説明

イミダゾリウム誘導体塩及びその用途

【課題】 抗菌活性を持つイオン液体を提供する。
【解決手段】 下記、一般式(I)
【化1】


〔式中、Rはセチル基などを表し、Rはメチル基などを表し、Rはフェニル基などを表し、XaはIなどを表す。〕
で表される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なイミダゾリウム誘導体塩、ピロリジニウム誘導体塩、及びピペリジニウム誘導体塩に関する。これらの化合物は抗菌剤などとして利用することができる。
【背景技術】
【0002】
食塩のような通常の塩は常温では固体であるが、常温で液体状態の塩も存在する。このような塩は、一般にイオン液体と呼ばれている。イオン液体は、1)蒸気圧がゼロに近い、2)難燃性である、3)熱安定性に優れる、4)イオン性であるが低粘性を有する、5)高い分圧電解を有する、といった性質を示し、溶媒や電池の電解液など様々な用途に利用されている。
【0003】
イオン液体としての性質を示す化合物は以前から多数報告されており、本発明者もピリミジンの誘導体の中にイオン液体としての性質を示す化合物を見出し、先に出願を行っている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2001-247572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、新規なイオン液体性化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、イミダゾリウム誘導体塩、ピロリジニウム誘導体塩、及びピペリジニウム誘導体塩の中にイオン液体としての性質を示す化合物を見出した。また、これらのイオン液体性化合物の中には、高い抗菌活性を示す化合物が含まれることも見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
【0007】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(10)を提供するものである。
【0008】
(1)下記、一般式(I)
【0009】
【化1】

〔式中、Rは下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよいフェニル基又は下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を表し、XaはF、Cl、Br、I、BF、PF、CFBF、CBF、又は(CFSOを表し、置換基群Aはハロゲン原子、トリメチルシリル基、エチルシリル基、及びフェニル基からなる群である。〕
で表される化合物。
【0010】
(2)一般式(I)におけるRが、炭素数10〜12の直鎖状のアルキル基である(1)に記載の化合物。
【0011】
(3)一般式(I)におけるRが、メチル基である(1)又は(2)に記載の化合物。
【0012】
(4)一般式(I)におけるRが、水素原子である(1)又は(2)に記載の化合物。
【0013】
(5)一般式(I)におけるRが、フッ素原子によって置換されたフェニル基である(1)乃至(4)のいずれかに記載の化合物。
【0014】
(6)一般式(I)におけるRが、エチニル基である(1)乃至(4)のいずれかに記載の化合物。
【0015】
(7)一般式(I)におけるXaが、CFBFである(1)乃至(6)のいずれかに記載の化合物。
【0016】
(8)下記、一般式(II)
【0017】
【化2】

〔式中、Rは水素原子又は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を表し、XbはF、Cl、Br、I、BF、PF、CFBF、CBF、又は(CFSOを表し、置換基群Bはハロゲン原子、及びトリメチルシリル基からなる群である。〕
で表される化合物。
【0018】
(9)下記、一般式(III)
【化3】

〔式中、Rは水素原子又は下記置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは下記置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は下記置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を表し、XcはF、Cl、Br、I、BF、PF、CFBF、CBF、又は(CFSOを表し、置換基群Cはハロゲン原子、及びトリメチルシリル基からなる群である。〕
で表される化合物。
【0019】
(10)(1)乃至(9)のいずれかに記載の化合物を含有することを特徴とする抗菌剤。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、新規なイミダゾリウム誘導体塩、ピロリジニウム誘導体塩、及びピペリジニウム誘導体塩を提供する。これらの化合物は、イオン液体又はそれに準ずる性質を示すので、潤滑剤、溶媒、電解質溶液などとして有用である。また、抗菌活性を示すものもあるので、抗菌剤などとしても利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】
本発明において、「ハロゲン原子」とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
【0023】
本発明において、「炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基」とは、例えば、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−へプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−セチル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、4,4,4−トリメチルブチル、5,5,5−トリメチルペンチル、6,6,6−トリメチルヘキシルなどである。
【0024】
本発明において、「炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基」とは、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、1−ペンチニル、1−ヘキシニル、1−へプチニル、1−オクチニル、1−ノニニル、1−デシニル、1−ウンデシニル、1−ドデシニル、1−トリデシニル、1−テトラデシニル、1−ペンタデシニル、1−ヘキサデシニル、1−ヘプタデシニル、1−オクタデシニル、1−ノナデシニル、1−エイコシニルなどである。
【0025】
本発明において、「炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルなどである。
【0026】
本発明において、「置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基」とは、前述した炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基のほか、例えば、4−(トリメチルシリル)ブチル、5−(トリメチルシリル)ペンチル、6−(トリメチルシリル)ヘキシル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどである。
【0027】
本発明において、「置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基」とは、前述した炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基のほか、例えば、4−(トリメチルシリル)−1−ブチニル、5−(トリメチルシリル)−1−ペンチニル、6−(トリメチルシリル)−1−ヘキシニル、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル、5,5,5−トリフルオロ−1−ペンチニル、6,6,6−トリフルオロ−1−ヘキシニルなどである。
【0028】
本発明において、「下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよいフェニル基」とは、例えば、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2,5−ジブロモフェニル、3,5−ジブロモフェニル、2,6−ジブロモフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,3,4−トリブロモフェニル、2,3,5−トリブロモフェニル、2,3,6−トリブロモフェニル、2,4−クロロ−5−フルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタブロモフェニルなどである。
【0029】
本発明において、「置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基」とは、例えば、4−(トリメチルシリル)ブチル、5−(トリメチルシリル)ペンチル、6−(トリメチルシリル)ヘキシル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどである。
【0030】
本発明において、「置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基」とは、例えば、4−(トリメチルシリル)−1−ブチニル、5−(トリメチルシリル)−1−ペンチニル、6−(トリメチルシリル)−1−ヘキシニル、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル、5,5,5−トリフルオロ−1−ペンチニル、6,6,6−トリフルオロ−1−ヘキシニルなどである。
【0031】
本発明において、「置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基」とは、例えば、4−(トリメチルシリル)ブチル、5−(トリメチルシリル)ペンチル、6−(トリメチルシリル)ヘキシル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどである。
【0032】
本発明において、「置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基」とは、例えば、4−(トリメチルシリル)−1−ブチニル、5−(トリメチルシリル)−1−ペンチニル、6−(トリメチルシリル)−1−ヘキシニル、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル、5,5,5−トリフルオロ−1−ペンチニル、6,6,6−トリフルオロ−1−ヘキシニルなどである。
【0033】
一般式(I)において、Rは、好適には、炭素数10〜20の直鎖状のアルキル基であり、更に好適には、炭素数10〜12の直鎖状のアルキル基である。
【0034】
一般式(I)において、Rは、好適には、メチル基又は水素原子である。
【0035】
一般式(I)において、Rは、好適には、フッ素原子によって置換されたフェニル基、又はエチニル基である。
【0036】
一般式(I)においてXaは、好適には、CFBFである。
【0037】
一般式(I)で表される化合物は、例えば、以下の工程1及び工程2によって製造することができる。
【0038】
【化4】

【0039】
【化5】

上記式中、R、R、R及びXaは前記と同意義を示し、Y及びYは臭素原子などのハロゲン原子を表し、Zaはカリウムイオンなどの陽イオンを表す。
【0040】
工程1は、溶媒及び触媒存在下、一般式(A)で表される化合物と、一般式(B)で表される化合物を反応させ、一般式(C)で表される化合物を得る工程である。
【0041】
使用される溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独または必要に応じて二種またはそれ以上多種類を適当割合混合して用いてもよい。
【0042】
使用される触媒も特に限定されず、例えば、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。
【0043】
一般式(a)で表される化合物と一般式(b)で表される化合物の量比は特に限定されないが、前者1モルに対して後者を0.5〜1.0モルとするのが好ましく、0.8〜1.0モルとするのが更に好ましい。
【0044】
反応温度は特に限定されないが、50〜100℃とすることが好ましく、80〜100℃とすることが更に好ましい。
【0045】
反応時間も特に限定されないが、10〜24時間とすることが好ましく、10〜15時間とすることが更に好ましい。
【0046】
工程2は、溶媒及び触媒存在下、一般式(c)で表される化合物、一般式(d)で表される化合物、及び一般式(e)で表される化合物を反応させ、一般式(I)で表される化合物を得る工程である。
【0047】
使用される溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独または必要に応じて二種またはそれ以上多種類を適当割合混合して用いてもよい。
【0048】
使用される触媒も特に限定されず、例えば、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。
【0049】
一般式(c)で表される化合物、一般式(d)で表される化合物、及び一般式(e)で表される化合物の量比は特に限定されないが、一般式(c)で表される化合物1モルに対して一般式(d)で表される化合物を1〜2モル、一般式(e)で表される化合物を0.1〜1.0モルとするのが好ましく、一般式(d)で表される化合物を1.0〜1.5モル、一般式(e)で表される化合物を0.1〜0.5モルとするのが更に好ましい。
【0050】
反応温度は特に限定されないが、10〜100℃とすることが好ましく、15〜35℃とすることが更に好ましい。
【0051】
反応時間も特に限定されないが、10〜48時間とすることが好ましく、15〜20時間とすることが更に好ましい
一般式(II)で表される化合物は、以下の工程3によって製造することができる。
【0052】
【化6】

上記式中、R、R及びXbは前記と同意義を示し、Yは臭素原子などのハロゲン原子を表し、Zbはカリウムイオンなどの陽イオンを表す。
【0053】
工程3は、溶媒及び触媒存在下、一般式(f)で表される化合物、一般式(g)で表される化合物、及び一般式(h)で表される化合物を反応させ、一般式(II)で表される化合物を得る工程である。
【0054】
使用される溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独または必要に応じて二種またはそれ以上多種類を適当割合混合して用いてもよい。
【0055】
使用される触媒も特に限定されず、例えば、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。
【0056】
一般式(f)で表される化合物、一般式(g)で表される化合物、及び一般式(h)で表される化合物の量比は特に限定されないが、一般式(f)で表される化合物1モルに対して一般式(g)で表される化合物を1〜2モル、一般式(h)で表される化合物を0.1〜1モルとするのが好ましく、一般式(g)で表される化合物を1〜1.5モル、一般式(h)で表される化合物を0.1〜0.5モルとするのが更に好ましい。
【0057】
反応温度は特に限定されないが、10〜100℃とすることが好ましく、60〜90℃とすることが更に好ましい。
【0058】
反応時間も特に限定されないが、10〜48時間とすることが好ましく、15〜24時間とすることが更に好ましい
一般式(III)で表される化合物は、以下の工程4によって製造することができる。
【0059】
【化7】

上記式中、R、R及びXcは前記と同意義を示し、Yは臭素原子などのハロゲン原子を表し、Zcはカリウムイオンなどの陽イオンを表す。
【0060】
工程4は、溶媒及び触媒存在下、一般式(i)で表される化合物、一般式(j)で表される化合物、及び一般式(k)で表される化合物を反応させ、一般式(III)で表される化合物を得る工程である。
【0061】
使用される溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独または必要に応じて二種またはそれ以上多種類を適当割合混合して用いてもよい。
【0062】
使用される触媒も特に限定されず、例えば、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。
【0063】
一般式(i)で表される化合物、一般式(j)で表される化合物、及び一般式(k)で表される化合物の量比は特に限定されないが、一般式(i)で表される化合物1モルに対して一般式(j)で表される化合物を1〜2モル、一般式(k)で表される化合物を0.1〜1モルとするのが好ましく、一般式(j)で表される化合物を1〜1.5モル、一般式(k)で表される化合物を0.1〜0.5モルとするのが更に好ましい。
【0064】
反応温度は特に限定されないが、10〜100℃とすることが好ましく、60〜90℃とすることが更に好ましい。
【0065】
反応時間も特に限定されないが、10〜48時間とすることが好ましく、15〜25時間とすることが更に好ましい
一般式(I)〜(III)で表される化合物は、抗菌活性を持つので、抗菌剤として使用することができる。抗菌剤としては、ヒトや食品用の抗菌剤としても用いることができるが、工業用の抗菌剤として使用するのが好ましい。具体的には、(1)細菌などによる塗料の品質劣化の防止、(2)カゼイン、ポリビニルアルコール、澱粉等の接着剤及び糊料の腐敗の防止、(3)湿潤パルプ及びチップなどの製紙用原料の腐敗、細菌による品質劣化の防止、(4)木材、合板等の加工品及び材料などの細菌による汚損及び品質劣化の防止、(5)繊維類の細菌による汚染及び品質劣化の防止、(6)エマルジョン類の細菌による品質劣化の防止、(7)界面活性剤の細菌による品質劣化の防止、(8)作動油剤などの細菌による品質劣化の防止、(9)プラスチック、ゴムなどの細菌による品質劣化の防止、(10)抄紙工程中の細菌によるスライム障害の防止、などの用途に利用することができる。
【0066】
本発明の抗菌剤は、上述した各種工業製品又は原料等に噴霧、塗布、添加等して使用する。このとき、工業製品中の一般式(I)〜(III)で表される化合物の濃度は、抗菌活性を発揮する範囲内であれば特に限定されないが、0.00001〜10重量%であることが好ましく、0.001〜10重量%であることが更に好ましい。
【0067】
一般式(I)〜(III)で表される化合物を抗菌剤として使用する場合、適当な固体又は液体担体と共に使用してもよい。担体としては抗菌剤に含まれる担体として常用されるものであれば、特に限定されず、例えば、鉱物性粉末(カオリン、ベントナイト、クレー、モンモリロナイト、珪藻土、雲母、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、リン、石灰、ホワイトカーボン、消石灰、珪砂、硫安、尿素等)、植物性粉末(大豆粉、小麦粉、木粉、澱粉、結晶セルロース等)、アルミナ、珪酸塩、糖重合体、高分散性珪酸、ワックス類、、水、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ベンジルアルコール等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロルベンゼン、クメン、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロエチレン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等)、エーテル類(エチルエーテル、エチレンオキサイド、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールアセテート、ジオクチルフタレート、酢酸アミル等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等)、アミン類(エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、イソブチルアミン等)、脂肪族又は脂環族炭化水素類(n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、工業用ガソリン(石油エーテル、ソルベントナフサ等)、及び石油留分(パラフィン類、灯油、軽油等)などを使用することができる。
【0068】
抗菌剤の剤型は特に限定されず、粉剤、乳剤、水和剤、ゾル(フロアブル剤)、粒剤、エアゾル剤、固形剤、塗布剤などの剤型をとり得る。抗菌剤中の一般式(I)〜(III)で表される化合物の含有量は特に限定ないが、0.00001〜10重量%であることが好ましく、0.001〜10重量%であることが更に好ましい。
【0069】
抗菌剤の対象となる微生物は特に限定されず、細菌(グラム陽性菌及びグラム陰性菌の両者を含む)、酵母、糸状菌など広く微生物一般を抗菌対象とすることができる。
【0070】
一般式(I)〜(III)で表される化合物は、イオン液体又はそれに準ずる性質を示すので、既知のイオン液体と同様の用途に利用できる。イオン液体は、潤滑剤、溶媒、電解質溶液、生理活性物質、高屈折率液体の用途に利用されており、一般式(I)〜(III)で表される化合物もこれらの用途に利用することができる。また、一般式(I)〜(III)で表される化合物は、カチオン系界面活性剤、DNAやタンパク質の抽出剤、炭素又は金ナノ材料の組織化用の助剤などの用途への利用も期待できる。
【実施例】
【0071】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0072】
〔合成例1〕1-セチル2-メチルイミダゾール
フラスコにメチルイミダゾール (50 mmol)とセチルブロミド(16.8 g, 55 mmol)、水素化ナトリウム(2.2 g, 1.7 eq.)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.89 ml, 0.05 eq.)を入れ、さらに乾燥したテトラヒドロフラン(150 ml)を加えたのち、混合物を室温にて20時間撹拌した。生成物を酢酸エチルを用いて抽出したのち、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去したのち、1-セチル2-メチルイミダゾールを得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.14 Hz), 1.25 (22 H), 1.59 (4 H), 1.70 (2 H, m), 2.37 (3 H), 3.80 (2 H, t, J=7.14 Hz), 6.80 (1 H, d, J=1.37 Hz), 6.90 (1 H, d, J=1.37 Hz).
【0073】
〔合成例2〕1-テトラデシル-2-メチルイミダゾール
セチルブロミドの代わりにテトラデシルブロミドを用いた以外は、合成例1と同様の方法で、1-テトラデシル-2-メチルイミダゾールを得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=6.73 Hz), 1.25 (24 H, m), 2.36 (3 H, s), 3.80 (2 H, q), 6.80 (1 H, d, J=0.69 Hz), 6.90 (1 H, d).
【0074】
〔合成例3〕1-ドデシル-2-メチルイミダゾール
セチルブロミドの代わりにドデシルブロミドを用いた以外は、合成例1と同様の方法で、1-テトラデシル-2-メチルイミダゾールを得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=6.82 Hz), 1.21-1.30 (16 H, m), 1.69-1.82 (4 H, m), 2.37 (3 H, s), 3.80 (2 H, q), 6.80 (1 H, d, J=1.22 Hz), 6.89 (1 H, d), 7.27 (1 H, s)
【0075】
〔実施例1〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム
フラスコに1-セチル2-メチルイミダゾール(0.84 g, 3 mmol)、ベンジルブロミド(1.23 g)、ヨウ化カリウム(4,98 g)とクロロホルム(100 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で12時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム(化合物1)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=6.87 Hz), 1.22-1.32 (28 H, m), 1.60 (2 H, m),
1.80-1.90 (2 H, m)
【0076】
〔実施例2〕ヨウ化1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム
1-セチル2-メチルイミダゾールの代わりに1-ドデシル-2-メチルイミダゾールを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム(化合物2)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.25-1.33 (18 H, m), 1.82-1.85 (2 H, m), 2.82 (3 H, s), 4.18 (2 H, Q), 5.55 (2 H, S), 7.27-7.47
【0077】
〔実施例3〕ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム
1-ヘキサデシル-2-メチルイミダゾールの代わりに1-テトラデシルイミダゾールを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム(化合物3)を得た。
【0078】
〔実施例4〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに2-フルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物4)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.22-1.34 (24 H), 1.58 (2 H), 1.86 (2 H, m), 2.90 (3 H), 4.15 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.56 (2 H, s), 7.11 (1 H, m), 7.39-7.47 (4 H), 7.71 (1 H, m). 19F NMR (CDCl3): δ44.7 ppm from ext. C6F6. 13C NMR (CDCl3): δ12.10, 13.13, 14.34, 15.35, 32.38, 27.04, 29.34-31.36, 32.61, 47.80, 50.01, 116.64 (d, J=148.0 Hz), 120.80 (d, J=145.5 Hz), 122.46 (dd, J=199.9, 21.3 Hz), 125.85 (d, J=149.5 Hz), 132.39 (d, J=132.0 Hz), 144.34, 160.32, 162.77.
【0079】
〔実施例5〕ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム
1-セチル2-メチルイミダゾールの代わりに1-テトラデシル-2-メチルイミダゾールを用いた点、及びベンジルブロミドの代わりに2-フルオロベンジルブロミドを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物5)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.24-1.32 (22 H), 1.85 (2 H, m), 2.90 (3 H), 4.17 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.56 (2 H, s), 7.10-7.71 (6 H, m). 19F NMR (CDCl3): δ44.7 (m) ppm from ext. C6F6.
【0080】
〔実施例6〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(3-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに3-フルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(3-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物6)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.25-1.37 (24 H), 1.58 (2 H), 1.87 (2 H, m), 2.83 (3 H), 4.14 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.56 (2 H, s), 7.00 (1 H, m), 7.10 (1 H, m), 7.20-7.44 (4 H). 19F NMR (CDCl3): δ 51.2 ppm from ext. C6F6.
【0081】
〔実施例7〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(4-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに4-フルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(4-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物7)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.23-1.37 (24 H), 1.56 (2 H), 1.85 (2 H, m), 2.85 (3 H), 4.14 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.54 (2 H, s), 6.96-7.46 (6 H). 19F NMR (CDCl3): δ 50.5 ppm from ext. C6F6. 13C NMR (CDCl3): δ 11.65, 12.66, 13.47, 14.48, 22.49, 26.19, 28.93-30.51, 31.73, 49.07, 51.46, 116.08 (d, J=138.0 Hz), 121.63 (dd, J=119.9, 33.6 Hz), 128.78, 130.98 (dd, J=144.9, 34.3 Hz), 143.48, 161.41, 163.88.
【0082】
〔実施例8〕臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,3-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
フラスコに1-ドデシル-2-メチルイミダゾール(0.05 g, 0.2 mmol)、2,3-ジフルオロベンジルブロミド(33.1 ml, 0.26 mmol)と塩化メチレン(1.17 ml)を入れ、22時間加熱還流したのち、溶媒を減圧下に留去し、臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,3-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物8)を85%の收率で得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.39 (m, 18 H), 1.77-1.89 (m, 2 H), 2.90 (s, 3 H), 4.18 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.79 (s, 2 H), 7.14-7.26 (m, 2 H), 7.45 (s, 1 H), 7.61-7.69 (m, 1 H), 7.71 (br s, 1 H).
【0083】
〔実施例9〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2,4-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに2,4-ジフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2,4-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物9)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.23-1.37 (24 H), 1.56 (2 H), 1.85 (2 H, m), 2.85 (3 H), 4.14 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.54 (2 H, s), 6.96-7.46 (6 H). 13C NMR (CDCl3): δ 11.02, 12.03, 12.91, 13.44, 21.94, 25.62, 27.92-29.15, 29.99, 31.17, 48.62, 50.49, 103.15, 104.61, 110.20, 111.65, 121.30 (dd, J=119.9, 48.8 Hz), 136.19 (dd, J=9.92, 9.15 Hz), 143.26, 162.42 (dd, J=250.3, 12.9 Hz).
【0084】
〔実施例10〕ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2,4-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
1-ヘキサデシル-2-メチルイミダゾールの代わりに1-テトラデシル-2-メチルイミダゾールを用いた点、及びベンジルブロミドの代わりに2,4-ジフルオロベンジルブロミドを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2,4-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物10)を得た。
【0085】
〔実施例11〕臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,4-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
2,3-ジフルオロベンジルブロミドの代わりに2,4-ジフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,4-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物11)を得た。
81% yield. 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.39 (m, 18 H), 1.76-1.89 (m, 2 H), 2.90 (s, 3 H), 4.15 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.70 (s, 2 H), 6.85 (ddd, J = 10, 9, 3 Hz, 1 H), 6.94-7.02 (m, 1 H), 7.33 (d, J = 2 Hz, 1 H), 7.59 (d, J = 2 Hz, 1 H), 7.98 (dt, J = 6, 9 Hz, 1 H).
【0086】
〔実施例12〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2,5-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに2,5-ジフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2,5-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物12)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.25-1.37 (20 H), 1.54-1.64 (6 H), 1.86 (2 H, m), 2.89 (3 H), 4.13 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.59 (2 H, s), 7.08-7.43 (5 H). 19F NMR (CDCl3): δ 39.1 (m), 46.1 (m) ppm from ext. C6F6.
【0087】
〔実施例13〕ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2,5-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
1-ヘキサデシル-2-メチルイミダゾールの代わりに1-テトラデシル-2-メチルイミダゾールを用いた点、及びベンジルブロミドの代わりに2,5-ジフルオロベンジルブロミドを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2,5-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物13)を得た。
【0088】
〔実施例14〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(3,5-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに3,5-ジフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(3,5-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物14)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.20-1.38 (20 H), 1.59 (6 H), 1.88 (2 H, m), 2.83 (3 H), 4.14 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.65 (2 H, s), 6.82-6.92 (2 H, m), 7.26-7.51 (3 H). 19F NMR (CDCl3): δ 54.9-55.0 ppm from ext. C6F6.
【0089】
〔実施例15〕ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2,6-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
1-ヘキサデシル-2-メチルイミダゾールの代わりに1-テトラデシル-2-メチルイミダゾールを用いた点、及びベンジルブロミドの代わりに2,6-ジフルオロベンジルブロミドを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2,6-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物15)を得た。
【0090】
〔実施例16〕臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,3,4-トリフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
2,3-ジフルオロベンジルブロミドの代わりに2,3,4-ジフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,3,4-トリフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物16)を得た。
38% yield. 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.38 (m, 18 H), 1.77-1.89 (m, 2 H), 2.90 (s, 3 H), 4.14 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.81 (s, 2 H), 7.08 (ddt, J = 7, 2, 9 Hz, 1 H), 7.32 (s, 1 H), 7.71 (s, 1 H), 7.81-7.90 (m, 1 H).
【0091】
〔実施例17〕臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,3,5-トリフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
2,3-ジフルオロベンジルブロミドの代わりに2,3,5-ジフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,3,5-トリフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物17)を得た。
68% yield. 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.22-1.40 (m, 18 H), 1.79-1.92 (m, 2 H), 2.90 (s, 3 H), 4.13 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.83 (s, 2 H), 6.95-7.05 (m, 1 H), 7.25-7.31 (m, 1 H), 7.42-7.50 (m, 1 H), 7.63-7.68 (m, 1 H).
【0092】
〔実施例18〕臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,3,6-トリフルオロ)ベンジルイミダゾリウム
2,3-ジフルオロベンジルブロミドの代わりに2,3,6-ジフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,3,6-トリフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物18)を得た。
68% yield. 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.40 (m, 18 H), 1.78-1.90 (m, 2 H), 2.94 (s, 3 H), 4.22 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.63 (s, 2 H), 6.99 (ddt, J = 4, 2, 9 Hz, 1 H), 7.27 (dq, J = 5, 9 Hz, 1 H), 7.39 (br s, 1 H), 7.46-7.50 (m, 1 H).
【0093】
〔実施例19〕臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,4-ジクロロ-5-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム
2,3-ジフルオロベンジルブロミドの代わりに2,4-ジクロロ-5-フルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(2,4-ジクロロ-5-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物19)を得た。
73% yield. 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.40 (m, 18 H), 1.79-1.92 (m, 2 H), 2.90 (s, 3 H), 4.17 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.75 (s, 2 H), 7.36 (br s, 1 H), 7.41 (br s, 1 H), 7.51 (d, J = 6 Hz, 1 H), 7.75 (d, J = 9 Hz, 1 H).
【0094】
〔実施例20〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2,5-ジクロロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに2,5-ジフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2,5-ジフルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物20)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.20-1.35 (22 H), 1.58 (4 H), 1.88 (2 H, m), 2.92 (3 H), 4.17 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.59 (2 H, s), 7.31 (1 H, d, J=2.1 Hz), 7.39-7.40 (3 H), 7.58 (1 H, d, J=2.1 Hz).
【0095】
〔実施例21〕ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2,6-ジクロロ)ベンジルイミダゾリウム
1-ヘキサデシル-2-メチルイミダゾールの代わりに1-テトラデシル-2-メチルイミダゾールを用いた点、及びベンジルブロミドの代わりに2,6-ジクロロベンジルブロミドを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-テトラデシル-2-メチル-3-(2,6-ジクロロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物21)を得た。
【0096】
〔実施例22〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(3-ブロモ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに3-ブロモベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(3-ブロモ)ベンジルイミダゾリウム(化合物22)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=6.76 Hz), 1.25 (28 H, m), 1.60 (2 H, s), 2.83 (3 H, s), 4.15 (2 H, t, J=7.69 Hz), 7.32-7.56 (6 H, m)
【0097】
〔実施例23〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(3-クロロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに3-クロロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(3-クロロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物23)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=6.96 Hz), 1.15-1.40 (26 H, m), 1.65 (2 H, m), 1.83 (2 H, m), 2.83 (3 H, s), 4.14 (2 H, t, J=7.63 Hz), 5.61 (2 H, s), 7.35 (2 H, d, J=2.08 Hz), 7.39 (2 H, q, J=9.60 Hz), 7.55 (2 H, d, J=2.20 Hz)
【0098】
〔実施例24〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2,5-ジクロロ)ベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに2,5-ジクロロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-(2,5-ジクロロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物24)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.20-1.35 (22 H, m), 1.58 (4 H, m), 1.88 (2 H, m), 2.92 (3 H, s), 4.17 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.59 (2 H, s), 7.31 (1 H, d, J=2.1 Hz), 7.39-7.40 (3 H), 7.39-7.40 (3 H), 7.58 (1 H, d, J=2.1 Hz)
【0099】
〔実施例25〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-ペンタフルオロベンジルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりにペンタフルオロベンジルブロミドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-ペンタフルオロベンジルイミダゾリウム(化合物25)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.25-1.36 (24 H), 1.61 (2 H), 1.87 (2 H, m), 2.96 (3 H), 4.18 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.65 (2 H, s), 7.27-7.40 (2 H, m). 19F NMR (CDCl3): δ 3.1 (m), 12.7 (m), 21.4 (m) ppm from ext. C6F6. 13C NMR (CDCl3): δ 13.13, 14.13, 22.20, 25.90, 28.17, 28.59, 28.88, 29.22, 30.20, 31.43, 40,91, 49.11, 106.68, 121.62 (dd, J=119.1, 32.0 Hz), 137.43 (d, J=246.1 Hz),, 140.62, 143.85, 146.24.
【0100】
〔実施例26〕ヨウ化1-セチル2-メチル-3-プロパルギルイミダゾリウム
ベンジルブロミドの代わりに臭化プロパルギルを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ヨウ化1-セチル2-メチル-3-プロパルギルイミダゾリウム(化合物26)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.25-1.37 (26 H), 1.87 (2 H, m), 2.91 (3 H), 4.17 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.30 (2 H, m), 7.41 (1 H, d, J=2.20 Hz), 7.69 (1 H, t, J=2.08 Hz).
【0101】
〔実施例27〕臭化1-ドデシル-2-メチル-3-プロパルギルイミダゾリウム
フラスコに1-ドデシル-2-メチルイミダゾール(50 mg, 0.2 mmol)、臭化プロパルギル(19.5 μl, 0.26 mmol)と塩化メチレン(1 ml)を入れ、20時間加熱還流したのち、溶媒を留去し臭化1-ドデシル-2-メチル-3-プロパルギルイミダゾリウム(化合物27)を收率76%で得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.38 (m, 18 H), 1.76-1.91 (m, 2 H), 2.75 (d, J =2 Hz, 1 H), 2.91 (s, 3 H), 4.23 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.44 (d, J = 2 Hz, 2 H), 7.58 (s, 1 H), 7.89 (s, 1 H).
【0102】
〔実施例28〕臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
臭化プロパルギルの代わりに臭化 (3-ペンチル)プロパルギルを用いた以外は、実施例27と同様の方法で、臭化1-ドデシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物28)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 0.90 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.22-1.38 (m, 22 H), 1.45-1.63 (m, 2 H), 1.78-1.90 (m, 2 H), 2.21 (tt, J = 7, 2 Hz, 2 H), 2.88 (s, 3 H), 4.25 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.23 (t, J = 2 Hz, 2 H), 7.59 (d, J = 2 Hz, 1 H), 7.72 (d, J = 2 Hz, 1 H).
【0103】
〔実施例29〕1-セチル2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム テトラフルオロボレート
ヨウ化1-セチル2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム(5 mmol)、アンモニウムテトラフルオロボレート(6 mmol)をテトラヒドロフラン (30 ml)に溶かした溶液を室温で24時間反応させたのち、溶媒を留去した。生成物は、クロロホルムとメタノールの混合溶液を用いてカラムで精製し、1-セチル2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム テトラフルオロボレート(化合物29)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (3 H, t, J = 7.08 Hz), 1.20-1.32 (28 H, m), 1.79-1.82 (2 H, m), 2.64 (3 H, s), 4.08 (2 H, q), 5.32 (2 H, s), 7.20-7.40
【0104】
〔実施例30〕1-セチル2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート
フラスコにヨウ化1-セチル2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム (0.262 g, 0.5 mmol)とKPF6 (0.10 g)を入れ、さらにテトラヒドロフラン(10 ml)を加えたのち、室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去したのち、1-セチル2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート(化合物30)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.25-1.33 (24 H), 1.59 (2 H), 1.82 (2 H, m), 2.67 (3 H), 4.09 (2 H, t, J=7.08 Hz), 5.33 (2 H, m), 7.06-7.43 (7 H, m). 19F NMR (CDCl3): δ 98.4 (d, JF-P=712.6 Hz) ppm from ext. C6F6.
【0105】
〔実施例31〕ヨウ化1-セチル3-ベンジルイミダゾリウム
実施例1において、ベンジルイミダゾリウムの代わりに、セチルイミダゾリウムと臭化ベンジル、ヨウ化カリウムを用いて同様な条件下で反応を行いヨウ化1-セチル3-ベンジルイミダゾリウム(化合物31)を得た。
【0106】
〔実施例32〕ヨウ化1-テトラデシル-3-ベンジルイミダゾリウム
実施例1において、ベンジルイミダゾリウムの代わりに、テトラデシルイミダゾリウムと臭化ベンジル、ヨウ化カリウムを用いて同様な条件下で反応を行いヨウ化1-セチル3-ベンジルイミダゾリウム(化合物32)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (3 H, t, J = 7.08 Hz), 1.20-1.32 (22 H, m), 1.89-1.94 (2 H, m), 4.29 (2 H, q), 5.61 (2 H, s), 7.27-7.32
【0107】
〔実施例33〕ヨウ化1-ドデシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
実施例1において、ベンジルイミダゾリウムの代わりに、1-ドデシル-2-メチルイミダゾリウムと臭化 (3-ペンチル)プロパルギル、ヨウ化カリウムを用いて同様な条件下で反応を行いヨウ化1-ドデシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物33)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (3 H, t, J = 7.08 Hz), 1.24-1.32 (18 H, m), 1.91-1.94 (2 H, m), 4.30 (2 H, q), 5.62 (2 H, s), 7.28-7.53, 10.3 (1 H, s)
【0108】
〔実施例34〕1-ドデシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート
フラスコにヨウ化1-ドデシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム (1 mmol)、トリフルオロメチルトリフルオロボレート カリウム (0.35 g, 2 mmol)とテトラヒドロフラン (10 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を室温で28時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、残渣を混合溶剤(クロロホルム:メタノール=5:1)を用い、カラムクロマトグラフで精製し1-ドデシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート(化合物34)を得た。
【0109】
〔実施例35〕ヨウ化1-ドデシル-3-(2-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム
実施例1において、ベンジルイミダゾリウムの代わりに、ドデシルイミダゾリウムと臭化 (2-フルオロ)ベンジル、ヨウ化カリウムを用いて同様な条件下で反応を行いヨウ化1-ドデシル-3-(2-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物35)を得た。
【0110】
〔実施例36〕ヨウ化1-デシル-3-(2-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム
実施例1において、ベンジルイミダゾリウムの代わりに、デシルイミダゾリウムと臭化 (2-フルオロ)ベンジル、ヨウ化カリウムを用いて同様な条件下で反応を行いヨウ化1-デシル-3-(2-フルオロ)ベンジルイミダゾリウム(化合物36)を得た。
【0111】
〔実施例37〕臭化1-ドデシル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
ドデシルイミダゾリウム(5 mmol)と1-ブロモ-2-オクチン(6 mmol)をクロロホルム(50 ml)に溶解し、80℃で12時間加熱還流したのち溶媒を留去し、臭化1-ドデシル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物37)を得た。
【0112】
〔実施例38〕ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ブチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
フラスコに1-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾール(0.78 g, 4 mmol)、1-プロモ-2-オクチン(1.13 g, 6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ブチル-3-(3-ペンチル)-プロパルギルイミダゾリウム(化合物38)を収率70%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.00 (9 H, m), 0.55-0.59 (2 H, m), 0.90-0.93 (3 H, m), 1.33-1.44 (6 H, m), 1.52-1.58 (2 H, m), 2.00 (2 H, quint, J=7.57 Hz), 2.26-2.30 (2 H, m), 4.37 (2 H, t, J=7.82 Hz), 5.28-5.29 (2 H, m), 7.55 (1 H, m), 7.64 (1 H, m), 10.10 (1 H, d, J=1.47 Hz). 13C NMR (CDCl3): δ-1.92, 13.69, 15.93, 18.57, 20.59, 21.88, 27.60, 30.83, 33.58, 40.72, 50.00, 69.75, 90.83, 121.60, 122.08, 135.80.
【0113】
〔実施例39〕1-(4-トリメチルシリル)ブチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート
フラスコにヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ブチル-3-(3-ペンチル)-プロパルギルイミダゾリウム (0.56 g, 1.3 mmol)、トリフルオロメチルトリフルオロボレート カリウム (0.35 g, 2 mmol)とテトラヒドロフラン (10 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を室温で28時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、残渣を混合溶剤(クロロホルム:メタノール=5:1)を用い、カラムクロマトグラフで精製し1-(4-トリメチルシリル)ブチル-3-(3-ペンチル)-プロパルギルイミダゾリウムトリフルオロメチルトリフルオロボレート(化合物39)を収率70%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.54-0.57 (2 H, m), 0.91-0.93 (3 H, m), 1.32-1.42 (6 H, m), 1.51-1.61 (2 H, m), 1.94 (2 H, quint, J=7.57 Hz), 2.25-2.29 (2 H, m), 4.23 (2 H, t, J=7.81 Hz), 5.06-5.07 (2 H, m), 7.25-7.26 (1 H, m), 7.47-7.48 (1 H, m), 9.12 (1 H, s). 19F NMR (CDCl3): δ 5.67 (BF3, J=82.39, 41.2 Hz), 85.4 (CF3, J=67.14, 32.04 Hz). 13C NMR (CDCl3): δ -1.96, 13.75, 15.88, 18.49, 20.58, 21.95, 27.65, 30.91, 33.46, 40.27, 49.99, 69.58, 90.96, 121.72, 122.09, 135.26.
【0114】
〔実施例40〕ヨウ化1-(5-トリメチルシリル)ペンチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾールの代わりに1-(5-トリメチルシリル)ペンチルイミダゾールを用いた以外は、実施例38と同様の方法で、ヨウ化1-(5-トリメチルシリル)ペンチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物40)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.49-0.53 (2 H, m), 0.92-0.95 (3 H, m), 1.35-1.43 (8 H, m), 1.54-1.60 (2 H, m), 1.98 (2 H, quint, J=7.57 Hz), 2.27-2.31 (2 H, m), 4.36 (2 H, t, J=7.57 Hz), 5.29-5.30 (2 H, m), 7.31-7.32 (1 H, m), 7.53-7.54 (1 H, m), 10.34 (1 H, s). 13C NMR (CDCl3): δ -1.85, 13.75, 16.40, 18.62, 21.94, 13.30, 27.67, 29.79, 29.93, 30.89, 40.82, 50.47, 69.76, 90.95, 121.51, 121.83, 136.06
【0115】
〔実施例41〕ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ブチル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾールの代わりに1-(4-トリメチルシリル)ブチル-2-メチルイミダゾールを用いた以外は、実施例40と同様の方法で、ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ブチル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物41)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.55-0.59 (2 H, m), 0.90-0.93 (3 H, m), 1.33-1.44 (6 H, m), 1.52-1.58 (2 H, m), 2.00 (2 H, quint, J=7.57 Hz), 2.26-2.30 (2 H, m), 4.37 (2 H, t, J=7.82 Hz), 5.28-5.29 (2 H, m), 7.55-7.64 (2 H, m), 10.10 (1 H, d, J=1.47 Hz). 13C NMR (CDCl3): δ -1.92, 13.69, 15.93, 18.57, 20.59, 21.88, 27.60, 30.83, 33.58, 40.72, 50.00, 69.75, 90.83, 121.60, 122.08, 135.80
【0116】
〔実施例42〕ヨウ化1-メチル-1-(3-ペンチル)プロパルギルピロリジニウム
フラスコに1-メチルピロリジン (5 mmol)、1-プロモ-2-オクチン(1.13 g, 6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-メチル-1-(3-ペンチル)プロパルギルピロリジニウム(化合物42)を収率78%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.91 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.33-1.36 (4 H, m), 1.51-1.57 (2 H, m), 2.25-2.35 (6 H, m), 3.48 (3 H, s), 3.86-3.91 (2 H, m), 3.98-4.02 (2 H, m), 4.59 (2 H, t, J=2.19 Hz).
【0117】
〔実施例43〕ヨウ化1-メチル-1-(3-ペンチル)プロパルギルピペリジニウム
フラスコに1-メチルピペリジニウム (5 mmol)、1-プロモ-2-オクチン(1.13 g, 6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-メチル-1-(3-ペンチル)プロパルギルピペリジニウム(化合物43)を収率89%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.91 (3 H, t, J=7.33 Hz), 1.33-1.35 (4 H, m), 1.52-1.57 (2 H, m), 1.80-1.98 (6 H, m), 2.26-2.89 (2 H, m), 3.42 (3 H, s), 3.83-3.84 (4 H, m), 4.65 (2 H, m).
【0118】
〔実施例44〕ヨウ化1-ヘキシル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
フラスコにヘキシルイミダゾール (5 mmol)、1-プロモ-2-オクチン(1.13 g, 6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-ヘキシル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物44)を収率65%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.86-0.92 (6 H, m), 1.33 (8 H), 1.51-1.57 (2 H, m), 1.91-1.98 (2 H, m), 2.25-2.28 (2 H, m), 4.33-4.36 (2 H, m), 5.26-5.27 (2 H, m), 7.35 (1 H, m), 7.53 (1 H, m), 10.3 (1 H, s)
【0119】
〔実施例45〕ヨウ化1-(5-トリメチルシリル)ペンチル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
フラスコに1-(5-トリメチルシリル)ペンチル-2-メチルイミダゾール(5 mmol)、1-プロモ-2-オクチン(1.13 g, 6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-(5-トリメチルシリル)ペンチル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物45)を収率77%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.49-0.53 (2 H, m), 0.91-0.94 (3 H, m), 1.34-1.37 (8 H, m), 1.51-1.57 (2 H, m), 1.88 (2 H, quint, J=7.67 Hz), 2.22-2.26 (2 H, m), 2.91 (3 H, s), 4.24 (2 H, t, J=7.57 Hz), 5.23-5.24 (2 H, m), 7.50 (1 H, m), 7.69 (1 H, m).
【0120】
〔実施例46〕ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ブチル-3-ベンジルイミダゾリウム
フラスコに1-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾール(0.77 g, 3.9 mmol)、ベンジルブロミド(1.03 g, 6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で18時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ブチル-3-ベンジルイミダゾリウム(化合物46)を収率88%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.54-0.58 (2 H, m), 1.35-1.42 (2 H, m),
1.99 (2 H, quint, J=7.57 Hz), 4.15 (2 H, quint., J=7.08 Hz), 5.65 (2 H, s), 7.29-7.30 (1 H, m), 7.43-7.44 (1 H, m), 10.37 (1 H, m)
13C NMR (CDCl3): δ -1.91, 15.92, 20.61, 33.50, 49.88, 53.23, 121.94, 121.98, 128.97, 129.32, 129.41, 132.65, 136.17,
【0121】
〔実施例47〕1-(3-ペンチル)プロパルギル-3-ベンジルイミダゾリウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート
ヨウ化1-(3-ペンチル)プロパルギル-3-ベンジルイミダゾリウム(2 mmol)とトリフルオロメチルトリフルオロボレート カリウム(3 mmol)をテトラヒドロフラン(10 ml)を室温で24時間反応させたのち、溶媒を留去し1-(3-ペンチル)プロパルギル-3-ベンジルイミダゾリウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート(化合物47)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88(3 H, t, J=7.08 Hz),0.9(3 H, t, J=6.59 Hz),1.25〜1.38(22 H, m),1.51-1.64 (2 H, m),1.86-1.92(2 H, m),4.19(2 H, q),5.00(2 H, m),7.25-7.26(Ar-H),7.45(1H, m)
【0122】
〔実施例48〕1-ドデシル-3-ベンジルイミダゾリウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート
ヨウ化1-ドデシル-3-ベンジルイミダゾリウム(2 mmol)とトリフルオロメチルトリフルオロボレート カリウム(3 mmol)をテトラヒドロフラン(10 ml)を室温で24時間反応させたのち、溶媒を留去し1-ドデシル-3-ベンジルイミダゾリウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート(化合物48)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88(3 H, t, J=7.32 Hz),1.19〜1.31(18H,m),1.85〜1.86(2 H, m),420(2H,q),5.38(2H,S),7.21-7.24(Ar-H),9.26(1H,S),19FNMR(CDCl3):8,6.23(3F,m),85.7(3F,m),
【0123】
〔実施例49〕ヨウ化 1-(5-トリメチルシリルペンチル)-1-(3-ペンチル)プロパルギルピロリジニウム
フラスコに1-(3-ペンチル)プロパルギルピロリジン(5 mmol)、臭化 5-トリメチルシリルペンチル(6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化 1-(5-トリメチルシリルペンチル)-1-(3-ペンチル)プロパルギルピロリジニウム(化合物49)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.50-0.53 (2 H, m), 0.93 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.35-1.58 (10 H, m), 1.79-1.80 (2 H, m), 2.27-2.39 (6 H, m), 3.62-3.65 (2 H, m), 3.85-3.90 (2 H, m), 3.95-3.99 (2 H, m), 4.33 (2 H, m)
【0124】
〔実施例50〕ヨウ化 1-(4-ペンチル)ベンジル-3-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾリウム
(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾール(5 mmol)、臭化(4-ペンチル)ベンジル(6 mmol)とクロロホルム(30 ml)を10時間加熱還流したのち、溶媒を留去しヨウ化 1-(4-ペンチル)ベンジル-3-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾリウム(化合物50)を収率88%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.54-0.57 (2 H, m), 0.92 (3 H, t, J=7.02 Hz), 1.32-1.40 (10 H, m), 1.60-1.67 (2 H, m), 1.69-2.00 (2 H, m), 2.61-2.64 (2 H, m), 7.19-7.24 (4 H, m), 7.30 (1 H, s), 7.40-7.41 (2 H, m).
【0125】
〔実施例51〕ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
フラスコに1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾール(5 mmol)、1-プロモ-2-オクチン(1.13 g, 6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物51)を収率52%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.48-0.51 (2 H, m), 0.93 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.31-1.41 (10 H, m), 1.51-1.65 (2 H, m), 1.87-1.90 (2 H, m), 2.23-2.26 (2 H, m), 4.19-4.22 (2 H, m), 5.16-5.17 (2 H, s), 7.38 (1 H, d, J=2.20 Hz), 7.57 (1 H, d, J=2.20 Hz).
【0126】
〔実施例52〕ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ヘプチル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(4-トリメチルシリル)ヘプチル-2-メチルイミダゾールを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ヘプチル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物52)を収率78%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.48-0.51 (2 H, m), 0.92 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.33-1.38 (14 H, m), 1.53-1.56 (2 H, m), 1.87-1.89 (2 H, m), 2.23-2.26 (2 H, m), 2.91 (3 H, s), 4.23-4.26 (2 H, m), 5.24 (2 H, s), 7.31 (1 H, s), 7.50 (1 H, d, J=1.96 Hz), 7.69 (1 H, d, J=1.96 Hz).
【0127】
〔実施例53〕ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ノニル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(4-トリメチルシリル)ノニル-2-メチルイミダゾールを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ノニル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物53)を収率52%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.48-0.51 (2 H, m), 0.93 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.31-1.41 (10 H, m), 1.51-1.65 (2 H, m), 1.87-1.90 (2 H, m), 2.23-2.26 (2 H, m), 4.19-4.22 (2 H, m), 5.16-5.17 (2 H, s), 7.38 (1 H, d, J=2.20 Hz), 7.57 (1 H, d, J=2.20 Hz).
【0128】
〔実施例54〕ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ウンデカニル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(4-トリメチルシリル)ウンデカニル-2-メチルイミダゾールを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(4-トリメチルシリル)ウンデカニル-2-メチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物54)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.03 (9 H, m), 0.47-0.49 (2 H, m), 0.88-0.91 (4 H, m), 1.25-1.37 (24 H, m), 1.49-1.52 (2 H, m), 1.83-1.86 (2 H, m), 2.88 (3 H, s), 4.20-4.23 ( 2 H, m), 5.22 (2 H, m), 7.50 (1 H, d, J=2.20 Hz), 7.68 (1 H, d, J=2.20 Hz).
【0129】
〔実施例55〕ヨウ化1-(5,5,5-トリメチル)ペンチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(5,5,5-トリメチル)ペンチルイミダゾールを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(5,5,5-トリメチル)ペンチル-3-(3-ペンチル)プロパルギルイミダゾリウム(化合物55)を収率70%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.87 (9 H), 0.91 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.22-1.25 (2 H, m), 1.32-1.36 (6 H, m), 1.51-1.57 (2 H, m), 1.90-1.96 (4 H, m), 2.25-2.28 (2 H, m), 4.33-4.64 (2 H, m), 5.26-5.27 (2 H, m), 7.41 (1 H, m), 7.57 (1 H, m), 10.1 (1 H, s) Y. 70%
【0130】
〔実施例56〕ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾールと臭化4-(2-エチルシリル)ベンジルを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾリウム(化合物56)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.51-0.55 (2 H, m), 0.82-0.84 (2 H, m), 1.35-1.38 (2 H, m), 1.94-1.97 (2 H, m), 2.60-2.64 (2 H, m), 4.29-4.32 (2 H, m), 5.55 (2 H, s), 7.12-7.38 (Ar-H + 2 H), 10.82 (1 H, s)
【0131】
〔実施例57〕ヨウ化1-ビフェニルメチル-3-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾールと臭化ビフェニルメタンを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-ビフェニルメチル-3-(4-トリメチルシリル)ブチルイミダゾリウム(化合物57)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.55-0.58 (2 H, m), 1.38-1.41 (2 H, m), 1.99-2.02 (2 H, m), 4.31-4.34 (2 H, m), 5.70 (2 H, s), 7.26-7.66 (Ar-H + 2 H), 10.46 (1 H, s)
【0132】
〔実施例58〕1-メチル-1-(3-ペンチル)プロパルギルピロリジニウム トリフルオロトリフルオロボレート
2-1-メチル-1-(3-ペンチル)プロパルギルピロリジニウム (4 mmol)とCF3BF3K (4.1 mmol)のTHF(20 ml)の溶液を室温で20時間反応させのち、溶媒を留去した。クロマトグラフで精製することによりヨウ化 1-メチル-1-(3-ペンチル)プロパルギルピロリジニウム テトラフルオロボレート(化合物58)を78%の収率で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.91 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.33-1.36 (4 H, m), 1.51-1.57 (2 H, m), 2.25-2.35 (6 H, m), 3.48 (3 H, s), 3.86-3.91 (2 H, m), 3.98-4.02 (2 H, m), 4.59 (2 H, t, J=2.19 Hz). 19F NMR (CDCl3): δ 6.03-6.30 (BF3, m), 85.55-85.76 (CF3, m)
【0133】
〔実施例59〕ヨウ化 1-メチル-1-(4-トリメチルシリルブチル)プロパルギルピロリジニウム
メチルピロリジニウム (0.34 g, 4 mmol)、4-トリメチルシリルブチル ブロミド(1.09 g, 4.5 mmol)、ヨウ化カリウム (4.98 g, 30 mmol)をクロロホルム (50 ml)に溶解した。混合液を加熱還流したのち、溶媒を減圧下に留去した。クロマトグラフで精製することによりヨウ化 1-メチル-1-(4-トリメチルシリルブチル)プロパルギルピロリジニウム(化合物59)を46%の収率で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H), 0.55-0.59 (2 H, m), 1.41-1.45 (2 H, m), 1.91-1.85 (2 H, m), 2.34 (4 H, m), 3.31 (3 H, s), 3.59-3.63 (2 H, m), 3.81-3.89 (4 H, m)
【0134】
〔実施例60〕ヨウ化 1-メチル-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)ピぺリジニウム
フラスコにメチルピぺリジニウム(5 mmol)、臭化 4,4,4-トリフルオロブチル(6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化1-メチル-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)ピぺリジニウム(化合物60)を収率35%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 1.71-1.90 (2 H, m), 1.94-2.02 (4 H, m), 2.06-2.13 (2 H, m), 2.39-2.44 (2 H, m), 3.38 (3 H, s), 3.70-3.72 (4 H, m), 3.94-3.97 (2 H, m)
19NMR NMR (CDCl3): δ96.0 (t, J=10.7 Hz).
【0135】
〔実施例61〕ヨウ化 1-メチル-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)ピロリジニウム
フラスコにメチルピロリジニウム(5 mmol)、臭化 4,4,4-トリフルオロブチル(6 mmol)、ヨウ化カリウム(4,98 g, 30 mmol)とクロロホルム(50 ml)を入れたのち、フラスコ内をアルゴンで置換した。混合物を80℃で8時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去し、ヨウ化 1-メチル-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)ピロリジニウム(化合物61)を収率62%で得た。
1H NMR (CDCl3): δ 2.11-2.17 (2 H, m), 2.30-2.43 (6 H, m), 3.32 (3 H, s), 3.81--3.98 (6 H, m)
19F NMR NMR (CDCl3): δ95.6 (t, J=10.7 Hz).
【0136】
〔実施例62〕1-メチル-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)ピロリジニウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート
ヨウ化1-メチル-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)ピロリジニウム (2 mmol)とトリフルオロメチルトリフルオロボレート カリウム(3 mmol)をテトラヒドロフラン(10 ml)を室温で24時間反応させたのち、溶媒を留去し1-メチル-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)ピロリジニウム トリフルオロメチルトリフルオロボレート(化合物62)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 1.91-1.99 (2 H, m), 2.32-2.38 (2 H, m), 2.50-2.51 (2 H, m), 3.01 (3 H, s), 3.34-3.53 (8 H, m). 19F NMR NMR (CDCl3): δ8.50 (BF3, m), 88.4 (CF3, m).
【0137】
〔実施例63〕ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(5-トリメチルシリル)ペンチルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(5-トリメチルシリル)ペンチルイミダゾールと臭化4-(2-エチルシリル)ベンジルを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(5-トリメチルシリル)ペンチルイミダゾリウム(化合物63)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.45-0.48 (2 H, m), 0.82-0.85 (2 H, m), 1.33-1.37 (4 H, m), 1.91-1.94 (2 H, m), 2.60-2.64 (2 H, m), 4.28-4.31 (2 H, m), 5.54 (2 H, s), 7.24-7.27 (1 H, m), 7.27-7.40 (1 H, m), 10.43 (1 H, s)
【0138】
〔実施例64〕ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(6-トリメチルシリル)ヘキシルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(6-トリメチルシリル)ヘキシルイミダゾールと臭化4-(2-エチルシリル)ベンジルを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(6-トリメチルシリル)ヘキシルイミダゾリウム(化合物64)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.43-0.47 (2 H, m), 0.82-0.85 (2 H, m), 1.27-1.37 (6 H, m), 1.92 (2 H, m), 2.60-2.64 (2 H, m), 4.29-4.32 (2 H, m), 5.54 (2 H, s), 7.24-7.27 (1 H, m), 7.38-7.39 (1 H, m), 10.42 (1 H, s)
【0139】
〔実施例65〕ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(7-トリメチルシリル)ヘプチルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(7-トリメチルシリル)ヘプチルイミダゾールと臭化4-(2-エチルシリル)ベンジルを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(7-トリメチルシリル)ヘプチルイミダゾリウム(化合物65)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.47-0.50 (2 H, m), 0.85-0.88 (2 H, m), 1.31-1.36 (8 H, m), 1.91-1.95 (2 H, m), 2.63-2.67 (2 H, m), 4.32-4.35 (2 H, m), 5.56 (2 H, s), 7.23-7.43 (Ar-H + 2 H), 10.78 (1 H, s)
【0140】
〔実施例66〕ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(9-トリメチルシリル)ノニルイミダゾリウム
1-(4-トリメチルシリル)ヘキシル-2-メチルイミダゾールの代わりに、1-(9-トリメチルシリル)ノニルイミダゾールと臭化4-(2-エチルシリル)ベンジルを用いて実施例51と同様に反応を行い、ヨウ化1-(4-(2-エチルシリル)ベンジル-3-(9-トリメチルシリル)ノニルイミダゾリウム(化合物66)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.00 (9 H, m), 0.50 (2 H, m), 0.85-0.88 (2 H, m), 1.28-1.36 (10 H, m), 1.94-1.96 (2 H, m), 2.63-2.67 (2 H, m), 4.31-4.34 (2 H, m), 5.58 (2 H, s), 7.24-7.44 (Ar-H + 2 H), 10.39 (1 H, s)
【0141】
〔試験例1〕 融点の測定
化合物1〜化合物37の融点を測定した。結果を表1に示す。
【0142】
【表1】

表1から以下のことが示唆される。
【0143】
(1)イミダゾールの1位のアルキル基の炭素数が少なくなると、融点が低くなる。例えば、イミダゾールの2位と3位が同様の構造をとる化合物1、化合物2、化合物3では、ドデシル基を持つ化合物3が最も融点が低く、セチル基を持つ化合物1が最も融点が高い。
【0144】
(2)フェニル基にハロゲンの置換基を持つ化合物同士を比較すると、フッ素の置換基を持つ化合物が他のハロゲンの置換基を持つ化合物よりも融点が低い。例えば、ハロゲンの種類以外同様の構造を持つ化合物6、化合物22、化合物23を比較すると、フッ素の置換基を持つ化合物6が最も融点が低い。
【0145】
また、置換基の位置については、フェニル基の3位に置換基を持つ化合物は、他の化合物よりも融点が低い。例えば、化合物4、化合物6、化合物7の融点を比較すると、3位にフッ素の置換基を持つ化合物6が最も融点が低い。
【0146】
(3)イミダゾールの3位に、ベンジル基を持つ化合物とプロパルギル基を持つ化合物を比較すると、プロパルギル基を持つ化合物の方が融点は低い。例えば、イミダゾールの1位と2位が同様の構造をとる化合物1と化合物26を比較すると、ベンジル基を持つ化合物1の融点は98℃であるのに対し、プロパルギル基を持つ化合物26は常温で液体である。
【0147】
(4)イミダゾールの2位に、メチル基を導入した化合物と導入していない化合物を比較すると、メチル基を導入していない化合物の方が融点は低い。例えば、イミダゾールの1位と3位が同様の構造をとる化合物1と化合物31を比較すると、メチル基を持つ化合物1の融点は98℃であるのに対し、メチル基を持たない化合物31の融点は47℃である。
【0148】
〔試験例2〕 抗菌活性の測定
(1)実験方法
日本化学療法学会標準法に基づく寒天平板希釈法により、各化合物の抗菌活性を調べた。
【0149】
(1−1)培地及び試験菌株
Mueller Hinton Broth (DIFICO)に、Agar Powder (WAKO)を1.5%になるように加えたものをオートクレーブ (TOMY BS325)で滅菌した後にシャーレに分注した。室温で固化後、45℃に設定された恒温機 (AS-ONE DO-450A)で約1時間乾燥させた。その後にシャーレに試験菌を接種し、30℃の恒温機で16-20時間培養した。使用した試験菌株は以下の通りである。
【0150】
Escherichia coli MG 1655株(グラム陰性菌)
Bacillus subtilis 168株(グラム陽性菌)
Pseudomonas putida NBRC 14164株(グラム陰性菌)
Staphylococcus aureus subsp aureus NRBC 15035株(グラム陽性菌)
Salmonella typhimurium NBRC 13245株(グラム陰性菌)
Corynebacterium glutamicum ATCC 31831株(グラム陽性菌)
(1−2)菌の調製
接種した菌のシングルコロニーを採取し、LB Broth (DIFCO)中で30℃、16-20時間振とう培養した。
【0151】
(1−3)活性測定用アガープレートの作製
まず、Agar Powder 0.45 g の入ったファルコンチューブにMueller Hinton Broth 0.63 g 、純水30 mlを加え、攪拌後、オートクレーブにより滅菌した。次に、実施例で合成した化合物を、メタノールに10 mg/ mlになるように溶解させ、氷中に保存した。60 ℃以下に保った滅菌後の各ファルコンチューブ内の培地に、各化合物を入れ、混和し、ペトリディッシュ上に分注した。固化後、45 ℃の恒温機にて2時間平板表面を乾燥させた。
【0152】
(1−4)接種菌液の調製
培養した各菌を10-1〜10-6倍に系列希釈をした。なお、希釈には生理食塩水(0.85 %)を用いた。
【0153】
(1−5)活性の判定
調製された各濃度の菌体を10 μlずつを、作製したアガープレートにスポットした。その後、30 ℃の恒温機にて16〜20時間培養し、活性の有無を判定した。活性の有無の判定は、106 cells/ mlの濃度のスポットで肉眼観察により菌の発育の有無により行い、発育が認められない化合物の最低濃度を最小発育阻止濃度とした。
【0154】
(2)実験結果
試験菌株に対する各化合物の最小発育阻止濃度を表2に示す。
【0155】
【表2】

表2から以下のことが示唆される。
【0156】
(1)フェニル基にハロゲンの置換基を持つ化合物同士を比較すると、フッ素の置換基を持つ化合物が他のハロゲンの置換基を持つ化合物よりも抗菌活性が高い。例えば、ハロゲンの種類以外同様の構造を持つ化合物6、化合物22、化合物23を比較すると、フッ素の置換基を持つ化合物6が最も最小発育阻止濃度は低い。
【0157】
(2)イミダゾールの2位に、メチル基を導入した化合物と導入していない化合物を比較すると、メチル基を導入した化合物の方がグラム陽性菌に対する抗菌活性が高い。例えば、イミダゾールの1位と3位が同様の構造をとる化合物1と化合物31を比較すると、メチル基を持つ化合物1の方が、メチル基を持たない化合物31より、B.sutilis及びS.aureusに対する最小発育阻止濃度が低くなっている。
【0158】
(3)カウンターアニオンに関しては、CFBFが他のアニオンよりも高い抗菌活性を示す。例えば、カウンターアニオン以外同じ構造を持つ化合物38と39、及び化合物48と49を比較すると、いずれもCFBFを持つ化合物の方が、最小発育阻止濃度が低くなっている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記、一般式(I)
【化1】

〔式中、Rは下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよいフェニル基又は下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を表し、XaはF、Cl、Br、I、BF、PF、CFBF、CBF、又は(CFSOを表し、置換基群Aはハロゲン原子、トリメチルシリル基、エチルシリル基、及びフェニル基からなる群である。〕
で表される化合物。
【請求項2】
一般式(I)におけるRが、炭素数10〜12の直鎖状のアルキル基である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式(I)におけるRが、メチル基である請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
一般式(I)におけるRが、水素原子である請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
一般式(I)におけるRが、フッ素原子によって置換されたフェニル基である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
一般式(I)におけるRが、エチニル基である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物
【請求項7】
一般式(I)におけるXaが、CFBFである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
下記、一般式(II)
【化2】

〔式中、Rは水素原子又は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を表し、XbはF、Cl、Br、I、BF、PF、CFBF、CBF、又は(CFSOを表し、置換基群Bはハロゲン原子、及びトリメチルシリル基からなる群である。〕
で表される化合物。
【請求項9】
下記、一般式(III)
【化3】

〔式中、Rは水素原子又は下記置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは下記置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は下記置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を表し、XcはF、Cl、Br、I、BF、PF、CFBF、CBF、又は(CFSOを表し、置換基群Cはハロゲン原子、及びトリメチルシリル基からなる群である。〕
で表される化合物。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の化合物を含有することを特徴とする抗菌剤。

【公開番号】特開2009−215200(P2009−215200A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59189(P2008−59189)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】