アンテナ装置
【課題】組立てが容易に行え、また、ポール又は竪樋への取付け部分が露出しないように取付けることができるアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナパターンを有する金属薄板2と、この金属薄板2の表面側を覆う電気絶縁材料で形成した表面側カバー3と、前記金属薄板2の裏面側を覆う電気絶縁材料で形成した前記表面側カバー3とは別体の裏面側カバー4とを備える。前記金属薄板2を前記表面側カバー3と前記裏面側カバー4とで挟持した状態で前記表面側カバー3と前記裏面側カバー4が連結手段で連結される。前記裏面側カバー4の裏面にポール20又は竪樋22に取付けるための取付け部7が設けられる。
【解決手段】アンテナパターンを有する金属薄板2と、この金属薄板2の表面側を覆う電気絶縁材料で形成した表面側カバー3と、前記金属薄板2の裏面側を覆う電気絶縁材料で形成した前記表面側カバー3とは別体の裏面側カバー4とを備える。前記金属薄板2を前記表面側カバー3と前記裏面側カバー4とで挟持した状態で前記表面側カバー3と前記裏面側カバー4が連結手段で連結される。前記裏面側カバー4の裏面にポール20又は竪樋22に取付けるための取付け部7が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、既存の導電性を有する竪樋をそのままにした状態で、この既存の導電性を有する竪樋の外面にアンテナ部と伝送路トラップ部を取付ける技術が開示されている。
【0003】
このアンテナ部は、竪樋の施工後に取付けが可能なように金属板あるいは導電皮膜加工等を施した合成樹脂により形成される。また、アンテナ部は、半円筒状の折り返し部の側方に半円筒状の給電部を設けたアンテナ素体を2枚組み合わせて構成される。
【0004】
また、伝送路トラップ部は、既存の導電性を有する竪樋にアンテナ部を取付けるに当り、導電性を有する竪樋がアンテナ部の動作を乱さないように設けられる。この伝送路トラップ部は、半割り体を2枚組み合わせた二重筒構造に構成される。
【0005】
アンテナ部は、既存の導電性を有する竪樋の長手方向の中間部の外面側に、2枚のアンテナ素体の折り返し部が配置され、アンテナ素体の左右両側に外方に突出した鍔同士がねじにより固定されることで2枚のアンテナ素体が連結されて既存の竪樋に取付けられる。
【0006】
伝送路トラップ部は、アンテナ部の上下位置に、それぞれ2枚の半割り体が配置され、半割り体の上下に突出した接合片同士がねじにより固定されることで2枚の半割り体が連結されて竪樋に取付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−168101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に示す従来例は、アンテナ部を竪樋に取付ける部分、つまりアンテナ素体の両側に外方に突出した鍔同士をねじで固定する部分が竪樋の正面側に露出し、しかも、左右両側に突出する。
【0009】
また、伝送路トラップ部を竪樋に取付ける部分、つまり半割り体の上下に突出した接合片同士をねじで固定する部分が竪樋の正面側に露出する。
【0010】
このように、鍔同士をねじにより固定する部分、接合片同士をねじにより固定する部分が竪樋の正面側に露出するので、外観が悪い。
【0011】
特に、鍔同士をねじにより固定する部分が左右両側に突出して露出するので、人や物が引っ掛かりやすいという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、組立てが容易に行え、また、ポール又は竪樋への取付け部分が露出しないように取付けることができるアンテナ装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のアンテナ装置は、アンテナパターンを有する金属薄板と、この金属薄板の表面側を覆う電気絶縁材料で形成した表面側カバーと、前記金属薄板の裏面側を覆う電気絶縁材料で形成した前記表面側カバーとは別体の裏面側カバーとを備え、前記金属薄板を前記表面側カバーと前記裏面側カバーとで挟持した状態で前記表面側カバーと前記裏面側カバーが連結手段で連結され、前記裏面側カバーの裏面にポール又は竪樋に取付けるための取付け部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
前記金属薄板にアンテナパターン用のスロットが形成され、この金属薄板が保護シートで被覆されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、アンテナパターンを有する金属薄板を表面側カバーと裏面側カバーとで挟持した状態で表面側カバーと裏面側カバーが連結手段で連結されるので、アンテナ装置の構成が簡略化され且つ容易に組立てられる。また、裏面側カバーの裏面にポール又は竪樋に取付けるための取付け部が設けられているので、アンテナ装置はポール又は竪樋に取付けることが可能となる。また、取付け部が裏面側カバーに隠されて正面側から見え難く、外観を損ね難く、また、取付け部に人や物が引っ掛かり難い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のアンテナ装置の分解斜視図である。
【図2】(a)は同上のアンテナ装置の正面側からの斜視図であり、(b)は背面側からの斜視図である。
【図3】(a)は同上の横断面図、(b)は一分破断した拡大縦断面図である。
【図4】同上のアンテナ装置を竪樋に取付ける前の分解斜視図である。
【図5】同上のアンテナ装置を竪樋に取付けた状態の縦断面図である。
【図6】同上の横断面図である。
【図7】(a)は同上のアンテナ板の左端が竪樋取付け具の連結部に当たる状態を示す断面図であり、(b)はアンテナ板の右端が竪樋取付け具の連結部に当たる状態を示す断面図である。
【図8】同上のアンテナ装置をポールに取付ける前の分解斜視図である。
【図9】同上のアンテナ装置をポールに取付けた状態の縦断面図である。
【図10】同上の横断面図である。
【図11】本発明のアンテナ装置の他の実施形態の分解斜視図である。
【図12】同上の一部破断した拡大縦断面図である。
【図13】本発明のアンテナ装置の更に他の実施形態の分解斜視図である。
【図14】同上の竪樋取付け部を本体部の裏面に取付ける部分を示す断面図である。
【図15】同上の竪樋取付け部を本体部の裏面に取付ける他の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0018】
図1乃至図3にはアンテナ装置1の一実施形態が示されている。アンテナ装置1は、アンテナパターンを有する金属薄板2と、この金属薄板2の表面側を覆う表面側カバー3と、金属薄板2の裏面側を覆う前記表面側カバー3とは別体の裏面側カバー4とを備えている。
【0019】
金属薄板2は導電性の縦長矩形状の薄い金属板材又は金属箔よりなり、アンテナパターンとなる細長いスロット5が形成されている。
【0020】
スロット5を設けた金属薄板2は単独で使用してもよく、あるいは、非導電性の保護シート6で覆われたものでもよい。保護シート6で覆われたものは、金属薄板2の錆の発生が抑制され、また、スロット5が設けてあるにもかかわらず、スロット5部分で金属薄板2が変形するのが抑制されるのでスロット5を設けた金属薄板2の取扱いが容易に行える。
【0021】
図1、図2においては、金属薄板2のスロット5が上下方向に複数並べて設けられており、隣接するスロット5同士は細溝9で接続されている。各スロット5は三角形の頂点を互いに突き合わせたようなボウタイ形状に形成されている。
【0022】
アンテナパターンとなる細長いスロット5が形成された金属薄板2は、第一の周波数帯(例えば473〜600MHz)の電波を受信する第一の受信部10と、第二の周波数帯(例えば600〜720MHz)の電波を受信する第二の受信部11を有している。
【0023】
第一の受信部10は、スロット5及び当該スロット5の周縁部により構成される。第二の受信部11は、このスロット5に対し上下方向に隣接する金属薄板2部分により構成される。
【0024】
第一の受信部10を構成するスロット5の上下方向の長さは、前記第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに対応して決定される。また、第二の受信部11の周方向の長さは、前記第二の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに対応して決定される。
【0025】
金属薄板2のスロット5の両側の三角形の頂点部分がそれぞれ給電部12となっている。この給電部12には給電ケーブル(図示せず)が接続される。
【0026】
表面側カバー3は非導電性の合成樹脂のような非導電性材料により形成される。
【0027】
裏面側カバー4は非導電性の合成樹脂のような非導電性材料により形成され、裏面にポール又は竪樋に取付けるための取付け部7が設けられる。
【0028】
アンテナパターンを有する金属薄板2は、表面側カバー3と裏面側カバー4との間に介在されて挟持され、この状態で表面側カバー3と裏面側カバー4が連結手段で連結される。
【0029】
表面側カバー3と裏面側カバー4を連結して組立てることで略平板状又は断面弧状に屈曲した略板状又は断面略コ字状に屈曲した略板状をしたアンテナ外郭ユニット8が構成される。
【0030】
図1乃至図3には、断面弧状に屈曲した略板状のアンテナ外郭ユニット8の例が示されている。
【0031】
本例において表面側カバー3は、電気絶縁性の合成樹脂のような電気絶縁材料で断面円弧状に形成され、外周縁部に背方に向けて壁部13が突設され、さらに複数の係止爪14が突設されている。
【0032】
裏面側カバー4は、電気絶縁性の合成樹脂のような電気絶縁材料で断面円弧状に形成され、且つ、表面側カバー3の裏面の壁部13に囲まれた部分にぴったりと嵌り込む大きさに形成されており、更に、複数の係止孔15が形成されている。
【0033】
そして、スロット5を設けた金属薄板2は表面側カバー3の裏面の壁部13に囲まれた部分に配置される。この場合、スロット5を有する金属薄板2を単独で配置してもよく、あるいは、非導電性の保護シート6で覆われたスロット5を有する金属薄板2を配置してもよい。
【0034】
更に、裏面側カバー4が金属薄板2を介して表面側カバー3の裏面の壁部13に囲まれた部分に配置され、係止爪14が係止孔15に係止されることで、表面側カバー3と裏面側カバー4が連結される。
【0035】
これにより金属薄板2は表面側カバー3と裏面側カバー4とで挟持され、且つ、表面側カバー3と裏面側カバー4を組立てることで構成されるアンテナ外郭ユニット8内に配置されることになる。
【0036】
なお、図3(b)のように、表面側カバー3又は裏面側カバー4には通気孔23が形成してあることが好ましい。このように、通気孔23が形成してあると、表面側カバー3の壁部13に囲まれた部分にスロット5を有する金属薄板2を介して裏面側カバー4を重ねて上記のように連結する際、重複部分の空気を通気孔23から出すことができ、組立てが容易にできる。もちろん、通気孔23は設けなくてもよい。
【0037】
本例では、表面側カバー3と裏面側カバー4を連結する連結手段が、係止爪14と係止孔15により構成されている。
【0038】
裏面側カバー4の裏面に設けられる取付け部7は一部又は全部が裏面側カバー4と一体に成形されたものでもよく、あるいは、取付け部7は裏面側カバー4と別体に形成され、接着、ねじのような固定具、係止による固定等の任意の固定手段で裏面側カバー4の裏面に固着されたものでもよい。
【0039】
取付け部7は、非導電性の合成樹脂のような非導電性材料により形成される。また、この取付け部7は、一対の半体16の一端部同士を軸受部17で回動可能に連結して構成され、一対の半体16の他端部の係止部18と被係止部19が係止自在となっている。なお、図3(a)の実施形態では略半円状の半体16の例が示されている。
【0040】
上記の構成のアンテナ装置1は、建物の外壁21に取付けた竪樋22やポール20に取付けられる。
【0041】
図4乃至図7にはアンテナ装置1を竪樋22に取付けた例が示されており、図8乃至図10にはアンテナ装置1をポール20に取付けた例が示されている。
【0042】
アンテナ装置1の取付けに当たっては、一対の半体16でポール20又は竪樋22の上下方向の任意の位置の外周を囲んだ状態で係止部18と被係止部19を係止する。これにより、図9、図10の例、図5、図6の例のように、一対の半体16でポール20又は竪樋22の外周を強く締め付けてアンテナ装置1がポール20又は竪樋22に取付けられる。
【0043】
このようにアンテナ外郭ユニット8の裏面側カバー4の裏面に突出した取付け部7をポール20又は竪樋22に取付けるので、取付け部7がアンテナ外郭ユニット8で隠されて正面側から見え難く、外観を損ね難い。また、取付け部7がアンテナ装置1の左側又は右側に突出しないので、取付け部7に人や物が引っ掛かり難い。
【0044】
また、取付け部7が非導電性なので、アンテナ外郭ユニット8の裏面側カバー4の裏面に取付け部7を突出したといえども、取付け部7がアンテナ装置1のアンテナ性能に影響を及ぼさない。
【0045】
ここで、ポール20又は竪樋22が円筒状の場合、取付け部7はポール20又は竪樋22の外周に周方向に回動可能に取付けられる。したがって取付け部7をポール20又は竪樋22の周方向に回動することで、アンテナ装置1の向きが可変可能となり、アンテナ装置1の受信方向が調整できる。
【0046】
アンテナ装置1の向きを調整する場合、係止部18と被係止部19の係止を解除した状態で取付け部7を回動し、受信方向の調整が済んだ後に係止部18と被係止部19を係止して一対の半体16でポール20又は竪樋22の外周を強く締め付ける。
【0047】
これによりアンテナ装置1は、ポール20又は竪樋22の上下方向の任意の位置で且つ現場に応じた最良の受信方向を向いた状態で取付けられ、また、強く締め付けて取付けられるため、最良の受信方向を向いた状態が維持され、且つ、下方へのずれが抑制される。
【0048】
上記のようにアンテナ装置1はポール20又は竪樋22の上下方向の任意の位置に取付けられる。
【0049】
ところで、竪樋22は建物の外壁21に竪樋取付け具24により取付けられる。竪樋取付け具24は、竪樋22の外周部を支持する竪樋支持部25と、外壁21に固定するための外壁固定部26と、竪樋支持部25と外壁固定部26とを連結する連結部27とを備えている。
【0050】
竪樋支持部25は、一対の竪樋支持半体28の一端部同士を軸受部で回動可能に連結して構成され、一対の竪樋支持半体28の他端部の係止部と被係止部が係止自在となっている。
【0051】
竪樋取付け具24は、外壁固定部26が外壁21に固定され、一対の竪樋支持半体28で竪樋22の外周を囲んだ状態で係止部と被係止部を係止することで、竪樋22を支持する。
【0052】
そして、アンテナ装置1を竪樋22に取付ける場合、図5のように取付け部7の下端が竪樋取付け具24の竪樋支持部25の上端に当たるように取付けられるのが好ましい。
【0053】
この場合、アンテナ装置1の断面円弧のアンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の隙間に竪樋取付け具24の連結部27が位置し、竪樋取付け具24に邪魔されることなくアンテナ装置1が取付けられる。
【0054】
本例では取付け部7の下端が竪樋支持部25の上端に当たるため、より確実に取付け部7の下方へのずれが防止され、アンテナ装置1が下方にずれ下がらない。
【0055】
そして、取付け部7の下端が竪樋支持部25の上端に当たって取付け部7が下方にずれないように取付ける場合も、取付け部7は竪樋22の周方向に所定角度の回動が可能でアンテナ装置1の向きが可変可能とされている。
【0056】
このため、断面円弧状のアンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の隙間寸法は、アンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の隙間に竪樋取付け具24が位置する状態で、取付け部7の竪樋22に対する回動に基づく所定角度の回動を許容するような隙間寸法に設定されている。
【0057】
上記所定角度の回動とは、図7(a)に示すアンテナ外郭ユニット8の左端が竪樋取付け具24の連結部27に当る状態から、図7(b)に示すアンテナ外郭ユニット8の右端が竪樋取付け具24の連結部27に当る状態までの回動角度のことである。
【0058】
回動角度の一例を示すと左右方向に±45°であり、この例の場合、断面円弧状のアンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の開き角度が90°である。もちろんアンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の開き角度は90°のみに限定されない。
【0059】
図11、図12には、表面側カバー3と、これとは別体の裏面側カバー4とを組合わせ結合することで構成されるアンテナ外郭ユニット8の他例が示されている。
【0060】
本例では、表面側カバー3の裏面にはボス30が形成されており、また、裏面側カバー4には孔31があけられている。
【0061】
また、スロット5を有する金属薄板2は非導電性の保護シート6で覆われたものが使用され、保護シート6の端部の金属薄板2に重ならない部分に孔32があけられている。
【0062】
そして、保護シート6で覆われたスロット5を有する金属薄板2は、表面側カバー3の裏面に配置されて孔32がボス30に嵌められる。この状態で表面側カバー3の裏面に裏面側カバー4が配置され、裏面側カバー4の孔31からねじ33が挿入されてボス30にねじ込まれ、これによりスロット5を有する金属薄板2が表面側カバー3と裏面側カバー4とで挟持され且つアンテナ外郭ユニット8内に配置される。
【0063】
本例では、保護シート6で覆われたスロット5を有する金属薄板2は、弛んだりすることなく表面側カバー3の裏面の所定の位置に仮止めされた状態で表面側カバー3と裏面側カバー4を固定するので、組立が容易で且つ正確に行うことができる。
【0064】
なお、表面側カバー3と裏面側カバー4とを組合わせ結合してアンテナ外郭ユニット8を形成するには上記した各例にのみ限定されず、他の組合わせ結合の構成が可能である。
【0065】
図13、図14には取付け部7をアンテナ外郭ユニット8の裏面に固着する固定手段の一例が示されている。
【0066】
本例においては、アンテナ外郭ユニット8裏面に嵌込み溝部40が形成され、この嵌込み溝部40に取付け部7に設けられた嵌込み部41が嵌め込まれて取付けられる。
【0067】
嵌込み溝部40の内部の溝は、左右長さが上下巾と同じ又は上下巾より長く形成されており、嵌め込み溝部40の裏面には嵌込み溝部40内の溝に連通する開口部42が形成される。この開口部42の開口巾(上下巾)は嵌込み溝部40内の上下巾より巾狭に形成され、開口部42の左右長さは嵌込み溝部40内の上下巾と同じ又は上下巾より長く形成される。
【0068】
嵌込み部41は取付け部7からの突出基部43と突出基部43の先端に一体に形成された板状突部44とで構成される。板状突部44は上下方向に細長の長方形状に形成されている。長方形状の板状突部44は、長辺の長さが開口部42の左右巾より長く且つ嵌込み溝部40内の溝の上下巾と同じ又は短く形成され、短辺の長さが開口部42の上下巾より短く形成され、また、厚さが嵌込み部41内の溝の溝深さとほぼ同じに形成される。
【0069】
板状突部44は長辺が左右方向を向くような姿勢にして開口部42から嵌込み溝部40内に嵌込まれ、次に、長辺が上下方向を向くように回転することで嵌込み溝部40内に外れないように取付けられる。
【0070】
ここで、板状突部44は、一対の対角線上に位置するコーナ部を面取りして面取り部45が形成されており、板状突部44を開口部42内で上記のように回転する際、長辺が上下方向を向く操作がスムーズにでき、短辺を開口部42内の溝内の上下面に圧接することが可能となる。
【0071】
なお、本例においては、アンテナ外郭ユニット8が一体形成されたもの、表面側カバー3と裏面側カバー4とを組み合わせ結合したもののいずれでもよく、後者の場合は裏面側カバー4に嵌込み溝部40が形成される。
【0072】
図15にはアンテナ装置1の取付け部7をアンテナ外郭ユニット8の裏面に固着する固定手段の他例が示されている。
【0073】
本例においては、アンテナ外郭ユニット8が表面側カバー3と裏面側カバー4とを組み合わせ結合することで構成され、取付け部7が裏面側カバー4にねじ33により固定される。
【0074】
もちろん、取付け部7をアンテナ外郭ユニット8の裏面に固着する固定手段は、上記の例にのみ限定されず、係止による固着を含む他の任意の種々の固着手段が採用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 アンテナ装置
2 金属薄板
3 表面側カバー
4 裏面側カバー
5 スロット
6 保護シート
7 取付け部
20 ポール
22 竪樋
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、既存の導電性を有する竪樋をそのままにした状態で、この既存の導電性を有する竪樋の外面にアンテナ部と伝送路トラップ部を取付ける技術が開示されている。
【0003】
このアンテナ部は、竪樋の施工後に取付けが可能なように金属板あるいは導電皮膜加工等を施した合成樹脂により形成される。また、アンテナ部は、半円筒状の折り返し部の側方に半円筒状の給電部を設けたアンテナ素体を2枚組み合わせて構成される。
【0004】
また、伝送路トラップ部は、既存の導電性を有する竪樋にアンテナ部を取付けるに当り、導電性を有する竪樋がアンテナ部の動作を乱さないように設けられる。この伝送路トラップ部は、半割り体を2枚組み合わせた二重筒構造に構成される。
【0005】
アンテナ部は、既存の導電性を有する竪樋の長手方向の中間部の外面側に、2枚のアンテナ素体の折り返し部が配置され、アンテナ素体の左右両側に外方に突出した鍔同士がねじにより固定されることで2枚のアンテナ素体が連結されて既存の竪樋に取付けられる。
【0006】
伝送路トラップ部は、アンテナ部の上下位置に、それぞれ2枚の半割り体が配置され、半割り体の上下に突出した接合片同士がねじにより固定されることで2枚の半割り体が連結されて竪樋に取付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−168101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に示す従来例は、アンテナ部を竪樋に取付ける部分、つまりアンテナ素体の両側に外方に突出した鍔同士をねじで固定する部分が竪樋の正面側に露出し、しかも、左右両側に突出する。
【0009】
また、伝送路トラップ部を竪樋に取付ける部分、つまり半割り体の上下に突出した接合片同士をねじで固定する部分が竪樋の正面側に露出する。
【0010】
このように、鍔同士をねじにより固定する部分、接合片同士をねじにより固定する部分が竪樋の正面側に露出するので、外観が悪い。
【0011】
特に、鍔同士をねじにより固定する部分が左右両側に突出して露出するので、人や物が引っ掛かりやすいという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、組立てが容易に行え、また、ポール又は竪樋への取付け部分が露出しないように取付けることができるアンテナ装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のアンテナ装置は、アンテナパターンを有する金属薄板と、この金属薄板の表面側を覆う電気絶縁材料で形成した表面側カバーと、前記金属薄板の裏面側を覆う電気絶縁材料で形成した前記表面側カバーとは別体の裏面側カバーとを備え、前記金属薄板を前記表面側カバーと前記裏面側カバーとで挟持した状態で前記表面側カバーと前記裏面側カバーが連結手段で連結され、前記裏面側カバーの裏面にポール又は竪樋に取付けるための取付け部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
前記金属薄板にアンテナパターン用のスロットが形成され、この金属薄板が保護シートで被覆されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、アンテナパターンを有する金属薄板を表面側カバーと裏面側カバーとで挟持した状態で表面側カバーと裏面側カバーが連結手段で連結されるので、アンテナ装置の構成が簡略化され且つ容易に組立てられる。また、裏面側カバーの裏面にポール又は竪樋に取付けるための取付け部が設けられているので、アンテナ装置はポール又は竪樋に取付けることが可能となる。また、取付け部が裏面側カバーに隠されて正面側から見え難く、外観を損ね難く、また、取付け部に人や物が引っ掛かり難い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のアンテナ装置の分解斜視図である。
【図2】(a)は同上のアンテナ装置の正面側からの斜視図であり、(b)は背面側からの斜視図である。
【図3】(a)は同上の横断面図、(b)は一分破断した拡大縦断面図である。
【図4】同上のアンテナ装置を竪樋に取付ける前の分解斜視図である。
【図5】同上のアンテナ装置を竪樋に取付けた状態の縦断面図である。
【図6】同上の横断面図である。
【図7】(a)は同上のアンテナ板の左端が竪樋取付け具の連結部に当たる状態を示す断面図であり、(b)はアンテナ板の右端が竪樋取付け具の連結部に当たる状態を示す断面図である。
【図8】同上のアンテナ装置をポールに取付ける前の分解斜視図である。
【図9】同上のアンテナ装置をポールに取付けた状態の縦断面図である。
【図10】同上の横断面図である。
【図11】本発明のアンテナ装置の他の実施形態の分解斜視図である。
【図12】同上の一部破断した拡大縦断面図である。
【図13】本発明のアンテナ装置の更に他の実施形態の分解斜視図である。
【図14】同上の竪樋取付け部を本体部の裏面に取付ける部分を示す断面図である。
【図15】同上の竪樋取付け部を本体部の裏面に取付ける他の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0018】
図1乃至図3にはアンテナ装置1の一実施形態が示されている。アンテナ装置1は、アンテナパターンを有する金属薄板2と、この金属薄板2の表面側を覆う表面側カバー3と、金属薄板2の裏面側を覆う前記表面側カバー3とは別体の裏面側カバー4とを備えている。
【0019】
金属薄板2は導電性の縦長矩形状の薄い金属板材又は金属箔よりなり、アンテナパターンとなる細長いスロット5が形成されている。
【0020】
スロット5を設けた金属薄板2は単独で使用してもよく、あるいは、非導電性の保護シート6で覆われたものでもよい。保護シート6で覆われたものは、金属薄板2の錆の発生が抑制され、また、スロット5が設けてあるにもかかわらず、スロット5部分で金属薄板2が変形するのが抑制されるのでスロット5を設けた金属薄板2の取扱いが容易に行える。
【0021】
図1、図2においては、金属薄板2のスロット5が上下方向に複数並べて設けられており、隣接するスロット5同士は細溝9で接続されている。各スロット5は三角形の頂点を互いに突き合わせたようなボウタイ形状に形成されている。
【0022】
アンテナパターンとなる細長いスロット5が形成された金属薄板2は、第一の周波数帯(例えば473〜600MHz)の電波を受信する第一の受信部10と、第二の周波数帯(例えば600〜720MHz)の電波を受信する第二の受信部11を有している。
【0023】
第一の受信部10は、スロット5及び当該スロット5の周縁部により構成される。第二の受信部11は、このスロット5に対し上下方向に隣接する金属薄板2部分により構成される。
【0024】
第一の受信部10を構成するスロット5の上下方向の長さは、前記第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに対応して決定される。また、第二の受信部11の周方向の長さは、前記第二の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに対応して決定される。
【0025】
金属薄板2のスロット5の両側の三角形の頂点部分がそれぞれ給電部12となっている。この給電部12には給電ケーブル(図示せず)が接続される。
【0026】
表面側カバー3は非導電性の合成樹脂のような非導電性材料により形成される。
【0027】
裏面側カバー4は非導電性の合成樹脂のような非導電性材料により形成され、裏面にポール又は竪樋に取付けるための取付け部7が設けられる。
【0028】
アンテナパターンを有する金属薄板2は、表面側カバー3と裏面側カバー4との間に介在されて挟持され、この状態で表面側カバー3と裏面側カバー4が連結手段で連結される。
【0029】
表面側カバー3と裏面側カバー4を連結して組立てることで略平板状又は断面弧状に屈曲した略板状又は断面略コ字状に屈曲した略板状をしたアンテナ外郭ユニット8が構成される。
【0030】
図1乃至図3には、断面弧状に屈曲した略板状のアンテナ外郭ユニット8の例が示されている。
【0031】
本例において表面側カバー3は、電気絶縁性の合成樹脂のような電気絶縁材料で断面円弧状に形成され、外周縁部に背方に向けて壁部13が突設され、さらに複数の係止爪14が突設されている。
【0032】
裏面側カバー4は、電気絶縁性の合成樹脂のような電気絶縁材料で断面円弧状に形成され、且つ、表面側カバー3の裏面の壁部13に囲まれた部分にぴったりと嵌り込む大きさに形成されており、更に、複数の係止孔15が形成されている。
【0033】
そして、スロット5を設けた金属薄板2は表面側カバー3の裏面の壁部13に囲まれた部分に配置される。この場合、スロット5を有する金属薄板2を単独で配置してもよく、あるいは、非導電性の保護シート6で覆われたスロット5を有する金属薄板2を配置してもよい。
【0034】
更に、裏面側カバー4が金属薄板2を介して表面側カバー3の裏面の壁部13に囲まれた部分に配置され、係止爪14が係止孔15に係止されることで、表面側カバー3と裏面側カバー4が連結される。
【0035】
これにより金属薄板2は表面側カバー3と裏面側カバー4とで挟持され、且つ、表面側カバー3と裏面側カバー4を組立てることで構成されるアンテナ外郭ユニット8内に配置されることになる。
【0036】
なお、図3(b)のように、表面側カバー3又は裏面側カバー4には通気孔23が形成してあることが好ましい。このように、通気孔23が形成してあると、表面側カバー3の壁部13に囲まれた部分にスロット5を有する金属薄板2を介して裏面側カバー4を重ねて上記のように連結する際、重複部分の空気を通気孔23から出すことができ、組立てが容易にできる。もちろん、通気孔23は設けなくてもよい。
【0037】
本例では、表面側カバー3と裏面側カバー4を連結する連結手段が、係止爪14と係止孔15により構成されている。
【0038】
裏面側カバー4の裏面に設けられる取付け部7は一部又は全部が裏面側カバー4と一体に成形されたものでもよく、あるいは、取付け部7は裏面側カバー4と別体に形成され、接着、ねじのような固定具、係止による固定等の任意の固定手段で裏面側カバー4の裏面に固着されたものでもよい。
【0039】
取付け部7は、非導電性の合成樹脂のような非導電性材料により形成される。また、この取付け部7は、一対の半体16の一端部同士を軸受部17で回動可能に連結して構成され、一対の半体16の他端部の係止部18と被係止部19が係止自在となっている。なお、図3(a)の実施形態では略半円状の半体16の例が示されている。
【0040】
上記の構成のアンテナ装置1は、建物の外壁21に取付けた竪樋22やポール20に取付けられる。
【0041】
図4乃至図7にはアンテナ装置1を竪樋22に取付けた例が示されており、図8乃至図10にはアンテナ装置1をポール20に取付けた例が示されている。
【0042】
アンテナ装置1の取付けに当たっては、一対の半体16でポール20又は竪樋22の上下方向の任意の位置の外周を囲んだ状態で係止部18と被係止部19を係止する。これにより、図9、図10の例、図5、図6の例のように、一対の半体16でポール20又は竪樋22の外周を強く締め付けてアンテナ装置1がポール20又は竪樋22に取付けられる。
【0043】
このようにアンテナ外郭ユニット8の裏面側カバー4の裏面に突出した取付け部7をポール20又は竪樋22に取付けるので、取付け部7がアンテナ外郭ユニット8で隠されて正面側から見え難く、外観を損ね難い。また、取付け部7がアンテナ装置1の左側又は右側に突出しないので、取付け部7に人や物が引っ掛かり難い。
【0044】
また、取付け部7が非導電性なので、アンテナ外郭ユニット8の裏面側カバー4の裏面に取付け部7を突出したといえども、取付け部7がアンテナ装置1のアンテナ性能に影響を及ぼさない。
【0045】
ここで、ポール20又は竪樋22が円筒状の場合、取付け部7はポール20又は竪樋22の外周に周方向に回動可能に取付けられる。したがって取付け部7をポール20又は竪樋22の周方向に回動することで、アンテナ装置1の向きが可変可能となり、アンテナ装置1の受信方向が調整できる。
【0046】
アンテナ装置1の向きを調整する場合、係止部18と被係止部19の係止を解除した状態で取付け部7を回動し、受信方向の調整が済んだ後に係止部18と被係止部19を係止して一対の半体16でポール20又は竪樋22の外周を強く締め付ける。
【0047】
これによりアンテナ装置1は、ポール20又は竪樋22の上下方向の任意の位置で且つ現場に応じた最良の受信方向を向いた状態で取付けられ、また、強く締め付けて取付けられるため、最良の受信方向を向いた状態が維持され、且つ、下方へのずれが抑制される。
【0048】
上記のようにアンテナ装置1はポール20又は竪樋22の上下方向の任意の位置に取付けられる。
【0049】
ところで、竪樋22は建物の外壁21に竪樋取付け具24により取付けられる。竪樋取付け具24は、竪樋22の外周部を支持する竪樋支持部25と、外壁21に固定するための外壁固定部26と、竪樋支持部25と外壁固定部26とを連結する連結部27とを備えている。
【0050】
竪樋支持部25は、一対の竪樋支持半体28の一端部同士を軸受部で回動可能に連結して構成され、一対の竪樋支持半体28の他端部の係止部と被係止部が係止自在となっている。
【0051】
竪樋取付け具24は、外壁固定部26が外壁21に固定され、一対の竪樋支持半体28で竪樋22の外周を囲んだ状態で係止部と被係止部を係止することで、竪樋22を支持する。
【0052】
そして、アンテナ装置1を竪樋22に取付ける場合、図5のように取付け部7の下端が竪樋取付け具24の竪樋支持部25の上端に当たるように取付けられるのが好ましい。
【0053】
この場合、アンテナ装置1の断面円弧のアンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の隙間に竪樋取付け具24の連結部27が位置し、竪樋取付け具24に邪魔されることなくアンテナ装置1が取付けられる。
【0054】
本例では取付け部7の下端が竪樋支持部25の上端に当たるため、より確実に取付け部7の下方へのずれが防止され、アンテナ装置1が下方にずれ下がらない。
【0055】
そして、取付け部7の下端が竪樋支持部25の上端に当たって取付け部7が下方にずれないように取付ける場合も、取付け部7は竪樋22の周方向に所定角度の回動が可能でアンテナ装置1の向きが可変可能とされている。
【0056】
このため、断面円弧状のアンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の隙間寸法は、アンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の隙間に竪樋取付け具24が位置する状態で、取付け部7の竪樋22に対する回動に基づく所定角度の回動を許容するような隙間寸法に設定されている。
【0057】
上記所定角度の回動とは、図7(a)に示すアンテナ外郭ユニット8の左端が竪樋取付け具24の連結部27に当る状態から、図7(b)に示すアンテナ外郭ユニット8の右端が竪樋取付け具24の連結部27に当る状態までの回動角度のことである。
【0058】
回動角度の一例を示すと左右方向に±45°であり、この例の場合、断面円弧状のアンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の開き角度が90°である。もちろんアンテナ外郭ユニット8の左右両端縁間の開き角度は90°のみに限定されない。
【0059】
図11、図12には、表面側カバー3と、これとは別体の裏面側カバー4とを組合わせ結合することで構成されるアンテナ外郭ユニット8の他例が示されている。
【0060】
本例では、表面側カバー3の裏面にはボス30が形成されており、また、裏面側カバー4には孔31があけられている。
【0061】
また、スロット5を有する金属薄板2は非導電性の保護シート6で覆われたものが使用され、保護シート6の端部の金属薄板2に重ならない部分に孔32があけられている。
【0062】
そして、保護シート6で覆われたスロット5を有する金属薄板2は、表面側カバー3の裏面に配置されて孔32がボス30に嵌められる。この状態で表面側カバー3の裏面に裏面側カバー4が配置され、裏面側カバー4の孔31からねじ33が挿入されてボス30にねじ込まれ、これによりスロット5を有する金属薄板2が表面側カバー3と裏面側カバー4とで挟持され且つアンテナ外郭ユニット8内に配置される。
【0063】
本例では、保護シート6で覆われたスロット5を有する金属薄板2は、弛んだりすることなく表面側カバー3の裏面の所定の位置に仮止めされた状態で表面側カバー3と裏面側カバー4を固定するので、組立が容易で且つ正確に行うことができる。
【0064】
なお、表面側カバー3と裏面側カバー4とを組合わせ結合してアンテナ外郭ユニット8を形成するには上記した各例にのみ限定されず、他の組合わせ結合の構成が可能である。
【0065】
図13、図14には取付け部7をアンテナ外郭ユニット8の裏面に固着する固定手段の一例が示されている。
【0066】
本例においては、アンテナ外郭ユニット8裏面に嵌込み溝部40が形成され、この嵌込み溝部40に取付け部7に設けられた嵌込み部41が嵌め込まれて取付けられる。
【0067】
嵌込み溝部40の内部の溝は、左右長さが上下巾と同じ又は上下巾より長く形成されており、嵌め込み溝部40の裏面には嵌込み溝部40内の溝に連通する開口部42が形成される。この開口部42の開口巾(上下巾)は嵌込み溝部40内の上下巾より巾狭に形成され、開口部42の左右長さは嵌込み溝部40内の上下巾と同じ又は上下巾より長く形成される。
【0068】
嵌込み部41は取付け部7からの突出基部43と突出基部43の先端に一体に形成された板状突部44とで構成される。板状突部44は上下方向に細長の長方形状に形成されている。長方形状の板状突部44は、長辺の長さが開口部42の左右巾より長く且つ嵌込み溝部40内の溝の上下巾と同じ又は短く形成され、短辺の長さが開口部42の上下巾より短く形成され、また、厚さが嵌込み部41内の溝の溝深さとほぼ同じに形成される。
【0069】
板状突部44は長辺が左右方向を向くような姿勢にして開口部42から嵌込み溝部40内に嵌込まれ、次に、長辺が上下方向を向くように回転することで嵌込み溝部40内に外れないように取付けられる。
【0070】
ここで、板状突部44は、一対の対角線上に位置するコーナ部を面取りして面取り部45が形成されており、板状突部44を開口部42内で上記のように回転する際、長辺が上下方向を向く操作がスムーズにでき、短辺を開口部42内の溝内の上下面に圧接することが可能となる。
【0071】
なお、本例においては、アンテナ外郭ユニット8が一体形成されたもの、表面側カバー3と裏面側カバー4とを組み合わせ結合したもののいずれでもよく、後者の場合は裏面側カバー4に嵌込み溝部40が形成される。
【0072】
図15にはアンテナ装置1の取付け部7をアンテナ外郭ユニット8の裏面に固着する固定手段の他例が示されている。
【0073】
本例においては、アンテナ外郭ユニット8が表面側カバー3と裏面側カバー4とを組み合わせ結合することで構成され、取付け部7が裏面側カバー4にねじ33により固定される。
【0074】
もちろん、取付け部7をアンテナ外郭ユニット8の裏面に固着する固定手段は、上記の例にのみ限定されず、係止による固着を含む他の任意の種々の固着手段が採用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 アンテナ装置
2 金属薄板
3 表面側カバー
4 裏面側カバー
5 スロット
6 保護シート
7 取付け部
20 ポール
22 竪樋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナパターンを有する金属薄板と、この金属薄板の表面側を覆う電気絶縁材料で形成した表面側カバーと、前記金属薄板の裏面側を覆う電気絶縁材料で形成した前記表面側カバーとは別体の裏面側カバーとを備え、前記金属薄板を前記表面側カバーと前記裏面側カバーとで挟持した状態で前記表面側カバーと前記裏面側カバーが連結手段で連結され、前記裏面側カバーの裏面にポール又は竪樋に取付けるための取付け部が設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記金属薄板にアンテナパターン用のスロットが形成され、この金属薄板が保護シートで被覆されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項1】
アンテナパターンを有する金属薄板と、この金属薄板の表面側を覆う電気絶縁材料で形成した表面側カバーと、前記金属薄板の裏面側を覆う電気絶縁材料で形成した前記表面側カバーとは別体の裏面側カバーとを備え、前記金属薄板を前記表面側カバーと前記裏面側カバーとで挟持した状態で前記表面側カバーと前記裏面側カバーが連結手段で連結され、前記裏面側カバーの裏面にポール又は竪樋に取付けるための取付け部が設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記金属薄板にアンテナパターン用のスロットが形成され、この金属薄板が保護シートで被覆されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−9035(P2013−9035A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138528(P2011−138528)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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