説明

インクジェット記録装置

【課題】気泡による背圧不安定化を防止してメニスカス形成のための背圧を維持して、インク吐出を安定化できるインクジェット記録装置の提供。
【解決手段】ノズル孔16と、ノズル孔16に連通し圧力発生手段を備えた圧力室11と、圧力室11と連通する第1の共通液室12と第2の共通液室13とを備えたインクジェットヘッド1と、ノズル孔16近傍のインクの背圧を一定に制御する背圧制御手段を備えた背圧発生タンク5とを有するインクジェット記録装置であって、圧力室11から第2の共通液室13、脱気装置3、第1の共通液室12、圧力室11へ、順次インクを循環する循環系2と、循環系2内のインクを循環する循環ポンプ4とを備え、背圧発生タンク5と循環系2が、循環系2の外部から供給配管を介して循環系2へインクを供給可能に接続部で接続され、接続部における循環ポンプ4の圧力を圧力損失により消失させるか、又は背圧制御手段において接続部における循環ポンプの圧力に起因する背圧の阻害要因を相殺する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、詳しくは、気泡による背圧不安定化を防止してメニスカス形成のための背圧を維持して、インク吐出を安定化できるインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、背圧制御手段を備えたインクタンクを用いてメニスカス形成のための背圧を保持する技術が知られている。
【0003】
特許文献1では、背圧制御手段により、インクタンクの液面高さを調整して、ノズル孔の高さとの水頭差を維持して、メニスカス形成のための背圧を保持している。
【0004】
特許文献2には、このような背圧制御手段を備えたインクタンクとインクジェットヘッドとの間でインクを循環させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−198899号公報
【特許文献2】特開2000−103084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の技術を図7に基づいて説明すると、インクタンク102とインクジェットヘッド101との間で、インクを循環ポンプ103で循環させて、気泡を含んだインクをインクタンク102に導入し、インクタンク102において脱気している。
【0007】
気泡を含むインクは、インク中に分散された気泡の分だけ、体積が増加(密度が減少)している。
【0008】
従って、インクタンク102の内部に入り込んだ気泡は、インクタンク102内のインク液面高さに影響を及ぼすことになる。これにより、インクタンク102が備える背圧制御手段104による制御が不安定化したり、誤動作したりする。
【0009】
この結果、特許文献2に記載の技術は、メニスカス形成のための背圧が維持できなくなり、吐出不良を生じる問題があった。
【0010】
このように、循環配管でインクタンクにインクを返送する技術では、上記の吐出不良の問題がある。
【0011】
そこで、本発明の課題は、気泡による背圧不安定化を防止してメニスカス形成のための背圧を維持して、インク吐出を安定化できるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0012】
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0014】
請求項1記載の発明は、インクを吐出させるノズル孔と、前記ノズル孔に連通し、インクを吐出させる圧力を発生する圧力発生手段を備えた圧力室と、前記圧力室の一端側に設けられた流入口を介して該圧力室と連通する第1の共通液室と、前記圧力室の他端側に設けられた流出口を介して該圧力室と連通する第2の共通液室とを備えたインクジェットヘッドと、前記ノズル孔近傍のインクの背圧を一定に制御する背圧制御手段を備えた背圧発生タンクと、を有するインクジェット記録装置であって、前記圧力室から前記第2の共通液室へ、該第2の共通液室から脱気装置へ、該脱気装置から前記第1の共通液室へ、前記第1の共通液室から前記圧力室へ、順次、インクを循環する循環系と、該循環系内のインクを循環する循環ポンプとを備え、前記背圧発生タンクと前記循環系が、該循環系の外部から供給配管を介して該循環系へインクを供給可能に接続部で接続され、前記接続部における前記循環ポンプの圧力を圧力損失により消失させるか、又は前記背圧制御手段において前記接続部における前記循環ポンプの圧力に起因する前記背圧の阻害要因を相殺する制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記接続部が、前記脱気装置に配置することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記背圧発生タンク内のインクは、常温で固相状態であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置である。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記背圧発生タンクの内部又は外部に、前記常温で固相状態のインクを加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録装置である。
【0018】
請求項5記載の発明は、前記背圧制御手段は、前記背圧発生タンク内のインク液面高さを制御することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録装置である。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記背圧制御手段は、前記背圧発生タンク内の圧力を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、循環系に脱気装置を備えるために循環系に存在する気泡を脱気することができる。具体的には、圧力室から第2の共通液室へ、該第2の共通液室から脱気装置へ、該脱気装置から前記第1の共通液室へ、前記第1の共通液室から前記圧力室へ、順次、インクを循環する循環系を備えるために、圧力室内にインクの液流が形成されるので、圧力室内に存在する気泡も脱気できる。
【0021】
また背圧発生タンクと循環系が、該循環系の外部から供給配管を介して該循環系へインクを供給可能に接続部で接続される構成により、循環系内の気泡を含むインクが背圧発生タンクに行かないので、気泡による背圧不安定化を防止できる。
【0022】
さらに前記接続部における前記循環ポンプの圧力を圧力損失により消失させるか、又は前記背圧制御手段において前記接続部における前記循環ポンプの圧力に起因する前記背圧の阻害要因を相殺する制御を行うことによって、以下の効果を発揮する。
【0023】
すなわち、循環ポンプによって循環系内を流れるインク流は、接続部で供給配管を介して背圧発生タンクから送られるインク流と合流するが、その際、その接続部において、循環ポンプの圧力が背圧制御手段によって制御される背圧に影響するおそれがある。
【0024】
本発明では、この影響を排除し、その結果、メニスカス形成のための背圧を維持して、インク吐出を安定化できるインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略図
【図2】背圧制御手段の一例を示す概略図
【図3】背圧制御手段の他の例を示す概略図
【図4】本発明のインクジェット記録装置の他の例を示す概略図
【図5】本発明のインクジェット記録装置の他の例を示す概略図
【図6】本発明のインクジェット記録装置の他の例を示す概略図
【図7】従来例のインクジェット記録装置を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
【0027】
図1は、本発明のインクジェット記録装置の概略図である。
【0028】
図1において、1はインクジェットヘッドである。
【0029】
インクジェットヘッド1は、インクを吐出させるノズル孔16と、ノズル孔16に連通された圧力室11とを備えている。圧力室11は、ノズル孔16からインクを吐出させる圧力を発生する圧力発生手段(不図示)を備えている。
【0030】
さらに、インクジェットヘッド1は、第1の共通液室12、及び、第2の共通液室13を備えている。
【0031】
第1の共通液室12は、圧力室11の一端側に設けられた流入口14を介して圧力室11と連通し、第2の共通液室13は、圧力室11の他端側に設けられた流出口15を介して圧力室11と連通している。
【0032】
圧力室11の一端側に設けられた流入口14から流入したインクは、圧力室11の他端側に設けられた流出口15から流出するように構成され、さらに第1の共通液室12と第2の共通液室13は、圧力室11を介して連通するように構成されている。
【0033】
また、21は、圧力室11から前記第2の共通液室13を経たインクを、脱気装置3へ導入する導入配管である。
【0034】
一方、22は、脱気装置3からのインクを前記第1の共通液室12を介して前記圧力室11へ返送する返送配管である。
【0035】
4は、循環ポンプであり、図示の例では、導入配管21のライン中に配されてり、脱気装置3よりも上流に配されることが好ましい。
【0036】
循環ポンプ4としては、公知の種々の形式のものを利用でき、例えば、図に示したように、複数のローラ41をインクチューブ42に順次押し付けながら移動させるチューブポンプを好ましく挙げることができる。
【0037】
このようにして、導入配管21→(循環ポンプ4)→脱気装置3→返送配管22→第1の共通液室12→流入口14→圧力室11→流出口15→第2の共通液室13→導入配管21のようにインクの循環系2が構成される。上記において、→はインクの流れ方向を意味しており、→の手前側が上流、後ろ側が下流を意味している。
【0038】
5は、ノズル孔近傍のインクの背圧を一定に制御する背圧制御手段6を備えた背圧発生タンクである。背圧発生タンク5は、循環系2の外部から供給配管23を介して循環系2へインクを供給するように接続されている。
【0039】
背圧発生タンク5が備える背圧制御手段6は、背圧発生タンク5に作用して、ノズル孔16近傍のインクが、メニスカス形成のための一定の背圧となるように制御する。また、これにより、ノズル孔16からのインク吐出によるインクの消費に対応する分だけ、背圧発生タンク5から循環系2へインクが供給される。
【0040】
図2に示す例において、背圧制御手段6は、高さ調整が可能なステージ61を備え、該ステージ61上に、背圧発生タンク5を載置している。そして、インクジェットヘッド1が備えるノズル孔16の高さとの水頭差Hが保持されるように、背圧発生タンク5内のインク液面51の高さを制御している。これにより、メニスカス形成のための背圧を一定に制御している。
【0041】
また、図3に示す例において、背圧制御手段6は、背圧発生タンク5内と連通した可撓性の容器62と、該容器62を上部から吊り上げるバネ63とを備えている。そして、背圧発生タンク5内の圧力が変化すると、この変化を相殺するようにバネ63が伸縮して容器62内の体積を変化させ、背圧発生タンク5内の圧力を制御している。これにより、メニスカス形成のための背圧を一定に制御している。
【0042】
本発明において、接続部における循環ポンプ4の圧力を圧力損失により消失させるか、又は背圧制御手段6において接続部における循環ポンプ4の圧力に起因する背圧の阻害要因を相殺する制御を行う。
【0043】
すなわち、循環ポンプ4によって循環系2内を流れるインク流は、接続部で供給配管23を介して背圧発生タンク5から送られるインク流と合流するが、その際、その接続部において、循環ポンプ4の圧力が背圧制御手段6によって制御される背圧に影響するおそれがある。閉鎖系では、ポンプ圧が直接インクに印加されるため、背圧発生タンク5から発生した背圧の伝達を阻害する要因になり得るからである。
【0044】
本発明では、この影響を排除し、その結果、メニスカス形成のための背圧を維持して、インク吐出を安定化できる。
【0045】
背圧制御手段6において接続部における循環ポンプ4の圧力に起因する背圧の阻害要因を相殺する制御の好ましい態様としては、たとえば、循環ポンプ4の圧力を一定にし、この圧力を考慮した上で、背圧発生タンク5から発生する背圧を決定して、ノズル孔16近傍のインクを、メニスカス形成のための一定の背圧に制御することができる。
【0046】
接続部における循環ポンプ4の圧力を圧力損失により消失させる態様としては、循環系2において、供給配管23と循環系2の接続部よりも上流に循環ポンプ4を配して、この接続部において、循環ポンプ4で送液されるインク液流の圧力(静圧)が圧力損失により消失させる(ゼロとなる)ように制御ことができる。これにより、背圧発生タンク5から発生する背圧が、循環ポンプ4の圧力により更に阻害され難くなるため、メニスカス形成に必要な背圧をより好適に保持することができる。
【0047】
このように、接続部において、循環ポンプ4で送液されるインク液流の圧力をゼロとするためには、循環ポンプ4から、供給配管23と循環系2の接続部にかけての配管に、循環ポンプ4で送液されるインク液流の圧力を相殺するだけの圧力損失部(たとえば配管を細くしたり、曲管としたりするなど)を形成することが好ましい。
【0048】
本発明において、循環ポンプ4からの圧力が一定である態様では、圧力損失部による圧力損失量を調整する手段は有する必要がない。
【0049】
本発明においては、背圧制御手段6による制御を、循環ポンプ4の圧力により阻害しないために、背圧の制御時において循環ポンプ4を作動させないように制御を行う制御機構を設けることも好ましい。この場合、供給配管23にバルブを設けることで、該バルブを閉じた後に、循環ポンプ4を作動(循環)させ、循環ポンプ4を停止した後に、該バルブを開放して背圧制御を行うようにして、循環(気泡の除去)と、背圧制御(印字)の切り換えを行うことができる。
【0050】
本発明において、背圧発生タンク5は、循環系2の外部から供給配管23を介して循環系2へインクを供給するように接続されており、循環系2が、背圧発生タンク5を経由しない構成を有している。
【0051】
そのため、循環系2に存在する気泡を取り込んだインクが、背圧発生タンク5に導入されることがない。
【0052】
従って、気泡が、背圧発生タンク5内のインク液面高さや圧力に影響を及ぼすことがないので、気泡による背圧不安定化が防止され、メニスカス形成のための背圧を維持することができる。
【0053】
本発明において、背圧発生タンク5からのインクを供給する供給配管23と循環系2の接続部は、図1に示した通り、脱気装置3に配置されていることが好ましい。
【0054】
これにより、導入配管21からのインクと背圧発生タンク5からのインクが、共に脱気装置3を介して、返送配管22に送られる。
【0055】
その結果、特に返送配管22から圧力室11にかけてのインクが高度に脱気された状態となる。これにより、背圧発生タンク5からノズル孔16に亘って形成される背圧が、気泡による影響を受け難くなる。そのため、気泡による背圧不安定化が更に防止され、メニスカス形成のための背圧をより好適に維持することができる。
【0056】
本発明において、脱気装置3は、背圧制御手段6による制御を阻害しないために、閉鎖系を維持できるものであることが好ましい。
【0057】
このような脱気装置3としては、例えば、インク流路の側壁を気体透過性の膜で形成し、片側を負圧とすることで気泡を吸引するものを好ましく例示できる。
【0058】
また、脱気装置3の他の例としては、脱気装置の内部に、気体透過性を有する中空糸を複数本束ねたものを設け、脱気装置内の中空糸中にインクが送液されたときに、中空糸の外側からポンプで脱気装置内の圧力を負圧にすることで、気泡及び溶存気体をインク中から取り除くものを好ましく例示できる。
【0059】
さらに、脱気装置3が上記のような構成を備えることにより、特に浮力による分離が困難な微細な気泡であっても、速やかに除去することができる。それ故、脱気装置3に導入された気泡が、背圧制御手段6による制御に与える影響は極めて小さい。これにより、気泡による背圧不安定化が更に防止され、メニスカス形成のための背圧をより好適に維持することができる。
【0060】
脱気装置3の作動により、脱気装置3から圧力が発生する場合、背圧制御手段6による制御は、この圧力を考慮した上で、背圧発生タンク5から発生する背圧を決定することが好ましい。
【0061】
以上に述べたように、本発明では、メニスカス形成のための背圧を保持したまま、循環によるインク液流で、循環系2に存在する気泡を脱気装置3に導入して、脱気する。
【0062】
循環系2における気泡の発生には、インク充填時における空気の残留や、インク成分の気化等、種々の原因がある。
【0063】
例えば、常温で固相状態のインクを用いる際は、インクジェット記録装置が、該インクを加熱して流動化する加熱手段を備える。常温で固相状態のインクは、加熱された状態から常温に戻る際に、体積が収縮する。そのため、収縮時にノズル孔16から空気が吸引され、圧力室11内に多量の気泡を生成する場合がある。
【0064】
圧力室11内に気泡が存在すると、圧力室11が備える圧力発生手段からのインク吐出圧が気泡に吸収される等により、吐出異常を誘発する。
【0065】
これに対して、本発明では、上述したように、導入配管21→(循環ポンプ4)→脱気装置3→返送配管22→第1の共通液室12→流入口14→圧力室11→流出口15→第2の共通液室13→導入配管21のようにインクの循環系2が構成されているため、圧力室11内にインクの液流が形成される。
【0066】
従って、圧力室11内に存在する気泡は、インクの液流によって圧力室11内から押し出される。また、このように押し出された気泡は、循環系2内の脱気装置3に導入されて脱気される。
【0067】
これにより、圧力室11内に存在する気泡が排除されるため、圧力室11が備える圧力発生手段からのインク吐出圧を、インクに好適に伝搬して、インク吐出を安定化させる効果が得られる。
【0068】
本発明において、用いられるインクは格別限定されないが、常温で固相状態のインクは、上記のように、本発明の効果を顕著に得ることができるので好適である。
【0069】
また、圧力室11内の気泡は、常温で固相状態のインクを用いる場合以外にも、例えば、衝撃が加わったり、インクジェットヘッド1が誤作動したりするなど、何らかの理由でノズル孔16から空気が入り込むことによっても形成される場合がある。このような場合においても、上記と同様に、圧力室11内に存在する気泡が排除され、インク吐出を安定化させる効果が得られる。
【0070】
さらに、本発明では、圧力室11からの気泡を含んだインクは、循環系2が背圧発生タンク5を経由しないが故に、背圧発生タンク5に導入されない構成となっている。従って、圧力室11内に多量の気泡が存在する場合であっても、これら気泡が、背圧発生タンク5に導入されてメニスカス形成のための背圧の制御の阻害となることが防止される。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した構成だけに限定されるものではない。
【0072】
例えば、図4に示すように、インクジェットヘッド1において、圧力室11群を2列並設してもよい。
【0073】
図の例において、第1の共通液室12は、2列併設された各々の圧力室11群で共有され、第2の共通液室13は、2列併設された圧力室11群に対して、1つずつ設けられている。
【0074】
このような構成とすることで、1つの循環系2によって、より多くの圧力室11内の気泡を除去することができる。
【0075】
本発明において、背圧発生タンク5は、インクを貯蔵するメインタンク、又は、メインタンクタンクとインクジェットヘッドとの間に設けられたサブタンクの何れであってもよい。
【0076】
図5に示した例では、メインタンク52が、背圧発生タンクを構成する場合を示している。ここでは、メインタンク52が、背圧制御手段6を備えている。
【0077】
図6に示した例では、メインタンク52とインクジェットヘッド1との間に設けられたサブタンク53が、背圧発生タンクを構成する場合を示している。ここでは、サブタンク53が、背圧制御手段6を備えている。
【符号の説明】
【0078】
1:インクジェットヘッド
11:圧力室
12:第1の共通液室
13:第2の共通液室
14:流入口
15:流出口
16:ノズル孔
2:循環系
21:導入配管
22:返送配管
3:脱気装置
4:循環ポンプ
5:背圧発生タンク
6:圧力制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出させるノズル孔と、
前記ノズル孔に連通し、インクを吐出させる圧力を発生する圧力発生手段を備えた圧力室と、
前記圧力室の一端側に設けられた流入口を介して該圧力室と連通する第1の共通液室と、
前記圧力室の他端側に設けられた流出口を介して該圧力室と連通する第2の共通液室とを備えたインクジェットヘッドと、
前記ノズル孔近傍のインクの背圧を一定に制御する背圧制御手段を備えた背圧発生タンクと、
を有するインクジェット記録装置であって、
前記圧力室から前記第2の共通液室へ、該第2の共通液室から脱気装置へ、該脱気装置から前記第1の共通液室へ、前記第1の共通液室から前記圧力室へ、順次、インクを循環する循環系と、
該循環系内のインクを循環する循環ポンプとを備え、
前記背圧発生タンクと前記循環系が、該循環系の外部から供給配管を介して該循環系へインクを供給可能に接続部で接続され、
前記接続部における前記循環ポンプの圧力を圧力損失により消失させるか、又は前記背圧制御手段において前記接続部における前記循環ポンプの圧力に起因する前記背圧の阻害要因を相殺する制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記接続部が、前記脱気装置に配置することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記背圧発生タンク内のインクは、常温で固相状態であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記背圧発生タンクの内部又は外部に、前記常温で固相状態のインクを加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記背圧制御手段は、前記背圧発生タンク内のインク液面高さを制御することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記背圧制御手段は、前記背圧発生タンク内の圧力を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−6316(P2012−6316A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145683(P2010−145683)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】