インク容器、インク容器の製造方法、インク供給方法
【課題】 インク袋にインク貯蔵するとき、あるいはインク袋を封止するときに、インクがこぼれ、インク袋に付着する場合がある。インク容器を製造するときにインク袋に付着したインクを除去する必要があった。
【解決手段】 インク袋にインクを貯蔵し、封止した後にインク袋を収納袋に収納することで、汚れたインク袋の掃除をする工程を省くことができ、効果的にインク容器を製造することができる。
【解決手段】 インク袋にインクを貯蔵し、封止した後にインク袋を収納袋に収納することで、汚れたインク袋の掃除をする工程を省くことができ、効果的にインク容器を製造することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを貯蔵するインク容器、インクを貯蔵するインク容器の製造方法、およびインク容器からプリンタへインクを供給する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのインクジェットプリンタでは、使用されるインクは交換可能なインク容器に収納されている。例えば、プリンタを使っていて、インクが無くなると、インク容器を交換して印字を再開する。このインク容器の多くはハードケースを容器としたものである。また、なかには可撓性のインク袋の状態でインク容器として交換可能なものもある。通常これらのインク容器には、収納されたインクの色、製造年月日、シリアル番号、製造者名、対応するプリンタなどのインクやインク容器の情報がシートに印刷されて貼り付けられて表示されている。また、インクを吐出する際に気泡が原因で吐出不良が生じることがあり、脱気されたインクが使われている。
【0003】
例えば、特開平7−304187号公報には、インク袋にインクを貯蔵する方法が開示されている。この方法によれば、ガスバリアー性を有するインク袋にインクを貯蔵する場合に、まずインク袋にインクを充填し、その次にインク袋の上部をシールし、その次にインク袋を立てながら気泡を挟むように上部シールの下の部分で二次封止をしてインク袋にインクを貯蔵している。交換インクをインク袋の状態で行うものの例として、国際公開番号WO2004/037541号公報は、可撓性インク袋にインクが貯蔵されたインク容器をトレーに固定し、そのトレーをプリンタへ装填することでインクを供給するプリンタが開示されている。
【特許文献1】特開平7−304187
【特許文献2】WO2004/037541
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクをインク袋に貯蔵する際に、インクがこぼれるとインク袋が汚れる。そのため汚れを取り除く必要がある。その後、インク袋にラベルを貼ることになるが、汚れた上にラベルが貼られた場合に剥離などの問題も生ずるので、汚れを取り除く必要がある。また、あらかじめラベルが貼られたインク袋にインクを注入した場合は、インクが零れるとラベルが汚れてしまう。ラベルを貼りなおさなければならないという問題が生じる。
【0005】
また、インク袋をハードケースに入れたインクカートリッジは、インク袋の汚れは隠せるが、ハードケースが重く、さらにハードケースは高価であるので、廉価にインク容器を提供したい場合は不向きである。
【0006】
またプリンタの使用者は、長時間連続印字したいのでインク容量の大きいインク容器を望む一方、搬送や取扱いを容易にするため、なるべく小型軽量のインク容器であることも望む。
【0007】
インク容量を増やすためには、インク袋の側面をベローズ状にするなど、インク袋の厚みを増した構造などが考えられている。
【0008】
また、上記インクの充填方法では、インク袋にインクを注入するとき、あるいはインク袋を封止するときにインクがこぼれてインク袋にインクが付着する場合がある。インク袋をケースに入れずに流通させた場合に、インク袋の汚れ、ラベルはがれの原因、ラベルに記載された情報の誤認、誤挿入など様々な問題が生じる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、インクを貯蔵するインク容器であって、内側に折れ曲がる屈曲部を側面に有する前記インクを貯蔵する密封袋の端部にインク取り出し口を備えるインク袋と、前記インク袋を収納する樹脂製の可撓性を有する不透明な袋であって、前記インク袋の側面の屈曲部に対応する屈曲部を有し、表面に前記インクに関する情報が表示される収納袋と、を有するインク容器であることを特徴とする。
【0010】
また、前記収納袋は、短手方向の一端に前記インク袋を挿入するための開口部を有し、前記一端に対向する他端は封止されていることを特徴とすることができる。
【0011】
また、容器を収納するトレーに系合するための固定孔が前記収納袋の前記他端の封止されている部分に有することを特徴とすることができる。
【0012】
また、前記インク袋の前記インク取り出し口に対向する側の端部が溶着により封止され、該封止された部分が折り曲げられ、前記インク袋の屈曲部に挟まれる前記インク袋の表面に固定されることを特徴とすることができる。
【0013】
また、前記収納袋の開口部に隣接する前記屈曲部に切込みを有することを特徴とすることができる。
【0014】
また、前記インク袋に前記インクの情報が固定され、該固定された情報が前記収納袋に表示された前記インクに関する情報の一部と同一内容であることを特徴とすることができる。
【0015】
また、前記固定された情報は前記インクの色情報であることを特徴とすることができる。
【0016】
また上述インク容器は、少なくとも色の情報を含む前記インクに関する情報を記憶するICチップを有するアダプタを有し、前記アダプタが前記インク袋または前記インク袋と前記収納袋の端部を挟み込んで固定されていることを特徴とすることができる。
【0017】
本発明のインク容器の製造方法は、インクを貯蔵し、インク取り出し口を有する袋であって、該袋の内側に折れ曲がる屈曲部を該袋の側面に有するインク袋と、前記インク袋を収納する樹脂製の可撓性を有する不透明な袋であって、前記インク袋の側面の屈曲部に対応する屈曲部を有し、表面に前記インクに関する情報が表示される収納袋と、前記インクの種類に対応する形状を有するアダプタと、を有するインク容器の製造方法であって、前記インク袋にインクを注入する工程と、第1の真空槽内で前記インク袋の前記インクを脱気する工程と、第2の真空槽内で前記インク袋を封止する工程と、前記インク袋を前記収納袋に収納する工程と、前記アダプタを少なくとも前記インク袋に固定する工程と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明のインクの供給方法は、上述のインク容器に収納されたインクを吐出するインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを往復走査するキャリッジと、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記インクを前記インクジェットヘッドへインクに供給するインク供給ユニットと、を有するインクジェットプリンタに、インクを供給する方法であって、前記インク容器を固定するトレーに前記インク容器を固定し、前記インク容器と前記インク供給ユニットを接続し、前記インクジェットヘッドに前記インクを供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、インク容器製造のときのインク汚れによる問題を解決し、搬送や取扱いを容易にし、小型軽量のインク容器を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るプリンタの一例を示す斜視図である。
【0022】
インクジェットプリンタ1は、印刷装置の一種であり、複数のノズルを有するインクジェットヘッドから記録媒体上へインクを吐出して画像を形成する大型のプリンタである。例えば、幅数十インチの大型の樹脂シートに画像を印刷する場合に用いられる。
【0023】
インクジェットプリンタ1は、Yレール7を備えており、Yレール7に沿ってキャリッジ2が移動するようになっている。
【0024】
キャリッジ2の内部には、インクジェットヘッドが収納されている。インクジェットヘッドは、圧電素子などを用いた吐出機構を備えており、この吐出機構を駆動することによりノズルからインクを吐出することができる。
【0025】
インクジェットプリンタ1には、ロール状に巻かれた記録媒体が装着できるようになっている。記録媒体は、例えば、樹脂製のシート、紙、布などである。
【0026】
そして、インクジェットプリンタ1は、繰り出し機構を用いて記録媒体をプラテン5上に搬送する。また、インクジェットプリンタ1の端部にプーリー8が設けられ、他端に該プーリー8と対するプーリーが設けられ、無端ベルトであるベルト6がかけられている。プーリー8は駆動装置により回転駆動し、ベルト6を回動させる。キャリッジ2は、ベルト6に接続され、ベルト6の移動によってYレールに沿ってスライド移動する。繰り出し機構によって記録媒体を所定の量だけ搬送させ、キャリッジ2を往復移動させながら、搬送した記録媒体上に所定の色のインクをインクジェットヘッドから吐出して様々な画像を印字する。
【0027】
繰り出し機構すなわち記録媒体の搬送手段は、記録媒体を挟持するローラ対を複数対備えることによって構成されている。
【0028】
ペーパーガイド4にはヒータが内蔵されており、印字された記録媒体は、ペーパーガイド6を滑りながら加熱され、インクが固化する。
【0029】
インクジェットプリンタ1の一端には、インク収納ボックス3が設けられており、その前面にはフロントカバーが開閉可能に設けられている。
【0030】
フロントカバーを開くと、インクカートリッジを挿入するスロットが設けられており、ここにインクカートリッジを挿入することによりインクジェットプリンタ1にインクを供給するようになっている。
【0031】
インクジェットプリンタ1には、インクカートリッジのインクをチューブにより直接インクジェットヘッドに供給するものと、インクカートリッジのインクをポンプで一旦サブタンクに貯蔵し、このサブタンクからインクジェットヘッドにインクを供給するものがある。
【0032】
インクジェットプリンタ1が大型になると、インクカートリッジとヘッドの高低差が大きくなるため、サブタンクを用いてヘッドとインクの水頭値を適切に調節する方法が一般に用いられている。
【0033】
次にインクカートリッジについて、図2と図3を用いて説明する。図2は、インクカートリッジの外観の一例を示した図である。図3は、インク容器がトレーから外れた状態を示す図である。
【0034】
インクカートリッジは、トレー9にインク容器10を収納したものである。インクカートリッジは、図10あるいは図11に示すインク供給ユニット47に対して挿入され、インクジェットプリンタ1へインクを供給する。
【0035】
インク容器10の端部中央には、内蔵されたインクを取り出すインク取り出し口であるスパウト13が設けられている。スパウト13の中央には、インクを供給するインク供給口が設けられている。インク供給口は未使用時には封止されているが、インク供給ユニット47に挿入すると、インク供給ユニット47に形成されている針45がインク容器10の内部と連通し、インクがインクジェットプリンタ1に供給されるようになっている。
【0036】
トレー9とインク容器10は、着脱可能となっており、トレー9は、インクジェットプリンタ1に備え付けの備品として備えられて繰り返し使用され、インク容器10は消耗品としてインク販売業者から提供される。
【0037】
従来は、ケースにインク容器が収納されたインクカートリッジが消耗品としてインク販売業者から供給される形態が一般的であったが、本実施の形態では、インク容器10とトレー9を分離し、インク容器10を交換すればよいためコストを低減することができる。
【0038】
インク容器10は、外装である液体収容袋部18とアダプタ14から構成されており、アダプタ付きインク袋として機能している。
【0039】
液体収容袋部18は、少なくとも内蔵するインク色を記載したラベル20が固定されている。ラベル20にはそのほかに内臓インクに対応した情報、すなわち対応機種、注意書き、シリアル番号、製造日などの種種の情報が記載されている。
【0040】
液体収容袋部18は、一端にスパウト13を備えた可撓性を有する密閉容器の外側を、可撓性を有する収納袋で覆ったものである。インクが満充填されている場合は、トレー9の形状に合わせて概略直方体に形成されており、インクを消費すると、それに合わせて収縮するように変形する。
【0041】
液体収容袋部18の後端部には、熱溶着などによってシート材を密封した平坦形状の後端接合部が形成されており、そこには、固定孔11が2つ開けられている。
【0042】
一方、インク容器10の前端部には、アダプタ14が取り付けられている。
【0043】
トレー9は、インク容器10を収納する凹部が形成され、剛性を有する樹脂製の上面開口の剛体容器である。図10および図11に示す収納台48に沿ってインクカートリッジを挿入し、インク供給ユニット47の針45がスパウト13へ挿入できるようになっている。トレー9の両サイドには、ガイド突起19が直線状に設けられている。図示はしていないが、収納台48に設けられた溝と系合しながら、スライドできるようになっている。
【0044】
トレー9の後端部には爪12が固定孔11に対応して2つ形成されており、固定孔11に係合してインク容器10の後端部を位置決めすると共に固定するようになっている。
【0045】
一方、トレー9の前端部には、アダプタ14を差し込んで固定するスロット状のアダプタ挿入部22が形成されている。アダプタ14をアダプタ挿入部22に挿入すると、インク容器10の前端部がトレー9に対して位置決め・固定される。
【0046】
そして、トレー9の前部には、アダプタ14のスパウト13に対応した部分が窪んでいるので、アダプタ14をアダプタ挿入部22に装着すると、トレー9からスパウト13が露出するようになっている。また、アダプタ14には、インクの個別情報を記憶したICチップを装着できるようになっており、その電極である端子21が露出してインクジェットプリンタ1の電極と接触するように、トレー9の前面には、端子21に対応した部分に窪みが設けられている。アダプタ14は、トレー9に対して位置決めされるため、電極21、スパウト13もトレー9に対して位置決めされる。
【0047】
この他に、トレー9には、インクカートリッジを装着したときにインク供給ユニット47に突き当たる突当凸部16が形成されている。さらに、アダプタ14には、内臓インクの色を示す第1突起15、使用する機器に対応するインクか否かを示すインク種を示す第2突起17などが形成されている。このようにアダプタ14には、内蔵するインクの種類に対応して異なる形状の突起部が形成されている。
【0048】
インクジェットプリンタ1へインクカートリッジを装着するときのインクカートリッジの位置に関しては、トレー9のガイド突起19と突当凸部16がインクジェットプリンタに接触することで所定の位置に装着できる。複数色のインクを使用するが、インクカートリッジにするときに、トレー9はどの色のインク容器10でも共通に使用することができる。
【0049】
インクジェットプリンタ1に供給されるインクに関しては、アダプタ14に備えた第1突起15、第2突起17、ICチップによって、適合するインク供給ユニット47が異なり、色違いのインクカートリッジなどの誤装着を防止している。
【0050】
また、アダプタ14は色に関する情報を置き換えている第1突起15と、対応機種に関する情報を置き換えている第2突起17の配置方向を、夫々下方、前方と区別して配置し、さらに、異なる形状にすることで、分かりやすくし、視認による判別の誤認を防止している。
【0051】
次にインク袋にインクを充填する工程を説明する。図4(a)はインク袋にインクを充填する工程を示す図である。図4(b)はインク袋を密閉する工程を示す図である。図5(a)はインク袋の封止部を折り曲げる工程を示す図である。図5(b)はインク袋の封止部を折り曲げる工程を示す図である。
【0052】
まずは、インク注入前のインク袋27について説明する。インク注入前においては、インク袋27はスパウト13を一端に有し、インクを注入するために他端に開口部28を有する略矩形の袋である。インク袋27は4枚のフィルム状のシートを長手方向の辺を夫々溶着し、筒状の容器である。対向する2枚のシートに対して、その両脇の2枚のシートそれぞれに屈曲部を設け、ベローズ状にする。ベローズ状にしていない2枚のシートの短手方向の一方の辺に沿って、スパウト13を挟むように溶着し、さらにベローズ状にしたシートの短手方向の辺も屈曲させた状態のまま、挟むように溶着して封止部31を封止してある。スパウト13に対向する側の辺が開口された袋状の容器となっている。この開口部28からインクを注入する。
【0053】
インク袋27は強度や耐インク性、ガスバリアー性を持つためにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、共重合体エチレンビニルアルコールのような樹脂フィルムを少なくとも一種類用いて構成されている。より強固なガスバリアー性をもたせる場合には中間層にアルミニウムのような金属箔または金属蒸着膜を設けてもよい。
【0054】
インクに気泡が含まれると、インクジェットプリンタなどの記録装置では、気泡がインク流路に詰まり、吐出不良を起こす。この不具合を防止するために、インク中の気泡を無くすことが望まれている。
【0055】
インクタンク23には、インク袋27に注入するためのインクが蓄えられている。バルブ24は、インクタンク23からインク袋27にインクを供給するための管25の途中に配置される。
【0056】
バルブ24は管25内を流れるインクの流量を制御し、インク袋27に所定の量のインク30を入れる。管25からインク袋27へは、矢印26で示した方向にインクが注入される。インクタンク23から供給されたインクは開口部28からインク袋27へ注入される。インク袋27の喫水29のラインまでインクが注入されるとインクの注入が停止する。
【0057】
その後、真空槽32の中にインクを注入したインク袋27を入れ、真空槽32内の気圧を下げる。ある程度十分に真空状態になったところで、所定時間放置する。インク内の溶存気体が気泡33となり、インクが脱気される。インクの性質によるが、数分から数時間放置する。その後、インク袋27のインクの喫水29より高い位置の溶着部34において、シート同士を溶着し、インクを閉じ込めるように密封する。喫水29より高い位置でインク袋27を封止しても、真空槽32内で溶着するので、インク袋27内には気体が閉じ込められない。また、好ましくは、溶着時にはインクがこぼれ出ないようにする。作業性向上の為、真空槽32は、インクを脱気する槽と溶着する槽とを異なる真空槽にする。
【0058】
また、インク容器のインク容量が大きい場合に、1度の溶着では、溶着の強度が保てない場合がある。そこで、溶着部34で溶着した後に、真空槽32から取り出して、溶着部34から開口部28の間を1箇所以上更に溶着する。複数回の溶着によって、インク袋27内のインク30が多くても、インク袋27の強度が保てる。例えば、1回目の溶着の後に1度以上溶着させるために、溶着部34から開口部のまでの距離は、溶着部34の幅の以上の距離を持たせるのが好ましい。
【0059】
インク袋27を溶着して封止した後に、封止した部分を折り曲げる工程を説明する。図5(a)は上面からの図である。図5(b)は側面からの図である。インク袋27の折り曲げ部35から折り曲げる。この折り曲げ部35は、溶着部34の根元部分である。折り曲げ部35で折り曲げられた部分はテープ36で固定される。または、両面テープなどの別の固定手段で固定してもよい。屈曲部38はインク袋27の側面をベローズ状に形成するための曲げ部である。インク容量を増やす為に、インク袋27の側面の面積を大きくする為に、そして、インクが消費されて収縮したときに決められた位置以外で折れ曲がらないようにしている。
【0060】
そして、インク30が充填されたインク袋27には、注入されたインクの情報が記載された仮ラベル37が固定される。この借りラベルは、少なくともインク色の情報が記載されている。好ましくは、インク袋27に対する個別情報を記載したバーコードを含むラベルが良い。そのバーコードに対応して、インク袋27に対する、例えばインク色、製造日、対応機種などの種種の情報を、製造工程を管理するコンピュータに記憶させておく。バーコードをバーコードリーダで読み出し、対応する情報をコンピュータの画面に表示できるようにすれば、内蔵するインクに関する情報が容易に確認できる。
【0061】
また、インク袋27を折り曲げることで不要部を小さくし、インク容器の全長を短くすることができ、小型化できる。溶着部34の根元で折り曲げているので、インクが消費されるときのインク袋27の収縮による変形に影響を及ぼさない。
【0062】
次に、収納袋について説明する。図6は、収納袋の一例を示す斜視図である。収納袋39はインク袋27にフィットするように、屈曲部41を有し、側面がベローズ状に形成されている。また、平坦形状の後端接合部40が形成され、固定孔11が2つ開けられている。収納袋39は、開口部42を有し、そこからインク袋27が入る大きさの不透明な樹脂製の袋である。不透明な袋にすることでインク袋27の汚れを隠すことができる。また、可撓性のある樹脂製の袋にすることで、変形できるので容易にインク袋27を収納できる。収納袋39は、インク袋27に付着したインクに接触しても変質しにくい材料であることが望まれる。例えば、ポリエチレンあるいはナイロン製の樹脂製袋であり、可撓性も合わせて有し、さらに軽量でもある。
【0063】
図7は、収納袋の別の例を示す斜視図である。図6で示した収納袋39とは、開口部42部分が異なる。開口部42に隣接する屈曲部41に切込43が形成されている。切込43を設けることで、収納袋39の端部とインク袋27の端部を合わせたときに、収納袋39の屈曲部41がインク袋27の封止部31の部分を避けることができ、収納袋39の屈曲部41をインク袋27の屈曲部38に合致させつつ折り挟み込むことができる。
【0064】
図8は収納袋にインク袋を収納する工程を示す図である。インクの情報が表示されているラベル20を固定した収納袋39に、アダプタ14が装着されているインク袋27を収納する。
【0065】
収納袋39の開口部42から、インク袋27を挿入する。インク袋27には、アダプタ14に近隣に両面テープ43を貼り付け、収納袋39を固定する。収納袋39とインク袋27の固定は、両面テープ以外にも固定手段として、接着剤、溶着などでもよい。好ましくはアダプタ14と収納袋39が接した状態で、インク袋27と収納袋39を固定する。そうすれば、収納袋39からインク袋27が見えない。さらに、開口部42のベローズ状になっている側面をインク袋27の側面に折り込み挟み込む。
【0066】
インク袋27を折り曲げ、固定手段であるテープ36で固定することで、収納袋39へインク袋27を挿入するときに、インク袋27の鋭利な角による収納袋39の損傷を防止できる。アダプタ14を装着したインク袋27を収納袋39へ収納し、インク容器10となる。
【0067】
また、収納袋39の表面には、インク袋27に注入された、例えばインク色、容量、製造者、製造年月日、製品名、対応機種、シリアル番号、製造者、取り扱いなどの注意事項などの、インクとインク容器に関する情報が表示されているラベル20が固定される。
【0068】
収納袋39にインク袋27を収納した後にインクに関する情報を固定させる場合、インク袋27が入っているため、収納袋39の表面に凹凸ができ、作業性が悪くなる。よって、インクに関する情報を固定した収納袋39にインク袋27を収納する方が作業性は良くなる。
【0069】
収納袋39にインク袋27を収納する前に、仮ラベル37とラベル20の表示内容を比較して色の間違い、その他の情報に相違点が無いか確認するのが好ましい。
【0070】
次にインク容器10の別の形態について説明する。図9(a)はインク袋を収納袋に収納する別の形態の工程の側面を示す図である。図9(b)はインク袋を収納袋に収納する別の形態の工程の上面を示す図である。収納袋39にインク袋27を挿入した後にアダプタ14を装着することもできる。そうすることで、収納袋39の端部がアダプタ14に挟み込まれ、収納袋39が取れにくくなる。また、インク袋27を、収納袋39に完全に収納でき、見えなくすることができる。収納袋39にインク袋27を挿入する。インク袋27のスパウト13の設けられた辺の端部近隣に両面テープ44を貼り、収納袋39の端部を固定する。両面テープ44はインク袋27の短手方向全長に渡り設けるのが、はがれ防止につながり、好ましい。両面テープ44はインク袋27と収納袋39を固定する手段で、接着剤、溶着などの手段でもよい。切込43を備えた収納袋39によれば、スパウト13を溶着してある部分を切込43によって逃がしながら、インク袋27の屈曲部38に収納袋39の屈曲部42を折り曲げて入れることができ、インク袋27と収納袋39をフィットさせて固定できる。さらに、アダプタ14は、をインク袋27、両面テープ44、収納袋39を挟み込んで固定する。また、予め袋状になった収納袋39に、固定孔11、ラベル20が設けられているので、作業性が良い。例えば、収納袋39にインク袋27を入れた後に固定孔11を設ける工程の場合は、インクの入った袋を扱うので、扱いづらくなってしまう。
【0071】
アダプタ14には、貯蔵されているインクの情報、例えば、インク色、インク容量、製造年月日、製造者、シリアル番号などの情報、が記憶されているICチップが取り付けられている。
【0072】
図10は、インク容器をプリンタに装着する方法を示す図である。インクジェットプリンタ1には、インクカートリッジを収納するインク収納ボックス3が備わっている。インク収納ボックス3内には、インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給ユニット47を備わっている。インク容器10からインクの供給を受けるために、インク供給ユニット47には、スパウト13に挿入する針45と、アダプタ14のICチップとインクジェットプリンタ1の制御部とを接続する為のピン46が備わっている。インクカートリッジが挿入されるとピン46と端子21が接触し、インクジェットプリンタ1の制御部はインク容器10のインクに関する情報を入手する。また、針45がスパウト13に接続し、インクをインクジェットプリンタ1へ供給できる状態になる。インクカートリッジは、収納台48に沿ってトレー9の底面およびガイド突起19がスライドし挿入され、突当凸部16がインク供給ユニット47と当接するところで停止する。その状態で、ピン46と端子21とが接触し、針45はスパウト13に挿入される。
【0073】
図11は、インク容器をプリンタに装着する別の形態の方法を示す図である。収納台48が傾いてインク収納ボックス3に備わっている。インクジェットプリンタ1はインク中の溶存気体が気化することで、インク中に気泡が発生することがある。その気泡が原因となり、インクジェットヘッドからインクを吐出できない不具合が発生するので、気泡の発生を防止したい。十分脱気した状態のインクがインク容器10に入ってはいるが、気泡が発生する場合がある。インク容器10のスパウト13を下にした状態でインクをインクジェットプリンタ1に供給することで、インク容器10中で発生した気泡はスパウト13とは反対側の端部へ導くことができる。そうすることで、スパウト13から針45を通り、インクジェットプリンタ1へインクを供給する際に、気泡の混入を防止できる。スパウト13がインク容器10のスパウト13が取り付けられていない側に比べて下側になるように配置されることが好ましい。すなわち、収納台48の水平位置からの角度をθ、インク容器10にインクを最大に収納したときの高さ50、スパウト13からインク袋27の端部までの長さ49としたときに、sinθが((長さ49)/(高さ50))から1の間にあるような角度θとすることが好ましい。
【0074】
インク容器10は、爪12に固定孔11がかかっているので、トレー9が傾いて固定されても、滑り落ち、異常な変形などが生じることが無く、安定してインクを供給できる。インク容器10を傾ける場合に、インク容器10の周辺を固定する手段が必要である。固定する手段がないと、インク容器10が内部に蓄えたインクの重みで、予期せぬ変形が生じ、インクの供給が停止してしまう問題が生じてしまう。固定する手段とし、爪12と固定孔11の系合を例示したが、トレー9にクリップを備え、クリップにインク容器10の端部を挟む構成でもよい、また、ホック、接着材で固定することもできる。
【0075】
上述インク容器10をインクジェットプリンタ1で用いる場合に、インク容器10のラベル20に表示されているインクに関する情報はインク汚れが無く、誤認することが無い。また、インク容器10は樹脂製のインク袋27、樹脂製の収納袋、樹脂製のアダプタによって構成され容器自体が軽量であるので、取り扱い易い。また、インク袋27にインクを充填した後に複数回の溶着をするので、強度が向上し、衝撃に強くなるので、取り扱い易い容器である。このようなインク容器10をインクジェットプリンタ1で使用する場合に、アダプタ挿入部22とアダプタ14を系合させ、爪12と固定孔11を系合させることで、トレー9にインク容器10を固定し、トレー9に固定されたインク容器10を扱うことになるので、インクジェットプリンタ1に容易に装てんでき、さらに、トレー9を傾斜させてインクジェットプリンタ1に装着することで、印字品質の向上にもつながる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、インクを貯蔵したインク容器に関するものである。特にインクジェットプリンタのインク容器に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】プリンタの一例を示す斜視図である。
【図2】インクカートリッジの外観の一例を示した図である。
【図3】インク容器がトレーから外れた状態を示す図である。
【図4】(a)はインク袋にインクを充填する工程を示す図である。(b)はインク袋を密閉する工程を示す図である。
【図5】(a)はインク袋の封止部を折り曲げる工程を示す図である。(b)はインク袋の封止部を折り曲げる工程を示す図である。
【図6】収納袋の一例を示す斜視図である。
【図7】収納袋の別の例を示す斜視図である。
【図8】収納袋にインク袋を収納する工程を示す図である。
【図9】(a)はインク袋を収納袋に収納する別の形態の工程の側面を示す図である。(b)はインク袋を収納袋に収納する別の形態の工程の上面を示す図である。
【図10】インク容器をプリンタに装着する方法を示す図である。
【図11】インク容器をプリンタに装着する別の形態の方法を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 インクジェットプリンタ
2 キャリッジ
3 インク収納ボックス
9 トレー
10 インク容器
11 固定孔
13 スパウト
14 アダプタ
20 ラベル
27 インク袋
34 溶着部
39 収納袋
45 針
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを貯蔵するインク容器、インクを貯蔵するインク容器の製造方法、およびインク容器からプリンタへインクを供給する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのインクジェットプリンタでは、使用されるインクは交換可能なインク容器に収納されている。例えば、プリンタを使っていて、インクが無くなると、インク容器を交換して印字を再開する。このインク容器の多くはハードケースを容器としたものである。また、なかには可撓性のインク袋の状態でインク容器として交換可能なものもある。通常これらのインク容器には、収納されたインクの色、製造年月日、シリアル番号、製造者名、対応するプリンタなどのインクやインク容器の情報がシートに印刷されて貼り付けられて表示されている。また、インクを吐出する際に気泡が原因で吐出不良が生じることがあり、脱気されたインクが使われている。
【0003】
例えば、特開平7−304187号公報には、インク袋にインクを貯蔵する方法が開示されている。この方法によれば、ガスバリアー性を有するインク袋にインクを貯蔵する場合に、まずインク袋にインクを充填し、その次にインク袋の上部をシールし、その次にインク袋を立てながら気泡を挟むように上部シールの下の部分で二次封止をしてインク袋にインクを貯蔵している。交換インクをインク袋の状態で行うものの例として、国際公開番号WO2004/037541号公報は、可撓性インク袋にインクが貯蔵されたインク容器をトレーに固定し、そのトレーをプリンタへ装填することでインクを供給するプリンタが開示されている。
【特許文献1】特開平7−304187
【特許文献2】WO2004/037541
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクをインク袋に貯蔵する際に、インクがこぼれるとインク袋が汚れる。そのため汚れを取り除く必要がある。その後、インク袋にラベルを貼ることになるが、汚れた上にラベルが貼られた場合に剥離などの問題も生ずるので、汚れを取り除く必要がある。また、あらかじめラベルが貼られたインク袋にインクを注入した場合は、インクが零れるとラベルが汚れてしまう。ラベルを貼りなおさなければならないという問題が生じる。
【0005】
また、インク袋をハードケースに入れたインクカートリッジは、インク袋の汚れは隠せるが、ハードケースが重く、さらにハードケースは高価であるので、廉価にインク容器を提供したい場合は不向きである。
【0006】
またプリンタの使用者は、長時間連続印字したいのでインク容量の大きいインク容器を望む一方、搬送や取扱いを容易にするため、なるべく小型軽量のインク容器であることも望む。
【0007】
インク容量を増やすためには、インク袋の側面をベローズ状にするなど、インク袋の厚みを増した構造などが考えられている。
【0008】
また、上記インクの充填方法では、インク袋にインクを注入するとき、あるいはインク袋を封止するときにインクがこぼれてインク袋にインクが付着する場合がある。インク袋をケースに入れずに流通させた場合に、インク袋の汚れ、ラベルはがれの原因、ラベルに記載された情報の誤認、誤挿入など様々な問題が生じる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、インクを貯蔵するインク容器であって、内側に折れ曲がる屈曲部を側面に有する前記インクを貯蔵する密封袋の端部にインク取り出し口を備えるインク袋と、前記インク袋を収納する樹脂製の可撓性を有する不透明な袋であって、前記インク袋の側面の屈曲部に対応する屈曲部を有し、表面に前記インクに関する情報が表示される収納袋と、を有するインク容器であることを特徴とする。
【0010】
また、前記収納袋は、短手方向の一端に前記インク袋を挿入するための開口部を有し、前記一端に対向する他端は封止されていることを特徴とすることができる。
【0011】
また、容器を収納するトレーに系合するための固定孔が前記収納袋の前記他端の封止されている部分に有することを特徴とすることができる。
【0012】
また、前記インク袋の前記インク取り出し口に対向する側の端部が溶着により封止され、該封止された部分が折り曲げられ、前記インク袋の屈曲部に挟まれる前記インク袋の表面に固定されることを特徴とすることができる。
【0013】
また、前記収納袋の開口部に隣接する前記屈曲部に切込みを有することを特徴とすることができる。
【0014】
また、前記インク袋に前記インクの情報が固定され、該固定された情報が前記収納袋に表示された前記インクに関する情報の一部と同一内容であることを特徴とすることができる。
【0015】
また、前記固定された情報は前記インクの色情報であることを特徴とすることができる。
【0016】
また上述インク容器は、少なくとも色の情報を含む前記インクに関する情報を記憶するICチップを有するアダプタを有し、前記アダプタが前記インク袋または前記インク袋と前記収納袋の端部を挟み込んで固定されていることを特徴とすることができる。
【0017】
本発明のインク容器の製造方法は、インクを貯蔵し、インク取り出し口を有する袋であって、該袋の内側に折れ曲がる屈曲部を該袋の側面に有するインク袋と、前記インク袋を収納する樹脂製の可撓性を有する不透明な袋であって、前記インク袋の側面の屈曲部に対応する屈曲部を有し、表面に前記インクに関する情報が表示される収納袋と、前記インクの種類に対応する形状を有するアダプタと、を有するインク容器の製造方法であって、前記インク袋にインクを注入する工程と、第1の真空槽内で前記インク袋の前記インクを脱気する工程と、第2の真空槽内で前記インク袋を封止する工程と、前記インク袋を前記収納袋に収納する工程と、前記アダプタを少なくとも前記インク袋に固定する工程と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明のインクの供給方法は、上述のインク容器に収納されたインクを吐出するインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを往復走査するキャリッジと、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記インクを前記インクジェットヘッドへインクに供給するインク供給ユニットと、を有するインクジェットプリンタに、インクを供給する方法であって、前記インク容器を固定するトレーに前記インク容器を固定し、前記インク容器と前記インク供給ユニットを接続し、前記インクジェットヘッドに前記インクを供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、インク容器製造のときのインク汚れによる問題を解決し、搬送や取扱いを容易にし、小型軽量のインク容器を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るプリンタの一例を示す斜視図である。
【0022】
インクジェットプリンタ1は、印刷装置の一種であり、複数のノズルを有するインクジェットヘッドから記録媒体上へインクを吐出して画像を形成する大型のプリンタである。例えば、幅数十インチの大型の樹脂シートに画像を印刷する場合に用いられる。
【0023】
インクジェットプリンタ1は、Yレール7を備えており、Yレール7に沿ってキャリッジ2が移動するようになっている。
【0024】
キャリッジ2の内部には、インクジェットヘッドが収納されている。インクジェットヘッドは、圧電素子などを用いた吐出機構を備えており、この吐出機構を駆動することによりノズルからインクを吐出することができる。
【0025】
インクジェットプリンタ1には、ロール状に巻かれた記録媒体が装着できるようになっている。記録媒体は、例えば、樹脂製のシート、紙、布などである。
【0026】
そして、インクジェットプリンタ1は、繰り出し機構を用いて記録媒体をプラテン5上に搬送する。また、インクジェットプリンタ1の端部にプーリー8が設けられ、他端に該プーリー8と対するプーリーが設けられ、無端ベルトであるベルト6がかけられている。プーリー8は駆動装置により回転駆動し、ベルト6を回動させる。キャリッジ2は、ベルト6に接続され、ベルト6の移動によってYレールに沿ってスライド移動する。繰り出し機構によって記録媒体を所定の量だけ搬送させ、キャリッジ2を往復移動させながら、搬送した記録媒体上に所定の色のインクをインクジェットヘッドから吐出して様々な画像を印字する。
【0027】
繰り出し機構すなわち記録媒体の搬送手段は、記録媒体を挟持するローラ対を複数対備えることによって構成されている。
【0028】
ペーパーガイド4にはヒータが内蔵されており、印字された記録媒体は、ペーパーガイド6を滑りながら加熱され、インクが固化する。
【0029】
インクジェットプリンタ1の一端には、インク収納ボックス3が設けられており、その前面にはフロントカバーが開閉可能に設けられている。
【0030】
フロントカバーを開くと、インクカートリッジを挿入するスロットが設けられており、ここにインクカートリッジを挿入することによりインクジェットプリンタ1にインクを供給するようになっている。
【0031】
インクジェットプリンタ1には、インクカートリッジのインクをチューブにより直接インクジェットヘッドに供給するものと、インクカートリッジのインクをポンプで一旦サブタンクに貯蔵し、このサブタンクからインクジェットヘッドにインクを供給するものがある。
【0032】
インクジェットプリンタ1が大型になると、インクカートリッジとヘッドの高低差が大きくなるため、サブタンクを用いてヘッドとインクの水頭値を適切に調節する方法が一般に用いられている。
【0033】
次にインクカートリッジについて、図2と図3を用いて説明する。図2は、インクカートリッジの外観の一例を示した図である。図3は、インク容器がトレーから外れた状態を示す図である。
【0034】
インクカートリッジは、トレー9にインク容器10を収納したものである。インクカートリッジは、図10あるいは図11に示すインク供給ユニット47に対して挿入され、インクジェットプリンタ1へインクを供給する。
【0035】
インク容器10の端部中央には、内蔵されたインクを取り出すインク取り出し口であるスパウト13が設けられている。スパウト13の中央には、インクを供給するインク供給口が設けられている。インク供給口は未使用時には封止されているが、インク供給ユニット47に挿入すると、インク供給ユニット47に形成されている針45がインク容器10の内部と連通し、インクがインクジェットプリンタ1に供給されるようになっている。
【0036】
トレー9とインク容器10は、着脱可能となっており、トレー9は、インクジェットプリンタ1に備え付けの備品として備えられて繰り返し使用され、インク容器10は消耗品としてインク販売業者から提供される。
【0037】
従来は、ケースにインク容器が収納されたインクカートリッジが消耗品としてインク販売業者から供給される形態が一般的であったが、本実施の形態では、インク容器10とトレー9を分離し、インク容器10を交換すればよいためコストを低減することができる。
【0038】
インク容器10は、外装である液体収容袋部18とアダプタ14から構成されており、アダプタ付きインク袋として機能している。
【0039】
液体収容袋部18は、少なくとも内蔵するインク色を記載したラベル20が固定されている。ラベル20にはそのほかに内臓インクに対応した情報、すなわち対応機種、注意書き、シリアル番号、製造日などの種種の情報が記載されている。
【0040】
液体収容袋部18は、一端にスパウト13を備えた可撓性を有する密閉容器の外側を、可撓性を有する収納袋で覆ったものである。インクが満充填されている場合は、トレー9の形状に合わせて概略直方体に形成されており、インクを消費すると、それに合わせて収縮するように変形する。
【0041】
液体収容袋部18の後端部には、熱溶着などによってシート材を密封した平坦形状の後端接合部が形成されており、そこには、固定孔11が2つ開けられている。
【0042】
一方、インク容器10の前端部には、アダプタ14が取り付けられている。
【0043】
トレー9は、インク容器10を収納する凹部が形成され、剛性を有する樹脂製の上面開口の剛体容器である。図10および図11に示す収納台48に沿ってインクカートリッジを挿入し、インク供給ユニット47の針45がスパウト13へ挿入できるようになっている。トレー9の両サイドには、ガイド突起19が直線状に設けられている。図示はしていないが、収納台48に設けられた溝と系合しながら、スライドできるようになっている。
【0044】
トレー9の後端部には爪12が固定孔11に対応して2つ形成されており、固定孔11に係合してインク容器10の後端部を位置決めすると共に固定するようになっている。
【0045】
一方、トレー9の前端部には、アダプタ14を差し込んで固定するスロット状のアダプタ挿入部22が形成されている。アダプタ14をアダプタ挿入部22に挿入すると、インク容器10の前端部がトレー9に対して位置決め・固定される。
【0046】
そして、トレー9の前部には、アダプタ14のスパウト13に対応した部分が窪んでいるので、アダプタ14をアダプタ挿入部22に装着すると、トレー9からスパウト13が露出するようになっている。また、アダプタ14には、インクの個別情報を記憶したICチップを装着できるようになっており、その電極である端子21が露出してインクジェットプリンタ1の電極と接触するように、トレー9の前面には、端子21に対応した部分に窪みが設けられている。アダプタ14は、トレー9に対して位置決めされるため、電極21、スパウト13もトレー9に対して位置決めされる。
【0047】
この他に、トレー9には、インクカートリッジを装着したときにインク供給ユニット47に突き当たる突当凸部16が形成されている。さらに、アダプタ14には、内臓インクの色を示す第1突起15、使用する機器に対応するインクか否かを示すインク種を示す第2突起17などが形成されている。このようにアダプタ14には、内蔵するインクの種類に対応して異なる形状の突起部が形成されている。
【0048】
インクジェットプリンタ1へインクカートリッジを装着するときのインクカートリッジの位置に関しては、トレー9のガイド突起19と突当凸部16がインクジェットプリンタに接触することで所定の位置に装着できる。複数色のインクを使用するが、インクカートリッジにするときに、トレー9はどの色のインク容器10でも共通に使用することができる。
【0049】
インクジェットプリンタ1に供給されるインクに関しては、アダプタ14に備えた第1突起15、第2突起17、ICチップによって、適合するインク供給ユニット47が異なり、色違いのインクカートリッジなどの誤装着を防止している。
【0050】
また、アダプタ14は色に関する情報を置き換えている第1突起15と、対応機種に関する情報を置き換えている第2突起17の配置方向を、夫々下方、前方と区別して配置し、さらに、異なる形状にすることで、分かりやすくし、視認による判別の誤認を防止している。
【0051】
次にインク袋にインクを充填する工程を説明する。図4(a)はインク袋にインクを充填する工程を示す図である。図4(b)はインク袋を密閉する工程を示す図である。図5(a)はインク袋の封止部を折り曲げる工程を示す図である。図5(b)はインク袋の封止部を折り曲げる工程を示す図である。
【0052】
まずは、インク注入前のインク袋27について説明する。インク注入前においては、インク袋27はスパウト13を一端に有し、インクを注入するために他端に開口部28を有する略矩形の袋である。インク袋27は4枚のフィルム状のシートを長手方向の辺を夫々溶着し、筒状の容器である。対向する2枚のシートに対して、その両脇の2枚のシートそれぞれに屈曲部を設け、ベローズ状にする。ベローズ状にしていない2枚のシートの短手方向の一方の辺に沿って、スパウト13を挟むように溶着し、さらにベローズ状にしたシートの短手方向の辺も屈曲させた状態のまま、挟むように溶着して封止部31を封止してある。スパウト13に対向する側の辺が開口された袋状の容器となっている。この開口部28からインクを注入する。
【0053】
インク袋27は強度や耐インク性、ガスバリアー性を持つためにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、共重合体エチレンビニルアルコールのような樹脂フィルムを少なくとも一種類用いて構成されている。より強固なガスバリアー性をもたせる場合には中間層にアルミニウムのような金属箔または金属蒸着膜を設けてもよい。
【0054】
インクに気泡が含まれると、インクジェットプリンタなどの記録装置では、気泡がインク流路に詰まり、吐出不良を起こす。この不具合を防止するために、インク中の気泡を無くすことが望まれている。
【0055】
インクタンク23には、インク袋27に注入するためのインクが蓄えられている。バルブ24は、インクタンク23からインク袋27にインクを供給するための管25の途中に配置される。
【0056】
バルブ24は管25内を流れるインクの流量を制御し、インク袋27に所定の量のインク30を入れる。管25からインク袋27へは、矢印26で示した方向にインクが注入される。インクタンク23から供給されたインクは開口部28からインク袋27へ注入される。インク袋27の喫水29のラインまでインクが注入されるとインクの注入が停止する。
【0057】
その後、真空槽32の中にインクを注入したインク袋27を入れ、真空槽32内の気圧を下げる。ある程度十分に真空状態になったところで、所定時間放置する。インク内の溶存気体が気泡33となり、インクが脱気される。インクの性質によるが、数分から数時間放置する。その後、インク袋27のインクの喫水29より高い位置の溶着部34において、シート同士を溶着し、インクを閉じ込めるように密封する。喫水29より高い位置でインク袋27を封止しても、真空槽32内で溶着するので、インク袋27内には気体が閉じ込められない。また、好ましくは、溶着時にはインクがこぼれ出ないようにする。作業性向上の為、真空槽32は、インクを脱気する槽と溶着する槽とを異なる真空槽にする。
【0058】
また、インク容器のインク容量が大きい場合に、1度の溶着では、溶着の強度が保てない場合がある。そこで、溶着部34で溶着した後に、真空槽32から取り出して、溶着部34から開口部28の間を1箇所以上更に溶着する。複数回の溶着によって、インク袋27内のインク30が多くても、インク袋27の強度が保てる。例えば、1回目の溶着の後に1度以上溶着させるために、溶着部34から開口部のまでの距離は、溶着部34の幅の以上の距離を持たせるのが好ましい。
【0059】
インク袋27を溶着して封止した後に、封止した部分を折り曲げる工程を説明する。図5(a)は上面からの図である。図5(b)は側面からの図である。インク袋27の折り曲げ部35から折り曲げる。この折り曲げ部35は、溶着部34の根元部分である。折り曲げ部35で折り曲げられた部分はテープ36で固定される。または、両面テープなどの別の固定手段で固定してもよい。屈曲部38はインク袋27の側面をベローズ状に形成するための曲げ部である。インク容量を増やす為に、インク袋27の側面の面積を大きくする為に、そして、インクが消費されて収縮したときに決められた位置以外で折れ曲がらないようにしている。
【0060】
そして、インク30が充填されたインク袋27には、注入されたインクの情報が記載された仮ラベル37が固定される。この借りラベルは、少なくともインク色の情報が記載されている。好ましくは、インク袋27に対する個別情報を記載したバーコードを含むラベルが良い。そのバーコードに対応して、インク袋27に対する、例えばインク色、製造日、対応機種などの種種の情報を、製造工程を管理するコンピュータに記憶させておく。バーコードをバーコードリーダで読み出し、対応する情報をコンピュータの画面に表示できるようにすれば、内蔵するインクに関する情報が容易に確認できる。
【0061】
また、インク袋27を折り曲げることで不要部を小さくし、インク容器の全長を短くすることができ、小型化できる。溶着部34の根元で折り曲げているので、インクが消費されるときのインク袋27の収縮による変形に影響を及ぼさない。
【0062】
次に、収納袋について説明する。図6は、収納袋の一例を示す斜視図である。収納袋39はインク袋27にフィットするように、屈曲部41を有し、側面がベローズ状に形成されている。また、平坦形状の後端接合部40が形成され、固定孔11が2つ開けられている。収納袋39は、開口部42を有し、そこからインク袋27が入る大きさの不透明な樹脂製の袋である。不透明な袋にすることでインク袋27の汚れを隠すことができる。また、可撓性のある樹脂製の袋にすることで、変形できるので容易にインク袋27を収納できる。収納袋39は、インク袋27に付着したインクに接触しても変質しにくい材料であることが望まれる。例えば、ポリエチレンあるいはナイロン製の樹脂製袋であり、可撓性も合わせて有し、さらに軽量でもある。
【0063】
図7は、収納袋の別の例を示す斜視図である。図6で示した収納袋39とは、開口部42部分が異なる。開口部42に隣接する屈曲部41に切込43が形成されている。切込43を設けることで、収納袋39の端部とインク袋27の端部を合わせたときに、収納袋39の屈曲部41がインク袋27の封止部31の部分を避けることができ、収納袋39の屈曲部41をインク袋27の屈曲部38に合致させつつ折り挟み込むことができる。
【0064】
図8は収納袋にインク袋を収納する工程を示す図である。インクの情報が表示されているラベル20を固定した収納袋39に、アダプタ14が装着されているインク袋27を収納する。
【0065】
収納袋39の開口部42から、インク袋27を挿入する。インク袋27には、アダプタ14に近隣に両面テープ43を貼り付け、収納袋39を固定する。収納袋39とインク袋27の固定は、両面テープ以外にも固定手段として、接着剤、溶着などでもよい。好ましくはアダプタ14と収納袋39が接した状態で、インク袋27と収納袋39を固定する。そうすれば、収納袋39からインク袋27が見えない。さらに、開口部42のベローズ状になっている側面をインク袋27の側面に折り込み挟み込む。
【0066】
インク袋27を折り曲げ、固定手段であるテープ36で固定することで、収納袋39へインク袋27を挿入するときに、インク袋27の鋭利な角による収納袋39の損傷を防止できる。アダプタ14を装着したインク袋27を収納袋39へ収納し、インク容器10となる。
【0067】
また、収納袋39の表面には、インク袋27に注入された、例えばインク色、容量、製造者、製造年月日、製品名、対応機種、シリアル番号、製造者、取り扱いなどの注意事項などの、インクとインク容器に関する情報が表示されているラベル20が固定される。
【0068】
収納袋39にインク袋27を収納した後にインクに関する情報を固定させる場合、インク袋27が入っているため、収納袋39の表面に凹凸ができ、作業性が悪くなる。よって、インクに関する情報を固定した収納袋39にインク袋27を収納する方が作業性は良くなる。
【0069】
収納袋39にインク袋27を収納する前に、仮ラベル37とラベル20の表示内容を比較して色の間違い、その他の情報に相違点が無いか確認するのが好ましい。
【0070】
次にインク容器10の別の形態について説明する。図9(a)はインク袋を収納袋に収納する別の形態の工程の側面を示す図である。図9(b)はインク袋を収納袋に収納する別の形態の工程の上面を示す図である。収納袋39にインク袋27を挿入した後にアダプタ14を装着することもできる。そうすることで、収納袋39の端部がアダプタ14に挟み込まれ、収納袋39が取れにくくなる。また、インク袋27を、収納袋39に完全に収納でき、見えなくすることができる。収納袋39にインク袋27を挿入する。インク袋27のスパウト13の設けられた辺の端部近隣に両面テープ44を貼り、収納袋39の端部を固定する。両面テープ44はインク袋27の短手方向全長に渡り設けるのが、はがれ防止につながり、好ましい。両面テープ44はインク袋27と収納袋39を固定する手段で、接着剤、溶着などの手段でもよい。切込43を備えた収納袋39によれば、スパウト13を溶着してある部分を切込43によって逃がしながら、インク袋27の屈曲部38に収納袋39の屈曲部42を折り曲げて入れることができ、インク袋27と収納袋39をフィットさせて固定できる。さらに、アダプタ14は、をインク袋27、両面テープ44、収納袋39を挟み込んで固定する。また、予め袋状になった収納袋39に、固定孔11、ラベル20が設けられているので、作業性が良い。例えば、収納袋39にインク袋27を入れた後に固定孔11を設ける工程の場合は、インクの入った袋を扱うので、扱いづらくなってしまう。
【0071】
アダプタ14には、貯蔵されているインクの情報、例えば、インク色、インク容量、製造年月日、製造者、シリアル番号などの情報、が記憶されているICチップが取り付けられている。
【0072】
図10は、インク容器をプリンタに装着する方法を示す図である。インクジェットプリンタ1には、インクカートリッジを収納するインク収納ボックス3が備わっている。インク収納ボックス3内には、インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給ユニット47を備わっている。インク容器10からインクの供給を受けるために、インク供給ユニット47には、スパウト13に挿入する針45と、アダプタ14のICチップとインクジェットプリンタ1の制御部とを接続する為のピン46が備わっている。インクカートリッジが挿入されるとピン46と端子21が接触し、インクジェットプリンタ1の制御部はインク容器10のインクに関する情報を入手する。また、針45がスパウト13に接続し、インクをインクジェットプリンタ1へ供給できる状態になる。インクカートリッジは、収納台48に沿ってトレー9の底面およびガイド突起19がスライドし挿入され、突当凸部16がインク供給ユニット47と当接するところで停止する。その状態で、ピン46と端子21とが接触し、針45はスパウト13に挿入される。
【0073】
図11は、インク容器をプリンタに装着する別の形態の方法を示す図である。収納台48が傾いてインク収納ボックス3に備わっている。インクジェットプリンタ1はインク中の溶存気体が気化することで、インク中に気泡が発生することがある。その気泡が原因となり、インクジェットヘッドからインクを吐出できない不具合が発生するので、気泡の発生を防止したい。十分脱気した状態のインクがインク容器10に入ってはいるが、気泡が発生する場合がある。インク容器10のスパウト13を下にした状態でインクをインクジェットプリンタ1に供給することで、インク容器10中で発生した気泡はスパウト13とは反対側の端部へ導くことができる。そうすることで、スパウト13から針45を通り、インクジェットプリンタ1へインクを供給する際に、気泡の混入を防止できる。スパウト13がインク容器10のスパウト13が取り付けられていない側に比べて下側になるように配置されることが好ましい。すなわち、収納台48の水平位置からの角度をθ、インク容器10にインクを最大に収納したときの高さ50、スパウト13からインク袋27の端部までの長さ49としたときに、sinθが((長さ49)/(高さ50))から1の間にあるような角度θとすることが好ましい。
【0074】
インク容器10は、爪12に固定孔11がかかっているので、トレー9が傾いて固定されても、滑り落ち、異常な変形などが生じることが無く、安定してインクを供給できる。インク容器10を傾ける場合に、インク容器10の周辺を固定する手段が必要である。固定する手段がないと、インク容器10が内部に蓄えたインクの重みで、予期せぬ変形が生じ、インクの供給が停止してしまう問題が生じてしまう。固定する手段とし、爪12と固定孔11の系合を例示したが、トレー9にクリップを備え、クリップにインク容器10の端部を挟む構成でもよい、また、ホック、接着材で固定することもできる。
【0075】
上述インク容器10をインクジェットプリンタ1で用いる場合に、インク容器10のラベル20に表示されているインクに関する情報はインク汚れが無く、誤認することが無い。また、インク容器10は樹脂製のインク袋27、樹脂製の収納袋、樹脂製のアダプタによって構成され容器自体が軽量であるので、取り扱い易い。また、インク袋27にインクを充填した後に複数回の溶着をするので、強度が向上し、衝撃に強くなるので、取り扱い易い容器である。このようなインク容器10をインクジェットプリンタ1で使用する場合に、アダプタ挿入部22とアダプタ14を系合させ、爪12と固定孔11を系合させることで、トレー9にインク容器10を固定し、トレー9に固定されたインク容器10を扱うことになるので、インクジェットプリンタ1に容易に装てんでき、さらに、トレー9を傾斜させてインクジェットプリンタ1に装着することで、印字品質の向上にもつながる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、インクを貯蔵したインク容器に関するものである。特にインクジェットプリンタのインク容器に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】プリンタの一例を示す斜視図である。
【図2】インクカートリッジの外観の一例を示した図である。
【図3】インク容器がトレーから外れた状態を示す図である。
【図4】(a)はインク袋にインクを充填する工程を示す図である。(b)はインク袋を密閉する工程を示す図である。
【図5】(a)はインク袋の封止部を折り曲げる工程を示す図である。(b)はインク袋の封止部を折り曲げる工程を示す図である。
【図6】収納袋の一例を示す斜視図である。
【図7】収納袋の別の例を示す斜視図である。
【図8】収納袋にインク袋を収納する工程を示す図である。
【図9】(a)はインク袋を収納袋に収納する別の形態の工程の側面を示す図である。(b)はインク袋を収納袋に収納する別の形態の工程の上面を示す図である。
【図10】インク容器をプリンタに装着する方法を示す図である。
【図11】インク容器をプリンタに装着する別の形態の方法を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 インクジェットプリンタ
2 キャリッジ
3 インク収納ボックス
9 トレー
10 インク容器
11 固定孔
13 スパウト
14 アダプタ
20 ラベル
27 インク袋
34 溶着部
39 収納袋
45 針
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを貯蔵するインク容器であって、
内側に折れ曲がる屈曲部を側面に有する前記インクを貯蔵する密封袋の端部にインク取り出し口を備えるインク袋と、
前記インク袋を収納する樹脂製の可撓性を有する不透明な袋であって、前記インク袋の側面の屈曲部に対応する屈曲部を有し、表面に前記インクに関する情報が表示される収納袋と、を有するインク容器。
【請求項2】
前記収納袋は、短手方向の一端に前記インク袋を挿入するための開口部を有し、前記一端に対向する他端は封止されていることを特徴とする請求項1に記載のインク容器。
【請求項3】
容器を収納するトレーに系合するための固定孔が前記収納袋の前記他端の封止されている部分に有することを特徴とする請求項2に記載のインク容器。
【請求項4】
前記インク袋の前記インク取り出し口に対向する側の端部が溶着により封止され、該封止された部分が折り曲げられ、前記インク袋の屈曲部に挟まれる前記インク袋の表面に固定されることを特徴とする請求項3に記載のインク容器。
【請求項5】
前記収納袋の開口部に隣接する前記屈曲部に切込みを有することを特徴とする請求項4に記載のインク容器。
【請求項6】
前記インク袋に前記インクの情報が固定され、該固定された情報が前記収納袋に表示された前記インクに関する情報の一部と同一内容であることを特徴とする請求項5に記載のインク容器。
【請求項7】
前記固定された情報は前記インクの色情報であることを特徴とする請求項6に記載のインク容器。
【請求項8】
少なくとも色の情報を含む前記インクに関する情報を記憶するICチップを有するアダプタを有し、
前記アダプタが前記インク袋または前記インク袋と前記収納袋の端部を挟み込んで固定されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインク容器。
【請求項9】
インクを貯蔵し、インク取り出し口を有する袋であって、該袋の内側に折れ曲がる屈曲部を該袋の側面に有するインク袋と、前記インク袋を収納する樹脂製の可撓性を有する不透明な袋であって、前記インク袋の側面の屈曲部に対応する屈曲部を有し、表面に前記インクに関する情報が表示される収納袋と、前記インクの種類に対応する形状を有するアダプタと、を有するインク容器の製造方法であって、
前記インク袋にインクを注入する工程と、
第1の真空槽内で前記インク袋の前記インクを脱気する工程と、
第2の真空槽内で前記インク袋を封止する工程と、
前記インク袋を前記収納袋に収納する工程と、
前記アダプタを少なくとも前記インク袋に固定する工程と、
を有するインク容器の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載のインク容器に収納されたインクを吐出するインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを往復走査するキャリッジと、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記インクを前記インクジェットヘッドへインクに供給するインク供給ユニットと、を有するインクジェットプリンタに、インクを供給する方法であって、
前記インク容器を固定するトレーに前記インク容器を固定し、
前記インク容器と前記インク供給ユニットを接続し、
前記インクジェットヘッドに前記インクを供給するインク供給方法。
【請求項1】
インクを貯蔵するインク容器であって、
内側に折れ曲がる屈曲部を側面に有する前記インクを貯蔵する密封袋の端部にインク取り出し口を備えるインク袋と、
前記インク袋を収納する樹脂製の可撓性を有する不透明な袋であって、前記インク袋の側面の屈曲部に対応する屈曲部を有し、表面に前記インクに関する情報が表示される収納袋と、を有するインク容器。
【請求項2】
前記収納袋は、短手方向の一端に前記インク袋を挿入するための開口部を有し、前記一端に対向する他端は封止されていることを特徴とする請求項1に記載のインク容器。
【請求項3】
容器を収納するトレーに系合するための固定孔が前記収納袋の前記他端の封止されている部分に有することを特徴とする請求項2に記載のインク容器。
【請求項4】
前記インク袋の前記インク取り出し口に対向する側の端部が溶着により封止され、該封止された部分が折り曲げられ、前記インク袋の屈曲部に挟まれる前記インク袋の表面に固定されることを特徴とする請求項3に記載のインク容器。
【請求項5】
前記収納袋の開口部に隣接する前記屈曲部に切込みを有することを特徴とする請求項4に記載のインク容器。
【請求項6】
前記インク袋に前記インクの情報が固定され、該固定された情報が前記収納袋に表示された前記インクに関する情報の一部と同一内容であることを特徴とする請求項5に記載のインク容器。
【請求項7】
前記固定された情報は前記インクの色情報であることを特徴とする請求項6に記載のインク容器。
【請求項8】
少なくとも色の情報を含む前記インクに関する情報を記憶するICチップを有するアダプタを有し、
前記アダプタが前記インク袋または前記インク袋と前記収納袋の端部を挟み込んで固定されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインク容器。
【請求項9】
インクを貯蔵し、インク取り出し口を有する袋であって、該袋の内側に折れ曲がる屈曲部を該袋の側面に有するインク袋と、前記インク袋を収納する樹脂製の可撓性を有する不透明な袋であって、前記インク袋の側面の屈曲部に対応する屈曲部を有し、表面に前記インクに関する情報が表示される収納袋と、前記インクの種類に対応する形状を有するアダプタと、を有するインク容器の製造方法であって、
前記インク袋にインクを注入する工程と、
第1の真空槽内で前記インク袋の前記インクを脱気する工程と、
第2の真空槽内で前記インク袋を封止する工程と、
前記インク袋を前記収納袋に収納する工程と、
前記アダプタを少なくとも前記インク袋に固定する工程と、
を有するインク容器の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載のインク容器に収納されたインクを吐出するインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを往復走査するキャリッジと、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記インクを前記インクジェットヘッドへインクに供給するインク供給ユニットと、を有するインクジェットプリンタに、インクを供給する方法であって、
前記インク容器を固定するトレーに前記インク容器を固定し、
前記インク容器と前記インク供給ユニットを接続し、
前記インクジェットヘッドに前記インクを供給するインク供給方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−149461(P2010−149461A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332304(P2008−332304)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(395003187)株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(395003187)株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Fターム(参考)】
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