説明

アレルギー物質の検出方法、アレルギー物質の検出に用いるプライマー、及びアレルギー物質の検出に用いる検出キット

【課題】アレルギー物質のうちの「準特定原材料」に含まれるあわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ、ももを食品原料や製品中から特異的に検出できるPCR法を用いた検出方法、及びこの検出方法に用いるプライマーやプライマーセット、さらには、検出キットを提供すること。
【解決手段】本発明では、遺伝子配列中のCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域の塩基配列からなり、あわび、いか、さば、いくら/さけを検出するプライマーと、遺伝子配列中のRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域の塩基配列からなり、りんご、バナナ、くるみ、ももを検出するプライマーのいずれか一方又は両方を用いることにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルギー物質の検出方法、アレルギー物質の検出に用いるプライマー、及びアレルギー物質の検出に用いる検出キットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特定の物質によってアレルギー体質の人がアレルギーを起こすおそれがあることが知られており、そのような物質はアレルギー物質として広く知られている。
【0003】
このアレルギー物質について、日本では、小麦、そば、卵、乳、及び落花生の5品目を「特定原材料」として定め、これらを含む食品についてはその旨を商品に表示することが義務付けられており、また、特定原材料以外のあわび、いか、えび、かに、さけ、さば、鶏肉、豚肉、いくら、牛肉、ゼラチン、オレンジ、キウイフルーツ、くるみ、大豆、まつたけ、もも、やまいも、りんご及び、バナナの20品目を「特定原材料」に準ずるもの(以下、「準特定原材料」という。)として、これらを含む食品についてはその旨を可能な限り商品に表示することが推奨されている。
【0004】
このように「特定原材料」や「準特定原材料」などのアレルギー物質については、生産・流通・加工などの各段階において不意に微量の混入が起こることも考えられるために、提供する食品原料や製品にアレルギー物質が含有されていないか否かの品質管理が重要となり、そのための検出方法の確立が望まれている。
【0005】
アレルギー物質のうちの「特定原材料」については、ELISA法、ウェスタンブロッド法、PCR法などを用いた検出方法が確立されている。
【0006】
また、アレルギー物質のうちの「準特定原材料」については、たとえば、特許文献1に鶏肉、豚肉、牛肉の検出方法が開示されており、特許文献2、3にそば、落花生、小麦、大豆の検出方法が開示されており、特許文献4、5にキウイフルーツ、くるみ、りんご、やまいも、バナナの検出方法が開示されており、さらには、特許文献6、7にさば、さけ、あわび、いか、かに、えびの検出方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−230383号公報
【特許文献2】特開2003−199599号公報
【特許文献3】特開2001−309786号公報
【特許文献4】特開2006−333729号公報
【特許文献5】特開2007−282626号公報
【特許文献6】特開2006−280281号公報
【特許文献7】特開2008−000128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
様々な加工処理工程を経た食品原料や製品中から検出対象生物を検出する場合、「特定原材料」の検出方法で確立されているように、検出対象生物に特徴的な蛋白質を検出する方法(ELISA法やウェスタンブロッド法)や検出対象生物に特徴的なDNA塩基配列を検出する方法(PCR法)が有望な手法となる。
【0009】
しかしながら、一般に、蛋白質は、DNAと比べて、食品製造工程における様々な加工処理に対する安定性が低いため、蛋白質を検出する方法は、高度に加工された被験食品に対しては適用できない可能性が高い。
【0010】
そのため、蛋白質よりも加工処理に比較的強いとされるDNAの塩基配列を標的とした検出方法は、様々な加工処理工程を経た食品原料や製品中から検出対象生物の混入の有無を調べる手法として、有望な方法と考えられる。また、動植物のDNA塩基配列には、rRNA遺伝子クラスターのようにコピー数の多い塩基配列が存在し、このような多コピー数の塩基配列を標的配列に使用できれば、検出方法の感度を高めることも可能となる。さらに、細胞中に複数存在するクロロプラスト由来DNAあるいはミトコンドリア由来DNAの塩基配列を標的配列とする場合も、同様に検出方法の感度の向上化に寄与する。
【0011】
また、アレルギー物質を含む食品の検出方法は、多くの場合に加工食品を対象に用いられるために、交差反応性(類似物質、代謝物、マトリクス中に存在する可能性のある成分への反応性)について、十分な検証を行わなければならない。
【0012】
そこで、本発明では、アレルギー物質のうちの「準特定原材料」に含まれるあわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ、ももを食品原料や製品中から特異的に検出できるPCR法を用いた検出方法、及びこの検出方法に用いるプライマーやプライマーセット、さらには、検出キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明では、PCR法によるアレルギー物質の検出方法において、遺伝子配列中のCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域の塩基配列からなり、あわび、いか、さば、又はいくら/さけを検出するプライマーと、遺伝子配列中のRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域の塩基配列からなり、りんご、バナナ、くるみ、又はももを検出するプライマーのいずれか一方又は両方を用いることにした。
【0014】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記プライマーとして、あわびを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号1又は2の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号1及び2の塩基配列からなるプライマーセット、いかを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号3又は4の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号3及び4の塩基配列からなるプライマーセット、さばを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号5又は6の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号5及び6の塩基配列からなるプライマーセット、いくら/さけを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号7又は8の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号7及び8の塩基配列からなるプライマーセット、りんごを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号9又は10の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号9及び10の塩基配列からなるプライマーセット、バナナを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号11又は12の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号11及び12の塩基配列からなるプライマーセット、くるみを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号13又は14の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号13及び14の塩基配列からなるプライマーセット、ももを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号15又は16の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号15及び16の塩基配列からなるプライマーセットのいずれかを用いることにした。
【0015】
また、請求項3に係る本発明では、PCR法によるアレルギー物質の検出に用いるプライマーにおいて、遺伝子配列中のCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域の塩基配列からなり、あわび、いか、さば、又はいくら/さけを検出するプライマーと、遺伝子配列中のRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域の塩基配列からなり、りんご、バナナ、くるみ、又はももを検出するプライマーのいずれか一方又は両方からなることにした。
【0016】
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項3に係る本発明において、前記プライマーは、あわびを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号1又は2の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号1及び2の塩基配列からなるプライマーセット、いかを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号3又は4の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号3及び4の塩基配列からなるプライマーセット、さばを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号5又は6の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号5及び6の塩基配列からなるプライマーセット、いくら/さけを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号7又は8の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号7及び8の塩基配列からなるプライマーセット、りんごを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号9又は10の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号9及び10の塩基配列からなるプライマーセット、バナナを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号11又は12の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号11及び12の塩基配列からなるプライマーセット、くるみを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号13又は14の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号13及び14の塩基配列からなるプライマーセット、ももを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号15又は16の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号15及び16の塩基配列からなるプライマーセットのいずれかであることにした。
【0017】
また、請求項5に係る本発明では、PCR法によるアレルギー物質の検出に用いる検出キットにおいて、遺伝子配列中のCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域の塩基配列からなり、あわび、いか、さば、又はいくら/さけを検出するプライマーと、遺伝子配列中のRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域の塩基配列からなり、りんご、バナナ、くるみ、又はももを検出するプライマーのいずれか一方又は両方を含むことにした。
【0018】
また、請求項6に係る本発明では、前記請求項5に係る本発明において、前記プライマーは、あわびを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号1又は2の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号1及び2の塩基配列からなるプライマーセット、いかを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号3又は4の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号3及び4の塩基配列からなるプライマーセット、さばを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号5又は6の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号5及び6の塩基配列からなるプライマーセット、いくら/さけを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号7又は8の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号7及び8の塩基配列からなるプライマーセット、りんごを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号9又は10の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号9及び10の塩基配列からなるプライマーセット、バナナを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号11又は12の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号11及び12の塩基配列からなるプライマーセット、くるみを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号13又は14の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号13及び14の塩基配列からなるプライマーセット、ももを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号15又は16の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号15及び16の塩基配列からなるプライマーセットのいずれかを含むことにした。
【発明の効果】
【0019】
そして、本発明では、PCR法を用いてアレルギー物質のうちの「準特定原材料」に含まれるあわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ、ももを食品原料や製品中から特異的に検出することができる。
【0020】
特に、配列表の配列番号1又は2の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号1及び2の塩基配列からなるプライマーセットを用いた場合には、あわびを特異的に検出することができる。
【0021】
また、配列表の配列番号3又は4の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号3及び4の塩基配列からなるプライマーセットを用いた場合には、いかを特異的に検出することができる。
【0022】
また、配列表の配列番号5又は6の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号5及び6の塩基配列からなるプライマーセットを用いた場合には、さばを特異的に検出することができる。
【0023】
また、配列表の配列番号7又は8の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号7及び8の塩基配列からなるプライマーセットを用いた場合には、いくら/さけを特異的に検出することができる。
【0024】
また、配列表の配列番号9又は10の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号9及び10の塩基配列からなるプライマーセットを用いた場合には、りんごを特異的に検出することができる。
【0025】
また、配列表の配列番号11又は12の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号11及び12の塩基配列からなるプライマーセットを用いた場合には、バナナを特異的に検出することができる。
【0026】
また、配列表の配列番号13又は14の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号13及び14の塩基配列からなるプライマーセットを用いた場合には、くるみを特異的に検出することができる。
【0027】
また、配列表の配列番号15又は16の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号15及び16の塩基配列からなるプライマーセットを用いた場合には、ももを特異的に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明に係るアレルギー物質の検出方法、アレルギー物質の検出に用いるプライマー、及びアレルギー物質の検出に用いる検出キットの具体的な内容について説明する。
【0029】
本発明者らは、分子生物学的観点から、検出対象とする植物及びその他の生物の遺伝子配列における共通性と特異性に着目し、20品目の準特定原材料の中から、あわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ、あるいはももを高感度に検出することができる方法を鋭意研究した。
【0030】
本発明では、前述のとおり高感度な検出方法を開発するために、細胞中に複数存在するクロロプラスト由来DNAあるいはミトコンドリア由来DNAの塩基配列を標的とした。さらに、その中でも数多くの塩基配列が既に報告されている領域、具体的には魚介類におけるCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域及び、植物のRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域に着目した。
【0031】
一般に、PCR法のためのプライマー開発においては、理論上、首尾よく設計したとしても、必要な性能を示すプライマーを得るためには一定の試行錯誤を要することが知られている。したがって、より確実に高性能なプライマーを設計する必要があり、そのための工夫として、混合プライマーによる検出方法を検討した。混合プライマーによる検出方法は、特に検出対象が広範囲の生物属である場合、つまり上記課題の場合に特に有効であることが期待される。混合プライマーによる検出方法を採用した結果、過度な試行錯誤を要することなく、あわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ、あるいはももについて十分な性能をもつ検出マーカーが作出できることを知見した。
【0032】
[プライマー及びプライマーセット]
本発明に係るプライマー及びプライマーセットには、あわびに対して特徴的な塩基配列を有するもの、いかに対して特徴的な塩基配列を有するもの、さばに対して特徴的な塩基配列を有するもの、いくら/さけに対して特徴的な塩基配列を有するもの、りんごに対して特徴的な塩基配列を有するもの、バナナに対して特徴的な塩基配列を有するもの、くるみに対して特徴的な塩基配列を有するもの、及びももに対して特徴的な塩基配列を有するものがある。
【0033】
各プライマー及びプライマーセットは、以下のようにして設計した。即ち、あわび、いか、さば及びいくら/さけのCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域、りんご、バナナ及びもものRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域それぞれについて、既知のDNAデータベース(GenBank nucleotide sequence database)から取得した。それぞれ近縁種について厖大な塩基配列の多重並列配列図を作成後、それらの塩基配列の類似性や特異性等の性状を詳細に比較検討することによって、あわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ、及びももの各々に特異的な当該遺伝子配列領域を選出し、それらの領域からプライマー及びプライマーセットを新規に設計した。設計の際には、検出目的とする複数の生物種の当該遺伝子配列領域とそれぞれ完全に一致するものを含む混合プライマーであり、検出目的としない生物種とはストリンジェントな条件下でハイブリダイズしないように創意工夫して設計した。
【0034】
本発明に係るプライマー又はプライマーセットを用いたPCR法による分析では、対象となる試料が加工品である場合も想定される。加工品を分析する場合、DNAが分解または、断片化している可能性があるので、100〜500bp程度の短めのPCR増幅産物を形成するようなPCRプライマーが、高感度分析のために好ましい。それ故に、PCRプライマーの設計の際には、PCR増幅産物の長さが500bp以下となるように工夫して設計した。
【0035】
従って、本発明に係るプライマー又はプライマーセットを用いたPCR法、及びそれによる増幅産物を確認する核酸分析の手法は、各種食品中に含まれるあわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ及びもも由来DNAを高感度かつ特異的に検出することができる。
【0036】
ここで、核酸分析とは、生物分類における、個々の種、属、あるいは、グループによって特徴的な塩基配列が存在することを利用して、その特徴的な塩基配列の有無を分析することによって、その生物の種、属、あるいは、グループを把握するために有効な手段であって、特定の微生物の検出や生物種の同定などに有用に用いられる方法である。
【0037】
本発明に係るプライマーの塩基配列は以下のいずれかである(詳細は、配列表による。)。Sはセンスプライマーを表し、ASはアンチセンスプライマーを表す。
配列番号1(あわび用S):AAYTGRYTRGTMCCYYTAATAYTRGGWGCA
配列番号2(あわび用AS):TGGYATTCGYTCTARRGGYTGTG
配列番号3(いか用S):ACMACYATYHTWAATATACGVTGAGAAGGYY
配列番号4(いか用AS):TGDGADACAATRTGWGAAATAATACCAAANG
配列番号5(さば用S):TMGTHCCCTTCYTMCACNCATNYAAACAA
配列番号6(さば用AS):GGACTAGGAAYARNGAGNAGTNGAGKACA
配列番号7(いくら/さけ用S):GCYCTYCTRGGRRATGAYCARATYTAYAAC
配列番号8(いくら/さけ用AS):GGNGGAGRAGTCARAARCTTATG
配列番号9(りんご用S):TTGATCGGTTAATTCAATAAGAAATAGGCC
配列番号10(りんご用AS):CACTTGATGTTTTGAAAATGGGTTTTSG
配列番号11(バナナ用S):AAATTGACTTATTATACTCCTGACTACCG
配列番号12(バナナ用AS):ATCAAGACTGGTAAGTCCATCG
配列番号13(くるみ用S):GATAGACAGAAGAATCATRGTRAAC
配列番号14(くるみ用AS):GGTGCCCTAAAGTYSGTCCA
配列番号15(もも用S):ACCGTTTCTTATTTTGTGCCGAAGCAA
配列番号16(もも用AS):TCTCTGGCAAATACAGCTCTTTTCATCATA
【0038】
また、本発明に係るプライマーセットは、配列番号1の塩基配列からなるプライマー(あわび用S)と配列番号2の塩基配列からなるプライマー(あわび用AS)とのセット(あわび用プライマーセット);配列番号3の塩基配列からなるプライマー(いか用S)と配列番号4の塩基配列からなるプライマー(いか用AS)とのセット(いか用プライマーセット);配列番号5の塩基配列からなるプライマー(さば用S)と配列番号6の塩基配列からなるプライマー(さば用AS)とのセット(さば用プライマーセット);配列番号7の塩基配列からなるプライマー(いくら/さけ用S)と配列番号8の塩基配列からなるプライマー(いくら/さけ用AS)とのセット(いくら/さけ用プライマーセット);配列番号9の塩基配列からなるプライマー(りんご用S)と配列番号10の塩基配列からなるプライマー(りんご用AS)とのセット(りんご用プライマーセット);配列番号11の塩基配列からなるプライマー(バナナ用S)と配列番号12の塩基配列からなるプライマー(バナナ用AS)とのセット(バナナ用プライマーセット);配列番号13の塩基配列からなるプライマー(くるみ用S)と配列番号14の塩基配列からなるプライマー(くるみ用AS)とのセット(くるみ用プライマーセット);配列番号15の塩基配列からなるプライマー(もも用S)と配列番号16の塩基配列からなるプライマー(もも用AS)とのセット(もも用プライマーセット)である。
【0039】
[検出方法]
本発明に係る検出方法は、試料からDNAを抽出する工程と、このDNAを鋳型として、上記説明した本発明のプライマーセットを用いてPCRを行う工程と、増幅されたDNAを検出することにより試料中にあわび、あわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ及びももが存在しているか否かを検出する工程とを含む方法である。
【0040】
即ち、上記本発明に係るプライマー又はプライマーセットを用いて、試料中のDNAをPCR等で核酸分析することにより、試料中の特定植物を特異的に検出することが可能となる。このとき、あわびを検出する場合には、あわび用センスプライマー、あわび用アンチセンスプライマー、又はあわび用プライマーセットを使用する。いかを検出する場合には、いか用センスプライマー、いか用アンチセンスプライマー、又はいか用プライマーセットを使用する。さばを検出する場合には、さば用センスプライマー、さば用アンチセンスプライマー、又はさば用プライマーセットを使用する。いくら/さけを検出する場合には、いくら/さけ用センスプライマー、いくら/さけ用アンチセンスプライマー、又はいくら/さけ用プライマーセットを使用する。りんごを検出する場合には、りんご用センスプライマー、りんご用アンチセンスプライマー、又はりんご用プライマーセットを使用する。バナナを検出する場合には、バナナ用センスプライマー、バナナ用アンチセンスプライマー、又はバナナ用プライマーセットを使用する。くるみを検出する場合には、くるみ用センスプライマー、くるみ用アンチセンスプライマー、又はくるみ用プライマーセットを使用する。ももを検出する場合には、もも用センスプライマー、もも用アンチセンスプライマー、又はもも用プライマーセットを使用する。
【0041】
検出方法(核酸分析)の種類は、特に限定されず、適宜公知の方法を用いることができる。例えば、PCR増幅産物をアガロース電気泳動で検出する方法、PCR増幅産物を蛍光検出する方法、PCR増幅産物をプローブで検出する方法等を例示することができる。
【0042】
PCR増幅産物をアガロース電気泳動で検出する方法とは、検出目的に応じて選択した上記本発明の特定植物検出用プライマーセットを用いて、試料中のDNAにおける標的塩基配列を選択的に増幅させ、PCR増幅産物の有無をアガロース電気泳動によって検出する方法である。PCR増幅産物をアガロースゲル電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドやサイバーグリーンIなどの核酸染色によって行うことができる。
【0043】
PCR増幅産物を蛍光検出する方法とは、リアルタイムPCR装置を用いてPCRを行い、その装置の検出システムにより自動的にPCR増幅産物の有無を確認する方法である。例えば、PCR反応液中にサイバーグリーンIを添加した場合、サイバーグリーンIが二本鎖DNAに結合したときに発する蛍光量に依存したPCR増幅産物量をサイクル毎にモニターすることができる。
【0044】
具体的には、配列番号1のプライマーと配列番号2のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約308bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にあわびが存在していたことを示唆する。
【0045】
また、配列番号3のプライマーと配列番号4のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約280bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にいかが存在していたことを示唆する。
【0046】
また、配列番号5のプライマーと配列番号6のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約186bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にさばが存在していたことを示唆する。
【0047】
また、配列番号7のプライマーと配列番号8のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約190bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にいくら/さけが存在していたことを示唆する。
【0048】
また、配列番号9のプライマーと配列番号10のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約143bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にりんごが存在していたことを示唆する。
【0049】
また、配列番号11のプライマーと配列番号12のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約174bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にが存在していたことを示唆する。
【0050】
また、配列番号13のプライマーと配列番号14のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約324bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にが存在していたことを示唆する。
【0051】
また、配列番号15のプライマーと配列番号16のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約130bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にが存在していたことを示唆する。
【0052】
PCR増幅産物をプローブで検出する方法としては、Taq Man法に代表されるように、PCR増幅産物の内部塩基配列とハイブリダイズするような蛍光物質標識プローブを反応液に添加し、該プローブがPCR増幅産物にハイブリダイズ後、該プローブが分解されるときに生じる蛍光量をリアルタイムPCR装置で自動的に検出することによって、PCR増幅産物の有無を確認する方法が挙げられる。この他にも、PCR増幅産物をプローブで検出する方法として、Molecular Beacon法、CycleavePCR法、ハイブリプローブを利用する方法等が挙げられる。これらの方法で使用するPCRプライマーは、本発明に係るプライマー又はプライマーセットのいずれかを使用すればよく、各々のプライマー又はプライマーセットで増幅されるPCR増幅産物の内部塩基配列から標的とする生物種に共通な塩基配列領域を別途選択し、その領域に基づいたプローブを使用すればよい。
【0053】
なお、本発明に係る検出方法において、対象となる被験試料の種類は、特に限定されない。例えば、被験試料としては、食品原料や加工食品等が挙げられる。食品原料としては、特定植物を取り扱う食品原料生産工場において、別途生産される特定植物を意図的に含まない食品原料が挙げられる。加工食品としては、菓子類、麺類、粉末スープ、液体スープ、熱風乾燥又は凍結乾燥した具材、あるいは、これらの加工食品を含有する各種調理食品等が挙げられる。また、特定植物を取り扱う食品製造工場において、別途生産される特定植物を意図的に含まない加工食品が挙げられる。また、特定植物を含む加工食品を製造後、特定植物を含まない加工食品を製造する際には、特定植物残渣の除去を念頭においた食品製造設備の入念な清掃作業が必須となる。この清掃作業方法の有効性、並びに、食品製造設備の特定植物残渣の有無を確認する観点から、当該製造設備の拭き取り試料も被験試料として挙げられる。
【0054】
また、試料の形態も特に限定されず、一般的な既知のDNA抽出法や市販の各種DNA抽出キット[例えば、Nucleon PhytoPure, plant and fungal DNA
extraction kits(Amersham Biosciences Corp., USA)、DNA Extraction IsoplantII kit(Nippon Gene Co.
Ltd., Japan)、DNeasy Plant Mini Kit(Qiagen GmbH, Hilden, Germany)等]によって、DNAの回収が可能な試料であれば、上記の検出方法に適用することができる。上記のDNA抽出法によって、ゲノムDNA及び細胞小器官由来DNA(ミトコンドリアDNAやクロロプラストDNA)を、通常、試料から抽出することができる。
【0055】
[検出キット]
本発明に係る検出キットは、上記説明した本発明に係るプライマー又はプライマーセットのいずれかを含んで成るものであれば、その構成は特に限定されない。
【0056】
具体的には、配列番号1の塩基配列からなるプライマー(あわび用S);配列番号2の塩基配列からなるプライマー(あわび用AS);配列番号1の塩基配列からなるプライマー(あわび用S)と配列番号2の塩基配列からなるプライマー(あわび用AS)とのセット(あわび用プライマーセット);配列番号3の塩基配列からなるプライマー(いか用S);配列番号4の塩基配列からなるプライマー(いか用AS);配列番号3の塩基配列からなるプライマー(いか用S)と配列番号4の塩基配列からなるプライマー(いか用AS)とのセット(いか用プライマーセット);配列番号5の塩基配列からなるプライマー(さば用S);配列番号6の塩基配列からなるプライマー(さば用AS);配列番号5の塩基配列からなるプライマー(さば用S)と配列番号6の塩基配列からなるプライマー(さば用AS)とのセット(さば用プライマーセット);配列番号7の塩基配列からなるプライマー(いくら/さけ用S);配列番号8の塩基配列からなるプライマー(いくら/さけ用AS);配列番号7の塩基配列からなるプライマー(いくら/さけ用S)と配列番号8の塩基配列からなるプライマー(いくら/さけ用AS)とのセット(いくら/さけ用プライマーセット);配列番号9の塩基配列からなるプライマー(りんご用S);配列番号10の塩基配列からなるプライマー(りんご用AS);配列番号9の塩基配列からなるプライマー(りんご用S)と配列番号10の塩基配列からなるプライマー(りんご用AS)とのセット(りんご用プライマーセット);配列番号11の塩基配列からなるプライマー(バナナ用S);配列番号12の塩基配列からなるプライマー(バナナ用AS);配列番号11の塩基配列からなるプライマー(バナナ用S)と配列番号12の塩基配列からなるプライマー(バナナ用AS)とのセット(バナナ用プライマーセット);配列番号13の塩基配列からなるプライマー(くるみ用S);配列番号14の塩基配列からなるプライマー(くるみ用AS);配列番号13の塩基配列からなるプライマー(くるみ用S)と配列番号14の塩基配列からなるプライマー(くるみ用AS)とのセット(くるみ用プライマーセット);配列番号15の塩基配列からなるプライマー(もも用S);配列番号16の塩基配列からなるプライマー(もも用AS);配列番号15の塩基配列からなるプライマー(もも用S)と配列番号16の塩基配列からなるプライマー(もも用AS)とのセット(もも用プライマーセット)のいずれかを含む検出キットが挙げられる。
【0057】
この検出キットには、上記の各々のプライマー又はプライマーセット、及び当該の各々のプライマー又はプライマーセットで増幅されるPCR増幅産物を検出するためのプローブ等が含まれていてもよい。さらに、この検出キットには、使用目的等に応じて、適当な試薬や各種容器等を含めることができる。具体的には、PCRプライマー伸長生成物を合成するための重合用試薬、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド、マグネシウム及び、PCR反応用緩衝液、並びに、それらの品質を適切に保持可能な保存容器等を含めることができる。
【0058】
[各プライマーセットの偽陽性、偽陰性の確認]
本発明に係るプライマーセットを使用したPCR分析法の有効性を確認するために、各種生物由来DNAに対するPCRの偽陽性と偽陰性を調べる実験を、下記のように実施した。
【0059】
準特定原材料の代表的な3種類及びその他一般的な生物種について市販品を入手し、各種生物由来の精製DNAは、各々の試料からQIAGEN DNeasy Plant Mini KitまたはQIAGEN
Genomic-Tip 20/Gを用いて調製したものを使用した。抽出方法は、食品衛生検査指針のアレルギー物質DNA抽出精製法に従った。なお、いずれの精製DNAもRNA分解酵素によるRNAの除去操作を実施してある。
【0060】
配列番号1〜16の各々のプライマーは、北海道システム・サイエンス社(Hokkaido System Science,Japan)で合成されたものを、以下のPCR法で使用した。
【0061】
上述したように準備した各種生物のDNA量を測定後、滅菌水を用いて、DNAの濃度を20 ng/μLに調製した。PCR用反応試料管に反応液を以下のように調製する。反応液は、1xPCR緩衝液(PCR bufferII,Applied Biosystems,USA)、0.20nmol/ldNTP,1.5mmol/l塩化マグネシウム、0.2μmol/l 5’および3’プライマー、および0.625units Taq DNAポリメラーセ(AmpliTaqGold DNA polymerase,Applied Biosystems,USA)を含む液に、20ng/μlに調製したDNA試料液2.5μl(DNAとして50ng)を加え、全量を25μlにした。次に、その反応試料管をPCR増幅装置(GeneAmp PCR System 9600,Applied Biosystems,USA)にセットした。反応条件は次のとおりである。95℃に10分間保ち反応を開始させたのち、95℃0.5分間、各プライマーセットに最適のアニーリング温度0.5分間、72℃0.5分間を1サイクルとして、40サイクルのPCR増幅を行った。各プライマーセットのアニーリング温度は次のとおりである。配列番号1と2:55℃、配列番号3と4:45℃、配列番号5と6:60℃、配列番号7と8:60℃、配列番号9と10:65℃、配列番号11と12:50℃、配列番号13と14:50℃、配列番号15と16:50℃。次に終了反応として72℃で7分間保ったのち、4℃で保存し、得られた反応液をPCR増幅反応液とした。さらに、2.5%(w/v)アガロースゲル電気泳動によってPCR増幅産物(反応液の7.5μL)を分離し、分離後のゲルをエチジウムブロマイドで染色後、UV照射下において増幅産物を視覚化することによって、増幅産物の有無を確認した。分子量マーカーとして100bp DNA Ladder(TOYOBO,Japan)を使用した。
【0062】
これらのPCRの結果を表1に示す。表中の+(プラス)は電気泳動により標的サイズの増幅産物が検出されたことを示し、−(マイナス)は当該増幅産物が検出されなかったことを示す。
【表1】

【0063】
[プライマーセットを用いた検出限界の確認]
本発明に係るプライマーセットを用いたPCR法の検出感度を調べるために、下記のような実験を実施した。
【0064】
クロアワビ、スルメイカ、マサバ、シロザケ、リンゴ(フジ)、バナナ(ジャイアント・キャベンディッシュ)、オニグルミ及びもも(白鳳)の可食部約50gをフードカッターで均質化処理し、準特定原材料試料とした。これら準特定原材料試料について、上記抽出法で精製DNA液を調製した。精製DNA液のDNA濃度を20ng/μlに調製した後、滅菌水を用いて400pg/μl、40pg/μl、4pg/μl、0.4pg/μlのDNA溶液の希釈系列を作製した。これら被験DNA液の2.5μlを、上記PCR反応条件でPCR法に供した。
【0065】
PCR反応後、上記したように、増幅産物の有無をアガロースゲル電気泳動によって確認した。これらのPCR法の結果を表2及び図1に示す。表中の+(プラス)は電気泳動により標的サイズの増幅産物が検出されたことを示し、−(マイナス)は当該増幅産物が検出されなかったことを示す。
【0066】
【表2】

【0067】
表2に示すように、準特定原材料(あわび、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、クルミ及びもも)検出用PCRプライマーを使用した場合の検出限界は、あわび:100pg DNA/分析、いか:100pg DNA/分析、さば:100pg DNA/分析、いくら/さけ:10pg DNA/分析、リンゴ:1000pg DNA/分析、バナナ:1000pg DNA/分析、クルミ:100pg DNA/分析および、もも:1000pg DNA/分析であった。
【0068】
以上に説明したように、本発明によれば、PCR法を用いた核酸分析による精度及び検出感度の高いあわび、いか、さば、いくら/さけ、りんご、バナナ、くるみ、あるいはももの検知を可能とし、上記アレルギー物質を含む食品が混入しているか否か、又は、使用されているか否かといった品質管理検査の実施を可能にするという効果を奏する。また、食物アレルギーの未然防止、アレルギー症状が生じた際の原因物質の調査等にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】検出感度を示す説明図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCR法によるアレルギー物質の検出方法であって、
遺伝子配列中のCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域の塩基配列からなり、あわび、いか、さば、又はいくら/さけを検出するプライマーと、遺伝子配列中のRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域の塩基配列からなり、りんご、バナナ、くるみ、又はももを検出するプライマーのいずれか一方又は両方を用いることを特徴とするアレルギー物質の検出方法。
【請求項2】
前記プライマーとして、
あわびを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号1又は2の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号1及び2の塩基配列からなるプライマーセット、
いかを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号3又は4の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号3及び4の塩基配列からなるプライマーセット、
さばを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号5又は6の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号5及び6の塩基配列からなるプライマーセット、
いくら/さけを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号7又は8の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号7及び8の塩基配列からなるプライマーセット、
りんごを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号9又は10の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号9及び10の塩基配列からなるプライマーセット、
バナナを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号11又は12の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号11及び12の塩基配列からなるプライマーセット、
くるみを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号13又は14の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号13及び14の塩基配列からなるプライマーセット、
ももを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号15又は16の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号15及び16の塩基配列からなるプライマーセット
のいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載のアレルギー物質の検出方法。
【請求項3】
PCR法によるアレルギー物質の検出に用いるプライマーであって、
遺伝子配列中のCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域の塩基配列からなり、あわび、いか、さば、又はいくら/さけを検出するプライマーと、遺伝子配列中のRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域の塩基配列からなり、りんご、バナナ、くるみ、又はももを検出するプライマーのいずれか一方又は両方からなることを特徴とするアレルギー物質の検出に用いるプライマー。
【請求項4】
前記プライマーは、
あわびを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号1又は2の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号1及び2の塩基配列からなるプライマーセット、
いかを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号3又は4の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号3及び4の塩基配列からなるプライマーセット、
さばを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号5又は6の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号5及び6の塩基配列からなるプライマーセット、
いくら/さけを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号7又は8の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号7及び8の塩基配列からなるプライマーセット、
りんごを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号9又は10の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号9及び10の塩基配列からなるプライマーセット、
バナナを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号11又は12の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号11及び12の塩基配列からなるプライマーセット、
くるみを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号13又は14の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号13及び14の塩基配列からなるプライマーセット、
ももを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号15又は16の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号15及び16の塩基配列からなるプライマーセット
のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のアレルギー物質の検出に用いるプライマー。
【請求項5】
PCR法によるアレルギー物質の検出に用いる検出キットであって、
遺伝子配列中のCO1(cytochrome oxidase subunit 1)領域の塩基配列からなり、あわび、いか、さば、又はいくら/さけを検出するプライマーと、遺伝子配列中のRubisCO(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase)領域の塩基配列からなり、りんご、バナナ、くるみ、又はももを検出するプライマーのいずれか一方又は両方を含むことを特徴とするアレルギー物質の検出に用いる検出キット。
【請求項6】
前記プライマーは、
あわびを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号1又は2の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号1及び2の塩基配列からなるプライマーセット、
いかを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号3又は4の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号3及び4の塩基配列からなるプライマーセット、
さばを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号5又は6の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号5及び6の塩基配列からなるプライマーセット、
いくら/さけを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号7又は8の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号7及び8の塩基配列からなるプライマーセット、
りんごを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号9又は10の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号9及び10の塩基配列からなるプライマーセット、
バナナを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号11又は12の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号11及び12の塩基配列からなるプライマーセット、
くるみを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号13又は14の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号13及び14の塩基配列からなるプライマーセット、
ももを検出するためのプライマーであって、配列表の配列番号15又は16の塩基配列からなるプライマー、又は、配列表の配列番号15及び16の塩基配列からなるプライマーセット
のいずれかを含むことを特徴とする請求項5に記載のアレルギー物質の検出に用いる検出キット。

【図1】
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【公開番号】特開2009−240164(P2009−240164A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87113(P2008−87113)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(504305016)ビジョンバイオ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】