説明

アンテナ及びアンテナを作成する方法

【課題】アンテナフィード組立体に関し、比較的容易に製造することが可能なアンテナ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】アンテナは、アンテナ素子、アンテナフィード組立体、及び、アンテナ素子に対向する側部上でアンテナフィード組立体に近接する集積回路を有する。集積回路は、アンテナフィード組立体を介してアンテナ素子に対して接続される。アンテナフィード組立体は、アンテナ素子から間隔をあけられる導電性基板を有し、フィード開口を有する。間隔をあけられる導電性ポストは、モノリシックユニットとして導電性基板と一体的に形成され、そこからアンテナ素子に向かって外方向に延在する。各導電性ポストは通路を有し、その通路を介してアンテナフィード通路を定義付けるよう個別のフィード開口と位置を合わせられる。個別の細長いフィードコンダクタは、各アンテナフィード通路を介して延在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ及びアンテナを作成する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
既存の位相アレイアンテナは、衛星放送受信及び遠隔放送等である多種の用途に対して多種の構造を有する。一般的に、低コスト、軽量、薄型、及び大量生産性という所望される特徴は、プリント回路アンテナ(printed circuit antennas)によって与えられる。プリント回路アンテナは、均一の厚さを有する誘電体シートによる単一の、基本的には連続的な接地素子(ground element)から間隔をあけられる平坦な導体素子によって定義付けられる。
【0003】
プリント回路アンテナは、航空宇宙システム等であるコンフォーマル構造(conformal configuration)を求める用途おいて有利であるが、アンテナの取付けには、問題が示される。かかる問題のうち1つは、コンフォーマル(conformality)且つ十分な放射線範囲(radiation coverage)及び指向性が保持されるよう、並びに取り囲む表面に対する損失が低減されるよう与えられる方法に関する。
【0004】
広い周波数帯域幅及び広い走査角を有する位相アレイアンテナに対するアンテナフィード組立体は、米国特許第6,483,464号明細書(特許文献1)中に記載される。該特許文献1は、本発明の現在の譲受人に譲り受けられ、本願中に参照として組み込まれる。特には、このアンテナは、表面に対してコンフォーマルに(conformally)取り付けられ得、アンテナフィード組立体は、個別のフィードライン形成体ボディを有する。該ボディは、対応するアンテナ素子に対して個別の同軸フィードラインを受けるよう、通路を有する。各個別のフィードライン形成体ボディは、4つのスクリューを使用して接地平面に対して個々に結合される。この特許はかかるアンテナにおける重要な利点を開示するが、フィードライン形成体ボディを接地平面に対して個々に結合することは、特に位相アレイアンテナが多数のアンテナ素子を有する際には、面倒且つ時間のかかる工程である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,483,464号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、アンテナフィード組立体に関し、比較的容易に製造することが可能なアンテナ及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によるアンテナは、
直交する複数のアンテナ素子群のアレイをなす複数のアンテナ素子であって、直交するアンテナ素子群の各々は、中央フィード位置の周りで互いに離間した位置関係に配置されたアンテナ素子で構成される、複数のアンテナ素子と、
前記複数のアンテナ素子に対する接地面として機能し且つ前記複数のアンテナ素子から隔たっている導電性基板と該導電性基板における複数のフィード開口とを有するアンテナフィード組立体と、
モノリシックユニットとして前記導電性基板と一体的に形成され、前記複数のアンテナ素子の方に向かって伸びる離間した複数の導電性ポストであって、該複数の導電性ポストの各々は、直交するアンテナ素子群の少なくとも1つに対応し、少なくとも2つのフィード開口各々に整合した少なくとも2つの通路を有し、前記直交するアンテナ素子群の少なくとも1つに対応する少なくとも2つのアンテナフィード通路を規定する、複数の導電性ポストと、
前記アンテナフィード通路各々を介してそれぞれ伸びるフィードコンダクタと、
前記複数のアンテナ素子とは反対側において前記アンテナフィード組立体に隣接し、該アンテナフィード組立体を介して前記複数のアンテナ素子に接続される少なくとも1つの集積回路と
を有するアンテナである。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態によれば、アンテナフィード組立体に関し、比較的容易に製造することが可能なアンテナ及びその製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従った二重偏波位相アレイアンテナの概略的平面図。
【図2】図1中の二重偏波位相アレイアンテナの分解斜視図。
【図3】図2中のアンテナフィード組立体の平面図。
【図4】図2中のアンテナフィード組立体の側面図。
【図5】本発明に従った位相アレイアンテナの部分的側部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に従ったこの及び他の目的、特性、及び利点は、複数のアンテナ素子、アンテナフィード組立体、及び少なくとも1つの集積回路を有するアンテナによって与えられる。該少なくとも1つの集積回路は、アンテナ素子に対向する側部上でアンテナフィード組立体に近接し、アンテナフィード組立体を介して接続される。
【0011】
アンテナフィード組立体は、複数のアンテナ素子から間隔をあけられる導電性基板を有し得、導電性基板は、そこに複数のフィード開口を有する。複数の間隔をあけられる導電性ポストは、モノリシックユニットとして導電性基板と一体的に形成され、そこから複数のアンテナ素子に向かって外方向に延在する。各導電性ポストは、少なくとも1つの通路(passageway)を有し、該通路を介して、少なくとも1つのアンテナフィード通路を定義付けるよう導電性基板において少なくとも1つの個別のフィード開口と位置を合わせられる。個別の細長いフィードコンダクタは、各アンテナフィード通路を介して延在し得る。
【0012】
導電性基板は、複数のアンテナ素子に対して接地平面として機能する。各導電性ポストがモノリシックユニットとして導電性基板と一体的に形成されるため、これは有利に、アンテナフィード組立体が比較的容易に形成され得るようにする。例えば、アンテナフィード組立体は、導電性材料のブロックから機械加工され得る。導電性材料のブロックから機械加工されるアンテナフィード組立体を有するアンテナのコストは、大幅に低減され得る。更には、導電性ポスト及び導電性基板がモノリシックユニットとして形成されるため、アンテナフィード組立体は、特に極度振動の期間中に、より信頼性が高い。
【0013】
複数のアンテナ素子は、二重偏波を与えるよう、直交アンテナの第1及び第2の組を有し得る。二重偏波に対して、各導電性ポストは、直交アンテナの第1及び第2の組の夫々と適合するよう4つの通路を有する。
【0014】
アンテナは更に、複数のアンテナ素子と導電性基板との間に誘電体層を有し得る。アンテナは、望ましい周波数範囲を有し、誘電体層は、最も高い望ましい周波数の波長と同等、であるか、あるいは二分の1より小さい厚さを有する。
【0015】
少なくとも1つの集積回路は、複数の能動バラン集積回路を有し得る。能動バラン集積回路は、有利には、アンテナ素子と整合するインピーダンスを与える。加えて、バランは、結果として3dBの電力損失をもたらした、この種類のアンテナを有して通常は使用される0/180度ハイブリッド回路を置き換る。更には、この電力損失を克服することに加えて、バラン集積回路はまた、低ノイズ増幅器を有し得る。
【0016】
アンテナは更に、アンテナが位相アレイアンテナであるよう、能動バラン集積回路に対して結合されるビーム形成ネットワーク層を有し得る。ビーム形成ネットワーク層は、接地平面間に挟まれるストリップライン(strip lines)に基づき、また、この種類のアンテナと通常は関連付けられる同軸ケーブルを置き換える。利点は、2つある(two−fold)。第一に、ビーム形成ネットワーク層の厚さは、同軸ケーブルの使用と比較して、約因数6の差でより小さい。第二に、ストリップラインは、アンテナ素子及び能動バラン集積回路から熱が放散するよう助けとなる。
【0017】
アンテナは更に、ビーム形成ネットワーク層に対して結合される少なくとも1つの時間遅延集積回路を有し得る。時間遅延集積回路は、約±50度の走査角を定義付けるようプログラム可能であり得る。
【0018】
アンテナは更に、能動バラン集積回路及びビーム形成ネットワーク層に対して結合される電源及び制御分配ネットワーク層を有し得る。アンテナ素子のアレイは、アンテナが2乃至18GHzの周波数範囲にわたって操作可能であるよう、寸法を決められ、且つ比較的適切な位置に置かれる。アンテナは、約1インチより小さいかそれと同等である全体的な厚さを有する。
【0019】
本発明の他の態様は、上述された通りアンテナを作る方法に向けられる。該方法は、複数のアンテナ素子を形成する段階、アンテナフィード組立体を形成する段階、及び、少なくとも1つの集積回路をアンテナフィード組立体を介して複数のアンテナ素子に対して接続する段階、を有する。少なくとも1つの集積回路は、複数の素子に対向する側部上でアンテナフィード組立体に近接し得る。
【0020】
より特には、アンテナフィード組立体を形成する段階は、複数のアンテナ素子から間隔をあけられ且つ複数のフィード開口を有する導電性基板を形成する段階、並びに、モノリシックユニットとして導電性基板を有する複数の間隔をあけられる導電性ポストを形成する段階、を有する。複数の間隔をあけられる導電性ポストは、複数のアンテナ素子に向かって導電性基板から外方向に延在する。各導電性ポストは、少なくとも1つの通路を有し得、少なくとも1つのアンテナフィード通路を定義付けるよう通路を介して少なくとも1つの個別のフィード開口と位置を合わせられ、少なくとも1つの集積回路をアンテナフィード組立体を介して複数のアンテナ素子に対して接続させる。
【0021】
本発明はこれより、本発明の望ましい実施例が図示される添付の図面を参照して以下により完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形状において実施され得、本願中に記載される実施例に対して制限されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、かかる実施例は、本願を完全なものとし、且つ本発明の範囲を当業者に完全に伝えるよう、与えられる。同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0022】
まず図1を参照すると、本発明に従ったアンテナ10は、アレイに配置される複数のアンテナユニット12を有する。図示されるアンテナ10は、プリント導電性シート上に形成される36のアンテナユニット12を有する。各アンテナユニットは、中央フィード位置24の周囲に互いから間隔をあけて配置される、4つの近接するダイポールアンテナ素子16,18,20,22を有する。36のアンテナユニット12は、単に図示する目的のものであって、アンテナ10は、例えば250又はそれより多くの複数のアンテナユニットを有し得る。
【0023】
各アンテナユニット12に対する4つの近接するアンテナ素子16−22は、二重偏波を与えるよう、例えば16/22及び18/20である直交アンテナ素子の第1及び第2の組として配置され得る。当然のことながら、16/22等であるアンテナ素子の単一の組のみは、単一偏波の実施例に対して与えられるよう使用され得る。
【0024】
アンテナユニット12のアレイは、アンテナ10が例えば9:1帯域幅である、2乃至18GHzの所望される周波数範囲にわたって操作可能であるよう、寸法を決められ、比較的に適切に位置付けられる。当然のことながら、アンテナユニット12は、より大きな帯域幅を有する周波数帯域を有する他の周波数帯域を指示するよう、寸法を決定され得、且つ適切に位置付けられ得る。アンテナユニットの異なる特性及び実施例に関する更に詳細な議論に対しては、米国特許第6,512,487号明細書が参照される。該特許文献は、ダイポールアンテナ素子を開示し、本発明の現在の譲受人に対して譲り受けられ、本願中に参照として組み込まれる。
【0025】
アンテナ10はこれより、図2−5を参照して説明される。アンテナ10は、複数の層を有して作られる。異なる層は、標準的なPCB技術によって製造され、アンテナ10は、当業者によって容易に理解できる通り、所望の表面に対してコンフォーマルに取り付けられ得る。最も外側の層は、プリント導電性シート14によって有されるアンテナユニット12のアレイである。誘電体層26は、プリント導電性シート14及びアンテナフィード組立体36との間にある。誘電体層26は典型的には、例えば18GHzである最も高い所望の周波数の波長と同等であるか、あるいはそれの約二分の1より小さい。
【0026】
アンテナフィード組立体36は、アンテナ素子16−22のアレイから間隔をあけられる導電性基板38を有し、導電性基板は、そこに複数のフィード開口40を有する。複数の間隔をあけられる導電性ポスト42は、モノリシックユニットとして導電性基板38と一体的に形成され、そこから複数のアンテナ素子16−22に向かって外方向に延在する。各導電性ポスト42は、少なくとも1つの通路46を有し、該通路を介して、複数のアンテナフィード通路を定義付けるよう導電性基板38において複数の個別のフィード開口40と位置を合わせられる。
【0027】
個別の細長いフィードコンダクタ50は、各アンテナフィード通路を介して延在する。二重偏波に対して、各導電性ポスト42は、4つの通路46を有し、該通路を介して直交アンテナの個別の第1及び第2の組16/22及び18/20と適合する。また、個別の細長いフィードコンダクタ50は、各通路46を介して延在する。各導電性ポスト42が導電性基板38から延在する距離は、アンテナ10の最も高い作動周波数、即ち最も高い所望の周波数の波長の二分の1に基づく。誘電体層24の厚さ及び導電性ポスト42が導電性基板38から延在する距離は、実質的に同等である。
【0028】
導電性基板38は、複数のアンテナ素子16−22に対する接地平面として機能する。各導電性ポスト42がモノリシックユニットとして導電性基板38と一体的に形成されるため、これは有利には、アンテナフィード組立体36が比較的容易に形成されることを可能にする。例えば、アンテナフィード組立体36は、真鍮等である導電性材料の固体ブロックから機械加工され得る。
【0029】
導電性材料の固体ブロックから機械加工されるアンテナフィード組立体36を有するアンテナ10のコストは、大幅に低減され得る。重量もまた、低減される。更には、導電性ポスト42及び導電性基板38がモノリシックユニットとして形成されるため、アンテナフィード組立体36は、特に極度振動の期間中に、より信頼性が高い。また、複数フィード構造に通常は関連付けられる共通モードは、低減される。
【0030】
各導電性ポスト42は、矩形であるよう図示されるが、他の形状も許容される。各個別通路46の一例としての直径dは、0.028インチである。いずれか2つの通路46の中心間の一例としての距離xは、0.048インチである。各導電性ポスト42の側部43の対応する幅wは、0.100インチである。アンテナフィード組立体36はまた、アンテナ10の複数の層とともに組み立てられる際に使用される複数の位置合わせポスト52を有する。
【0031】
DC電源及び制御分配ネットワーク層56は、アンテナフィード組立体36に近接する。DC電源及び制御分配ネットワーク層56は、図5中に最もよく示される通り、接地平面58、及び典型的には2つ又はそれより多いDC/制御層60を有する。
【0032】
ビーム形成ネットワーク層66は、DC電源及び制御分配ネットワーク層56に近接し、複数の集積回路80は、アンテナ10が位相アレイであるよう、ビーム形成ネットワーク層に対して接続される。ビーム形成ネットワーク層66は、アンテナ素子16−22から信号を加算する(summing)よう、カプラー、即ち加算ネットワークを有する。ビーム形成ネットワーク層66は、接地平面70と72との間に挟まれるストリップライン68に基づき、この種類のアンテナと通常は関連付けられる同軸ケーブルを置き換える。利点は2つある。第一に、ビーム形成ネットワーク層の厚さは、同軸ケーブルの使用と比較して約因数6の差でより小さい。第二に、ストリップラインは、アンテナ素子16−22及び集積回路80から熱を放散させるよう助ける。
【0033】
集積回路80は、複数の能動MMICバラン集積回路を有する。バラン集積回路80は、有利には、アンテナ素子16−22とビーム形成ネットワーク層66との間において、50オーム等であるインピーダンス整合を与える。各バラン集積回路は更に、信号を増幅するよう低ノイズ増幅器を有し得る。各アンテナユニット12に対して能動バラン集積回路80がある。
【0034】
加えて、バラン集積回路80は、この種類のアンテナを有して通常は使用される0/180度ハイブリッド回路を置き換える。0/180度ハイブリッド回路は、受動装置(passive device)であり、典型的には、かかる回路に関連付けられる3dBの電力損失があった。能動MMICバラン集積回路80は、この3dB電力損失を避けるばかりではなく、ビーム形成ネットワーク層66においてストリップライン68と関連付けられる損失の影響も低減する。挿入損失も低減され、能動バラン集積回路80はまた、そこに有される低ノイズ増幅器により、向上されたノイズ指数を与える。
【0035】
アンテナ10は更に、ビーム形成ネットワーク層66に対して結合される複数の時間遅延集積回路82を有し得る。時間遅延集積回路は、各個々のアンテナ素子16−22において到着する全ての信号を同期して合計する(add up in phase)。時間遅延集積回路82は、位相アレイアンテナが例えば約±50度の走査角にわたって操作可能であるよう、プログラム可能であり得る。時間遅延集積回路82は、例えば、6ビット集積回路であり得る。リボン90は、DC電源及び制御分配ネットワーク層56に対して集積回路80,82を接続する。
【0036】
図示されるアンテナ10は、小型であり、1インチより小さい、より特には約0.7インチである全体の厚さを有する。0.7インチの全体の厚さは、かかる集積回路の上方表面が誘電体層の上方表面と同一平面であるよう、集積回路を有する誘電体層86内で埋め込まれる(recessed)集積回路80,82に基づく。
【0037】
本発明の他の態様は、上述された通りアンテナ10を作る方法に向けられる。該方法は、複数のアンテナ素子16−22を形成する段階、アンテナフィード組立体36を形成する段階、及び、アンテナフィード組立体を介して複数のアンテナ素子に対して少なくとも1つの集積回路80を接続する段階、を有する。少なくとも1つの集積回路80は、複数のアンテナ素子16−22に対向する側部上においてアンテナフィード組立体36に近接する。
【0038】
より特には、アンテナフィード組立体36を形成する段階は、複数のアンテナ素子16−22から間隔をあけられ、且つそこに複数のフィード開口を有する、導電性基板38を形成する段階、及び、導電性基板を有する複数の間隔をあけられる導電性ポスト42をモノリシックユニットとして形成する段階、を有する。複数の間隔をあけられる導電性ポスト42は、複数のアンテナ素子16−22に向かって導電性基板38から外方向に延在する。各導電性ポスト42は、少なくとも1つの通路46を有し、該通路を介して、少なくとも1つのアンテナフィード通路を定義付けるよう少なくとも1つの個別のフィード開口40と位置を合わせられる。該少なくとも1つのアンテナフィード通路は、アンテナフィード組立体36を介して複数のアンテナ素子16−22に対して少なくとも1つの集積回路80を接続させる。
【0039】
以下、開示される発明の実施形態を例示的に列挙する。
【0040】
[第1項]
アンテナであって、
複数のアンテナ素子と、
アンテナフィード組立体と、
前記複数の素子に対向する側部上で前記アンテナフィード組立体に近接し、且つ前記アンテナフィード組立体を介して接続される、少なくとも1つの集積回路と、
を有し、
前記アンテナフィード組立体は、
前記複数のアンテナ素子から間隔をあけられ、且つ複数のフィード開口を有する、導電性基板と、
複数の間隔をあけられる導電性ポストと、
個別の細長いフィードコンダクタと、
を有し、
前記複数の間隔をあけられる導電性ポストは、モノリシックユニットとして前記導電性基板と一体的に形成され、そこから前記複数のアンテナ素子に向かって外方向に延在し、各導電性ポストは、少なくとも1つの通路を有し、少なくとも1つのアンテナフィード通路を定義付けるよう前記通路を介して少なくとも1つの個別のフィード開口と位置を合わせられ、
前記個別の細長いフィードコンダクタは、各アンテナフィード通路を介して延在する、アンテナ。
【0041】
[第2項]
前記少なくとも1つの集積回路は、複数の能動バラン集積回路を有する、第1項記載のアンテナ。
【0042】
[第3項]
前記少なくとも1つの集積回路は、増幅器を有する、第1項記載のアンテナ。
【0043】
[第4項]
前記少なくとも1つの集積回路に対して結合されるビーム形成ネットワーク層を更に有する、第1項記載のアンテナ。
【0044】
[第5項]
前記ビーム形成ネットワーク層に対して結合される少なくとも1つの時間遅延集積回路を更に有する、第4項記載のアンテナ。
【0045】
[第6項]
アンテナを作る方法であって、
複数のアンテナ素子を形成する段階と、
アンテナフィード組立体を形成する段階と、
前記複数の素子に対向する側部上で前記アンテナフィード組立体に近接する少なくとも1つの集積回路を、前記アンテナフィード組立体を介して前記複数のアンテナ素子に対して接続する段階と、
を有し、
前記アンテナフィード組立体を形成する段階は、
前記複数のアンテナ素子から間隔をあけられ、且つ複数のフィード開口を有する、導電性基板を形成する段階と、
モノリシックユニットとして前記導電性基板を有する複数の間隔をあけられる導電性ポストを形成する段階と、
個別の細長いフィードコンダクタを延在させる段階と、
を有し、
前記複数の間隔をあけられる導電性ポストは、前記複数のアンテナ素子に向かって前記導電性基板から外方向に延在し、各導電性ポストは、少なくとも1つの通路を有し、少なくとも1つのアンテナフィード通路を定義付けるよう前記通路を介して少なくとも1つの個別のフィード開口と位置を合わせられ、
前記個別の細長いフィードコンダクタは、各アンテナフィード通路を介して延在する、方法。
【0046】
[第7項]
前記少なくとも1つの集積回路は、複数の能動バラン集積回路を有する、第6項記載の方法。
【0047】
[第8項]
前記少なくとも1つの集積回路は、増幅器を有する、第6項記載の方法。
【0048】
[第9項]
前記少なくとも1つの集積回路に対してビーム形成ネットワーク層を結合させる段階を更に有する、第6項記載の方法。
【0049】
[第10項]
前記ビーム形成ネットワーク層に対して少なくとも1つの時間遅延集積回路を結合させる段階を更に有する、第9項記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交する複数のアンテナ素子群のアレイをなす複数のアンテナ素子であって、直交するアンテナ素子群の各々は、中央フィード位置の周りで互いに離間した位置関係に配置されたアンテナ素子で構成される、複数のアンテナ素子と、
前記複数のアンテナ素子に対する接地面として機能し且つ前記複数のアンテナ素子から隔たっている導電性基板と該導電性基板における複数のフィード開口とを有するアンテナフィード組立体と、
モノリシックユニットとして前記導電性基板と一体的に形成され、前記複数のアンテナ素子の方に向かって伸びる離間した複数の導電性ポストであって、該複数の導電性ポストの各々は、直交するアンテナ素子群の少なくとも1つに対応し、少なくとも2つのフィード開口各々に整合した少なくとも2つの通路を有し、前記直交するアンテナ素子群の少なくとも1つにそれぞれ対応する少なくとも2つのアンテナフィード通路を規定する、複数の導電性ポストと、
前記アンテナフィード通路各々を介してそれぞれ伸びるフィードコンダクタと、
前記アンテナフィード組立体に前記複数のアンテナ素子とは反対側で隣接し、該アンテナフィード組立体を介して前記複数のアンテナ素子に接続される少なくとも1つの集積回路と
を有するアンテナ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの集積回路が複数の能動バラン集積回路を有する、請求項1記載のアンテナ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの集積回路が増幅器を有する、請求項1記載のアンテナ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの集積回路に対して結合されるビーム形成ネットワーク層を更に有する請求項1記載のアンテナ。
【請求項5】
前記ビーム形成ネットワーク層に結合される少なくとも1つの時間遅延集積回路を更に有する請求項4記載のアンテナ。
【請求項6】
複数のアンテナ素子を形成するステップと、
直交する複数のアンテナ素子群のアレイに前記複数のアンテナ素子を配置するステップと、
前記直交する複数のアンテナ素子を構成するアンテナ素子を、中央フィード位置の周りで互いに離間した位置関係に配置するステップと、
前記複数のアンテナ素子から隔たっている導電性基板を形成し、該導電性基板において複数のフィード開口を形成することで、アンテナフィード組立体を形成するステップと、
モノリシックユニットとして前記導電性基板と共に複数の離間した導電性ポストを形成するステップであって、前記複数の離間した導電性ポストは前記導電性基板から前記複数のアンテナ素子の方に向かって伸び、該複数の導電性ポストの各々は、直交するアンテナ素子群の少なくとも1つに対応し、少なくとも2つのフィード開口各々に整合した少なくとも2つの通路を有し、前記直交するアンテナ素子群の少なくとも1つに対応する少なくとも2つのアンテナフィード通路を規定する、ステップと、
前記アンテナフィード通路各々を介してフィードコンダクタをそれぞれ伸ばすステップと、
前記アンテナフィード組立体を介して少なくとも1つの集積回路と前記複数のアンテナ素子とを接続するステップであって、前記少なくとも1つの集積回路は、前記アンテナフィード組立体に前記複数のアンテナ素子とは反対側で隣接している、ステップと
を有する、アンテナを作成する方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの集積回路が複数の能動バラン集積回路を有する、請求項6記載のアンテナを作成する方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの集積回路が増幅器を有する、請求項6記載のアンテナを作成する方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの集積回路にビーム形成ネットワーク層を結合するステップを更に有する請求項6記載のアンテナを作成する方法。
【請求項10】
前記ビーム形成ネットワーク層に少なくとも1つの時間遅延集積回路を結合するステップを更に有する請求項9記載のアンテナを作成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−23783(P2012−23783A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239971(P2011−239971)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【分割の表示】特願2007−551315(P2007−551315)の分割
【原出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】