説明

インクジェット記録用メンテナンス液

【課題】色剤濃度が高く、また顔料インクを使用するインクジェットプリンタに適用する場合でも優れた洗浄性を発揮し、かつ部材を侵すことなく既存のインクジェットプリンタで使用可能であり、消泡性、防腐防黴効果も優れる新規のインクジェット記録用メンテナンス液が望まれている。
【解決手段】本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、少なくとも水と、25℃における水への溶解度が3重量%以上である樹脂溶剤を0.1〜10重量%の範囲で含み、かつ保湿剤を1〜50重量%の範囲で含んでなることを特徴とする。さらに、グリコールエーテル類、1,2−アルキルジオール類、アセチレングリコール系界面活性剤等の浸透剤等をさらに含ませることで、さらに洗浄性を向上させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録用プリンタに好適に用いられるメンテナンス液に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタは、無騒音、高速、高解像度のノンインパクトプリンタとして近年商品化が行われている。インクジェット記録に用いられるインクの溶媒として、臭気、安全性等の観点から、水、水溶性有機溶剤を用いる水性インクが主流である。また、インクジェット記録に用いられるインクの色剤としては、従来から水溶性染料が利用されてきたが、発色性向上の観点からインク中の染料含有量が増加する傾向にある。また、特に普通紙上での印刷品質向上、画像堅牢性向上等の観点から、色剤として水溶性染料から顔料への変更が図られその利用が拡大しつつあり、またそのインク中の顔料含有量が増加する傾向にある。
【0003】
これらの状況の中で、インクジェット記録方式では約20〜50μmという微小径のノズルからインクを吐出させるため、ノズル先端近傍において、低沸点溶媒の揮発、色剤の分離、凝集等によるインクの増粘、析出物の発生が起こりやすく、印字の乱れやノズルの目詰まり等の不具合を引き起こす場合がある。このような不具合が発生しないようにノズル乾燥防止用のキャップとインクによる洗浄を行うためのクリーニング機構がインクジェットプリンタには通常具備されているが、これらの機構内に残っているインクが乾燥して増粘・固化する場合があり、クリーニング動作が正常に行えない場合があった。これらの問題は長期間にわたる装置の休止時に起こりやすい。この問題の防止策として、(1)不具合が発生した場合にクリーニング液を使用してインク流路内を洗浄する方法、(2)長期間の装置休止が想定される場合に予めインクをメンテナンス液で置換する方法、等が考案されているが、いずれの場合でも、その効果は使用するクリーニング液またはメンテナンス液の性能に依るところが大きい。
【0004】
クリーニング液またはメンテナンス液の事例として、例えば、多価アルコール、一価アルコールおよび水からなるメンテナンス液(特許文献1参照)、一価アルコール、陰イオン界面活性剤、水からなるメンテナンス液(特許文献2参照)、イソチアゾロン系化合物を含有し防黴防菌効果を改善したクリーニング液(特許文献3参照)、シリコン系消泡剤を含有し消泡性を改良したクリーニング液(特許文献4参照)、特定の架橋性インクを使用した場合に適用するpH8〜11のメンテナンス液(特許文献5参照)、界面活性剤を含んだクリーニング液(特許文献6、7参照)、ヒドロキシカルボン酸の水可溶性塩とリモネンと界面活性剤を含むクリーニング液(特許文献8参照)等が例示できる。
【0005】
【特許文献1】特公平6−8437号公報
【特許文献2】特公平8−30200号公報
【特許文献3】特開平4−261476号公報
【特許文献4】特開2000−328093号公報
【特許文献5】特開2000−109733号公報
【特許文献6】特開平11−263021号公報
【特許文献7】特開平11−263022号公報
【特許文献8】特開2002−105500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のクリーニング液またはメンテナンス液では、上述した近年のインク中色剤含有量が増加している傾向の中で、洗浄性が不十分である場合が多く、結果として吐出不安定、ノズルの目詰まり等の重大な信頼性問題が発生する恐れがあった。特に色剤として顔料を用いている顔料インクでは、色剤(顔料)自体がインク中に溶解形態ではなく分散形態で存在しているため、一旦インクが乾燥して増粘あるいは固化して顔料分散粒子が凝集状態となってしまうと、上記のクリーニング液またはメンテナンス液では再分散させる能力に劣る場合があり、結果的に洗浄が非常に困難となっていた。
【0007】
このため、より洗浄性に優れ、かつ既存のインクジェットプリンタで使用可能なメンテナンス液が望まれていた。
【0008】
本発明は前記の課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的とするところは、色剤濃度が高く、また顔料インクを使用するインクジェットプリンタに適用する場合でも優れた洗浄性を発揮し、かつ部材を侵すことなく既存のインクジェットプリンタで使用可能であり、消泡性、防腐防黴効果も優れる新規のインクジェット記録用メンテナンス液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意検討の結果、インクジェット記録用メンテナンス液として以下に示す構成とすることにより前記課題を解決し得るとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。すなわち、
【0010】
(1)本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、少なくとも水と、25℃における水への溶解度が3重量%以上である樹脂溶剤を0.1〜10重量%の範囲で含み、かつ保湿剤を1〜50重量%の範囲で含んでなることを特徴とする。
【0011】
(2)本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、上記(1)に記載のインクジェット記録用メンテナンス液であって、前記樹脂溶剤が、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、含窒素化合物、含硫黄化合物からなる群から選ばれることを特徴とする。
【0012】
(3)本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、上記(1)あるいは(2)のいずれかに記載のインクジェット記録用メンテナンス液であって、さらに浸透剤を含むことを特徴とする。
【0013】
(4)本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用メンテナンス液であって、さらにイソチアゾロン系化合物、オキサゾリジン系化合物からなる群から選択される一種または二種以上の防腐・防黴剤を50ppm〜1重量%の範囲で含むことを特徴とする。
【0014】
(5)本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録用メンテナンス液であって、25℃におけるpHが6〜11の範囲であることを特徴とする。
【0015】
(6)本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット記録用メンテナンス液であって、25℃における表面張力が40mN/m以下であることを特徴とする。
【0016】
(7)本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット記録用メンテナンス液であって、インクとして顔料インクを使用するインクジェットプリンタに適用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上述べた構成のメンテナンス液を用いることにより、色剤濃度が高く、また顔料インクを使用するインクジェットプリンタに適用する場合でも優れた洗浄性を発揮し、かつ部材を侵すことなく既存のインクジェットプリンタで使用可能であり、消泡性、防腐防黴効果も優れる新規のインクジェット記録用メンテナンス液を提供することができる。その結果として、インクジェットプリンタを長期間放置した場合においても、吐出不安定、ノズルの目詰まり等の重大な信頼性問題を抑止することができる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、少なくとも水と、25℃における水への溶解度が3重量%以上である樹脂溶剤を0.1〜10重量%の範囲で含み、かつ保湿剤を1〜50重量%の範囲で含んでなることを特徴とする。また前記樹脂溶剤が、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、含窒素化合物、含硫黄化合物からなる群から選ばれることを特徴とする。このような樹脂溶剤を含有するメンテナンス液は洗浄性が良好であり、洗浄または充填後の吐出不安定やノズル目詰まり等の不具合が発生しにくい。特に色剤として顔料を用いている顔料インクにおいて、そのインクの乾燥による増粘・固化等の不具合が発生した時の洗浄性に優れている。
【0020】
上述の樹脂溶剤が上記の不具合を効果的に抑制・解消できる理由は明らかではないが、例えば以下のように推察される。すなわち、本発明のインクジェット記録用メンテナンス液に含まれる樹脂溶剤は、顔料をインク中に分散させるために通常用いられている樹脂分散剤に対して良好な溶解剤であり、顔料インクが乾燥して発生した増粘・固化物に迅速に浸透してこれを軟化・分散あるいは溶解させ、メンテナンス液中にそれら固形分(顔料、樹脂分散剤等)を速やかに溶解あるいは分散させる効果に優れている。また、これら樹脂溶剤は水溶性染料に対しても良好な溶剤として機能するため、染料インクが乾燥して発生した増粘・固化物についても容易にメンテナンス液中に再溶解させる機能に優れている。さらにこれら樹脂溶剤はインクジェットプリンタに一般的に使用されるSUSなどのインク流路内部表面の材質に対する濡れが良好であるため、それら部材に付着しているインク成分を効率的にメンテナンス液で置換することが可能となる。さらに適量の保湿剤を含ませることにより、樹脂溶剤のインクジェットプリンタ内の各インク流路部材(特にプラスチック部材)に対する反応性を低く抑えることができ、洗浄または充填を行って長期間放置した場合にメンテナンス液中の水分蒸発による濃縮乾燥が生じても部材を侵すことがない。
【0021】
以下に本発明のインクジェット記録用メンテナンス液の構成要素について説明する。
【0022】
[樹脂溶剤]
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液には、樹脂溶剤を含むことが必須である。この樹脂溶剤は、特に顔料インクに通常含まれる樹脂分散剤に対して良好な溶解剤として機能するという特徴を持つ。一般的な水性の顔料インクは、色剤である顔料とこれを水中に分散させる樹脂分散剤と水を主成分とし、必要に応じて水溶性有機溶剤等が添加されている。この顔料インクがプリンタのインク流路内で乾燥した場合、水と水溶性有機溶剤等が徐々に蒸発揮散して、最終的に顔料と樹脂分散剤が主に残った増粘・固化物となり、結果的に目詰まり等の不具合を発生させる。この増粘・固化物は水には容易に溶解あるいは分散しない。上述した従来のクリーニング液またはメンテナンス液を用いた場合では、水と比較してある程度の効果があるものの、目詰まり等の不具合を解消できるだけの洗浄性能・回復性能に劣る場合が多かった。それに対して本発明のインクジェット記録用メンテナンス液では、含まれる樹脂溶剤の作用により速やかに上記増粘・固化物がメンテナンス液中に溶解あるいは分散する性能に優れているため、洗浄性能・回復性能が高く、結果的に目詰まり等の不具合が解消する効果に優れている。
【0023】
このような作用効果を持つ樹脂溶剤として詳しくは、アルコール類として1−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、アリルアルコール、プロパギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコールが挙げられる。
【0024】
またエーテル類としては、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、メチラール、アセタールが挙げられる。
【0025】
またケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
【0026】
またエステル類としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、3−メトキシブチルアセタート、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、リン酸トリエチル、アセトニトリル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ヘキサメチルリン酸トリアミドが挙げられる。
【0027】
また含窒素化合物としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、ε−カプロラクタム、モルホリン、N−メチルモルホリンが挙げられる。
【0028】
また含硫黄化合物としては、スルホランが挙げられる。
【0029】
以上挙げたこれら樹脂溶剤は、単独あるいは二種以上を混合して本発明のインクジェット記録用メンテナンス液に用いることができる。
【0030】
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液に含まれる樹脂溶剤の含有量は、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。0.1重量%未満の場合、上述の効果が十分に発揮されないことがある。逆に10重量%よりも多い場合、メンテナンス液の粘度上昇による流動性の低下による洗浄性劣化、さらにプリンタ内のインク流路部材への反応性が高くなって長期間の充填時に部材を侵す場合がある。
【0031】
[保湿剤]
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液には、保湿剤を含むことが必須である。本発明で用いる保湿剤は低揮発性で保水能力が高く、かつ上述した樹脂溶剤との相溶性の高いものから選ばれる。そのようにすることにより、メンテナンス液の水分蒸発による乾燥を抑制して、長期放置によるメンテナンス液の組成の変質を抑止することが可能である。このため、例えば充填されて長期間装置が休止状態となった場合でも、本発明のメンテナンス液の効果が持続され、かつプリンタ内のインク流路部材への樹脂溶剤による反応性を抑えることができる。
【0032】
上記の特性を持つ保湿剤として詳しくは、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ペンタエリスリトール等のポリオール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類等を用いることができる。
【0033】
さらに、上述の材料の能力を補助する目的で、水溶性の固体保湿剤を併用、添加することも可能である。詳しくは、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類及びこれらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖、酸化糖、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。
【0034】
これらの保湿剤の添加量は、単独あるいは複数混合して、メンテナンス液全量に対して1〜50重量%の範囲が好ましい。1重量%未満の場合、上述の効果が十分に発揮されないことがある。また50重量%よりも多い場合、粘度上昇による流動性の低下によって洗浄性が劣化する恐れがある。
【0035】
[水]
水は、本発明のインクジェット記録用メンテナンス液の中心となる媒体であり、好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
【0036】
また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、メンテナンス液を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
【0037】
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、以上述べた樹脂溶剤、保湿剤、水を必須成分としており、またメンテナンス液全量に対して樹脂溶剤を0.1〜10重量%、保湿剤を1〜50重量%の範囲で含んでいる。このような構成とすることにより、色剤濃度が高くまた顔料インクを使用するインクジェットプリンタに適用する場合でも優れた洗浄性を発揮し、かつ長期間放置した場合でもプリンタ内のインク流路部材を侵すことがないため既存のインクジェットプリンタで使用可能であり、消泡性、防腐防黴効果も優れるメンテナンス液とすることができるが、必要に応じて以下に示す成分をさらに含むことにより、種々の特性をさらに向上させることができる。以下、その成分について説明する。
【0038】
[浸透剤]
本発明によるインクジェット記録用メンテナンス液は、別の態様によれば、さらに浸透剤を含むことができる。浸透剤を含むことにより、メンテナンス液による洗浄性をさらに向上させることができる。浸透剤を含ませることによりさらに洗浄性が向上する理由としては明確ではないが、例えば以下のように推察される。すなわち、以下に詳細に挙げる浸透剤はその分子内に親水性部分と疎水性部分とが存在しており、メンテナンス液の表面張力を下げる作用を持つ。そのため、プリンタ内のインク流路部材に対する濡れ性が向上して、インク流路内に存在するインク成分を効率的にメンテナンス液と置換する作用に優れている。また、インクが乾燥して生じる増粘・固化物に対する濡れ性・浸透性にも優れているため、その増粘・固化物にメンテナンス液を迅速に浸透させる作用を持つ。そのため、本発明のメンテナンス液中に含まれる樹脂溶剤が効果的・効率的に増粘・固化物内に浸透して、それら固化物等をメンテナンス液中に分散・溶解させる効果をさらに高める。
【0039】
このような効果を持つ浸透剤の一例としては、多価アルコールのグリコールモノエーテル誘導体、あるいは1,2−アルキルジオール類から選択することが好ましい。
【0040】
多価アルコールのグリコールモノエーテル誘導体としては、特にアルキルの炭素数は3以上の多価アルコールの誘導体が好ましい。具体的には、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等が挙げられる。多価アルコールのグリコールモノエーテル誘導体の添加量は、メンテナンス全量に対して15重量%以下の範囲で添加することが好ましい。
【0041】
1,2−アルキルジオール類としては、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等の炭素数が4〜8の1,2−アルキルジオールが好ましい。この中で、炭素数6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、メンテナンス液のインク流路部材に対する濡れ性向上効果、インク乾燥による増粘・固化物に対する浸透性向上効果が強く、特に好ましい。これら1,2−アルキルジオールの添加量は、メンテナンス液全量に対して5重量%以下の範囲で添加することが好ましい。
【0042】
また、浸透剤の他の例としては、アセチレングリコール系界面活性剤あるいはアセチレンアルコール系界面活性剤が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤・アセチレンアルコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して起泡性が少なく、消泡性にも優れている。そのため、メンテナンス液の泡によるドット抜けなどの不具合を生じさせること無く、効率的に洗浄が可能となる。
【0043】
本発明において好ましいアセチレングリコール系界面活性剤あるいはアセチレンアルコール系界面活性剤の具体例としては、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。これらアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤の添加量は、適宜決定されてよいが、メンテナンス液全量に対して10重量%以下が好ましい。
【0044】
これらの浸透剤は上に列記したものを一種類で用いても良く、あるいは二種類以上を混合して用いることもできる。
【0045】
[防腐・防黴剤]
本発明によるインクジェット記録用メンテナンス液は、別の態様によれば、さらに防腐・防黴剤を含むことができる。本発明に用いられる防腐・防黴剤としては、イソチアゾロン系化合物、オキサゾリジン系化合物からなる群から選択されることが好ましい。万一メンテナンス液中にバクテリアや黴等が発生すると、これらが異物となってインクジェットプリンタ内のヘッドノズルやインク流路内を詰まらせ、インクの吐出に悪影響を及ぼす恐れがあるが、これら防腐・防黴剤を含ませることにより長期間放置された場合でもバクテリアや黴等が発生するのをより効果的に抑制することが可能となる。
【0046】
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液に含有される上記防腐・防黴剤の含有量は、50ppm〜1重量%の範囲であることが好ましく、100ppm〜0.5重量%の範囲であることがより好ましい。50ppm未満の場合、上述の効果が十分に発揮されないことがある。また1重量%よりも多い場合、防腐・防黴剤の溶解性に制限がある場合などは析出し、吐出安定性を劣化させる恐れがある。
【0047】
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液に含有される上記防腐・防黴剤と詳しくは、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。また上記防腐・防黴剤は1種を単独で使用してもよく、または2種以上を混合して使用しても良い。
【0048】
[メンテナンス液の物性値等]
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、25℃におけるpHが6〜11の範囲であることが好ましい。さらに好ましくはpHが7〜10の範囲である。pHが6未満の場合、色剤としてアニオン性化合物を含有するインクを使用するインクジェットプリンタに適用される場合等に洗浄性が十分に発揮されない恐れがある。またpHが11よりも大きい場合、メンテナンス液のインク流路部材に対する反応性が高くなり、部材の変質、異物の発生、吐出不安定等を引き起こす恐れがある。メンテナンス液のpHを上記範囲に調整するために、必要に応じて水溶性塩基性物質を使用することができる。
【0049】
このような塩基性物質として詳しくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムやアンモニア等の無機アルカリ類が挙げられる。
【0050】
また、炭酸(水素)カリウム、炭酸(水素)ナトリウム、炭酸(水素)リチウム等の炭酸塩類その他燐酸塩等、酢酸塩、プロピオン酸塩等のアルキルカルボン酸の塩類、乳酸塩、グリコール酸塩、グリセリン酸塩等のヒドロキシ酸塩類等の有機酸類、特にはアルキルカルボン酸類のアルカリ金属塩であり、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム等が挙げられる。
【0051】
また、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス−塩酸塩、トリス−マレイン酸、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン等の有機緩衝剤が挙げられる。
【0052】
また、各種のアミン化合物を挙げることができる。好ましいアミン化合物には水溶性の揮発性アミン、アルカノールアミン等が挙げられる。具体的には、アルキル基で置換された揮発性アミン(例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ペンチルアミン等);アルカノール基で置換されたアルカノールアミン(例えば、2−アミノエタノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−(ジエチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等);アルキル基及びアルカノール基で置換されたアルキルアルカノールアミン等が挙げられる。
【0053】
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、25℃における表面張力が40mN/m以下であることが好ましい。さらに好ましくは35mN/m以下である。表面張力が上記範囲内であることによって、インクジェットプリンタに一般的に使用されるインク流路部材表面に対する濡れ性が良好となり、インク成分を効率的にメンテナンス液で置換することが可能となる。表面張力を上記範囲内に調整するために、必要に応じて上述した浸透剤やその他に界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、浸透剤として上述したアセチレングリコール系・アセチレンアルコール系界面活性剤の他にも、一般的なアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選択できるが、発泡・起泡の少ないメンテナンス液を得るという観点からノニオン性界面活性剤が特に好ましい。ノニオン性界面活性剤のさらなる具体例として、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
【0054】
[本発明のメンテナンス液の好ましい適用]
本発明のインクジェット記録用メンテナンス液は、インクとして顔料インクを使用するインクジェットプリンタに適用されることが好ましい。上述のように、本発明のメンテナンス液は優れた洗浄性を有しているため、近年利用が拡大している顔料インクを使用したインクジェットプリンタにおいても好適に適用される。顔料インクとは色剤として顔料を用いるインクであり、使用できる顔料としては、例えばカーボンブラックやカラーインデックスに記載されているピグメントイエロー、ピグメントレッド、ピグメントバイオレット、ピグメントブルー、ピグメントブラック等の顔料の他、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、縮合環系等の顔料が使用できる。また、黄色4号、5号、205号、401号;橙色228号、405号;青色1号、404号等の有機顔料や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クローム等の無機顔料を用いることも出来る。前記色剤として顔料を用いる場合、インク中における分散安定性の観点から顔料とともに分散剤を併用するか、または顔料として表面処理顔料を用いることが好ましい。
【0055】
インクジェット記録方式では、約20〜50μmという微小径のノズルからインクを吐出させるため、ノズル先端近傍において、低沸点溶媒の揮発、色剤の分離、凝集等によるインクの増粘、析出物の発生が起こりやすく、印字の乱れやノズルの目詰まり等の不具合を引き起こす場合がある。これらの問題は長期間にわたる装置の休止時に起こりやすい。本発明はこれらの問題を解決するためになされものである。本発明のメンテナンス液は、これらの問題を解決する際の方法として、(1)不具合が発生した場合にインク流路内を洗浄する方法、(2)長期間の装置休止が想定される場合に予めインクをメンテナンス液に置換する方法、のいずれの方法に対しても好適に使用できる。とりわけ、本発明のメンテナンス液においては、顔料粒子を樹脂分散剤で分散した色剤を用いた顔料インクで上記(1)の状態となった場合に対して効果が大きい。樹脂分散剤で分散された顔料を色剤とした顔料インクが、インクジェットプリンタ内のインク流路内部で乾燥により増粘・固化してしまった場合でも、本発明のメンテナンス液中に含まれている樹脂溶剤により良好に分散除去される。
【0056】
<実施例>
以下、本発明のインクジェット記録用メンテナンス液を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
(メンテナンス液の調整)
表1、表2に示す組成で実施例1〜10および比較例1〜6のメンテナンス液を調整した。各メンテナンス液は十分に攪拌したのち、1μm孔径のメンブランフィルターを用いて2kg/cm2の圧力で加圧濾過を行った後、以下の各評価に使用した。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
(評価1:洗浄性評価)
インクとして全色顔料を使用したオンデマンド型インクジェットプリンタであるPX−V500(商品名:セイコーエプソン株式会社製)にインクを充填した後、実施例1〜10および比較例1〜6の各メンテナンス液5ccを使用してインク流路およびヘッド内部を洗浄した。その後インク流路およびヘッド内部を目視にて観察し、インクの残り具合により下記の基準に基づいて判定した。
判定A:インクがほぼ完全に除去できており、洗浄性に非常に優れる
判定B:インクがほとんど除去できており、洗浄性に優れる
判定C:インク残りが多く、洗浄性に劣る
【0061】
(評価2:保守性評価)
上述のインクジェットプリンタPX−V500にインクを充填した後、実施例1〜10および比較例1〜6の各メンテナンス液5ccを使用してインク流路およびヘッド内部を洗浄した。その後、メンテナンス液を充填した状態でプリンタを60℃環境下で一週間放置した。放置後のヘッドのノズル周辺を顕微鏡により観察し、ノズル周辺の異物の付着具合により下記の基準に基づいて判定した。
判定A:ノズル周辺に異物の付着がほとんどない
判定B:ノズル周辺に若干の異物の付着が認められるが、ノズルを目詰まりさせるまでには至っていない
判定C:ノズル周辺に異物の付着が認められ、ノズルを目詰まりさせている
【0062】
(評価3:吐出安定性評価)
上述のインクジェットプリンタPX−V500にインクを充填した後、実施例1〜10および比較例1〜6の各メンテナンス液5ccを使用してインク流路およびヘッド内部を洗浄した。その後、メンテナンス液を充填した状態でプリンタを60℃環境下で一週間放置した。放置後のプリンタを常温に戻した後、インクを再度充填させてから連続して塗りつぶし画像印刷を行い、ドット抜け、ドット曲がり等の吐出安定性の具合により下記の基準に基づいて判定した。
判定A:インク充填直後より、飛行曲がり・未吐出等の吐出不安定が発生しない
判定B:インク充填後に2回以内のプリンタとしてのクリーニング動作を行うことで吐出安定性が得られる
判定C:吐出安定性を得るために、インク充填後に3回以上のプリンタとしてのクリーニング動作が必要
【0063】
(評価4:回復性評価)
上述のインクジェットプリンタPX−V500にインクを充填した状態で、プリンタを60℃環境下で一週間放置した。放置後のプリンタを常温に戻した後、実施例1〜10および比較例1〜6の各メンテナンス液10ccを使用してインク流路およびヘッド内部を洗浄した。その後、インクを再度充填させてから連続して塗りつぶし画像印刷を行い、ドット抜け、ドット曲がり等の吐出安定性の具合により下記の基準に基づいて判定した。
判定A:インク充填直後より、飛行曲がり、未吐出等の吐出不安定が発生しない
判定B:インク充填後に2回以内のプリンタとしてのクリーニング動作を行うことで吐出安定性が得られる
判定C:吐出安定性を得るために、インク充填後に3回以上のプリンタとしてのクリーニング動作が必要、もしくは回復しない
判定D:インク流路およびヘッド内部の乾燥インクがメンテナンス液で洗浄されず、インク充填ができない
【0064】
上記各評価の結果を表3にまとめる。
【0065】
【表3】

【0066】
表3から明らかなように、少なくとも水と、25℃における水への溶解度が3重量%以上である樹脂溶剤を0.1〜10重量%の範囲で含み、かつ保湿剤を1〜50重量%の範囲で含んでなるメンテナンス液は優れた洗浄性を示した。特に、プリンタのインク流路内およびヘッド内部でインクが乾燥して増粘・固化物になった場合の洗浄性(回復性)に優れていた。また浸透剤および/またはその他の添加剤(防腐・防黴剤等)をさらに含有する実施例3〜10のメンテナンス液はさらに良好な洗浄性を示した。一方で樹脂溶剤を含まない比較例1〜4の各メンテナンス液は洗浄性、保守性、回復性に劣り、結果として充填後の吐出安定性を劣化させた。また、樹脂溶剤の添加量が0.1重量%未満である比較例5では洗浄性および回復性に劣っており、結果として充填後の吐出安定性を劣化させた。さらに、樹脂溶剤の添加量が10重量%より多い比較例6では保守性に劣っており、結果として充填後の吐出安定性を劣化させた。
【0067】
以上述べたように、本発明の構成のメンテナンス液を用いることにより、色剤濃度が高く、また顔料インクを使用するインクジェットプリンタに適用する場合でも優れた洗浄性を発揮し、かつ部材を侵すことなく既存のインクジェットプリンタで使用可能であり、消泡性、防腐防黴効果も優れる新規のインクジェット記録用メンテナンス液を提供することができる。その結果として、インクジェットプリンタを長期間放置した場合においても、吐出不安定、ノズルの目詰まり等の重大な信頼性問題を抑止することができる効果を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも水と、25℃における水への溶解度が3重量%以上である樹脂溶剤を0.1〜10重量%の範囲で含み、かつ保湿剤を1〜50重量%の範囲で含んでなることを特徴とするインクジェット記録用メンテナンス液。
【請求項2】
前記樹脂溶剤が、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、含窒素化合物、含硫黄化合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用メンテナンス液。
【請求項3】
さらに浸透剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用メンテナンス液。
【請求項4】
さらにイソチアゾロン系化合物、オキサゾリジン系化合物からなる群から選択される一種または二種以上の防腐・防黴剤を50ppm〜1重量%の範囲で含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用メンテナンス液。
【請求項5】
25℃におけるpHが6〜11の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用メンテナンス液。
【請求項6】
25℃における表面張力が40mN/m以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用メンテナンス液。
【請求項7】
インクとして顔料インクを使用するインクジェットプリンタに適用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用メンテナンス液。

【公開番号】特開2007−119658(P2007−119658A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315771(P2005−315771)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】