説明

インクジェット記録装置

【課題】インク吸収材を収納しているキャップ内を所定の保湿状態に維持することが可能なインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】インクジェットプリンター1は、インクジェットヘッド6がインクジェットヘッド待機位置6Bにあるときに、インクノズル17が形成されているインクノズル面18を覆うキャップ31と、キャップ31の内側に収納されており、インクノズル17からキャップ31に吐出されるインクを吸収するインク吸収材37と、インクジェットヘッド6が印刷可能位置6Aにあるときに、水ノズル20が形成されている水ノズル面22でキャップ31を密閉する水吐出ヘッド12と、水吐出ヘッド12がキャップ31を密閉したときに、水吐出ヘッド12から水を吐出させるための吸引ポンプ38を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側にインク吸収材を搭載しており、インクジェットヘッドが待機位置にあるときに、インクジェットヘッドのインクノズル面を覆うキャップを有するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置では、インクノズル内のインクの増粘によってインクノズルに目詰まりが発生することを防止するために、インクジェットヘッドが待機位置にある間、インクノズルが形成されているインクノズル面をキャップで覆い、インクノズルからの水分の蒸発を抑制している。また、このような目詰まりの発生を抑制するために、定期的に、インクノズル面にキャップを対向させて、インクノズルからキャップに向ってインクを吐出させるフラッシング動作を行っている。さらに、インクノズルに目詰まりが発生した場合には、インクノズル面をキャップで覆った状態として、吸引ポンプによってノズル面とキャップとによって形成された密閉空間に負圧を発生させて、インクノズルからキャップにインクを強制的に吐出させるインク吸引動作を行い、この目詰まりを解消している。フラッシング動作およびインク吸引動作では、インクノズルから吐出されたインクはキャップの内側に収納されているフェルトなどのインク吸収材に吸収される。
【0003】
インクノズルから吐出されるインクにはグリセリンなどの保湿成分が含まれており、フラッシング動作やインク吸引動作が行われると、インク吸収材には、この保湿成分が堆積されていく。ここで、インクジェットヘッドによる印刷が行われている間は、キャップはインクノズル面を覆っておらず開放状態となっているので、インク吸収材から水分が蒸発し、キャップ内の水分に対する保湿成分量のバランスが崩れることがある。水分に対する保湿成分量のバランスが崩れると、キャップによってインクノズル面を覆ったときに保湿成分がキャップとインクノズル面とによって形成された密閉空間内の水分を奪い、インクノズルからの水分の蒸発を促進してインクの増粘を助長するので、インクノズルに目詰まりが発生し易くなってしまう。特許文献1には、インク吸収材を保湿するために、キャップ内に液体を供給する供給機構を備えるインクジェット記録装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−226719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、キャップ内に液体を供給する供給機構を備えている場合でも、印刷が連続して行われるとキャップが長時間に渡って開放状態となるので、インク吸収材からの水分の蒸発を抑制することができず、キャップ内の水分に対する保湿成分量のバランスが崩れてしまう。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、インク吸収材を収納しているキャップ内を所定の保湿状態に維持することが可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、
印刷媒体に対する印刷が可能な印刷可能位置と当該印刷可能位置から離れた待機位置との間を移動可能なインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドが前記待機位置にあるときに、インクノズルが形成されている前記インクジェットヘッドのインクノズル面を覆うキャップと、
前記キャップの内側に収納されており、前記インクノズルから前記キャップに吐出されるインクを吸収するインク吸収材と、
前記インクジェットヘッドが前記印刷可能位置にあるときに、前記キャップを密閉するキャップ密閉部材と、
前記キャップの内側に保湿液を供給する液体供給機構を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、インクジェットヘッドが待機位置にあるときには、キャップによってインクノズル面を覆うことにより、キャップを密閉状態としておくことができる。また、インクジェットヘッドが印刷可能位置にあるときには、すなわち、インクジェットヘッドによる印刷が行われている間は、キャップ密閉部材によってキャップが密閉される。この結果、長時間に渡ってキャップが開放状態となることを回避できるので、インク吸収材からの水分の蒸発を抑制できる。さらに、液体供給機構によって、キャップの内側に保湿液を供給してインク吸収材に水分を含ませることができるので、キャップ内を保湿状態に維持できる。従って、キャップによってインクノズル面を覆ったときにインク吸収材に堆積された保湿成分がキャップとインクノズル面とによって形成された密閉空間内の水分を奪い、インクノズルからの水分の蒸発を促進してインクの増粘を助長してしまい、インクノズルに目詰まりを発生させることを防止できる。
【0009】
本発明において、前記キャップ密閉部材は、保湿液を吐出するための液体ノズルが形成されている液体ノズル面を備えており、被密閉位置にある前記キャップを前記液体ノズル面によって密閉し、前記液体供給機構は、前記液体ノズルよりも上方に配置されている液体タンク、前記液体タンクと前記液体ノズルとの間を接続している液体供給路、前記液体供給路の途中に配置されており前記液体の水頭圧に抗して前記液体供給路を閉鎖している弁体、前記液体ノズル面によって前記キャップが密封された状態となったときに当該液体ノズル面および当該キャップによって形成された第1密閉空間に負圧を発生させて前記弁体を駆動して前記液体供給路を開き前記液体ノズルから前記液体を吐出させる吸引ポンプとを備えていることが望ましい。このようにすれば、簡易な構成によってキャップ密閉部材からキャップ内に液体を供給することができる。また、吸引ポンプによる吸引によって、キャップ内からインク吸収材に堆積した保湿成分を排出することができる。
【0010】
この場合において、前記弁体は、前記キャップ密閉部材に搭載されていることが望ましい。このようにすれば、液体ノズルから弁体までの距離を短くすることができ、液体ノズル面から蒸発する保湿液の蒸発量を液体ノズル面から弁体までの体積に限定できる。従って、保湿液の消費量を低減させることができる。
【0011】
この場合において、前記吸引ポンプは、前記キャップが前記インクノズル面を覆った状態となったときに、前記インクノズル面および前記キャップによって形成された第2密閉空間に負圧を発生させて、前記インクノズルからインクを吐出させることが望ましい。すなわち、インクノズルに目詰まりが発生した場合にインクノズルからキャップにインクを強制的に吐出させるインク吸引動作を行うための吸引ポンプと、キャップ密閉部材からキャップ内に液体を供給するための吸引ポンプとを共用すれば、装置の小型化を図るとともに、製造コストを抑えることができる。
【0012】
本発明において、前記インクジェットヘッドが前記待機位置にあるときに前記インクノズル面を覆うキャッピング位置および前記キャップ密閉部材によって密閉される前記被密閉位置の間で前記キャップを移動させるキャップ移動機構と、
前記インクジェットヘッドが前記印刷可能位置に移動する際に、前記キャップを前記被密閉位置に移動させて前記キャップ密閉部材によって前記キャップを密閉するとともに、前記インクジェットヘッドが前記待機位置に移動する際に、前記キャップを前記キャッピング位置に移動させて当該キャップによって前記インクノズル面を覆うキャップ移動制御部を備えていることが望ましい。このようにすれば、インクジェットヘッドが待機位置にあるときに、キャップでインクジェットヘッドのインクノズル面を覆うとともに、インクジェットヘッドが印刷可能位置にあるときに、キャップ密閉部材でキャップを密閉することが容易となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、インクジェットヘッドが待機位置にあるときには、キャップによってインクノズル面を覆うことにより、キャップを密閉状態としておくことができる。また、インクジェットヘッドが印刷可能位置にあるときには、すなわち、インクジェットヘッドによる印刷が行われている間は、キャップ密閉部材によってキャップが密閉される。この結果、長時間に渡ってキャップが開放状態となることを回避できるので、インク吸収材からの水分の蒸発を抑制できる。さらに、液体供給機構によって、キャップの内側に保湿液を供給してインク吸収材に水分を含ませることができるので、キャップ内を保湿状態に維持できる。従って、キャップによってインクノズル面を覆ったときにインク吸収材に堆積された保湿成分がキャップとインクノズル面とによって形成された密閉空間内の水分を奪い、インクノズルからの水分の蒸発を促進してインクの増粘を助長してしまい、インクノズルに目詰まりを発生させることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プリンターケースを取り除いたインクジェットプリンターの斜視図である。
【図2】ヘッドユニットとメンテナンスユニットの要部の斜視図である。
【図3】水吐出ヘッドの斜視図および断面図である。
【図4】印刷状態および待機状態におけるヘッドユニットとメンテナンスユニットの位置の説明図である。
【図5】水供給動作中のヘッドユニットとメンテナンスユニットの移動の説明図である。
【図6】ワイピング動作およびフラッシング動作におけるヘッドユニットとメンテナンスユニットの移動の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したインクジェットプリンター(インクジェット記録装置)を説明する。
【0016】
(全体構成)
図1は本実施形態のインクジェットプリンターの斜視図であり、プリンターケースを取り除いた状態を示している。図2(a)はヘッドユニットおよびメンテナンスユニットの要部を取り出して示した斜視図であり、図2(b)はキャップの断面図である。インクジェットプリンター1は、複数種類のカラーインクを用いてロール紙2から繰り出される長尺状の記録紙3に印刷を行うものである。インクジェットプリンター1は、全体として直方体状をしており、その前面には記録紙排出口4が形成されている。インクジェットプリンター1の後側部分にはロール紙装填部5が設けられており、ロール紙装填部5に装填されたロール紙2から引き出された記録紙3は、インクジェットヘッド6による印刷位置Pを経由する記録紙搬送経路7に沿って、プリンター前方に向って搬送される。印刷位置Pはプラテン8によって規定されている。
【0017】
プラテン8の上方には、ヘッドユニット10が配置されている。ヘッドユニット10は、インクジェットヘッド6と、インクジェットヘッド6にインクを供給するためのポンプ機構11と、水(保湿液)を吐出することが可能な水吐出ヘッド(キャップ密閉部材)12を備えている。また、ヘッドユニット10は、インクジェットヘッド6を搭載している第1キャリッジ13と、第1キャリッジ13のプリンター後方においてポンプ機構11および水吐出ヘッド12を搭載している第2キャリッジ14を備えている。
【0018】
インクジェットヘッド6は、図2(a)に示すように、第1インクジェットヘッド15と、第1インクジェットヘッド15のプリンター後方に位置する第2インクジェットヘッド16を有している。第1インクジェットヘッド15および第2インクジェットヘッド16は同一の構成を備えており、それぞれ、インクノズル17が形成されているインクノズル面18を下方に向けた状態で搭載されている。
【0019】
第2キャリッジ14上において、水吐出ヘッド12はポンプ機構11の下方に位置している。水吐出ヘッド12は、水を吐出するための水ノズル(液体ノズル)20(図3参照)が形成されている水ノズル面(液体ノズル面)21を下方に向けた状態で第2キャリッジ14に搭載されている。水ノズル面21は、第1水ノズル面22と、第1水ノズル面22のプリンター後方に位置する第2水ノズル面23を備えている。水吐出ヘッド12には水タンク(液体タンク)24が水供給管25を介して接続されている。水タンク24は水吐出ヘッド12よりも上方に配置されている。
【0020】
第1キャリッジ13は、第1キャリッジ移動機構26によって上下方向に移動させられる。第2キャリッジ14は第2キャリッジ移動機構27によって上下方向に移動させられる。
【0021】
第1キャリッジ移動機構26は、インクジェットヘッド6を印刷可能位置6A、インクジェットヘッド待機位置6B、インクジェットヘッドワイピング位置6Cの間で移動させる。印刷可能位置6Aは、インクジェットヘッド6がプラテン8に沿って印刷位置Pを通過する記録紙3と所定ギャップで対向するとともに、記録紙3に対する印刷が可能な位置である。インクジェットヘッド待機位置6Bは、インクジェットプリンター1がホストコンピューターなどから印刷データの供給を待つ待機状態あるいは休止状態となったときに、インクジェットヘッド6を待機させる位置である。インクジェットヘッドワイピング位置6Cは、インクジェットヘッド6のインクノズル面18のワイピングを行うための位置である(図4参照)。
【0022】
第2キャリッジ移動機構27は、水吐出ヘッド12を水吐出ヘッド待機位置12Aと水吐出ヘッドワイピング位置12Bとの間で上下移動させる。水吐出ヘッド12は、通常は、水吐出ヘッド待機位置12Aに配置されている。水吐出ヘッドワイピング位置12Bは、水吐出ヘッド12の水ノズル面21のワイピングを行うための位置である(図5参照)。
【0023】
第2キャリッジ14の下方において、ヘッドユニット10と記録紙搬送経路7の間に形成されている空間には、メンテナンスユニット30が配置されている。メンテナンスユニット30は、図2(a)に示すように、上端開口を備える箱型のキャップ31と、キャップ31のプリンター前後方向の両側に配置されたワイパー機構32と、図1に示すように、これらキャップ31およびワイパー機構32を搭載するメンテナンスユニットキャリッジ33を備えている。
【0024】
キャップ31はインクジェットヘッド待機位置6Bにある第1インクジェットヘッド15を覆うための第1キャップ34、および、第2インクジェットヘッド16を覆うための第2キャップ35を有しており、これらは同一の構成を備えている。第1キャップ34および第2キャップ35は、図2(b)に示すように、それぞれ開口縁にブチルゴムなどからなる枠状のリップ36を備えている。キャップ31の内側にはフェルトなどからなるインク吸収材37が収納されている。また、キャップ31には吸引ポンプ38が接続されている。
【0025】
ワイパー機構32は、第1インクジェットヘッド15のインクノズル面18、および、水吐出ヘッド12の第1水ノズル面22をワイピングするための第1ワイパー機構40と、第2インクジェットヘッド16のインクノズル面18、および、水吐出ヘッド12の第2水ノズル面23をワイピングするための第2ワイパー機構41を有している。これら第1ワイパー機構40および第2ワイパー機構41は、キャップ31を挟んで対称な構成を備えている。
【0026】
ワイパー機構32は、インクジェットヘッド6のインクノズル面18および水吐出ヘッド12の水ノズル面21を払拭するためのワイパーブレード42と、このワイパーブレード42を搭載するワイパーブレードキャリッジ43と、ワイパーブレードキャリッジ43の移動をガイドするためのガイド軸44およびガイド溝45と、ワイパーブレードキャリッジ43をガイド軸44およびガイド溝45に沿って移動させるためのワイパー移動機構46を備えている。ワイパーブレード42はゴムなどの弾性材料から形成されている。ガイド軸44およびガイド溝45はプリンター幅方向に延びている。ワイパー移動機構46はワイパーブレードキャリッジ43をガイド軸44およびガイド溝45に沿って移動させることにより、通常は、インクノズル面18および水ノズル面21からプリンター幅方向に外れた位置に待機しているワイパーブレード42を、プリンター幅方向に移動させる。
【0027】
メンテナンスユニットキャリッジ33は、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構(キャップ移動機構)50によってプリンター前後方向に移動させられる。これにより、メンテナンスユニット30は、ヘッドユニット10と記録紙搬送経路7との間に形成される空間内をプリンター前後方向に移動する。より詳細には、メンテナンスユニット30は、プリンター前側から、第2ワイパー機構41が第2インクジェットヘッド16の真下に配置される第1メンテナンス位置30A、キャップ31がインクジェットヘッド6のインクノズル面18の真下のキャッピング位置31Aに配置される第2メンテナンス位置30B、第1ワイパー機構40が第1インクジェットヘッド15のインクノズル面18の真下に配置される第3メンテナンス位置30C、第2ワイパー機構41が水吐出ヘッド12の第2水ノズル面23の真下に配置される第4メンテナンス位置30D、キャップ31が水吐出ヘッド12の水ノズル面21の真下の被密閉位置31Bに配置される第5メンテナンス位置30E、第1ワイパー機構40が水吐出ヘッド12の第1水ノズル面22の真下に配置される第6メンテナンス位置30Fの間を移動する(図4〜図6参照)。ここで、キャッピング位置31Aは、インクジェットヘッド6がインクジェットヘッド待機位置6Bにあるときにキャップ31がインクノズル面18を覆う位置である。被密閉位置31Bは、水吐出ヘッド待機位置12Aに配置された水吐出ヘッド12によってキャップ31が密閉される位置である。
【0028】
次に、図1に示すように、プラテン8の下方にはインクカートリッジ装着部51が設けられている。インクカートリッジ装着部51には、例えば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクのそれぞれを貯留するインクカートリッジが装着される。インクカートリッジ装着部51にインクカートリッジを装着すると、インク供給管52を介して、ポンプ機構11とインクタンクとが接続された状態となり、インクジェットヘッド6へのインクの供給が可能となる。
【0029】
ここでインクジェットプリンター1は、図2(a)に示すように、ホストコンピューターなどからの印刷命令に基づいて記録紙3に印刷を行う制御部(キャップ移動制御部)55を備えている。制御部55は、搬送ローラー56(図1参照)などを備える記録紙搬送機構によってロール紙2から繰り出した記録紙3を記録紙搬送経路7に沿って搬送するとともに、ポンプ機構11およびインクジェットヘッド6を駆動制御して印刷位置Pを通過する記録紙3への印刷を行う。また、制御部55は、第1キャリッジ移動機構26、第2キャリッジ移動機構27、ワイパー移動機構46、吸引ポンプ38およびメンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を同期させて駆動制御する。
【0030】
(水吐出ヘッド)
次に図3を参照して水吐出ヘッド12を詳細に説明する。図3(a)は水吐出ヘッド12を斜め上方から見た斜視図であり、図3(b)は水吐出ヘッド12を斜め下方から見た斜視図であり、図3(c)は、図3(a)のX−X線における水吐出ヘッド12の断面図である。水吐出ヘッド12は矩形の板部60を有している。板部60の内部には水ノズル20に水を供給するための水路61が形成されている。水路61は、板部60の下面に近い部位において装置幅方向に延びる幹線62と、板部60の上面に近い部位において、装置前後方向に延びる複数の支線63と、支線63のプリンター前後方向の先端から下方に向って延びる溝64を備えている。
【0031】
図3(a)に示すように、板部60の上面には水タンク24からの水供給管25が接続される流入管65が形成されており、この流入管65は水路61の幹線62に連通している。また、図3(b)に示すように、板部60の下面には直方体形状の8つの凸部66が形成されており、この凸部66の下端面は、複数の水ノズル20が形成された水ノズル面21となっている。水ノズル20は、溝64を介して支線63に連通している。
【0032】
ここで、8つの凸部66のうちのプリンター前側に位置している4つの凸部66の水ノズル面21は第1ノズル面67を構成しており、プリンター後側に位置している4つの凸部66の水ノズル面21は第2ノズル面68を構成している。第1ノズル面67の配置は、第1インクジェットヘッド15が備えている4つのインクノズル面18の配置に対応しており、第2ノズル面68の配置は、第2インクジェットヘッド16が備えている4つのインクノズル面18の配置に対応している。
【0033】
水路61の幹線62と支線63の間には、上下方向に延びてこれら幹線62と支線63を連通させる弁室69が形成されている。弁室69には弾性体からなるパラソル型の弁体70が配置されている。弁体70は、水タンク24に貯留されている水の水頭圧に抗して水路61を閉鎖しており、弁体70よりも水ノズル20の側に所定以上の負圧が発生すると駆動されて、水路61を開放状態とし、水ノズル20から水を吐出させる。
【0034】
ここで、水ノズル20から水を吐出させる際には、キャップ31により水吐出ヘッド12の水ノズル面21を覆った状態として、吸引ポンプ38を駆動し、キャップ31と水ノズル面21の間の密閉空間に負圧を発生させる。すなわち、水タンク24、水供給管25および水路61からなる液体供給路、弁体70および吸引ポンプ38は、キャップ31内に水を供給するための液体供給機構を構成している。
【0035】
(印刷状態および待機状態に移行する動作)
次に、インクジェットプリンター1の各動作毎に、制御部55による第1キャリッジ移動機構26、第2キャリッジ移動機構27、ワイパー移動機構46、吸引ポンプ38およびメンテナンスユニットキャリッジ移動機構50の駆動制御を説明する。まず、図4を参照して、インクジェットプリンター1が印刷状態および待機状態に移行する動作について説明する。図4は印刷状態および待機状態におけるヘッドユニット10およびメンテナンスユニット30の位置の説明図である。
【0036】
図4(a)に示すように、記録紙3に印刷を施す印刷動作が行われる場合には、制御部55は、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動してメンテナンスユニット30を第5メンテナンス位置30E移動させて、キャップ31を水吐出ヘッド12の水ノズル面21の真下の被密閉位置31Bに配置する。また、制御部55は、第1キャリッジ移動機構26を駆動してインクジェットヘッド6を印刷可能位置6Aに配置する。さらに、制御部55は、第2キャリッジ移動機構27を駆動して、水吐出ヘッド12を水吐出ヘッド待機位置12Aに配置する。
【0037】
ここで、被密閉位置31Bは、水吐出ヘッド待機位置12Aにある水吐出ヘッド12によってキャップ31が密閉される位置であり、被密閉位置31Bにおいて、水吐出ヘッド12の水ノズル面21はキャップ31のリップ36に弾性的に当接して、キャップ31の上端開口を密閉する。従って、インクジェットヘッド6が印刷可能位置6Aにある間、すなわち、印刷が行われている間、キャップ31は水吐出ヘッド12により密閉される。
【0038】
印刷が終了すると、図4(b)に示すように、制御部55は、第1キャリッジ移動機構26を駆動してインクジェットヘッド6をインクジェットヘッド待機位置6Bに配置するとともに、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動してメンテナンスユニット30を第2メンテナンス位置30Bに移動させて、キャップ31をインクジェットヘッド6のインクノズル面18の真下のキャッピング位置31Aに配置する。
【0039】
ここで、キャップ31がキャッピング位置31Aに配置されると、キャップ31のリップ36が、待機位置にあるインクジェットヘッド6のインクノズル面18に弾性的に当接して、キャップ31がインクノズル面18を覆う状態となる。従って、インクジェットプリンター1がホストコンピューターなどから印刷データの供給を待つ待機状態あるいは休止状態の間、待機位置にあるインクジェットヘットのインクノズル面18は、キャップ31によって覆われる。
【0040】
(インク吸引動作)
次に、インクノズル17に目詰まりが発生した際などに、インクノズル17からインクを強制的に吐出させるインク吸引動作について説明する。インク吸引動作を行う場合には、制御部55は、第1キャリッジ移動機構26を駆動して、インクジェットヘッド6をインクジェットヘッド待機位置6Bに配置するとともに、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動し、メンテナンスユニット30を第2メンテナンス位置30B移動させてキャップ31をキャッピング位置31Aに配置し、これにより、キャップ31がインクノズル面18を覆った状態とする。しかる後に、吸引ポンプ38を駆動して、インクノズル面18およびキャップ31によって形成された密閉空間に負圧を発生させて、インクノズル17からキャップ31に向ってインクを強制的に吐出させる。ここで、このインク吸引動作を行う際のヘッドユニット10およびメンテナンスユニット30の位置は、図4(b)に示す待機状態と同じである。
【0041】
(水供給動作)
次に、図5を参照して、キャップ31に収納されているインク吸収材37に水分を含ませるために、キャップ31内に水を供給する水供給動作について説明する。図5は水供給動作におけるヘッドユニット10およびメンテナンスユニット30の位置の説明図である。
【0042】
水供給動作を行う場合には、図5(a)に示すように、制御部55は、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動してメンテナンスユニット30を第5メンテナンス位置30Eに移動させて、キャップ31を水吐出ヘッド12の水ノズル面21の真下の被密閉位置31Bに配置する。また、制御部55は、第2キャリッジ移動機構27を駆動して、水吐出ヘッド12を水吐出ヘッド待機位置12Aに配置する。これにより、水ノズル面21によってキャップ31が密閉された状態とする。しかる後に、吸引ポンプ38を駆動して、水ノズル面21およびキャップ31によって形成された密閉空間に負圧を発生させて、水ノズル20からキャップ31に向って水を吐出させる。なお、水ノズル面21がキャップ31の上端開口を密閉している状態は、図4(a)に示す印刷中の状態と同様なので、この水供給動作は、主に印刷中に行われる。また、この水供給動作では、吸引ポンプ38による吸引によってキャップ31内からインク吸収材37に堆積した保湿成分が排出される。
【0043】
ここで、水供給動作を行った直後に印刷が終了すると、メンテナンスユニット30が第5メンテナンス位置30Eから図4(b)に示す第2メンテナンス位置30Bに移動して、キャップ31が被密閉位置31Bからインクジェットヘッド6の真下のキャッピング位置31Aへと移動してしまうので、水ノズル20の内部に残っている水が水ノズル面21から下方に滴り落ちて、記録紙搬送経路7上の記録紙3を濡らしてしまう恐れがある。従って、水供給動作を行った後、所定時間経過する前に印刷が終了した場合などには、水吐出ヘッド12の水ノズル面21をワイパー機構32により払拭するワイピング動作を行う。
【0044】
より具体的には、図5(b)に示すように、制御部55は、印刷終了後に第1キャリッジ移動機構26を駆動してインクジェットヘッド6をインクジェットヘッド待機位置6Bに配置する。また、制御部55は、第2キャリッジ移動機構27を駆動して水吐出ヘッド12を水吐出ヘッドワイピング位置12Bに配置する。これと並行して、制御部55は、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動してメンテナンスユニット30を第6メンテナンス位置30Fに移動させて、第1ワイパー機構40を水吐出ヘッド12の第1水ノズル面22の真下に配置する。
【0045】
ここで、水吐出ヘッド12を水吐出ヘッドワイピング位置12Bに配置すると、水吐出ヘッド12の水ノズル面21の高さ位置は、第6メンテナンス位置30Fに移動した第1ワイパー機構40のワイパーブレード42の先端が水吐出ヘッド12のインクノズル面18に当接可能な高さ位置となる。従って、制御部55は、ワイパー移動機構46を駆動して、ワイパーブレード42によって第1水ノズル面22を払拭する。その後、制御部55は、図5(c)に示すように、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動して、メンテナンスユニット30を第4メンテナンス位置30Dに移動させて、第2ワイパー機構41を水吐出ヘッド12の第2水ノズル面23の真下に配置する。しかる後に、第2ワイパー機構41を駆動して、ワイパーブレード42によって第2水ノズル面23を払拭する。
【0046】
水吐出ヘッド12の水ノズル面21をワイパー機構32により払拭するワイピング動作が終了すると、制御部55は、図5(d)に示すように、メンテナンスユニット30を第2メンテナンス位置30Bに移動させて、キャップ31をキャッピング位置31Aに配置する。これにより、インクジェットヘッド6のインクノズル面18はキャップ31によって覆われる。
【0047】
(インクノズル面ワイピング動作およびフラッシング動作)
次に、図6を参照して、ワイパー機構32によるインクノズル面18のワイピング動作およびフラッシング動作を説明する。図6はワイピング動作およびフラッシング動作におけるヘッドユニット10およびメンテナンスユニット30の位置の説明図である。
【0048】
ワイパー機構32によるインクノズル面18のワイピングが必要となる場合には、まず、図5(a)の水供給動作、および図5(b)、(c)の水ノズル20のワイピング動作を連続して行う。しかる後に、図6(a)に示すように、制御部55は、第1キャリッジ移動機構26を駆動してインクジェットヘッド6をインクジェットヘッドワイピング位置6Cに配置する。また、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動してメンテナンスユニット30を第1メンテナンス位置30Aに移動させて、第2ワイパー機構41を第2インクジェットヘッド16の真下に配置する。ここで、インクジェットヘッド6のインクジェットヘッドワイピング位置6Cの高さ位置は、メンテナンスユニット30を第1メンテナンス位置30Aに移動したときに、第2ワイパー機構41のワイパーブレード42の先端が第2インクジェットヘッド16のインクノズル面18に当接可能な高さ位置となっているので、制御部55は、ワイパー移動機構46を駆動してワイパーブレード42によってインクノズル面18を払拭する。さらに、制御部55は、図6(b)に示すように、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動して、メンテナンスユニット30を第3メンテナンス位置30Cに移動させ、第1ワイパー機構40を第1インクジェットヘッド15のインクノズル面18の真下に配置し、しかる後に、ワイパー移動機構46を駆動して、ワイパーブレード42で第1インクジェットヘッド15のインクノズル面18を払拭する。なお、ワイピング動作では、第1インクジェットヘッド15のインクノズル面18を払拭した後に、第2インクジェットヘッド16のインクノズル面18を払拭してもよい。
【0049】
本例では、ワイパー機構32によるインクノズル面18のワイピングに先立って、まず、水ノズル20から水を吐出させて水吐出ヘッド12の水ノズル面21を濡らし、濡れた状態の水ノズル面21をワイパーブレード42によりワイピングしている。従って、以前に行われたインクノズル面18のワイピングによってワイパーブレード42に増粘した増粘インクが付着していた場合でも、水ノズル面21のワイピングによって、ワイパーブレード42が水によって洗浄され、ワイパーブレード42から増粘インクが取り除かれる。この結果、インクノズル面18のワイピングの際に、ワイパーブレード42に付着していた増粘インクをインノズル内に押し込んでしまうことがないので、ワイピングを行うことによって目詰まりを発生させることがない。
【0050】
ここで、インクノズル17の目詰まりの発生を抑制するために、インクノズル17からキャップ31に向ってインクを吐出させるフラッシング動作を行う場合には、図6(c)に示すように、制御部55は、第1キャリッジ移動機構26を駆動してインクジェットヘッド6をインクジェットヘッドワイピング位置6Cに配置すると共に、メンテナンスユニットキャリッジ移動機構50を駆動して、メンテナンスユニット30を第2メンテナンス位置30B移動させて、キャップ31をインクジェットヘッド6のインクノズル面18の真下のキャッピング位置31Aに配置する。これにより、インクジェットヘッド6とキャップ31とを対向させた状態が形成されるので、制御部55はインクジェットヘッド6からインクを吐出させる。
【0051】
(作用効果)
本例によれば、インクジェットヘッド6による印刷が行われている間、水吐出ヘッド12によってキャップ31を密閉しておくことができる。また、インクジェットヘッドが待機位置にあるときには、キャップ31によってインクノズル面18を覆うことにより、キャップ31を密閉状態としておくことができる。この結果、長時間に渡ってキャップ31が開放状態となることを回避できるので、インク吸収材37からの水分の蒸発を抑制できる。さらに、水吐出ヘッド12からキャップ31の内側に水を供給してインク吸収材37に水分を含ませることができるので、キャップ31内を保湿状態に維持できる。従って、キャップ31によってインクノズル面18を覆ったときにインク吸収材37に堆積された保湿成分がキャップ31とインクノズル面18とによって形成された密閉空間内の水分を奪い、インクノズル17からの水分の蒸発を促進してインクの増粘を助長してしまい、インクノズル17に目詰まりを発生させることを防止できる。
【0052】
また、本例では、水吐出ヘッド12からキャップ31内に液体を供給する水供給機構が、水吐出ヘッド12よりも上方に配置されている水タンク24、水路61の途中に配置されており水の水頭圧に抗して水路61を閉鎖している弁体70、および、水吐出ヘッド12の水ノズル面21によってキャップ31が密封された状態となったときに水ノズル面21とキャップ31によって形成された密閉空間に負圧を発生させて弁体70を駆動し、水路61を開放して水ノズル20から水を吐出させる吸引ポンプ38から構成されており、その構成が簡易である。
【0053】
さらに、弁体70は、水吐出ヘッド12に搭載されているので、水ノズル20から弁体70までの距離を短くすることができ、水ノズル面21から蒸発する水の蒸発量を水ノズル面21から弁体70までの体積に限定できる。従って、水の消費量を低減させることができる。
【0054】
また、水吐出ヘッド12から水を吐出させるための吸引ポンプ38は、キャップ31がインクノズル面18を覆った状態となったときに、インクノズル面18とキャップ31によって形成された密閉空間に負圧を発生させて、インクノズル17からインクを強制的に吐出させるインク吸引動作を行うための吸引ポンプ38と共用されている。従って、インクジェットプリンター1の小型化を図るとともに、製造コストを抑えることができる。
【0055】
(その他の実施の形態)
上記の例では水吐出ヘッド12からキャップ31に水を供給しているが、水以外の液体を用いてキャップ31内を保湿することもできる。
【0056】
なお、上記の例では、インクジェットヘッド6と、ポンプ機構11および水吐出ヘッド12とは、別のキャリッジに搭載されているが、これらを同一のキャリッジに搭載して一体に上下動させてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1・インクジェットプリンター(インクジェット記録装置)、3・記録紙、4・記録紙排出口、5・ロール紙装填部、6・インクジェットヘッド、6A・印刷可能位置、6B・インクジェットヘッド待機位置、6C・インクジェットヘッドワイピング位置、7・記録紙搬送経路、8・プラテン、10・ヘッドユニット、11・ポンプ機構、12・水吐出ヘッド、12A・水吐出ヘッド待機位置、12B・水吐出ヘッドワイピング位置、13・第1キャリッジ、14・第2キャリッジ、15・第1インクジェットヘッド、16・第2インクジェットヘッド、17・インクノズル、18・インクノズル面、20・水ノズル(液体ノズル)、21・水ノズル面(液体ノズル面)、22・第1水ノズル面、23・第2水ノズル面、24・水タンク(液体タンク)、25・水供給管、26・第1キャリッジ移動機構、27・第2キャリッジ移動機構、30・メンテナンスユニット、30A・第1メンテナンス位置、30B・第2メンテナンス位置、30C・第3メンテナンス位置、30D・第4メンテナンス位置、30E・第5メンテナンス位置、30F・第6メンテナンス位置、31・キャップ、31A・キャッピング位置、31B・被密閉位置、32・ワイパー機構、33・メンテナンスユニットキャリッジ、34・第1キャップ、35・第2キャップ、36・リップ、37・インク吸収材、38・吸引ポンプ、40・第1ワイパー機構、41・第2ワイパー機構、42・ワイパーブレード、43・ワイパーブレードキャリッジ、44・ガイド軸、45・ガイド溝、46・ワイパー移動機構、50・メンテナンスユニットキャリッジ移動機構(キャップ移動機構)、51・インクカートリッジ装着部、52・インク供給管、55・制御部(キャップ移動制御部)、56・搬送ローラー、60・板部、61・水路、62・幹線、63・支線、64・溝、65・流入管、66・凸部、67・第1ノズル面、68・第2ノズル面、69・弁室、70・弁体、P・印刷位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に対する印刷が可能な印刷可能位置と当該印刷可能位置から離れた待機位置との間を移動可能なインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドが前記待機位置にあるときに、インクノズルが形成されている前記インクジェットヘッドのインクノズル面を覆うキャップと、
前記キャップの内側に収納されており、前記インクノズルから前記キャップに吐出されるインクを吸収するインク吸収材と、
前記インクジェットヘッドが前記印刷可能位置にあるときに、前記キャップを密閉するキャップ密閉部材と、
前記キャップの内側に保湿液を供給する液体供給機構を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記キャップ密閉部材は、保湿液を吐出するための液体ノズルが形成されている液体ノズル面を備えており、被密閉位置にある前記キャップを前記液体ノズル面によって密閉し、
前記液体供給機構は、前記液体ノズルよりも上方に配置されている液体タンク、前記液体タンクと前記液体ノズルとの間を接続している液体供給路、前記液体供給路の途中に配置されており前記液体の水頭圧に抗して前記液体供給路を閉鎖している弁体、前記液体ノズル面によって前記キャップが密封された状態となったときに当該液体ノズル面および当該キャップによって形成された第1密閉空間に負圧を発生させて前記弁体を駆動して前記液体供給路を開き前記液体ノズルから前記液体を吐出させる吸引ポンプとを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記弁体は、前記キャップ密閉部材に搭載されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記吸引ポンプは、前記キャップが前記インクノズル面を覆った状態となったときに、前記インクノズル面および前記キャップによって形成された第2密閉空間に負圧を発生させて、前記インクノズルからインクを吐出させることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記インクジェットヘッドが前記待機位置にあるときに前記インクノズル面を覆うキャッピング位置および前記キャップ密閉部材によって密閉される前記被密閉位置の間で前記キャップを移動させるキャップ移動機構と、
前記インクジェットヘッドが前記印刷可能位置に移動する際に、前記キャップを前記被密閉位置に移動させて前記キャップ密閉部材によって前記キャップを密閉するとともに、前記インクジェットヘッドが前記待機位置に移動する際に、前記キャップを前記キャッピング位置に移動させて当該キャップによって前記インクノズル面を覆うキャップ移動制御部を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−116032(P2012−116032A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266220(P2010−266220)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】