説明

インクジェット用非水系インク組成物

【課題】ワイピング耐久性及び画像濃度に優れるインクジェット用非水系顔料インクを提供することを目的とする。
【解決手段】
インクジェット記録用の非水系インク組成物であって、少なくとも
(A)顔料と、(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体と、(C)有機溶剤と、(D)塩基性化合物と、を含む組成物であり、
前記(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体は
炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、
ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位と、
酸性基を有する(メタ)アクリレート単位と、
を含むアクリルポリマーである、非水系インク組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット用非水系インク組成物およびインクジェット用非水系インク用顔料分散剤に関し、特に、ワイピング耐久性に優れ、高い画像濃度を得ることができる、インクジェット用非水系インク組成物および顔料分散剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録システムに用いられるインクの色材としては、顔料を利用したものと染料を利用したものに大別されるが、耐候性、耐水性に優れていることから、顔料を色材とするインクが増加する傾向にある。
【0003】
溶剤からみると、インクは大きく、水系タイプと非水系タイプに大別されるが、非水系インクは、水系にくらべ乾燥性が良くコックリングがない特徴から、高速印刷に適している。
【0004】
非水系タイプのインクの顔料分散剤としては溶剤に溶解するタイプと、溶剤に分散するタイプに大別することができるが、溶剤に溶解するタイプの顔料分散剤を用いたインクの場合、顔料分散剤は顔料だけでなく、溶剤との親和性も高いために、着弾後、溶剤が記録媒体に浸透する際に、顔料も記録媒体内部に引きこまれやすい傾向にある。その結果、画像濃度が低くなり、裏抜けが発生しやすい。
【0005】
そこで、溶剤に分散するタイプの顔料分散剤を用いた非水系インク組成物として、顔料、顔料分散剤、有機溶剤を含み、前記顔料分散剤が炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアクリル系ポリマーであって、前記アクリル系ポリマーは、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートとを含むモノマー混合物の共重合体である、非水系インク組成物が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−001452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記非水系インク組成物では、高い画像濃度を得ることはできるが、ノズルプレートに対するワイピング耐久性は不十分であった。
【0008】
本発明者の検討により、ノズルプレートのワイピング耐久性が悪化する原因は、ノズルプレートに付着したインク中の顔料が研磨剤となり、ヘッドクリーニングのためのワイピング動作によって、ノズルプレートの撥インク膜が削られるためであることがわかった。
顔料の中でも特にカーボンブラックで、ワイピング耐久性の悪化が顕著であることがわかった。
【0009】
本発明は、高い画像濃度を確保しつつ、ワイピング耐久性の点で、さらに改良された非水系インク組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によれば、インクジェット記録用の非水系インク組成物であって、少なくとも、(A)顔料と、(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体と、(C)有機溶剤と、(D)塩基性化合物と、を含むことを特徴とする非水系インク組成物であり、
前記(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位と、酸性基を有する(メタ)アクリレート単位と、を含むアクリルポリマーである、非水系インク組成物が提供される。
【0011】
本発明の別の側面によれば、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位と、酸性基を有する(メタ)アクリレート単位と、を含むアクリルポリマーであり、前記酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体の酸性基は塩基性化合物で中和されていることを特徴とする、非水系インク組成物用顔料分散剤が提供される。
【0012】
前記インクジェット用非水系インク組成物でワイピング耐久性が向上する理由については定かではないが、前記酸性基が塩基性化合物で中和された状態で、(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体が顔料表面に吸着することで、顔料とノズルプレートの接触が抑制され、ノズルプレートの撥インク膜が顔料に削られにくくなり、ワイピング耐久性が改善するものと推測される。酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体は塩基性化合物を結合することにより立体障害が大きくなり、顔料とノズルプレートの接触をより抑制しているものと推測する。
【発明の効果】
【0013】
上記本発明のインクジェット用非水系インク組成物(以下、単に「インク組成物」という場合がある)は、(A)顔料と(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体と(C)有機溶剤と(D)塩基性化合物の組み合わせによって、高い濃度の画像を形成することができると共に、ノズルプレートに対するワイピング耐性を向上する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<(A)顔料>
本発明で使用する(A)顔料は、任意のものであってよい。好ましくは、本発明の効果がより顕著である点で、黒色インク用の顔料が使用される。斯かる顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類;銅、鉄、酸化チタン等の金属類または金属酸化物;オルトニトロアニリンブラック等の有機顔料を挙げることができる。これらは単独で、任意に混合して使用することができる。より高い印刷濃度を得られる点で、JIS K6221に従い測定されるジブチルフタレート(DBP)給油量が80cm/100g〜140cm/100g、且つJIS K6217に従い測定される窒素吸着比表面積が100m/g〜200m/gのカーボンブラック顔料が好ましい。
【0015】
顔料の平均粒径は、吐出安定性と貯蔵安定性の観点から300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。ここで、顔料の平均粒径は、動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500(堀場製作所製)等により測定することができる。
【0016】
インク組成物中の顔料の含有量は、通常0.1〜20重量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から1〜15重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることが一層好ましい。0.1重量%より少ないと十分な画像濃度がされにくく、20重量%より多いと吐出安定性や貯蔵安定性が確保されにくくなる。
【0017】
<(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体>
本発明で使用する(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位と、酸性基を有する(メタ)アクリレート単位と、を含むアクリルポリマーであり、(B1)炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、(B2)アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートと、(B3)酸性基を有する(メタ)アクリレートと、を含むモノマー混合物の共重合体において、前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールと多価イソシアネート化合物との反応により前記ウレタン基が導入されたものが好ましい。前記ウレタン基部は極性が高いため(A)顔料との親和性に優れると考えられる。
【0018】
前記(B1)炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソラウリル(メタ)アクリレート、イソ(メタ)ステアリルアクリレートなどが挙げられる。前記炭素数12以上のアルキル基を備えることにより、(C)有機溶剤との親和性に優れる。
【0019】
前記(B1)炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、単量体総重量(幹ポリマー重量)の30重量%以上で含まれていることが好ましく、より好ましくは40〜95重量%、最も好ましくは50〜90重量%である。
【0020】
前記(B2)アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートにおける、アミノ基と反応しうる官能基としては、グリシジル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、これらのうち、グリシジル基が好ましい。
【0021】
前記(B2)アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらのうち、グリシジルメタアクリレートが好ましい。
【0022】
前記(B2)アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートは、単量体総重量(幹ポリマー重量)の1〜30重量%で含まれていることが好ましく、より好ましくは3〜25重量%、最も好ましくは10〜20重量%である。
【0023】
前記(B3)酸性基を有する(メタ)アクリレートにおける酸性基としては、カルボキシル基、リン酸性基、リン酸エステル基、スルホン基等があげられ、これらのうち、カルボキシル基が好ましい。
【0024】
前記(B3)酸性基を有する(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられ、これらのうち、メタクリル酸が好ましい。
【0025】
前記(B3)酸性基を有する(メタ)アクリレートは、単量体総量(幹ポリマー総量)の0.1〜15重量%で含まれていることが好ましく、より好ましくは0.3〜10重量%、最も好ましくは1〜5重量%である。0.1重量%より少ないと十分なワイピング耐久性が確保されにくく、15重量%より多いと貯蔵安定性が確保されにくい。
【0026】
前記ウレタン基部は、(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体の調製における第一段目の反応において、(B1)炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、前記(B2)アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートと、前記(B3)酸性基を有する(メタ)アクリレートと、を用いてラジカル重合を行い、第二段目の反応で、アミノ基と反応しうる官能基とアルコール性水酸基とを有する化合物を第一段目で得られた共重合体と反応させ、第三段目の反応で、アルコール性水酸基と多価イソシアネート化合物とを反応させることにより得ることができる。
【0027】
さらに、コモノマーとして、β−ジケトン基(−C(=O)−C−C(=O)―)またはβ−ケト酸エステル基(−C(=O)−C−C(=O)OR、Rは炭化水素基)を有する(メタ)アクリレートを用いると、より粘度が低いインクを調製することが可能となる。これにより、インクの溶剤を選択する際に、溶剤自身の粘度値に基づく制約が少なくなり、非水系溶剤の選択の幅を拡げることができる。また、必要に応じて定着用樹脂または添加剤などを配合する際の、配合成分によるインク粘度増加の許容範囲が広がり、インク処方の自由度を広げることも可能となる。さらに、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基が顔料の凝集を抑制し、裏抜けを抑制すると同時に印刷濃度の向上を実現できる。
【0028】
β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリレートとしては、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
【0029】
β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリレートの配合量は、モノマー混合物中に3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
【0030】
その他、コモノマーとしては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系ポリマー;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−オレフィン等が挙げられる。また、アルキル鎖長の炭素数が12未満のアルキル(メタ)アクリレート、たとえば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート等を使用することもできる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0031】
上記の各モノマーは、公知のラジカル共重合により、容易に重合させることができる。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。
この場合、重合後のアクリル系ポリマーの分子量を上述した好ましい範囲とするために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
【0032】
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂(株)製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。
溶液重合に用いる重合溶媒には、たとえば石油系溶剤(アロマフリー(AF)系)などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶媒(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。
重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
【0033】
次に、得られた共重合体(幹ポリマー)において、アミノ基と反応しうる官能基とアルコール性水酸基とを有する化合物と多価イソシアネート化合物との反応により、ウレタン基を導入する。アミノ基と反応しうる官能基とアルコール性水酸基とを有する化合物としては、アミノアルコールが好ましく用いられる。アミノアルコールのアミノ基がアミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートにおける、アミノ基と反応しうる官能基と反応して結合する。そして、このアミノアルコールの水酸基に、多価イソシアネート化合物のイソシアン酸エステル基(RN=C=O)がR−OHと付加反応し、ウレタン基(ウレタン結合)(カルバミン酸エステル:RNHCOOR)が得られる。
ここでR−は、幹ポリマーの官能基に結合したアミノアルコール部を示す。
上記により、顔料吸着能を持たない幹ポリマーに対して、顔料吸着基として作用するウレタン基が導入される。
【0034】
アミノアルコールとしては、モノメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等を例示できる。なかでも、2個のアルコール性水酸基を提供して形成されるウレタン基の数を増やせることから、一般式(HOR)NH(Rは2価の炭化水素基)で示されるジアルカノールアミン(2級アルカノールアミン)であることが好ましい。これらのアミノアルコールは、複数種を組み合わせて用いることもできる。
【0035】
このアミノアルコールは、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートのアミノ基と反応しうる官能基に対し、適切な量のウレタン基を導入する観点から、0.05〜1モル当量で反応させることが好ましく、0.1〜1モル当量で反応させることがより好ましい。アミノアルコールが1モル当量より少ない場合は、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートにおいて未反応の官能基が残ることになるが、残った官能基は顔料の吸着基として作用すると考えられる。
【0036】
多価イソシアネート化合物としては、シクロアルキレン基等の脂環式基又はアリレーン基等の芳香族基を有する多価イソシアネート、例えば、1,6−ジイソシアナートへキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、及びこれらの混合物が挙げられる。前記イソシアネート化合物は、未反応アルコール性水酸基が残らないようにするために、アルコール性水酸基に対してほぼ当量(0.98〜1.02モル当量)で反応させることが好ましい。
【0037】
このようにして、溶剤に可溶な共重合体部(幹ポリマー)に対し、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートに結合したアミノアルコールを基点として、溶剤に不要なウレタン側鎖部(グラフト部)が形成され、これが分散粒子核を形成する。このプロセスによって、最終的に、溶剤に溶媒和可能なシェル構造体(幹ポリマー)にくるまれた共重合体が形成される。
【0038】
上記の反応において、さらに多価アルコールを加え、多価アルコールと多価イソシアネート化合物とを反応させることも好ましい。多価アルコールの添加により、ウレタン基の形成が繰り返されて、より極性の高い側鎖となるポリウレタン側鎖(枝ポリマー)を得ることができる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、複数種を使用することもできる。
多価アルコールは、アミノアルコールに対して多価アルコールは0〜20モル当量で反応させることが好ましく、1〜10モル当量で反応させることがより好ましい。
【0039】
アクリル系ポリマーにおける共重合体部(幹ポリマー)と、導入されたウレタン基部(枝または枝ポリマー)との質量比率は、60:40〜99:1であることが好ましく、70:30〜99:1であることがより好ましい。アクリル系ポリマーにおける共重合体部の質量は、共重合に使用したモノマーの合計質量であり、導入されたウレタン基部の質量とは、反応に使用したアミノアルコールと多価イソシアネート化合物の質量であり、多価アルコールを使用した場合はこれも加えた合計質量である。
【0040】
前記ウレタン基部は、例えば、下記式(1)、(2)、(3)又はこれらの組み合わせで表される構造を有する。即ち、ウレタン基部は、ウレタン結合を2つ備え、アミノアルコール又は多価アルコール残基を介して両端が式(4)で表されるポリ(メタ)アクリレート鎖に結合された架橋部を構成する。
【0041】
【化1】

式(1)
(式(1)においてRは、炭素数2〜10のアルキレン基であり、Rは炭素数6〜16の2価の炭化水素基であり、kは0又は1、mは1又は2、nは0又は1である。)
【0042】
【化2】

式(2)
(式(2)においてRは炭素数2〜20のアルキレン基又はオキシアルキレン基。)
【0043】
【化3】

式(3)
【0044】
【化4】

式(4)
【0045】
前記ウレタン基部は、(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体中に、1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%で、より好ましくは5〜20重量%で含まれる。前記ウレタン基部の重量は、反応に使用したアミノアルコール、多価アルコールとイソシアネート化合物の合計重量である。
【0046】
(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体は、GPCで測定される重量平均分子量が5000〜50,000、好ましくは8000〜30,000である。前記分子量が前記下限値未満のものを使用すると、インク組成物の貯蔵安定性が悪くなる傾向があり、前記上限値を超えるものを使用すると、インク組成物の粘度が高く、インクジェット吐出安定性が悪くなる傾向がある。また、動的光散乱法で測定される平均粒径(D50)が50〜300nm、好ましくは70〜200nm、である。
【0047】
インク組成物中の(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量は、0.1重量〜20重量%であることが好ましく、2〜15重量%以上であることがより好ましく、3〜10重量%であることが一層好ましい。0.1重量%未満の場合、十分な顔料分散性が確保しにくく、20重量%より多い場合、インクの粘度が高くなるばかりでなく、高温環境下での保存安定性が悪くなる恐れがある。
【0048】
<(C)有機溶剤>
本発明で使用する有機溶剤は、非極性溶剤も極性溶剤も使用可能であるが、30〜70重量%の非極性溶剤と70〜30重量%の極性溶剤から構成することが好ましく、40〜60重量%の非極性溶剤と60〜40重量%の極性溶剤とから構成することがよりこのましい。有機溶剤は、炭素数12以上30未満の有機溶剤が好ましい。炭素数が12未満の有機溶剤は揮発しやすいため、安全性の観点から好ましくない。50%留出点が150℃以上のものが好ましく使用される。50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定される、重量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。より好ましくは、50%留出点が160℃以上、最も好ましくは230℃以上のものを用いる。炭素数が30以上の有機溶剤は粘度が高いものが多く、吐出しにくくなるため好ましくない。
【0049】
前記有機溶剤の例には、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の非極性有機溶剤と、エステル系溶剤、アルコール系溶剤等の極性溶媒が包含される。
【0050】
脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、日本石油(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、IsoparH、IsoparL、IsoparM、ExxsolD40、ExxsolD80、ExxsolD100、ExxsolD130、ExxsolD140」等を挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、日本石油(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を挙げることができる。
【0051】
エステル系溶剤としては、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等を挙げることができる。好ましくはエステル系溶剤、なかでもイソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、ラウリル酸ヘキシルが使用される。
【0052】
アルコール系溶剤としては、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等を挙げることができる。
【0053】
インク組成物中の有機溶剤の含有量は、通常60〜99重量%であり、70〜95重量%であることが好ましく、80〜90重量%であることが一層好ましい。
【0054】
<(D)塩基性化合物>
本発明で使用する塩基性化合物は、(B)の酸性基を中和可能な油溶性アミン化合物であれば特に限定されないが、代表的には、アルキルアミンが挙げられる。かかるアルキルアミンは、1分子中に1個のアミノ基と、前記アミノ基に結合した1〜3個のアルキル基を含む化合物、すなわち、1級、2級及び3級アミン化合物のいずれかであることが好ましく、そのアルキル基は炭素数8以上の長鎖アルキル基であることが好ましい。
【0055】
インク組成物中の前記塩基性化合物の含有量は、通常0.001〜10重量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から0.01〜1重量%であることが好ましく、0.03〜0.5重量%であることが一層好ましく、(B)の酸性基に対し0.1〜2モル当量で中和できる含有量が好ましい。
【0056】
アルキルアミンの具体例としては、ジオクチルアミン、ジラウリルメチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミンなどが挙げられる。アルキルアミンの分子量は、150〜800が好ましい。
【0057】
<任意成分>
本発明のインクは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意の成分を含むことができる。たとえば、上記(B)成分以外の樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を含むことができる。
【0058】
ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを適宜添加することもできる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当前記分野で使用されているものを用いることができる。
【0059】
本発明のインク組成物は、ビーズミル等の分散機に、(A)成分、(B)成分と(C)成分の混合物、及び(D)成分、インク組成物の粘度を調整するための追加の(C)成分、所望により任意成分、を一括又は分割して加えて攪拌・混合し、所望により、メンブレンフィルター等によりろ過することによって得られる。
【0060】
インクの粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが、最も好ましい。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
【0061】
本発明のインク組成物を適用するインクジェット記録装置は、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本発明に係るインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
【0062】
<(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体の調製>
300mlの四つ口フラスコに、AF−4(ナフテン系溶剤;新日本石油(株)製)70.4gを入れ、窒素ガスを通気し、攪拌しながら110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながら、前記四つ口フラスコに、表1に示す混合物を入れ、そこへ16.7gのAF−4と4gのパーブチル O(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)との混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間および2時間後に、パーブチル Oを各0.2g添加した。さらに110℃で1時間熟成を行い、12.9gのAF−4で希釈して、固形分50%の無色透明の共重合体溶液を幹ポリマーとして得た。
【0063】

【0064】
500mLの四つ口フラスコに、上記幹ポリマー100g(固形分50g)、IPIS(イソステアリン酸イソプロピル、日光ケミカルズ(株)製)84.3g、プロピレングリコール0.86g、ジエタノールアミン1.05gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。110℃に1時間保ち、共重合体のグルシジル基とジエタノールアミンとを反応させた。得られた反応物に、ジブチル錫ジラウレートを0.08g添加し、3.84gのタケネート600(1,3−ビス(イソシアネトメチル)シクロヘキサン、三井化学ポリウレタン(株)製)と、34.56gのIPISの混合物を1時間かけて滴下した。滴下後、温度を120℃に昇温して6時間反応させ、冷却して、AF−4(ナフテン系溶剤;新日本石油(株)製)を83.01g加え、固形分25%の白濁した非水分散液を得た。得られた共重合体のウレタン基部は、共重合体の約10重量%であった。
【0065】

【0066】
<実施例1〜4、比較例1〜4>
表3に示す処方に従い、各成分をガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)80gを入れ、ロッキングミル(セイワ技研製 RM05S型)を用いて周波数60Hzで2時間運転し、インク組成物を調製した。表3及び4において、商品名で示す物の詳細は以下のとおりである。
MA−100:カーボンブラック、DBP吸油量100cm/100g、窒素吸着比表面積110m/g、三菱化学社製
S28000(ソルスパース28000):ポリアミド系分散剤、ルブリゾール社製
DOA:ジオクチルアミン、和光純薬工業株式会社製
TOA:トリオクチルアミン、和光純薬工業株式会社製
AF−4:ナフテン溶剤、新日本石油株式会社製
IPIS:エステル溶剤、日光ケミカルズ株式会社製
リソノール16SP:アルコール溶剤、高級アルコール工業株式会社製
【0067】
得られたインク組成物について、以下の方法により評価を行った。結果を表3に示す。
【0068】
<画像濃度および裏抜けの評価>
各インク組成物を、インクジェットプリンター「HC5500」(商品名:理想科学工業(株)製)に装填し、普通紙(理想用紙薄口(商品名:理想科学工業(株)製)に1ドット30pLの液滴量で300dpi×300dpiのベタ画像を形成した。得られたベタ画像の表面と裏面のOD値を、光学濃度計(RD920、マクベス社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。表面のOD値が高ければ画像濃度が高く、裏面のOD値が低ければ裏抜けが少ないために、それぞれ好ましい。
画像濃度(表OD)
A:1.15以上、B:1.08以上1.15未満、C:1.08未満
裏抜け(裏OD)
A:0.29未満、B:0.29以上〜0.35未満、C:0.35以上
【0069】
<ワイピング耐久性の評価>
上記吐出安定性の試験後、ヘッドメンテナンスのノーマルクリーニングにより、ヘッドクリーニングを所定の回数実施し、ワイピングブレードが接した部分の撥インク性を目視評価した。
A:ワイピングブレードが接した全ての部分の撥インク性が保たれていた。
B:ワイピングブレードが接した一部分の撥インク性が低下していた。
C:ワイピングブレードが接した全ての部分の撥インク性が低下していた。
【0070】
<貯蔵安定性の評価>
各インクを密閉容器に入れて、70℃の環境下で4週間放置した後、インクの粘度変化を測定し、その測定結果を以下のように評価した。
粘度変化率:
[(4週間後の粘度×100)/(粘度の初期値)]−100(%)
A:粘度変化率の絶対値が5%未満
B:粘度変化率の絶対値が5%以上10%未満
C:粘度変化率の絶対値が10%以上
【0071】
<吐出安定性の評価>
インクジェットプリンター「HC5500」(商品名:理想科学工業(株)製)を用いて、主走査方向約51mm(ノズル600本分)×副走査方向260mmの7dropベタ画像を、100枚連続して印刷した。インクの不吐出による非印字部分は白いスジとなって観察されるが、この白スジが100枚の印刷物(延べでノズル6万本に相当)中に何本発生するかによって、吐出安定性を以下のように評価した。
A:0本
B:1本以上5本未満
C:5本以上
【0072】

【0073】
表3に示すように、酸性基をもたないアルキル(メタ)アクリレート共重合体を分散剤とした比較例1および比較例2ではワイピング耐久性が悪かった。ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛型構造のポリアミド系分散剤を用いた比較例3では、ワイピング耐久性が悪いうえに、画像濃度および裏抜けも劣った。酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体を分散剤としても、塩基性化合物を含んでいない比較例4では、ワイピング耐久性が悪かった。
これらに対し、本発明のインク組成物を含む実施例は、幹ポリマー原材料におけるアクリル酸配合量が多かった実施例4では貯蔵安定性が若干劣ったものの、画像濃度、ワイピング耐久性、貯蔵安定性はいずれも優れていた。
【0074】
本発明のインクジェット用非水系インク組成物は、優れたワイピング耐久性を持ち、高い濃度の画像を形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット記録用の非水系インク組成物であって、少なくとも
(A)顔料と、
(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体と、
(C)有機溶剤と、
(D)塩基性化合物と、
を含むことを特徴とする非水系インク組成物であり、
前記(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体は
炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、
ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位と、
酸性基を有する(メタ)アクリレート単位と、
を含むアクリルポリマーである、非水系インク組成物。
【請求項2】
前記(B)酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体は
(B1)炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、
(B2)アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートと、
(B3)酸性基を有する(メタ)アクリレートと、
を含むモノマー混合物の共重合体において、前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールと多価イソシアネート化合物との反応により前記ウレタン基が導入されたものであり、かつ、前記アクリル系ポリマーにおける前記共重合体部と導入された前記ウレタン基部との質量比率は、60:40〜99:1である、請求項1に記載の非水系インク組成物。
【請求項3】
前記モノマー混合物において、(B2)アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレートが1〜30重量%含まれていることを特徴とする請求項1〜2の何れか1項に記載の非水系インク組成物。
【請求項4】
前記モノマー混合物において、(B3)酸性基を有する(メタ)アクリレートが、1〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の非水系インク組成物。
【請求項5】
前記モノマー混合物がさらにβ―ジケトン基またはβ―ケト酸エステル基を有するモノマーを含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の非水系インク組成物。
【請求項6】
前記アミノ基と反応しうる官能基はグリシジル基であることを特徴する請求項1〜5の何れか1項に記載の非水系インク組成物。
【請求項7】
前記酸性基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の非水系インク組成物。
【請求項8】
前記酸性基が、0.1〜2モル当量の(D)塩基性化合物で中和されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の非水系インク組成物。
【請求項9】
前記(C)有機溶剤が炭素数12以上30未満の有機溶剤であり、30〜70重量%の非極性溶剤と70〜30重量%の極性溶剤から構成することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の非水系インク組成物。
【請求項10】
炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、
ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位と、
酸性基を有する(メタ)アクリレート単位と、
を含むアクリルポリマーであり、前記酸性基をもつアルキル(メタ)アクリレート共重合体の酸性基は塩基性化合物で中和されていることを特徴とする、非水系インク組成物用顔料分散剤。

【公開番号】特開2012−46680(P2012−46680A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191701(P2010−191701)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】