アンモニア分解触媒
【課題】燃料としての劣化を抑制し、ガス化ガス中のアンモニア分解反応を良好に促進させる。
【解決手段】炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含む燃料ガスに、酸素が添加されたガスが接触することでガスのアンモニアが分解されるアンモニア分解触媒において、合成ゼオライトであるZSM−5もしくはY型ゼオライト、または、シリカ・アルミナを担体とし、遷移金属を担持させた。
【解決手段】炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含む燃料ガスに、酸素が添加されたガスが接触することでガスのアンモニアが分解されるアンモニア分解触媒において、合成ゼオライトであるZSM−5もしくはY型ゼオライト、または、シリカ・アルミナを担体とし、遷移金属を担持させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスのアンモニアを乾式で分解させるアンモニア分解触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
埋蔵量の豊富な石炭を、CO2の放出を抑制しつつクリーンに利用する環境保全性に優れた技術として石炭ガス化複合発電(IGCC)が開発されている。石炭ガス化複合発電においては、石炭ガス化炉で生成された石炭ガス化ガス中の硫黄分や、アンモニア分等の不純物を除去するガス精製を行っている。
【0003】
そして、不純物が除去された精製ガスを燃料ガスとしてガスタービンの燃焼器に供給し、燃焼ガスを膨張タービンで膨張させて動力を得ている。膨張タービンで仕事を終えた排気ガスは熱回収され、熱回収により発生した蒸気により蒸気タービンを駆動して動力を得ている。
【0004】
石炭ガス化複合発電におけるガス精製としては、湿式法が主として採用されてきたが、湿式法は技術的な完成度が高いものの、精製時にガスが低温に冷却されることから、顕熱損失や水蒸気の損失などを生じ、熱効率が低下する問題があった。
【0005】
そこで、発電効率の更なる向上を目的として、原料となるガスの不純物を乾式で除去する乾式ガス精製設備の開発が検討されている。その一環として、乾式で原料となるガスに含まれるアンモニアを分解する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
これは、アンモニア分解触媒により、原料となるガスに含まれるアンモニアの窒素と水への分解反応を選択的に進めると共に、アンモニア分解触媒の表面で一酸化炭素等の炭素原子を含む化合物が炭素に分解される反応を抑制するようにしたものである。
【0007】
石炭ガス化ガス等、アンモニアとともに可燃ガス成分を含むガスの精製においては、アンモニアの分解反応を促進させると同時に、ガスの劣化の原因となるアンモニア以外の可燃ガス成分の反応を可及的に抑制して燃料としての劣化を抑制することが重要である。
【0008】
近年、アンモニアの分解反応の促進と可燃ガス成分の反応の抑制とを両立させることが強く求められてきている。このため、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応をより効果的に促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することができるアンモニア分解触媒の開発が待望されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006―56935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応を促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することができるアンモニア分解触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明のアンモニア分解触媒は、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスに酸素が添加され、酸素が添加された前記ガスが接触することで前記ガスのアンモニアが分解されるアンモニア分解触媒において、合成ゼオライトであるZSM−5もしくはY型ゼオライトを担体とし、遷移金属を担持させたことを特徴とする。
【0012】
その結果、請求項1に係る本発明では、ZSM−5もしくはY型ゼオライトを担体とした触媒に原料となるガスを酸素とともに接触させることで、酸素10員環もしくは酸素12員環の細孔にアンモニアと酸素が侵入し、窒素と水に分解する反応を促進させる。また、酸素10員環もしくは酸素12員環の細孔内であり、かつ結晶格子中に大きな空洞がないため、炭素の成長、含炭素化合物の重合を抑制することができ、アンモニア以外の可燃ガス成分の反応が抑制される。
【0013】
このため、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応を促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することが可能になる。
【0014】
そして、請求項2に係る本発明のアンモニア分解触媒は、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスに酸素が添加され、酸素が添加された前記ガスが接触することで前記ガスのアンモニアが分解されるアンモニア分解触媒において、シリカ・アルミナを担体とし、遷移金属を担持させたことを特徴とする。
【0015】
即ち、請求項2に係る本発明では、シリカ・アルミナを担体とした触媒に原料となるガスを酸素とともに接触させることで、窒素と水に分解する反応を促進させると共に、窒素化合物の生成及び炭素の成長、含炭素化合物の重合が抑制される。
【0016】
このため、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応を促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することが可能になる。
【0017】
また、請求項3に係る本発明のアンモニア分解触媒は、請求項1もしくは請求項2に記載のアンモニア分解触媒において、前記遷移金属はニッケルであることを特徴とする。また、請求項4に係る本発明のアンモニア分解触媒は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンモニア分解触媒において、酸素が添加されて前記ガスが接触した際の反応温度が200℃から450℃であることを特徴とする。
【0018】
即ち、請求項3に係る本発明では、ニッケルを好適に用いることができ、かつ、請求項4に係る本発明では、200℃から450℃の温度範囲でアンモニアの選択酸化分解反応を促進するとともに、燃料の消費反応、炭素析出反応、副生成反応を抑制することができる。
【0019】
また、請求項5に係る本発明のアンモニア分解触媒は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアンモニア分解触媒において、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスは、石炭ガス化ガスであり、アンモニアが分解されたガスは、ガスタービンの燃焼器の燃料ガスとされることを特徴とする。
【0020】
即ち、請求項5に係る本発明では、石炭ガス化ガスのアンモニアを分解して精製ガスを得ることができ、得られた燃料となるガスは劣化が抑制され、ガスタービンの燃焼器の燃料ガスとして用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のアンモニア分解触媒は、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応を促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】石炭ガス化複合発電設備の概略系統図である。
【図2】本発明のアンモニア分解触媒の状況を説明する表図である。
【図3】模擬ガス組成と流通条件を説明する表図である。
【図4】触媒のアンモニア分解特性を示すグラフである。
【図5】触媒のN2Oの生成特性を示すグラフである。
【図6】触媒のHCNの生成特性を示すグラフである。
【図7】触媒のCO、CO2の反応・生成特性を示すグラフである。
【図8】触媒のH2、CH4の反応・生成特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0024】
本実施例のアンモニア分解触媒は、炭素原子を含む可燃成分とともにアンモニアを含むガスを処理対象とするものであり、ガスに含まれるアンモニアをアンモニア分解触媒に接触させて分解する。ガスとしては、石炭ガス化炉で生成された石炭ガス化ガス(ガス化ガス)が適用され、ガス化ガスには、アンモニア分解触媒の上流で酸素が添加される。添加される酸素の量は、ガス化ガスが気相燃焼しない量に調整される。
【0025】
アンモニア分解触媒の表面に酸素が供給されることにより、ガス化ガスに含まれるアンモニアの選択酸化による窒素と水への分解反応が促進され、同時に、アンモニア分解触媒の表面で可燃成分である一酸化炭素等が炭素に分解される反応等が抑制される。アンモニア分解触媒で精製されたガス(精製ガス)はガスタービンの燃焼器の燃料ガスとして用いられる。
【0026】
本発明のアンモニア分解触媒は、合成ゼオライトであるZSM−5もしくはY型ゼオライトを担体とし、遷移金属を担持させたものである。また、シリカ・アルミナを担体とし、遷移金属を担持させたものである。遷移金属としては、ニッケル(Ni)が適用されている。
【0027】
即ち、実施例として、Ni/ZSM−5は、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が39mol/molであり、比表面積が330m2/gの粉末状のゼオライトが挙げられる。また、実施例として、Ni/Y型ゼオライトは、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が5.7mol/molであり、比表面積が550m2/gの粉末状のゼオライトが挙げられる。また、実施例として、Ni/シリカ・アルミナは、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が4.2mol/molであり、比表面積が511m2/gの粉末状のシリカ・アルミナが挙げられる。
【0028】
ZSM−5は酸素10員環の細孔構造をしたゼオライトであり、Y型ゼオライトは酸素12員環の細孔構造をしたゼオライトである。ZSM−5及びY型ゼオライトは、細孔径が10員環以上の構造のゼオライトであるため、細孔内に酸素が容易に侵入してアンモニアとの選択酸化反応が細孔内で促進される。また、ZSM−5及びY型ゼオライトは、細孔径が12員環以下のゼオライトであり、かつ結晶格子中に大きな空洞がないため、細孔内で炭素の成長及び含炭素化合物の重合がし易くなることが抑制され、炭素析出が生じ難い。
【0029】
従って、ZSM−5及びY型ゼオライトを担体としたことにより、アンモニアの選択酸化による分解反応が促進され、同時に、アンモニア分解触媒の表面で一酸化炭素等が炭素に分解する反応等が抑制される。シリカ・アルミナを担体とした場合、同様に、アンモニアの選択酸化による分解反応が促進され、同時に、アンモニア分解触媒の表面で一酸化炭素等が炭素に分解する反応等が抑制される。
【0030】
アンモニア分解触媒としては、粉末状の他に、ペレット状、ハニカム形状等のものを適用することができる。そして、アンモニア分解触媒は、ガス化ガスを精製するガス精製設備におけるアンモニア分解処理装置の反応容器に収容され、アンモニア分解処理装置を備えたガス精製設備は、石炭ガス化複合発電に備えられている。
【0031】
図1に基づいて石炭ガス化複合発電設備を説明する。図1には本発明の実施例に係るアンモニア分解触媒を備えた石炭ガス化複合発電設備の概略系統を示してある。
【0032】
図に示すように、石炭ガス化複合発電設備1は、石炭(微粉炭)が供給される石炭ガス化炉2を備え、石炭ガス化炉2には、酸素製造設備3で得られた酸素(O2)及び圧縮機4で圧縮された空気が混合されて供給される。これにより、石炭ガス化炉2では、微粉炭が熱分解されて炭素、水素等を含む可燃成分と共にアンモニアを含む石炭ガス化ガス(ガス化ガス)が生成される。
【0033】
酸素製造設備3は、たとえば、空気から酸素を分離する設備であり、圧縮機4では、後述するガスタービンの圧縮機で圧縮された圧縮空気の一部が圧縮される。石炭ガス化炉2は、O2と空気を吹き込む、例えば、噴流床ガス化炉が適用されているが、空気だけを直接供給する石炭ガス化炉を適用することも可能である。
【0034】
石炭ガス化炉2で生成されたガス化ガスはガス精製設備5で不純物が除去され、燃料ガスfとされる。ガス精製設備5で精製された燃料ガスfはガスタービン6の燃焼器7に投入され、圧縮機8からの圧縮空気と共に燃焼器7で燃焼される。燃焼器7からの燃焼ガスはタービン9で膨張されて動力が得られる。
【0035】
タービン9で仕事を終えた排気ガスは排熱回収ボイラ11で熱回収され、排煙脱硝装置12で脱硝された後、煙突13から大気に放出される。一方、排熱回収ボイラ11はタービン9の排気ガスを熱源として蒸気を発生させ、発生された蒸気は蒸気タービン14で膨張されて動力が得られる。蒸気タービン14の排気蒸気は図示しない復水器で復水され、復水器からの復水は給水ポンプ15により排熱回収ボイラ11に送られる。
【0036】
このため、タービン9の動力及び蒸気タービン14の動力により発電機10が駆動され、複合発電により高効率の発電が実現される。
【0037】
ガス精製設備5では、ガス化ガスに含まれる硫黄分、アンモニア分等の不純物、その他の塵埃が乾式で除去される。このため、ガス精製設備5には、塵埃等をポーラスフィルタで物理的に除去する集塵装置21、脱硫剤により硫黄分を除去する脱硫処理装置22が備えられている。そして、脱硫処理装置22の下流側には、アンモニア分を除去する本発明のアンモニア分解触媒を備えたアンモニア分解処理装置23が備えられている。
【0038】
脱硫処理装置22の下流側にアンモニア分解処理装置23を備えたことで、本実施例のアンモニア分解触媒の硫化水素による被毒が防止されている。
【0039】
アンモニア分解処理装置23は、本実施例のアンモニア分解触媒が反応容器に充填されて構成され、アンモニア分解処理装置23の入口には酸素製造設備3からのO2が供給される。脱硫処理装置22で脱硫されたガス化ガスは、O2と共にアンモニア分解処理装置23に送られ、ガス化ガス中のアンモニアが窒素と水に分解される。
【0040】
即ち、ガス化ガスが本発明のアンモニア分解触媒に接触することにより、
4NH3+3O2→2N2+6H2O
で示されるアンモニアの選択酸化反応が促進され、同時に、選択酸化反応以外のアンモニアの反応(一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素、シアン化水素等の窒素化合物の生成)及びガス化ガスの反応(水素、一酸化炭素の酸化、炭素、炭化水素の生成等の反応)が抑制され、ガス化ガスの精製が行なわれる。
【0041】
尚、O2の供給は、空気分離装置で空気から分離されたO2を利用したり、空気を直接アンモニア分解処理装置23に供給して空気中のO2を利用することも可能である。
【0042】
アンモニア分解処理装置23に供給されるO2の量は、アンモニアに対しモル比で0.75mol/mol以上、15mol/mol以下に設定される。また、アンモニア分解処理装置23での反応温度は、200℃乃至450℃程度にされる。これにより、ガス化ガスに含まれるアンモニアの選択酸化による窒素と水への分解反応が促進され、同時に、アンモニア分解触媒の表面で可燃成分である一酸化炭素等が炭素に分解される反応等が抑制される。
【0043】
アンモニア分解処理装置23でアンモニア分解触媒に酸素とともにガス化ガスが接触する脱アンモニア反応の過程では、触媒の種類及び反応条件により、主として、
4NH3+3O2→2N2+6H2O(選択酸化反応) ・・・(1)
2H2+O2→2H2O ・・・(2)
2CO+O2→2CO2 ・・・(3)
2CO+2H2→CH4+CO2(メタネーション反応) ・・・(4)
2CO→2CO2+C(ブドアール反応) ・・・(5)
2NH3+2O2→N2O+3H2O ・・・(6)
の反応が並行し重複した形態変化が生じると考えられる。
【0044】
上述した形態変化のなかで、(1)の選択酸化の形態変化によるアンモニアの分解が促進され、(2)から(6)の形態変化によるアンモニアの反応及びガス化ガスの反応が抑制されれば、ガス化ガス中のアンモニアの分解除去の促進と同時に、ガス化ガスの劣化の抑制を実現できることが判る。
【0045】
このため、実施例のアンモニア分解触媒について、ガス化ガスを模擬した模擬ガスによる形態変化の状況を説明する。図2にはアンモニア分解触媒の実施例と比較例を表す表、図3には模擬ガス組成と流通条件を表す表を示してある。
【0046】
本実施例のアンモニア分解触媒である、Ni/ZSM−5(図2(a)参照)、Ni/Y型ゼオライト(図2(b)参照)、Ni/シリカ・アルミナ(図2(c)参照)に、ガス化ガスが接触した際に生じる上述した形態変化の状況を検証する。検証に際し、ガス化ガスを模擬したガスを調整し、模擬ガスを本実施例のアンモニア分解触媒に接触させた(図3参照)。比較のため、Ni/ベータゼオライト(図2(d)参照)、Ni/Al2O3(図2(e)参照)、Ni/SiO2(図2(f)参照)をアンモニア分解触媒として用いた場合の形態変化の状況をあわせて説明する。
【0047】
図2(a)に示すように、Ni/ZSM−5として、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が39mol/molであり、比表面積が330m2/gの粉末状のゼオライトを用い、図2(b)に示すように、Ni/Y型ゼオライトとして、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が5.7mol/molであり、比表面積が550m2/gの粉末状のゼオライトを用いた。また、図2(c)に示すように、Ni/シリカ・アルミナは、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が4.2mol/molであり、比表面積が511m2/gの粉末状のものを用いた。
【0048】
図2(d)に示すように、Ni/ベータゼオライトとして、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が390mol/molであり、比表面積が400m2/gの粉末状のゼオライトを用い、図2(e)に示すように、Ni/Al2O3は比表面積が111m2/gの粉末状のものを用い、図2(f)に示すように、Ni/SiO2は比表面積が336m2/gの粉末状のものを用いた。
【0049】
ガス化ガスを模擬したガスは、脱硫処理装置22の出口のガス組成を想定して模擬し、図3に示すように、水素(H2)が10.5(mol%)、一酸化炭素(CO)が28.4(mol%)、窒素(N2)が54.3(mol%)、二酸化炭素(CO2)が3.6(mol%)、水蒸気(H2O)が3.1(mol%)、アンモニア(NH3)が0.104(mol%)の組成の模擬ガスを用いた。
【0050】
そして、図3に示すように、O2と模擬ガスの比である(O2/模擬ガス)を0.008(mol/mol:NH3に対しモル比で約8mol/mol)、触媒量を3.6(ml)、空塔速度S.V.を20000h−1、反応圧力を0.9MPaの条件で模擬ガスを流通させた。
【0051】
図2に示した実施例(a)(b)(c)及び比較例(d)(e)(f)のアンモニア分解触媒に対し、図3に示した条件で模擬ガスを流通させた際の、ガス中のアンモニア(NH3)、シアン化水素(HCN)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)及び一酸化二窒素(N2O)、水素(H2)、メタン(CH4)〜ブタン(C4H10)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)及び酸素(O2)の濃度を測定した。
【0052】
そして、NH3のN2への転換率(アンモニア分解特性)、一酸化二窒素(N2O)の生成率(N2O生成特性)、シアン化水素(HCN)の生成率(HCN生成特性)、CO、CO2の濃度に基づくCO、CO2の反応の特性(CO、CO2反応・生成特性)、H2、CH4の濃度に基づくH2、CH4の反応の特性(H2、CH4反応・生成特性)を求めた。
【0053】
図4にはアンモニア分解特性を表すグラフ、図5にはN2O生成特性を表すグラフ、図6にはHCN生成特性、図7にはCO、CO2反応・生成特性を表すグラフ、図8にはH2、CH4反応・生成特性を表すグラフを示してある。
【0054】
図4に基づいてアンモニア分解特性を説明する。
【0055】
図に示すように、NH3のN2への転換率は、Ni/ZSM−5の場合300〜350℃で最高値の94%となり、Ni/Yが450℃で18%、Ni/シリカ・アルミナが450℃で13%となった。
【0056】
これにより、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒は、選択酸化反応によりアンモニアの分解が促進されていることが判る。
【0057】
尚、選択酸化反応では、比較例(e)のNi/Al2O3、比較例(d)のNi/ベータゼオライトでもアンモニアの分解が確認されている。しかし、後述するように、N2O生成特性、CO、CO2反応特性では副反応を十分に抑制できないことが確認されている。
【0058】
また、Ni/SiO2は500℃以上で触媒出口NH3濃度が入口より35ppm以上高くなり、後述するN2Oなどの生成も加わって転換率の計算値が−12%以下となった。
【0059】
また、実施例、比較例の各アンモニア分解触媒は、NO及びNO2はほとんど生成されなかった。一方、N2O及びHCNが若干生成された。
【0060】
図5に基づいてN2O生成特性を説明する。
【0061】
図に示すように、450℃以下でN2Oはほとんど生成されなかったが、500℃以上でN2Oの生成率が増加する傾向を示した。比較例(d)のNi/ベータゼオライト、(f)のNi/SiO2、(e)のNi/Al2O3の500℃以上でN2Oの生成率が高く、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナ、(a)のNi/ZSM−5、(b)のNi/Y型ゼオライトの500℃以上でN2Oの生成率が低い結果となった。
【0062】
これにより、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒は、比較例のアンモニア分解触媒に比べて、500℃以上の高温の範囲であってもN2Oの生成が抑制されていることが判る。特に、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナ、及び実施例(a)のNi/ZSM−5はN2Oの生成が抑制されていることが判る。
【0063】
図6に基づいてHCNの生成特性を説明する。
【0064】
図に示すように、実施例、比較例の各アンモニア分解触媒のHCNの生成率は低く、温度上昇とともに生成率が緩やかに増加する傾向を示した。特に、実施例(a)のNi/ZSM−5及び実施例(b)のNi/Y型ゼオライトは、HCNの生成率が低く、HCNの生成が抑制されていることが判る。
【0065】
図7に基づいてCO、CO2反応・生成特性を説明する。
【0066】
図7に示すように、450℃を超える温度でCOの濃度が大きく低下し、CO2の濃度が大きく上昇するアンモニア分解触媒(比較例)が確認された。実施例(a)のNi/ZSM−5、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナは、450℃を超える温度でもCO、CO2の濃度変化はほとんど確認できず、実施例(b)のNi/Y型ゼオライトの濃度変化は僅かであった。つまり、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒では、COの濃度低下及びCO2の濃度上昇が僅かであることから、前述した式(3)(5)で示した、CO2の生成及びCの析出の形態変化が生じていないことが確認された。
【0067】
これにより、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒、特に、実施例(a)のNi/ZSM−5、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナは、CO2の生成、Cの析出が抑制されていることが判る。
【0068】
図8に基づいてH2、CH4反応・生成特性を説明する。
【0069】
図8に示すように、450℃を超える温度でH2の濃度が大きく低下し、CH4の濃度が大きく上昇するアンモニア分解触媒(比較例)が確認された。実施例(a)のNi/ZSM−5、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナは、450℃を超える温度でもH2、CH4の濃度変化はほとんど確認できず、実施例(b)のNi/Y型ゼオライトの濃度変化は僅かであった。つまり、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒では、前述した式(4)で示した、メタネーション反応の形態変化が生じていないことが確認された。
【0070】
これにより、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒、特に、実施例(a)のNi/ZSM−5、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナは、CH4の生成が抑制されていることが判る。
【0071】
尚、実施例及び比較例の各触媒では、エタン(C2H6)、エチレン(C2H4)、プロパン(C3H8)、プロピレン(C3H6)、ブタン(i,n−C4H10)は全く検出されなかった。
【0072】
上述したように、(2)式の反応、及び(3)式の反応は250℃以上で進行し、NH3の選択酸化反応と競合する反応となるが、Ni/ZSM−5{実施例(a)}、Ni/Y型ゼオライト{実施例(b)}、Ni/シリカ・アルミナ{実施例(c)}は、250℃から450℃の温度域で上述した(1)式のNH3の選択酸化分解反応が進行してO2が消費され、それ以上の温度では上述した(2)式の反応、及び(3)式の反応が優位となり、NH3の選択酸化反応は停止する。
【0073】
450℃を超える温度では(2)式の反応、(3)式の反応に加え、(4)式のメタネーション反応、(5)式のブドアール反応、(6)式が進行し、CO及びH2濃度の減少、CO2濃度の上昇、触媒への炭素析出およびN2O濃度の上昇が生じる。これに対し、本実施例の触媒では、O2の添加により、450℃を超える温度においても(3)式の反応を優先的に進行させることができ、O2が消失するまで(4)式のメタネーション反応、(5)式のブドアール反応によるCH4生成、C析出を抑制することができる。
【0074】
従って、Ni/ZSM−5、Ni/Y型ゼオライト、Ni/シリカ・アルミナは、250℃から450℃の範囲でNH3の選択酸化反応によるアンモニア分解活性を示し、450℃以下で、燃料成分の消費、C析出、CH4生成、・N2O生成、HCN生成等の副反応を抑制することができる。
【0075】
このため、Ni/ZSM−5、Ni/Y型ゼオライト、Ni/シリカ・アルミナをアンモニア分解触媒として適用することで、石炭ガス化ガスの不純物除去(乾式ガス精製)を行うに際し、アンモニアを良好に分解することができ、燃料ガスとしての劣化を抑制して広い温度範囲で副反応を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスのアンモニアを乾式で分解させるアンモニア分解触媒の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 石炭ガス複合発電設備
2 石炭ガス化炉
3 酸素製造設備
4、8 圧縮機
5 ガス精製設備
6 ガスタービン
7 燃焼器
9 タービン
10 発電機
11 排熱回収ボイラ
12 排煙脱硫装置
13 煙突
14 蒸気タービン
15 給水ポンプ
21 集塵装置
22 脱硝処理装置
23 アンモニア分解処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスのアンモニアを乾式で分解させるアンモニア分解触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
埋蔵量の豊富な石炭を、CO2の放出を抑制しつつクリーンに利用する環境保全性に優れた技術として石炭ガス化複合発電(IGCC)が開発されている。石炭ガス化複合発電においては、石炭ガス化炉で生成された石炭ガス化ガス中の硫黄分や、アンモニア分等の不純物を除去するガス精製を行っている。
【0003】
そして、不純物が除去された精製ガスを燃料ガスとしてガスタービンの燃焼器に供給し、燃焼ガスを膨張タービンで膨張させて動力を得ている。膨張タービンで仕事を終えた排気ガスは熱回収され、熱回収により発生した蒸気により蒸気タービンを駆動して動力を得ている。
【0004】
石炭ガス化複合発電におけるガス精製としては、湿式法が主として採用されてきたが、湿式法は技術的な完成度が高いものの、精製時にガスが低温に冷却されることから、顕熱損失や水蒸気の損失などを生じ、熱効率が低下する問題があった。
【0005】
そこで、発電効率の更なる向上を目的として、原料となるガスの不純物を乾式で除去する乾式ガス精製設備の開発が検討されている。その一環として、乾式で原料となるガスに含まれるアンモニアを分解する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
これは、アンモニア分解触媒により、原料となるガスに含まれるアンモニアの窒素と水への分解反応を選択的に進めると共に、アンモニア分解触媒の表面で一酸化炭素等の炭素原子を含む化合物が炭素に分解される反応を抑制するようにしたものである。
【0007】
石炭ガス化ガス等、アンモニアとともに可燃ガス成分を含むガスの精製においては、アンモニアの分解反応を促進させると同時に、ガスの劣化の原因となるアンモニア以外の可燃ガス成分の反応を可及的に抑制して燃料としての劣化を抑制することが重要である。
【0008】
近年、アンモニアの分解反応の促進と可燃ガス成分の反応の抑制とを両立させることが強く求められてきている。このため、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応をより効果的に促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することができるアンモニア分解触媒の開発が待望されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006―56935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応を促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することができるアンモニア分解触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明のアンモニア分解触媒は、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスに酸素が添加され、酸素が添加された前記ガスが接触することで前記ガスのアンモニアが分解されるアンモニア分解触媒において、合成ゼオライトであるZSM−5もしくはY型ゼオライトを担体とし、遷移金属を担持させたことを特徴とする。
【0012】
その結果、請求項1に係る本発明では、ZSM−5もしくはY型ゼオライトを担体とした触媒に原料となるガスを酸素とともに接触させることで、酸素10員環もしくは酸素12員環の細孔にアンモニアと酸素が侵入し、窒素と水に分解する反応を促進させる。また、酸素10員環もしくは酸素12員環の細孔内であり、かつ結晶格子中に大きな空洞がないため、炭素の成長、含炭素化合物の重合を抑制することができ、アンモニア以外の可燃ガス成分の反応が抑制される。
【0013】
このため、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応を促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することが可能になる。
【0014】
そして、請求項2に係る本発明のアンモニア分解触媒は、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスに酸素が添加され、酸素が添加された前記ガスが接触することで前記ガスのアンモニアが分解されるアンモニア分解触媒において、シリカ・アルミナを担体とし、遷移金属を担持させたことを特徴とする。
【0015】
即ち、請求項2に係る本発明では、シリカ・アルミナを担体とした触媒に原料となるガスを酸素とともに接触させることで、窒素と水に分解する反応を促進させると共に、窒素化合物の生成及び炭素の成長、含炭素化合物の重合が抑制される。
【0016】
このため、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応を促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することが可能になる。
【0017】
また、請求項3に係る本発明のアンモニア分解触媒は、請求項1もしくは請求項2に記載のアンモニア分解触媒において、前記遷移金属はニッケルであることを特徴とする。また、請求項4に係る本発明のアンモニア分解触媒は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンモニア分解触媒において、酸素が添加されて前記ガスが接触した際の反応温度が200℃から450℃であることを特徴とする。
【0018】
即ち、請求項3に係る本発明では、ニッケルを好適に用いることができ、かつ、請求項4に係る本発明では、200℃から450℃の温度範囲でアンモニアの選択酸化分解反応を促進するとともに、燃料の消費反応、炭素析出反応、副生成反応を抑制することができる。
【0019】
また、請求項5に係る本発明のアンモニア分解触媒は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアンモニア分解触媒において、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスは、石炭ガス化ガスであり、アンモニアが分解されたガスは、ガスタービンの燃焼器の燃料ガスとされることを特徴とする。
【0020】
即ち、請求項5に係る本発明では、石炭ガス化ガスのアンモニアを分解して精製ガスを得ることができ、得られた燃料となるガスは劣化が抑制され、ガスタービンの燃焼器の燃料ガスとして用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のアンモニア分解触媒は、原料となるガスに含まれるアンモニアの分解反応を促進させると同時に、原料となるガスの燃料としての劣化を確実に抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】石炭ガス化複合発電設備の概略系統図である。
【図2】本発明のアンモニア分解触媒の状況を説明する表図である。
【図3】模擬ガス組成と流通条件を説明する表図である。
【図4】触媒のアンモニア分解特性を示すグラフである。
【図5】触媒のN2Oの生成特性を示すグラフである。
【図6】触媒のHCNの生成特性を示すグラフである。
【図7】触媒のCO、CO2の反応・生成特性を示すグラフである。
【図8】触媒のH2、CH4の反応・生成特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0024】
本実施例のアンモニア分解触媒は、炭素原子を含む可燃成分とともにアンモニアを含むガスを処理対象とするものであり、ガスに含まれるアンモニアをアンモニア分解触媒に接触させて分解する。ガスとしては、石炭ガス化炉で生成された石炭ガス化ガス(ガス化ガス)が適用され、ガス化ガスには、アンモニア分解触媒の上流で酸素が添加される。添加される酸素の量は、ガス化ガスが気相燃焼しない量に調整される。
【0025】
アンモニア分解触媒の表面に酸素が供給されることにより、ガス化ガスに含まれるアンモニアの選択酸化による窒素と水への分解反応が促進され、同時に、アンモニア分解触媒の表面で可燃成分である一酸化炭素等が炭素に分解される反応等が抑制される。アンモニア分解触媒で精製されたガス(精製ガス)はガスタービンの燃焼器の燃料ガスとして用いられる。
【0026】
本発明のアンモニア分解触媒は、合成ゼオライトであるZSM−5もしくはY型ゼオライトを担体とし、遷移金属を担持させたものである。また、シリカ・アルミナを担体とし、遷移金属を担持させたものである。遷移金属としては、ニッケル(Ni)が適用されている。
【0027】
即ち、実施例として、Ni/ZSM−5は、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が39mol/molであり、比表面積が330m2/gの粉末状のゼオライトが挙げられる。また、実施例として、Ni/Y型ゼオライトは、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が5.7mol/molであり、比表面積が550m2/gの粉末状のゼオライトが挙げられる。また、実施例として、Ni/シリカ・アルミナは、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が4.2mol/molであり、比表面積が511m2/gの粉末状のシリカ・アルミナが挙げられる。
【0028】
ZSM−5は酸素10員環の細孔構造をしたゼオライトであり、Y型ゼオライトは酸素12員環の細孔構造をしたゼオライトである。ZSM−5及びY型ゼオライトは、細孔径が10員環以上の構造のゼオライトであるため、細孔内に酸素が容易に侵入してアンモニアとの選択酸化反応が細孔内で促進される。また、ZSM−5及びY型ゼオライトは、細孔径が12員環以下のゼオライトであり、かつ結晶格子中に大きな空洞がないため、細孔内で炭素の成長及び含炭素化合物の重合がし易くなることが抑制され、炭素析出が生じ難い。
【0029】
従って、ZSM−5及びY型ゼオライトを担体としたことにより、アンモニアの選択酸化による分解反応が促進され、同時に、アンモニア分解触媒の表面で一酸化炭素等が炭素に分解する反応等が抑制される。シリカ・アルミナを担体とした場合、同様に、アンモニアの選択酸化による分解反応が促進され、同時に、アンモニア分解触媒の表面で一酸化炭素等が炭素に分解する反応等が抑制される。
【0030】
アンモニア分解触媒としては、粉末状の他に、ペレット状、ハニカム形状等のものを適用することができる。そして、アンモニア分解触媒は、ガス化ガスを精製するガス精製設備におけるアンモニア分解処理装置の反応容器に収容され、アンモニア分解処理装置を備えたガス精製設備は、石炭ガス化複合発電に備えられている。
【0031】
図1に基づいて石炭ガス化複合発電設備を説明する。図1には本発明の実施例に係るアンモニア分解触媒を備えた石炭ガス化複合発電設備の概略系統を示してある。
【0032】
図に示すように、石炭ガス化複合発電設備1は、石炭(微粉炭)が供給される石炭ガス化炉2を備え、石炭ガス化炉2には、酸素製造設備3で得られた酸素(O2)及び圧縮機4で圧縮された空気が混合されて供給される。これにより、石炭ガス化炉2では、微粉炭が熱分解されて炭素、水素等を含む可燃成分と共にアンモニアを含む石炭ガス化ガス(ガス化ガス)が生成される。
【0033】
酸素製造設備3は、たとえば、空気から酸素を分離する設備であり、圧縮機4では、後述するガスタービンの圧縮機で圧縮された圧縮空気の一部が圧縮される。石炭ガス化炉2は、O2と空気を吹き込む、例えば、噴流床ガス化炉が適用されているが、空気だけを直接供給する石炭ガス化炉を適用することも可能である。
【0034】
石炭ガス化炉2で生成されたガス化ガスはガス精製設備5で不純物が除去され、燃料ガスfとされる。ガス精製設備5で精製された燃料ガスfはガスタービン6の燃焼器7に投入され、圧縮機8からの圧縮空気と共に燃焼器7で燃焼される。燃焼器7からの燃焼ガスはタービン9で膨張されて動力が得られる。
【0035】
タービン9で仕事を終えた排気ガスは排熱回収ボイラ11で熱回収され、排煙脱硝装置12で脱硝された後、煙突13から大気に放出される。一方、排熱回収ボイラ11はタービン9の排気ガスを熱源として蒸気を発生させ、発生された蒸気は蒸気タービン14で膨張されて動力が得られる。蒸気タービン14の排気蒸気は図示しない復水器で復水され、復水器からの復水は給水ポンプ15により排熱回収ボイラ11に送られる。
【0036】
このため、タービン9の動力及び蒸気タービン14の動力により発電機10が駆動され、複合発電により高効率の発電が実現される。
【0037】
ガス精製設備5では、ガス化ガスに含まれる硫黄分、アンモニア分等の不純物、その他の塵埃が乾式で除去される。このため、ガス精製設備5には、塵埃等をポーラスフィルタで物理的に除去する集塵装置21、脱硫剤により硫黄分を除去する脱硫処理装置22が備えられている。そして、脱硫処理装置22の下流側には、アンモニア分を除去する本発明のアンモニア分解触媒を備えたアンモニア分解処理装置23が備えられている。
【0038】
脱硫処理装置22の下流側にアンモニア分解処理装置23を備えたことで、本実施例のアンモニア分解触媒の硫化水素による被毒が防止されている。
【0039】
アンモニア分解処理装置23は、本実施例のアンモニア分解触媒が反応容器に充填されて構成され、アンモニア分解処理装置23の入口には酸素製造設備3からのO2が供給される。脱硫処理装置22で脱硫されたガス化ガスは、O2と共にアンモニア分解処理装置23に送られ、ガス化ガス中のアンモニアが窒素と水に分解される。
【0040】
即ち、ガス化ガスが本発明のアンモニア分解触媒に接触することにより、
4NH3+3O2→2N2+6H2O
で示されるアンモニアの選択酸化反応が促進され、同時に、選択酸化反応以外のアンモニアの反応(一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素、シアン化水素等の窒素化合物の生成)及びガス化ガスの反応(水素、一酸化炭素の酸化、炭素、炭化水素の生成等の反応)が抑制され、ガス化ガスの精製が行なわれる。
【0041】
尚、O2の供給は、空気分離装置で空気から分離されたO2を利用したり、空気を直接アンモニア分解処理装置23に供給して空気中のO2を利用することも可能である。
【0042】
アンモニア分解処理装置23に供給されるO2の量は、アンモニアに対しモル比で0.75mol/mol以上、15mol/mol以下に設定される。また、アンモニア分解処理装置23での反応温度は、200℃乃至450℃程度にされる。これにより、ガス化ガスに含まれるアンモニアの選択酸化による窒素と水への分解反応が促進され、同時に、アンモニア分解触媒の表面で可燃成分である一酸化炭素等が炭素に分解される反応等が抑制される。
【0043】
アンモニア分解処理装置23でアンモニア分解触媒に酸素とともにガス化ガスが接触する脱アンモニア反応の過程では、触媒の種類及び反応条件により、主として、
4NH3+3O2→2N2+6H2O(選択酸化反応) ・・・(1)
2H2+O2→2H2O ・・・(2)
2CO+O2→2CO2 ・・・(3)
2CO+2H2→CH4+CO2(メタネーション反応) ・・・(4)
2CO→2CO2+C(ブドアール反応) ・・・(5)
2NH3+2O2→N2O+3H2O ・・・(6)
の反応が並行し重複した形態変化が生じると考えられる。
【0044】
上述した形態変化のなかで、(1)の選択酸化の形態変化によるアンモニアの分解が促進され、(2)から(6)の形態変化によるアンモニアの反応及びガス化ガスの反応が抑制されれば、ガス化ガス中のアンモニアの分解除去の促進と同時に、ガス化ガスの劣化の抑制を実現できることが判る。
【0045】
このため、実施例のアンモニア分解触媒について、ガス化ガスを模擬した模擬ガスによる形態変化の状況を説明する。図2にはアンモニア分解触媒の実施例と比較例を表す表、図3には模擬ガス組成と流通条件を表す表を示してある。
【0046】
本実施例のアンモニア分解触媒である、Ni/ZSM−5(図2(a)参照)、Ni/Y型ゼオライト(図2(b)参照)、Ni/シリカ・アルミナ(図2(c)参照)に、ガス化ガスが接触した際に生じる上述した形態変化の状況を検証する。検証に際し、ガス化ガスを模擬したガスを調整し、模擬ガスを本実施例のアンモニア分解触媒に接触させた(図3参照)。比較のため、Ni/ベータゼオライト(図2(d)参照)、Ni/Al2O3(図2(e)参照)、Ni/SiO2(図2(f)参照)をアンモニア分解触媒として用いた場合の形態変化の状況をあわせて説明する。
【0047】
図2(a)に示すように、Ni/ZSM−5として、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が39mol/molであり、比表面積が330m2/gの粉末状のゼオライトを用い、図2(b)に示すように、Ni/Y型ゼオライトとして、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が5.7mol/molであり、比表面積が550m2/gの粉末状のゼオライトを用いた。また、図2(c)に示すように、Ni/シリカ・アルミナは、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が4.2mol/molであり、比表面積が511m2/gの粉末状のものを用いた。
【0048】
図2(d)に示すように、Ni/ベータゼオライトとして、SiO2とAl2O3の組成比(SiO2/Al2O3)が390mol/molであり、比表面積が400m2/gの粉末状のゼオライトを用い、図2(e)に示すように、Ni/Al2O3は比表面積が111m2/gの粉末状のものを用い、図2(f)に示すように、Ni/SiO2は比表面積が336m2/gの粉末状のものを用いた。
【0049】
ガス化ガスを模擬したガスは、脱硫処理装置22の出口のガス組成を想定して模擬し、図3に示すように、水素(H2)が10.5(mol%)、一酸化炭素(CO)が28.4(mol%)、窒素(N2)が54.3(mol%)、二酸化炭素(CO2)が3.6(mol%)、水蒸気(H2O)が3.1(mol%)、アンモニア(NH3)が0.104(mol%)の組成の模擬ガスを用いた。
【0050】
そして、図3に示すように、O2と模擬ガスの比である(O2/模擬ガス)を0.008(mol/mol:NH3に対しモル比で約8mol/mol)、触媒量を3.6(ml)、空塔速度S.V.を20000h−1、反応圧力を0.9MPaの条件で模擬ガスを流通させた。
【0051】
図2に示した実施例(a)(b)(c)及び比較例(d)(e)(f)のアンモニア分解触媒に対し、図3に示した条件で模擬ガスを流通させた際の、ガス中のアンモニア(NH3)、シアン化水素(HCN)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)及び一酸化二窒素(N2O)、水素(H2)、メタン(CH4)〜ブタン(C4H10)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)及び酸素(O2)の濃度を測定した。
【0052】
そして、NH3のN2への転換率(アンモニア分解特性)、一酸化二窒素(N2O)の生成率(N2O生成特性)、シアン化水素(HCN)の生成率(HCN生成特性)、CO、CO2の濃度に基づくCO、CO2の反応の特性(CO、CO2反応・生成特性)、H2、CH4の濃度に基づくH2、CH4の反応の特性(H2、CH4反応・生成特性)を求めた。
【0053】
図4にはアンモニア分解特性を表すグラフ、図5にはN2O生成特性を表すグラフ、図6にはHCN生成特性、図7にはCO、CO2反応・生成特性を表すグラフ、図8にはH2、CH4反応・生成特性を表すグラフを示してある。
【0054】
図4に基づいてアンモニア分解特性を説明する。
【0055】
図に示すように、NH3のN2への転換率は、Ni/ZSM−5の場合300〜350℃で最高値の94%となり、Ni/Yが450℃で18%、Ni/シリカ・アルミナが450℃で13%となった。
【0056】
これにより、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒は、選択酸化反応によりアンモニアの分解が促進されていることが判る。
【0057】
尚、選択酸化反応では、比較例(e)のNi/Al2O3、比較例(d)のNi/ベータゼオライトでもアンモニアの分解が確認されている。しかし、後述するように、N2O生成特性、CO、CO2反応特性では副反応を十分に抑制できないことが確認されている。
【0058】
また、Ni/SiO2は500℃以上で触媒出口NH3濃度が入口より35ppm以上高くなり、後述するN2Oなどの生成も加わって転換率の計算値が−12%以下となった。
【0059】
また、実施例、比較例の各アンモニア分解触媒は、NO及びNO2はほとんど生成されなかった。一方、N2O及びHCNが若干生成された。
【0060】
図5に基づいてN2O生成特性を説明する。
【0061】
図に示すように、450℃以下でN2Oはほとんど生成されなかったが、500℃以上でN2Oの生成率が増加する傾向を示した。比較例(d)のNi/ベータゼオライト、(f)のNi/SiO2、(e)のNi/Al2O3の500℃以上でN2Oの生成率が高く、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナ、(a)のNi/ZSM−5、(b)のNi/Y型ゼオライトの500℃以上でN2Oの生成率が低い結果となった。
【0062】
これにより、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒は、比較例のアンモニア分解触媒に比べて、500℃以上の高温の範囲であってもN2Oの生成が抑制されていることが判る。特に、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナ、及び実施例(a)のNi/ZSM−5はN2Oの生成が抑制されていることが判る。
【0063】
図6に基づいてHCNの生成特性を説明する。
【0064】
図に示すように、実施例、比較例の各アンモニア分解触媒のHCNの生成率は低く、温度上昇とともに生成率が緩やかに増加する傾向を示した。特に、実施例(a)のNi/ZSM−5及び実施例(b)のNi/Y型ゼオライトは、HCNの生成率が低く、HCNの生成が抑制されていることが判る。
【0065】
図7に基づいてCO、CO2反応・生成特性を説明する。
【0066】
図7に示すように、450℃を超える温度でCOの濃度が大きく低下し、CO2の濃度が大きく上昇するアンモニア分解触媒(比較例)が確認された。実施例(a)のNi/ZSM−5、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナは、450℃を超える温度でもCO、CO2の濃度変化はほとんど確認できず、実施例(b)のNi/Y型ゼオライトの濃度変化は僅かであった。つまり、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒では、COの濃度低下及びCO2の濃度上昇が僅かであることから、前述した式(3)(5)で示した、CO2の生成及びCの析出の形態変化が生じていないことが確認された。
【0067】
これにより、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒、特に、実施例(a)のNi/ZSM−5、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナは、CO2の生成、Cの析出が抑制されていることが判る。
【0068】
図8に基づいてH2、CH4反応・生成特性を説明する。
【0069】
図8に示すように、450℃を超える温度でH2の濃度が大きく低下し、CH4の濃度が大きく上昇するアンモニア分解触媒(比較例)が確認された。実施例(a)のNi/ZSM−5、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナは、450℃を超える温度でもH2、CH4の濃度変化はほとんど確認できず、実施例(b)のNi/Y型ゼオライトの濃度変化は僅かであった。つまり、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒では、前述した式(4)で示した、メタネーション反応の形態変化が生じていないことが確認された。
【0070】
これにより、実施例(a)(b)(c)のアンモニア分解触媒、特に、実施例(a)のNi/ZSM−5、実施例(c)のNi/シリカ・アルミナは、CH4の生成が抑制されていることが判る。
【0071】
尚、実施例及び比較例の各触媒では、エタン(C2H6)、エチレン(C2H4)、プロパン(C3H8)、プロピレン(C3H6)、ブタン(i,n−C4H10)は全く検出されなかった。
【0072】
上述したように、(2)式の反応、及び(3)式の反応は250℃以上で進行し、NH3の選択酸化反応と競合する反応となるが、Ni/ZSM−5{実施例(a)}、Ni/Y型ゼオライト{実施例(b)}、Ni/シリカ・アルミナ{実施例(c)}は、250℃から450℃の温度域で上述した(1)式のNH3の選択酸化分解反応が進行してO2が消費され、それ以上の温度では上述した(2)式の反応、及び(3)式の反応が優位となり、NH3の選択酸化反応は停止する。
【0073】
450℃を超える温度では(2)式の反応、(3)式の反応に加え、(4)式のメタネーション反応、(5)式のブドアール反応、(6)式が進行し、CO及びH2濃度の減少、CO2濃度の上昇、触媒への炭素析出およびN2O濃度の上昇が生じる。これに対し、本実施例の触媒では、O2の添加により、450℃を超える温度においても(3)式の反応を優先的に進行させることができ、O2が消失するまで(4)式のメタネーション反応、(5)式のブドアール反応によるCH4生成、C析出を抑制することができる。
【0074】
従って、Ni/ZSM−5、Ni/Y型ゼオライト、Ni/シリカ・アルミナは、250℃から450℃の範囲でNH3の選択酸化反応によるアンモニア分解活性を示し、450℃以下で、燃料成分の消費、C析出、CH4生成、・N2O生成、HCN生成等の副反応を抑制することができる。
【0075】
このため、Ni/ZSM−5、Ni/Y型ゼオライト、Ni/シリカ・アルミナをアンモニア分解触媒として適用することで、石炭ガス化ガスの不純物除去(乾式ガス精製)を行うに際し、アンモニアを良好に分解することができ、燃料ガスとしての劣化を抑制して広い温度範囲で副反応を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスのアンモニアを乾式で分解させるアンモニア分解触媒の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 石炭ガス複合発電設備
2 石炭ガス化炉
3 酸素製造設備
4、8 圧縮機
5 ガス精製設備
6 ガスタービン
7 燃焼器
9 タービン
10 発電機
11 排熱回収ボイラ
12 排煙脱硫装置
13 煙突
14 蒸気タービン
15 給水ポンプ
21 集塵装置
22 脱硝処理装置
23 アンモニア分解処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスに酸素が添加され、酸素が添加された前記ガスが接触することで前記ガスのアンモニアが窒素と水に分解されるアンモニア分解触媒において、
合成ゼオライトであるZSM−5もしくはY型ゼオライトを担体とし、遷移金属を担持させた
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項2】
炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスに酸素が添加され、酸素が添加された前記ガスが接触することで前記ガスのアンモニアが窒素と水に分解されるアンモニア分解触媒において、
シリカ・アルミナを担体とし、遷移金属を担持させた
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載のアンモニア分解触媒において、
前記遷移金属はニッケルである
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンモニア分解触媒において、
酸素が添加されて前記ガスが接触した際の反応温度が200℃から450℃である
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアンモニア分解触媒において、
炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスは、石炭ガス化ガスであり、
アンモニアが分解されたガスは、ガスタービンの燃焼器の燃料ガスとされる
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項1】
炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスに酸素が添加され、酸素が添加された前記ガスが接触することで前記ガスのアンモニアが窒素と水に分解されるアンモニア分解触媒において、
合成ゼオライトであるZSM−5もしくはY型ゼオライトを担体とし、遷移金属を担持させた
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項2】
炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスに酸素が添加され、酸素が添加された前記ガスが接触することで前記ガスのアンモニアが窒素と水に分解されるアンモニア分解触媒において、
シリカ・アルミナを担体とし、遷移金属を担持させた
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載のアンモニア分解触媒において、
前記遷移金属はニッケルである
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンモニア分解触媒において、
酸素が添加されて前記ガスが接触した際の反応温度が200℃から450℃である
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアンモニア分解触媒において、
炭素原子を含む可燃化合物とともにアンモニアを含有するガスは、石炭ガス化ガスであり、
アンモニアが分解されたガスは、ガスタービンの燃焼器の燃料ガスとされる
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−284640(P2010−284640A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39449(P2010−39449)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】
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