説明

インクジェットプリントヘッド及びその製造方法

【課題】ヒータ層や導線層を保護する保護層の破損を最小化できる、インクジェットプリントヘッド及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】基板上に配置されたヒータ層12と、ヒータ層12上に配置され、ヒータ層12の所定領域を露出させるように形成された導線層13と、導線層13及びヒータ層12の所定領域を覆う保護層14と、保護層14表面の段差を平坦化する平坦化層15と、を備えている。こうして、導線層13を覆って表面に段差の生じている保護層14の上に平坦化層15を形成して表面を平坦にして保護層14を確実に保護するので、応力集中をなくして保護層の破損を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリントヘッド及びその製造方法に係り、より詳細には、基板上のヒータ層や導線層を保護する保護層が形成される、インクジェットプリントヘッド及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリントヘッドは、記録用紙に対して微小なインク液滴を吐出することで印刷を行う装置である。インクジェットプリントヘッドのインク液滴を吐出させる方法としては、ヒータでインクを加熱することで気泡を発生させ、気泡の膨張力によってチャンバ内部のインクを、ノズルを通して吐出させる方式が知られている。
【0003】
特許文献1には、インクジェットプリントヘッドの一例が開示されている。このプリントヘッドは、シリコンなどの基板上に順次積層される絶縁層、ヒータ層、導線層、保護層、キャビテーション防止層を備えている。ヒータ層は、インクチャンバ内部に充填されたインクを加熱し、導線層は、ヒータ層に電源を印加するための配線を形成する。絶縁層は、ヒータ層と基板との間を断熱し、ヒータ層から生じた熱がインクチャンバ内部のインクに伝達されるようにする。そして、保護層は、ヒータ層と導線層とをインクから絶縁してヒータ層と導線層を保護する。キャビテーション防止層は、インク噴射後、インクチャンバ内部のインク気泡が収縮するときに生じる収縮衝撃(Cavitation Force)によるヒータ層の破損を防止する。
【0004】
通常、上記のようなプリントヘッドを製造するとき、タンタル−アルミニウム(Ta−Al)合金などの発熱抵抗体を絶縁層の上面に蒸着してヒータ層を形成し、アルミニウム(Al)などの導電性金属をヒータ層の上面に蒸着して導線層を形成する。また、導線層は、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を通してヒータ層の上面一部を露出させると同時に、ヒータ層に電源を印加するための配線や回路パターンを形成する。また、保護層は、シリコン窒化物(SiNx)をヒータ層及び導線層の上部に蒸着して形成し、キャビテーション防止層は、タンタル(Ta)を保護層の上部に蒸着した後、フォトリソグラフィ工程及び乾式エッチング工程を通して形成する。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6293654号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような方式で製造されるインクジェットプリントヘッドは、導線層の配線部分に存在する段差のために保護層の被覆性が悪くなり、製造過程で保護層が破損する不具合があった。特に、最近は、配線抵抗などを考慮した上で導線層を約8000Åに厚く形成するとともに、配線幅を狭くして配線の集積度を高めているので、導線層のエッジ付近で保護層に応力集中が生じる。しかし、ヒータ層の熱伝逹を考慮して保護層の厚さを厚くするには限界があるため、保護層が容易に破損するのである。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ヒータ層や導線層を保護する保護層の破損を最小化できる、インクジェットプリントヘッド及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板上に配置されたヒータ層と、ヒータ層上に配置され、ヒータ層の所定領域を露出させるように形成された導線層と、導線層及びヒータ層の所定領域を覆う保護層と、保護層表面の段差を平坦化する平坦化層と、を備えることを特徴とする、インクジェットプリントヘッドが提供される。
【0009】
こうして、導線層を覆って表面に段差の生じている保護層の上に平坦化層を形成することによって、段差が覆われて表面が平坦になり、保護層が確実に保護されるので、導線層エッジでの応力集中がなくなり、保護層の破損を防ぐことができる。
【0010】
ここで、平坦化層は、ヒータ層の発熱領域の上部を部分的に除去して形成することができる。ヒータ層の発熱領域の上部を除去することによって、インクを容易に加熱できるようにすることができる。
【0011】
また、保護層上に形成されたキャビテーション防止層をさらに備えることができる。キャビテーション防止層は、インクチャンバ内部の気泡が収縮、消滅するときに生じるキャビテーション圧力からヒータ層を保護し、インクによって生じるヒータ層の腐食を防止することができる。また、保護層の上部に圧縮応力の大きいキャビテーション防止層が形成される場合には、残留応力が増加することで、導線層と保護層とが浮き上がったり、剥離したりすることがあったが、平坦化層が保護するので、剥離を防ぐことができる。
【0012】
平坦化層は、感光性酸化物、感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、感光性エポキシからなる群から選択された物質からなることができる。感光性材料を用いることにより、感光性材料を直接露光して容易にパターン形成することができる。
【0013】
または、平坦化層としてPSG(PhosphoSilicate Glass)を用いることもできる。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基板上に配置されるヒータ層を形成する工程と、ヒータ層上に配置され、ヒータ層の所定領域を露出させる導線層を形成する工程と、導線層及びヒータ層の所定領域を覆う保護層を形成する工程と、保護層表面の段差を平坦化する平坦化層を形成する工程と、平坦化層上に設けられてインクチャンバを形成するチャンバ層を形成する工程と、を含むことを特徴とする、インクジェットプリントヘッドの製造方法が提供される。
【0015】
上記製造方法によって、表面に段差の生じている保護層の上に平坦化層を形成することによって、表面が平坦になり、保護層を確実に保護することができるので、導線層エッジでの応力集中をなくして保護層の破損を防ぐことができる。また、表面が平坦となることによって、平坦化層の形成後に行われる工程が容易に行える効果がある。
【0016】
ヒータ層を形成する工程の前に、基板上に絶縁層を形成する工程をさらに含むことができる。この絶縁層は、基板とヒータ層との間を絶縁する作用があるのみならず、ヒータ層から生じる熱エネルギーが基板側に伝達されるのを防止する断熱効果も有する。
【0017】
導線層を形成する工程は、導電性金属物質を真空蒸着法によってヒータ層の上面に蒸着して金属層を形成する工程と、ヒータ層の発熱領域の上部に位置した金属層を、湿式エッチングを施して除去する工程と、ヒータ層の発熱領域と離隔した金属層を、乾式エッチングを施して選択的に除去し、配線を形成する工程と、を含むことができる。
【0018】
ここで、保護層は、シリコン窒化物(SiNx)をプラズマ化学気相蒸着(PECVD)法によって蒸着させて形成することができ、導線層及びヒータ層を均一性が良好に覆うことができる。
【0019】
平坦化層を形成する工程は、保護層上に、感光性酸化物、感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、感光性エポキシからなる群から選択された物質を表面が平坦となるように塗布する工程と、ヒータ層の発熱領域の上部に位置した物質を除去する工程と、を含むことができる。感光性材料を用いることにより、感光性材料を直接露光して、ヒータ層の発熱領域の上部に位置した箇所を除去するための開口パターンを容易に形成することができる。
【0020】
平坦化層を形成する工程は、保護層上に、PSG(PhosphoSilicate Glass)を表面が平坦となるように塗布する工程と、ヒータ層の発熱領域の上部に位置したPSGを除去する工程と、を含むこともできる。PSGを用いる場合は、PSG上に、例えばフォトレジストでパターニングを施してから、ヒータ層の発熱領域の上部のエッチングを行い、フォトレジストを除去することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上詳述したように本発明によれば、保護層の上部に形成される平坦化層が、導線層の配線パターンによる段差部分を覆う保護層の被覆性を改善すべく、表面を平坦化し、保護層を確実に保護するので、保護層の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの断面図である。図1に示すように、インクジェットプリントヘッドは、シリコンからなる基板10と、基板10上に積層されてインクチャンバ17aを形成するチャンバ層17と、チャンバ層17上に積層されたノズル層18と、を備えている。また、インクジェットプリントヘッドは、チャンバ層17と基板10との間に設けられてインクチャンバ17aのインクを加熱するヒータ層12と、ヒータ層12と基板10との間に設けられて断熱及び絶縁を行う絶縁層11と、ヒータ層12の上部に設けられた導線層13と、導線層13の上部を覆う保護層14と、保護層14の上部に設けられた平坦化層15と、インクチャンバ17aの下部領域に設けられたキャビテーション防止層16と、備えている。
【0024】
ヒータ層12は、タンタル窒化物(TaN)またはタンタル−アルミニウム合金などの発熱抵抗物質が絶縁層11の上面に蒸着されることによって形成される。ヒータ層12に電源が印加されると、インクチャンバ17a下部の発熱領域12aが、インクチャンバ17a内部のインクを加熱する。このようにインクを加熱することで、インクチャンバ17a内部のインクに気泡が生じ、気泡の膨張によってインクチャンバ17a内部のインクがノズル層18のノズル18aを通して排出される。
【0025】
導線層13は、ヒータ層12の発熱領域12aに電源を印加する配線を形成する。導線層13は、アルミニウム(Al)などの導電性金属物質が蒸着されることで形成され、蒸着された金属層は、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程によって所定の配線形態に形成される。また、ヒータ層12の発熱領域12aがインクを加熱できるように、インクチャンバ17aの下部領域に対応する導線層13は除去される。このような導線層13は、ヒータ層12の発熱領域12aに電源を供給する配線として、またはその他のプリントヘッド動作回路を構成する配線として形成される。本実施の形態においては、導線層13が約8000Åの厚さで形成されるが、これは、配線の幅を狭くして集積度を高めながらも、配線の断面積を十分に確保して配線抵抗を最小化するためである。
【0026】
保護層14は、ヒータ層12及び導線層13が、酸化するのを防止し、インクと直接接触しないようにし、ヒータ層12及び導線層13を保護する。保護層14は、ヒータ層12及び導線層13の上部に約3000Åの厚さで蒸着されるシリコン窒化物(SiNx)で形成することができる。保護層14の厚さを相対的に薄くする理由は、ヒータ層12の発熱領域12aがインクチャンバ17a内部のインクを円滑に加熱できるようにするためである。
【0027】
平坦化層15は、導線層13によって屈曲(段差)が生じた保護層14の上部領域を平坦化させる。平坦化層15は、導線層13の配線パターンによって生じる谷になった部分やその他の段差部分を所定の厚さで覆って保護層14を保護する。特に、平坦化層15は、導線層13のエッジ13aや谷部13b付近の保護層14が薄くなりやすい箇所を保護することで、保護層14の破損を防止する。これは、プリントヘッドの製造工程及びその後において保護層14の破損を防止することで、導線層13及びヒータ層12を確実に保護するためである。
【0028】
ここで、ヒータ層12の発熱領域12aの上部(インクチャンバ17aの下部領域)には、平坦化層15は形成されない。すなわち、発熱領域12aの上部は、製造過程では他の部分と一緒に平坦化層15を形成するが、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を施して、発熱領域12aの平坦化層15は除去される。この場合、平坦化層15は、感光性酸化物、感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、感光性エポキシなどの感光性材料からなることが好ましく、感光性材料を直接露光できるので、容易にパターン形成できる。一方、平坦化層15は、PSG(PhosphoSilicate Glass)などの非感光性材料によって形成することもできる。
【0029】
キャビテーション防止層16は、インクチャンバ17a内部の気泡が収縮、消滅するときに生じるキャビテーション圧力(Cavitation Force)からヒータ層12を保護し、インクによって生じるヒータ層12の腐食を防止する。キャビテーション防止層16は、保護層14の上部に蒸着される所定厚さのタンタル(Ta)から形成することができる。
【0030】
チャンバ層17は、エポキシなどによって平坦化層15及びキャビテーション防止層16の上部に設けられる。チャンバ層17によって限定されるインクチャンバ17aは、インク供給路(図示せず)に連結される。したがって、インクチャンバ17aの内部には、インクが持続的に供給される。ノズル層18は、チャンバ層17の上部を覆うように設けられ、インクを排出するためのノズル18aを有している。ノズル18aは、ヒータ層12の加熱によってインクチャンバ17a内に気泡が形成される場合、インクが円滑に排出されるようにヒータ層12の発熱領域12aの上部位置に設けられる。
【0031】
以下、インクジェットプリントヘッドを製造するための各工程における断面図を示した図2〜図8を参照して、本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明する。図2は、基板10の上面に絶縁層11を形成した後の工程断面図である。基板10としては、半導体素子の製造に広く用いられ、大量生産に適しているシリコンウェハーを使用することができる。絶縁層11は、基板10の上面に所定の厚さでシリコン酸化物(SiO)を蒸着方式で形成することができる。このような絶縁層11は、基板10とヒータ層12との間を絶縁する作用があるのみならず、ヒータ層12から生じる熱エネルギーが基板10側に伝達されるのを防止する断熱効果も有する。
【0032】
次に、図3に示すように、絶縁層11の上面にヒータ層12を形成する。ヒータ層12は、絶縁層11の上面に例えば、タンタル窒化物(TaN)、タンタル−アルミニウム合金(TaAl)、チタニウム窒化物(TiN)、タングステンシリサイドなどの発熱抵抗物質を約1000Åの厚さで蒸着して形成することができる。
【0033】
その後、図4に示すようにヒータ層12の上面に導線層13を形成する。導線層13を形成する際には、まず、導電性が良好なアルミニウム(Al)などの金属を真空蒸着法によってヒータ層12の上面に全面に蒸着し、約8000Åの厚さを有する金属層を形成する。次に、ヒータ層12の発熱領域12aの上部に位置した金属層を湿式エッチング工程によって除去する。これは、ヒータ層12の発熱領域12aの上部を露出させることで、ヒータ層12の発熱領域12aがインクチャンバ17aのインクを加熱できるようにするためである。また、発熱領域12aと離隔した残りの金属層を乾式エッチング工程によって部分的に除去し、谷部13bを形成することにより、配線パターンとなる導電層13が形成される。
【0034】
導線層13を形成した後、その上に保護層14及び平坦化層15を形成した状態を示したのが、図5である。保護層14は、ヒータ層12及び導線層13上に例えば、シリコン窒化物(SiNx)をプラズマ化学気相蒸着法(plasma enhanced chemical vapor deposition;PECVD)によって約3000Åの厚さで蒸着して形成される。このような保護層14は、ヒータ層12及び導線層13が酸化したり、インクと接触したりするのを防ぐことができる。
【0035】
平坦化層15は、図5に示すように、保護層14を形成した後に保護層14の上面に形成する。平坦化層15を形成するときは、まず、感光性酸化物、感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、感光性エポキシのうちの何れか一つの材料を保護層14上に表面が平坦となるように塗布する。このように保護層14の上面を全て平坦化した後、ヒータ層12の発熱領域12aの上部に存在する平坦化層をフォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を施して除去する。このようにすることで、図5に示すように、ヒータ層12の発熱領域12aの上部を除いた保護層14の全ての上部領域を平坦化層15が覆う形態となる。このような平坦化層15は、導線層13の配線パターンによって生じる屈曲部分(谷部分やその他の段差部分)を全て覆って保護層14を保護する。
【0036】
平坦化層15の材料としては、非感光性物質であるPSG(PhosphoSilicate Glass)を用いることもできる。この場合、ヒータ層12の発熱領域12aの上部に存在する平坦化層をエッチング工程によって除去する。
【0037】
次に、図6に示すように、ヒータ層12の発熱領域12aの上部の保護層14及び平坦化層15の上面にタンタル(Ta)などを蒸着した後、図7に示すように、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を施して、ヒータ層12の発熱領域12aの上部にキャビテーション防止層16のパターンが残るようにする。ここで、キャビテーション防止層16をパターニングするとき、平坦化層15の上部に位置するタンタル(Ta)を除去するが、この場合には、平坦化層15が保護層14を保護しているので、保護層14の破損を防止することができる。
【0038】
その後、キャビテーション防止層16及び平坦化層15上に、インクチャンバ17aを形成するチャンバ層17を形成した状態を示したのが図8である。図8に示すように、チャンバ層17を形成した後、図1に示すように、チャンバ層18上に最終的にノズル層18を形成する。
【0039】
このように、保護層14の上部に形成される平坦化層15が、導線層13の配線パターンによって生じる段差部分を全て平坦に覆うので、保護層14を確実に保護して保護層14の破損を防止することができる。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、インクジェットプリントヘッド及びその製造方法に適用可能であり、基板上に形成されるヒータ層や導線層を保護する保護層を有する、インクジェットプリントヘッド及びその製造方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの概略的な断面図である。
【図2】本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための工程断面図であり、基板上に絶縁層を形成した後の図である。
【図3】本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための工程断面図であり、絶縁層の上面にヒータ層を形成した後の図である。
【図4】本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための工程断面図であり、ヒータ層の上面に導線層を形成した後の図である。
【図5】本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための工程断面図であり、導線層上に保護層及び平坦化層を形成した後の図である。
【図6】本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための工程断面図であり、保護層及び平坦化層上にキャビテーション防止層となる材料を全面に蒸着した後の図である。
【図7】本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための工程断面図であり、ヒータ層の発熱領域の上部にキャビテーション防止層のパターンを形成した後の図である。
【図8】本実施の形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法を説明するための工程断面図であり、チャンバ層を形成した後の図である。
【符号の説明】
【0043】
10 基板
11 絶縁層
12 ヒータ層
13 導線層
14 保護層
15 平坦化層
16 キャビテーション防止層
17 チャンバ層
18 ノズル層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置されたヒータ層と、
前記ヒータ層上に配置され、前記ヒータ層の所定領域を露出させるように形成された導線層と、
前記導線層及び前記ヒータ層の前記所定領域を覆う保護層と、
前記保護層表面の段差を平坦化する平坦化層と、
を備えることを特徴とする、インクジェットプリントヘッド。
【請求項2】
前記平坦化層は、前記ヒータ層の発熱領域の上部が部分的に除去されていることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項3】
前記保護層上に形成されたキャビテーション防止層をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項4】
前記平坦化層は、感光性酸化物、感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、感光性エポキシからなる群から選択された物質からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項5】
前記平坦化層は、PSG(PhosphoSilicate Glass)からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項6】
基板上に配置されるヒータ層を形成する工程と、
前記ヒータ層上に配置され、前記ヒータ層の所定領域を露出させる導線層を形成する工程と、
前記導線層及び前記ヒータ層の所定領域を覆う保護層を形成する工程と、
前記保護層表面の段差を平坦化する平坦化層を形成する工程と、
前記平坦化層上に設けられてインクチャンバを形成するチャンバ層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、インクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記ヒータ層を形成する工程の前に、前記基板上に絶縁層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記導線層を形成する工程は、
導電性金属物質を真空蒸着法によって前記ヒータ層の上面に蒸着して金属層を形成する工程と、
前記ヒータ層の発熱領域の上部に位置した前記金属層を、湿式エッチングを施して除去する工程と、
前記ヒータ層の発熱領域と離隔した前記金属層を、乾式エッチングを施して選択的に除去し、配線を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項6または7に記載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項9】
前記保護層は、シリコン窒化物(SiNx)をプラズマ化学気相蒸着(PECVD)法によって蒸着させて形成することを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項10】
前記平坦化層を形成する工程は、
前記保護層上に、感光性酸化物、感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、感光性エポキシからなる群から選択された物質を表面が平坦となるように塗布する工程と、
前記ヒータ層の発熱領域の上部に位置した前記物質を除去する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項11】
前記平坦化層を形成する工程は、
前記保護層上に、PSG(Phosphosilicate glass)を表面が平坦となるように塗布する工程と、
前記ヒータ層の発熱領域の上部に位置した前記PSGを除去する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−296572(P2008−296572A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64208(P2008−64208)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】