インスリン投与の際の安全警告を備えた分析物試験方法及びシステム
インスリン投与量計算における安全機能を糖尿病管理の一環として提供する方法及びシステム。該システム又は方法は、糖尿病者が、予め選択された時間枠の範囲外の投与計画を計算している場合に警告を提供し、特定の投与パラメータは、この予め選択された時間枠に合わせてカスタマイズされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条及び第120条の下で、2010年2月25日に出願された先の出願の米国仮出願第61/308,196号からの優先権の利益を主張し、この出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の個人にとって、グルコース監視は日常のことである。この監視の精度は、糖尿病者の健康、及び最終的には生活の質に多大な影響を与えることがある。一般に糖尿病の個人は、血中グルコース濃度を1日に数回測定し、血糖値を監視かつ制御する。血中グルコース濃度を正確にかつ定期的に検査しないと、心臓血管疾患、腎疾患、神経損傷、及び失明などの重篤な糖尿病関連合併症を引き起こす可能性がある。現在は、少量の血液サンプル中のグルコース濃度を個人が検査できる、多くの電子機器が存在する。このようなグルコース測定器の1つが、LifeScan製の製品であるOneTouch(登録商標)Profile(商標)グルコース測定器である。
【0003】
グルコース監視に加え、糖尿病の個人は多くの場合、例えば不規則な食事又は運動によって悪影響を受けないように、ライフスタイルに対する厳しい管理を維持しなければならない。更に、特定の糖尿病の個人を扱う医師は、糖尿病管理に対して効果的な治療や治療の変更を提供するために、その個人のライフスタイルに関する詳細な情報を必要とする場合がある。現在、糖尿病の個人のライフスタイルを管理する方法の1つとして、その患者にライフスタイルに関する紙の日記をつけさせることがある。別の方法として、その個人にライフスタイルに関する出来事を単に記憶させ、各診察時に医師にその詳細を伝えさせることがある。
【0004】
ライフスタイルに関する情報を記録する上記の方法は、本質的に難しく、時間がかかり、かつ場合によっては正確ではない。紙の日記は、個人が必ずしも常に携帯しておらず、必要な時に正確に記録できない場合がある。このような紙の日記は小さいため、ライフスタイルにおける出来事の詳細な記述を必要とする詳細情報を記入することが難しい。更に、手書きのノートを手作業で確認し、その情報を解釈すべき医師に質問された際に、しばしば、個人はライフスタイルの主要な出来事を忘れている場合がある。紙の日記からは、要素情報を抽出又は分類するための分析が得られない。また、この情報の縮図又は概要もない。二次データ記憶システム、例えばデータベース又はその他電子システムへのデータ入力は、この二次データ記憶装置への、ライフスタイルデータを含む情報の労力を要する複写作業を必要とする。データの記録が難しいため、関連情報を思い出しながら入力することになり、結果として不正確かつ不完全な記録となる。
【0005】
現在は、個人のグルコース濃度を測定でき、かつ、分析用の別のコンピュータに読み出し又はアップロードするためにこの濃度を保存できる多くの携帯用電子機器が存在する。このような機器の1つが、Roche DiagnosticsのAccu−Check(商標)Complete(商標)Systemであり、ライフスタイルデータの保存に対する制限された機能を提供する。しかし、Accu−Check(商標)Complete(商標)Systemでは、計測器内に保存されるライフスタイル変数は制限されたものが選択できるのみである。事前に計測器内に入力された値からのインテリジェントフィードバックはなく、計測器をたまに使用するユーザーにとってユーザーインターフェースは直観的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、糖尿病管理ユニットを使用して、ユーザーのインスリン投与の際の安全機能を提供する方法が提供される。該ユニットは、メモリ、ディスプレイ、クロック、及びユーザーインターフェースに接続されたマイクロプロセッサを含む。前記方法は、1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択する工程と、マイクロプロセッサを使用して、選択された時間枠内のユーザーのためのインスリンボーラスを計算する工程と、マイクロプロセッサを使用して、選択された時間枠を、マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較する工程と、計算のために選択された時間枠がクロックの現在の時間枠の範囲外の場合はユーザーに警告を通知する工程と、によって達成され得る。
【0007】
更なる実施形態において、グルコース試験ストリップと糖尿病管理ユニットとを含む糖尿病管理システムが提供される。糖尿病管理ユニットは、ハウジングと、マイクロプロセッサと、複数のユーザーインターフェースボタンと、を含む。ハウジングは、マイクロプロセッサに接続され、かつグルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含む。マイクロプロセッサは、試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するために試験ストリップポートに接続され、かつ分析物測定単位、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続され、マイクロプロセッサは、(a)ユーザーが1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択できるようにし、(b)選択された時間枠内のユーザーのためのインスリンボーラスを計算し(c)選択された時間枠を、マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較し、及び(d)計算のために選択された期間がクロックの現在の時間枠の範囲外の場合はユーザーに警告を通知する、ようにプログラムされる。
【0008】
これら及び他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の異なる例示的実施形態のより詳細な説明を、はじめに下記に簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって当業者にとって明らかになるであろう。
【0009】
本明細書に援用する明細書の一部をなす添付図面は、現時点における本発明の好適な実施形態を示したものであって、上記に述べた一般的説明並びに下記に述べる詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は同様の要素を表す)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】分析物測定及びデータ管理ユニット、並びにデータ通信デバイスを含む糖尿病管理システム。
【図1B】糖尿病データ管理ユニットの例示の回路基板の簡略図。
【図2A】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2B】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2C】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図3A】インスリンボーラスの計算のためのプロセスフロー。
【図3B】インスリンボーラスの計算のためのプロセスフロー。
【図4】インスリンボーラスの計算をセットアップするためのプロセスフロー。
【図5】インスリンボーラスの計算をセットアップするためのプロセスフロー。
【図6】内蔵された安全機能を用いてインスリン計算を選択するプロセス。
【図7】システムの安全機能の一環として糖尿病管理ユニットで利用可能な様々な警告メッセージ。
【図8】インスリン投与に関して時間枠が不適切に選択されたという警告を発するかどうかを決定するためのプロセスフロー。
【図9】糖尿病管理ユニットのクロックによって維持されている現在時刻と一致しない結果にフラグ付けされたという警告を発するかどうかを決定するためのプロセスフロー。
【図10】ユーザーが糖尿病管理するのを支援するためのメッセージ画面。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は必ずしも一定の縮尺を有さず、選択した実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。詳細な説明は本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
【0012】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその所望の目的に従って機能することを可能とするような適当な寸法の許容誤差を示すものである。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」という用語は任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。
【0013】
図1Aは、分析物測定及び管理ユニット10、治療用投与装置(28又は48)、並びにデータ/通信デバイス(68、26、又は70)を含む糖尿病管理システムを示す。分析物測定及び管理装置10は、本明細書に記載されるように、例えばインスリンペン28、インスリンポンプ48、携帯電話68などの携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット、つまりDMUと無線で通信するように、又はパーソナルコンピュータ26若しくはネットワークサーバー70と通信する例示の携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット装置の組み合わせを通じて無線で通信するように構成されてもよい。本明細書で使用する時、用語「DMU」は、個々のユニット10、28、48、68を別々に、又は疾患管理システムにおいて共に使用可能である携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット(28、48、68)全てのいずれかを表す。更に、分析物測定及び管理ユニット、つまりDMU 10は、グルコース測定器、測定器、分析物測定装置、インスリン送達装置、又は分析物試験及び薬剤送達装置の組み合わせを含むことが意図される。一実施形態において、分析物測定及び管理ユニット10は、ケーブルを用いてパーソナルコンピュータ26に接続されてもよい。代替案では、DMUは、好適な無線技術、例えば、GSM(登録商標)、CDMA、BlueTooth(登録商標)、WiFi等を介して、コンピュータ26又はサーバー70に接続されてもよい。
【0014】
図1Aに示されるように、グルコース測定器10又はDMU 10は、ハウジング11と、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)と、ディスプレイ14、ストリップポートコネクタ22と、データポート13と、を含むことができる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)は、データの入力、メニューのナビゲーション、及びコマンドの実行を可能とするように構成することができる。データには、検体濃度及び/又は患者の日常の生活習慣に関連した情報を表す値を挙げることができる。日常の生活習慣に関連した情報には、食物の摂取、薬の使用、健康診断の実施、並びに個々の一般的な健康状態及び運動レベルを挙げることができる。具体的には、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、第1のユーザーインターフェースボタン16、第2のユーザーインターフェースボタン18、及び第3のユーザーインターフェースボタン20が含まれる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、ユーザーがユーザーインターフェースをナビゲートすることを可能にする第1のマーキング17、第2のマーキング19、及び第3のマーキング21がそれぞれ含まれる。
【0015】
測定器10の電子構成要素は、ハウジング11内部の回路基板34上に配置することができる。図1Bは、それぞれ回路基板34の上面(図示せず)上に配置された電子構成要素を(概略的な形で)示す。上面の電子構成要素としては、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、マイクロコントローラ38、ディスプレイコネクタ14a、不揮発性メモリ40、クロック42、及び第1の無線モジュール46が挙げられる。マイクロコントローラ38は、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、第1の無線モジュール46、ディスプレイ14、不揮発性メモリ40、クロック42、並びユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)と電気的に接続され得る。
【0016】
オペアンプ回路35は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を提供するように構成された2つ以上のオペアンプを含み得る。ポテンシオスタット機能とは、試験ストリップの少なくとも2つの電極間に試験電圧を加えることを指し得る。電流機能とは、加えられた試験電圧によって生じる試験電流を測定することを指し得る。電流測定は、電流電圧変換器によって行うことができる。マイクロコントローラ38は、例えばTexas Instrument MSP 430などの混合シグナルマイクロプロセッサ(MSP)の形態であってよい。MSP 430は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を行うように構成することもできる。更に、MSP 430は、揮発性及び不揮発性メモリを含むこともできる。別の実施形態では、電子要素の多くを特定用途向け集積回路(ASIC)の形態でマイクロコントローラに組み込むことができる。
【0017】
ストリップポートコネクタ22は、試験ストリップと電気的接続を形成するように構成することができる。ディスプレイコネクタ14aは、ディスプレイ14に取り付けるように構成することができる。ディスプレイ14は、測定された血糖値を報告し、生活習慣に関連した情報の入力を容易にするための、液晶ディスプレイの形態であってよい。ディスプレイ14は、任意にバックライトを有してよい。データポートは、接続リード線に取り付けられた好適なコネクタを受容し、それにより、グルコース測定器10をパーソナルコンピュータなどの外部機器にリンクさせることができるよう提供され得る。データポートは、例えば、シリアル、USB、又はパラレルポートなど、データ送信が可能な任意のポートであり得る。クロック42は、ユーザーが位置する地理的領域に関連する現在時刻を維持し、また時間を計測するように構成され得る。DMUは、例えば、バッテリーなどの電源と電気的に接続されるように構成され得る。
【0018】
一実施形態において、試験ストリップ24は、電気化学的グルコース試験ストリップの形態であり得る。試験ストリップ24は、1つ以上の作用電極及び対電極を含んでよい。試験ストリップ24は、複数の電気的接触パッドを更に含むことができ、その場合、各電極は少なくとも1つの電気的接触パッドと電気的に導通することができる。ストリップポートコネクタ22は、電気的接触パッドと電気的にインターフェースし、電極と電気的に連通しているように構成され得る。試験ストリップ24は、少なくとも1つの電極上に配置されている試薬層を含み得る。試薬層は、酵素及び調節物質を含み得る。試薬層に使用するのに適した例示的な酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(ピロロキノリンキノン補因子「PQQ」とともに)、及びグルコースデヒドロゲナーゼ(フラビンアデニンジヌクレオチド補因子「FAD」とともに)が挙げられる。試薬層に使用するのに適した例示的な調節物質としては、フェリシアニドがあり、この場合では酸化型である。試薬層は、グルコースを酵素的副産物に物理的に変換させ、その過程でグルコース濃度に比例した所定量の還元型の調節物質(例、フェロシアニド)を生成するように構成することができる。この後、作用電極によって還元型調節物質の濃度を電流の形態で測定することができる。次いで、グルコース測定器10は電流の大きさをグルコース濃度に変換することができる。好ましい試験ストリップの詳細は、米国特許第6179979号、同第6193873号、同第6284125号、同第6413410号、同第6475372号、同第6716577号、同第6749887号、同第6863801号、同第6890421号、同第7045046号、同第7291256号、及び同第7498132に提供されており、当該特許の全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0019】
再び図1Aを参照すると、インスリンペン28は、好ましくは細長く人の手で快適に扱えるような充分な大きさを有するハウジングを含むことができる。装置28には、ユーザーによって投与される用量を記録するための電子モジュール30が設けられてもよい。装置28のハウジング内には、ユーザーから指示されることなく自動的にDMU 10の第1の無線モジュール46に信号を送信する、第2の無線モジュール32が配置されてもよい。例示的な一実施形態における無線信号は、(a)投与される治療薬の種類、(b)ユーザーに投与される治療薬の量、又は(c)治療薬の投与の時刻及び日付のデータを含むことができる。
【0020】
一実施形態では、治療用投与装置は「ユーザー起動型」の治療用投与装置の形態であってもよく、この装置は、1回の治療薬投与事象を開始するために装置とユーザーと間の手による相互作用(例えば、ユーザーが装置のボタンを押すことによる)を必要とし、こうした手による相互作用がなければユーザーに治療薬を投与しない。こうしたユーザー起動型の治療薬投与装置の非限定的な例は、同時係属中の米国特許非暫定出願第12/407173号(代理人整理番号LFS−5180USNPにより暫定的に識別される)、同第12/417875号(代理人整理番号LFS−5183USNPにより暫定的に識別される)、及び同第12/540217号(代理人整理番号DDI−5176USNPにより暫定的に識別される)に述べられており、これらの出願の全容を参照により本願に組み込む。こうしたユーザー起動型の治療薬送達装置の別の非限定的な例は、インスリンペン28である。インスリンペンにはインスリンのバイアル瓶又はカートリッジを装填することができ、使い捨ての針に取り付けることができる。インスリンペンの各部分が再使用可能であってもよく、インスリンペンが完全に使い捨てであってもよい。インスリンペンはNovo Nordisk、Aventis、及びEli Lillyなどの会社から市販されており、Novolog、Humalog、Levemir及びLantusといった各種のインスリンとともに使用することができる。
【0021】
図1Aを参照すると、治療用投与装置はまた、ハウジング50、バックライトボタン52、アップボタン54、カートリッジキャップ56、ボーラスボタン58、ダウンボタン60、バッテリーキャップ62、OKボタン64、及びディスプレイ66を含むポンプ48であり得る。ポンプ48は、例えば血糖値を調節するためのインスリンなど薬物を分配するように構成することができる。
【0022】
図2A、図2B、及び図2Cを参照すると、DMUのユーザーインターフェースの一部の例示的なプロセスフローが提供されている。具体的には、図2Aにおいて、プロセスフローは、好適な試験ストリップ24がDMU 10に挿入された時点200で開始する。202における血糖(「BG」)結果がユーザーに通知される。本明細書で用いる場合、用語「通知される」及びこの語幹の変形は、文字、音声、画像、又は全ての通信モードの組み合わせを介して、ユーザーに通知が与えられることを示す。BG読取値204は、ユーザーがメニューを介してスクロールすることができる画面206で使用するために保存され、該メニューは、過去のBG結果208を呼出すことから始まって、タグ又はフラグ210を追加又は編集し、傾向警告212を取得し、インスリンボーラス214を計算し、メインメニュー216に戻る。メニュー206上の機能212〜214のいくつかは、かかる機能の1つ以上がメインメニューで有効にされているかどうかによっては使用不可能な場合がある。BG結果に関してフラグ210の編集又は追加が要求される場合、次の選択肢が利用可能である:空腹時フラグ210a(例えば、少なくとも6〜8時間の空腹期間の間に得られるBG結果);食前フラグ210b(例えば、食事前に得られるBG結果);食後フラグ210c;就寝時フラグ210d;又はタグなし210e。
【0023】
ユーザーがDMUのメインメニューにアクセスすることを望む場合DMUのボタンの1つを長期間にわたって(例えば、2秒超過)作動させることによって、図2Bのメインメニュー230にアクセスすることができる。メインメニュー230では、ユーザー又は保健医療提供者(「HCP」)は、次の機能を利用することができる:前回の結果232;過去のBG結果234;インスリン投与の計算214;高又は低値傾向の指標の提供238;及び機器設定240。前回の血糖結果232が選択された場合、プロセスは結果画面242に流れる。この画面242では、ユーザーは次の機能を利用することができる:前回のBG結果244又は過去の結果246。画面246では、タグ210の追加又は編集、傾向警告212、インスリンの計算214、又は過去のメニュー画面に戻る230を選択する能力に加えて、前回のBG読取値が提供される。
【0024】
図2Bを参照して、画面230の利用可能な機能の残りを説明する。BG結果の履歴が所望の場合には、ユーザーが画定したパラメータに基づいて、DMUによって収集された結果のログ256a、BG結果の平均256bを選択できる画面256が提供される。ユーザーインターフェースにおいて標準であるように、前画面選択256cも設けられている。結果ログ256aが選択される場合には、ある範囲の結果262、264、及び一連の後続の結果を通知する画面260(図2A)が提供される。図2Bに戻って参照すると、結果の平均256bを機器に保存するのが所望の場合には、様々な範囲のBG平均結果を表示することができる画面270が提供される。例えば、7日間の平均、14日間の平均、30日間の平均、90日間の平均(ユーザー又はHCにとって望ましい任意の範囲)が提供される。あるいは、日付範囲のそれぞれの平均に加えて、事前に決められた日付範囲のそれぞれの中央値を提供することもできる。
【0025】
インスリンボーラスを計算することをユーザーが望む場合には、機器は計算プロトコル282を起動して、計算されたインスリンボーラスを提供することができる。本明細書には、(a)炭水化物適用範囲、(b)グルコース補正、又は(c)それらの組み合わせ、の3つのタイプのインスリンボーラスが記載されている。炭水化物適用範囲のためのインスリンボーラス量は、食事時に消費されようとする炭水化物に対処するのに必要なインスリン量であり得る。グルコース測定値補正のためのインスリンボーラス量は、目標正常血糖グルコース値を超える、ユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。
【0026】
グルコース補正用量は、正常血糖域を超える最近のユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリンの量である。炭水化物適用範囲用量は、消費されようとする炭水化物量に基づいて計算されたインスリンの量である。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。
【0027】
グルコース補正用量(「GCD」)の一実施形態が式1に示されている。
式1 GCD=(現在のBG−目標BG)×インスリン感受性係数
【0028】
GCDは、現在の測定グルコース値又は濃度を正常血糖域に調整するのに必要なインスリンの量であり得る。現在のBG及び目標BGは、それぞれ、現在の測定グルコース値又は濃度、及び目標グルコース値又は濃度であり得る。インスリン感受性係数又は補正係数は、インスリンの比例効果に関連した、ユーザーに特有の定数であり得る。
【0029】
炭水化物適用範囲用量(「CCD」)のためのインスリンボーラス量は、式2を使用して計算することができる。
式2 CCDのためのインスリンボーラス量=炭水化物概算×インスリン対炭水化物比
【0030】
炭水化物概算は、ユーザーにより消費される量であってよく、インスリン対炭水化物比は、消費された炭水化物に対するインスリンの比例効果に関連した、ユーザーに特有の定数であり得る。合計インスリン投与量は、GCDとCCDとを合計することで計算され得る。
【0031】
図2Bに戻って参照すると、画面230により、ユーザーは高/低値傾向画面284を選択することができる。画面284により、ユーザーは、ユーザーに与えられる様々な警告286、288及び後続の一連のものを見ることができる。特定の警告、例えば、警告286により、ユーザーは、メッセージの内容292及びメッセージの詳細294を含む画面290を見ることができる。詳細294を選択すると、ユーザーは、BG結果298、300、及び一連の後続の結果の履歴を含む画面296に進むことができる。
【0032】
機器設定240が所望の場合には、ユーザーによる調整が可能な設定である、時刻244、日付246、言語248、及びツール設定250の選択を可能にする画面242が提供される。機器情報選択252及び前画面選択254も画面242に提供される。ツール設定選択250により、ユーザー又はHCPは、DMU 10を該ユーザー用に設定することができる。具体的には、ツール設定機能250が選択されると、タグ付け又はフラグ付けフィールド304の設定、インスリン計算フィールド306設定、及び高/低値傾向フィールド308の設定などの、様々な設定を選択することができる画面302が提供される。タグ付け又はフラグ付け機能をオンにするために、画面310は、ユーザーが画面302内のフィールド304までポインタをスクロールすることにより、この機能をオン又はオフさせることができるようにする。インスリン計算を修正するために、ユーザーは、画面400(図3A)に切り替えるプロセスフローのためのフィールド306まで、ポインタをスクロールしなければならない。高/低値傾向警告を修正するために、ユーザーは、画面312に切り替えるプロセスフローのためのフィールド308まで、ポインタをスクロールしなければならない。高/低値傾向308が選択されると、傾向警告326及び自分のトレンド設定328などを含む様々な設定の選択を可能にする画面312が提供される。傾向警告326を起動するために、画面314は、ユーザーがこの機能をオン又はオフさせることができるようにする。閾値の修正は、予め保存された低閾値を修正するために画面322においてフィールド318を選択することによって、又はフィールド320を選択して予め保存された高い設定を修正することによって、画面316を介して、行うことができる。
【0033】
図3Aを参照して、インスリン計算セットアップの概要を説明する。図2Cでフィールド306を選択すると、電卓の状態402、電卓の設定404、操作ヘルプ40、及び前画面に戻る408、の4つの選択フィールドを有する画面400が現れる。フィールド402を選択すると、インスリン電卓が論理演算子410によりセットアップされたかどうかについての判定が行われる。電卓が、例えばDMUの最初の使用中にセットアップされていない場合、プロセスは図3Bの初期設定論理演算子501に流れる。
【0034】
図3Bにおいて、初期設定は論理演算子501に流れ、そこで単一設定(例えば、インスリン計算用の定数パラメータ)又は複数設定(例えば、異なる時間のためにカスタマイズされたパラメータ)のどちらがなされたかどうかについての決定が行われる。複数設定では、論理はメニュー画面502に流れ、そこでは、朝設定504、午後設定506、晩設定508、夜設定510、及び前画面選択の異なるフィールドを選択することができる。選択された設定504、506、508、及び510のそれぞれごとに、例えば、炭水化物比率514、補正係数516、及び目標BG 518に関連したパラメータフィールドを選択するための別のメニュー画面512が提供される。パラメータフィールドの完了を示す確認フィールド520が提供される。選択されたフィールド514、516、及び518のそれぞれごとに、ユーザーが既存のパラメータ(例えば、炭水化物比、補正係数、又は目標BG)を変更するための対応する画面が、編集画面524、526、及び528から提供される。単一設定のみを有するインスリン電卓セットアップでは、論理は、決定501から、例えば、炭水化物比、補正係数、及び目標BGに関連するパラメータをユーザーが変更するための画面530、532、及び534に流れる。パラメータの値が変更又は単に確認されると、確認画面536は、インスリン計算に用いられる全パラメータをユーザーに提供する。本明細書ではパラメータは3つだけ記載されているが、糖尿病を有するユーザーの要件に応じたインスリン投与量に必要とされる更に多くのパラメータを利用することができることを指摘しておく。
【0035】
図4は、始めて使用する場合のセットアッププロセス600の例示的な詳細を示しており、これは図3Bの設定プロセス500と同様である。セットアッププロセス600において、フィールド306を選択すると、セットアップ画面601が提供され、ユーザーは、インスリン電卓をセットアップするかセットアップを延期するかを決定することができる。フィールド602を選択すると、HCPの助言を求めるようにユーザーに提案する警告画面604が提供される。セットアップを継続することをユーザーが決定すると、セットアッププロセスでユーザーを案内するのを助ける画面606が生成される。フィールド608は、ユーザーが単一設定を引き続き設定できるようにし、フィールド610は、ユーザーが図5の複数設定のセットアップを選択できるようにする。ユーザーが単一設定を選択した場合には、ユーザーは画面612、614、及び616で炭水化物比(画面612)、インスリン感受性又は「補正」係数(画面614)、及び目標BG(画面616)を選択することができる。画面612、614、及び616上には、ユーザー又はHCPが特定の設定値を適切に投入するのを案内するのを助けるために、特定の設定値(炭水化物比、「補正」係数、及び目標BG)の画定が存在することに留意されたい。画面612において、メッセージ「あなたがインスリン1単位を摂取するのは炭水化物何gに対してですか?」は、ユーザーを炭水化物比の画定に案内するのを助ける。画面614において、メッセージ「インスリン1単位はあなたのBGをどれだけ減らしますか?」は、ユーザーを補正係数の画定に案内するのを助ける。画面614において、メッセージ「あなたの理想又は目標BG数値はいくつですか?」は、ユーザーを目標BG数値の画定に案内するのを助ける。選択されたパラメータの最終確認のための確認画面618も提供される。その後、マイクロプロセッサは設定を比較して、それらパラメータが出荷時の初期設定パラメータと同じか又は異なっているかを判定する。ユーザーが選択したパラメータが工場出荷時の設定パラメータと同じ場合には、それでもパラメータを保存する能力又はパラメータを編集するために確認画面618に戻る能力を備えた警告画面620が提供される。ユーザーのパラメータが出荷時の初期設定でない場合には、パラメータは単一設定モードに保存され、インスリン電卓を使用する準備がここで整う。
【0036】
インスリン対炭水化物比、インスリン感受性値(例えば、補正係数)、及び目標血糖値は、ユーザー又はHCPによって調整されてもよい。インスリン対炭水化物比は、1g刻みで約1単位:2g〜約1単位:50gに設定されてもよい。インスリン感受性係数は、5mg/dL刻みで約1単位:10mg/dL〜約1単位:150mg/dLに設定されてもよい。目標血糖値は、5mg/dL刻みで約80mg/dL〜約240mg/dLに設定されてもよい。インスリン対炭水化物比、インスリン感受性値(例えば、補正係数)、及び目標血糖値の初期値は、インスリンボーラスの結果としてユーザーが低血糖事象を引き起こす可能性を軽減するが、依然として効果的なインスリン療法が可能となる値に設定されてもよい。一実施形態において、インスリン対炭水化物比、インスリン感受性値(例えば、補正係数)、及び目標血糖値の初期値は、それぞれ、約1単位:50g、1単位:150mg/dL、及び240mg/dLに設定されてもよい。
【0037】
図5は、ユーザーが単一設定のセットアップを選択していないことを画面606(図4)のプロセスフローが示す場合に、複数設定をセットアップするためのプロセスフロー700を示す。図5において、画面701は、ユーザーが702を選択して単一設定に戻るのを可能にし、さもなければユーザーは704を選択して次の画面706に進むことができる。画面706は、1日24時間の中の4つの異なる時間枠708、710、712、及び714を提供し、例えば、画面716の朝の時間枠のような各時間枠には、時間枠特有のパラメータ(例えば、炭水化物比率、補正係数、及び目標BG)が提供される。画面716において、画面716で一旦選択された各パラメータには、図5においてそれ自体の入力画面(720、727、及び732)が提供される。例えば、炭水化物比718が選択される場合には(スクローリングしてフィールドを強調表示した後、DMU 10上のOKボタンを押して選択される)、図5で画面720が表示されて、ユーザーは、特定のパラメータ722を、この場合には1:50gである出荷時の初期設定パラメータから変更することができる。同様に、補正係数726を出荷時の初期設定パラメータである1:50mg/dLから変更することを望む場合には、補正係数726が選択されて画面727が提供され、ユーザーはパラメータ728を変更することができる。同様に、目標BG730を出荷時の初期設定パラメータである120mg/dLから変更することを望む場合には、画面732を表示するために目標BGフィールド730が強調表示されて選択され、パラメータ734を出荷時の初期設定値である120mg/dLから変更することができる。画面706のこのセットアッププロセスは、4つの例示的時間枠に対して行われる。完了すると、各時間枠に関するパラメータは保存される。その後、マイクロプロセッサは、各時間枠のパラメータが出荷時の初期設定と一致しているかどうかを判定するように構成され、真の場合には、画面736において同じユーザーに警告を与えるメッセージが提供される。ユーザーが出荷時の初期設定を利用することを意図する場合、ユーザーは画面738の表示で複数設定を保存することができる。
【0038】
図3Aに戻って参照すると、インスリン電卓400が図3A、図3B、図4、及び図5で説明されたようにセットアップされたと仮定すると、論理演算412は、インスリン電卓400が単一設定又は複数設定用にセットアップされているかどうかを判定する。単一設定のみが選択された場合には、ユーザーには画面414が提供されて、単一設定型インスリンボーラスの計算で使用されるパラメータを見ることができる。パラメータのそれぞれ、例えば、炭水化物比率416、補正係数418、又は目標BG420は、スクローリングしてパラメータを強調表示しパラメータを選択することによって、見る又は変更することができ、ここでは画面422、424、及び426に示されている。確認フィールド428により、ユーザーはインスリンボーラスの計算に用いられるパラメータを確認することができる。図3A、図3B、図4、及び図5のセットアッププロセスで複数設定が選択された場合には、論理は画面430に進む。画面430は、例えば、朝設定432、午後設定434、及び晩設定436、夜設定438を含む、インスリンボーラスを計算することができる複数の時間枠を提供する。ユーザーは、選択フィールド440で全ての設定を保存することができる。ユーザーは、選択フィールド620で全ての設定を工場出荷時の設定にリセットすることもできる(図6)。パラメータフィールド432〜436のいずれかを選択すると、単一設定に関して先に説明したのと同じプロセスが生じる。一例として、晩設定436を選択することができ、その時点でプロセスは画面414に流れて、ユーザーは、晩設定に関するインスリンボーラスの計算で使用されるパラメータごとのパラメータを見ることができる。パラメータのそれぞれ、例えば、炭水化物比率416、補正係数418、又は目標BG 420は、スクローリングしてパラメータを強調表示し、パラメータを選択することによって見る又は変更することができ、ここでは画面422、424、及び426に示されている。確認フィールド428により、ユーザーはインスリンボーラスの計算に用いられるパラメータを確認することができる。
【0039】
ユーザーがインスリンボーラスの計算をより理解したいと望む場合には、メニュー画面446が提供され、ユーザーがインスリンボーラスについてもっと知るためのトピック領域448を一覧表示し、ここでは図10に示されている。図10において、ユーザーには、インスリンボーラス電卓の使用に関する様々な機能及び警告の案内説明が提供される。例えば、画面454は、電卓をセットアップする前にHCPに会うようにとの警告メッセージを提供する。ユーザーがBG値のタグ付けをオンにするようにという忠告画面456が選択肢としてユーザーに提供される。タグ付けが選択されると、食事の前の検査するように忠告する別の忠告画面458が提供される。メッセージを受け入れると、インスリン投与量にかかわる他の要因を考慮するようにとの忠告画面450及び452がユーザーに提供される。インスリン電卓400がセットアップされている場合、検査及びインスリン投与が行われる理由に関するリマインダーメッセージが画面456に提供される。電卓400がセットアップされていない場合には、電卓をセットアップするか又はセットアップを延期するかの選択肢が、画面454でユーザーに与えられる。電卓400はセットアップされたが使用するためにオンにされていない場合には、ユーザーは画面458で電卓400をオンにするように促される。
【0040】
図2Aに戻って参照すると、ユーザー又はHCPは、(a)200、202及び206のプロセスフローで示されるようにBG測定が行われた直後にインスリン計算を選択することにより、又は(b)プロセスフローのメインメニュー画面230を選択する(図2B)及びインスリン計算フィールド214を選択することにより、インスリン計算機能にアクセスすることができる。どの経路を始めるかに関わらず、画面206又は画面230でフィールド214を選択すると、図6のインスリン計算プロセス800が用いられる。
【0041】
前に述べたように、図6のプロセス800の画面801には、画面206(図2A)又は画面230(図2B)のいずれかから到達する。画面801は、ユーザーがインスリン計算を選択できるようにし、この計算は、フィールド802のBG測定結果及び摂取される炭水化物、フィールド804の炭水化物のみ、又はフィールド806のみのBG結果を考慮に入れる。バックグラウンドで実行中のプロセスがこの時点で実行されていてもよく、好適であれば、この画面808で警告メッセージ900(図7)が提供されてもよい。
【0042】
図7を参照すると、警告メッセージ900は、前回のBGが第1の時間閾値を超えたという第1の再検査警告902と、前回のBG結果が破損しているという第2の再検査警告904と(即ち、測定器のソフトウェアが血糖記録の破損を検出し、そのためデータを検索することができない場合に、グルコース記録のデータに合計検査を行うことによって検出される)、前回のBG結果が所定の閾値よりも低いという警告906、前回のBG結果が第1の閾値よりも低い第2の所定の閾値よりも低いという警告908、前回のBG結果が第3の所定の閾値よりも高いという警告910、最近注入又は注射されたインスリン投与量がユーザーの身体内で依然として生理的に活性である可能性があるという警告912、食後のBG結果が食事に炭水化物が入っていたという理由で高くなっている可能性があるという警告914、就寝時としてフラグ付けされたBG結果がインスリン計算用に選択された時間枠と一致しないという警告916、及び糖尿病管理ユニットの現在時刻の内部クロックがインスリン計算用に選択された時間枠と一致しないという警告918を、含んでもよい。一実施形態において、メッセージ908に示されるように極端に低いグルコース濃度が存在する場合、インスリン電卓は非アクティブ化又はロックアウトされてもよい。しかしながら、メッセージ910に関し、極端に高いグルコース濃度が存在する場合には、インスリン電卓は非アクティブ化されない。一実施形態において、メッセージ914に示されるように、現在のグルコース測定が食後としてフラグ付けされた場合、インスリン電卓は非アクティブ化又はロックアウトされてもよい。食後のグルコース濃度は、食事中の炭水化物が理由でより高い場合があるので、ユーザーは、インスリン電卓では、食前のグルコース濃度を使用しなければならない。一実施形態において、インスリン電卓が最近約1時間〜約6時間以内に使用された場合又はグルコース測定が最近約1時間〜約6時間以内に食前としてフラグ付けされた場合、インスリン電卓を使用しているときにメッセージ912が表示される。メッセージ902、904、906、908、910、912、及び914の出力の根拠をなす論理の詳細は、2009年9月29に出願された米国仮特許出願第61/246,630号(代理人整理番号DDI−5190)、及び2010年1月22日に出願された同第61/297,573号(代理人整理番号LFS−5211)に提供されており、これら出願の全ては参照により本出願に組み込まれ、写しが本明細書の付録に添付される。
【0043】
ユーザーに通知されるメッセージ916では、図8に示される論理プロセス1000が用いられる。プロセス1000では、プロセッサ38は、論理演算子1002で、ユーザーがインスリン計算のために複数設定を予め選択したかを判定する。真の場合、プロセスは、プロセッサのクロックによって保存された現在時刻のシステムチェック1004に流れる。次に、論理は論理演算子1006に流れ、そこでプロセッサは、ユーザーがインスリン計算のために複数の時間枠のうちの1つ、例えば、現在時刻に含まれる夜の時間枠を選択したかどうかを判定する。操作がはいを返す場合、即ち、現在時刻が、選択された夜間の範囲内の場合には、プロセスは1008で終了する。一方、ユーザーが現在時刻と一致する時間枠を選択しなかった場合には、1010で、システムは、現在時刻が複数の時間枠のうちの1つに対応するかどうかを判定し、現在時刻が複数の時間枠のうちの1つ(この場合は夜間)を示しているが、その時間枠(例えば、夜の時間枠)が選択されていないという警告メッセージを提供する。
【0044】
ユーザーに通知されるメッセージ918では、図9に示される論理プロセス1100が用いられる。プロセス1100では、プロセッサ38は、論理演算子1002で、ユーザーがインスリン計算のために複数設定を予め選択したかを判定する。真の場合、プロセスは、プロセッサのクロックによって保存された現在時刻のシステムチェック1104に流れる。次に、論理は論理演算子1106に流れ、そこでプロセッサは、ユーザーがインスリン計算のために複数の時間枠のうちの1つ、例えば、現在時刻に含まれる夜の時間枠を選択したかどうかを判定する。操作1106がはいを返す場合、即ち、現在時刻が選択された夜間の範囲内の場合には、プロセスは1108で終了する。一方、ユーザーが、1106で、複数の時間枠から、糖尿病管理ユニットの現在時刻と一致する時間枠を選択しなかった場合には、現在の時間枠に関連するフラッグが作成されているかどうかを判定する質問が行われる。1110で操作が真の場合には、BG結果は所与の時間枠(例えば、就寝時)内であるとフラグ付けされているが、対応する時間枠(例えば、インスリン計算用の夜間)に関する設定は選択されていない又はインスリン計算用に選択された時間枠と一致しなかったことを示す警告メッセージが通知される。
【0045】
図6に戻って参照すると、メッセージの通知後、プロセスは画面810に進み、フィールド802、804又は806が選択されたかどうかに応じて、ユーザーは、インスリン計算のために特定のフィールド(802、804、又は806)が選択されたことを確認することができる。ユーザーが画面812を通って進むとき、システムは、インスリン計算のための複数設定が図4及び図5において予め選択されているかどうかを確認する。真の場合には、ユーザーにはメニュー画面816が提供され、ユーザーは適切な時間枠を選択し、画面818でレビューすることができる。ここで、ユーザーは、24時間の時間枠の中の少なくともある範囲の時間間隔(例えば、「朝」)を複数の時間枠のうちの1つとして設定してもよい。システム又はユーザーは、24時間の時間枠のうちの朝の期間816a、午後の期間816b、晩の期間816c、及び夜の期間816dに関する対応の時間間隔を画定することができる。好ましい実施形態において、朝の期間はおよそ5AM〜およそ11AMと事前に画定され、午後の期間はおよそ11AM〜およそ500PMと事前に画定され、夕方の期間はおよそ5PM〜およそ10PMと事前に画定され、夜の期間はおよそ10PM〜およそ500AMと事前に画定される。ユーザーが計算フィールド820を選択すると、システムは適切なインスリンボーラスを計算し、画面822に出力を提供する。
【0046】
操作中、図1Aのシステムは、最低限でも、グルコース試験ストリップと糖尿病管理ユニットとを含む。糖尿病管理ユニット10は、マイクロプロセッサ38に接続された試験ストリップポート22を有するハウジングを含んでもよい。ポート22は試験ストリップを受容するように構成され、マイクロプロセッサ38は試験ストリップポート22に電気的に接続されて、試験ストリップ24の上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供する。糖尿病管理ユニットは、マイクロプロセッサに接続された複数のユーザーインターフェースボタンも含む。マイクロプロセッサはまた、メモリに接続されて、(a)ユーザー(図3A、図3B、図6)が1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択できるようにし、(b)選択された時間枠内のユーザーのためのインスリンボーラスを計算し(図6)、(c)選択された時間枠を、マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較し(図8及び図9)、(d)計算のために選択された期間がクロックの現在の時間枠の範囲外の場合はユーザーに警告を通知するように、プログラムされる。
【0047】
本明細書に記載されるシステム及びプロセスを用いて、糖尿病管理ユニット10を使用したインスリン投与に対する安全機能を提供する方法も提供される。この方法は、1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択する工程(図3A)と、マイクロプロセッサを使用して、選択された時間枠内のユーザーのためのインスリンボーラスを計算する工程(図6)と、マイクロプロセッサを使用して、選択された時間枠を、マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較する工程(図8又は図9)と、計算のために選択された期間がクロックの現在の時間枠の範囲外の場合にはユーザーに警告を通知する工程(図8又は図9)と、を含んでもよい。前記方法は、グルコース測定を行い、測定値を1日の間の時間枠に関連するものとしてフラグ付けすること(図2A)を更に含んでもよい。前記方法は、複数の時間枠のそれぞれごとにインスリン対炭水化物比を指定することを更に含んでもよい。
【0048】
上述のように、本明細書に記載する様々なプロセスの工程を一般に実施するように、マイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、血糖値計、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。更に、本明細書に記載する様々な方法を用いて、例えば、C、C+、C++、C−Sharp、Visual Studio 6.0、Windows(登録商標) 2000 Server、及びSQL Server 2000などの既製のソフトウェア開発ツールを用いてソフトウェアコードを生成することができる。しかしながら、これらの方法は、こうした方法をコードするための新しいソフトウェア言語の必要条件及び入手可能性に応じて、他のソフトウェア言語に変換することもできる。更に、本明細書で述べた様々な方法は、適当なソフトウェアコードに一旦変換されれば、適当なマイクロプロセッサ又はコンピュータによって実行される際に、これらの方法において述べられた工程をあらゆる他の必要な工程とともに実行するように動作する、任意のコンピュータ読みだし可能な記憶媒体として実施することができる。
【0049】
本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上述の方法及び工程が特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、当業者には特定の工程の順序が変更可能であり、そうした変更は本発明の変形例に従うものである点が認識されよう。更に、こうした工程のうちのあるものは、上述のように順次行われるが、場合に応じて並行したプロセスで同時に行われてもよい。したがって、開示の趣旨及び本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条及び第120条の下で、2010年2月25日に出願された先の出願の米国仮出願第61/308,196号からの優先権の利益を主張し、この出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の個人にとって、グルコース監視は日常のことである。この監視の精度は、糖尿病者の健康、及び最終的には生活の質に多大な影響を与えることがある。一般に糖尿病の個人は、血中グルコース濃度を1日に数回測定し、血糖値を監視かつ制御する。血中グルコース濃度を正確にかつ定期的に検査しないと、心臓血管疾患、腎疾患、神経損傷、及び失明などの重篤な糖尿病関連合併症を引き起こす可能性がある。現在は、少量の血液サンプル中のグルコース濃度を個人が検査できる、多くの電子機器が存在する。このようなグルコース測定器の1つが、LifeScan製の製品であるOneTouch(登録商標)Profile(商標)グルコース測定器である。
【0003】
グルコース監視に加え、糖尿病の個人は多くの場合、例えば不規則な食事又は運動によって悪影響を受けないように、ライフスタイルに対する厳しい管理を維持しなければならない。更に、特定の糖尿病の個人を扱う医師は、糖尿病管理に対して効果的な治療や治療の変更を提供するために、その個人のライフスタイルに関する詳細な情報を必要とする場合がある。現在、糖尿病の個人のライフスタイルを管理する方法の1つとして、その患者にライフスタイルに関する紙の日記をつけさせることがある。別の方法として、その個人にライフスタイルに関する出来事を単に記憶させ、各診察時に医師にその詳細を伝えさせることがある。
【0004】
ライフスタイルに関する情報を記録する上記の方法は、本質的に難しく、時間がかかり、かつ場合によっては正確ではない。紙の日記は、個人が必ずしも常に携帯しておらず、必要な時に正確に記録できない場合がある。このような紙の日記は小さいため、ライフスタイルにおける出来事の詳細な記述を必要とする詳細情報を記入することが難しい。更に、手書きのノートを手作業で確認し、その情報を解釈すべき医師に質問された際に、しばしば、個人はライフスタイルの主要な出来事を忘れている場合がある。紙の日記からは、要素情報を抽出又は分類するための分析が得られない。また、この情報の縮図又は概要もない。二次データ記憶システム、例えばデータベース又はその他電子システムへのデータ入力は、この二次データ記憶装置への、ライフスタイルデータを含む情報の労力を要する複写作業を必要とする。データの記録が難しいため、関連情報を思い出しながら入力することになり、結果として不正確かつ不完全な記録となる。
【0005】
現在は、個人のグルコース濃度を測定でき、かつ、分析用の別のコンピュータに読み出し又はアップロードするためにこの濃度を保存できる多くの携帯用電子機器が存在する。このような機器の1つが、Roche DiagnosticsのAccu−Check(商標)Complete(商標)Systemであり、ライフスタイルデータの保存に対する制限された機能を提供する。しかし、Accu−Check(商標)Complete(商標)Systemでは、計測器内に保存されるライフスタイル変数は制限されたものが選択できるのみである。事前に計測器内に入力された値からのインテリジェントフィードバックはなく、計測器をたまに使用するユーザーにとってユーザーインターフェースは直観的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、糖尿病管理ユニットを使用して、ユーザーのインスリン投与の際の安全機能を提供する方法が提供される。該ユニットは、メモリ、ディスプレイ、クロック、及びユーザーインターフェースに接続されたマイクロプロセッサを含む。前記方法は、1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択する工程と、マイクロプロセッサを使用して、選択された時間枠内のユーザーのためのインスリンボーラスを計算する工程と、マイクロプロセッサを使用して、選択された時間枠を、マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較する工程と、計算のために選択された時間枠がクロックの現在の時間枠の範囲外の場合はユーザーに警告を通知する工程と、によって達成され得る。
【0007】
更なる実施形態において、グルコース試験ストリップと糖尿病管理ユニットとを含む糖尿病管理システムが提供される。糖尿病管理ユニットは、ハウジングと、マイクロプロセッサと、複数のユーザーインターフェースボタンと、を含む。ハウジングは、マイクロプロセッサに接続され、かつグルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含む。マイクロプロセッサは、試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するために試験ストリップポートに接続され、かつ分析物測定単位、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続され、マイクロプロセッサは、(a)ユーザーが1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択できるようにし、(b)選択された時間枠内のユーザーのためのインスリンボーラスを計算し(c)選択された時間枠を、マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較し、及び(d)計算のために選択された期間がクロックの現在の時間枠の範囲外の場合はユーザーに警告を通知する、ようにプログラムされる。
【0008】
これら及び他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の異なる例示的実施形態のより詳細な説明を、はじめに下記に簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって当業者にとって明らかになるであろう。
【0009】
本明細書に援用する明細書の一部をなす添付図面は、現時点における本発明の好適な実施形態を示したものであって、上記に述べた一般的説明並びに下記に述べる詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は同様の要素を表す)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】分析物測定及びデータ管理ユニット、並びにデータ通信デバイスを含む糖尿病管理システム。
【図1B】糖尿病データ管理ユニットの例示の回路基板の簡略図。
【図2A】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2B】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2C】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図3A】インスリンボーラスの計算のためのプロセスフロー。
【図3B】インスリンボーラスの計算のためのプロセスフロー。
【図4】インスリンボーラスの計算をセットアップするためのプロセスフロー。
【図5】インスリンボーラスの計算をセットアップするためのプロセスフロー。
【図6】内蔵された安全機能を用いてインスリン計算を選択するプロセス。
【図7】システムの安全機能の一環として糖尿病管理ユニットで利用可能な様々な警告メッセージ。
【図8】インスリン投与に関して時間枠が不適切に選択されたという警告を発するかどうかを決定するためのプロセスフロー。
【図9】糖尿病管理ユニットのクロックによって維持されている現在時刻と一致しない結果にフラグ付けされたという警告を発するかどうかを決定するためのプロセスフロー。
【図10】ユーザーが糖尿病管理するのを支援するためのメッセージ画面。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は必ずしも一定の縮尺を有さず、選択した実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。詳細な説明は本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
【0012】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその所望の目的に従って機能することを可能とするような適当な寸法の許容誤差を示すものである。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」という用語は任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。
【0013】
図1Aは、分析物測定及び管理ユニット10、治療用投与装置(28又は48)、並びにデータ/通信デバイス(68、26、又は70)を含む糖尿病管理システムを示す。分析物測定及び管理装置10は、本明細書に記載されるように、例えばインスリンペン28、インスリンポンプ48、携帯電話68などの携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット、つまりDMUと無線で通信するように、又はパーソナルコンピュータ26若しくはネットワークサーバー70と通信する例示の携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット装置の組み合わせを通じて無線で通信するように構成されてもよい。本明細書で使用する時、用語「DMU」は、個々のユニット10、28、48、68を別々に、又は疾患管理システムにおいて共に使用可能である携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット(28、48、68)全てのいずれかを表す。更に、分析物測定及び管理ユニット、つまりDMU 10は、グルコース測定器、測定器、分析物測定装置、インスリン送達装置、又は分析物試験及び薬剤送達装置の組み合わせを含むことが意図される。一実施形態において、分析物測定及び管理ユニット10は、ケーブルを用いてパーソナルコンピュータ26に接続されてもよい。代替案では、DMUは、好適な無線技術、例えば、GSM(登録商標)、CDMA、BlueTooth(登録商標)、WiFi等を介して、コンピュータ26又はサーバー70に接続されてもよい。
【0014】
図1Aに示されるように、グルコース測定器10又はDMU 10は、ハウジング11と、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)と、ディスプレイ14、ストリップポートコネクタ22と、データポート13と、を含むことができる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)は、データの入力、メニューのナビゲーション、及びコマンドの実行を可能とするように構成することができる。データには、検体濃度及び/又は患者の日常の生活習慣に関連した情報を表す値を挙げることができる。日常の生活習慣に関連した情報には、食物の摂取、薬の使用、健康診断の実施、並びに個々の一般的な健康状態及び運動レベルを挙げることができる。具体的には、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、第1のユーザーインターフェースボタン16、第2のユーザーインターフェースボタン18、及び第3のユーザーインターフェースボタン20が含まれる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、ユーザーがユーザーインターフェースをナビゲートすることを可能にする第1のマーキング17、第2のマーキング19、及び第3のマーキング21がそれぞれ含まれる。
【0015】
測定器10の電子構成要素は、ハウジング11内部の回路基板34上に配置することができる。図1Bは、それぞれ回路基板34の上面(図示せず)上に配置された電子構成要素を(概略的な形で)示す。上面の電子構成要素としては、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、マイクロコントローラ38、ディスプレイコネクタ14a、不揮発性メモリ40、クロック42、及び第1の無線モジュール46が挙げられる。マイクロコントローラ38は、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、第1の無線モジュール46、ディスプレイ14、不揮発性メモリ40、クロック42、並びユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)と電気的に接続され得る。
【0016】
オペアンプ回路35は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を提供するように構成された2つ以上のオペアンプを含み得る。ポテンシオスタット機能とは、試験ストリップの少なくとも2つの電極間に試験電圧を加えることを指し得る。電流機能とは、加えられた試験電圧によって生じる試験電流を測定することを指し得る。電流測定は、電流電圧変換器によって行うことができる。マイクロコントローラ38は、例えばTexas Instrument MSP 430などの混合シグナルマイクロプロセッサ(MSP)の形態であってよい。MSP 430は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を行うように構成することもできる。更に、MSP 430は、揮発性及び不揮発性メモリを含むこともできる。別の実施形態では、電子要素の多くを特定用途向け集積回路(ASIC)の形態でマイクロコントローラに組み込むことができる。
【0017】
ストリップポートコネクタ22は、試験ストリップと電気的接続を形成するように構成することができる。ディスプレイコネクタ14aは、ディスプレイ14に取り付けるように構成することができる。ディスプレイ14は、測定された血糖値を報告し、生活習慣に関連した情報の入力を容易にするための、液晶ディスプレイの形態であってよい。ディスプレイ14は、任意にバックライトを有してよい。データポートは、接続リード線に取り付けられた好適なコネクタを受容し、それにより、グルコース測定器10をパーソナルコンピュータなどの外部機器にリンクさせることができるよう提供され得る。データポートは、例えば、シリアル、USB、又はパラレルポートなど、データ送信が可能な任意のポートであり得る。クロック42は、ユーザーが位置する地理的領域に関連する現在時刻を維持し、また時間を計測するように構成され得る。DMUは、例えば、バッテリーなどの電源と電気的に接続されるように構成され得る。
【0018】
一実施形態において、試験ストリップ24は、電気化学的グルコース試験ストリップの形態であり得る。試験ストリップ24は、1つ以上の作用電極及び対電極を含んでよい。試験ストリップ24は、複数の電気的接触パッドを更に含むことができ、その場合、各電極は少なくとも1つの電気的接触パッドと電気的に導通することができる。ストリップポートコネクタ22は、電気的接触パッドと電気的にインターフェースし、電極と電気的に連通しているように構成され得る。試験ストリップ24は、少なくとも1つの電極上に配置されている試薬層を含み得る。試薬層は、酵素及び調節物質を含み得る。試薬層に使用するのに適した例示的な酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(ピロロキノリンキノン補因子「PQQ」とともに)、及びグルコースデヒドロゲナーゼ(フラビンアデニンジヌクレオチド補因子「FAD」とともに)が挙げられる。試薬層に使用するのに適した例示的な調節物質としては、フェリシアニドがあり、この場合では酸化型である。試薬層は、グルコースを酵素的副産物に物理的に変換させ、その過程でグルコース濃度に比例した所定量の還元型の調節物質(例、フェロシアニド)を生成するように構成することができる。この後、作用電極によって還元型調節物質の濃度を電流の形態で測定することができる。次いで、グルコース測定器10は電流の大きさをグルコース濃度に変換することができる。好ましい試験ストリップの詳細は、米国特許第6179979号、同第6193873号、同第6284125号、同第6413410号、同第6475372号、同第6716577号、同第6749887号、同第6863801号、同第6890421号、同第7045046号、同第7291256号、及び同第7498132に提供されており、当該特許の全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0019】
再び図1Aを参照すると、インスリンペン28は、好ましくは細長く人の手で快適に扱えるような充分な大きさを有するハウジングを含むことができる。装置28には、ユーザーによって投与される用量を記録するための電子モジュール30が設けられてもよい。装置28のハウジング内には、ユーザーから指示されることなく自動的にDMU 10の第1の無線モジュール46に信号を送信する、第2の無線モジュール32が配置されてもよい。例示的な一実施形態における無線信号は、(a)投与される治療薬の種類、(b)ユーザーに投与される治療薬の量、又は(c)治療薬の投与の時刻及び日付のデータを含むことができる。
【0020】
一実施形態では、治療用投与装置は「ユーザー起動型」の治療用投与装置の形態であってもよく、この装置は、1回の治療薬投与事象を開始するために装置とユーザーと間の手による相互作用(例えば、ユーザーが装置のボタンを押すことによる)を必要とし、こうした手による相互作用がなければユーザーに治療薬を投与しない。こうしたユーザー起動型の治療薬投与装置の非限定的な例は、同時係属中の米国特許非暫定出願第12/407173号(代理人整理番号LFS−5180USNPにより暫定的に識別される)、同第12/417875号(代理人整理番号LFS−5183USNPにより暫定的に識別される)、及び同第12/540217号(代理人整理番号DDI−5176USNPにより暫定的に識別される)に述べられており、これらの出願の全容を参照により本願に組み込む。こうしたユーザー起動型の治療薬送達装置の別の非限定的な例は、インスリンペン28である。インスリンペンにはインスリンのバイアル瓶又はカートリッジを装填することができ、使い捨ての針に取り付けることができる。インスリンペンの各部分が再使用可能であってもよく、インスリンペンが完全に使い捨てであってもよい。インスリンペンはNovo Nordisk、Aventis、及びEli Lillyなどの会社から市販されており、Novolog、Humalog、Levemir及びLantusといった各種のインスリンとともに使用することができる。
【0021】
図1Aを参照すると、治療用投与装置はまた、ハウジング50、バックライトボタン52、アップボタン54、カートリッジキャップ56、ボーラスボタン58、ダウンボタン60、バッテリーキャップ62、OKボタン64、及びディスプレイ66を含むポンプ48であり得る。ポンプ48は、例えば血糖値を調節するためのインスリンなど薬物を分配するように構成することができる。
【0022】
図2A、図2B、及び図2Cを参照すると、DMUのユーザーインターフェースの一部の例示的なプロセスフローが提供されている。具体的には、図2Aにおいて、プロセスフローは、好適な試験ストリップ24がDMU 10に挿入された時点200で開始する。202における血糖(「BG」)結果がユーザーに通知される。本明細書で用いる場合、用語「通知される」及びこの語幹の変形は、文字、音声、画像、又は全ての通信モードの組み合わせを介して、ユーザーに通知が与えられることを示す。BG読取値204は、ユーザーがメニューを介してスクロールすることができる画面206で使用するために保存され、該メニューは、過去のBG結果208を呼出すことから始まって、タグ又はフラグ210を追加又は編集し、傾向警告212を取得し、インスリンボーラス214を計算し、メインメニュー216に戻る。メニュー206上の機能212〜214のいくつかは、かかる機能の1つ以上がメインメニューで有効にされているかどうかによっては使用不可能な場合がある。BG結果に関してフラグ210の編集又は追加が要求される場合、次の選択肢が利用可能である:空腹時フラグ210a(例えば、少なくとも6〜8時間の空腹期間の間に得られるBG結果);食前フラグ210b(例えば、食事前に得られるBG結果);食後フラグ210c;就寝時フラグ210d;又はタグなし210e。
【0023】
ユーザーがDMUのメインメニューにアクセスすることを望む場合DMUのボタンの1つを長期間にわたって(例えば、2秒超過)作動させることによって、図2Bのメインメニュー230にアクセスすることができる。メインメニュー230では、ユーザー又は保健医療提供者(「HCP」)は、次の機能を利用することができる:前回の結果232;過去のBG結果234;インスリン投与の計算214;高又は低値傾向の指標の提供238;及び機器設定240。前回の血糖結果232が選択された場合、プロセスは結果画面242に流れる。この画面242では、ユーザーは次の機能を利用することができる:前回のBG結果244又は過去の結果246。画面246では、タグ210の追加又は編集、傾向警告212、インスリンの計算214、又は過去のメニュー画面に戻る230を選択する能力に加えて、前回のBG読取値が提供される。
【0024】
図2Bを参照して、画面230の利用可能な機能の残りを説明する。BG結果の履歴が所望の場合には、ユーザーが画定したパラメータに基づいて、DMUによって収集された結果のログ256a、BG結果の平均256bを選択できる画面256が提供される。ユーザーインターフェースにおいて標準であるように、前画面選択256cも設けられている。結果ログ256aが選択される場合には、ある範囲の結果262、264、及び一連の後続の結果を通知する画面260(図2A)が提供される。図2Bに戻って参照すると、結果の平均256bを機器に保存するのが所望の場合には、様々な範囲のBG平均結果を表示することができる画面270が提供される。例えば、7日間の平均、14日間の平均、30日間の平均、90日間の平均(ユーザー又はHCにとって望ましい任意の範囲)が提供される。あるいは、日付範囲のそれぞれの平均に加えて、事前に決められた日付範囲のそれぞれの中央値を提供することもできる。
【0025】
インスリンボーラスを計算することをユーザーが望む場合には、機器は計算プロトコル282を起動して、計算されたインスリンボーラスを提供することができる。本明細書には、(a)炭水化物適用範囲、(b)グルコース補正、又は(c)それらの組み合わせ、の3つのタイプのインスリンボーラスが記載されている。炭水化物適用範囲のためのインスリンボーラス量は、食事時に消費されようとする炭水化物に対処するのに必要なインスリン量であり得る。グルコース測定値補正のためのインスリンボーラス量は、目標正常血糖グルコース値を超える、ユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。
【0026】
グルコース補正用量は、正常血糖域を超える最近のユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリンの量である。炭水化物適用範囲用量は、消費されようとする炭水化物量に基づいて計算されたインスリンの量である。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。
【0027】
グルコース補正用量(「GCD」)の一実施形態が式1に示されている。
式1 GCD=(現在のBG−目標BG)×インスリン感受性係数
【0028】
GCDは、現在の測定グルコース値又は濃度を正常血糖域に調整するのに必要なインスリンの量であり得る。現在のBG及び目標BGは、それぞれ、現在の測定グルコース値又は濃度、及び目標グルコース値又は濃度であり得る。インスリン感受性係数又は補正係数は、インスリンの比例効果に関連した、ユーザーに特有の定数であり得る。
【0029】
炭水化物適用範囲用量(「CCD」)のためのインスリンボーラス量は、式2を使用して計算することができる。
式2 CCDのためのインスリンボーラス量=炭水化物概算×インスリン対炭水化物比
【0030】
炭水化物概算は、ユーザーにより消費される量であってよく、インスリン対炭水化物比は、消費された炭水化物に対するインスリンの比例効果に関連した、ユーザーに特有の定数であり得る。合計インスリン投与量は、GCDとCCDとを合計することで計算され得る。
【0031】
図2Bに戻って参照すると、画面230により、ユーザーは高/低値傾向画面284を選択することができる。画面284により、ユーザーは、ユーザーに与えられる様々な警告286、288及び後続の一連のものを見ることができる。特定の警告、例えば、警告286により、ユーザーは、メッセージの内容292及びメッセージの詳細294を含む画面290を見ることができる。詳細294を選択すると、ユーザーは、BG結果298、300、及び一連の後続の結果の履歴を含む画面296に進むことができる。
【0032】
機器設定240が所望の場合には、ユーザーによる調整が可能な設定である、時刻244、日付246、言語248、及びツール設定250の選択を可能にする画面242が提供される。機器情報選択252及び前画面選択254も画面242に提供される。ツール設定選択250により、ユーザー又はHCPは、DMU 10を該ユーザー用に設定することができる。具体的には、ツール設定機能250が選択されると、タグ付け又はフラグ付けフィールド304の設定、インスリン計算フィールド306設定、及び高/低値傾向フィールド308の設定などの、様々な設定を選択することができる画面302が提供される。タグ付け又はフラグ付け機能をオンにするために、画面310は、ユーザーが画面302内のフィールド304までポインタをスクロールすることにより、この機能をオン又はオフさせることができるようにする。インスリン計算を修正するために、ユーザーは、画面400(図3A)に切り替えるプロセスフローのためのフィールド306まで、ポインタをスクロールしなければならない。高/低値傾向警告を修正するために、ユーザーは、画面312に切り替えるプロセスフローのためのフィールド308まで、ポインタをスクロールしなければならない。高/低値傾向308が選択されると、傾向警告326及び自分のトレンド設定328などを含む様々な設定の選択を可能にする画面312が提供される。傾向警告326を起動するために、画面314は、ユーザーがこの機能をオン又はオフさせることができるようにする。閾値の修正は、予め保存された低閾値を修正するために画面322においてフィールド318を選択することによって、又はフィールド320を選択して予め保存された高い設定を修正することによって、画面316を介して、行うことができる。
【0033】
図3Aを参照して、インスリン計算セットアップの概要を説明する。図2Cでフィールド306を選択すると、電卓の状態402、電卓の設定404、操作ヘルプ40、及び前画面に戻る408、の4つの選択フィールドを有する画面400が現れる。フィールド402を選択すると、インスリン電卓が論理演算子410によりセットアップされたかどうかについての判定が行われる。電卓が、例えばDMUの最初の使用中にセットアップされていない場合、プロセスは図3Bの初期設定論理演算子501に流れる。
【0034】
図3Bにおいて、初期設定は論理演算子501に流れ、そこで単一設定(例えば、インスリン計算用の定数パラメータ)又は複数設定(例えば、異なる時間のためにカスタマイズされたパラメータ)のどちらがなされたかどうかについての決定が行われる。複数設定では、論理はメニュー画面502に流れ、そこでは、朝設定504、午後設定506、晩設定508、夜設定510、及び前画面選択の異なるフィールドを選択することができる。選択された設定504、506、508、及び510のそれぞれごとに、例えば、炭水化物比率514、補正係数516、及び目標BG 518に関連したパラメータフィールドを選択するための別のメニュー画面512が提供される。パラメータフィールドの完了を示す確認フィールド520が提供される。選択されたフィールド514、516、及び518のそれぞれごとに、ユーザーが既存のパラメータ(例えば、炭水化物比、補正係数、又は目標BG)を変更するための対応する画面が、編集画面524、526、及び528から提供される。単一設定のみを有するインスリン電卓セットアップでは、論理は、決定501から、例えば、炭水化物比、補正係数、及び目標BGに関連するパラメータをユーザーが変更するための画面530、532、及び534に流れる。パラメータの値が変更又は単に確認されると、確認画面536は、インスリン計算に用いられる全パラメータをユーザーに提供する。本明細書ではパラメータは3つだけ記載されているが、糖尿病を有するユーザーの要件に応じたインスリン投与量に必要とされる更に多くのパラメータを利用することができることを指摘しておく。
【0035】
図4は、始めて使用する場合のセットアッププロセス600の例示的な詳細を示しており、これは図3Bの設定プロセス500と同様である。セットアッププロセス600において、フィールド306を選択すると、セットアップ画面601が提供され、ユーザーは、インスリン電卓をセットアップするかセットアップを延期するかを決定することができる。フィールド602を選択すると、HCPの助言を求めるようにユーザーに提案する警告画面604が提供される。セットアップを継続することをユーザーが決定すると、セットアッププロセスでユーザーを案内するのを助ける画面606が生成される。フィールド608は、ユーザーが単一設定を引き続き設定できるようにし、フィールド610は、ユーザーが図5の複数設定のセットアップを選択できるようにする。ユーザーが単一設定を選択した場合には、ユーザーは画面612、614、及び616で炭水化物比(画面612)、インスリン感受性又は「補正」係数(画面614)、及び目標BG(画面616)を選択することができる。画面612、614、及び616上には、ユーザー又はHCPが特定の設定値を適切に投入するのを案内するのを助けるために、特定の設定値(炭水化物比、「補正」係数、及び目標BG)の画定が存在することに留意されたい。画面612において、メッセージ「あなたがインスリン1単位を摂取するのは炭水化物何gに対してですか?」は、ユーザーを炭水化物比の画定に案内するのを助ける。画面614において、メッセージ「インスリン1単位はあなたのBGをどれだけ減らしますか?」は、ユーザーを補正係数の画定に案内するのを助ける。画面614において、メッセージ「あなたの理想又は目標BG数値はいくつですか?」は、ユーザーを目標BG数値の画定に案内するのを助ける。選択されたパラメータの最終確認のための確認画面618も提供される。その後、マイクロプロセッサは設定を比較して、それらパラメータが出荷時の初期設定パラメータと同じか又は異なっているかを判定する。ユーザーが選択したパラメータが工場出荷時の設定パラメータと同じ場合には、それでもパラメータを保存する能力又はパラメータを編集するために確認画面618に戻る能力を備えた警告画面620が提供される。ユーザーのパラメータが出荷時の初期設定でない場合には、パラメータは単一設定モードに保存され、インスリン電卓を使用する準備がここで整う。
【0036】
インスリン対炭水化物比、インスリン感受性値(例えば、補正係数)、及び目標血糖値は、ユーザー又はHCPによって調整されてもよい。インスリン対炭水化物比は、1g刻みで約1単位:2g〜約1単位:50gに設定されてもよい。インスリン感受性係数は、5mg/dL刻みで約1単位:10mg/dL〜約1単位:150mg/dLに設定されてもよい。目標血糖値は、5mg/dL刻みで約80mg/dL〜約240mg/dLに設定されてもよい。インスリン対炭水化物比、インスリン感受性値(例えば、補正係数)、及び目標血糖値の初期値は、インスリンボーラスの結果としてユーザーが低血糖事象を引き起こす可能性を軽減するが、依然として効果的なインスリン療法が可能となる値に設定されてもよい。一実施形態において、インスリン対炭水化物比、インスリン感受性値(例えば、補正係数)、及び目標血糖値の初期値は、それぞれ、約1単位:50g、1単位:150mg/dL、及び240mg/dLに設定されてもよい。
【0037】
図5は、ユーザーが単一設定のセットアップを選択していないことを画面606(図4)のプロセスフローが示す場合に、複数設定をセットアップするためのプロセスフロー700を示す。図5において、画面701は、ユーザーが702を選択して単一設定に戻るのを可能にし、さもなければユーザーは704を選択して次の画面706に進むことができる。画面706は、1日24時間の中の4つの異なる時間枠708、710、712、及び714を提供し、例えば、画面716の朝の時間枠のような各時間枠には、時間枠特有のパラメータ(例えば、炭水化物比率、補正係数、及び目標BG)が提供される。画面716において、画面716で一旦選択された各パラメータには、図5においてそれ自体の入力画面(720、727、及び732)が提供される。例えば、炭水化物比718が選択される場合には(スクローリングしてフィールドを強調表示した後、DMU 10上のOKボタンを押して選択される)、図5で画面720が表示されて、ユーザーは、特定のパラメータ722を、この場合には1:50gである出荷時の初期設定パラメータから変更することができる。同様に、補正係数726を出荷時の初期設定パラメータである1:50mg/dLから変更することを望む場合には、補正係数726が選択されて画面727が提供され、ユーザーはパラメータ728を変更することができる。同様に、目標BG730を出荷時の初期設定パラメータである120mg/dLから変更することを望む場合には、画面732を表示するために目標BGフィールド730が強調表示されて選択され、パラメータ734を出荷時の初期設定値である120mg/dLから変更することができる。画面706のこのセットアッププロセスは、4つの例示的時間枠に対して行われる。完了すると、各時間枠に関するパラメータは保存される。その後、マイクロプロセッサは、各時間枠のパラメータが出荷時の初期設定と一致しているかどうかを判定するように構成され、真の場合には、画面736において同じユーザーに警告を与えるメッセージが提供される。ユーザーが出荷時の初期設定を利用することを意図する場合、ユーザーは画面738の表示で複数設定を保存することができる。
【0038】
図3Aに戻って参照すると、インスリン電卓400が図3A、図3B、図4、及び図5で説明されたようにセットアップされたと仮定すると、論理演算412は、インスリン電卓400が単一設定又は複数設定用にセットアップされているかどうかを判定する。単一設定のみが選択された場合には、ユーザーには画面414が提供されて、単一設定型インスリンボーラスの計算で使用されるパラメータを見ることができる。パラメータのそれぞれ、例えば、炭水化物比率416、補正係数418、又は目標BG420は、スクローリングしてパラメータを強調表示しパラメータを選択することによって、見る又は変更することができ、ここでは画面422、424、及び426に示されている。確認フィールド428により、ユーザーはインスリンボーラスの計算に用いられるパラメータを確認することができる。図3A、図3B、図4、及び図5のセットアッププロセスで複数設定が選択された場合には、論理は画面430に進む。画面430は、例えば、朝設定432、午後設定434、及び晩設定436、夜設定438を含む、インスリンボーラスを計算することができる複数の時間枠を提供する。ユーザーは、選択フィールド440で全ての設定を保存することができる。ユーザーは、選択フィールド620で全ての設定を工場出荷時の設定にリセットすることもできる(図6)。パラメータフィールド432〜436のいずれかを選択すると、単一設定に関して先に説明したのと同じプロセスが生じる。一例として、晩設定436を選択することができ、その時点でプロセスは画面414に流れて、ユーザーは、晩設定に関するインスリンボーラスの計算で使用されるパラメータごとのパラメータを見ることができる。パラメータのそれぞれ、例えば、炭水化物比率416、補正係数418、又は目標BG 420は、スクローリングしてパラメータを強調表示し、パラメータを選択することによって見る又は変更することができ、ここでは画面422、424、及び426に示されている。確認フィールド428により、ユーザーはインスリンボーラスの計算に用いられるパラメータを確認することができる。
【0039】
ユーザーがインスリンボーラスの計算をより理解したいと望む場合には、メニュー画面446が提供され、ユーザーがインスリンボーラスについてもっと知るためのトピック領域448を一覧表示し、ここでは図10に示されている。図10において、ユーザーには、インスリンボーラス電卓の使用に関する様々な機能及び警告の案内説明が提供される。例えば、画面454は、電卓をセットアップする前にHCPに会うようにとの警告メッセージを提供する。ユーザーがBG値のタグ付けをオンにするようにという忠告画面456が選択肢としてユーザーに提供される。タグ付けが選択されると、食事の前の検査するように忠告する別の忠告画面458が提供される。メッセージを受け入れると、インスリン投与量にかかわる他の要因を考慮するようにとの忠告画面450及び452がユーザーに提供される。インスリン電卓400がセットアップされている場合、検査及びインスリン投与が行われる理由に関するリマインダーメッセージが画面456に提供される。電卓400がセットアップされていない場合には、電卓をセットアップするか又はセットアップを延期するかの選択肢が、画面454でユーザーに与えられる。電卓400はセットアップされたが使用するためにオンにされていない場合には、ユーザーは画面458で電卓400をオンにするように促される。
【0040】
図2Aに戻って参照すると、ユーザー又はHCPは、(a)200、202及び206のプロセスフローで示されるようにBG測定が行われた直後にインスリン計算を選択することにより、又は(b)プロセスフローのメインメニュー画面230を選択する(図2B)及びインスリン計算フィールド214を選択することにより、インスリン計算機能にアクセスすることができる。どの経路を始めるかに関わらず、画面206又は画面230でフィールド214を選択すると、図6のインスリン計算プロセス800が用いられる。
【0041】
前に述べたように、図6のプロセス800の画面801には、画面206(図2A)又は画面230(図2B)のいずれかから到達する。画面801は、ユーザーがインスリン計算を選択できるようにし、この計算は、フィールド802のBG測定結果及び摂取される炭水化物、フィールド804の炭水化物のみ、又はフィールド806のみのBG結果を考慮に入れる。バックグラウンドで実行中のプロセスがこの時点で実行されていてもよく、好適であれば、この画面808で警告メッセージ900(図7)が提供されてもよい。
【0042】
図7を参照すると、警告メッセージ900は、前回のBGが第1の時間閾値を超えたという第1の再検査警告902と、前回のBG結果が破損しているという第2の再検査警告904と(即ち、測定器のソフトウェアが血糖記録の破損を検出し、そのためデータを検索することができない場合に、グルコース記録のデータに合計検査を行うことによって検出される)、前回のBG結果が所定の閾値よりも低いという警告906、前回のBG結果が第1の閾値よりも低い第2の所定の閾値よりも低いという警告908、前回のBG結果が第3の所定の閾値よりも高いという警告910、最近注入又は注射されたインスリン投与量がユーザーの身体内で依然として生理的に活性である可能性があるという警告912、食後のBG結果が食事に炭水化物が入っていたという理由で高くなっている可能性があるという警告914、就寝時としてフラグ付けされたBG結果がインスリン計算用に選択された時間枠と一致しないという警告916、及び糖尿病管理ユニットの現在時刻の内部クロックがインスリン計算用に選択された時間枠と一致しないという警告918を、含んでもよい。一実施形態において、メッセージ908に示されるように極端に低いグルコース濃度が存在する場合、インスリン電卓は非アクティブ化又はロックアウトされてもよい。しかしながら、メッセージ910に関し、極端に高いグルコース濃度が存在する場合には、インスリン電卓は非アクティブ化されない。一実施形態において、メッセージ914に示されるように、現在のグルコース測定が食後としてフラグ付けされた場合、インスリン電卓は非アクティブ化又はロックアウトされてもよい。食後のグルコース濃度は、食事中の炭水化物が理由でより高い場合があるので、ユーザーは、インスリン電卓では、食前のグルコース濃度を使用しなければならない。一実施形態において、インスリン電卓が最近約1時間〜約6時間以内に使用された場合又はグルコース測定が最近約1時間〜約6時間以内に食前としてフラグ付けされた場合、インスリン電卓を使用しているときにメッセージ912が表示される。メッセージ902、904、906、908、910、912、及び914の出力の根拠をなす論理の詳細は、2009年9月29に出願された米国仮特許出願第61/246,630号(代理人整理番号DDI−5190)、及び2010年1月22日に出願された同第61/297,573号(代理人整理番号LFS−5211)に提供されており、これら出願の全ては参照により本出願に組み込まれ、写しが本明細書の付録に添付される。
【0043】
ユーザーに通知されるメッセージ916では、図8に示される論理プロセス1000が用いられる。プロセス1000では、プロセッサ38は、論理演算子1002で、ユーザーがインスリン計算のために複数設定を予め選択したかを判定する。真の場合、プロセスは、プロセッサのクロックによって保存された現在時刻のシステムチェック1004に流れる。次に、論理は論理演算子1006に流れ、そこでプロセッサは、ユーザーがインスリン計算のために複数の時間枠のうちの1つ、例えば、現在時刻に含まれる夜の時間枠を選択したかどうかを判定する。操作がはいを返す場合、即ち、現在時刻が、選択された夜間の範囲内の場合には、プロセスは1008で終了する。一方、ユーザーが現在時刻と一致する時間枠を選択しなかった場合には、1010で、システムは、現在時刻が複数の時間枠のうちの1つに対応するかどうかを判定し、現在時刻が複数の時間枠のうちの1つ(この場合は夜間)を示しているが、その時間枠(例えば、夜の時間枠)が選択されていないという警告メッセージを提供する。
【0044】
ユーザーに通知されるメッセージ918では、図9に示される論理プロセス1100が用いられる。プロセス1100では、プロセッサ38は、論理演算子1002で、ユーザーがインスリン計算のために複数設定を予め選択したかを判定する。真の場合、プロセスは、プロセッサのクロックによって保存された現在時刻のシステムチェック1104に流れる。次に、論理は論理演算子1106に流れ、そこでプロセッサは、ユーザーがインスリン計算のために複数の時間枠のうちの1つ、例えば、現在時刻に含まれる夜の時間枠を選択したかどうかを判定する。操作1106がはいを返す場合、即ち、現在時刻が選択された夜間の範囲内の場合には、プロセスは1108で終了する。一方、ユーザーが、1106で、複数の時間枠から、糖尿病管理ユニットの現在時刻と一致する時間枠を選択しなかった場合には、現在の時間枠に関連するフラッグが作成されているかどうかを判定する質問が行われる。1110で操作が真の場合には、BG結果は所与の時間枠(例えば、就寝時)内であるとフラグ付けされているが、対応する時間枠(例えば、インスリン計算用の夜間)に関する設定は選択されていない又はインスリン計算用に選択された時間枠と一致しなかったことを示す警告メッセージが通知される。
【0045】
図6に戻って参照すると、メッセージの通知後、プロセスは画面810に進み、フィールド802、804又は806が選択されたかどうかに応じて、ユーザーは、インスリン計算のために特定のフィールド(802、804、又は806)が選択されたことを確認することができる。ユーザーが画面812を通って進むとき、システムは、インスリン計算のための複数設定が図4及び図5において予め選択されているかどうかを確認する。真の場合には、ユーザーにはメニュー画面816が提供され、ユーザーは適切な時間枠を選択し、画面818でレビューすることができる。ここで、ユーザーは、24時間の時間枠の中の少なくともある範囲の時間間隔(例えば、「朝」)を複数の時間枠のうちの1つとして設定してもよい。システム又はユーザーは、24時間の時間枠のうちの朝の期間816a、午後の期間816b、晩の期間816c、及び夜の期間816dに関する対応の時間間隔を画定することができる。好ましい実施形態において、朝の期間はおよそ5AM〜およそ11AMと事前に画定され、午後の期間はおよそ11AM〜およそ500PMと事前に画定され、夕方の期間はおよそ5PM〜およそ10PMと事前に画定され、夜の期間はおよそ10PM〜およそ500AMと事前に画定される。ユーザーが計算フィールド820を選択すると、システムは適切なインスリンボーラスを計算し、画面822に出力を提供する。
【0046】
操作中、図1Aのシステムは、最低限でも、グルコース試験ストリップと糖尿病管理ユニットとを含む。糖尿病管理ユニット10は、マイクロプロセッサ38に接続された試験ストリップポート22を有するハウジングを含んでもよい。ポート22は試験ストリップを受容するように構成され、マイクロプロセッサ38は試験ストリップポート22に電気的に接続されて、試験ストリップ24の上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供する。糖尿病管理ユニットは、マイクロプロセッサに接続された複数のユーザーインターフェースボタンも含む。マイクロプロセッサはまた、メモリに接続されて、(a)ユーザー(図3A、図3B、図6)が1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択できるようにし、(b)選択された時間枠内のユーザーのためのインスリンボーラスを計算し(図6)、(c)選択された時間枠を、マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較し(図8及び図9)、(d)計算のために選択された期間がクロックの現在の時間枠の範囲外の場合はユーザーに警告を通知するように、プログラムされる。
【0047】
本明細書に記載されるシステム及びプロセスを用いて、糖尿病管理ユニット10を使用したインスリン投与に対する安全機能を提供する方法も提供される。この方法は、1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択する工程(図3A)と、マイクロプロセッサを使用して、選択された時間枠内のユーザーのためのインスリンボーラスを計算する工程(図6)と、マイクロプロセッサを使用して、選択された時間枠を、マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較する工程(図8又は図9)と、計算のために選択された期間がクロックの現在の時間枠の範囲外の場合にはユーザーに警告を通知する工程(図8又は図9)と、を含んでもよい。前記方法は、グルコース測定を行い、測定値を1日の間の時間枠に関連するものとしてフラグ付けすること(図2A)を更に含んでもよい。前記方法は、複数の時間枠のそれぞれごとにインスリン対炭水化物比を指定することを更に含んでもよい。
【0048】
上述のように、本明細書に記載する様々なプロセスの工程を一般に実施するように、マイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、血糖値計、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。更に、本明細書に記載する様々な方法を用いて、例えば、C、C+、C++、C−Sharp、Visual Studio 6.0、Windows(登録商標) 2000 Server、及びSQL Server 2000などの既製のソフトウェア開発ツールを用いてソフトウェアコードを生成することができる。しかしながら、これらの方法は、こうした方法をコードするための新しいソフトウェア言語の必要条件及び入手可能性に応じて、他のソフトウェア言語に変換することもできる。更に、本明細書で述べた様々な方法は、適当なソフトウェアコードに一旦変換されれば、適当なマイクロプロセッサ又はコンピュータによって実行される際に、これらの方法において述べられた工程をあらゆる他の必要な工程とともに実行するように動作する、任意のコンピュータ読みだし可能な記憶媒体として実施することができる。
【0049】
本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上述の方法及び工程が特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、当業者には特定の工程の順序が変更可能であり、そうした変更は本発明の変形例に従うものである点が認識されよう。更に、こうした工程のうちのあるものは、上述のように順次行われるが、場合に応じて並行したプロセスで同時に行われてもよい。したがって、開示の趣旨及び本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ、ディスプレイ、クロック、及びユーザーインターフェースに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用してユーザーのインスリン投与の際の安全機能を提供する方法であって、前記方法が、
1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から前記1日のうちのある時間枠を選択する工程と、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記選択された時間枠内の前記ユーザーのためのインスリンボーラスを計算する工程と、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記選択された時間枠を、前記マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較する工程と、
前記計算のために選択された時間枠が前記クロックの前記現在の時間枠の範囲外の場合は、前記ユーザーに警告を通知する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
グルコース測定を行い、測定値を前記1日の間の時間枠に関連するものとしてフラグ付けすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
24時間の時間枠内の少なくともある範囲の時間間隔を、前記複数の時間枠のうちの1つとして設定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記設定することが、24時間の時間枠のうちの朝の期間、午後の期間、晩の期間、及び夜の期間に関する対応する時間間隔を画定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記朝の期間がおよそ5am〜およそ11amと事前に画定され、前記午後の期間がおよそ11am〜およそ500pmと事前に画定され、前記晩の期間がおよそ5pm〜およそ10pmと事前に画定され、前記夜の期間がおよそ10pm〜およそ500amと事前に画定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとにインスリン対炭水化物比を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれに、約1単位:約50gを包含する初期インスリン対炭水化物比を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記指定することが、前記インスリン対炭水化物比の定義を通知することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとにインスリン感受性値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、約1単位:1デシリットル当たり約150mgを包含する初期インスリン感受性値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記指定することが、前記インスリン感受性値の画定を通知することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに目標血糖値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、1デシリットル当たり約240mgを包含する初期目標血糖値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記指定することが、前記目標血糖値の画定を通知することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、インスリン対炭水化物比、インスリン感受性係数値、及び目標血糖値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記通知することが、前記マイクロプロセッサの現在時刻が前記選択された時間枠の範囲外であるという文字情報を前記ディスプレイに表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記通知することが、前記フラグ付けが選択された時間枠と一致しないという文字情報を前記ディスプレイに表示することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記選択することが、前記複数の時間枠を予め設定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
糖尿病管理システムにおいて、
グルコース試験ストリップと、
糖尿病管理ユニットと、を含み、前記糖尿病管理ユニットが、
前記グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを有するハウジングと、
複数のユーザーインターフェースボタンと、
前記試験ストリップポートに接続されて、前記試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するマイクロプロセッサと、を含み、前記マイクロプロセッサは、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続され、前記マイクロプロセッサは、
(a)ユーザーが1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択できるようにし、
(b)前記選択された時間枠内の前記ユーザーのためのインスリンボーラスを計算し、
(c)前記選択された時間枠を、前記マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較し、及び
(d)前記計算のために選択された時間枠が前記クロックの前記現在の時間枠の範囲外の場合は前記ユーザーに警告を通知する、ようにプログラムされる、糖尿病管理システム。
【請求項20】
前記管理ユニットが、24時間の時間枠のうちの朝の期間、午後の期間、晩の期間、及び夜の期間に関する対応の時間間隔を画定するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記朝の期間がおよそ5am〜およそ11amと事前に画定され、前記午後の期間がおよそ11am〜およそ500pmと事前に画定され、前記晩の期間がおよそ5pm〜およそ10pmと事前に画定され、前記夜の期間がおよそ10pm〜およそ500amと事前に画定される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとのインスリン対炭水化物比、及び前記複数の時間枠のそれぞれごとのインスリン感受性値を指定するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、約1単位:約50gを包含する初期インスリン対炭水化物比を指定し、前記インスリン対炭水化物比の定義を通知するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、約1単位:1デシリットル当たり約150mgを包含する初期インスリン感受性値を指定するようにプログラムされる、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに目標血糖値を指定するように前記ユーザーによってプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、1デシリットル当たり約240mgを包含する初期目標血糖値を指定するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、インスリン対炭水化物比、インスリン感受性係数値、及び目標血糖値を指定するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項28】
前記マイクロプロセッサが、前記マイクロプロセッサの現在時刻が前記選択された時間枠の範囲外であるという文字情報を前記ディスプレイに表示するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
前記マイクロプロセッサが、前記フラグ付けが選択された時間枠と一致しないという文字情報を前記ディスプレイに表示するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項1】
メモリ、ディスプレイ、クロック、及びユーザーインターフェースに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用してユーザーのインスリン投与の際の安全機能を提供する方法であって、前記方法が、
1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から前記1日のうちのある時間枠を選択する工程と、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記選択された時間枠内の前記ユーザーのためのインスリンボーラスを計算する工程と、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記選択された時間枠を、前記マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較する工程と、
前記計算のために選択された時間枠が前記クロックの前記現在の時間枠の範囲外の場合は、前記ユーザーに警告を通知する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
グルコース測定を行い、測定値を前記1日の間の時間枠に関連するものとしてフラグ付けすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
24時間の時間枠内の少なくともある範囲の時間間隔を、前記複数の時間枠のうちの1つとして設定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記設定することが、24時間の時間枠のうちの朝の期間、午後の期間、晩の期間、及び夜の期間に関する対応する時間間隔を画定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記朝の期間がおよそ5am〜およそ11amと事前に画定され、前記午後の期間がおよそ11am〜およそ500pmと事前に画定され、前記晩の期間がおよそ5pm〜およそ10pmと事前に画定され、前記夜の期間がおよそ10pm〜およそ500amと事前に画定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとにインスリン対炭水化物比を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれに、約1単位:約50gを包含する初期インスリン対炭水化物比を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記指定することが、前記インスリン対炭水化物比の定義を通知することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとにインスリン感受性値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、約1単位:1デシリットル当たり約150mgを包含する初期インスリン感受性値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記指定することが、前記インスリン感受性値の画定を通知することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに目標血糖値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、1デシリットル当たり約240mgを包含する初期目標血糖値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記指定することが、前記目標血糖値の画定を通知することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記計算することが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、インスリン対炭水化物比、インスリン感受性係数値、及び目標血糖値を指定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記通知することが、前記マイクロプロセッサの現在時刻が前記選択された時間枠の範囲外であるという文字情報を前記ディスプレイに表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記通知することが、前記フラグ付けが選択された時間枠と一致しないという文字情報を前記ディスプレイに表示することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記選択することが、前記複数の時間枠を予め設定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
糖尿病管理システムにおいて、
グルコース試験ストリップと、
糖尿病管理ユニットと、を含み、前記糖尿病管理ユニットが、
前記グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを有するハウジングと、
複数のユーザーインターフェースボタンと、
前記試験ストリップポートに接続されて、前記試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するマイクロプロセッサと、を含み、前記マイクロプロセッサは、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続され、前記マイクロプロセッサは、
(a)ユーザーが1日のうちのインスリンボーラス投与のための複数の時間枠から1日のうちのある時間枠を選択できるようにし、
(b)前記選択された時間枠内の前記ユーザーのためのインスリンボーラスを計算し、
(c)前記選択された時間枠を、前記マイクロプロセッサのクロックによって維持されている現在の時間枠と比較し、及び
(d)前記計算のために選択された時間枠が前記クロックの前記現在の時間枠の範囲外の場合は前記ユーザーに警告を通知する、ようにプログラムされる、糖尿病管理システム。
【請求項20】
前記管理ユニットが、24時間の時間枠のうちの朝の期間、午後の期間、晩の期間、及び夜の期間に関する対応の時間間隔を画定するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記朝の期間がおよそ5am〜およそ11amと事前に画定され、前記午後の期間がおよそ11am〜およそ500pmと事前に画定され、前記晩の期間がおよそ5pm〜およそ10pmと事前に画定され、前記夜の期間がおよそ10pm〜およそ500amと事前に画定される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとのインスリン対炭水化物比、及び前記複数の時間枠のそれぞれごとのインスリン感受性値を指定するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、約1単位:約50gを包含する初期インスリン対炭水化物比を指定し、前記インスリン対炭水化物比の定義を通知するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、約1単位:1デシリットル当たり約150mgを包含する初期インスリン感受性値を指定するようにプログラムされる、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに目標血糖値を指定するように前記ユーザーによってプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、1デシリットル当たり約240mgを包含する初期目標血糖値を指定するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記マイクロプロセッサが、前記複数の時間枠のそれぞれごとに、インスリン対炭水化物比、インスリン感受性係数値、及び目標血糖値を指定するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項28】
前記マイクロプロセッサが、前記マイクロプロセッサの現在時刻が前記選択された時間枠の範囲外であるという文字情報を前記ディスプレイに表示するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
前記マイクロプロセッサが、前記フラグ付けが選択された時間枠と一致しないという文字情報を前記ディスプレイに表示するようにプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−520279(P2013−520279A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554980(P2012−554980)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040440
【国際公開番号】WO2011/106030
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(502328710)ライフスキャン・スコットランド・リミテッド (70)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040440
【国際公開番号】WO2011/106030
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(502328710)ライフスキャン・スコットランド・リミテッド (70)
【Fターム(参考)】
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