説明

イメージセンサモジュール

【課題】 ホログラム領域の読み取りが可能でありつつ、薄型化を図ることが可能なイメージセンサモジュールを提供すること。
【解決手段】 イメージセンサモジュール101は、主走査方向xに配列された複数の受光部を有するセンサIC500と、読み取り対象物890から向かってきた光をセンサIC500に結像させるレンズユニット400と、副走査方向yにおいてレンズユニット400に対して離間した位置に置かれた主走査方向xに延びる出射面283Aを有し、この出射面283Aから主走査方向xに延びる線状光を読み取り対象物890に向けて出射する光源ユニット200Aと、副走査方向yにおいてレンズユニット400と出射面283Aとの間に置かれた主走査方向xに延びる出射面283Bを有し、この出射面283Bから主走査方向xに延びる線状光を読み取り対象物890に向けて出射する光源ユニット200Bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
図44は、従来のイメージセンサモジュールの一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示されたイメージセンサモジュール901は、ケース91、2つの光源ユニット92,93、レンズユニット94、およびセンサIC95を備えている。光源ユニット92は、ケース91の下部に設置されており、冷陰極管(CCFL)を具備している。光源ユニット93は、ケース91の上部に設置されており、LEDチップを具備している。ケース91の上方には、読み取り対象物890が副走査方向yに沿って搬送される。この読み取り対象物890に向けて、2つの光源ユニット92,93から主走査方向に延びる線状光が照射される。
【0003】
2つの光源ユニット92,93は、副走査方向yにおける位置がほぼ同じであり、厚さ方向zにおける位置が異なる。このため、2つの光源ユニット92,93からの線状光が読み取り対象物890に入射する角度は、互いに異なる。読み取り対象物890からの反射光は、レンズユニット94によってセンサIC95に集光される。イメージセンサモジュール901が用いられる画像読み取り装置においては、光源ユニット92,93の発光タイミングを互いにずらすことにより、読み取り対象物890が光源ユニット92のみによって照らされた状態と、光源ユニット93のみによって照らされた状態とにおいて、センサIC95によるデータ取り込みがなされる。ホログラム領域は、受ける光の入射角によって、反射光の色(波長)が異なる。上記画像読み取り装置においては、光源ユニット92のみによって照らされた状態の画像と、光源ユニット93のみによって照らされた状態の画像とを比較することにより、ホログラム領域の有無や、想定されたホログラム領域に該当するか否かを判断することができる。
【0004】
ホログラム領域に異なる入射角度の線状光を照射する必要があるため、光源ユニット92,93は、厚さ方向zにおいて互いに離間した配置となっている。このため、イメージセンサモジュール901の厚さ方向z寸法が増大してしまう。イメージセンサモジュール901が用いられる画像読み取り装置は、薄型化の要請が強い。このため、イメージセンサモジュール901の薄型化が望まれている。
【0005】
図45は、従来のイメージセンサモジュールの一例を示している(たとえば、特許文献2参照)。同図に示されたイメージセンサモジュール902は、ケース91、レンズユニット94、センサIC95、光源ユニット96、基板97および透光板98を備えている。ケース91は、主走査方向に長く延びており、その他の構成要素を収容し、あるいは支持している。光源ユニット96は、主走査方向に延びる線状光を読み取り対象物890に向けて出射する。レンズユニット94は、読み取り対象物890から進行してきた光をセンサIC95へと集光する。センサIC95は、基板97に搭載されており、光電変換機能を有する。
【0006】
読み取り対象物890が、小切手や紙幣などの場合、真贋を区別するために読み取り対象物890の表面に特殊な加工が施されることがある。この加工が施された部分は、可視光を受けても顕在化しないが、たとえば紫外線を受けることにより可視光を発して顕在化する。このような読み取り対象物890を読み取る場合には、光源ユニット96は、紫外光を出射する。しかし、センサIC95は、紫外光にも可視光にも反応しうる。このため、上記加工部分による可視光と、読み取り対象物890によって反射された紫外光と、を区別するために、センサIC95に紫外線を到達させない方策が必要となる。この方策とし紫外線フィルタを用いる場合、ケース91に適切な取付スペースを確保することや、これが不当にずれたり歪んだりすることを回避することが強いられる。
【0007】
スキャナや複写機に組み込まれるイメージセンサユニットでは、たとえば光電変換素子からなる複数の受光部が主走査方向に沿って配列されている。複数の受光部はICチップに接続されている。イメージセンサユニットは、原稿からの反射光を複数の光電変換素子によって受光されることにより、それらの受光量に対応したレベルの画像信号をシリアルのアナログ出力信号として出力するように構成されている。
【0008】
このような構成のイメージセンサユニットでは、1ライン分の画像を読み取りおよび出力するときに、一定の順序で1つずつ光電変換素子から信号を受け取るだけでは、光電変換素子の数が多い場合、その読み取りおよび出力の処理に長時間を要することになる。このため、一般には複数の光電変換素子を2〜12程度のブロックに分割し、各ブロックの読み取りおよび出力を並列に処理することで、その処理時間を短縮することが行われている(たとえば、特許文献3参照)。
【0009】
図46には、複数の光電変換素子を6つのブロック910〜960に分割して読み取りを行うイメージセンサユニットの概略を表すブロック図を示している。図46に示すイメージセンサユニット903は、たとえば1枚の基板上に設けられている信号処理部970を有している。信号処理部970が6つのブロック910〜960からの信号を処理するように構成されている。イメージセンサユニット903では、6つのブロック910〜960で並列して読み取りを行い、各ブロック910〜960からのアナログ出力信号を信号処理部970でデジタル信号に変換して制御部980へ送信している。
【0010】
イメージセンサユニット903の構成によれば、読み取り幅を長くしたい場合などには、ブロックの追加を行うことになる。しかしながら、信号処理部970は6つのブロック910〜960からの信号を処理するように構成されているため、新しいブロック数に応じた信号処理部970を再設計する必要があった。このため、たとえば需要の変化に伴い仕様変更により、イメージセンサユニット90の読取幅を変えようとしても、開発期間が長期化して柔軟な対応が行えない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−259277号公報
【特許文献2】特開2011−8952号公報
【特許文献3】特開平11−127322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、本発明の第1の課題は、ホログラム領域の読み取りが可能でありつつ、薄型化を図ることが可能なイメージセンサモジュールを提供することである。
【0013】
本発明の第2の課題は、フィルタが不当にずれたり歪んだりすることを抑制可能なイメージセンサモジュールを提供することである。
【0014】
本発明の第3の課題は、ケースにフィルタを取り付けることなく受光手段に紫外光が到達することを回避可能なイメージセンサモジュールおよび検査装置を提供することである。
【0015】
本発明の第4の課題は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より柔軟に仕様変更に対応可能な構成を有するイメージセンサユニット、および、そのようなイメージセンサユニットを備えた画像読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によって提供されるイメージセンサモジュールは、主走査方向に配列された複数の受光部を有するセンサICと、読み取り対象物から向かってきた光を上記センサICに結像させるレンズユニットと、副走査方向において上記レンズユニットに対して離間した位置に置かれた主走査方向に延びる第1出射面を有し、この第1出射面から主走査方向に延びる線状光を上記読み取り対象物に向けて出射する第1光源ユニットと、副走査方向において上記レンズユニットと上記第1出射面との間に置かれた主走査方向に延びる第2出射面を有し、この第2出射面から主走査方向に延びる線状光を上記読み取り対象物に向けて出射する第2光源ユニットと、を備えることを特徴としている。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、主走査方向および副走査方向のいずれに対しても直角である厚さ方向において、上記第1出射面は、上記第2出射面よりも読み取り対象物側にある。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記厚さ方向において、上記レンズユニットと上記第1出射面とが重なっている。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記厚さ方向において、上記レンズユニットと上記第2出射面とが重なっている。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1光源ユニットは、1以上の第1LEDチップ、この第1LEDチップが搭載された1以上の第1リード、この第1リードの一部を覆い、かつ上記第1LEDチップを露出させる第1開口部が形成された第1樹脂パッケージ、を有する第1LEDモジュールと、全体として主走査方向に長く延びており、上記第1開口部に正対する第1入射面、この第1入射面から進行してきた光を反射する第1反射面、この第1反射面から進行してきた光を主走査方向に長く延びる線状光として出射する上記第1出射面、を有する第1導光体と、を備えている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2光源ユニットは、1以上の第2LEDチップ、この第2LEDチップが搭載された1以上の第2リード、この第2リードの一部を覆い、かつ上記第2LEDチップを露出させる第2開口部が形成された第2樹脂パッケージ、を有する第2LEDモジュールと、全体として主走査方向に長く延びており、上記第2開口部に正対する第2入射面、この第2入射面から進行してきた光を反射する第2反射面、この第2反射面から進行してきた光を主走査方向に長く延びる線状光として出射する上記第2出射面、を有する第2導光体と、を備えている。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1以上の第1リードは、上記第1開口部に対して副走査方向において上記レンズユニット側に退避した位置から、上記厚さ方向に向かって上記第1樹脂パッケージから突出する第1端子部を有する。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記センサICが搭載された基板を備えており、上記1以上の第2リードは、上記厚さ方向に向かって上記第2樹脂パッケージから突出する第2端子部を有しており、上記第1および上記第2端子部は、いずれも上記基板に接続されている。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板と上記第1導光体の少なくとも一部とは、副走査方向において重ならない配置とされている。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1LEDモジュールは、厚さ方向において上記第2LEDモジュールよりも読み取り対象物側にある。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1LEDモジュールは、主走査方向において上記第2LEDモジュールよりも外方に配置されている。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態においては、副走査方向において第1LEDモジュールと第2LEDモジュールとが重なっている。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記厚さ方向において第1LEDモジュールと第2LEDモジュールとが重なっている。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1LEDモジュールの上記1以上の第1LEDチップは、互いに同じ側に配置された1対の表面電極をそれぞれ有する2つの第1表面電極LEDチップと、互いに反対側に配置された表面電極および裏面電極を有する第1表裏面電極LEDチップと、を含んでおり、上記第1LEDモジュールは、上記2つの第1表面電極LEDチップに過大な電圧が印加されることを防止するための2つの第1ツェナーダイオードを備えており、上記2つの第1表面電極LEDチップは、同一の第1絶縁層を介して上記第1リードに接合されており、上記第1表裏面電極LEDチップと上記2つの第1ツェナーダイオードとは、同一の第1導電層を介して上記第1リードに接合されており、上記2つの第1表面電極LEDチップと上記第1表裏面電極LEDチップとの間に、上記2つの第1ツェナーダイオードが配置されている。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1導電層は、Agを含む。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1絶縁層は、透明である。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1導電層の一部が上記第1リードと上記第1絶縁層の一部との間に介在している。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2LEDモジュールの上記1以上の第2LEDチップは、互いに同じ側に配置された1対の表面電極をそれぞれ有する2つの第2表面電極LEDチップと、互いに反対側に配置された表面電極および裏面電極を有する第2表裏面電極LEDチップと、を含んでおり、上記第2LEDモジュールは、上記2つの第2表面電極LEDチップに過大な電圧が印加されることを防止するための2つの第2ツェナーダイオードを備えており、上記2つの第2表面電極LEDチップは、同一の第2絶縁層を介して上記第2リードに接合されており、上記第2表裏面電極LEDチップと上記2つの第2ツェナーダイオードとは、同一の第2導電層を介して上記第2リードに接合されており、上記2つの第2表面電極LEDチップと上記第2表裏面電極LEDチップとの間に、上記2つの第2ツェナーダイオードが配置されている。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2導電層は、Agを含む。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2絶縁層は、透明である。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2導電層の一部が上記第2リードと上記第2絶縁層の一部との間に介在している。
【0037】
このような構成によれば、上記第1および第2出射面を副走査方向に離間して並べることにより、上記厚さ方向における位置を大きく異ならせることなく、読み取り対象物への線状光の入射角を異ならせることができる。これにより、上記イメージセンサモジュールの薄型化を図ることができる。
【0038】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るイメージセンサモジュールの一例を示す要部平面図である。
【図2】図1のイメージセンサモジュールを示す要部拡大平面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図1のイメージセンサモジュールの第1LEDモジュールを示す正面図である。
【図5】図1のイメージセンサモジュールの第1LEDモジュールを示す側面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う第1光源ユニットの要部断面図である。
【図7】図4のVII−VII線に沿う第1光源ユニットの断面図である。
【図8】図4の第1LEDモジュールの開口部を示す要部拡大正面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う要部断面図である。
【図10】図1のイメージセンサモジュールの第2LEDモジュールを示す正面図である。
【図11】図1のイメージセンサモジュールの第2LEDモジュールを示す側面図である。
【図12】図10のXII−XII線に沿う第2光源ユニットの要部断面図である。
【図13】図10のXIII−XIII線に沿う第2光源ユニットの断面図である。
【図14】図10の第2LEDモジュールの開口部を示す要部拡大正面図である。
【図15】図14のXV−XV線に沿う要部断面図である。
【図16】本発明の第2実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示す平面図である。
【図17】図16のイメージセンサモジュールを示す要部拡大平面図である。
【図18】図16のXVIII−XVIII線に沿う断面図である。
【図19】図16のイメージセンサモジュールを示す要部拡大断面図である。
【図20】図16のイメージセンサモジュールを示す要部拡大断面図である。
【図21】図18のXXI−XXI線に沿う要部拡大断面図である。
【図22】本発明の第3実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示す要部拡大断面図である。
【図23】本発明の第4実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示す断面図である。
【図24】本発明の第5実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示す平面図である。
【図25】図24のイメージセンサモジュールを示す要部拡大平面図である。
【図26】図24のXXVI−XXVI線に沿う断面図である。
【図27】図24のイメージセンサモジュールのセンサICを示す要部平面図である。
【図28】図27のXXVIII−XXVIII線に沿う要部拡大断面図である。
【図29】本発明の第6実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示す断面図である。
【図30】図29のイメージセンサモジュールのLED基板およびLEDチップを示す要部平面図である。
【図31】本発明の第7実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示す断面図である。
【図32】本発明に関わる検査装置の一例を示す概略断面図である。
【図33】本発明に関わる画像読取装置の概略を示す図である。
【図34】本発明に関わるイメージセンサユニットを示す平面図である。
【図35】図33に示すイメージセンサユニットの側面図である。
【図36】図33に示すイメージセンサユニットの底面図である。
【図37】図34のXXXVII−XXXVII線に沿う断面図である。
【図38】図37に示す読取基板を示す平面図である。
【図39】図37に示す信号処理基板の表面側を示す図である。
【図40】図37に示す信号処理基板の裏面側を示す図である。
【図41】図33に示す画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図42】信号処理部の電気的構成をより詳細に示すブロック図である。
【図43】本発明に関わる画像読取装置の別例の概略を示す図である。
【図44】従来のイメージセンサモジュールの一例を示す断面図である。
【図45】従来のイメージセンサモジュールの一例を示す断面図である。
【図46】従来のイメージセンサユニットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0041】
図1〜図3は、本発明に係るイメージセンサモジュールの一例を示している。本実施形態のイメージセンサモジュール101は、2つの光源ユニット200A,200B、レンズユニット400、センサIC500、基板600、ケース700、および透過板800を備えている。イメージセンサモジュール101は、たとえば画像読み取り装置に組み込まれるものであり、読み取り対象物890に設けられたホログラム領域の読み取りが可能に構成されている。なお、理解の便宜上、図1および図2においては、透過板800を省略している。
【0042】
ケース700は、イメージセンサモジュール101の外形を構成し、その他の構成要素を収容している。ケース700は、主走査方向xに長く延びており、副走査方向yおよび厚さ方向zによって規定される断面形状が、概略矩形状とされている。ケース700の材質としては、たとえば液晶ポリマ樹脂が挙げられる。ケース700には、その他の構成要素を収容するための凹部が適宜形成されている。
【0043】
基板600は、たとえばセラミックス、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁材料と、この絶縁材料上に形成された配線パターン(図示略)からなり、主走査方向xに長く延びる長矩形状とされている。基板600は、ケース700の下部に収容されており、ケース700に対してたとえば接着剤によって固定されている。基板600には、センサIC500が搭載されている。
【0044】
センサIC500は、受けた光を電気信号に変換する光電変換機能を具備する素子であり、基板600に搭載されている。センサIC500は、主走査方向xに配列された複数の受光部(図示略)を有している。この受光部には、レンズユニット400によって読み取り対象物890によって反射された光が結像される。複数の受光部は、主走査方向xに沿って1列に配置された構成であってもよいし、複数列に配置された構成であってもよい。複数列に配置された構成の場合、各列の受光部にたとえば赤色、緑色、青色のみを透過するフィルタを設けてもよい。
【0045】
透過板800は、たとえばガラスなどの透明な材質からなる板材であり、ケース700の厚さ方向z上側を覆うように取り付けられている。
【0046】
光源ユニット200Aは、イメージセンサモジュール101による画像読み取りに必要な線状光を発するユニットであり、LEDモジュール210A、導光体280A、およびリフレクタ285Aを具備している。光源ユニット200Aは、本発明の請求項で言う第1光源ユニットに相当する。
【0047】
LEDモジュール210Aは、光源ユニット200Aの発光機能を果たすモジュールであり、図4および図5に示すように、LEDチップ221A,222A,223A、ツェナーダイオード224A,225A、リード241A,242A,243A,244A、および樹脂パッケージ270Aを有する。LEDモジュール210Aは、本発明の請求項で言う第1LEDモジュールに相当する。
【0048】
樹脂パッケージ270Aは、たとえば液晶ポリマ樹脂またはエポキシ樹脂などの白色樹脂からなり、リード241A,242A,243A,244Aの一部ずつを覆っている。樹脂パッケージ270Aは、開口部271Aおよび複数の位置決め孔272Aを有している。開口部271Aは、副走査方向y一端寄りに設けられており、断面円形状である。複数の位置決め孔272Aは、リード241A,242A,243A,244Aを避けた位置に設けられており、本実施形態においては、樹脂パッケージ270Aを貫通している。
【0049】
図4、図6、図8に示すように、リード241Aは、搭載部251Aおよび端子部255Aを有している。リード241Aは、全体として、副走査方向yに長く延びる部分と、厚さ方向zに延びる部分とを有している。リード241Aは、本発明の請求項で言う第1リードに相当する。搭載部251Aは、副走査方向yに長く延びる部分の図4における左方寄りに設けられており、LEDチップ221A,222A,223Aおよびツェナーダイオード224A,225Aが搭載されている。本実施形態においては、リード241Aは、搭載部251Aがその周囲部位よりも厚さ方向z寸法が部分的に小であるくびれた形状となっている。搭載部251Aは、樹脂パッケージ270Aの開口部271Aから露出している。端子部255Aは、樹脂パッケージ270Aから厚さ方向z下方に向けて突出しており、基板600に接続されている。
【0050】
リード242Aは、ワイヤボンディング部252Aおよび端子部256Aを有している。リード242Aは、全体として、副走査方向yに長く延びる部分と、厚さ方向zに延びる部分とを有している。ワイヤボンディング部252Aは、副走査方向yに長く延びる部分の図4における左端付近に設けられている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部252Aは、リード241Aの搭載部251Aに向かって、厚さ方向z下方に突出している。ワイヤボンディング部252Aは、樹脂パッケージ270Aの開口部271Aから露出している。端子部256Aは、樹脂パッケージ270Aから厚さ方向z下方に向けて突出しており、基板600に接続されている。
【0051】
リード243Aは、ワイヤボンディング部253Aおよび端子部257Aを有している。リード243Aは、全体として、副走査方向yに延びる部分と、厚さ方向zに延びる部分とを有している。ワイヤボンディング部253Aは、副走査方向yに長く延びる部分の図4における左端付近に設けられている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部253Aは、リード241Aの搭載部251Aに向かって、厚さ方向z上方に突出している。ワイヤボンディング部253Aは、樹脂パッケージ270Aの開口部271Aから露出している。端子部257Aは、樹脂パッケージ270Aから厚さ方向z下方に向けて突出しており、基板600に接続されている。
【0052】
リード244Aは、ワイヤボンディング部254Aおよび端子部258Aを有している。リード244Aは、全体として、副走査方向yに延びる部分と、厚さ方向zに延びる部分とを有している。ワイヤボンディング部254Aは、副走査方向yに長く延びる部分の図4における左端付近に設けられている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部254Aは、搭載部251Aの図中右下、ワイヤボンディング部253Aの図中右側に位置している。ワイヤボンディング部254Aは、樹脂パッケージ270Aの開口部271Aから露出している。端子部258Aは、樹脂パッケージ270Aから厚さ方向z下方に向けて突出しており、基板600に接続されている。
【0053】
LEDチップ221Aは、本発明の請求項で言う第1表面電極LEDチップに相当し、本実施形態においては、緑色光を発する。図8および図9に示すように、LEDチップ221Aは、サブマウント基板221Aa、半導体層221Ab、1対の表面電極231Aを有している。サブマウント基板221Aaは、たとえばSiからなり、透明である。半導体層221Abは、たとえばGaN系半導体からなり、n型半導体層、p型半導体層、およびこれらのn型半導体層およびp型半導体層に挟まれた活性層(いずれも図示略)からなる。1対の表面電極231Aは、サブマウント基板221Aa上に形成されており、上記n型半導体層およびp型半導体層に導通している。
【0054】
LEDチップ222Aは、本発明の請求項で言う第1表面電極LEDチップに相当し、本実施形態においては、青色光を発する。なお、図9においては、理解の便宜上、LEDチップ221Aの構成要素のそれぞれに対応するLEDチップ222Aの構成要素の符号をカッコ内に記している。LEDチップ222Aは、サブマウント基板222Aa、半導体層222Ab、1対の表面電極232Aを有している。サブマウント基板222Aaは、たとえばSiからなり、透明である。半導体層222Abは、たとえばGaN系半導体からなり、n型半導体層、p型半導体層、およびこれらのn型半導体層およびp型半導体層に挟まれた活性層(いずれも図示略)からなる。1対の表面電極232Aは、サブマウント基板222Aa上に形成されており、上記n型半導体層およびp型半導体層に導通している。
【0055】
LEDチップ223Aは、本発明の請求項で言う第1表裏面電極LEDチップに相当し、本実施形態においては、赤色光を発する。図8および図9に示すように、LEDチップ223Aは、たとえばGaAs系半導体材料からなる半導体層と、表面電極233Aおよび裏面電極234Aを有している。上記半導体層は、n型半導体層、p型半導体層、およびこれらのn型半導体層およびp型半導体層に挟まれた活性層(いずれも図示略)からなる。表面電極233Aは、LEDチップ223Aのうちリード241Aとは反対側の部分に設けられている。裏面電極234Aは、LEDチップ223Aのリード241A側部分に設けられている。
【0056】
ツェナーダイオード224Aは、本発明の請求項で言う第1ツェナーダイオードに相当し、LEDチップ221Aに過大な電圧が印加されることを防止するための素子である。ツェナーダイオード224Aは、表面電極235Aおよび裏面電極236Aを有する。ツェナーダイオード225Aは、本発明の請求項で言う第1ツェナーダイオードに相当し、LEDチップ222Aに過大な電圧が印加されることを防止するための素子である。ツェナーダイオード225Aは、表面電極237Aおよび裏面電極238Aを有する。
【0057】
図8に示すように、LEDチップ221A,222Aは、厚さ方向zに並べられており、絶縁層262Aを介してリード241Aの搭載部251Aに搭載されている。絶縁層262Aは、本発明の請求項で言う第1絶縁層に相当し、本実施形態においては透明であり、たとえば透明な樹脂からなる。ツェナーダイオード224A,225Aは、互いに厚さ方向zに並べられており、LEDチップ221A,222Aに対して副走査方向y右側に配置されている。LEDチップ223Aは、ツェナーダイオード224A,225Aを挟んでLEDチップ221A,222Aとは副走査方向yにおいて反対側に配置されている。LEDチップ223Aとツェナーダイオード224A,225Aとは、導電層261Aを介してリード241Aの搭載部251Aに搭載されている。より詳しくは、LEDチップ223Aの裏面電極234Aとツェナーダイオード224A,225Aの裏面電極236A,238Aが、導電層261Aを介してリード241Aと導通している。導電層261Aは、たとえばAgからなる。
【0058】
LEDチップ221A,222A,223A、およびツェナーダイオード224A,225Aの搭載工程は、以下の順序で行われる。まず、リード241Aの搭載部251Aに、導電層261Aの材料となる導電性ペーストを塗布する。そして、LEDチップ223Aおよびツェナーダイオード224A,225Aをボンディングする。上記導電性ペーストをたとえば焼成することにより硬化させると、導電層261Aが得られる。次いで、搭載部251Aに絶縁層262Aの材料となる樹脂ペーストを塗布する。そして、LEDチップ221A,222Aをボンディングする。上記樹脂ペーストを硬化させることにより、絶縁層262Aが得られる。
【0059】
上記工程の順序によると、導電層261Aが形成された後に絶縁層262Aが形成される。このため、上記導電性ペーストの塗布範囲と上記樹脂ペーストの塗布範囲とが重なっていると、絶縁層262Aの一部とリード241Aの搭載部251Aとの間に導電層261Aが介在することとなる。図8および図9には、このような塗布関係となった場合の導電層261Aおよび絶縁層262Aが示されている。両者の塗布範囲によって、導電層261Aと絶縁層262Aとが重ならない構成となってもよい。ただし、上記工程の順序によれば、導電層261Aとリード241Aの搭載部251Aとの間に絶縁層262Aが介在する構成となることはない。
【0060】
LEDチップ221Aの1対の表面電極231Aは、一方がワイヤ265Aによってリード241Aの搭載部251Aに接続されており、他方がワイヤ265Aによってリード242Aのワイヤボンディング部252Aに接続されている。LEDチップ222Aの1対の表面電極232Aは、一方がワイヤ265Aによってリード241Aの搭載部251Aに接続されており、他方がワイヤ265Aによってリード243Aのワイヤボンディング部253Aに接続されている。
【0061】
LEDチップ223Aの表面電極233Aは、ワイヤ265Aによってリード244Aのワイヤボンディング部254Aに接続されている。ツェナーダイオード224Aの表面電極235Aは、ワイヤ265Aによってリード242Aのワイヤボンディング部252Aに接続されており、ツェナーダイオード225Aの表面電極237Aは、ワイヤ265Aによってリード243Aのワイヤボンディング部253Aに接続されている。
【0062】
導光体280Aは、LEDモジュール210Aからの光を主走査方向xに延びる線状光に変換するためのものであり、たとえばPMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの透明なアクリル樹脂からなる。導光体280Aは、主走査方向xに長く延びる柱状であり、図3および図6に示すように、入射面281A、反射面282A、および出射面283Aを有している。導光体280Aは、本発明の請求項で言う第1導光体に相当する。
【0063】
入射面281Aは、本発明の請求項で言う第1入射面に相当し、導光体280Aの主走査方向x端面である。入射面281Aは、LEDモジュール210Aの樹脂パッケージ270Aの開口部271Aを塞いでおり、LEDチップ221A,222A,223Aと正対している。反射面282Aは、本発明の請求項で言う第1反射面に相当し、主走査方向xに細長く延びる面であり、図3における導光体280Aの左下部分に形成されている。反射面282Aは、入射面281Aから入射した後に導光体280A内を進行してきた光を反射する面である。反射面282Aの構成としては、微細な凹凸が形成された面、白色塗料が塗布された面、などが挙げられる。出射面283Aは、本発明の請求項で言う第1出射面に相当し、主走査方向xに細長く延びる面であり、本実施形態においては、断面部分円弧状とされている。反射面282Aによって反射された光は、出射面283Aから主走査方向xに延びる線状光として出射される。
【0064】
リフレクタ285Aは、導光体280AをLEDモジュール210Aに対して位置決めする機能と、導光体280Aから不当に光が漏れてしまうことを防止する機能とを果たすものであり、たとえば白色樹脂からなる。リフレクタ285Aは、基部286Aおよび半筒状部287Aを有する。基部286Aは、主走査方向x視において、LEDモジュール210Aの樹脂パッケージ270Aと似たサイズおよび形状とされた矩形板状の部位である。基部286Aには、複数の突起288Aが形成されている。図7に示すように、各突起288Aは、LEDモジュール210Aの樹脂パッケージ270Aの位置決め孔272Aに嵌合されている。これにより、リフレクタ285Aは、LEDモジュール210Aに対して位置決めされている。
【0065】
半筒状部287Aは、主走査方向xに長く延びる半筒状の部位であり、図3および図6に示すように導光体280Aを収容している。半筒状部287Aのうち導光体280Aの反射面282Aに正対する部分は、反射面282Aから出射した光を再び導光体280Aへと戻す機能を果たしている。半筒状部287Aによって導光体280Aを収容することにより、導光体280Aはリフレクタ285Aに固定されている。したがって、導光体280Aは、リフレクタ285AとともにLEDモジュール210Aに対して位置決めされている。
【0066】
光源ユニット200Bは、イメージセンサモジュール101Bによる画像読み取りに必要な線状光を発するユニットであり、LEDモジュール210B、導光体280B、およびリフレクタ285Bを具備している。光源ユニット200Bは、本発明の請求項で言う第2光源ユニットに相当する。
【0067】
LEDモジュール210Bは、光源ユニット200Bの発光機能を果たすモジュールであり、図10および図11に示すように、LEDチップ221B,222B,223B、ツェナーダイオード224B,225B、リード241B,242B,243B,244B、および樹脂パッケージ270Bを有する。LEDモジュール210Bは、本発明の請求項で言う第2LEDモジュールに相当する。
【0068】
樹脂パッケージ270Bは、たとえば液晶ポリマ樹脂またはエポキシ樹脂などの白色樹脂からなり、リード241B,242B,243B,244Bの一部ずつを覆っている。樹脂パッケージ270Bは、開口部271Bおよび複数の位置決め孔272Bを有している。開口部271Bは、副走査方向y中央寄りに設けられており、断面円形状である。複数の位置決め孔272Bは、リード241B,242B,243B,244Bを避けた位置に設けられており、本実施形態においては、樹脂パッケージ270Bを貫通している。
【0069】
図10、図12、図14に示すように、リード241Bは、搭載部251Bおよび端子部255Bを有している。リード241Bは、本発明の請求項で言う第2リードに相当する。搭載部251Bは、リード241Bのz方向上端寄りに設けられており、LEDチップ221B,222B,223Bおよびツェナーダイオード224B,225Bが搭載されている。搭載部251Bは、樹脂パッケージ270Bの開口部271Bから露出している。端子部255Bは、樹脂パッケージ270Bから厚さ方向z下方に向けて突出しており、基板600に接続されている。
【0070】
リード242Bは、ワイヤボンディング部252Bおよび端子部256Bを有している。ワイヤボンディング部252Bは、リード242Bの図10における左上端付近に設けられている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部252Bは、リード241Bの搭載部251Bに向かって、図10における左下方に突出している。ワイヤボンディング部252Bは、樹脂パッケージ270Bの開口部271Bから露出している。端子部256Bは、樹脂パッケージ270Bから厚さ方向z下方に向けて突出しており、基板600に接続されている。
【0071】
リード243Bは、ワイヤボンディング部253Bおよび端子部257Bを有している。ワイヤボンディング部253Bは、リード243Bの図10における右方に突出した部分に設けられている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部253Bは、リード241Bの搭載部251Bに向かって、図10における右上方に突出している。ワイヤボンディング部253Bは、樹脂パッケージ270Bの開口部271Bから露出している。端子部257Bは、樹脂パッケージ270Bから厚さ方向z下方に向けて突出しており、基板600に接続されている。
【0072】
リード244Bは、ワイヤボンディング部254Bおよび端子部258Bを有している。ワイヤボンディング部254Bは、リード244Bの図10における上端付近に設けられている。本実施形態においては、ワイヤボンディング部254Bは、搭載部251Bの図中右側、ワイヤボンディング部252Bの図中下側に位置している。ワイヤボンディング部254Bは、樹脂パッケージ270Bの開口部271Bから露出している。端子部258Bは、樹脂パッケージ270Bから厚さ方向z下方に向けて突出しており、基板600に接続されている。
【0073】
LEDチップ222Bは、本発明の請求項で言う第2表面電極LEDチップに相当し、本実施形態においては、青色光を発する。図14および図15に示すように、LEDチップ222Bは、サブマウント基板222Ba、半導体層222Bb、1対の表面電極232Bを有している。サブマウント基板222Baは、たとえばSiからなり、透明である。半導体層222Bbは、たとえばGaN系半導体からなり、n型半導体層、p型半導体層、およびこれらのn型半導体層およびp型半導体層に挟まれた活性層(いずれも図示略)からなる。1対の表面電極232Bは、サブマウント基板222Ba上に形成されており、上記n型半導体層およびp型半導体層に導通している。
【0074】
LEDチップ221Bは、本発明の請求項で言う第2表面電極LEDチップに相当し、本実施形態においては、緑色光を発する。なお、図15においては、理解の便宜上、LEDチップ222Bの構成要素のそれぞれに対応するLEDチップ221Bの構成要素の符号をカッコ内に記している。LEDチップ221Bは、サブマウント基板221Ba、半導体層221Bb、1対の表面電極231Bを有している。サブマウント基板221Baは、たとえばSiからなり、透明である。半導体層221Bbは、たとえばGaN系半導体からなり、n型半導体層、p型半導体層、およびこれらのn型半導体層およびp型半導体層に挟まれた活性層(いずれも図示略)からなる。1対の表面電極231Bは、サブマウント基板221Ba上に形成されており、上記n型半導体層およびp型半導体層に導通している。
【0075】
LEDチップ223Bは、本発明の請求項で言う第2表裏面電極LEDチップに相当し、本実施形態においては、赤色光を発する。図14および図15に示すように、LEDチップ223Bは、たとえばGaAs系半導体材料からなる半導体層と、表面電極233Bおよび裏面電極234Bを有している。上記半導体層は、n型半導体層、p型半導体層、およびこれらのn型半導体層およびp型半導体層に挟まれた活性層(いずれも図示略)からなる。表面電極233Bは、LEDチップ223Bのうちリード241Bとは反対側の部分に設けられている。裏面電極234Bは、LEDチップ223Bのリード241B側部分に設けられている。
【0076】
ツェナーダイオード224Bは、本発明の請求項で言う第2ツェナーダイオードに相当し、LEDチップ221Bに過大な電圧が印加されることを防止するための素子である。ツェナーダイオード224Bは、表面電極235Bおよび裏面電極236Bを有する。ツェナーダイオード225Bは、本発明の請求項で言う第2ツェナーダイオードに相当し、LEDチップ222Bに過大な電圧が印加されることを防止するための素子である。ツェナーダイオード225Bは、表面電極237Bおよび裏面電極238Bを有する。
【0077】
図14に示すように、LEDチップ221B,222Bは、副走査方向yおよび厚さ方向zのいずれに対しても傾斜し図中左下から図中右上に延びる方向に並べられており、絶縁層262Bを介してリード241Bの搭載部251Bに搭載されている。絶縁層262Bは、本発明の請求項で言う第2絶縁層に相当し、本実施形態においては透明であり、たとえば透明な樹脂からなる。ツェナーダイオード224B,225Bは、副走査方向yおよび厚さ方向zのいずれに対しても傾斜し図中左下から図中右上に延びる方向に並べられており、LEDチップ221B,222Bに対して図中右下に配置されている。LEDチップ223Bは、ツェナーダイオード224B,225Bを挟んでLEDチップ221B,222Bとは反対側に配置されている。LEDチップ223Bとツェナーダイオード224B,225Bとは、導電層261Bを介してリード241Bの搭載部251Bに搭載されている。より詳しくは、LEDチップ223Bの裏面電極234Bとツェナーダイオード224B,225Bの裏面電極236B,238Bが、導電層261Bを介してリード241Bと導通している。導電層261Bは、たとえばAgからなる。
【0078】
LEDチップ221B,222B,223B、およびツェナーダイオード224B,225Bの搭載工程は、以下の順序で行われる。まず、リード241Bの搭載部251Bに、導電層261Bの材料となる導電性ペーストを塗布する。そして、LEDチップ223Bおよびツェナーダイオード224B,225Bをボンディングする。上記導電性ペーストをたとえば焼成することにより硬化させると、導電層261Bが得られる。次いで、搭載部251Bに絶縁層262Bの材料となる樹脂ペーストを塗布する。そして、LEDチップ221B,222Bをボンディングする。上記樹脂ペーストを硬化させることにより、絶縁層262Bが得られる。
【0079】
上記工程の順序によると、導電層261Bが形成された後に絶縁層262Bが形成される。このため、上記導電性ペーストの塗布範囲と上記樹脂ペーストの塗布範囲とが重なっていると、絶縁層262Bの一部とリード241Bの搭載部251Bとの間に導電層261Bが介在することとなる。図14および図15には、このような塗布関係となった場合の導電層261Bおよび絶縁層262Bが示されている。両者の塗布範囲によって、導電層261Bと絶縁層262Bとが重ならない構成となってもよい。ただし、上記工程の順序によれば、導電層261Bとリード241Bの搭載部251Bとの間に絶縁層262Bが介在する構成となることはない。
【0080】
LEDチップ221Bの1対の表面電極231Bは、一方がワイヤ265Bによってリード241Bの搭載部251Bに接続されており、他方がワイヤ265Bによってリード242Bのワイヤボンディング部252Bに接続されている。LEDチップ222Bの1対の表面電極232Bは、一方がワイヤ265Bによってリード241Bの搭載部251Bに接続されており、他方がワイヤ265Bによってリード243Bのワイヤボンディング部253Bに接続されている。
【0081】
LEDチップ223Bの表面電極233Bは、ワイヤ265Bによってリード244Bのワイヤボンディング部254Bに接続されている。ツェナーダイオード224Bの表面電極235Bは、ワイヤ265Bによってリード242Bのワイヤボンディング部252Bに接続されており、ツェナーダイオード225Bの表面電極237Bは、ワイヤ265Bによってリード243Bのワイヤボンディング部253Bに接続されている。
【0082】
導光体280Bは、LEDモジュール210Bからの光を主走査方向xに延びる線状光に変換するためのものであり、たとえばPMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの透明なアクリル樹脂からなる。導光体280Bは、主走査方向xに長く延びる柱状であり、図3および図12に示すように、入射面281B、反射面282B、および出射面283Bを有している。導光体280Bは、本発明の請求項で言う第2導光体に相当する。
【0083】
入射面281Bは、本発明の請求項で言う第2入射面に相当し、導光体280Bの主走査方向x端面である。入射面281Bは、LEDモジュール210Bの樹脂パッケージ270Bの開口部271Bを塞いでおり、LEDチップ221B,222B,223Bと正対している。反射面282Bは、本発明の請求項で言う第2反射面に相当し、主走査方向xに細長く延びる面であり、図3における導光体280Bの左下部分に形成されている。反射面282Bは、入射面281Bから入射した後に導光体280B内を進行してきた光を反射する面である。反射面282Bの構成としては、微細な凹凸が形成された面、白色塗料が塗布された面、などが挙げられる。出射面283Bは、本発明の請求項で言う第2出射面に相当し、主走査方向xに細長く延びる面であり、本実施形態においては、断面部分円弧状とされている。反射面282Bによって反射された光は、出射面283Bから主走査方向xに延びる線状光として出射される。
【0084】
リフレクタ285Bは、導光体280BをLEDモジュール210Bに対して位置決めする機能と、導光体280Bから不当に光が漏れてしまうことを防止する機能とを果たすものであり、たとえば白色樹脂からなる。リフレクタ285Bは、基部286Bおよび半筒状部287Bを有する。基部286Bは、主走査方向x視において、LEDモジュール210Bの樹脂パッケージ270Bと似たサイズおよび形状とされた矩形板状の部位である。基部286Bには、複数の突起288Bが形成されている。図13に示すように、各突起288Bは、LEDモジュール210Bの樹脂パッケージ270Bの位置決め孔272Bに嵌合されている。これにより、リフレクタ285Bは、LEDモジュール210Bに対して位置決めされている。
【0085】
半筒状部287Bは、主走査方向xに長く延びる半筒状の部位であり、図3および図12に示すように導光体280Bを収容している。半筒状部287Bのうち導光体280Bの反射面282Bに正対する部分は、反射面282Bから出射した光を再び導光体280Bへと戻す機能を果たしている。半筒状部287Bによって導光体280Bを収容することにより、導光体280Bはリフレクタ285Bに固定されている。したがって、導光体280Bは、リフレクタ285BとともにLEDモジュール210Bに対して位置決めされている。
【0086】
図1、図2、および図3に示すように、光源ユニット200Aの出射面283Aは、光源ユニット200Bの出射面283Bよりも副走査方向yにおいてレンズユニット400よりも離間した位置に配置されている。厚さ方向zにおいては、出射面283A,283Bは、いずれもレンズユニット400と重なる位置に配置されている。出射面283Aは、厚さ方向zにおいて出射面283Bよりも読み取り対象物890寄りに配置されている。これらの出射面283A,283Bから出射される線状光は、いずれも読み取り対象物890の同一箇所を狙って出射される。本実施形態においては、光源ユニット200Aの出射面283Aから出射される線状光は、副走査方向yに対しておよそ20°の角度をなしている。光源ユニット200Bの出射面283Bから出射される線状光は、副走査方向yに対しておよそ60°の角度をなしている。このため、これらの線状光の読み取り対象物890に対する入射角度は、互いに異なっておりおよそ40°の差がある。
【0087】
図2に示すように、LEDモジュール210Aは、主走査方向xにおいてLEDモジュール210Bよりも外方に配置されている。LEDモジュール210AとLEDモジュール210Bとは、副走査方向yにおいて互いに重なっており、本実施形態においては、副走査方向yにおいて、LEDモジュール210BがLEDモジュール210Aに含まれる関係となっている。
【0088】
図3および図4に示すように、LEDチップ221A,222A,223Aおよび導光体280Aは、副走査方向yにおいて、端子部255A,256A,257A,258Aから左方に退避した位置に配置されている。基板600は、副走査方向y寸法が、端子部255A,256A,257A,258Aと接続可能な程度とされており、過大な余裕スペースは与えられていない。このため、LEDチップ221A,222A,223Aおよび導光体280Aは、基板600に対して副走査方向y左方に退避した位置にある。本実施形態においては、導光体280Aと基板600とが副走査方向yにおいて全く重ならない構成とされているが、本発明はこれに限定されず、導光体280Aと基板600との一部ずつが副走査方向yにおいて重なる構成であってもよい。LEDチップ221B,222B,223Bおよび導光体280Bは、副走査方向yにおいて基板600と重なる位置に配置されている。端子部255B,256B,257B,258Bは、LEDモジュール210Bの樹脂パッケージ270Bから厚さ方向z下方に延びており、基板600に接続されている。
【0089】
イメージセンサモジュール101が用いられる画像読み取り装置においては、光源ユニット200A,200Bの発光タイミングを互いにずらすことにより、読み取り対象物890が光源ユニット200Aのみによって照らされた状態と、光源ユニット200Bのみによって照らされた状態とにおいて、センサIC500によるデータ取り込みがなされる。ホログラム領域は、受ける光の入射角によって、反射光の色(波長)が異なる。上記画像読み取り装置においては、光源ユニット200Aのみによって照らされた状態の画像と、光源ユニット200Bのみによって照らされた状態の画像とを比較することにより、ホログラム領域の有無や、想定されたホログラム領域に該当するか否かを判断することができる。また、光源ユニット200AにおけるLEDチップ221A,222A,223A、および光源ユニット200BにおけるLEDチップ221B,222B,223Bを選択的に発光させることにより、赤色光、緑色光、青色光の単色光をホログラム領域に照射することが可能である。ホログラム領域の構成によっては、いずれかの単色光によって照射することにより、その有無や、想定されたホログラム領域に該当するかの判断がより正確に行える場合がある。
【0090】
次に、イメージセンサモジュール101の作用について説明する。
【0091】
本実施形態によれば、出射面283A,283Bを副走査方向yに離間して並べることにより、厚さ方向zにおける位置を大きく異ならせることなく、読み取り対象物890への線状光の入射角を異ならせることができる。これにより、イメージセンサモジュール101の薄型化を図ることができる。出射面283A,283Bを厚さ方向zにおいてレンズユニット400と重なる配置とすることにより、イメージセンサモジュール101の薄型化をさらに促進することができる。
【0092】
LEDチップ221A,222A,223Aおよび導光体280Aを端子部255A,256A,257A,258Aに対して副走査方向yにおいて退避した位置に設けることにより、基板600の副走査方向y寸法を不当に大きくすることなく、出射面283Aを出射面283Bから副走査方向yにおいて離間させることができる。LEDモジュール210AをLEDモジュール210Bよりも主走査方向x外方に配置するとともに、LEDモジュール210AをLEDモジュール210Bから副走査方向yにおいて露出させることにより、副走査方向yに並べられた出射面283A,283Bを有する導光体280A,280Bへと光を適切に入射させることができる。
【0093】
LEDモジュール210Aにおいては、LEDチップ221A,222Aが同一の絶縁層262Aによって搭載部251Aに搭載されており、LEDチップ223Aおよびツェナーダイオード224A,225Aが同一の導電層261Aによって搭載部251Aに搭載されている。このため、絶縁層262Aおよび導電層261Aのいずれもが、複数の小要素に分割された構成とはなっていない。これにより、絶縁層262Aおよび導電層261Aと、これらによって搭載部251Aに搭載されているLEDチップ221A,222A,223Aおよびツェナーダイオード224A,225Aを比較的集中して配置することができる。また、LEDチップ221A,222Aに隣接する位置にツェナーダイオード224A,225Aを配置することにより、これらから延びる複数のワイヤ265Aどうしが交差し合うことを回避できる。したがって、ワイヤ265Aどうしの干渉を回避しつつ、LEDモジュール210Aの小型化を図ることができる。LEDモジュール210Bについても、同様に小型化を図ることができる。
【0094】
本発明に係るイメージセンサモジュールは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るイメージセンサモジュールの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0095】
以下、本発明の第2の課題の解決を図るのに適したイメージセンサモジュールの好ましい実施の形態について、図16〜図23を参照して具体的に説明する。
【0096】
図16〜図21は、本発明の第2実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示している。本実施形態のイメージセンサモジュール102は、ケース700、基板600、発光手段300、レンズユニット400、センサIC500、およびフィルタ801を備えている。イメージセンサモジュール102は、たとえば小切手や紙幣など表面に特殊な加工が施された読み取り対象物890を読み取る用途に用いられる。この特殊な加工が施された領域は、可視光を受けても顕在化しないが、たとえば紫外線あるいは赤外線を受けることにより可視光を発して顕在化する。
【0097】
ケース700は、イメージセンサモジュール102の外形を構成し、その他の構成要素を収容している。ケース700は、主走査方向xに長く延びており、副走査方向yおよび厚さ方向zによって規定される断面形状が、概略矩形状とされている。ケース700の材質としては、たとえば液晶ポリマ樹脂が挙げられる。
【0098】
基板600は、主走査方向xを長手方向、副走査方向yを幅方向とする長矩形状であり、たとえば、ガラスエポキシ樹脂、またはセラミックスからなる。基板600には、センサIC500が搭載されている。また、発光手段300が接続されている。
【0099】
発光手段300は、LEDモジュール310,320、および導光体330,340を有しており、本実施形態においては、2つの線状光を出射可能に構成されている。図16〜図18に示すように、LEDモジュール310,320は、副走査方向yにおいてレンズユニット400を挟んで互いに反対側に配置されている。また、導光体330,340も、副走査方向yにおいてレンズユニット400を挟んで互いに反対側に配置されている。
【0100】
LEDモジュール310は、後述する付記で言う第1LEDモジュールに相当し、LEDチップ311を有している。LEDチップ311は、紫外光を発する。図16および図17に示すように、LEDモジュール310は、ケース700の主走査方向x一端寄り(図中左方寄り)の部位に収容されている。導光体330は、後述する付記で言う第1導光体に相当し、主走査方向xに延びる棒状である。図16〜図18に示すように、導光体330は、入射面331、反射面332、および出射面333を有する。導光体330は、紫外光を適切に透過させることが可能な透明な樹脂からなる。このような樹脂としては、シクロオレフィンポリマー樹脂(たとえば、日本ゼオン:ZEONEX330R)が挙げられる。入射面331は、導光体330の主走査方向xにおける一端面であり、LEDモジュール310のLEDチップ311と正対している。反射面332は、主走査方向xに長く延びており、入射面331から入射した後に導光体330内を進行してきた紫外光を、図18における右斜め上方向に向けて反射する。出射面333は、主走査方向xに長く延びており、反射面332によって反射された紫外光を、主走査方向xに延びる線状光として出射する。
【0101】
LEDモジュール320は、後述する付記で言う第2LEDモジュールに相当し、LEDチップ321を有している。LEDチップ321は、たとえば可視光または赤外光など、紫外光以外の波長領域の光を発する。図16および図17に示すように、LEDモジュール320は、ケース700の主走査方向x他端寄り(図中右方寄り)の部位に収容されている。導光体340は、後述する付記で言う第2導光体に相当し、主走査方向xに延びる棒状である。図16〜図18に示すように、導光体340は、入射面341、反射面342、および出射面343を有する。導光体340は、可視光や赤外光を適切に透過させることが可能な透明な樹脂からなる。このような樹脂としては、たとえばアクリル樹脂が挙げられる。入射面341は、導光体340の主走査方向xにおける一端面であり、LEDモジュール320のLEDチップ321と正対している。反射面342は、主走査方向xに長く延びており、入射面341から入射した後に導光体340内を進行してきた光を、図18における左斜め上方向に向けて反射する。出射面343は、主走査方向xに長く延びており、反射面342によって反射された光を、主走査方向xに延びる線状光として出射する。
【0102】
レンズユニット400は、読み取り対象物890から厚さ方向z(主走査方向xおよび副走査方向yのいずれに対しても直角である方向)に進行してきた光を、正立等倍でセンサIC500に集光する。レンズユニット400は、複数のレンズ410とレンズホルダ420とからなる。複数のレンズ410は、それぞれの光軸が厚さ方向zに沿っており、主走査方向xに配列されている。レンズホルダ420は、不透明な樹脂からなり、複数のレンズ410を保持している。
【0103】
センサIC500は、後述する付記で言う受光手段の一例であり、基板600に搭載されている。センサIC500は、主走査方向xに配列された複数の受光部(図示略)を有する。センサIC500は、複数の受光部に受けた光の光量に応じた電気信号を出力する、光電変換機能を果たす。
【0104】
フィルタ801は、厚さ方向zにおいてレンズユニット400とセンサIC500との間に位置しており、主走査方向xにおいてレンズユニット400およびセンサIC500が存在する領域にわたって配置されている。図19〜図21に示すように、本実施形態においては、フィルタ801は、複数の小片810からなる。各小片810は、透明基材811、紫外光フィルタ層812、および青色光フィルタ層813を具備している。
【0105】
透明基材811は、小片810の土台となる部位であり、たとえば透明なガラスからなる。透明基材811は、主走査方向x寸法がたとえば20mm程度で、副走査方向y寸法が3〜5mm、厚さが0.3mm程度である。紫外光フィルタ層812は、紫外領域の波長の光を選択的に減衰させ、紫外領域以外の光を透過させる層であり、透明基材811の片面に形成されている。紫外光フィルタ層812が顕著に減衰させる波長領域は、たとえば280〜400nmである。青色光フィルタ層813は、紫外領域に隣接する青色領域の光を選択的に減衰させる層であり、透明基材811の他方の面に形成されている。青色光フィルタ層813が顕著に減衰させる波長領域は、たとえば390〜430nmである。複数の小片810は、たとえば大きなサイズのガラス基材に対して紫外光フィルタ層812と青色光フィルタ層813とを形成した後に、このガラス基材を分割することによって製造される。
【0106】
図21に示すように、複数の小片810は、主走査方向xに配列されている。隣り合う小片810どうしは、互いの一部ずつが重なり合っている。重なり合っている部分の主走査方向x寸法は、たとえば1mm程度である。本実施形態においては、副走査方向y視において複数の小片810が千鳥配置とされている。図21の部分拡大図に示すように、互いに隣り合う小片810は、互いの紫外光フィルタ層812どうしが向かい合っている。より詳しくは、千鳥配置された複数の小片810のうち、厚さ方向z下方寄りに配置されているものは、透明基材811の上面に紫外光フィルタ層812が形成されており、下面に青色光フィルタ層813が形成されている。一方、千鳥配置された複数の小片810のうち、厚さ方向z上方寄りに配置されているものは、透明基材811の下面に紫外光フィルタ層812が形成されており、上面に青色光フィルタ層813が形成されている。このような構成により、本実施形態においては、隣り合う小片810の紫外光フィルタ層812の一部ずつが互いに接している。
【0107】
図19および図20に示すように、複数の小片810からなるフィルタ801は、ケース700と一体成型されている。図19および図20は、主走査方向xにおける位置が異なる拡大断面図である。図19は、厚さ方向z下方寄りに配置されている小片810を横切る断面における断面図であり、図20は、厚さ方向z上方寄りに配置されている小片810を横切る断面における断面図である。図19および図20に示すように、小片810は、その副走査方向y両端が、ケース700に食い込んでいる。ケース700は、小片810の副走査方向y両端を厚さ方向zから覆う2つの押さえ部730を有する。各押さえ部730は、主走査方向xに長く延びており、厚さ方向z下方に緩やかに突出する凸状とされている。また、ケース700は、入射側開口710と出射側開口720とを有する。入射側開口710は、小片810の上側の面(入射側面)を露出させており、主走査方向xに長く延びている。出射側開口720は、小片810の下側の面(出射側面)を露出させており、主走査方向xに長く延びている。本実施形態においては、出射側開口720の副走査方向y寸法が、入射側開口710の副走査方向y寸法よりも大とされている。
【0108】
イメージセンサモジュール102の製造方法においては、フィルタ801と樹脂材料とを用いた金型成型によってケース700を形成する。たとえば、あらかじめ製造しておいた複数の小片810を図19〜図21に示す配置となるように金型によって保持する。このとき、各小片のうち入射側開口710および出射側開口720から露出することとなる部分が、金型によって各小片810を固定するための部位として用いられる。
【0109】
次に、イメージセンサモジュール102の作用について説明する。
【0110】
本実施形態によれば、フィルタ801は、ケース700と一体成型されている。このため、フィルタ801がケース700に対して確実に固定されている。これにより、フィルタ801が、位置ずれしたり、主走査方向xにおいて波打ったり片側に反ったりするよう歪んだりすることを抑制することができる。
【0111】
フィルタ801を構成する個々の小片810は、比較的小サイズであるため主走査方向xにおいて波打つような歪はほとんど有していない。これは、フィルタ801を1枚のガラスによって構成した場合に、主走査方向xにおいて波打つようなあるいは片側に反ったような歪が生じやすいことに対する利点である。隣り合う小片810どうしを重なり合せることにより、隣り合う小片810どうしの間に隙間が生じることを回避することができる。特に、紫外光フィルタ層812どうしが向かい合い、接触し合う構成とすることにより、複数の小片810の紫外光フィルタ層812が主走査方向xにおいて隙間なくすべてが繋がった状態となっている。これは、紫外光がフィルタ801を不当に通過してしまうことを防止するのに好適である。青色光フィルタ層813を備えることにより、LEDモジュール310のLEDチップ311が紫外光と紫外領域に隣接する青色領域の光を発しても、この青色光を適切に遮蔽することができる。
【0112】
図19および図20に示すように、押さえ部730が凸状であることにより、小片810を固定するために必要な肉厚が適切に確保されている。出射側開口720の副走査方向y寸法が比較的大であることにより、ケース700を金型成型する際に、小片810をより確実に固定することができる。小片810を固定するための領域の大きさが十分でないと、小片810を固定するための力が小さい領域に集中してしまい、小片810が破損するおそれがある。本実施形態によれば、比較的広い面積で小片810を固定することが可能であるため、小片810を破損するおそれが少なく、また小片810の薄型化にも適している。
【0113】
図22および図23は、本発明の第2の課題の解決を図るのに適したイメージセンサモジュールの他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0114】
図22は、本発明の第3実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示している。本実施形態のイメージセンサモジュール103は、押さえ部730の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、押さえ部730は、凸状とされておらず、ケース700の周囲部分と面一な形状とされている。また、本実施形態においては、入射側開口710と出射側開口720との副走査方向y寸法が、ほぼ同じサイズとされている。このような実施形態によっても、フィルタ801が、位置ずれしたり、主走査方向xにおいて波打ったり片側に反ったりするように歪んだりすることを抑制することができる。
【0115】
図23は、本発明の第4実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示している。本実施形態のイメージセンサモジュール104は、ケース700および発光手段300の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、発光手段300は、複数のLEDチップ311を備えている。複数のLEDチップ311は、紫外光を発し、基板600上に主走査方向xに並んで搭載されている。ケース700には、ガイド面740が形成されている。ガイド面740は、複数のLEDチップ311からの光を適宜反射することにより、読み取り対象物890へと向かう線状光に変換する。本実施形態においては、複数のLEDチップ311とガイド面740とによって発光手段300が構成されているといえる。また、本実施形態においては、発光手段300は、レンズユニット400の片側から紫外光のみを出射する。このような実施形態によっても、フィルタ801が、位置ずれしたり、主走査方向xにおいて波打ったり片側に反ったりするように歪んだりすることを抑制することができる。
【0116】
本発明の第2の課題の解決を図るためのイメージセンサモジュールは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の第2の課題の解決を図るためのイメージセンサモジュールの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0117】
[付記1]
主走査方向に延びる紫外領域の線状光を読み取り対象物に向けて出射する発光手段と、
主走査方向に並べられた複数の受光部を有する受光手段と、
読み取り対象物からの光を上記受光手段に集光するレンズユニットと、
上記発光手段、受光手段、およびレンズユニットを収容するケースと、を備えており、
上記レンズユニットと上記受光手段との間に配置されているとともに、上記ケースと一体成型されており、上記発光手段からの紫外光を選択的に減衰させるフィルタを備えることを特徴とする、イメージセンサモジュール。
【0118】
[付記2]
上記フィルタは、複数の小片からなる、付記1に記載のイメージセンサモジュール。
【0119】
[付記3]
上記複数の小片は、主走査方向に配列されている、付記2に記載のイメージセンサモジュール。
【0120】
[付記4]
隣り合う上記小片は、互いの一部どうしが重なり合っている、付記3に記載のイメージセンサモジュール。
【0121】
[付記5]
上記複数の小片は、副走査方向視において千鳥配置とされている、付記4に記載のイメージセンサモジュール。
【0122】
[付記6]
上記各小片は、紫外光を透過させる透明基材と、この透明基材の片面に設けられた紫外光を選択的に減衰させる紫外光フィルタ層と、を有する、付記4または5に記載のイメージセンサモジュール。
【0123】
[付記7]
隣り合う上記小片は、上記紫外光フィルタ層が形成された面が向かい合っている、付記6に記載のイメージセンサモジュール。
【0124】
[付記8]
上記各小片は、上記透明基材のうち上記紫外光フィルタ層が設けられた面と反対側の面に、青色光を選択的に減衰させる青色光フィルタ層が設けられている、付記6または7に記載のイメージセンサモジュール。
【0125】
[付記9]
上記ケースは、上記フィルタの入射側面を露出させる、主走査方向に長く延びる入射側開口と、上記フィルタの出射側面を露出させる、主走査方向に長く延びる出射側開口と、を有する、付記1ないし8のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【0126】
[付記10]
上記出射側開口の副走査方向寸法は、上記入射側開口の副走査方向寸法よりも大である、付記9に記載のイメージセンサモジュール。
【0127】
[付記11]
上記ケースは、上記フィルタの上記出射側面の副走査方向両端寄り部分を覆う押さえ部を有する、付記9または10に記載のイメージセンサモジュール。
【0128】
[付記12]
上記押さえ部は、上記フィルタの上記出射側面が向く方向に凸である、付記11に記載のイメージセンサモジュール。
【0129】
[付記13]
上記発光手段は、紫外光を発するLEDチップを有する第1LEDモジュールと、全体として主走査方向に長く延びており、上記第1LEDモジュールからの光が入射する入射面、上記入射面から進行してきた光を反射する反射面、上記反射面から進行してきた光を主走査方向に長く延びる線状光として出射する出射面、を有する第1導光体と、を備えている、付記1ないし12のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【0130】
[付記14]
上記発光手段は、紫外領域以外の領域の光を発するLEDチップを有する第2LEDモジュールと、全体として主走査方向に長く延びており、上記第2LEDモジュールからの光が入射する入射面、上記入射面から進行してきた光を反射する反射面、上記反射面から進行してきた光を主走査方向に長く延びる線状光として出射する出射面、を有する第2導光体と、を備えており、
上記第1導光体と上記第2導光体とは、上記レンズユニットを挟んで副走査方向において互いに反対側に配置されている、付記13に記載のイメージセンサモジュール。
【0131】
[付記15]
上記第2LEDモジュールの上記LEDチップは、可視光を発する、付記14に記載のイメージセンサモジュール。
【0132】
以下、本発明の第3の課題の解決を図るのに適したイメージセンサモジュールおよび検査装置の好ましい実施の形態につき、図24〜図32を参照して具体的に説明する。
【0133】
図24〜図26は、本発明の第5実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示している。本実施形態のイメージセンサモジュール105は、ケース700、基板600、発光手段300、レンズユニット400、およびセンサIC500を備えている。イメージセンサモジュール105は、たとえば小切手や紙幣など表面に特殊な加工が施された読み取り対象物890を読み取る用途に用いられる。
【0134】
ケース700は、イメージセンサモジュール105の外形を構成し、その他の構成要素を収容している。ケース700は、主走査方向xに長く延びており、副走査方向yおよび厚さ方向zによって規定される断面形状が、概略矩形状とされている。ケース700の材質としては、たとえば液晶ポリマ樹脂が挙げられる。
【0135】
基板600は、主走査方向xを長手方向、副走査方向yを幅方向とする長矩形状であり、たとえば、ガラスエポキシ樹脂、またはセラミックスからなる。基板600には、センサIC500が搭載されている。また、発光手段300が接続されている。
【0136】
発光手段300は、LEDモジュール310,320、および導光体330,340を有しており、本実施形態においては、2つの線状光を出射可能に構成されている。LEDモジュール310,320は、副走査方向yにおいてレンズユニット400を挟んで互いに反対側に配置されている。また、導光体330,340も、副走査方向yにおいてレンズユニット400を挟んで互いに反対側に配置されている。
【0137】
LEDモジュール310は、後述する付記で言う第1LEDモジュールに相当し、LEDチップ311を有している。LEDチップ311は、紫外光を発する。図24および図25に示すように、LEDモジュール310は、ケース700の主走査方向x一端寄り(図中左方寄り)の部位に収容されている。導光体330は、後述する付記で言う第1導光体に相当し、主走査方向xに延びる棒状である。導光体330は、入射面331、反射面332、および出射面333を有する。導光体330は、紫外光を適切に透過させることが可能な透明な樹脂からなる。このような樹脂としては、シクロオレフィンポリマー樹脂(たとえば、日本ゼオン:ZEONEX330R)が挙げられる。入射面331は、導光体330の主走査方向xにおける一端面であり、LEDモジュール310のLEDチップ311と正対している。反射面332は、主走査方向xに長く延びており、入射面331から入射した後に導光体330内を進行してきた紫外光を、図26における右斜め上方向に向けて反射する。出射面333は、主走査方向xに長く延びており、反射面332によって反射された紫外光を、主走査方向xに延びる線状光として出射する。
【0138】
LEDモジュール320は、後述する付記で言う第2LEDモジュールに相当し、LEDチップ321を有している。LEDチップ321は、紫外光以外の波長領域の光を発する。紫外光以外の波長領域の光としては、可視光、赤外光が挙げられる。赤色光、緑色光、青色光を発する3つのLEDチップ321を有する構成の場合、これらの光を混色させることにより、LEDモジュール320からは白色光が出射される。あるいは、白色光を発するLEDチップ321を有する構成であってもよい。図24および図25に示すように、LEDモジュール320は、ケース700の主走査方向x他端寄り(図中右方寄り)の部位に収容されている。導光体340は、後述する付記で言う第2導光体に相当し、主走査方向xに延びる棒状である。導光体340は、入射面341、反射面342、および出射面343を有する。導光体340は、可視光や赤外光を適切に透過させることが可能な透明な樹脂からなる。このような樹脂としては、たとえばアクリル樹脂が挙げられる。入射面341は、導光体340の主走査方向xにおける一端面であり、LEDモジュール320のLEDチップ321と正対している。反射面342は、主走査方向xに長く延びており、入射面341から入射した後に導光体340内を進行してきた光を、図26における左斜め上方向に向けて反射する。出射面343は、主走査方向xに長く延びており、反射面342によって反射された光を、主走査方向xに延びる線状光として出射する。
【0139】
レンズユニット400は、読み取り対象物890から厚さ方向z(主走査方向xおよび副走査方向yのいずれに対しても直角である方向)に進行してきた光を、正立等倍でセンサIC500に集光する。レンズユニット400は、複数のレンズ410とレンズホルダ420とからなる。複数のレンズ410は、それぞれの光軸が厚さ方向zに沿っており、主走査方向xに配列されている。レンズホルダ420は、不透明な樹脂からなり、複数のレンズ410を保持している。
【0140】
センサIC500は、後述する付記で言う受光手段の一例であり、基板600に搭載されている。図27および図28に示すように、センサIC500は、複数の受光部510および複数のフィルタ520を備える。複数のフィルタ520は、後述する付記でいう紫外光減衰手段の一例に相当する。
【0141】
複数のフィルタ520は、第1フィルタ521、第2フィルタ522、および第3フィルタ523からなる。これらの第1〜第3フィルタ521,522,523は、それぞれが主走査方向xに延びる帯状であり、副走査方向yに間隔を置いて互いに平行に配置されている。本実施形態においては、第1フィルタ521は、赤色光を選択的に透過させるものであり、赤色以外の可視光および紫外光を減衰させる。第2フィルタ522は、緑色光を選択的に透過させるものであり、緑色以外の可視光および紫外光を減衰させる。第3フィルタ523は、青色光を選択的に透過させるものであり、青色以外の可視光および紫外光を減衰させる。
【0142】
複数の受光部510は、第1グループ511、第2グループ512、および第3グループ513に分けられている。第1〜第3グループ511,512,513は、各々が主走査方向xに沿って配列されている。また、第1〜第3グループ511,512,513は、副走査方向yに間隔を置いて互いに平行に配置されている。第1グループ511は、第1フィルタ521によって覆われており、第2グループ512は、第2フィルタ522によって覆われており、第3グループ513は、第3フィルタ523によって覆われている。
【0143】
レンズユニット400によって集光された光は、第1〜第3フィルタ521,522,523を透して、第1〜第3グループ511,512,513に受光される。第1グループ511は、集光された光の赤色成分を受光し、第2グループ512は、集光された光の緑色成分を受光し、第3グループ513は、集光された光の青色成分を受光する。センサIC500は、たとえばパッド530から、第1グループ511、第2グループ512、第3グループ513ごとに、受光した光の強度に応じた強さの電気信号を出力する光電変換機能を有する。
【0144】
次に、イメージセンサモジュール105の作用について説明する。
【0145】
本実施形態によれば、図27および図28に示すように、紫外光を減衰するための紫外光減衰手段であるフィルタ520がセンサIC500に搭載されている。これにより、たとえばケース700に紫外光フィルタを設けるためのスペースを確保する必要がない。これにより、イメージセンサモジュール105の小型化を図ることができる。また、フィルタ520をセンサIC500に搭載することにより、紫外光フィルタをセンサIC500から離れた位置においてケース700に取り付ける場合と比べて、フィルタ520が歪んだりずれたりするおそれが小さいという利点がある。
【0146】
発光手段300のLEDモジュール310から出射された紫外光は、導光体330によって線状光に変換された後に、読み取り対象物890に照射される。読み取り対象物890が特殊な加工が施された紙幣の場合、特殊な加工が施された部分が紫外光を受けることにより、特定の波長の可視光を発するものがある。この特定の波長の光は、紙幣の種類ごとに異なることが一般的である。第1〜第3フィルタ521,522,532は、赤色光、緑色光、青色光を選択的に透過させるため、第1〜第3グループ511,512,513によって受光された光の強度を、センサIC500からの出力信号に基づいて検証することにより、受けた光がどの波長域の光であるかを特定することができる。これにより、紫外光によって顕在化した特殊な加工部分の色調および形から、紙幣の真贋判断処理に、イメージセンサモジュール105を用いることができる。
【0147】
LEDモジュール320から出射された可視光を読み取り対象物890であるたとえば紙幣に照射することにより、紙幣に一般的な手法で印刷された模様や文字を読み取ることができる。レンズユニット400を挟んで、LEDモジュール310,320や導光体330,340を離間配置することにより、読み取り対象物890のうちレンズユニット400に対して厚さ方向z正面に位置する部分に、紫外光および可視光を適切に照射することができる。LEDモジュール310とLEDモジュール320が同一のケース700に取り付けられているため、互いの照射領域を読み取り対象物890の所望の位置に正確に位置決めすることができる。また、1つのセンサIC500に対して複数の波長域の光を一括して出射する発光手段300を備えることにより、各波長域の光に対応させた複数のセンサIC500を備える構成と比べて、イメージセンサモジュール105の小型化を図ることができる。
【0148】
紫外光を光源として、読み取り対象物890からの上述した特定の波長の光を読み取る場合、紫外光はノイズとなりうる。また、紫外光を発する光源は、紫外光に加えて青色光を発することが多い。このため、通常であれば、センサIC500に到達する光を、紫外光および青色光を遮蔽するフィルタを透過させる方策がとられる。この場合、センサIC500には、ノイズ光の紫外光や青色光は受光しない。一方、本実施形態においては、第1および第2グループ511,512は、紫外光および青色光を受けないが、第3グループ513は、第3フィルタ523を通して少なくとも青色光を受ける。このため、第3グループ513を、LED410から発せられる光の強度の比率をモニタリングする用途に用いることができる。
【0149】
図29〜図31は、本発明の第3の課題の解決を図るのに適したイメージセンサモジュールの他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0150】
図29は、本発明の第6実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示している。本実施形態のイメージセンサモジュール106は、発光手段300の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、発光手段300は、上述したLEDモジュール310に代えて、LED基板350とこのLED基板350に搭載された複数のLEDチップ311とを備えている。LED基板350は、たとえばガラスエポキシ樹脂またはセラミックスからなる絶縁基板であり、図30に示すように主走査方向xに長く延びる長矩形状である。複数のLEDチップ311は、それぞれが紫外光を発するものであり、LED基板350上において主走査方向xに配列されている。このような実施形態によっても、ケース700に紫外光フィルタを設けるためのスペースを確保する必要がないという利点がある。
【0151】
図31は、本発明の第7実施形態に基づくイメージセンサモジュールを示している。本実施形態のイメージセンサモジュール107は、ケース700および発光手段300の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、発光手段300は、複数のLEDチップ311を備えている。複数のLEDチップ311は、紫外光を発し、基板600上に主走査方向xに並んで搭載されている。ケース700には、ガイド面740が形成されている。ガイド面740は、複数のLEDチップ311からの光を適宜反射することにより、読み取り対象物890へと向かう線状光に変換する。本実施形態においては、複数のLEDチップ311とガイド面740とによって発光手段300が構成されているといえる。また、本実施形態においては、発光手段300は、レンズユニット400の片側から紫外光のみを出射する。このような実施形態によっても、ケース700に紫外光フィルタを設けるためのスペースを確保する必要がないという利点がある。
【0152】
図32は、本発明の第3の課題の解決を図るのに適した検査装置の一例を示している。図32に示す検査装置110は、上述した2つのイメージセンサモジュール105を備えている。なお、以下の説明においては、2つのイメージセンサモジュール105を備える構成を前提としているが、本発明の第3の課題の解決を図るのに適した検査装置はこれに限定されず、たとえば1つのイメージセンサモジュール105を備える構成であってもよいし、イメージセンサモジュール105に代えてイメージセンサモジュール106,107を備える構成であってもよい。検査装置110は、読み取り対象物890として、たとえば可視インクと不可視インクとを用いた印刷が施された紙幣を対象とした、真贋検査を行うため装置である。上記不可視インクは、たとえば紫外光を受けることにより、所定の波長の光を発するものである。
【0153】
検査装置110は、2つイメージセンサモジュール105を収容するケース111を有する。ケース111には、2つのイメージセンサモジュール105のほかに、複数のローラ112および制御部113が収容されている。複数のローラ112は、後述する付記で言う搬送手段に相当する。ケース111には、2つの開口111a,111bが形成されている。読み取り対象物890は、開口111aから挿入されると、複数のローラ112によって図中2つのイメージセンサモジュール105は、副走査方向yにおいて図中左方から右方へと搬送され、開口111bから排出される。
【0154】
2つのイメージセンサモジュール105は、副走査方向yにおいて2つずつのローラ112に挟まれた位置に設けられており、厚さ方向zにおいて読み取り対象物890の搬送経路を挟んで対向配置されている。厚さ方向z視において、2つのイメージセンサモジュール105は互いに重なり合っている。図中下側のイメージセンサモジュール105は、位置P1に対して光を出射し、位置P1からの光を受光する。図中上側のイメージセンサモジュール105は、位置P2に対して光を出射し、位置P2からの光を受光する。
【0155】
検査装置110は、制御部113を有している。制御部113は、たとえばCPU、メモリ、インターフェースなどを有しており、後述する付記で言う判断手段の一例である。制御部113には、2つのイメージセンサモジュール105が接続されており、これらのイメージセンサモジュール105からの信号が入力される。また、制御部113は、イメージセンサモジュール105の発光手段300の発光を制御する。具体的には、LEDモジュール310およびLEDモジュール320の発光タイミングを任意に制御する。また、LEDモジュール320が赤色光、緑色光、青色光、赤外光などの光を発する複数種類のLEDチップを備える場合、制御部113は、これらの種類ごとにLEDチップ321を発光させる。イメージセンサモジュール105からの信号を受ける際、制御部113は、たとえば図27および図28に示すように複数の受光部510ごとの受光信号を受信可能である。これにより、制御部113は、主走査方向xの任意の位置における第1グループ511、第2グループ512、および第3グループ513がそれぞれ透過する光の強度比率を認識可能とされている。ただし、上記主走査方向のxの任意の位置の解像度は、複数の受光部510の配置密度に依存する。
【0156】
制御部113には、上記メモリに基準波長比率R0が記憶されている。イメージセンサモジュール105から紫外光を出射したときに、第1〜第3グループ511,512,513に対応した、赤色光域、緑色光域、青色光域の光の強度比率である波長比率Riがイメージセンサモジュール105から得られる。制御部113は、波長比率Riを基準波長比率R0とを比較する。そして、波長比率Riと基準波長比率R0との差が、あらかじめ定めておいた許容差以内であれば、読み取り対象物890としての紙幣が正規な紙幣であると判断する。一方、波長比率Riと基準波長比率R0との差が、あらかじめ定めておいた許容差よりも大きければ、読み取り対象物890としての紙幣が正規な紙幣ではないと判断する。
【0157】
本実施形態によれば、読み取り対象物890に対して、紫外光および紫外光以外のたとえば可視光を任意のタイミングで照射することが可能であり、それぞれの照射状態において、読み取り対象物890から受ける光の赤色光成分、緑色光成分、および青色光成分の比率を認識することができる。したがって、読み取り対象物890がたとえば特殊な印刷処理が施された紙幣である場合、その真贋を見極めるのに適切とされる典型的な照射状態を実現し、かつその照射状態における受光色を認識することが可能である。これは、紙幣の真贋を判別するのに好適である。
【0158】
2つのイメージセンサモジュール105を、厚さ方向zにおいて重なるように読み取り対象物890を挟んで対向配置することにより、副走査方向における検査装置110の小型化を図ることができる。また、各イメージセンサモジュール105に対して読み取り対象物890を押し付けるためのローラを備える必要が無い。この観点から、検査装置110の薄型化を図ることができる。
【0159】
本発明の第3の課題の解決を図るのに適したイメージセンサモジュールおよび検査装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の第3の課題の解決を図るのに適したイメージセンサモジュールおよび検査装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0160】
[付記1]
主走査方向に延びる紫外領域の線状光を読み取り対象物に向けて出射する発光手段と、
主走査方向に並べられた複数の受光部を有する受光手段と、
上記読み取り対象物からの光を上記受光手段に集光するレンズユニットと、
上記発光手段、上記受光手段、および上記レンズユニットを収容するケースと、を備えており、
上記受光手段は、上記複数の受光部に向かってくる紫外光および可視光領域の特定波長の光を選択的に減衰させる紫外光減衰手段を備えることを特徴とする、イメージセンサモジュール。
【0161】
[付記2]
上記紫外光減衰手段は、
紫外光を選択的に減衰させるとともに、可視光領域に含まれる第1波長域の光を選択的に透過させる第1フィルタと、
紫外光を選択的に減衰させるとともに、可視光領域に含まれ、かつ上記第1波長域以外の第2波長域の光を選択的に透過させる第2フィルタと、
紫外光を選択的に減衰させるとともに、可視光領域に含まれ、かつ上記第1および第2波長域以外の第3波長域の光を選択的に透過させる第3フィルタと、
を含む、付記1に記載のイメージセンサモジュール。
【0162】
[付記3]
上記第1波長域は赤色光領域であり、上記第2波長域は緑色光領域であり、上記第3波長域は青色光領域である、付記2に記載のイメージセンサモジュール。
【0163】
[付記4]
上記複数の受光部は、上記第1フィルタを透過した光を受光する第1グループに属するもの、上記第2フィルタを透過した光を受光する第2グループに属するもの、および上記第3フィルタを透過した光を受光する第3グループに属するもの、を含む、付記2または3に記載のイメージセンサモジュール。
【0164】
[付記5]
上記第1ないし第3グループに含まれる複数の受光部は、これらのグループ毎に主走査方向に沿って配列されており、かつ互いに平行に配置されている、付記4に記載のイメージセンサモジュール。
【0165】
[付記6]
上記発光手段は、紫外光を発するLEDチップを有する第1LEDモジュールと、全体として主走査方向に長く延びており、上記第1LEDモジュールからの光が入射する入射面、上記入射面から進行してきた光を反射する反射面、上記反射面から進行してきた光を主走査方向に長く延びる線状光として出射する出射面、を有する第1導光体と、を備えている、付記1ないし5のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【0166】
[付記7]
上記発光手段は、紫外領域以外の領域の光を発する1以上のLEDチップを有する第2LEDモジュールと、全体として主走査方向に長く延びており、上記第2LEDモジュールからの光が入射する入射面、上記入射面から進行してきた光を反射する反射面、上記反射面から進行してきた光を主走査方向に長く延びる線状光として出射する出射面、を有する第2導光体と、を備えている、付記6に記載のイメージセンサモジュール。
【0167】
[付記8]
上記第1導光体と上記第2導光体とは、上記レンズユニットを挟んで副走査方向において互いに反対側に配置されている、付記7に記載のイメージセンサモジュール。
【0168】
[付記9]
上記第2LEDモジュールの上記LEDチップは、可視光を発する、付記7または8に記載のイメージセンサモジュール。
【0169】
[付記10]
上記第2LEDモジュールは、赤色光を発する上記LEDチップ、緑色光を発する上記LEDチップ、および青色光を発する上記LEDチップ、を有する、付記9に記載のイメージセンサモジュール。
【0170】
[付記11]
上記第2LEDモジュールは、白色光を発する上記LEDチップ、を有する、付記9に記載のイメージセンサモジュール。
【0171】
[付記12]
上記発光手段は、主走査方向に配列された紫外光を発する複数のLEDチップを備える、付記1ないし11のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【0172】
[付記13]
上記発光手段は、赤外光を発するLEDチップを備える、付記1ないし12のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【0173】
[付記14]
各々が付記4に記載のイメージセンサモジュールによって構成された第1および第2のイメージセンサモジュールと、
上記読み取り対象物を副走査方向に搬送する搬送手段と、を備えており、
上記第1イメージセンサモジュールは、上記読み取り対象物に対して第1位置に向けて紫外光および波長域が紫外光領域以外の領域であって互いの波長域が異なる複数の光を出射し、かつ上記受光手段が上記第1位置からの光を上記第1ないし第3フィルタを透して受光し、
上記第2イメージセンサモジュールは、上記読み取り対象物に対して第2位置に向けて紫外光および波長域が紫外光領域以外の領域であって互いの波長域が異なる複数の光を出射し、かつ上記受光手段が上記第1位置からの光を上記第1ないし第3フィルタを透して受光し、
上記第1および第2イメージセンサモジュールが受光した光の上記第1ないし第3フィルタによって透過する波長域ごとの比率を、あらかじめ記憶しておいた基準波長比率と比較することにより、上記読み取り対象物が検査基準を満たすか否かを判断する判断手段を備えることを特徴とする、検査装置。
【0174】
[付記15]
上記読み取り対象物は、厚さ方向に離間する表裏面を有するシート状であり、
上記第1および第2位置は、一方が上記表面側に位置し、他方が上記裏面側に位置する、付記14に記載の検査装置。
【0175】
[付記16]
上記第1および第2イメージセンサモジュールは、上記読み取り対象物の厚さ方向視において少なくとも互いの一部ずつが重なっており、上記読み取り対象物を挟んで対向配置されている、付記15に記載の検査装置。
【0176】
[付記17]
上記読み取り対象物は、可視インクと不可視インクとを用いた印刷がなされている、付記14ないし16のいずれかに記載の検査装置。
【0177】
以下、本発明の第4の課題の解決を図るのに適したイメージセンサユニットおよび画像読取装置の好ましい実施の形態について、図33〜図43を参照して具体的に説明する。
【0178】
図33は、本発明の第4の課題の解決を図るための画像読取装置の一例を示している。図33に示す画像読取装置121は、原稿の両面を読み取り可能に構成されたスキャナである。画像読取装置121は、原稿891を搬送する搬送装置130と、原稿891の表面を読み取るためのイメージセンサユニット140と、原稿891の裏面を読み取るためのイメージセンサユニット150とを備えている。さらに、図33では省略しているが、画像読取装置121は通信処理部160および制御部170を備えている。なお、原稿891はたとえばA3以下のサイズである。
【0179】
搬送装置130は、原稿891がセットされる給紙部131と、給紙部131にセットされた原稿891を搬送する搬送ドラム132、複数の搬送ローラ133、および、原稿891が送り出される排出部134とを有している。原稿891は、その表面が図33における上方を向くように給紙部131にセットされる。給紙部131にセットされた原稿891は、搬送ドラム132を経由して排出部134へと搬送される。搬送ドラム132の上方から送り込まれた原稿891は、搬送ドラム132の下方から送り出されるときには、その表面が図33における下方を向くようになる。
【0180】
イメージセンサユニット140は、図33に示すように、搬送装置130の図中下方に配置されている。イメージセンサユニット140は、キセノンランプ141と、複数のミラー142と、レンズ143と、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)センサ144と、センサボードユニット145を備えている。複数のミラー142およびレンズ143は、縮小光学系を構成している。先述のように、原稿891の表面は下方を向くようになっているので、キセノンランプ141は上方を通る原稿891を照明するように配置されている。原稿891の表面からの反射光は複数のミラー142を介し、レンズ143によりCCDセンサ144に結像する。CCDセンサ144では結像した光信号をアナログの画像信号に変換して、センサボードユニット145へ送信する。センサボードユニット145はアナログの画像信号に所定の処理を施して制御部170へ出力する。
【0181】
イメージセンサユニット150は、図33に示すように、搬送装置130の筐体内部に設置されている。イメージセンサユニット150は、原稿891の裏面を読み取るためのものであるため、搬送ドラム132の下方から送り出される原稿891の上方に設置されている。以下、図34〜図40を参照しつつ、イメージセンサユニット150の構成について説明を行う。
【0182】
イメージセンサユニット150は、読取部151と、3つの信号処理部152と、12個の連結部材153と、3個の導通部材154とを備えている。読取部151は、原稿891の裏面を読み取るように構成されたCIS(Contact Image Sensor:密着型イメージセンサ)であり、読み取った画像をアナログ信号として出力する。
【0183】
読取部151は、ケース701と、光源部301と、導光体360と、レンズアレイ401と、複数の受光部501と、3つのICチップ502(502A,502B,502C)と、読取基板610と、3つの読取側コネクタ611A,611B,611Cとを有している。
【0184】
ケース701は、主走査方向に長く延びるように形成されており、光源部301と、導光体360と、レンズアレイ401と、読取基板610とを収容している。
【0185】
図34に示すように、ケース701は副走査方向に突き出す12個のネジ受け部750を有している。各ネジ受け部750には、雌ネジが切られたネジ孔が形成されている。
【0186】
図34には表れていないが、光源部301はケース701の図34中右端付近に収容されている。光源部301は、図37に示すように、複数のLEDチップ312を有している。複数のLEDチップ312は、読取基板610上に設けられた図示しない回路に接続されている。さらに、具体的には、光源部301は、たとえば赤緑青の3色のLEDチップ312を有している。さらに、赤外光を出射するLEDチップ312を有していてもよい。
【0187】
導光体360、レンズアレイ401、および、読取基板610は主走査方向に長く延びるように形成されている。導光体360の主走査方向における一方の端部は、光源部301に近接している。導光体360は、たとえばアクリル製であり、光源部301からの光を内部で反射させながら主走査方向に沿って進行させるように構成されている。導光体360は、主走査方向に沿って長く延びる帯状の光出射部361と、光出射部361の反対側に設けられた光反射部362とを有している。導光体360の内部を進行する光の一部は、光反射部362によって反射されて光出射部361から出射され、原稿891の裏面を照明する。原稿891の裏面からの光は、レンズアレイ401によって複数の受光部501に結像させられる。
【0188】
読取基板610は、互いに反対を向く表面および裏面を有している。複数の受光部501および3つのICチップ502A,502B,502Cは、読取基板610の表面側に設置されている。3つの読取側コネクタ611A,611B,611Cは、読取基板610の裏面側に設置されている。
【0189】
複数の受光部501は、たとえば主走査方向に沿って読取画素数分だけ配列されるように、読取基板610上に搭載された複数の光電変換素子である。図38に示すように、複数の受光部501は、3つのブロック501A,501B,501Cに分割されている。一例として、読取画素数が2592の場合、読取基板610の表面には、2592個の受光部501が主走査方向に沿って配列されている。便宜上、図38における右端にある受光部501を1番目とし、順に2592番まで番号を振る。1番から864番までの受光部501がブロック501Aに属し、865番から1728番までの受光部501がブロック501Bに属し、1729番から2592番までの受光部501がブロック501Cに属している。
【0190】
図38に示すように、3つのICチップ502A,502B,502Cは、主走査方向に沿って図中右方から順に配列されている。ICチップ502Aはブロック501Aに属する受光部501に接続されている。ICチップ502Bはブロック501Bに属する受光部501に接続されている。ICチップ502Cはブロック501Cに属する受光部501に接続されている。
【0191】
3つの読取側コネクタ611A,611B,611Cは、主走査方向において互いに離間するように配列されている。読取側コネクタ611Aは、たとえば図示しないスルーホールを介してICチップ502Aに接続されている。読取側コネクタ611Bは、たとえば図示しないスルーホールを介してICチップ502Bに接続されている。読取側コネクタ611Cは、たとえば図示しないスルーホールを介してICチップ502Cに接続されている。
【0192】
読取部151は、3つのブロック501A,501B,501Cのそれぞれからアナログ信号を出力するように構成されている。具体的には、図41に示すように、ICチップ502Aは、ブロック501Aに属する受光部501が受光した情報を1番目から順に示すアナログ信号PAを読取側コネクタ611Aから出力する。ICチップ502Bは、ブロック501Bに属する受光部501が受光した情報を865番目から順に示すアナログ信号PBを読取側コネクタ611Bから出力する。ICチップ502Cは、ブロック501Cに属する受光部501が受光した情報を1729番目から順に示すアナログ信号PCを読取側コネクタ611Cから出力する。
【0193】
3つの信号処理部152は読取部151から出力されるアナログ信号を受信する。3つの信号処理部152は同一の構成を有している。以下、まず、図39および図40を用いて各信号処理部152の構成について説明を行う。
【0194】
各信号処理部152は、信号処理基板620と、処理部側コネクタ621と、通信用コネクタ622と、信号変換部623と、信号処理回路624と、通信処理回路625と、メモリ626と、光源制御用回路627とを有している。
【0195】
各信号処理基板620は、互いに反対を向く表面および裏面を有しており、その表面が読取基板610の裏面と対向するように配置される。図39は信号処理基板620の表面側を示しており、図40は信号処理基板620の裏面側を示している。図39に示すように、処理部側コネクタ621および信号変換部623は、信号処理基板620の表面側に設置されている。図40に示すように、通信用コネクタ622、信号処理回路624、通信処理回路625、メモリ626および光源制御用回路627は、信号処理基板620の裏面側に設置されている。
【0196】
信号処理基板620は、図39および図40に示すように平面視矩形状であり、四隅のそれぞれにネジ通し孔628が形成されている。
【0197】
図34〜図36に表れているように、3つの信号処理部152は、主走査方向に互いに離間するように配列されている。以下、説明の便宜を図るために必要に応じて、3つの信号処理部152に、図34における右から順にA,B,Cの符号を付して区別する。
【0198】
図37に示すように、信号処理基板620は、連結部材153を介してケース701に対して固定されている。連結部材153は、たとえばネジまたは段付きネジであり、ネジ受け部750に形成された雌ネジに螺合する雄ネジを有している。ネジ通し孔628に連結部材153を通し、さらに連結部材153の雄ネジをネジ受け部750に捻じ込むことにより、信号処理基板620をケース701に対して固定することができる。なお、図37に表れているのは信号処理部152Bの信号処理基板620であるが、信号処理部152A,152Cの信号処理基板620も同様にケース701に対して固定されている。
【0199】
さらに、図37に示すように、信号処理部152Bの処理部側コネクタ621は、導通部材154を介して読取側コネクタ611Bに接続されている。同様に、信号処理部152Aの処理部側コネクタ621は読取側コネクタ611Aに接続され、信号処理部152Cの処理部側コネクタ621は読取側コネクタ611Cに接続されている。
【0200】
図41には、画像読取装置121の電気的構成を示している。図41に示すように、ブロック501Aからのアナログ信号PAは信号処理部152Aに伝達され、ブロック501Bからのアナログ信号PBは信号処理部152Bに伝達され、ブロック501Cからのアナログ信号PCは信号処理部152Cに伝達される。信号処理部152Aは通信処理部160へ向けてデジタル信号PDAを送信し、信号処理部152Bは通信処理部160へ向けてデジタル信号PDBを送信し、信号処理部152Cは通信処理部160へ向けてデジタル信号PDCを送信する。通信処理部160は制御部170に接続されている。
【0201】
制御部170は、通信処理部160および信号処理部152A,152B,152Cを介して読取部151に制御信号CSA,CSB,CSCを送信する。制御信号CSAはブロック501Aも向けて、制御信号CSBはブロック501Bに向けて、制御信号CSCはブロック501Cに向けて送信される。制御信号CSA,CSB,CSCは、たとえば、スタートパルス信号、クロックパルス信号、および、イネーブル信号を含んでいる。スタートパルス信号は、読取部151に読取開始を指示するための信号である。クロックパルス信号は、3つのブロック501A,501B,501Cで行われる読み取り処理のタイミングを調整するための信号である。イネーブル信号は、たとえば、信号処理部152A,152B,152Cから通信処理部160へのデジタル信号PDA,PDB,PDCの送信を指示するための信号である。
【0202】
図42には信号処理部152Aのより詳細な電気的構成を示している。以下、図42を参照にしつつ、信号処理部152Aの各部について説明を行う。
【0203】
ブロック501Aは、制御信号CSAに含まれるスタートパルス信号を受信すると読取を開始する。ブロック501Aにおける読取では、たとえば、スタートパルス信号を受信してから最初にクロックパルス信号を受信したときに、1番目の受光部501における受光状態を取得する。その後、クロックパルス信号を受信するたびに次の受光部501における受光状態が取得され、864番目のクロックパルス信号を受信したときには、864番目の受光部501における受光状態を取得する。クロックパルス信号に対応するアナログ信号PAは、読取側コネクタ611Aおよび処理部側コネクタ621を介して信号変換部623へ送信される。
【0204】
なお、スタートパルス信号の周期は、たとえば0.05ミリ秒から10ミリ秒であり、クロックパルス信号の周波数は、250KHz〜20MHzが用いられる。これらの値は、受光部501の数、応答速度、光電変換の効率などにより随時、所定の大きさに設定されるものである。
【0205】
信号変換部623には、たとえば、アナログフロントエンド(AFE)とデジタルバックエンドとが設けられている。信号変換部623は、アナログフロントエンドで受信したアナログ信号PAを、デジタルバックエンドからデジタル信号PDA1として出力するように構成されている。信号変換部623では、より正確にA/D変換が行われるように、AFEにおいてアナログ信号PAに対して補正処理を行うことがある。この補正処理は、信号処理回路624からの制御信号CSAFEに従って行われる。この補正処理は、たとえば、読取部151で試し読みを行ったときに行われる。試し読みを行ったときに受信したデジタル信号PDA1をもとに、信号処理回路624はより正確なデジタル信号PDA1が得られるようにAFEで行う補正処理を設定し、制御信号CSAFEを信号変換部623へ送信する。
【0206】
信号処理回路624は、受信したデジタル信号PDA1に対してシェーディング補正処理を行う。メモリ626にはシェーディング補正を行う際に必要なデータが記憶されており、信号処理回路624は必要に応じてメモリ626と通信を行う。信号処理回路624は、シェーディング補正が施されたデジタル信号PDA2を通信処理回路625へ送信する。
【0207】
さらに、信号処理回路624は光源制御用回路627の制御を行う。光源制御用回路627は、処理部側コネクタ621および読取側コネクタ611Aを介して、読取基板610上の図示しない回路に接続されている。この図示しない回路は、複数のLEDチップ312に接続されているものである。信号処理回路624は、制御信号CSLEDを光源制御用回路627に送り、光源制御用回路627で電力の調整を行うことでLEDチップ312の光量の調整を行うことができる。
【0208】
通信処理回路625および通信処理部160は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)信号を用いた通信手段である。通信処理回路625および通信処理部160には、それぞれレシーバとトランシーバが設けられており、信号処理回路624と制御部170との間で双方向通信が行われる。通信処理回路625は、信号処理回路624から送信されてきたデジタル信号PDA2を、LVDS信号PDA(LVDS)として通信用コネクタ622を介して通信処理部160へ出力する。また、通信処理回路625は、通信用コネクタ622を介して通信処理部160から送られてくるLVDS信号CSA(LVDS)を受信する。通信処理回路625は、受信したLVDS信号CSA(LVDS)を制御信号CSAとして信号処理回路624へ送信する。
【0209】
なお、信号処理部152B,152Cにおいても信号処理部152Aと同様の処理が行われる。ただし、LEDチップ312の光量調整は1つの信号処理部152で行えば事足りるため、信号処理部152B,152Cの光源制御用回路627は使用されない。
【0210】
通信処理部160は、信号処理部152A,152B,152Cのそれぞれと通信用コネクタ622を介して接続されている。具体的には、通信処理部160は、信号処理部152A,152B,152Cのそれぞれの通信処理回路625とLVDS信号を用いて双方向に通信可能なように接続されている。通信処理部160は、たとえば信号処理部152AからLVDS信号PDA(LVDS)が送られてくると、それをデジタル信号PDAとして制御部170へ送信する。また、通信処理部160は、制御部170からの制御信号CSAをLVDS信号CSA(LVDS)として通信処理回路625へ送信する。
【0211】
制御部170は、通信処理部160に接続されており、通信処理部160を介して信号処理部152A,152B,152Cから送信されてきたデジタル信号PDA,PDB,PDCを連結する。デジタル信号PDAは1番目から864番目までの受光部501の受光状態を示し、デジタル信号PDBは865番目から1728番目までの受光部501の受光状態を示し、デジタル信号PDCは1729番目から2592番目までの受光部501の受光状態を示している。これらを連結することにより、1番目から2592番目までの受光部501の受光状態を取得することができる。
【0212】
上述したブロック501Aにおける読取の例では、最初のクロックパルス信号を受信したときに1番目の受光部501の受光状態を取得している。同様の読取方法を行うと、ブロック501Bでは最初のクロックパルス信号を受信したときに865番目の受光部501の受光状態が取得され、ブロック501Cでは最初のクロックパルス信号を受信したときに1729番目の受光部501の受光状態が取得される。このため、デジタル信号PDAにデジタル信号PDBを連結するときには、デジタル信号PDAの864番目のクロックパルス信号に対応する部分にデジタル信号PDBの1番目のクロックパルス信号に対応する部分を繋げる。さらに、デジタル信号PDBにデジタル信号PDCを連結するときには、デジタル信号PDBの864番目のクロックパルス信号に対応する部分にデジタル信号PDCの1番目のクロックパルス信号に対応する部分を繋げればよい。なお、簡略化のために最初のクロックパルス信号のときに1番目の受光部501の受光状態を取得するようにしているが、所定数のクロックパルス信号が経過してから受光部501の受光状態を取得開始してもよい。
【0213】
次に、イメージセンサユニット150の作用について説明する。
【0214】
上述したように、イメージセンサユニット150では、3つのブロック501A,501B,501Cのそれぞれに対応する信号処理部152A,152B,152Cが設けられている。従来では、3つのブロック501A,501B,501Cに対応する1つの信号処理部が設けられていた。このため、たとえば、ブロックを1つ新たに追加する必要が生じた場合には、信号処理部を新しく設計する必要があった。それに対し、本実施形態の構成によれば、追加されたブロックに対応する信号処理部を追加するだけでよく、新たに信号処理部を設計する必要性が小さくなっている。特に、新たに追加されるブロックが、ブロック501A,501B,501Cと同じ数の受光部501を有する場合には、信号処理部152をそのまま使用することが可能である。従って、イメージセンサユニット150の構成によれば、信号処理部152の内部を設計し直すための時間を要さずにブロック数の変更を行うことができ、従来よりも柔軟に仕様変更に対応することが可能となる。
【0215】
図43には、本発明の第4の課題の解決を図るのに適した画像読取装置の別の例を示している。なお、図43において、先述した画像読取装置121と同一または類似の要素には同一の符号を付している。図43に示す画像読取装置122は、たとえばA0またはA1サイズの大判原稿を読み取るためのものであり、イメージセンサユニット150’と、通信処理部160と、通信処理部160に接続された制御部170とを備えている。本例においても、3つの信号処理部152は同一の構成を備えたものである。以下、必要に応じて、3つの信号処理部152には、固定されるイメージセンサ151A,151B,151Cに対応させ、A,B,Cの符号を付して区別する。
【0216】
イメージセンサユニット150’は、主走査方向に沿って配列された3つのイメージセンサ151A,151B,151Cと、3つのイメージセンサ151A,151B,151Cのそれぞれに対して1つずつ固定された3つの信号処理部152と、を備えている。図43に示すように、イメージセンサ151Bは、他のイメージセンサ151A,151Cと副走査方向における位置が異なっている。イメージセンサ151Bの主走査方向における両端部は、副走査方向視においてイメージセンサ151A,151Cの片方の端部と重なっている。
【0217】
イメージセンサ151A,151B,151Cは、それぞれイメージセンサユニット150における読取部151とほぼ同様の構成を備えている。ただし、本実施形態では、各イメージセンサ151A,151B,151Cは1つの読取側コネクタを有している。各イメージセンサ151A,151B,151Cの読取側コネクタは主走査方向に互いに離間するように配列されることになる。読取側コネクタを介してイメージセンサ151Aは信号処理部152Aに接続されている。読取側コネクタを介してイメージセンサ151Bは信号処理部152Bに接続されている。読取側コネクタを介してイメージセンサ151Cは信号処理部152Cに接続されている。本実施形態では、3つのイメージセンサ151A,151B,151Cが1つの読取部を構成している。図43に示すように、イメージセンサ151A,151B,151Cは副走査方向においてずれた位置にあるが、主走査方向の向きは揃えられており、それぞれの複数の受光部501は主走査方向に沿って配列されている。
【0218】
本実施形態では、イメージセンサ151Aの受光部501の全部がブロック501Aを構成し、イメージセンサ151Bの受光部501の全部がブロック501Bを構成し、イメージセンサ151Cの受光部501の全部がブロック501Cを構成する。このような構成によれば、画像読取装置122の電気的な構成は、図41に示すものと同一となる。
【0219】
本実施形態における信号処理部152は、イメージセンサユニット150における信号処理部152と同様の構成を備えている。ただし、本実施形態の信号処理部152は、各イメージセンサ151A,151B,151Cの受光部501の数に合わせて設計されている。
【0220】
本実施形態でも、通信処理部160は、信号処理部152A,152B,152Cのそれぞれと通信用コネクタ622を介して接続されている。具体的には、通信処理部160は、信号処理部152A,152B,152Cのそれぞれの通信処理回路625とLVDS信号を用いて双方向に通信可能なように接続されている。
【0221】
本実施形態では、イメージセンサ151Bの副走査方向における位置が他のイメージセンサ151A,151Cとはずれている。また、原稿のイメージセンサ151Bの両端部で読み取る部分はイメージセンサ151A,151Cの端部で読み取る部分と重なっている。本実施形態の制御部170はデジタル信号PDA,PDB,PDCを連結する際に補正処理を行って、原稿の読取画像を取得する。
【0222】
このような画像読取装置122においては、たとえば、さらに読取幅を長くする必要が生じた場合には、イメージセンサ151A,151B,151Cと同じイメージセンサを更に主走査方向に配列すればよい。このとき、新たに追加されるイメージセンサにはそれまでと同じ信号処理部152を接続すればよいため、新たに信号処理部152を設計する必要はない。
【0223】
本発明の第4の課題の解決を図るのに適したイメージセンサユニットおよび画像読取装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の第4の課題の解決を図るのに適したイメージセンサユニットおよび画像読取装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、イメージセンサユニット150では、読取部151に接続される信号処理部152は3つであるが、2つでもよく、また、更に多くとも構わない。さらに、読取部151の受光部501は3つのブロック501A,501B,501Cに分割されているが、さらに多くのブロックに分割しても構わない。また、ブロックの数が多い場合には、1つの信号処理部152で複数のブロックからのアナログ信号を処理してもよい。
【0224】
上述した画像読取装置122の3つのイメージセンサ151A,151B,151Cには、それぞれ1つずつ信号処理部152が固定接続されているが、各イメージセンサ151A,151B,151Cに複数の信号処理部152を固定する構成であってもよい。
【0225】
[付記1]
主走査方向に沿って配列された複数の受光部を有する読取部を備えており、
上記複数の受光部は複数のブロックに分割されており、
上記読取部が、上記複数のブロックのそれぞれからアナログ信号を出力するように構成されているイメージセンサユニットであって、
上記複数のブロックのいずれかである第1のブロックからのアナログ信号を受信する第1の信号処理部と、
上記複数のブロックのいずれかであり、かつ、上記第1のブロックとは異なる第2のブロックからアナログ信号を受信する第2の信号処理部と、を備えていることを特徴とする、イメージセンサユニット。
【0226】
[付記2]
上記読取部は、上記第1のブロックからのアナログ信号を出力可能な第1の読取側コネクタと、上記第2のブロックからのアナログ信号を出力可能な第2の読取側コネクタと、を有しており、
上記第1の信号処理部は、上記第1の読取側コネクタに接続される第1の処理部側コネクタを有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2の読取側コネクタに接続される第2の処理部側コネクタを有している、付記1に記載のイメージセンサユニット。
【0227】
[付記3]
上記第1の読取側コネクタと、上記第2の読取側コネクタとは、上記主走査方向に離間しており、
上記第1の処理部側コネクタと、上記第2の処理部側コネクタとは、上記主走査方向に離間している、付記2に記載のイメージセンサユニット。
【0228】
[付記4]
上記読取部は、上記複数の受光部が設けられた読取基板と、上記読取基板を収容するケースとを有しており、
上記第1の信号処理部は、上記ケースに対して固定される第1の信号処理基板を有しており、
上記第2の信号処理部は、上記ケースに対して固定され、かつ、上記主走査方向において上記第1の信号処理基板と離間する第2の信号処理基板を有している、付記3に記載のイメージセンサユニット。
【0229】
[付記5]
上記読取基板は、互いに反対方向を向く表面と裏面とを有しており、
上記複数の受光部は、上記読取基板の表面に搭載されており、
上記第1の読取側コネクタおよび上記第2の読取側コネクタは、上記読取基板の裏面側に設けられている、付記4に記載のイメージセンサユニット。
【0230】
[付記6]
上記第1の信号処理基板は、互いに反対方向を向く表面と裏面とを有しており、かつ、その表面が上記読取基板の裏面と対向するように配置されており、
上記第1の処理部側コネクタは、上記第1の信号処理基板の表面側に設けられており、
上記第2の信号処理基板は、互いに反対方向を向く表面と裏面とを有しており、かつ、その表面が上記読取基板の裏面と対向するように配置されており、
上記第2の処理部側コネクタは、上記第2の信号処理基板の表面側に設けられている、付記5に記載のイメージセンサユニット。
【0231】
[付記7]
上記第1の信号処理部は、上記第1の信号処理基板の裏面側に設けられた第1の通信用コネクタを有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2の信号処理基板の裏面側に設けられた第2の通信用コネクタを有している、付記6に記載のイメージセンサユニット。
【0232】
[付記8]
上記第1の信号処理部は、上記第1のブロックからのアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の信号変換部を有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2のブロックからのアナログ信号をデジタル信号に変換する第2の信号変換部を有している、付記7に記載のイメージセンサユニット。
【0233】
[付記9]
上記第1の信号処理部は、上記第1の信号変換部によって得られたデジタル信号を処理する第1の信号処理回路を有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2の信号変換部によって得られたデジタル信号を処理する第2の信号処理回路を有している、付記8に記載のイメージセンサユニット。
【0234】
[付記10]
上記第1の信号処理部は、上記第1の信号処理回路で処理されたデジタル信号を上記第1の通信用コネクタを介して出力する第1の通信処理回路を有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2の信号処理回路で処理されたデジタル信号を上記第2の通信用コネクタを介して出力する第2の通信処理回路を有している、付記9に記載のイメージセンサユニット。
【0235】
[付記11]
上記第1の信号処理回路および上記第1の通信処理回路は、上記第1の信号処理基板の裏面側に設けられており、
上記第2の信号処理回路および上記第2の通信処理回路は、上記第2の信号処理基板の裏面側に設けられている、付記10に記載のイメージセンサユニット。
【0236】
[付記12]
付記7ないし11に記載のイメージセンサユニットと、
上記第1の通信用コネクタを介して上記第1の信号処理部と接続され、かつ、上記第2の通信用コネクタを介して上記第2の信号処理部と接続された通信処理部と、
上記通信処理部に接続された制御部と、を備えていることを特徴とする、画像読取装置。
【0237】
[付記13]
付記10または11に記載のイメージセンサユニットと、
上記第1の通信用コネクタを介して上記第1の通信処理回路と双方向通信を行い、かつ、上記第2の通信用コネクタを介して上記第2の通信処理回路と双方向通信を行う通信処理部と、
上記通信処理部に接続された制御部と、を備えていることを特徴とする、画像読取装置。
【0238】
[付記14]
付記2または3に記載のイメージセンサユニットと、
上記複数の信号処理部に接続された通信処理部と、
上記通信処理部に接続された制御部と、
を備えた画像読取装置であって、
上記イメージセンサユニットは、上記主走査方向に沿って配列された複数のイメージセンサを有しており、
上記第1の読取側コネクタは、上記複数のイメージセンサのいずれかである第1のイメージセンサに設けられており、
上記第2の読取側コネクタは、上記複数のイメージセンサのいずれかであり、上記第1のイメージセンサとは異なる第2のイメージセンサに設けられていることを特徴とする、画像読取装置。
【0239】
[付記15]
上記第1のイメージセンサは、上記第1のブロックに属する上記複数の受光部が設けられた第1の読取基板と、上記第1の読取基板を収容する第1のケースとを有しており、
上記第1の信号処理部は、上記第1のケースに対して固定される第1の信号処理基板を有しており、
上記第2のイメージセンサは、上記第2のブロックに属する上記複数の受光部が設けられた第2の読取基板と、上記第2の読取基板を収容する第2のケースとを有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2のケースに対して固定される第2の信号処理基板を有している、付記14に記載の画像読取装置。
【0240】
[付記16]
上記第1の読取基板および上記第2の読取基板は、互いに反対方向を向く表面と裏面とを有しており、
上記第1のブロックに属する上記複数の受光部は、上記第1の読取基板の表面に搭載されており、
上記第2のブロックに属する上記複数の受光部は、上記第2の読取基板の表面に搭載されており、
上記第1の読取側コネクタは、上記第1の読取基板の裏面側に設けられており、
上記第2の読取側コネクタは、上記第2の読取基板の裏面側に設けられている、付記15に記載の画像読取装置。
【0241】
[付記17]
上記第1の信号処理基板は、互いに反対方向を向く表面と裏面とを有しており、かつ、その表面が上記第1の読取基板の裏面と対向するように配置されており、
上記第1の処理部側コネクタは、上記第1の信号処理基板の表面側に設けられており、
上記第2の信号処理基板は、互いに反対方向を向く表面と裏面とを有しており、かつ、その表面が上記第2の読取基板の裏面と対向するように配置されており、
上記第2の処理部側コネクタは、上記第2の信号処理基板の表面側に設けられている、付記16に記載の画像読取装置。
【0242】
[付記18]
上記第1の信号処理部は、上記第1の信号処理基板の裏面側に設けられた第1の通信用コネクタを有しており、上記第1の通信用コネクタを介して上記通信処理部に接続されており、
上記第2の信号処理部は、上記第2の信号処理基板の裏面側に設けられた第2の通信用コネクタを有しており、上記第2の通信用コネクタを介して上記通信処理部に接続されている、付記17に記載の画像読取装置。
【0243】
[付記19]
上記第1の信号処理部は、上記第1のブロックからのアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の信号変換部を有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2のブロックからのアナログ信号をデジタル信号に変換する第2の信号変換部を有している、付記18に記載の画像読取装置。
【0244】
[付記20]
上記第1の信号処理部は、上記第1の信号変換部によって得られたデジタル信号を処理する第1の信号処理回路を有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2の信号変換部によって得られたデジタル信号を処理する第2の信号処理回路を有している、付記19に記載の画像読取装置。
【0245】
[付記21]
上記第1の信号処理部は、上記第1の信号処理回路で処理されたデジタル信号を上記第1の通信用コネクタを介して上記通信処理部へ出力する第1の通信処理回路を有しており、
上記第2の信号処理部は、上記第2の信号処理回路で処理されたデジタル信号を上記第2の通信用コネクタを介して上記通信処理部へ出力する第2の通信処理回路を有している、付記20に記載の画像読取装置。
【0246】
[付記22]
上記第1の信号処理回路および上記第1の通信処理回路は、上記第1の信号処理基板の裏面側に設けられており、
上記第2の信号処理回路および上記第2の通信処理回路は、上記第2の信号処理基板の裏面側に設けられている、付記21に記載の画像読取装置。
【0247】
[付記23]
上記通信処理部は、上記第1の通信処理回路および上記第2の通信処理回路と、LVDS信号を用いて通信する、付記13または付記22に記載の画像読取装置。
【符号の説明】
【0248】
x 主走査方向
y 副走査方向
z 厚さ方向
101〜107 イメージセンサモジュール
110 検査装置
111 ケース
112 ローラ
113 制御部(判断手段)
121,122 画像読取装置
130 搬送装置
131 給紙部
132 搬送ドラム
133 搬送ローラ
134 排出部
140 イメージセンサユニット
141 キセノンランプ
142 ミラー
143 レンズ
144 CCDセンサ
145 センサボードユニット
150,150’ イメージセンサユニット
151 読取部
151A,151B,151C イメージセンサ
152,152A,152B,152C 信号処理部
153 連結部材
154 導通部材
160 通信処理部
170 制御部
200A (第1)光源ユニット
200B (第2)光源ユニット
210A (第1)LEDモジュール
210B (第2)LEDモジュール
221A,222A (第1表面電極)LEDチップ
221B,222B (第2表面電極)LEDチップ
223A (第1表裏面電極)LEDチップ
223B (第2表裏面電極)LEDチップ
224A,225A (第1)ツェナーダイオード
224B,225B (第2)ツェナーダイオード
231A,232A,233A,231B,232B,233B 表面電極
234A,234B 裏面電極
235A,237A,235B,237B 表面電極
236A,238A,236B,238B 裏面電極
241A (第1)リード
241B (第2)リード
242A,243A,244A,242B,243B,244B リード
251A,251B 搭載部
252A,253A,254A,252B,253B,254B ワイヤボンディング部
255A,256A,257A,258A,255B,256B,257B,258B 端子部
261A (第1)導電層
261B (第2)導電層
262A (第1)絶縁層
262B (第2)絶縁層
265A,265B ワイヤ
270A (第1)樹脂パッケージ
270B (第2)樹脂パッケージ
271A (第1)開口部
271B (第2)開口部
272A,272B 位置決め孔
280A (第1)導光体
280B (第2)導光体
281A (第1)入射面
281B (第2)入射面
282A (第1)反射面
282B (第2)反射面
283A (第1)出射面
283B (第2)出射面
285A,285B リフレクタ
286A,286B 基部
287A,287B 半筒状部
288A,288B 突起
300 発光手段
301 光源部
310 (第1)LEDモジュール
320 (第2)LEDモジュール
311,321 LEDチップ
312 LEDチップ
330 (第1)導光体
340 (第2)導光体
331,341 入射面
332,342 反射面
333,343 出射面
350 LED基板
360 導光体
361 光出射部
362 光反射部
400 レンズユニット
401 レンズアレイ
410 レンズ
420 レンズホルダ
500 センサIC(受光手段)
501 受光部
501A,501B,501C ブロック
502,502A,502B,502C ICチップ
510 受光部
511 第1グループ
512 第2グループ
513 第3グループ
520 フィルタ(紫外光減衰手段)
521 第1フィルタ
522 第2フィルタ
523 第3フィルタ
530 パッド
600 基板
610 読取基板
611A,611B,611C 読取側コネクタ
620 信号処理基板
621 処理部側コネクタ
622 通信用コネクタ
623 信号変換部
624 信号処理回路
625 通信処理回路
626 メモリ
627 光源制御用回路
628 ネジ通し孔
700 ケース
701 ケース
710 入射側開口
720 出射側開口
730 押さえ部
740 ガイド面750 ネジ受け部
800 透過板
801 フィルタ
810 小片
811 透明基材
812 紫外光フィルタ層
813 青色光フィルタ層
890 読み取り対象物
891 原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に配列された複数の受光部を有するセンサICと、
読み取り対象物から向かってきた光を上記センサICに結像させるレンズユニットと、
副走査方向において上記レンズユニットに対して離間した位置に置かれた主走査方向に延びる第1出射面を有し、この第1出射面から主走査方向に延びる線状光を上記読み取り対象物に向けて出射する第1光源ユニットと、
副走査方向において上記レンズユニットと上記第1出射面との間に置かれた主走査方向に延びる第2出射面を有し、この第2出射面から主走査方向に延びる線状光を上記読み取り対象物に向けて出射する第2光源ユニットと、
を備えることを特徴とする、イメージセンサモジュール。
【請求項2】
主走査方向および副走査方向のいずれに対しても直角である厚さ方向において、上記第1出射面は、上記第2出射面よりも読み取り対象物側にある、請求項1に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項3】
上記厚さ方向において、上記レンズユニットと上記第1出射面とが重なっている、請求項2に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項4】
上記厚さ方向において、上記レンズユニットと上記第2出射面とが重なっている、請求項2または3に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項5】
上記第1光源ユニットは、1以上の第1LEDチップ、この第1LEDチップが搭載された1以上の第1リード、この第1リードの一部を覆い、かつ上記第1LEDチップを露出させる第1開口部が形成された第1樹脂パッケージ、を有する第1LEDモジュールと、全体として主走査方向に長く延びており、上記第1開口部に正対する第1入射面、この第1入射面から進行してきた光を反射する第1反射面、この第1反射面から進行してきた光を主走査方向に長く延びる線状光として出射する上記第1出射面、を有する第1導光体と、を備えている、請求項1ないし4のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項6】
上記第2光源ユニットは、1以上の第2LEDチップ、この第2LEDチップが搭載された1以上の第2リード、この第2リードの一部を覆い、かつ上記第2LEDチップを露出させる第2開口部が形成された第2樹脂パッケージ、を有する第2LEDモジュールと、全体として主走査方向に長く延びており、上記第2開口部に正対する第2入射面、この第2入射面から進行してきた光を反射する第2反射面、この第2反射面から進行してきた光を主走査方向に長く延びる線状光として出射する上記第2出射面、を有する第2導光体と、を備えている、請求項5に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項7】
上記1以上の第1リードは、上記第1開口部に対して副走査方向において上記レンズユニット側に退避した位置から、上記厚さ方向に向かって上記第1樹脂パッケージから突出する第1端子部を有する、請求項6に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項8】
上記センサICが搭載された基板を備えており、
上記1以上の第2リードは、上記厚さ方向に向かって上記第2樹脂パッケージから突出する第2端子部を有しており、
上記第1および上記第2端子部は、いずれも上記基板に接続されている、請求項7に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項9】
上記基板と上記第1導光体の少なくとも一部とは、副走査方向において重ならない配置とされている、請求項8に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項10】
上記第1LEDモジュールは、厚さ方向において上記第2LEDモジュールよりも読み取り対象物側にある、請求項6ないし9のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項11】
上記第1LEDモジュールは、主走査方向において上記第2LEDモジュールよりも外方に配置されている、請求項6ないし10のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項12】
副走査方向において第1LEDモジュールと第2LEDモジュールが重なっている、請求項10に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項13】
上記厚さ方向において第1LEDモジュールと第2LEDモジュールが重なっている、請求項10ないし12のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項14】
上記第1LEDモジュールの上記1以上の第1LEDチップは、互いに同じ側に配置された1対の表面電極をそれぞれ有する2つの第1表面電極LEDチップと、互いに反対側に配置された表面電極および裏面電極を有する第1表裏面電極LEDチップと、を含んでおり、
上記第1LEDモジュールは、上記2つの第1表面電極LEDチップに過大な電圧が印加されることを防止するための2つの第1ツェナーダイオードを備えており、
上記2つの第1表面電極LEDチップは、同一の第1絶縁層を介して上記第1リードに接合されており、
上記第1表裏面電極LEDチップと上記2つの第1ツェナーダイオードとは、同一の第1導電層を介して上記第1リードに接合されており、
上記2つの第1表面電極LEDチップと上記第1表裏面電極LEDチップとの間に、上記2つの第1ツェナーダイオードが配置されている、請求項6ないし13のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項15】
上記第1導電層は、Agを含む、請求項14に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項16】
上記第1絶縁層は、透明である、請求項14または15に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項17】
上記第1導電層の一部が上記1第リードと上記第1絶縁層の一部との間に介在している、請求項14ないし16のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項18】
上記第2LEDモジュールの上記1以上の第2LEDチップは、互いに同じ側に配置された1対の表面電極をそれぞれ有する2つの第2表面電極LEDチップと、互いに反対側に配置された表面電極および裏面電極を有する第2表裏面電極LEDチップと、を含んでおり、
上記第2LEDモジュールは、上記2つの第2表面電極LEDチップに過大な電圧が印加されることを防止するための2つの第2ツェナーダイオードを備えており、
上記2つの第2表面電極LEDチップは、同一の第2絶縁層を介して上記第2リードに接合されており、
上記第2表裏面電極LEDチップと上記2つの第2ツェナーダイオードとは、同一の第2導電層を介して上記第2リードに接合されており、
上記2つの第2表面電極LEDチップと上記第2表裏面電極LEDチップとの間に、上記2つの第2ツェナーダイオードが配置されている、請求項14ないし17のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項19】
上記第2導電層は、Agを含む、請求項18に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項20】
上記第2絶縁層は、透明である、請求項18または19に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項21】
上記第2導電層の一部が上記第2リードと上記第2絶縁層の一部との間に介在している、請求項18ないし20のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2013−78102(P2013−78102A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−89467(P2012−89467)
【出願日】平成24年4月10日(2012.4.10)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】