インクカートリッジ及びカートリッジ収容装置
【課題】落下などによってインクカートリッジに衝撃が加えられた場合でも、インクカートリッジやインク供給部に直接に衝撃が加わらないように保護することが可能なインクカートリッジを提供する。
【解決手段】インクカートリッジ30は、インクタンク32とフレーム33とコイルバネ34とを備える。フレーム33は、上側フレーム90と下側フレーム91と連結フレーム92とによって略コの字形状に形成されている。インクタンク32な、上側フレーム90と下側フレーム91とによってスライド可能に支持されている。フレーム33でインクタンク32が支持された状態で、インクタンク32の背面42と連結フレーム92とがコイルバネ34で連結されている。
【解決手段】インクカートリッジ30は、インクタンク32とフレーム33とコイルバネ34とを備える。フレーム33は、上側フレーム90と下側フレーム91と連結フレーム92とによって略コの字形状に形成されている。インクタンク32な、上側フレーム90と下側フレーム91とによってスライド可能に支持されている。フレーム33でインクタンク32が支持された状態で、インクタンク32の背面42と連結フレーム92とがコイルバネ34で連結されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを貯留するためのインクカートリッジ及びこれを収容するカートリッジ収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクジェット記録方式の画像記録装置が知られている。画像記録装置には、インクカートリッジが着脱可能に設けられている。インクカートリッジは、内部にインクを貯留するインク貯留室を有するカートリッジ本体を備える。カートリッジ本体を構成する壁面には、インク貯留室から外部へインクを導出するためのインク供給部が設けられている。
【0003】
インク供給部が壁面よりも突出して設けられているものとして、例えば、特許文献1に開示された液体容器が公知である。この特許文献1に記載の液体容器は、インク供給部に相当する結合部が容器の壁面よりも突設されており、更に結合部に弾性体が内包されている。この液体容器によれば、誤って液体容器を落下させたときに結合部が床面に衝突した場合に、落下の衝撃が弾性体によって吸収される。
【0004】
【特許文献1】特開2001−71522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前掲の特許文献1に開示された液体容器では、誤って液体容器を落下させたときに液体容器に衝撃が加えられるため、液体容器自体が破損するおそれがある。また、弾性体が結合部の内部に装着されているので、結合部が床面に衝突したときの衝撃は、結合部の外面に直接に加わえられる。そのため、結合部自体、即ち、インク供給部自体が破損するおそれを完全に排除することはできない。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、落下などによってインクカートリッジに衝撃が加えられた場合でも、インクカートリッジやインク供給部に直接に衝撃が加わらないように保護することが可能なインクカートリッジ及びこれを備えたカートリッジ収容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明のインクカートリッジは、インク貯留室を有するカートリッジ本体と、フレーム本体と、弾性部材とを具備する。フレーム本体は、上記カートリッジ本体の少なくとも2面を囲むものであり、カートリッジ本体をスライド可能に支持する第1フレーム、及びカートリッジ本体のスライド方向と交差する方向へ延出された第2フレームを有する。弾性部材は、その第1端部がカートリッジ本体に連結され、第2端部が第2フレームに連結されており、カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する。
【0008】
このようにインクカートリッジが構成されるため、誤ってインクカートリッジを落下させたときにフレーム本体に衝撃が加わった場合でも、その衝撃は弾性部材によって緩衝される。これにより、カートリッジ本体の破損が防止される。また、インクカートリッジの搬送時に発生した振動がインクカートリッジに伝達された場合でも、その振動はカートリッジ本体に伝達される前に弾性部材によって吸収される。そのため、振動によるインク貯留室内の気泡の発生量が軽減される。
【0009】
(2) 上記カートリッジ本体は、該カートリッジ本体のスライド方向と直交する第1壁面及び第2壁面を有する。上記インク貯留室のインクを外部へ導出するインク導出部が上記第1壁面に設けられ、上記弾性部材の第1端部が上記第2壁面に連結されている。
【0010】
このように、インク導出部が設けられたインクカートリッジに対して本発明は好適である。つまり、インクカートリッジを床面に落下させたとしても、カートリッジ本体のみならず、インク導出部の破損を好適に防止することができる。
【0011】
(3) 上記カートリッジ本体の底面を支持する上記第1フレームが、上記インク導出部より上記第1壁面の外側へ突出されている。
【0012】
これにより、仮に、インクカートリッジがインク導出部側から床面に落下した場合でも、インク導出部に衝撃が直接に加わらない。そのため、カートリッジ本体のみならずインク導出部を衝突時の衝撃から好適に保護することができる。また、カートリッジ収容部からインクカートリッジを挿抜した際に上記インク導出部から漏れ出たインクを第1フレームで受け止めることができるため、インクカートリッジの脱抜時にインクがこぼれ落ちてカートリッジ収容部の内部や床面を汚すことがない。
【0013】
(4) 本発明のインクカートリッジは、上記第1壁面から外側へ所定間隔を隔てて該第1壁面に対向して配設された第3フレームを更に備える。
【0014】
これにより、第1壁面側からインクカートリッジが落下した場合でも、第3フレームによって第1壁面が保護される。
【0015】
(5) 上記カートリッジ本体は、幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成されている。上記第1フレームは、上記カートリッジ本体において対向に配置された幅方向に細い壁面の双方もしくはいずれか一方を上記奥行き方向へスライド可能に支持するものである。
【0016】
このように、上記壁面のいずれかのみをスライド可能に支持する構成であれば、カートリッジ本体のスライド支持を簡素な機構で実現することができる。一方、対向配置された双方の壁面をスライド可能に支持する構成であれば、カートリッジ本体を確実に支持することができる。
【0017】
(6) 本発明のインクカートリッジは把手を更に備える。この把手は、上記第2フレームにおける上記第2端部の連結面の反対側の面に設けられている。
【0018】
これにより、カートリッジ収容部に対するインクカートリッジの挿抜、或いはインクカートリッジの持ち運びが容易となる。
【0019】
(7) 上記把手は、上記インク貯留室に貯留されるインク色に応じた位置に設けられている。
【0020】
これにより、インクカートリッジのインク色の識別が容易となる。
【0021】
(8) 本発明のインクカートリッジは、幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成され、内部にインク貯留室を有するカートリッジ本体と、上記カートリッジ収容部の奥部に配置される上記カートリッジ本体の第1壁面の下端近傍に設けられ、上記インク貯留室から外部へインクを導出するインク導出部と、側面視で略コの字形状に形成され、上記カートリッジ本体の上面及び底面それぞれで上記カートリッジ本体をスライド可能に支持する一対の第1フレームと、上記カートリッジ本体のスライド方向と直交する方向へ延出され、上記第1壁面に対向する第2壁面側の上記第1フレームの端部同士を連結する第2フレームとを有するフレーム本体と、第1端部が上記第2壁面に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを具備することにより具現化される。
【0022】
(9) 本発明は、上述のインクカートリッジと、開口を通じて挿抜可能に構成され、上記インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部と、上記カートリッジ収容部に挿入された上記インクカートリッジの上記フレーム本体を挿入方向へ押圧するとともに上記フレーム本体を定する固定部材とを具備するカートリッジ収容装置として捉えることができる。
【0023】
フレーム本体が固定部材によって押圧されると、フレーム本体とカートリッジ本体との間に介在された弾性部材が収縮される。弾性部材が収縮された状態で、固定部材によってフレーム本体がカートリッジ収容部内で固定される。これにより、インクカートリッジが弾性部材の弾性係数に応じた一定の力で挿入方向へ押圧された状態でカートリッジ収容部に安定して固定される。
【0024】
(10) 上記固定部材は、上記フレーム本体を固定するとともに、上記開口を閉塞するものである。
【0025】
これにより、開口を閉塞するカバー部材を別途設ける必要がなくなるため、構成を簡素化することができる。
【0026】
(11) 上記固定部材は、上記開口が閉塞されたときに上記インクカートリッジに設けられた把手を収容する把手収容部を有する。
【0027】
これにより、上記開口に対する固定部材の開閉時に把手が邪魔にならない。
【0028】
(12) 本発明のカートリッジ収容装置は、開口を通じて該インクカートリッジを挿抜可能に構成され該インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部とを具備し、上記インクカートリッジは、幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成され、内部にインク貯留室を有するカートリッジ本体と、上記カートリッジ収容部の奥部に配置される上記カートリッジ本体の第1壁面の下端近傍に設けられ、上記インク貯留室から外部へインクを導出するインク導出部と、側面視で略コの字形状に形成され、上記カートリッジ本体の上面及び底面それぞれで上記カートリッジ本体をスライド可能に支持する一対の第1フレームと、上記カートリッジ本体のスライド方向と直交する方向へ延出され、上記第1壁面に対向する第2壁面側の上記第1フレームの端部同士を連結する第2フレームとを有するフレーム本体と、第1端部が上記第2壁面に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを備え、上記カートリッジ収容部は、挿入された上記インクカートリッジの上記フレーム本体を挿入方向へ押圧するとともに上記フレーム本体を固定する固定部材と、上記固定部材による固定時に上記インク導出部と接続して上記インク貯留室と上記カートリッジ収容部の外部とを連通する接続部とを備えることにより具現化される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、誤ってインクカートリッジを落下させたときにフレーム本体に衝撃が加わった場合でも、その衝撃は弾性部材によって吸収される。これにより、カートリッジ本体やインク導出部の破損が防止される。また、インクカートリッジの運搬時にインクカートリッジに伝達された振動が弾性部材によって吸収されるため、インク貯留室内の気泡の発生が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される各実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0031】
《第1実施形態》
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るインクカートリッジ30が適用される複合機10の外観を示す斜視図である。
【0032】
複合機10は、下部に配設されたインクジェット記録方式のプリンタ部12と、その上部に配設されたスキャナ部13と、スキャナ部13に載置された原稿を搬送するADF15とを一体的に備えた多機能装置である。複合機10に接続されたコンピュータや外部記憶装置或いはスキャナ部13からプリンタ部12に印刷データが送信されると、該印刷データに基づいて記録用紙に画像が記録される。
【0033】
図1に示されるように、複合機10は、高さより横幅及び奥行きが大きい幅広薄型の直方体に概ね形成されている。プリンタ部12の筐体14に、開口17が形成されている。この開口17は、筐体14の前面の中央付近に形成されている。開口17の内部に記録用紙を収容するためのトレイが設けられる。なお、図1では、上記トレイが省略されている。
【0034】
筐体14の前面の幅方向右端部に開口18が形成されている。開口18の内部に、ベースユニット100(本発明のカートリッジ収容装置の一例)が設けられている。ベースユニット100は、図1に示されるように、プリンタ2の筐体14の前方側に配置される。このベースユニット100は、複数のケース101(本発明のカートリッジ収容部の一例)を備える。それぞれのケース101に各色のインクカートリッジ30が収容される。本実施形態では、ベースユニット100には、4つのケース101が設けられており、4つのインクカートリッジ30を収容することが可能である。
【0035】
各インクカートリッジ30には、プリンタ部12で使用可能なインクが貯留されている。具体的には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクがそれぞれに対応するインクカートリッジ30に貯留されている。これらインクカートリッジ30に貯留された各色のインクは、図示しないインクチューブを通じて記録ヘッドへ供給される。なお、ベースユニット100及びインクカートリッジ30の詳細については後述する。
【0036】
筐体14の前面には、扉20が設けられている。扉20は、開口18に対して回動することにより、開放姿勢と閉塞姿勢とに姿勢変化する。具体的には、扉20は、前方へ倒伏されることによって開口18を開放して該開口18からベースユニット100を露出させる開放姿勢と、開口18を閉塞する閉塞姿勢との間で回動自在に支持されている。扉20の開閉動作は、該扉20の下端が回動軸となって装置前面側に回動することにより達成される。
【0037】
次に、図2から図4を参照して、インクカートリッジ30の構成について説明する。ここに、図2は、インクカートリッジ30の構成を模式的に示す四面図であり、(a)に正面図、(b)に側面図、(c)に背面図、(d)に底面図が示されている。図3は、インクタンク32(本発明のカートリッジ本体の一例)の構成を示す模式図であり、(a)にインクタンク32の正面図が示されており、(b)に切断線IIIb−IIIbの断面図が示されている。図4は、フレーム33の構成を模式的に示す斜視図である。
【0038】
図2に示されるように、インクカートリッジ30は、大別して、インクタンク32と、フレーム33(本発明のフレーム本体の一例)と、コイルバネ34(本発明の弾性部材の一例)とを備える。本実施形態では、インクカートリッジ30は、インクタンク32がフレーム33によってスライド可能に支持されており、インクタンク32がコイルバネ33の伸縮範囲内でスライドするように構成されている。以下に、図3及び図4を参照して、インクタンク32及びフレーム33それぞれの構成について分説する。
【0039】
インクタンク32はインクが貯留される容器である。図3に示されるように、インクタンク32は、略直方体形状に形成されている。詳細には、インクタンク32は、幅方向に細く、高さ方向に長く、奥行き方向(矢印69の方向)が上記高さ方向よりも長い略直方体形状に形成されている。このインクタンク32の内部空間がインク貯留室36である。インクタンク32は、透明な樹脂(以下「透明樹脂」と称する。)で構成されている。したがって、インク貯留室36の内部が外部から光透過可能である。このインクタンク32は、主として、検知窓39と、センサーアーム60と、インク供給部51(本発明のインク導出部の一例)と、レール55,56とを備える。
【0040】
インクタンク32は、略直方体形状に形成された検知窓39を備える。検知窓39は、インク貯留室36に貯留されているインクの液量を視覚的或いは光学的に検知するためのものである。検知窓39は、インクタンク32を区画形成する壁面のうちケース100の奥部に配置される壁面、つまりインクタンク32の正面40(本発明の第1壁面に相当)に設けられている。検知窓39は、正面40の中段付近から外側(図3(b)の左向き)へ突出している。この検知窓39は、インクタンク32と一体に形成されている。したがって、検知窓39は、インクタンク32と同じ材質、すなわち、透明樹脂で構成されている。検知窓39は、後述するように、ケース101に取り付けられた光センサ103(図7参照)によって検出光が照射される的である。
【0041】
なお、本実施形態では、検知窓39を含むインクタンク32を透明樹脂で構成することとしたが、紫外光などによるインクの劣化を防止するべく、インクタンク32のうち検知窓39を除く部分を遮光性を有するケースで覆ってもよく、また、遮光性を有するフィルムで被覆してもよい。また、インクタンク32の他の例として、正面40から上面41、背面42(本発明の第2壁面に相当)、底面43に至る各面を形成する樹脂性の環状の枠体と、この枠体の両側面の開口を被覆するフィルムとにより構成されたインクタンクを用いてもかまわない。
【0042】
図3に示されるように、検知窓39の内部に空洞46が形成されている。空洞46は、インク貯留室36に連続している。空洞46に、センサーアーム60のインジケータ部62が進入或いは退出する。このインジケータ部62は、インク残量を指し示すためのものである。なお、図3では、インジケータ部62が空洞46に進入した姿勢が実線で示され、インジケータ部62が空洞46から退出した姿勢が破線で示されている。
【0043】
センサーアーム60は、インクタンク32の内部に設けられている。センサーアーム60は、インク貯留室36に貯留されたインクの液量を検出するための部材である。センサーアーム60は、合成樹脂で構成されている。このセンサーアーム60は、アーム本体63と、インジケータ部62と、フロート部64とを有する。
【0044】
アーム本体63には、連結軸66が設けられている。インクタンク32の両方の側面44の内壁に、連結軸66と係合する支持部(不図示)が設けられている。この支持部によって連結軸66が回動可能に支持される。これにより、インクタンク32の内部においてセンサーアーム60が矢印67,68の方向へ揺動可能に支持される。
【0045】
アーム本体63及びインジケータ部62は、厚みの薄い板状部材で構成されている。詳細には、アーム本体63及びインジケータ部62は、インクタンク32の側面44に直交する方向、即ち図3(b)において紙面に垂直な方向の寸法(幅寸法)が薄く形成されてなる。したがって、インクカートリッジ30をケース101に装着する際に、インクタンク32がその長手方向(矢印69の方向)に揺らされたときにインクが同方向へ波打ったとしても、センサーアーム60はその影響をほとんど受けない。つまり、インクが矢印69の方向へ波打った場合でも、センサーアーム60は矢印67,68の方向へ揺動しない。
【0046】
アーム本体63の背面42側の端部にフロート部64が設けられている。フロート部64は、内部が空洞化された中空形状に形成されている。本実施形態では、インク中において、連結軸66からフロート部64に至る部分が浮き上がるようにフロート部64が形成されている。言い換えれば、インク中において、フロート部64は浮力体の役割を担う。なお、フロート部64を中空形状とせず、連結軸66からフロート部64に至る部分或いはその一部分をインクの比重よりも小さい比重の素材で形成してもよい。
【0047】
アーム本体63の正面40側の端部にインジケータ部62が設けられている。センサーアーム60が図3(b)において反時計方向(矢印67の方向)へ回動されると、インジケータ部62が検知窓39の空洞46に進入する。空洞46に進入したインジケータ部62は、検知窓39の内側の底面を構成する壁47に当接して、それ以上の進入が阻止される。一方、センサーアーム60が図3(b)において時計方向(矢印68の方向)へ回動されると、インジケータ部62が壁47から離反して、その一部が空洞46から退出する(図3(b)の破線参照)。退出したインジケータ部62は、壁47から矢印68の方向へ隔てた所定の位置で静止する。
【0048】
本実施形態では、センサーアーム60は、連結軸66からインジケータ部62に至る部分が連結軸66からフロート部64に至る部分よりも重量が小さくなるように形成されている。したがって、空気中においては、フロート部64側の部分がインジケータ部62側の部分よりも重い。そのため、インク貯留室36にインクが入っていない状態では、センサーアーム60は、フロート部64の重力方向に引っ張られる。これにより、センサーアーム60は、連結軸66を中心にして時計方向(矢印68の方向)へ回動される。このとき、インジケータ部62が検知窓39の空洞46から退出する。つまり、インジケータ部62が空洞46から退出している場合は、インク貯留室36にインクが入っていないことを検知できる。なお、フロート部64の下端がインクタンク32の底面43の内壁に当接すると、センサーアーム60の回動が停止して、その姿勢が維持される。このとき、インジケータ部62は、その一部が検知窓39の空洞46から退出した所定の位置で静止する(図3(b)の破線参照)。なお、検知窓39が空洞46から完全に退出する必要はなく、後述の光センサ103(図7参照)の検出領域から退避する程度にインジケータ部62が空洞46から退出すればよい。
【0049】
一方、インク貯留室36に所定量のインクが貯留され、フロート部64がインクに浸かった状態では、フロート部64に浮力が発生する。この浮力によって、フロート部64側の部分とインジケータ部62側の部分との重量の均衡が逆転する。すなわち、インク中では、フロート部64の重力方向に働く力はインジケータ部62の重量方向に働く力よりも小さくなる。したがって、センサーアーム60は、インジケータ部62の重力方向へ引っ張られる。これにより、センサーアーム60は、連結軸66を中心にして反時計回り(矢印67の方向)へ回動される。このとき、インジケータ部62は検知窓39の空洞46に進入する。インジケータ部62の下端が壁47に当接すると、センサーアーム60の回動が停止して、その姿勢が維持される。つまり、インジケータ部62が空洞46に進入している場合は、インク貯留室36に所定量のインクが貯留されていることを検知できる。
【0050】
インク供給部51は、インクタンク32の正面40に設けられている。インク供給部51は、円筒形状に形成されたゴム部材からなるものである。正面40の下端付近に、正面40からインク貯留室36に貫通する孔52が形成されている。インク供給部51は、図3(b)に示されるように、その円筒軸方向の端部が孔52に嵌め入れられている。インク供給部51のうち、上記端部を除く部分は、正面40から外側へ突出している。このようにインク供給部51が設けられることにより、インク供給部51の内孔53と孔52とが連続し、インク貯留室36に貯留されたインクは孔52及び内孔53を通じてインクタンク32の外部に導出可能となる。なお、インクカートリッジ30がケース101に装着されると、後述する接続部111(図7参照)を介してインク供給部51とインクチューブ(不図示)とが連結され、上記インクチューブを通じてインクカートリッジ30から記録ヘッド(不図示)へインクが供給される。
【0051】
インクタンク32の正面40には、大気連通口50が形成されている。大気連通口50は、正面40において、検知窓39より上方の壁面に形成されている。この大気連通口50は、インク貯留室36の空気層と大気とを連通するための貫通孔である。大気連通口50によって、インク貯留室36内の気圧が大気圧に保たれる。
【0052】
インクタンク32の背面42には、コイルバネ34の軸方向の端部を支持するバネ座48が設けられている。バネ座48は、コイルバネ34の端部と連結して、当該コイルバネ34を背面42に固定する。バネ座48は、背面42の中段付近に設けられている。このバネ座48は、インクタンク52と一体に形成されている。
【0053】
インクタンク32の正面40に直交する上面41に、レール55が設けられている。また、正面40に直交し、上面41に対向して配置された底面43に、レール56が設けられている。レール55は、上面41から外側(図3の上方)へ突出されており、レール56は、底面43から外側(図3の下方)へ突出されている。これらのレール55,56は、インクタンク32と一体に形成されている。レール55,56は、インクタンク32の長手方向(矢印69の方向)に沿って設けられており、正面40付近から背面42付近まで連続して延設されている。インクタンク32がフレーム33に組み付けられる際に、レール55,56がフレーム33のガイド溝88,89(図4参照)に挿入される。なお、レール55,56とガイド溝88,89とによって、インクタンク32のスライド支持機構が実現される。
【0054】
フレーム33は、インクタンク32を所定方向にスライド可能に支持するものである。図4に示されるように、フレーム33は、側面視で略コの字形状を呈する。フレーム33によって三方が囲まれた空間87にインクタンク32が配設される。フレーム33は、上側フレーム90と、下側フレーム91と、連結フレーム92とにより構成されている。連結フレーム92は、上側フレーム90及び下側フレーム91それぞれの端部を連結する。連結フレーム92は、フレーム90,91それぞれに対して直交している。言い換えれば、連結フレーム92は、フレーム90,91の長手方向(矢印95の方向)と直交する方向に延設されている。なお、上側フレーム90及び下側フレーム91が本発明の第1フレームに相当し、連結フレーム92が本発明の第2フレームに相当する。本実施形態では、側面視で略コの字形状のフレーム33でインクタンク32を支持することとしたが、例えば、上側フレーム90及び連結フレーム92、或いは下側フレーム91及び連結フレーム92によって形成される側面視で略L字形状のフレームを用いて、インクタンク32を上面41或いは底面43のみでスライド可能に支持する構成であってもかまわない。
【0055】
フレーム33にインクタンク32が支持された状態で、上側フレーム90及び下側フレーム91は、インク供給部51及び検知窓39よりも正面40から外側(図2(b)の左側)へ延出している。言い換えれば、各フレーム90,91の正面40側の端部96は、インク供給部51及び検知窓39よりも正面40から外側へ突出している。インク供給部51及び検知窓39に対する端部96の突出量は、コイルバネ34の伸縮範囲内でインクタンク32がスライドしたときにインク供給部51及び検知窓39が端部96よりも外側へ突出しない程度に設定される。このような形状及び寸法に上側フレーム90及び下側フレーム91が形成されたことによる作用効果については後述する。
【0056】
上側フレーム90の内面にガイド溝88が形成されており、下側フレーム91の内面にガイド溝89が形成されている。ガイド溝88,89は、フレーム90,91の長手方向(矢印95の方向)に沿って設けられており、各フレーム90,91の端部96から連結フレーム92の連結部付近まで延設されている。ガイド溝88,89は、端部96で開放されている。ガイド溝88,89は、端部96に向けて末広がり状に形成された挿入部97を有する。挿入部96は、端部96付近に設けられている。これにより、インクタンク32をフレーム33に装着する際に、レール55,56とガイド溝88,89との位置合わせが容易になり、更に、レール55,56をガイド溝88,89に円滑に案内することが可能となる。
【0057】
連結フレーム92の内面には、上述のバネ座48と同様のバネ座94が設けられている。つまり、バネ座94は、コイルバネ34の軸方向の端部を支持するためのものである。このバネ座94は、コイルバネ34の端部と連結して、当該コイルバネ34を連結フレーム92に固定する。バネ座94は、連結フレーム92の内面の中段付近に設けられている。このバネ座94は、連結フレーム92と一体に形成されている。
【0058】
本実施形態に係るインクカートリッジ30は、フレーム33にコイルバネ34及びインクタンク32が組み付けられてなる。インクカートリッジ33は、以下の要領で組み立てられる。まず、連結フレーム92のバネ座94にコイルバネ34を固定する。次に、インクタンク32とフレーム33の長手方向を一致させたうえで、インクタンク32を背面42側から空間87に挿入する。このとき、レール55,56が挿入部97を経てガイド溝88,89に進入する。これにより、インクタンク32は、フレーム33の長手方向(図4の矢印95の方向)へスライド可能に支持される。インクタンク32がフレーム33の奥側(連結フレーム92側)まで挿入されると、続いて、背面42のバネ座48にコイルバネ34を固定する。このとき、図2に示されるように、コイルバネ34は、その軸がフレーム90,91の長手方向に一致するように配置される。つまり、コイルバネ34は、インクタンク32のスライド方向に伸縮するように配置される。
【0059】
このようにインクカートリッジ30が構成されているため、例えば、図5(a)に示されるように、インクカートリッジ30が連結フレーム92側から床面23に落下した場合でも、フレーム33に加えられた衝撃はコイルバネ34によって緩衝される。これにより、インクタンク32を衝撃から保護することができる。その結果、インクタンク32の破損及び破損によるインクの漏出が防止される。なお、図5(b)に示されるように、連結フレーム92と上側フレーム90との角部側からインクカートリッジ30が床面23に落下した場合も、フレーム33の長手方向に分散された衝撃がコイルバネ34によって緩衝されるため、インクタンク32の破損及び破損によるインクの漏出を防止することができる。また、インクカートリッジ30を搬送する際に生じた振動がインクカートリッジ30に伝達されたとしても、その振動がコイルバネ34によって吸収されるため、インクタンク32に振動が伝達されない。したがって、振動によってインク貯留室36内に生じる気泡の発生量が軽減される。
【0060】
また、図6(a)及び(b)に示されるように、インクカートリッジ30がフレーム90,91の端部96側から床面23に落下した場合も、フレーム33に加えられた衝撃はコイルバネ34によって緩衝されるため、インクタンク32の破損によるインクの漏出が防止される。また、フレーム33にインクタンク32が支持された状態で、上側フレーム90及び下側フレーム91の端部96がインク供給部51及び検知窓39よりも正面40から外側に突出しているため、インク供給部51や検知窓39が床面23に直接に衝突しない。そのため、インク供給部51や検知窓39に直接に衝撃が加わらない。これにより、インクタンク32のみならずインク供給部51や検知窓39の破損を好適に防止することができる。
【0061】
次に、ベースユニット100の構成について説明する。ベースユニット100は、図1に示されるように、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのケース101が幅方向に並列されて構成されている。以下、図7を参照して、ケース101について詳細に説明する。ここに、図7は、ケース101の構成を示す縦断面図である。
【0062】
図7に示されるように、ケース101は、ケース本体105とロックレバー106(本発明の固定部材の一例)とを備える。ケース本体105には、収容室108が形成されている。この収容室108に、インクカートリッジ30が収容される。ケース本体105の前面に開口110が設けられている。ケース101は、開口110を通じてケース本体105にインクカートリッジ30を着脱することが可能に構成されている。
【0063】
収容室108の奥側に、光センサ103が設けられている。光センサ103は、ケース本体105の背面を構成する壁114に設けられている。光センサ103は、ケース101に装着されたインクカートリッジ30のインク量を検出するためのものである。本実施形態では、光センサ103として、透過型のフォトインタラプタが用いられている。光センサ103の検出領域に検知窓39が挿入された状態で発光素子から出射された検出光が受光素子によって受光され、その受光量に基づいてインクの残量が検出される。
【0064】
壁114の下部には、収容室108にインクカートリッジ30が装着された際に、インク供給部51に接続する接続部111が設けられている。接続部111は、壁114の内面から開口110側へ突出している。接続部111には、収容室108の内面から壁114の外面に貫通する貫通孔124が形成されている。貫通孔124に不図示のインクチューブが接続されている。貫通孔124は、インク供給部51の孔52に対応する位置に設けられている。貫通孔124の収容室108側には、インク針(不図示)が設けられている。そのため、収容室108にインクカートリッジ30が収容されると、上記インク針がインク供給部51の孔52に挿入されて、インク供給部51と接続部111とが連結される。
【0065】
接続部111の下部には、ケース本体105の底面を構成する壁面117との間に間隙113が形成されている。この間隙113は、収容室108にインクカートリッジ30が装着された際に、下部フレーム91の端部96側を収容するためのスペースである。
【0066】
ロックレバー106は、開口110を開閉するとともに、収容室108においてインクカートリッジ30を確実に固定するためのものである。このロックレバー106は、開口110の上縁に設けられた軸112を中心に回転可能に支持されている。ロックレバー106には、押圧部125と爪126とが設けられている。押圧部125は、ロックレバー106の内面129の略中央付近に設けられており、内面129から若干突出した形状に形成されている。爪126は、ロックレバー106の先端に設けられている。開口110の下縁には、ロックレバー106に設けられた爪126と係合する切り欠き127が設けられている。これらの各部が設けられたことによる作用効果については後述する。
【0067】
以下、図8及び図9を参照して、インクカートリッジ30をケース101に装着する動作について説明する。ここに、図8及び図9は、インクカートリッジ30がケース101に挿入された状態を示す模式断面図である。図8には、インクカートリッジ30のロックが解除された状態が示されている。図9には、ロックレバー106によってインクカートリッジ30がロックされた状態が示されている。
【0068】
図8に示されるように、まず、接続部111にインク供給部51が当接するまでインクカートリッジ30をケース本体105に挿入する。このとき、下部フレーム91の端部96が、間隙113に進入する。また、検知窓39が光センサ103の検出領域に進入する。
【0069】
次に、開口110を閉じる方向にロックレバー106を回動させる。インクカートリッジ30が収容室108の奥側まで挿入された状態(図8参照)でロックレバー106が開口110を閉じる方向へ回動されると、押圧部125が連結フレーム92に当接する。この状態で、ロックレバー106の外面130がインクカートリッジ30の挿入方向(矢印70の方向)へ押しつけられると、コイルバネ34が収縮されて、フレーム33だけが上記挿入方向へ押し込まれる。その後、ロックレバー106の爪126が切り欠き127に挿入されて、爪126と切り欠き127とが係合する。これにより、開口110に対してロックレバー106がロックされ、ケース101内のインクカートリッジ30がロックレバー106によって固定される。また、開口110がロックレバー106によって閉塞される。このとき、コイルバネ34の付勢力によって、インク供給部51は接続部111に押し付けられた状態が保持される。
【0070】
このように、インクカートリッジ30がケース101に装着されるため、インクカートリッジ30がケース101において緩みなく確実に固定される。また、ベースユニット100が備えるいずれのケース101においても、コイルバネ34の弾性係数に応じた一定の力でインクカートリッジ30を挿入方向(矢印70の方向)へ押圧することができる。また、コイルバネ34によってインク供給部51が接続部111に押し付けられるため、インク供給部51と接続部111との接続が確実となり、インク供給部51におけるインク漏れが防止される。また、ロックレバー106だけでインクカートリッジ30の固定と開口110の開閉が可能であるため、ロック部材と開閉カバーとを設けることに較べて構成が簡素化される。
【0071】
《第2実施形態》
以下、図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図10は、本発明の第2実施形態に係るインクカートリッジ140の構成を示す斜視図である。本実施形態において、上述の第1実施形態と共通する構成要素については、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0072】
本実施形態が上述の第1実施形態と相違するところは、図10に示されるように、上側フレーム90及び下側フレーム91に代えて、断面が台形の上側フレーム142と断面が逆台形の下側フレーム143とによってフレーム33が構成されている点にある。また、上側フレーム142とスライド可能に係合する断面が台形のガイド溝144がインクタンク32の上面41に形成されている点、及び、下側フレーム143とスライド可能に係合する断面が逆台形のガイド溝145がインクタンク32の底面43に形成されている点も相違する。本実施形態では、インクタンク32がフレーム33で包囲された空間87に挿入されると、ガイド溝144,145に上側フレーム142及び下側フレーム143が進入する。これにより、インクタンク32は、フレーム33の上側フレーム142及び下側フレーム143によってスライド可能に支持される。また、上述の如く、上側フレーム142及びガイド溝144の断面が台形に形成され、下側フレーム143及びガイド溝145の断面が逆台形に形成されているため、インクタンク32がスライド方向に引き抜かれない限り、フレーム33に確実に取り付けられる。
【0073】
《第3実施形態》
以下、図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。ここに、図11は、本発明の第3実施形態に係るインクカートリッジ150の構成を示す模式図であり、(a)にインクカートリッジ150の側面図が示されており、(b)にインクカートリッジ150の背面図が示されている。本実施形態において、上述の第1実施形態と共通する構成要素については、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0074】
本実施形態は、フレーム33に正面フレーム152(本発明の第3フレームの一例)が設けられている点において、上述の第1実施形態とは異なる。正面フレーム152は、図11に示されるように、正面40から外側へ所定間隔を隔てて正面40に対して平行に設けられている。具体的には、正面フレーム152は、上側フレーム90の端部96から下方に屈曲されてなる。正面フレーム152の先端は、検知窓39の上端付近まで延出されている。正面フレーム152は、フレーム33と一体に形成されていてもよく、また、上側フレーム90に取り外し可能な別部材として構成されていてもよい。
【0075】
このような正面フレーム152が設けられているため、仮に、正面40側からインクカートリッジ150が落下したとしても、正面フレーム152によって正面40が保護される。例えば、床面に衝突した衝撃によってインクタンク32に過大な力が作用して弾性部材が過度に伸長した場合でも、インクタンク32の正面40側へのスライドが正面フレーム152によって規制される。
【0076】
《第4実施形態》
以下、図12から図15を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。ここに、図12は、本発明の第4実施形態に係るインクカートリッジ160の構成を示す模式図であり、(a)にインクカートリッジ160の側面図が示されており、(b)にインクカートリッジ160の背面図が示されている。図13は、4色のインクカートリッジが横並びに配設された状態を示す模式図である。図14及び図15は、インクカートリッジ160がケース165に挿入された状態を示す模式断面図である。図14には、インクカートリッジ160のロックが解除された状態が示されている。図15には、ロックレバー106によってインクカートリッジ160がロックされた状態が示されている。本実施形態において、上述の第1実施形態と共通する構成要素については、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0077】
本実施形態に係るインクカートリッジ160が、フレーム33に把手162が設けられている点で上述の第1実施形態と相違する。
【0078】
図12に示されるように、把手162は、連結フレーム92の外面に設けられている。把手162は、各色のインクのインクカートリッジごとに設けられている。この把手162は、インクカートリッジ160をケース165に挿抜する際に、ユーザによって摘まれる。把手162が設けられているため、ユーザは、インクカートリッジ160の挿抜や、インクカートリッジ160の持ち運びが容易となる。
【0079】
図13に示されるように、把手162は、インクカートリッジ160に貯留されているインクの色ごとに異なる位置に設けられている。例えば、ブラックのインクカートリッジ160Kの把手162Kは、インクカートリッジ160Kが有する連結フレーム92の上端付近に配置されている。シアンのインクカートリッジ160Cの把手162Cは、インクカートリッジ160Cが有する連結フレーム92において、把手162Kの下側となる位置に配置されている。そして、イエローのインクカートリッジ160Yの把手162Yは把手162Cの下側となる位置に配置され、マゼンタのインクカートリッジ160Mの把手162Mは、把手162Yの下側となる位置に配置されている。これにより、各インクカートリッジ160が横並びに配設された状態において、各把手162は上下方向にずらされて配置される(図13(b)参照)。仮に、各把手が連結フレーム92において同じ位置に配置されていれば、各把手は横一列に配置される。この場合、ユーザは把手を摘みにくくなるが、本実施形態に係るインクカートリッジ160によれば、そのような不具合が解消される。
【0080】
また、本実施形態のケース165が、ロックレバー106に把手収容部167が設けられており、押圧部125が設けられていない点で上述の第1実施形態と相違する。把手収容部167は、ロックレバー106の内面129に設けられている。この把手収容部167に、把手162が収容される。把手収容部167は、図14に示されるように、内面129に形成された凹陥部からなる。言うまでもなく、把手収容部167は、把手162の外形状に対応する形状に形成されている。把手収容部167は、把手162に対応する位置に設けられている。例えば、インク色ごとに把手162の位置が異なる場合は、各色に対応する位置に把手収容部167が設けられている。
【0081】
インクカートリッジ160が収容室108の奥側まで挿入された状態(図13参照)でロックレバー106が開口110を閉じる方向へ回動されると、把手162が把手収容部167に収容される。このとき、把手162の頂部163が把手収容部167の奥部168に当接する。この状態で、ロックレバー106の外面130がインクカートリッジ160の挿入方向(矢印70の方向)へ押しつけられると、コイルバネ34が収縮されて、フレーム33だけが上記挿入方向へ押し込まれる。その後、ロックレバー106が開口110の下端でロックされ、ケース165内のインクカートリッジ160がロックレバー106によって固定される。
【0082】
なお、把手収容部167は、把手162に対応する位置に設けられているため、例えば、ブラックのインクカートリッジ160Kをシアン用のケース165に挿入した場合は、把手162Kが把手収容部167に収まらない。したがって、本実施形態のインクカートリッジ160及びケース165によれば、ユーザは、ケース165に対するインクカートリッジ160の装着間違いに直ぐさま気づくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、複合機10の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施形態に係るインクカートリッジ30の構成を模式的に示す四面図であり、(a)に正面図、(b)に側面図、(c)に背面図、(d)に底面図が示されている。
【図3】図3は、インクタンク32(本発明のカートリッジ本体の一例)の構成を示す模式図であり、(a)にインクタンク32の正面図が示されており、(b)に切断線IIIb−IIIbの断面図が示されている。
【図4】図4は、フレーム33の構成を模式的に示す斜視図である。
【図5】図5は、インクカートリッジ30が連結フレーム92側から床面23に落下した状態を示す模式図である。
【図6】図6は、インクカートリッジ30が正面40側から床面23に落下した状態を示す模式図である。
【図7】図7は、ケース101の構成を示す縦断面図である。
【図8】図8は、インクカートリッジ30がケース101に挿入された状態を示す模式断面図であり、インクカートリッジ30のロックが解除された状態が示されている。
【図9】図9は、インクカートリッジ30がケース101に挿入された状態を示す模式断面図であり、ロックレバー106によってインクカートリッジ30がロックされた状態が示されている。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係るインクカートリッジ140の構成を示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態に係るインクカートリッジ150の構成を示す模式図であり、(a)にインクカートリッジ150の側面図が示されており、(b)にインクカートリッジ150の背面図が示されている。
【図12】図12は、本発明の第4実施形態に係るインクカートリッジ160の構成を示す模式図であり、(a)にインクカートリッジ160の側面図が示されており、(b)にインクカートリッジ160の背面図が示されている。
【図13】図13は、4色のインクカートリッジが横並びに配設された状態を示す模式図である。
【図14】図14は、インクカートリッジ160がケース165に挿入された状態を示す模式断面図であり、インクカートリッジ160のロックが解除された状態が示されている。
【図15】図15は、インクカートリッジ160がケース165に挿入された状態を示す模式断面図であり、ロックレバー106によってインクカートリッジ160がロックされた状態が示されている。
【符号の説明】
【0084】
10・・・複合機
12・・・プリンタ部
20・・・扉
30,140,150,160・・・インクカートリッジ
32・・・インクタンク(カートリッジ本体の一例)
33・・・フレーム(フレーム本体の一例)
34・・・コイルバネ(弾性部材の一例)
36・・・インク貯留室
39・・・検知窓
46・・・空洞
50・・・大気連通口
51・・・インク供給部(インク導出部の一例)
88,89・・・ガイド溝
90,142・・・上側フレーム(第1フレームの一例)
91,143・・・下側フレーム(第1フレームの一例)
92・・・連結フレーム(第2フレームの一例)
100・・・ベースユニット(カートリッジ収容装置の一例)
101,165・・・ケース(カートリッジ収容部の一例)
103・・・光センサ
144,145・・・ガイド溝
152・・・正面フレーム(第3フレームの一例)
162・・・把手
167・・・把手収容部
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを貯留するためのインクカートリッジ及びこれを収容するカートリッジ収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクジェット記録方式の画像記録装置が知られている。画像記録装置には、インクカートリッジが着脱可能に設けられている。インクカートリッジは、内部にインクを貯留するインク貯留室を有するカートリッジ本体を備える。カートリッジ本体を構成する壁面には、インク貯留室から外部へインクを導出するためのインク供給部が設けられている。
【0003】
インク供給部が壁面よりも突出して設けられているものとして、例えば、特許文献1に開示された液体容器が公知である。この特許文献1に記載の液体容器は、インク供給部に相当する結合部が容器の壁面よりも突設されており、更に結合部に弾性体が内包されている。この液体容器によれば、誤って液体容器を落下させたときに結合部が床面に衝突した場合に、落下の衝撃が弾性体によって吸収される。
【0004】
【特許文献1】特開2001−71522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前掲の特許文献1に開示された液体容器では、誤って液体容器を落下させたときに液体容器に衝撃が加えられるため、液体容器自体が破損するおそれがある。また、弾性体が結合部の内部に装着されているので、結合部が床面に衝突したときの衝撃は、結合部の外面に直接に加わえられる。そのため、結合部自体、即ち、インク供給部自体が破損するおそれを完全に排除することはできない。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、落下などによってインクカートリッジに衝撃が加えられた場合でも、インクカートリッジやインク供給部に直接に衝撃が加わらないように保護することが可能なインクカートリッジ及びこれを備えたカートリッジ収容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明のインクカートリッジは、インク貯留室を有するカートリッジ本体と、フレーム本体と、弾性部材とを具備する。フレーム本体は、上記カートリッジ本体の少なくとも2面を囲むものであり、カートリッジ本体をスライド可能に支持する第1フレーム、及びカートリッジ本体のスライド方向と交差する方向へ延出された第2フレームを有する。弾性部材は、その第1端部がカートリッジ本体に連結され、第2端部が第2フレームに連結されており、カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する。
【0008】
このようにインクカートリッジが構成されるため、誤ってインクカートリッジを落下させたときにフレーム本体に衝撃が加わった場合でも、その衝撃は弾性部材によって緩衝される。これにより、カートリッジ本体の破損が防止される。また、インクカートリッジの搬送時に発生した振動がインクカートリッジに伝達された場合でも、その振動はカートリッジ本体に伝達される前に弾性部材によって吸収される。そのため、振動によるインク貯留室内の気泡の発生量が軽減される。
【0009】
(2) 上記カートリッジ本体は、該カートリッジ本体のスライド方向と直交する第1壁面及び第2壁面を有する。上記インク貯留室のインクを外部へ導出するインク導出部が上記第1壁面に設けられ、上記弾性部材の第1端部が上記第2壁面に連結されている。
【0010】
このように、インク導出部が設けられたインクカートリッジに対して本発明は好適である。つまり、インクカートリッジを床面に落下させたとしても、カートリッジ本体のみならず、インク導出部の破損を好適に防止することができる。
【0011】
(3) 上記カートリッジ本体の底面を支持する上記第1フレームが、上記インク導出部より上記第1壁面の外側へ突出されている。
【0012】
これにより、仮に、インクカートリッジがインク導出部側から床面に落下した場合でも、インク導出部に衝撃が直接に加わらない。そのため、カートリッジ本体のみならずインク導出部を衝突時の衝撃から好適に保護することができる。また、カートリッジ収容部からインクカートリッジを挿抜した際に上記インク導出部から漏れ出たインクを第1フレームで受け止めることができるため、インクカートリッジの脱抜時にインクがこぼれ落ちてカートリッジ収容部の内部や床面を汚すことがない。
【0013】
(4) 本発明のインクカートリッジは、上記第1壁面から外側へ所定間隔を隔てて該第1壁面に対向して配設された第3フレームを更に備える。
【0014】
これにより、第1壁面側からインクカートリッジが落下した場合でも、第3フレームによって第1壁面が保護される。
【0015】
(5) 上記カートリッジ本体は、幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成されている。上記第1フレームは、上記カートリッジ本体において対向に配置された幅方向に細い壁面の双方もしくはいずれか一方を上記奥行き方向へスライド可能に支持するものである。
【0016】
このように、上記壁面のいずれかのみをスライド可能に支持する構成であれば、カートリッジ本体のスライド支持を簡素な機構で実現することができる。一方、対向配置された双方の壁面をスライド可能に支持する構成であれば、カートリッジ本体を確実に支持することができる。
【0017】
(6) 本発明のインクカートリッジは把手を更に備える。この把手は、上記第2フレームにおける上記第2端部の連結面の反対側の面に設けられている。
【0018】
これにより、カートリッジ収容部に対するインクカートリッジの挿抜、或いはインクカートリッジの持ち運びが容易となる。
【0019】
(7) 上記把手は、上記インク貯留室に貯留されるインク色に応じた位置に設けられている。
【0020】
これにより、インクカートリッジのインク色の識別が容易となる。
【0021】
(8) 本発明のインクカートリッジは、幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成され、内部にインク貯留室を有するカートリッジ本体と、上記カートリッジ収容部の奥部に配置される上記カートリッジ本体の第1壁面の下端近傍に設けられ、上記インク貯留室から外部へインクを導出するインク導出部と、側面視で略コの字形状に形成され、上記カートリッジ本体の上面及び底面それぞれで上記カートリッジ本体をスライド可能に支持する一対の第1フレームと、上記カートリッジ本体のスライド方向と直交する方向へ延出され、上記第1壁面に対向する第2壁面側の上記第1フレームの端部同士を連結する第2フレームとを有するフレーム本体と、第1端部が上記第2壁面に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを具備することにより具現化される。
【0022】
(9) 本発明は、上述のインクカートリッジと、開口を通じて挿抜可能に構成され、上記インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部と、上記カートリッジ収容部に挿入された上記インクカートリッジの上記フレーム本体を挿入方向へ押圧するとともに上記フレーム本体を定する固定部材とを具備するカートリッジ収容装置として捉えることができる。
【0023】
フレーム本体が固定部材によって押圧されると、フレーム本体とカートリッジ本体との間に介在された弾性部材が収縮される。弾性部材が収縮された状態で、固定部材によってフレーム本体がカートリッジ収容部内で固定される。これにより、インクカートリッジが弾性部材の弾性係数に応じた一定の力で挿入方向へ押圧された状態でカートリッジ収容部に安定して固定される。
【0024】
(10) 上記固定部材は、上記フレーム本体を固定するとともに、上記開口を閉塞するものである。
【0025】
これにより、開口を閉塞するカバー部材を別途設ける必要がなくなるため、構成を簡素化することができる。
【0026】
(11) 上記固定部材は、上記開口が閉塞されたときに上記インクカートリッジに設けられた把手を収容する把手収容部を有する。
【0027】
これにより、上記開口に対する固定部材の開閉時に把手が邪魔にならない。
【0028】
(12) 本発明のカートリッジ収容装置は、開口を通じて該インクカートリッジを挿抜可能に構成され該インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部とを具備し、上記インクカートリッジは、幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成され、内部にインク貯留室を有するカートリッジ本体と、上記カートリッジ収容部の奥部に配置される上記カートリッジ本体の第1壁面の下端近傍に設けられ、上記インク貯留室から外部へインクを導出するインク導出部と、側面視で略コの字形状に形成され、上記カートリッジ本体の上面及び底面それぞれで上記カートリッジ本体をスライド可能に支持する一対の第1フレームと、上記カートリッジ本体のスライド方向と直交する方向へ延出され、上記第1壁面に対向する第2壁面側の上記第1フレームの端部同士を連結する第2フレームとを有するフレーム本体と、第1端部が上記第2壁面に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを備え、上記カートリッジ収容部は、挿入された上記インクカートリッジの上記フレーム本体を挿入方向へ押圧するとともに上記フレーム本体を固定する固定部材と、上記固定部材による固定時に上記インク導出部と接続して上記インク貯留室と上記カートリッジ収容部の外部とを連通する接続部とを備えることにより具現化される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、誤ってインクカートリッジを落下させたときにフレーム本体に衝撃が加わった場合でも、その衝撃は弾性部材によって吸収される。これにより、カートリッジ本体やインク導出部の破損が防止される。また、インクカートリッジの運搬時にインクカートリッジに伝達された振動が弾性部材によって吸収されるため、インク貯留室内の気泡の発生が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される各実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0031】
《第1実施形態》
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るインクカートリッジ30が適用される複合機10の外観を示す斜視図である。
【0032】
複合機10は、下部に配設されたインクジェット記録方式のプリンタ部12と、その上部に配設されたスキャナ部13と、スキャナ部13に載置された原稿を搬送するADF15とを一体的に備えた多機能装置である。複合機10に接続されたコンピュータや外部記憶装置或いはスキャナ部13からプリンタ部12に印刷データが送信されると、該印刷データに基づいて記録用紙に画像が記録される。
【0033】
図1に示されるように、複合機10は、高さより横幅及び奥行きが大きい幅広薄型の直方体に概ね形成されている。プリンタ部12の筐体14に、開口17が形成されている。この開口17は、筐体14の前面の中央付近に形成されている。開口17の内部に記録用紙を収容するためのトレイが設けられる。なお、図1では、上記トレイが省略されている。
【0034】
筐体14の前面の幅方向右端部に開口18が形成されている。開口18の内部に、ベースユニット100(本発明のカートリッジ収容装置の一例)が設けられている。ベースユニット100は、図1に示されるように、プリンタ2の筐体14の前方側に配置される。このベースユニット100は、複数のケース101(本発明のカートリッジ収容部の一例)を備える。それぞれのケース101に各色のインクカートリッジ30が収容される。本実施形態では、ベースユニット100には、4つのケース101が設けられており、4つのインクカートリッジ30を収容することが可能である。
【0035】
各インクカートリッジ30には、プリンタ部12で使用可能なインクが貯留されている。具体的には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクがそれぞれに対応するインクカートリッジ30に貯留されている。これらインクカートリッジ30に貯留された各色のインクは、図示しないインクチューブを通じて記録ヘッドへ供給される。なお、ベースユニット100及びインクカートリッジ30の詳細については後述する。
【0036】
筐体14の前面には、扉20が設けられている。扉20は、開口18に対して回動することにより、開放姿勢と閉塞姿勢とに姿勢変化する。具体的には、扉20は、前方へ倒伏されることによって開口18を開放して該開口18からベースユニット100を露出させる開放姿勢と、開口18を閉塞する閉塞姿勢との間で回動自在に支持されている。扉20の開閉動作は、該扉20の下端が回動軸となって装置前面側に回動することにより達成される。
【0037】
次に、図2から図4を参照して、インクカートリッジ30の構成について説明する。ここに、図2は、インクカートリッジ30の構成を模式的に示す四面図であり、(a)に正面図、(b)に側面図、(c)に背面図、(d)に底面図が示されている。図3は、インクタンク32(本発明のカートリッジ本体の一例)の構成を示す模式図であり、(a)にインクタンク32の正面図が示されており、(b)に切断線IIIb−IIIbの断面図が示されている。図4は、フレーム33の構成を模式的に示す斜視図である。
【0038】
図2に示されるように、インクカートリッジ30は、大別して、インクタンク32と、フレーム33(本発明のフレーム本体の一例)と、コイルバネ34(本発明の弾性部材の一例)とを備える。本実施形態では、インクカートリッジ30は、インクタンク32がフレーム33によってスライド可能に支持されており、インクタンク32がコイルバネ33の伸縮範囲内でスライドするように構成されている。以下に、図3及び図4を参照して、インクタンク32及びフレーム33それぞれの構成について分説する。
【0039】
インクタンク32はインクが貯留される容器である。図3に示されるように、インクタンク32は、略直方体形状に形成されている。詳細には、インクタンク32は、幅方向に細く、高さ方向に長く、奥行き方向(矢印69の方向)が上記高さ方向よりも長い略直方体形状に形成されている。このインクタンク32の内部空間がインク貯留室36である。インクタンク32は、透明な樹脂(以下「透明樹脂」と称する。)で構成されている。したがって、インク貯留室36の内部が外部から光透過可能である。このインクタンク32は、主として、検知窓39と、センサーアーム60と、インク供給部51(本発明のインク導出部の一例)と、レール55,56とを備える。
【0040】
インクタンク32は、略直方体形状に形成された検知窓39を備える。検知窓39は、インク貯留室36に貯留されているインクの液量を視覚的或いは光学的に検知するためのものである。検知窓39は、インクタンク32を区画形成する壁面のうちケース100の奥部に配置される壁面、つまりインクタンク32の正面40(本発明の第1壁面に相当)に設けられている。検知窓39は、正面40の中段付近から外側(図3(b)の左向き)へ突出している。この検知窓39は、インクタンク32と一体に形成されている。したがって、検知窓39は、インクタンク32と同じ材質、すなわち、透明樹脂で構成されている。検知窓39は、後述するように、ケース101に取り付けられた光センサ103(図7参照)によって検出光が照射される的である。
【0041】
なお、本実施形態では、検知窓39を含むインクタンク32を透明樹脂で構成することとしたが、紫外光などによるインクの劣化を防止するべく、インクタンク32のうち検知窓39を除く部分を遮光性を有するケースで覆ってもよく、また、遮光性を有するフィルムで被覆してもよい。また、インクタンク32の他の例として、正面40から上面41、背面42(本発明の第2壁面に相当)、底面43に至る各面を形成する樹脂性の環状の枠体と、この枠体の両側面の開口を被覆するフィルムとにより構成されたインクタンクを用いてもかまわない。
【0042】
図3に示されるように、検知窓39の内部に空洞46が形成されている。空洞46は、インク貯留室36に連続している。空洞46に、センサーアーム60のインジケータ部62が進入或いは退出する。このインジケータ部62は、インク残量を指し示すためのものである。なお、図3では、インジケータ部62が空洞46に進入した姿勢が実線で示され、インジケータ部62が空洞46から退出した姿勢が破線で示されている。
【0043】
センサーアーム60は、インクタンク32の内部に設けられている。センサーアーム60は、インク貯留室36に貯留されたインクの液量を検出するための部材である。センサーアーム60は、合成樹脂で構成されている。このセンサーアーム60は、アーム本体63と、インジケータ部62と、フロート部64とを有する。
【0044】
アーム本体63には、連結軸66が設けられている。インクタンク32の両方の側面44の内壁に、連結軸66と係合する支持部(不図示)が設けられている。この支持部によって連結軸66が回動可能に支持される。これにより、インクタンク32の内部においてセンサーアーム60が矢印67,68の方向へ揺動可能に支持される。
【0045】
アーム本体63及びインジケータ部62は、厚みの薄い板状部材で構成されている。詳細には、アーム本体63及びインジケータ部62は、インクタンク32の側面44に直交する方向、即ち図3(b)において紙面に垂直な方向の寸法(幅寸法)が薄く形成されてなる。したがって、インクカートリッジ30をケース101に装着する際に、インクタンク32がその長手方向(矢印69の方向)に揺らされたときにインクが同方向へ波打ったとしても、センサーアーム60はその影響をほとんど受けない。つまり、インクが矢印69の方向へ波打った場合でも、センサーアーム60は矢印67,68の方向へ揺動しない。
【0046】
アーム本体63の背面42側の端部にフロート部64が設けられている。フロート部64は、内部が空洞化された中空形状に形成されている。本実施形態では、インク中において、連結軸66からフロート部64に至る部分が浮き上がるようにフロート部64が形成されている。言い換えれば、インク中において、フロート部64は浮力体の役割を担う。なお、フロート部64を中空形状とせず、連結軸66からフロート部64に至る部分或いはその一部分をインクの比重よりも小さい比重の素材で形成してもよい。
【0047】
アーム本体63の正面40側の端部にインジケータ部62が設けられている。センサーアーム60が図3(b)において反時計方向(矢印67の方向)へ回動されると、インジケータ部62が検知窓39の空洞46に進入する。空洞46に進入したインジケータ部62は、検知窓39の内側の底面を構成する壁47に当接して、それ以上の進入が阻止される。一方、センサーアーム60が図3(b)において時計方向(矢印68の方向)へ回動されると、インジケータ部62が壁47から離反して、その一部が空洞46から退出する(図3(b)の破線参照)。退出したインジケータ部62は、壁47から矢印68の方向へ隔てた所定の位置で静止する。
【0048】
本実施形態では、センサーアーム60は、連結軸66からインジケータ部62に至る部分が連結軸66からフロート部64に至る部分よりも重量が小さくなるように形成されている。したがって、空気中においては、フロート部64側の部分がインジケータ部62側の部分よりも重い。そのため、インク貯留室36にインクが入っていない状態では、センサーアーム60は、フロート部64の重力方向に引っ張られる。これにより、センサーアーム60は、連結軸66を中心にして時計方向(矢印68の方向)へ回動される。このとき、インジケータ部62が検知窓39の空洞46から退出する。つまり、インジケータ部62が空洞46から退出している場合は、インク貯留室36にインクが入っていないことを検知できる。なお、フロート部64の下端がインクタンク32の底面43の内壁に当接すると、センサーアーム60の回動が停止して、その姿勢が維持される。このとき、インジケータ部62は、その一部が検知窓39の空洞46から退出した所定の位置で静止する(図3(b)の破線参照)。なお、検知窓39が空洞46から完全に退出する必要はなく、後述の光センサ103(図7参照)の検出領域から退避する程度にインジケータ部62が空洞46から退出すればよい。
【0049】
一方、インク貯留室36に所定量のインクが貯留され、フロート部64がインクに浸かった状態では、フロート部64に浮力が発生する。この浮力によって、フロート部64側の部分とインジケータ部62側の部分との重量の均衡が逆転する。すなわち、インク中では、フロート部64の重力方向に働く力はインジケータ部62の重量方向に働く力よりも小さくなる。したがって、センサーアーム60は、インジケータ部62の重力方向へ引っ張られる。これにより、センサーアーム60は、連結軸66を中心にして反時計回り(矢印67の方向)へ回動される。このとき、インジケータ部62は検知窓39の空洞46に進入する。インジケータ部62の下端が壁47に当接すると、センサーアーム60の回動が停止して、その姿勢が維持される。つまり、インジケータ部62が空洞46に進入している場合は、インク貯留室36に所定量のインクが貯留されていることを検知できる。
【0050】
インク供給部51は、インクタンク32の正面40に設けられている。インク供給部51は、円筒形状に形成されたゴム部材からなるものである。正面40の下端付近に、正面40からインク貯留室36に貫通する孔52が形成されている。インク供給部51は、図3(b)に示されるように、その円筒軸方向の端部が孔52に嵌め入れられている。インク供給部51のうち、上記端部を除く部分は、正面40から外側へ突出している。このようにインク供給部51が設けられることにより、インク供給部51の内孔53と孔52とが連続し、インク貯留室36に貯留されたインクは孔52及び内孔53を通じてインクタンク32の外部に導出可能となる。なお、インクカートリッジ30がケース101に装着されると、後述する接続部111(図7参照)を介してインク供給部51とインクチューブ(不図示)とが連結され、上記インクチューブを通じてインクカートリッジ30から記録ヘッド(不図示)へインクが供給される。
【0051】
インクタンク32の正面40には、大気連通口50が形成されている。大気連通口50は、正面40において、検知窓39より上方の壁面に形成されている。この大気連通口50は、インク貯留室36の空気層と大気とを連通するための貫通孔である。大気連通口50によって、インク貯留室36内の気圧が大気圧に保たれる。
【0052】
インクタンク32の背面42には、コイルバネ34の軸方向の端部を支持するバネ座48が設けられている。バネ座48は、コイルバネ34の端部と連結して、当該コイルバネ34を背面42に固定する。バネ座48は、背面42の中段付近に設けられている。このバネ座48は、インクタンク52と一体に形成されている。
【0053】
インクタンク32の正面40に直交する上面41に、レール55が設けられている。また、正面40に直交し、上面41に対向して配置された底面43に、レール56が設けられている。レール55は、上面41から外側(図3の上方)へ突出されており、レール56は、底面43から外側(図3の下方)へ突出されている。これらのレール55,56は、インクタンク32と一体に形成されている。レール55,56は、インクタンク32の長手方向(矢印69の方向)に沿って設けられており、正面40付近から背面42付近まで連続して延設されている。インクタンク32がフレーム33に組み付けられる際に、レール55,56がフレーム33のガイド溝88,89(図4参照)に挿入される。なお、レール55,56とガイド溝88,89とによって、インクタンク32のスライド支持機構が実現される。
【0054】
フレーム33は、インクタンク32を所定方向にスライド可能に支持するものである。図4に示されるように、フレーム33は、側面視で略コの字形状を呈する。フレーム33によって三方が囲まれた空間87にインクタンク32が配設される。フレーム33は、上側フレーム90と、下側フレーム91と、連結フレーム92とにより構成されている。連結フレーム92は、上側フレーム90及び下側フレーム91それぞれの端部を連結する。連結フレーム92は、フレーム90,91それぞれに対して直交している。言い換えれば、連結フレーム92は、フレーム90,91の長手方向(矢印95の方向)と直交する方向に延設されている。なお、上側フレーム90及び下側フレーム91が本発明の第1フレームに相当し、連結フレーム92が本発明の第2フレームに相当する。本実施形態では、側面視で略コの字形状のフレーム33でインクタンク32を支持することとしたが、例えば、上側フレーム90及び連結フレーム92、或いは下側フレーム91及び連結フレーム92によって形成される側面視で略L字形状のフレームを用いて、インクタンク32を上面41或いは底面43のみでスライド可能に支持する構成であってもかまわない。
【0055】
フレーム33にインクタンク32が支持された状態で、上側フレーム90及び下側フレーム91は、インク供給部51及び検知窓39よりも正面40から外側(図2(b)の左側)へ延出している。言い換えれば、各フレーム90,91の正面40側の端部96は、インク供給部51及び検知窓39よりも正面40から外側へ突出している。インク供給部51及び検知窓39に対する端部96の突出量は、コイルバネ34の伸縮範囲内でインクタンク32がスライドしたときにインク供給部51及び検知窓39が端部96よりも外側へ突出しない程度に設定される。このような形状及び寸法に上側フレーム90及び下側フレーム91が形成されたことによる作用効果については後述する。
【0056】
上側フレーム90の内面にガイド溝88が形成されており、下側フレーム91の内面にガイド溝89が形成されている。ガイド溝88,89は、フレーム90,91の長手方向(矢印95の方向)に沿って設けられており、各フレーム90,91の端部96から連結フレーム92の連結部付近まで延設されている。ガイド溝88,89は、端部96で開放されている。ガイド溝88,89は、端部96に向けて末広がり状に形成された挿入部97を有する。挿入部96は、端部96付近に設けられている。これにより、インクタンク32をフレーム33に装着する際に、レール55,56とガイド溝88,89との位置合わせが容易になり、更に、レール55,56をガイド溝88,89に円滑に案内することが可能となる。
【0057】
連結フレーム92の内面には、上述のバネ座48と同様のバネ座94が設けられている。つまり、バネ座94は、コイルバネ34の軸方向の端部を支持するためのものである。このバネ座94は、コイルバネ34の端部と連結して、当該コイルバネ34を連結フレーム92に固定する。バネ座94は、連結フレーム92の内面の中段付近に設けられている。このバネ座94は、連結フレーム92と一体に形成されている。
【0058】
本実施形態に係るインクカートリッジ30は、フレーム33にコイルバネ34及びインクタンク32が組み付けられてなる。インクカートリッジ33は、以下の要領で組み立てられる。まず、連結フレーム92のバネ座94にコイルバネ34を固定する。次に、インクタンク32とフレーム33の長手方向を一致させたうえで、インクタンク32を背面42側から空間87に挿入する。このとき、レール55,56が挿入部97を経てガイド溝88,89に進入する。これにより、インクタンク32は、フレーム33の長手方向(図4の矢印95の方向)へスライド可能に支持される。インクタンク32がフレーム33の奥側(連結フレーム92側)まで挿入されると、続いて、背面42のバネ座48にコイルバネ34を固定する。このとき、図2に示されるように、コイルバネ34は、その軸がフレーム90,91の長手方向に一致するように配置される。つまり、コイルバネ34は、インクタンク32のスライド方向に伸縮するように配置される。
【0059】
このようにインクカートリッジ30が構成されているため、例えば、図5(a)に示されるように、インクカートリッジ30が連結フレーム92側から床面23に落下した場合でも、フレーム33に加えられた衝撃はコイルバネ34によって緩衝される。これにより、インクタンク32を衝撃から保護することができる。その結果、インクタンク32の破損及び破損によるインクの漏出が防止される。なお、図5(b)に示されるように、連結フレーム92と上側フレーム90との角部側からインクカートリッジ30が床面23に落下した場合も、フレーム33の長手方向に分散された衝撃がコイルバネ34によって緩衝されるため、インクタンク32の破損及び破損によるインクの漏出を防止することができる。また、インクカートリッジ30を搬送する際に生じた振動がインクカートリッジ30に伝達されたとしても、その振動がコイルバネ34によって吸収されるため、インクタンク32に振動が伝達されない。したがって、振動によってインク貯留室36内に生じる気泡の発生量が軽減される。
【0060】
また、図6(a)及び(b)に示されるように、インクカートリッジ30がフレーム90,91の端部96側から床面23に落下した場合も、フレーム33に加えられた衝撃はコイルバネ34によって緩衝されるため、インクタンク32の破損によるインクの漏出が防止される。また、フレーム33にインクタンク32が支持された状態で、上側フレーム90及び下側フレーム91の端部96がインク供給部51及び検知窓39よりも正面40から外側に突出しているため、インク供給部51や検知窓39が床面23に直接に衝突しない。そのため、インク供給部51や検知窓39に直接に衝撃が加わらない。これにより、インクタンク32のみならずインク供給部51や検知窓39の破損を好適に防止することができる。
【0061】
次に、ベースユニット100の構成について説明する。ベースユニット100は、図1に示されるように、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのケース101が幅方向に並列されて構成されている。以下、図7を参照して、ケース101について詳細に説明する。ここに、図7は、ケース101の構成を示す縦断面図である。
【0062】
図7に示されるように、ケース101は、ケース本体105とロックレバー106(本発明の固定部材の一例)とを備える。ケース本体105には、収容室108が形成されている。この収容室108に、インクカートリッジ30が収容される。ケース本体105の前面に開口110が設けられている。ケース101は、開口110を通じてケース本体105にインクカートリッジ30を着脱することが可能に構成されている。
【0063】
収容室108の奥側に、光センサ103が設けられている。光センサ103は、ケース本体105の背面を構成する壁114に設けられている。光センサ103は、ケース101に装着されたインクカートリッジ30のインク量を検出するためのものである。本実施形態では、光センサ103として、透過型のフォトインタラプタが用いられている。光センサ103の検出領域に検知窓39が挿入された状態で発光素子から出射された検出光が受光素子によって受光され、その受光量に基づいてインクの残量が検出される。
【0064】
壁114の下部には、収容室108にインクカートリッジ30が装着された際に、インク供給部51に接続する接続部111が設けられている。接続部111は、壁114の内面から開口110側へ突出している。接続部111には、収容室108の内面から壁114の外面に貫通する貫通孔124が形成されている。貫通孔124に不図示のインクチューブが接続されている。貫通孔124は、インク供給部51の孔52に対応する位置に設けられている。貫通孔124の収容室108側には、インク針(不図示)が設けられている。そのため、収容室108にインクカートリッジ30が収容されると、上記インク針がインク供給部51の孔52に挿入されて、インク供給部51と接続部111とが連結される。
【0065】
接続部111の下部には、ケース本体105の底面を構成する壁面117との間に間隙113が形成されている。この間隙113は、収容室108にインクカートリッジ30が装着された際に、下部フレーム91の端部96側を収容するためのスペースである。
【0066】
ロックレバー106は、開口110を開閉するとともに、収容室108においてインクカートリッジ30を確実に固定するためのものである。このロックレバー106は、開口110の上縁に設けられた軸112を中心に回転可能に支持されている。ロックレバー106には、押圧部125と爪126とが設けられている。押圧部125は、ロックレバー106の内面129の略中央付近に設けられており、内面129から若干突出した形状に形成されている。爪126は、ロックレバー106の先端に設けられている。開口110の下縁には、ロックレバー106に設けられた爪126と係合する切り欠き127が設けられている。これらの各部が設けられたことによる作用効果については後述する。
【0067】
以下、図8及び図9を参照して、インクカートリッジ30をケース101に装着する動作について説明する。ここに、図8及び図9は、インクカートリッジ30がケース101に挿入された状態を示す模式断面図である。図8には、インクカートリッジ30のロックが解除された状態が示されている。図9には、ロックレバー106によってインクカートリッジ30がロックされた状態が示されている。
【0068】
図8に示されるように、まず、接続部111にインク供給部51が当接するまでインクカートリッジ30をケース本体105に挿入する。このとき、下部フレーム91の端部96が、間隙113に進入する。また、検知窓39が光センサ103の検出領域に進入する。
【0069】
次に、開口110を閉じる方向にロックレバー106を回動させる。インクカートリッジ30が収容室108の奥側まで挿入された状態(図8参照)でロックレバー106が開口110を閉じる方向へ回動されると、押圧部125が連結フレーム92に当接する。この状態で、ロックレバー106の外面130がインクカートリッジ30の挿入方向(矢印70の方向)へ押しつけられると、コイルバネ34が収縮されて、フレーム33だけが上記挿入方向へ押し込まれる。その後、ロックレバー106の爪126が切り欠き127に挿入されて、爪126と切り欠き127とが係合する。これにより、開口110に対してロックレバー106がロックされ、ケース101内のインクカートリッジ30がロックレバー106によって固定される。また、開口110がロックレバー106によって閉塞される。このとき、コイルバネ34の付勢力によって、インク供給部51は接続部111に押し付けられた状態が保持される。
【0070】
このように、インクカートリッジ30がケース101に装着されるため、インクカートリッジ30がケース101において緩みなく確実に固定される。また、ベースユニット100が備えるいずれのケース101においても、コイルバネ34の弾性係数に応じた一定の力でインクカートリッジ30を挿入方向(矢印70の方向)へ押圧することができる。また、コイルバネ34によってインク供給部51が接続部111に押し付けられるため、インク供給部51と接続部111との接続が確実となり、インク供給部51におけるインク漏れが防止される。また、ロックレバー106だけでインクカートリッジ30の固定と開口110の開閉が可能であるため、ロック部材と開閉カバーとを設けることに較べて構成が簡素化される。
【0071】
《第2実施形態》
以下、図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図10は、本発明の第2実施形態に係るインクカートリッジ140の構成を示す斜視図である。本実施形態において、上述の第1実施形態と共通する構成要素については、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0072】
本実施形態が上述の第1実施形態と相違するところは、図10に示されるように、上側フレーム90及び下側フレーム91に代えて、断面が台形の上側フレーム142と断面が逆台形の下側フレーム143とによってフレーム33が構成されている点にある。また、上側フレーム142とスライド可能に係合する断面が台形のガイド溝144がインクタンク32の上面41に形成されている点、及び、下側フレーム143とスライド可能に係合する断面が逆台形のガイド溝145がインクタンク32の底面43に形成されている点も相違する。本実施形態では、インクタンク32がフレーム33で包囲された空間87に挿入されると、ガイド溝144,145に上側フレーム142及び下側フレーム143が進入する。これにより、インクタンク32は、フレーム33の上側フレーム142及び下側フレーム143によってスライド可能に支持される。また、上述の如く、上側フレーム142及びガイド溝144の断面が台形に形成され、下側フレーム143及びガイド溝145の断面が逆台形に形成されているため、インクタンク32がスライド方向に引き抜かれない限り、フレーム33に確実に取り付けられる。
【0073】
《第3実施形態》
以下、図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。ここに、図11は、本発明の第3実施形態に係るインクカートリッジ150の構成を示す模式図であり、(a)にインクカートリッジ150の側面図が示されており、(b)にインクカートリッジ150の背面図が示されている。本実施形態において、上述の第1実施形態と共通する構成要素については、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0074】
本実施形態は、フレーム33に正面フレーム152(本発明の第3フレームの一例)が設けられている点において、上述の第1実施形態とは異なる。正面フレーム152は、図11に示されるように、正面40から外側へ所定間隔を隔てて正面40に対して平行に設けられている。具体的には、正面フレーム152は、上側フレーム90の端部96から下方に屈曲されてなる。正面フレーム152の先端は、検知窓39の上端付近まで延出されている。正面フレーム152は、フレーム33と一体に形成されていてもよく、また、上側フレーム90に取り外し可能な別部材として構成されていてもよい。
【0075】
このような正面フレーム152が設けられているため、仮に、正面40側からインクカートリッジ150が落下したとしても、正面フレーム152によって正面40が保護される。例えば、床面に衝突した衝撃によってインクタンク32に過大な力が作用して弾性部材が過度に伸長した場合でも、インクタンク32の正面40側へのスライドが正面フレーム152によって規制される。
【0076】
《第4実施形態》
以下、図12から図15を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。ここに、図12は、本発明の第4実施形態に係るインクカートリッジ160の構成を示す模式図であり、(a)にインクカートリッジ160の側面図が示されており、(b)にインクカートリッジ160の背面図が示されている。図13は、4色のインクカートリッジが横並びに配設された状態を示す模式図である。図14及び図15は、インクカートリッジ160がケース165に挿入された状態を示す模式断面図である。図14には、インクカートリッジ160のロックが解除された状態が示されている。図15には、ロックレバー106によってインクカートリッジ160がロックされた状態が示されている。本実施形態において、上述の第1実施形態と共通する構成要素については、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0077】
本実施形態に係るインクカートリッジ160が、フレーム33に把手162が設けられている点で上述の第1実施形態と相違する。
【0078】
図12に示されるように、把手162は、連結フレーム92の外面に設けられている。把手162は、各色のインクのインクカートリッジごとに設けられている。この把手162は、インクカートリッジ160をケース165に挿抜する際に、ユーザによって摘まれる。把手162が設けられているため、ユーザは、インクカートリッジ160の挿抜や、インクカートリッジ160の持ち運びが容易となる。
【0079】
図13に示されるように、把手162は、インクカートリッジ160に貯留されているインクの色ごとに異なる位置に設けられている。例えば、ブラックのインクカートリッジ160Kの把手162Kは、インクカートリッジ160Kが有する連結フレーム92の上端付近に配置されている。シアンのインクカートリッジ160Cの把手162Cは、インクカートリッジ160Cが有する連結フレーム92において、把手162Kの下側となる位置に配置されている。そして、イエローのインクカートリッジ160Yの把手162Yは把手162Cの下側となる位置に配置され、マゼンタのインクカートリッジ160Mの把手162Mは、把手162Yの下側となる位置に配置されている。これにより、各インクカートリッジ160が横並びに配設された状態において、各把手162は上下方向にずらされて配置される(図13(b)参照)。仮に、各把手が連結フレーム92において同じ位置に配置されていれば、各把手は横一列に配置される。この場合、ユーザは把手を摘みにくくなるが、本実施形態に係るインクカートリッジ160によれば、そのような不具合が解消される。
【0080】
また、本実施形態のケース165が、ロックレバー106に把手収容部167が設けられており、押圧部125が設けられていない点で上述の第1実施形態と相違する。把手収容部167は、ロックレバー106の内面129に設けられている。この把手収容部167に、把手162が収容される。把手収容部167は、図14に示されるように、内面129に形成された凹陥部からなる。言うまでもなく、把手収容部167は、把手162の外形状に対応する形状に形成されている。把手収容部167は、把手162に対応する位置に設けられている。例えば、インク色ごとに把手162の位置が異なる場合は、各色に対応する位置に把手収容部167が設けられている。
【0081】
インクカートリッジ160が収容室108の奥側まで挿入された状態(図13参照)でロックレバー106が開口110を閉じる方向へ回動されると、把手162が把手収容部167に収容される。このとき、把手162の頂部163が把手収容部167の奥部168に当接する。この状態で、ロックレバー106の外面130がインクカートリッジ160の挿入方向(矢印70の方向)へ押しつけられると、コイルバネ34が収縮されて、フレーム33だけが上記挿入方向へ押し込まれる。その後、ロックレバー106が開口110の下端でロックされ、ケース165内のインクカートリッジ160がロックレバー106によって固定される。
【0082】
なお、把手収容部167は、把手162に対応する位置に設けられているため、例えば、ブラックのインクカートリッジ160Kをシアン用のケース165に挿入した場合は、把手162Kが把手収容部167に収まらない。したがって、本実施形態のインクカートリッジ160及びケース165によれば、ユーザは、ケース165に対するインクカートリッジ160の装着間違いに直ぐさま気づくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、複合機10の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施形態に係るインクカートリッジ30の構成を模式的に示す四面図であり、(a)に正面図、(b)に側面図、(c)に背面図、(d)に底面図が示されている。
【図3】図3は、インクタンク32(本発明のカートリッジ本体の一例)の構成を示す模式図であり、(a)にインクタンク32の正面図が示されており、(b)に切断線IIIb−IIIbの断面図が示されている。
【図4】図4は、フレーム33の構成を模式的に示す斜視図である。
【図5】図5は、インクカートリッジ30が連結フレーム92側から床面23に落下した状態を示す模式図である。
【図6】図6は、インクカートリッジ30が正面40側から床面23に落下した状態を示す模式図である。
【図7】図7は、ケース101の構成を示す縦断面図である。
【図8】図8は、インクカートリッジ30がケース101に挿入された状態を示す模式断面図であり、インクカートリッジ30のロックが解除された状態が示されている。
【図9】図9は、インクカートリッジ30がケース101に挿入された状態を示す模式断面図であり、ロックレバー106によってインクカートリッジ30がロックされた状態が示されている。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係るインクカートリッジ140の構成を示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態に係るインクカートリッジ150の構成を示す模式図であり、(a)にインクカートリッジ150の側面図が示されており、(b)にインクカートリッジ150の背面図が示されている。
【図12】図12は、本発明の第4実施形態に係るインクカートリッジ160の構成を示す模式図であり、(a)にインクカートリッジ160の側面図が示されており、(b)にインクカートリッジ160の背面図が示されている。
【図13】図13は、4色のインクカートリッジが横並びに配設された状態を示す模式図である。
【図14】図14は、インクカートリッジ160がケース165に挿入された状態を示す模式断面図であり、インクカートリッジ160のロックが解除された状態が示されている。
【図15】図15は、インクカートリッジ160がケース165に挿入された状態を示す模式断面図であり、ロックレバー106によってインクカートリッジ160がロックされた状態が示されている。
【符号の説明】
【0084】
10・・・複合機
12・・・プリンタ部
20・・・扉
30,140,150,160・・・インクカートリッジ
32・・・インクタンク(カートリッジ本体の一例)
33・・・フレーム(フレーム本体の一例)
34・・・コイルバネ(弾性部材の一例)
36・・・インク貯留室
39・・・検知窓
46・・・空洞
50・・・大気連通口
51・・・インク供給部(インク導出部の一例)
88,89・・・ガイド溝
90,142・・・上側フレーム(第1フレームの一例)
91,143・・・下側フレーム(第1フレームの一例)
92・・・連結フレーム(第2フレームの一例)
100・・・ベースユニット(カートリッジ収容装置の一例)
101,165・・・ケース(カートリッジ収容部の一例)
103・・・光センサ
144,145・・・ガイド溝
152・・・正面フレーム(第3フレームの一例)
162・・・把手
167・・・把手収容部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク貯留室を有するカートリッジ本体と、
上記カートリッジ本体の少なくとも2面を囲み、該カートリッジ本体をスライド可能に支持する第1フレーム及び該カートリッジ本体のスライド方向と交差する方向へ延出された第2フレームを有するフレーム本体と、
第1端部が上記カートリッジ本体に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを具備するインクカートリッジ。
【請求項2】
上記カートリッジ本体は、該カートリッジ本体のスライド方向と直交する第1壁面及び第2壁面を有し、
上記インク貯留室のインクを外部へ導出するインク導出部が上記第1壁面に設けられ、上記弾性部材の第1端部が上記第2壁面に連結されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
【請求項3】
上記カートリッジ本体の底面を支持する上記第1フレームが、上記インク導出部より上記第1壁面の外側へ突出されている請求項2に記載のインクカートリッジ。
【請求項4】
上記第1壁面から外側へ所定間隔を隔てて該第1壁面に対向して配設された第3フレームを更に備える請求項2または3に記載のインクカートリッジ。
【請求項5】
上記カートリッジ本体は、幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成されてなり、
上記第1フレームは、上記カートリッジ本体において対向に配置された幅方向に細い壁面の双方もしくはいずれか一方を上記奥行き方向へスライド可能に支持するものである請求項1から4のいずれかに記載のインクカートリッジ。
【請求項6】
上記第2フレームにおける上記第2端部の連結面の反対側の面に把手が設けられている請求項1から5のいずれかに記載のインクカートリッジ。
【請求項7】
上記把手は、上記インク貯留室に貯留されるインク色に応じた位置に設けられている請求項6に記載のインクカートリッジ。
【請求項8】
カートリッジ収容部に対して挿抜可能なインクカートリッジであって、
幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成され、内部にインク貯留室を有するカートリッジ本体と、
上記カートリッジ収容部の奥部に配置される上記カートリッジ本体の第1壁面の下端近傍に設けられ、上記インク貯留室から外部へインクを導出するインク導出部と、
側面視で略コの字形状に形成され、上記カートリッジ本体の上面及び底面それぞれで上記カートリッジ本体をスライド可能に支持する一対の第1フレームと、上記カートリッジ本体のスライド方向と直交する方向へ延出され、上記第1壁面に対向する第2壁面側の上記第1フレームの端部同士を連結する第2フレームとを有するフレーム本体と、
第1端部が上記第2壁面に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを具備するインクカートリッジ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のインクカートリッジと、
開口を通じて挿抜可能に構成され、上記インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
上記カートリッジ収容部に挿入された上記インクカートリッジの上記フレーム本体を挿入方向へ押圧するとともに上記フレーム本体を固定する固定部材とを具備するカートリッジ収容装置。
【請求項10】
上記固定部材は、上記フレーム本体を固定するとともに、上記開口を閉塞するものである請求項9に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項11】
上記固定部材は、上記開口が閉塞されたときに上記インクカートリッジに設けられた把手を収容する把手収容部を有する請求項10に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項12】
インクカートリッジと、開口を通じて該インクカートリッジを挿抜可能に構成され該インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部とを具備し、
上記インクカートリッジは、
幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成され、内部にインク貯留室を有するカートリッジ本体と、
上記カートリッジ収容部の奥部に配置される上記カートリッジ本体の第1壁面の下端近傍に設けられ、上記インク貯留室から外部へインクを導出するインク導出部と、
側面視で略コの字形状に形成され、上記カートリッジ本体の上面及び底面それぞれで上記カートリッジ本体をスライド可能に支持する一対の第1フレームと、上記カートリッジ本体のスライド方向と直交する方向へ延出され、上記第1壁面に対向する第2壁面側の上記第1フレームの端部同士を連結する第2フレームとを有するフレーム本体と、
第1端部が上記第2壁面に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを備え、
上記カートリッジ収容部は、
挿入された上記インクカートリッジの上記フレーム本体を挿入方向へ押圧するとともに上記フレーム本体を固定する固定部材と、
上記固定部材による固定時に上記インク導出部と接続して上記インク貯留室と上記カートリッジ収容部の外部とを連通する接続部とを備えるカートリッジ収容装置。
【請求項1】
インク貯留室を有するカートリッジ本体と、
上記カートリッジ本体の少なくとも2面を囲み、該カートリッジ本体をスライド可能に支持する第1フレーム及び該カートリッジ本体のスライド方向と交差する方向へ延出された第2フレームを有するフレーム本体と、
第1端部が上記カートリッジ本体に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを具備するインクカートリッジ。
【請求項2】
上記カートリッジ本体は、該カートリッジ本体のスライド方向と直交する第1壁面及び第2壁面を有し、
上記インク貯留室のインクを外部へ導出するインク導出部が上記第1壁面に設けられ、上記弾性部材の第1端部が上記第2壁面に連結されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
【請求項3】
上記カートリッジ本体の底面を支持する上記第1フレームが、上記インク導出部より上記第1壁面の外側へ突出されている請求項2に記載のインクカートリッジ。
【請求項4】
上記第1壁面から外側へ所定間隔を隔てて該第1壁面に対向して配設された第3フレームを更に備える請求項2または3に記載のインクカートリッジ。
【請求項5】
上記カートリッジ本体は、幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成されてなり、
上記第1フレームは、上記カートリッジ本体において対向に配置された幅方向に細い壁面の双方もしくはいずれか一方を上記奥行き方向へスライド可能に支持するものである請求項1から4のいずれかに記載のインクカートリッジ。
【請求項6】
上記第2フレームにおける上記第2端部の連結面の反対側の面に把手が設けられている請求項1から5のいずれかに記載のインクカートリッジ。
【請求項7】
上記把手は、上記インク貯留室に貯留されるインク色に応じた位置に設けられている請求項6に記載のインクカートリッジ。
【請求項8】
カートリッジ収容部に対して挿抜可能なインクカートリッジであって、
幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成され、内部にインク貯留室を有するカートリッジ本体と、
上記カートリッジ収容部の奥部に配置される上記カートリッジ本体の第1壁面の下端近傍に設けられ、上記インク貯留室から外部へインクを導出するインク導出部と、
側面視で略コの字形状に形成され、上記カートリッジ本体の上面及び底面それぞれで上記カートリッジ本体をスライド可能に支持する一対の第1フレームと、上記カートリッジ本体のスライド方向と直交する方向へ延出され、上記第1壁面に対向する第2壁面側の上記第1フレームの端部同士を連結する第2フレームとを有するフレーム本体と、
第1端部が上記第2壁面に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを具備するインクカートリッジ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のインクカートリッジと、
開口を通じて挿抜可能に構成され、上記インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
上記カートリッジ収容部に挿入された上記インクカートリッジの上記フレーム本体を挿入方向へ押圧するとともに上記フレーム本体を固定する固定部材とを具備するカートリッジ収容装置。
【請求項10】
上記固定部材は、上記フレーム本体を固定するとともに、上記開口を閉塞するものである請求項9に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項11】
上記固定部材は、上記開口が閉塞されたときに上記インクカートリッジに設けられた把手を収容する把手収容部を有する請求項10に記載のカートリッジ収容装置。
【請求項12】
インクカートリッジと、開口を通じて該インクカートリッジを挿抜可能に構成され該インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部とを具備し、
上記インクカートリッジは、
幅方向に細く奥行き方向に長い直方体形状に形成され、内部にインク貯留室を有するカートリッジ本体と、
上記カートリッジ収容部の奥部に配置される上記カートリッジ本体の第1壁面の下端近傍に設けられ、上記インク貯留室から外部へインクを導出するインク導出部と、
側面視で略コの字形状に形成され、上記カートリッジ本体の上面及び底面それぞれで上記カートリッジ本体をスライド可能に支持する一対の第1フレームと、上記カートリッジ本体のスライド方向と直交する方向へ延出され、上記第1壁面に対向する第2壁面側の上記第1フレームの端部同士を連結する第2フレームとを有するフレーム本体と、
第1端部が上記第2壁面に連結され、第2端部が上記第2フレームに連結され、上記カートリッジ本体のスライド方向に弾性変形する弾性部材とを備え、
上記カートリッジ収容部は、
挿入された上記インクカートリッジの上記フレーム本体を挿入方向へ押圧するとともに上記フレーム本体を固定する固定部材と、
上記固定部材による固定時に上記インク導出部と接続して上記インク貯留室と上記カートリッジ収容部の外部とを連通する接続部とを備えるカートリッジ収容装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−183783(P2008−183783A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18806(P2007−18806)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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