説明

インクジェット記録装置

【課題】インクの付着により撓んだシートの記録ヘッドなどへの当接を防止しつつ、シートに記録される画像品質の低下を防止可能な手段を提供する。
【解決手段】印刷データに基づいて、プラテン36に支持された記録用紙14へ向かってインク滴を吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドよりも記録用紙14の搬送向きの下流側に設けられ、記録用紙14を搬送向きに搬送する排紙ローラ対54と、搬送向きにおける記録ヘッド及び排紙ローラ対54の間に設けられ、下側から記録用紙14を支持可能な可動ガイド部材70とを備える。可動ガイド部材70は、搬送される記録用紙14を排紙ローラ対54へ案内する支持姿勢、及び支持姿勢よりも下方に退避した前傾姿勢に姿勢変化可能な第1部材67と、第1部材67に対して左右方向9に配置され、第1部材67の姿勢変化とは独立して支持姿勢及び前傾姿勢に姿勢変化可能な第2部材68とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送路を搬送されるシートに液滴を吐出するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水平方向に並んで配置された搬送ローラ対及び排紙ローラ対と、搬送ローラ対及び排紙ローラ対の間に配置されたプラテンと、プラテンの上方に配置され液滴の一例であるインク滴を吐出する記録ヘッドと、を備えたインクジェット記録装置がある(例えば、特許文献1参照)。被記録媒体、例えばシートは、搬送ローラ対により記録ヘッドへ向かって搬送され、搬送向きにおける先端側から記録ヘッドにより画像が記録され、当該先端が排紙ローラ対に達すると搬送ローラ対及び排紙ローラ対により搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−15533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェット記録装置では、搬送されるシートの先端部にインクが多量に付着すると、シートが上方に膨らむように撓むことがある。シートが撓むと、シートの先端部が記録ヘッドや案内部材に当接し、ジャムが発生するおそれがある。このような問題を解決するためには、記録ヘッド及び排紙ローラ対の間に姿勢変化可能なガイド部材が設けられればよい。そして、シートが撓む場合にガイド部材を下げればよい。これにより、シートの上記先端部を下方へ逃がすことができる。
【0005】
ここで、インクジェット記録装置では、印刷データに基づいて、シート上の各位置に吐出するインクの量が決定される。つまり、シートに吐出されるインクの量は、シート上の位置により異なる。例えば、印刷データの内容によっては、搬送されるシートの右端付近においてインクの吐出量が多く、搬送されるシートの左端付近においてインクの吐出量が少なくなる。すると、搬送されるシートの先端部における右端付近の撓みは、左端付近の撓みよりも大きくなる。
【0006】
上記の場合、ガイド部材の下げ量が小さいと、シートの右端付近において、シートの先端部が記録ヘッドや案内部材に当接してしまう。一方、ガイド部材の下げ量が大きいと、シートの左端付近において、シート及び記録ヘッドの間隔が大きくなってしまい、その結果、インク滴の吐出によってシートに記録される画像の品質が悪くなってしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、インクの付着により撓んだシートが記録ヘッドなどに当接することを防止しつつ、シートに記録される画像の品質の低下を抑えることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明のインクジェット記録装置は、シートを搬送路に沿った搬送向きに搬送する第1搬送部と、上記第1搬送部よりも上記搬送向きの下流側且つ上記搬送路の上側に設けられており、印刷データに基づいて、上記搬送路を搬送されるシートへ向かって液滴を吐出する記録ヘッドと、上記記録ヘッドよりも上記搬送向きの下流側に設けられ、上記記録ヘッドによって液滴を吐出されたシートを上記搬送向きに搬送する第2搬送部と、上記搬送向きにおける上記記録ヘッドの下流側であって上記第2搬送部の上流側に、下側からシートを支持可能な支持部材と、を備える。上記支持部材は、上記搬送向きに搬送されるシートを上記第2搬送部へ案内する第1姿勢、及び上記第1姿勢よりも下方に退避した第2姿勢に姿勢変化可能な第1部材と、当該第1部材に対して上記搬送向きと交差する幅方向に配置され、上記第1部材の姿勢変化とは独立して上記第1姿勢及び上記第2姿勢に姿勢変化可能な第2部材と、を備える。
【0009】
本構成によれば、印刷データに基づいて、幅方向に沿って配置されたシートを支持する支持部材が第2姿勢にされることによって、シートが記録ヘッドや搬送路を区画するガイド部材などに当接することを防止することができる。また、本構成によれば、シートを支持する支持部材が第1姿勢にされることによって、シート及び記録ヘッドの間隔が大きくなることを防止することができる。
【0010】
(2) 本発明のインクジェット記録装置は、上記支持部材に駆動力を付与する第1駆動手段と、上記印刷データに基づいて、上記搬送向きにおけるシートの先端から所定長さであり且つ上記幅方向において上記第1部材に支持される第1領域に吐出される第1液適量、及び上記搬送向きにおけるシートの先端から上記所定長さであり且つ上記幅方向において上記第2部材に支持される第2領域に吐出される第2液適量を算出する算出手段と、上記算出手段によって算出された第1液適量及び第2液適量に基づいて、上記第1駆動手段の駆動を制御して上記支持部材を姿勢変化させる第1姿勢制御手段と、を備える。
【0011】
本構成によれば、液滴量に基づいて複数の支持部材が第2姿勢となるため、各支持部材(第1部材及び第2部材)の姿勢を適切に設定することができる。
【0012】
(3) 上記第1姿勢制御手段は、上記第1液適量が第1閾値以上であることを条件に、上記第1部材を上記第2姿勢に姿勢変化させ、上記第2液適量が第2閾値以上であることを条件に、上記第2部材を上記第2姿勢に姿勢変化させる第1手段を備える。
【0013】
本構成によれば、液滴量が多くシートの撓みが大きくなる箇所の支持部材を第2姿勢とするため、支持部材の姿勢を適切に設定することができる。
【0014】
(4) 上記第1部材は、上記搬送路の上記幅方向における一方の端部に設けられている。上記第2部材は、上記搬送路の上記幅方向における他方の端部に設けられている。上記支持部材は、上記第1部材と上記第2部材との上記幅方向における間に、上記第1部材及び上記第2部材の姿勢変化とは独立して上記第1姿勢及び上記第2姿勢に姿勢変化可能な第3部材を備える。上記算出手段は、上記搬送向きにおけるシートの先端から上記所定長さであり且つ上記幅方向において上記第3部材に支持される第3領域に吐出される第3液適量を算出する。上記第1姿勢制御手段は、上記第1液適量と上記第3液適量との合計量である第1合計量が第3閾値以上であることを条件に、上記第1部材と上記第3部材とを上記第2姿勢に姿勢変化させ、上記第2液適量と上記第3液滴量との合計量である第2合計量が第4閾値以上であることを条件に、上記第2部材と上記第3部材とを上記第2姿勢に姿勢変化させる第2手段を備える。
【0015】
本構成によれば、複数領域にまたがって液滴量が多い場合にも、支持部材の姿勢を適切に設定することができる。
【0016】
(5) 上記第1部材は、上記搬送路の上記幅方向における一方の端部に設けられている。上記第2部材は、上記搬送路の上記幅方向における他方の端部に設けられている。上記支持部材は、上記第1部材と上記第2部材との上記幅方向における間に、上記第1部材及び上記第2部材の姿勢変化とは独立して上記第1姿勢及び上記第2姿勢に姿勢変化可能な第3部材を備える。上記第1姿勢制御手段は、上記第1液滴量が第5閾値以上であり上記第2液滴量が第6閾値以上であることを条件に、上記第1部材と上記第2部材とを上記第2姿勢に姿勢変化させる第3手段を備える。
【0017】
本構成によれば、両端部に液滴量が多い場合にも、各支持部材の姿勢を適切に設定することができる。
【0018】
(6) 上記第1部材は、上記搬送路の上記幅方向における一方の端部に設けられている。上記第2部材は、上記搬送路の上記幅方向における他方の端部に設けられている。上記支持部材は、上記第1部材と上記第2部材との上記幅方向における間に、上記第1部材及び上記第2部材の姿勢変化とは独立して上記第1姿勢及び上記第2姿勢に姿勢変化可能な第3部材を備える。上記算出手段は、上記搬送向きにおけるシートの先端から上記所定長さであり且つ上記幅方向において上記第3部材に支持される第3領域に吐出される第3液適量を算出する。上記第1姿勢制御手段は、上記第3液滴量が第7閾値以上であることを条件に、上記第1部材と上記第2部材と上記第3部材とを上記第2姿勢に姿勢変化させる第4手段を備える。
【0019】
本構成によれば、中央部に液滴量が多い場合には、シート全体が撓みやすいが、支持部材を全て下方に退避した第2姿勢にすることで、シートが記録ヘッドや搬送路を区画するガイド部材などに当接することを防止できる。
【0020】
(7) 本発明のインクジェット記録装置は、上記第1搬送部と上記第2搬送部とに駆動力を付与する第2駆動手段と、上記第2駆動手段の駆動を制御してシートの搬送動作及び停止を交互に繰り返す間欠搬送を実行させ、上記間欠搬送においてシートが停止されている間に上記記録ヘッドを制御してシートへ向かって液滴を吐出させる記録制御手段と、を備える。上記所定長さは、上記間欠搬送における搬送動作のうち、上記搬送向きにおけるシートの先端が上記第2搬送部に到達する搬送動作の直前までにおいて、上記記録ヘッドによって液滴が吐出される領域を通過する領域に対応する上記搬送向きに沿った長さである。
【0021】
本構成によれば、シート全体に吐出される液滴量により姿勢変化される支持部材が決定される場合に比べ、各支持部材の姿勢を適切に設定することができる。
【0022】
(8) 本発明のインクジェット記録装置は、シートの種類情報に基づいて、上記支持部材を上記第2姿勢に姿勢変化させるか否かを決定する第2姿勢制御手段を備える。
【0023】
本構成によれば、例えば、第2姿勢制御手段は、吐出される液滴の量が多くても撓まないような剛性の高いシートに画像が記録される場合に、各支持部材を第2姿勢に姿勢変化させない。これにより、シートの種類によっては不要な支持部材の退避が防止でき、シート及び記録ヘッドの間隔が大きくなることを防止することができる。
【0024】
(9) 本発明のインクジェット記録装置は、搬送されるシートの先端の位置を検出する検出手段を備える。上記第1姿勢制御手段は、上記検出手段の検出結果に基づいて、上記搬送向きにおけるシートの先端が上記支持部材に到達するまでに上記支持部材を上記第2姿勢に姿勢変化させ、上記搬送向きにおけるシートの先端が上記第2搬送部に到達するまでに上記支持部材を上記第1姿勢に姿勢変化させる。
【0025】
撓んだシートの先端が支持部材に到達するまでに支持部材は第2姿勢に姿勢変化される。これにより、シートが記録ヘッドなどに当接することが防止可能である。その後、支持部材は、シートの先端が第2搬送部に到達するまでに第1姿勢に姿勢変化される。これにより、シートは、第1姿勢に姿勢変化された支持部材により第2搬送部に確実に案内可能となる。
【0026】
(10) 本発明のインクジェット記録装置は、上記支持部材の上方に配置された当接部材を備える。上記第1姿勢制御手段は、シートの先端が上記搬送向きにおける上記当接部材の位置に到達したことを条件として、上記支持部材を上記第1姿勢に姿勢変化させる。
【0027】
シートの先端が当接部材に到達すると、シートの上方への撓みは当接部材によって矯正される。よって、シートの先端が当接部材に到達した状態においては、支持部材が第1姿勢に姿勢変化されても、シート及び記録ヘッドの間隔を適正に保持することができ、またシートが撓みによって記録ヘッドなどに当接することを防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、シートの先端部が記録ヘッドなどに当接することを防止することができる。また、本発明によれば、シートを支持する支持部材が第1姿勢にされることによって、シート及び記録ヘッドの間隔が大きくなることを防止することができる。よって、本発明によれば、インクの付着により撓んだシートが記録ヘッドなどに当接することを防止しつつ、シートに記録される画像の品質の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】インクジェット記録装置10の斜視図である。
【図2】プリンタ部11の模式的な断面図である。
【図3】記録ヘッド42の下面図である。
【図4】可動ガイド部材70の模式的な平面図である。
【図5】可動ガイド部材70の動作を説明する動作説明図である。
【図6】インクジェット記録装置10のブロック図である。
【図7】制御部18の動作が示されたフローチャートである。
【図8】制御部18の動作が示されたフローチャートである。
【図9】変形例2における制御部18の動作が示されたフローチャートである。
【図10】可動ガイド部材70の上側を搬送される記録用紙14の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、適宜図面が参照されて本発明の実施形態が説明される。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明では、インクジェット記録装置10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、入力部17が設けられている側を前側として前後方向8が定義され、インクジェット記録装置10を前側から見て左右方向9が定義される。
【0031】
[インクジェット記録装置10の概要]
図1に示されるように、インクジェット記録装置10(本発明のインクジェット記録装置の一例)は概ね直方体状である。インクジェット記録装置10は、下部のプリンタ部11と上部のスキャナ部12とを備えている。プリンタ部11やスキャナ部12は、入力部17やパーソナルコンピュータなどの外部機器から入力された信号により動作する。
【0032】
プリンタ部11は、記録用紙14(図2参照、本発明のシートの一例)が収容される給紙カセット60を備えている。給紙カセット60は、前方へ引き出し可能にプリンタ部11の下部に収容されている。給紙カセット60は、後部側の上部が開口する扁平な直方体状である。図2に示されるように、記録用紙14は給紙カセット60の底63に載置される。給紙カセット60の後壁64は、底63の後端から後方斜め上へ向かって延びている。後述の給送機構20により送り出される記録用紙14は後壁64に摺接することにより後方斜め上へ向かう。プリンタ部11は、給送機構20、搬送部30、記録部40、検知機構90(図6参照)、及び駆動部80(図6参照)を備える。
【0033】
[給送機構20]
図2に示されるように、給送機構20は、フレーム(不図示)に回転可能に支持された第1回転軸21と、第1回転軸21に一端が支持されたアーム22と、アーム22の他端に回転可能に支持された給送ローラ23とを備える。第1回転軸21は、左右方向9に沿って延びる丸棒状であり、駆動部80(図6参照)により回転される。
【0034】
アーム22は、第1回転軸21を中心に回動可能に第1回転軸21に一端が支持されている。これにより、給送ローラ23はアーム22の回動により上下に変位する。アーム22は、給紙カセット60が前後方向8へスライドされる際に給紙カセット60に設けられた不図示の摺接面に摺接することにより回動される。給送ローラ23は、アーム22がバネや自重により付勢されることで給紙カセット60に収容された記録用紙14に圧接される。給送ローラ23は、後述の第1駆動伝達機構85(図6参照)により第1回転軸21の回転が伝達されることで回転され、記録用紙14を後方へ送り出す。後方へ送り出された記録用紙14は搬送部30により搬送される。
【0035】
[搬送部30]
図2に示されるように、搬送部30は、搬送路31(本発明の搬送路の一例)と、搬送ローラ対51(本発明の第1搬送部の一例)と、排紙ローラ対54(本発明の第2搬送部の一例)とを備える。搬送路31は、第1ガイド部材32、第2ガイド部材33、可動ガイド部材70(本発明の支持部材の一例)、及びプラテン36などにより区画された空間である。記録用紙14は搬送路31を通過する。搬送路31は、給紙カセット60の後端を起点に、給紙カセット60の上方へ向かって湾曲した後、前方へ向かって直線状に延びている。第2ガイド部材33及び可動ガイド部材70については後述される。
【0036】
搬送ローラ対51は、後述する記録部40よりも搬送向き(本発明の搬送向きに相当)の上流側に設けられている。搬送向きは、図2において符号38で示される向き、つまり図2において一点鎖線の矢印で示される向きである。搬送ローラ対51は、左右方向9に延びる第3回転軸59に設けられた第1駆動ローラ52と、第1駆動ローラ52に従動する第1従動ローラ53とを備える。第1駆動ローラ52と第1従動ローラ53とは搬送路31を挟んで対向している。搬送ローラ対51は、第3回転軸59が駆動部80により回転されることで、記録用紙14を挟んで搬送向き38に搬送する。搬送ローラ対51により記録部40の直下へ搬送された記録用紙14は、記録部40により画像が記録される。
【0037】
排紙ローラ対54は、記録部40よりも搬送向き38の下流側に設けられている。排紙ローラ対54は、左右方向9に沿って延びる第2回転軸57に設けられた複数個の第2駆動ローラ55と、複数個の第2従動ローラ56とを備える。第2駆動ローラ55及び第2従動ローラ56の各々は、左右方向9において互いに離間されている。第2駆動ローラ55と第2従動ローラ56とは搬送路31を挟んで対向している。排紙ローラ対54は、第2回転軸57が駆動部80により回転されることで、記録部40により画像が記録された記録用紙14を挟んで、搬送向き38に搬送する。
【0038】
[記録部40]
図2に示されるように、記録部40はプラテン36の上側に配置されたキャリッジ41に保持されている。キャリッジ41は、図5に示される前後一対のガイドレール37に跨り、左右方向9に沿って移動可能にガイドレール37に支持されている。
【0039】
図2に示されるように、記録部40は、インクカートリッジ(不図示)から供給されるインクを貯留する4つのサブタンク43と記録ヘッド42(本発明の記録ヘッドの一例)とを備える。記録ヘッド42は、プラテン36に臨む複数個のノズル45(図3参照)と、サブタンク43及びノズル45を繋ぐインク流路(不図示)と、インク流路の一部を変形させることでノズル45からインク滴(本発明の液滴の一例)を吐出させる圧電素子44(図6参照)とを備える。なお、インク滴は、圧電素子44を用いる方法以外、例えばヒータによりインク流路内のインクの一部を突沸させる方法により、吐出されてもよい。
【0040】
各サブタンク43には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクの一つが貯留される。図3に示されるように、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各サブタンク43に対して、前後方向8に沿った複数個のノズル45からなる第1ノズル列46、第2ノズル列47、第3ノズル列48、第4ノズル列49が設けられている。
【0041】
圧電素子44は、不図示のドライブ回路を介して制御部18により給電されることで動作する。制御部18は、印刷データに応じて圧電素子44への給電を制御し、各ノズル列46〜49の複数のノズル45から搬送路31を搬送される記録用紙14へ向かって選択的にインク滴を吐出させる。また、制御部18は、印刷データに応じて圧電素子44への給電を調整することにより、ノズル45から吐出されるインク滴の大きさを調整する。
【0042】
[駆動部80]
図6に示されるように、駆動部80は、第1駆動モータ81、第2駆動モータ82、第3駆動モータ83、第4駆動モータ84、第5駆動モータ96、及び第6駆動モータ97を備える。各駆動モータ81〜84、96、97の駆動力は、第1駆動伝達機構85、第2駆動伝達機構86、第3駆動伝達機構87、第4駆動伝達機構88、第5駆動伝達機構97、及び第6駆動伝達機構98により、給送ローラ23、搬送ローラ対51、排紙ローラ対54、キャリッジ41、及び可動ガイド部材70へ伝達される。
【0043】
第1駆動伝達機構85は、給送機構30のアーム22に取り付けられた複数個のギア(不図示)からなるギア機構であり、第1駆動モータ81により回転される第1回転軸21の回転を給送ローラ23へ伝達する。
【0044】
第2駆動伝達機構86はカムベルト機構であり、第2駆動モータ82の回転を第1駆動ローラ52の第3回転軸59及び第2駆動ローラ55の第2回転軸57へ伝達する。搬送ローラ対51及び排紙ローラ対54は、第2駆動伝達機構86により、同じ向きへ記録用紙14を搬送する向きへ同時に回転される。以上より、第2駆動モータ82及び第2駆動伝達機構86は、搬送ローラ対51及び排紙ローラ対54に駆動力を付与する。つまり、第2駆動モータ82及び第2駆動伝達機構86は、本発明の第2駆動手段の一例である。第3駆動伝達機構87は、カムベルト機構であり、第3駆動モータ83の回転によりキャリッジ41を左右方向9に沿って移動させる。
【0045】
第4駆動伝達機構88、第5駆動伝達機構97、及び第6駆動伝達機構98は、例えばギア機構である。第4駆動伝達機構88は、回動可能に設けられた後述の可動ガイド部材70のうちの第1部材67へ、第4駆動モータ84の回転を伝達する。第5駆動伝達機構96は、可動ガイド部材70のうちの第2部材68へ、第5駆動モータ97の回転を伝達する。第6駆動伝達機構98は、可動ガイド部材70のうちの第3部材69へ、第6駆動モータ98の回転を伝達する。以上より、第4〜第6駆動モータ84、96、97及び第4〜第6駆動伝達機構88、98、99は、可動ガイド部材70に駆動力を付与する本発明の第1駆動手段の一例である。
【0046】
なお、本実施形態においては、可動ガイド部材70の各部材67〜69について、駆動モータ及び駆動伝達機構が設けられているが、各部材67〜69は、共通の駆動モータによって駆動されてもよい。この場合、駆動伝達機構は、いずれの部材67〜69が駆動されるかに基づいて、駆動伝達の経路を切替可能に構成される。
【0047】
[検知機構90]
図6に示されるように、検知機構90(本発明の検出手段の一例)は、センサ91と、第1エンコーダ92と、第2エンコーダ93とを備える。
【0048】
図2に示されるように、センサ91は、搬送ローラ対51の搬送向き38上流側に配置されている。センサ91は、発光ダイオード及びフォトダイオードを有するフォトインタラプタと、出没可能に搬送路31に設けられた検出子とで構成されている。搬送された記録用紙14に押されて検出子が姿勢変化されると、発光ダイオードからの光がフォトダイオードに到達することが阻止され、または、検出子に阻止されていた光がフォトダイオードに到達するようになり、センサ91の出力が変化する。センサ91の出力は制御部18(図6参照)に入力される。制御部18は、センサ91の出力変化により、搬送向き38における記録用紙14の先端や後端がセンサ91を通過したことを検知する。
【0049】
第1エンコーダ92は、フォトインタラプタ(不図示)と、第1駆動ローラ52の第3回転軸59に取り付けられたディスク(不図示)とを備える。光が透過する透光部及び光を遮断する遮光部(不図示)がディスクに設けられている。ディスクの回転により、透光部と遮光部とが交互にフォトインタラプタの光路上を通過し、第1エンコーダ92の出力が変化する。第1エンコーダ92の出力変化の回数は、搬送ローラ対51又は排紙ローラ対54により搬送される記録用紙14の搬送量に相当する。第2エンコーダ93は、第1エンコーダ92と同様の構成である。但し、ディスクは、第1駆動モータ81又は第1回転軸21に取り付けられている。よって、第2エンコーダ93の出力変化の回数は、給送ローラ23により搬送される記録用紙14の搬送量に相当する。
【0050】
第1エンコーダ92及び第2エンコーダ93の出力変化の回数は、カウンタによりカウントされ、制御部18に入力される。制御部18は、搬送ローラ対51、後述の拍車34等の搬送向き38における位置に対応する所定値を記憶した記憶部(不図示)を備える。制御部18は、センサ91の出力が変化したときからの各エンコーダ92、93の出力変化の回数から、搬送向き38における記録用紙14の先端位置を算出する。
【0051】
[可動ガイド部材70]
図2に示されるように、可動ガイド部材70は、搬送向き38における記録ヘッド42の下流側であって排紙ローラ対54の上流側に配置されている。可動ガイド部材70は、プラテン36上において画像が記録された記録用紙14の搬送向き38における先端を、排紙ローラ対54のニップ位置に案内するためのものである。
【0052】
図4(A)に示されるように、本実施形態において、可動ガイド部材70は、左右方向9(本発明の幅方向の一例)に沿って、3つ並べられている。可動ガイド部材70は、左右方向9における一方の端部(右端)に設けられた第1部材67(本発明の第1部材の一例)と、左右方向9における他方の端部(左端)に設けられた第2部材68(本発明の第2部材の一例)と、左右方向9における第1部材67及び第2部材68の間に設けられた第3部材69(本発明の第3部材の一例)とを備えている。
【0053】
各可動ガイド部材70(67〜69)は、板状の基部71と、基部71の後端部から左右方向9の外側へ向かってそれぞれ突出された円柱状の軸突部73とを備える。搬送路31を搬送される記録用紙14は、基部71の上面によって支持される。つまり、各可動ガイド部材70は、下側から記録用紙14を支持可能である。軸突部73は、インクジェット記録装置10のフレーム(不図示)により支持されている。つまり、各可動ガイド部材70は軸突部73を中心に独立して回動可能、つまり個別に回動可能である。
【0054】
各可動ガイド部材70は、回動することにより、前端部の位置が下がり、図5(A)の支持姿勢(本発明の第1姿勢に相当、図2に実線で示された姿勢)、及び図5(B)の前傾姿勢(本発明の第2姿勢に相当、図2に破線で示された姿勢)に姿勢変化する。支持姿勢は、排紙ローラ対54のニップ位置に搬送向き38における記録用紙14の先端を案内する姿勢である。前傾姿勢は、基部71の前端部が排紙ローラ対54のニップ位置よりも下方に位置する姿勢、つまり支持姿勢よりも下方に退避した姿勢であって、搬送向き38における記録用紙14の先端を下方へ逃がす姿勢である。
【0055】
本実施形態において、各可動ガイド部材70は、軸突部73とフレームなどとの間に生じる摩擦力により、支持姿勢または前傾姿勢に維持される。なお、各可動ガイド部材70が各姿勢を維持するための機構は、上述したような機構に限らず、例えば、各可動ガイド部材70に、各姿勢を維持するためのストッパが設けられていてもよい。
【0056】
[第2ガイド部材33]
図2に示されるように、第2ガイド部材33は可動ガイド部材70の上方に配置されている。第2ガイド部材33には拍車34(本発明の当接部材の一例)が回転可能に左右方向9に沿って複数設けられている。拍車34は可動ガイド部材70の上方に配置されている。拍車34は、可動ガイド部材70が支持姿勢であるときに搬送される記録用紙14と当接可能となっている。
【0057】
[制御部18]
制御部18(図6参照)は、不図示の基板に実装されたマイクロコンピュータや種々の電子部品により実現されている。制御部18は、上述の所定値などが記憶された記憶部(不図示)を備え、これらの所定値、検知機構90から入力された信号、及び入力された印刷データなどに基づいてプリンタ部11を動作させる。印刷データには、使用される記録用紙14の種類、例えば記録用紙14が厚紙や光沢紙であるか否かについての種類情報(本発明の種類情報に相当)や、記録させる画像についての画像情報等が含まれる。
【0058】
[プリンタ部11の動作]
制御部18は、入力部17や外部機器から入力された信号により、印刷データを記録用紙14に印刷する旨の指示を受けると、第1駆動モータ81を回転させて記録用紙14の給送を行う。制御部18は、センサ91及び第2エンコーダ93の出力変化の回数と、記憶部に記憶された搬送ローラ対51や拍車34の位置に対応する所定値とから、記録用紙14の先端の位置を監視する。制御部18は、記録用紙14の先端が搬送ローラ対51のニップ位置に到達する前に第2駆動モータ82を回転させる。これにより、記録用紙14は、搬送ローラ対51によって搬送向き38へ搬送される。
【0059】
制御部18は、センサ91及び第1エンコーダ92の出力変化の回数から搬送向き38の記録用紙14の先端位置を監視する。制御部18は、記録用紙14の先端が記録ヘッド42の下方の印刷開始位置に到達したと判断すると、第2駆動モータ82を止める。
【0060】
次に、制御部18は、圧電素子44への給電を行って記録ヘッド42にインク滴を吐出させると共に、キャリッジ41を移動させ、1行の印刷を行う。改行幅は、制御部18がどのノズル45(図3参照)を用いて印刷するかや印刷データにより決まる。制御部18は、1行の印刷が終了すると第2駆動モータ82を駆動させて記録用紙14を搬送し、記録用紙14の搬送量が上記改行幅となると、第2駆動モータ82を停止させ、1行の印刷を再び行う。
【0061】
以上より、制御部18は、第2駆動モータ82の駆動を制御して記録用紙14の搬送動作及び停止を交互に繰り返す間欠搬送(本発明の間欠搬送に相当)を実行させ、当該間欠搬送において記録用紙14が停止されている間に圧電素子44への給電を制御することにより記録ヘッド42を制御して記録用紙14へ向かってインク滴を吐出させる処理を実行する。制御部18によって実行される当該処理は、本発明の記録制御手段に相当する。
【0062】
また、制御部18は、印刷実行の際の各可動ガイド部材70の姿勢を、印刷データに基づいて決定する。以下の説明では、各可動ガイド部材70を支持姿勢から傾斜姿勢に姿勢変化させる向きの第4〜第6駆動モータ84、96、97の回転が正回転とされる。
【0063】
続いて、印刷の一連の動作を図7及び図8のフローチャートに従って説明する。制御部18は、印刷指示を受けると第4〜第6駆動モータ84、96、97を所定の回転量だけ逆回転させ、各可動ガイド部材70を支持姿勢にする(S10)。所定の回転量は、傾斜姿勢にある可動ガイド部材70が支持姿勢に姿勢変化する回転量以上に設定され、記憶部に所定値として記憶されている。第4〜第6駆動モータ84、96、97が所定量で逆回転されることにより、可動ガイド部材70の初期姿勢が支持姿勢に確定する。その後、制御部18は、印刷データを取得する(S20)。次に、制御部18は、印刷データに基づいて、改行幅を決定する(S30)。なお、ステップS10、S20は並列して実行されてもよい。
【0064】
次に、制御部18は、印刷データに含まれる記録用紙14の種類情報が予め定められた種類であるか否かを判断する。予め定められた種類とは、厚紙や光沢紙などの剛性が高い記録用紙14である。普通紙などの剛性の低い記録用紙14である場合、予め定められた種類でないと判断する(S40)。なお、種類情報は、例えば、ユーザによる印刷指令時に入力部17に入力されるものである。制御部18は、記録用紙14が予め定められた種類であると判断すると(S40:Yes)、第1駆動モータ81を駆動させて給送を開始する(S170)。つまり、各可動ガイド部材70が支持姿勢とされたまま、画像記録が開始される。制御部18は、記録用紙14が予め定められた種類でないと判断すると(S40:No)、以下で詳述するように、各可動ガイド部材70を支持姿勢から前傾姿勢にするか否かを決定する。つまり、ステップS40の処理は、本発明の第2姿勢制御手段に相当する。
【0065】
制御部18は、記録用紙14が予め定められた種類でないと判断すると(S40:No)、記録用紙14の剛性が低いものとして、ステップS30で決定した改行幅及び印刷データに基づいて、記録用紙19における搬送向き38の先端部の第1領域101(本発明の第1領域に相当、図10参照)に吐出される第1インク滴量(本発明の第1液滴量の一例)、第2領域102(本発明の第2領域に相当、図10参照)に吐出される第2インク滴量(本発明の第2液滴量の一例)、第3領域103(本発明の第3領域に相当、図10参照)に吐出される第3インク滴量(本発明の第3液滴量の一例)を算出する(S50)。
【0066】
図10に示されるように、第1領域101は、記録部40の直下を搬送される記録用紙14の左右方向9における符号Bで示される範囲、及び当該記録用紙14の前後方向8における搬送向き38の先端から後向きに所定長さ(本発明の所定長さに相当)までの符号Aで示される範囲に囲まれた領域である。また、第2領域102は、符号Cで示される範囲及び符号Aで示される範囲に囲まれた領域である。また、第3領域103は、符号Dで示される範囲及び符号Aで示される範囲に囲まれた領域である。
【0067】
ここで、符号Bで示される範囲は、記録用紙14が可動ガイド部材70の上側を搬送されるときに第1部材67に支持される範囲である。第1部材67に支持される範囲とは、記録用紙14が第1部材67に直接支持される第1部材67が存在する範囲と、第1部材67の第3部材69側の端部から第1部材67と第3部材69との中間位置までの範囲と、の両方の範囲である。また、符号Cで示される範囲は、記録用紙14が可動ガイド部材70の上側を搬送されるときに第2部材68に支持される範囲である。第2部材68に支持される範囲とは、記録用紙14が第2部材68に直接支持される第2部材68が存在する範囲と、第2部材68の第3部材69側の端部から第2部材68と第3部材69との中間位置までの範囲と、の両方の範囲である。また、符号Dで示される範囲は、記録用紙14が可動ガイド部材70の上側を搬送されるときに第3部材69に支持される範囲である。第3部材69に支持される範囲とは、記録用紙14が第3部材69に直接支持される第3部材69が存在する範囲と、第3部材69の第1部材67側の端部から第3部材69と第1部材67との中間位置までの範囲と、第3部材69の第2部材68側の端部から第3部材69と第2部材68との中間位置までの範囲と、の全ての範囲である。この符号B,C,Dで示される範囲は、特に第1部材67と第3部材69との間、及び第2部材68と第3部材69との間について、設計時に適宜決定されるものである。
【0068】
また、上記の所定長さ(符号Aで示される範囲に対応する長さ)は、以下のようにして算出される。制御部18は、印刷データや、上記の改行幅や、排紙ローラ対54の搬送向き38における位置及び印刷開始位置に対応する所定値(記憶部に記載されている。)に基づいて、記録用紙14の先端が印刷開始位置から排紙ローラ対54に到達するまでに要する改行回数を算出する。そして、制御部18は、算出した改行回数から1を減じた改行回数分の改行が実行されるまでに記録用紙14が印刷開始位置から搬送向きに搬送される長さを、上記の所定長さとする。換言すると、所定長さは、間欠搬送における搬送動作のうち、搬送向き38における記録用紙14の先端が排紙ローラ対54に到達する搬送動作の直前までにおいて、記録ヘッド42によってインク滴が吐出される領域を通過する領域に対応する搬送向き38に沿った長さである。
【0069】
各領域101、102、103におけるインク量の算出は、例えば、以下のようにして行われる。以下、例として、第1インク滴量の算出が説明される。制御部18は、印刷データを参照することによって、第1領域101内の各ドットについて、画像記録の際に吐出されるインク滴の種類と各種インク滴の吐出回数(濃度が大きい程、吐出回数が多くなる。)とを決定する。制御部18は、4種のインク滴のそれぞれについて吐出回数を乗じた値を算出し、次に算出した4つの値を合算する。これにより、第1インク滴量が算出される。第2インク滴量及び第3インク滴量も、対象となる領域が異なる他は、第1インク滴量と同様にして算出される。ステップS50の処理は、本発明の算出手段に相当する。
【0070】
各インク滴量を算出した後、制御部18は、第3インク滴量と第8閾値とを比較する(S60)。ここで、本実施形態においては、上記の第8閾値を含む6個の閾値(第1閾値〜第4閾値、第7閾値、及び第8閾値)が、制御部18によって、インク滴量と比較される。6個の閾値は、インクジェット記録装置10に設けられた記憶部(不図示)に記憶されている。本実施形態において、第1閾値(本発明の第1閾値に相当)と第2閾値(本発明の第2閾値に相当)とは同じ値に設定されており、第3閾値(本発明の第3閾値に相当)と第4閾値(本発明の第4閾値に相当)と第8閾値(本発明の第7閾値に相当)とは同じ値に設定されている。また、第1閾値と第2閾値とは、第3閾値と第4閾値と第8閾値とよりも小さい値に設定されており、第3閾値と第4閾値と第8閾値とは、第7閾値よりも小さい値に設定されている。なお、これらの閾値は、インクの液滴量と記録用紙14の撓み量から実験的に設定されるものである。よって、実験の結果によっては、各閾値が異なる値に設定されていてもよいし、各閾値の大小関係が上述した大小関係でなくてもよい。また、用紙種によって閾値が異なってもよい。
【0071】
制御部18は、第3インク滴量が第8閾値以上であると判断した場合(S60:Yes)と、第1インク滴量と第2インク滴量と第3インク滴量とを加算した合計の液量である合計量(以下、第3合計量とも称す。)が第7閾値以上であると判断した場合(S70:Yes)とにおいて、第1部材67と第2部材68と第3部材69とが前傾姿勢となる回転量で第4〜第6駆動モータ84、96、97を正回転させる(S80)。制御部18は、第3インク滴量が第8閾値より小さく(S60:No)、かつ、第3合計量が第7閾値より小さいと判断すると(S70:No)、第1インク滴量と第3インク滴量とを加算した合計の液量である第1合計量(本発明の第1合計量に相当)と第3閾値とを比較する(S90)。ステップS60、S80の処理は、本発明の第4手段に相当する。
【0072】
制御部18は、第1合計量が第3閾値以上であると判断すると(S90:Yes)、第1部材67と第3部材69とが前傾姿勢となる回転量で第4駆動モータ84及び第6駆動モータ97を正回転させる(S100)。ステップS90、S100の処理は、本発明の第2手段に相当する。制御部18は、第1合計量が第3閾値より小さいと判断すると(S90:No)、第2インク滴量と第3インク滴量とを加算した合計の液量である第2合計量(本発明の第2合計量に相当)と第4閾値とを比較する(S110)。
【0073】
制御部18は、第2合計量が第4閾値以上であると判断すると(S110:Yes)、第2部材68と第3部材69とが前傾姿勢となる回転量で第5駆動モータ96及び第6駆動モータ97を正回転させる(S120)。ステップS110、S120の処理は、本発明の第2手段に相当する。制御部18は、第2合計量が第4閾値より小さいと判断すると(S110:No)、第1インク滴量と第1閾値とを比較する(S130)。
【0074】
制御部18は、第1インク滴量が第1閾値以上であると判断すると(S130:Yes)、第1部材67が前傾姿勢となる回転量で第4駆動モータ84を正回転させる(S140)。ステップS130、S140の処理は、本発明の第1手段に相当する。制御部18は、第1インク滴量が第1閾値より小さいと判断すると(S130:No)、第2インク滴量と第2閾値とを比較する(S150)。制御部18は、第2インク滴量が第2閾値以上であると判断すると(S150:Yes)、第2部材68が前傾姿勢となる回転量で第5駆動モータ96を正回転させる(S160)。ステップS150、S160の処理は、本発明の第1手段に相当する。制御部18は、第2インク滴量が第2閾値より小さいと判断すると(S150:No)、第1駆動モータ81を駆動させて給送を開始する(S170)。つまり、各可動ガイド部材70が支持姿勢とされたまま、画像記録が開始される。
【0075】
以上より、制御部18は、記録用紙14の先端部の各領域101、102、103に吐出されるインクの量により、各可動ガイド部材70の変位の有無を決める。ステップS90〜S160の処理は、本発明の第1姿勢制御手段に相当する。
【0076】
制御部18は、ステップS40、S150の後、及びステップS80、S120、S140、S160の後、印刷開始位置まで記録用紙14の給送を行う(S170、S210)。印刷開始位置まで記録用紙14を搬送できたかは、センサ91による記録用紙14の先端の検知後における記録用紙14の搬送量から判断される。
【0077】
ステップS170の給送を行った後、制御部18は、記録部40によるインク滴の吐出を1行分行う(S180)。制御部18は、1行分の印刷後、印刷するデータが残っているか否かを判断する(S190)。制御部18は、印刷するデータが残っていると判断すると(S190:Yes)、第2駆動モータ82を駆動して、所定改行幅分の改行を行う(S200)。その後、ステップS180の記録部40による1行の印刷が行われる。制御部18は、印刷するデータが残っていないと判断すると(S190:No)、第2駆動モータ82を駆動して記録用紙14を排紙ローラ対54から排出する(S270)。
【0078】
ステップS210の給送を行った後、制御部18は、記録部40によるインク滴の吐出を1行分行う(S220)。制御部18は、1行分の印刷後、印刷するデータが残っているか否かを判断する(S230)。制御部18は、印刷するデータが残っていないと判断すると(S230:No)、第2駆動モータ82を駆動して記録用紙14を排紙ローラ対54から排出する(S270)。制御部18は、印刷するデータが残っていると判断すると(S230:Yes)、次の改行によって記録用紙14の先端が排紙ローラ対54のニップ位置を越えるか否かを判断する(S240)。詳細には、制御部18は、記録用紙14の先端がセンサ91を越えた後における第1エンコーダ92及び第2エンコーダ93の出力変化の回数が記憶部に記憶されている所定値を越えたか否かと、ステップS30で決定した改行幅とにより、次の改行で記録用紙14の先端が排紙ローラ対54のニップ位置に到達するか否かを判断する。
【0079】
制御部18は、搬送向き38における記録用紙14の先端が次回の改行動作で排紙ローラ対54のニップ位置を越えないと判断すると(S240:No)、第2駆動モータ82を駆動して改行を行う(S260)。その後、ステップS220に戻って1行の印刷が実行される。一方、制御部18は、搬送向き38における記録用紙14の先端が排紙ローラ対54のニップ位置を越えると判断すると(S240:Yes)、第4〜第6駆動モータ84、96、97を逆回転させ、可動ガイド部材70を前傾姿勢から支持姿勢にする(S250)。つまり、制御部18は、搬送向き38における記録用紙14の先端が排紙ローラ対54に到達するまでに各可動ガイド部材70を支持姿勢に姿勢変化させる。当該姿勢変化を実行させる処理は、本発明の第1制御姿勢手段に相当する。その後、制御部18は、第2駆動モータ82を駆動して所定改行幅分の改行を行う(S260)。その後、ステップS220に戻って1行の印刷を行う。
【0080】
なお、本実施形態において、制御部18は、各可動ガイド部材70の前傾姿勢への姿勢変化(S80、S100、S120、S140、S160)の後に、記録用紙14の給送を行っている。つまり、制御部18は、搬送向き38における記録用紙14の先端が可動ガイド部材70に到達するまでに可動ガイド部材70を前傾姿勢に姿勢変化させる。当該姿勢変化を実行させる処理は、本発明の第1制御姿勢手段に相当する。本実施形態では、給送開始前に可動ガイド部材70が前傾姿勢にされるが、可動ガイド部材70は、記録用紙14の先端が可動ガイド部材70に到達するまでに前傾姿勢に姿勢変化されるならば、給送開始後に前傾姿勢に姿勢変化されてもよい。
【0081】
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、印刷データに基づいて、可動ガイド部材70が前傾姿勢にされることによって、記録用紙14が記録ヘッド42や搬送路31を区画するガイド部材などに当接することを防止することができる。また、本実施形態によれば、可動ガイド部材70が支持姿勢にされることによって、記録用紙14及び記録ヘッド42の間隔が大きくなることを防止することができる。よって、本実施形態によれば、インクの付着により撓んだ記録用紙14が記録ヘッド42などに当接することを防止しつつ、記録用紙14に記録される画像の品質の低下を抑えることができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、インク滴量に基づいて複数の可動ガイド部材70が前傾姿勢となるため、各可動ガイド部材70の姿勢を適切に設定することができる。また、本実施形態によれば、インク滴量が多く記録用紙14の撓みが大きくなる箇所の可動ガイド部材70を前傾姿勢とするため、可動ガイド部材70の姿勢を適切に設定することとができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、複数領域にまたがってインク滴量が多い場合にも、可動ガイド部材70の姿勢を適切に設定することができる。また、本実施形態によれば、記録用紙14の全体に吐出されるインク滴量により姿勢変化される可動ガイド部材70が決定される場合に比べ、各可動ガイド部材の姿勢を適切に設定することができる。
【0084】
また、本実施形態によれば、例えば、制御部18は、吐出されるインク滴の量が多くても撓まないような剛性の高い記録用紙14に画像が記録される場合に、各可動ガイド部材70を前傾姿勢に姿勢変化させない。これにより、記録用紙14の種類によっては不要な可動ガイド部材70の退避が防止でき、記録用紙14及び記録ヘッド42の間隔が大きくなることを防止することができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、撓んだ記録用紙14の先端が可動ガイド部材70に到達するまでに可動ガイド部材70は前傾姿勢に姿勢変化される。これにより、記録用紙14が記録ヘッド42などに当接することが防止可能である。その後、可動ガイド部材70は、記録用紙14の先端が排紙ローラ対54に到達するまでに支持姿勢に姿勢変化される。これにより、記録用紙14は、支持姿勢に姿勢変化された可動ガイド部材70により排紙ローラ対54に確実に案内可能となる。
【0086】
[変形例1]
上述の実施形態では、制御部18は、記録用紙14の先端が排紙ローラ対54のニップ位置を越えると判断すると(S240:Yes)、可動ガイド部材70を前傾姿勢から支持姿勢にした(S250)。しかし、可動ガイド部材70が支持姿勢に姿勢変化されるタイミングは、当該判断がなされたタイミングに限らない。例えば、制御部18は、搬送向き38に搬送される記録用紙14の先端が拍車34の直下の位置に到達したことを条件として、可動ガイド部材70を前傾姿勢から支持姿勢に姿勢変化させてもよい。
【0087】
記録用紙14の先端が拍車34に到達すると、記録用紙14の上方への撓みは拍車34によって矯正される。よって、記録用紙14の先端が拍車34に到達した状態においては、可動ガイド部材70が支持姿勢に姿勢変化されても、記録用紙14及び記録ヘッド42の間隔を適正に保持することができ、また記録用紙14が撓みによって記録ヘッド42などに当接することを防止することができる。また、制御部18は、1行分の印刷後改行動作前に可動ガイド部材70を前傾姿勢から支持姿勢にしたが、印刷中や改行動作中に、可動ガイド部材70を前傾姿勢から支持姿勢にしてもよい。しかしながら、1行分の印刷後改行動作前に可動ガイド部材70を前傾姿勢から支持姿勢にするほうが、印刷や搬送動作に影響を与えにくい。
【0088】
[変形例2]
上述の実施形態では、制御部18は、図7及び図8に示されるフローチャートにしたがった順序で、各可動ガイド部材70を姿勢変化させた。しかし、算出されたインク滴量に基づいて各可動ガイド部材70が姿勢変化されるならば、上記順序は、図7及び図8に示されるフローチャートにしたがった順序に限らない。
【0089】
例えば、制御部18は、図9に示されるフローチャートにしたがった順序で、各可動ガイド部材70を姿勢変化させてもよい。図9では、算出された各インク滴量が各閾値と比較される前に、破線で示されたステップS300が実行されることによって、第1部材67〜第3部材69の全てが支持姿勢を維持されるか否かが判定される。これにより、図9では、ステップS150の判定が省略可能となる。
【0090】
[変形例3]
上述の実施形態では、制御部18は、各インク滴量と各閾値との比較を、ステップS60、S70、S90、S110、S130、S150の順序で実行している。しかし、当該比較の一部または全部は、同時に実行されてもよい。
【0091】
例えば、制御部18は、ステップS110、S130の判定を同時に実行してもよい。変形例3では、当該判定において、第1液滴量は第5閾値(本発明の第5閾値に相当)と比較され、第2液滴量は第6閾値(本発明の第6閾値に相当)と比較される。第5閾値及び第6閾値は、記憶部に記憶されている。変形例3では、第5閾値及び第6閾値は、上述の実施形態における第1閾値及び第2閾値に対応しており、同じ値に設定されている。
【0092】
制御部18は、第1液滴量が第5閾値以上であり第2液滴量が第6閾値以上である場合に、第1部材67及び第2部材68、つまり両端の部材を前傾姿勢に姿勢変化させ、第1液滴量が第5閾値以上であり第2液滴量が第6閾値より小さい場合に、第1部材67を前傾姿勢に姿勢変化させ、第1液滴量が第5閾値より小さく第2液滴量が第6閾値以上である場合に、第2部材68を前傾姿勢に姿勢変化させ、第1液滴量が第5閾値より小さく第2滴滴量が第6閾値より小さい場合に、第1部材67及び第2部材68を支持姿勢に維持する。このような制御部18の処理は、本発明の第3手段に相当する。
【0093】
変形例3によれば、記録用紙14の両端部に吐出されるインク滴量が多い場合にも、各可動ガイド部材70の姿勢を適切に設定することができる。
【0094】
[変形例4]
上述の実施形態において、可動ガイド部材70は、3つの部材67〜69で構成されているが、可動ガイド部材70は、図4(B)に示されるように、第1部材67及び第2部材68で構成されていてもよい。つまり、可動ガイド部材70は、左右方向9に沿って2つ並べられていてもよい。また、可動ガイド部材70は、左右方向9に沿って4つ以上並べられていてももちろんよい。
【0095】
[変形例5]
上述の実施形態では、回動により可動ガイド部材70が姿勢変化される構成が説明されたが、上下方向7に沿ったスライドにより可動ガイド部材70が姿勢変化される構成が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10・・・インクジェット記録装置
14・・・記録用紙
42・・・記録ヘッド
51・・・搬送ローラ対
54・・・排紙ローラ対
67・・・第1部材
68・・・第2部材
70・・・可動ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送路に沿った搬送向きに搬送する第1搬送部と、
上記第1搬送部よりも上記搬送向きの下流側且つ上記搬送路の上側に設けられており、印刷データに基づいて、上記搬送路を搬送されるシートへ向かって液滴を吐出する記録ヘッドと、
上記記録ヘッドよりも上記搬送向きの下流側に設けられ、上記記録ヘッドによって液滴を吐出されたシートを上記搬送向きに搬送する第2搬送部と、
上記搬送向きにおける上記記録ヘッドの下流側であって上記第2搬送部の上流側に、下側からシートを支持可能な支持部材と、を備え、
上記支持部材は、
上記搬送向きに搬送されるシートを上記第2搬送部へ案内する第1姿勢、及び上記第1姿勢よりも下方に退避した第2姿勢に姿勢変化可能な第1部材と、
当該第1部材に対して上記搬送向きと交差する幅方向に配置され、上記第1部材の姿勢変化とは独立して上記第1姿勢及び上記第2姿勢に姿勢変化可能な第2部材と、を備えるインクジェット記録装置。
【請求項2】
上記支持部材に駆動力を付与する第1駆動手段と、
上記印刷データに基づいて、上記搬送向きにおけるシートの先端から所定長さであり且つ上記幅方向において上記第1部材に支持される第1領域に吐出される第1液適量、及び上記搬送向きにおけるシートの先端から上記所定長さであり且つ上記幅方向において上記第2部材に支持される第2領域に吐出される第2液適量を算出する算出手段と、
上記算出手段によって算出された第1液適量及び第2液適量に基づいて、上記第1駆動手段の駆動を制御して上記支持部材を姿勢変化させる第1姿勢制御手段と、を備える請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
上記第1姿勢制御手段は、
上記第1液適量が第1閾値以上であることを条件に、上記第1部材を上記第2姿勢に姿勢変化させ、上記第2液適量が第2閾値以上であることを条件に、上記第2部材を上記第2姿勢に姿勢変化させる第1手段を備える請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
上記第1部材は、上記搬送路の上記幅方向における一方の端部に設けられ、
上記第2部材は、上記搬送路の上記幅方向における他方の端部に設けられ、
上記支持部材は、上記第1部材と上記第2部材との上記幅方向における間に、上記第1部材及び上記第2部材の姿勢変化とは独立して上記第1姿勢及び上記第2姿勢に姿勢変化可能な第3部材を備え、
上記算出手段は、上記搬送向きにおけるシートの先端から上記所定長さであり且つ上記幅方向において上記第3部材に支持される第3領域に吐出される第3液適量を算出し、
上記第1姿勢制御手段は、
上記第1液適量と上記第3液適量との合計量である第1合計量が第3閾値以上であることを条件に、上記第1部材と上記第3部材とを上記第2姿勢に姿勢変化させ、上記第2液適量と上記第3液滴量との合計量である第2合計量が第4閾値以上であることを条件に、上記第2部材と上記第3部材とを上記第2姿勢に姿勢変化させる第2手段を備える請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
上記第1部材は、上記搬送路の上記幅方向における一方の端部に設けられ、
上記第2部材は、上記搬送路の上記幅方向における他方の端部に設けられ、
上記支持部材は、上記第1部材と上記第2部材との上記幅方向における間に、上記第1部材及び上記第2部材の姿勢変化とは独立して上記第1姿勢及び上記第2姿勢に姿勢変化可能な第3部材を備え、
上記第1姿勢制御手段は、
上記第1液滴量が第5閾値以上であり上記第2液滴量が第6閾値以上であることを条件に、上記第1部材と上記第2部材とを上記第2姿勢に姿勢変化させる第3手段を備える請求項2から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
上記第1部材は、上記搬送路の上記幅方向における一方の端部に設けられ、
上記第2部材は、上記搬送路の上記幅方向における他方の端部に設けられ、
上記支持部材は、上記第1部材と上記第2部材との上記幅方向における間に、上記第1部材及び上記第2部材の姿勢変化とは独立して上記第1姿勢及び上記第2姿勢に姿勢変化可能な第3部材を備え、
上記算出手段は、上記搬送向きにおけるシートの先端から上記所定長さであり且つ上記幅方向において上記第3部材に支持される第3領域に吐出される第3液適量を算出し、
上記第1姿勢制御手段は、
上記第3液滴量が第7閾値以上であることを条件に、上記第1部材と上記第2部材と上記第3部材とを上記第2姿勢に姿勢変化させる第4手段を備える請求項2から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
上記第1搬送部と上記第2搬送部とに駆動力を付与する第2駆動手段と、
上記第2駆動手段の駆動を制御してシートの搬送動作及び停止を交互に繰り返す間欠搬送を実行させ、上記間欠搬送においてシートが停止されている間に上記記録ヘッドを制御してシートへ向かって液滴を吐出させる記録制御手段と、を備え、
上記所定長さは、
上記間欠搬送における搬送動作のうち、上記搬送向きにおけるシートの先端が上記第2搬送部に到達する搬送動作の直前までにおいて、上記記録ヘッドによって液滴が吐出される領域を通過する領域に対応する上記搬送向きに沿った長さである請求項2から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
シートの種類情報に基づいて、上記支持部材を上記第2姿勢に姿勢変化させるか否かを決定する第2姿勢制御手段を備える請求項2から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
搬送されるシートの先端の位置を検出する検出手段を備え、
上記第1姿勢制御手段は、
上記検出手段の検出結果に基づいて、上記搬送向きにおけるシートの先端が上記支持部材に到達するまでに上記支持部材を上記第2姿勢に姿勢変化させ、上記搬送向きにおけるシートの先端が上記第2搬送部に到達するまでに上記支持部材を上記第1姿勢に姿勢変化させる請求項2から8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
上記支持部材の上方に配置された当接部材を備え、
上記第1姿勢制御手段は、
シートの先端が上記搬送向きにおける上記当接部材の位置に到達したことを条件として、上記支持部材を上記第1姿勢に姿勢変化させる請求項9に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−245730(P2012−245730A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120455(P2011−120455)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】