部失透温度、最大結晶成長速度を有する温度、および最大結晶成長速度が特定できたからである。それゆえ、上記実施例および比較例は、本発明に係るの範囲のCaO/MgO比を設定することで、驚くべきことに結晶化に対して安定なアルミノケイ酸ガラスが得られるということを示す。
【0072】
それゆえ、光起電分野に特に適合したアルミノケイ酸ガラスが本発明によって初めてもたらされ、このアルミノケイ酸ガラスは、ソーダ石灰ガラスの代替物を提供し、Tg>580℃でより高い熱保有容量を有するが、1200℃未満の加工温度VAを示し、かつ失透に向かう傾向がなく、そのため、使用分野は、ソーダ石灰ガラスと比べて著しく広がる可能性がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電池、好ましくは薄膜光電池であって、アルミノケイ酸ガラスから作製される基板を含み、前記アルミノケイ酸ガラスは、SiOおよびAlならびにアルカリ酸化物NaOおよびアルカリ土類酸化物CaO、MgO、およびBaO、ならびに任意にさらなる成分を有するガラス組成物を含み、前記ガラス組成物は、10〜16重量%、好ましくは>10〜14重量%、より好ましくは>10〜13重量%のNaO、>0〜<5重量%、好ましくは0.1〜4.9重量%、より好ましくは1〜4.7重量%、さらにより好ましくは3〜4.7重量%、特に好ましくは3〜<4.5重量%のCaO、および>1〜10重量%、好ましくは1.1〜10重量%、より好ましくは1.25〜10重量%、さらにより好ましくは1.5〜10重量%、特に好ましくは1.75〜10重量%のBaOを含有し、CaO:MgOの比(重量%)は0.5〜1.7の範囲にある光電池、好ましくは薄膜光電池。
【請求項2】
前記アルミノケイ酸ガラスは、>0〜6重量%、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲、さらにより好ましくは1.5〜5.5重量%の範囲、特に好ましくは2〜5.5重量%の範囲の量のMgOを含有する、請求項1に記載の光電池、好ましくは薄膜光電池。
【請求項3】
前記アルミノケイ酸ガラスにおけるCaO:MgOの比(重量%)は0.8〜1.6の範囲、好ましくは1.1〜1.55の範囲にある、請求項1または請求項2に記載の光電池、好ましくは薄膜光電池。
【請求項4】
前記アルミノケイ酸ガラスにおいて、MgO+CaO+SrO+BaOの合計は、7〜18重量%の範囲、好ましくは7〜17重量%の範囲、特に9〜16重量%の範囲、なお特に好ましくは12〜16重量%の範囲にある、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光電池、好ましくは薄膜光電池。
【請求項5】
前記アルミノケイ酸ガラスは、以下のガラス組成物を含むかまたは以下のガラス組成物からなる(酸化物基準の重量%による)、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光電池、好ましくは薄膜光電池。
SiO 49〜69重量%
0〜2重量%
好ましくはB 0重量%
Al >4.7〜15重量%
好ましくはAl >9〜15.5重量%
より好ましくはAl >11〜15.5重量%
LiO 0〜4重量%
好ましくはLiO 0〜<0.3重量%
NaO 10〜16重量%
O >0〜8重量%
好ましくはKO >0〜<5重量%
特にKO >2〜<5重量%、
LiO+NaO+KOの合計は>12〜19重量%であり、
MgO >0〜6重量%
好ましくはMgO >2〜5.5重量%
CaO >0〜<5重量%
好ましくはCaO 2〜<5重量%
SrO 0〜8重量%
好ましくはSrO 0〜5重量%
より好ましくはSrO 0〜<3重量%
BaO >1〜10重量%
好ましくはBaO 1.1〜9重量%
特に好ましくはBaO 2〜8.5重量%、
MgO+CaO+SrO+BaOの合計は7〜16重量%であり、
F 0〜3重量%
好ましくはF >0〜0.3重量%
TiO 0〜6重量%
好ましくはTiO >0.1〜5重量%
Fe 0〜0.5重量%
ZrO >0〜6重量%
好ましくはZrO 1〜6重量%
特に好ましくはZrO 1.5〜5重量%、
BaO+ZrOの合計は4〜15重量%であり
好ましくはBaO+ZrOの合計は5〜15重量%であり、
ZnO 0〜5重量%
好ましくはZnO 0.5〜3重量%
CeO 0〜2重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜3重量%
MoO 0〜3重量%、
CaO:MgOの比(重量%)は、0.5〜1.7の範囲にある。
【請求項6】
前記アルミノケイ酸ガラスは、以下のガラス組成物を含むかまたは以下のガラス組成物からなる(酸化物基準の重量%による)、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光電池、好ましくは薄膜光電池。
SiO 48〜58重量%
0〜1重量%
好ましくはB 0重量%
Al 12〜16重量%
好ましくはAl >12〜15重量%
LiO 0〜1重量%
好ましくはLiO 0〜<0.3重量%
NaO 10〜14重量%
O 1〜5重量%
好ましくはKO 2〜4重量%
LiO+NaO+KOの合計は、11〜17重量%であり、
MgO 1.5〜6重量%
CaO 3〜4.5重量%
好ましくはCaO 3〜<4.5重量%
SrO 0〜3重量%
好ましくはSrO 0〜<0.5重量%
BaO 3〜10重量%
好ましくはBaO 4〜9.5重量%
特に好ましくはBaO 5〜8.5重量%、
MgO+CaO+SrO+BaOの合計は7〜18重量%であり、
好ましくはMgO+CaO+SrO+BaOの合計は12〜17重量%であり、
F 0〜3重量%
好ましくはF >0〜1重量%
TiO 0〜3重量%
好ましくはTiO 0〜2重量%
特に好ましくはTiO 0〜1重量%
Fe 0〜0.5重量%
ZrO >0〜7重量%
好ましくはZrO 1〜6重量%
特に好ましくはZrO 1.5〜6重量%、
BaO+ZrOの合計は8〜15重量%であり
好ましくはBaO+ZrOの合計は10〜15重量%であり、
より好ましくはBaO+ZrOの合計は8〜13重量%であり、
ZnO 0〜5重量%
好ましくはZnO 0.5〜2重量%
CeO 0〜2重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜3重量%
MoO 0〜3重量%、
CaO:MgOの比(重量%)は、0.5〜1.7の範囲にある。
【請求項7】
前記アルミノケイ酸ガラスは、580℃を超える転移温度Tg、1200℃未満の加工温度VA、および20〜300℃の温度範囲における8.5〜10×10−6/Kの範囲の熱膨張係数を有する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光電池、好ましくは薄膜光電池。
【請求項8】
前記基板は、管状ガラスの形態で提供され、好ましくは、インナーチューブの形態で実施され、アウターチューブの形態での保護チューブによって取り囲まれ、前記インナーチューブは、そして任意に前記アウターチューブも、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のアルミノケイ酸ガラスから構築されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光電池。
【請求項9】
光電池用、好ましくは薄膜光電池用、特にCdTe、CIS、もしくはCIGSなどの複合型半導体材料に基づく光電池用、好ましくは薄膜光電池用の基板ガラス、スーパーストレート構造ガラス、および/またはカバーガラスとしてのアルミノケイ酸ガラスの使用であって、前記アルミノケイ酸ガラスは、SiOおよびAlならびにアルカリ酸化物NaOおよびアルカリ土類酸化物CaO、MgO、およびBaO、ならびに任意にさらなる成分を有するガラス組成物を含み、前記ガラス組成物は、10〜16重量%、好ましくは>10〜14重量%、より好ましくは>10〜13重量%のNaO、>0〜<5重量%、好ましくは0.1〜4.9重量%、より好ましくは1〜4.7重量%、さらにより好ましくは3〜4.7重量%、特に好ましくは3〜<4.5重量%のCaO、および>1〜10重量%、好ましくは1.1〜10重量%、より好ましくは1.25〜10重量%、さらにより好ましくは1.5〜10重量%、特に好ましくは1.75〜10重量%のBaOを含有し、CaO:MgOの比(重量%)は0.5〜1.7の範囲にある、使用。
【請求項10】
前記アルミノケイ酸ガラスは、>0〜6重量%、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲、さらにより好ましくは1.5〜5.5重量%の範囲、特に好ましくは2〜5.5重量%の範囲の量のMgOを含有する、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記アルミノケイ酸ガラスにおけるCaO:MgOの比(重量%)は0.8〜1.6の範囲、好ましくは1.1〜1.55の範囲にある、請求項9または請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記アルミノケイ酸ガラスにおいて、MgO+CaO+SrO+BaOの合計は、7〜18重量%の範囲、好ましくは7〜17重量%の範囲、特に9〜16重量%の範囲、なお特に好ましくは12〜16重量%の範囲にある、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
前記アルミノケイ酸ガラスは、以下のガラス組成物を含むかまたは以下のガラス組成物からなる(酸化物基準の重量%による)、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の使用。
SiO 49〜69重量%
0〜2重量%
好ましくはB 0重量%
Al >4.7〜15重量%
好ましくはAl >9〜15.5重量%
より好ましくはAl >11〜15.5重量%
LiO 0〜4重量%
好ましくはLiO 0〜<0.3重量%
NaO 10〜16重量%
O >0〜8重量%
好ましくはKO >0〜<5重量%
特にKO >2〜<5重量%、
LiO+NaO+KOの合計は>12〜19重量%であり、
MgO >0〜6重量%
好ましくはMgO >2〜5.5重量%
CaO >0〜<5重量%
好ましくはCaO 2〜<5重量%
SrO 0〜8重量%
好ましくはSrO 0〜5重量%
より好ましくはSrO 0〜<3重量%
BaO >1〜10重量%
好ましくはBaO 1.1〜9重量%
特に好ましくはBaO 2〜8.5重量%、
MgO+CaO+SrO+BaOの合計は、7〜16重量%であり、
F 0〜3重量%
好ましくはF >0〜0.3重量%
TiO 0〜6重量%
好ましくはTiO >0.1〜5重量%
Fe 0〜0.5重量%
ZrO >0〜6重量%
好ましくはZrO 1〜6重量%
特に好ましくはZrO 1.5〜5重量%、
BaO+ZrOの合計は、4〜15重量%であり
好ましくはBaO+ZrOの合計は5〜15重量%であり、
ZnO 0〜5重量%
好ましくはZnO 0.5〜3重量%
CeO 0〜2重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜3重量%
MoO 0〜3重量%、
CaO:MgOの比(重量%)は0.5〜1.7の範囲にある。
【請求項14】
前記アルミノケイ酸ガラスは、以下のガラス組成物を含むかまたは以下のガラス組成物からなる(酸化物基準の重量%による)、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の使用。
SiO 48〜58重量%
0〜1重量%
好ましくはB 0重量%
Al 12〜16重量%
好ましくはAl >12〜15重量%
LiO 0〜1重量%
好ましくはLiO 0〜<0.3重量%
NaO 10〜14重量%
O 1〜5重量%
好ましくはKO 2〜4重量%
LiO+NaO+KOの合計は11〜17重量%であり、
MgO 1.5〜6重量%
CaO 3〜4.5重量%
好ましくはCaO 3〜<4.5重量%
SrO 0〜3重量%
好ましくはSrO 0〜<0.5重量%
BaO 3〜10重量%
好ましくはBaO 4〜9.5重量%
特に好ましくはBaO 5〜8.5重量%、
MgO+CaO+SrO+BaOの合計は7〜18重量%であり、
好ましくはMgO+CaO+SrO+BaOの合計は12〜17重量%であり、
F 0〜3重量%
好ましくはF >0〜1重量%
TiO 0〜3重量%
好ましくはTiO 0〜2重量%
特に好ましくはTiO 0〜1重量%
Fe 0〜0.5重量%
ZrO >0〜7重量%
好ましくはZrO 1〜6重量%
特に好ましくはZrO 1.5〜6重量%、
BaO+ZrOの合計は8〜15重量%であり
好ましくはBaO+ZrOの合計は10〜15重量%であり、
より好ましくはBaO+ZrOの合計は8〜13重量%であり、
ZnO 0〜5重量%
好ましくはZnO 0.5〜2重量%
CeO 0〜2重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜3重量%
MoO 0〜3重量%、
CaO:MgOの比(重量%)は、0.5〜1.7の範囲にある。
【請求項15】
前記アルミノケイ酸ガラスは、580℃を超える転移温度Tg、1200℃未満の加工温度VA、および20〜300℃の温度範囲における8.5〜10×10−6/Kの範囲の熱膨張係数を有する、請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
前記基板は、管状ガラスの形態で提供され、好ましくは、インナーチューブの形態で実施され、アウターチューブの形態での保護チューブによって取り囲まれ、前記インナーチューブは、そして任意に前記アウターチューブも、請求項9から請求項15のいずれか1項に記載のアルミノケイ酸ガラスから構築されている、請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2013−518021(P2013−518021A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550360(P2012−550360)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000192
【国際公開番号】WO2011/091961
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】