説明

イミダゾリノン耐性植物作出のための成熟型AHASLタンパク質をコードするポリヌクレオチド

成熟型野性型イミダゾリノン耐性アセトヒドロキシ酸合成酵素の大サブユニット(AHASL)ポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド分子と、これらのポリペプチドをコードするアミノ酸配列を開示する。本発明のポリヌクレオチド分子を含む発現カセットと形質転換ベクター並びにポリヌクレオチド分子、発現カセット及び形質転換ベクターにより形質転換される植物と宿主細胞を開示する。植物の除草剤に対する抵抗性を亢進するようにポリヌクレオチド分子を用いる方法と、このような植物の近傍に存在する雑草を抑制する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物分子生物学の分野に関し、詳細には、コムギのアセトヒドロキシ酸合成酵素の大サブユニット酵素(以下、AHASL)をコードし、除草剤耐性植物を作出するのに用いることができる新規のヌクレオチド配列に関する。
【背景技術】
【0002】
アセトヒドロキシ酸合成酵素(AHAS;EC 4.1.3.18、アセト乳酸合成酵素又はALSとしても公知である)は、分岐鎖アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの生化学的合成を触媒する最初の酵素である(Singh(1999)「Biosynthesis of valine,leucine and isoleucine,」 in Plant Amino Acid,Singh,B.K.,ed.,Marcel Dekker Inc.New York,New York,pp.227−247)。AHASは、スルホニルウレア(LaRossa and Falco(1984)Trends Biotechnol.2:158−161)、イミダゾリノン(Shaner et al.(1984)Plant Physiol.76:545−546)、トリアゾロピリミジン(Subramanian and Gerwick(1989)「Inhibition of acetolactate synthase by triazolopyrimidines,」 in Biocatalysis in Agricultural Biotechnology,Whitaker,J.R.and Sonnet,P.E.eds.,ACS Symposium Series,American Chemical Society,Washington,D.C.,pp.277−288)及びピリミジルオキシ安息香酸(Subramanian et al.(1990)Plant Physiol.94:239−244.)を含む、構造的に多様な4除草剤系の作用部位である。イミダゾリノン系及びスルホニルウレア系除草剤は、少使用量での効果及び動物における相対的な非毒性により、現代の農業において広範に使用されている。AHAS活性を阻害することにより、これらの除草剤系は多くの雑草種を含む、感受性が高い植物の更なる成長及び生育を阻止する。市販されているイミダゾリノン系除草剤の数例はPURSUIT(登録商標)(イマゼタピル)、SCEPTER(登録商標)(イマザキン)及びARSENAL(登録商標)(イマザピル)である。スルホニルウレア系除草剤の例はクロルスルフロン、メトスルフロンメチル、スルホメツロンメチル、クロリムロンエチル、チフェンスルフロンメチル、トリベヌロンメチル、ベンスルフロンメチル、ニコスルフロン、エタメツルフロンメチル、リムスルフロン、トリフルスルフロンメチル、トリアスルフロン、プリミスルフロンメチル、シノスルフロン、アミドスルフロン(amidosulfiuon)、フルザスルフロン、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル及びハロスルフロンである。
【0003】
その高い効果及び低毒性のため、イミダゾリノン系除草剤は広範囲の植生の頂部にわたり噴霧することにより、使用に対して好意的に受け入れられている。広範囲の植生の頂部にわたり除草剤を噴霧できることにより、栽培場の造成及び維持に関連するコストが低減し、このような化学物質の使用前の現地準備の必要性が低下する。所望の耐性種の頂部にわたり噴霧することにより、競合種が存在しないため、所望の種の最大生産力を達成する能力も生じる。しかし、このような噴霧手法を用いる能力は、噴霧領域における所望の植生のイミダゾリノン抵抗性種の存在に依存する。
【0004】
主な農作物の中で、ダイズのような一部のマメ科種は、その除草剤化合物を迅速に代謝する能力により、イミダゾリノン系除草剤に対してもともと抵抗性がある(Shaner and Robinson(1985)Weed Sci.33:469−471)。トウモロコシ(Newhouse et al.(1992)Plant Physiol.100:882886)及びイネ(Barrette et al.(1989)Crop Safeners for Herbicides,Academic Press,New York,pp.195−220)のような他の作物は、イミダゾリノン系除草剤に対してある程度感受性がある。イミダゾリノン系除草剤に対する感受性の差異は、特定の除草剤の化学的性質と、各植物における毒性から非毒性形態への化合物の代謝の差異に依存する(Shaner et al.(1984)Plant Physiol.76:545−546;Brown et al.(1987)Pestic.Biochem.Physiol.27:24−29)。吸収及び移行のような植物の他の生理学的相違も感受性に重要な役割を果たす(Shaner and Robinson(1985)Weed Sci.33:469−471)。
【0005】
トウモロコシ(Zea mays)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、アブラナ(Brassica napus)、大豆(Glycine max)及びタバコ(Nicotiana tabacum)における種子、小胞子、花粉及びカルスの変異誘発を用いて、イミダゾリノン、スルホニルウレアトリア及びトリアゾロピリミジンへの抵抗性を示す作物品種の生産が成功している(Sebastian et al.(1989)Crop Sci.29:1403−1408;Swanson et al.,1989 Theor.Appl.Genet.78:525−530;Newhouse et al.(1991)Theor.Appl.Genet.83:65−70;Sathasivan et al.(1991)Plant Physiol.97:1044−1050;Mourand et al.(1993)J.Heredity 84:91−96)。全ての場合において、単一の部分優性核遺伝子が抵抗性を付与した。コムギ(Triticum aestivum)L.cv.Fidelの種子変異誘発後、4種類のイミダゾリノン抵抗性コムギ植物も過去に単離された(Newhouse et al.(1992)Plant Physiol.100:882−886)。遺伝試験により、単一の部分優性遺伝子が抵抗性を付与することが確認された。対立遺伝子試験に基づき、著者らは同定された4系統における突然変異が同じ遺伝子座に位置すると結論づけた。Fidel品種の抵抗性遺伝子の1つはFS−4と命名された(Newhouse et al.(1992)Plant Physiol.100:882−886)。
【0006】
AHAS阻害複合体の3次元構造のコンピュータベースのモデリングでは、提示された阻害因子結合ポケットにおける複数のアミノ酸が、誘発変異がイミダゾリノンに対する選択的抵抗性を付与する可能性がある部位であると予測している(Ott et al.(1996)J.Mol.Biol.263:359−368)。AHAS酵素の提示された結合部位における、これらの合理的に設計された変異の一部によって生産されたコムギ植物は、実際に単一種類の除草剤への特異的抵抗性を示した(Ott et al.(1996)J.Mol.Biol.263:359−368)。
【0007】
イミダゾリノン系除草剤に対する植物抵抗性は多くの特許においても報告されている。米国特許第4,761,373号、第5,331,107号、第5,304,732号、第6,211,438号、第6,211,439号及び第6,222,100号では、植物における除草剤抵抗性を誘発するためにAHAS改変遺伝子を用いることを概説し、ある種のイミダゾリノン抵抗性トウモロコシ系を具体的に開示している。米国特許第5,013,659号では、1つ以上の保存領域における少なくとも1つのアミノ酸の変異により除草剤抵抗性を示す植物を開示している。当該特許に記載されている変異はイミダゾリノンとスルホニルウレアへの交差抵抗性又はスルホニルウレア特異的抵抗性をコードするが、イミダゾリノン特異的抵抗性は記載されていない。更に、米国特許第5,731,180号及び米国特許第5,767,361号では、イミダゾリノン特異的抵抗性を生ずる、野性型単子葉植物のAHASアミノ酸配列における単一アミノ酸置換を有する単離遺伝子について考察している。
【0008】
植物では検討される他のあらゆる生命体のように、AHAS酵素は大サブユニット(触媒機能)と小サブユニット(調節機能)の2つのサブユニットからなる(Duggleby and Pang(2000)J.Biochem.Mol.Biol.33:1−36)。大サブユニット(AHASLと称される)はシロイヌナズナ及びイネのように単一遺伝子に、或いはトウモロコシ、アブラナ及びワタのように複数の遺伝子ファミリーメンバーにコードされ得る。大サブユニットにおける特異的な単一ヌクレオチド置換により、1種類以上の除草剤に対するある程度の非感受性が酵素に付与される(Chang and Duggleby(1998)Biochem J.333:765−777)。
【0009】
例えば、パンコムギTriticum aestivum Lはアセトヒドロキシ酸合成酵素の3つの同祖大サブユニット遺伝子を有する。各遺伝子は各3遺伝子における変異体由来の除草剤応答及び生化学的データに基づく有意な発現を示す(Ascenzi et al.(2003)International Society of Plant Molecular Biologists Congress,Barcelona,Spain,Ref.No.S10−17)。これら3遺伝子全てのコード配列はヌクレオチドレベルにおいて広範な相同性を共有する(WO03/014357)。数種類のコムギ(Triticum aestivum)由来のAHASL遺伝子の配列決定を介し、大部分のIMI耐性(イミダゾリノン耐性)系における除草剤耐性の分子基盤が突然変異S653(At)Nであることが見出された(WO03/014356;WO03/014357)。この変異はAHASLタンパク質をコードするDNA配列における単一ヌクレオチド多型(SNP)に起因する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
米国特許第5,731,180号では、イミダゾリノン特異的抵抗性を生ずる、大サブユニットの621位置におけるアミノ酸置換を有するトウモロコシAHASL変異体のヌクレオチド及びアミノ酸配列を開示している。Haughn et al.(Mol.Gen.Genet.211:266−271,1988)はシロイヌナズナにおけるイミダゾリノン抵抗性の発現を開示した。Sathasivan et al.(米国特許第5,767,366号)はシロイヌナズナにおけるイミダゾリノン特異的抵抗性が、正常なAHASLアミノ酸配列における653位置での変異に基づくものであると同定した。WO03/014357では、3つの野性型AHASL遺伝子(Als1,Als2及びAls3;本明細書では以下、それぞれAHASL1D,AHASL1B,AHASL1Aとも称する)に対応する、コムギ(Triticum aestivum)由来の部分長cDNA及びアミノ酸配列並びにAls2及びAls3におけるイミダゾリノン耐性抵抗性突然変異を開示している。現在まで成熟型コムギAHASLタンパク質に対応するヌクレオチド及びアミノ酸配列は報告されていない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、成熟型野性型除草剤抵抗性コムギ(Triticum aestivum L.)AHASLタンパク質をコードする、単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明のポリヌクレオチド分子は3つのコムギAHASL遺伝子、AHASL1D、AHASL1B及びAHASL1Aに対応する。本発明の除草剤抵抗性AHASLタンパク質は、例えば、シロイヌナズナAHASLタンパク質におけるS653(At)N置換に対応する、それぞれのアミノ酸配列における置換を有する除草剤抵抗性AHASLタンパク質を含む。本発明のポリヌクレオチド分子は、配列番号1、3、5、7、9及び11に示されるヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列、配列番号2、4、6、8、10及び12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列並びに野性型AHASLタンパク質又は除草剤抵抗性AHASLタンパク質、特に前述のS653(At)N置換を有するイミダゾリノン抵抗性AHASLタンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列の断片及び変異体を含む。
【0012】
本発明は植物、植物細胞や他の非ヒト宿主細胞に本発明のポリヌクレオチド分子を発現させるための発現カセットを提供する。発現カセットは、野性型又はイミダゾリノン抵抗性AHASLタンパク質をコードする本発明のポリヌクレオチド分子に機能的に結合した、対象植物、植物細胞又は他の宿主細胞に発現可能なプロモーターを含む。植物又は植物細胞での発現を所望する場合、発現カセットは発現されたAHASLタンパク質を葉緑体に誘導するため、葉緑体輸送ペプチドをコードする、機能的に結合した葉緑体標的配列を含むこともできる。本発明の発現カセットは植物及び宿主細胞の除草剤耐性を亢進する方法に用途を見出す。本方法は本発明の発現カセットにより植物又は宿主細胞を形質転換することを伴い、ここで発現カセットは対象植物又は宿主細胞に発現可能なプロモーターを含み、当該プロモーターはイミダゾリノン抵抗性AHASLタンパク質をコードする本発明のポリヌクレオチドに機能的に結合される。
【0013】
本発明は本発明の選択可能なマーカー遺伝子を含む形質転換ベクターを提供する。選択可能なマーカー遺伝子は、本発明のポリヌクレオチドに機能的に結合した、宿主細胞における発現を促進するプロモーターを含む。更に、形質転換ベクターは宿主に発現される対象遺伝子を含むことができ、所望であれば、本発明のポリヌクレオチドに機能的に結合した葉緑体標的配列を含むこともできる。このような形質転換ベクターは対象遺伝子により形質転換される宿主細胞を選択する方法に用途を見出す。
【0014】
更に、本発明は対象遺伝子により形質転換される細胞を選択するため、本発明の形質転換ベクターを用いる方法を提供する。このような方法は形質転換ベクターにより宿主細胞を形質転換することを伴い、非形質転換宿主細胞を死滅させ、或いはその成長を阻害すると思われるイミダゾリノン系除草剤のレベルに細胞を曝露し、除草剤の存在下で成長する能力により形質転換宿主細胞を同定する。本発明の好ましい実施形態において、宿主細胞は植物細胞であり、選択可能なマーカー遺伝子は植物細胞における発現を促進するプロモーターを含む。
【0015】
本発明は本発明の形質転換植物の近傍における雑草を抑制する方法を提供する。このような形質転換植物は、植物細胞における発現を促進するプロモーターを含む少なくとも1つの発現カセットをそのゲノムに含み、ここで当該プロモーターは本発明の除草剤耐性AHASLポリヌクレオチドに機能的に結合される。本方法は有効量のイミダゾリノン系除草剤を雑草と形質転換植物に適用するステップを含み、ここで形質転換植物は非形質転換植物に比し、イミダゾリノン系除草剤への抵抗性が高まる。
【0016】
本発明は本発明の少なくとも1つのポリヌクレオチド、発現カセット又は形質転換ベクターにより形質転換される植物、植物組織、植物細胞、種子及び非ヒト宿主細胞も提供する。このように形質転換される植物、植物組織、植物細胞、種子及び非ヒト宿主細胞は、形質転換されない植物、植物組織、植物細胞、種子又は非ヒト宿主細胞のそれぞれを死滅させ、或いはその成長を阻害する除草剤レベルにおいて、少なくとも1つのイミダゾリノン系除草剤に対する耐性又は抵抗性が亢進している。本発明の形質転換される植物、植物組織、植物細胞及び種子はシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)と、これらに限定されないが、コムギ、イネ、トウモロコシ、モロコシ、オオムギ、ライムギ、ミレット、アルファルファ、ヒマワリ、アブラナ属、ダイズ、ワタ、ベニバナ、ラッカセイ、モロコシ、ミレット、タバコ、トマト及びジャガイモを含む栽培植物であることが好ましい。
【0017】
本発明は、野性型イミダゾリノン抵抗性コムギ(Triticum aestivum L.)AHASLタンパク質を含む、単離されたポリペプチドを提供する。このように単離されたイミダゾリノン抵抗性AHASLポリペプチドは各々、シロイヌナズナAHASLタンパク質におけるS653(At)N置換に対応する、それぞれのアミノ酸配列における置換を有する。本発明の単離ポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10及び12に示されるアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列、配列番号1、3、5、7、9及び11に示されるヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列並びに野性型又は除草剤耐性AHAS活性、特に前述のS653(At)N置換から生じるイミダゾリノン耐性AHAS活性を含む前記ポリペプチドの断片及び変異体を含む。
配列リスト
【0018】
添付の配列リストに一覧にしたヌクレオチド酸及びアミノ酸配列は、ヌクレオチド塩基に対する標準的な文字省略形及びアミノ酸に対する3文字コードを用いて示される。ヌクレオチド配列は配列の5’末端から開始し、3’末端方向へ前進する(即ち、各ラインにおいて左から右方向)標準的慣用に従う。各核酸の鎖が1つだけ示されるが、表示された鎖を参照して相補鎖が含まれると理解すべきである。アミノ酸配列は配列のアミノ末端から開始し、カルボキシ末端方向へ前進する(即ち、各ラインにおいて左から右方向)標準的慣用に従う。
【0019】
配列番号1はコムギ由来の野性型AHASL1Dタンパク質の成熟型をコードするヌクレオチド配列を示す。
【0020】
配列番号2はコムギ由来の野性型AHASL1Dタンパク質の成熟型のアミノ酸配列を示す。
【0021】
配列番号3はコムギ由来の野性型AHASL1Bタンパク質の成熟型をコードするヌクレオチド配列を示す。
【0022】
配列番号4はコムギ由来の野性型AHASL1Bタンパク質の成熟型のアミノ酸配列を示す。
【0023】
配列番号5はコムギ由来の野性型AHASL1Aタンパク質の成熟型をコードするヌクレオチド配列を示す。
【0024】
配列番号6はコムギ由来の野性型AHASL1Aタンパク質の成熟型のアミノ酸配列を示す。
【0025】
配列番号7はコムギ由来の除草剤耐性AHASL1Dタンパク質の成熟型をコードするヌクレオチド配列を示す。配列番号1に対し、配列番号7はヌクレオチド位置1736におけるCからAへの置換を含む。
【0026】
配列番号8はコムギ由来の除草剤耐性AHASL1Dタンパク質の成熟型のアミノ酸配列を示す。配列番号2に対し、配列番号8はアミノ酸位置579におけるSerからAsnへの置換を含む。
【0027】
配列番号9はコムギ由来の除草剤耐性AHASL1Bタンパク質の成熟型をコードするヌクレオチド配列を示す。配列番号3に対し、配列番号9はヌクレオチド位置1736におけるCからAへの置換を含む。
【0028】
配列番号10はコムギ由来の除草剤耐性AHASL1Bタンパク質の成熟型のアミノ酸配列を示す。配列番号4に対し、配列番号10はアミノ酸位置579におけるSerからAsnへの置換を含む。
【0029】
配列番号11はコムギ由来の除草剤耐性AHASL1Aタンパク質の成熟型をコードするヌクレオチド配列を示す。配列番号5に対し、配列番号11はヌクレオチド位置1736におけるCからAへの置換を含む。
【0030】
配列番号12はコムギ由来の除草剤耐性AHASL1Aタンパク質の成熟型のアミノ酸配列を示す。配列番号6に対し、配列番号12はアミノ酸位置579におけるSerからAsnへの置換を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明は、成熟型コムギ(Triticum aestivum L.)AHASLタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子、詳細には野性型除草剤抵抗性コムギAHASLタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子に関する。このような成熟型AHASLタンパク質は、これらのタンパク質の葉緑体への輸送を促進する葉緑体輸送ペプチドを欠く。詳細には、成熟型除草剤抵抗性コムギAHASLタンパク質はイミダゾリノン抵抗性AHASL活性を含む。より詳細には、成熟型除草剤抵抗性コムギAHASLタンパク質は、シロイヌナズナAHASLタンパク質におけるS653(At)N置換に対応する、それぞれのアミノ酸配列における置換を含む。本発明のポリヌクレオチド分子は3つのコムギAHASL遺伝子、AHASL1D、AHASL1B及びAHASL1Aに対応する。本発明のポリヌクレオチド配列は植物及び宿主細胞の除草剤抵抗性を亢進する方法に用途を見出す。ポリヌクレオチドは形質転換される細胞、組織及び生命体、特に植物及び植物細胞を選択する方法に用いられる選択可能なマーカー遺伝子として更なる用途を見出す。
【0032】
本発明の組成物は、野性型アセトヒドロキシ酸合成酵素をコードする単離ポリヌクレオチド分子と、通常であれば植物を死滅させ、或いはその成長を停止させるレベルにおいて除草剤に対する耐性又は抵抗性を示す植物を作出する方法に関わる除草剤耐性又は除草剤抵抗性アセトヒドロキシ酸合成酵素をコードする単離ポリヌクレオチド分子を含む。同様に、「除草剤耐性AHASLタンパク質」又は「除草剤抵抗性AHASLタンパク質」とは、野性型AHASLタンパク質のAHAS活性を阻害することが既知である濃度にてイミダゾリノン系除草剤が存在する際、このようなAHASLタンパク質が野性型AHASLのAHAS活性に比し、高いAHAS活性を示すことを意味する。本発明のこのような除草剤耐性又は除草剤抵抗性AHASLタンパク質は、除草剤耐性又は除草剤抵抗性AHASLポリヌクレオチドにコードされる。
【0033】
「野性型AHAS活性」とは、野性型AHASLタンパク質のAHAS活性を意味することを意図する。「除草剤耐性AHAS活性」又は「除草剤抵抗性AHAS活性」とは、「除草剤耐性AHASLタンパク質」又は「除草剤抵抗性AHASLタンパク質」のAHAS活性を意味することを意図する。
【0034】
詳細には、本発明は、配列番号2、4、6、8、10及び12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列並びにその断片及び変異体を含む、単離された核酸分子を提供する。更に、本明細書に記載する核酸分子にコードされるアミノ酸配列、例えば、配列番号1、3、5、7、9及び11に示される配列並びにその断片及び変異体を有するポリペプチドが提供される。
【0035】
本発明は単離され、或いは実質的に精製された核酸又はタンパク質組成物を包含する。「単離」或いは「精製」された核酸分子又はタンパク質又はその生物活性部分は、自然発生環境において見出される核酸分子又はタンパク質に通常は伴い、或いはこれと相互作用する要素を実質的に或いは本質的に含まない。従って、単離或いは精製された核酸分子又はタンパク質は、組換え技術により産生される際に他の細胞物質又は培養基を実質的に含まず、或いは化学合成により産生される際に化学的前駆体又は他の化学物質を実質的に含まない。「単離された」核酸は、その核酸が由来する生命体のゲノムDNAにおける核酸の側面にもともと位置する配列(好ましくはタンパク質コード配列)(即ち、核酸の5’及び3’末端に位置する配列)を含まないことが好ましい。例えば、種々の実施形態において、単離核酸分子は、その核酸が由来する細胞のゲノムDNAにおける核酸の側面にもともと位置するヌクレオチド配列を約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、又は0.1kb未満含有し得る。細胞物質を実質的に含まないタンパク質は、約30%、20%、10%、5%又は1%(乾燥重量単位)未満の汚染タンパク質を有するタンパク質の調製物を含む。本発明のタンパク質又はその生物活性部分が組換えにより産生される際、培養基は約30%、20%、10%、5%又は1%(乾燥重量単位)未満の化学的前駆体又は非対象タンパク質の化学物質を示すことが好ましい。
【0036】
開示されるヌクレオチド配列の断片及び変異体も本発明に包含される。「断片」とは、ヌクレオチド配列の一部又はアミノ酸配列の一部、従って、これにコードされるタンパク質を意味する。ヌクレオチド配列の断片は、天然の成熟型AHASLタンパク質の生物活性、従って、除草剤耐性AHAS活性を保持するタンパク質断片をコードし得る。或いは、一般的に、ハイブリダイゼーションプローブとして有用なヌクレオチド配列の断片は、生物活性を保持する断片タンパク質をコードしない。従って、ヌクレオチド配列の断片は、少なくとも約20ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約100ヌクレオチドから本発明のタンパク質をコードする全長ヌクレオチドまでの配列に及び得る。
【0037】
本発明の野性型又は除草剤耐性AHASLタンパク質の生物活性部分をコードするAHASLヌクレオチド配列の断片は、少なくとも15、25、30、50、100、150、200、250、350、400、450、500、525、550又は575個の隣接アミノ酸或いは本発明の全長AHASLタンパク質に存在する総数のアミノ酸をコードする(例えば、各配列番号2、4、6、8、10及び12のそれぞれに対して596個のアミノ酸)。一般的に、ハイブリダイゼーションプローブ又はPCRプライマーとして有用なAHASLタンパク質のヌクレオチド配列の断片は、AHASLタンパク質の生物活性部分をコードする必要がない。
【0038】
従って、AHASLヌクレオチド配列の断片はAHASLタンパク質の生物活性部分をコードし得て、或いは以下に考察する方法を用いてハイブリダイゼーションプローブ又はPCRプライマーとして用いることができる断片となり得る。AHASLタンパク質の生物活性部分は、本発明のAHASLヌクレオチド配列の1配列の一部分を単離し、除草剤耐性AHASLタンパク質のコード化部分を発現させ(例えば、インビトロでの組換え発現)、野性型又は除草剤耐性AHASLタンパク質の当該部分の活性を評価することにより、調製することができる。野性型又は除草剤耐性AHASLヌクレオチド配列の断片である核酸分子は、少なくとも16、20、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,650、1,700又は1,750個のヌクレオチド或いは本明細書に開示する除草剤耐性全長AHASLヌクレオチド配列に存在する数までのヌクレオチドを含む(例えば、各配列番号1、3、5、7、9及び12のそれぞれに対して1788個のヌクレオチド)。
【0039】
「変異体」とは実質的に類似する配列を意味する。ヌクレオチド配列では、保存変異体は、遺伝コードの縮重のため、本発明の1つのAHASLポリペプチドのアミノ酸配列をコードする配列を含む。これらのような自然発生する対立変異体は、周知の分子生物学的手法、例えば、以下に概略するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法及びハイブリダイゼーション法を用いて同定することができる。変異ヌクレオチド配列は、例えば、部位特異的変異誘発を用いて生成されるが、それでも本発明のAHASLタンパク質をコードするような合成由来のヌクレオチド配列も含む。一般的に、本発明の特定のヌクレオチド配列の変異体は、デフォルトパラメータを用いて本明細書の別の箇所で述べる配列アライメントプログラムにより決定される特定のヌクレオチド配列に対し、少なくとも約70%、75%、一般的には少なくとも約80%、85%、好ましくは少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、より好ましくは少なくとも約98%、99%又はそれ以上の配列同一性を有する。
【0040】
本発明の特定のヌクレオチド配列(即ち、基準ヌクレオチド配列)の変異体は、変異ヌクレオチド配列にコードされるポリペプチドと基準ヌクレオチド配列にコードされるポリペプチドの配列同一性パーセントの比較によって評価することもできる。従って、例えば、配列番号2のポリペプチドに対する所与の配列同一性パーセントを有するポリペプチドをコードする単離核酸を開示する。任意の2つのポリペプチドの配列同一性パーセントは、デフォルトパラメータを用いて本明細書の別の箇所で述べる配列アライメントプログラムを用いて計算することができる。本発明の任意の所与のヌクレオチド配列対が、これらがコードする2つのポリペプチドに共有される配列同一性パーセントの比較によって評価される場合、この2つのコード化ポリペプチドの配列同一性パーセントは少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、一般的には少なくとも約75%、80%、85%、好ましくは少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、より好ましくは少なくとも約98%、99%又はそれ以上の配列同一性である。
【0041】
「変異体」タンパク質とは、天然タンパク質のN末端及び/又はC末端に対する1つ以上のアミノ酸の欠失(いわゆる切断)又は付加;天然タンパク質での1つ以上の部位における1つ以上のアミノ酸の欠失又は付加;或いは天然タンパク質での1つ以上の部位における1つ以上のアミノ酸の置換による天然タンパク質由来のタンパク質を意味する。本発明に包含される変異タンパク質は生物学的に活性であり、即ち天然タンパク質の所望の生物活性、即ち、本明細書で述べる野性型又は除草剤耐性AHAS活性を有し続ける。このような変異体は、例えば、遺伝的多型又は人工的な操作により生じ得る。本発明の除草剤耐性天然AHASLタンパク質の生物学的に活性な変異体は、デフォルトパラメータを用いて本明細書の別の箇所で述べる配列アライメントプログラムにより決定される天然タンパク質のアミノ酸配列に対し、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、一般的には少なくとも約75%、80%、85%、好ましくは少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、より好ましくは少なくとも約98%、99%又はそれ以上の配列同一性を有する。本発明のタンパク質の生物学的に活性な変異体は、わずか1〜15個のアミノ酸残基、わずか1〜10個のアミノ酸残基、例えば6〜10個、わずか5個、わずか4個、3個、2個、更には1個のアミノ酸残基だけ当該タンパク質と異なり得る。
【0042】
本発明のタンパク質はアミノ酸の置換、欠失、切断及び挿入を含む種々の方法にて改変され得る。このような操作の方法は当分野で一般的に既知である。例えば、除草剤耐性AHASLタンパク質のアミノ酸配列変異体はDNAにおける突然変異により調製することができる。突然変異誘発及びヌクレオチド配列改変の方法は当分野で周知である。例えば、Kunkel(1985)Proc.Natl.Acad.Sci USA 82:488−492;Kunkel et al.(1987)Methods in Enzymol.154:367−382;米国特許第4,873,192号;Walker and Gaastra,eds.(1983)Techniques in Molecular Biology(MacMillan Publishing Company,New York)及び当該文献に引用される参考文献を参照されたい。対象タンパク質の生物活性に影響しない適切なアミノ酸置換に関する指針は、Dayhoff et al.(1978)Atlas of Protein Sequence and Structure(Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,D.C.)のモデルに見出され得て、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。1つのアミノ酸を類似する特性を有する別のアミノ酸に置換するような保存的置換が好ましいといえる。
【0043】
本発明の除草剤抵抗性AHASLタンパク質は、配列番号8、10及び12に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を含むが、これらに限定されない。これらアミノ酸の各々は前述のS653(At)N置換に対応する(それぞれの野性型配列に対する)アミノ酸置換を含む。配列番号8、10及び12では、この置換はアミノ酸残基又は位置579にて生ずる。本発明の除草剤抵抗性コムギAHASLタンパク質は、配列番号8、10及び12に示されるアミノ酸配列の変異体及び断片を含み、また、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギン及び除草剤耐性AHAS活性も含むタンパク質も包含する。「等価な位置」とは、米国特許第5,767,366号に開示されたイミダゾリノン抵抗性シロイヌナズナAHASLタンパク質におけるアミノ酸位置又は残基653に相当するAHASLタンパク質における位置或いは本発明の配列番号2、4、6、8、10及び12におけるアミノ酸位置579を意味することを意図する。AHASLタンパク質のこのような等価な位置におけるセリン残基からアスパラギンへの置換により、除草剤耐性AHAS活性を含むAHASLタンパク質を生成できることが好ましい。加えて、本発明はこのような除草剤抵抗性コムギAHASLタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子を包含する。
【0044】
従って、本発明の遺伝子及びヌクレオチド配列は自然発生配列と変異型の双方を含む。同様に、本発明のタンパク質は自然発生タンパク質とその変種及び改変型の双方を包含する。このような変異体は所望の野性型又は除草剤耐性AHASL活性を有し続ける。明らかに、変異体をコードするDNA配列において生じる突然変異は、当該配列を読み枠外に置いてはならず、また、mRNA二次構造を生成し得る相補領域を生じないことが好ましい。欧州特許出願公開第75,444号を参照されたい。
【0045】
加えて、本発明の除草剤抵抗性AHASLタンパク質は、前述のS653(At)N置換及び/又は除草剤抵抗性をAHASLタンパク質に付与することが既知である、少なくとも1つの他の突然変異を含む除草剤抵抗性AHASLタンパク質を含むが、これに限定されない。WO03/013255、WO03/014356、WO03/014357及び米国仮特許出願第60/473,828号を参照されたい。これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。本発明の一実施形態において、本発明の除草剤抵抗性AHASLタンパク質は1、2、3以上のこのような変異を含むことができる。更に、本発明はこのような除草剤抵抗性AHASLタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子を包含する。
【0046】
従って、本発明の除草剤抵抗性AHASLタンパク質は、前述のS653(At)N置換を含むAHASLタンパク質に限定されない。詳細には、本発明は、配列番号2、4及び6に示されるアミノ酸配列を含むAHASLタンパク質の除草剤抵抗性変異体及び断片並びに配列番号1、3及び5に示されるヌクレオチド配列にコードされるタンパク質の除草剤抵抗性変異体及び断片を更に包含する。このようなAHASLタンパク質の除草剤抵抗性変異体及び断片は、例えば、本明細書で述べる本発明のAHASLタンパク質をコードするヌクレオチド配列を改変し、ヌクレオチド配列にコードされるAHASLタンパク質に除草剤抵抗性を付与することが既知である1つ以上の変異を含むようにすることにより、生成することができる。このような変異については前述している。本発明は、このような除草剤抵抗性変異体及び断片をコードするポリヌクレオチド分子を更に包含する。
【0047】
本明細書に包含されるタンパク質配列の欠失、挿入及び置換は、タンパク質の特性に大きな変化をもたらすとは考えられない。しかし、置換、欠失又は挿入の正確な作用を事前に予測することが困難な場合、この作用はルーチンのスクリーニングアッセイにより評価されることを当業者は理解するであろう。即ち、AHASL機能はイミダゾリノン系除草剤の存在下及び非存在下でのAHAS酵素活性アッセイにより評価することができる。例えば、Singh et al.((1988)Anal.Biochem.171:173−179)を参照されたい。同文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
変異ヌクレオチド配列及びタンパク質は、DNAシャッフリングのような変異誘発及び組換え誘導手法由来の配列及びタンパク質も包含する。このような手法を用いて、1つ以上の異なる除草剤耐性AHASLタンパク質配列を操作し、所望の特性を有する新規の除草剤耐性AHASLタンパク質を生成することができる。このようにして、実質的な配列同一性を有するとともにインビトロ又はインビボでの相同組換えが可能な配列領域を含む関連配列のポリヌクレオチドの集団から、組換えポリヌクレオチドのライブラリが生成される。例えば、この手法を用いて対象ドメインをコードする配列モチーフを本発明の除草剤耐性AHASL遺伝子と他の既知のAHASL遺伝子とでシャッフリングし、酵素の場合にはKmの上昇のような対象特性が向上したタンパク質をコードする新規遺伝子を得ることもできる。このようなDNAシャッフリングの方法は当分野で公知である。例えば、Stemmer(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:10747−10751;Stemmer(1994)Nature 370:389−391;Crameri et al.(1997)Nature Biotech.15:436−438;Moore et al.(1997)J.Mol.Biol.272:336−347;Zhang et al.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:4504−4509;Crameri et al.(1998)Nature 391:288−291;並びに米国特許第5,605,793号及び第5,837,458号を参照されたい。
【0049】
本発明のヌクレオチド配列を用いて、他の生命体、詳細には他の植物、より詳細には他の単子葉植物から対応する配列を単離することができる。このようにして、PCR、ハイブリダイゼーションなどの方法を用いて、本明細書に示す配列に対する配列相同性に基づき、このような配列を同定することができる。本明細書に示すAHASL配列全体又はその断片に対する配列同一性に基づき単離される配列は本発明に包含される。従って、除草剤耐性AHASLタンパク質をコードし、ストリンジェントな条件下で本明細書に開示するAHASL配列又はその断片とハイブリダイズする単離配列は、本発明に包含される。
【0050】
PCR法では、任意の対象植物から抽出されるcDNA又はゲノムDNA由来の対応するDNA配列を増幅するため、PCR反応において用いるようにオリゴヌクレオチドプライマーを設計することができる。PCRプライマー及びPCRクローニングを設計する方法は当分野で一般的に既知であり、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,New York)に開示されている。Innis et al.,eds.(1990)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Academic Press,New York);Innis and Gelfand,eds.(1995)PCR Strategies(Academic Press,New York);及びInnis and Gelfand,eds.(1999)PCR Methods Manual(Academic Press,New York)も参照されたい。既知のPCR法には、ペアプライマー、ネストプライマー、単一特異的プライマー、縮重プライマー、遺伝子特異的プライマー、ベクター特異的プライマー、部分的に整合しないプライマーなどを用いた方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
ハイブリダイゼーション法では、既知のヌクレオチド配列の全体又は一部が、選択された生命体からクローニングされたゲノムDNA断片又はcDNA断片の集団(即ち、ゲノム又はcDNAライブラリ)に存在する、他の対応するヌクレオチド配列と選択的にハイブリダイズするプローブとして用いられる。ハイブリダイゼーションプローブはゲノムDNA断片、cDNA断片、RNA断片又は他のオリゴヌクレオチドでよく、32Pのような検出可能基又は他の任意の検出可能なマーカーで標識され得る。従って、例えば、ハイブリダイゼーション用のプローブは、本発明の除草剤耐性AHASL配列に基づく合成オリゴヌクレオチドを標識することにより作製できる。ハイブリダイゼーション用のプローブの調製並びにcDNA及びゲノムライブラリの構築のための方法は、当分野で一般的に既知であり、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,New York)に開示されている。
【0052】
例えば、本明細書に開示するAHASLポリヌクレオチド全体又はその一部分若しくはそれ以上の部分を、対応するAHASLポリヌクレオチド及びメッセンジャーRNAと特異的にハイブリダイズすることが可能なプローブとして用い得る。種々の条件下で特異的ハイブリダイゼーションを達成するため、このようなプローブは、AHASLポリヌクレオチドの中で固有であって、好ましくは少なくとも約10ヌクレオチド長、最も好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド長である配列を含む。このようなプローブは、選択された植物由来の対応するAHASLポリヌクレオチドをPCRにより増幅するために用い得る。この手法は所望の植物から更なるコード配列を単離するため、或いは植物におけるコード配列の存在を判定する診断アッセイとして用い得る。ハイブリダイゼーション法は平板培養DNAライブラリ(プラーク又はコロニーのいずれか;例えば、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,New York)を参照されたい)のハイブリダイゼーションスクリーニングを含む。
【0053】
このような配列のハイブリダイゼーションはストリンジェントな条件下で実施し得る。「ストリンジェントな条件」又は「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、プローブが他の配列よりも検出可能に大きな程度にその標的配列とハイブリダイズする条件を意味する(例えば、バックグラウンドの少なくとも2倍)。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、様々な状況で異なってくる。ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄条件のストリンジェンシーを調節することにより、プローブに100%相補的な標的配列を同定することができる(相同プロービング)。或いは、ストリンジェンシー条件は、配列における多少のミスマッチを許容し、低度の類似性が検出されるように調節することができる(異種プロービング)。一般的に、プローブは約1000ヌクレオチド長未満、好ましくは500ヌクレオチド長未満である。
【0054】
通常、ストリンジェントな条件は、塩濃度が約1.5M未満のNaイオン、典型的には約0.01〜1.0M Naイオン濃度(又は他の塩)、pH7.0〜8.3であり、温度が短プローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)では少なくとも約30℃、長プローブ(例えば、50ヌクレオチド超)では少なくとも約60℃の条件である。ストリンジェントな条件はホルムアミドのような脱安定化剤を加えても実行され得る。典型的な低ストリンジェンシー条件は、30〜35%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)緩衝液による37℃でのハイブリダイゼーションと、1×〜2×SSC(20×SSC=3.0M NaCl/0.3Mクエン酸三ナトリウム)中、50〜55℃での洗浄を含む。典型的な中程度のストリンジェンシー条件は、40〜45%ホルムアミド、1.0M NaCl、1%SDS中、37℃でのハイブリダイゼーションと、0.5×〜1×SSC中、55〜60℃での洗浄を含む。典型的な高ストリンジェンシー条件は、50%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDS中、37℃でのハイブリダイゼーションと、0.1×SSC中、60〜65℃での洗浄を含む。任意に、洗浄緩衝液は約0.1%〜約1%SDSを含み得る。ハイブリダイゼーションの時間は概して24時間未満、通常、約4〜約12時間である。
【0055】
通常、特異度はハイブリダイゼーション後洗浄の関数であり、重要な要素はイオン強度と最終洗浄液の温度である。DNA−DNAハイブリッドでは、Tmは、Meinkoth and Wahl(1984)Anal.Biochem.138:267−284の等式から概算できる:Tm=81.5℃+16.6(log M)+0.41(%GC)−0.61(%form)−500/L;式中、Mは一価カチオンのモル濃度であり、%GCはDNA中のグアノシン及びシトシンヌクレオチドのパーセントであり、%formはハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドのパーセントであり、Lは塩基対におけるハイブリッド長である。Tmは50%の相補標的配列が完全に一致したプローブとハイブリダイズする際の温度(明確なイオン強度及びpH下における)である。Tmは1%ミスマッチごとに約1℃低下する。従って、Tm、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄条件は所望の同一性の配列とハイブリダイズするように調節できる。例えば、90%以上の同一性を有する配列を求める場合、Tmを10℃低下させることができる。一般的に、ストリンジェントな条件は、明確なイオン強度及びpHにて特定の配列とその相捕体に対する熱融解温度(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。しかし、非常にストリンジェントな条件では、熱融解温度(Tm)よりも1、2、3又は4℃低い温度でハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を行うことができる。中程度にストリンジェントな条件では、熱融解温度(Tm)よりも6、7、8、9又は10℃低い温度でハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を行うことができる。低ストリンジェンシー条件では、熱融解温度(Tm)よりも11、12、13、14、15又は20℃低い温度でハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を行うことができる。等式、ハイブリダイゼーション及び洗浄成分構成並びに所望のTmを用いて、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄溶液のストリンジェンシーの変動が本質的に説明されていることを当業者は理解するであろう。所望のミスマッチ度により45℃(水溶液)又は32℃(ホルムアミド溶液)未満のTmとなる場合、より高い温度を用いることができるようにSSC濃度を高めることが好ましい。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な指針は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular BiologyHybridization with Nucleic Acid Probes,Part I,Chapter 2(Elsevier,New York);及びAusubel et al,eds.(1995)Current Protocols in Molecular Biology,Chapter 2(Greene Publishing and Wiley−Interscience,New York)に見出される。Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,New York)を参照されたい。
【0056】
2つ以上の核酸又はポリヌクレオチド間の配列関係を説明するために次の用語が用いられる:(a)「基準配列」、(b)「比較ウインドウ」、(c)「配列同一性」、(d)「配列同一性パーセント」及び(e)「実質的同一性」。
【0057】
(a)本明細書で用いられるように、「基準配列」は配列比較の基準として用いられる明確な配列である。基準配列は、例えば、全長cDNA若しくは遺伝子配列のセグメント又は完全cDNA若しくは遺伝子配列として、特定の配列のサブセット又は全体となり得る。
【0058】
(b)本明細書で用いられるように、「比較ウインドウ」は、ポリヌクレオチド配列の隣接する特定のセグメントを指し、2配列の最適アライメントに対し、比較ウインドウにおけるポリヌクレオチド配列は基準配列(これは付加又は欠失を含まない)に比し、付加又は欠失(例えば、ギャップ)を含み得る。一般的に、比較ウインドウは少なくとも20隣接ヌクレオチド長であり、任意で30、40、50、100以上の長さとすることができる。ポリヌクレオチド配列にギャップを含むことに起因する基準配列への高類似性を避けるため、通常、ギャップペナルティが導入され、マッチ数から減じられることを当業者は理解するであろう。本発明では本明細書で特に述べない場合、本発明のヌクレオチド又はアミノ酸配列の別の配列に対する比較では、比較ウインドウは本発明の全長配列長である。
【0059】
比較のための配列アライメントの方法は当分野で公知である。従って、任意の2配列の配列同一性パーセントを求めるには、数学的アルゴリズムを用いて実行することができる。このような数学的アルゴリズムの非限定例は、Myers and Miller(1988)CABIOS 4:11− 17の数学的アルゴリズム;Smith et al.(1981)Adv.Appl.Math.2:482の局所アライメントアルゴリズム;Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443− 453の大域アライメントアルゴリズム;Pearson and Lipman(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:2444−2448の局所探索アライメント法;Karlin and Altschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 872264のアルゴリズムであってKarlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877のように改変されているアルゴリズムである。
【0060】
これらの数学的アルゴリズムのコンピュータ処理は、配列同一性を判定するため配列の比較に用いることができる。このような処理系には、PC/遺伝子プログラムにおけるCLUSTAL(カリフォルニア州マウンテンビュー、Intelligenetics社から市販);GCG Wisconsin GeneticsソフトウェアパッケージにおけるALIGNプログラム(バージョン2.0)並びにGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA及びTFASTA、バージョン10(米国カリフォルニア州サンディエゴScranton Road,9685、Accelrys Inc.,から市販)が含まれるが、これらに限定されない。これらのプログラムを用いたアライメントはデフォルトパラメータを用いて実行することができる。CLUSTALプログラムについては、Higgins et al.(1988)Gene 73:237−244(1988);Higgins et al.(1989)CABIOS 5:151−153;Corpet et al.(1988)Nucleic Acids Res.16:10881−90;Huang et al.(1992)CABIOS 8:155−65;及びPearson et al.(1994)Meth.Mol.Biol.24:307−331に十分に説明されている。ALIGNプログラムは前述のMyers and Miller(1988)のアルゴリズムに基づいている。アミノ酸配列を比較する場合、ALIGNプログラムではPAM120重量残基表、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を用いることができる。Altschul et al(1990)J.Mol.Biol.215:403のBLASTプログラムは前述のKarlin and Altschul(1990)のアルゴリズムに基づいている。本発明のタンパク質をコードするヌクレオチド配列と相同的なヌクレオチド配列を得るため、BLASTNプログラム、スコア=100、ワード長=12により、BLASTヌクレオチド検索を実行することができる。本発明のタンパク質又はポリペプチドと相同的なアミノ酸配列を得るため、BLASTXプログラム、スコア=50、ワード長=3により、BLASTタンパク質検索を実行することができる。比較目的のためにギャップアライメントを得るには、Altschul et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3389に記載されているように(BLAST 2.0における)Gapped BLASTを用いることができる。或いは、分子間の距離関係を検出する繰り返し検索を実行するため、(BLAST 2.0における)PSI−BLASTを用いることができる。前述のAltschul et al.(1997)を参照されたい。BLAST、Gapped BLAST、PSI−BLASTを用いる際、それぞれのプログラム(例えば、ヌクレオチド配列にはBLASTN、タンパク質にはBLASTX)のデフォルトパラメータを用いることができる。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。アライメントは手動による検査によっても実施され得る。
【0061】
特に述べない場合、本明細書で提供される配列同一性/類似性の値は、デフォルトパラメータを用い、Vector NTIバージョン7.1(米国メリーランド州フレデリック、Informax,Inc.,)を用いて他の配列に対する本発明の全長配列のアライメントに対して得られる値を指す。Vector NTIバージョン7.1ではClustal Wアルゴリズムを用いて多重配列アライメントを生成する。「等価なプログラム」とは、Vector NTIバージョン7.1により生成される、対応するアライメントと比較した際、対象となる任意の2配列に対し、同一のヌクレオチド又はアミノ酸残基マッチと、同一の配列同一性パーセントを有するアライメントを生成する任意の配列比較プログラムを意味する。
【0062】
(c)本明細書で用いるように、2つの核酸又はポリペプチド配列の場合における「配列同一性」又は「同一性」は、特定の比較ウインドウ上で最大限に対応するようにアライメントされた際に同一である2配列における残基を指す。タンパク質に関して配列同一性パーセントが用いられる場合、同一でない残基位置が保存的アミノ酸置換により異なることが多く、この場合、アミノ酸残基は類似する化学特性(例えば、疎水性、電荷)を有する他のアミノ酸残基に代わって置換され、従って、分子の機能特性を変化させないということが認識される。配列が保存的置換において異なる場合、配列同一性パーセントは置換の保存的性質を補正するため上方に調節され得る。このような保存的置換により異なる配列は、「配列類似性」又は「類似性」を有すると言われる。この調節を行う手段は当業者には周知である。通常、この手段は保存的置換を全長ミスマッチではなく部分的ミスマッチとしてスコアリングし、これにより配列同一性パーセントを高くすることを含む。従って、例えば、同一アミノ酸がスコア1を付与され、非保存的置換がスコア0を付与される場合、保存的置換は0と1の間のスコアを付与される。保存的置換のスコアリングは、例えば、PC/GENEプログラム(カリフォルニア州マウンテンビュー、Intelligenetics社)において実行されるように計算される。
【0063】
(d)本明細書で用いるように、「配列同一性パーセント」とは、比較ウインドウ上で最適にアライメントされた2配列を比較することにより求められる値のことであり、2配列の最適アライメントに対し、比較ウインドウにおけるポリヌクレオチド配列の一部は基準配列(これは付加又は欠失を含まない)に比し、付加又は欠失(即ち、ギャップ)を含み得る。両方の配列における同一の核酸塩基又はアミノ酸残基が生じる位置の数を求めてマッチした位置の数を算出し、マッチした位置の数を比較ウインドウにおける位置の総数で除算し、この計算結果を100で乗算して配列同一性パーセントを算出することにより、パーセントが計算される。
【0064】
(e)(i)ポリヌクレオチド配列の「実質的同一性」という用語は、標準的なパラメータを用い、前述のアライメントプログラムの1つを用いて、ポリヌクレオチドが基準配列に比し、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。コドン縮重、アミノ酸類似性、読み枠の配置などを考慮することによってこれらの値を適切に調節し、2ヌクレオチド配列にコードされるタンパク質の対応する同一性を求めることができるということを当業者は認識するであろう。通常、これらを目的とするアミノ酸配列の実質的同一性とは、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、80%、90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を意味する。
【0065】
ヌクレオチド配列が実質的に同一であるという別の指標は、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズするかということである。一般的に、ストリンジェントな条件は、明確なイオン強度及びpHにて特定の配列に対する熱融解温度(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。しかし、ストリンジェントな条件は、本明細書で別途認めるように所望のストリンジェンシーに依存し、Tmよりも約1℃〜約20℃低い範囲の温度を包含する。ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それがコードするポリペプチドが実質的に同一である場合、それでも実質的に同一である。これは、遺伝コードにより許容される最大のコドン縮重を用いて核酸のコピーが生成される場合に生じ得る。2つの核酸配列が実質的に同一であるという1つの指標は、第一の核酸にコードされるポリペプチドが第二の核酸にコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応する場合である。
【0066】
(e)(ii)ペプチドの場合の「実質的同一性」という用語は、ペプチドが特定の比較ウインドウ上で基準配列に対し、基準配列に対する少なくとも70%の配列同一性、好ましくは80%、より好ましくは85%、最も好ましくは少なくとも90%又は95%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443−453の相同アライメントアルゴリズムを用いて最適アライメントを行うことが好ましい。2つのペプチド配列が実質的に同一であるという指標は、1つのペプチドが第二のペプチドに対する抗体と免疫学的に反応することである。従って、例えば、2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合、1つのペプチドは他方のペプチドと実質的に同一である。「実質的に類似」するペプチドは前述の配列を共有するが、但し、同一でない残基位置が保存的アミノ酸置換により異なり得る。
【0067】
本発明のAHASLポリヌクレオチドは対象植物における発現のための発現カセットに提供される。当該カセットは本発明のAHASL配列に機能的に結合した5’及び3’調節配列を含む。プロモーターに対して「機能的に結合」とは、プロモーターともう1つの配列の機能的結合を意味し、プロモーター配列は第二の配列に対応するDNA配列の転写を開始し、媒介する。一般的に、「機能的に結合」とは、結合される核酸配列が隣接し、必要な場合、2つのタンパク質コード領域を結合して隣接させ、同じ読み枠内にすることである。カセットは生命体に同時形質転換される、少なくとも1つの付加遺伝子を更に含有し得る。或いは、付加遺伝子は複数の発現カセットに提供することができる。
【0068】
このような発現カセットは、AHASLポリヌクレオチドの挿入が調節領域の転写調節下におかれるように複数の制限部位を備える。発現カセットは選択可能なマーカー遺伝子を更に含有し得る。
【0069】
本発明のポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号1、3、5、7、9及び11に示されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子を含む。このようなヌクレオチド配列は開始コドンを含まないと認識される。宿主細胞又は植物における発現を所望する場合、ATGのような開始コドンを本発明のヌクレオチド配列に機能的に結合することができる。或いは、葉緑体発現を所望する場合、このような開始コドンを含む葉緑体標的配列を本発明のヌクレオチド配列に機能的に結合することができる。
【0070】
発現カセットは転写の5’−3’方向に、植物において機能的な転写及び翻訳開始領域(即ち、プロモーター)、本発明のAHASLヌクレオチド配列及び転写及び翻訳終止領域(即ち、終止領域)を含む。プロモーターは植物宿主及び/又は本発明のAHASLポリヌクレオチド配列に対し、天然若しくは類似性又は外来性若しくは異種となり得る。加えて、プロモーターは天然配列或いは合成配列となり得る。プロモーターが植物宿主に対して「外来性」又は「異種」である場合、プロモーターが導入される天然植物にプロモーターが見出されないということを意味する。プロモーターが本発明のAHASLポリヌクレオチド配列に対して「外来性」又は「異種」である場合、プロモーターが、機能的に結合した本発明のAHASLポリヌクレオチド配列に対し、天然又は自然発生プロモーターではないということを意味する。本明細書で用いるように、キメラ遺伝子は、コード配列に対して異種である転写開始領域に機能的に結合したコード配列を含む。
【0071】
異種プロモーターを用いて配列を発現させることが好ましいこともあるが、天然プロモーター配列を用い得る。このような構築体は本発明の又は植物若しくは植物細胞におけるAHASLタンパク質の発現レベルを変化させ、或いは植物又は植物細胞に除草剤耐性表現型を付与すると思われる。従って、植物又は植物細胞の表現型が改変される。
【0072】
終止領域は転写開始領域に対して天然であり得て、機能的に結合した対象AHASLポリヌクレオチド配列に対して天然であり得て、植物宿主に対して天然であり得て、或いは別のソース(即ち、プロモーター、対象AHASLポリヌクレオチド、植物宿主又はその任意の組合せ)由来であり得る。便宜な終止領域はA.tumefaciensのTiプラスミドから得ることができ、例えば、オクトピン合成酵素及びノパリン合成酵素終止領域である。Guerineau et al.(1991)Mol.Gen.Genet.262:141−144;Proudfoot(1991)Cell 64:671−674;Sanfacon et al.(1991)Genes Dev.5:141−149;Mogen et al.(1990)Plant Cell 2:1261−1272;Munroe et al.(1990)Gene 91:151−158;Ballas et al.(1989)Nucleic Acids Res.17:7891−7903;及びJoshi et al.(1987)Nucleic Acid Res.15:9627−9639も参照されたい。
【0073】
適切な場合、遺伝子は形質転換植物での発現増大のために最適化し得る。即ち、発現向上のため、植物に好ましいコドンを用いて遺伝子を合成することができる。例えば、宿主に好ましいコドンの使用法の考察について、Campbell and Gowri(1990)Plant Physiol.92:1−11を参照されたい。植物に好ましい遺伝子を合成する方法は当分野で得られる。例えば、米国特許第5,380,831号及び第5,436,391号並びにMurray et al.(1989)Nucleic Acids Res.17:477−498を参照されたい。当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
細胞宿主における遺伝子発現を亢進する更なる配列改変が既知である。これには、スプリアスポリアデニリル化シグナル、エキソン−イントロンスプライス部位シグナル、トランスポゾン様反復をコードする配列や発現に有害となり得る他の十分に特徴づけられた配列の除去が含まれる。配列のG−C含量は、宿主細胞に発現される既知の遺伝子を参照して計算し、所与の宿主細胞の平均レベルに調節され得る。可能な場合、予測されるmRNAヘアピン二次構造を避けるため、配列を改変する。
【0075】
発現カセットは発現カセット構築体に5’リーダー配列を更に含有し得る。このようなリーダー配列は翻訳を亢進するように作用することができる。翻訳リーダーは当分野で公知であり、ピコルナウイルスリーダー、例えば、EMCVリーダー(脳心筋炎ウイルスの5’非コード領域)(Elroy−Stein et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6126−6130);ポチウイルスリーダー、例えば、TEVリーダー(タバコエッチウイルス)(Gallie et al.(1995)Gene 165(2):233−238)、MDMVリーダー(トウモロコシ萎縮モザイクウイルス)(Virology 154:9−20)及びヒト免疫グロブリン重鎖結合タンパク質(BiP)(Macejak et al.(1991)Nature 353:90−94);アルファルファモザイクウイルスの外殻タンパク質mRNA(AMV RNA 4)由来の非翻訳リーダー(Jobling et al.(1987)Nature 325:622−625);タバコモザイクウイルスリーダー(TMV)(Gallie et al.(1989)in Molecular Biology of RNA,ed.Cech(Liss,New York),pp.237−256);並びにトウモロコシクロロティックモットルウイルスリーダー(MCMV)(Lommel et al(1991)Virology 81:382−385)を含む。Della−Cioppa et al(1987)Plant Physiol.84:965−968も参照されたい。翻訳を亢進することが既知である他の方法、例えば、イントロンなども用いることができる。
【0076】
発現カセットを調製するにあたり、DNA配列を適正な配位に、また、必要に応じて適正な読み枠に提供するため、様々なDNA断片を操作し得る。これを目的として、アダプター又はリンカーを用いてDNA断片を結合し、或いは便宜な制限部位、余分なDNAの除去、制限部位の除去などを提供するため、他の操作が伴い得る。これを目的として、インビトロでの変異誘発、プライマーの修復、制限、アニーリング、再置換、例えば、転位及び転換が伴い得る。
【0077】
本発明の実施にあたり多くのプロモーターを用いることができる。プロモーターは所望の成果に基づいて選択することができる。植物での発現のため、核酸を構成型、組織優先型又は他のプロモーターと結合することができる。
【0078】
このような構成型プロモーターには、例えば、コアCaMV 35Sプロモーター(Odell et al.(1985)Nature 313:810−812);イネアクチン(McElroy et al.(1990)Plant Cell 2:163−171);ユビキチン(Christensen et al.(1989)Plant Mol.Biol.12:619− 632及びChristensen et al.(1992)Plant Mol.Biol.18:675−689);pEMU(Last et al.(1991)Theor.Appl.Genet.81:581−588);MAS(Velten et al.(1984)EMBO J.3:2723−2730);ALSプロモーター(米国特許第5,659,026号)などが含まれる。他の構成型プロモーターには、例えば、米国特許第5,608,149号;第5,608,144号;第5,604,121号;第5,569,597号;第5,466,785号;第5,399,680号;第5,268,463号;及び第5,608,142号が含まれる。
【0079】
外因性化学調節剤の適用を通じ、化学調節プロモーターを用いて植物における発現を調節することができる。目的に応じ、プロモーターは化学物質の適用が遺伝子発現を誘発する場合には化学物質誘導性プロモーター、化学物質の適用が遺伝子発現を抑制する場合には化学物質抑制プロモーターとし得る。化学物質誘導性プロモーターは当分野で公知であり、ベンゼンスルホンアミド除草剤解毒剤により活性化されるトウモロコシIn2−2プロモーター、出芽前除草剤として使用される疎水性求電子性化合物により活性化されるトウモロコシGSTプロモーター及びサリチル酸により活性化されるタバコPR−1aプロモーターを含むが、これらに限定されない。他の対象化学調節プロモーターには、ステロイド反応性プロモーター(例えば、Schena et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10421−10425及びMcNellis et al.(1998)Plant J.14(2):247−257におけるグルココルチコイド誘導性プロモーターを参照されたい)並びにテトラサイクリン誘導性及びテトラサイクリン抑制プロモーター(例えば、Gatz et al.(1991)Mol.Gen.Genet.227:229− 237並びに米国特許第5,814,618号及び第5,789,156号を参照されたい)が含まれ、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0080】
組織優先プロモーターを用いて特定の植物組織内のAHASL発現の亢進を目標とすることができる。組織優先プロモーターは、Yamamoto et al.(1997)Plant J.12(2):255−265;Kawamata et al.(1997)Plant Cell Physiol.38(7):792−803;Hansen et al.(1997)Mol.Gen Genet.254(3):337−343;Russell et al.(1997)Transgenic Res.6(2):157−168;Rinehart et al.(1996)Plant Physiol.112(3):1331−1341;Van Camp et al.(1996)Plant Physiol.112(2):525−535;Canevascini et al.(1996)Plant Physiol.112(2):513−524;Yamamoto et al.(1994)Plant Cell Physiol.35(5):773−778;Lam(1994)Results Probl.Cell Differ.20:181− 196;Orozco et al.(1993)Plant Mol Biol.23(6):1129−1138;Matsuoka et al.(1993)Proc Natl.Acad.Sci.USA 90(20):9586−9590;及びGuevara−Garcia et al.(1993)Plant J.4(3):495−505を含む。
【0081】
一実施形態において、本発明のポリヌクレオチド分子は発現に対して葉緑体を標的とする。このようにして、対象ポリヌクレオチド分子が葉緑体に直接挿入されない場合、発現カセットは対象遺伝子産物を葉緑体に誘導するように、輸送ペプチドをコードする、機能的に結合した核酸配列を更に含有する。このような輸送ペプチドは当分野で公知である。葉緑体標的配列に関し、「機能的に結合」とは、輸送ペプチドをコードする核酸配列(即ち、葉緑体標的配列)が本発明のAHASLポリヌクレオチドに結合し、そのため2配列が隣接し、同じ読み枠にあるということである。例えば、Von Heijne et al.(1991)Plant Mol.Biol.Rep.9:104−126;Clark et al.(1989)J.Biol.Chem.264:17544−17550;Della−Cioppa et al.(1987)Plant Physiol.84:965−968;Romer et al.(1993)Biochem.Biophys.Res.Commun.196:1414−1421;及びShah et al.(1986)Science 233:478−481を参照されたい。
【0082】
葉緑体標的配列は当分野で公知であり、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ(ルビスコ)の葉緑体小サブユニット(de Castro Silva Filho et al.(1996)Plant Mol.Biol.30:769−780;Schnell et al.(1991)J.Biol.Chem.266(5):3335−3342);5−(エノールピルビル)シキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)(Archer et al.(1990)J.Bioenerg.Biomemb.22(6):789−810);トリプトファンシンターゼ(Zhao et al.(1995)J.Biol.Chem.270(11):6081−6087);プラストシアニン(Lawrence et al.(1997)J.Biol.Chem.272(33):20357−20363);コリスミ酸シンターゼ(Schmidt et al.(1993)J.Biol.Chem.268(36):27447−27457);及び集光性クロロフィルa/b結合タンパク質(LHBP)(Lamppa et al.(1988)J.Biol.Chem.263:14996−14999)を含む。Von Heijne et al.(1991)Plant Mol.Biol.Rep.9:104− 126;Clark et al.(1989)J.Biol.Chem.264:17544−17550;Della−Cioppa et al.(1987)Plant Physiol.84:965−968;Romer et al.(1993)Biochem.Biophys.Res.Commun.196:1414−1421;及びShah et al.(1986)Science 233:478−481も参照されたい。或いは、コムギAHASL遺伝子に対する葉緑体標的配列を単離し、本発明のAHASLヌクレオチド分子に機能的に結合することができる。
【0083】
本発明のポリヌクレオチド分子は植物の葉緑体ゲノムを形質転換するのに用いることができる。葉緑体の形質転換法は当分野で公知である。例えば、Svab et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:8526−8530;Svab and Maliga(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:913−917;Svab and Maliga(1993)EMBO J.12:601−606を参照されたい。本方法は選択可能なマーカーを含有するDNAのパーティクルガン送達と、相同組換えを通じた色素体ゲノムへのDNAの標的化に依存する。加えて、色素体の形質転換は、核コード化及び色素体標的化RNAポリメラーゼの組織優先発現による、色素体媒介性沈黙導入遺伝子の転写活性化によって可能となる。このようなシステムはMcBride et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:7301−7305に報告されている。
【0084】
葉緑体を標的とする対象AHASLポリヌクレオチドは、植物核とこの細胞小器官のコドン使用法の差異を考慮に入れるように、葉緑体における発現を最適化され得る。このようにして、対象ポリヌクレオチドは葉緑体優先コドンを用いて合成され得る。例えば、米国特許第5,380,831号を参照されたい。当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
形質転換プロトコル及びヌクレオチド配列の植物への導入プロトコルは、形質転換の標的となる植物又は植物細胞の種類、即ち、単子葉植物又は双子葉植物に応じて異なり得る。ヌクレオチド配列を植物細胞に、続いて植物ゲノムに導入する好適な方法は、マイクロインジェクション(Crossway et al.(1986)Biotechniques 4:320−334)、エレクトロポレーション(Riggs et al.(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:5602−5606、Agrobacterium媒介形質転換(Townsend et al.,米国特許第5,563,055号;Zhao et al.,米国特許第5,981,840号)、遺伝子直接導入(Paszkowski et al.(1984)EMBO J.3:2717−2722)及びバリスティック粒子加速(例えば、Sanford et al.,米国特許第4,945,050号;Tomes et al.,米国特許第5,879,918号;Tomes et al.,米国特許第5,886,244号;Bidney et al.,米国特許第5,932,782号;Tomes et al.(1995)「Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment,」 in Plant Cell,Tissue,and Organ Culture:Fundamental Methods,ed.Gamborg and Phillips(Springer− Verlag,Berlin);McCabe et al.(1988)Biotechnology 6:923−926);及びLec1形質転換(WO 00/28058)を参照されたい)を含む。また、Weissinger et al.(1988)Ann.Rev.Genet.22:421−477;Sanford et al.(1987)Particulate Science and Technology 5:27−37(タマネギ);Christou et al.(1988)Plant Physiol.87:671−674(ダイズ);McCabe et al.(1988)Bio/Technology 6:923−926(ダイズ);Finer and McMullen(1991)In Vitro Cell Dev.Biol.27P:175−182(ダイズ);Singh et al.(1998)Theor.Appl.Genet.96:319−324(ダイズ);Datta et al.(1990)Biotechnology 8:736−740(イネ);Klein et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:4305−4309(トウモロコシ);Klein et al.(1988)Biotechnology 6:559−563(トウモロコシ);Tomes、米国特許第5,240,855号;Buising et al.,米国特許第5,322,783号及び第5,324,646号;Tomes et al.(1995)「Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment,」 in Plant Cell,Tissue,and Organ Culture:Fundamental Methods,ed.Gamborg(Springer−Verlag,Berlin)(トウモロコシ);Klein et al.(1988)Plant Physiol.91:440−444(トウモロコシ);Fromm et al.(1990)Biotechnology 8:833−839(トウモロコシ);Hooykaas−Van Slogteren et al.(1984)Nature(London)311:763−764;Bowen et al.,米国特許第5,736,369号(穀物);Bytebier et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:5345−5349(ユリ科);De Wet et al.(1985)in The Experimental Manipulation of Ovule Tissues,ed.Chapman et al.(Longman,New York),pp.197−209(花粉);Kaeppler et al.(1990)Plant Cell Reports 9:415−418及びKaeppler et al.(1992)Theor.Appl.Genet.84:560−566(ウィスカー媒介形質転換);D’Ηalluin et al.(1992)Plant Cell 4:1495−1505(エレクトロポレーション);Li et al.(1993)Plant Cell Reports 12:250−255及びChristou and Ford(1995)Annals of Botany 75:407−413(イネ);Osjoda et al.(1996)Nature Biotechnology 14:745−750(Agrobacterium tumefaciens媒介トウモロコシ)も参照されたい。当該文献は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
形質転換された細胞は従来の方法に従って植物に生育され得る。例えば、McCormick et al.(1986)Plant Cell Reports 5:81−84を参照されたい。次に、これらの植物は生育され、同じ形質転換株又は異なる株と受粉され、その結果生じるハイブリッドは同定された所望の表現型特性の構成的発現を有する。所望の表現型特性の発現が安定的に維持され、遺伝されるように2世代以上を生育し、次に、所望の表現型特性の発現が達成されたことを確認するため、種子を採取し得る。このようにして、本発明は、本発明のヌクレオチド構築体、例えば、そのゲノムに安定的に組み込まれた本発明の発現カセットを有する形質転換種子(「トランスジェニック種子」とも称される)を提供する。
【0087】
これらのヌクレオチド配列に関し、AHASLポリヌクレオチド分子のメッセンジャーRNA(mRNA)の少なくとも一部分に相補的なアンチセンス構築体を構築できることが認識される。アンチセンスヌクレオチドは対応するmRNAとハイブリダイズするように構築される。アンチセンス配列の改変は、配列が対応するmRNAとハイブリダイズし、その発現に干渉する限り、行い得る。このようにして、対応するアンチセンス化された配列に対し、70%、好ましくは80%、より好ましくは85%の配列同一性を有するアンチセンス構築体を用い得る。更に、アンチセンスヌクレオチドの一部を用いて標的遺伝子の発現を阻害し得る。一般的に、少なくとも50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチド又はそれ以上のヌクレオチドの配列を用い得る。
【0088】
本発明のヌクレオチド配列は植物における内在遺伝子の発現を抑制するため、センス配位においても用い得る。センス配位におけるヌクレオチド配列を用いて植物における遺伝子発現を抑制する方法は、当分野で公知である。一般的に、本方法は、内在遺伝子の転写物に対応するヌクレオチド配列の少なくとも一部分に機能的に結合した、植物における発現を促進するプロモーターを含むDNA構築体により植物を形質転換することを含む。通常、このようなヌクレオチド配列は内在遺伝子の転写物の配列に対する実質的な配列同一性を有し、好ましくは約65%以上の配列同一性、より好ましくは約85%以上の配列同一性、最も好ましくは約95%以上の配列同一性を有する。米国特許第5,283,184号及び第5,034,323号を参照されたい。当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
本発明のAHASLポリヌクレオチドは、ピリミジルオキシ安息香酸系、ピリミジルチオ安息香酸系及びイミダゾリノン系除草剤に対する植物、植物細胞又は他の宿主細胞の耐性を亢進する方法に用いることができる。本発明のAHASLポリヌクレオチドは、植物、植物細胞及び宿主細胞をイミダゾリノン系除草剤に曝露させることを含む、形質転換された植物、植物細胞や他の宿主細胞を選択する方法に用いることもできる。本発明では、イミダゾリノン系除草剤には、PURSUIT(登録商標)(イマゼタピル)、CADRE(登録商標)(イマザピック)、RAPTOR(登録商標)(イマザモックス)、SCEPTER(登録商標)(イマザキン)、ASSERT(登録商標)(イマゼサベンツ)、ARSENAL(登録商標)(イマザピル)、前述の任意の除草剤の誘導体又は前述の除草剤の2つ以上の混合物、例えば、イマザピル/イマザモックス(ODYSSEY(登録商標))が含まれるが、これらに限定されない。より具体的には、イミダゾリノン系除草剤は、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、[2−(4−イソプロピル)−4−][メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−3−キノリンカルボン]酸、[5−エチル−2−(4−イソプロピル−)4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル]−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−(メトキシメチル)−ニコチン酸、[2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−)イミダゾリン−2−イル)−5−メチルニコチン酸並びにメチル[6−(4−イソプロピル−4−]メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−m−トルアートとメチル[2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−]オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−p−トルアートの混合物から選択することができるが、これらに限定されない。5−エチル−2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸と[2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−]イル)−5−(メトキシメチル)−ニコチン酸が好ましい。[2−(4−イソプロピル−4−]メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−(メトキシメチル)−ニコチン酸が特に好ましい。本発明ではピリミジルチオ安息香酸系除草剤はSTAPLE(登録商標)(ピリチオバックナトリウム塩)を含むが、これに限定されない。
【0090】
本発明の方法は、形質転換植物、形質転換植物細胞及び形質転換宿主細胞を除草剤、詳細にはピリミジルオキシ安息香酸系、ピリミジルチオ安息香酸系又はイミダゾリノン系除草剤、より詳細にはイミダゾリノン系除草剤に曝露させることを含む。除草剤の好ましい量又は濃度は「有効量」又は「有効濃度」である。「有効量」及び「有効濃度」とは、類似する非形質転換植物、植物細胞又は宿主細胞を死滅させ、或いはその生育を阻害するのに十分な量と濃度であるが、前記量では形質転換植物、形質転換植物細胞及び形質転換宿主細胞をそれほどには死滅させず、或いはその生育を阻害しない量と濃度をそれぞれ意味する。「類似する非形質転換植物、植物細胞又は宿主細胞」とは、本発明の形質転換植物、形質転換植物細胞又は形質転換宿主細胞を作製するのに用いられた本発明の特定のポリヌクレオチドを欠く、植物、植物、植物組織、植物細胞又は宿主細胞をそれぞれ意味する。従って、「非形質転換」という用語の使用は、植物、植物細胞又は他の宿主細胞がそのゲノムに組換えDNAを欠損しているということを意味するものではない。
【0091】
本発明は、単子葉植物及び双子葉植物を含むがこれに限定されない任意の植物種の形質転換に用い得る。対象植物種の例には、コムギ(Triticum aestivum,Triticum turgidum ssp.durum)、トウモロコシ(Zea mays)、アブラナ種(例えば、B.napus,B.rapa,B.juncea)、特に種子油源として有用なアブラナ種、アルファルファ(Medicago sativa)、イネ(Oryza sativa)、ライムギ(Secale cereale)、モロコシ(Sorghum bicolor,Sorghum vulgare)、ミレット(例えば、パールミレット(Pennisetum glaucum)、キビ(Panicum miliaceum)、アワ(Setaria italica)、シコクビエ(Eleusine coracana))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、ダイズ(Glycine max)、タバコ(Nicotiana tabacum)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、ワタ(Gossypium barbadense,Gossypium hirsutum)、サツマイモ(Ipomoea batatus)、キャッサバ(Manihot esculenta)、コーヒー(Coffea spp.)、ココナツ(Cocos nucifera)、パイナップル(Ananas comosus)、カンキツ樹(Citrus spp.)、カカオ(Theobroma cacao)、茶(Camellia sinensis)、バナナ(Musa spp.)、アボカド(Persea americana)、イチジク(Ficus casica)、グアバ(Psidium guajava)、マンゴー(Mangifera indica)、オリーブ(Olea europaea)、パパイア(Carica papaya)、カシュー(Anacardium occidentale)、マカダミア(Macadamia integrifolia)、アーモンド(Prunus amygdalus)、サトウダイコン(Beta vulgaris)、サトウキビ(Saccharum spp.)、オートムギ、オオムギ、野菜類、鑑賞植物及び球果植物が含まれるが、これらに限定されない。
【0092】
野菜類は、トマト(Lycopersicon esculentum)、レタス(例えば、Lactuca sativa)、グリーンビーンズ(Phaseolus vulgaris)、リママメ(Phaseolus limensis)、エンドウ(Lathyrus spp.)並びにキュウリ(C.sativus)、カンタロープ(C.cantalupensis)及びマスクメロン(C.melo)のようなCucumis属を含む。鑑賞植物は、アザレア(Rhododendron spp.)、アジサイ(Macrophylla hydrangea)、ハイビスカス(Hibiscus rosasanensis)、バラ(Rosa spp.)、チューリップ(Tulipa spp.)、スイセン(Narcissus spp.)、ペチュニア(Petunia hybrida)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ポインセチア(Euphorbia pulcherrima)及びキクを含む。
【0093】
本発明を実施するにあたり用いられ得る球果植物は、例えば、テーダマツ(Pinus taeda)、スラッシュパイン(Pinus elliotii)、ポンデローサマツ(Pinus ponderosa)、ロッジポールパイン(Pinus contorta)及びモンテレーマツ(Pinus radiata)のようなマツ;ダグラスファー(Pseudotsuga menziesii);アメリカツガ(Tsuga canadensis);ベイトウヒ(Picea glauca);アメリカスギ(Sequoia sempervirens);ヨーロッパモミ(Abies amabilis)及びバルサムモミ(Abies balsamea)のような真性モミ;並びにウェスタンレッドシダー(Thuja plicata)及びアラスカイエローシダー(Chamaecyparis nootkatensis)のようなスギを含む。本発明の植物は、好ましくは栽培植物(例えば、コムギ、トウモロコシ、アルファルファ、ヒマワリ、アブラナ属、ダイズ、ワタ、ベニバナ、ラッカセイ、モロコシ、ミレット、タバコなど)であり、より好ましくは穀物植物(例えば、コムギ、イネ、トウモロコシ、オオムギ、モロコシ、ライムギ、ミレットなど)であり、最も好ましくはコムギ植物である。
【0094】
本発明は、本発明の除草剤抵抗性AHASLポリヌクレオチドの1つ以上をそのゲノムに含む、非トランスジェニック植物、特に非トランスジェニックコムギ植物も包含する。このようなコムギ植物は除草剤抵抗性であり、当分野で公知の任意の変異誘発法を介して野性型コムギ植物から作出することができる。例えば、米国特許第6,339,184号を参照されたい。当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。本発明はこのような除草剤抵抗性植物の植物細胞、植物部分、植物組織、種子及び後代を更に包含する。
【0095】
本発明の宿主細胞は原核細胞及び真核細胞、特に細菌細胞、真菌細胞及び動物細胞を含む。このような真菌細胞は、これに限定されないが酵母菌細胞を含み、このような動物細胞は、これに限定されないが昆虫細胞及び哺乳動物細胞を含む。
【0096】
本発明のAHASLポリヌクレオチドは、本発明の植物形質転換のための選択可能なマーカー遺伝子としての使用に用途を見出すが、本発明の発現カセットは形質転換細胞の選択のための別の選択可能なマーカー遺伝子を含むことができる。本発明の選択可能なマーカー遺伝子を含む選択可能なマーカー遺伝子は、形質転換された細胞又は組織の選択に用いられる。マーカー遺伝子は、抗生物質抵抗性をコードする遺伝子、例えば、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NEO)及びヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)をコードする遺伝子並びに除草剤化合物、例えば、グルホシネートアンモニウム、ブロモキシニル、イミダゾリノン及び2,4−ジクロロフェノキシアセテート(2,4−D)への抵抗性を付与する遺伝子を含む。Yarranton(1992)Curr.Opin.Biotech.3:506−511;Christopherson et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6314−6318;Yao et al.(1992)Cell 71:63−72;Reznikoff(1992)Mol.Microbiol.6:2419−2422;Barkley et al.(1980)in The Operon,pp.177−220;Hu et al.(1987)Cell 48:555−566;Brown et al.(1987)Cell 49:603−612;Figge et al.(1988)Cell 52:713−722;Deuschle et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Aci.USA 86:5400−5404;Fuerst et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2549−2553;Deuschle et al.(1990)Science 248:480−483;Gossen(1993)Ph.D.Thesis,University of Heidelberg;Reines et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:1917−1921;Labow et al.(1990)Mol.Cell.Biol.10:3343−3356;Zambretti et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3952−3956;Baim et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci USA 88:5072−5076;Wyborski et al.(1991)Nucleic Acids Res.19:4647−4653;Hillenand−Wissman(1989)Topics Mol.Struc.Biol.10:143−162;Degenkolb et al.(1991)Antimicrob.Agents Chemother.35:1591−1595;Kleinschnidt et al.(1988)Biochemistry 27:1094−1104;Bonin(1993)Ph.D.Thesis,University of Heidelberg;Gossen et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547−5551;Oliva et al.(1992)Antimicrob.Agents Chemother.36:913−919;Hlavka et al.(1985)Handbook of Experimental Pharmacology,Vol.78(Springer−Verlag,Berlin);Gill et al.(1988)Nature 334:721−724を全体的に参照されたい。このような開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
選択可能なマーカー遺伝子の前述のリストは限定的な意味をもつものではない。本発明の選択可能なマーカー遺伝子を含む、任意の選択可能なマーカー遺伝子を本発明において用いることができる。
【0098】
本発明の形質転換ベクターは対象遺伝子により形質転換される植物を作出するのに用いることができる。形質転換ベクターは本発明の選択可能なマーカー遺伝子と、導入されて通常形質転換植物に発現される対象遺伝子を含む。
【0099】
対象遺伝子は所望の成果により異なる。例えば、表現型の種々の変化が対象となり得て、これには植物における脂肪酸組成の改変、植物のアミノ酸含量の変更、植物の昆虫及び/又は病原体防御機構の変更などが含まれる。これらの結果は、植物における異種産物の発現又は内在産物の発現の増大を付与することにより、達成することができる。或いは、植物における1つ以上の内在産物、特に酵素又は補因子の発現を低減することにより、結果を達成することができる。これらの変化により形質転換植物の表現型の変化が生じる。
【0100】
対象遺伝子は市場及び作物開発に関わる者の関心を反映する。対象となる作物及び市場は変化し、発展途上国が世界市場を開拓していくに従って、新規の作物及び技術も出現するであろう。加えて、収穫量及び雑種強勢のような農業形質及び特性の理解が深まるにつれ、それに応じて形質転換のための遺伝子の選択も変化するであろう。対象遺伝子の一般的範疇には、例えば、ジンクフィンガーのような情報に関与する遺伝子、キナーゼのような伝達に関与する遺伝子及び熱ショックタンパク質のようなハウスキーピングに関与する遺伝子が含まれる。より具体的な導入遺伝子の範疇には、例えば、農学、昆虫抵抗性、病害抵抗性、除草剤抵抗性、繁殖不能性、穀物特性及び商品に対する重要な形質をコードする遺伝子が含まれる。一般的に、対象遺伝子は種々の種子成分、例えば、油性物、デンプン、タンパク質及び可溶性糖類に関与する遺伝子並びに昆虫及び病害抵抗性と、例えば、寒冷、熱及び干ばつのような環境ストレスへの耐性のような農業成績に好影響を及ぼす遺伝子を含む。
【0101】
油性物、デンプン及びタンパク質含量のような農学的に重要な形質は、従来の育種法に加えて遺伝学的に改変することができる。改変には、オレイン酸含量、飽和及び不飽和油性物の増加、リシン及び硫黄レベルの上昇、必須アミノ酸の付与、更にデンプンの改変が含まれる。
【0102】
昆虫抵抗性遺伝子は、多大な収穫妨害をもたらすルートワーム、カットワーム、アワノメイガなどの害虫への抵抗性をコードし得る。このような遺伝子には、例えば、Bacillus thuringiensis毒性タンパク質遺伝子(米国特許第5,366,892号;第5,747,450号;第5,736,514号;第5,723,756号;第5,593,881号;及びGeiser et al.(1986)Gene 48:109);レクチン(Van Damme et al.(1994)Plant Mol.Biol.24:825)などが含まれる。
【0103】
病害抵抗性形質をコードする遺伝子には、fumonosinに対するような解毒遺伝子(米国特許第5,792,931号);弱毒性(avr)及び病害抵抗性(R)遺伝子(Jones et al.(1994)Science 266:789;Martin et al.(1993)Science 262:1432;及びMindrinos et al.(1994)Cell 78:1089)などが含まれる。
【0104】
外因性産物には、植物の酵素及び産物並びに原核生物や他の真核生物を含む他のソース由来の産物が含まれる。このような産物には酵素、補因子、ホルモンなどが含まれる。タンパク質、特に植物の栄養価を改善するためにアミノ酸分布を向上させた改変タンパク質のレベルを上昇させることができる。これは、増大したアミノ酸含量を有するようなタンパク質の発現によって達成される。
【0105】
「ポリヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド分子」、「ヌクレオチド分子」、「ヌクレオチド構築体」などの用語の本明細書における使用は、DNAを含むヌクレオチド構築体に本発明を限定するものではない。リボヌクレオチド及びリボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドの組合せから構成されるヌクレオチド構築体、特にポリヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドも本明細書で開示する方法に用いられ得ることを当業者は認識するであろう。従って、本発明のヌクレオチド構築体は、植物を形質転換する本発明の方法において用いることができるあらゆるヌクレオチド構築体を包含し、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及びその組合せから構成されるヌクレオチド構築体を含むが、これらに限定されない。このようなデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドは自然発生分子及び合成類似体の両方を含む。本発明のヌクレオチド構築体はあらゆる形態のヌクレオチド構築体も包含し、一本鎖型、二本鎖型、ヘアピン型、ステムル一プ構造などを含むが、これらに限定されない。
【0106】
更に、本発明の方法では、少なくとも1つのタンパク質又は少なくとも1つのRNA、例えば、mRNAの少なくとも一部分に相補的なアンチセンスRNAの発現を形質転換植物において誘導することが可能なヌクレオチド構築体を用い得ることが認識される。通常、このようなヌクレオチド構築体は、5’及び3’転写調節領域に機能的に結合した、タンパク質又はRNAのコード配列から構成される。或いは、本発明の方法では、タンパク質又はRNAの発現を形質転換植物において誘導することが可能でないヌクレオチド構築体を用い得ることも認識される。
【0107】
本発明の方法はヌクレオチド構築体を植物に導入することを含む。「導入」とは、ヌクレオチド構築体が植物の細胞の内部にアクセスできるように、構築体を植物に提示することを意味する。本発明の方法はヌクレオチド構築体を植物に導入する特定の方法に依存せず、単にヌクレオチド構築体が植物の少なくとも1つの細胞の内部にアクセスできるということである。ヌクレオチド構築体を植物に導入する方法は当分野で公知であり、安定性形質転換法、一過性形質転換法及びウイルス媒介法を含むが、これらに限定されない。
【0108】
「安定性形質転換」とは、植物に導入されるヌクレオチド構築体が植物のゲノムに組み込まれ、その後代に遺伝されることが可能であることを意味する。「一過性形質転換」とは、植物に導入されるヌクレオチド構築体が植物のゲノムに組み込まれないことを意味する。
【0109】
本発明のヌクレオチド構築体は、植物をウイルス又はウイルスポリヌクレオチドと接触させることにより、植物に導入され得る。一般的に、このような方法は、本発明のヌクレオチド構築体をウイルスDNA又はRNA分子内に組み込むことを含む。本発明のイミダゾリノン耐性AHASLタンパク質は、当初、ウイルスポリタンパク質の一部として合成され、その後、これはインビボ又はインビトロでのタンパク質分解により処理され、所望の組換えタンパク質を産生し得ることが認識される。更に、本発明のプロモーターはウイルスRNAポリメラーゼによる転写に用いられるプロモーターも包含することが認識される。ヌクレオチド構築体を植物に導入し、ウイルスDNA又はRNA分子が関与する、コードされたタンパク質をその植物において発現させる方法は、当分野で公知である。例えば、米国特許第5,889,191号、第5,889,190号、第5,866,785号、第5,589,367号及び第5,316,931号を参照されたい。当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
本明細書で更に提供されるのは、本発明の少なくとも1つのAHASLポリヌクレオチドにより形質転換される植物の近傍における雑草を抑制する方法である。本方法は有効量の除草剤、特に有効量のイミダゾリノン系除草剤を雑草と形質転換植物又は雑草と形質転換植物が生じる土壌に適用するステップを含み、ここで植物は非形質転換植物に比し、除草剤への抵抗性が増大している。「有効量の除草剤」とは、形質転換植物の近傍における所望の雑草を死滅させ、或いはその生育を遅延させるのに十分な量であって、また、形質転換植物と同じであるが本発明の少なくとも1つの除草剤耐性AHASLポリヌクレオチドをそのゲノムに欠く非形質転換植物を死滅させるのに十分な量を意味する。加えて、有効量の除草剤では形質転換植物に適用された際、本発明の形質転換植物を死滅させず、好ましくは形質転換植物の生育を有意に遅延させず、或いはこれを有意に損傷しない。通常、除草剤の有効量は、農業生産システムにおいて雑草を死滅させるのに日常的に用いられる量である。このような量は当業者には既知である。
【0111】
雑草を抑制するこのような方法では、形質転換植物は好ましくは栽培植物であり、コムギ、イネ、トウモロコシ、モロコシ、オオムギ、ライムギ、ミレット、アルファルファ、ヒマワリ、アブラナ属、ダイズ、ワタ、ベニバナ、ラッカセイ、モロコシ、ミレット、タバコ、トマト及びジャガイモを含むが、これらに限定されない。
【0112】
除草剤、特にイミダゾリノン系除草剤への抵抗性が亢進した植物を提供することにより、植物の生育を亢進し、栄養素を求める競争を低減するため、植物を雑草から防御するための広範な配合物を用いることができる。除草剤は、本明細書で述べる植物を取り囲む領域における雑草の出芽前、出芽後、植付け前及び植付け時の抑制に単独で用いることができ、或いは他の添加剤を含有するイミダゾリノン系除草剤配合物を用いることができる。除草剤は種子処理剤としても用いることができる。除草剤配合物に見出される添加剤には、他の除草剤、洗浄剤、補助剤、展着剤、固着剤、安定化剤などが含まれる。除草剤配合物は湿潤又は乾燥調製物とすることができ、流動性粉末、乳化可能な濃縮物及び液状濃縮物を含むことができるが、これらに限定されない。除草剤及び除草剤配合物は従来の方法、例えば、噴霧、灌注、散布などに従って適用することができる。
【実施例1】
【0113】
AHASL大サブユニットは3遺伝子にコードされる
コムギ突然変異誘発プログラムの過程において、除草剤噴霧アッセイにより、何千もの独立して誘導された系統を分析した。耐性の分子基盤を理解するため、コムギにおける活性遺伝子を同定しようと試みた。過去にクローニングしたAHASLヌクレオチド分子に基づいて縮重PCRプライマーを設計することにより、野性型及びイミダゾリノン抵抗性コムギ植物由来のAHASL遺伝子のクローニングを行った。クローニングしたPCR産物は密接に関連した3群に分類され、6倍体のコムギに3個のAHASL遺伝子があることが示唆される。このことは各2倍体ゲノムが単一AHASL遺伝子を有することと一致する。その後のESTデータの解析により、わずか3つのAHASLの活性コピーがあることが示された。加えて、独立的に分離した抵抗性遺伝子がわずかに3個見出されている(Pozniak and Hucl、印刷中)。コムギAHASL遺伝子のほぼ全長の配列をPACE−PCRにより決定した。配列表に示すヌクレオチド及びアミノ酸配列(配列番号1〜12)はコムギ(Triticum aestivum L.)品種「Gunner」由来である。完全な転写配列の解明はコード配列の5’部分の超高GC含量により阻止された。各3遺伝子はその1788bp長に沿って約98%同一であり、コード化タンパク質は互いにわずかに1つのアミノ酸だけ異なる(図1)。密接に関連した4倍体種のTriticum turgidum L.(デュラムコムギ)は6倍体のコムギにおけるその同族に比し、同一(遺伝子3)又はアミノ酸が1つだけ異なる(遺伝子2)タンパク質をコードする2個の遺伝子を含有する。
【実施例2】
【0114】
コムギAHASL遺伝子は第6染色体の長腕に位置する
3遺伝子の染色体位置を決定するため、異数体系統の「チャイニーズスプリング」の採取物を遺伝子特異的な増幅切断多型(CAPS)マーカーと共に用いた(Pozniak et al、提出済)。遺伝子1はN6DT6A及びDt6DSから欠失していることが見出され、一方、遺伝子2はN6BT6D及びDt6BS線上に存在せず、遺伝子3はN6AT6B及びDt6AS線上に存在しなかった(図2〜3)。これにより、遺伝子1は6D染色体、遺伝子2は6B染色体、遺伝子3は6A染色体の長腕に位置することが示される。ここで同祖遺伝子1〜3をそれぞれAHASL1D、AHALS1B及びAHASL1Aと改称し、最後の文字はゲノムを示す。
【実施例3】
【0115】
耐性レベルは突然変異化AHASL遺伝子に影響される
コムギにおいて認められる最も一般的な変異では、シロイヌナズナにおけるSer653に等価な位置におけるSerからAsnへの置換が生じる(S653(At)Nと命名)。典型的には、温室で生育された植物での差異を検出するのに十分な程度のイマザモックスを噴霧した後、各変異誘発系統由来の24個体を0〜9の評価スケール(0=損傷なし;9=最大損傷)でスコアリングした(図4)。各系統に対し、特定の変異遺伝子を決定した。除草剤噴霧アッセイの評価とこの位置で変異した特定の同祖の間に明らかな相関が見出された。AHASL1Dにおける変異は、1B(5.4)及び1A(6.4)に比し、高い耐性を生じた(損傷中央値=4.0)。
【実施例4】
【0116】
6倍体のコムギにおける各AHASL遺伝子は様々な量の活性を酵素プールに付与する
除草剤に対する酵素感受性レベルへの各変異の影響を理解するため、複数のバックグラウンド由来の個体を用いて、3遺伝子全てにおけるS653(At)N変異体に対してAHASアッセイを行った(各データは図6A中)。その結果は、100μMイマザピルの存在下、AHASL1Dが最大レベルの非感受性(38%)を付与し、一方、AHASL1A及び1Bが低レベルの活性(それぞれ33%、25%)を示したという点において、噴霧アッセイデータと同様である。CDC Tealバックグラウンドにおける変異体由来の抽出物の比較では類似した関係が示され、100μMイマゼタピルの存在下、AHAS1Dは40%の活性を有し、AHAS1Bは30%の活性を有した。また、1Aと1Dの二重変異体は63%のAHAS活性を保持した(Pozniak et al.、提出済)。総合的に考えて、当該データはAHASL1Dが最大量の活性を酵素プールに付与し、また、抵抗性レベルが概して相加的であることを示す。デュラムコムギ(T.turgidum)において、各同祖はAHASプールに同等量を付与するように思われる(図6B)。
【実施例5】
【0117】
除草剤抵抗性コムギAHASLタンパク質
本発明は野性型コムギAHASL成熟ポリペプチド及び除草剤抵抗性コムギAHASL成熟ポリペプチドのヌクレオチド及びアミノ酸配列を開示する。除草剤抵抗性AHASLポリペプチドを含む植物は前に同定されており、除草剤抵抗性を付与するアミノ酸置換の部位であるAHASLポリペプチドの多くの保存領域が記載されている。例えば、Devine and Eberlein(1997)「Physiological,biochemical and molecular aspects of herbicide resistance based on altered target sites」.In:Herbicide Activity:Toxicology,Biochemistry and Molecular Biology,Roe et al.(eds.),pp.159−185,IOS Press,Amsterdam;及びDevine and Shukla,(2000)Crop Protection 19:881−889を参照されたい。
【0118】
本発明のAHASL配列(配列番号1、3、5、7、9及び11)及び当業者に既知であって本明細書に開示される方法を用いて、これらの保存領域における同定された部位での1、2、3又はそれ以上のアミノ酸置換を有する除草剤抵抗性AHASLポリペプチドをコードする更なるポリヌクレオチドを生成することができる。表6はAHASLタンパク質の保存領域、これらの保存領域内の除草剤抵抗性を付与することが既知であるアミノ酸置換及び配列番号2、4、6、8、10及び12に示されるコムギAHASLタンパク質における対応するアミノ酸を示す。
【0119】
【表1】

【0120】
1Devine及びEberlein(1997)「Physiological,biochemical and molecular aspects of herbicide resistance based on altered target sites」、「Herbicide Activity:Toxicology,Biochemistry and Molecular Biology」、Roe et al.(eds)、159〜185頁、IOS出版、アムステルダム並びにDevine及びShukla(2000)Crop Protection 19:881−889から出典の保存領域。
【0121】
2アミノ酸の番号づけはシロイヌナズナAHASLポリペプチドのアミノ酸配列に対応する。
【0122】
3本発明のコムギAHASLタンパク質の各アミノ酸配列(配列番号2、4、6、8、10及び12)は同じ保存領域を含む。
【0123】
4Bernasconi et al.(1995)J.Biol.Chem.270(29):17381−17385。
【0124】
5Wright及びPenner(1998)Theor.Appl.Genet.96:612−620。
【0125】
6Boutsalis et al.(1999)Pestic.Sci.55:507−516。
【0126】
7Guttieri et al.(1995)Weed Sci.43:143−178。
【0127】
8Guttieri et al.(1992)Weed Sci.40:670−678。
【0128】
9Kolkman et al.(2004)Theor.Appl.Genet.109:1147−1159。
【0129】
10Hartnett et al.(1990)「Herbicide−resistant plants carrying mutated acetolactate synthase genes」、「Managing Resistance to Agrochemicals:Fundamental Research to Practical Strategies」、Green et al.(eds)、米国化学会シンポジウム、シリーズ第421号、米国ワシントン特別区。
【0130】
11Simpson(1998)Down to Earth 53(l):26−35。
【0131】
12White et al.(2003)Weed Sci.51:845−853。
【0132】
13Bruniard(2001)Inheritance of imidazolinone resistance,characterization of cross−resistance pattern,and identification of molecular markers in sunflower(Helianthus annuus L.)、1〜78頁、博士号論文、米国ノースダコタ州ファーゴ、ノースダコタ州立大学。
【0133】
14Devine及びEberlein(1997)「Physiological,biochemical and molecular aspects of herbicide resistance based on altered target sites」、「Herbicide Activity:Toxicology,Biochemistry and Molecular Biology」、Roe et al.(eds)、159〜185頁、IOS出版、アムステルダム。
【0134】
15Lee et al.(1999)FEBS Lett.452:341−345。
【0135】
16Chang及びDuggleby(1998)Biochem J.333:765−777。
【0136】
17本発明は除草剤抵抗性コムギAHASL1D、AHASL1B及びAHASL1A成熟タンパク質のアミノ酸配列を示す配列番号8、10及び12を開示する。これらのアミノ酸配列の各々はアミノ酸位置579におけるAsnを含む。本発明は成熟除草剤抵抗性除草剤抵抗性コムギ成熟タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を示す配列番号7、9及び11を更に開示する。
【0137】
本明細書に挙げた刊行物及び特許出願は全て、本発明に関連する当業者のレベルを示すものである。刊行物及び特許出願は全て、各々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別的に望ましいといえるほどに、参照により本明細書に組み込まれる。
【0138】
前述の発明を明瞭な理解を目的として例示及び実施例によりある程度詳細に説明したが、添付した特許請求の範囲内においていくつかの変更及び改変を実施し得るということは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】コムギAHASL遺伝子コード配列のヌクレオチド及びアミノ酸配列の対比較から得た配列同一性パーセントの表である。6倍体はTriticum aestivum由来の配列を指す。4倍体はT.turgidum ssp.durum由来の配列を示す。遺伝子1はAHASL1Dに対応する。遺伝子2はAHASL1Bに対応する。遺伝子3はAHASL1Aに対応する。
【図2】実施例2で述べるチャイニーズスプリングにおける3つのコムギAHASL遺伝子の染色体位置の解析結果を示す写真図である。
【図3】実施例2で述べるチャイニーズスプリングにおける3つのコムギAHASL遺伝子の染色体位置の解析結果を示す写真図である。
【図4】実施例3で述べる変異部位と植物全体の損傷の相関のグラフである。1D、1B及び1Aは、コムギAHASL遺伝子のそれぞれAHASL1D、AHASL1B及びAHASL1Aを示す。
【図5】Aは、T.aestivumのAHASL1D、AHASL1B及びAHASL1Aタンパク質におけるS653(At)N変異から生じる除草剤非感受性酵素活性のグラフであり、Bは、T.turgidumのAHASL1B及びAHASL1Aタンパク質におけるS653(At)N変異から生じる除草剤非感受性酵素活性のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号1、3、5、7、9又は11に示されるヌクレオチド配列と、
(b)配列番号2、4、6、8、10又は12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、
(c)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、アセトヒドロキシ酸合成酵素(AHAS)活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(d)配列番号2、4、6、8、10及び12からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸配列に対する、少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列であって、アセトヒドロキシ酸合成酵素活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(e)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギンを含む、成熟型除草剤耐性アセトヒドロキシ酸合成酵素の大サブユニット(AHASL)タンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(f)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、除草剤耐性AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(g)(a)〜(f)の少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列と
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項2】
前記ヌクレオチド配列が、
(i)配列番号7、9又は11に示されるヌクレオチド配列と、
(ii)配列番号8、10又は12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、
(iii)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギンを含む成熟型除草剤耐性AHASLタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(iv)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、除草剤耐性AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と
からなる群より選択される、請求項1に記載のポリヌクレオチド分子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポリヌクレオチド分子に機能的に結合し、宿主細胞において発現可能なプロモーターを含む発現カセット。
【請求項4】
前記プロモーターが、植物細胞、細菌細胞、動物細胞及び真菌細胞からなる群より選択される少なくとも1つの宿主細胞において発現可能である、請求項3に記載の発現カセット。
【請求項5】
前記プロモーターが構成型プロモーターである、請求項3又は4に記載の発現カセット。
【請求項6】
機能的に結合した葉緑体標的配列を更に含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の発現カセット。
【請求項7】
対象遺伝子と、請求項2に記載のポリヌクレオチド分子に機能的に結合したプロモーターを含む選択可能なマーカー遺伝子とを含む形質転換ベクター。
【請求項8】
前記プロモーターが、植物細胞、細菌細胞、動物細胞及び真菌細胞からなる群より選択される少なくとも1つの宿主細胞において発現可能である、請求項7に記載の形質転換ベクター。
【請求項9】
前記プロモーターが構成型プロモーターである、請求項7又は8に記載の形質転換ベクター。
【請求項10】
前記選択可能なマーカー遺伝子が、機能的に結合した葉緑体標的配列を更に含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の形質転換ベクター。
【請求項11】
植物細胞における発現を促進するプロモーターに機能的に結合したポリヌクレオチド分子を含み、ゲノムに安定的に組み込まれた少なくとも1つの発現カセットを含む形質転換植物であって、前記ポリヌクレオチド分子が、
(a)配列番号1、3、5、7、9又は11に示されるヌクレオチド配列と、
(b)配列番号2、4、6、8、10又は12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、
(c)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(d)配列番号2、4、6、8、10及び12からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸配列に対する、少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列であって、アセトヒドロキシ酸合成酵素活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(e)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギンを含む、成熟型除草剤耐性AHASLタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(f)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、除草剤耐性AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(g)(a)〜(f)の少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列と
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、形質転換植物。
【請求項12】
前記発現カセットが、機能的に結合した葉緑体標的配列を更に含む、請求項11に記載の形質転換植物。
【請求項13】
前記植物がそのゲノムに少なくとも1つの非トランスジェニックイミダゾリノン耐性AHASL遺伝子を含む、請求項11又は12に記載の形質転換植物。
【請求項14】
前記植物が単子葉植物又は双子葉植物である、請求項11から13のいずれか一項に記載の形質転換植物。
【請求項15】
前記単子葉植物が、コムギ、ライコムギ、トウモロコシ、イネ、モロコシ、ライムギ、ミレット及びオオムギからなる群より選択される、請求項14に記載の形質転換植物。
【請求項16】
前記双子葉植物が、アルファルファ、ヒマワリ、アブラナ属(Brassica)、ダイズ、ワタ、ベニバナ、ラッカセイ、タバコ、トマト及びジャガイモからなる群より選択される、請求項14に記載の形質転換植物。
【請求項17】
前記植物が非形質転換植物に比し、少なくとも1つの除草剤に対する亢進した抵抗性を有する、請求項11から16のいずれか一項に記載の形質転換植物。
【請求項18】
前記除草剤が、イミダゾリノン系除草剤、ピリミジルオキシ安息香酸系除草剤及びピリミジルチオ安息香酸系除草剤からなる群より選択される、請求項11から17のいずれか一項に記載の形質転換植物。
【請求項19】
前記イミダゾリノン系除草剤が、[2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−)イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル)−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−3−キノリンカルボン酸、[5−エチル−2−(4−イソプロピル−4−メチル−)5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−(メトキシメチル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−メチルニコチン酸、メチル6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−m−トルアートとメチル[2−(4−]イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−p−トルアートの混合物及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項18に記載の形質転換植物。
【請求項20】
種子が前記発現カセットを含む、請求項11から19のいずれか一項に記載の植物の形質転換種子。
【請求項21】
植物細胞における発現を促進するプロモーターに機能的に結合したポリヌクレオチド分子を含み、ゲノムに安定的に組み込まれた少なくとも1つの発現カセットを含む形質転換植物細胞であって、前記ポリヌクレオチド分子が、
(a)配列番号1、3、5、7、9又は11に示されるヌクレオチド配列と、
(b)配列番号2、4、6、8、10又は12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、
(c)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(d)配列番号2、4、6、8、10及び12からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸配列に対する、少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列であって、アセトヒドロキシ酸合成酵素活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(e)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギンを含む、成熟型除草剤耐性AHASLタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(f)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、除草剤耐性AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(g)(a)〜(f)の少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列と
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、形質転換植物細胞。
【請求項22】
前記発現カセットが、機能的に結合した葉緑体標的配列を更に含む、請求項21に記載の形質転換植物細胞。
【請求項23】
前記植物細胞がそのゲノムに少なくとも1つの非トランスジェニックイミダゾリノン耐性AHASL遺伝子を含む、請求項21又は22に記載の形質転換植物細胞。
【請求項24】
前記植物細胞が単子葉植物又は双子葉植物由来である、請求項21から23のいずれか一項に記載の形質転換植物細胞。
【請求項25】
前記単子葉植物が、コムギ、ライコムギ、トウモロコシ、イネ、モロコシ、ライムギ、ミレット及びオオムギからなる群より選択される、請求項24に記載の形質転換植物細胞。
【請求項26】
前記双子葉植物が、アルファルファ、ヒマワリ、アブラナ属、ダイズ、ワタ、ベニバナ、ラッカセイ、タバコ、トマト及びジャガイモからなる群より選択される、請求項24に記載の形質転換植物細胞。
【請求項27】
前記植物が非形質転換植物に比し、少なくとも1つの除草剤に対する亢進した抵抗性を有する、請求項21から26のいずれか一項に記載の形質転換植物細胞。
【請求項28】
前記除草剤が、イミダゾリノン系除草剤、ピリミジルオキシ安息香酸系除草剤及びピリミジルチオ安息香酸系除草剤からなる群より選択される、請求項21から27のいずれか一項に記載の形質転換植物細胞。
【請求項29】
前記イミダゾリノン系除草剤が、[2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−]イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル)−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−3−キノリンカルボン酸、[5−エチル−2−(4−イソプロピル−4−メチル−]5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−(メトキシメチル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−メチルニコチン酸、メチル6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−m−トルアートとメチル[2−(4−]イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−p−トルアートの混合物及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項28に記載の形質転換植物細胞。
【請求項30】
植物の除草剤抵抗性を亢進させる方法であって、
植物細胞における発現を促進するプロモーターに機能的に結合したポリヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの発現カセットにより前記植物の少なくとも1つの細胞を形質転換するステップと、
前記細胞から安定的に形質転換される植物を再生するステップと
を含み、前記ポリヌクレオチド分子が、
(a)配列番号7、9又は11に示されるヌクレオチド配列と、
(b)配列番号8、10又は12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、
(c)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギンを含む成熟型除草剤耐性AHASLタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(d)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、除草剤耐性AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含み、
前記形質転換植物が非形質転換植物に比し、少なくとも1つの除草剤に対する亢進した抵抗性を有するようにした方法。
【請求項31】
前記発現カセットが、機能的に結合した葉緑体標的配列を更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記除草剤が、イミダゾリノン系除草剤、ピリミジルオキシ安息香酸系除草剤及びピリミジルチオ安息香酸系除草剤からなる群より選択される、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記イミダゾリノン系除草剤が、[2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−]イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル)−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−3−キノリンカルボン酸、[5−エチル−2−(4−イソプロピル−4−メチル−]5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−(メトキシメチル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−メチルニコチン酸、メチル6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−m−トルアートとメチル[2−(4−]イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−p−トルアートの混合物及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
形質転換植物細胞を選択する方法であって、
選択可能なマーカー遺伝子を含む植物形質転換ベクターにより植物細胞を形質転換するステップと、
前記形質転換植物細胞を、非形質転換植物細胞の生育を阻害する濃度にて除草剤に曝露させるステップと、
前記除草剤の存在下で生育できる能力により前記形質転換植物細胞を同定するステップと
を含み、
前記選択可能なマーカー遺伝子が、植物細胞における発現を促進するプロモーターに機能的に結合したポリヌクレオチド分子を含み、前記ポリヌクレオチド分子が、
(a)配列番号7、9又は11に示されるヌクレオチド配列と、
(b)配列番号8、10又は12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、
(c)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギンを含む成熟型除草剤耐性AHASLタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(d)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、除草剤耐性AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む方法。
【請求項35】
前記選択可能なマーカー遺伝子が、機能的に結合した葉緑体標的配列を更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記除草剤が、イミダゾリノン系除草剤、ピリミジルオキシ安息香酸系除草剤及びピリミジルチオ安息香酸系除草剤からなる群より選択される、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項37】
前記イミダゾリノン系除草剤が、[2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−]イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル)−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−3−キノリンカルボン酸、[5−エチル−2−(4−イソプロピル−4−メチル−]5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−(メトキシメチル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−メチルニコチン酸、メチル6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−m−トルアートとメチル[2−(4−]イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−p−トルアートの混合物及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記植物形質転換ベクターが少なくとも1つの対象遺伝子を更に含む、請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記形質転換植物細胞を形質転換植物に生育させるステップを更に含む、請求項34から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
形質転換植物の近傍における雑草を抑制する方法であって、前記方法が有効量の除草剤を雑草と形質転換植物に適用するステップを含み、前記形質転換植物が非形質転換植物に比し、除草剤に対する増大した抵抗性を有し、前記形質転換植物が植物細胞における遺伝子発現を促進するプロモーターに機能的に結合されたポリヌクレオチド分子を含む、少なくとも1つの発現カセットをそのゲノムに含み、前記ポリヌクレオチド分子が、
(a)配列番号7、9又は11に示されるヌクレオチド配列と、
(b)配列番号8、10又は12に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、
(c)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギンを含む成熟型除草剤耐性AHASLタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(d)配列番号1、3、5、7、9及び11からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列の相補体に対する、少なくとも90%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、除草剤耐性AHAS活性を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列と
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む方法。
【請求項41】
前記選択可能なマーカー遺伝子が、機能的に結合した葉緑体標的配列を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記除草剤が、イミダゾリノン系除草剤、ピリミジルオキシ安息香酸系除草剤及びピリミジルチオ安息香酸系除草剤からなる群より選択される、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
前記イミダゾリノン系除草剤が、[2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−]イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル)−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−3−キノリンカルボン酸、[5−エチル−2−(4−イソプロピル−4−メチル−]5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−(メトキシメチル)−ニコチン酸、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−5−メチルニコチン酸、メチル6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−m−トルアートとメチル[2−(4−]イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)−p−トルアートの混合物及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記植物が単子葉植物又は双子葉植物である、請求項40から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記単子葉植物が、コムギ、ライコムギ、トウモロコシ、イネ、モロコシ、ライムギ及びミレット及びオオムギからなる群より選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記双子葉植物が、アルファルファ、ヒマワリ、アブラナ属、ダイズ、ワタ、ベニバナ、ラッカセイ、モロコシ、ミレット、タバコ、トマト及びジャガイモからなる群より選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
請求項3に記載の発現カセットを含む非ヒト宿主細胞。
【請求項48】
前記宿主細胞が、植物細胞、細菌細胞、動物細胞及び真菌細胞からなる群より選択される、請求項47に記載の宿主細胞。
【請求項49】
請求項7に記載の形質転換ベクターを含む非ヒト宿主細胞。
【請求項50】
前記宿主細胞が、植物細胞、細菌細胞、動物細胞及び真菌細胞からなる群より選択される、請求項49に記載の宿主細胞。
【請求項51】
(a)配列番号2、4、6、8、10又は12に示されるアミノ酸配列と、
(b)配列番号1、3、5、7、9又は11に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と、
(c)配列番号2、4、6、8、10及び12からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸配列に対する、少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列であって、AHAS活性を含むポリペプチドに含まれるアミノ酸配列と、
(d)配列番号2、4、6、8、10及び12からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸配列に対する、少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列であって、アミノ酸位置579又は等価な位置におけるアスパラギンを含むとともに除草剤耐性AHAS活性を含むポリペプチドに含まれるアミノ酸配列と、
(e)配列番号2、4、6、8、10及び12からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸配列に対する、少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列であって、除草剤耐性AHAS活性を含むポリペプチドに含まれるアミノ酸配列と
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−520183(P2008−520183A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516692(P2007−516692)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/021170
【国際公開番号】WO2006/007373
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(502186497)ビーエーエスエフ、プラント、サイエンス、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング (1)
【Fターム(参考)】