説明

インキ塗布システム及びインキ塗布方法

【課題】基板上に塗布されるインキの膜厚を精度良く維持して印刷品質を向上させるとともに、インキを塗布する作業効率を向上させることができるインキ塗布システム及びインキ塗布方法を提供する。
【解決手段】本発明によるインキ供給システム1は、インキを供給するインキ供給タンク2と、このインキ供給タンク2に、インキ供給ライン3および三方弁4により連結された流路切替装置5を介して連結された一対のシリンジポンプ6、7とを備えている。流路切替装置5に、インキ吐出ライン8を介して、基板30に対して一方の第1シリンジポンプ6から送られるインキを吐出するインキ吐出ノズル9が連結されている。三方弁4とインキ排出タンク11との間にインキ排出ライン10が連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL材料を含むインキを基板上に塗布するインキ塗布システム及びインキ塗布方法に係り、とりわけ、基板上に塗布されるインキの膜厚を精度良く維持するとともに、インキを塗布する作業効率を向上させることができるインキ塗布システム及びインキ塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、有機EL材料を含むインキを基板上に塗布する塗布装置が知られている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−98004号公報
【特許文献2】特開2006−93165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら特許文献1及び特許文献2に示す塗布装置においては、各色のインキに対して一つのポンプが設けられている。このことにより、インキを塗布している間、ポンプ内に充填されていたインキの残量が少なくなった場合、インキを塗布する作業を中断して、このポンプにインキを充填する。この間、インキが吐出されるノズルの流路およびノズルの先端に残っていたインキが乾燥してノズルが詰まることがある。この場合、このノズルに詰まったインキを取り除く、あるいはノズルを交換する等の作業が必要となり、インキを塗布する作業が中断する。このため、インキを塗布する作業効率が低下するという問題がある。
【0005】
また、インキが充填されたポンプでインキ塗布を再開する場合、ノズルから吐出されるインキの量が安定するまでにある程度の時間が必要となる。このため、インキの量が安定するまでに基板に対して塗布されたインキの膜厚は不均一になり、印刷品質を低下させることが考えられる。
【0006】
さらに、ポンプにインキを充填し、このポンプからインキを吐出させて吐出量を安定させるまでに要する時間は、基板の交換時間よりも長いことが一般的である。このため、基板を交換する間に、ポンプにインキを充填することは困難であり、インキを塗布する作業効率を向上させることは困難である。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、基板上に塗布されるインキの膜厚を精度良く維持して印刷品質を向上させるとともに、インキを塗布する作業効率を向上させることができるインキ塗布システム及びインキ塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、有機EL材料を含むインキを基板上に塗布するインキ塗布システムにおいて、インキを供給するインキ供給タンクと、このインキ供給タンクに、インキ供給ラインおよび三方弁により連結された流路切替装置を介して連結された一対のシリンジポンプと、流路切替装置にインキ吐出ラインを介して連結され、基板に対して一方のシリンジポンプから送られるインキを吐出するインキ吐出ノズルと、三方弁にインキ排出ラインを介して連結され、他方のシリンジポンプから排出されるインキを受け取るインキ排出タンクと、を備えたことを特徴とするインキ塗布システムである。
【0009】
本発明は、流路切替装置とインキ吐出ノズルとの間に連結されたインキ吐出ライン、および三方弁とインキ排出タンクとの間に連結されたインキ排出ラインに、流量計が各々設けられたことを特徴とするインキ塗布システムである。
【0010】
本発明は、インキ供給タンクとインキ排出タンクが同一のタンクからなることを特徴とするインキ塗布システムである。
【0011】
本発明は、流路切替装置とインキ排出タンクとの間の流路長さは、流路切替装置とインキ吐出ノズルとの間の流路長さと同一であることを特徴とするインキ塗布システムである。
【0012】
本発明は、インキ排出ラインとインキ排出タンクとの間に、インキ吐出ノズルの流路形状と同一の流路形状を有するインキ排出ノズルが設けられることを特徴とするインキ塗布システムである。
【0013】
本発明は、インキ排出ノズルは、インキ吐出ノズルが取り付けられる高さと同一の高さに取り付けられることを特徴とするインキ塗布システムである。
【0014】
本発明は、流路切替装置は、基板を交換する際に流路を切り替えて、インキ吐出ノズルに連結されるシリンジポンプを切り替えることを特徴とするインキ塗布システムである。
【0015】
本発明は、基板側に、基板を交換する間にインキ吐出ノズルから吐出されるインキを受け取るインキ吐出タンクが設けられ、基板を交換する間においても、インキ吐出ノズルからインキが連続的に吐出されることを特徴とするインキ塗布システムである。
【0016】
本発明は、インキ排出タンクは、窒素ガスによりパージされていることを特徴とするインキ塗布システムである。
【0017】
本発明は、有機EL材料を含むインキを基板上に塗布するインキ塗布方法において、インキ供給タンクと、インキ供給タンクに、インキ供給ラインおよび三方弁により連結された流路切替装置を介して連結された一対のシリンジポンプと、流路切替装置にインキ吐出ラインを介して連結され、基板に対してインキを吐出するインキ吐出ノズルと、三方弁にインキ排出ラインを介して連結され、インキが排出されるインキ排出タンクとを準備する工程と、三方弁を操作して一対のシリンジポンプのうちの一方のシリンジポンプにインキ供給ラインを流体連通させて、インキ供給タンクから当該一方のシリンジポンプにインキを供給する工程と、三方弁を操作して当該一方のシリンジポンプにインキ排出ラインを流体連通させて、インキが供給された当該一方のシリンジポンプからインキ排出タンクにインキを排出する工程と、流路切替装置を操作して基板側のインキ吐出ラインに当該一方のシリンジポンプを流体連通させるとともに、三方弁に他方のシリンジポンプを流体連通させる工程と、当該一方のシリンジポンプからインキ吐出ノズルにインキを送り、このインキ吐出ノズルから基板に対してインキを吐出する工程と、三方弁を操作して当該他方のシリンジポンプにインキ供給ラインを流体連通させて、インキ供給タンクから当該他方のシリンジポンプにインキを供給する工程と、三方弁を操作して当該他方のシリンジポンプにインキ排出ラインを流体連通させて、インキが供給された当該他方のシリンジポンプから、インキ排出タンクにインキを排出する工程と、流路切替装置を操作して基板側のインキ吐出ラインに当該他方のシリンジポンプを流体連通させるとともに、三方弁に当該一方のシリンジポンプを流体連通させる工程と、当該他方のシリンジポンプからインキ吐出ノズルにインキを送り、このインキ吐出ノズルから基板に対してインキを吐出する工程と、を備えたことを特徴とするインキ塗布方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一対のシリンジポンプのうちの一方のシリンジポンプからインキ吐出ノズルを介して基板に対してインキが吐出されている間、他方のシリンジポンプにインキ供給タンクからインキが供給され、当該一方のシリンジポンプ内のインキの残量が少なくなった場合に、流路切替装置を操作してインキ吐出ラインにインキが充填された当該他方のシリンジポンプを流体連通させる。このことにより、インキ吐出ノズルから吐出されるインキを途切れさせることなく、インキを連続的に吐出させることができる。このため、インキ吐出ノズルの流路に残ったインキが乾燥して、インキ吐出ノズルが詰まることを防止することができる。また、インキの残量が少なくなった当該一方のシリンジポンプにインキを充填させるためにインキを塗布する作業を中断させることがない。このため、インキを塗布する作業効率を向上させることができる。
【0019】
また、本発明によれば、流路切替装置を操作してインキ吐出ラインに当該他方のシリンジポンプを流体連通させる前に、三方弁を操作して当該他方のシリンジポンプをインキ排出ラインに流体連通させて、当該他方のシリンジポンプからインキ排出タンクにインキを排出させ、この排出されるインキの流量を安定させることができる。このことにより、流路切替装置が操作されてインキ吐出ラインに流体連通されるシリンジポンプを当該一方のシリンジポンプから当該他方のシリンジポンプに切り替える際、インキ吐出ノズルから吐出されるインキの流量を一定に維持することができる。このため、基板上に塗布されるインキの膜厚を精度良く維持して印刷品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態におけるインキ塗布システムの全体構成を示す図。
【図2】図2は、インキが塗布される基板を示す図。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態におけるインキ塗布方法のうち、第1シリンジポンプにインキを供給するとともに第2シリンジポンプからインキを吐出する状態を示す図であり、図3(b)は、第1シリンジポンプからインキを排出するとともに第2シリンジポンプからインキを吐出する状態を示す図であり、図3(c)は、第1シリンジポンプからインキを吐出するとともに第2シリンジポンプにインキを供給する状態を示す図であり、図3(d)は、第1シリンジポンプからインキを吐出するとともに第2シリンジポンプからインキを排出する状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施の形態におけるインキ塗装システムの全体構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1乃至図3は、本発明の第1の実施の形態におけるインキ塗布システムを示す図である。
【0022】
まず、図1によりインキ塗布システム1の全体構成について説明する。ここで、インキ塗布システム1は、有機EL材料を含むインキを基板30上に塗布するためのものである。
【0023】
図1に示すようにインキ塗布システム1は、インキを供給するインキ供給タンク2と、このインキ供給タンク2に、インキ供給ライン3および三方弁4により連結された流路切替装置5を介して連結された一対のシリンジポンプ6、7とを備えている。このうち流路切替装置5には、インキ吐出ライン8を介して、基板30に対して一方のシリンジポンプ(例えば、第1シリンジポンプ6)から送られるインキを吐出するインキ吐出ノズル9が連結されている。また、流路切替装置5と三方弁4との間には、インキ流体連通ライン14が連結されている。
【0024】
流路切替装置5は、インキ吐出ライン8に、一対のシリンジポンプ6、7のうちのいずれか一方のシリンジポンプを流体連通させるとともに、三方弁4に、他方のシリンジポンプを流体連通させるように、シリンジポンプを切り替えるようになっている。また、三方弁4は、流路切替装置5に、インキ供給ライン3および後述するインキ排出ライン10のうちのいずれか一方を流体連通させるようになっている。
【0025】
インキ吐出ノズル9には、インクジェット法などによる液滴吐出ノズル、またはディスペンサ法などによる連続吐出ノズルを用いることが好ましい。また、インキ吐出ノズル9は、例えば15μmの流路径を有することが好ましく、インキ吐出ライン8に連結されるインキ吐出ノズル9の個数は、1つに限られることはなく、複数であっても良い。
【0026】
三方弁4とインキ供給タンク2との間にインキ排出ライン10が連結され、他方のシリンジポンプ(第2シリンジポンプ7)から排出されるインキがインキ供給タンク2に受け取られるようになっている。このように、本実施の形態においては、各シリンジポンプ6、7から排出されるインキがインキ供給タンク2に受け取られるように構成され、インキ供給タンク2とインキ排出タンク11が同一のタンクからなっている。このようにして、排出されたインキを容易に再利用可能に構成されている。
【0027】
インキ供給タンク2(インキ排出タンク11)は、窒素ガスによりパージされている。このことにより、インキ供給タンク2内に充填されたインキが、酸素、あるいは水分により劣化することを確実に防止することができる。
【0028】
流路切替装置5とインキ吐出ノズル9との間に連結されたインキ吐出ライン8に、吐出側流量計12が設けられている。また、三方弁4とインキ供給タンク2との間に連結されたインキ排出ライン10に、排出側流量計13が設けられている。これら吐出側流量計12および排出側流量計13に、制御装置(図示せず)が接続され、この制御装置は、吐出側流量計12および排出側流量計13により計測されたインキの流量に基づいて、一対のシリンジポンプ6、7の動作(インキの供給および排出)、並びに三方弁4および流路切替装置5の切り替え操作を制御するようになっている。
【0029】
流路切替装置5とインキ排出ライン10を介したインキ供給タンク2(インキ排出タンク11)との間の流路長さは、流路切替装置5とインキ吐出ライン8を介したインキ吐出ノズル9との間の流路長さと同一になっている。また、インキ排出ライン10とインキ吐出ライン8は、同一の流路形状を有している。
【0030】
また、図1に示すように、インキ吐出ノズル9に対向して受台20が設けられ、この受台20上に基板30を載置するステージ21が設けられている。このステージ21の両側に、基板30を交換する間にインキ吐出ノズル9から吐出されるインキを受け取る一対のインキ吐出タンク22が各々設けられている。
【0031】
受台20の両端に、一対の側壁23が設けられ、各側壁23の間に、インキ吐出ノズル9を案内するガイドレール24が設けられている。インキ吐出ノズル9は、このガイドレール24に摺動自在に取り付けられ、図示しない駆動部により、各インキ吐出タンク22の間を移動自在に構成されている。また、ステージ21は、受台20に、ガイドレール24の長手方向とは直交する方向に摺動自在に取り付けられており、図示しない駆動部によりガイドレール24とは直交する方向に移動可能に構成されている。
【0032】
次に、インキが塗布される基板30について述べる。図2に示すように、基板30は、ベース板31と、このベース板31上に設けられ、所定の距離を隔てて設けられた複数の隔壁32と、各隔壁32間に設けられ、インキが塗布される複数のインキ塗布部33とを有している。なお、図2においては、各インキ塗布部33は、ベース板31の縁まで延びて各インキ塗布部33の両端が開放されているが、このことに限られることはなく、各インキ塗布部33の両端に端部壁(図示せず)等を設けて、各インキ塗布部33の両端を閉じるように構成してもよい。
【0033】
基板30の各インキ塗布部33の幅は、例えば80μmであって、各隔壁32の幅は、例えば20μmであり、各隔壁32の高さは、例えば2μmであることが好ましい。なお、各隔壁32の間隔は一定である必要はなく、必要に応じて異なっていてもよい。この場合においても、ステージ21は、各隔壁32の間隔にあわせて移動可能になっている
【0034】
また、インキに用いられる材料としては、通常、発光材料として用いられている材料であれば特に限定されず、蛍光材料およびりん光材料のいずれも用いることができる。具体的には、色素系発光材料、金属錯体系発光材料等の材料を挙げることができ、低分子化合物または高分子化合物のいずれも用いることができる。
【0035】
(色素系発光材料の具体例)
色素系発光材料としては、例えば、アリールアミン誘導体、アントラセン誘導体、(フェニルアントラセン誘導体、)、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、カルバゾール誘導体、シクロペンタジエン誘導体、シロール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、スチルベン誘導体、スピロ化合物、チオフェン環化合物、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリアゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ピラゾリンダイマー、ピリジン環化合物、フルオレン誘導体、フェナントロリン類、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体等を挙げることができる。またこれらの2量体や3量体やオリゴマー、2種類以上の誘導体の化合物も用いることができる。
【0036】
具体的には、トリフェニルアミン誘導体としてはN,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン(TPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、アリールアミン類としてはビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD)、オキサジアゾール誘導体としては(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)、アントラセン誘導体としては9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)、カルバゾール誘導体としては4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、1,4−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ベンゼン(DPVBi)フェナントロリン類の具体例としては、バソキュプロイン、バソフェナントロリン等が挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0037】
(金属錨体系発光材料の具体例)
金属錯体系発光材料としては、例えばアルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールペリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、あるいは中心金属にAl、Zn、Be等、または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。
【0038】
具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体(BAlq)、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq)を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0039】
(高分子系発光材料)
高分子系発光材料としては、分子内に上記低分子系材料を分子内に直鎖あるいは側鎖あいは官能基として導入されたもの、重合体およびデンドリマー等を使用することができる。
【0040】
例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、及びそれらの共重合体等を挙げることができる。
【0041】
(ドーパントの具体例)
上記インキ材料中には、発光効率の向上や発光波長を変化させる等の目的でドーピング材料を添加してもよい。高分子系材料の場合は、これらを分子構造の中に発光基として含んでいても良い。このようなドーピング材料としては、例えばペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクドリン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体を挙げることができる。またこれらにスピロ基を導入した化合物も用いることができる。
【0042】
具体的には、1−tert−ブチル−ペリレン(TBP)、クマリン6、ナイルレッド、1,4−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ベンゼン(DPVBi)、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)等を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0043】
また、りん光系のドーパントとして、白金やイリジウムなどの重金属イオンを中心に有し、燐光を示す有機金属錯体が使用可能である。具体的には、Ir(ppy)、(ppy)Ir(acac)、Ir(BQ)、(BQ)Ir(acac)、Ir(THP)、(THP)Ir(acac)、Ir(BO)、(BO)(acac)、Ir(BT)、(BT)Ir(acac)、Ir(BTP)、(BTP)Ir(acac)、FIr6、PtOEP等を用いることができる。これらの材料は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち本発明によるインキ塗布方法について説明する。
【0045】
まず、図1に示すように、インキ供給タンク2と、インキ供給タンク2に、インキ供給ライン3および三方弁4により連結された流路切替装置5を介して連結された一対のシリンジポンプ(第1シリンジポンプ6、第2シリンジポンプ7)と、流路切替装置5にインキ吐出ライン8を介して連結され、基板30に対してインキを吐出するインキ吐出ノズル9とを準備する。この際、三方弁4とインキ供給タンク2(インキ排出タンク11)との間にインキ排出ライン10が連結されるとともに、流路切替装置5と三方弁4との間に、インキ流体連通ライン14が連結される。また、ステージ21上に、各インキ塗布部33の長手方向がガイドレール24の長手方向に沿うように基板30が載置される。
【0046】
次に、図3(a)に示すように、流路切替装置5が操作されて三方弁4にインキ流体連通ライン14を介して一対のシリンジポンプ6、7のうちの一方のシリンジポンプ、例えば、第1シリンジポンプ6が流体連通される。この場合、インキ吐出ライン8には第2シリンジポンプ7が流体連通される。
【0047】
次に、図3(a)に示すように、三方弁4が操作されて第1シリンジポンプ6にインキ供給ライン3が流体連通される。次に、第1シリンジポンプ6が、図示しない制御装置により制御されて、内部にインキを供給するように駆動される。このことにより、インキ供給タンク2から第1シリンジポンプ6にインキが供給される。
【0048】
次に、図3(b)に示すように、三方弁4が操作されて第1シリンジポンプ6にインキ排出ライン10が流体連通される。次に、第1シリンジポンプ6は、制御装置によって内部からインキを排出するように駆動される。このことにより、インキが供給された第1シリンジポンプ6からインキ供給タンク2(インキ排出タンク11)にインキが排出される。この間、インキ排出ライン10に設けられた排出側流量計13(図1参照)により、インキ排出ライン10を流れるインキの流量が計測され、制御装置は、この計測されたインキの流量が所定の流量となり安定するまでインキを排出するように第1シリンジポンプ6を駆動する。
【0049】
次に、図3(c)に示すように、第1シリンジポンプ6から排出されるインキの流量が所定の流量で安定した後、流路切替装置5が操作されて基板30(図1参照)側のインキ吐出ライン8に第1シリンジポンプ6が流体連通されるとともに、三方弁4に他方の第2シリンジポンプ7が流体連通される。すなわち、インキ吐出ライン8に流体連通するシリンジポンプが第2シリンジポンプ7から第1シリンジポンプ6に切り替えられる。この間、第1シリンジポンプ6は、制御装置によって吐出するインキの流量を所定の流量で一定に維持するように駆動されている。
【0050】
次に、第1シリンジポンプ6からインキ吐出ノズル9(図1参照)にインキが送られ、このインキ吐出ノズル9から基板30に対してインキが吐出される。この場合、まず、インキ吐出ノズル9は、図示しない駆動部によりガイドレール24に案内されながら、基板30のインキ塗布部33(図2参照)の長手方向に沿って移動し、このインキ塗布部33にインキが塗布される。次に、ステージ21がガイドレール24の長手方向とは直交する方向に移動し、インキ吐出ノズル9が、インキが塗布されたインキ塗布部33に隣接しインキが塗布されていないインキ塗布部33に対向する位置に移動する。次に、インキ吐出ノズル9が、このインキ塗布部33の長手方向に沿って移動し、インキが塗布される。このようにしてインキ吐出ノズル9およびステージ21が移動することにより、図2に示す基板30の各インキ塗布部33にインキが順次塗布される。この間、制御装置により、第1シリンジポンプ6は所定の流量で一定に維持してインキを吐出するように駆動されている。また、インキ吐出ライン8に設けられた吐出側流量計12により、インキ吐出ライン8を流れるインキの流量が計測されている。
【0051】
また、図3(c)に示すように、第1シリンジポンプ6から送られるインキがインキ吐出ノズル9を介して基板30に対して吐出されている間、三方弁4が操作されて第2シリンジポンプ7にインキ供給ライン3が流体連通され、第2シリンジポンプ7が、図示しない制御装置により制御されて、内部にインキを供給するように駆動される。このことにより、インキ供給タンク2から第2シリンジポンプ7にインキが供給される。
【0052】
次に、図3(d)に示すように、三方弁4が操作されて第2シリンジポンプ7にインキ排出ライン10が流体連通される。次に、第2シリンジポンプ7は、制御装置によって内部からインキを排出するように駆動される。このことにより、インキが供給された第2シリンジポンプ7からインキ供給タンク2(インキ排出タンク11)にインキが排出される。この間、インキ排出ライン10に設けられた排出側流量計13により、インキ排出ライン10を流れるインキの流量が計測され、制御装置は、この計測されたインキの流量が、吐出側流量計12により計測されたインキ吐出ライン8を流れるインキの流量と同一になり安定するまでインキを排出するように第2シリンジポンプ7を駆動する。
【0053】
ここで、この第2シリンジポンプ7からインキ供給タンク2にインキを排出する工程は、第1シリンジポンプ6内のインキの残量を監視して、このインキの残量が規定値に達した後に行われる。ここで規定値とは、シリンジポンプからインキを排出し始めた後、この排出されるインキの流量が所定の流量となるように安定するまでに要するインキの量であって、シリンジポンプの容量およびインキ吐出ノズル9から吐出されるインキの量に応じて求められる値である。このことにより、第2シリンジポンプ7から排出されるインキの流量を安定させた後、流路切替装置5を操作して第2シリンジポンプ7を基板30側のインキ吐出ライン8に流体連通させることができる。このため、第2シリンジポンプ7がインキ吐出ライン8に流体連通された直後においても、インキ吐出ノズル9から吐出されるインキの流量を安定させることができる。
【0054】
次に、第2シリンジポンプ7から排出されるインキの流量が、インキ吐出ライン8を流れるインキの流量と同一になり安定した後、流路切替装置5が操作されて基板30側のインキ吐出ライン8に第2シリンジポンプ7が流体連通されるとともに、三方弁4に第1シリンジポンプ6が流体連通される(図3(a)参照)。すなわち、インキ吐出ライン8に連通されるシリンジポンプが第1シリンジポンプ6から第2シリンジポンプ7に切り替えられる。この流路切替装置5の切替操作は、基板30を交換する際に行うことが好ましい。また、第2シリンジポンプ7から排出されるインキの流量が所定の範囲で変動している場合には切り替えは行わないことが望ましい。このことにより、基板30の各インキ塗布部33に塗布されるインキの膜圧が不均一になることを防止することができる。
【0055】
シリンジポンプを切り替えている間、第2シリンジポンプ7は、制御装置によってインキの流量を所定の流量で一定に維持して吐出するように駆動されている。この際、インキ吐出ノズル9は、駆動部により、基板30の両側に位置するインキ吐出タンク22に対向する位置に移動し、インキ吐出ノズル9から吐出されるインキは、インキ吐出タンク22に受け取られる。このことにより、ステージ21上にインキを吐出させることなく、インキ吐出ノズル9からインキを連続的に吐出させることができる。このため、インキ吐出ノズル9の流路およびインキ吐出ノズル9の先端が乾燥して詰まることを防止することができる。
【0056】
次に、第2シリンジポンプ7からインキ吐出ノズル9にインキが送られ、このインキ吐出ノズル9から基板30に対してインキが吐出される。この間、上述したように、インキ吐出ノズル9およびステージ21がそれぞれ移動し、基板30の各インキ塗布部33にインキが順次塗布される。また、この間、制御装置により、第2シリンジポンプ7は所定の流量で一定に維持してインキを吐出するように駆動されている。また、インキ吐出ライン8に設けられた吐出側流量計12により、インキ吐出ライン8を流れるインキの流量が計測されている。
【0057】
第2シリンジポンプ7から送られるインキがインキ吐出ノズル9を介して基板30に対して吐出されている間、三方弁4が操作されて第1シリンジポンプ6にインキ供給ライン3が流体連通されて、インキ供給タンク2から第1シリンジポンプ6にインキが供給される。
【0058】
このようにして、第1シリンジポンプ6および第2シリンジポンプ7のうち、インキが充填された一方のシリンジポンプからインキ吐出ノズル9を介して基板30にインキが吐出されるとともに、インキの残量が少なくなった他方のシリンジポンプにインキ供給タンク2からインキ供給ライン3を介してインキが供給される。このことにより、インキ吐出ノズル9からインキを連続的に吐出することができる。
【0059】
以上のように本実施の形態によれば、一対のシリンジポンプのうちの一方、例えば第1シリンジポンプ6からインキ吐出ノズル9を介して基板30に対してインキが吐出されている間、他方の第2シリンジポンプ7にインキ供給タンク2からインキが供給され、第1シリンジポンプ6内のインキの残量が少なくなった場合、流路切替装置5が操作されてインキ吐出ライン8にインキが充填された第2シリンジポンプ7が流体連通される。このことにより、インキ吐出ノズル9から吐出されるインキを途切れさせることなく、インキを連続的に吐出させることができる。このため、インキ吐出ノズル9の流路に残ったインキが乾燥して、インキ吐出ノズル9が詰まることを防止することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、基板30を交換する際に、流路切替装置5が操作されてインキ吐出ライン8に流体連通されるシリンジポンプを、インキの残量が少なくなった一方のシリンジポンプ、例えば第1シリンジポンプ6から、インキが充填された他方の第2シリンジポンプ7に切り替えることができる。このことにより、第1シリンジポンプ6にインキを充填させるためにインキを塗布する作業を中断させることがなく、インキを塗布する作業効率を向上させることができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、流路切替装置5を操作してインキ吐出ライン8に第2シリンジポンプ7を流体連通させる前に、三方弁4を操作して第2シリンジポンプ7をインキ排出ライン10に流体連通させて、第2シリンジポンプ7からインキ排出タンク11にインキを排出させ、この排出されるインキの流量を、第1シリンジポンプ6からインキ吐出ライン8に送られるインキの流量と同一にして安定させることができる。このことにより、流路切替装置5が操作されてインキ吐出ライン8に流体連通されるシリンジポンプを第1シリンジポンプ6から第2シリンジポンプ7に切り替える際、インキ吐出ノズル9から吐出されるインキの流量を一定に維持することができる。このため、基板30上に塗布されるインキの膜厚を精度良く維持して印刷品質を向上させることができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、流路切替装置5とインキ排出ライン10を介したインキ供給タンク2(インキ排出タンク11)との間の流路長さは、流路切替装置5とインキ吐出ノズル9との間の流路長さと同一であるとともに、インキ排出ライン10とインキ吐出ライン8は同一の流路形状を有している。このことにより、第2シリンジポンプ7とインキ排出ライン10を介したインキ供給タンク2(インキ排出タンク11)との間でインキが受ける圧力損失を、第1シリンジポンプ6とインキ吐出ノズル9との間でインキが受ける圧力損失に等しくすることができる。このため、流路切替装置5を操作してインキ吐出ライン8に流体連通されるシリンジポンプを切り替える際、インキ吐出ライン8に送られるインキの流量を精度良く一定に維持することができる。
【0063】
なお、本実施の形態においては、インキ供給タンク2とインキ排出タンク11が同一のタンクからなる場合について述べている。しかしながらこのことに限られることはなく、インキ供給タンク2とインキ排出タンク11は別々に構成されていても良い。この場合、インキ供給ライン3は、流路切替装置5とインキ供給タンク2との間に連結されるとともに、インキ排出ライン10は、流路切替装置5とインキ排出タンク11との間に連結される。また、流路切替装置5とインキ排出タンク11との間の流路長さは、流路切替装置5とインキ吐出ノズル9との間の流路長さと同一に構成することが好ましい。
【0064】
さらに、この場合、インキ排出タンク11に排出されたインキがインキ供給タンク2に送られるようにインキ排出タンク11がインキ供給タンク2に連結されていることが好ましい。このことにより、排出されたインキを容易に再利用することができる。また、インキ排出タンク11およびインキ供給タンク2が、窒素ガスによりパージされていることが好ましい。このことにより、排出されたインキを容易に再利用することができるとともに、インキが、酸素、あるいは水分により劣化することを確実に防止することができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、ステージ21が、駆動部によってガイドレール24の長手方向とは直交する方向に移動可能に構成されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、インキ吐出ノズル9をガイドレール24の長手方向とは直交する方向に移動可能に構成してもよい。
【0066】
第2の実施の形態
次に、図4により、本発明の第2の実施の形態におけるインキ塗装システムについて説明する。
【0067】
図4に示す第2の実施の形態において、インキ塗布システムは、インキ排出ラインとインキ排出タンクとの間に、インキ吐出ノズルの流路形状と同一の流路形状を有するインキ排出ノズルが設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図4において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0068】
図4に示すように、インキ排出ライン10に、インキ吐出ノズル9の流路形状と同一の流路形状を有するインキ排出ノズル40が連結されている。このインキ排出ノズル40は、インキ吐出ノズル9に隣接して設けられ、インキ吐出ノズル9が取り付けられる高さと同一の高さに取り付けられている。また、インキ排出ノズル40の下方に、インキ排出ノズル40から排出されるインキを受け取るインキ受取口41が設けられ、このインキ受取口41はインキ排出タンク11に連結され、インキ受取口41に排出されたインキをインキ供給タンク2に供給するように構成されている。このようにして、インキ排出ライン10とインキ供給タンク2との間にインキ排出ノズル40が設けられている。さらに、インキ排出ライン10は、インキ吐出ライン8と近接して設けられている。
【0069】
このように本実施の形態によれば、インキ排出ノズル40は、インキ吐出ノズル9に隣接して設けられ、インキ排出ノズル40の流路形状はインキ吐出ノズル9の流路形状と同一であるとともに、インキ排出ノズル40の取り付け高さは、インキ吐出ノズル9の取り付け高さと同一であり、さらに、インキ排出ライン10がインキ吐出ライン8に近接して設けられている。このことにより、流路切替装置5とインキ吐出ノズル9との間の流路と流路切替装置5とインキ排出ノズル40との間の流路を等しく形成することができる。このため、流路切替装置5とインキ排出ノズル40との間でインキが受ける圧力損失を、流路切替装置5とインキ吐出ノズル9との間でインキが受ける圧力損失に、確実に等しくすることができる。この結果、流路切替装置5を操作してインキ吐出ライン8に流体連通されるシリンジポンプを切り替える際、インキ吐出ライン8に送られるインキの流量を精度良く一定に維持することができ、基板30上に塗布されるインキの膜厚を精度良く維持して印刷品質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 インキ塗布システム
2 インキ供給タンク
3 インキ供給ライン
4 三方弁
5 流路切替装置
6 第1シリンジポンプ
7 第2シリンジポンプ
8 インキ吐出ライン
9 インキ吐出ノズル
10 インキ排出ライン
11 インキ排出タンク
12 吐出側流量計
13 排出側流量計
14 インキ流体連通ライン
20 受台
21 ステージ
22 インキ吐出タンク
23 側壁
24 ガイドレール
30 基板
31 ベース板
32 隔壁
33 インキ塗布部
40 インキ排出ノズル
41 インキ受取口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機EL材料を含むインキを基板上に塗布するインキ塗布システムにおいて、
インキを供給するインキ供給タンクと、
このインキ供給タンクに、インキ供給ラインおよび三方弁により連結された流路切替装置を介して連結された一対のシリンジポンプと、
流路切替装置にインキ吐出ラインを介して連結され、基板に対して一方のシリンジポンプから送られるインキを吐出するインキ吐出ノズルと、
三方弁にインキ排出ラインを介して連結され、他方のシリンジポンプから排出されるインキを受け取るインキ排出タンクと、を備えたことを特徴とするインキ塗布システム。
【請求項2】
流路切替装置とインキ吐出ノズルとの間に連結されたインキ吐出ライン、および三方弁とインキ排出タンクとの間に連結されたインキ排出ラインに、流量計が各々設けられたことを特徴とする請求項1に記載のインキ塗布システム。
【請求項3】
インキ供給タンクとインキ排出タンクが同一のタンクからなることを特徴とする請求項1または2に記載のインキ塗布システム。
【請求項4】
流路切替装置とインキ排出タンクとの間の流路長さは、流路切替装置とインキ吐出ノズルとの間の流路長さと同一であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインキ塗布システム。
【請求項5】
インキ排出ラインとインキ排出タンクとの間に、インキ吐出ノズルの流路形状と同一の流路形状を有するインキ排出ノズルが設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインキ塗布システム。
【請求項6】
インキ排出ノズルは、インキ吐出ノズルが取り付けられる高さと同一の高さに取り付けられることを特徴とする請求項5に記載のインキ塗布システム。
【請求項7】
流路切替装置は、基板を交換する際に流路を切り替えて、インキ吐出ノズルに連結されるシリンジポンプを切り替えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインキ塗布システム。
【請求項8】
基板側に、基板を交換する間にインキ吐出ノズルから吐出されるインキを受け取るインキ吐出タンクが設けられ、
基板を交換する間においても、インキ吐出ノズルからインキが連続的に吐出されることを特徴とする請求項7に記載のインキ塗布システム。
【請求項9】
インキ排出タンクは、窒素ガスによりパージされていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインキ塗布システム。
【請求項10】
有機EL材料を含むインキを基板上に塗布するインキ塗布方法において、
インキ供給タンクと、インキ供給タンクに、インキ供給ラインおよび三方弁により連結された流路切替装置を介して連結された一対のシリンジポンプと、流路切替装置にインキ吐出ラインを介して連結され、基板に対してインキを吐出するインキ吐出ノズルと、三方弁にインキ排出ラインを介して連結され、インキが排出されるインキ排出タンクとを準備する工程と、
三方弁を操作して一対のシリンジポンプのうちの一方のシリンジポンプにインキ供給ラインを流体連通させて、インキ供給タンクから当該一方のシリンジポンプにインキを供給する工程と、
三方弁を操作して当該一方のシリンジポンプにインキ排出ラインを流体連通させて、インキが供給された当該一方のシリンジポンプからインキ排出タンクにインキを排出する工程と、
流路切替装置を操作して基板側のインキ吐出ラインに当該一方のシリンジポンプを流体連通させるとともに、三方弁に他方のシリンジポンプを流体連通させる工程と、
当該一方のシリンジポンプからインキ吐出ノズルにインキを送り、このインキ吐出ノズルから基板に対してインキを吐出する工程と、
三方弁を操作して当該他方のシリンジポンプにインキ供給ラインを流体連通させて、インキ供給タンクから当該他方のシリンジポンプにインキを供給する工程と、
三方弁を操作して当該他方のシリンジポンプにインキ排出ラインを流体連通させて、インキが供給された当該他方のシリンジポンプから、インキ排出タンクにインキを排出する工程と、
流路切替装置を操作して基板側のインキ吐出ラインに当該他方のシリンジポンプを流体連通させるとともに、三方弁に当該一方のシリンジポンプを流体連通させる工程と、
当該他方のシリンジポンプからインキ吐出ノズルにインキを送り、このインキ吐出ノズルから基板に対してインキを吐出する工程と、を備えたことを特徴とするインキ塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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