説明

イソシアネートの三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートの三量化方法、それから作製された硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体、および該発泡体の作製方法

本発明はイソシアネートの三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製された硬質発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。三量化触媒系は、(a)イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および(b)イソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する。前駆体配合物は、(1)前駆体配合物の重量に対して少なくとも25重量%のポリオール、(2)(a)イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および(c)イソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する、前駆体配合物の重量に対して15重量%未満の三量化触媒系を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年11月10日に出願した「イソシアネートの三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートの三量化方法、それから作製された硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体、および該発泡体の作製方法」と題する米国仮特許出願第61/113,196号からの優先権を主張する非仮出願であり、その教示は以下の本明細書において完全に複製されるように参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明はイソシアネートの三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製された硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体、および該発泡体を作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR)発泡体は広く知られており、数多くの工業において用いられている。PIR発泡体は両方の基、すなわちウレタン基(イソシアネートの−NCO基とポリオールのヒドロキシル基との反応から得られる)と、ヒドロキシル基に対して過剰な−NCO基(イソシアネートインデックスが100より大きく、たとえば180〜600)の三量化から誘導されるイソシアヌレート環とを有するハイブリッド構造である。−NCO基の三量化は典型的には、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、酢酸カリウムおよび他の触媒等の特別の触媒によって触媒作用を受ける。PIR発泡体の高度架橋構造は、過剰な−NCO基の三量化によって生成するイソシアヌレート環から誘導される。
【0004】
PIR発泡体は常に難燃特性および低発煙性に関する規制強化の対象となっている。難燃特性および低発煙性は典型的にはイソシアヌレート環の存在によって改善されている。しかし、そのようなイソシアヌレート環を製造するための現在の三量化触媒系は高温でのみ活性となる傾向があり、これはPIR発泡体の中心域において典型的である。したがって、現在の三量化触媒系はPIR発泡体の主として中心域におけるイソシアヌレート環の生成を促進する傾向がある。現在の三量化触媒系の使用によってPIR発泡体の中心域の難燃特性および発煙特性が改善されるが、そのようなPIR発泡体の外部域の中でのそのような特性をさらに改善するニーズがまだある。本発明はそのようなPIR発泡体の外部域の中でのイソシアヌレート環の生成を促進し、その結果としてPIR発泡体の外部域の難燃特性および発煙特性の改善を促進する。本発明は活性化温度の低下を必要とすることによって、PIR発泡体の外部域におけるイソシアヌレート環の三量化を促進し増大させる。本発明はさらに、たとえばラミネーションプロセスにおいて、接着特性、すなわちPIR発泡体パネルの二重スチールフェーサーの引張り接着強度を改善させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、イソシアネートの三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態において、本発明は(a)イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および(b)イソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供する。
【0007】
代替の実施形態において、本発明は(1)前駆体配合物の重量に対して少なくとも25重量%のポリオール;(2)(a)イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および(c)イソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する、前駆体配合物の重量に対して15重量%未満の三量化触媒系;ならびに(3)必要に応じて、1つまたは複数の界面活性剤、1つまたは複数の難燃剤、水、1つまたは複数の抗酸化剤、1つまたは複数の発泡助剤、1つまたは複数のウレタン触媒、1つまたは複数の三量化補助触媒(本明細書に記載の三量化触媒系以外のもの)、あるいはそれらの組合せを含む前駆体配合物をさらに提供する。
【0008】
代替の実施形態において、本発明は(1)イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩、およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーを提供するステップ;(2)(a)イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および(b)イソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供するステップ;(3)三量化触媒の存在下で1つまたは複数のモノマーを三量化するステップ;ならびに(4)それによりイソシアヌレート三量体を生成するステップを含む、イソシアネートの三量化のための方法をさらに提供する。
【0009】
代替の実施形態において、本発明は(1)イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩、およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーを提供するステップ;(2)ポリオールを提供するステップ;(3)(a)イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および(b)イソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供するステップ;(4)必要に応じて、1つまたは複数の界面活性剤、1つまたは複数の難燃剤、水、1つまたは複数の抗酸化剤、1つまたは複数の発泡助剤、1つまたは複数のウレタン触媒、1つまたは複数の三量化補助触媒、あるいはそれらの組合せを提供するステップ;(5)1つまたは複数のモノマーおよびポリオールを接触させるステップであって、必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、および必要に応じて1つまたは複数の難燃剤、および必要に応じて水、および必要に応じて1つまたは複数の抗酸化剤、および必要に応じて三量化触媒系の存在下での1つまたは複数の発泡助剤、および必要に応じて1つまたは複数のウレタン触媒、および必要に応じて1つまたは複数の三量化補助触媒を接触させるステップ;(6)それによりPIR発泡体を生成するステップを含む、PIR発泡体を作製するための方法をさらに提供する。
【0010】
代替の実施形態において、本発明は、イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン、およびイソシアネート三量体誘導アニオンを含む三量化触媒系であって、必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、必要に応じて1つまたは複数の難燃剤、必要に応じて水、必要に応じて1つまたは複数の抗酸化剤、必要に応じて1つまたは複数の発泡助剤、必要に応じて1つまたは複数のさらなるウレタン触媒、および必要に応じて1つまたは複数の三量化補助触媒、あるいは必要に応じてそれらの組合せを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系の存在下におけるイソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーとポリオールとの反応生成物を含む、PIR発泡体をさらに提供する。
【0011】
代替の実施形態において、本発明は、イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン、およびイソシアネート三量体誘導アニオンを含む三量化触媒系であって、必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、必要に応じて1つまたは複数の難燃剤、必要に応じて水、必要に応じて1つまたは複数の抗酸化剤、必要に応じて1つまたは複数の発泡助剤、必要に応じて1つまたは複数のさらなるポリウレタン触媒、および必要に応じて1つまたは複数の三量化補助触媒、あるいは必要に応じてそれらの組合せを含む三量化触媒系の存在下における、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーとポリオールとの反応生成物を含むPIR発泡体であって、硬質発泡体の上表面から深さ12mmにおけるATR−FTIR分光法で測定されるポリイソシアヌレート三量体比(Abs1410/Abs1595)が少なくとも5であるPIR発泡体をさらに提供する。
【0012】
代替の実施形態において、本発明は、イミダゾリウムカチオンが以下の構造
【0013】
【化1】

(式中、EはCまたはC不飽和結合であり、XはH、C〜C18、P、Si、Nおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される)
を有することを除いて上記の任意の実施形態に従う、イソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0014】
代替の実施形態において、本発明は、イミダゾリニウムカチオンが以下の構造
【0015】
【化2】

(式中、Eは飽和炭化水素結合であり、XはH、C〜C18、P、Si、Nおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される)
を有することを除いて、上記の任意の実施形態に従うイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0016】
代替の実施形態において、本発明は、(XがH、C〜C18およびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RがH、C〜C18およびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RがH、C〜C18およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されることを除いて)上記の任意の実施形態に従うイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0017】
代替の実施形態において、本発明は、(XがHからなる群から選択され、Rがtert−ブチルであり、Rがtert−ブチルであることを除いて)上記の任意の実施形態に従うイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0018】
代替の実施形態において、本発明は、イソシアネート三量体誘導アニオンがカルボキシレート、カルボネート、フェノキシド、アミド、アミジネート、イミド、ホスフィド、チオシアネート、チオイソシアネート、イソシアネート、シアネートおよびフルオリドからなる群から選択されることを除いて、上記の任意の実施形態に従うイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0019】
代替の実施形態において、本発明は、(イソシアネート三量体誘導アニオンがカルボキシレート、カルボネート、フェノキシドおよびフルオリドからなる群から選択されることを除いて)上記の任意の実施形態に従うイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0020】
代替の実施形態において、本発明は、イソシアネート三量体誘導アニオンがカルボキシレートであることを除いて、上記の任意の実施形態に従うイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0021】
代替の実施形態において、本発明は、カルボキシレートが以下の構造
【0022】
【化3】

(式中、X’は、H、C〜C18、脂肪族、芳香族、環式、非環式、アシル、およびそれらの誘導体からなる群から選択される)
を有することを除いて、上記の任意の実施形態に従うイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0023】
代替の実施形態において、本発明は、(カルボキシレートがホルメート、アセテート、オクタノエート、2−エチルヘキサノエート、ベンゾエート、およびそれらの置換された誘導体からなる群から選択されることを除いて)上記の任意の実施形態に従うイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0024】
代替の実施形態において、本発明は、イソシアネート三量体誘導アニオンがアセテートであることを除いて上記の任意の実施形態に従う、イソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0025】
代替の実施形態において、本発明は、(三量化触媒系が1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリジニウムアセテートまたは1,3−ジ−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾリウムアセテートであることを除いて)上記の任意の実施形態に従う、イソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製された発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0026】
代替の実施形態において、本発明は、発泡体が建設用断熱発泡体または電気製品用断熱発泡体等の断熱材として用いられることを除いて上記の任意の実施形態に従う、PIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0027】
本発明を説明する目的で例示的な形態を図に示すが、本発明はこの示された厳密な配置および手段に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】1つの例示的な本発明の発泡体と比較の発泡体の三量体含量を示す例示的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明はイソシアネート三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化するための方法、それから作製されたPIR発泡体、および該発泡体を作製するための方法を提供する。
【0030】
イソシアネート三量化触媒系は(a)イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および(b)イソシアネート三量体誘導アニオンを含む。イソシアネート三量化触媒系は73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する。73℃未満からのすべての個別の値および部分的範囲は本明細書に包含され、本明細書に開示される。たとえば活性化温度は25、35、45、または55℃の下限から45、55、65、70または73℃の上限までであってよい。たとえばイソシアネート三量化触媒系は70℃以下、または68℃以下、または66℃以下、または65℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する。1つの実施形態において、イソシアネート三量化触媒系はいかなるポリマー支持体も有しない。
【0031】
イソシアネート三量化触媒系のイミダゾリウムカチオン成分は以下の構造
【0032】
【化4】

(式中、EはCまたはC不飽和結合であり、XはH、C〜C18、P、SiNおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される)
を有する。
【0033】
イソシアネート三量化触媒系のイミダゾリニウムカチオン成分は以下の構造
【0034】
【化5】

(式中、Eは飽和炭化水素結合であり、XはH、C〜C18、P、Si、Nおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される)
を有する。
【0035】
1つの実施形態において、XはH、C〜C18およびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18およびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。1つの実施形態において、XはHからなる群から選択され、Rはtert−ブチルであり、Rはtert−ブチルである。
【0036】
本明細書において用いられるイソシアネート三量体誘導アニオンは、1つまたは複数のイミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオンの存在下でイソシアネートの三量化を促進するアニオンを指す。イソシアネート三量体誘導アニオンは、たとえばカルボキシレート、カルボネート、フェノキシド、アミド、アミジネート、イミド、ホスフィド、チオシアネート、チオイソシアネート、イソシアネート、シアネート、およびフルオリドからなる群から選択されるアニオンである。代替において、イソシアネート三量体誘導アニオンはカルボキシレート、カルボネート、フェノキシド、およびフルオリドからなる群から選択される。別の代替において、イソシアネート三量体誘導アニオンはカルボキシレートである。カルボキシレートは、たとえば以下の構造
【0037】
【化6】

(式中、X’は、H、C〜C18、脂肪族、芳香族、環式、非環式、アシル、およびそれらの誘導体からなる群から選択される)
を有してもよい。カルボキシレートは、たとえばホルメート、アセテート、オクタノエート、2−エチルヘキサノエート、ベンゾエート、およびそれらの置換された誘導体からなる群から選択されてよい。代替において、イソシアネート三量体誘導アニオンはアセテートである。
【0038】
1つの実施形態において、三量化触媒系は1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリジニウムアセテートまたは1,3−ジ−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾリウムアセテートである。
【0039】
本発明による前駆体配合物は、(a)1つまたは複数のポリオール;(b)本明細書で上述した本発明の三量化触媒系;および(c)必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、1つまたは複数の難燃剤、水、1つまたは複数の抗酸化剤、1つまたは複数の発泡助剤、1つまたは複数のウレタン触媒、1つまたは複数の三量化補助触媒、あるいはそれらの組合せを含む。前駆体配合物は、前駆体配合物の重量に対して少なくとも25重量%の本明細書で以下に述べる1つまたは複数のポリオールを含む。少なくとも25重量%からのすべての個々の値および部分範囲は本明細書に包含され、本明細書に開示される。例えば、1つまたは複数のポリオールの重量%は25、30、35、40または45重量%(W%)の下限から45、50、55、65、75、85、90、95、または98W%の上限までであってよい。たとえば前駆体配合物は、前駆体配合物の重量に対して25〜98、または30〜98、または35〜98、または45〜95重量%の1つまたは複数のポリオールを含む。前駆体配合物は、前駆体配合物の重量に対して15重量%以下の本明細書で上述した本発明の三量化触媒系を含む。15重量%以下からのすべての個々の値および部分的範囲は本明細書に包含され、本明細書に開示される。たとえば三量化触媒系の重量%は0.1、1、2、4、5、7、または10W%の下限から10、12、14、または15W%の上限までであってよい。たとえば前駆体配合物は、前駆体配合物の重量に対して2〜15、または4〜15、または5〜15または7〜15、または10〜15重量%の本発明の三量化触媒系を含む。
【0040】
本発明の三量化触媒系は、たとえばイソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩、およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーを三量化するために用いて、1つまたは複数のイソシアヌレート環を形成することができる。
【0041】
さらに本発明の三量化触媒系を使用してPIR発泡体を形成することができる。本明細書において以下にさらに詳細に記述するPIR発泡体を形成するための方法は、一般に以下、(1)イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩、およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーを提供するステップ;(2)ポリオールを提供するステップ;(3)(a)イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および(b)イソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供するステップ;ならびに(4)必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、1つまたは複数の難燃剤、水、1つまたは複数の抗酸化剤、1つまたは複数の発泡助剤、1つまたは複数のウレタン触媒、1つまたは複数の三量化補助触媒、あるいはそれらの組合せを提供するステップ;(5)1つまたは複数のモノマー、およびポリオールを接触させるステップであって、必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、および必要に応じて1つまたは複数の難燃剤、および必要に応じて水、および必要に応じて1つまたは複数の抗酸化剤、および必要に応じて三量化触媒系の存在下での1つまたは複数の発泡助剤、および必要に応じて1つまたは複数のウレタン触媒、および必要に応じて1つまたは複数の三量化補助触媒を接触させるステップ;ならびに(6)それによりポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質発泡体を生成するステップを含む。
【0042】
本発明によるPIR発泡体は、好ましくは上述の三量化触媒系を従来のウレタン触媒と組み合わせてウレタン配合物中で用いることによって製造することができる。
【0043】
本明細書において用いられる「イソシアネート」という用語は、モノイソシアネートおよび有機ポリイソシアネート等の、少なくとも1つのイソシアネート基を含むポリマーを含む任意の化合物を指す。適切に用いられる代表的な有機ポリイソシアネートとしては、これだけに限らないが、例えば2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートとの混合物、粗トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、粗メチレンジフェニルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリス−(4−イソシアナートフェニル)メタン、2,4,6−トルエントリス(イソシアネート)等の芳香族トリイソシアネート;4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5’,5’−テトラ(イソシアネート)等の芳香族テトラ(イソシアネート);キシレンジイソシアネート等のアルキルアリールポリイソシアネート;ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルおよびメタン−4,4’−ジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ならびにそれらの混合物が挙げられる。他の有機ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化メチレンジフェニルイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス−(イソシアナートメチル)ベンゼン、クメン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブロモ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−エトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4’−ジイソシアナートジフェニルエーテル、5,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジイソシアナートジフェニルエーテル、ベンジジンジイソシアネート、4,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、9,10−アントラセンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナートジベンジル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナートジフェニルメタン、2,6’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナートジフェニル、およびそれらの混合物が挙げられる。二量体および特にイソシアネート環を含むイソシアネートのNCO−末端オリゴマー等のより官能価の高いポリイソシアネートならびに上述のイソシアネートのプレポリマーおよび混合物も適している。過剰なイソシアネートとポリオール等の活性水素化合物とを反応させて調製される、そのようなイソシアネートの、疑似プレポリマーと称される場合もあるもの、好ましくは少なくとも2モルのイソシアネート基と1モルの活性水素含有化合物とを反応させて作製されるものも適している。これらのポリイソシアネートは、対応する有機アミンのホスゲン化等の、当該分野で知られている従来の方法で調製される。
【0044】
1つの実施形態において、PIR発泡体の製造のための芳香族ポリイソシアネートとしては、これだけに限らないが、その2,4’−異性体、2,2’−異性体、および4,4’−異性体およびそれらの混合物の形態のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)ならびに/またはMDIポリマーとして知られるMDIオリゴマーの混合物が挙げられる。代替において、ポリイソシアネートはいわゆるMDIポリマー生成物であってもよい。これらはMDIモノマー中のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの混合物である。
【0045】
1つの実施形態において、PIR発泡体を製造する際、モノイソシアネートの量は一般に全イソシアネートの10重量%未満、全イソシアネートの7重量%未満、全イソシアネートの5重量%未満、全イソシアネートの2重量%未満、またはなしである。
【0046】
本発明の実施において、イソシアネートと適切に反応させられる活性水素化合物としては、少なくとも1つの活性水素部分を含むポリマーを含む任意の化合物が挙げられる。本発明の目的のため、活性水素部分は、分子中のその位置のためにKohlerによってJournal of American Chemical Society、49巻、3181頁(1927)に記載されたZerewitnoff試験によって顕著な活性を示す水素原子を含む部分を指す。そのような活性水素部分の例は−COOH、−OH、−NH、−CONH、−SHおよび−CONH−である。本明細書においては以後、そのような化合物はモノオール(分子あたり1個の活性水素部分)およびポリオール(分子あたり2個以上の活性水素部分)と称することとする。本発明のPIR発泡体を製造するために適したポリオール(単数または複数)またはポリオールブレンドの数平均官能価は2〜8の範囲、代替において3〜8の範囲であり、ヒドロキシル当量は60〜560、代替において90〜400の範囲である。
【0047】
典型的な活性水素化合物としては、モノオールおよびポリオール、ポリアミンを含むアミン、ポリアミドを含むアミド、ポリメルカプタンを含むメルカプタン、ポリ酸を含む酸等が挙げられる。適切なヒドロキシル化合物の例は以下の通りである(これらの混合物を含む):エタノール、プロパノールおよびブタノール等の一価アルコールならびにフェノール等の一価フェノール。特に興味深いものは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール、ヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエポキシド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリヒドロキシ末端ポリウレタンポリマー、ポリヒドロキシル含有リン化合物および多価チオエーテルのアルキレンオキシド付加物、ポリアセタールを含むアセタール、脂肪族および芳香族のポリオールおよびチオール(ポリチオエーテルを含む)、アンモニウムならびにポリアミンを含む芳香族、脂肪族およびヘテロ環アミンを含むアミン、ならびにそれらの混合物である。アミノ基およびヒドロキシル基を含むアミノアルコール等の、上で定義した種類に含まれる2種以上の異なった基を含む化合物のアルキレンオキシド付加物も用いられる。1個の−SH基および1個の−OH基を含む化合物ならびにアミノ基および−SH基を含む化合物のアルキレン付加物も用いられる。本発明の実施においてポリオールとして用いられるポリエーテルポリオールの例としては、ポリアルキレンポリエーテルポリオール、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、およびジエチレングリコール等のジオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールの作製において開始剤として有利に用いられるアルコールの例としては、これだけに限らないが、メタノール、エタノール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールエタン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、α−メチルグルコシド、ペンタエリスリトール、およびソルビトールが挙げられる。「アルコール」という用語の中には、一般にビスフェノールAとして知られる2,2−(4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノールから誘導される化合物;シュクロース、グルコース、フルクトース等の糖等も含まれる。ポリエーテルポリオールの調製に有利に用いられるアルキレンオキシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシドおよびこれらのオキシドの2つ以上のランダムまたはブロックコポリマー;グリシドール;メチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテルおよびフェニルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテルまたはチオエーテルが挙げられる。ポリエステルポリオールは、ポリカルボン酸とアルコール、特に多価アルコールとの反応生成物である。適切なポリカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、タプシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、α−ヒドロムコン酸、β−ヒドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルコハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリト酸および1,4−シクロヘキサン−ジカルボン酸が挙げられる。脂肪族および芳香族の両方を含む任意の適切なアルコールが用いられる。適切なアルコールの例は、本明細書でこれまでに記述した多価アルコールである。「多価アルコール」という用語の中には、一般にビスフェノールAとして知られる、2,2−(4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノールから誘導される化合物;ポリアセトンポリオール等も含まれる。
【0048】
適切に用いられる他のポリオールとしては、これだけに限らないが、エチレンジアミン等のポリアルキレンポリアミン;アミノエタノール等のアミノアルコール;リン酸、スルホン酸およびホウ酸のエステル;デンプンおよびメチルセルロース等のセルロース様ポリマー;ペプチドおよびポリペプチド;尿素−ホルムアルデヒドおよびメラミンホルムアルデヒド等のメチロール樹脂;ラクトン(ε−カプロラクトンまたはε−カプロラクトンとアルキレンオキシドの混合物等)と多官能性開始剤(多価アルコール、アミンまたはアミノアルコール等)とを反応させることによって調製されるラクトンポリオールが挙げられる。1つの実施形態においては、ポリアルキレンエーテルジオールはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エトキシル化グリセリン、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのポリエーテルジオールであってよい。本発明の実施において用いられる特定のイソシアネートおよび活性水素化合物ならびにそれらの量は、所望の特定の最終用途の利用に依存する。そのような選択はそのような最終用途が関する当該分野の技量の範囲内である。
【0049】
既述のイソシアネート、活性水素、および三量化触媒系に加えて、界面活性剤および発泡剤等の他の成分が有利に含められることも多い。
【0050】
FIR発泡体配合物の上述の成分に加えて、界面活性剤、発泡剤、充填剤、染料、顔料、架橋剤、鎖延長剤、難燃剤および発煙防止剤等の他の物質を用いてもよい。
【0051】
本発明による三量化触媒系は、通常高いイソシアネートインデックスが要求される硬質および難燃用途のための発泡体製品の形成に有用である。本明細書においてイソシアネートインデックスは、反応混合物中のすべての活性水素と反応させるために必要なポリイソシアネートの理論上必要な化学量論量で、用いたポリイソシアネートの実際の量を除算し、100倍した値を指す。本発明の目的のため、イソシアネートインデックスは式:イソシアネートインデックス=(Eq NCO/活性水素のEq)×100で表される。式中、Eq NCOはポリイソシアネート中のNCO官能基の数であり、活性水素のEqは当量活性水素原子の数である。
【0052】
イソシアネートインデックス80〜800で製造される発泡体製品は本発明の範囲内にある。本発明の他の態様によれば、イソシアネートインデックスは100〜700、150〜650、150〜600、または180〜500である。
【0053】
発泡剤としては、これだけに限らないが、イソブテン、ジメチルエーテル、水、塩化メチレン、アセトン、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、および炭化水素が挙げられる。HFCの非限定的な例としては、HFC−245fa、HFC−134a、HFC−152a、HFC−227ea、およびHFC−365が挙げられる。HCFCの例示的な実例としては、HCFC−141b、HCFC−22、およびHCFC−123が挙げられる。炭化水素の例としては、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン等、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。用いられる発泡剤の量は、たとえば発泡体製品の意図された使用および用途ならびに所望の発泡体の剛性および密度に基づいて変動し得る。本発明のPIR発泡体を調製するための発泡体配合物および方法において、発泡剤はポリオール100重量部あたり1〜80重量部(pphp)、5〜60pphp、7〜60pphp、10〜60pphp、12〜60pphp、14〜40pphp、または16〜25pphpの量で存在する。発泡剤としてまたは他の用途で水が配合物中に存在する場合、水は約15pphpまでの量で存在する。言い換えれば、水は0〜15pphpの範囲であり得る。別の態様においては、水は0〜10pphp、0.1〜10pphp、0〜8pphp、0〜6pphp、0.3〜5pphp、または0.4〜4pphpの範囲であり得る。
【0054】
PIR発泡体を作製するプロセスにおいて、ウレタン触媒はポリウレタンを生成する反応を促進する。本明細書における使用に適したウレタン触媒としては、これだけに限らないが、有機スズ等の金属塩触媒、ならびにトリエチレンジアミン(TEDA)、N−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルジシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−エチル−ピペラジン、トリブチルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ヘプタメチルテトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジプロピレン−トリアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリス(3−ジメチルアミノ)プロピルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)、またはその酸ブロック誘導体等、ならびにそれらの任意の混合物等のアミン化合物が挙げられる。
【0055】
本発明のPIR発泡体を調製するため、ウレタン触媒は配合物中に0〜15pphp、0〜10pphp、0〜8pphp、0〜6pphp、0〜4pphp、0〜2pphp、または0〜1pphp存在し得る。別の態様においては、ウレタン触媒は0〜0.8pphp、0〜0.6pphp、0〜0.4pphp、または0〜0.2pphp存在する。
【0056】
本発明のPIR発泡体を調製するため、任意の三量化補助触媒が、配合物中に0〜15pphp、0〜10pphp、0〜8pphp、0〜6pphp、0〜4pphp、0〜2pphp、または0〜1pphp存在し得る。別の態様においては、ウレタン触媒は0〜0.8pphp、0〜0.6pphp、0〜0.4pphp、または0〜0.2pphp存在する。
【0057】
発泡体の製造中または発泡体製品の最終用途の利用のための必要に応じて、特定の特性にあつらえるためにPIR発泡体配合物に種々の添加剤を用いることができる。添加剤としては、これだけに限らないが、空孔安定剤、難燃剤、鎖延長剤、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、充填剤、顔料、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。当該分野で知られている他の混合物または材料を発泡体配合物中に含めることができ、これらは本発明の範囲内であることが理解される。
【0058】
空孔安定剤としては、有機ポリシロキサン等の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤はPIR発泡体配合物中に0.5〜10pphp、0.6〜9pphp、0.7〜8pphp、0.8〜7pphp、0.9〜6pphp、1〜5pphp、または1.1〜4pphpの量で存在し得る。有用な難燃剤としては、ハロゲン化有機リン化合物および非ハロゲン化化合物が挙げられる。たとえば、トリクロロプロピルホスフェート(TCPP)はハロゲン化難燃剤であり、トリエチルホスフェートエステル(TEP)は非ハロゲン化難燃剤である。最終用途の発泡体の利用に応じて、難燃剤は発泡体配合物中に0〜50pphp、0〜40pphp、0〜30pphp、または0〜20pphpの量で存在し得る。別の態様においては、難燃剤は0〜15pphp、0〜10pphp、0〜7pphp、または0〜5pphp存在する。エチレングリコールおよびブタンジオール等の鎖延長剤も、本発明において用いることができる。
【0059】
本発明は、本発明の三量化触媒系の有効量の存在下で少なくとも1つのポリイソシアネートを少なくとも1つの活性水素含有化合物と接触させるステップを含む、PIR発泡体を調製するための方法をさらに提供する。
【0060】
三量化触媒系は発泡体配合物中に触媒として有効な量で存在すべきである。本発明のPIR発泡体配合物において、三量化触媒系は、触媒系希釈剤、たとえばジエチレングリコールの重量寄与分を含んで、少なくとも1つの活性水素含有化合物の100重量部あたり0.05〜15重量部の量で存在する。別の態様においては、三量化触媒系は少なくとも1つの活性水素含有化合物の100重量部あたり0.4〜10重量部、または0.4〜9重量部、または0.8〜8重量部の量で存在する。少なくとも1つの活性水素含有化合物が少なくとも1つのポリオールである場合には、三量化触媒系はポリオール100重量部あたり0.05〜15重量部(pphp)存在する。別の態様においては、触媒組成物は0.2〜10pphp、0.2〜9.5pphp、0.4〜9pphp、0.6〜8.5pphp、または0.8〜8pphpの量で存在する。
【0061】
PIR配合物中に含まれる成分の数が与えられれば、それら成分を接触させまたは組み合わせる多くの異なった順序があり、当業者であればそれら成分の添加の順序を変化させることは本発明の範囲内にあることを理解するであろう。さらに、PIR発泡体を製造する方法は、少なくとも1つの空孔安定剤、少なくとも1つの難燃剤、少なくとも1つの鎖延長剤、少なくとも1つのエポキシ樹脂、少なくとも1つのアクリル樹脂、少なくとも1つの充填剤、少なくとも1つの顔料、またはそれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つの添加剤の存在をさらに含み得る。
【0062】
本発明のさらなる態様において、少なくとも1つのポリイソシアネート以外の成分の予備混合物を最初に接触させ、次いで少なくとも1つのポリイソシアネートを添加することができる。たとえば、少なくとも1つの活性水素含有化合物、少なくとも1つの発泡剤、および本発明の三量化触媒系を最初に接触させて予備混合物を生成させる。次いで予備混合物を少なくとも1つのポリイソシアネートと接触させて、本発明の方法によってPIR発泡体を製造する。本発明のなおさらなる態様においては、予備混合物が少なくとも1つのウレタン触媒をさらに含む同じ方法を用いることができる。同様に、予備混合物は少なくとも1つの空孔安定剤、少なくとも1つの難燃剤、少なくとも1つの鎖延長剤、少なくとも1つのエポキシ樹脂、少なくとも1つのアクリル樹脂、少なくとも1つの充填剤、少なくとも1つの顔料、またはそれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含んでもよい。
【0063】
本発明の1つの態様は、(a)(i)少なくとも1つの活性水素含有ポリオール;(ii)ポリオール100重量部あたり10〜80重量部(pphp)の発泡剤;(iii)0.5〜10pphpの界面活性剤;(iv)0〜10pphpの水;(v)0〜50pphpの難燃剤;(vi)0〜10pphpのウレタン触媒;および(vii)0.05〜15pphpの本発明の三量化触媒系を含む予備混合物を形成するステップ;および(b)予備混合物を80〜800のイソシアネートインデックスで少なくとも1つのポリイソシアネートと接触させるステップを含む、PIR発泡体を調製するための方法を提供する。
【0064】
1つの実施形態において、本発明のPIR発泡体は建設用断熱発泡体または電気製品用断熱発泡体等の断熱材として用いることができる。
【0065】
別の実施形態において、PIR発泡体を作製するために必要な上記の成分は共に噴霧されて噴霧ノズルからの吐出口で混合され、壁の上に断熱発泡体を形成する。
【実施例】
【0066】
以下の実施例は本発明を説明するが、本発明の範囲を限定することを意図してはいない。
【0067】
三量化触媒系の調製
1−エチル,2−メチルイミダゾリウムアセテート、本発明のTCS 1
1−エチル,2−メチルイミダゾリウムClの1.0M溶液を無水MeOH中で調製した。これに1.05当量のKOAcを固体として加えた。混合物を一夜攪拌しておいた。反応混合物をMフリットに通して濾過し、濾液を真空乾燥して1−エチル,2−メチルイミダゾリウムアセテートを得た。
【0068】
1,3−ジ−ブチルイミダゾリニウムアセテート、本発明のTCS 2
1,3−ジ−ブチルイミダゾリニウムBFの1.0M溶液を無水MeOH中で調製した。これに1.05当量のKOAcを固体として加えた。混合物を一夜攪拌しておいた。反応混合物をMフリットに通して濾過し、濾液を真空乾燥して1,3−ジ−ブチルイミダゾリニウムアセテートを得た。
【0069】
1,3−ジアダマンチルイミダゾリウムアセテート、本発明のTCS 3
1,3−ジアダマンチルイミダゾリウムBFの1.0M溶液を無水MeOH中で調製した。これに1.05当量のKOAcを固体として加えた。混合物を一夜攪拌しておいた。反応混合物をMフリットに通して濾過し、濾液を真空乾燥して1,3−ジアダマンチルイミダゾリウムアセテートを得た。
【0070】
1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムアセテート、本発明のTCS 4
1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムClの1.0M溶液を無水MeOH中で調製した。これに1.05当量のKOAcを固体として加えた。混合物を一夜攪拌しておいた。反応混合物をMフリットに通して濾過し、濾液を真空乾燥して1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムアセテートを得た。
【0071】
ジ−ブチル−イミダゾリウムアセテート、本発明のTCS 5
1Lのフラスコにパラホルムアルデヒド(10.0g、333mmol)およびトルエン300mlを加えた。添加漏斗を通して周囲温度でBuNH(24.35g、333mmol)を滴下して加えた。添加後、均一性がちょうど達成されるまで溶液を加熱した。得られた溶液を氷浴中で冷却し、BuNH(24.35g、333mmol)をさらに滴下して加えた。反応物を氷浴中に保ったまま、添加漏斗を通して酢酸(20.0g、333mmol)を加えた。反応物が周囲温度まで加温された後に、グリオキサール48.3g(水中40wt%、333mmol)を滴下して加えた。2相が存在していた。反応物を一夜40℃に加熱した。約25℃に冷却した後、層を分離して水層を25mlのエーテルで2回洗浄した。水層を蒸発液化させることによって、ジ−ブチル−イミダゾリウムアセテート68.0g(85.0%)を茶褐色固体として得た。
【0072】
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、本発明のTCS 6
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムClの1.0M溶液を無水MeOH中で調製した。これに1.05当量のKOAcを固体として加えた。混合物を一夜攪拌しておいた。反応混合物をMフリットに通して濾過し、濾液を真空乾燥して1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートを得た。
【実施例1】
【0073】
触媒活性化温度の決定
本発明の三量化触媒系(TCS)1〜6試料の各々をジエチレングリコールに溶解し、PMDI中、45秒間、約25℃で混合し、DSCの試料パンに入れた。各々の発明試料の触媒活性化温度をDSC法により下記のように測定する。三量体の生成をIRで確認する。結果を表1に示す。
【0074】
(比較例1)
比較試料1〜3は、上述の本発明の試料1〜6と同じ方法によって調製する。各々の比較試料の触媒活性化温度をDSC法により下記のように測定する。三量体の生成をIRで確認する。結果を表1に示す。
【実施例2】
【0075】
発泡体の形成
本発明の発泡体をCannon HP−60およびHi Tech Eco−RIM高圧機で製造する。全体の機械のスループットは約200〜225g/秒であった。発泡体試料を、51.7℃に予熱したモールドを用いて作製した。一方化学温度は以下の配合物について21〜27℃の間で変動した:ポリオール(芳香族ポリエステルポリオール、100phpp)、三量化触媒系(6phpp未満)、難燃剤(TCPP、4.7phpp)、界面活性剤(1.7phpp)、ウレタン触媒(Polycat(商標)5触媒、0.15phpp)、発泡剤(n−ペンタン、17phpp)、および水の予備混合物。充分なイソシアネート(MDIポリマー)および予備混合物を合わせて所望のイソシアネートインデックス(たとえば270または500)を達成する。本発明の発泡体1の三量体含量をATR−FTIR分光法で測定し、結果を図1に示す。
【0076】
(比較例2)
比較の発泡体をCannon HP−60およびHi Tech Eco−RIM高圧機で製造する。全体の機械のスループットは約200〜225g/秒であった。発泡体試料を、51.7℃に予熱したモールドを用いて作製した。一方、以下の配合物について化学温度は21〜27℃の間で変動した:ポリオール(芳香族ポリエステルポリオール、100phpp)、DABCO TMR−2触媒(6phpp未満)、難燃剤(TCPP、4.7phpp)、界面活性剤(1.7phpp)、ウレタン触媒(Polycat(商標)5触媒、0.15phpp)、発泡剤(n−ペンタン、17phpp)、および水の予備混合物。充分なイソシアネート(MDIポリマー)および予備混合物を合わせて所望のイソシアネートインデックス(たとえば270または500)を達成する。比較の発泡体1の三量体含量をATR−FTIR分光法で測定し、結果を図1に示す。
【0077】
試験方法
試験方法としては以下が挙げられる。
【0078】
示差走査熱量測定法
示差走査熱量測定(DSC)法は、TA 2920二重試料DSCを用いて実施する。試料を、ガス抜きのために蓋に穴をあけて密封シールしたアルミニウム製DSCパン中で処理する。触媒仕込みは、PAPI 20 MDIポリマー1g中の全イソシアネートに対して約1モル%である。標準処理については、触媒溶液中に存在するもの以外にはさらなる−OHを配合物中に加えない。試料を調製して、以下の方法によって分析する。
1.20mlバイアルに触媒溶液を加えて質量を記録する。
2.約1.0gのPAPI 20をバイアルに加え、混合物を約45秒間、Teflon(登録商標)被覆スパチュラで攪拌する。
3.2つの一定分量を取り出し(1〜10mg)、予め秤量したDSCパンの底に入れ、次いでパンを密閉シールする。
4.試料を次いで直ちに、参照として同様のパンを入れたTA 2920 DSCに入れる。
5.速度10℃/分で190℃まで、単回の走査を実施する。
6.発熱の開始温度およびピーク最大温度ならびに発熱ピークの全熱量を計算する。触媒の比較/評価には一般にピーク最大温度を用いることができる。というのは、計算された開始温度は単回のスペクトル中で点の選択に応じて3℃も変化し得るからである。
7.次いで次の試料を処理する前に、装置を35℃未満まで空冷する。
【0079】
試料のレプリカを処理し、全部で4つのスペクトルを得る(2つのレプリカ試料各々について2連)。触媒溶液中の−OHの量に応じて、「配合物」のイソシアネートインデックスは1000〜3500の範囲であり得る。インデックス1000の配合物においては、初期イソシアネートの90%が専ら三量化反応に用いることができ、残り10%は触媒溶媒のヒドロキシル基との反応に用いられる。これらのレベルにおいて主な発熱は三量化反応の発熱であろうと考えられる。
【0080】
三量体含量に関するフーリエ変換赤外(FTIR)
各々の硬質発泡体パネルの中心において、パネル厚みにわたる1インチ×1インチ×3インチの試料を集める。次いで各試料を3インチの厚みに沿って切断し、厚み5mmの切片とする。但し最外部の端(すなわち外面)は厚み2〜3mmに切断する。Durascope 1 Bounce ATRダイアモンドクリスタルアクセサリーを取り付けたNicolet Magna FTIR装置でATR−FTIR測定を実施する。典型的には4000〜600cm−1のスペクトル範囲で16回のスキャンを取得する。分解能は4cm−1、速度は0.6329、アパチャーは138である。FTIRスペクトルは各々の深さにおいて6箇所の異なった位置で(所与の深さにおいて各々の対向した切片上で3箇所)取得する。但し外表面においては各々4箇所の位置で測定する。
【0081】
三量体含量
硬質PIR発泡体の典型的な減衰全反射フーリエ変換赤外(ATR−FTIR)スペクトルを以下に示す。1410cm−1のピークは三量体の6員環に特異的であり、一方ウレタン、尿素、三量体、およびエステル部分に見られる種々のカルボニルの振動モードはすべて単一ピークとして1700cm−1付近に現れる。2275cm−1の小ピークは遊離の未反応イソシアネート基に対応し、一方1595cm−1の芳香族ピークは一般にデータを正規化するための内部標準として用いられる。
【0082】
【化7】

【0083】
芳香族ピーク高さ(約1595cm−1)で正規化したNCOピーク高さ(約2275cm−1)は、典型的に発泡体中の未反応イソシアネート基の量を示し、一方こちらも芳香族ピーク高さで正規化した三量体ピーク高さ(約1410cm−1)は、典型的に発泡体パネル中のイソシアヌレート三量体種の量を示す。各パネルの深さにわたる三量体含量プロファイルを決定するために、試料を集め、切片とし、上述の方法によってFTIRスペクトルを取得する。所与の深さにおけるピーク比を平均する。標準偏差は試料中の所与の深さにおける種々の場所にわたるピーク比の値の広がりを表す。これらの量は、パネル深さにわたる未反応イソシアネート基およびイソシアヌレート三量体の分布(すなわち深度プロファイル)を示す。
【0084】
本発明はその精神および本質的な特性から逸脱することなく、他の形態において具現化することができ、したがって本発明の範囲を示すものとしては、上記の明細書よりもむしろ、添付した特許請求の範囲を参照すべきである。
【0085】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;および
イソシアネート三量体誘導アニオン
を含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系。
【請求項2】
前駆体配合物の重量に対して少なくとも25重量%のポリオール;
イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン;およびイソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する、前駆体配合物の重量に対して15重量%以下の三量化触媒系;ならびに
必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、1つまたは複数の難燃剤、水、1つまたは複数の抗酸化剤、1つまたは複数の発泡助剤、1つまたは複数のウレタン触媒、1つまたは複数の三量化補助触媒、またはそれらの組合せ
を含む前駆体配合物。
【請求項3】
イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩、およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーを提供するステップ;
イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオンおよびイソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供するステップ;
前記三量化触媒の存在下で前記1つまたは複数のモノマーを三量化するステップ;
それにより1つまたは複数のイソシアヌレート三量体を生成するステップ
を含む、イソシアネートの三量化のための方法。
【請求項4】
イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩、およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーを提供するステップ;
ポリオールを提供するステップ;
イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオンおよびイソシアネート三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供するステップ;
必要に応じて、1つまたは複数の界面活性剤、1つまたは複数の難燃剤、水、1つまたは複数の抗酸化剤、1つまたは複数の発泡助剤、1つまたは複数のウレタン触媒、1つまたは複数の三量化補助触媒、またはそれらの組合せを提供するステップ;
前記1つまたは複数のモノマーおよび前記ポリオールを接触させるステップであって、必要に応じて前記1つまたは複数の界面活性剤、および必要に応じて前記1つまたは複数の難燃剤、および必要に応じて前記水、および必要に応じて前記1つまたは複数の抗酸化剤、および必要に応じて前記三量化触媒系の存在下での前記1つまたは複数の発泡助剤、および必要に応じて前記1つまたは複数のウレタン触媒、および必要に応じて前記1つまたは複数の三量化補助触媒を接触させるステップ;
それにより前記ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質発泡体を生成するステップ
を含む、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質発泡体を生成するための方法。
【請求項5】
イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン、およびイソシアネート三量体誘導アニオンを含む三量化触媒系であって、必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、必要に応じて1つまたは複数の難燃剤、必要に応じて水、必要に応じて1つまたは複数の抗酸化剤、必要に応じて1つまたは複数の発泡助剤、任意選択で1つまたは複数のさらなるウレタン触媒、および必要に応じて1つまたは複数の三量化補助触媒、あるいは必要に応じてそれらの組合せを含み、73℃以下の範囲の三量化活性化温度を有する三量化触媒系の存在下における、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩、およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーとポリオールとの反応生成物を含む、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質発泡体。
【請求項6】
イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオン、およびイソシアネート三量体誘導アニオンを含む三量化触媒系であって、必要に応じて1つまたは複数の界面活性剤、必要に応じて1つまたは複数の難燃剤、必要に応じて水、必要に応じて1つまたは複数の抗酸化剤、必要に応じて1つまたは複数の発泡助剤、必要に応じて1つまたは複数のさらなるポリウレタン触媒、および必要に応じて1つまたは複数の三量化触媒、あるいは必要に応じてそれらの組合せを含む三量化触媒系の存在下における、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネートオリゴマー、それらの任意のものの塩、およびそれらの任意のものの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のモノマーとポリオールとの反応生成物を含み、硬質発泡体の上表面から深さ12mmにおけるATR−FTIR分光法で測定されるポリイソシアヌレート三量体比(Abs1410/Abs1595)が少なくとも5である、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質発泡体。
【請求項7】
前記イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオンが以下の構造
【化8】

(式中、EはCまたはC不飽和結合であり、XはH、C〜C18、P、Si、Nおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、Siおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される)
を有する、請求項1から6のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項8】
前記イミダゾリウムまたはイミダゾリニウムカチオンが、テトラエチルイミダゾリウムもしくはイミダゾリニウムカチオンまたはテトラブチルイミダゾリウムもしくはイミダゾリニウムカチオンである、請求項1から6のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項9】
前記イソシアネート三量体誘導アニオンが、カルボキシレート、カルボネート、フェノキシド、アミド、アミジネート、イミド、ホスフィド、チオシアネート、チオイソシアネート、イソシアネート、シアネート、およびフルオリドからなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項10】
前記イソシアネート三量体誘導アニオンが、カルボキシレート、カルボネート、フェノキシド、およびフルオリドからなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項11】
前記イソシアネート三量体誘導アニオンが、以下の構造
【化9】

(式中、X’はH、C〜C18、脂肪族、芳香族、環式、非環式、アシルおよびそれらの誘導体からなる群から選択される)
を有するカルボキシレートである、請求項1から6のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項12】
前記カルボキシレートが、ホルメート、アセテート、オクタノエート、2−エチルヘキサノエート、ベンゾエート、およびそれらの置換された誘導体からなる群から選択される、請求項11に記載の三量化触媒系。
【請求項13】
前記イソシアネート三量体誘導アニオンがアセテートである、請求項12に記載の三量化触媒系。
【請求項14】
テトラブチルイミダゾリウムアセテートもしくはテトラブチルイミダゾリニウムアセテート、またはテトラフェニルイミダゾリウムアセテートもしくはテトラフェニルイミダゾリニウムアセテートである、請求項1から6のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項15】
前記発泡体が断熱材として用いられる、請求項4から6のいずれかに記載の硬質ポリイソシアヌレート発泡体。

【図1】
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【公表番号】特表2012−508303(P2012−508303A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535728(P2011−535728)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/063733
【国際公開番号】WO2010/054317
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】