説明

インク供給装置およびインクジェット記録装置

【課題】大気連通室から必要以上にインクが漏洩してしまうのを防止することができるインク供給装置およびインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】本発明のインク供給装置は、大気連通室17と、第1の中空管13aと、第2の中空管13bとを有する。大気連通室17はメインタンク204と連通している。第1の中空管13aは、一端が大気連通室17内に延出しており、大気連通室17内と外気とを連通させる。大気連通室17内への第2の中空管13bの延出長は、第1の中空管13aの延出長さと異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク供給装置およびインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に従来のインクジェット記録装置の一例として、特許文献1に開示されたインクジェット記録装置のインク供給系を示す。
【0003】
記録ヘッド101はサブタンク101bを有した構成となっている。サブタンク101bは、インクジェット記録装置本体に設置されたメインタンク104からチューブ106を介して供給されるインクを一定量蓄える。
【0004】
メインタンク104は、供給ユニット105に対して着脱可能な構成であり、その底部に、ゴム栓104bで密封されたインク供給口と、ゴム栓104cで密封された大気導入口とを有する。メインタンク104は、単体では気密な容器であり、インク109はメインタンク104内に、インク吸収体等に含浸されることなくそのまま収容される。
【0005】
インク供給ユニット105は、インク供給針105aと、大気導入針105bとを有する。インク供給針105aは、メインタンク104からインク109を取り出し、記録ヘッド101にインクを供給するためのものである。大気導入針105bは、メインタンク104内へ大気連通口105gからの大気を導入させるためものである。これらは、メインタンク104がインク供給ユニット105に装着されることで、インク供給針105aおよび大気導入針105bがそれぞれゴム栓104b、104cを貫通し、メインタンク104の内部に進入する。すなわち、メインタンク104がインク供給ユニット105に装着されることで、記録ヘッド101からインク供給針105aまでの流路と、大気導入針105bから大気連通口105gの流路とが1本の流路として連通する。
【0006】
上記のヘッドおよびインク供給系の構成において、周囲環境の温度変化により、記録ヘッド101内および、メインタンク104内の空気が膨張した場合に大気連通口105gからインクがあふれることを防止する必要がある。このため、大気導入針105bと大気連通口105gの間にあふれたインクを一時収容する大気連通室105fを構成している。
【0007】
大気連通室105fから大気連通口105gまでの流路105kは断面積が一定の流路で構成されており、流路の一部が大気導入針105bの開口部よりも高い位置に配置している。これは、装置をある程度傾けた場合においても大気連通室105f内のインクが外部に漏れないようにするためである。
【0008】
以上の構成により、記録ヘッド101内のインクが消費されると、その負圧により、インクが随時メインタンク104からインク供給ユニット105およびインク供給チューブ106を介して記録ヘッド101へ供給される。その際、メインタンク104から供給されたインクと同量の空気が、大気連通口105gから大気連通室105f、大気導入針105bを経て、メインタンク104内に導入される。
【0009】
サブタンク101b内に、チューブ106などの樹脂材料を透過して侵入する空気や、インク内に溶存していた空気が蓄積してしまう問題がある。また、サブタンク101bのインクが空になると上記インク供給が不可能になってしまう不都合がある。
【0010】
このため、記録ヘッド101からインク供給針105aまでの流路に遮断弁110と、吐出ノズル101gを吸引する吸引キャップ107a、吸引ポンプ107bを含む回復ユニット107の連動動作により、蓄積した空気を除去する。
【特許文献1】特開2002?307709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来例においては、メインタンク側ではなく記録ヘッド側からインクの漏洩が生じてしまうことがあった。周囲の温度上昇により、メインタンクのインクが大気連通室内に流れ込んだ状態で、記録ヘッドを強引に外したり、インク供給チューブが切れたりしてしまうといったトラブルにより以下の問題を生じうる。インクが大気連通室を満たした後、大気連通室と大気とを連通させる流路から外部に一旦流出し始めると、サイフォンの原理が働くことになる。サイフォンの原理が働くと、メインタンク内のインク全てが外部に流出仕切るまでインクの流出が止まらない。サイフォンの原理とは、液体が管内を満水状態で流下する際に、該液体の上流側に吸引作用を生じさせる原理のことをいう。また、一度装置を傾けた場合、記録ヘッドのメニスカスが壊れてしまう。その結果、インクが大気連通室と大気とを連通させる流路105k内をすべて満たしながら、大気連通口105gより外部へインクが排出される。
【0012】
タンク104内の負圧が増し、外部へ流れでたインクと同量のインクが、メニスカスの破れたヘッド等から、流路106を経由してタンクに流れ込む。メインタンク104から大気導入針105bにインクが供給され続けると、インクは大気連通口105gから外部に流出し続ける。メインタンク内のインクが空になってしまう問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明は、大気連通室から必要以上にインクが漏洩してしまうのを防止することができるインク供給装置およびインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため本発明のインク供給装置は、インクタンクから記録ヘッドにインクを供給するインク供給装置において、一端が大気連通室内に延出している第1の中空管と第2の中空管と、を有する。大気連通室は、インクタンクに連通している。本発明のインク供給装置は、第1の中空管を少なくとも1本有し、第1の中空管の一端は大気連通室内に延出している。第2の中空管も一端が大気連通室内に延出しており、各々の中空管の、大気連通室内への延出長さが異なっている。
【発明の効果】
【0015】
本発明のインク供給装置によれば、タンク内の負圧の変化を緩和し、大気連通室から必要以上にインクが漏洩することを防止することができる。
【0016】
また、本発明のインク供給装置によれば、大気連通室が絶えず複数の中空菅で外部と気液交換可能な状態を保つことができ、大気連通室から必要以上にインクが漏洩してしまうのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すインクジェット記録装置は、記録ヘッド201の往復移動(主走査)と、記録用シートSの所定ピッチごとの搬送(副走査)とを繰り返しつつ、これらの動きと同期させながら記録ヘッド201から選択的にインクを吐出させる。これにより、記録用シートSにインクを付着させて文字や記号、画像等を形成する。なお、記録用シートSとしては一般記録紙、特殊紙、OHPフィルム等が適用可能である。
【0020】
図1において、記録ヘッド201は、2本のガイドレールに摺動自在に支持され不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレールに沿って往復移動されるキャリッジ202に着脱可能に搭載されている。記録用シートSは、搬送ローラ203により、記録ヘッド201のインク吐出面に対面し、かつインク吐出面との距離を一定に維持しつつ、キャリッジ202の移動方向と交差方向(例えば、直交する方向である矢印A方向)に搬送される。
【0021】
記録ヘッド201は、それぞれ異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列を有する。記録ヘッド201から吐出されるインクの色に対応して、複数の独立したメインタンク204が、インク供給ユニット205に着脱可能に装着される。インク供給ユニット205から記録ヘッド201にインク供給を行うため、まず、それぞれインクの色に対応した複数のインク供給チューブ206によって接続される。さらにメインタンク204をインク供給ユニット205に装着することで、メインタンク204内に収納された各色のインクを、記録ヘッド201の各ノズル列に独立して供給することが可能となる。
【0022】
記録ヘッド201の往復移動範囲内で、かつ、記録用シートSの通過範囲外の領域である非記録領域には、回復ユニット207が、記録ヘッド201のインク吐出面と対面するように配置されている。
【0023】
次に、このインクジェット記録装置のインク供給系の詳細な構成について図2、図3を参照して説明する。図2は、図1に示すインクジェット記録装置のインク供給経路を説明するための図であり、説明を簡単にするため、1色分の経路についてのみ示している。図3は大気連通室の拡大断面図である。
【0024】
メインタンク204から記録ヘッド201までのインク供給経路は、メインタンク204側から順に、インク供給針4、流路4b、弁3、流路4a、インク供給チューブ206により構成される。また、メインタンク204から大気までの経路は、メインタンク204側から順に、大気導入針5、流路5a、大気連通室17、本発明の特徴部分である第1の中空管13aおよび第2の中空管13bにより構成される。
【0025】
以下、各部について説明する。
【0026】
記録ヘッド201は、その内部に、フィルタ201cと、流路201fと、サブタンク201bとを有する。フィルタ201cは、微細な穴である吐出ノズル201gにごみが詰まるのを防止するための微細なメッシュ構造を有する。流路201fは、フィルタ201cと吐出ノズル201gとを結ぶ。サブタンク201bは、フィルタ201cの上流で、インクジェット記録装置本体に設置されたメインタンク204からチューブ206を介して供給されるインクを一定量蓄積可能である。
【0027】
メインタンク204は、後述のインク供給ユニット205に対して着脱可能な構成であり、その底部に、ゴム栓204bで密封されたインク供給口と、ゴム栓204cで密封された大気導入口とを有する。メインタンク204は、単体では気密な容器であり、インク209はメインタンク204内にインク吸収体等に吸収させて収容されるのではなく、直接収容される。
【0028】
インク供給ユニット205は、遮断弁3と、インク供給針4と、大気導入針5と、大気連通室17と、第1の中空管13aおよび第2の中空管13bと、流路4a、4b、5aを有する。
【0029】
遮断弁3は、ゴム材からなるダイアフラム3aを有し、このダイアフラム3aを変位させることにより2つの液路4a、4b間の開閉を行う。遮断弁3は、記録ヘッド201がインクを吐出している状態では開かれ、待機中および休止中は閉じられ、インク充填動作時には回復ユニット207とタイミングを合わせて開閉され、記録ヘッド201内に蓄積した空気を除去する。
【0030】
通常の記録時は、遮断弁3は開放されており、インク吐出により記録ヘッド201内の負圧が高まるとインク供給針4およびインク供給チューブ206を介してメインタンク204内のインク209が記録ヘッド201へと供給される。しかしながら、インクが供給されることで記録ヘッド201内にはインク供給チューブ206内に溜まった気泡が蓄積されていく。そこで、一定条件で遮断弁3を閉じて記録ヘッド201内の負圧を高めて気泡を除去するクリーニング動作を実行し、記録ヘッド201内に一定量の気泡が溜まるようにしている。
【0031】
インク供給針4は、メインタンク204からインク209を取り出し、記録ヘッド201にインクを供給するための中空針であり、メインタンク204のインク供給口に対応させて配置されている。
【0032】
大気導入針5は、メインタンク204内へ大気を導入させるための中空針であり、大気導入口の位置に対応させて配置されている。大気導入針5の一端はメインタンク204内に挿入され、他端は大気連通室17に連通する流路5aに接続されている。大気導入針5は、流路5a、大気連通室17、第1の中空管13aおよび第2の中空管13bを介して大気に連通している。
【0033】
大気連通室17は、記録ヘッド201内の圧力を一定に保持する機能を有する。また、大気連通室17は、周囲環境の温度変化により、記録ヘッド201内およびメインタンク204内の空気が膨張した場合に各中空管13a、13bからのインク漏れを防止するため、インクを一時収容するバッファ機能も有する。すわなち、温度変化等で記録ヘッド201内およびメインタンク204内の空気量が増大した場合であってもインクを大気連通室17へと逃がすことで記録ヘッド201内の圧力を一定に保持することができる。なお、空気増大により押し出されたインクは大気連通室17に蓄積されるが、その量が多く、大気連通室17から溢れた場合は、第1の中空管13aを介して排出され、廃インク吸収体9に吸収される。
【0034】
第1の中空管13aおよび第2の中空管13bは、中空管であり、大気連通室17の底面17aに挿通して設けられている。第1の中空管13aは、大気連通室17を大気に連通させるとともに、大気連通室17内のインクを外部に排出する機能を有する。第2の中空管13bは、大気連通室17を大気に連通させる機能を有する。
【0035】
第1の中空管13aの一端13a1および第2の中空管13bの一端13b1が大気連通室17内に配置され、他端13a2および他端13b2が大気に開放されている。第2の中空管13bは、その一端13b1が、第1の中空管13aの一端13a1に対して高さhだけ高くなるように設けられている。すわなち、大気連通室17内への第1の中空管13aの延出長さよりも第2の中空管13bの延出長さのほうが高さh分だけ長い。なお、高さhは、第1の中空管13aの一端13a1から溢れ出るインクの表面張力によって盛り上がる高さよりも高くなるように設定し、当該盛り上がりにより第2の中空管13b側からインクが流出するのを防止している。インクの流出を防止するためには、大気連通室17内への各中空管13a,13bの延出長さの差である高さhが大きい程効果がある。しかし、高さhを大きくすると、大気連通室17の容量が大きくなってしまう。高さhは、第1の中空管13aの一端13a1から溢れ出るインクの表面張力によって盛り上がる高さよりも高くなるように設定すれば良い。当該盛り上がりにより第2の中空管13b側からインクが流出するのを防止するために、高さhはインクの表面張力による第1の中空管13aの一端13a1からの盛り上がり以上である1mm以上であれば良い。本発明の記録装置構成での実験によると、h=1.5mmにて充分な効果があることが確認されている。
【0036】
他端13a2および他端13b2は、廃インク吸収体に対してそれぞれ同じ高さになるように配置されている。各中空管の他端13a2および13b2は、各々一端13a1および一端13b1よりも重力方向下側に配置されている。廃インク吸収体9は、他端13a2および他端13b2よりも重力方向下側に配置されている。
【0037】
第1の中空管13aの断面積S1は、メインタンク204から記録ヘッド201までのインク供給流路の断面積のうち、最も小さい断面積のものより大きくしている。本実施形態では第1の中空管13aの断面積S1は、インク供給チューブ206の断面積S2よりも大きくなるよう構成している。これは以下の理由によるものである。
【0038】
インク供給チューブ206の破断、あるいは記録ヘッド201のメニスカスが破れることなどによりインク供給チューブ206内に空気が混入した状況を考える。空気混入によりインク供給チューブ206内のインクは、メインタンク204へと流入し、第1の中空管13aから外部へと流出されることとなる。この際の第1の中空管13aから流出するインクの流量は、第1の中空管13aの断面積S1と、インク供給チューブ206の断面積S2と、漏洩による水頭差とにより決定される。また、管路内抵抗は、管断面積が小さくなるほど大きくなる。
【0039】
ここで、第1の中空管13aの断面積S1がインク供給チューブ206の断面積S2よりも小さいと仮定する。この場合、インク供給チューブ206側からメインタンク204を介して大気連通室17内へと流入するインク量が第1の中空管13aを介して、大気連通室外部に排出可能なインク量を上回ることとなる。この結果、大気連通室17内にインクが蓄積されはじめ、インク界面が上昇し始める。インク界面が高さh以上上昇すると、第2の中空管13b内にインクが流入し始め、第2の中空管13bによる大気導入の機能が阻害されてしまう。これにより、大気連通室17内におけるインク蓄積がさらに促進され、ついには第2の中空管13b内および大気連通室17内がインクで満たされてしまう。このような状況になると、サイフォンの原理が働いてしまい、大気連通室17内のインクが全て流出してしまうまでインクの流出は続いてしまうこととなる。
【0040】
これに対して、本実施形態では上述の通り、第1の中空管13aの断面積S1をインク供給チューブ206の断面積S2よりも大きくしている。つまり、第1の中空管13aを介して大気連通室外部に排出可能なインク量が、インク供給チューブ206側からメインタンク204を介して大気連通室17内へと流入するインク量よりも上回る。このため、大気連通室17内における底面17aからインク界面までの高さは、第1の中空管13aの一端13a1の位置に維持され、第2の中空管13bの一端13b1にまで達することはない。よって、第2の中空管13b内がインクで満たされてしまうことがない。その結果、大気連通室17内へと絶えず空気を供給可能な状態で維持できる。大気連通室17内がインクで満たされてしまうことがなく、サイフォンの原理が働かないので、メインタンク204内のインクが全て流出することを防止できる。
【0041】
なお、上述した説明では、第1の中空管13aおよび第2の中空管13bがそれぞれ1本ずつ設けられた構成を例に説明したが、中空管の数に制限はなく、3本以上設ける構成としてもよい。3本以上の中空管を設ける場合、各中空管の、大気連通室17内への延出長さを3種類以上としてもよい。この場合、延出長さが最長のものを第2の中空管13bとし、他の中空管の全てを第1の中空管13aとして取り扱う。つまりこの場合は、複数の第1の中空管13aが設けられることになる。そして、この場合、第1の中空管13aの断面積S1とは、複数設けられた第1の中空管13aの断面積の総和とし、この総断面積S1がインク供給チューブ206の断面積S2より大きいものとする。つまり、最長の中空管を大気導入管とし、他の中空管は全てインクを排出させるための管とするものであってもよい。
【0042】
また、第1の中空管13aおよび第2の中空管13bの断面形状は円形とするのが好適であるが、これに限定されるものではなく、楕円、矩形等でもよい。
【0043】
以上、本実施形態によれば、大気連通室17は第1の中空管13aおよび第2の中空管13bによって絶えず気液交換可能な状態を保つことができる。ヘッドのメニスカスが破れたとしても、メインタンク内の負圧変化を、大気連通室17内で吸収することが可能となる。ゆえに、サイフォンの原理(液体が管内を満水状態で流下する際に、該液体の上流側に吸引作用を生じさせる)が発生しない。インクは大気連通室17から一部溢れ出て、その後インクの流出は自然と止まるのでメインタンク204内のインクがすべて流れ出る等の問題が生じることはない。
【0044】
また、従来、大気連通路は流路の一部が大気導入針の開口部よりも高い位置に配置されていた。そのため、大気連通路の分だけ装置が大型化していたが、本実施形態によれば、大気連通路が大気連通室17内に位置することとなり、従来の構成に比べて小型化を図ることができる。本構成は、大気連通室17と第1および第2の中空菅13a、13bとを一体化した構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録装置のインク供給経路を示す図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置の大気連通室の拡大断面図である。
【図4】従来のインクジェット記録装置におけるインク供給系の一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
17 大気連通室
13a 第1の中空管
13b 第2の中空管
201 記録ヘッド
204 メインタンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクタンクから記録ヘッドにインクを供給するインク供給装置において、
前記インクタンクと連通する大気連通室と、
前記大気連通室内と外気とを連通し、一端が前記大気連通室内に延出した、第1の中空管と、
前記大気連通室内と外気とを連通し、一端が前記大気連通室内に延出し、該延出した長さが前記第1の中空管の延出した長さと異なっている第2の中空管と、
を有することを特徴とするインク供給装置。
【請求項2】
前記第2の中空管の一端が前記大気連通室内に延出した長さが、前記第1の中空管が前記大気連通室内に延長した長さよりも長く構成されている、請求項1に記載のインク供給装置。
【請求項3】
前記第1の中空管の断面積は、前記インクタンクから前記記録ヘッドまでのインク流路のうちの最も断面積が小さい前記インク流路の断面積よりも大きい、請求項1または2に記載のインク供給装置。
【請求項4】
複数の前記第1の中空管を有する、請求項1または2に記載のインク供給装置。
【請求項5】
前記第1の中空管の断面積の総和は、前記インクタンクから前記記録ヘッドまでのインク流路のうちの最も断面積が小さい前記インク流路の断面積よりも大きい、請求項4に記載のインク供給装置。
【請求項6】
前記第1の中空管が前記大気連通室内に延長した長さと、前記第2の中空管が前記大気連通室内に延出した長さとの差が1mm以上である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインク供給装置。
【請求項7】
前記第1および第2の中空管が、前記大気連通室内に延出した側の一端に対して、各々の他端は、それぞれ重力方向下側に配置されている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインク供給装置。
【請求項8】
前記第1および第2の中空管の断面形状は円形である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインク供給装置。
【請求項9】
被記録媒体を搬送する搬送手段を有し、記録ヘッドからインクを吐出して前記被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインク供給装置を有することを特徴とするインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−283606(P2007−283606A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112603(P2006−112603)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】