説明

イチ決め

【課題】 従来は、御影石のカウンターを取り付ける場合、土台となる家具との高さの違いや表面の凹凸を吸収し調整しながら水平に仕上げる必要があり、その作業方法に困難があった。重い御影石を、スペーサーと楔を使用して、高さを調整し水平に設置するまでに手間がかかっていた。又、エポキシボンドでも御影石の重量を支える必要があり、エポキシボンドの使用も多量になっていた。
【解決手段】 アルミ箔のイチ決めを使用する事により、重たい御影石を安定した状態で水平に設定できるようになった。それはアルミ箔の特性である細かく折り込んだ状態は、重い御影石を十分に支え得る力がある為である。さらにゴムハンマーで御影石に衝撃圧を加えるとそれに比例して、収縮する為に微調整が簡単に出来るようになった。指定の水平面に設定するのに、作業時間を大幅に短縮することが可能となった。このように作業効率を高め、高価なエポキシボンドの使用量を減らし、仕上げ精度の向上になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の位置に御影石カウンターなどを容易に設置できる建築副資材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、御影石の天板を取り付け場合、二液混合性エポキシボンドを作業直前に練り込み設置土台と御影石の間に付着し、木製の楔で調整して仕上げ位置に設定したのち、セメント系急結剤にて仮止めしエポキシボンドの硬化で強力に接着固定している。
【0003】
又、御影石の飾り棚の場合、三方向とも壁面になっていることがあり手前には楔を挿入できるが奥の方では、楔を使用出来ない為、スペーサーを間隔に見合う数量だけ敷き詰め設定作業をしている。
さらに仮止めも御影石の仕上げ面に塗りつけするしかなく、エポキシボンドが硬化接着後に取り除き清掃の手間もかかる。
【0004】
従来の作業手順では、高価なエポキシボンドを必要以上に使用することになり、経費の無駄であり、その二液性ボンドは、A液とB液を充分に練り合わせることで、硬化するようになっているため、人的な作業も負担になっている。さらに混練りされたボンドは、オープンタイム以内に所定の位置に設定しないと硬化が進むとスムーズな作業は出来ない。常に素早い作業が要求されている。
【0005】
さらに、仕上げ水平面に糸を張り土台と御影石の間に混練りしたエポキシボンドをダンゴ状に塗り合わせ、水平器で何度も確認しながら、ゴムハンマーで微調整し叩き込み、所定の位置に設定する作業は、熟練職人でも容易ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の作業方法は、高価な二液性エポキシボンドの使用量が多く経費がかかる。作業も手間がかかり作業効率が上がらない。このように人件費が割り高になり、副資材費も高くなる。仕上げ作業としての精度も落ちる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する本発明の図1は、取り付け台と御影石の間で指定した仕上げ面と水平面に設定するのに適した特徴がある。アルミ箔を織り込んだイチ決めは、御影石の重量で圧力をうけると、さらに小さな多面体を形成し数キログラムを支える特性があり、その重力を支えている状態でも、ゴムハンマーでの衝撃圧に反応し沈み込む微調整が可能な特異性のある部材である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のイチ決めは、従来の部材より微調整の設定に優れていて重い物を支える耐圧性に特徴がある。その為、作業効率が上がり高価なエポキシボンドも必要最小限度の使用量ですみコストダウンになる。アルミ箔は、取り扱いが簡単で、人体に無害であり建築部材として適している。作業自体が簡単になり、経験の浅い石材職人も能率よく作業が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
図1〜図5は、本発明の第一の実施の形態に係わり、図1は、その外観斜視図、図2は、図1を使用した断面図、図3は、従来の施工方法の断面図、図4は、図2の施工途中の斜視図である。図5は拡大図である。
【0011】
図1はアルミ箔の横寸法200mm縦寸法100mm程の1枚物を少しずつ折り込んで長さ30mm巾20mm高さ10mm程度に成型した製品である。その大きさも御影石の重量に対して調整し易い形状である。御影石を設置する時に使用するアルミ箔の特徴は、少しずつ折り込む事により多数の折り目が細かな多面体を形成し、御影石の重量を支える耐圧力が発生する。更にゴムハンマーで叩くと衝撃力に対し微妙に沈み込む収縮性も兼ね備えている。この双方の特徴こそが、重い御影石を所定の位置に固定するのに欠かせない特質なのである。
【0012】
図2は、図1のアルミ箔を実際に使用し施工した断面図であり、御影石の重量を支えながら、なおゴムハンマーで叩くとその衝撃圧力に反応して微量に沈み込み、微調整が可能で水平に仕上げる作業が、容易に効率よくできる利点がある。
【0013】
図3は、従来の作業方法で施工した断面図である。手前の方に楔を仮セットし、壁側の奥の方は、規制品のスペーサーを敷き、仕上げ面に沿って仕上げ作業を進めていき、スペーサーの高さが合わず低すぎた場合などは、御影石を剥がして再度スペーサーをセットしなければならない場合ある。さらに、その逆でスペーサーが、高い場合もあり同じように再作業になる。所定の水平位置に設置するまで時間がかかる。
【0014】
図4は、御影石を取り付け途中の透視図である。取り付け台に図1をバランスよく置き、その上に御影石にエポキシボンドをダンゴ状に付着して取り付けようとしているところである。
【0015】
図5は、ゴムハンマーで叩き込み微調整しながら水平面に設定している仕上げ断面図である。アルミ箔が可動範囲内であることが重要である。
【0016】
図2の実施例は、図1のアルミ箔を半固形化した副資材イチ決めを使用して、御影石のカウンターを設置したものである。作業手順も簡単で、作業時間も短く高精度で確実に仕上げられる。このような作業を行うには、おおいに役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0017】
建築作業で家具や部材を設置する場合も、図2のような作業方法で、別な用途にも適用できる。
新築住宅でリビング、ダニングキッチンは、床暖房が増えていて床暖房の仕上げ材として大型タイルを使用することがあり、タイルの下地が、コンパネである場合に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 アルミ箔を順に折り込んで半固形化した図。
【図2】 アルミ箔を使用して施工した断面図。
【図3】 従来の施工方法での断面図。
【図4】 アルミ箔を使用している施工途中の透視図。
【図5】 ゴムハンマーで衝撃圧を加えている断面図。
【符号の説明】
【0019】
1 折り込みアルミ箔
2 御影石
3 エポキシボンド
4 楔
5 スペーサー
6 取り付け土台、家具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙状のアルミ箔を球形や板状に折り込んだものであり、御影石のカウンターや飾り棚を所定の位置に取り付ける場合に使用し、指定の仕上げ面に設置し易くする建築部材で、御影石の重量を支える耐圧力にすぐれ、かつゴムハンマーなどでの叩き込み衝撃力に対し、微妙に反応し微調整することができる特徴ある建築副資材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−127985(P2008−127985A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343561(P2006−343561)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(506421781)
【Fターム(参考)】