説明

イブプロフェンを含有する医薬組成物

【課題】
イブプロフェンが引き起こす胃粘膜障害を簡便かつ効果的に軽減した医薬組成物を提供すること。
【解決手段】
イブプロフェン1重量部に対して、アミノ酢酸1.5乃至8重量部及びカフェイン類0.01乃至2重量部を含有することを特徴とする医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イブプロフェンに対して、特定量のアミノ酢酸及びカフェイン類を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
非ステロイド解熱鎮痛消炎剤(以下、NSAIDと称す)として、アスピリン等のサリチル酸系NSAID、アセトアミノフェン等のアニリン系NSAID、アニチピリン等のピラゾロン系NSAID、イブプロフェン等のフェニルプロピオン酸系NSAIDがよく知られており、消炎鎮痛や感冒時の解熱鎮痛用として広く処方されている。しかし、一般にNSAIDは、プロスタグランジンの生成を抑制するという作用機序により、投与量や投与日数が増加するにつれて、胃部不快感や胃痛等の胃粘膜障害を惹起しやすいということが知られている。
【0003】
本発明の組成物に関連したものとして、これまでに、
1)イブプロフェンとアミノ酢酸とを併用することにより、イブプロフェンの薬効が向上するとともに、胃腸障害も軽減できること(特許文献1参照)、
2)上記特許文献1の実施例1には、イブプロフェン、アミノ酢酸及び無水カフェインを含有する経口組成物が開示されている。
また、
3)イブプロフェンとカフェインとを併用するとイブプロフェンを単独で使用時に較べて顕著な偏頭痛治療効果が得られたこと(特許文献2参照)、
4)イブプロフェンとカフェインとを併用するとイブプロフェンによる胃粘膜障害が用量依存的に軽減されること(非特許文献1参照)が報告されている。
【特許文献1】特許第2894955号明細書
【特許文献2】特開2003−277258号公報
【非特許文献1】J.Pharm.Pharmacol.Vol.51(1999)p.817−824(Table−1乃至Table−2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イブプロフェンが引き起こす胃粘膜障害を簡便かつ効果的に軽減することができれば有用である。
【0005】
本発明者はこのような目的のもとに鋭意研究を進める中で、イブプロフェンとアミノ酢酸とを併用する場合よりも、イブプロフェンとアミノ酢酸に、さらに、カフェイン類を併用することにより、イブプロフェンの胃粘膜障害がさらに軽減されるのではないかと考えた。しかし、本研究によって、実際にカフェインを配合した場合には、アミノ酢酸の含有量によって胃粘膜障害軽減作用は大きく変動することがわかり、場合によっては胃粘膜障害を増悪させることもあることが判明した。
【0006】
例えば、これまでに唯一開示されている公知例(特許文献1の実施例1)である、イブプロフェン1重量部に対しアミノ酢酸0.5重量部及び無水カフェイン0.33重量部を含有する組成物では、イブプロフェンによる胃粘膜障害は増強され、推奨されるべき処方ではないことが判った(後述の図1参照)。
【0007】
そこで本発明者は、イブプロフェンにアミノ酢酸及びカフェイン類を組み合わせた場合、いかなる条件下でイブプロフェンの薬効が増強され、かつ胃粘膜障害軽減作用が発現するのかを見出すために、さらに鋭意研究を実施し、イブプロフェン1重量部に対してアミノ酢酸を1.5重量部以上含有させた場合に限り3剤配合の有利な効果が発現することを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
(1)イブプロフェン1重量部に対して、アミノ酢酸1.5乃至8重量部及びカフェイン類0.01乃至2重量部を含有することを特徴とする医薬組成物であり、好適には、
(2)イブプロフェン1重量部に対して、アミノ酢酸2乃至4重量部及びカフェイン類0.05乃至1重量部含有することを特徴とする医薬組成物、
(3)イブプロフェン1重量部に対して、アミノ酢酸2乃至4重量部及びカフェイン類0.1乃至0.5重量部含有することを特徴とする医薬組成物、
(4)イブプロフェンによる胃粘膜障害を軽減するための(1)乃至(3)から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物、
(5)カフェイン類が、カフェイン又は無水カフェインである、(1)乃至(4)から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物、
(6)解熱鎮痛消炎剤又は感冒剤として用いるための(1)乃至(5)から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物、
(7)イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を同一の医薬組成物中に含有することを特徴とする(1)乃至(6)から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物及び
(8)イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を含有する医薬組成物がキットであることを特徴とする(1)乃至(6)から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物である。
【0009】
また、本発明は、
(9)イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を同一の医薬組成物中に含有する(1)乃至(6)から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法、
(10)解熱鎮痛消炎剤又は感冒剤を製造するための(1)乃至(5)から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物の使用、
(11)イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を同時に、順次又は別個に投与する方法及び
(12)哺乳動物に(1)乃至(5)から選ばれるいずれか1項に記載された医薬組成物の有効量を投与することを特徴とする感冒の予防方法又は治療方法を提供する。
【0010】
本発明において、「カフェイン類」とは、例えば、カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン塩酸塩、クエン酸カフェイン等であり、好適には、カフェイン又は無水カフェインである。
【0011】
本発明において、「胃粘膜障害」とは、急性及び慢性胃炎からくる胃粘膜病変(糜爛、出血、浮腫)、胃潰瘍、及び胃部の近接部位である十二指腸を含む上部消化管の障害のことである。
【0012】
本発明の医薬組成物を投与する際は、それぞれの成分を同時に、順次又は別個に投与することが出来る。
【0013】
本発明における、「同時に」投与するとは、全く同時に投与することの他、薬理学上許される程度に相前後した時間に投与することも含むものである。その投与形態は、ほぼ同じ時間に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、単一の組成物であることが好ましい。
【0014】
本発明における、「順次又は別個に」投与するとは、異なった時間に別々に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、例えば、1の成分を投与し、次いで、決められた時間後に、他の成分を投与する方法がある。
【0015】
本発明における、「治療する」とは、病気又は症状を治癒させること又は改善させること或いは症状を抑制させることを意味する。
【発明の効果】
【0016】
本発明であるイブプロフェンに対して、特定量のアミノ酢酸及びカフェイン類を含有する医薬組成物は、イブプロフェンの薬効が増強され、かつ胃粘膜障害軽減作用が発現することから有用であり、従って、解熱鎮痛消炎剤又は感冒剤として胃粘膜障害感受性が高い患者に投与する場合には特に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
イブプロフェン、アミノ酢酸(グリシン)、カフェイン、無水カフェイン及び安息香酸ナトリウムカフェインは日本薬局方XIVに収載されており、その他のカフェイン類も公知の方法で製造することができる。
【0018】
本発明であるイブプロフェンに対して、特定量のアミノ酢酸及びカフェイン類を含有する医薬組成物は、各有効成分が同一の医薬組成物中に含有する配合剤の形態で投与することができる。或いは、イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を、それぞれについて調剤した製剤として同時に若しくはほぼ同時に投与することもできる。
【0019】
イブプロフェンの1回投与量は、適応症や年齢により異なるが、通常、50mg乃至250mgであり、好適には、60mg乃至200mgであり、これを1日に、2乃至3回投与する。
【0020】
本発明の医薬組成物が固形製剤の場合において、1日投与量中のイブプロフェンの含有量は、通常、20mg乃至800mgであり、好適には、30mg乃至400mgである。
【0021】
本発明の医薬組成物が液剤の場合において、イブプロフェンの含有量は通常、0.2mg/mL乃至200mg/mLであり、好適には、1mg/mL乃至100mg/mLである。
【0022】
本発明の医薬組成物における、イブプロフェン1重量部に対するアミノ酢酸の含有量は、1.5乃至8重量部であり、好適には、2乃至4重量部である。また、カフェイン類の含有量は、0.01乃至2重量部であり、好適には、0.05乃至1重量部であり、更に好適には、0.1乃至0.5重量部である。
【0023】
本発明においては、上記有効成分の他、必要に応じて上記のアミノ酢酸以外の制酸剤、催眠鎮静薬、鎮咳薬、去痰薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、交感神経興奮薬、副交感神経遮断薬、消炎酵素類、ビタミン類、生薬類等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
【0024】
これらの具体的な剤形としては、例えば、錠剤、細粒剤(散剤を含む)、カプセル、液剤(シロップ剤を含む)等であり、これらの各剤形は、添加剤や基材を適宜使用し、日本薬局方等に記載された通常の方法に従い、製造することができる。
【0025】
上記各剤形において、その剤形に応じ、通常使用される添加剤とは、例えば、賦形剤、安定化剤、コーテイング剤、滑沢剤、吸着剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、着色剤、pH調節剤及び香料等である。
【実施例】
【0026】
以下に、実施例及び試験例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)錠剤
(1)成分
(表1)
9錠中(mg) (1a) (1b) (1c) (1d)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン 450 450 450 450
アミノ酢酸(グリシン) 900 900 1800 1800
カフェイン又は無水カフェイン 45 150 45 150
ヒドロキシプロピルセルロース 40 40 60 60
ステアリン酸マグネシウム 適量 適量 適量 適量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−。
【0028】
(2)製法
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「錠剤」の項に準じて錠剤を製造する。

(実施例2)細粒剤
(1)成分
(表2)
3包中(mg) (2a) (2b) (2c) (2d)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン 450 450 450 450
アミノ酢酸(グリシン) 900 900 1800 1800
カフェイン又は無水カフェイン 45 150 45 150
ヒドロキシプロピルセルロース 50 50 70 70
ステアリン酸マグネシウム 適量 適量 適量 適量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−。
【0029】
(2)製法
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「顆粒剤」の項に準じて細粒剤を製造する。

(実施例3)カプセル剤
(1)成分
(表3)
2カプセル中(mg) (3a) (3b) (3c) (3d)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン 450 450 450 450
アミノ酢酸(グリシン) 900 900 1800 1800
カフェイン又は無水カフェイン 45 150 45 150
ヒドロキシプロピルセルロース 20 20 30 30
ステアリン酸マグネシウム 10 10 15 15
ポリソルベート80 適量 適量 適量 適量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−。
【0030】
(2)製法
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「顆粒剤」の項に準じて細粒剤を製造した後、カプセルに充てんして硬カプセル剤を製造する。

(実施例4)シロップ剤
(1)成分
(表4)
60mL中(mg) (4a) (4b) (4c) (4d)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン 450 450 450 450
アミノ酢酸(グリシン) 900 900 1800 1800
カフェイン又は無水カフェイン 45 150 45 150
安息香酸ナトリウム 100 100 100 100
蜂蜜 700 700 800 800
濃グリセリン 150 150 150 150
ポリビニルアルコール 80 90 80 90
エタノール(95%) 適量 適量 適量 適量
精製水 残部 残部 残部 残部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−。
【0031】
(2)製法
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「シロップ剤」の項に準じてシロップ剤を製造した後、褐色ガラス瓶に充てんしてシロップ剤を製造する。
【0032】
(試験例1)イブプロフェンの胃粘膜障害に対するアミノ酢酸及びカフェイン類による抑制効果試験
(1)被験物質
イブプロフェンはSigma Chemical社製のものを、アミノ酢酸及び無水カフェインは和光純薬工業(株)製のものを使用した。
【0033】
各被験物質は、試験当日に0.5%トラガント液に懸濁もしくは溶解して調製した。投与液量は、体重1Kgあたり5mLを経口投与し、対照群には同量の0.5%トラガント液を投与した。
【0034】
(2)動物
Wistar−Imamichi雄性ラット(動物繁殖研究所)5週齢を購入し、温度20〜26℃、湿度30〜70%、照明時間7時〜19時に制御された環境制御飼育装置(日本クレア製)内で、ステンレス製ラット飼育ゲージに5〜6匹入れ、飼料(マウス・ラット飼育用F−2、船橋農場製)および水フィルターを通した水道水を自由に摂取させて飼育した。8日間の予備飼育後、試験前日に肉眼的に健康状態を観察し良好な動物を選別後、無作為に1群5匹に群分けして用いた。
【0035】
(3)方法
予め、イブプロフェン単剤における100%胃粘膜障害発現用量を求め、その用量に基づいて以下の試験を行った。
【0036】
試験前日16時より絶食した動物に被験物質を経口投与して3.5時間後、エーテル麻酔下で頚動脈放血死させて胃を摘出した。胃は大弯沿いに切り開き、生理食塩液で軽く洗浄後、実体顕微鏡(オリンパス製10×10倍)下で出血斑の有無を観察した。
【0037】
潰瘍指数として、出血斑の長径を0.5mm単位で測定して各動物の合計を求めた。イブプロフェン単独投与群の潰瘍指数と、アミノ酢酸及び無水カフェインの併用群における潰瘍指数とを基に、潰瘍抑制率を次式より求めた。
【0038】
(式1)
潰瘍抑制率(%)=[1−B/A]×100
A:100%胃粘膜障害発現量に基づくイブプロフェン単独投与群の潰瘍指数
B:併用群の潰瘍指数
なお、イブプロフェンの100%胃粘膜障害発現量は100mg/Kgであった。以下の試験結果はこれらの用量に基づく結果である。
【0039】
(4)試験結果
得られた潰瘍抑制率の結果を表5及び図1に示した。なお、各値とも1群5匹の平均値である。
【0040】
(表5)
被験物質(投与量:mg/Kg) 潰瘍抑制率(%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(20) 41
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(20) +カフェイン(10) −54
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(20) +カフェイン(50) −6
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(50) 36
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(50) +カフェイン(10) 8
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(50) +カフェイン(50) −24
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(100) 38
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(100)+カフェイン(10) −31
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(100)+カフェイン(50) −25
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(200) 61
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(200)+カフェイン(10) 29
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(200)+カフェイン(50) 45
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(400) 52
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(400)+カフェイン(10) 84
イブプロフェン(100)+アミノ酢酸(400)+カフェイン(50) 93
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−。
【0041】
表5及び図1より、イブプロフェンとアミノ酢酸の組み合わせでは、イブプロフェンによる胃粘膜障害は抑制されることが本試験によっても確認できる。
【0042】
ここで、これまでの実験結果等を合わせて考えれば、イブプロフェンにアミノ酢酸及びカフェイン類を配合した場合には、イブプロフェンの胃粘膜障害がさらに軽減されるとも考えられる。しかし実際には、アミノ酢酸の含有量によってイブプロフェンによる胃粘膜障害が増強したり軽減したり大きく変動することが表5及び図1より判明した。
【0043】
例えば、これまでに開示されている唯一の公知配合例(特許文献1の実施例1)、すなわちイブプロフェン1重量部に対しアミノ酢酸0.5重量部及び無水カフェイン0.33重量部含有する場合は、イブプロフェンによる胃粘膜障害を悪化させるため、推奨されるべき処方ではないことが判る。
【0044】
本研究の結果から、イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェインを配合する場合には、イブプロフェン1重量部に対しアミノ酢酸を1.5重量部以上含有させる必要があることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明であるイブプロフェンに対して、特定量のアミノ酢酸及びカフェイン類を含有する医薬組成物は、イブプロフェンの薬効が増強され、かつ胃粘膜障害軽減作用が発現することから有用であり、従って、解熱鎮痛消炎剤又は感冒剤として胃粘膜障害感受性が高い患者に投与する場合には特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、横軸にイブプロフェン(100mg/Kg)に対するアミノ酢酸(mg/kg)の含有比を、縦軸に潰瘍抑制率(%)をとり、イブプロフェン(Ibu)に対するカフェイン(Caf)の含有比(Caf/Ibu)の違いによる潰瘍抑制率(%)の推移を記したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イブプロフェン1重量部に対して、アミノ酢酸1.5乃至8重量部及びカフェイン類0.01乃至2重量部を含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
イブプロフェン1重量部に対して、アミノ酢酸2乃至4重量部及びカフェイン類0.05乃至1重量部含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項3】
イブプロフェン1重量部に対して、アミノ酢酸2乃至4重量部及びカフェイン類0.1乃至0.5重量部含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項4】
イブプロフェンによる胃粘膜障害を軽減するための請求項1乃至請求項3から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
カフェイン類が、カフェイン又は無水カフェインである、請求項1乃至請求項4から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
解熱鎮痛消炎剤又は感冒剤として用いるための請求項1乃至請求項5から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を同一の医薬組成物中に含有することを特徴とする請求項1乃至請求項6から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を含有する医薬組成物がキットであることを特徴とする請求項1乃至請求項6から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を同一の医薬組成物中に含有する請求項1乃至請求項6から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項10】
解熱鎮痛消炎剤又は感冒剤を製造するための請求項1乃至請求項5から選ばれるいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項11】
イブプロフェン、アミノ酢酸及びカフェイン類を同時に、順次又は別個に投与する方法。
【請求項12】
哺乳動物に請求項1乃至請求項5から選ばれるいずれか1項に記載された医薬組成物の有効量を投与することを特徴とする、感冒の予防方法又は治療方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−145829(P2007−145829A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293424(P2006−293424)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(306014736)第一三共ヘルスケア株式会社 (176)
【Fターム(参考)】