インクジェット記録ヘッド用基板及び該基板を備えたインクジェット記録ヘッド
【課題】限られたサイズの基板の中に接続パッドを効率良く配置することが可能なインクジェット記録ヘッド用基板を提供する。
【解決手段】インクジェット記録ヘッド用基板100には長手方向に延びたインク供給口106が形成されている。基板100は、インク供給口106の長手方向に対して交わる方向に延びた第1の辺(基板短辺)に沿って配列された第1の電気接続端子である接続パッド105を有している。基板100は、インク供給口106の長手方向に沿って延びた第2の辺(基板長辺)に沿って配列された第2の電気接続端子である接続パッド101,102をさらに有している。接続パッド101,102は、インク供給口106の長手方向におけるインク供給口106の端部と基板短辺との間の領域に設けられている。
【解決手段】インクジェット記録ヘッド用基板100には長手方向に延びたインク供給口106が形成されている。基板100は、インク供給口106の長手方向に対して交わる方向に延びた第1の辺(基板短辺)に沿って配列された第1の電気接続端子である接続パッド105を有している。基板100は、インク供給口106の長手方向に沿って延びた第2の辺(基板長辺)に沿って配列された第2の電気接続端子である接続パッド101,102をさらに有している。接続パッド101,102は、インク供給口106の長手方向におけるインク供給口106の端部と基板短辺との間の領域に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録ヘッド用基板及び該基板を備えたインクジェット記録ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェット方式に従う記録装置に搭載される記録ヘッドの電気熱変換素子(ヒータ)とその駆動回路及び配線は、特許文献1に示されているように、半導体プロセス技術を用いて同一基板上に形成されている。
【0003】
図8及び図9は、従来技術によるインクジェット記録ヘッド用基板を表す模式図である。
【0004】
図8と図9は同一の基板を表している。図9はヒータ駆動電源配線とそのグランド配線を主に示しており、図8はその配線の下にあるヒータドライバやロジック配線を主に示している。
【0005】
まず図8から説明すると、基板の中央にはインク供給口106があり、それを挟んで両側にヒータ列107が配列されている。ヒータ列107の後部にはヒータを駆動するためのドライバアレイ501が配置されており、その後部にはロジック配線及びロジック回路502が配置されている。基板の短辺縁近傍には複数の接続パッド505が配置されている。接続パッド505とインク供給口106との間には、シフトレジスタ503やデコーダ504を始め、図示しない温度センサなどが配置されている。
【0006】
図9において、符号603はヒータドライバアレイ上に設けられたヒータ駆動用電源配線を示している。また、符号604はロジック部上に設けられたグランド配線を示している。それぞれの配線はヒータ駆動用接続パッド601、グランド用接続パッド602を通して外部と接続される。
【0007】
配列されているどのヒータに対しても配線抵抗をほぼ同一とするために、電源配線はヒータの駆動ブロックごとに分割されている。それぞれの配線は、抵抗値が一定となるように接続パッドからの距離に応じて幅が異なっている。いずれの駆動ブロックも同時に駆動されるヒータは1本なので、配線抵抗による電圧降下はどこのヒータでも一定となる。
【0008】
また、電源接続パッドが基板の片側だけだとすると、基板の反対側まで上記の方法で配線していくと配線幅が増大しすぎる。そのため、図9に示すように基板上の電源配線は上下対称となっている。したがって、基板の両側の短辺縁近傍にヒータ駆動用電源及びグランド用の端子が必要になる。
【0009】
電源系の接続パッド601,602以外のパッドは、ヒータ駆動用のヒートイネイブル端子やデータ入力端子、ラッチ、クロック、ロジック電源、温度センサ端子、ランク測定端子などに使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−138428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、インクジェット記録装置は記録解像度と記録速度の著しい向上が求められている。そのために、インクジェット記録ヘッド用基板は、ヒータやロジックの高密度配置とヒータ数そのものを増やす長尺化が必要となっている。また同時に、基板そのものの高機能化も求められているため、ヒューズ回路の内蔵やきめ細かい温度制御のための複数の温度センサなども必要になってきている。
【0012】
以上のような構成を取ろうとすると、外部への接続パッド数が多くなってくる。詳しく述べると、必要なヒータ数が増えてくるとそれに伴ってロジック回路が増えるため、基板外部への接続パッドの数が増える。また、上記のような高機能化を行うと、ヒューズ読み書きのためのパッドや温度センサの出力パッドも追加される。
【0013】
すると、基板端部の接続パッド領域にパッドが入りきらなくなる問題があった。中でも、インク供給口が一列でかつノズル数が多いブラックインク用の基板においては、基板の幅が小さいためパッド領域の不足が顕著になりやすい。
【0014】
図10に示すようにパッドが並んでいる短辺側の基板サイズを大きくすれば必要なパッドを入れることができるが、基板のサイズが大型化するとともにコストが高くなってしまう。
【0015】
また、図11に示すように基板の長辺側に必要な接続パッド701を配置すると、長辺のパッド以外の領域702は無駄なスペースとなって、結局基板サイズが大きくなってしまう。これは、接続パッドの下にはロジック回路や配線を配置することができないため、従来の基板を拡張して下地に何もない部分をパッドとして使う必要があるためである。加えて、基板の長辺側に接続パッドがあると、ノズル表面の付着インクを拭うワイピング動作の妨げになるため好ましくない。
【0016】
また、パッドのサイズや配列ピッチを小さくしてより多くのパッドを設けるという対処法も考えられるが、この対処法では配線接続部分でショートを起こしやすいなど実装の信頼性や歩留まりを低下させる原因となりやすく、その効果には限界がある。また、パッドの配置ピッチを狭くするとパッドに接続される電源配線の幅も狭くなるため、配線抵抗が大きくなるという問題もある。
【0017】
本発明は、限られたサイズの基板の中に接続パッドを効率良く配置することが可能なインクジェット記録ヘッド用基板及び該基板を備えたインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッド用基板は、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数のエネルギー発生体からなる列と、前記複数のエネルギー発生体にインクを供給するための、前記列に沿って配されたインク供給口と、が設けられたインクジェット記録ヘッド用基板であって、前記列と前記インク供給口とはそれぞれ前記基板の長手方向に延びる様に設けられており、前記長手方向に関して交差する交差方向に延びた、前記基板の第1の辺、に沿って近くに配された、前記複数のエネルギー発生体と電気的に接続された第1の端子と、前記長手方向に関する前記インク供給口の前記第1の辺に近い側の端部を通り前記交差方向に延びる仮想の線と前記第1の辺との間の領域において、前記長手方向に延びた前記基板の第2の辺の近くに配された、前記複数のエネルギー発生体と電気的に接続された第2の端子と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、限られたサイズの基板の中に接続パッドを効率良く配置することが可能なインクジェット記録ヘッド用基板及び該基板を備えたインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明が適用できるインクジェット記録装置の概観図である。
【図2】インクジェット記録装置の記録制御を実行するための制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド用基板の電源系配線を主に示す模式的平面図である。
【図4】液滴を吐出するノズルが形成されたインクジェット記録ヘッド用基板をTABテープに実装した状態を表す図である。
【図5】図4の符号204で示した部分を拡大した図である。
【図6】完成したインクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。
【図7】本発明に係るインクジェット記録ヘッド用基板の代表的な回路ブロック図である。
【図8】従来のインクジェット記録ヘッド用基板を示す模式図である。
【図9】図8に示されたインクジェット記録ヘッド用基板を示す模式図である。
【図10】従来の他のインクジェット記録ヘッド用基板を示す模式図である。
【図11】従来の更に他のインクジェット記録ヘッド用基板を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(インクジェット記録装置)
まず、本発明のインクジェット記録ヘッド用基板を備えたインクジェット記録ヘッドが用いられるインクジェット記録装置の概略を説明する。図1は、本発明が適用できるインクジェット記録装置の概観図である。
【0022】
図1を参照すると、リードスクリュー5005は、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転する。キャリッジHCは、リードスクリュー5004の螺旋溝5005に対して係合するピン(不図示)を有し、リードスクリュー5004の回転に伴って矢印a,b方向に往復移動される。このキャリッジHCには、インクジェット記録ヘッド400が搭載されている。
【0023】
符号5002は紙押え板を示しており、キャリッジの移動方向に亙って記録媒体Pをプラテン5000に対して押圧する。符号5007,5008はフォトセンサを示している。フォトセンサ5007,5008は、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知手段である。符号5016は、記録ヘッドの前面(インク吐出口が設けられている面)をキャップするキャップ部材5022を支持する部材を示している。また、符号5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段を示しており、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。符号5017はクリーニングブレードを示し、符号5019はこのブレード5017を前後方向に移動可能にする部材を示しており、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレード5017は、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。又、符号5021は吸引回復の吸引を開始するためのレバーを示しており、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0024】
これらの構成によるキャッピング、クリーニング、吸引回復の動作は、キャリッジHCがホームポジション側の領域に配置された時にリードスクリュー5004の作用によって、キャップ部材5022やブレード5017の対応位置で行われるようなっている。
【0025】
次に、上述したインクジェット記録装置の記録制御を実行するための制御構成について、図2に示すブロック図を参照して説明する。制御回路を示す同図において、符号1700は記録信号を入力するインターフェースを示している。符号1701はMPU、符号1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するプログラムROM、符号1703は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくダイナミック型のRAM(DRAM)を示している。符号1704は記録ヘッド1708に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイを示しており、このゲートアレイ1704を介して記録ヘッドを駆動するための信号を供給している。また、このゲートアレイ1703は、インターフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。
【0026】
さらに、符号1710は記録ヘッド1708を搬送するためのキャリアモータを示し、符号1709は記録紙搬送のための搬送モータを示している。符号1705は記録ヘッド1708に設けられたインクジェット記録ヘッド用基板を示しており、インクジェット記録ヘッド用基板1705はインク吐出用のヒータやその駆動回路を含む。符号1706,1707は、それぞれ、搬送モータ1709やキャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバを示している。
【0027】
続いて、上記制御構成の動作を説明する。インターフェース1700に記録信号が入ると、ゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706,1707が駆動されると共に、記録ヘッド1708内のインクジェット記録ヘッド用基板1705に送られた記録データに従ってインク吐出用ヒータが駆動され、記録ヘッド1708による記録動作が行われる。
【0028】
(インクジェット記録ヘッド用基板及びインクジェット記録ヘッド)
続いて、図3から図6を参照して、本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド用基板及びインクジェット記録ヘッドについて説明する。
【0029】
図3は、本実施形態のインクジェット記録ヘッド用基板100の電源系配線を主に示す模式的平面図である。図3に示す基板100は長方形形状を有しており、基板100の中央には基板の長手方向に延びたインク供給口106が形成されている。インク供給口106を挟んだ両側には、インク供給口106の長手方向に沿って延びる様に配置されたヒータ列107が設けられている。ヒータ列107は、300dpi(ドット・パー・インチ)のピッチで片側256個、両側合計で512個のヒータが配列されて構成されている。なお、ヒータはインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生体の代表例として挙げたものであるが、ここでは熱エネルギーを発生するための電気熱変換素子である。
【0030】
ヒータ列107の後部の不図示のドライバアレイ上には、ヒータに駆動電力を供給するヒータ駆動用電源配線103が形成されている。さらに、その後部の不図示のロジック配線及びロジック回路上には、配線103に対応するグランド配線104が形成されている。
【0031】
また、基板100には、インク供給口106の長手方向に対して交差する交差方向(本実施形態では直角に交差している)に延びた第1の辺である基板短辺に沿って配列された第1の電気接続端子(第1の端子)としての複数の接続パッド105が形成されている。さらに、基板100には、インク供給口106の長手方向に沿って延びた第2の辺である基板長辺に沿って配列された第2の電気接続端子(第2の端子)としてのヒータ駆動電源接続パッド101及びグランド接続パッド102が形成されている。接続パッド101,102は、インク供給口106の長手方向におけるインク供給口106の端部を通り交差方向に延びる仮想の線と基板100の第1の辺(基板短辺)との間の領域に形成されている。ヒータ駆動用電源配線103はヒータ駆動電源接続パッド101に接続され、グランド配線104はグランド接続パッド102に接続されている。図9に示した従来の構成例と同様に、基板100上の配線103,104及びパッド101,102の配置構成は図示上下対称になっている。
【0032】
接続パッド101,102は基板100の長手方向に延びた基板長辺に沿って配置されている。図3に示す例では、接続パッド105は一辺の長さが100μmの正方形に形成され、接続パッド101,102はそれぞれ200μm×100μmの長方形に形成されている。接続パッド101,102の長辺は基板長辺と同じ方向に向けられている。
【0033】
図4は、液滴を吐出するノズルが形成されたインクジェット記録ヘッド用基板203をTABテープ201に実装した状態を表す図である。TABテープ201の一方の端部付近にはインクジェット記録装置本体との電気的接続を行うための複数のコンタクトパッド202が設けられており、その反対側の端部付近にはインナーリードを介して基板203が接続されている。
【0034】
図5は、図4の符号204で示した部分を拡大した図である。TABテープ201に形成されたデバイスホール内には、その周囲縁からインナーリード301,302が突出している。インナーリード301,302はギャングボンディングによって接続パッド101,102,105と電気的に接合されている。符号303はインクを吐出する吐出口である。該吐出口のそれぞれに対応してその直下に、ヒータが配されている。
【0035】
図6は完成したインクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。図4に示したTABテープ201がインクタンク401の壁面に接合され、そのインナーリード部が封止剤402で封止されている。さらに、TABテープ201はインクタンク401の壁面に沿って折り曲げられ、コンタクトパッド202が設けられている部分がインクタンク401の壁面に密着固定されている。なお、図6では基板203を上に向けた状態を示しているが、記録ヘッドがインクジェット記録装置に装着される際は、基板203は下向きの姿勢となる。
【0036】
図7は、本発明に係るインクジェット記録ヘッド用基板の代表的な回路ブロック図である。ヒータにはヒータ駆動用電源(VH)103、ドライバにはグランド(GND)104が接続されている。DATA端子には、記録データ及びブロック制御データが入力される。CLK端子からのクロックに従って前記データはシフトレジスタ503に入り、LT端子からのラッチ信号によってラッチ回路に保持される。記録データ信号はHE端子からのヒートイネイブル信号とANDを取って、各ヒータグループごとに入力される。ブロック制御データ信号はデコーダ504でデコードされ、各ヒータグループ内の各セグメントに入力される。記録データ信号とブロック制御データ信号をAND回路605に入力し、ドライバがONしてヒータに電流が流れる。
【0037】
再び図3を参照すると、基板の各々の長手方向端部において、電源系の配線103,104が接続される4つの接続パッド101,102が基板長辺側に配置されている。これにより、基板短辺側に配置できる接続パッド105の数は4つの接続パッド101,102が占めていたスペースの分だけ増やすことが可能となり、記録ヘッドの高機能化に伴って増やす必要のあるロジック端子をその空きスペースに配置することができる。
【0038】
また、上記のように接続パッド101,102は基板の長辺方向に長い長方形を有しているので、配線103,104との接続部の幅を基板短辺側の接続パッド105に比べて広くすることができる。なお、基板短辺側では接続パッド105が高密度に配置されているため接続パッド105の幅を広くすることはできないが、基板長辺側ではスペースの制限が緩いため、基板長辺側に配置された接続パッド101,102の幅は比較的自由に設定可能である。さらに、上記のように接続パッド101,102を基板長辺側に配置した構成としたことにより、基板100の最も外側に構成されているグランド配線104の接続パッド102までの配線距離を小さくすることができる。これらによって、電源ラインの配線抵抗を減らし、無駄な消費電力を省くことができる。
【0039】
なお、基板100に対するワイピング動作は、インク供給口106の長手方向の長さとほぼ同じ幅を有するブレード(不図示)を、基板短辺に沿う方向に、インク供給口106全体を拭うように移動させるようにして行われる。そのようなワイピング動作を考慮して、本実施形態では、上記のように接続パッド101,102が基板100の長手方向においてインク供給口106の長手方向の両端と基板100の長手方向両端の基板短辺との間の領域内に形成されている。そのため、接続パッド101,102がワイピング動作の妨げになったり、あるいはワイピング動作によって拭われたインク等の液体が接続パッド101,102に付着したりすることが防止されている。
【符号の説明】
【0040】
100 インクジェット記録ヘッド用基板
101 ヒータ駆動電源接続パッド
102 グランド接続パッド
105 接続パッド
106 インク供給口
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録ヘッド用基板及び該基板を備えたインクジェット記録ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェット方式に従う記録装置に搭載される記録ヘッドの電気熱変換素子(ヒータ)とその駆動回路及び配線は、特許文献1に示されているように、半導体プロセス技術を用いて同一基板上に形成されている。
【0003】
図8及び図9は、従来技術によるインクジェット記録ヘッド用基板を表す模式図である。
【0004】
図8と図9は同一の基板を表している。図9はヒータ駆動電源配線とそのグランド配線を主に示しており、図8はその配線の下にあるヒータドライバやロジック配線を主に示している。
【0005】
まず図8から説明すると、基板の中央にはインク供給口106があり、それを挟んで両側にヒータ列107が配列されている。ヒータ列107の後部にはヒータを駆動するためのドライバアレイ501が配置されており、その後部にはロジック配線及びロジック回路502が配置されている。基板の短辺縁近傍には複数の接続パッド505が配置されている。接続パッド505とインク供給口106との間には、シフトレジスタ503やデコーダ504を始め、図示しない温度センサなどが配置されている。
【0006】
図9において、符号603はヒータドライバアレイ上に設けられたヒータ駆動用電源配線を示している。また、符号604はロジック部上に設けられたグランド配線を示している。それぞれの配線はヒータ駆動用接続パッド601、グランド用接続パッド602を通して外部と接続される。
【0007】
配列されているどのヒータに対しても配線抵抗をほぼ同一とするために、電源配線はヒータの駆動ブロックごとに分割されている。それぞれの配線は、抵抗値が一定となるように接続パッドからの距離に応じて幅が異なっている。いずれの駆動ブロックも同時に駆動されるヒータは1本なので、配線抵抗による電圧降下はどこのヒータでも一定となる。
【0008】
また、電源接続パッドが基板の片側だけだとすると、基板の反対側まで上記の方法で配線していくと配線幅が増大しすぎる。そのため、図9に示すように基板上の電源配線は上下対称となっている。したがって、基板の両側の短辺縁近傍にヒータ駆動用電源及びグランド用の端子が必要になる。
【0009】
電源系の接続パッド601,602以外のパッドは、ヒータ駆動用のヒートイネイブル端子やデータ入力端子、ラッチ、クロック、ロジック電源、温度センサ端子、ランク測定端子などに使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−138428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、インクジェット記録装置は記録解像度と記録速度の著しい向上が求められている。そのために、インクジェット記録ヘッド用基板は、ヒータやロジックの高密度配置とヒータ数そのものを増やす長尺化が必要となっている。また同時に、基板そのものの高機能化も求められているため、ヒューズ回路の内蔵やきめ細かい温度制御のための複数の温度センサなども必要になってきている。
【0012】
以上のような構成を取ろうとすると、外部への接続パッド数が多くなってくる。詳しく述べると、必要なヒータ数が増えてくるとそれに伴ってロジック回路が増えるため、基板外部への接続パッドの数が増える。また、上記のような高機能化を行うと、ヒューズ読み書きのためのパッドや温度センサの出力パッドも追加される。
【0013】
すると、基板端部の接続パッド領域にパッドが入りきらなくなる問題があった。中でも、インク供給口が一列でかつノズル数が多いブラックインク用の基板においては、基板の幅が小さいためパッド領域の不足が顕著になりやすい。
【0014】
図10に示すようにパッドが並んでいる短辺側の基板サイズを大きくすれば必要なパッドを入れることができるが、基板のサイズが大型化するとともにコストが高くなってしまう。
【0015】
また、図11に示すように基板の長辺側に必要な接続パッド701を配置すると、長辺のパッド以外の領域702は無駄なスペースとなって、結局基板サイズが大きくなってしまう。これは、接続パッドの下にはロジック回路や配線を配置することができないため、従来の基板を拡張して下地に何もない部分をパッドとして使う必要があるためである。加えて、基板の長辺側に接続パッドがあると、ノズル表面の付着インクを拭うワイピング動作の妨げになるため好ましくない。
【0016】
また、パッドのサイズや配列ピッチを小さくしてより多くのパッドを設けるという対処法も考えられるが、この対処法では配線接続部分でショートを起こしやすいなど実装の信頼性や歩留まりを低下させる原因となりやすく、その効果には限界がある。また、パッドの配置ピッチを狭くするとパッドに接続される電源配線の幅も狭くなるため、配線抵抗が大きくなるという問題もある。
【0017】
本発明は、限られたサイズの基板の中に接続パッドを効率良く配置することが可能なインクジェット記録ヘッド用基板及び該基板を備えたインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッド用基板は、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数のエネルギー発生体からなる列と、前記複数のエネルギー発生体にインクを供給するための、前記列に沿って配されたインク供給口と、が設けられたインクジェット記録ヘッド用基板であって、前記列と前記インク供給口とはそれぞれ前記基板の長手方向に延びる様に設けられており、前記長手方向に関して交差する交差方向に延びた、前記基板の第1の辺、に沿って近くに配された、前記複数のエネルギー発生体と電気的に接続された第1の端子と、前記長手方向に関する前記インク供給口の前記第1の辺に近い側の端部を通り前記交差方向に延びる仮想の線と前記第1の辺との間の領域において、前記長手方向に延びた前記基板の第2の辺の近くに配された、前記複数のエネルギー発生体と電気的に接続された第2の端子と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、限られたサイズの基板の中に接続パッドを効率良く配置することが可能なインクジェット記録ヘッド用基板及び該基板を備えたインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明が適用できるインクジェット記録装置の概観図である。
【図2】インクジェット記録装置の記録制御を実行するための制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド用基板の電源系配線を主に示す模式的平面図である。
【図4】液滴を吐出するノズルが形成されたインクジェット記録ヘッド用基板をTABテープに実装した状態を表す図である。
【図5】図4の符号204で示した部分を拡大した図である。
【図6】完成したインクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。
【図7】本発明に係るインクジェット記録ヘッド用基板の代表的な回路ブロック図である。
【図8】従来のインクジェット記録ヘッド用基板を示す模式図である。
【図9】図8に示されたインクジェット記録ヘッド用基板を示す模式図である。
【図10】従来の他のインクジェット記録ヘッド用基板を示す模式図である。
【図11】従来の更に他のインクジェット記録ヘッド用基板を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(インクジェット記録装置)
まず、本発明のインクジェット記録ヘッド用基板を備えたインクジェット記録ヘッドが用いられるインクジェット記録装置の概略を説明する。図1は、本発明が適用できるインクジェット記録装置の概観図である。
【0022】
図1を参照すると、リードスクリュー5005は、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転する。キャリッジHCは、リードスクリュー5004の螺旋溝5005に対して係合するピン(不図示)を有し、リードスクリュー5004の回転に伴って矢印a,b方向に往復移動される。このキャリッジHCには、インクジェット記録ヘッド400が搭載されている。
【0023】
符号5002は紙押え板を示しており、キャリッジの移動方向に亙って記録媒体Pをプラテン5000に対して押圧する。符号5007,5008はフォトセンサを示している。フォトセンサ5007,5008は、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知手段である。符号5016は、記録ヘッドの前面(インク吐出口が設けられている面)をキャップするキャップ部材5022を支持する部材を示している。また、符号5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段を示しており、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。符号5017はクリーニングブレードを示し、符号5019はこのブレード5017を前後方向に移動可能にする部材を示しており、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレード5017は、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。又、符号5021は吸引回復の吸引を開始するためのレバーを示しており、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0024】
これらの構成によるキャッピング、クリーニング、吸引回復の動作は、キャリッジHCがホームポジション側の領域に配置された時にリードスクリュー5004の作用によって、キャップ部材5022やブレード5017の対応位置で行われるようなっている。
【0025】
次に、上述したインクジェット記録装置の記録制御を実行するための制御構成について、図2に示すブロック図を参照して説明する。制御回路を示す同図において、符号1700は記録信号を入力するインターフェースを示している。符号1701はMPU、符号1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するプログラムROM、符号1703は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくダイナミック型のRAM(DRAM)を示している。符号1704は記録ヘッド1708に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイを示しており、このゲートアレイ1704を介して記録ヘッドを駆動するための信号を供給している。また、このゲートアレイ1703は、インターフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。
【0026】
さらに、符号1710は記録ヘッド1708を搬送するためのキャリアモータを示し、符号1709は記録紙搬送のための搬送モータを示している。符号1705は記録ヘッド1708に設けられたインクジェット記録ヘッド用基板を示しており、インクジェット記録ヘッド用基板1705はインク吐出用のヒータやその駆動回路を含む。符号1706,1707は、それぞれ、搬送モータ1709やキャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバを示している。
【0027】
続いて、上記制御構成の動作を説明する。インターフェース1700に記録信号が入ると、ゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706,1707が駆動されると共に、記録ヘッド1708内のインクジェット記録ヘッド用基板1705に送られた記録データに従ってインク吐出用ヒータが駆動され、記録ヘッド1708による記録動作が行われる。
【0028】
(インクジェット記録ヘッド用基板及びインクジェット記録ヘッド)
続いて、図3から図6を参照して、本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド用基板及びインクジェット記録ヘッドについて説明する。
【0029】
図3は、本実施形態のインクジェット記録ヘッド用基板100の電源系配線を主に示す模式的平面図である。図3に示す基板100は長方形形状を有しており、基板100の中央には基板の長手方向に延びたインク供給口106が形成されている。インク供給口106を挟んだ両側には、インク供給口106の長手方向に沿って延びる様に配置されたヒータ列107が設けられている。ヒータ列107は、300dpi(ドット・パー・インチ)のピッチで片側256個、両側合計で512個のヒータが配列されて構成されている。なお、ヒータはインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生体の代表例として挙げたものであるが、ここでは熱エネルギーを発生するための電気熱変換素子である。
【0030】
ヒータ列107の後部の不図示のドライバアレイ上には、ヒータに駆動電力を供給するヒータ駆動用電源配線103が形成されている。さらに、その後部の不図示のロジック配線及びロジック回路上には、配線103に対応するグランド配線104が形成されている。
【0031】
また、基板100には、インク供給口106の長手方向に対して交差する交差方向(本実施形態では直角に交差している)に延びた第1の辺である基板短辺に沿って配列された第1の電気接続端子(第1の端子)としての複数の接続パッド105が形成されている。さらに、基板100には、インク供給口106の長手方向に沿って延びた第2の辺である基板長辺に沿って配列された第2の電気接続端子(第2の端子)としてのヒータ駆動電源接続パッド101及びグランド接続パッド102が形成されている。接続パッド101,102は、インク供給口106の長手方向におけるインク供給口106の端部を通り交差方向に延びる仮想の線と基板100の第1の辺(基板短辺)との間の領域に形成されている。ヒータ駆動用電源配線103はヒータ駆動電源接続パッド101に接続され、グランド配線104はグランド接続パッド102に接続されている。図9に示した従来の構成例と同様に、基板100上の配線103,104及びパッド101,102の配置構成は図示上下対称になっている。
【0032】
接続パッド101,102は基板100の長手方向に延びた基板長辺に沿って配置されている。図3に示す例では、接続パッド105は一辺の長さが100μmの正方形に形成され、接続パッド101,102はそれぞれ200μm×100μmの長方形に形成されている。接続パッド101,102の長辺は基板長辺と同じ方向に向けられている。
【0033】
図4は、液滴を吐出するノズルが形成されたインクジェット記録ヘッド用基板203をTABテープ201に実装した状態を表す図である。TABテープ201の一方の端部付近にはインクジェット記録装置本体との電気的接続を行うための複数のコンタクトパッド202が設けられており、その反対側の端部付近にはインナーリードを介して基板203が接続されている。
【0034】
図5は、図4の符号204で示した部分を拡大した図である。TABテープ201に形成されたデバイスホール内には、その周囲縁からインナーリード301,302が突出している。インナーリード301,302はギャングボンディングによって接続パッド101,102,105と電気的に接合されている。符号303はインクを吐出する吐出口である。該吐出口のそれぞれに対応してその直下に、ヒータが配されている。
【0035】
図6は完成したインクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。図4に示したTABテープ201がインクタンク401の壁面に接合され、そのインナーリード部が封止剤402で封止されている。さらに、TABテープ201はインクタンク401の壁面に沿って折り曲げられ、コンタクトパッド202が設けられている部分がインクタンク401の壁面に密着固定されている。なお、図6では基板203を上に向けた状態を示しているが、記録ヘッドがインクジェット記録装置に装着される際は、基板203は下向きの姿勢となる。
【0036】
図7は、本発明に係るインクジェット記録ヘッド用基板の代表的な回路ブロック図である。ヒータにはヒータ駆動用電源(VH)103、ドライバにはグランド(GND)104が接続されている。DATA端子には、記録データ及びブロック制御データが入力される。CLK端子からのクロックに従って前記データはシフトレジスタ503に入り、LT端子からのラッチ信号によってラッチ回路に保持される。記録データ信号はHE端子からのヒートイネイブル信号とANDを取って、各ヒータグループごとに入力される。ブロック制御データ信号はデコーダ504でデコードされ、各ヒータグループ内の各セグメントに入力される。記録データ信号とブロック制御データ信号をAND回路605に入力し、ドライバがONしてヒータに電流が流れる。
【0037】
再び図3を参照すると、基板の各々の長手方向端部において、電源系の配線103,104が接続される4つの接続パッド101,102が基板長辺側に配置されている。これにより、基板短辺側に配置できる接続パッド105の数は4つの接続パッド101,102が占めていたスペースの分だけ増やすことが可能となり、記録ヘッドの高機能化に伴って増やす必要のあるロジック端子をその空きスペースに配置することができる。
【0038】
また、上記のように接続パッド101,102は基板の長辺方向に長い長方形を有しているので、配線103,104との接続部の幅を基板短辺側の接続パッド105に比べて広くすることができる。なお、基板短辺側では接続パッド105が高密度に配置されているため接続パッド105の幅を広くすることはできないが、基板長辺側ではスペースの制限が緩いため、基板長辺側に配置された接続パッド101,102の幅は比較的自由に設定可能である。さらに、上記のように接続パッド101,102を基板長辺側に配置した構成としたことにより、基板100の最も外側に構成されているグランド配線104の接続パッド102までの配線距離を小さくすることができる。これらによって、電源ラインの配線抵抗を減らし、無駄な消費電力を省くことができる。
【0039】
なお、基板100に対するワイピング動作は、インク供給口106の長手方向の長さとほぼ同じ幅を有するブレード(不図示)を、基板短辺に沿う方向に、インク供給口106全体を拭うように移動させるようにして行われる。そのようなワイピング動作を考慮して、本実施形態では、上記のように接続パッド101,102が基板100の長手方向においてインク供給口106の長手方向の両端と基板100の長手方向両端の基板短辺との間の領域内に形成されている。そのため、接続パッド101,102がワイピング動作の妨げになったり、あるいはワイピング動作によって拭われたインク等の液体が接続パッド101,102に付着したりすることが防止されている。
【符号の説明】
【0040】
100 インクジェット記録ヘッド用基板
101 ヒータ駆動電源接続パッド
102 グランド接続パッド
105 接続パッド
106 インク供給口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数のエネルギー発生体からなる列と、前記複数のエネルギー発生体にインクを供給するための、前記列に沿って配されたインク供給口と、が設けられたインクジェット記録ヘッド用基板であって、
前記列と前記インク供給口とはそれぞれ前記基板の長手方向に延びる様に設けられており、
前記長手方向に関して交差する交差方向に延びた前記基板の第1の辺に沿って近くに配された、前記複数のエネルギー発生体と電気的に接続された第1の端子と、
前記長手方向に関する前記インク供給口の前記第1の辺に近い側の端部を通り前記交差方向に延びる仮想の線と前記第1の辺との間の領域において、前記長手方向に延びた前記基板の第2の辺の近くに配された、前記複数のエネルギー発生体と電気的に接続された第2の端子と、
を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板。
【請求項2】
前記第2の端子の前記長手方向に関する幅は、前記第1の端子の前記長手方向に関する幅よりも大きく、前記第1の端子の前記交差方向に関する幅よりも大きい請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
【請求項3】
前記第2の端子は、前記長手方向に長い長方形形状を有する請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
【請求項4】
前記基板には前記複数のエネルギー発生体に駆動電力を供給するための電源配線およびグランド配線が設けられており、
前記第2の端子には前記電源配線および前記グランド配線のいずれか一方が接続されている請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
【請求項5】
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板と、前記複数のエネルギー発生体にそれぞれ対応して設けられた複数のインク吐出口と、を備えたインクジェット記録ヘッド。
【請求項1】
インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数のエネルギー発生体からなる列と、前記複数のエネルギー発生体にインクを供給するための、前記列に沿って配されたインク供給口と、が設けられたインクジェット記録ヘッド用基板であって、
前記列と前記インク供給口とはそれぞれ前記基板の長手方向に延びる様に設けられており、
前記長手方向に関して交差する交差方向に延びた前記基板の第1の辺に沿って近くに配された、前記複数のエネルギー発生体と電気的に接続された第1の端子と、
前記長手方向に関する前記インク供給口の前記第1の辺に近い側の端部を通り前記交差方向に延びる仮想の線と前記第1の辺との間の領域において、前記長手方向に延びた前記基板の第2の辺の近くに配された、前記複数のエネルギー発生体と電気的に接続された第2の端子と、
を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板。
【請求項2】
前記第2の端子の前記長手方向に関する幅は、前記第1の端子の前記長手方向に関する幅よりも大きく、前記第1の端子の前記交差方向に関する幅よりも大きい請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
【請求項3】
前記第2の端子は、前記長手方向に長い長方形形状を有する請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
【請求項4】
前記基板には前記複数のエネルギー発生体に駆動電力を供給するための電源配線およびグランド配線が設けられており、
前記第2の端子には前記電源配線および前記グランド配線のいずれか一方が接続されている請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
【請求項5】
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板と、前記複数のエネルギー発生体にそれぞれ対応して設けられた複数のインク吐出口と、を備えたインクジェット記録ヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−6058(P2010−6058A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123024(P2009−123024)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]