説明

インクジェットユニット及びインクジェットユニットの管理装置

【課題】インク供給に必要な構造をモジュール化し、画像形成装置で不具合が生じた際にはユーザーで交換できるようにした多機能のインクジェットユニットを提供する。
【解決手段】インクジェット印刷装置に対して着脱可能なユニットの基体の内部には、開口部19を有する回動筒18があり、その内部に上下動自在のインクジェットヘッド25と、インクタンク26と、インク供給手段27がある。回動筒の内面には、クリーニング手段30と、キャッピング手段35がある。回動筒を回動させれば、キャッピング手段でヘッドを保護する位置と、クリーニング手段でヘッドを清掃する位置と、開口部からヘッドを下方に突出させて印刷を行なう位置とを選択して設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドとインクタンクとインク供給手段が共通の基体内に収納されてユニット化され、インクジェットヘッドを用いる画像形成装置に着脱可能に取り付けて使用されるインクジェットユニットと、当該インクジェットユニットをいつでも使用できる状態で保管する管理装置に関する。このインクジェットユニット及び管理装置によれば、インクジェットヘッドを含む画像形成部に不具合が生じた場合、ユーザー側においてインクジェットユニットを使用可能な保管品と簡単に交換することができ、不具合の復旧を迅速かつ容易に行なうことができる。
【背景技術】
【0002】
複数のノズルを有するインクジェットヘッドに、供給ポンプや供給管等のインク供給手段によってインクタンクからインクを供給し、選択したノズルからインク滴を吐出させて被印刷体に所望の画像を形成する画像形成装置が知られている。
【0003】
下記特許文献1には、インクジェットヘッドを用いた上述のような画像形成装置において使用されるインク供給処理モジュールの発明が開示されている。この発明は、構造が簡単で組立てが容易であるとともに異常等に対する原因究明および部品交換を含む復旧を迅速・容易かつ正確に行えるようにすることを目的としており、供給管24および供給ポンプ25を含みインクタンク22からノズルヘッド10へインクを供給するインク供給手段20と、戻し管31および戻しポンプ32を含みノズルヘッド10からインクタンク22へインクを戻すインク戻し手段30とを、インクジェットプリンタに着脱可能な本体1Bに組込んだ一体的構造(モジュール)としたことを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−268289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インクジェットヘッドは、開口の狭いノズルを多数備えているという構造上の特徴があり、またこれらノズルから吐出するインクの粘度等は温度等の環境条件の影響を受けやすいため、インクジェットヘッドにおいて容易には回復できない吐出不良が発生する場合があるという問題があった。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では、インク供給部をモジュール化してはいるが、このモジュールにはインクジェットヘッドが含まれていないため、ヘッドにまつわる不具合時には対応できず、ユーザサイドでヘッド交換を行うとすれば長時間を要することとなり、実際には現場又はユーザサイドでの対応は事実上不可能であった。又、コンシューマ用のシリアルインクジェットプリンタでは、インクタンクとインクジェットヘッドは一体化されている場合が多いが、インク供給系(含むホンプ等)は含まれていないのが通常であり、同様に問題が生じた場合はユーザサイドでの対応が不可能であり、メーカ修理を要した。
【0007】
本発明のインクジェットユニットは、以上説明したような課題に鑑みてなされたものであり、必要な構造を一体化してモジュール化又はユニット化することにより操作性を向上させ、インクジェットヘッドを含む画像形成部に不具合が生じた場合に、サービスマン以外に一般ユーザーでも容易に対応できるようにして復旧を迅速かつ容易に行えるようにし、さらに簡単かつ操作性に優れた構造によってキャッピングやワイピングの機能を付与することにより、インクジェットヘッドの不具合を容易に防止乃至回復できるようにすることを目的としている。さらに、本発明のインクジェットユニットの管理装置は、上述したようなインクジェットユニットをユーザーサイドで交換するために、インクジェットユニットをいつでも使用可能な状態で保管することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載されたインクジェットユニットは、
インクジェット印刷装置に対して着脱可能とされた基体と、
前記基体の内部に回動可能に設けられ、周面に開口部が設けられた円筒形の移動体と、 前記移動体の内部に上下動自在となるように設けられ、前記移動体が回動して印刷位置に設定された際に前記移動体の前記開口部を介して被印刷体に対面するインクジェットヘッドと、
前記移動体の内部に設けられたインクタンクと、
前記移動体の内部に設けられて前記インクタンクから前記インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給手段と、
前記移動体の内面の第1の所定位置に取り付けられ、前記移動体が回動してクリーニング位置に設定された際に前記インクジェットヘッドの下方に設定されて前記インクジェットヘッドをクリーニングするクリーニング手段と、
前記移動体の内面の第2の所定位置に取り付けられ、前記移動体が回動してキャッピング位置に設定された際に前記インクジェットヘッドの下方に設定されて前記インクジェットヘッドをキャッピングするキャッピング手段と、
を有することを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載されたインクジェットユニットは、請求項1記載のインクジェットユニットにおいて、
印刷時には、印刷位置に設定された前記移動体の前記開口部から前記インクジェットヘッドが下方に突出するように下降して被印刷体に対して位置決めされ、
クリーニング時には、クリーニング位置に設定された前記移動体の前記クリーニング手段に前記インクジェットヘッドが下降して接触することにより前記インクジェットヘッドの吐出口を前記クリーニング手段でクリーニングし、
キャッピング時には、キャッピング位置に設定された前記移動体の前記キャッピング手段に前記インクジェットヘッドが下降して接触することにより前記インクジェットヘッドの吐出口を前記キャッピング手段でキャッピングすることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載されたインクジェットユニットは、請求項2記載のインクジェットユニットにおいて、
前記移動体の内部に温度センサと加熱手段と冷却手段が設けられ、前記温度センサが検出した前記移動体の内部の温度に基づいて前記加熱手段と前記冷却手段を制御することにより、前記移動体の内部の温度を前記インクジェットヘッドによるインクの吐出に適した温度に管理することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載されたインクジェットユニットの管理装置は、
請求項1に記載のインクジェットユニットを常時使用可能な状態に維持管理するためのインクジェットユニットの管理装置において、
インクジェットユニットを着脱可能に収納する複数の保管部を備えた本体と、
前記各保管部ごとに温度を検出する温度センサと、
前記インクジェットユニットが前記保管部に収納されてから現在までの経過時間を前記各保管部ごとに管理するタイマー手段と、
前記保管部に収納された前記インクジェットユニットの前記移動部を回動させる駆動手段と、
前記温度センサからの温度情報と前記タイマー手段からの経過時間情報の少なくとも一つに基づき、前記保管部に収納されている前記インクジェットユニットのうちからメンテナンス動作が必要な前記インクジェットユニットを判断し、メンテナンス動作が必要な前記インクジェットユニットの前記移動部を駆動するように前記駆動手段を制御する制御信号と、メンテナンス動作が必要な前記インクジェットユニットの前記インクジェットヘッドを駆動する制御信号を出力する制御手段と、
を具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載されたインクジェットユニットによれば、インクジェットヘッドとインクタンクとインク供給手段が共通の基体に設けられてユニット化されているので、インクの吐出に関与するこれら構成各部のいずれかに不具合が生じた場合には、ユーザーサイドの対応によってインクジェットユニットを交換するだけで、画像形成装置の復旧を迅速かつ容易に行うことができる。また、インクジェットユニットは、回動可能な円筒形の移動体の内面に、クリーニング手段とキャッピング手段を備えているので、移動体を回動させることにより、インクジェットヘッドに対して両手段を選択的に位置決めしてインクジェットヘッドのクリーニング作業とキャッピング作業を簡単に行なうことができる。すなわち、インクジェットユニットに吐出不良等の不具合が発生した場合には、ユニットを交換する前にクリーニング手段でインクジェットヘッドを清掃して復旧作業を行なうことができ、またインクジェットヘッドを使用しない場合には、キャッピング手段でインクジェットヘッドの吐出ノズルを封止して不具合の発生を未然に防止することができる。
【0013】
請求項2に記載されたインクジェットユニットによれば、回動自在の円筒形の移動体 に開口部が形成され、その内面の2つの所定位置にクリーニング手段とキャッピング手段が設けられ、その移動体の内部に上下動自在のインクジェットヘッドが設けられている。このため、印刷時には、移動体を印刷位置に設定してインクジェットヘッドを下降させることにより、インクジェットヘッドを移動体の開口部から下方へ突出させて被印刷体に対して位置決めすることができる。また、クリーニング時には、移動体をクリーニング位置に設定してインクジェットヘッドを下降させることにより、インクジェットヘッドをクリーニング手段に接触させてクリーニングを行なうことができる。また、キャッピング時には、移動体をキャッピング位置に設定してインクジェットヘッドを下降させることにより、インクジェットヘッドをキャッピング手段に接触させてインクジェットヘッドの吐出口をキャッピングすることができる。
【0014】
請求項3に記載されたインクジェットユニットによれば、温度センサが検出した移動体の内部の温度に基づいて加熱手段と冷却手段を制御することにより、移動体の内部の温度を調節し、インクジェットヘッドによるインクの吐出に適した温度に管理することができるので、インクジェットヘッドのノズルにインクが詰まって吐出できなくなる等の不具合が発生しにくくなる。
【0015】
請求項4に記載されたインクジェットユニットの管理装置によれば、温度センサからの温度情報とタイマー手段からの経過時間情報の少なくとも一つに基づき、保管部に収納されているインクジェットユニットのうちからメンテナンス動作が必要なものを判断し、そのインクジェットユニットの移動部とインクジェットヘッドを駆動してメンテナンス動作を行なうことができる。従って、管理装置に保管されているインクジェットユニットは、時間の経過や温度の如何に関わらず常に良好な状態に管理されるため、画像形成装置において不具合が発生したインクジェットユニットの交換のためにいつでも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態のインクジェットユニットを使用する画像形成装置の全体構造を説明する断面図である。
【図2】第1実施形態のインクジェットユニットの基本構成を図1と同方向から示す断面図である。
【図3】第1実施形態のインクジェットユニットの基本構成を図2と直交する方向から示す断面図である。
【図4】第1実施形態のインクジェットユニットの内部及びスライド機構を図3と同方向から示す構造図である。
【図5】第1実施形態のインクジェットユニットに設けられた3位置の位置検出部とセンサとの位置関係を示す図である。
【図6】第1実施形態のインクジェットユニットの内部を図3と同方向から示す構造図である。
【図7】第1実施形態のインクジェットユニットの内部においてホーム位置(最上位ポジション)にあるインクジェットヘッドを示す図である。
【図8】第1実施形態のインクジェットユニットの内部において印刷位置(最下位ポジション)にあるインクジェットヘッドを示す図である。
【図9】第1実施形態のインクジェットユニットの印字時の状態を示す図である。
【図10】第1実施形態のインクジェットユニットのヘッドクリーニング時の状態を示す図である。
【図11】第1実施形態のインクジェットユニットの長期保存時又はユニット交換時の状態を示す図である。
【図12】第2実施形態のインクジェットユニットの基本構成を図2と同方向から示す断面図である。
【図13】第2実施形態のインクジェットユニットの基本構成を図4と同方向から示す断面図である。
【図14】第3実施形態のインクジェットユニットを保管する管理装置の斜視図である。
【図15】第3実施形態のインクジェットユニットを保管する管理装置の模式的な構造図である。
【図16】第3実施形態のインクジェットユニットを保管する管理装置の詳細な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.第1実施形態(図1〜図11)
(1)画像形成装置及びインクジェットユニットの構造(図1〜図8)
第1実施形態のインクジェットユニット1と、これを装着して使用する画像形成装置の基本構造等について図1〜図8を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置であるインクジェット印刷装置2は、筐体3の略中央にインクジェットユニット1を着脱可能に装着できるようになっている。インクジェットユニット1の下方には、インクジェットユニット1から吐出されたインクが着弾する用紙を搬送するための搬送手段4が設けられている。筐体3の一側面には、積載した用紙をインクジェットユニット1で印刷するために搬送手段4に供給する給紙部5が設けられ、筐体3の他側面には、インクジェットユニット1で印刷されて搬送手段4を経て排出された用紙を受け入れる排紙部6が設けられている。筐体3の内部には制御部7と電源部8が設けられ、筐体3の上部には印刷すべき原稿を読み取るスキャナ9が設けられている。また、筐体3内の搬送手段4の下方には、インクジェットユニット1から排出された廃インクを受け入れる廃インクトレー10が設けられている。
【0019】
図2〜図4に示すインクジェットユニット1は、インクジェット印刷装置2に対して着脱可能とされた基体11を備えている。基体11は、所定間隔をおいて互いに平行に配置された一対のフランジ12,12と、一対のフランジ12,12を連結する中空円筒形の外筒体13からなる。外筒体13の周壁の下方部分には、外筒体13の中心角度にして略60度に相当する部分が除去された開口部14が形成されている。
【0020】
図4に示すように、外筒体13の外側において、一対のフランジ12,12の間にはスライド機構15が設けられている。このスライド機構15がインクジェット印刷装置2の図示しない案内機構に係合して摺動することにより、インクジェットユニット1をインクジェット印刷装置2に対して着脱することができる。なお、同図に示すように、一方のフランジ12の外面には着脱用取手16が設けられており、インクジェットユニット1をインクジェット印刷装置2に対して着脱する際の取り扱いを容易にしている。なお、図示しないが、ユニット側のスライド機構15又はインクジェット印刷装置2側の図示しない案内機構には、インクジェットユニット1の正規の装着位置を検出するマイクロスイッチ等の検出手段が設けられており、インクジェットユニット1が使用可能な正規の状態で印刷装置本体に取り付けられたことを検出することができる。
【0021】
図2及び図3に示すように、外筒体13の内部には、各フランジ12ごとに3個ずつの内接ローラ17が取り付けられている。計3個の内接ローラ17は、外筒体13の頂上部と、最底部から回転方向の両方向について各略30度の2位置との合計3箇所に、それぞれ外筒体13に近接して回動可能に取り付けられている。これら内接ローラ17と外筒体13の間には、移動体としての回動筒18が設けられている。回動筒18は、外筒体13と同様の開口部19が周壁に設けられた中空円筒形の部材であって、内接ローラ17に内面を支えられ、外筒体13の内部で外筒体13の内周面に沿って回動することができる。
【0022】
図3に示すように、一方のフランジ12に近接した回動筒18の内面には周方向に沿ってラック20が設けられている。このラック20にはピニオン21が噛み合っており、ピニオン21の駆動軸はフランジ12を貫通して軸支されている。一方、インクジェット印刷装置2の本体側のフレーム22には、駆動手段としてのモータ23が取り付けられている。インクジェットユニット1をインクジェット印刷装置2に正規に取り付けた場合には、このモータ23の駆動軸と、フランジ12から突出したピニオン21の駆動軸が図示しない連結機構で連結されるようになっている。2つの駆動軸を連結した状態でモータ23を駆動すれば、外筒体13の内部で回動筒18を内接ローラ17に沿って回動させることができる。
【0023】
図2又は図4に示すように、回動筒18の内部には、上下動自在のインクジェットヘッド25と、インクタンク26と、インクタンク26からインクジェットヘッド25にインクを供給するインク供給手段27と、インクジェットヘッド25のインク吐出等の動作や上下動の動作を制御するヘッド駆動回路28が設けられている。なお、本実施形態のインクジェットヘッド25は、主走査方向に複数個のノズルが並んだ単体のヘッドを主走査方向に複数個並べて構成したものである。
【0024】
図2に示すように、開口部19が真下にくる印刷位置に回動筒18を設定した際に、インクジェットヘッド25を所定寸法だけ下降させて開口部19から下方に突出させれば、搬送手段4で搬送された用紙に対してインクジェットヘッド25を位置決めして印刷を行なうことができる。インクジェットヘッド25の上下動機構については後述する。
【0025】
図2に示すように、回動筒18の内面には、インクジェットヘッド25をクリーニングするクリーニング手段30が設けられている。このクリーニング手段30は、上面が開口した皿状の部材であり、回動筒18が回動してクリーニング位置に設定された際に、インクジェットヘッド25の下方に設定されて下降したインクジェットヘッド25が挿入され、クリーニングのためにインクジェットヘッド25からパージ動作によって吐出されたインクを受け入れることができる。なお、クリーニング手段30にサッキング手段を設けることにより、インクジェットヘッド25のノズルからインクを吸い出してクリーニング動作を行なえるようにしてもよい。また、クリーニング手段30にはワイピング手段が設けられており、クリーニング中にインクジェットヘッド25のノズル面に付着したインクを除去することができる。
【0026】
なお、図2中に示すように、インクジェットユニット1の一方のフランジ12には、インク排出孔31が設けられている。このインク排出孔31は図示しないフレキシブルホースでクリーニング手段30に接続されている。そして、インクジェットユニット1をインクジェット印刷装置2に正規に取り付けた場合には、このインク排出孔31は、インクジェット印刷装置2に設けられた排出管32に接続されるようになっている。そして、この排出管32は廃インクトレー10に導かれている。従って、クリーニング手段30が機能してインクジェットヘッド25がクリーニングされ、廃インクが発生した場合には、廃インクは図示しないフレキシブルホースからインク排出孔31を経て、排出管32によって廃インクトレー10に排出される。
【0027】
図2に示すように、回動筒18の内面には、インクジェットヘッド25のノズルを封止するキャッピング手段35が設けられている。このキャッピング手段35は、インクジェット印刷装置2を長時間使用しない場合等に使用されるものであり、回動筒18が回動してキャッピング位置に設定された際に、インクジェットヘッド25の下方に設定され、下降したインクジェットヘッド25のノズルをキャッピングすることができる。
【0028】
図2及び図5に示すように、回動筒18の内部には、前述した印刷位置、クリーニング位置及びキャッピング位置に回動筒18をそれぞれ設定するための手段として、各位置に対応する印刷位置検出部A、キャッピング位置検出部B及びクリーニング位置検出部Cと、これら各検出部を検出する第1センサ36が設けられている。
【0029】
第1センサ36が印刷位置検出部Aを検出した場合には、回動筒18は開口部19の中心が真下の位置(6時の位置)に来る印刷位置に設定されるため、インクジェットヘッド25は回動筒18の外側下方に突出することができる。第1センサ36がクリーニング位置検出部Cを検出した場合には、回動筒18はクリーニング手段30が真下の位置(6時の位置)に来るクリーニング位置に設定されるため、クリーニング手段30とは干渉しない位置に設定しておいたインクジェットヘッド25を下降させれば、インクジェットヘッド25をクリーニング手段30に上側から近接させることができる。第1センサ36がキャッピング位置検出部Bを検出した場合には、回動筒18はキャッピング手段35が真下の位置(6時の位置)に来るキャッピング位置に設定されるため、キャッピング手段35とは干渉しない位置に設定しておいたインクジェットヘッド25を下降させれば、インクジェットヘッド25をキャッピング手段35に上側から当接させることができる。
【0030】
なお、第1センサ36が印刷位置検出部Aを検出した場合には、クリーニング手段30は、開口部19から回転方向に90度上昇したほぼ真横の位置にあるが、クリーニング手段30に排出されていない廃インクが残っており、回動筒18が印刷位置に設定された場合に、これがこぼれないようにするためには、開口部19の中央とクリーニング手段30の回転方向についての角度間隔を90度より小さい値、例えば60度程度に設定することが好ましい。その場合には、これに合わせてクリーニング位置検出部Cの位置も適宜変更する必要があるのはもちろんである。
【0031】
図6〜図8を参照して、インクジェットヘッド25の昇降機構と動作について説明する。インクジェットユニット1の基体11を構成する一対のフランジ12,12の内面には、一対のレール37,37が上下方向に沿ってそれぞれ取り付けられている。インクジェットヘッド25は、このレール37に沿って摺動自在に取り付けられており、上下方向に移動可能となっている。また、外筒体13の内側において、一対のフランジ12,12の間には駆動軸38が掛け渡されている。この駆動軸38には、両側の2箇所にピニオン39a,39bが取り付けられ、略中央の1箇所に従動ギア40が取り付けられている。中央の従動ギア40は、フランジ12乃至外筒体13側に固定されたモータ41の駆動ギア42に噛み合わされており、両側の2個のピニオン39a,bは、インクジェットヘッド25の両側部に上下方向に沿って取り付けられた2個のラック43,43に、それぞれ噛み合わされている。従って、モータ41を駆動すれば、駆動軸38が回動し、ピニオン39a,bからラック43,43に駆動力が伝達され、インクジェットヘッド25はレール37,37に沿って上下動することができる。
【0032】
図6〜図8に示すように、外筒体13の内部には、インクジェットヘッド25の最上点を検出する最上点スイッチ44と、最下点を検出する最下点スイッチ45が設けられており、これらのスイッチの出力を利用してモータ41を制御することにより、インクジェットヘッド25の上下方向の移動範囲を両スイッチ44,45間に限定し、他部材との干渉による事故が起きないように構成されている。
【0033】
図6〜図8に示すように、インクジェットヘッド25には、その移動方向である上下方向に沿って4個の検出パターンa,b,c,hが設けられている。また、フランジ12又は外筒体13の側には、これらの検出パターンa,b,c,hを検出する第2センサ46が取り付けられている。4個の検出パターンa,b,c,hは、順に、インクジェットヘッド25の印刷位置と、キャッピング位置と、クリーニング位置と、ホーム位置とをそれぞれ表している。
【0034】
図7に示すように、第2センサが一番下の検出パターンを検出した場合には、インクジェットヘッド25は最も上方の位置であるホーム位置に設定されている。図8に示すように、第2センサが一番上の検出パターンを検出した場合には、インクジェットヘッド25は最も下方の位置である印刷位置に設定されている。
【0035】
(2)インクジェットユニット1の動作乃至機能(図9〜図11)
第1実施形態のインクジェット印刷装置2におけるインクジェットユニット1の動作乃至機能について図9〜図11を参照して説明する。
図9は印字時の状態を示す。回動筒18が印刷位置以外の位置にある場合には、インクジェットヘッド25を破線で示すホーム位置に設定した状態で回動筒18を回動し、第1センサ36が印刷位置検出部A(図5参照)を検出したところで回動筒18を停止させる。図中の白丸Pは回動筒18の相対的な位置を示すために便宜的に示したものであり、印刷位置検出部Aと同位置にあり、図9では12時の位置(真上)に来ている。これで回動筒18は印刷位置に設定され、回動筒18の開口部19の中心はインクジェットヘッド25の真下の位置に来る。ここでインクジェットヘッド25を下降させ、第2センサ46が印刷位置を示す検出パターンaを検出したところで停止させる。インクジェットヘッド25は開口部19から突出した印刷位置に設定され、下方にある搬送手段4が搬送する用紙に対して所定の間隔をおいて位置決めされる。
【0036】
図10はヘッドクリーニング時の状態を示す。回動筒18がクリーニング位置以外の位置にある場合には、インクジェットヘッド25を破線で示すホーム位置に設定した状態で回動筒18を回動し、第1センサ36がクリーニング位置検出部Cを検出したところで回動筒18を停止させる。印刷位置検出部Aに相当する白丸Pは図10中9時の位置に来ている。これで回動筒18はクリーニング位置に設定され、クリーニング手段30はインクジェットヘッド25の真下の位置に来る。ここでインクジェットヘッド25を下降させ、第2センサ46がクリーニング位置を示す検出パターンcを検出したところで停止させる。インクジェットヘッド25は、そのノズル部分がクリーニング手段30の開口から内部に入り込んだクリーニング位置に設定される。ここでインクジェットヘッド25にクリーニング動作を実行させ、ノズルからインクを吐出させることでノズルの詰まりを解消することができる。吐出されたインクはクリーニング手段30内に溜められ、廃インクとして図示しないフレキシブルホースからインク排出孔31を経て、排出管32によって廃インクトレー10に排出される。
【0037】
図11は長期保存乃至ユニット交換時の状態を示す。回動筒18がキャッピング位置以外の位置にある場合には、インクジェットヘッド25を破線で示すホーム位置に設定した状態で回動筒18を回動し、第1センサ36がキャッピング位置検出部Bを検出したところで回動筒18を停止させる。印刷位置検出部Aに相当する白丸Pは図10中概ね2時の位置に来ている。これで回動筒18はキャッピング位置に設定され、キャッピング手段35はインクジェットヘッド25の真下の位置に来る。ここでインクジェットヘッド25を下降させ、第2センサ46がキャッピング位置を示す検出パターンbを検出したところで停止させる。インクジェットヘッド25は、そのノズル部分がキャッピング手段35で封止されるワイピング位置に設定される。これによって、インクジェットヘッド25のノズルは外部に対して遮断されるのでインクの変質等による詰まりが生じにくくなり、長期保存に適した状態となる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットユニット1によれば、インクジェットヘッド25とインクタンク26とインク供給手段27とヘッド駆動回路28が共通の基体11に設けられてユニット化されているので、インクの吐出に関与するこれら構成各部のいずれかに不具合が生じた場合には、ユーザーサイドの対応によってインクジェットユニット1を交換するだけで、インクジェット印刷装置2の印字機能の復旧を迅速かつ容易に行うことができる。また、インクジェットユニット1は、回動可能な円筒形の回動筒18の内面に、クリーニング手段30とキャッピング手段35を備えているので、回動筒18を回動させることにより、インクジェットヘッド25に対して両手段を選択的に位置決めしてインクジェットヘッド25のクリーニング作業とキャッピング作業を簡単に行なえる。すなわち、インクジェットユニット1に吐出不良等の不具合が発生した場合には、ユニットを交換する前にクリーニング手段30でインクジェットヘッド25を清掃して復旧作業を行なうことができ、またインクジェットヘッド25を使用しない場合には、キャッピング手段35でインクジェットヘッド25の吐出ノズルを封止して保管に適した状態とし、不具合の発生を未然に防止することができる。
【0039】
2.第2実施形態(図12、図13)
第2実施形態のインクジェットユニット1について図12及び図13を参照して説明する。このインクジェットユニット1の基本的な構成、機能、作用等は第1実施形態と同一であるので、その説明は第1実施形態の説明を援用して省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0040】
本実施形態では、温度センサ50と加熱手段51と冷却手段52が回動筒18の内部に設けられ、温度センサ50が検出した回動筒18の内部の温度に基づいて、加熱手段51と冷却手段52を選択的に制御することにより、回動筒18の内部の温度をインクジェットヘッド25によるインクの吐出に適した温度に管理することができる。加熱手段51と冷却手段52は、インクジェット印刷装置2の共通電源又はインクジェット印刷装置2に設けた専用の電源53に接続して駆動する。加熱手段51は通電により発熱する通常のヒータで構成でき、冷却手段52はペルチエ素子により構成できる。
【0041】
温度センサ50、加熱手段51及び冷却手段52の数と位置は特に限定しないが、一般に加熱された空気は上昇するので、加熱手段51は相対的に下方に配置し、冷却手段52は相対的に上方に配置することが好ましい。また、温度センサ50は、円筒形の回動筒18の内部の複数位置に複数個を配置し、回動筒18内の温度を偏りなく検出できるようにすることが好ましい。
【0042】
3.第3実施形態(図14〜図16)
第2実施形態のインクジェットユニット1を常時使用可能な状態に維持しながら保管するためのインクジェットユニット1の管理装置60について、図14〜図16を参照して説明する。
図14〜図16に示すように、この管理装置60は箱型の本体61を備えており、その内部には、複数のインクジェットユニット1を着脱可能に収納する複数の保管部62が設けられている。図14及び図15に示すように、本体61の内部には、保管部62に隣接して制御手段63とインク容器64が設けられている。図15に示すように、制御手段63は、保管部62に保管されている各インクジェットユニット1の温度センサ50(図13参照)が検出した温度を管理する温度管理部65と、各インクジェットユニット1が各保管部62に収納されてから現在までの経過時間を各保管部62ごとに管理するタイマー手段としてのタイマー部66と、温度管理部65とタイマー部66により把握された情報を元に各保管部62の各インクジェットユニット1に必要なメンテナンス動作を行わせる駆動部67を有している。図15及び図16に示すインク容器64は、各保管部62の各インクジェットユニット1に必要なメンテナンス動作を行なわせた結果、各インクジェットユニット1のクリーニング手段30から廃インクが排出された場合に、これを受け入れて貯容するための容器である。図15に示すように、保管部62に収納されたインクジェットユニット1と、制御手段63及びインク容器64とは、着脱可能なインターフェース手段68(具体的には信号線やインク配管等)で接続され、後述するように、センサ信号や各種駆動信号及び制御信号の入出力を行い、またインクジェットユニット1からの廃インクをインク容器64に導入したりすることができるようになっている。
【0043】
図16に示すように、管理装置60の本体61には、保管部62に収納されたインクジェットユニット1の回動筒18を回動させる駆動手段としてモータ69が設けられている。各保管部62には、それぞれクラッチ70が設けられており、モータ69と各クラッチ70の入力側とはベルト71で連動連結されている。そして、各クラッチ70の出力側は、各保管部62の所定位置に収納されたインクジェットユニット1のピニオン21の駆動軸(図3参照)に着脱可能に結合されるようになっている。従って、クラッチ70を接続した状態でモータ69を駆動すれば、モータ69の駆動力はベルト71を介してクラッチ70から各インクジェットユニット1の駆動軸に伝達され、ピニオン21を駆動する。そして当該ピニオン21は当該インクジェットユニット1のラック20を移動させて回動筒18を回動させることができる。従って、クラッチ70のON/OFFを適宜選択し、モータ69の駆動量を適宜設定することによって、所望のインクジェットユニット1において回動筒18をクリーニング位置に設定し、クリーニング手段30によるクリーニング動作を行なわせることができる。また、クリーニング後には、キャッピング手段35によってインクジェットユニット1を封止して保管状態にすることもできる。
【0044】
次に、管理装置60におけるインクジェットユニット1のメンテナンス動作について説明する。
図15又は図16に示すように、温度管理部65は、各保管部62に収納されている各インクジェットユニット1の温度センサ50からのセンサ信号を受け、各保管部62ごとに温度を管理している。ある特定の保管部62のインクジェットユニット1に関して、インクの劣化が予想される所定の温度が検出され(又は所定の温度が所定時間継続し)、特定のインクジェットユニット1についてメンテナンス要求が発生したと制御手段63が判断した場合には、当該特定のインクジェットユニット1についてメンテナンス動作を実行する。まず制御手段63は、クラッチ制御信号を出力して当該保管部62のクラッチ70を接続し、モータ制御信号を出力して管理装置60のモータ69を適宜駆動して当該インクジェットユニット1の回動筒18を回動操作する。これによって、キャッピング手段35がインクジェットヘッド25から外され、クリーニング手段30がクリーニング位置に設定されてインクジェットヘッド25に装着される。その後に、制御手段63はインクジェットヘッド駆動信号を出力し、当該インクジェットユニット1のヘッド駆動回路28を作動させ、インクジェットヘッド25を駆動してインクのパージを行なうか、又はクリーニング手段30にインクジェットヘッド25のサッキングを行なわせ、クリーニング動作を実行する。その後、さらにクリーニング手段30のワイピング手段を駆動してインクジェットヘッド25のノズル面を清浄化した後、キャッピング手段35でインクジェットヘッド25を封止する。なお、メンテナンス動作を行い、インクジェットヘッド25から廃インクが排出された場合には、その廃インクはインク容器64に集められて保管される。
【0045】
なお、この実施形態では、インクジェットユニット1に温度センサ50と加熱手段51と冷却手段52が設けられており、温度センサ50が検出した温度に応じて加熱手段51又は冷却手段52を適宜に作動させてユニット内のインクジェットヘッド25におけるインクの温度管理を行なうことができるので、この管理装置60においても、保管中のインクジェットユニット1の加熱手段51と冷却手段52を同様の制御手法で制御して温度を最適に保ち、インクの変質を防ぐようにしてもよい。また、この実施形態では、インクジェットユニット1に温度センサ50が設けられていたが、管理装置60の各保管部62に温度センサを設けておけば、温度センサがないインクジェットユニット1を保管した場合にも温度に基づく管理を行なうことができる。
【0046】
図15又は図16に示すように、制御手段63は、上述した温度による管理の他に経過時間による管理も行なっている。すなわち、制御手段63のタイマー部66は、各インクジェットユニット1が各保管部62に収納されてから現在までの経過時間を各保管部62ごとに管理している。そして、ある特定の保管部62のインクジェットユニット1に関して、インクの劣化が予想される所定の時間が経過したと制御手段63が判断した場合には、その度に当該保管部62についてのタイマー割り込み信号をタイマー部66が発生し、制御部は温度による管理状態の如何に関わらずメンテナンス動作を実行する。図16においては、4箇所の保管部62にそれぞれ保管されたインクジェットユニット1a〜1dについて、それぞれ経過時間の超過をタイマー部66が検出してタイマー割り込み信号(a)〜(d)が発生した状態を示している。メンテナンス動作の内容と実行手順は、温度に基づく上記の場合と同様である。
【0047】
なお、本実施形態の管理装置60で保管するインクジェットユニット1は別に新品のみに限るものではなく、例えばインク色の異なる複数種類の使用途中のインクジェットユニット1を保管しておき、インク色を変える必要に応じて、インクジェット印刷装置2から使用しなくなったインク色のインクジェットユニット1を取り出し、管理装置60から必要色のインクジェットユニット1を取り出してインクジェット印刷装置2に装着して使用に供し、インクジェット印刷装置2から取り出したインクジェットユニット1については管理装置60に保管してインクの変質を防ぐように管理することができる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の管理装置60によれば、温度センサ50からの温度情報とタイマー手段からの経過時間情報に基づき、保管部62に収納されているインクジェットユニット1のうちからメンテナンス動作が必要なものを判断し、そのインクジェットユニット1を駆動操作して必要なメンテナンス動作を行なうことができる。従って、管理装置60に保管されているインクジェットユニット1は、時間の経過や温度の如何に関わらず常に良好な状態に管理されるため、使用中のインクジェット印刷装置2においてインクジェットユニット1に不具合が発生した場合、これと交換するためにいつでも使用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…インクジェットユニット
2…画像形成装置としてのインクジェット印刷装置
10…廃インクトレー
11…インクジェットユニットの基体
12…基体を構成するフランジ
13…基体を構成する外筒体
18…インクジェットユニットの移動体である回動筒
19…回動筒の開口部
23…回動筒の駆動手段であるモータ
25…インクジェットヘッド
26…インクタンク
27…インク供給手段
30…クリーニング手段
30…キャッピング手段
50…温度センサ
51…加熱手段
52…冷却手段
60…管理装置
61…管理装置の本体
62…管理装置の保管部
63…管理装置の制御手段
65…制御手段の温度管理部
66…制御手段のタイマー手段であるタイマー部
A…印刷位置検出部
B…キャッピング位置検出部
C…クリーニング位置検出部
a…印刷位置の検出パターン
b…キャッピング位置の検出パターン
c…クリーニング位置の検出パターン
h…ホーム位置の検出パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット印刷装置に対して着脱可能とされた基体と、
前記基体の内部に回動可能に設けられ、周面に開口部が設けられた円筒形の移動体と、 前記移動体の内部に上下動自在となるように設けられ、前記移動体が回動して印刷位置に設定された際に前記移動体の前記開口部を介して被印刷体に対面するインクジェットヘッドと、
前記移動体の内部に設けられたインクタンクと、
前記移動体の内部に設けられて前記インクタンクから前記インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給手段と、
前記移動体の内面の第1の所定位置に取り付けられ、前記移動体が回動してクリーニング位置に設定された際に前記インクジェットヘッドの下方に設定されて前記インクジェットヘッドをクリーニングするクリーニング手段と、
前記移動体の内面の第2の所定位置に取り付けられ、前記移動体が回動してキャッピング位置に設定された際に前記インクジェットヘッドの下方に設定されて前記インクジェットヘッドをキャッピングするキャッピング手段と、
を有することを特徴とするインクジェットユニット。
【請求項2】
印刷時には、印刷位置に設定された前記移動体の前記開口部から前記インクジェットヘッドが下方に突出するように下降して被印刷体に対して位置決めされ、
クリーニング時には、クリーニング位置に設定された前記移動体の前記クリーニング手段に前記インクジェットヘッドが下降して接触することにより前記インクジェットヘッドの吐出口を前記クリーニング手段でクリーニングし、
キャッピング時には、キャッピング位置に設定された前記移動体の前記キャッピング手段に前記インクジェットヘッドが下降して接触することにより前記インクジェットヘッドの吐出口を前記キャッピング手段でキャッピングすることを特徴とする請求項1記載のインクジェットユニット。
【請求項3】
前記移動体の内部に温度センサと加熱手段と冷却手段が設けられ、前記温度センサが検出した前記移動体の内部の温度に基づいて前記加熱手段と前記冷却手段を制御することにより、前記移動体の内部の温度を前記インクジェットヘッドによるインクの吐出に適した温度に管理することを特徴とする請求項2記載のインクジェットユニット。
【請求項4】
請求項1に記載のインクジェットユニットを常時使用可能な状態に維持管理するためのインクジェットユニットの管理装置において、
インクジェットユニットを着脱可能に収納する複数の保管部を備えた本体と、
前記各保管部ごとに温度を検出する温度センサと、
前記インクジェットユニットが前記保管部に収納されてから現在までの経過時間を前記各保管部ごとに管理するタイマー手段と、
前記保管部に収納された前記インクジェットユニットの前記移動部を回動させる駆動手段と、
前記温度センサからの温度情報と前記タイマー手段からの経過時間情報の少なくとも一つに基づき、前記保管部に収納されている前記インクジェットユニットのうちからメンテナンス動作が必要な前記インクジェットユニットを判断し、メンテナンス動作が必要な前記インクジェットユニットの前記移動部を駆動するように前記駆動手段を制御する制御信号と、メンテナンス動作が必要な前記インクジェットユニットの前記インクジェットヘッドを駆動する制御信号を出力する制御手段と、
を具備することを特徴とするインクジェットユニットの管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−71528(P2012−71528A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219229(P2010−219229)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】