説明

インクジェットカートリッジ

【課題】複数のインク貯留部とノズル列とを備えつつ、それらを連通させるインク流路の長さにバラツキがないインクジェットカートリッジを提供する。
【解決手段】複数のインク貯留部13A〜13Dを備えたタンク部11と、タンク部11から供給されたインクが吐出される複数の吐出口からなるノズル列17A〜17Dを備えたヘッド部12とを有し、各インク貯留部13A〜13Dに設けられたインク供給口14A〜14Dがインク流路15A〜15Dを介して所定のノズル列17A〜17Dに連通されており、複数のインク貯留部13A〜13Dがタンク部11の内部空間をインク吐出方向に対して垂直な平面内で等分することによって形成され、かつ、複数のインク流路15A〜15Dの長さが同一である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット方式の記録装置に用いられるインクジェットカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式では、記録ヘッドに設けられた吐出口(ノズルと称されることもある)から被記録媒体に向けてインク滴を吐出することによって記録を実現する。記録ヘッドから吐出されるインクは、一般的には、記録ヘッドと一体または別体のインクタンク内に貯蔵される。インクタンク内に貯蔵されているインクは、該インクタンクに設けられているインク供給口を介して記録ヘッドに供給される。インクタンクが記録ヘッドと一体であるか別体であるかを問わず、インクタンク内には複数のインク貯留部(「インク・チャンバー」又は単に「チャンバー」と称されることもある)を設けることができ、カラー印刷を行なう場合には、少なくとも2つのインク貯留部が設けられていることが望ましい。但し、インク貯留部の数が増加すればする程、インクタンクや記録ヘッドのサイズを大きくする必要があるが、これらのサイズはそれが搭載される記録装置内のスペース上の制約を受ける。一方、インクタンクや記録ヘッドのサイズを大きくすることなくインク貯留部の数を増やすためには、各インク貯留部の体積を減少させなければならない。しかし、インク貯留部の体積を減少させることは、より頻繁なタンク交換を招くこととなる。
【0003】
そこで、外国特許文献1等には、多チャンバー型インクジェット印刷ヘッドを使用することが示されており、そこでは、個々のインク・チャンバーが平行に整列されている。
【0004】
また、外国特許文献2や外国特許文献3には、第1のチャンバーと該第1のチャンバーの側壁に沿って並列配置された複数のチャンバーとを備えた構成が示されている。これらの例では第1のチャンバーを対応するノズルの近傍に配置することにより、該チャンバーに対して並列配置された他の複数のチャンバーから供給されるインクの流路を比較的短く、かつ、簡単な構造とする構成が示されている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,771,295号明細書
【特許文献2】米国特許第5,926,195号明細書
【特許文献3】米国特許第6,260,961号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外国特許文献1等に示されている構成には次のような問題があった。即ち、インクタンクが3つ或いはそれ以上のインク・チャンバーを有しおり、それらインク・チャンバーが線形的に配置されている場合には、遠方のチャンバーからノズルまでのインク流路が相対的に長くなる。インク流路が長くなると、ゴミや気泡が存在し易くなり吐出不良や不吐出の発生率が高まる。また、長さが異なる複数のインク流路が混在すると、流路設計が複雑になるという問題も生じる。また、そうしたインク流路の全長がインクで満たされなければならないので、インクの無駄が多くなる。さらに、各インク流路の長さと形状が異なるので、インク流路内の流抵抗が不均一になるという問題もある。加えて、複数のインク・チャンバーの全てを並列配置させる構成は、記録ヘッドが非常に幅広で扱いにくいものとなるという結果を招く。
【0007】
外国特許文献2、3に示されている構成には次のような問題があった。即ち、第1のチャンバーと比べて、並列配置された複数の他のチャンバーからノズルまでのインク流路はやはり長いものになってしまい、やはりインク流路の長さを均一にすることはできない。また、配置と流路設計が複雑になるという問題も外国特許文献1等に示されている構成と同様である。さらには、チャンバーが4つ以上になった場合には、ノズルから最も遠方にあるチャンバーとノズルとの間のインク流路が、第1のチャンバーとノズルとの間のインク流路に比べて非常に長いものになってしまい、ほとんど効果が無い。
【0008】
本発明の目的は、複数のインク貯留部を有するインクタンクに関する上記課題を解決し、カートリッジのサイズをなるべく小さくすることとインク貯溜部の容積の最大化を実現するインクジェットカートリッジを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のインクジェットカートリッジの一つは、複数のインク貯留部を備えたタンク部と、そのタンク部から供給されたインクが吐出される複数の吐出口からなるノズル列を複数列備えたヘッド部とを有し、各インク貯留部に設けられたインク供給口と所定のノズル列とがインク流路を介して連通されているインクジェットカートリッジであって、複数のインク貯留部の容積が同一であって、かつ、複数のインク流路の長さが同一であることを特徴とする。
【0010】
本発明のインクジェットカートリッジの他の一つは、上記複数のインク流路の長さが同一であって、かつ、タンク部のインク吐出方向と垂直な断面内における中心に対して、ヘッド部のインク吐出方向と垂直な断面内における中心が偏倚して設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のインクジェットカートリッジでは、複数のインク貯留部がタンク部の内部空間をインク吐出方向に対して垂直な平面内で等分することによって形成されている。従って、一組のインク貯留部とノズル列との間の距離は短いが、他の一組のインク貯留部とノズル列との間の距離が長いというようなバラツキのないインクジェットカートリッジが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施形態1)
以下、本発明のインクジェットカートリッジの実施形態の一例について、図1(a)〜(c)を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は、本例のインクジェットカートリッジ10Aの縦断面図である。図1(b)は、同図(a)のA−A′線に沿った横断面図、(c)はB−B′線に沿った横断面図である。
【0013】
図1(a)〜(c)に示すように、本例のインクジェットカートリッジ10Aは、一体に設けられたタンク部11とヘッド部12とから構成されている。タンク部11は、4つのインク貯留部13A〜13Dを備えている。具体的には、タンク部11の内部空間をその中心からインクの吐出方向に対して垂直な平面内で4等分することによって、4つのインク貯留部13A〜13Dが形成されている。ここで、タンク部11の内部空間は、底面及び上面が正方形の直方体であり、これを4等分してなる各インク貯留部13A〜13Dの横断面は合同な二等辺三角形となっている。さらに、各インク貯留部13A〜13Dは、その深さも同一である。すなわち、各インク貯留部13A〜13Dは、三次元的に合同な形状を有する。
【0014】
各インク貯留部13A〜13Dの下方には、インク供給口14A〜14D及びインク流路15A〜15Dが設けられており、各インク貯留部13A〜13D内のインクは、対応するインク供給口14A〜14D及びインク流路15A〜15Dを通ってヘッド部12に供給される。ここで、4つのインク供給口14A〜14Dは、タンク部11の中心Pを中心とする半径r1の円周上に設けられている。また、各インク供給口14A〜14Dの入口には、インク流路内15A〜15Dへのゴミの侵入を防止するためのフィルター16が設けられている。
【0015】
ヘッド部12には、上記のようにして供給されたインクが不図示の被記録媒体へ向けて吐出される複数の吐出口と、各吐出口からインクを吐出させるためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子(本例では電気熱変換素子)とが少なくとも設けられている。さらに具体的には、複数の吐出口は、各インク貯留部13A〜13Dに対応して群をなしており、同一の群に属するノズルは一列に並べられてノズル列17A〜17Dを形成している。すなわち、本例では、4つのインク貯留部13A〜13Dに対して4本のノズル列17A〜17Dがそれぞれ設けられ、各インク貯留部13A〜13Dから供給されたインクは対応するノズル列17A〜17Dを形成している各吐出口から吐出されるように構成されている。さらに、4つのノズル列17A〜17Dは、中心Pを中心とする半径r2(r1>r2)の円周上に設けられている。すなわち、各インク供給口14A〜14Dと各ノズル列17A〜17Dとは、同心円上に設けられており、各インク供給口14A〜14Dと対応するノズル列17A〜17Dとの連通させている各インク流路15A〜15Dは全て同一の長さを有し、かつ、その長さは非常に短いものとなっている。
【0016】
以上の構成を有する本例のインクジェットカートリッジ10Aは、射出成型、圧縮成型、トランスファー成型、熱成型その他の任意の成形方法によって成型可能であるが、熱可塑性樹脂(エンジニアリングプラスチック)を材料として射出成形することが望ましい。もっとも、材料として適切な熱可塑性樹脂は特定の樹脂に限定されるものではない。しかし、材料の選定にあたっては、成型性以外に、温湿度変化に強いこと、何らかの方法で接着、熱・振動等による溶着が可能なこと、耐薬品性、耐インク性があること等の要求を考慮することが望ましい。これらの要求を満足する材料の一例としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、変性ポリフェニレンオキサイド(PPO)、並びにそれらの混合物が挙げられる。また、熱可塑性樹脂は充填剤入りでも、充填剤なしでもよい。充填剤を用いる場合、その充填剤は、無機質の充填剤に限定されることはないが、ガラス或いはグラファイト(黒鉛)を一例として挙げることができる。
【0017】
タンク部11を構成しているインク貯留部13A〜13D、インク供給口14A〜14D及びインク流路15A〜15Dは、全てを一体成形してもよく、一部を別に成形し、最終的に一体化させてもよい。
【0018】
(実施形態2)
本発明のインクジェットカートリッジの実施形態の他例について図2(a)〜(c)を参照しながら説明する。もっとも、図2(a)〜(c)に示す本例のインクジェットカートリッジ10Bは、実施形態1のインクジェットカーとリッジ10Aと基本構成を共通する。そこで、実施形態1のインクジェットカートリッジ10Aと同一の構成については図2(a)〜(c)中に同一の符号を付して説明を省略する。
【0019】
本例のインクジェットカートリッジ10Bと実施形態1のインクジェットカートリッジ10Aとの相違点は、ノズル列17A〜17Dの配置状態のみである。すなわち、図1(a)〜(c)に示すインクジェットカートリッジ10Aでは、2つのノズル列17B及び17Dがこれらノズル列17B、17Dと平行な共通の直線上に配置され、他の2つのノズル列17A及び17Cがこれらノズル列17A、17Cと直交する共通の直線上に配置されている。これに対し、本例のインクジェットカートリッジ10Bでは、ノズル列17A及び17Bがこれらノズル列17A、17Bと平行な共通の直線上に配置され、ノズル列17C及び17Dがこれらノズル列17C、17Dと平行な他の共通の直線上に配置されている。さらに、ノズル列17B及び17Cとノズル列17A及び17Dとは平行に配置されている。但し、各インク供給口14A〜14Dと各ノズル列17A〜17Dとを連通させているインク流路15A〜15Dの長さは全て同一であって、かつ、可能な限り短くなっている。
【0020】
(実施形態3)
図3〜図5に本発明のインクジェットカートリッジの異なる実施形態を示す。各図(a)は、異なるインクジェットカートリッジ10C〜10Eの縦断面図である。各図(b)は、各図(a)のA−A′線に沿った横断面図、(c)はB−B′線に沿った横断面図である。
【0021】
図3〜図5に示すインクジェットカートリッジ10C〜10Eは、共通の特徴を有し、かつ、その特徴は実施形態1のインクジェットカートリッジ10Aと同一である。すなわち、各インク貯留部に対応したインク供給口、インク流路及びノズル列が設けられ、それらインク供給口及びノズル列は同心円上に配置され、かつ、全てのインク流路の長さが同一とされている。
【0022】
次に、インクジェットカートリッジ10C〜10Eの相違点について説明する。但し、既に説明した構成に関しては、各図中に同一の符号を付して説明を省略する。インクジェットカートリッジ10C〜10Eの相違点は、インク貯留部13の数である。具体的には、図3に示すインクジェットカートリッジ10Cは、6つのインク貯留部13A〜13Fを有する。図4に示すインクジェットカートリッジ10Dは、8つのインク貯留部13A〜13Hを有する。図5に示すインクジェットカートリッジ10Eは、3つのインク貯留部13A〜13Cを有する。いずれのインクジェットカートリッジのインク貯留部もタンク部11の内部空間をインクの吐出方向に対して垂直な平面内で等分(インクジェットカートリッジ10Cでは6等分、インクジェットカートリッジ10Dでは8等分、インクジェットカートリッジ10Eでは3等分)することによって、上記の数のインク貯留部が形成されている。よって、各インクジェットカートリッジ10C〜10Eがそれぞれ備えるインク貯留部は、三次元的に合同な形状を有する。
【0023】
(実施形態4)
本発明のインクジェットカートリッジの実施形態の他例を図6(a)〜(c)を参照しながら説明する。本例のインクジェットカートリッジ10Fは、実施形態1のインクジェットカートリッジ10Aと基本構成を共通する。そこで、実施形態1のインクジェットカートリッジ10Aと同一の構成については図5(a)〜(c)に同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】
本例のインクジェットカートリッジ10Fにおいてもタンク部11の内部空間がインクの吐出方向に垂直な平面内でタンク部11の外壁と平行な隔壁によって4等分され、4つのインク貯留部13A〜13Dが形成されている。また、各インク供給口14A〜14D及び各インク供給口に設けられたフィルター16は、同心円上に配置されている。但し、ノズル列17A〜17Dは同心円上に配置されていない。具体的には、4つのノズル列17A〜17Dが互いに平行に配置されている。しかしながら、各インク供給口14A〜14Dと各ノズル列17A〜17Dとを連通させている各インク流路15A〜15Dの長さは、他の実施形態のインクジェットカートリッジと同様に全て同一である。
【0025】
(実施形態5)
本発明のインクジェットカートリッジの実施形態の他例を図7(a)〜(c)を参照しながら説明する。本例のインクジェットカートリッジ10Gは、実施形態4のインクジェットカートリッジ10Fと同様に、タンク部11の内部空間が該タンク部11の外壁と平行な隔壁によって4等分され、4つのインク貯留部13A〜13Dが形成されている。但し、本例のインクジェットカートリッジ10Gでは、ヘッド部12がタンク部11の中心から所定距離だけオフセットされた位置に設けられている。具体的には、図7(a)に示すように、当該インクジェットヘッドカートリッジ10Gを一般的なプリンターに搭載した際に、ヘッド部12がタンク部11の中心よりも被記録媒体の搬送方向上流側に位置するようにオフセットされている。これは、排紙ローラー30によって搬送される被記録媒体31は、紙押さえ32を抜けてから排紙部33に到達するまでのあいだ開放状態となるため、少しでも紙押さえ32に近い位置にヘッド部12が配置されるように考慮したものである。
【0026】
これまで説明したインクジェットカートリッジと異なり、図7(a)〜(c)に示す4つのインク貯留部13A〜13Dの高さ(h)、幅(w)、奥行き(d)の寸法は同一ではないが、各々の容積は等しくなる様に高さ(h)、幅(w)、奥行き(d)の各寸法が設定されている。具体的には、インク貯留部13A〜13Dの幅(w)は共通であるが、インク貯留部13A及び13Bの高さ(h)はインク貯留部13C及び13Dに比べて低い。そこで、インク貯留部13A及び13Bの奥行き(d)をインク貯留部13A〜13Dよりも大きくして、容積を同一としてある。
【0027】
また、本例のインクジェットカートリッジ10Gでは、各インク貯留部13A〜13Dに設けられたインク供給口14A〜14Dが同心円上に配置されておらず、かつ、ノズル列17A〜17Dは平行に配置されている。しかしながら、ノズル列17A〜17Dとインク供給口14A〜14Dとの相対的な位置関係やインク流路15A〜15Dの取り回し等を調整することによって、全てのインク流路15A〜15Dの長さを3次元的に同じ長さとしてある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(a)は、実施形態1のインクジェットカートリッジを示す縦断面図であり、(b)は(a)中のA−A′線に沿った横断面図、(c)は(a)中のB−B′線に沿った横断面図である。
【図2】(a)は、実施形態2のインクジェットカートリッジの示す縦断面図であり、(b)は(a)中のA−A′線に沿った横断面図、(c)は(a)中のB−B′線に沿った横断面図である。
【図3】(a)は、実施形態3のインクジェットカートリッジの一つを示す縦断面図であり、(b)は(a)中のA−A′線に沿った横断面図、(c)は(a)中のB−B′線に沿った横断面図である。
【図4】(a)は、実施形態3のインクジェットカートリッジの他の一つを示す縦断面図であり、(b)は(a)中のA−A′線に沿った横断面図、(c)は(a)中のB−B′線に沿った横断面図である。
【図5】実施形態3のインクジェットカートリッジの他の一つを示す横断面図である。
【図6】(a)は、実施形態4のインクジェットカートリッジを示す縦断面図であり、(b)は(a)中のA−A′線に沿った横断面図、(c)は(a)中のB−B′線に沿った横断面図である。
【図7】(a)は、実施形態5のインクジェットカートリッジを示す縦断面図であり、(b)は(a)中のA−A′線に沿った横断面図、(c)は(a)中のB−B′線に沿った横断面図である。
【符号の説明】
【0029】
10A〜10G インクジェットカートリッジ
11 タンク部
12 ヘッド部
13A〜13H インク貯留部
14A〜14H インク供給口
15A〜15H インク流路
16 フィルター
17A〜17H ノズル列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインク貯留部を備えたタンク部と、前記タンク部から供給されたインクが吐出される複数の吐出口からなるノズル列を複数列備えたヘッド部とを有し、各インク貯留部に設けられたインク供給口がインク流路を介して所定のノズル列に連通されているインクジェットカートリッジであって、
前記複数のインク貯留部が前記タンク部の内部空間をインク吐出方向に対して垂直な平面内で等分することによって形成され、かつ、前記複数のインク流路の長さが同一であるインクジェットカートリッジ。
【請求項2】
前記複数のインク供給口及び前記インク流路の前記ノズル列側の端部がそれぞれ同心円上に配置されている請求項1記載のインクジェットカートリッジ。
【請求項3】
インクを貯溜するタンク部と、前記タンク部から供給されたインクを吐出するヘッド部と、を備えるインクジェットカートリッジであって、
前記タンク部は、インク吐出方向に対して垂直な平面内で、該タンク部の中心を通る2つの壁によって4つのインク貯溜部に分割されるとともに、該4つの貯溜部はそれぞれ前記ヘッド部にインクを供給するためのインク供給口を備え、
前記ヘッド部は前記4つのインク貯溜部に対応するノズル列を備え、
前記各ノズル列から前記各インク供給口を結ぶ4つのインク流路の長さが等しく、前記各ノズル列が平行に並んで設けられていることを特徴とするインクジェットカートリッジ。
【請求項4】
インクを貯溜するタンク部と、前記タンク部から供給されたインクを吐出するヘッド部と、を備えるインクジェットカートリッジであって、
前記タンク部は、インク吐出方向に対して垂直な平面内で、4つのインク貯溜部に分割されるとともに、該4つの貯溜部はそれぞれ前記ヘッド部にインクを供給するためのインク供給口を備え、
前記ヘッド部は前記4つのインク貯溜部に対応するノズル列を備え、
前記各ノズル列から前記各インク供給口を結ぶ4つのインク流路の長さが等しく、前記各ノズル列が前記タンク部の中心から偏倚して設けられていることを特徴とするインクジェットカートリッジ。
【請求項5】
前記4つのインク貯溜部の容積が互いに等しいことを特徴とする請求項4記載のインクジェットカートリッジ。
【請求項6】
前記4つのインク貯溜部を形成するためのタンク部内部の壁の交差部分が、前記タンク部の中心から前記各ノズル列が設けられている方向に偏倚していることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のインクジェットカートリッジ。
【請求項7】
複数のインク貯留部を備えたタンク部と、前記タンク部から供給されたインクが吐出される複数の吐出口からなるノズル列を複数列備えたヘッド部とを有し、各インク貯留部に設けられたインク供給口と所定のノズル列とがインク流路を介して連通されているインクジェットカートリッジであって、
前記複数のインク流路の長さが同一であって、かつ、前記タンク部のインク吐出方向と垂直な断面内における中心に対して前記ヘッド部のインク吐出方向と垂直な断面内における中心が偏倚して設けられることを特徴とするインクジェットカートリッジ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−168275(P2006−168275A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−366419(P2004−366419)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】