説明

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

【課題】画像とは無関係なパッチを記録することも無く、記録条件が変化しても実際の定着時間に適応したウェイト時間を設定可能なインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】実際に記録を行っている記録条件の下で実画像の定着時間を実測し、当該定着時間に基づいてウェイト時間を設定する。これにより、画像とは無関係なパッチを記録することも無く、適量のウェイト時間でユーザが意図した画像を出力することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置における記録物のインク定着制御に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置では、インクの定着が不十分な記録物への接触によってスミア問題が生じる場合がある。このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、光学的検知手段を用いて、記録後の記録媒体の表面が液相表面であるか固相表面であるかを判別する方法が開示されている。具体的には、画像データとともに検出用のパッチを記録媒体に記録し、その後このパッチを光学的に検知し、パッチ表面が固相表面になった段階でそのページの定着が完了したと判断し、次の動作に移るようにする。このような制御を行うことにより、次ページが先行ページの記録面と接触してもインクによる汚れを回避することが出来る。
【0003】
また、特許文献2には、記録部をいくつかのエリアに分割し、各エリアの記録デューティ(インク付与量)に応じてウェイト時間を設定する方法が開示されている。そしてウェイト時間が長いエリアのウェイト時間に合わせて待機した後、記録物を排紙することにより、排紙時のスミアを防止することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−52869号公報
【特許文献2】特許第3397426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1の方法では、記録媒体に画像とは無関係なパッチを記録するため、ユーザの意図した画像とは一致しない記録物が出力されるという問題があった。また、画像自体の記録デューティが低い場合であっても、記録デューティが高いパッチが固相化するまでのウェイト時間が設けられてしまうので、記録時間が必要以上に長くなるという問題があった。
【0006】
一方、特許文献2の方法では、記録デューティとウェイト時間が1対1で定まるテーブルを用意しているため、使用環境などの様々な条件に応じて変化する実際の定着時間に、ウェイト時間を適切に合わせることが出来ないという問題があった。その結果、必要以上にウェイト時間を設けてスループットを低下させてしまったり、逆に必要なウェイト時間が設けられず、スミアを発生してしまったりしていた。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。よってその目的とするところは、画像とは無関係なパッチを記録することも無く、記録条件が変化しても実際の定着時間に適応したウェイト時間を設定可能なインクジェット記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために本発明は、画像データに従ってインクを吐出することにより記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、1ページ以上の画像データを有する印刷ジョブを受信する受信手段と、前記画像データの中から、記録したインクが前記記録媒体に吸収されるまでの定着時間を測定するための領域を定着測定部として抽出する抽出手段と、前記定着測定部にインクが記録されてから該定着測定部の反射率を繰り返し測定する定着測定手段と、前記定着測定部にインクが記録されてから、前記定着測定手段が測定した前記反射率が所定の閾値より低くなったタイミングまでの時間を定着時間として計測する計測手段と、前記画像データに従った記録動作を中断して待機するためのウェイト時間を、前記定着時間に基づいて前記印刷ジョブに含まれる各ページについて設定する手段と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、実際に記録を行っている記録条件の下で測定した定着時間に基づいてスミア対策のためのウェイト時間を設定することが出来る。よって、画像とは無関係なパッチを記録することも無く、適量のウェイト時間でユーザが意図した画像を出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に使用可能なインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1のインクジェット記録装置の記録部の上面図である。
【図3】(a)および(b)は、定着センサ1の構成および検出方法を説明する図である。
【図4】(a)および(b)は、インクが吸収するまでの反射率ρの変化を示す図である。
【図5】制御部が印刷ジョブを受信した際に実行する工程を示すフローチャートである。
【図6】1ページ目の画像データの一例を示す図である。
【図7】定着センサが測定する反射率ρの経時変化を示す図である。
【図8】実施例2のインクジェット記録装置の記録部の概略構成を示す図である。
【図9】実施例3における定着センサ1の測定構成を示す図である。
【図10】記録印刷ジョブを受信した際に実行する工程を示すフローチャートである。
【図11】1ページ目の画像データの一例を示す図である。
【図12】異なる記録媒体における、正反射光の光量と拡散反射光の光量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明に使用可能なインクジェット記録装置の制御の構成を説明するためのブロック図である。制御部50は、中央演算処理装置であるCPU51、制御プログラムや変数初期値を記憶するROM52、制御プログラムの実行や定着センサ1の測定値を記憶するRAM53、クロックタイマー60を備え、装置内の各種機構を駆動して記録装置全体を制御する。例えば制御部50は、インターフェイスI/F54を介して外部に接続されたホスト装置から画像データを受信し、ROM52に記憶されている制御プログラムに従って画像データをRAM53に展開する。その後、RAM53に展開された画像データに従って、記録動作を実行する。具体的には、ヘッドドライバ55を介して記録ヘッド30を駆動し、記録ヘッドのノズルからインクを吐出させる。また、モータドライバ58を介してキャリッジモータ59を駆動し、記録ヘッド30が搭載されたキャリッジを移動させる。更にモータドライバ56を介して搬送モータ57を駆動し、記録中の記録媒体を搬送する。
【0013】
定着センサ1は、記録媒体の所定領域を光学的に検出して記録部の定着状態を判断するための機構である。定着センサ1の構成ついては後に詳しく説明する。温度センサ61は、記録媒体近傍の温度を測定して制御部50に通知するためのセンサである。また、給紙カセット着脱センサ62は、記録前の記録媒体(用紙)を収容しておく給紙カセットが、記録装置に装着されているか否かを判断するためのセンサである。クロックタイマー60は、制御部50の動作タイミングを司ると共に、本実施例では記録部の定着が完了するまでの時間を測定するため等にも使用される。
【0014】
図2は、本実施例のインクジェット記録装置の記録部の概略構成を説明するための上面図である。記録ヘッド30と定着センサ1を搭載したキャリッジ32は、キャリッジモータ59の駆動力によって、ガイドシャフト33に案内支持されながら、矢印A方向に往復移動する。このようなキャリッジ30の移動中に、記録ヘッド30に配列する複数のノズルからインクを吐出することにより、記録媒体10には幅L1分の画像が記録される。その後、搬送モータ57を駆動源として記録媒体10がA方向とは交差する矢印B方向に幅L1に相当する分だけ搬送され、再び記録ヘッド30による記録主走査が行われる。このような記録ヘッド30による記録主走査と記録媒体の搬送動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体10には段階的に画像が記録されて行く。
【0015】
一方、記録ヘッド30によって記録が行われた領域の定着状態を測定する場合、キャリッジ32は、定着センサ1が測定領域を測定可能となる位置まで移動し、定着センサ1による測定が完了するまでその位置で待機する。図に見るように、本実施例では、記録ヘッド30と定着センサ1とが、キャリッジ32の移動方向に並列して配置されている。そして、本実施例の定着センサ1は、記録ヘッド30の記録幅L1よりも小さな幅領域についての定着状態を検出可能となっている。このような構成であれば、記録ヘッド30による測定部の記録と定着センサ1による測定部の検出とを、記録媒体の搬送動作を介在させることなく、連続して行うことが出来る。
【0016】
図3(a)および(b)は、定着センサ1の構成および検出方法を説明するための図である。本実施例の定着センサ1は、LEDなどの光源2、フォトトランジスタやフォトダイオードなどの正反射光センサ3、同じくフォトトランジスタやフォトダイオードなどの拡散反射光センサ4を備え、記録媒体10上の所定領域の反射率や反射光量を測定する。ここで、図3(a)は記録ヘッド30から吐出されたインクが記録媒体10に着弾し、まだ浸透していない状態を示している。また、同図(b)は、着弾したインクが記録媒体10の内部に浸透し定着した状態を示している。
【0017】
定着センサ1は、光源2から記録媒体10に向けて光を照射し、その反射光を正反射光センサ3および拡散反射光センサ4によって受光する。光源2の記録媒体10対する入射角は直角に近い状態に設定されており、測定領域の表面反射率が高い場合は照射された光の多くが正反射して、光源2とほぼ同じ角度で配置された正反射光センサ3へ到達する。例えば、図3(a)のように記録媒体10の表面に吸収前のインクが露出している場合、液状のインク表面の反射率は高く、光源2から発せられた多くの入射光は正反射光センサ3によって受光される。
【0018】
一方、記録用紙10の表面に凹凸が多く記録用紙10の表面反射率が低い場合、照射された光は凹凸により拡散反射して様々な方向へ向かう。よって、正反射光センサ3へ到達する光量は図3(a)の場合より減少し、拡散した光の一部が拡散反射光センサ4で受光される。例えば、普通紙のように表面に凹凸のある記録媒体の白紙領域を測定する場合、あるいは記録領域であっても図3(b)のようにインクが既に吸収されている場合、光源2から発せられた多くの入射光は凹凸によって拡散される。本実施例では、このような表面反射率の程度によって、記録媒体にインクが残存しているか、吸収されているか(定着しているか)を判断する。
【0019】
なお、記録用紙10の表面反射率を検知するだけであれば、正反射光センサ3のみを配置すればよいことになる。しかし、本実施例では、光源2からの光が記録用紙10に吸収されたのか、あるいは乱反射して拡散反射したのかを判断することが必要な為、拡散反射光センサ4も備えている。
【0020】
図4(a)および(b)は、普通紙の表面にインクが記録されてから吸収するまでの時間Tと表面反射率ρ(以下、単に反射率とも言う)の関係を説明するための図である。
【0021】
一般に、インクジェット記録装置で記録を行うと、記録媒体に付与されたインクは、図3(a)のようにしばらく液相のまま記録媒体10の表面に残留する。この状態で記録領域の反射率ρを測定すると、光源2からの入射光は気液界面で正反射し、その殆どが正反射光センサ3に受信されるので、反射率ρは高い値となる。
【0022】
その後、時間の経過とともに、インクは記録媒体10中に浸透しインク中の揮発成分は蒸発するので、インクの液相部分は減少し、記録用紙10表面の凹凸が露出し始める。すなわち、光源2からの入射光は乱反射する割合が増えて行き、正反射光センサ3に到達する光が減少する。その結果、反射率ρは時間とともに低下する。
【0023】
更に時間が経過し、インクが記録用紙10に完全に吸収されると、記録媒体10の表面は図3(b)に示すような固相となり、紙面表面の凹凸が露出する。すなわち、光源2からの入射光の多くは乱反射して、反射率ρは白紙領域を測定した際の小さな値(安定値)に収束する。
【0024】
以上のような反射率ρの変化は、記録媒体のインク吸収性によってその軌跡が異なり、吸収性が高い記録媒体ほど、インクを付与してから短時間で安定値に収束する傾向がある。図4(a)は吸収性の異なる3種類の記録媒体での反射率ρを比較した図である。図において、曲線20は普通紙のように標準的な吸収性を有する記録媒体の反射率である。これに対し曲線21は、塩化カルシウムやカチオンポリマーを多く添加したインクジェット専用コート紙のように、高い吸収性を有する記録媒体の反射率である。普通紙よりも短時間でインクが吸収され、反射率が安定値に収束するのが普通紙に比べて早い。さらに、曲線22は、フィルム媒体のように、元々の平滑性が高く吸収性が低い記録媒体の反射率を示している。このような記録媒体では、付着したインクが液層のままでいる時間が長いので、反射率が安定値に収束するのも普通紙に比べて遅い。また、元々の記録媒体表面の平滑性が高いことから、最終的に収束する反射率も普通紙より高い。
【0025】
一方、反射率ρの変化は、記録装置の使用環境(温度や湿度)によっても、その軌跡が異なる。温度が高かったり湿度が低かったりすると、インクを付与してから定着するまでの時間が短くなる傾向がある。図4(b)は、異なる使用環境での反射率ρを比較した図である。図において、曲線23は温度25℃/湿度60%の環境で記録を行った場合の反射率ρを示している。また、曲線24は、温度25℃/湿度10%の環境で記録を行った場合の反射率ρを示している。使用環境の湿度が低い分、付着したインクの蒸発が速いため、曲線24の反射率ρの方が短時間で安定値に収束する。
【0026】
このように、インクが記録媒体に定着するまでの時間は、記録媒体の種類や使用環境、あるいはインクの種類など、様々な記録条件によって変化する。よって、本実施例では、必要以上にスループットを低下させずに、且つ未定着インクによるスミア発生を確実に防止するため、印刷ジョブのたびに定着時間を判断する構成とする。
【0027】
図5は、本実施例の制御部50が印刷ジョブを受信した際に実行する工程を説明するためのフローチャートである。
【0028】
1ページ以上の印刷ジョブがインターフェイス(I/F)54を介して入力されると、制御部50は入力された画像データをページごとにRAM53内に展開する。そして、1ページ目については、非記録部分(白紙部分)と記録部分の夫々一部から測定部を抽出する(ステップS1)。
【0029】
図6は、RAM53に展開された1ページ目の画像データの一例を示す図である。1ページ目の画像データ70には、実際にインクを記録する記録部分とインクを記録しない非記録部分が含まれ、記録部分は更に記録ヘッド30の記録幅L1に対応する領域(バンド)72の単位で管理される。本実施例の記録装置は、記録ヘッド30の往復走査で画像を記録するので、1バンド目、3バンド目・・・と言った奇数バンドが記録ヘッドの往路走査で記録され、2バンド目、4バンド目・・・と言った偶数バンドは記録ヘッドの復路走査で記録される。制御部50は、まず、非記録部分の中から白紙測定部73を抽出する。本例では、画像データ70の先端且つ中央に位置する空白領域を、白紙測定部73としている。更に、制御部50は、バンドごとに管理されている画像データの中から、所定値以上の記録デューティ(例えば80%以上)を有する領域を、定着測定部71として抽出する。このとき、定着測定部71は、1つのバンド内に配置され、且つ定着センサ1の光源2が照射する広さ以上のサイズを持つ領域とする。
【0030】
なお、本実施例において、定着測定部71は、そのページ全体の定着を保証する時間を設定するために用いられる。よって、所定以上の記録デューティを有する領域が複数存在する場合には、記録デューティがより高い領域や、より遅いタイミングで記録が行われる領域(すなわち記録媒体の後端部に近い領域)が優先的に選択されることが望ましい。
【0031】
続くステップS2では、1ページ目の記録媒体を給紙し、B方向に搬送する。またキャリッジ32をA方向に移動して、定着センサ1が白紙測定部73を検出可能な位置に合わせ、白紙測定部73の反射率ρ0を取得する。ρ0は、記録媒体10の地色や凹凸量によって変化する値である。
【0032】
ステップS3では、ステップS2で取得したρ0を用いて、閾値ρ1を算出する。一般に、同じ記録媒体では、インクが吸収されている表面の方が白紙表面よりも入射光の吸収が大きいため、反射率が低くなる。そして、これら2つの反射率は、記録媒体の種類によって、一定の関係を有している。すなわち、インクが吸収されているとみなすことが出来る閾値反射率ρ1は、ρ0の関数ρ1=f(ρ0)として表すことが出来る。この際、関数fは使用するインクの種類や定着測定部の記録デューティによって可変であっても良い。一例として、本実施例ではρ1=f(ρ0)=0.4×ρ0とする。
【0033】
ステップS4において、制御部50は、RAM53に記憶した画像データ70に従って、1バンド分の記録走査を実行する。さらに、続くステップS5において、直前のステップS4で記録したバンド内に、定着測定部71が存在するか否かを判断する。定着測定部71が存在しないと判断した場合はステップS4に戻り、次のバンドの記録走査を実行する。一方、直前に記録したバンド内に定着測定部71が存在すると判断した場合は、ステップS6へ進む。
【0034】
ステップS6では記録ヘッド30による記録動作を中断し、続くステップS7ではタイマー60をリセットし、経過時間の測定をスタートする。
【0035】
更に、ステップS8において、キャリッジ30を移動して、定着センサ1を定着測定部71に合わせる。
【0036】
ステップS9では、定着測定部71の反射率ρを測定し、得られた反射率ρがステップS3で算出した閾値ρ1以下であるか否かを判断する。ここでρ≦ρ1の場合、再度ステップS9を繰り返し、所定のタイミングで再度反射率ρの測定を行う。このような、所定のタイミングごとの測定および判断を、ρ>ρ1となるまで繰り返す。ρ>ρ1と判断されたら、定着測定部71の定着は完了したと判断し、ステップS10に進む。
【0037】
図7は、ステップS2で取得したρ0及びステップS3で設定したρ1に対し、定着測定部71を記録してからの、定着センサ1が測定する反射率ρの経時変化を示す図である。定着測定部71が記録された直後、すなわちタイマー60が時間Tの計測をスタートした直後から暫らくは、反射率ρは高い値を維持している。しかし、時間Tが経過するにつれインクが記録媒体に吸収され、反射率ρも低下していく。やがて反射率ρは、白紙領域の反射率ρ0を下回るようになり、更に閾値反射率ρ1を下回ったタイミングの計測時間Tが定着時間T1となる。
【0038】
ステップS10では、ステップS6で経過時間の測定を開始したタイマー60をストップし、ステップS11において、得られた経過時間T1をRAM53に記憶する。ここで得られる経過時間T1は、現行の記録条件(すなわち、現行のインク、現行の記録媒体、使用環境の温湿度)での定着時間T1と定義することが出来、1つの印刷ジョブ内の全てのページで有効とする。なお、ステップS10においては、定着時間T1のほかに、ステップS2で取得した白紙領域の反射率ρ0や、ステップS3で取得した閾値反射率ρ1を同時に記憶してもよい。
【0039】
ステップS12では、各ページのウェイト時間Tsを設定する。本実施例において、ウェイト時間Tsとは、先行ページを排出し次ページの記録を行った際に、次ページの先端が先行ページの記録面に接触してもインクの転写が起こらないことが保障出来るまで、次ページの記録動作を中断するための時間である。
【0040】
ここで、先行ページの定着測定部71が記録された時刻を“0”、後続ページの先端部が排紙スタッカ上の先行ページの定着測定部71に差し掛かるまでの時間を“Ta”とすると、ウェイト時間Tsは、Ts=T1−Taで表すことが出来る。Taは画像データの内容に応じて異なり、各ページの画像データを検索することによって推測可能な値である。よって、各ページのウェイト時間Tsは、2ページ以降のページごとに、Ts=T1−Taで算出され、RAM53に記憶される。但し、Ts<0となる場合はTs=0とする。
【0041】
各ページのウェイト時間Tsの設定が完了すると、ステップS13に進み、ステップS6から停止していた記録動作を再開し、画像データの最後のバンドまで記録動作を継続し、1ページ目の排出を行う。以上で本処理が終了する。
【0042】
以後、2ページ目以降を記録する際は、記録中のページの先端部が排紙スタッカ上の先行ページに接触する以前のタイミングにおいて、夫々のページで定められたウェイト時間Tsに応じて待機すればよい。
【0043】
なお、以上では、ウェイト時間Tsを、先行ページを排出し次ページの記録を行った際に、次ページの先端が先行ページの記録面に接触してもインクの転写が起こらないことが保障出来るまで、次ページの記録動作を中断するための時間とした。しかしながら、スミア問題が懸念されるのは、このような連続ページ間だけではない。例えば、両面印刷を行う記録装置の場合、表面の記録動作を行ってから、記録媒体を排出せずに装置内にバックフィードし、反転ローラで表裏を反転させてから裏面の記録動作を行う。この際、表面のインクが定着する前に記録媒体をバックフィードすると、装置内にインクが転写してしまう場合がある。すなわち、両面印刷を行う場合は、表面の記録が完了した時点と、その記録媒体のバックフィードを開始する時点の間に、ウェイト時間Tdを設ける必要がある。
【0044】
両面印刷のウェイト時間Tdを設定する場合でも、図5で説明したフローチャートに沿って処理を行うことができる。そして、先行ページの定着測定部71が記録された時刻を“0”、記録媒体の表面の記録完了までの時間を“Tb”とすると、ウェイト時間Tdは、Td=T1−Tbで表すことが出来る。2ページ目以降を記録する際は、表面の記録が完了したタイミングにおいて、ステップS12で定められたウェイト時間Tdに応じて待機すればよい。
【0045】
また、以上では、印刷ジョブの1ページ目で、定着測定部71および白紙測定部73を設定する内容で説明したが、本実施例はこのような形態に限定されるものではない。制御部50が1ページ目の画像データを検索した結果、スミア問題が懸念されるほど高デューティな記録領域が存在しないと判断した場合は、1ページ目についてはいずれの領域の反射率も測定することなく記録を行ってもよい。そして、2ページ目以降のスミア問題が懸念される程度の記録デューティが存在する場合において、図5で説明した一連のフローチャートを実行すれば良い。また、全てのページが低デューティで構成されている場合には、印刷ジョブ内の全てで、図5のフローチャートを実行しなくても良い。
【0046】
更に、上記説明では、印刷ジョブのたびに、図5で説明したフローチャートを実行する内容で説明したが、印刷ジョブが同じ記録媒体に対して短期間に連続して行われるような場合などは、定着時間が大きく変化することは考え難い。よって、このような場合には、先頭の印刷ジョブについてのみ、図5で説明したフローチャートの全ての工程を実行し、後続する印刷ジョブについては、先頭の印刷ジョブで設定された定着時間T1に基づいて、各ページのウェイト時間を求めればよい。
【0047】
この際、今回の印刷ジョブにおいて新たにウェイト時間の設定を行うか否か、すなわちステップS1〜S11を行うか否かは、装置内に備えられた様々なセンサの検出結果に応じて、制御部50が判断することもできる。例えば、クロックタイマー60が測定した前回の印刷ジョブから今回のジョブまでの経過時間が、所定の時間を超えていた場合に限って、新たにウェイト時間の設定を行うようにしてもよい。また、温度センサ61や湿度センサが検出した温度や湿度が、前回の印刷ジョブを行った際の温度や湿度から所定量以上変化していた場合について、新たにウェイト時間の設定を行うようにしてもよい。更に、前回の印刷ジョブの後に、給紙カセット着脱センサ62がカセットの着脱を検出した場合には、記録媒体の種類が変更されている可能性が高いので、新たにウェイト時間の設定を行うようにしてもよい。
【0048】
以上説明したように、本実施例によれば、実際に記録を行っている記録条件の下で実画像の定着時間T1を実測し、当該定着時間T1に基づいてウェイト時間を設定する。よって、画像とは無関係なパッチを記録することも無く、適量のウェイト時間でユーザが意図した画像を出力することが可能となる。
【実施例2】
【0049】
本実施例では、フルライン型のインクジェット記録装置について説明する。
【0050】
図8は、本実施例のインクジェット記録装置の記録部の概略構成を説明するための上面図である。本実施例において、装置内に固定された記録ヘッド40には、インクを吐出するノズルが記録媒体の記録幅L2に相当する分だけA方向に配列している。個々のノズルからは画像データに従って一定の周波数でインクが吐出され、記録媒体10はこの周波数に対応した一定速度でB方向に搬送される。
【0051】
定着センサ1については、実施例1と同様に、ガイドシャフト33に沿って所定の位置に移動可能になっている。但し、実施例1において、光源と2つのセンサがB方向に一列に配置されていたのに対し、本実施例ではこれらがA方向に配置されている。このような構成により、発光部2や2つのセンサ素子の動作を、定着測定部71が記録ヘッド40によって記録された直後から、同時に開始することが出来る。
【0052】
この様なフルライン型のインクジェット記録装置であっても、図5で説明したフローチャートに従って処理を行うことにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0053】
本実施例では、定着センサ1が、記録媒体の搬送方向にも移動可能とする構成について説明する。
【0054】
図9は、本実施例のインクジェット記録装置の定着センサ1の測定構成を説明するための上面図である。本実施例の構成は、実施例1で説明したシリアル型のインクジェット記録装置にも、実施例2で説明したフルライン型のインクジェット記録装置にも適応可能である。ここでは記録ヘッドではなく記録ヘッドによる記録領域42を示している。定着センサ1は、X−ガイドシャフト41に沿って図のA方向に、またY−ガイドシャフト43に沿って図のB方向に移動可能な構成になっている。
【0055】
記録ヘッドによって定着測定部71が記録される際、定着センサ1は定着測定部71のB方向の直ぐ下流側に配置され、当該領域の反射率ρの測定を当該領域が記録された直後に開始する。その後、本実施例では、記録ヘッドによる記録動作を中断することはなく、記録媒体は記録が進行するにつれてB方向に搬送される。この際、定着センサ1も定着測定部71の反射率の測定が可能な位置を維持しながら、定着測定部71とともにB方向に移動する。
【0056】
このような本実施例によれば、定着時間T1の測定のために記録を中断することがないので、上記実施例に比べ、より短時間に定着時間の測定を伴う記録動作を完了させることができる。
【実施例4】
【0057】
本実施例では、画像データを記録する色材を含んだインクとは別に、色材を含有していない透明インクを用意し、当該透明インクによって予め決められた位置に定着測定部71を記録する構成について説明する。本実施例においても図1〜図3で説明したインクジェット記録装置および定着センサを使用することができる。
【0058】
図10は、本実施例の制御部50が記録印刷ジョブを受信した際に実行する工程を説明するためのフローチャートである。また、図11は、RAM53に展開された1ページ目の画像データの一例を示す図である。本実施例の制御部50は、画像データの内容に関わらず、1ページ目の先頭部分に白紙測定部73と定着測定部74を設定する。以下、図10のフローチャートに沿って説明する。
【0059】
印刷ジョブがインターフェイス(I/F)を介して入力されると、制御部50は、1ページ目の記録媒体を給紙する(ステップS20)。また、キャリッジ32をA方向に移動して、定着センサ1が白紙測定部73を検出可能な位置に合わせ、白紙測定部73の反射率ρ0を取得する(ステップS21)。その後、ステップS22では、実施例1と同様、ステップS21で取得したρ0を用いて、閾値ρ1を算出する。
【0060】
ステップS23において、制御部50は、記録ヘッド30を所定の位置に移動し、定着測定部71を記録する。この際、定着測定部71は、色材が含有されていない透明インクによって記録される。その後、ステップ24では、タイマー60をリセットし、経過時間の測定をスタートし、ステップS25では、キャリッジ30を移動して、定着センサ1を定着測定部74に合わせる。
【0061】
ステップS26では、定着測定部74の反射率ρを測定し、得られた反射率ρがステップS22で算出した閾値ρ1以下であるか否かを判断する。ここでρ≦ρ1の場合、再度ステップS26を繰り返し、所定のタイミングで再度反射率ρの測定を行う。このような、所定のタイミングごとの測定および判断を、ρ>ρ1となるまで繰り返す。ρ>ρ1と判断されたら、定着測定部74の定着は完了したと判断し、ステップS27に進む。
【0062】
ステップS27では、ステップS24で経過時間の測定を開始したタイマー60をストップし、ステップS28において、得られた経過時間T1をRAM53に記憶する。更に、ステップS29では、各ページのウェイト時間Ts(あるいはTd)を設定する。
【0063】
その後、ステップS30に進み、画像データ70における実画像の記録動作を行う。以上で本処理が終了する。
【0064】
本実施例に拠れば、定着測定部74と白紙測定部73の反射率の測定をキャリッジの同じ走査で行うことができる。よって、画像データの途中で記録動作を中断する必要がなくなるので、より短時間に定着時間の測定を行うことができる。
【0065】
なお、透明のインクは定着時間の測定のためだけに用意してもよいが、以下に示すような様々な用途に用いられる透明インクを、本発明の定着時間の測定に併用する形態とすることもできる。例えば、有色インクによる記録画像をコーティングするために透明インクを用意する場合がある。また、有色インクが記録されない白紙領域に透明インクを一様に付与することにより、画像全体の光沢性を均一化する場合もある。更に、記録に先立って記録媒体の全体に画質向上のための透明インクを付与し、その後、当該透明インクと反応する有色インクを記録する構成なども知られている。
【実施例5】
【0066】
本実施例では、記録媒体の凹凸の程度によって反射光の拡散量が変わることを利用し、定着センサ1に配備されている正反射光センサ3および拡散光センサ4の出力値から、記録媒体の種類を判断する構成について説明する。
【0067】
図12は、異なる記録媒体の白紙領域を定着センサ1で検出した場合の、正反射光センサ3が受光した光量と拡散反射光センサ4が受光した光量を示す図である。図では、記録媒体80の方が、記録媒体81に比べ正反射光量が多く拡散反射光量が少ないことが分かる。この場合、記録媒体80の方が記録媒体81よりも表面の凹凸が少なく、これら2つは異なる記録媒体であると判断することが出来る。このように、正反射光センサ3が受光した光量と拡散反射光センサ4が受光した光量の絶対値あるいは比によって、記録媒体の種類を判別することが出来る。
【0068】
本実施例では、図5のステップS2あるいは図10のステップS21で白紙測定部73の反射率を測定する際、正反射光センサ3が受光した光量と拡散反射光センサ4が受光した光量の絶対値あるいは比を、前回の印刷ジョブで測定した値と比較する。そして、前回と今回の値が所定の閾値より大きい場合に限って、記録媒体の種類が変更されたと判断し定着時間T1の測定を行う。このようにすれば、記録媒体の種類を変更しないで行われる連続した印刷ジョブについて、印刷時間を短縮することが出来る。
【符号の説明】
【0069】
1 定着センサ
10 記録媒体
30 記録ヘッド
50 制御部
54 インターフェイス
60 クロックタイマー
70 画像データ
71 定着測定部
73 白紙測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに従ってインクを吐出することにより記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
1ページ以上の画像データを有する印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記画像データの中から、記録したインクが前記記録媒体に吸収されるまでの定着時間を測定するための領域を定着測定部として抽出する抽出手段と、
前記定着測定部にインクが記録されてから該定着測定部の反射率を繰り返し測定する定着測定手段と、
前記定着測定部にインクが記録されてから、前記定着測定手段が測定した前記反射率が所定の閾値より低くなったタイミングまでの時間を定着時間として計測する計測手段と、
前記画像データに従った記録動作を中断して待機するためのウェイト時間を、前記定着時間に基づいて前記印刷ジョブに含まれる各ページについて設定する手段と
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記ウェイト時間は、先行ページの記録媒体を排出した後に、次ページの記録動作を中断するための時間であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記ウェイト時間は、両面印刷を行なう場合における、前記記録媒体の表面の記録が完了してから、裏面の記録を行うために前記記録媒体を装置内にバックフィードするのを待機するための時間であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、前記印刷ジョブの1ページ目の画像データの中から、前記定着測定部を抽出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記画像データの中から、所定値以上の記録デューティを有する領域を前記定着測定部として抽出する請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記定着測定部の他に、前記画像データの中からインクが記録されない白紙領域を白紙測定部として抽出し、
前記定着測定手段は、前記白紙測定部の反射率を測定し、
前記所定の閾値は、前記定着測定手段が測定した前記白紙測定部の反射率から算出される値であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記抽出手段による前記定着測定部の抽出と、前記定着測定手段による前記定着測定部の反射率の測定と、前記計測手段による前記定着時間の測定とは、前記受信手段が新たな印刷ジョブを受信するたびに実行されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記受信手段が新たな印刷ジョブを受信した際、前回の印刷ジョブを実行してからの経過時間が所定の時間を超えていた場合に限って、
前記抽出手段による前記定着測定部の抽出と、前記定着測定手段による前記定着測定部の反射率の測定と、前記計測手段による前記定着時間の測定とを実行することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記記録媒体の近傍の温度又は湿度を測定するための温度センサ又は湿度センサを更に備え、
前記受信手段が新たな印刷ジョブを受信した際、前記温度センサ又は湿度センサが測定した温度又は湿度が、前回の印刷ジョブを実行した際の温度又は湿度から所定量以上変化していた場合に限って、
前記抽出手段による前記定着測定部の抽出と、前記定着測定手段による前記定着測定部の反射率の測定と、前記計測手段による前記定着時間の測定とを実行することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
記録前の前記記録媒体を収容する給紙カセットの着脱を検出するための着脱センサを更に備え、
前記受信手段が新たな印刷ジョブを受信した際、前記着脱センサが前回の印刷ジョブが完了した後に前記給紙カセットの着脱を検出した場合に限って、
前記抽出手段による前記定着測定部の抽出と、前記定着測定手段による前記定着測定部の反射率の測定と、前記計測手段による前記定着時間の測定とを実行することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項11】
前記受信手段が新たな印刷ジョブを受信した際、今回の印刷ジョブで使用する前記記録媒体の反射光の拡散量と、前回の印刷ジョブで使用した記録媒体の拡散量と比較することによって、前回の印刷ジョブに対し前記記録媒体の種類が変更されたか否かを判断する判断手段を更に備え、
該判断手段が、前回の印刷ジョブに対し前記記録媒体の種類が変更されたと判断した場合に限って、
前記抽出手段による前記定着測定部の抽出と、前記定着測定手段による前記定着測定部の反射率の測定と、前記計測手段による前記定着時間の測定とを実行することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項12】
インクを吐出する記録ヘッドを前記記録媒体に対して走査する記録走査と、該記録走査で記録された幅に対応する分だけ前記記録媒体を前記記録走査とは交差する方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返すことにより、前記記録媒体に画像を記録することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項13】
インクを吐出するノズルが前記記録媒体の幅に相当する分だけ配列された記録ヘッドに対し、前記記録媒体を前記配列の方向とは交差する方向に一定の速度で搬送することにより、前記記録媒体に画像を記録することを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項14】
前記定着測定手段は、前記記録媒体の搬送動作に伴って移動しながら、前記定着測定部の反射率を繰り返し測定することを特徴とする請求項12または13に記載のインクジェット記録装置。
【請求項15】
前記抽出手段は、前記画像データのインクが記録されない領域から前記定着測定部を抽出し、
該定着測定部に、色材を含有しない透明インクを記録する手段を更に備え、
前記定着測定手段は、前記定着測定部に前記透明インクが記録されてから前記定着測定部の反射率を繰り返し測定し、
前記計測手段は、前記定着測定部に前記透明インクが記録されてから、前記定着測定手段が測定した前記反射率が所定の閾値より低くなったタイミングまでの時間を定着時間として計測することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項16】
画像データに従ってインクを吐出することにより記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、
1ページ以上の画像データを有する印刷ジョブを受信する工程と、
前記画像データの中から、記録したインクが前記記録媒体に吸収されるまでの定着時間を測定するための領域を定着測定部として抽出する抽出工程と、
前記定着測定部にインクが記録されてから該定着測定部の反射率を繰り返し測定する定着測定工程と、
前記定着測定部にインクが記録されてから、前記定着測定工程により測定された前記反射率が所定の閾値より低くなったタイミングまでの時間を定着時間として計測する工程と、
前記画像データに従った記録動作を中断して待機するためのウェイト時間を、前記定着時間に基づいて前記印刷ジョブに含まれる各ページについて設定する工程と
を有することを特徴とするインクジェット記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図6】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−218365(P2012−218365A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88369(P2011−88369)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】