インタラクションデータ表示装置、処理装置及び表示方法
【課題】組織を形成するメンバの対面状態と活動に関するセンシングを常時、大量に行い、それらのセンシングデータに基づいてインタラクションを分析・評価するためのシステムを実現する。
【解決手段】インタラクションデータは、端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、インタラクションデータ表示装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記インタラクションデータを表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示する。
【解決手段】インタラクションデータは、端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、インタラクションデータ表示装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記インタラクションデータを表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書で開示される技術は、センサ端末を身に着けた人物間のインタラクションデータを表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
あらゆる組織において生産性の向上は必須の課題となっており、職場環境の改善や、業務の効率化のために多くの試行錯誤がなされている。工場などの組立や搬送を業務とする組織に限定した場合には、部品や製品の移動経路を追跡することでその成果を客観的に分析することができる。しかし事務や営業・企画などの業務を行う組織に関しては、モノと業務が直結していないため、モノを観測することで組織を評価することはできない。そもそも組織を形成する理由とは、複数の人間が力を合わせることによって個人ではできない大掛かりな業務を達成するためであり、そのためにはどのような組織においても人と人とのインタラクションは不可欠である。よって、インタラクションを解析することで、生産性の向上のための組織分析と評価が可能になると考えられる。
【0003】
組織におけるインタラクションの分析の例としては、特許文献1が知られている。特許文献1は、メーリングリストにおける発言データやヘッダ情報などのログ情報を、特定のイベントや話題と関連付けて分析する方法を提示している。
【0004】
また、インタラクションの検出の例としては、特許文献2が存在する。特許文献2によれば、人物に装着した赤外線タグと赤外線画像の撮影によってインタラクションにインデックスが付与される。さらに、画像内の赤外線タグの位置関係に基づいて、人と人が向かい合っている状態及び同じエリアに存在している状態が検出される。
【0005】
特許文献3には、無線タグを用いて人間の友好関係を把握する技術が開示されている。具体的には、人間に装着された無線タグの位置が読取機によって検出され、その位置の軌跡が記録される。その軌跡に基づいて、人間の友好関係が把握される。
【0006】
特許文献4には、格納されたインタラクションデータから抽出されたパターンと、分析対象であるインタラクションデータから抽出されたパターンとを比較することによって、パターンの「特異さ」を取得し、その「特異さ」に基づいて、インタラクションデータの特徴的パターンを抽出する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−85347号公報
【特許文献2】特開2004−355308号公報
【特許文献3】特開2005−327156号公報
【特許文献4】特開2006−228150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、組織における業務の多くが電子メールやメッセンジャーなどのITツールを介して賄われるようになったため、それらの記録を分析することによって組織の状況を評価することができると考えられていた。しかしながらITツールが普及し日常的に利用するようになった現在では、実際に意思決定や交渉など組織を動かすための決断はface−to−faceのインタラクションで行うことが最も効果的であることが体験的に明白になってきた。インタラクションをface−to−faceで行うことによる最大のメリットは、対面している人物と人物が場を共有し、人間の有する全ての感覚器によって互いの反応を検知しながら臨機応変に対応を選択することができる点である。よって、インタラクションが行われる場においては相互の活動にも何らかの関連が現れるはずであり、活動をセンシングすることによって、インタラクションにおける相互の人物の活発さ、与える影響の大きさ、協調性などの意思決定意や交渉に繋がる事項を解釈できるようになる。またさらに、センシングしたインタラクションから組織規模での適切な分析・評価を行うためには、統計的に扱うことのできるデータを複数メンバに関して常時取得することが必要である。
【0008】
しかし、上記特許文献1から4には、組織を形成するメンバの対面状態を示すデータと、それ以外の活動を示すデータとを対応付けることによって、インタラクションの分析及び評価をし易いようにそれらのデータを表示する技術が開示されていなかった。
【0009】
よって本発明では、組織を形成するメンバの対面状態と活動に関するセンシングを常時、大量に行い、それらのセンシングデータからインタラクションの分析・評価を行うためのシステムを実現することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願で開示する代表的な発明は、端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示装置であって、前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、前記インタラクションデータ表示装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記インタラクションデータを表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、対面に関するセンシングデータと位置以外の活動に関するセンシングデータとを時刻情報に基づいて対応付けて表示することよって、インタラクションの状況に関して対面と活動の両面を合わせて容易に解析することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
対象になる人物が装着したセンサ端末から、その人物の活動に関するデータ、及び、その人物と他の人物との対面に関するデータを取得し、それらを対応付けて表示することで、人物間のインタラクションの状況について多様な分析を行うための表示システムを実現した。
【0013】
最初に、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
第1の実施の形態では、無線送受信器を有するセンサ端末を組織の各メンバが装着し、その端末によって各メンバの行動及びメンバ間の交流(インタラクション)に関するデータを取得する。取得したデータは無線によって基地局に送信され、さらにストレージサーバに格納される。データの表示を作成する際には、クライアントからアプリケーションサーバに依頼を出し、必要なデータがストレージサーバから取り出され、アプリケーションサーバにおいて処理された後にクライアントに戻される。そのデータをクライアントでプロットし、表示される。この一連のインタラクションデータ処理システムを実現した。
【0015】
第1の実施の形態で作成した表示では、複数のメンバの、複数の日付に関する、対面検出データと加速度データを対応付けて表示した。メンバ毎に1つの領域を作成し、その左側に対面検出データを、右側に加速度データを、それぞれ横軸を時間軸として同じ幅でグラフを作成した。さらにその中で同じ日時のデータが同じ高さに並ぶように配置した。このメンバ別の各領域を上下に積み重ねることで、一人のメンバにおける同時刻の対面検出と行動の対比、インタラクション前後の各メンバの行動の対比、日時別の比較、時間帯別の比較といった、インタラクションに関する多様な視点からの分析を可能にした。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態における、インタラクションデータを取得する端末から、取得したデータを表示するアプリケーションまでを含むシステム全体の構成の説明図である。
【0017】
端末(TR)は、小型端末であり、センシングの対象となる人物によって装着される。以下、端末(TR)の構成を説明する。図1には、さらに、端末2(TR2)から端末7(TR7)までの6個の端末が図示されている。これらの端末に関する説明は、端末(TR)と同様であるため、省略する。このため、以下の説明は、端末(TR)を端末2(TR2)から端末7(TR7)までの任意のものに置き換えても成立する。なお、同様の端末が任意の数存在する場合にも、本発明を適用することができる。
【0018】
端末(TR)には赤外線送受信器(TRIR)が搭載されている。端末(TR)間で赤外線をやり取りすることによって、その端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かが検出される。このため、端末(TR)は、人物の正面部に装着されることが望ましい。例えば、端末(TR)を名札型にし、紐によって人物の首からぶら下げてもよい。端末(TR)が人物の正面部に装着された場合、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したことは、それらの端末(TR)を装着した人物が対面したことを意味する。
【0019】
なお、以下、端末(TR)が赤外線信号をやり取りすることによって、その端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かを判別する例を記載する。しかし、実際には、赤外線信号以外の無線信号をやり取りすることによって、対面の有無が判別されてもよい。
【0020】
また端末(TR)は、送信・受信部(TRSR)、センシング部(TRSE)、入出力部(TRIO)、制御部(TRCO)、記録部(TRME)によって構成されており、センシング部(TRSE)にてセンシングされたデータを送信・受信部(TRSR)を介して基地局(BA)に送信する。
【0021】
送信・受信部(TRSR)は、基地局(BA)との間でデータを送信及び受信する。例えば、送信・受信部(TRSR)は、基地局(BA)から送られてきた制御コマンドに応じてセンシングデータ送信してもよいし、定期的にセンシングデータを送信してもよいし、センシングデータを取得した時に直ちにそのセンシングデータを送信してもよい。さらに、送信・受信部(TRSR)は、基地局(BA)から送られる制御コマンドを受信してもよい。受信した制御コマンドに従って、端末(TR)に関する制御情報の変更、又は、入出力部(TRIO)内の出力デバイスへの出力が実行される。また、送信・受信部(TRSR)は、入出力部(TRIO)内の入力デバイスによって選択された事項を、制御コマンドとして基地局(BA)へ送信する。
【0022】
センシング部(TRSE)は、端末(TR)の状態を示す物理量をセンシングする。具体的には、センシング部(TRSE)は、種々の物理量をセンシングする一つ以上のセンサを備える。例えば、センシング部(TRSE)は、センシングに用いるセンサとして、赤外線センサ(TRIR)、温度センサ(TRTE)、マイクロホン(TRMI)、加速度センサ(TRAC)及び照度センサ(TRIL)を備える。
【0023】
赤外線センサ(TRIR)は、他の端末(TR)から送信された赤外線信号をセンシングする。後述するように、センシングされた赤外線の情報は、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かを判定するために使用される。
【0024】
加速度センサ(TRAC)は、X、Y及びZ軸方向の加速度をセンシングする。後述するように、センシングされた加速度の情報は、端末(TR)を装着した人物の行動(例えば、歩行又は静止等)を判断するために使用される。
【0025】
マイクロホン(TRMI)は、音声をセンシングする。センシングされた音声の情報は、例えば、端末(TR)を装着した人物が会話しているか否かを判別するために使用されてもよい。
【0026】
温度センサ(TRTE)及び照度センサ(TRIL)は、それぞれ、温度及び照度をセンシングする。センシングされた温度及び照度の情報は、例えば、端末(TR)が置かれている環境を判断するために使用されてもよい。
【0027】
センシング部(TRSE)は、上記のセンサの任意の一つ以上を備えてもよいし、他の種類のセンサを備えてもよい。さらに、センシング部(TRSE)は、外部入力(TROU)を用いることによって、新たにセンサを追加することもできる。
【0028】
なお、既に説明したように、端末(TR)は、赤外線信号以外の無線信号をやり取りすることによって対面の有無を判別してもよい。その場合、センシング部(TRSE)は、赤外線センサ(TRIR)以外の無線信号受信機を備えてもよい。あるいは、外部入力(TROU)に赤外線センサ(TRIR)以外の無線信号受信機が接続されてもよい。
【0029】
入出力部(TRIO)は、ボタン等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の出力デバイスとを備え、対象となる人物が所望する情報の取得及びセンシングデータの表示を行う。入出力部(TRIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0030】
制御部(TRCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記録部(TRME)に格納されているプログラムを実行することによって、センサ情報の取得タイミング、センサ情報の解析、及び、基地局(BA)への送受信のタイミングが制御される。
【0031】
記録部(TRME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、プログラム及びセンシングデータを格納する。さらに、記録部(TRME)は、データ形式(TRDF)及び内部情報部(TRIN)を含む。
【0032】
データ形式(TRDF)は、各センサから取得したデータ及び時刻情報を送信する際に、それらのデータをまとめる形式を指定する。
【0033】
内部情報部(TRIN)は、端末(TR)に関する情報を格納する。端末(TR)に関する情報は、例えば、バッテリ残量(TRBA)、時計(TRTI)(すなわち時刻情報)及び端末情報(TRTR)である。
【0034】
バッテリ残量(TRBA)には、端末(TR)の電源の残量が記録される。時計(TRTI)には、端末(TR)が内蔵するタイマで計測された現在の時刻が格納される。現在の時刻は、定期的に基地局(BA)から送信されたものに基づいて修正される。端末情報(TRTR)は、端末(TR)を識別するために使用される端末固有の情報であり、固有IDとも呼ばれる。
【0035】
基地局(BA)は、情報を取得したいエリアに設置され、そのエリア内にある端末(TR)から無線によって送信されてくるセンシングデータを受信し、受信したセンシングデータをネットワーク(LA)を介してストレージサーバ(SS)へ送信する。基地局(BA)は、送信・受信部(BASR)、制御部(BACO)、入出力部(BAIO)、記録部(BAME)及び内部情報部(BAIN)を備える。
【0036】
送信・受信部(BASR)は、端末(TR)との間でデータを送信及び受信する。例えば、送信・受信部(BASR)は、端末(TR)に対して制御コマンドを送信してもよいし、定期的にセンシングデータを端末(TR)から受信してもよいし、端末(TR)がセンシングデータを受信したら直ちに端末(TR)からそのセンシングデータを受信してもよい。さらに、送信・受信部(BASR)は、端末(TR)から送られてきた制御コマンドに従って、ストレージサーバ(SS)へ要求を送信し、その要求に応じてストレージサーバ(SS)から取得したデータを端末(TR)へ送信してもよい。また、送信・受信部(BASR)は、入出力部(BAIO)における入力デバイスによって選択された事項を、制御コマンドとして端末(TR)やストレージサーバ(SS)に送信してもよい。逆に、送信・受信部(BASR)は、ストレージサーバ(SS)又は端末(TR)から送られてきた制御コマンドを受信してもよい。受信した制御コマンドに従って出力デバイスの表示が変更される。
【0037】
制御部(BACO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記録部(BAME)に格納されているプログラムを実行することによって、センサ情報の取得タイミング、センサ情報の解析、及び、端末(TR)又はストレージサーバ(SS)への送受信のタイミングが制御される。
【0038】
入出力部(BAIO)は、ボタン又はキーボード等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の出力デバイスとを備え、対象となるエリア内の状況等の情報及びセンシングデータを表示する。入出力部(BAIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0039】
記録部(BAME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、プログラム及びセンシングデータを格納する。さらに、記録部(BAME)は、データ形式(BADF)及び内部情報部(BAIN)を含む。
【0040】
データ形式(BADF)は、端末(TR)から受信したデータ及び時刻情報の形式であり、この形式に基づいてデータが各要素に判別される。
【0041】
内部情報部(BAIN)は、基地局(BA)に関する情報を格納する。基地局(BA)に関する情報は、例えば、時計(BATI)(すなわち時刻情報)、及び、基地局固有の情報である基地局情報(BABA)である。
【0042】
ネットワーク(LA)は、基地局(BA)、ストレージサーバ(SS)、アプリケーションサーバ(AS)及びクライアント(CL)を接続するネットワークである。ネットワーク(LA)は、Local Area Network(LAN)、Wide Area Network(WAN)又はその他の任意のネットワークであってよい。
【0043】
ストレージサーバ(SS)は、基地局(BA)から送られてくるセンシングデータを格納し、また、アプリケーションサーバ(AS)からの要求に基づいてセンシングデータを送信する。また、ストレージサーバ(SS)は、基地局(BA)からの制御コマンドを受信し、その制御コマンドによって得られた結果を基地局(BA)に送信する。
【0044】
ストレージサーバ(SS)は、データベース部(SSDB)、制御部(SSCO)、送信・受信部(SSSR)、入出力部(SSIO)、記録部(SSME)を備える。
【0045】
データベース部(SSDB)は、端末(TR)から基地局(BA)を介して送られてきたセンシングデータを格納する。さらに、データベース部(SSDB)は、基地局(BA)からの制御コマンドに対する対処方法を格納する。データベース部(SSDB)は、後述する記録部(SSME)が備えるハードディスク(図示省略)等に格納されてもよい。
【0046】
制御部(SSCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記録部(SSME)に格納されているプログラムを実行することによって、データベース部(SSDB)の管理、及び、アプリケーションサーバ(AS)及び基地局(BA)から送信される情報の処理を行う。
【0047】
送信・受信部(SSSR)は、基地局(BA)及びアプリケーションサーバ(AS)へのデータの送信、及び、それらからのデータの受信を行う。具体的には、送信・受信部(SSSR)は、基地局(TR)から送られてきたセンシングデータを受信し、アプリケーションサーバ(AS)へセンシングデータを送信する。また、送信・受信部(SSSR)は、基地局(BA)から制御コマンドを受信した場合、データベース部(SSDB)から選択した結果を基地局(BA)に送信する。
【0048】
入出力部(SSIO)は、ボタン又はキーボード等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の出力デバイスとを備え、対象となるエリア内の状況等の情報及びセンシングデータを表示する。入出力部(SSIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0049】
記録部(SSME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、プログラム及びセンシングデータを格納する。さらに、記録部(SSME)は、データ形式(SSDF)を含む。
【0050】
データ形式(SSDF)は、基地局(BA)から受信したデータ及び時刻情報の形式であり、この形式に基づいてデータが各要素に判別され、データベース部(SSDB)の適切な要素に振り分けられる。
【0051】
アプリケーションサーバ(AS)は、ストレージサーバ(SS)に格納されているセンシングデータの処理を行う計算機である。アプリケーションサーバ(AS)は、データ処理部(ASDP)、制御部(ASCO)、記録部(ASME)、送信・受信部(ASSR)、入出力部(ASIO)及びデータベース部(ASDB)を備える。なお、アプリケーションサーバ(AS)は、クライアント(CL)が兼ねても、ストレージサーバ(SS)が兼ねてもよい。
【0052】
データ処理部(ASDP)は、センシングデータを処理し、表示に適した形に整える。データ処理部(ASDP)は、単位変換(ASMC)及び対面判別(ASFD)を実行する。変形例として他の処理が追加される場合、それらの処理は、データ処理部(ASDP)によって実行される。データ処理部(ASDP)は、処理したデータをデータベース部(ASDB)に一時的に格納する。
【0053】
データ処理部(ASDP)は、例えば、記録部(ASME)に格納されたプログラムを制御部(ASCO)のCPUが実行することによって実現されてもよい。その場合、単位変換(ASMC)及び対面判別(ASFD)等の処理(図9参照)は、実際には、制御部(ASCO)のCPUによって実行される。
【0054】
制御部(ASCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記録部(ASME)に格納されているプログラムを実行し、ストレージサーバ(SS)へのデータ取得依頼、データ処理の実行、及び、実行結果の管理等の処理を行う。
【0055】
記録部(ASME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、プログラム、センシングデータ、及び、データ処理部(ASDP)による処理結果を格納する。さらに、記録部(ASME)は、対面閾値(ASME_IRT)及び加速度単位変換式(ASME_ACC)等、処理の基準となる値を一時的に記録する。これらの値は、データの種類及び処理の種類に応じて随時追加・削除・変更することができる。
【0056】
送信・受信部(ASSR)は、ストレージサーバ(SS)からセンシングデータを受信し、クライアント(CL)からの処理結果要求に基づくデータ送信を行う。
【0057】
入出力部(ASIO)は、ボタン又はキーボード等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の出力デバイスとを備え、対象となるエリア内の状況等の情報及びセンシングデータを表示することができる。入出力部(ASIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0058】
データベース部(ASDB)は、データ処理部(ASDP)によって処理された結果を一時的に格納する。データベース部(ASDB)は、加速度データ用のテーブル(ASDB_ACC)、及び、赤外線データ用のテーブル(ASDB_IR)を含む。データの種類又は処理の種類に応じて、任意のテーブルを随時追加・削除・変更することができる。データベース部(ASDB)は、記録部(ASME)が備えるハードディスク(図示省略)等に格納されてもよい。
【0059】
クライアント(CL)は、ユーザからの依頼に基づいてデータ処理要求をアプリケーションサーバ(AS)に送信し、その処理結果をアプリケーションサーバ(AS)から受信し、受信した処理結果を画面に表示する。クライアント(CL)は、アプリケーション部(CLAP)、送信・受信部(CLSR)、入出力部(CLIO)、記録部(CLME)及び制御部(CLCO)を備える。
【0060】
アプリケーション部(CLAP)は、ユーザからの要求に基づいて、アプリケーションサーバ(AS)から受信したデータを加工し、画面を作成し、作成された画面を入出力部(CLIO)の出力デバイスに表示することによってユーザに提供する。アプリケーション部(CLAP)は、操作(CLOP)、加工(CLPR)及び画面(CLSC)から構成されている。
【0061】
アプリケーション部(CLAP)は、例えば、記録部(CLME)に格納されたプログラムを制御部(CLCO)のCPUが実行することによって実現されてもよい。その場合、操作(CLOP)、加工(CLPR)及び画面(CLSC)等の処理は、実際には、制御部(CLCO)のCPUによって実行される。
【0062】
送信・受信部(CLSR)は、ユーザが指定した範囲のセンシングデータ(インタラクションデータ)の処理結果を送信させる要求をアプリケーションサーバ(AS)に対して送信し、その処理結果(すなわち、アプリケーションサーバ(AS)によって処理されたセンシングデータ)を受信する。
【0063】
入出力部(CLIO)は、ボタンやキーボードなどの入力デバイスと出力デバイス(例えば、液晶ディスプレイのような画像表示装置)とを備え、対象となるエリア内の状況等の情報及びセンシングデータを表示する。入出力部(CLIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0064】
記録部(CLME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、メインプログラム、センシングデータ、及び、アプリケーション部(CLAP)による処理結果を格納する。さらに、記録部(CLME)は、メンバ属性情報(CLMI)を格納する。また、記録部(CLME)は、初期条件設定(CLIS)及び描画領域設定(CLTS)に、設定された条件を記録する。
【0065】
メンバ属性情報(CLMI)は、端末情報(TRTR)と、その持ち主のメンバの氏名、所属などの属性とを照らし合わせるための情報を記録したものである。
【0066】
制御部(CLCO)は、記録部(CLME)に格納されているプログラムを実行するCPU(図示省略)を備える。
【0067】
図2は、本発明の第1の実施の形態が実際に利用される場面の例を示す説明図である。
【0068】
ユーザ(US)は、クライアント(CL)を操作することによって、インタラクションに関する表示を受信する。
【0069】
画面(CLSC)は、クライアント(CL)上のアプリケーション部(CLAP)によって出力されている画面である。クライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)は、ネットワーク(LA)を経由してアプリケーションサーバ(AS)に接続し、データベース部(ASDB)に格納されているデータ処理結果情報を受信する。受信した情報は、アプリケーションサーバ(AS)によって処理されたセンシングデータを含む。アプリケーション部(CLAP)は、受信した情報を加工(CLPR)することによって、画面(CLSC)を作成する。
【0070】
アプリケーションサーバ(AS)は、ネットワーク(LA)を経由してストレージサーバ(SS)に接続し、データベース部(SSDB)に格納されているセンシングデータを受信する。また、アプリケーションサーバ(AS)は、ネットワーク(LA)を経由してクライアント(CL)に接続し、データベース部(ASDB)に格納されているセンシングデータを送信する。
【0071】
ストレージサーバ(SS)は、ネットワーク(LA)を経由して基地局(BA)に接続し、センシングデータを受信する。基地局(BA)は、ネットワーク(LA)を経由してストレージサーバ(SS)にセンシングデータを送信する。
【0072】
基地局(BA)は、送信・受信部(BASR)を経由して端末(TR)からセンシングデータを受信する。
【0073】
端末(TR)は、人物に装着され、センシング部(TRSE)によってセンシングデータを取得する。図2の例では、基地局(BA)が通信可能なエリア内に、端末2(TR2)から端末7(TR7)が存在する。端末2(TR2)から端末7(TR7)のそれぞれは、各人物に装着され、端末(TR)と同様、センシング部(図示省略)によってセンシングデータを取得する。端末(TR)及び端末2(TR2)から端末7(TR7)は、取得したセンシングデータを、送信・受信部(TRSR)を用いて基地局(BA)に送信する。端末(TR)及び端末2(TR2)から端末7(TR7)によって送信されたセンシングデータには、そのデータを取得した端末(TR)及び端末2(TR2)から端末7(TR7)を識別する情報が含まれる。
【0074】
図3は、本発明の第1の実施の形態において、センシングデータが端末(TR)からユーザ(US)に提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【0075】
端末(TR)は、センシング部(TRSE)によってセンシングされたセンシングデータを取得する(TRGE)。次に、端末(TR)は、取得したセンシングデータに端末(TR)内の時計(TRTI)から取得した時刻情報を添付する(TRAD)。次に、端末(TR)は、時刻情報が添付されたセンシングデータを送信用データ形式に統一し(TRDF)、そのデータを基地局(BA)に送信する(TRSE)。
【0076】
基地局(BA)は、端末(TR)からセンシングデータを受信し(BARE)、そのデータの形式をデータ形式(BADF)に基づいて判断する(BADF)。次に、基地局(BA)は、受信したセンシングデータの、データ形式(BADF)によって指定された位置に、基地局情報(BABA)を付与する(BAAD)。次に、基地局(BA)は、基地局情報(BABA)が付与されたセンシングデータをストレージサーバ(SS)に送信する(BASE)。
【0077】
ストレージサーバ(SS)は、基地局(BA)からセンシングデータを受信し(SSRE)、そのデータの形式をデータ形式(SSDF)に基づいて判断する(SSDF)。次に、ストレージサーバ(SS)は、データの種類を分類し(SSDE)、その分類に基づいて、ストレージサーバ(SS)内データベース(SSDB)の適切な項目に受信したセンシングデータを格納する(SSPU)。
【0078】
クライアント(CL)は、ユーザ(US)によるアプリケーション起動によって、アプリケーションサーバ(AS)に対してデータ処理結果を要求する。アプリケーションサーバ(AS)は、ストレージサーバ(SS)に対してセンシングデータの送信を要求し、送信されてきたセンシングデータを処理し、その結果をアプリケーションサーバ(AS)内のデータベース(ASDB)に格納する。その後、クライアント(CL)は、受信した処理結果をユーザが所望する情報へ加工し、加工された情報に基づいて表示画面を生成し、生成された表示画面を入出力部(CLIO)の出力デバイス(例えば、CRT又は液晶画面のような画像表示装置)へ出力する。ユーザ(US)は、クライアント(CL)の画像表示装置に表示される図表(例えば、後述する図4A参照)を閲覧する。
【0079】
センシングデータの取得(TRGE)については、サンプリング周期、取得時間などセンシングデータを取得するために必要な情報が記録部(TRME)に記載されており、この情報を基にして端末(TR)内のセンシング部(TRSE)がセンシングを行う。さらに、端末(TR)は、センシングされたデータを記録部(TRME)に記録する。
【0080】
時刻添付(TRAD)において、端末(TR)は、センシングしたデータの取得時刻として、時計(TRTI)の時刻をセンシングデータと共に記録する。データ形式(TRAD)において、端末(TR)は、送信用データ形式にデータを統一する。
【0081】
データ送信(TRSE)において、端末(TR)は、センシングデータの取得(TRGE)によってセンシングしたセンシングデータを、送信・受信部(TRSR)を経由し基地局(BA)に送信する。より詳細には、端末(TR)は、記録部(TRME)に記録されているセンシングデータを記録部(TRME)に格納されている基地局(TR)用の送信フォーマットを用いて制御部(TRCO)によって変換する。そして、端末(TR)は、送信フォーマットに変換されたセンシングデータを送信・受信部(TRSR)を経由して基地局(BA)に送信する。
【0082】
データ受信(BARE)において、基地局(BA)は、端末(TR)から基地局(BA)用の送信フォーマットで送信・受信部(TRSR)から送信されたセンシングデータを送信・受信部(BASR)によって受信する。受信したセンシングデータは記録部(BAME)に格納される。
【0083】
データ形式判断(BADF)において、基地局(BA)は、取得したデータの形式を記録部(BAME)のデータ形式(BADF)と比較してデータの形式を判断する。さらに、基地局(BA)は、基地局情報付与(BAAD)において、データ形式(BADF)が示す適切な位置に基地局情報(BABA)を追加する。
【0084】
データ送信(BASE)において、基地局(BA)は、記録部(BAME)に格納されたセンシングデータを、送信・受信部(BASR)を経由してストレージサーバ(SS)に送信する。より詳細には、基地局(BA)の制御部(BACO)は、記録部(BAME)に記録されているセンシングデータを記録部(BAME)に格納されているストレージサーバ(SS)用の送信フォーマットに変換する。そして、基地局(BA)は、送信フォーマットに変換されたセンシングデータを送信・受信部(BASR)を経由してストレージサーバ(SS)に送信する。
【0085】
データ受信(SSRE)において、ストレージサーバ(SS)の送信・受信部(SSSR)は、基地局(BA)の送信・受信部(BASR)からストレージサーバ(SS)用の送信フォーマットで送信されたセンシングデータを受信する。受信したセンシングデータは記録部(SSME)に格納される。
【0086】
データ形式判断(SSDF)において、ストレージサーバ(SS)は、取得したデータの形式を記録部(SSME)のデータ形式(SSDF)と比較することによって、データの形式を判断する。さらに、データ分類(SSDE)において、ストレージサーバ(SS)は、各データを要素ごとに切り分ける。
【0087】
データ格納(SSPU)において、ストレージサーバ(SS)の制御部(SSCO)は、センシングデータをデータベース部(SSDB)のフォーマットに変換する。変換されたセンシングデータは、データベース部(SSDB)に格納される。データベース部(SSDB)への格納方法は、後で検索する際に有効なクエリとして用いることが好ましい。有効なクエリとしては、例えば、センシングデータ名、時刻、端末固有ID及び基地局固有IDがある。
【0088】
センシングデータの取得(TRGE)からデータ格納(SSPU)までの一連の処理は定期的に行なわれる。
【0089】
アプリケーション起動(USST)は、ユーザ(US)によるクライアント(CL)のアプリケーションの起動である。
【0090】
初期条件設定(CLIS)において、クライアント(CL)は、図の提示に必要な情報を設定する。ユーザ(US)のボタン選択によって、解析する時刻及び対象となる端末情報を取得する。ここで設定した条件は、記録部(CLME)に格納される。
【0091】
描画領域設定(CLTS)において、クライアント(CL)は、初期条件設定(CLIS)に基づき、表示されるべきグラフの種類及び表示されるべきメンバの数によってグラフの配置場所を設定する。さらに、クライアント(CL)は、値に対してプロットする座標を計算する計算式等を設定する。ここで設定した項目は、記録部(CLME)に格納される。
【0092】
データ検索(CLSE)において、クライアント(CL)は、初期条件設定(CLIS)に基づき、アプリケーションサーバ(AS)に対して、検索を行う。記録部(CLME)には、検索対象のアプリケーションサーバ(AS)の名称、アドレス、データベース名及びテーブル名等、センシングデータを取得するために必要な情報が格納されている。クライアント(CL)は、データ検索(CLSE)をする際、初期条件設定(CLIS)によって設定された検索内容と、記録部(CLME)から取得したデータベースの情報と、に基づいて、検索に用いるコマンドを作成する。作成されたコマンドは、制御部(CLCO)によって、記録部(CLME)に格納されているアプリケーションサーバ(AS)用の送信フォーマットに変換される。送信フォーマットに変換されたコマンドは、送信・受信部(CLSR)を経由して、アプリケーションサーバ(AS)に送信される。
【0093】
データ依頼(ASRQ)において、アプリーションサーバ(AS)は、取得すべきデータの時刻及びデータ取得対象である端末の固有IDを送信し、センシングデータを要求する。言い換えると、送信された時刻に、送信された固有IDが示す端末において取得されたセンシングデータが、データ依頼(ASRQ)によって要求される。送信される時刻及び端末の固有IDは、アプリーションサーバ(AS)の記録部(ASME)又はクライアント(CL)の記録部(CLME)に格納されたものであってもよいし、クライアント(CL)の入出力部(CLIO)を通してユーザ(US)が指定したものであってもよい。
【0094】
データ検索(ASSE)において、アプリーションサーバ(AS)は、データ依頼(ASRQ)に基づき、ストレージサーバ(SS)に対して、検索を行う。記録部(ASME)には、検索対象のストレージサーバ(SS)の名称、アドレス、データベース名及びテーブル名等、データ信号を取得するために必要な情報が記載されている。アプリーションサーバ(AS)は、データ検索(ASSE)を行う際、データ依頼(ASRQ)を通して検索内容を依頼し、データベースの情報を記録部(ASME)から取得し、検索に用いるコマンドを作成する。作成されたコマンドは、制御部(ASCO)によって、記録部(ASME)に格納されているストレージサーバ(SS)用の送信フォーマットに変換される。送信フォーマットに変換されたコマンドは、送信・受信部(ASSR)を経由してストレージサーバ(SS)に送信される。
【0095】
データ受信(ASRE)において、アプリーションサーバ(AS)は、データ検索(ASSE)のコマンドに基づいて、ストレージサーバ(SS)内のデータベース部(SSDB)から送信されたセンシングデータを受信する。送信・受信部(ASSR)が受信したセンシングデータは記録部(ASME)に格納される。
【0096】
データ分類(ASDE)において、アプリーションサーバ(AS)は、取得したデータを適切な各要素に分類する。その際、時刻情報とセンシングデータは必ず関連付けたままで分類される。
【0097】
データ処理(ASDP)を行うプログラムは、記録部(ASME)に格納されており、制御部(ASCO)によって実行される。データ処理(ASDP)は、表示に適した形にデータを処理するプログラムであり、データ受信(ASRE)によって記録部(ASME)に格納されたセンシングデータを処理する。
【0098】
処理結果格納(ASPU)において、アプリーションサーバ(AS)は、データ処理(ASDP)によって処理した結果(すなわち、処理されたセンシングデータ)をデータベース部(ASDB)に格納する。このとき、処理結果だけではなく、処理の条件としてデータ依頼(ASRQ)で提示された情報もまとめて格納することが望ましい。
【0099】
データ送信(ASSE)において、アプリーションサーバ(AS)は、データベース部(ASDB)に格納された処理結果を送信・受信部(ASSR)を経由してクライアント(CL)に送信する。
【0100】
データ受信(CLRE)において、クライアント(CL)は、アプリケーションサーバ(AS)内のデータベース部(ASDB)から送信された処理結果を受信する。より詳細には、送信・受信部(CLSR)が受信した処理結果は、記録部(CLME)に格納される。
【0101】
メンバ属性照会(CLMS)において、クライアント(CL)は、取得したデータの端末情報(TRTR)を、記録部(CLME)に記録されているメンバ属性情報(CLMI)に照会することによって、その端末を保有するメンバの氏名及び属性等を取得する。必要であれば、取得した氏名及び属性等も表示されてもよい。
【0102】
データ加工(CLDP)において、クライアント(CL)は、データ受信(CLRE)によって取得した処理結果から、記録部(CLME)に記載されている表示方法に基づいて、画像又は画面を生成する。生成された画面等は、記録部(CLME)に格納される。
【0103】
データ表示(CLDI)において、クライアント(CL)は、データ加工(CLDP)によって作成された結果を、画面(CLSC)に表示し、その画面(CLSC)を、入出力部(CLIO)を介してユーザ(US)に提示する。
【0104】
アプリケーション終了(USEN)はユーザ(US)によるアプリケーションの終了である。
【0105】
時刻修正(BATM)は、基地局(BA)の時計(BATA)の時刻を合わせるために行われる。基地局(BA)は、現在の時刻をネットワーク(LA)網にあるNTPサーバ(図示省略)から取得する。時刻修正(BATM)の処理は定期的に行なわれる。
【0106】
時刻修正依頼(BATR)は、端末(TR)の時刻を合わせるために、基地局(BA)から端末(TR)へ依頼される。時刻修正(TRTM)は、時刻修正依頼(BATR)によって基地局(BA)から送信された時刻に基づいて、時計(TRTI)の時刻を修正する処理である。時刻修正依頼(BATR)から時刻修正(TRTM)までの処理は定期的に行なわれる。
【0107】
次に、端末(TR)のセンシング部(TRSE)におけるセンシングの間隔と、送信・受信部(TRSR)における送信のタイミングについて、本実施の形態の場合の例の一つを挙げて述べる。
【0108】
端末(TR)は、三軸加速度センサ及び赤外線送受信器を備え、これらが全て10秒サイクルでセンシング及びデータ送信を行う。
【0109】
加速度センサは、10秒中の始めの2秒間でX、Y、Z軸方向各100回のセンシングを行う。センシングの結果として取得された加速度情報は、端末(TR)の状態を示す。端末(TR)が人物に装着されている場合、取得された加速度情報は、端末(TR)を装着した人物の活動の状態(例えば、その人物が静止しているか否か)を示す。
【0110】
赤外線送信器は、10秒間あたり6回ずつ端末(TR)の正面に向かって赤外線信号を送信する。送信される赤外線信号には、端末情報(TRTR)、すなわち、自端末(TR)のID(識別子)を示す信号が含まれる。
【0111】
二つの端末(TR)が向かい合ったとき、つまり二人の人物が対面したときには、一方の端末(TR)の受信器が、もう一方の端末(TR)のIDを受信する。すなわち、一つの端末(TR)が他の端末(TR)のIDを受信したとき、それらの二つの端末が対面していることを意味する。それぞれの端末(TR)が人物の前面に装着されている場合、二つの端末(TR)が対面していることは、それらを装着した二人の人物が対面していることを意味する。赤外線の受信器側は、常に待機状態となっており、10秒間のうちに受信したIDと、受信した回数を記録する。
【0112】
そして、端末(TR)は、これらのセンシングデータにタイムスタンプ及び端末情報(TRTR)つまり自身の固有IDを付与した後、それらのセンシングデータを基地局(BA)に一括して無線送信する。結局、上記の例において、端末(TR)から送信されるセンシングデータには、その端末の加速度を示す情報と、その端末の固有IDと、その端末が他の端末と対面したことを示す情報と、それらの情報に対応付けられた時刻情報とが含まれる。これらのセンシングデータが、人物の交流を示すインタラクションデータとして利用される。
【0113】
しかし、上記は一例に過ぎず、のセンシング間隔及び送信タイミングは、任意に設定することができる。
【0114】
図4Aは、本発明の第1の実施の形態において作成された表示画面の例を示す説明図である。
【0115】
描画処理を行うために、クライアント(CL)内のアプリケーション部(CLAP)を介してアプリケーションサーバ(AS)が呼び出され、アプリケーションサーバ(AS)がストレージサーバ(SS)にコマンドを送信し、必要なデータをデータベース部(SSDB)から取得する。アプリケーションサーバ(AS)において処理されたセンシングデータは、データベース部(ASDB)に格納される。クライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)は、データベース部(ASDB)に格納されたデータを取得し、そのデータに基づいて表示画面を作成する。
【0116】
図4Aは、4人のメンバの、5日間(7月24日から28日まで)における、赤外線と加速度に関するセンシングデータを一覧表示した例である。これは、左側の赤外線表示領域(CLSC_IR)に赤外線による対面検出のデータを、右側の加速度表示領域(CLSC_ACC)に加速度のデータを表示したものである。なお、加速度表示領域(CLSC_ACC)の内容については、後に図4B及び図4Cにおいてその一部を拡大した図面を参照して詳細に説明する。中央の対象人物表示(CLSC_P0)に、表示の対象である人物の名前、その人物のID、又は、その人物に装着された端末(TR)のIDが表示される。さらに、その名前又はIDの背景には、その名前又はIDと1対1に対応する色彩が表示される。
【0117】
対象人物表示(CLSC_P0)に人物の名前又はその人物のIDが表示される場合、その人物の名前又はIDは、その人物に装着された端末(TR)のIDと対応付けられる。この場合、各端末(TR)は、その端末(TR)を装着した人物の名前又はその人物のIDによって識別されてもよい。
【0118】
図4A中の赤外線表示小領域(CLSC_IR0)と加速度表示小領域(CLSC_ACC0)は、同じ人物、すなわち、同じ端末(TR)による同じ日付のセンシングデータである。これらのデータは、表示画面上で同じ高さに並ぶように(すなわち、時間軸からそれらの領域までの距離が等しくなるように)左右に配置される。
【0119】
言い換えると、赤外線表示領域(CLSC_IR)は、時間軸に略垂直の方向に、複数の領域に区切られる。区切られた各領域は、各人物に割り当てられる。各人物(例えば、人物A)に割り当てられた領域は、さらに、時間軸に略垂直の方向に、複数の赤外線表示小領域(CLSC_IR0等)に区切られる。そして、一つの赤外線表示小領域(例えば、CLSC_IR0)に、ある1日(例えば、7月24日)に取得された情報が表示される。同様にして、加速度表示領域(CLSC_ACC)は、時間軸に略垂直の方向に、複数の人物のための領域に区切られる。そして、各人物に割り当てられる領域は、さらに、複数の加速度表示小領域(CLSC_ACC0等)に区切られる。
【0120】
また、赤外線表示小領域(CLSC_IR0)においては、帯を塗りつぶした色彩によって、対面相手が表現される。例えば、7月24日9:20の人物Aの対面表示(CLSC_IR01)の色彩は、対象人物表示(CLSC_P0)における人物Cの背景色と同じである。一方、7月24日9:20の人物Cの対面表示(CLSC_IR02)の色彩は、対象人物表示(CLSC_P0)における人物Aの背景色と同じである。このことは、7月24日9:20において、人物Aが装着した端末(TR)と、人物Cが装着した端末(TR)とが、互いに、相手から送信された赤外線信号を受信したことを示している。このため、図4Aに示す表示を参照したユーザ(US)は、7月24日9:20に人物Aと人物Cが対面していたことを知ることができる。
【0121】
赤外線表示小領域(CLSC_IR0)と加速度表示小領域(CLSC_ACC0)は、それぞれ、時間軸を有する。図4Aの例では、各領域の横軸が時間軸である。両領域の対比を容易にするため、これらの時間軸は横方向に並べて(言い換えると、一方の時間軸が他方の延長線上に位置するように)表示され、それらの時間幅(尺度)は同じである。その結果、例えば、人物Aと人物Cの交流(インタラクション)が発生した場合、そのインタラクションを示す対面表示(CLSC_IR01)に対応する時刻と同じ時刻に対応する人物Aの加速度データは、(CLSC_ACC01)に現れる。
【0122】
赤外線表示領域(CLSC_IR)における対面表示(CLSC_IR01)の位置と、加速度表示領域(CLSC_ACC)における加速度データ表示(CLSC_ACC01)の位置は、略同一である。このように、人物が他の人物と対面したか否かを示す情報と、それらの人物の活動を示す情報とを、時刻に基づいて対応付けて表示することによって、対面と活動に関するデータを対応付けて分析することが容易になる。
【0123】
図4Aの例では、時間軸に、一日の中の時刻(例えば、8:00から20:00まで)が表示される。そして、異なる日に属する時刻に対応するデータは、異なる赤外線表示小領域(CLSC_IR0等)又は加速度表示小領域(CLSC_ACC0等)に表示される。しかし、時間軸は、異なる日に属する時刻を連続的に表示してもよい。例えば、時間軸は、7月24日の0:00から23:59までを表示し、さらに、その表示に連続して、7月25日の0:00から23:59までを表示してもよい。
【0124】
図4Bは、本発明の第1の実施の形態において実行される加速度に基づく行動パターン解析の説明図である。
【0125】
具体的には、図4Bは、図4Aの加速度表示領域(CLSC_ACC)における加速度データの一部を拡大したものである。行動表示(activity)領域には、三つのグラフを示す。上のグラフから順に、X軸方向の加速度成分(AccX)、Y軸方向の加速度成分(AccY)及びZ軸方向の加速度成分(AccZ)を表している。なお、名札型端末(TR)を首からぶら下げた状態において、X軸方向が右向きの成分、Y軸方向が垂直下向きの成分、Z軸方向が正面前向きの成分である。
【0126】
図4Bには、端末(TR)を装着した人物が静止しているとき、歩行しているとき及び着座しているときに観測される加速度の例を、それぞれ、静止(static)、歩行(walking)及び着座(seated)に示す。
【0127】
静止(static)時には、Y軸に重力加速度による1[G]がかかっており、X軸、Z軸方向はほとんど0の状態で安定していることが見える。
【0128】
着座(seated)時には、Y軸の値が0.7[G]付近まで減少し、同時にZ軸の値も0.7[G]付近まで増加して安定している。これは、端末(TR)を装着した人物が背もたれに深くもたれるようにして座っていたため、ノードが上向きに傾いた状態になったからだと考えられる。
【0129】
さらに、歩行(walking)時には、Y軸の値が1[G]以上になり、かつグラフの先端が鋭利な形状になる。X軸とZ軸方向においても約0.3[G]程度になり、振幅の拡大が見られる。
【0130】
また、この歩行時のデータをさらに拡大して表示したものが歩行1(walking1)である。歩行1(walking1)によって、2秒間で約4回の歩行のリズムが、特にY軸方向に顕著に現われていることがわかる。
【0131】
これらの結果から、端末(TR)による加速度データから、端末(TR)の移動の状態、言い換えると、端末(TR)を装着した人物の行動パターンを解析することができることがわかる。例えば、加速度の値、その振幅、又はその周期等が所定の範囲内であるか否かを判別し、その判別の結果に基づいて、端末(TR)が移動しているか否か、より詳細には、端末(TR)を装着した人物が静止しているか、歩行しているか、又は着座しているかを判断することができる。
【0132】
なお、加速度データに加えて、又は、加速度データに代えて、加速度データ以外のデータを表示画面に表示することもできる。例えば、温度センサ(TRTE)によって取得された温度データ、照度センサ(TRIL)によって取得された照度データ、又は、マイクロホン(TRMI)によって取得された音声データが表示されてもよい。この場合、例えば、音声データに基づいて、端末(TR)を装着した人物が会話しているか否かが判別されてもよい。あるいは、照度データ又は温度データに基づいて、端末(TR)が置かれた環境が判断されてもよい。
【0133】
図4Cは、本発明の第1の実施の形態において実行されるインタラクションの分析の説明図である。
【0134】
具体的には、図4Cは、図4Aにおける同日・同時刻の人物Aと人物Bに対応するデータの一部を拡大し、人物間の対比及び赤外線−加速度間の対比をわかりやすくしたものである。加速度データの一人分、例えば人物Aの領域にはX軸方向(ACC_AX)、Y軸方向(ACC_AY)、Z軸方向(ACC_AZ)の加速度データが含まれている。これによって、各人物の動作や状態に関する詳しい分析が可能となる。
【0135】
赤外線データに関しては、赤外線A(IR_A)に表示された色が人物Bの名前の背景と同じ色であることによって、この時間帯に人物Aが人物Bと対面していたことを表す。それと対応して、赤外線B(IR_B)に表示された色が人物Aの名前の背景と同じ色であることによって、人物Bが人物Aと対面していたことを表している。
【0136】
さらに、対面している同じ時間帯の加速度データを比べて見ると、人物AではY軸方向(ACC_AY)の成分が減少し、同時に、Z軸方向(ACC_AZ)の成分が増加している。このため、このとき人物Aは座っていると判断できる。一方、同じ時間帯において人物Bでは、Y軸方向(ACC_BY)の成分はあまり変化せず、X軸方向(ACC_BX)に細かい揺れが現れていることから、人物Bは立っていると判断できる。
【0137】
これらを合わせて分析すると、この対面時には、椅子に座っている人物Aのところに、人物Bから話題もしくは相談事を持って話しかけに行ったと分析することができる。また、人物Aは深くもたれて座っていることから、人物Aは人物Bよりも立場が上の人間であると判断できる。
【0138】
このように、同日・同時刻の複数のメンバの赤外線データと加速度データを対比して分析することが可能になる。その結果、インタラクションの起点となる人物やインタラクションの状況、二人の人間の立場を分析することが可能となる。
【0139】
図5は、本発明の第1の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0140】
表示画面を作成するために、初期条件設定(CLIS)、描画領域の設定(CLTS)、データベース接続(ASDC)、データ処理(ASDP)、データプロット(CLDP)及びデータ表示(CLDI)の各手順が順次実行される。
【0141】
初期条件設定(CLIS)は、画面を表示するための基本となる条件を設定する手順である。描画領域の設定(CLTS)は、表示画面内の各部分の寸法を計算する手順である。
【0142】
データベース接続(ASDC)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続して必要なセンシングデータを取得する手順である。データ処理(ASDP)は、取得したデータを表示される形にするためのデータ処理を行う手順である。クライアント(CL)におけるデータプロット(CLDP)は、処理された各データをプロットする手順である。データ表示(CLDI)は、プロットされたデータを画面(CLSC)に表示する手順である。
【0143】
上記の手順の詳細を、図6から図12を参照して説明する。
【0144】
図6は、本発明の第1の実施の形態において、初期条件設定のために表示される画面の例を示す説明図である。
【0145】
初期条件設定(CLIS)では、クライアント(CL)の入出力部(CLIO)を介して、表示されるデータの期間、表示される複数のメンバ、表示されるデータの種類とデータ処理の方法、作成される表示画面のサイズ、及び、グラフの配置方向等のパラメータをユーザ(US)が指定する。
【0146】
図6は、初期条件設定(CLIS)用の入力ウィンドウの例である。初期条件設定ウィンドウ(CLISWD)は、表示期間選択(CLISPT)、表示サイズ(CLISPS)、グラフ配置方向(CLISGD)、表示メンバ選択(CLISPM)、表示データ選択(CLISPD)、スタートボタン(CLISST)の各領域によって構成される。
【0147】
表示期間選択(CLISPT)領域では、表示されるデータの期間の、始めの年・月・日を示す数字が、それぞれ、個別のテキストボックス(PT01〜PT03)に、終わりの年・月・日を示す数字が、それぞれ、個別のテキストボックス(PT11〜PT13)に入力される。また、表示される横軸(すなわち時間軸)の始点の時刻がテキストボックス(PT21、PT22)に、終点の時刻がテキストボックス(PT31、PT32)に入力される。
【0148】
図6の例では、テキストボックス(PT01〜PT03)、テキストボックス(PT11〜PT13)及びテキストボックス(PT21、PT22)に、それぞれ、「2006」、「7」、「24」、「2006」、「7」、「28」、「08」、「00」、「20」及び「00」が入力されている。この場合、2006年7月24日から2006年7月28日までに対応付けられたデータが表示される。ただし、各日のデータのうち、8:00から20:00までの時刻に対応付けられたデータが表示される(図4A参照)。
【0149】
表示サイズ(CLISPS)領域では、表示される画像のサイズが設定される。本実施の形態では、画面に表示される画像が長方形であることを前提とする。画像の縦の長さがテキストボックス(PS01)に、横の長さがテキストボックス(PS02)に入力される。入力される数値の単位として、ピクセル又はセンチメートル等、何らかの長さの単位が指定される。
【0150】
グラフ配置方向(CLISGD)領域では、複数の種類のグラフを縦に配置するか、横に配置するかが指定される。これは、ラジオボタン(GD01)又はラジオボタン(GD02)のどちらかにチェックを入れることで指定される。
【0151】
表示メンバ選択(CLISPM)領域では、表示の対象とするメンバが指定される。人物名の後ろにカッコでくくられている数字は、その人物に装着された端末(TR)の固有IDである。表示の対象とするメンバは、チェックボックス(PM01〜PM09)にチェックを入れることによって指定される。ユーザ(US)は、複数のメンバを指定することができる。また、この領域は、センシングしているメンバの数が多いときには、メンバの所属を指定することによって複数のメンバが選択できるよう修正されてもよい。あるいは、検索機能が付加されてもよい。
【0152】
表示データ選択(CLISPD)領域では、表示されるデータの種類及びその処理の方法が設定される。基本的には加速度(PD1)及び赤外線(PD2)が選択される。加速度(PD1)の平均化処理、又は、加速度に基づく行動解析が必要な場合、平均化処理(PD11)又は行動解析(PD12)にチェックを入れる。ここで、図に付加した番号(例えば、PD1及びPD11等)の桁が多いほど下位の選択肢となる。上位の選択肢が選択されていない場合、その選択肢の下位の選択肢を選択することはできない。さまざまなデータの処理方法については、第2の実施の形態以降で述べるためここでは割愛する。
【0153】
以上の項目を全て入力終了した後に、ユーザ(US)がスタートボタン(CLISST)を操作すると、以後、入力されたパラメータに従って、アプリケーションが起動される。
【0154】
しかし、上記の入力ウィンドウは一例に過ぎず、表示するデータの期間、メンバ、データの種類を設定できれば、必ずしも入力ウィンドウを用いなくてもよい。表示サイズ、データ処理の方法はその他の条件から自動で求めることもできる。また、グラフの配置方向は既定であってもよい。また、設定すべき項目において、他に必要な項目を増やすこともできる。
【0155】
図7は、本発明の第1の実施の形態における描画領域設定の説明図である。
【0156】
描画領域の設定(CLTS)では、初期条件設定(CLIS)で設定された、表示画面のサイズ、表示される人数と日時の期間、及び、表示されるデータの種類から、各部の小グラフの表示領域の幅及び高さが設定される。横軸は時間軸である。予測されるデータの最大値に基づいて、それぞれの縦軸のレンジが計算され、決定される。
【0157】
図7は、例として、図4Aに示すように、4人のメンバに関する4日分のデータを表示する場合の各部の寸法を示す。この例は、図6に示す入力ウィンドウの例とも対応する。まず、図6のテキストボックス(PS02)で設定した画像の縦の長さを画像高さ(TSH1)、テキストボックス(PS01)で設定した画像の横の長さを画像幅(TSB1)とする。メンバ数は図6のチェックボックス(PM01〜PM09)のうちでチェックが入っている個数(すなわち4)である。日数は、図6でユーザが入力した終了時刻(PT11〜PT15)と開始時刻(PT01〜PT05)の差に相当する。ただし、時分秒以下の端数があった場合には日の単位に繰り上げられる。
【0158】
画像高さ(TSH1)と画像幅(TSB1)を基準とした寸法の計算方法の具体例を以下に示す。
【0159】
一人分領域高さ(TSH01〜TSH04)は、画像高さ(TSH1)×0.8÷メンバ数である。一人一日分領域高さ(TSH001)は、画像高さ(TSH1)÷日数である。メンバ間余白高さ(TSH012〜TSH014)=画像高さ(TSH1)×0.2÷メンバ数である。領域上部・下部余白高さ(TSH011、TSH015)は、メンバ間余白高さ(TSH012〜TSH014)÷2である。
【0160】
グラフ領域幅(TSB01)は、画像幅(TSB1)×0.8÷2である。グラフ領域中央余白(TSB012)は、画像幅(TSB1)×0.2÷2である。グラフ領域左右余白(TSB011、TSB013)は、グラフ領域中央余白(TSB012)÷2である。
【0161】
さらに、加速度(x、y、z)のそれぞれのグラフの高さは、一人一日分の領域高さ(TSH001)÷3によって決定できる。
【0162】
上記の具体例は一例に過ぎない。データを読み取りやすい画面となるように、上記以外の寸法比が採用されてもよい。
【0163】
図8は、本発明の第1の実施の形態のストレージサーバ(SS)が保持するデータベース部(SSDB)の説明図である。
【0164】
データベース(SSDB)への接続(ASDC)では、アプリケーションサーバ(AS)からストレージサーバ(SS)にコマンドが送信され、時刻データ及びノードIDを基準にデータベース(SSDB)でクエリが実行され、アプリケーションサーバ(AS)が必要なデータを取得する。
【0165】
データベース部(SSDB)には、端末(TR)によってセンシングされたデータ(すなわち、センシングデータ)が整理されて格納される。データベース部(SSDB)の一行には、開始時刻(SSDB_STM)、終了時刻(SSDB_ETM)、ノードID(SSDB_SID)、赤外線送信側ID(SSDB_OID)、受信回数(SSDB_NIR)、加速度x1(SSDB_AX1)、加速度y1(SSDB_AY1)、加速度z1(SSDB_AZ1)、から、加速度x100(SSDB_AX100)、加速度y100(SSDB_AY100)、加速度z100 (SSDB_AZ100)までの要素がある。
【0166】
終了時刻(SSDB_ETM)は、タイムスタンプの時刻であり、開始時刻(SSDB_STM)は、タイムスタンプの時刻からセンシング間隔を減算した時刻である。
【0167】
ノードID(SSDB_SID)は、センシングした端末(TR)の固有IDである。
【0168】
赤外線送信側ID(SSDB_OID)は、赤外線を送信した端末(TR)の固有IDである。
【0169】
図6に示すように、端末(TR)の固有IDと、その端末(TR)を装着している人物とが1対1に対応する場合、端末(TR)の固有IDに基づいて、その端末(TR)を装着している人物を特定することができる。
【0170】
受信回数(SSDB_NIR)は、開始時刻(SSDB_STM)から終了時刻(SSDB_ETM)までの間に、赤外線送信側ID(SSDB_OID)が示す端末(TR)から赤外線を受信した回数である。必要ならば、受信回数(SSDB_NIR)の列に赤外線送信側ID(SSDB_OID)と赤外線送信側ID(SSDB_OID)の要素を追加してもよい。
【0171】
加速度x1(SSDB_AX1)は、加速度センサが1回目に取得したX軸方向の加速度の値である。
【0172】
加速度y1(SSDB_AY1)は、加速度センサが1回目に取得したY軸方向の加速度の値である。
【0173】
加速度z1(SSDB_AZ1)は、加速度センサが1回目に取得したZ軸方向の加速度の値である。
【0174】
以降、100回目に取得した値まで、加速度(SSDB_AX1−SSDB_AX100、SSDB_AY1−SSDB_AY100、SSDB_AZ1−SSDB_AZ100)の要素がある。
【0175】
レコード1(RE01)からレコード6(RE06)は、格納されている具体的なデータの例である。
【0176】
データは、基本的には開始時刻(SSDB_STM)の順に格納される。レコードの数は、ストレージサーバ(SS)が基地局(BA)から新しいデータを受信する度に追加されてもよい。
【0177】
データベース部(SSDB)の形式及び要素は、必要に応じて変更・追加又は削除することができる。
【0178】
図9は、本発明の第1の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)が実行するデータ処理(ASDP)を示すフローチャートである。
【0179】
データ処理(ASDP)において、アプリケーションサーバ(AS)のデータ処理部(ASDP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)から取得した未処理のセンシングデータに対して、単位変換(ASMC)の処理及び赤外線受信回数に基づく対面判別(ASFD)の処理を行い、処理されたセンシングデータをアプリケーションサーバ(AS)内のデータベース部(ASDB)に格納する。
【0180】
図9では、データ処理の開始(ASDPST)後、データ処理部(ASDP)が初期条件設定(CLIS)を読み込み(ASDP_1)、さらに、加速度単位変換式(ASME_ACC)及び対面閾値(ASME_IRT)を読み込む(ASDP_2)。加速度単位変換式(ASME_ACC)として既定のものが記録されている。対面閾値(ASME_IRT)は、同じ相手からの赤外線受信回数が何回以上であったら対面したと判別するかを示す閾値である。対面閾値(ASME_IRT)は、既定であってもよいし、初期条件設定の際にユーザによって指定されたものが、記録部(ASME)に格納されていてもよい。
【0181】
次に、データ処理部(ASDP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース(SSDB)に接続し(ASDP_3)、接続したデータベース(SSDB)において、開始時刻(SSDB_STM)が初期条件設定(CLIS)に設定された表示期間(CLISPT)の範囲内にあるデータを選別して取得する(ASDP_4)。次に、データ処理部(ASDP)は、取得したデータのうち古い方から1レコード読み込む(ASDP_5)。1レコードとは、図8に示す一行分のデータを指す。
【0182】
次に、データ処理部(ASDP)は、読み込んだレコードに含まれるデータの開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)が初期条件設定(CLIS)の表示時刻(CLISPT)の範囲内であり、かつ、ノードID(SSDB_SID)が表示メンバ(CLISPM)である場合、加速度データ処理(ASDP_10)及び赤外線対面判別(ASDP_20)に進む(ASDP_6)。そうでない場合、読み込んだレコードは、表示されるべきデータを含まない。この場合、データ処理部(ASDP)は、読み込んだレコードに対する処理を行わずに、ステップ(ASDP_7)に進む。
【0183】
次に、加速度データ処理(ASDP_10)及び赤外線対面判別(ASDP_20)の二つの処理が実行される。これらは、並行して実行されてもよいし、順次実行されてもよい。順次実行される場合、どちらが先に実行されてもよい。
【0184】
先に、加速度データ処理(ASDP_10)について説明する。最初に、データ処理部(ASDP)は、各軸方向について100個ずつある加速度データを、加速度単位変換式(ASME_ACC)を用いて変換することによって、単位を加速度[G]に統一する(ASDP_11)。この処理は、図1における単位変換(ASMC)の機能に相当する。
【0185】
加速度単位変換式(ASME_ACC)の例としては、次のような式を用いる。
【0186】
加速度[G]={(元データ×4−477)/1023}×(3000/333)×(3/2.8)
ただし、この変換式は一例である。端末(TR)において使用されているセンサに対応した変換式を用いる必要がある。
【0187】
1レコードのデータの中には、100回分の加速度データが含まれる。このため、データ処理部(ASDP)は、100回分の各加速度データに1対1のセンシング時刻を付加する。具体的には、データ処理部(ASDP)は、図8の開始時刻データ(SSDB_STM)を基準として、100回のセンシング時刻を逆算し、加速度データに付加する(ASDP_12)。
【0188】
次に、データ処理部(ASDP)は、これらの加速度データを、1回分のセンシングデータごとに分割する。そして、データ処理部(ASDP)は、時刻(ASDB_ACCTM)、ノードID(ASDB_ACCSID)、加速度x(ASDB_AX)、加速度y(ASDB_AY)、加速度z(ASDB_AZ)を1レコードとして加速度データベース(ASDB_ACC)に格納する(ASDP_13)。これによって、図8に示す1レコードが、100レコードのデータに分割されることになる。
【0189】
次に、赤外線対面判別(ASDP_20)について説明する。この処理は、図1における対面判別(ASFD)の機能に相当する。
【0190】
最初に、データ処理部(ASDP)は、読み込んだレコードの赤外線送信側ID(SSDB_OID)が初期条件設定(CLIS)で設定した表示メンバに含まれているか否かを判別する(ASDP_21)。赤外線送信側ID(SSDB_OID)が表示メンバに含まれていると判別された場合、処理はステップ(ASDP_22)に進む。赤外線送信側ID(SSDB_OID)が表示メンバに含まれていないと判別された場合、読み込まれたレコードは表示されるべきデータを含まない。この場合、ステップ(ASDP_22)及び(ASDP_23)は実行されず、処理はステップ(ASDP_7)に進む。
【0191】
次に、データ処理部(ASDP)は、図8の受信回数(SSDB_NIR)と対面閾値(ASME_IRT)の大小を比較する(ASDP_22)。受信回数(SSDB_NIR)が対面閾値(ASME_IRT)以上であった場合には、ノードID(SSDB_SIDに示す端末(TR)が、赤外線送信側ID(SSDB_OID)が示す端末(TR)と対面していたと判別される。この場合、データ処理部(ASDP)は、開始時刻(ASDB_IRSTM)、終了時刻(ASDB_IRETM)、ノードID(ASDB_IRSID)、赤外線送信側ID(ASDB_IROID)を1レコードとして赤外線データベース(ASDB_IR)に格納する(ASDP_23)。
【0192】
データベース(SSDB)から読み込んだレコードのデータの処理が終わったなら、次の1レコードのデータを読み込む(ASDP_5)。全てのレコードのデータの処理が完了(ASDP_7)した場合には、処理を終了(ASDPEN)する。
【0193】
図10は、本発明の第1の実施の形態の加速度データベース(ASDB_ACC)の説明図である。
【0194】
加速度データベース(ASDB_ACC)は、図9の加速度データ処理(ASDP_10)によって作成される。加速度データベース(ASDB_ACC)は、時刻(ASDB_ACCTM)、ノードID(ASDB_ACCSID)、加速度x(ASDB_AX)、加速度y(ASDB_AY)及び加速度z(ASDB_AZ)の要素を持つ。
【0195】
例えば、図10のレコードRE01からRE100は、図8のレコードRE01から生成されたものである。同様にして、図10のレコードRE101からRE200は、図8のレコードRE02から生成されたものである。
【0196】
図11は、本発明の第1の実施の形態の赤外線データベース(ASDB_IR)の説明図である。
【0197】
赤外線データベース(ASDB_IR)は、図9の赤外線対面判別(ASDP_20)によって作成される。赤外線データベース(ASDB_IR)は、開始時刻(ASDB_STM)、終了時刻(ASDB_IRETM)、ノードID(ASDB_IRSID)及び赤外線送信側ID(ASDB_IROID)の要素を持つ。
【0198】
例えば、図11のレコードRE01は、図8のレコードRE01から生成されたものである。
【0199】
図12は、本発明の第1の実施の形態において実行されるプロット(CLDP)の処理を示すフローチャートである。
【0200】
プロット(CLDP)の処理は、図3のデータ加工(CLDP)に相当する。プロット(CLDP)は、データベース部(ASDB)に格納された処理済のデータを、描画領域の設定(CLTS)において設定した領域内の、データの値から計算された位置にプロットする処理である。これらの処理はクライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)によって実行される。
【0201】
プロット(CLDP)によって、加速度データは、折れ線グラフ又は棒グラフ等にプロットされる。赤外線データは、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かを、横軸を時間軸とする帯グラフを対面相手に対応する色で塗りつぶすことによってプロットする。赤外線データは、そのデータに付随するタイムスタンプの前の10秒間で受信されたものなので、その10秒間に対応する部分がプロットされる。
【0202】
プロットの開始(CLDPST)後、まず、アプリケーション部(CLAP)は、初期条件設定(CLIS)を記録部(CLME)から読み込み(CLDP_1)、描画領域設定(CLTS)を記録部(CLME)から読み込む(CLDP_2)。
【0203】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、アプリケーションサーバ(AS)内のデータベース部(ASDB)に接続する(CLDP_3)。以後、加速度データプロット(CLDP_10)及び赤外線データプロット(CLDP_20)の二つのプロセスが実行される。これらのプロセスは、並行して実行されてもよいし、順次実行されてもよい。
【0204】
先に、加速度データプロット(CLDP_10)について説明する。
【0205】
最初に、アプリケーション部(CLAP)は、加速度データベース(ASDB_ACC)のデータを、時刻の古い方から1レコード取得する(CLDP_11)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(ASDB_ACCSID)に基づいて、プロットするグラフ領域を指定する(CLDP_12)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、時刻(ASDB_ACCTM)、加速度x(ASDB_AX)、加速度y(ASDB_AY)及び加速度z(ASDB_AZ)のそれぞれの値から、描画領域設定(CLTS)に設定された計算式に基づいて、プロットする座標を計算する(CLDP_13)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、それらのセンシングデータをグラフ上にプロットする(CLDP_14)。
【0206】
以上のステップ(CLDP_11)からステップ(CLDP_14)までの手順を、すべてのデータのプロットが終了するまで繰り返す(CLDP_15)。
【0207】
次に、赤外線データプロット(CLDP_20)について説明する。
【0208】
最初に、アプリケーション部(CLAP)は、赤外線データベース(ASDB_IR)の、データを時刻の古い方から1レコード取得する(CLDP_21)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(ASDB_IRSID)に基づいて、プロットするグラフ領域を指定する(CLDP_22)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、開始時刻(ASDB_IRSTM)と終了時刻(ASDB_IRETM)から、プロットする座標を計算する(CLDP_23)。
【0209】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、赤外線送信側ID(ASDB_IROID)に対応する色を表示色として設定し(CLDP_24)、その色によって開始時刻(ASDB_IRSTM)から終了時刻(ASDB_IRETM)までの幅を塗りつぶすことによって、赤外線データをプロットする(CLDP_25)。
【0210】
以上のステップ(CLDP_21)からステップ(CLDP_25)までの手順を、すべてのデータのプロットが完了するまで繰り返す(CLDP_26)。
【0211】
加速度データプロット(CLDP_10)及び赤外線データプロット(CLDP_20)がいずれも終了したら、図12に示す処理が終了(CLDPEN)する。
【0212】
以上の本発明の第1の実施の形態で作成した表示によって、一人のメンバのある時刻における対面検出と行動の対比、インタラクションが発生したとき及びその前後の各メンバの行動の対比、日時ごとのデータの比較、時間帯ごとの比較といった、インタラクションに関する多様な視点からの分析を容易に行うことが可能になる。
【0213】
より具体的には、インタラクション中の人物の姿勢の変化、2人のインタラクションにおいてどちらがもう一方に話しかけに行ったか、臨時で発生している議論の増減、時間帯によるインタラクションを行うメンバの傾向、等を分析することができる。そして、その分析に基づいて、コミュニケーションの形態(例えば、インタラクションがメンバの誰から引き起こされたものか、積極的にアピールしているのは誰か、受身になっているのは誰か、そのインタラクションはどのような状態なのか、相互の立場はどのようなものか、等)、さらに、組織における意思決定の状況、及び、影響が人から人へ広がる様子を容易に分析・評価することが可能になる。
【0214】
また、データ処理をアプリケーションサーバ(AS)が、プロット及び表示をクライアント(CL)が実行することによって、役割が分割される。このため、複数のクライアント(CL)が存在する場合であっても、アプリケーションサーバ(AS)においてデータ処理に関する設定が統一される。その結果、どのクライアント(CL)も同じ形式で表示を作成できるので、システムに詳しくないユーザでも容易に処理を実行することができる。
【0215】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0216】
第1の実施の形態においては、アプリケーションサーバ(AS)によって処理されたデータが一度データベース(ASDB)に格納され、クライアント(CL)がそのデータをプロットしていた。一方、第2の実施の形態では、アプリケーションサーバ(AS)を介さずに、クライアント(CL)がデータ処理とプロットを連続して行う。そのため、処理されたデータを格納するためのデータベース部(ASDB)は使用されない。第1の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)が実行した処理のための機能は、クライアント(CL)に設けられる。
【0217】
上記以外の点に関しては、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0218】
図13は、本発明の第2の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0219】
図13に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、まず、アプリケーションサーバ(AS)が存在しない点である。このため、第1の実施の形態においてはアプリケーションサーバ(AS)内にあったデータ処理部がクライアント(CL)内に設けられる点、さらに、記録部(ASME)の対面閾値(ASME_IRT)及び加速度単位変換式(ASME_ACC)がそれぞれ対面閾値(CLME_IRT)及び加速度単位変換式(CLME_ACC)としてクライアント(CL)内の記録部(CLME)に格納されている点も異なっている。
【0220】
第1の実施の形態においてアプリケーションサーバ(AS)が備えていた機能は、第2の実施の形態において、クライアント(CL)が備える。
【0221】
図14は、本発明の第2の実施の形態において、センシングデータが端末(TR)からユーザ(US)に提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【0222】
図14が第1の実施の形態(図3)と相違する点は、クライアント(CL)が、アプリケーションサーバ(AS)を介さずに、直接ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)にデータ検索(CLSE)を行い、さらに、クライアント(CL)がデータ受信(CLRE)、データ分類(CLDE)及びデータ処理(CLDP1)を行う点である。データ受信(CLRE)、データ分類(CLDE)及びデータ処理(CLDP1)は、アプリケーションサーバ(AS)ではなくクライアント(CL)によって実行されるという点を除いて、それぞれ、第1の実施の形態のデータ受信(ASRE)、データ分類(ASDE)及びデータ処理(ASDP)と同じである。
【0223】
図15は、本発明の第2の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0224】
図15が第1の実施の形態(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)とデータプロット(CLDP)が統一され、データ処理・解析(CLPP)に置き換えられている点のみである。
【0225】
図16は、本発明の第2の実施の形態において実行されるデータ処理・解析(CLPP)の処理を示すフローチャートである。
【0226】
図16に示す処理は、第2の実施の形態のクライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)によって実行される。
【0227】
処理が開始されると(CLPPST)、アプリケーション部(CLAP)は、図6に示すウィンドウを用いて設定された初期条件設定(CLIS)を読み込む(CLPP_1)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、加速度単位変換式(CLME_ACC)及び対面閾値(CLME_IRT)を記録部(CLME)から読み込む(CLPP_2)。
【0228】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続する(CLPP_3)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、データベース部(SSDB)に格納されたデータの中から、その開始時刻(SSDB_STM)が初期条件設定(CLIS)の表示期間(CLISPT)の範囲内にあるデータのみを選択して取得する(CLPP_4)。
【0229】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、取得したデータから1レコードを読み込む(CLPP_5)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、読み込んだレコードに含まれるデータの開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)が初期条件設定(CLIS)の表示時刻(CLISPT)の範囲内であり、かつノードID(SSDB_SID)が表示メンバ(CLISPM)である場合、加速度データ処理・プロット(CLPP_10)及び赤外線対面判別・プロット(CLPP_20)に進む(CLPP_6)。そうでない場合、読み込んだレコードは、表示されるべきデータを含まない。この場合、アプリケーション部(CLAP)は、読み込んだレコードに対する処理及びプロットを行わずに、ステップ(CLPP_7)に進む。
【0230】
次に、加速度データ処理・プロット(CLPP_10)及び赤外線対面判別・プロット(CLPP_20)の二つの処理が実行される。これらは、並行して実行されてもよいし、順次実行されてもよい。順次実行される場合、どちらが先に実行されてもよい。
【0231】
先に、加速度データ処理・プロット(CLPP_10)について説明する。最初に、アプリケーション部(CLAP)は、X、Y及びZの三軸の各方向について、100個の加速度データ(SSDB_AX1〜SSDB_AZ100)の単位を加速度[G]に変換する(CLPP_11)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、上記の100個の加速度データのセンシング時刻を開始時刻(SSDB_STM)から逆算する(CLPP_12)。上記のステップ(CLPP_11)及び(CLPP_12)は、図9のステップ(ASDP_11)及び(ASDP_12)と同様の方法によって実行されてもよい。
【0232】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(SSDB_SID)に基づいて、プロットするグラフ領域の場所を指定する(CLPP_13)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、ステップ(CLPP_11)及び(CLPP_12)において計算された時刻及び加速度データの値から、記録部(CLME)に記録されていた描画領域設定(CLTS)の計算式を用いて、描画する座標を計算する(CLPP_14)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、計算された座標に、加速度データをプロットする(CLPP_15)。
【0233】
次に、赤外線対面判別・プロット(CLPP_20)について説明する。
【0234】
最初に、アプリケーション部(CLAP)は、読み込んだレコードの赤外線送信側ID(SSDB_OID)が初期条件設定(CLIS)の表示メンバに含まれているか否かを判別する(CLPP_21)。赤外線送信側ID(SSDB_OID)が初期条件設定(CLIS)の表示メンバに含まれていると判別された場合、処理はステップ(CLPP_22)に進む。赤外線送信側ID(SSDB_OID)が初期条件設定(CLIS)の表示メンバに含まれていないと判別された場合、読み込まれたレコードは表示されるべきデータを含まない。この場合、赤外線データに関する処理とプロットは行われず、処理はステップ(CLPP_7)に進む。
【0235】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、受信回数(SSDB_NIR)と対面閾値(CLME_IRT)の大きさを比較する(CLPP_22)。受信回数(SSDB_NIR)が対面閾値(CLME_IRT)以上であった場合、端末(TR)が他の端末(TR)と対面していたと判別される。この場合、処理は、プロットのためのステップ(CLPP_23)からステップ(CLPP_26)に進む。
【0236】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(SSDB_SID)に基づいて、プロットするグラフ領域の場所を指定する(CLPP_23)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)から、プロットする座標を計算する(CLPP_24)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、赤外線送信側ID(SSDB_OID)に対応する色を表示色として設定する(CLPP_25)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(SSDB_SID)に対応する領域の開始時刻(SSDB_STM)から終了時刻(SSDB_ETM)までの幅の帯を、設定された表示色に塗ることによって、赤外線データをプロットする(CLPP_26)。
【0237】
データベース(SSDB)から読み込んだすべてのレコードのデータの処理が完了した場合には終了(CLPPEN)する(CLPP_7)。一方、全てのレコードについて処理が完了していない場合には、次の1レコードを読み込み(CLPP_5)、上記の処理及びプロットを行う。
【0238】
以上の本発明の第2の実施の形態では、アプリケーションサーバ(AS)を介さずに、クライアント(CL)が、センシングデータの処理、プロット及び表示を連続して実行する。このため、システム全体で使用されるメモリ及びプロセスが削減され、よりリアルタイムにデータを反映した表示をすることが可能になる。
【0239】
また、処理プログラムが全てクライアント内にあるため、ユーザは、自由に設定及びプログラムを変更して表示することが可能である。
【0240】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0241】
第1の実施の形態では、活動に関するデータとして加速度のセンシングデータが表示された。これに対して、第3の実施の形態では、加速度及び音声等のデータを行動解析アルゴリズムによって処理した結果が表示される。行動解析とは、例えば、加速度データ等に基づいて、端末(TR)の動き(言い換えると、端末(TR)を装着した人物の行動)を、「歩行」、「着座」、「会話」及び「静止」等に分類することを意味する。その解析結果(すなわち、分類された行動)が、色彩によって表示される。
【0242】
赤外線による対面検出は、第1の実施の形態と同様の方法によって実行される。一方、活動に関するデータとして、行動解析結果が対面データと対応付けて表示される。その結果、インタラクションの状態を分析することがさらに容易になる。
【0243】
第3の実施の形態では、各メンバ(人物)に対応する領域が作成される。領域の上部には対面検出の結果が、下部には行動解析の結果が表示される。各メンバに対応する上記の領域が、表示画面上で上下に並べて表示される(後述する図18A参照)。
【0244】
図17は、本発明の第3の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0245】
図17に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0246】
アプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)(図1)は、データ処理・解析部(ASPA)によって置き換えられる。データ処理・解析部(ASPA)は、単位変換(ASMC)に加えて、行動特徴量抽出(ASAF)及び行動パターンマッチング(ASAM)を含む。なお、図17では省略されているが、データ処理・解析部(ASPA)は、データ処理部(ASDP)と同様、対面判別(ASFD)を含んでもよい。
【0247】
データ処理・解析部(ASPA)は、データ処理部(ASDP)と同様、記録部(ASME)に格納されたプログラム(図示省略)を制御部(ASCO)のCPU(図示省略)が実行することによって実現されてもよい。その場合、データ処理・解析部(ASPA)が実行する処理は、実際には、制御部(ASCO)のCPUによって実行される。
【0248】
また、記録部(ASME)には行動特徴量記録部(ASAM)が追加され、データベース部(ASDB)には行動データベース(ASDB_AC)が追加される。
【0249】
追加されたものは、すべて行動解析のための機能である。
【0250】
図18Aは、本発明の第3の実施の形態において表示される画面の一例を示す説明図である。
【0251】
図18Aは、1日分のデータのみを表示している点、及び、対面データと活動データを左右ではなく上下に並べて配置している点においては図4Aと異なるが、対面データと活動データを対応付けている点においては図4Aと同様である。
【0252】
図18Aでは、横軸を各メンバの対面データ及び活動データに共通の時間軸とする。メンバ一人分のグラフ領域は、上部の対面表示部(CLSC2_IR)及び下部の行動表示部(CLSC2_AC)からなる。対面表示部(CLSC2_IR)には対面データが、行動表示部(CLSC2_AC)には活動データが表示される。上記のような各メンバのグラフ領域を上下方向に並べて配置することによって、複数メンバの対面データ及び活動データが共通の時間軸上に表示される。その結果、一人のメンバのインタラクションデータ(すなわち、対面データ及び活動データ)が、時刻情報に基づいて対応付けて表示される。さらに、各メンバのインタラクションデータが、時刻情報に基づいて対応付けて表示される。
【0253】
行動表示部(CLSC2_AC)は、活動度表示部(CLSC2_AC01)及び行動パターン表示部(CLSC2_AC02)からなる。活動度表示部(CLSC2_AC01)には、加速度データから計算された活動度が折れ線グラフで表示される。活動度については、第5の実施の形態において詳細に説明する。行動パターン表示部(CLSC2_AC02)には、行動解析の結果、もっとも大きな相関が得られた行動パターン(すなわち、加速度データ等に基づいて分類された行動)が、色分けした帯グラフによって表示される。上記の各領域の表示の詳細、及び、その表示に基づいて行われる分析については、図18Bを参照して説明する。
【0254】
図18Bは、本発明の第1の実施の形態における組織ダイナミクスの分析の例を示す説明図である。
【0255】
具体的には、図18Bは、図18Aの一部を説明のために拡大したものである。人物Aの領域は、図18Aの対面表示部(CLSC2_IR)に対応する対面A(IR_A)、活動度表示部(CLSC_AC01)に対応する活動度A(AC_A)、及び、行動パターン表示部(CLSC_AC02)に対応する行動パターンA(AP_A)の領域を含む。同様にして、人物Bの領域は、対面B(IR_B)、活動度B(AC_B)及び行動パターンB(AP_B)を含む。人物Cの領域は、対面C(IR_C)、活動度C(AC_C)及び行動パターンC(AP_C)を含む。人物Dの領域は、対面D(IR_D)、活動度D(AC_D)及び行動パターンD(AP_D)を含む。図18Bには、説明のため、人物A〜Dの4人の領域のみを示す。
【0256】
行動パターンA(AP_A)〜行動パターンD(AP_D)には、加速度データ等に基づいて分類された行動が色彩によって表示される。図18Bの例では、各人物が静止しているか、歩行しているかが表示される。
【0257】
図18Bの表示から読み取れる組織ダイナミクスを以下に述べる。
【0258】
まずイベント1では、人物Bの活動度B(AC_B)が上昇し、かつ行動パターンB(AP_B)が「歩行」を示している。その後、対面B(IR_B)の表示から、人物Bは人物Aと対面していることがわかる。また、対面C(IR_C)にも人物Aの色が現れていることから、人物Cも人物Aと対面していることがわかる。つまり、このとき、人物Aと人物Bと人物Cとが三人で会っている。よって、人物Bが人物Aと人物Cのところに歩いて来て、三人で話していることがわかる(event1)。なお、ここでは、一度のセンシング間隔に複数のIDからの赤外線受信があった場合に、領域が上にある人物の色を優先して表示するように設定されている。このため、人物Bと人物Cが対面している情報は図18Bに表現されていない。
【0259】
次にイベント2では、人物Aと人物Bが対面したまま同じタイミングで歩行している。このことから、二人はそろって移動し、そのまま別の場所で話し込んでいることがわかる(event2)。
【0260】
さらにイベント3では、人物Bが再び歩行し、人物Cと対面している(event3)。
【0261】
また、イベント3とほぼ同じ時間帯に、人物Dが歩行している。その後、人物Dは人物Bと入れ違いに人物Cと対面し、その後歩行している。このことから、人物Dは人物Cに何か用件を持ちかけ、用事が終わったら去っていったことがわかる(event4)。
【0262】
最後にイベント5では、人物Cが再び人物Bと少し対面し、そのまま歩行して別の場所に行ったことがわかる(event5)。
【0263】
以上の流れから、人物Bの動きが起点となって、4人の人物の関わりが連鎖的に起こっていることが分析でき、組織のダイナミクスを捉えることができる。
【0264】
図19は、本発明の第3の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0265】
図19が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)がデータ処理・解析(ASPA)によって置き換えられている点のみである。
【0266】
データ処理・解析(ASPA)の部分のみを次に述べる。
【0267】
図20は、本発明の第3の実施の形態において実行されるデータ処理・解析(ASPA)を示すフローチャートである。
【0268】
図20に示す処理は、図17に示すアプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理・解析部(ASPA)によって実行される。対面検出に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。このため、図20では、行動解析に関する処理を説明する。
【0269】
処理が開始(ASPAST)されると、データ処理・解析部(ASPA)は、まずストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続し、加速度又は音声等、行動解析のために必要なデータを所定の区間分取得する(ASPA_1)。次に、データ処理・解析部(ASPA)は、取得したデータから行動特徴量を抽出する(ASPA_2)。特徴量の抽出方法は、既存の方法であってよい。次に、データ処理・解析部(ASPA)は、抽出した行動特徴量を、記録部(ASME)内の行動特徴量記録部(ASAM)と比較することによって、パターンマッチングを行う(ASPA_3)。パターンマッチングの結果、端末(TR)を装着した人物の行動が、例えば、「歩行」又は「静止」等に分類される。
【0270】
記録部(ASME)内の行動特徴量記録部(ASAM)に格納されている行動特徴量は、既存のものであってよい。
【0271】
次に、データ処理・解析部(ASPA)は、パターンマッチングによって出力された解析結果(すなわち、分類された行動を示す情報)をアプリケーションサーバ(AS)の行動データベース部(ASDB_AC)に格納する(ASPA_4)。
【0272】
データ処理・解析部(ASPA)は、すべてのデータの解析が完了した場合、処理を終了(ASPAEN)する。一方、すべてのデータの解析が完了していな場合、データ処理・解析部(ASPA)は、ふたたびデータベース部(SSDB)から次の所定の区間のデータを取得して(ASPA_1)、上記と同様の処理を繰り返す(ASPA_5)。
【0273】
図21は、本発明の第3の実施の形態の行動データベース部(ASDB_AC)の説明図である。
【0274】
行動データベース部(ASDB_AC)は、開始時刻(ASDB_AC_STM)、終了時刻(ASDB_AC_ETM)、ノードID(ASDB_AC_SID)、行動(歩行)(ASDB_AC1)、行動(着席)(ASDB_AC2)及び行動(起立)(ASDB_AC3)の要素を含む。
【0275】
行動(歩行)(ASDB_AC1)は、開始時刻(ASDB_AC_STM)から終了時刻(ASDB_AC_ETM)までの時間にノードID(ASDB_AC_SID)が示す端末(TR)によってセンシングされたデータを行動解析した結果、歩行と認識された回数を示す。同様に、行動(着席)(ASDB_AC2)は、着席と認識された回数、行動(起立)(ASDB_AC3)は、起立と認識された回数を示す。
【0276】
データ処理・解析(ASPA)において、行動解析アルゴリズムを追加又は変更することができる。さらに、行動解析アルゴリズムの追加又は変更にあわせて、表示方法も変更できる。また、行動データベース部(ASDB_AC)の行動に関する要素も、必要に応じて変更・追加又は削除することができる。例えば、さらに、行動(静止)という要素が追加されてもよい。
【0277】
図8における一つのレコード(例えばRE01)から図21の一つのレコード(例えばRE01)が生成される。図8の複数のレコードから一つの行動データベースのレコードを作成することもできる。
【0278】
以上の第3の実施の形態では、各メンバに関する対面検出の結果と、行動解析の結果とが対応付けて表示される。これによって、各メンバの行動を直感的に把握することができるようになる。このため、誰が誰に話しかけに行ったのかを容易に見つけることができる。すなわち、ある人の行動を起点として伝言ゲームのように人から人へインタラクションが誘発される様子や、一人の人物が居室内を動き回ってメンバ間の意見調整を行っている様子などを追跡することができる。よって、組織を構成するメンバのセンシングデータに基づいて、組織ダイナミクスの要素を容易に発見・分析することができるようになった。
【0279】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0280】
第1の実施の形態においては、センシングされた回数分のセンシングデータがすべてプロットされていた。一方、第4の実施の形態では、センシングデータを平均化する処理が追加され、平均化されたセンシングデータが表示される。これは、特に加速度データのように短い間隔でセンシングしているデータを、長期間分まとめて表示する際に必要となる。プロットすべきデータ数が増えるとメモリに負荷がかかるからである。また、一般的なPCディスプレイやA4サイズの紙に表示することを想定すると、プロットした点の間隔が人間の視覚やプリンタの分解能よりも細かくなるため、すべてのセンシングデータを忠実にプロットする必要はない。そこで、第4の実施の形態では、データ数が多いときにはデータを平均化することによってプロット数を削減する処理を導入した。これによってメモリの負荷が軽減され、またプロットにかかる時間も短縮できる。
【0281】
第4の実施の形態においては、例として、加速度データを100の整数倍の数のサンプルごとに平均化する処理を説明する。しかし、平均化されるデータのサンプル数を任意に設定することもできる。さらに、加速度以外の種類の数値データに関しても、必要であれば同様の処理によって平均化をすることができる。
【0282】
図22は、本発明の第4の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0283】
図22に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0284】
具体的には、第4の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)には、平均化処理(ASAV)が追加される。さらに、記録部(ASME)には平均化単位(ASME_AVE)が、データベース部(ASDB)には加速度平均化データ(ASDB_AVE)が追加される。
【0285】
追加されたものは、すべて平均化のための機能である。
【0286】
図23は、本発明の第4の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0287】
図23が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)が平均化処理(ASAV)によって置き換えられている点のみである。
【0288】
対面検出に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。以下、加速度に関する平均化処理(ASAV)の部分のみを説明する。
【0289】
図24は、本発明の第4の実施の形態において実行される平均化処理(ASAV)を示すフローチャートである。
【0290】
処理が開始(ASAVST)されると、データ処理部(ASDP)は、まず記録部(ASME)内の平均化単位(ASME_AVE)を読み込む(ASAV_1)。
ここで平均化単位(ASME_AVE)とは、1回の平均化によって処理されるデータの個数(サンプル数)を100で割った値である。例えば、平均化単位(ASME_AVE)が「1」である場合、「1」の100倍の値すなわち100個の加速度データが1回の平均化によって処理される。加速度データがX、Y及びZの三軸方向の成分を含む場合、各軸方向の100個ずつのデータが1回の平均化によって処理される。この場合、各軸方向の100個の加速度データの値の総和を100で割った値が、平均化された加速度データとして算出される。100個の加速度データは、データベース部(SSDB)の1レコード分の加速度データに相当する。
【0291】
次に、データ処理部(ASDP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続し、データを開始時刻(SSDB_STM)の順に1レコード取得する(ASAV_2)。この1レコードのデータには、加速度データが三軸各方向について100個ずつ含まれている。
【0292】
次に、データ処理部(ASDP)は、取得したデータの単位を加速度[G]に変換する(ASAV_3)。加速度の単位の変換方法については第1の実施の形態と同様である。
【0293】
次に、データ処理部(ASDP)は、単位を変換されたデータをX、Y及びZの各軸方向別に分けて、順にデータを加算する(ASAV_4)。1レコード(100個)の計算を終了(ASAV_5)したら、データ処理部(ASDP)は、再びデータを1レコードずつ取り出して同様の処理を繰り返す。平均化単位(ASME_AVE)が示す数のデータすべての計算を終了(ASAV_6)すると、処理はステップ(ASAV_7)に進む。このとき、データを開始時刻(SSDB_STM)の順に取り出すことによって、データベース部(SSDB)に格納されたデータが時刻の順に並んでいなくても、正しく平均化することができる。
【0294】
次に、データ処理部(ASDP)は、各軸方向ごとに合計した値を、それぞれ平均化単位(ASME_AVE)の100倍、すなわち合計したデータの個数で割ることで、各軸方向の加速度の平均値を求める(ASAV_7)。
【0295】
次に、データ処理部(ASDP)は、合計されたデータのうち、最も古いデータの開始時刻と、最も新しいデータの開始時刻とを足して2で割った値にさらに1秒足すことによって、平均の時刻を計算する(ASAV_8)。加速度データは前回のタイムスタンプが付けられた直後の2秒間で100回センシングされているため、上記のような計算によって平均の時刻を求めることができる。
【0296】
次に、データ処理部(ASDP)は、以上のようにして計算された平均時刻、X軸方向の平均加速度、Y軸方向の平均加速度及びZ軸方向の平均加速度を1レコードとしてアプリケーションサーバ(AS)の加速度平均化データベース(ASDB_AVE)に格納する(ASAV_9)。
【0297】
データ処理部(ASDP)は、すべてのデータの処理が終了した場合には、処理が終了(ASAVEN)する。一方、すべてのデータの処理が終了していない場合、データ処理部(ASDP)は、すべてのデータの処理が終了するまで、データ取得(ASAV_2)以降の処理を繰り返す(ASAV_10)。
【0298】
図25は、本発明の第4の実施の形態の加速度平均化データベース(ASDB_AVE)の説明図である。
【0299】
加速度平均化データベース(ASDB_AVE)は、平均時刻(ASDB_AVE_TM)、ノードID(ASDB_AVE_SID)、加速度x(ASDB_AVE_X)、加速度y(ASDB_AVE_Y)及び加速度z(ASDB_AVE_Z)の要素を含む。
【0300】
平均化単位が「1」である場合、図8の一つのレコード(例えばRE01)の加速度が平均化された結果が、図25のレコード(例えばRE01)に格納される。平均化単位が「n」である場合、図8のn個のレコードのデータが平均化された結果が、図25の一つのレコードに格納される。
【0301】
次に、平均化単位(ASME_AVE)の設定方法について説明する。平均化単位(ASME_AVE)は、以下の説明を参考にして、自動的に決定されてもよいし、初期条件設定においてユーザ(US)によって決定されてもよい。自動的に又はユーザによって決定された平均化単位(ASME_AVE)は、記録部(ASME)に格納される。
【0302】
平均化単位(ASME_AVE)が大きすぎると、データが平滑化された結果、データの変化の特徴がグラフに現れなくなる。一方、平均化単位(ASME_AVE)が小さすぎると、メモリにかかる負荷を軽減できなくなる。このため、平均化単位は(ASME_AVE)適切な値に設定しなければならない。
【0303】
そこで、グラフ領域の幅と、表示されるデータの時間軸の長さとに基づいて、プロットする点の間隔を計算し、適切な値に設定する。仮に、ディスプレイ上または印刷時の個々のドットの大きさを考慮して、人間が判別可能であるプロット間隔の最小値を0.1ミリメートル、変化が滑らかに見られるプロット間隔の最大値を0.5ミリメートルと定め、プロット間隔がこの範囲内に収まるように平均化単位(以下、K_averageとする)の値を検討する。また、表示されるグラフ領域の幅をB_length(mm)、表示される時間の幅をB_time(hour)とし、これらは初期設定においてユーザによって設定されていると仮定する。
【0304】
元のデータ数は、10秒当たり100個、すなわち、B_time×36000個存在する。これをK_average×100個ずつ平均すると、プロットする個数は
(B_time×36000)/(K_average×100)=360×B_time/K_average (式1)
となる。このときプロット間隔は
B_length/(プロットする個数)=(B_length×K_average)/(360×B_time) (式2)
となる。このプロット間隔が0.1〜0.5となるためには、平均化単位(K_average)は、
(36×B_time/B_length)<K_average<(180×B_time/B_length) (式3)
を満たすものを選択するとほぼ適切に描画ができると考えられる。
【0305】
例えば、表示するグラフ領域の幅(B_length)を200mmとしたときの平均化単位(K_average)の最小値と最大値と、その時の適切な平均化単位(K_average)の範囲を表1に示す。
【0306】
【表1】
【0307】
以上の第4の実施の形態の平均化処理を行うことによって、データのメモリオーバが生じなくなる。このため、長期間のデータを表示できるようになる。さらに、表示に要する時間を短縮することができる。
【0308】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0309】
第1の実施の形態では、人物の活動を示す情報として、三軸方向の加速度が処理され、プロットされた。第5の実施の形態では、加速度に加えて、活動度が計算処理される。活動度とは、端末(TR)の動きの激しさ(すなわち、端末(TR)を装着した人物の動きの激しさ)を知るための指標である。加速度データは三軸方向に分けてセンシングされているため複雑な分析を行うことが可能であるが、その反面、直感的に変化を捉えることが難しい。そこでシンプルな動きの激しさを現すために、活動度の計算処理とそのグラフ表示が追加される。
【0310】
また、活動度の代わりに、ゼロクロス計算をすることもできる。ゼロクロス計算も端末(TR)の動きの激しさを知るための指標である。ゼロクロス計算は、活動度とは異なる計算式によって行われる。しかし、計算式以外の処理のフローは、ほぼ同じである。フローの始めにどちらの処理を用いるかが選択される。活動度とゼロクロスの両方が計算されてもよい。
【0311】
図26は、本発明の第5の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0312】
図26に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0313】
具体的には、第5の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)には、活動度処理(ASAV)及びゼロクロス処理(ASZR)が追加される。さらに、データベース部(ASDB)に活動度データベース(ASDB_ACT)が追加される。
【0314】
ここで追加されたものは、すべて活動度計算又はゼロクロス計算のための機能である。
【0315】
図27は、本発明の第5の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0316】
図27が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)が活動度計算(ASAC)によって置き換えられている点のみである。
【0317】
対面検出に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。以下、活動度計算(ASAC)の部分のみを説明する。
【0318】
図28は、本発明の第5の実施の形態において実行される活動度計算(ASAC)を示すフローチャートである。
【0319】
処理が開始(ASACST)されると、指標として活動度を用いるかゼロクロス値を用いるかが選択される(ASAC_1)。活動度とは、ここでは、連続した加速度データの差(すなわち、あるセンシング時刻における加速度データと、その次のセンシング時刻における加速度データとの差)の絶対値をある一定期間にわたって算出し、それらの値を合計することによって取得された値である。ゼロクロス値とは、加速度データの値が、正から負へ、または負から正へ符号変換した回数をある一定期間で合計したものである。ゼロクロス値の方が、データベースに必要とするデータ量が少なくて済むが、重力方向(すなわち、Y軸方向)の動きに対して鈍いという欠点がある。
【0320】
指標として活動度を用いるかゼロクロス値を用いるかは、予め定められていてもよいし、図28の処理が実行されるたびにユーザ(US)によって選択されてもよい。ステップ(ASAC_1)では、活動度及びゼロクロス値のいずれか一方又は両方が選択されてもよい。
【0321】
次に、データ処理部(ASDP)は、第1の実施の形態と同様に、データベース(SSDB)に接続し、加速度データを1レコード取得する(ASAC_2)。1レコードの中には、X、Y、Zの各軸方向100個のセンシングデータが含まれている。データ処理部(ASDP)は、それらのすべてのセンシングデータに対して、加速度[G]への単位変換(ASMC)をする。
【0322】
次に、データ処理部(ASDP)は、100個のセンシングデータのうち、番号の小さい方(すなわち、センシング時刻の古い方)から順に二つのデータを取得する(ASAC_3)。
【0323】
次に、データ処理部(ASDP)は、始めの選択(ASAC_1)で活動度を選択した場合には活動度をカウントし、ゼロクロス値を選択した場合にはゼロクロスをカウントする(ASAC_4)。
【0324】
活動度の計算では、前後する二つの加速度データの差の絶対値が、各軸方向別にカウントに加算される(ASAC_5)。
【0325】
ゼロクロス値の計算では、前後する二つの加速度データの積が負であった場合に(ASAC_51)、ゼロクロスカウントに1が加算される(ASAC_52)。
【0326】
ステップASAC_5、又は、ASAC_51〜ASAC_52が、X、Y、Zの各軸方向について実行される(ASAC_6)。
【0327】
なお、ステップ(ASAC_1)において、活動度及びゼロクロス値の両方が選択された場合、ステップASAC_5、ASAC_51及びASAC_52が実行される。
【0328】
データベース(SSDB)から取得した100個のデータについて計算が終了していない場合(ASAC_7)、データ処理部(ASDP)は、時系列順に次の二つのデータを取得する(ASAC_3)。言い換えると、前回のステップ(ASAC_3)で取得した二つのデータのうち、遅いセンシング時刻に対応するデータと、その次のセンシング時刻に対応するデータとが取得される。そして、データ処理部(ASDP)は、取得したデータに対して、活動度又はゼロクロスの計算を繰り返す。
【0329】
1レコード、すなわちデータ100個分の計算が終了したら(ASAC_7)、X、Y及びZ方向の活動度又はゼロクロスの値を合計し(ASAC_8)、アプリケーションサーバ(AS)のデータベース部(ASDB)に、合計された活動度又はゼロクロスの値を格納する(ASAC_9)。合計された活動度又はゼロクロス値に対応する時刻データとして、開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)の中間の値である平均時刻(ASDB_AC_TM)が格納される。
【0330】
プロットすべきすべてのデータの処理を終了した場合には、図28の処理が終了(ASACEN)する。一方、プロットすべきすべてのデータの処理が終了していない場合、活動度又はゼロクロスのカウントをリセットし、再びデータ取得(ASAC_2)以降の処理が実行される(ASAC_10)。
【0331】
図29は、本発明の第5の実施の形態の活動度データベース(ASDB_ACT)の説明図である。
【0332】
活動度データベース(ASDB_AXT)は、平均時刻(ASDB_ACT_TM)、ノードID(ASDB_ACT_SID)、活動度(ASDB_ACT)及びゼロクロス(ASDB_ACT_ZERO)の要素を含む。図28の選択(ASAC_1)では、活動度及びゼロクロス値の一方又は両方が選択される。このため、一方が選択されなかった場合、活動度(ASDB_ACT)及びゼロクロス(ASDB_ACT_ZERO)のうち選択されなかった方は空白になる。
【0333】
図8における一つのレコード(例えば、RE01)から算出された値が、図29の一つのレコード(例えば、RE01)に格納される。図8の複数のレコードから算出された値が行動データベースの一つのレコードに格納されてもよい。
【0334】
第5の実施の形態によれば、活動度(又はゼロクロス値)を算出することによって、端末(TR)及びそれを装着した人物の動きの激しさを知ることができる。動きの激しさによって、人物の行動の時間的変化を捉えることができ、それに基づいて、例えば、人物が掃除をしている状態、休憩をしている状態、又は、端末(TR)が放置されている状態を、大雑把であるが容易に判断することができる。
【0335】
第6の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の赤外線対面判別(ASFD)において、表示を見やすくするために、1回の対面の表示を拡大する処理が実行される。
【0336】
端末(TR)の赤外線送信器の指向性が高すぎたり、人間の向いている方向が頻繁に動くことによって、対面が検出されないことがある。第1の実施の形態では、最も短い対面表示の単位は10秒としていたが、データに欠けがある場合には表示が細い線の縞模様になってしまい、色を見分けることが難しくなる。特に長時間分のデータをまとめて表示する場合には、全体に対して10秒の幅の表示は細かすぎる。そこで一つのデータを拡張することによって表示をスムージングする。
【0337】
この問題を改善するために第6の実施の形態では、10秒より長い時間を拡大表示単位(ASME_IREU)として設定し、その時間内での対面の有無が判別される。その時間内で対面があったと判別された場合、拡大表示単位(ASME_IREU)分の幅で対面が表示される。
【0338】
経験上、対面していないのに対面していると判別されることよりも、対面しているのに、その対面が対面データに現れないことの方が多く生じており、かつ重大な問題であった。このため、一つの対面データに基づいて対面の有無を判別してもよいと考えられる。
【0339】
加速度データの処理方法は、第1の実施の形態と同様である。以下、赤外線データの拡大表示処理について説明する。
【0340】
図30は、本発明の第6の実施の形態の拡大表示処理が行われた表示画面の説明図である。
【0341】
具体的には、図30は、拡大表示処理の例として、拡大表示単位(ASME_IREU)を5分とした場合の表示画面を示す。
【0342】
第1の実施の形態の方法で対面データを表示したものが拡大前表示(IRE10)、第6の実施の形態の拡大表示処理がされた対面データ表示したものが拡大後表示(IRE20)である。拡大前データ(IRE01)の左端の時刻と同じ時刻から5分間に相当する幅を塗りつぶして表示したものが拡大後データ(IRE11)である。
【0343】
また、拡大前データ(IRE02、IRE03)のように拡大前のデータが5分以内に続けて複数回あった場合、それらは一つの拡大後データ(IRE12)として表示される。
【0344】
また、拡大前データ(IRE04)のように、拡大前のデータが5分間より長く途切れなくあった場合には、拡大表示単位(ASME_IREU)(5分間)の整数倍の幅に繰り上げて表示(IRE13)される。図30の例では、7分間の拡大前データ(IRE04)に対応する拡大後データ(IRE13)の表示の幅は、5分間の整数倍であって、かつ、7分間以上の値のうち最も小さい値である10分間に相当する。
【0345】
図31は、本発明の第6の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0346】
図31に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0347】
具体的には、アプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)に対面拡大処理(ASIRE)が、記録部(ASME)に対面閾値(ASME_IRET)、拡大表示単位(ASME_AIREU)、拡大スタート時刻(ASME_JRES)及び受信合計回数(ASME_IREA)が、データベース部(ASDB)に対面拡大データベース(ASDB_IRE)が追加される。
【0348】
なお、対面閾値(ASME_IRET)及び拡大表示単位(ASME_AIREU)としては、前もって既定の値が記録されている。一方、拡大スタート時刻(ASME_JRES)及び受信合計回数(ASME_IREA)は、初期状態では空であり、処理過程において一時的にデータを記録するために確保された変数である。
【0349】
追加されたものは、すべて拡大表示のための機能である。
【0350】
図32は、本発明の第6の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0351】
図32が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)が対面拡大処理(ASIRE)によって置き換えられている点のみである。
【0352】
加速度に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。以下、対面検出に関する処理(ASIRE)の部分のみを説明する。
【0353】
図33は、本発明の第6の実施の形態において実行される対面拡大処理(ASIRE)を示すフローチャートである。
【0354】
処理が開始(ASIREST)されると、データ処理部(ASDP)は、まず記録部(ASME)内の対面閾値(ASME_IRET)と拡大表示単位(ASME_IREU)を読み込む(ASIRE_1)。ここで対面閾値(ASME_IRET)とは、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かを判別するために使用される閾値である。具体的には、特定の端末(TR)からの赤外線受信回数が対面閾値(ASME_IRET)以上であれば、対面したと判別される。また拡大表示単位(ASME_IREU)とは、対面を表示する際に最も小さな単位となる時間軸上の幅である。
【0355】
これらは初期条件設定の際にユーザ(US)によって設定されてもよいし、自動で設定されてもよい。設定された値は、記録部(ASME)に格納される。
【0356】
次に、データ処理部(ASDP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続し、初期設定で設定された範囲内で最も開始時刻(SSDB_STM)の早いデータを1レコード取得する(ASIRE_2)。この1レコードのデータには、開始時刻(SSDB_STM)、終了時刻(SSDB_ETM)、ノードID(SSDB_SID)、赤外線送信側ID(SSDB_OID)、及び、10秒間中の赤外線受信回数(SSDB_NIR)の要素が含まれている。
【0357】
また、初回に取得した場合のみ、開始時刻(SSDB_STM)が拡大スタート時刻として記録される(ASIRE_3)。
【0358】
次に、データ処理部(ASDP)は、データベース(SSDB)から開始時刻(SSDB_STM)の順に次の1レコードのデータを取得する(ASIRE_4)。
【0359】
取得したデータの終了時刻(SSDB_ETM)が、現在記録されている(拡大スタート時刻+拡大表示単位(ASME_IREU))の範囲内であれば(ASIRE_3)、データ処理部(ASDP)は、受信側IDと送信側IDとの組み合わせごとに赤外線受信回数を加算する(ASIRE_50)。
【0360】
そうでない場合、データ処理部(ASDP)は、拡大スタート時刻を新たに上書きする(ASIRE_51)。それまでの受信合計回数が対面閾値(ASME_IRET)以上であった場合(ASIRE_52)、対面があったと判別される。このため、データ処理部(ASDP)は、拡大スタート時刻を開始時刻(ASDB_IRE_STM)、(拡大スタート時刻+拡大表示単位(ASME_IREU))の時刻を終了時刻(ASDB_IRE_ETM)とし、それらに加えて、ノードID(ASDB_IRE_SID)及び赤外線送信側ID(ASDB_IRE_OID)含む1レコードを対面拡大データベース(ASDB_IRE)に格納する(ASIRE_53)。その後、データ処理部(ASDP)は、受信合計回数をリセットする(ASIRE_54)。
【0361】
すべてのデータの処理が終了した場合には(ASIRE_6)、図33の処理を終了(ASIREEN)する。そうでない場合、データ処理部(ASDP)は、次の1レコードのデータの取得(ASIRE_4)以降の手順を繰り返す。
【0362】
拡大表示単位(ASME_IREU)は、加速度の平均化の際と同様に、表示されるグラフ領域の幅及び表示される時間幅の情報に基づいて設定される。拡大を行う条件及び表示単位の上限を参考にして、適切な値が選択される。
【0363】
まず拡大を行う条件について検討する。最小単位として10秒間の対面を表示したときにプロットされる領域の幅が0.1ミリメートル以下になるときには拡大が必要となると仮定する。このとき、グラフ全体の領域の幅と最小データの幅との比から計算すると、例えば、グラフ全体の領域の幅が20センチメートルであれば、描画するグラフの時間幅が5時間以上である場合に、表示単位の拡大を行う必要があると判断される。
【0364】
次に、拡大表示単位(ASME_IREU)の上限について検討する。拡大表示単位(ASME_IREU)の上限は、希望する分析対象に合わせて選択される。例えば、日常の業務におけるインタラクションには、10秒程度のあいさつから、5分程度の立ち話、30分以上のミーティングなどのパターンが考えられる。よって、ある対面データが短時間の会話を示すか長時間のミーティングを示すかを区別するためには、拡大表示単位(ASME_IREU)の上限は15分程度とするのが望ましいと考えられる。
【0365】
次に、対面閾値(ASME_IRET)の設定について検討する。拡大表示単位(ASME_IREU)(秒)と、センシング間隔(ここでは10秒)との比から拡大表示単位(ASME_IREU)における最大受信回数を計算できるので、それに基づいて対面閾値(ASME_IRET)が設定される。
【0366】
図34は、本発明の第6の実施の形態の対面拡大データベース(ASDB_IRE)の説明図である。
【0367】
具体的には、図34は、拡大表示単位を5分とした場合の対面拡大データベース(ASDB_IRE)の例を示す。
【0368】
対面拡大データベース(ASDB_IRE)は、開始時刻(ASDB_IRE_STM)、終了時刻(ASDB_IRE_ETM)、ノードID(ASDB_IRE_SID)及び赤外線送信側ID(ASDB_IRE_OID)の要素を含む。
【0369】
図8における複数のレコード(RE01等)から図34のレコード(RE01)が生成される。
【0370】
開始時刻(ASDB_IRE_STM)と終了時刻(ASDB_IRE_ETM)の間隔は、必ず拡大表示単位(ASME_IREU)となっているので、このデータベース(ASDB_IRE)のデータを忠実にプロットすれば、対面の表示は所望どおりに拡大されることになる。
【0371】
第6の実施の形態に示す拡大表示処理によって、個々の要素の輪郭が明確になりインパクトが増すため、ユーザ(US)が、表示された対面データ全体を一枚の「図」として見ることが可能になる。その結果、ユーザ(US)は、インタラクションの活発な人物及び時間帯を一目で把握することができるようになる。
【0372】
第1の実施の形態においては、2人の人物(例えば人物Aと人物B)が対面した場合、それぞれに装着された端末(TR)が相互に赤外線でIDを送受信する。このため、赤外線表示領域(CLSC_IR)には、人物Aと人物Bが対面していた時間に、人物Aの領域に人物BのIDを示す色が表示され、人物Bの領域には人物AのIDを示す色が表示されるというように、2ヶ所のデータの組が表示されると期待される。
【0373】
しかし、第1の実施の形態では、送信エラー又はタイミングの不一致等によって、一方にしかデータが表示されないことがあった。
【0374】
そのような箇所を補正するために、第7の実施の形態では、対面対称化(ASSY)によって、取得できたデータ(すなわち、元のデータ)の、受信側IDと送信側IDとを入れ替えた対称データを作成され、元のデータと対称データの両方がプロットされる。
【0375】
図35は、本発明の第7の実施の形態の対面対称化が実行された表示画面の説明図である。
【0376】
図35の上部が、対面対称化(ASSY)が実行される前の表示(SY00)、下部が、対面対称化(ASSY)が実行された後の表示(SY00_S)である。
【0377】
図35には、人物Aの領域(SYA)、人物Bの領域(SYB)及び人物Cの領域(SYC)が表示される。各人物の名前と対応する色は、人物タグ(SYAL、SYBL及びSYCL)によって示されている。
【0378】
これらの中で、人物Bから人物Aに送信されたデータはデータ(01BA)に表示され、人物Aから人物Bに送信されたデータはデータ(01AB)に表示されており、この2つは組になっている。しかし、対面対称化前の表示(SY00)のデータ(03BA)に対応するデータ(03AB)は存在していない。
【0379】
このような組になっていない部分のあるデータに対して対面対称化が実行される。対面対称化後の表示(SY00_S)では、データ(03BA)を人物Bの領域(SYB)にコピーすることによって、データ(03AB_S)を補填することができる。このコピーされたデータを対称データと呼ぶ。
【0380】
図36は、本発明の第7の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0381】
図36に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0382】
具体的には、第7の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)に対面対称化処理(ASSY)が、データベース部(ASDB)に対面対称化データベース(ASDB_SY)が追加される。
【0383】
ここで追加されたものはすべて対面対称化のための機能である。
【0384】
図37は、本発明の第7の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0385】
図37が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)が対面対称化処理(ASSY)によって置き換えられている点のみである。
【0386】
加速度に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。以下、対面対称化に関する処理(ASSY)の部分のみを説明する。
【0387】
図38は、本発明の第7の実施の形態において実行される対面対称化処理(ASSY)を示すフローチャートである。
【0388】
処理が開始(ASSYST)されると、データ処理部(ASDP)は、まず記録部(ASME)から対面閾値(ASME_IRT)を読み込む(ASSY_1)。さらに、データ処理部(ASDP)は、データベース(SSDB)に接続し、開始時刻(ASDB_IRE_STM)の古い順に1レコードのデータを取得する(ASSY_2)。
【0389】
次に、データ処理部(ASDP)は、取得したデータの赤外線受信回数(SSDB_NIR)と対面閾値(ASME_IRT)とを比較する(ASSY_3)。赤外線受信回数(SSDB_NIR)が対面閾値(ASME_IRT)以上であった場合、端末(TR)を装着した人物が他の端末(TR)を装着した人物と対面していたと判別される。この場合、以下のステップ(ASSY_4〜ASSY_6)が実行される。
【0390】
まず、データ処理部(ASDP)は、元のデータ(すなわち、ステップ(ASSY_2)において取得されたデータ)の、開始時刻(SSDB_STM)、終了時刻(SSDB_ETM)、ノードID(SSDB_SID)及び赤外線送信側ID(SSDB_OID)をそのままアプリケーションサーバ(AS)の対面対称化データベース(ASDB_SY)に格納する(ASSY_4)。
【0391】
次に、データ処理部(ASDP)は、元のデータの、ノードID(SSDB_SID)と赤外線送信側ID(SSDB_OID)とを入れ替えることによって、対称データを作成する(ASSY_5)。
【0392】
そして、データ処理部(ASDP)は、開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)は変更せずに、対称データをアプリケーションサーバ(AS)の対面対称化データベース(ASDB_SY)に格納する(ASSY_6)。
【0393】
すべてのデータの処理が終了した場合(ASSY_7)、図38に示す処理が終了(ASSYEN)する。そうでない場合、データ処理部(ASDP)は、次の1レコードのデータの取得(ASSY_2)以降の手順を繰り返す。
【0394】
ただし、すべてのデータに関して対称データを作成するのではなく、任意のデータに関してそれと対になるデータの存在を確認するステップを追加することによって、対称なデータが存在しなかった場合のみ対称データを作成して補填することもできる。
【0395】
図39は、本発明の第7の実施の形態の対面対称化データベース(ASDB_SY)の説明図である。
【0396】
対面対称化データベース(ASDB_SY)は、開始時刻(ASDB_SY_STM)、終了時刻(ASDB_SY_ETM)、ノードID(ASDB_SY_SID)及び赤外線送信側ID(ASDB_SY_OID)の要素を含む。
【0397】
対面対称化データベース(ASDB_SY)には、元データ(RE01)の次に必ず対称化データ(RE02)が格納される。対称化されているため、元データ(RE01)と対称化データ(RE02)において開始時刻(ASDB_SY_STM)と終了時刻(ASDB_SY_ETM)は等しい。さらに、元データ(RE01)のノードID(ASDB_SY_SID)が対称化データ(RE02)の赤外線送信側ID(ASDB_SY_OID)と等しく、元データ(RE01)の赤外線送信側ID(ASDB_SY_OID)が対称化データ(RE02)のノードID(ASDB_SY_SID)と等しい。
【0398】
よって、このデータベース(ASDB_SY)のデータを忠実にプロットすれば、対面の表示は所望どおりに対称化されることになる。
【0399】
第7の実施の形態を行うことによって、対になるデータが必ず組として表現されることになる。これによって、対面データの対応関係が一目でわかるようになる。また、特定の人物に注目してインタラクションの時間的変化を見たいときには、その人物の領域だけを見ればよく、他者の領域と照合する必要がなくなる。
【0400】
さらに、対面した人物の色は必ず相手側に表示されているので、色を見るだけで多くインタラクションを行っている人物や時間帯の傾向を捉えることができるようになる。その結果、長時間・数ヶ月分のデータの表示であっても、色によって構成された「図」として俯瞰的に見ることが可能になる。
【0401】
第1から第7の実施の形態では、ユーザ(US)によるアプリケーションの起動(USST)をトリガにして、データ依頼(ASRQ)・データ処理(ASDP)からデータ表示(CLDI)までの一連の処理が実行された。しかし、毎回必要に応じてすべての処理を行うには時間がかかり、ユーザ(US)を待たせてしまうという問題がある。また、多くのユーザ(US)が一斉に画像表示を希望した場合には、アプリケーションサーバ(AS)やストレージサーバ(SS)に大きな負荷がかかるため、ストレージサーバ(SS)が新規のデータを保管できなくなった結果、データ欠損が発生するおそれもある。
【0402】
そこで、第8の実施の形態では、表示するための初期条件、及び、アプリケーションサーバ(AS)の処理を立ち上げる時刻を前もってユーザ(US)が設定しておく。そして、夜間や昼休み等、サーバに余裕のある時間に自動でデータ処理(ASDP)が実行され、処理済みのデータがアプリケーションサーバ(AS)のデータベース部(ASDB)に保管される。
【0403】
ユーザ(US)が画像を閲覧したいときには、処理済みのデータをクライアント(CL)においてプロット・表示するだけで済むので時間がかからなくなり、アプリケーションサーバ(AS)やストレージサーバ(SS)にかかる負荷を軽減することができる。
【0404】
図40は、本発明の第8の実施の形態において、センシングデータが端末(TR)からユーザ(US)に提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【0405】
端末(TR)でのセンシングデータの取得(TRGE)から、ストレージサーバ(SS)内データベース(SSDB)にセンシングデータが格納(SSPU)されるまでの流れと、時刻修正(BATM)、時刻修正依頼(BATR)、時刻修正(TRTM)の手順は第1の実施の形態(図3)と全く同一である。
【0406】
一方、ユーザ(US)は、前もって希望する処理の内容と、データ処理を開始する時刻とをアプリケーションサーバ(AS)に指示しておく。アプリケーションサーバ(AS)は、指示によって定められた時刻になれば、一連のデータ処理(ASDP)を開始し、処理されたセンシングデータをデータベース部(ASDB)に格納する。
【0407】
まず、初期条件設定の起動(USIT)は、ユーザ(US)による初期条件設定の起動である。例えば、設定用ウィンドウ等が起動し、ユーザ(US)がスタートボタンを選択することによって起動する。
【0408】
初期条件設定(CLIS)では、クライアント(CL)において処理に必要な情報が設定される。例えば、ユーザ(US)のボタン選択によって、処理を開始する時刻、及び、行う処理の種類等が設定される。さらに、クライアント(CL)は、設定した条件をアプリケーションサーバ(AS)に送信する。アプリケーションサーバ(AS)は、クライアント(CL)から受信した条件に従って、初期条件設定(ASIS)を実行する。
【0409】
これらの初期条件は、アプリケーションサーバ(AS)の記録部(ASME)に記録される。
【0410】
タイマ起動(ASTI)は、初期条件で設定された時刻になったときに処理を起動する手順である。
【0411】
データ依頼(ASRQ)では、初期条件設定(ASSC)で設定された内容に基づいて、ストレージサーバ(SS)内のデータベース部(SSDB)に、取得すべきデータの時刻及び取得の対象である端末の固有IDを送信する。
【0412】
データ検索(ASSE)からデータ受信(ASRE)、データ分類(ASDE)、データ処理(ASDP)、処理結果格納(ASPU)までの処理は第1の実施の形態と同様である。これらの処理によって、ストレージサーバ(SS)内のデータベース部(SSDB)から取得したデータが処理され、処理結果がアプリケーションサーバ(AS)内データベース部(ASDB)に格納される。
【0413】
アプリケーション起動(USST)は、ユーザ(US)によるアプリケーションの起動である。
【0414】
描画領域設定(CLTS)は、ユーザ(US)による描画領域の設定である。描画領域設定(CLTS)の内容は第1の実施の形態と同様である。
【0415】
データ依頼(CLRQ)は、表示画面を作成するために必要な情報をアプリケーションサーバ(AS)のデータベース部(SSDB)に送信する手順である。
【0416】
データ検索(CLSE)は、データ依頼(CLRQ)に基づいて、アプリケーションサーバ(AS)に対して検索を行う手順である。
【0417】
データ受信(CLRE)は、データ検索(CLSE)のコマンドに基づいて、アプリケーションサーバ(AS)内のデータベース部(ASDB)から送信された処理結果を受信する手順である。
【0418】
メンバ属性照会(CLMS)は、第1の実施の形態と同様である。
【0419】
データ加工(CLDP)は、データ受信(CLRE)によって取得した処理結果から表示に必要な情報のみを選択し、これを記録部(CLME)に格納する手順である。
【0420】
データ表示(CLDI)は、データ加工(CLDP)によって選別された情報を、記録部(CLME)に記載されている表示方法に基づいて処理することによって、画面を生成する手順である。さらに、生成した結果は、ユーザ(US)に提示される。
【0421】
アプリケーション終了(USEN)は、ユーザ(US)によるアプリケーションの終了である。
【0422】
データ依頼(CLRQ)からデータ検索(CLSE)、データ受信(CLRE)、データ加工(CLDP)、データ表示(CLDI)、アプリケーション終了(USEN)までの手順は、第1の実施の形態と同様である。
【0423】
アプリケーションサーバ(AS)のタイマ起動(ASTI)は、特定の時刻でなく、一定の周期で起動ように設定されてもよい。また、クライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)も自動的に起動するように設定されてもよい。その場合、クライアント(CL)は、上記の処理によって表示されたものを画像の形式で作成し、保存しておいてもよい。あるいは、アプリケーションサーバ(AS)に画像を作成するための機能を搭載し、アプリケーションサーバ(AS)が同様の画像を描画し、その画像を保管しておいてもよい。
【0424】
図41は、本発明の第8の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0425】
図41に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0426】
具体的には、アプリケーションサーバ(AS)内の制御部(ASCO)にタイマ起動(ASTI)が、記録部(ASME)に初期条件(ASME_SC)及び時計(ASME_TI)が追加される。
【0427】
タイマ起動(ASTI)は、指定時刻になったら自動で起動するためのものである。時計(ASME_TI)は、タイマ起動(ASTI)のために時刻を監視し続けるためのものである。初期条件(ASME_SC)は、ユーザ(US)による設定を記憶しておくためのものである。
【0428】
追加されたものは、すべて自動処理のための機能である。
【0429】
図42は、本発明の第8の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)において実行される自動データ処理のフローチャートである。
【0430】
処理が開始(ASST)されると、アプリケーションサーバ(AS)は、初期条件設定(ASIS)で設定された起動時刻になるまで待機する(ASWT)。
【0431】
時計(ASME_TI)が設定時刻と等しくなったとき(ASTM)、タイマ起動し(ASCO_TI)、処理が開始される。
【0432】
その後のデータ依頼(ASRQ)、データベース接続(ASDC)、データ処理(ASDP)、処理結果格納(ASPU)は第1の実施の形態(図5)と同様である。初期条件設定でにおける指定に応じて、データ処理(ASDP)によって、第3から第7の実施の形態のいずれか一つ以上の処理が実行されてもよい。
【0433】
第8の実施の形態によって、データ処理が、ユーザからの要求を受ける前に予め自動的に実行される。このため、ユーザ(US)が表示を閲覧したいときに、既に作成されている画面が短時間で表示されるという効果がある。また、アプリケーションサーバ(AS)及びストレージサーバ(SS)にかかる負荷を軽減することができるという効果も得られる。
【0434】
さらに、アプリケーションサーバ(AS)が自動的に画像を作成及び保存する場合、クライアント(CL)で行う処理は画像を表示することのみである。このため、より高速に画面を表示することができる。また、新規のデータを追加することによって定期的に画像を更新したい場合にも、人手を要しないので省力化が可能になる。
【0435】
以上に説明した本発明の観点の代表的なものとして、次のものが挙げられる。
【0436】
(1)端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示装置であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記インタラクションデータ表示装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記インタラクションデータを表示する表示部と、を備え、
前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【0437】
(2)前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(1)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0438】
(3)前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とする(2)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0439】
(4)前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とする(3)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0440】
(5)前記第2情報は、前記加速度情報に基づいて分類された前記端末装置の移動の状態を示す情報を含むことを特徴とする(4)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0441】
(6)第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報、及び、前記第1の端末装置の加速度を示す加速度情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報と、前記第2の端末装置の加速度を示す加速度情報と、を含み、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータ及び前記第2のインタラクションデータを、時刻に基づいて相互に対応付けて表示することを特徴とする(4)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0442】
(7)前記第1のインタラクションデータは、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第1の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第2の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含むことを特徴とする(6)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0443】
(8)前記表示部は、前記第1情報と、前記第1情報が対応付けられている時刻と同一の時刻に対応付けられている前記第2情報と、を対応付けて表示することを特徴とする(7)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0444】
(9)前記第1のインタラクションデータは、前記無線信号を受信した前記第1の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記無線信号を受信した前記第2の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(8)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0445】
(10)前記表示部は、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第2の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示することを特徴とする(9)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0446】
(11)前記表示部は、
前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
さらに、前記第1時間軸と同一の尺度及び同一の方向を有する第2時間軸を、前記表示画面の前記第1時間軸の延長線上に表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2情報を表示することを特徴とする(10)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0447】
(12)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報が同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2時間軸から前記第1距離の位置に前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とする(11)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0448】
(13)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の日付に対応付けられた第1部分と、第2の日付に対応付けられた第2部分とを含む場合、
前記第1部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に前記第1部分を表示し、
前記第2部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第2の前記領域に前記第2部分を表示することを特徴とする(11)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0449】
(14)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記日付及び前記日付が示す一日の中の時刻を示し、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の日付に対応付けられた第1部分と、第2の日付に対応付けられた第2部分とを含む場合、
前記第1部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第1部分を表示し、
前記第2部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第2部分を表示することを特徴とする(11)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0450】
(15)前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第1の領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第3の領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とする(11)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0451】
(16)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報とが同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示することを特徴とする(15)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0452】
(17)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記日付及び前記日付が示す一日の中の時刻を示し、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報とが同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示することを特徴とする(15)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0453】
(18)前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、
前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第4の前記領域に前記第2情報を表示することを特徴とする(10)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0454】
(19)前記インタラクションデータ表示装置は、
表示されるべき前記第1情報及び前記第2情報の範囲の指定を受けると、前記指定された範囲の前記第1情報及び前記第2情報を、前記受信部を介して取得し、
前記第1情報及び前記第2情報の表示形式の指定を受けると、前記指定された表示形式によって前記前記第1情報及び前記第2情報を前記表示画面に表示し、
前記表示形式の指定は、前記前記第1情報及び前記第2情報の前記表示画面上の表示位置、及び、前記表示画面に表示される前記前記第1情報及び前記第2情報の色彩の少なくとも一方の指定を含むことを特徴とする(10)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0455】
(20)前記端末装置は、
前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信する無線センサと、
前記他の端末装置の加速度を計測する加速度センサと、
前記第1情報及び前記第2情報を送信する無線送信装置と、を備え、
前記人物の身体に装着され、
前記第1情報は、前記端末装置を装着した前記人物が他の前記端末装置を装着した前記人物と対面したか否かを示し、
前記第2情報は、前記端末装置を装着した前記人物の活動の状態を示し、
前記インタラクションデータは、前記端末装置を装着した前記人物の間の交流の状態を示すことを特徴とする(10)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0456】
(21)端末装置のインタラクションデータを処理するインタラクションデータ処理装置であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記インタラクションデータ処理装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記受信したインタラクションデータを処理する制御部と、前記処理されたインタラクションデータを出力する出力部と、を備え、
前記受信部は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信し、
前記制御部は、前記受信したインタラクションデータを処理し、
前記出力部は、前記処理されたインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、時刻に基づいて相互に対応付けて出力することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【0457】
(22)前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(21)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0458】
(23)前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とする(22)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0459】
(24)前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とする(23)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0460】
(25)前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を分類し、前記分類された移動の状態を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とする(24)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0461】
(26)前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報と、所定の加速度情報とを比較し、前記比較の結果に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を、前記所定の加速度情報と対応付けられた移動の状態に分類することを特徴とする(25)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0462】
(27)前記制御部は、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を、その端末装置が移動していること、及び、その端末装置が静止していることの少なくとも一つを含む所定の移動の状態に分類することを特徴とする(26)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0463】
(28)前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報の所定の時間範囲における平均値を算出し、前記算出された平均値を前記第2情報に追加することを特徴とする(26)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0464】
(29)前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の加速度の変化量を算出し、前記算出された加速度の変化量を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とする(28)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0465】
(30)前記制御部は、測定された前記加速度情報の値と、前回測定された前記加速度情報の値との差分の絶対値を所定の時間範囲において合計した値を、前記加速度の変化量を示す情報として算出することを特徴とする(29)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0466】
(31)前記制御部は、所定の時間範囲における前記加速度情報のゼロクロス点の数を前記加速度の変化量を示す情報として算出することを特徴とする(29)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0467】
(32)前記端末装置は、前記無線信号を受信したか否かを所定の時間間隔で判別し、
前記制御部は、前記所定の時間間隔より長い所定の期間に前記端末装置が前記無線信号を受信した回数を計数し、
前記計数された回数が所定の閾値を超える場合、前記無線信号を受信した前記端末装置が、前記無線信号を送信した前記端末装置と前記所定の期間対面していたことを示す情報を前記第1情報に追加することを特徴とする(29)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0468】
(33)第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第1のインタラクションデータは、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記制御部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の時刻に前記第2の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第1の端末装置が受信したことを示す情報を含み、かつ、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を含まない場合、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を追加することを特徴とする(32)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0469】
(34)前記インタラクションデータ処理装置は、さらに、データを格納する記憶装置を備え、
前記制御部は、所定の時刻に前記インタラクションデータの処理を実行し、前記処理されたインタラクションデータを前記記憶装置に格納することを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0470】
(35)前記インタラクションデータ処理装置は、さらに、データを格納する記憶装置を備え、
前記制御部は、前記制御部の処理負荷が所定の閾値より低いときに前記インタラクションデータの処理を実行し、前記処理されたインタラクションデータを前記記憶装置に格納することを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0471】
(36)前記インタラクションデータ処理装置は、さらに、データを格納する記憶装置を備え、
前記制御部は、所定の時刻に前記インタラクションデータの処理を実行し、前記処理されたインタラクションデータを表示画面に表示するための画像データを作成し、前記処理されたインタラクションデータ及び画像データを前記記憶装置に格納することを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0472】
(37)前記インタラクションデータ処理装置は、さらに、データを格納する記憶装置を備え、
前記制御部は、前記制御部の処理負荷が所定の閾値より低いときに前記インタラクションデータの処理を実行し、前記処理されたインタラクションデータを表示画面に表示するための画像データを作成し、前記処理されたインタラクションデータ及び画像データを前記記憶装置に格納することを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0473】
(38)前記端末装置は、
前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信する無線センサと、
前記他の端末装置の加速度を計測する加速度センサと、
前記第1情報及び前記第2情報を送信する無線送信装置と、を備え、
前記人物の身体に装着されることを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0474】
(39)組織における人物間のインタラクションデータを取得するインタラクションデータ取得端末であって、
前記インタラクションデータ取得端末は、前記インタラクションデータを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記インタラクションデータを送信する送信部と、を備えることを特徴とするインタラクションデータ取得端末。
【0475】
(40)前記取得部は、物理情報を検出する一つ以上のセンサを備え、前記センサが検出した物理情報をインタラクションデータとして取得することを特徴とする(39)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0476】
(41)前記インタラクションデータ取得端末は、さらに、時刻を計測する時計と、前記取得部が取得したインタラクションデータを格納する格納部と、を備え、
前記格納部は、前記インタラクションデータと、前記インタラクションデータが検出された時刻とを対応付けて格納することを特徴とする(40)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0477】
(42)前記取得部は、赤外線信号を検出する一つ以上の赤外線センサと、加速度を検出する一つ以上の加速度センサと、を備え、
前記格納部は、前記赤外線センサが赤外線信号を検出したことを示す情報、及び、前記加速度センサによって検出された加速度を、前記インタラクションデータとして格納し、前記赤外線信号が検出された時刻及び前記加速度が検出された時刻をさらに格納することを特徴とする(41)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0478】
(43)前記インタラクションデータ取得端末は、さらに、前記インタラクションデータの送信を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記送信部に、前記格納部に格納された前記インタラクションデータを送信させ、
前記送信が失敗すると、前記送信が失敗したインタラクションデータを前記格納部に保持し、
前記送信部による送信が可能になったときに、前記格納部に保持された前記インタラクションデータを送信することを特徴とする(41)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0479】
(44)前記送信部は、前記インタラクションデータ取得端末に最も近い基地局に、前記インタラクションデータを無線によって送信することを特徴とする(43)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0480】
(45)前記送信部は、有線ネットワークによって基地局と接続され、前記インタラクションデータを前記有線ネットワークを介して前記基地局に送信することを特徴とする(43)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0481】
(46)端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示方法であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とする方法。
【0482】
(47)前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(46)に記載の方法。
【0483】
(48)前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とする(47)に記載の方法。
【0484】
(49)前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とする(48)に記載の方法。
【0485】
(50)前記第2情報は、前記加速度情報に基づいて分類された前記端末装置の移動の状態を示す情報を含むことを特徴とする(49)に記載の方法。
【0486】
(51)第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報、及び、前記第1の端末装置の加速度を示す加速度情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報と、前記第2の端末装置の加速度を示す加速度情報と、を含み、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータ及び前記第2のインタラクションデータを、時刻に基づいて相互に対応付けて表示することを特徴とする(49)に記載の方法。
【0487】
(52)前記第1のインタラクションデータは、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第1の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第2の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含むことを特徴とする(51)に記載の方法。
【0488】
(53)前記第1情報と、前記第1情報が対応付けられている時刻と同一の時刻に対応付けられている前記第2情報と、を対応付けて表示することを特徴とする(52)に記載の方法。
【0489】
(54)前記第1のインタラクションデータは、前記無線信号を受信した前記第1の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記無線信号を受信した前記第2の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(53)に記載の方法。
【0490】
(55)前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第2の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示することを特徴とする(54)に記載の方法。
【0491】
(56)前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
さらに、前記第1時間軸と同一の尺度及び同一の方向を有する第2時間軸を、前記表示画面の前記第1時間軸の延長線上に表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2情報を表示することを特徴とする(55)に記載の方法。
【0492】
(57)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報が同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2時間軸から前記第1距離の位置に前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とする(56)に記載の方法。
【0493】
(58)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の日付に対応付けられた第1部分と、第2の日付に対応付けられた第2部分とを含む場合、
前記第1部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に前記第1部分を表示し、
前記第2部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第2の前記領域に前記第2部分を表示することを特徴とする(56)に記載の方法。
【0494】
(59)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記日付及び前記日付が示す一日の中の時刻を示し、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の日付に対応付けられた第1部分と、第2の日付に対応付けられた第2部分とを含む場合、
前記第1部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第1部分を表示し、
前記第2部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第2部分を表示することを特徴とする(56)に記載の方法。
【0495】
(60)前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第1の領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第3の領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とする(56)に記載の方法。
【0496】
(61)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報とが同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示することを特徴とする(60)に記載の方法。
【0497】
(62)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記日付及び前記日付が示す一日の中の時刻を示し、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報とが同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示することを特徴とする(60)に記載の方法。
【0498】
(63)前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記方法は、
前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に前記第2情報を表示することを特徴とする(55)に記載の方法。
【0499】
(64)前記方法は、
表示されるべき前記第1情報及び前記第2情報の範囲の指定を受けると、前記指定された範囲の前記第1情報及び前記第2情報を、取得し、
前記第1情報及び前記第2情報の表示形式の指定を受けると、前記指定された表示形式によって前記前記第1情報及び前記第2情報を表示画面に表示し、
前記表示形式の指定は、前記前記第1情報及び前記第2情報の前記表示画面上の表示位置、及び、前記表示画面に表示される前記前記第1情報及び前記第2情報の色彩の少なくとも一方の指定を含むことを特徴とする(55)に記載の方法。
【0500】
(65)前記端末装置は、
前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信する無線センサと、
前記他の端末装置の加速度を計測する加速度センサと、
前記第1情報及び前記第2情報を送信する無線送信装置と、を備え、
前記人物の身体に装着され、
前記第1情報は、前記端末装置を装着した前記人物が他の前記端末装置を装着した前記人物と対面したか否かを示し、
前記第2情報は、前記端末装置を装着した前記人物の活動の状態を示し、
前記インタラクションデータは、前記端末装置を装着した前記人物の間の交流の状態を示すことを特徴とする(55)に記載の方法。
【0501】
(66)前記方法は、さらに、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を分類し、前記分類された移動の状態を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とする(65)に記載の方法。
【0502】
(67)前記方法は、前記第2情報に含まれる加速度情報と、所定の加速度情報とを比較し、前記比較の結果に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を、前記所定の加速度情報と対応付けられた移動の状態に分類することを特徴とする(66)に記載の方法。
【0503】
(68)前記方法は、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を、その端末装置が移動していること、及び、その端末装置が静止していることの少なくとも一つを含む所定の移動の状態に分類することを特徴とする(67)に記載の方法。
【0504】
(69)前記方法は、さらに、前記第2情報に含まれる加速度情報の所定の時間範囲における平均値を算出し、前記算出された平均値を前記第2情報に追加することを特徴とする(67)に記載の方法。
【0505】
(70)前記方法は、さらに、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の加速度の変化量を算出し、前記算出された加速度の変化量を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とする(69)に記載の方法。
【0506】
(71)前記方法は、測定された前記加速度情報の値と、前回測定された前記加速度情報の値との差分の絶対値を所定の時間範囲において合計した値を、前記加速度の変化量を示す情報として算出することを特徴とする(70)に記載の方法。
【0507】
(72)前記方法は、所定の時間範囲における前記加速度情報のゼロクロス点の数を前記加速度の変化量を示す情報として算出することを特徴とする(70)に記載の方法。
【0508】
(73)前記方法は、さらに、
前記無線信号を受信したか否かを所定の時間間隔で判別し、
前記所定の時間間隔より長い所定の期間に前記端末装置が前記無線信号を受信した回数を計数し、
前記計数された回数が所定の閾値を超える場合、前記無線信号を受信した前記端末装置が、前記無線信号を送信した前記端末装置と前記所定の期間対面していたことを示す情報を前記第1情報に追加することを特徴とする(70)に記載の方法。
【0509】
(74)第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第1のインタラクションデータは、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記方法は、さらに、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の時刻に前記第2の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第1の端末装置が受信したことを示す情報を含み、かつ、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を含まない場合、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を追加することを特徴とする(73)に記載の方法。
【0510】
(75)前記方法は、所定の時刻に前記インタラクションデータの処理を実行し、さらに、前記処理されたインタラクションデータを記憶装置に格納することを特徴とする(74)に記載の方法。
【0511】
(76)前記方法は、前記制御部の処理負荷が所定の閾値より低いときに前記インタラクションデータの処理を実行し、さらに、前記処理されたインタラクションデータを記憶装置に格納することを特徴とする(74)に記載の方法。
【0512】
(77)前記方法は、所定の時刻に前記インタラクションデータの処理を実行し、さらに、前記処理されたインタラクションデータを表示画面に表示するための画像データを作成し、前記処理されたインタラクションデータ及び画像データを記憶装置に格納することを特徴とする(74)に記載の方法。
【0513】
(78)前記方法は、前記制御部の処理負荷が所定の閾値より低いときに前記インタラクションデータの処理を実行し、さらに、前記処理されたインタラクションデータを表示画面に表示するための画像データを作成し、前記処理されたインタラクションデータ及び画像データを記憶装置に格納することを特徴とする(74)に記載の方法。
【0514】
(79)前記端末装置は、
前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信する無線センサと、
前記他の端末装置の加速度を計測する加速度センサと、
前記第1情報及び前記第2情報を送信する無線送信装置と、を備え、
前記人物の身体に装着されることを特徴とする(74)に記載の方法。
【0515】
本発明は、例えば、人員管理、プロジェクト管理などによって生産性向上の支援を行うためのコンサルティング産業に利用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0516】
【図1】本発明の第1の実施の形態における、インタラクションデータを取得する端末から、取得したデータを表示するアプリケーションまでを含むシステム全体の構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態が実際に利用される場面の例を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、センシングデータが端末からユーザに提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【図4A】本発明の第1の実施の形態において作成された表示画面の例を示す説明図である。
【図4B】本発明の第1の実施の形態において実行される加速度に基づく行動パターン解析の説明図である。
【図4C】本発明の第1の実施の形態において実行されるインタラクションの分析の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、初期条件設定のために表示される画面の例を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における描画領域設定の説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態のストレージサーバが保持するデータベース部の説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態のアプリケーションサーバが実行するデータ処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態の加速度データベースの説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の赤外線データベースの説明図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態において実行されるプロットの処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態において、センシングデータが端末からユーザに提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態において実行されるデータ処理・解析の処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第3の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図18A】本発明の第3の実施の形態において表示される画面の一例を示す説明図である。
【図18B】本発明の第1の実施の形態における組織ダイナミクスの分析の例を示す説明図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第3の実施の形態において実行されるデータ処理・解析を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第3の実施の形態の行動データベース部の説明図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第4の実施の形態において実行される平均化処理を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第4の実施の形態の加速度平均化データベースの説明図である。
【図26】本発明の第5の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図27】本発明の第5の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図28】本発明の第5の実施の形態において実行される活動度計算を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第5の実施の形態の活動度データベースの説明図である。
【図30】本発明の第6の実施の形態の拡大表示処理が行われた表示画面の説明図である。
【図31】本発明の第6の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図32】本発明の第6の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図33】本発明の第6の実施の形態において実行される対面拡大処理を示すフローチャートである。
【図34】本発明の第6の実施の形態の対面拡大データベースの説明図である。
【図35】本発明の第7の実施の形態の対面対称化が実行された表示画面の説明図である。
【図36】本発明の第7の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図37】本発明の第7の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図38】本発明の第7の実施の形態において実行される対面対称化処理を示すフローチャートである。
【図39】本発明の第7の実施の形態の対面対称化データベースの説明図である。
【図40】本発明の第8の実施の形態において、センシングデータが端末からユーザに提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【図41】本発明の第8の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図42】本発明の第8の実施の形態のアプリケーションサーバにおいて実行される自動データ処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0517】
TR、TR2〜TR7 端末
BA、BA2、BA3 基地局
LA ネットワーク
SS ストレージサーバ
AS アプリケーションサーバ
CL クライアント
【技術分野】
【0001】
本願明細書で開示される技術は、センサ端末を身に着けた人物間のインタラクションデータを表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
あらゆる組織において生産性の向上は必須の課題となっており、職場環境の改善や、業務の効率化のために多くの試行錯誤がなされている。工場などの組立や搬送を業務とする組織に限定した場合には、部品や製品の移動経路を追跡することでその成果を客観的に分析することができる。しかし事務や営業・企画などの業務を行う組織に関しては、モノと業務が直結していないため、モノを観測することで組織を評価することはできない。そもそも組織を形成する理由とは、複数の人間が力を合わせることによって個人ではできない大掛かりな業務を達成するためであり、そのためにはどのような組織においても人と人とのインタラクションは不可欠である。よって、インタラクションを解析することで、生産性の向上のための組織分析と評価が可能になると考えられる。
【0003】
組織におけるインタラクションの分析の例としては、特許文献1が知られている。特許文献1は、メーリングリストにおける発言データやヘッダ情報などのログ情報を、特定のイベントや話題と関連付けて分析する方法を提示している。
【0004】
また、インタラクションの検出の例としては、特許文献2が存在する。特許文献2によれば、人物に装着した赤外線タグと赤外線画像の撮影によってインタラクションにインデックスが付与される。さらに、画像内の赤外線タグの位置関係に基づいて、人と人が向かい合っている状態及び同じエリアに存在している状態が検出される。
【0005】
特許文献3には、無線タグを用いて人間の友好関係を把握する技術が開示されている。具体的には、人間に装着された無線タグの位置が読取機によって検出され、その位置の軌跡が記録される。その軌跡に基づいて、人間の友好関係が把握される。
【0006】
特許文献4には、格納されたインタラクションデータから抽出されたパターンと、分析対象であるインタラクションデータから抽出されたパターンとを比較することによって、パターンの「特異さ」を取得し、その「特異さ」に基づいて、インタラクションデータの特徴的パターンを抽出する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−85347号公報
【特許文献2】特開2004−355308号公報
【特許文献3】特開2005−327156号公報
【特許文献4】特開2006−228150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、組織における業務の多くが電子メールやメッセンジャーなどのITツールを介して賄われるようになったため、それらの記録を分析することによって組織の状況を評価することができると考えられていた。しかしながらITツールが普及し日常的に利用するようになった現在では、実際に意思決定や交渉など組織を動かすための決断はface−to−faceのインタラクションで行うことが最も効果的であることが体験的に明白になってきた。インタラクションをface−to−faceで行うことによる最大のメリットは、対面している人物と人物が場を共有し、人間の有する全ての感覚器によって互いの反応を検知しながら臨機応変に対応を選択することができる点である。よって、インタラクションが行われる場においては相互の活動にも何らかの関連が現れるはずであり、活動をセンシングすることによって、インタラクションにおける相互の人物の活発さ、与える影響の大きさ、協調性などの意思決定意や交渉に繋がる事項を解釈できるようになる。またさらに、センシングしたインタラクションから組織規模での適切な分析・評価を行うためには、統計的に扱うことのできるデータを複数メンバに関して常時取得することが必要である。
【0008】
しかし、上記特許文献1から4には、組織を形成するメンバの対面状態を示すデータと、それ以外の活動を示すデータとを対応付けることによって、インタラクションの分析及び評価をし易いようにそれらのデータを表示する技術が開示されていなかった。
【0009】
よって本発明では、組織を形成するメンバの対面状態と活動に関するセンシングを常時、大量に行い、それらのセンシングデータからインタラクションの分析・評価を行うためのシステムを実現することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願で開示する代表的な発明は、端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示装置であって、前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、前記インタラクションデータ表示装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記インタラクションデータを表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、対面に関するセンシングデータと位置以外の活動に関するセンシングデータとを時刻情報に基づいて対応付けて表示することよって、インタラクションの状況に関して対面と活動の両面を合わせて容易に解析することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
対象になる人物が装着したセンサ端末から、その人物の活動に関するデータ、及び、その人物と他の人物との対面に関するデータを取得し、それらを対応付けて表示することで、人物間のインタラクションの状況について多様な分析を行うための表示システムを実現した。
【0013】
最初に、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
第1の実施の形態では、無線送受信器を有するセンサ端末を組織の各メンバが装着し、その端末によって各メンバの行動及びメンバ間の交流(インタラクション)に関するデータを取得する。取得したデータは無線によって基地局に送信され、さらにストレージサーバに格納される。データの表示を作成する際には、クライアントからアプリケーションサーバに依頼を出し、必要なデータがストレージサーバから取り出され、アプリケーションサーバにおいて処理された後にクライアントに戻される。そのデータをクライアントでプロットし、表示される。この一連のインタラクションデータ処理システムを実現した。
【0015】
第1の実施の形態で作成した表示では、複数のメンバの、複数の日付に関する、対面検出データと加速度データを対応付けて表示した。メンバ毎に1つの領域を作成し、その左側に対面検出データを、右側に加速度データを、それぞれ横軸を時間軸として同じ幅でグラフを作成した。さらにその中で同じ日時のデータが同じ高さに並ぶように配置した。このメンバ別の各領域を上下に積み重ねることで、一人のメンバにおける同時刻の対面検出と行動の対比、インタラクション前後の各メンバの行動の対比、日時別の比較、時間帯別の比較といった、インタラクションに関する多様な視点からの分析を可能にした。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態における、インタラクションデータを取得する端末から、取得したデータを表示するアプリケーションまでを含むシステム全体の構成の説明図である。
【0017】
端末(TR)は、小型端末であり、センシングの対象となる人物によって装着される。以下、端末(TR)の構成を説明する。図1には、さらに、端末2(TR2)から端末7(TR7)までの6個の端末が図示されている。これらの端末に関する説明は、端末(TR)と同様であるため、省略する。このため、以下の説明は、端末(TR)を端末2(TR2)から端末7(TR7)までの任意のものに置き換えても成立する。なお、同様の端末が任意の数存在する場合にも、本発明を適用することができる。
【0018】
端末(TR)には赤外線送受信器(TRIR)が搭載されている。端末(TR)間で赤外線をやり取りすることによって、その端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かが検出される。このため、端末(TR)は、人物の正面部に装着されることが望ましい。例えば、端末(TR)を名札型にし、紐によって人物の首からぶら下げてもよい。端末(TR)が人物の正面部に装着された場合、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したことは、それらの端末(TR)を装着した人物が対面したことを意味する。
【0019】
なお、以下、端末(TR)が赤外線信号をやり取りすることによって、その端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かを判別する例を記載する。しかし、実際には、赤外線信号以外の無線信号をやり取りすることによって、対面の有無が判別されてもよい。
【0020】
また端末(TR)は、送信・受信部(TRSR)、センシング部(TRSE)、入出力部(TRIO)、制御部(TRCO)、記録部(TRME)によって構成されており、センシング部(TRSE)にてセンシングされたデータを送信・受信部(TRSR)を介して基地局(BA)に送信する。
【0021】
送信・受信部(TRSR)は、基地局(BA)との間でデータを送信及び受信する。例えば、送信・受信部(TRSR)は、基地局(BA)から送られてきた制御コマンドに応じてセンシングデータ送信してもよいし、定期的にセンシングデータを送信してもよいし、センシングデータを取得した時に直ちにそのセンシングデータを送信してもよい。さらに、送信・受信部(TRSR)は、基地局(BA)から送られる制御コマンドを受信してもよい。受信した制御コマンドに従って、端末(TR)に関する制御情報の変更、又は、入出力部(TRIO)内の出力デバイスへの出力が実行される。また、送信・受信部(TRSR)は、入出力部(TRIO)内の入力デバイスによって選択された事項を、制御コマンドとして基地局(BA)へ送信する。
【0022】
センシング部(TRSE)は、端末(TR)の状態を示す物理量をセンシングする。具体的には、センシング部(TRSE)は、種々の物理量をセンシングする一つ以上のセンサを備える。例えば、センシング部(TRSE)は、センシングに用いるセンサとして、赤外線センサ(TRIR)、温度センサ(TRTE)、マイクロホン(TRMI)、加速度センサ(TRAC)及び照度センサ(TRIL)を備える。
【0023】
赤外線センサ(TRIR)は、他の端末(TR)から送信された赤外線信号をセンシングする。後述するように、センシングされた赤外線の情報は、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かを判定するために使用される。
【0024】
加速度センサ(TRAC)は、X、Y及びZ軸方向の加速度をセンシングする。後述するように、センシングされた加速度の情報は、端末(TR)を装着した人物の行動(例えば、歩行又は静止等)を判断するために使用される。
【0025】
マイクロホン(TRMI)は、音声をセンシングする。センシングされた音声の情報は、例えば、端末(TR)を装着した人物が会話しているか否かを判別するために使用されてもよい。
【0026】
温度センサ(TRTE)及び照度センサ(TRIL)は、それぞれ、温度及び照度をセンシングする。センシングされた温度及び照度の情報は、例えば、端末(TR)が置かれている環境を判断するために使用されてもよい。
【0027】
センシング部(TRSE)は、上記のセンサの任意の一つ以上を備えてもよいし、他の種類のセンサを備えてもよい。さらに、センシング部(TRSE)は、外部入力(TROU)を用いることによって、新たにセンサを追加することもできる。
【0028】
なお、既に説明したように、端末(TR)は、赤外線信号以外の無線信号をやり取りすることによって対面の有無を判別してもよい。その場合、センシング部(TRSE)は、赤外線センサ(TRIR)以外の無線信号受信機を備えてもよい。あるいは、外部入力(TROU)に赤外線センサ(TRIR)以外の無線信号受信機が接続されてもよい。
【0029】
入出力部(TRIO)は、ボタン等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の出力デバイスとを備え、対象となる人物が所望する情報の取得及びセンシングデータの表示を行う。入出力部(TRIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0030】
制御部(TRCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記録部(TRME)に格納されているプログラムを実行することによって、センサ情報の取得タイミング、センサ情報の解析、及び、基地局(BA)への送受信のタイミングが制御される。
【0031】
記録部(TRME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、プログラム及びセンシングデータを格納する。さらに、記録部(TRME)は、データ形式(TRDF)及び内部情報部(TRIN)を含む。
【0032】
データ形式(TRDF)は、各センサから取得したデータ及び時刻情報を送信する際に、それらのデータをまとめる形式を指定する。
【0033】
内部情報部(TRIN)は、端末(TR)に関する情報を格納する。端末(TR)に関する情報は、例えば、バッテリ残量(TRBA)、時計(TRTI)(すなわち時刻情報)及び端末情報(TRTR)である。
【0034】
バッテリ残量(TRBA)には、端末(TR)の電源の残量が記録される。時計(TRTI)には、端末(TR)が内蔵するタイマで計測された現在の時刻が格納される。現在の時刻は、定期的に基地局(BA)から送信されたものに基づいて修正される。端末情報(TRTR)は、端末(TR)を識別するために使用される端末固有の情報であり、固有IDとも呼ばれる。
【0035】
基地局(BA)は、情報を取得したいエリアに設置され、そのエリア内にある端末(TR)から無線によって送信されてくるセンシングデータを受信し、受信したセンシングデータをネットワーク(LA)を介してストレージサーバ(SS)へ送信する。基地局(BA)は、送信・受信部(BASR)、制御部(BACO)、入出力部(BAIO)、記録部(BAME)及び内部情報部(BAIN)を備える。
【0036】
送信・受信部(BASR)は、端末(TR)との間でデータを送信及び受信する。例えば、送信・受信部(BASR)は、端末(TR)に対して制御コマンドを送信してもよいし、定期的にセンシングデータを端末(TR)から受信してもよいし、端末(TR)がセンシングデータを受信したら直ちに端末(TR)からそのセンシングデータを受信してもよい。さらに、送信・受信部(BASR)は、端末(TR)から送られてきた制御コマンドに従って、ストレージサーバ(SS)へ要求を送信し、その要求に応じてストレージサーバ(SS)から取得したデータを端末(TR)へ送信してもよい。また、送信・受信部(BASR)は、入出力部(BAIO)における入力デバイスによって選択された事項を、制御コマンドとして端末(TR)やストレージサーバ(SS)に送信してもよい。逆に、送信・受信部(BASR)は、ストレージサーバ(SS)又は端末(TR)から送られてきた制御コマンドを受信してもよい。受信した制御コマンドに従って出力デバイスの表示が変更される。
【0037】
制御部(BACO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記録部(BAME)に格納されているプログラムを実行することによって、センサ情報の取得タイミング、センサ情報の解析、及び、端末(TR)又はストレージサーバ(SS)への送受信のタイミングが制御される。
【0038】
入出力部(BAIO)は、ボタン又はキーボード等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の出力デバイスとを備え、対象となるエリア内の状況等の情報及びセンシングデータを表示する。入出力部(BAIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0039】
記録部(BAME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、プログラム及びセンシングデータを格納する。さらに、記録部(BAME)は、データ形式(BADF)及び内部情報部(BAIN)を含む。
【0040】
データ形式(BADF)は、端末(TR)から受信したデータ及び時刻情報の形式であり、この形式に基づいてデータが各要素に判別される。
【0041】
内部情報部(BAIN)は、基地局(BA)に関する情報を格納する。基地局(BA)に関する情報は、例えば、時計(BATI)(すなわち時刻情報)、及び、基地局固有の情報である基地局情報(BABA)である。
【0042】
ネットワーク(LA)は、基地局(BA)、ストレージサーバ(SS)、アプリケーションサーバ(AS)及びクライアント(CL)を接続するネットワークである。ネットワーク(LA)は、Local Area Network(LAN)、Wide Area Network(WAN)又はその他の任意のネットワークであってよい。
【0043】
ストレージサーバ(SS)は、基地局(BA)から送られてくるセンシングデータを格納し、また、アプリケーションサーバ(AS)からの要求に基づいてセンシングデータを送信する。また、ストレージサーバ(SS)は、基地局(BA)からの制御コマンドを受信し、その制御コマンドによって得られた結果を基地局(BA)に送信する。
【0044】
ストレージサーバ(SS)は、データベース部(SSDB)、制御部(SSCO)、送信・受信部(SSSR)、入出力部(SSIO)、記録部(SSME)を備える。
【0045】
データベース部(SSDB)は、端末(TR)から基地局(BA)を介して送られてきたセンシングデータを格納する。さらに、データベース部(SSDB)は、基地局(BA)からの制御コマンドに対する対処方法を格納する。データベース部(SSDB)は、後述する記録部(SSME)が備えるハードディスク(図示省略)等に格納されてもよい。
【0046】
制御部(SSCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記録部(SSME)に格納されているプログラムを実行することによって、データベース部(SSDB)の管理、及び、アプリケーションサーバ(AS)及び基地局(BA)から送信される情報の処理を行う。
【0047】
送信・受信部(SSSR)は、基地局(BA)及びアプリケーションサーバ(AS)へのデータの送信、及び、それらからのデータの受信を行う。具体的には、送信・受信部(SSSR)は、基地局(TR)から送られてきたセンシングデータを受信し、アプリケーションサーバ(AS)へセンシングデータを送信する。また、送信・受信部(SSSR)は、基地局(BA)から制御コマンドを受信した場合、データベース部(SSDB)から選択した結果を基地局(BA)に送信する。
【0048】
入出力部(SSIO)は、ボタン又はキーボード等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の出力デバイスとを備え、対象となるエリア内の状況等の情報及びセンシングデータを表示する。入出力部(SSIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0049】
記録部(SSME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、プログラム及びセンシングデータを格納する。さらに、記録部(SSME)は、データ形式(SSDF)を含む。
【0050】
データ形式(SSDF)は、基地局(BA)から受信したデータ及び時刻情報の形式であり、この形式に基づいてデータが各要素に判別され、データベース部(SSDB)の適切な要素に振り分けられる。
【0051】
アプリケーションサーバ(AS)は、ストレージサーバ(SS)に格納されているセンシングデータの処理を行う計算機である。アプリケーションサーバ(AS)は、データ処理部(ASDP)、制御部(ASCO)、記録部(ASME)、送信・受信部(ASSR)、入出力部(ASIO)及びデータベース部(ASDB)を備える。なお、アプリケーションサーバ(AS)は、クライアント(CL)が兼ねても、ストレージサーバ(SS)が兼ねてもよい。
【0052】
データ処理部(ASDP)は、センシングデータを処理し、表示に適した形に整える。データ処理部(ASDP)は、単位変換(ASMC)及び対面判別(ASFD)を実行する。変形例として他の処理が追加される場合、それらの処理は、データ処理部(ASDP)によって実行される。データ処理部(ASDP)は、処理したデータをデータベース部(ASDB)に一時的に格納する。
【0053】
データ処理部(ASDP)は、例えば、記録部(ASME)に格納されたプログラムを制御部(ASCO)のCPUが実行することによって実現されてもよい。その場合、単位変換(ASMC)及び対面判別(ASFD)等の処理(図9参照)は、実際には、制御部(ASCO)のCPUによって実行される。
【0054】
制御部(ASCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記録部(ASME)に格納されているプログラムを実行し、ストレージサーバ(SS)へのデータ取得依頼、データ処理の実行、及び、実行結果の管理等の処理を行う。
【0055】
記録部(ASME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、プログラム、センシングデータ、及び、データ処理部(ASDP)による処理結果を格納する。さらに、記録部(ASME)は、対面閾値(ASME_IRT)及び加速度単位変換式(ASME_ACC)等、処理の基準となる値を一時的に記録する。これらの値は、データの種類及び処理の種類に応じて随時追加・削除・変更することができる。
【0056】
送信・受信部(ASSR)は、ストレージサーバ(SS)からセンシングデータを受信し、クライアント(CL)からの処理結果要求に基づくデータ送信を行う。
【0057】
入出力部(ASIO)は、ボタン又はキーボード等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の出力デバイスとを備え、対象となるエリア内の状況等の情報及びセンシングデータを表示することができる。入出力部(ASIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0058】
データベース部(ASDB)は、データ処理部(ASDP)によって処理された結果を一時的に格納する。データベース部(ASDB)は、加速度データ用のテーブル(ASDB_ACC)、及び、赤外線データ用のテーブル(ASDB_IR)を含む。データの種類又は処理の種類に応じて、任意のテーブルを随時追加・削除・変更することができる。データベース部(ASDB)は、記録部(ASME)が備えるハードディスク(図示省略)等に格納されてもよい。
【0059】
クライアント(CL)は、ユーザからの依頼に基づいてデータ処理要求をアプリケーションサーバ(AS)に送信し、その処理結果をアプリケーションサーバ(AS)から受信し、受信した処理結果を画面に表示する。クライアント(CL)は、アプリケーション部(CLAP)、送信・受信部(CLSR)、入出力部(CLIO)、記録部(CLME)及び制御部(CLCO)を備える。
【0060】
アプリケーション部(CLAP)は、ユーザからの要求に基づいて、アプリケーションサーバ(AS)から受信したデータを加工し、画面を作成し、作成された画面を入出力部(CLIO)の出力デバイスに表示することによってユーザに提供する。アプリケーション部(CLAP)は、操作(CLOP)、加工(CLPR)及び画面(CLSC)から構成されている。
【0061】
アプリケーション部(CLAP)は、例えば、記録部(CLME)に格納されたプログラムを制御部(CLCO)のCPUが実行することによって実現されてもよい。その場合、操作(CLOP)、加工(CLPR)及び画面(CLSC)等の処理は、実際には、制御部(CLCO)のCPUによって実行される。
【0062】
送信・受信部(CLSR)は、ユーザが指定した範囲のセンシングデータ(インタラクションデータ)の処理結果を送信させる要求をアプリケーションサーバ(AS)に対して送信し、その処理結果(すなわち、アプリケーションサーバ(AS)によって処理されたセンシングデータ)を受信する。
【0063】
入出力部(CLIO)は、ボタンやキーボードなどの入力デバイスと出力デバイス(例えば、液晶ディスプレイのような画像表示装置)とを備え、対象となるエリア内の状況等の情報及びセンシングデータを表示する。入出力部(CLIO)として、入力デバイスと出力デバイスを統合したものであるタッチパネルが用いられてもよい。
【0064】
記録部(CLME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカード等の外部記録装置を備え、メインプログラム、センシングデータ、及び、アプリケーション部(CLAP)による処理結果を格納する。さらに、記録部(CLME)は、メンバ属性情報(CLMI)を格納する。また、記録部(CLME)は、初期条件設定(CLIS)及び描画領域設定(CLTS)に、設定された条件を記録する。
【0065】
メンバ属性情報(CLMI)は、端末情報(TRTR)と、その持ち主のメンバの氏名、所属などの属性とを照らし合わせるための情報を記録したものである。
【0066】
制御部(CLCO)は、記録部(CLME)に格納されているプログラムを実行するCPU(図示省略)を備える。
【0067】
図2は、本発明の第1の実施の形態が実際に利用される場面の例を示す説明図である。
【0068】
ユーザ(US)は、クライアント(CL)を操作することによって、インタラクションに関する表示を受信する。
【0069】
画面(CLSC)は、クライアント(CL)上のアプリケーション部(CLAP)によって出力されている画面である。クライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)は、ネットワーク(LA)を経由してアプリケーションサーバ(AS)に接続し、データベース部(ASDB)に格納されているデータ処理結果情報を受信する。受信した情報は、アプリケーションサーバ(AS)によって処理されたセンシングデータを含む。アプリケーション部(CLAP)は、受信した情報を加工(CLPR)することによって、画面(CLSC)を作成する。
【0070】
アプリケーションサーバ(AS)は、ネットワーク(LA)を経由してストレージサーバ(SS)に接続し、データベース部(SSDB)に格納されているセンシングデータを受信する。また、アプリケーションサーバ(AS)は、ネットワーク(LA)を経由してクライアント(CL)に接続し、データベース部(ASDB)に格納されているセンシングデータを送信する。
【0071】
ストレージサーバ(SS)は、ネットワーク(LA)を経由して基地局(BA)に接続し、センシングデータを受信する。基地局(BA)は、ネットワーク(LA)を経由してストレージサーバ(SS)にセンシングデータを送信する。
【0072】
基地局(BA)は、送信・受信部(BASR)を経由して端末(TR)からセンシングデータを受信する。
【0073】
端末(TR)は、人物に装着され、センシング部(TRSE)によってセンシングデータを取得する。図2の例では、基地局(BA)が通信可能なエリア内に、端末2(TR2)から端末7(TR7)が存在する。端末2(TR2)から端末7(TR7)のそれぞれは、各人物に装着され、端末(TR)と同様、センシング部(図示省略)によってセンシングデータを取得する。端末(TR)及び端末2(TR2)から端末7(TR7)は、取得したセンシングデータを、送信・受信部(TRSR)を用いて基地局(BA)に送信する。端末(TR)及び端末2(TR2)から端末7(TR7)によって送信されたセンシングデータには、そのデータを取得した端末(TR)及び端末2(TR2)から端末7(TR7)を識別する情報が含まれる。
【0074】
図3は、本発明の第1の実施の形態において、センシングデータが端末(TR)からユーザ(US)に提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【0075】
端末(TR)は、センシング部(TRSE)によってセンシングされたセンシングデータを取得する(TRGE)。次に、端末(TR)は、取得したセンシングデータに端末(TR)内の時計(TRTI)から取得した時刻情報を添付する(TRAD)。次に、端末(TR)は、時刻情報が添付されたセンシングデータを送信用データ形式に統一し(TRDF)、そのデータを基地局(BA)に送信する(TRSE)。
【0076】
基地局(BA)は、端末(TR)からセンシングデータを受信し(BARE)、そのデータの形式をデータ形式(BADF)に基づいて判断する(BADF)。次に、基地局(BA)は、受信したセンシングデータの、データ形式(BADF)によって指定された位置に、基地局情報(BABA)を付与する(BAAD)。次に、基地局(BA)は、基地局情報(BABA)が付与されたセンシングデータをストレージサーバ(SS)に送信する(BASE)。
【0077】
ストレージサーバ(SS)は、基地局(BA)からセンシングデータを受信し(SSRE)、そのデータの形式をデータ形式(SSDF)に基づいて判断する(SSDF)。次に、ストレージサーバ(SS)は、データの種類を分類し(SSDE)、その分類に基づいて、ストレージサーバ(SS)内データベース(SSDB)の適切な項目に受信したセンシングデータを格納する(SSPU)。
【0078】
クライアント(CL)は、ユーザ(US)によるアプリケーション起動によって、アプリケーションサーバ(AS)に対してデータ処理結果を要求する。アプリケーションサーバ(AS)は、ストレージサーバ(SS)に対してセンシングデータの送信を要求し、送信されてきたセンシングデータを処理し、その結果をアプリケーションサーバ(AS)内のデータベース(ASDB)に格納する。その後、クライアント(CL)は、受信した処理結果をユーザが所望する情報へ加工し、加工された情報に基づいて表示画面を生成し、生成された表示画面を入出力部(CLIO)の出力デバイス(例えば、CRT又は液晶画面のような画像表示装置)へ出力する。ユーザ(US)は、クライアント(CL)の画像表示装置に表示される図表(例えば、後述する図4A参照)を閲覧する。
【0079】
センシングデータの取得(TRGE)については、サンプリング周期、取得時間などセンシングデータを取得するために必要な情報が記録部(TRME)に記載されており、この情報を基にして端末(TR)内のセンシング部(TRSE)がセンシングを行う。さらに、端末(TR)は、センシングされたデータを記録部(TRME)に記録する。
【0080】
時刻添付(TRAD)において、端末(TR)は、センシングしたデータの取得時刻として、時計(TRTI)の時刻をセンシングデータと共に記録する。データ形式(TRAD)において、端末(TR)は、送信用データ形式にデータを統一する。
【0081】
データ送信(TRSE)において、端末(TR)は、センシングデータの取得(TRGE)によってセンシングしたセンシングデータを、送信・受信部(TRSR)を経由し基地局(BA)に送信する。より詳細には、端末(TR)は、記録部(TRME)に記録されているセンシングデータを記録部(TRME)に格納されている基地局(TR)用の送信フォーマットを用いて制御部(TRCO)によって変換する。そして、端末(TR)は、送信フォーマットに変換されたセンシングデータを送信・受信部(TRSR)を経由して基地局(BA)に送信する。
【0082】
データ受信(BARE)において、基地局(BA)は、端末(TR)から基地局(BA)用の送信フォーマットで送信・受信部(TRSR)から送信されたセンシングデータを送信・受信部(BASR)によって受信する。受信したセンシングデータは記録部(BAME)に格納される。
【0083】
データ形式判断(BADF)において、基地局(BA)は、取得したデータの形式を記録部(BAME)のデータ形式(BADF)と比較してデータの形式を判断する。さらに、基地局(BA)は、基地局情報付与(BAAD)において、データ形式(BADF)が示す適切な位置に基地局情報(BABA)を追加する。
【0084】
データ送信(BASE)において、基地局(BA)は、記録部(BAME)に格納されたセンシングデータを、送信・受信部(BASR)を経由してストレージサーバ(SS)に送信する。より詳細には、基地局(BA)の制御部(BACO)は、記録部(BAME)に記録されているセンシングデータを記録部(BAME)に格納されているストレージサーバ(SS)用の送信フォーマットに変換する。そして、基地局(BA)は、送信フォーマットに変換されたセンシングデータを送信・受信部(BASR)を経由してストレージサーバ(SS)に送信する。
【0085】
データ受信(SSRE)において、ストレージサーバ(SS)の送信・受信部(SSSR)は、基地局(BA)の送信・受信部(BASR)からストレージサーバ(SS)用の送信フォーマットで送信されたセンシングデータを受信する。受信したセンシングデータは記録部(SSME)に格納される。
【0086】
データ形式判断(SSDF)において、ストレージサーバ(SS)は、取得したデータの形式を記録部(SSME)のデータ形式(SSDF)と比較することによって、データの形式を判断する。さらに、データ分類(SSDE)において、ストレージサーバ(SS)は、各データを要素ごとに切り分ける。
【0087】
データ格納(SSPU)において、ストレージサーバ(SS)の制御部(SSCO)は、センシングデータをデータベース部(SSDB)のフォーマットに変換する。変換されたセンシングデータは、データベース部(SSDB)に格納される。データベース部(SSDB)への格納方法は、後で検索する際に有効なクエリとして用いることが好ましい。有効なクエリとしては、例えば、センシングデータ名、時刻、端末固有ID及び基地局固有IDがある。
【0088】
センシングデータの取得(TRGE)からデータ格納(SSPU)までの一連の処理は定期的に行なわれる。
【0089】
アプリケーション起動(USST)は、ユーザ(US)によるクライアント(CL)のアプリケーションの起動である。
【0090】
初期条件設定(CLIS)において、クライアント(CL)は、図の提示に必要な情報を設定する。ユーザ(US)のボタン選択によって、解析する時刻及び対象となる端末情報を取得する。ここで設定した条件は、記録部(CLME)に格納される。
【0091】
描画領域設定(CLTS)において、クライアント(CL)は、初期条件設定(CLIS)に基づき、表示されるべきグラフの種類及び表示されるべきメンバの数によってグラフの配置場所を設定する。さらに、クライアント(CL)は、値に対してプロットする座標を計算する計算式等を設定する。ここで設定した項目は、記録部(CLME)に格納される。
【0092】
データ検索(CLSE)において、クライアント(CL)は、初期条件設定(CLIS)に基づき、アプリケーションサーバ(AS)に対して、検索を行う。記録部(CLME)には、検索対象のアプリケーションサーバ(AS)の名称、アドレス、データベース名及びテーブル名等、センシングデータを取得するために必要な情報が格納されている。クライアント(CL)は、データ検索(CLSE)をする際、初期条件設定(CLIS)によって設定された検索内容と、記録部(CLME)から取得したデータベースの情報と、に基づいて、検索に用いるコマンドを作成する。作成されたコマンドは、制御部(CLCO)によって、記録部(CLME)に格納されているアプリケーションサーバ(AS)用の送信フォーマットに変換される。送信フォーマットに変換されたコマンドは、送信・受信部(CLSR)を経由して、アプリケーションサーバ(AS)に送信される。
【0093】
データ依頼(ASRQ)において、アプリーションサーバ(AS)は、取得すべきデータの時刻及びデータ取得対象である端末の固有IDを送信し、センシングデータを要求する。言い換えると、送信された時刻に、送信された固有IDが示す端末において取得されたセンシングデータが、データ依頼(ASRQ)によって要求される。送信される時刻及び端末の固有IDは、アプリーションサーバ(AS)の記録部(ASME)又はクライアント(CL)の記録部(CLME)に格納されたものであってもよいし、クライアント(CL)の入出力部(CLIO)を通してユーザ(US)が指定したものであってもよい。
【0094】
データ検索(ASSE)において、アプリーションサーバ(AS)は、データ依頼(ASRQ)に基づき、ストレージサーバ(SS)に対して、検索を行う。記録部(ASME)には、検索対象のストレージサーバ(SS)の名称、アドレス、データベース名及びテーブル名等、データ信号を取得するために必要な情報が記載されている。アプリーションサーバ(AS)は、データ検索(ASSE)を行う際、データ依頼(ASRQ)を通して検索内容を依頼し、データベースの情報を記録部(ASME)から取得し、検索に用いるコマンドを作成する。作成されたコマンドは、制御部(ASCO)によって、記録部(ASME)に格納されているストレージサーバ(SS)用の送信フォーマットに変換される。送信フォーマットに変換されたコマンドは、送信・受信部(ASSR)を経由してストレージサーバ(SS)に送信される。
【0095】
データ受信(ASRE)において、アプリーションサーバ(AS)は、データ検索(ASSE)のコマンドに基づいて、ストレージサーバ(SS)内のデータベース部(SSDB)から送信されたセンシングデータを受信する。送信・受信部(ASSR)が受信したセンシングデータは記録部(ASME)に格納される。
【0096】
データ分類(ASDE)において、アプリーションサーバ(AS)は、取得したデータを適切な各要素に分類する。その際、時刻情報とセンシングデータは必ず関連付けたままで分類される。
【0097】
データ処理(ASDP)を行うプログラムは、記録部(ASME)に格納されており、制御部(ASCO)によって実行される。データ処理(ASDP)は、表示に適した形にデータを処理するプログラムであり、データ受信(ASRE)によって記録部(ASME)に格納されたセンシングデータを処理する。
【0098】
処理結果格納(ASPU)において、アプリーションサーバ(AS)は、データ処理(ASDP)によって処理した結果(すなわち、処理されたセンシングデータ)をデータベース部(ASDB)に格納する。このとき、処理結果だけではなく、処理の条件としてデータ依頼(ASRQ)で提示された情報もまとめて格納することが望ましい。
【0099】
データ送信(ASSE)において、アプリーションサーバ(AS)は、データベース部(ASDB)に格納された処理結果を送信・受信部(ASSR)を経由してクライアント(CL)に送信する。
【0100】
データ受信(CLRE)において、クライアント(CL)は、アプリケーションサーバ(AS)内のデータベース部(ASDB)から送信された処理結果を受信する。より詳細には、送信・受信部(CLSR)が受信した処理結果は、記録部(CLME)に格納される。
【0101】
メンバ属性照会(CLMS)において、クライアント(CL)は、取得したデータの端末情報(TRTR)を、記録部(CLME)に記録されているメンバ属性情報(CLMI)に照会することによって、その端末を保有するメンバの氏名及び属性等を取得する。必要であれば、取得した氏名及び属性等も表示されてもよい。
【0102】
データ加工(CLDP)において、クライアント(CL)は、データ受信(CLRE)によって取得した処理結果から、記録部(CLME)に記載されている表示方法に基づいて、画像又は画面を生成する。生成された画面等は、記録部(CLME)に格納される。
【0103】
データ表示(CLDI)において、クライアント(CL)は、データ加工(CLDP)によって作成された結果を、画面(CLSC)に表示し、その画面(CLSC)を、入出力部(CLIO)を介してユーザ(US)に提示する。
【0104】
アプリケーション終了(USEN)はユーザ(US)によるアプリケーションの終了である。
【0105】
時刻修正(BATM)は、基地局(BA)の時計(BATA)の時刻を合わせるために行われる。基地局(BA)は、現在の時刻をネットワーク(LA)網にあるNTPサーバ(図示省略)から取得する。時刻修正(BATM)の処理は定期的に行なわれる。
【0106】
時刻修正依頼(BATR)は、端末(TR)の時刻を合わせるために、基地局(BA)から端末(TR)へ依頼される。時刻修正(TRTM)は、時刻修正依頼(BATR)によって基地局(BA)から送信された時刻に基づいて、時計(TRTI)の時刻を修正する処理である。時刻修正依頼(BATR)から時刻修正(TRTM)までの処理は定期的に行なわれる。
【0107】
次に、端末(TR)のセンシング部(TRSE)におけるセンシングの間隔と、送信・受信部(TRSR)における送信のタイミングについて、本実施の形態の場合の例の一つを挙げて述べる。
【0108】
端末(TR)は、三軸加速度センサ及び赤外線送受信器を備え、これらが全て10秒サイクルでセンシング及びデータ送信を行う。
【0109】
加速度センサは、10秒中の始めの2秒間でX、Y、Z軸方向各100回のセンシングを行う。センシングの結果として取得された加速度情報は、端末(TR)の状態を示す。端末(TR)が人物に装着されている場合、取得された加速度情報は、端末(TR)を装着した人物の活動の状態(例えば、その人物が静止しているか否か)を示す。
【0110】
赤外線送信器は、10秒間あたり6回ずつ端末(TR)の正面に向かって赤外線信号を送信する。送信される赤外線信号には、端末情報(TRTR)、すなわち、自端末(TR)のID(識別子)を示す信号が含まれる。
【0111】
二つの端末(TR)が向かい合ったとき、つまり二人の人物が対面したときには、一方の端末(TR)の受信器が、もう一方の端末(TR)のIDを受信する。すなわち、一つの端末(TR)が他の端末(TR)のIDを受信したとき、それらの二つの端末が対面していることを意味する。それぞれの端末(TR)が人物の前面に装着されている場合、二つの端末(TR)が対面していることは、それらを装着した二人の人物が対面していることを意味する。赤外線の受信器側は、常に待機状態となっており、10秒間のうちに受信したIDと、受信した回数を記録する。
【0112】
そして、端末(TR)は、これらのセンシングデータにタイムスタンプ及び端末情報(TRTR)つまり自身の固有IDを付与した後、それらのセンシングデータを基地局(BA)に一括して無線送信する。結局、上記の例において、端末(TR)から送信されるセンシングデータには、その端末の加速度を示す情報と、その端末の固有IDと、その端末が他の端末と対面したことを示す情報と、それらの情報に対応付けられた時刻情報とが含まれる。これらのセンシングデータが、人物の交流を示すインタラクションデータとして利用される。
【0113】
しかし、上記は一例に過ぎず、のセンシング間隔及び送信タイミングは、任意に設定することができる。
【0114】
図4Aは、本発明の第1の実施の形態において作成された表示画面の例を示す説明図である。
【0115】
描画処理を行うために、クライアント(CL)内のアプリケーション部(CLAP)を介してアプリケーションサーバ(AS)が呼び出され、アプリケーションサーバ(AS)がストレージサーバ(SS)にコマンドを送信し、必要なデータをデータベース部(SSDB)から取得する。アプリケーションサーバ(AS)において処理されたセンシングデータは、データベース部(ASDB)に格納される。クライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)は、データベース部(ASDB)に格納されたデータを取得し、そのデータに基づいて表示画面を作成する。
【0116】
図4Aは、4人のメンバの、5日間(7月24日から28日まで)における、赤外線と加速度に関するセンシングデータを一覧表示した例である。これは、左側の赤外線表示領域(CLSC_IR)に赤外線による対面検出のデータを、右側の加速度表示領域(CLSC_ACC)に加速度のデータを表示したものである。なお、加速度表示領域(CLSC_ACC)の内容については、後に図4B及び図4Cにおいてその一部を拡大した図面を参照して詳細に説明する。中央の対象人物表示(CLSC_P0)に、表示の対象である人物の名前、その人物のID、又は、その人物に装着された端末(TR)のIDが表示される。さらに、その名前又はIDの背景には、その名前又はIDと1対1に対応する色彩が表示される。
【0117】
対象人物表示(CLSC_P0)に人物の名前又はその人物のIDが表示される場合、その人物の名前又はIDは、その人物に装着された端末(TR)のIDと対応付けられる。この場合、各端末(TR)は、その端末(TR)を装着した人物の名前又はその人物のIDによって識別されてもよい。
【0118】
図4A中の赤外線表示小領域(CLSC_IR0)と加速度表示小領域(CLSC_ACC0)は、同じ人物、すなわち、同じ端末(TR)による同じ日付のセンシングデータである。これらのデータは、表示画面上で同じ高さに並ぶように(すなわち、時間軸からそれらの領域までの距離が等しくなるように)左右に配置される。
【0119】
言い換えると、赤外線表示領域(CLSC_IR)は、時間軸に略垂直の方向に、複数の領域に区切られる。区切られた各領域は、各人物に割り当てられる。各人物(例えば、人物A)に割り当てられた領域は、さらに、時間軸に略垂直の方向に、複数の赤外線表示小領域(CLSC_IR0等)に区切られる。そして、一つの赤外線表示小領域(例えば、CLSC_IR0)に、ある1日(例えば、7月24日)に取得された情報が表示される。同様にして、加速度表示領域(CLSC_ACC)は、時間軸に略垂直の方向に、複数の人物のための領域に区切られる。そして、各人物に割り当てられる領域は、さらに、複数の加速度表示小領域(CLSC_ACC0等)に区切られる。
【0120】
また、赤外線表示小領域(CLSC_IR0)においては、帯を塗りつぶした色彩によって、対面相手が表現される。例えば、7月24日9:20の人物Aの対面表示(CLSC_IR01)の色彩は、対象人物表示(CLSC_P0)における人物Cの背景色と同じである。一方、7月24日9:20の人物Cの対面表示(CLSC_IR02)の色彩は、対象人物表示(CLSC_P0)における人物Aの背景色と同じである。このことは、7月24日9:20において、人物Aが装着した端末(TR)と、人物Cが装着した端末(TR)とが、互いに、相手から送信された赤外線信号を受信したことを示している。このため、図4Aに示す表示を参照したユーザ(US)は、7月24日9:20に人物Aと人物Cが対面していたことを知ることができる。
【0121】
赤外線表示小領域(CLSC_IR0)と加速度表示小領域(CLSC_ACC0)は、それぞれ、時間軸を有する。図4Aの例では、各領域の横軸が時間軸である。両領域の対比を容易にするため、これらの時間軸は横方向に並べて(言い換えると、一方の時間軸が他方の延長線上に位置するように)表示され、それらの時間幅(尺度)は同じである。その結果、例えば、人物Aと人物Cの交流(インタラクション)が発生した場合、そのインタラクションを示す対面表示(CLSC_IR01)に対応する時刻と同じ時刻に対応する人物Aの加速度データは、(CLSC_ACC01)に現れる。
【0122】
赤外線表示領域(CLSC_IR)における対面表示(CLSC_IR01)の位置と、加速度表示領域(CLSC_ACC)における加速度データ表示(CLSC_ACC01)の位置は、略同一である。このように、人物が他の人物と対面したか否かを示す情報と、それらの人物の活動を示す情報とを、時刻に基づいて対応付けて表示することによって、対面と活動に関するデータを対応付けて分析することが容易になる。
【0123】
図4Aの例では、時間軸に、一日の中の時刻(例えば、8:00から20:00まで)が表示される。そして、異なる日に属する時刻に対応するデータは、異なる赤外線表示小領域(CLSC_IR0等)又は加速度表示小領域(CLSC_ACC0等)に表示される。しかし、時間軸は、異なる日に属する時刻を連続的に表示してもよい。例えば、時間軸は、7月24日の0:00から23:59までを表示し、さらに、その表示に連続して、7月25日の0:00から23:59までを表示してもよい。
【0124】
図4Bは、本発明の第1の実施の形態において実行される加速度に基づく行動パターン解析の説明図である。
【0125】
具体的には、図4Bは、図4Aの加速度表示領域(CLSC_ACC)における加速度データの一部を拡大したものである。行動表示(activity)領域には、三つのグラフを示す。上のグラフから順に、X軸方向の加速度成分(AccX)、Y軸方向の加速度成分(AccY)及びZ軸方向の加速度成分(AccZ)を表している。なお、名札型端末(TR)を首からぶら下げた状態において、X軸方向が右向きの成分、Y軸方向が垂直下向きの成分、Z軸方向が正面前向きの成分である。
【0126】
図4Bには、端末(TR)を装着した人物が静止しているとき、歩行しているとき及び着座しているときに観測される加速度の例を、それぞれ、静止(static)、歩行(walking)及び着座(seated)に示す。
【0127】
静止(static)時には、Y軸に重力加速度による1[G]がかかっており、X軸、Z軸方向はほとんど0の状態で安定していることが見える。
【0128】
着座(seated)時には、Y軸の値が0.7[G]付近まで減少し、同時にZ軸の値も0.7[G]付近まで増加して安定している。これは、端末(TR)を装着した人物が背もたれに深くもたれるようにして座っていたため、ノードが上向きに傾いた状態になったからだと考えられる。
【0129】
さらに、歩行(walking)時には、Y軸の値が1[G]以上になり、かつグラフの先端が鋭利な形状になる。X軸とZ軸方向においても約0.3[G]程度になり、振幅の拡大が見られる。
【0130】
また、この歩行時のデータをさらに拡大して表示したものが歩行1(walking1)である。歩行1(walking1)によって、2秒間で約4回の歩行のリズムが、特にY軸方向に顕著に現われていることがわかる。
【0131】
これらの結果から、端末(TR)による加速度データから、端末(TR)の移動の状態、言い換えると、端末(TR)を装着した人物の行動パターンを解析することができることがわかる。例えば、加速度の値、その振幅、又はその周期等が所定の範囲内であるか否かを判別し、その判別の結果に基づいて、端末(TR)が移動しているか否か、より詳細には、端末(TR)を装着した人物が静止しているか、歩行しているか、又は着座しているかを判断することができる。
【0132】
なお、加速度データに加えて、又は、加速度データに代えて、加速度データ以外のデータを表示画面に表示することもできる。例えば、温度センサ(TRTE)によって取得された温度データ、照度センサ(TRIL)によって取得された照度データ、又は、マイクロホン(TRMI)によって取得された音声データが表示されてもよい。この場合、例えば、音声データに基づいて、端末(TR)を装着した人物が会話しているか否かが判別されてもよい。あるいは、照度データ又は温度データに基づいて、端末(TR)が置かれた環境が判断されてもよい。
【0133】
図4Cは、本発明の第1の実施の形態において実行されるインタラクションの分析の説明図である。
【0134】
具体的には、図4Cは、図4Aにおける同日・同時刻の人物Aと人物Bに対応するデータの一部を拡大し、人物間の対比及び赤外線−加速度間の対比をわかりやすくしたものである。加速度データの一人分、例えば人物Aの領域にはX軸方向(ACC_AX)、Y軸方向(ACC_AY)、Z軸方向(ACC_AZ)の加速度データが含まれている。これによって、各人物の動作や状態に関する詳しい分析が可能となる。
【0135】
赤外線データに関しては、赤外線A(IR_A)に表示された色が人物Bの名前の背景と同じ色であることによって、この時間帯に人物Aが人物Bと対面していたことを表す。それと対応して、赤外線B(IR_B)に表示された色が人物Aの名前の背景と同じ色であることによって、人物Bが人物Aと対面していたことを表している。
【0136】
さらに、対面している同じ時間帯の加速度データを比べて見ると、人物AではY軸方向(ACC_AY)の成分が減少し、同時に、Z軸方向(ACC_AZ)の成分が増加している。このため、このとき人物Aは座っていると判断できる。一方、同じ時間帯において人物Bでは、Y軸方向(ACC_BY)の成分はあまり変化せず、X軸方向(ACC_BX)に細かい揺れが現れていることから、人物Bは立っていると判断できる。
【0137】
これらを合わせて分析すると、この対面時には、椅子に座っている人物Aのところに、人物Bから話題もしくは相談事を持って話しかけに行ったと分析することができる。また、人物Aは深くもたれて座っていることから、人物Aは人物Bよりも立場が上の人間であると判断できる。
【0138】
このように、同日・同時刻の複数のメンバの赤外線データと加速度データを対比して分析することが可能になる。その結果、インタラクションの起点となる人物やインタラクションの状況、二人の人間の立場を分析することが可能となる。
【0139】
図5は、本発明の第1の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0140】
表示画面を作成するために、初期条件設定(CLIS)、描画領域の設定(CLTS)、データベース接続(ASDC)、データ処理(ASDP)、データプロット(CLDP)及びデータ表示(CLDI)の各手順が順次実行される。
【0141】
初期条件設定(CLIS)は、画面を表示するための基本となる条件を設定する手順である。描画領域の設定(CLTS)は、表示画面内の各部分の寸法を計算する手順である。
【0142】
データベース接続(ASDC)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続して必要なセンシングデータを取得する手順である。データ処理(ASDP)は、取得したデータを表示される形にするためのデータ処理を行う手順である。クライアント(CL)におけるデータプロット(CLDP)は、処理された各データをプロットする手順である。データ表示(CLDI)は、プロットされたデータを画面(CLSC)に表示する手順である。
【0143】
上記の手順の詳細を、図6から図12を参照して説明する。
【0144】
図6は、本発明の第1の実施の形態において、初期条件設定のために表示される画面の例を示す説明図である。
【0145】
初期条件設定(CLIS)では、クライアント(CL)の入出力部(CLIO)を介して、表示されるデータの期間、表示される複数のメンバ、表示されるデータの種類とデータ処理の方法、作成される表示画面のサイズ、及び、グラフの配置方向等のパラメータをユーザ(US)が指定する。
【0146】
図6は、初期条件設定(CLIS)用の入力ウィンドウの例である。初期条件設定ウィンドウ(CLISWD)は、表示期間選択(CLISPT)、表示サイズ(CLISPS)、グラフ配置方向(CLISGD)、表示メンバ選択(CLISPM)、表示データ選択(CLISPD)、スタートボタン(CLISST)の各領域によって構成される。
【0147】
表示期間選択(CLISPT)領域では、表示されるデータの期間の、始めの年・月・日を示す数字が、それぞれ、個別のテキストボックス(PT01〜PT03)に、終わりの年・月・日を示す数字が、それぞれ、個別のテキストボックス(PT11〜PT13)に入力される。また、表示される横軸(すなわち時間軸)の始点の時刻がテキストボックス(PT21、PT22)に、終点の時刻がテキストボックス(PT31、PT32)に入力される。
【0148】
図6の例では、テキストボックス(PT01〜PT03)、テキストボックス(PT11〜PT13)及びテキストボックス(PT21、PT22)に、それぞれ、「2006」、「7」、「24」、「2006」、「7」、「28」、「08」、「00」、「20」及び「00」が入力されている。この場合、2006年7月24日から2006年7月28日までに対応付けられたデータが表示される。ただし、各日のデータのうち、8:00から20:00までの時刻に対応付けられたデータが表示される(図4A参照)。
【0149】
表示サイズ(CLISPS)領域では、表示される画像のサイズが設定される。本実施の形態では、画面に表示される画像が長方形であることを前提とする。画像の縦の長さがテキストボックス(PS01)に、横の長さがテキストボックス(PS02)に入力される。入力される数値の単位として、ピクセル又はセンチメートル等、何らかの長さの単位が指定される。
【0150】
グラフ配置方向(CLISGD)領域では、複数の種類のグラフを縦に配置するか、横に配置するかが指定される。これは、ラジオボタン(GD01)又はラジオボタン(GD02)のどちらかにチェックを入れることで指定される。
【0151】
表示メンバ選択(CLISPM)領域では、表示の対象とするメンバが指定される。人物名の後ろにカッコでくくられている数字は、その人物に装着された端末(TR)の固有IDである。表示の対象とするメンバは、チェックボックス(PM01〜PM09)にチェックを入れることによって指定される。ユーザ(US)は、複数のメンバを指定することができる。また、この領域は、センシングしているメンバの数が多いときには、メンバの所属を指定することによって複数のメンバが選択できるよう修正されてもよい。あるいは、検索機能が付加されてもよい。
【0152】
表示データ選択(CLISPD)領域では、表示されるデータの種類及びその処理の方法が設定される。基本的には加速度(PD1)及び赤外線(PD2)が選択される。加速度(PD1)の平均化処理、又は、加速度に基づく行動解析が必要な場合、平均化処理(PD11)又は行動解析(PD12)にチェックを入れる。ここで、図に付加した番号(例えば、PD1及びPD11等)の桁が多いほど下位の選択肢となる。上位の選択肢が選択されていない場合、その選択肢の下位の選択肢を選択することはできない。さまざまなデータの処理方法については、第2の実施の形態以降で述べるためここでは割愛する。
【0153】
以上の項目を全て入力終了した後に、ユーザ(US)がスタートボタン(CLISST)を操作すると、以後、入力されたパラメータに従って、アプリケーションが起動される。
【0154】
しかし、上記の入力ウィンドウは一例に過ぎず、表示するデータの期間、メンバ、データの種類を設定できれば、必ずしも入力ウィンドウを用いなくてもよい。表示サイズ、データ処理の方法はその他の条件から自動で求めることもできる。また、グラフの配置方向は既定であってもよい。また、設定すべき項目において、他に必要な項目を増やすこともできる。
【0155】
図7は、本発明の第1の実施の形態における描画領域設定の説明図である。
【0156】
描画領域の設定(CLTS)では、初期条件設定(CLIS)で設定された、表示画面のサイズ、表示される人数と日時の期間、及び、表示されるデータの種類から、各部の小グラフの表示領域の幅及び高さが設定される。横軸は時間軸である。予測されるデータの最大値に基づいて、それぞれの縦軸のレンジが計算され、決定される。
【0157】
図7は、例として、図4Aに示すように、4人のメンバに関する4日分のデータを表示する場合の各部の寸法を示す。この例は、図6に示す入力ウィンドウの例とも対応する。まず、図6のテキストボックス(PS02)で設定した画像の縦の長さを画像高さ(TSH1)、テキストボックス(PS01)で設定した画像の横の長さを画像幅(TSB1)とする。メンバ数は図6のチェックボックス(PM01〜PM09)のうちでチェックが入っている個数(すなわち4)である。日数は、図6でユーザが入力した終了時刻(PT11〜PT15)と開始時刻(PT01〜PT05)の差に相当する。ただし、時分秒以下の端数があった場合には日の単位に繰り上げられる。
【0158】
画像高さ(TSH1)と画像幅(TSB1)を基準とした寸法の計算方法の具体例を以下に示す。
【0159】
一人分領域高さ(TSH01〜TSH04)は、画像高さ(TSH1)×0.8÷メンバ数である。一人一日分領域高さ(TSH001)は、画像高さ(TSH1)÷日数である。メンバ間余白高さ(TSH012〜TSH014)=画像高さ(TSH1)×0.2÷メンバ数である。領域上部・下部余白高さ(TSH011、TSH015)は、メンバ間余白高さ(TSH012〜TSH014)÷2である。
【0160】
グラフ領域幅(TSB01)は、画像幅(TSB1)×0.8÷2である。グラフ領域中央余白(TSB012)は、画像幅(TSB1)×0.2÷2である。グラフ領域左右余白(TSB011、TSB013)は、グラフ領域中央余白(TSB012)÷2である。
【0161】
さらに、加速度(x、y、z)のそれぞれのグラフの高さは、一人一日分の領域高さ(TSH001)÷3によって決定できる。
【0162】
上記の具体例は一例に過ぎない。データを読み取りやすい画面となるように、上記以外の寸法比が採用されてもよい。
【0163】
図8は、本発明の第1の実施の形態のストレージサーバ(SS)が保持するデータベース部(SSDB)の説明図である。
【0164】
データベース(SSDB)への接続(ASDC)では、アプリケーションサーバ(AS)からストレージサーバ(SS)にコマンドが送信され、時刻データ及びノードIDを基準にデータベース(SSDB)でクエリが実行され、アプリケーションサーバ(AS)が必要なデータを取得する。
【0165】
データベース部(SSDB)には、端末(TR)によってセンシングされたデータ(すなわち、センシングデータ)が整理されて格納される。データベース部(SSDB)の一行には、開始時刻(SSDB_STM)、終了時刻(SSDB_ETM)、ノードID(SSDB_SID)、赤外線送信側ID(SSDB_OID)、受信回数(SSDB_NIR)、加速度x1(SSDB_AX1)、加速度y1(SSDB_AY1)、加速度z1(SSDB_AZ1)、から、加速度x100(SSDB_AX100)、加速度y100(SSDB_AY100)、加速度z100 (SSDB_AZ100)までの要素がある。
【0166】
終了時刻(SSDB_ETM)は、タイムスタンプの時刻であり、開始時刻(SSDB_STM)は、タイムスタンプの時刻からセンシング間隔を減算した時刻である。
【0167】
ノードID(SSDB_SID)は、センシングした端末(TR)の固有IDである。
【0168】
赤外線送信側ID(SSDB_OID)は、赤外線を送信した端末(TR)の固有IDである。
【0169】
図6に示すように、端末(TR)の固有IDと、その端末(TR)を装着している人物とが1対1に対応する場合、端末(TR)の固有IDに基づいて、その端末(TR)を装着している人物を特定することができる。
【0170】
受信回数(SSDB_NIR)は、開始時刻(SSDB_STM)から終了時刻(SSDB_ETM)までの間に、赤外線送信側ID(SSDB_OID)が示す端末(TR)から赤外線を受信した回数である。必要ならば、受信回数(SSDB_NIR)の列に赤外線送信側ID(SSDB_OID)と赤外線送信側ID(SSDB_OID)の要素を追加してもよい。
【0171】
加速度x1(SSDB_AX1)は、加速度センサが1回目に取得したX軸方向の加速度の値である。
【0172】
加速度y1(SSDB_AY1)は、加速度センサが1回目に取得したY軸方向の加速度の値である。
【0173】
加速度z1(SSDB_AZ1)は、加速度センサが1回目に取得したZ軸方向の加速度の値である。
【0174】
以降、100回目に取得した値まで、加速度(SSDB_AX1−SSDB_AX100、SSDB_AY1−SSDB_AY100、SSDB_AZ1−SSDB_AZ100)の要素がある。
【0175】
レコード1(RE01)からレコード6(RE06)は、格納されている具体的なデータの例である。
【0176】
データは、基本的には開始時刻(SSDB_STM)の順に格納される。レコードの数は、ストレージサーバ(SS)が基地局(BA)から新しいデータを受信する度に追加されてもよい。
【0177】
データベース部(SSDB)の形式及び要素は、必要に応じて変更・追加又は削除することができる。
【0178】
図9は、本発明の第1の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)が実行するデータ処理(ASDP)を示すフローチャートである。
【0179】
データ処理(ASDP)において、アプリケーションサーバ(AS)のデータ処理部(ASDP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)から取得した未処理のセンシングデータに対して、単位変換(ASMC)の処理及び赤外線受信回数に基づく対面判別(ASFD)の処理を行い、処理されたセンシングデータをアプリケーションサーバ(AS)内のデータベース部(ASDB)に格納する。
【0180】
図9では、データ処理の開始(ASDPST)後、データ処理部(ASDP)が初期条件設定(CLIS)を読み込み(ASDP_1)、さらに、加速度単位変換式(ASME_ACC)及び対面閾値(ASME_IRT)を読み込む(ASDP_2)。加速度単位変換式(ASME_ACC)として既定のものが記録されている。対面閾値(ASME_IRT)は、同じ相手からの赤外線受信回数が何回以上であったら対面したと判別するかを示す閾値である。対面閾値(ASME_IRT)は、既定であってもよいし、初期条件設定の際にユーザによって指定されたものが、記録部(ASME)に格納されていてもよい。
【0181】
次に、データ処理部(ASDP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース(SSDB)に接続し(ASDP_3)、接続したデータベース(SSDB)において、開始時刻(SSDB_STM)が初期条件設定(CLIS)に設定された表示期間(CLISPT)の範囲内にあるデータを選別して取得する(ASDP_4)。次に、データ処理部(ASDP)は、取得したデータのうち古い方から1レコード読み込む(ASDP_5)。1レコードとは、図8に示す一行分のデータを指す。
【0182】
次に、データ処理部(ASDP)は、読み込んだレコードに含まれるデータの開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)が初期条件設定(CLIS)の表示時刻(CLISPT)の範囲内であり、かつ、ノードID(SSDB_SID)が表示メンバ(CLISPM)である場合、加速度データ処理(ASDP_10)及び赤外線対面判別(ASDP_20)に進む(ASDP_6)。そうでない場合、読み込んだレコードは、表示されるべきデータを含まない。この場合、データ処理部(ASDP)は、読み込んだレコードに対する処理を行わずに、ステップ(ASDP_7)に進む。
【0183】
次に、加速度データ処理(ASDP_10)及び赤外線対面判別(ASDP_20)の二つの処理が実行される。これらは、並行して実行されてもよいし、順次実行されてもよい。順次実行される場合、どちらが先に実行されてもよい。
【0184】
先に、加速度データ処理(ASDP_10)について説明する。最初に、データ処理部(ASDP)は、各軸方向について100個ずつある加速度データを、加速度単位変換式(ASME_ACC)を用いて変換することによって、単位を加速度[G]に統一する(ASDP_11)。この処理は、図1における単位変換(ASMC)の機能に相当する。
【0185】
加速度単位変換式(ASME_ACC)の例としては、次のような式を用いる。
【0186】
加速度[G]={(元データ×4−477)/1023}×(3000/333)×(3/2.8)
ただし、この変換式は一例である。端末(TR)において使用されているセンサに対応した変換式を用いる必要がある。
【0187】
1レコードのデータの中には、100回分の加速度データが含まれる。このため、データ処理部(ASDP)は、100回分の各加速度データに1対1のセンシング時刻を付加する。具体的には、データ処理部(ASDP)は、図8の開始時刻データ(SSDB_STM)を基準として、100回のセンシング時刻を逆算し、加速度データに付加する(ASDP_12)。
【0188】
次に、データ処理部(ASDP)は、これらの加速度データを、1回分のセンシングデータごとに分割する。そして、データ処理部(ASDP)は、時刻(ASDB_ACCTM)、ノードID(ASDB_ACCSID)、加速度x(ASDB_AX)、加速度y(ASDB_AY)、加速度z(ASDB_AZ)を1レコードとして加速度データベース(ASDB_ACC)に格納する(ASDP_13)。これによって、図8に示す1レコードが、100レコードのデータに分割されることになる。
【0189】
次に、赤外線対面判別(ASDP_20)について説明する。この処理は、図1における対面判別(ASFD)の機能に相当する。
【0190】
最初に、データ処理部(ASDP)は、読み込んだレコードの赤外線送信側ID(SSDB_OID)が初期条件設定(CLIS)で設定した表示メンバに含まれているか否かを判別する(ASDP_21)。赤外線送信側ID(SSDB_OID)が表示メンバに含まれていると判別された場合、処理はステップ(ASDP_22)に進む。赤外線送信側ID(SSDB_OID)が表示メンバに含まれていないと判別された場合、読み込まれたレコードは表示されるべきデータを含まない。この場合、ステップ(ASDP_22)及び(ASDP_23)は実行されず、処理はステップ(ASDP_7)に進む。
【0191】
次に、データ処理部(ASDP)は、図8の受信回数(SSDB_NIR)と対面閾値(ASME_IRT)の大小を比較する(ASDP_22)。受信回数(SSDB_NIR)が対面閾値(ASME_IRT)以上であった場合には、ノードID(SSDB_SIDに示す端末(TR)が、赤外線送信側ID(SSDB_OID)が示す端末(TR)と対面していたと判別される。この場合、データ処理部(ASDP)は、開始時刻(ASDB_IRSTM)、終了時刻(ASDB_IRETM)、ノードID(ASDB_IRSID)、赤外線送信側ID(ASDB_IROID)を1レコードとして赤外線データベース(ASDB_IR)に格納する(ASDP_23)。
【0192】
データベース(SSDB)から読み込んだレコードのデータの処理が終わったなら、次の1レコードのデータを読み込む(ASDP_5)。全てのレコードのデータの処理が完了(ASDP_7)した場合には、処理を終了(ASDPEN)する。
【0193】
図10は、本発明の第1の実施の形態の加速度データベース(ASDB_ACC)の説明図である。
【0194】
加速度データベース(ASDB_ACC)は、図9の加速度データ処理(ASDP_10)によって作成される。加速度データベース(ASDB_ACC)は、時刻(ASDB_ACCTM)、ノードID(ASDB_ACCSID)、加速度x(ASDB_AX)、加速度y(ASDB_AY)及び加速度z(ASDB_AZ)の要素を持つ。
【0195】
例えば、図10のレコードRE01からRE100は、図8のレコードRE01から生成されたものである。同様にして、図10のレコードRE101からRE200は、図8のレコードRE02から生成されたものである。
【0196】
図11は、本発明の第1の実施の形態の赤外線データベース(ASDB_IR)の説明図である。
【0197】
赤外線データベース(ASDB_IR)は、図9の赤外線対面判別(ASDP_20)によって作成される。赤外線データベース(ASDB_IR)は、開始時刻(ASDB_STM)、終了時刻(ASDB_IRETM)、ノードID(ASDB_IRSID)及び赤外線送信側ID(ASDB_IROID)の要素を持つ。
【0198】
例えば、図11のレコードRE01は、図8のレコードRE01から生成されたものである。
【0199】
図12は、本発明の第1の実施の形態において実行されるプロット(CLDP)の処理を示すフローチャートである。
【0200】
プロット(CLDP)の処理は、図3のデータ加工(CLDP)に相当する。プロット(CLDP)は、データベース部(ASDB)に格納された処理済のデータを、描画領域の設定(CLTS)において設定した領域内の、データの値から計算された位置にプロットする処理である。これらの処理はクライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)によって実行される。
【0201】
プロット(CLDP)によって、加速度データは、折れ線グラフ又は棒グラフ等にプロットされる。赤外線データは、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かを、横軸を時間軸とする帯グラフを対面相手に対応する色で塗りつぶすことによってプロットする。赤外線データは、そのデータに付随するタイムスタンプの前の10秒間で受信されたものなので、その10秒間に対応する部分がプロットされる。
【0202】
プロットの開始(CLDPST)後、まず、アプリケーション部(CLAP)は、初期条件設定(CLIS)を記録部(CLME)から読み込み(CLDP_1)、描画領域設定(CLTS)を記録部(CLME)から読み込む(CLDP_2)。
【0203】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、アプリケーションサーバ(AS)内のデータベース部(ASDB)に接続する(CLDP_3)。以後、加速度データプロット(CLDP_10)及び赤外線データプロット(CLDP_20)の二つのプロセスが実行される。これらのプロセスは、並行して実行されてもよいし、順次実行されてもよい。
【0204】
先に、加速度データプロット(CLDP_10)について説明する。
【0205】
最初に、アプリケーション部(CLAP)は、加速度データベース(ASDB_ACC)のデータを、時刻の古い方から1レコード取得する(CLDP_11)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(ASDB_ACCSID)に基づいて、プロットするグラフ領域を指定する(CLDP_12)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、時刻(ASDB_ACCTM)、加速度x(ASDB_AX)、加速度y(ASDB_AY)及び加速度z(ASDB_AZ)のそれぞれの値から、描画領域設定(CLTS)に設定された計算式に基づいて、プロットする座標を計算する(CLDP_13)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、それらのセンシングデータをグラフ上にプロットする(CLDP_14)。
【0206】
以上のステップ(CLDP_11)からステップ(CLDP_14)までの手順を、すべてのデータのプロットが終了するまで繰り返す(CLDP_15)。
【0207】
次に、赤外線データプロット(CLDP_20)について説明する。
【0208】
最初に、アプリケーション部(CLAP)は、赤外線データベース(ASDB_IR)の、データを時刻の古い方から1レコード取得する(CLDP_21)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(ASDB_IRSID)に基づいて、プロットするグラフ領域を指定する(CLDP_22)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、開始時刻(ASDB_IRSTM)と終了時刻(ASDB_IRETM)から、プロットする座標を計算する(CLDP_23)。
【0209】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、赤外線送信側ID(ASDB_IROID)に対応する色を表示色として設定し(CLDP_24)、その色によって開始時刻(ASDB_IRSTM)から終了時刻(ASDB_IRETM)までの幅を塗りつぶすことによって、赤外線データをプロットする(CLDP_25)。
【0210】
以上のステップ(CLDP_21)からステップ(CLDP_25)までの手順を、すべてのデータのプロットが完了するまで繰り返す(CLDP_26)。
【0211】
加速度データプロット(CLDP_10)及び赤外線データプロット(CLDP_20)がいずれも終了したら、図12に示す処理が終了(CLDPEN)する。
【0212】
以上の本発明の第1の実施の形態で作成した表示によって、一人のメンバのある時刻における対面検出と行動の対比、インタラクションが発生したとき及びその前後の各メンバの行動の対比、日時ごとのデータの比較、時間帯ごとの比較といった、インタラクションに関する多様な視点からの分析を容易に行うことが可能になる。
【0213】
より具体的には、インタラクション中の人物の姿勢の変化、2人のインタラクションにおいてどちらがもう一方に話しかけに行ったか、臨時で発生している議論の増減、時間帯によるインタラクションを行うメンバの傾向、等を分析することができる。そして、その分析に基づいて、コミュニケーションの形態(例えば、インタラクションがメンバの誰から引き起こされたものか、積極的にアピールしているのは誰か、受身になっているのは誰か、そのインタラクションはどのような状態なのか、相互の立場はどのようなものか、等)、さらに、組織における意思決定の状況、及び、影響が人から人へ広がる様子を容易に分析・評価することが可能になる。
【0214】
また、データ処理をアプリケーションサーバ(AS)が、プロット及び表示をクライアント(CL)が実行することによって、役割が分割される。このため、複数のクライアント(CL)が存在する場合であっても、アプリケーションサーバ(AS)においてデータ処理に関する設定が統一される。その結果、どのクライアント(CL)も同じ形式で表示を作成できるので、システムに詳しくないユーザでも容易に処理を実行することができる。
【0215】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0216】
第1の実施の形態においては、アプリケーションサーバ(AS)によって処理されたデータが一度データベース(ASDB)に格納され、クライアント(CL)がそのデータをプロットしていた。一方、第2の実施の形態では、アプリケーションサーバ(AS)を介さずに、クライアント(CL)がデータ処理とプロットを連続して行う。そのため、処理されたデータを格納するためのデータベース部(ASDB)は使用されない。第1の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)が実行した処理のための機能は、クライアント(CL)に設けられる。
【0217】
上記以外の点に関しては、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0218】
図13は、本発明の第2の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0219】
図13に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、まず、アプリケーションサーバ(AS)が存在しない点である。このため、第1の実施の形態においてはアプリケーションサーバ(AS)内にあったデータ処理部がクライアント(CL)内に設けられる点、さらに、記録部(ASME)の対面閾値(ASME_IRT)及び加速度単位変換式(ASME_ACC)がそれぞれ対面閾値(CLME_IRT)及び加速度単位変換式(CLME_ACC)としてクライアント(CL)内の記録部(CLME)に格納されている点も異なっている。
【0220】
第1の実施の形態においてアプリケーションサーバ(AS)が備えていた機能は、第2の実施の形態において、クライアント(CL)が備える。
【0221】
図14は、本発明の第2の実施の形態において、センシングデータが端末(TR)からユーザ(US)に提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【0222】
図14が第1の実施の形態(図3)と相違する点は、クライアント(CL)が、アプリケーションサーバ(AS)を介さずに、直接ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)にデータ検索(CLSE)を行い、さらに、クライアント(CL)がデータ受信(CLRE)、データ分類(CLDE)及びデータ処理(CLDP1)を行う点である。データ受信(CLRE)、データ分類(CLDE)及びデータ処理(CLDP1)は、アプリケーションサーバ(AS)ではなくクライアント(CL)によって実行されるという点を除いて、それぞれ、第1の実施の形態のデータ受信(ASRE)、データ分類(ASDE)及びデータ処理(ASDP)と同じである。
【0223】
図15は、本発明の第2の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0224】
図15が第1の実施の形態(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)とデータプロット(CLDP)が統一され、データ処理・解析(CLPP)に置き換えられている点のみである。
【0225】
図16は、本発明の第2の実施の形態において実行されるデータ処理・解析(CLPP)の処理を示すフローチャートである。
【0226】
図16に示す処理は、第2の実施の形態のクライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)によって実行される。
【0227】
処理が開始されると(CLPPST)、アプリケーション部(CLAP)は、図6に示すウィンドウを用いて設定された初期条件設定(CLIS)を読み込む(CLPP_1)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、加速度単位変換式(CLME_ACC)及び対面閾値(CLME_IRT)を記録部(CLME)から読み込む(CLPP_2)。
【0228】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続する(CLPP_3)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、データベース部(SSDB)に格納されたデータの中から、その開始時刻(SSDB_STM)が初期条件設定(CLIS)の表示期間(CLISPT)の範囲内にあるデータのみを選択して取得する(CLPP_4)。
【0229】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、取得したデータから1レコードを読み込む(CLPP_5)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、読み込んだレコードに含まれるデータの開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)が初期条件設定(CLIS)の表示時刻(CLISPT)の範囲内であり、かつノードID(SSDB_SID)が表示メンバ(CLISPM)である場合、加速度データ処理・プロット(CLPP_10)及び赤外線対面判別・プロット(CLPP_20)に進む(CLPP_6)。そうでない場合、読み込んだレコードは、表示されるべきデータを含まない。この場合、アプリケーション部(CLAP)は、読み込んだレコードに対する処理及びプロットを行わずに、ステップ(CLPP_7)に進む。
【0230】
次に、加速度データ処理・プロット(CLPP_10)及び赤外線対面判別・プロット(CLPP_20)の二つの処理が実行される。これらは、並行して実行されてもよいし、順次実行されてもよい。順次実行される場合、どちらが先に実行されてもよい。
【0231】
先に、加速度データ処理・プロット(CLPP_10)について説明する。最初に、アプリケーション部(CLAP)は、X、Y及びZの三軸の各方向について、100個の加速度データ(SSDB_AX1〜SSDB_AZ100)の単位を加速度[G]に変換する(CLPP_11)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、上記の100個の加速度データのセンシング時刻を開始時刻(SSDB_STM)から逆算する(CLPP_12)。上記のステップ(CLPP_11)及び(CLPP_12)は、図9のステップ(ASDP_11)及び(ASDP_12)と同様の方法によって実行されてもよい。
【0232】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(SSDB_SID)に基づいて、プロットするグラフ領域の場所を指定する(CLPP_13)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、ステップ(CLPP_11)及び(CLPP_12)において計算された時刻及び加速度データの値から、記録部(CLME)に記録されていた描画領域設定(CLTS)の計算式を用いて、描画する座標を計算する(CLPP_14)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、計算された座標に、加速度データをプロットする(CLPP_15)。
【0233】
次に、赤外線対面判別・プロット(CLPP_20)について説明する。
【0234】
最初に、アプリケーション部(CLAP)は、読み込んだレコードの赤外線送信側ID(SSDB_OID)が初期条件設定(CLIS)の表示メンバに含まれているか否かを判別する(CLPP_21)。赤外線送信側ID(SSDB_OID)が初期条件設定(CLIS)の表示メンバに含まれていると判別された場合、処理はステップ(CLPP_22)に進む。赤外線送信側ID(SSDB_OID)が初期条件設定(CLIS)の表示メンバに含まれていないと判別された場合、読み込まれたレコードは表示されるべきデータを含まない。この場合、赤外線データに関する処理とプロットは行われず、処理はステップ(CLPP_7)に進む。
【0235】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、受信回数(SSDB_NIR)と対面閾値(CLME_IRT)の大きさを比較する(CLPP_22)。受信回数(SSDB_NIR)が対面閾値(CLME_IRT)以上であった場合、端末(TR)が他の端末(TR)と対面していたと判別される。この場合、処理は、プロットのためのステップ(CLPP_23)からステップ(CLPP_26)に進む。
【0236】
次に、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(SSDB_SID)に基づいて、プロットするグラフ領域の場所を指定する(CLPP_23)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)から、プロットする座標を計算する(CLPP_24)。次に、アプリケーション部(CLAP)は、赤外線送信側ID(SSDB_OID)に対応する色を表示色として設定する(CLPP_25)。そして、アプリケーション部(CLAP)は、ノードID(SSDB_SID)に対応する領域の開始時刻(SSDB_STM)から終了時刻(SSDB_ETM)までの幅の帯を、設定された表示色に塗ることによって、赤外線データをプロットする(CLPP_26)。
【0237】
データベース(SSDB)から読み込んだすべてのレコードのデータの処理が完了した場合には終了(CLPPEN)する(CLPP_7)。一方、全てのレコードについて処理が完了していない場合には、次の1レコードを読み込み(CLPP_5)、上記の処理及びプロットを行う。
【0238】
以上の本発明の第2の実施の形態では、アプリケーションサーバ(AS)を介さずに、クライアント(CL)が、センシングデータの処理、プロット及び表示を連続して実行する。このため、システム全体で使用されるメモリ及びプロセスが削減され、よりリアルタイムにデータを反映した表示をすることが可能になる。
【0239】
また、処理プログラムが全てクライアント内にあるため、ユーザは、自由に設定及びプログラムを変更して表示することが可能である。
【0240】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0241】
第1の実施の形態では、活動に関するデータとして加速度のセンシングデータが表示された。これに対して、第3の実施の形態では、加速度及び音声等のデータを行動解析アルゴリズムによって処理した結果が表示される。行動解析とは、例えば、加速度データ等に基づいて、端末(TR)の動き(言い換えると、端末(TR)を装着した人物の行動)を、「歩行」、「着座」、「会話」及び「静止」等に分類することを意味する。その解析結果(すなわち、分類された行動)が、色彩によって表示される。
【0242】
赤外線による対面検出は、第1の実施の形態と同様の方法によって実行される。一方、活動に関するデータとして、行動解析結果が対面データと対応付けて表示される。その結果、インタラクションの状態を分析することがさらに容易になる。
【0243】
第3の実施の形態では、各メンバ(人物)に対応する領域が作成される。領域の上部には対面検出の結果が、下部には行動解析の結果が表示される。各メンバに対応する上記の領域が、表示画面上で上下に並べて表示される(後述する図18A参照)。
【0244】
図17は、本発明の第3の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0245】
図17に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0246】
アプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)(図1)は、データ処理・解析部(ASPA)によって置き換えられる。データ処理・解析部(ASPA)は、単位変換(ASMC)に加えて、行動特徴量抽出(ASAF)及び行動パターンマッチング(ASAM)を含む。なお、図17では省略されているが、データ処理・解析部(ASPA)は、データ処理部(ASDP)と同様、対面判別(ASFD)を含んでもよい。
【0247】
データ処理・解析部(ASPA)は、データ処理部(ASDP)と同様、記録部(ASME)に格納されたプログラム(図示省略)を制御部(ASCO)のCPU(図示省略)が実行することによって実現されてもよい。その場合、データ処理・解析部(ASPA)が実行する処理は、実際には、制御部(ASCO)のCPUによって実行される。
【0248】
また、記録部(ASME)には行動特徴量記録部(ASAM)が追加され、データベース部(ASDB)には行動データベース(ASDB_AC)が追加される。
【0249】
追加されたものは、すべて行動解析のための機能である。
【0250】
図18Aは、本発明の第3の実施の形態において表示される画面の一例を示す説明図である。
【0251】
図18Aは、1日分のデータのみを表示している点、及び、対面データと活動データを左右ではなく上下に並べて配置している点においては図4Aと異なるが、対面データと活動データを対応付けている点においては図4Aと同様である。
【0252】
図18Aでは、横軸を各メンバの対面データ及び活動データに共通の時間軸とする。メンバ一人分のグラフ領域は、上部の対面表示部(CLSC2_IR)及び下部の行動表示部(CLSC2_AC)からなる。対面表示部(CLSC2_IR)には対面データが、行動表示部(CLSC2_AC)には活動データが表示される。上記のような各メンバのグラフ領域を上下方向に並べて配置することによって、複数メンバの対面データ及び活動データが共通の時間軸上に表示される。その結果、一人のメンバのインタラクションデータ(すなわち、対面データ及び活動データ)が、時刻情報に基づいて対応付けて表示される。さらに、各メンバのインタラクションデータが、時刻情報に基づいて対応付けて表示される。
【0253】
行動表示部(CLSC2_AC)は、活動度表示部(CLSC2_AC01)及び行動パターン表示部(CLSC2_AC02)からなる。活動度表示部(CLSC2_AC01)には、加速度データから計算された活動度が折れ線グラフで表示される。活動度については、第5の実施の形態において詳細に説明する。行動パターン表示部(CLSC2_AC02)には、行動解析の結果、もっとも大きな相関が得られた行動パターン(すなわち、加速度データ等に基づいて分類された行動)が、色分けした帯グラフによって表示される。上記の各領域の表示の詳細、及び、その表示に基づいて行われる分析については、図18Bを参照して説明する。
【0254】
図18Bは、本発明の第1の実施の形態における組織ダイナミクスの分析の例を示す説明図である。
【0255】
具体的には、図18Bは、図18Aの一部を説明のために拡大したものである。人物Aの領域は、図18Aの対面表示部(CLSC2_IR)に対応する対面A(IR_A)、活動度表示部(CLSC_AC01)に対応する活動度A(AC_A)、及び、行動パターン表示部(CLSC_AC02)に対応する行動パターンA(AP_A)の領域を含む。同様にして、人物Bの領域は、対面B(IR_B)、活動度B(AC_B)及び行動パターンB(AP_B)を含む。人物Cの領域は、対面C(IR_C)、活動度C(AC_C)及び行動パターンC(AP_C)を含む。人物Dの領域は、対面D(IR_D)、活動度D(AC_D)及び行動パターンD(AP_D)を含む。図18Bには、説明のため、人物A〜Dの4人の領域のみを示す。
【0256】
行動パターンA(AP_A)〜行動パターンD(AP_D)には、加速度データ等に基づいて分類された行動が色彩によって表示される。図18Bの例では、各人物が静止しているか、歩行しているかが表示される。
【0257】
図18Bの表示から読み取れる組織ダイナミクスを以下に述べる。
【0258】
まずイベント1では、人物Bの活動度B(AC_B)が上昇し、かつ行動パターンB(AP_B)が「歩行」を示している。その後、対面B(IR_B)の表示から、人物Bは人物Aと対面していることがわかる。また、対面C(IR_C)にも人物Aの色が現れていることから、人物Cも人物Aと対面していることがわかる。つまり、このとき、人物Aと人物Bと人物Cとが三人で会っている。よって、人物Bが人物Aと人物Cのところに歩いて来て、三人で話していることがわかる(event1)。なお、ここでは、一度のセンシング間隔に複数のIDからの赤外線受信があった場合に、領域が上にある人物の色を優先して表示するように設定されている。このため、人物Bと人物Cが対面している情報は図18Bに表現されていない。
【0259】
次にイベント2では、人物Aと人物Bが対面したまま同じタイミングで歩行している。このことから、二人はそろって移動し、そのまま別の場所で話し込んでいることがわかる(event2)。
【0260】
さらにイベント3では、人物Bが再び歩行し、人物Cと対面している(event3)。
【0261】
また、イベント3とほぼ同じ時間帯に、人物Dが歩行している。その後、人物Dは人物Bと入れ違いに人物Cと対面し、その後歩行している。このことから、人物Dは人物Cに何か用件を持ちかけ、用事が終わったら去っていったことがわかる(event4)。
【0262】
最後にイベント5では、人物Cが再び人物Bと少し対面し、そのまま歩行して別の場所に行ったことがわかる(event5)。
【0263】
以上の流れから、人物Bの動きが起点となって、4人の人物の関わりが連鎖的に起こっていることが分析でき、組織のダイナミクスを捉えることができる。
【0264】
図19は、本発明の第3の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0265】
図19が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)がデータ処理・解析(ASPA)によって置き換えられている点のみである。
【0266】
データ処理・解析(ASPA)の部分のみを次に述べる。
【0267】
図20は、本発明の第3の実施の形態において実行されるデータ処理・解析(ASPA)を示すフローチャートである。
【0268】
図20に示す処理は、図17に示すアプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理・解析部(ASPA)によって実行される。対面検出に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。このため、図20では、行動解析に関する処理を説明する。
【0269】
処理が開始(ASPAST)されると、データ処理・解析部(ASPA)は、まずストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続し、加速度又は音声等、行動解析のために必要なデータを所定の区間分取得する(ASPA_1)。次に、データ処理・解析部(ASPA)は、取得したデータから行動特徴量を抽出する(ASPA_2)。特徴量の抽出方法は、既存の方法であってよい。次に、データ処理・解析部(ASPA)は、抽出した行動特徴量を、記録部(ASME)内の行動特徴量記録部(ASAM)と比較することによって、パターンマッチングを行う(ASPA_3)。パターンマッチングの結果、端末(TR)を装着した人物の行動が、例えば、「歩行」又は「静止」等に分類される。
【0270】
記録部(ASME)内の行動特徴量記録部(ASAM)に格納されている行動特徴量は、既存のものであってよい。
【0271】
次に、データ処理・解析部(ASPA)は、パターンマッチングによって出力された解析結果(すなわち、分類された行動を示す情報)をアプリケーションサーバ(AS)の行動データベース部(ASDB_AC)に格納する(ASPA_4)。
【0272】
データ処理・解析部(ASPA)は、すべてのデータの解析が完了した場合、処理を終了(ASPAEN)する。一方、すべてのデータの解析が完了していな場合、データ処理・解析部(ASPA)は、ふたたびデータベース部(SSDB)から次の所定の区間のデータを取得して(ASPA_1)、上記と同様の処理を繰り返す(ASPA_5)。
【0273】
図21は、本発明の第3の実施の形態の行動データベース部(ASDB_AC)の説明図である。
【0274】
行動データベース部(ASDB_AC)は、開始時刻(ASDB_AC_STM)、終了時刻(ASDB_AC_ETM)、ノードID(ASDB_AC_SID)、行動(歩行)(ASDB_AC1)、行動(着席)(ASDB_AC2)及び行動(起立)(ASDB_AC3)の要素を含む。
【0275】
行動(歩行)(ASDB_AC1)は、開始時刻(ASDB_AC_STM)から終了時刻(ASDB_AC_ETM)までの時間にノードID(ASDB_AC_SID)が示す端末(TR)によってセンシングされたデータを行動解析した結果、歩行と認識された回数を示す。同様に、行動(着席)(ASDB_AC2)は、着席と認識された回数、行動(起立)(ASDB_AC3)は、起立と認識された回数を示す。
【0276】
データ処理・解析(ASPA)において、行動解析アルゴリズムを追加又は変更することができる。さらに、行動解析アルゴリズムの追加又は変更にあわせて、表示方法も変更できる。また、行動データベース部(ASDB_AC)の行動に関する要素も、必要に応じて変更・追加又は削除することができる。例えば、さらに、行動(静止)という要素が追加されてもよい。
【0277】
図8における一つのレコード(例えばRE01)から図21の一つのレコード(例えばRE01)が生成される。図8の複数のレコードから一つの行動データベースのレコードを作成することもできる。
【0278】
以上の第3の実施の形態では、各メンバに関する対面検出の結果と、行動解析の結果とが対応付けて表示される。これによって、各メンバの行動を直感的に把握することができるようになる。このため、誰が誰に話しかけに行ったのかを容易に見つけることができる。すなわち、ある人の行動を起点として伝言ゲームのように人から人へインタラクションが誘発される様子や、一人の人物が居室内を動き回ってメンバ間の意見調整を行っている様子などを追跡することができる。よって、組織を構成するメンバのセンシングデータに基づいて、組織ダイナミクスの要素を容易に発見・分析することができるようになった。
【0279】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0280】
第1の実施の形態においては、センシングされた回数分のセンシングデータがすべてプロットされていた。一方、第4の実施の形態では、センシングデータを平均化する処理が追加され、平均化されたセンシングデータが表示される。これは、特に加速度データのように短い間隔でセンシングしているデータを、長期間分まとめて表示する際に必要となる。プロットすべきデータ数が増えるとメモリに負荷がかかるからである。また、一般的なPCディスプレイやA4サイズの紙に表示することを想定すると、プロットした点の間隔が人間の視覚やプリンタの分解能よりも細かくなるため、すべてのセンシングデータを忠実にプロットする必要はない。そこで、第4の実施の形態では、データ数が多いときにはデータを平均化することによってプロット数を削減する処理を導入した。これによってメモリの負荷が軽減され、またプロットにかかる時間も短縮できる。
【0281】
第4の実施の形態においては、例として、加速度データを100の整数倍の数のサンプルごとに平均化する処理を説明する。しかし、平均化されるデータのサンプル数を任意に設定することもできる。さらに、加速度以外の種類の数値データに関しても、必要であれば同様の処理によって平均化をすることができる。
【0282】
図22は、本発明の第4の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0283】
図22に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0284】
具体的には、第4の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)には、平均化処理(ASAV)が追加される。さらに、記録部(ASME)には平均化単位(ASME_AVE)が、データベース部(ASDB)には加速度平均化データ(ASDB_AVE)が追加される。
【0285】
追加されたものは、すべて平均化のための機能である。
【0286】
図23は、本発明の第4の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0287】
図23が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)が平均化処理(ASAV)によって置き換えられている点のみである。
【0288】
対面検出に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。以下、加速度に関する平均化処理(ASAV)の部分のみを説明する。
【0289】
図24は、本発明の第4の実施の形態において実行される平均化処理(ASAV)を示すフローチャートである。
【0290】
処理が開始(ASAVST)されると、データ処理部(ASDP)は、まず記録部(ASME)内の平均化単位(ASME_AVE)を読み込む(ASAV_1)。
ここで平均化単位(ASME_AVE)とは、1回の平均化によって処理されるデータの個数(サンプル数)を100で割った値である。例えば、平均化単位(ASME_AVE)が「1」である場合、「1」の100倍の値すなわち100個の加速度データが1回の平均化によって処理される。加速度データがX、Y及びZの三軸方向の成分を含む場合、各軸方向の100個ずつのデータが1回の平均化によって処理される。この場合、各軸方向の100個の加速度データの値の総和を100で割った値が、平均化された加速度データとして算出される。100個の加速度データは、データベース部(SSDB)の1レコード分の加速度データに相当する。
【0291】
次に、データ処理部(ASDP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続し、データを開始時刻(SSDB_STM)の順に1レコード取得する(ASAV_2)。この1レコードのデータには、加速度データが三軸各方向について100個ずつ含まれている。
【0292】
次に、データ処理部(ASDP)は、取得したデータの単位を加速度[G]に変換する(ASAV_3)。加速度の単位の変換方法については第1の実施の形態と同様である。
【0293】
次に、データ処理部(ASDP)は、単位を変換されたデータをX、Y及びZの各軸方向別に分けて、順にデータを加算する(ASAV_4)。1レコード(100個)の計算を終了(ASAV_5)したら、データ処理部(ASDP)は、再びデータを1レコードずつ取り出して同様の処理を繰り返す。平均化単位(ASME_AVE)が示す数のデータすべての計算を終了(ASAV_6)すると、処理はステップ(ASAV_7)に進む。このとき、データを開始時刻(SSDB_STM)の順に取り出すことによって、データベース部(SSDB)に格納されたデータが時刻の順に並んでいなくても、正しく平均化することができる。
【0294】
次に、データ処理部(ASDP)は、各軸方向ごとに合計した値を、それぞれ平均化単位(ASME_AVE)の100倍、すなわち合計したデータの個数で割ることで、各軸方向の加速度の平均値を求める(ASAV_7)。
【0295】
次に、データ処理部(ASDP)は、合計されたデータのうち、最も古いデータの開始時刻と、最も新しいデータの開始時刻とを足して2で割った値にさらに1秒足すことによって、平均の時刻を計算する(ASAV_8)。加速度データは前回のタイムスタンプが付けられた直後の2秒間で100回センシングされているため、上記のような計算によって平均の時刻を求めることができる。
【0296】
次に、データ処理部(ASDP)は、以上のようにして計算された平均時刻、X軸方向の平均加速度、Y軸方向の平均加速度及びZ軸方向の平均加速度を1レコードとしてアプリケーションサーバ(AS)の加速度平均化データベース(ASDB_AVE)に格納する(ASAV_9)。
【0297】
データ処理部(ASDP)は、すべてのデータの処理が終了した場合には、処理が終了(ASAVEN)する。一方、すべてのデータの処理が終了していない場合、データ処理部(ASDP)は、すべてのデータの処理が終了するまで、データ取得(ASAV_2)以降の処理を繰り返す(ASAV_10)。
【0298】
図25は、本発明の第4の実施の形態の加速度平均化データベース(ASDB_AVE)の説明図である。
【0299】
加速度平均化データベース(ASDB_AVE)は、平均時刻(ASDB_AVE_TM)、ノードID(ASDB_AVE_SID)、加速度x(ASDB_AVE_X)、加速度y(ASDB_AVE_Y)及び加速度z(ASDB_AVE_Z)の要素を含む。
【0300】
平均化単位が「1」である場合、図8の一つのレコード(例えばRE01)の加速度が平均化された結果が、図25のレコード(例えばRE01)に格納される。平均化単位が「n」である場合、図8のn個のレコードのデータが平均化された結果が、図25の一つのレコードに格納される。
【0301】
次に、平均化単位(ASME_AVE)の設定方法について説明する。平均化単位(ASME_AVE)は、以下の説明を参考にして、自動的に決定されてもよいし、初期条件設定においてユーザ(US)によって決定されてもよい。自動的に又はユーザによって決定された平均化単位(ASME_AVE)は、記録部(ASME)に格納される。
【0302】
平均化単位(ASME_AVE)が大きすぎると、データが平滑化された結果、データの変化の特徴がグラフに現れなくなる。一方、平均化単位(ASME_AVE)が小さすぎると、メモリにかかる負荷を軽減できなくなる。このため、平均化単位は(ASME_AVE)適切な値に設定しなければならない。
【0303】
そこで、グラフ領域の幅と、表示されるデータの時間軸の長さとに基づいて、プロットする点の間隔を計算し、適切な値に設定する。仮に、ディスプレイ上または印刷時の個々のドットの大きさを考慮して、人間が判別可能であるプロット間隔の最小値を0.1ミリメートル、変化が滑らかに見られるプロット間隔の最大値を0.5ミリメートルと定め、プロット間隔がこの範囲内に収まるように平均化単位(以下、K_averageとする)の値を検討する。また、表示されるグラフ領域の幅をB_length(mm)、表示される時間の幅をB_time(hour)とし、これらは初期設定においてユーザによって設定されていると仮定する。
【0304】
元のデータ数は、10秒当たり100個、すなわち、B_time×36000個存在する。これをK_average×100個ずつ平均すると、プロットする個数は
(B_time×36000)/(K_average×100)=360×B_time/K_average (式1)
となる。このときプロット間隔は
B_length/(プロットする個数)=(B_length×K_average)/(360×B_time) (式2)
となる。このプロット間隔が0.1〜0.5となるためには、平均化単位(K_average)は、
(36×B_time/B_length)<K_average<(180×B_time/B_length) (式3)
を満たすものを選択するとほぼ適切に描画ができると考えられる。
【0305】
例えば、表示するグラフ領域の幅(B_length)を200mmとしたときの平均化単位(K_average)の最小値と最大値と、その時の適切な平均化単位(K_average)の範囲を表1に示す。
【0306】
【表1】
【0307】
以上の第4の実施の形態の平均化処理を行うことによって、データのメモリオーバが生じなくなる。このため、長期間のデータを表示できるようになる。さらに、表示に要する時間を短縮することができる。
【0308】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0309】
第1の実施の形態では、人物の活動を示す情報として、三軸方向の加速度が処理され、プロットされた。第5の実施の形態では、加速度に加えて、活動度が計算処理される。活動度とは、端末(TR)の動きの激しさ(すなわち、端末(TR)を装着した人物の動きの激しさ)を知るための指標である。加速度データは三軸方向に分けてセンシングされているため複雑な分析を行うことが可能であるが、その反面、直感的に変化を捉えることが難しい。そこでシンプルな動きの激しさを現すために、活動度の計算処理とそのグラフ表示が追加される。
【0310】
また、活動度の代わりに、ゼロクロス計算をすることもできる。ゼロクロス計算も端末(TR)の動きの激しさを知るための指標である。ゼロクロス計算は、活動度とは異なる計算式によって行われる。しかし、計算式以外の処理のフローは、ほぼ同じである。フローの始めにどちらの処理を用いるかが選択される。活動度とゼロクロスの両方が計算されてもよい。
【0311】
図26は、本発明の第5の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0312】
図26に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0313】
具体的には、第5の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)には、活動度処理(ASAV)及びゼロクロス処理(ASZR)が追加される。さらに、データベース部(ASDB)に活動度データベース(ASDB_ACT)が追加される。
【0314】
ここで追加されたものは、すべて活動度計算又はゼロクロス計算のための機能である。
【0315】
図27は、本発明の第5の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0316】
図27が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)が活動度計算(ASAC)によって置き換えられている点のみである。
【0317】
対面検出に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。以下、活動度計算(ASAC)の部分のみを説明する。
【0318】
図28は、本発明の第5の実施の形態において実行される活動度計算(ASAC)を示すフローチャートである。
【0319】
処理が開始(ASACST)されると、指標として活動度を用いるかゼロクロス値を用いるかが選択される(ASAC_1)。活動度とは、ここでは、連続した加速度データの差(すなわち、あるセンシング時刻における加速度データと、その次のセンシング時刻における加速度データとの差)の絶対値をある一定期間にわたって算出し、それらの値を合計することによって取得された値である。ゼロクロス値とは、加速度データの値が、正から負へ、または負から正へ符号変換した回数をある一定期間で合計したものである。ゼロクロス値の方が、データベースに必要とするデータ量が少なくて済むが、重力方向(すなわち、Y軸方向)の動きに対して鈍いという欠点がある。
【0320】
指標として活動度を用いるかゼロクロス値を用いるかは、予め定められていてもよいし、図28の処理が実行されるたびにユーザ(US)によって選択されてもよい。ステップ(ASAC_1)では、活動度及びゼロクロス値のいずれか一方又は両方が選択されてもよい。
【0321】
次に、データ処理部(ASDP)は、第1の実施の形態と同様に、データベース(SSDB)に接続し、加速度データを1レコード取得する(ASAC_2)。1レコードの中には、X、Y、Zの各軸方向100個のセンシングデータが含まれている。データ処理部(ASDP)は、それらのすべてのセンシングデータに対して、加速度[G]への単位変換(ASMC)をする。
【0322】
次に、データ処理部(ASDP)は、100個のセンシングデータのうち、番号の小さい方(すなわち、センシング時刻の古い方)から順に二つのデータを取得する(ASAC_3)。
【0323】
次に、データ処理部(ASDP)は、始めの選択(ASAC_1)で活動度を選択した場合には活動度をカウントし、ゼロクロス値を選択した場合にはゼロクロスをカウントする(ASAC_4)。
【0324】
活動度の計算では、前後する二つの加速度データの差の絶対値が、各軸方向別にカウントに加算される(ASAC_5)。
【0325】
ゼロクロス値の計算では、前後する二つの加速度データの積が負であった場合に(ASAC_51)、ゼロクロスカウントに1が加算される(ASAC_52)。
【0326】
ステップASAC_5、又は、ASAC_51〜ASAC_52が、X、Y、Zの各軸方向について実行される(ASAC_6)。
【0327】
なお、ステップ(ASAC_1)において、活動度及びゼロクロス値の両方が選択された場合、ステップASAC_5、ASAC_51及びASAC_52が実行される。
【0328】
データベース(SSDB)から取得した100個のデータについて計算が終了していない場合(ASAC_7)、データ処理部(ASDP)は、時系列順に次の二つのデータを取得する(ASAC_3)。言い換えると、前回のステップ(ASAC_3)で取得した二つのデータのうち、遅いセンシング時刻に対応するデータと、その次のセンシング時刻に対応するデータとが取得される。そして、データ処理部(ASDP)は、取得したデータに対して、活動度又はゼロクロスの計算を繰り返す。
【0329】
1レコード、すなわちデータ100個分の計算が終了したら(ASAC_7)、X、Y及びZ方向の活動度又はゼロクロスの値を合計し(ASAC_8)、アプリケーションサーバ(AS)のデータベース部(ASDB)に、合計された活動度又はゼロクロスの値を格納する(ASAC_9)。合計された活動度又はゼロクロス値に対応する時刻データとして、開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)の中間の値である平均時刻(ASDB_AC_TM)が格納される。
【0330】
プロットすべきすべてのデータの処理を終了した場合には、図28の処理が終了(ASACEN)する。一方、プロットすべきすべてのデータの処理が終了していない場合、活動度又はゼロクロスのカウントをリセットし、再びデータ取得(ASAC_2)以降の処理が実行される(ASAC_10)。
【0331】
図29は、本発明の第5の実施の形態の活動度データベース(ASDB_ACT)の説明図である。
【0332】
活動度データベース(ASDB_AXT)は、平均時刻(ASDB_ACT_TM)、ノードID(ASDB_ACT_SID)、活動度(ASDB_ACT)及びゼロクロス(ASDB_ACT_ZERO)の要素を含む。図28の選択(ASAC_1)では、活動度及びゼロクロス値の一方又は両方が選択される。このため、一方が選択されなかった場合、活動度(ASDB_ACT)及びゼロクロス(ASDB_ACT_ZERO)のうち選択されなかった方は空白になる。
【0333】
図8における一つのレコード(例えば、RE01)から算出された値が、図29の一つのレコード(例えば、RE01)に格納される。図8の複数のレコードから算出された値が行動データベースの一つのレコードに格納されてもよい。
【0334】
第5の実施の形態によれば、活動度(又はゼロクロス値)を算出することによって、端末(TR)及びそれを装着した人物の動きの激しさを知ることができる。動きの激しさによって、人物の行動の時間的変化を捉えることができ、それに基づいて、例えば、人物が掃除をしている状態、休憩をしている状態、又は、端末(TR)が放置されている状態を、大雑把であるが容易に判断することができる。
【0335】
第6の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の赤外線対面判別(ASFD)において、表示を見やすくするために、1回の対面の表示を拡大する処理が実行される。
【0336】
端末(TR)の赤外線送信器の指向性が高すぎたり、人間の向いている方向が頻繁に動くことによって、対面が検出されないことがある。第1の実施の形態では、最も短い対面表示の単位は10秒としていたが、データに欠けがある場合には表示が細い線の縞模様になってしまい、色を見分けることが難しくなる。特に長時間分のデータをまとめて表示する場合には、全体に対して10秒の幅の表示は細かすぎる。そこで一つのデータを拡張することによって表示をスムージングする。
【0337】
この問題を改善するために第6の実施の形態では、10秒より長い時間を拡大表示単位(ASME_IREU)として設定し、その時間内での対面の有無が判別される。その時間内で対面があったと判別された場合、拡大表示単位(ASME_IREU)分の幅で対面が表示される。
【0338】
経験上、対面していないのに対面していると判別されることよりも、対面しているのに、その対面が対面データに現れないことの方が多く生じており、かつ重大な問題であった。このため、一つの対面データに基づいて対面の有無を判別してもよいと考えられる。
【0339】
加速度データの処理方法は、第1の実施の形態と同様である。以下、赤外線データの拡大表示処理について説明する。
【0340】
図30は、本発明の第6の実施の形態の拡大表示処理が行われた表示画面の説明図である。
【0341】
具体的には、図30は、拡大表示処理の例として、拡大表示単位(ASME_IREU)を5分とした場合の表示画面を示す。
【0342】
第1の実施の形態の方法で対面データを表示したものが拡大前表示(IRE10)、第6の実施の形態の拡大表示処理がされた対面データ表示したものが拡大後表示(IRE20)である。拡大前データ(IRE01)の左端の時刻と同じ時刻から5分間に相当する幅を塗りつぶして表示したものが拡大後データ(IRE11)である。
【0343】
また、拡大前データ(IRE02、IRE03)のように拡大前のデータが5分以内に続けて複数回あった場合、それらは一つの拡大後データ(IRE12)として表示される。
【0344】
また、拡大前データ(IRE04)のように、拡大前のデータが5分間より長く途切れなくあった場合には、拡大表示単位(ASME_IREU)(5分間)の整数倍の幅に繰り上げて表示(IRE13)される。図30の例では、7分間の拡大前データ(IRE04)に対応する拡大後データ(IRE13)の表示の幅は、5分間の整数倍であって、かつ、7分間以上の値のうち最も小さい値である10分間に相当する。
【0345】
図31は、本発明の第6の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0346】
図31に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0347】
具体的には、アプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)に対面拡大処理(ASIRE)が、記録部(ASME)に対面閾値(ASME_IRET)、拡大表示単位(ASME_AIREU)、拡大スタート時刻(ASME_JRES)及び受信合計回数(ASME_IREA)が、データベース部(ASDB)に対面拡大データベース(ASDB_IRE)が追加される。
【0348】
なお、対面閾値(ASME_IRET)及び拡大表示単位(ASME_AIREU)としては、前もって既定の値が記録されている。一方、拡大スタート時刻(ASME_JRES)及び受信合計回数(ASME_IREA)は、初期状態では空であり、処理過程において一時的にデータを記録するために確保された変数である。
【0349】
追加されたものは、すべて拡大表示のための機能である。
【0350】
図32は、本発明の第6の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0351】
図32が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)が対面拡大処理(ASIRE)によって置き換えられている点のみである。
【0352】
加速度に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。以下、対面検出に関する処理(ASIRE)の部分のみを説明する。
【0353】
図33は、本発明の第6の実施の形態において実行される対面拡大処理(ASIRE)を示すフローチャートである。
【0354】
処理が開始(ASIREST)されると、データ処理部(ASDP)は、まず記録部(ASME)内の対面閾値(ASME_IRET)と拡大表示単位(ASME_IREU)を読み込む(ASIRE_1)。ここで対面閾値(ASME_IRET)とは、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否かを判別するために使用される閾値である。具体的には、特定の端末(TR)からの赤外線受信回数が対面閾値(ASME_IRET)以上であれば、対面したと判別される。また拡大表示単位(ASME_IREU)とは、対面を表示する際に最も小さな単位となる時間軸上の幅である。
【0355】
これらは初期条件設定の際にユーザ(US)によって設定されてもよいし、自動で設定されてもよい。設定された値は、記録部(ASME)に格納される。
【0356】
次に、データ処理部(ASDP)は、ストレージサーバ(SS)のデータベース部(SSDB)に接続し、初期設定で設定された範囲内で最も開始時刻(SSDB_STM)の早いデータを1レコード取得する(ASIRE_2)。この1レコードのデータには、開始時刻(SSDB_STM)、終了時刻(SSDB_ETM)、ノードID(SSDB_SID)、赤外線送信側ID(SSDB_OID)、及び、10秒間中の赤外線受信回数(SSDB_NIR)の要素が含まれている。
【0357】
また、初回に取得した場合のみ、開始時刻(SSDB_STM)が拡大スタート時刻として記録される(ASIRE_3)。
【0358】
次に、データ処理部(ASDP)は、データベース(SSDB)から開始時刻(SSDB_STM)の順に次の1レコードのデータを取得する(ASIRE_4)。
【0359】
取得したデータの終了時刻(SSDB_ETM)が、現在記録されている(拡大スタート時刻+拡大表示単位(ASME_IREU))の範囲内であれば(ASIRE_3)、データ処理部(ASDP)は、受信側IDと送信側IDとの組み合わせごとに赤外線受信回数を加算する(ASIRE_50)。
【0360】
そうでない場合、データ処理部(ASDP)は、拡大スタート時刻を新たに上書きする(ASIRE_51)。それまでの受信合計回数が対面閾値(ASME_IRET)以上であった場合(ASIRE_52)、対面があったと判別される。このため、データ処理部(ASDP)は、拡大スタート時刻を開始時刻(ASDB_IRE_STM)、(拡大スタート時刻+拡大表示単位(ASME_IREU))の時刻を終了時刻(ASDB_IRE_ETM)とし、それらに加えて、ノードID(ASDB_IRE_SID)及び赤外線送信側ID(ASDB_IRE_OID)含む1レコードを対面拡大データベース(ASDB_IRE)に格納する(ASIRE_53)。その後、データ処理部(ASDP)は、受信合計回数をリセットする(ASIRE_54)。
【0361】
すべてのデータの処理が終了した場合には(ASIRE_6)、図33の処理を終了(ASIREEN)する。そうでない場合、データ処理部(ASDP)は、次の1レコードのデータの取得(ASIRE_4)以降の手順を繰り返す。
【0362】
拡大表示単位(ASME_IREU)は、加速度の平均化の際と同様に、表示されるグラフ領域の幅及び表示される時間幅の情報に基づいて設定される。拡大を行う条件及び表示単位の上限を参考にして、適切な値が選択される。
【0363】
まず拡大を行う条件について検討する。最小単位として10秒間の対面を表示したときにプロットされる領域の幅が0.1ミリメートル以下になるときには拡大が必要となると仮定する。このとき、グラフ全体の領域の幅と最小データの幅との比から計算すると、例えば、グラフ全体の領域の幅が20センチメートルであれば、描画するグラフの時間幅が5時間以上である場合に、表示単位の拡大を行う必要があると判断される。
【0364】
次に、拡大表示単位(ASME_IREU)の上限について検討する。拡大表示単位(ASME_IREU)の上限は、希望する分析対象に合わせて選択される。例えば、日常の業務におけるインタラクションには、10秒程度のあいさつから、5分程度の立ち話、30分以上のミーティングなどのパターンが考えられる。よって、ある対面データが短時間の会話を示すか長時間のミーティングを示すかを区別するためには、拡大表示単位(ASME_IREU)の上限は15分程度とするのが望ましいと考えられる。
【0365】
次に、対面閾値(ASME_IRET)の設定について検討する。拡大表示単位(ASME_IREU)(秒)と、センシング間隔(ここでは10秒)との比から拡大表示単位(ASME_IREU)における最大受信回数を計算できるので、それに基づいて対面閾値(ASME_IRET)が設定される。
【0366】
図34は、本発明の第6の実施の形態の対面拡大データベース(ASDB_IRE)の説明図である。
【0367】
具体的には、図34は、拡大表示単位を5分とした場合の対面拡大データベース(ASDB_IRE)の例を示す。
【0368】
対面拡大データベース(ASDB_IRE)は、開始時刻(ASDB_IRE_STM)、終了時刻(ASDB_IRE_ETM)、ノードID(ASDB_IRE_SID)及び赤外線送信側ID(ASDB_IRE_OID)の要素を含む。
【0369】
図8における複数のレコード(RE01等)から図34のレコード(RE01)が生成される。
【0370】
開始時刻(ASDB_IRE_STM)と終了時刻(ASDB_IRE_ETM)の間隔は、必ず拡大表示単位(ASME_IREU)となっているので、このデータベース(ASDB_IRE)のデータを忠実にプロットすれば、対面の表示は所望どおりに拡大されることになる。
【0371】
第6の実施の形態に示す拡大表示処理によって、個々の要素の輪郭が明確になりインパクトが増すため、ユーザ(US)が、表示された対面データ全体を一枚の「図」として見ることが可能になる。その結果、ユーザ(US)は、インタラクションの活発な人物及び時間帯を一目で把握することができるようになる。
【0372】
第1の実施の形態においては、2人の人物(例えば人物Aと人物B)が対面した場合、それぞれに装着された端末(TR)が相互に赤外線でIDを送受信する。このため、赤外線表示領域(CLSC_IR)には、人物Aと人物Bが対面していた時間に、人物Aの領域に人物BのIDを示す色が表示され、人物Bの領域には人物AのIDを示す色が表示されるというように、2ヶ所のデータの組が表示されると期待される。
【0373】
しかし、第1の実施の形態では、送信エラー又はタイミングの不一致等によって、一方にしかデータが表示されないことがあった。
【0374】
そのような箇所を補正するために、第7の実施の形態では、対面対称化(ASSY)によって、取得できたデータ(すなわち、元のデータ)の、受信側IDと送信側IDとを入れ替えた対称データを作成され、元のデータと対称データの両方がプロットされる。
【0375】
図35は、本発明の第7の実施の形態の対面対称化が実行された表示画面の説明図である。
【0376】
図35の上部が、対面対称化(ASSY)が実行される前の表示(SY00)、下部が、対面対称化(ASSY)が実行された後の表示(SY00_S)である。
【0377】
図35には、人物Aの領域(SYA)、人物Bの領域(SYB)及び人物Cの領域(SYC)が表示される。各人物の名前と対応する色は、人物タグ(SYAL、SYBL及びSYCL)によって示されている。
【0378】
これらの中で、人物Bから人物Aに送信されたデータはデータ(01BA)に表示され、人物Aから人物Bに送信されたデータはデータ(01AB)に表示されており、この2つは組になっている。しかし、対面対称化前の表示(SY00)のデータ(03BA)に対応するデータ(03AB)は存在していない。
【0379】
このような組になっていない部分のあるデータに対して対面対称化が実行される。対面対称化後の表示(SY00_S)では、データ(03BA)を人物Bの領域(SYB)にコピーすることによって、データ(03AB_S)を補填することができる。このコピーされたデータを対称データと呼ぶ。
【0380】
図36は、本発明の第7の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0381】
図36に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0382】
具体的には、第7の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)内のデータ処理部(ASDP)に対面対称化処理(ASSY)が、データベース部(ASDB)に対面対称化データベース(ASDB_SY)が追加される。
【0383】
ここで追加されたものはすべて対面対称化のための機能である。
【0384】
図37は、本発明の第7の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【0385】
図37が第1の実施の形態の処理(図5)と異なる点は、データ処理(ASDP)が対面対称化処理(ASSY)によって置き換えられている点のみである。
【0386】
加速度に関する処理については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。以下、対面対称化に関する処理(ASSY)の部分のみを説明する。
【0387】
図38は、本発明の第7の実施の形態において実行される対面対称化処理(ASSY)を示すフローチャートである。
【0388】
処理が開始(ASSYST)されると、データ処理部(ASDP)は、まず記録部(ASME)から対面閾値(ASME_IRT)を読み込む(ASSY_1)。さらに、データ処理部(ASDP)は、データベース(SSDB)に接続し、開始時刻(ASDB_IRE_STM)の古い順に1レコードのデータを取得する(ASSY_2)。
【0389】
次に、データ処理部(ASDP)は、取得したデータの赤外線受信回数(SSDB_NIR)と対面閾値(ASME_IRT)とを比較する(ASSY_3)。赤外線受信回数(SSDB_NIR)が対面閾値(ASME_IRT)以上であった場合、端末(TR)を装着した人物が他の端末(TR)を装着した人物と対面していたと判別される。この場合、以下のステップ(ASSY_4〜ASSY_6)が実行される。
【0390】
まず、データ処理部(ASDP)は、元のデータ(すなわち、ステップ(ASSY_2)において取得されたデータ)の、開始時刻(SSDB_STM)、終了時刻(SSDB_ETM)、ノードID(SSDB_SID)及び赤外線送信側ID(SSDB_OID)をそのままアプリケーションサーバ(AS)の対面対称化データベース(ASDB_SY)に格納する(ASSY_4)。
【0391】
次に、データ処理部(ASDP)は、元のデータの、ノードID(SSDB_SID)と赤外線送信側ID(SSDB_OID)とを入れ替えることによって、対称データを作成する(ASSY_5)。
【0392】
そして、データ処理部(ASDP)は、開始時刻(SSDB_STM)と終了時刻(SSDB_ETM)は変更せずに、対称データをアプリケーションサーバ(AS)の対面対称化データベース(ASDB_SY)に格納する(ASSY_6)。
【0393】
すべてのデータの処理が終了した場合(ASSY_7)、図38に示す処理が終了(ASSYEN)する。そうでない場合、データ処理部(ASDP)は、次の1レコードのデータの取得(ASSY_2)以降の手順を繰り返す。
【0394】
ただし、すべてのデータに関して対称データを作成するのではなく、任意のデータに関してそれと対になるデータの存在を確認するステップを追加することによって、対称なデータが存在しなかった場合のみ対称データを作成して補填することもできる。
【0395】
図39は、本発明の第7の実施の形態の対面対称化データベース(ASDB_SY)の説明図である。
【0396】
対面対称化データベース(ASDB_SY)は、開始時刻(ASDB_SY_STM)、終了時刻(ASDB_SY_ETM)、ノードID(ASDB_SY_SID)及び赤外線送信側ID(ASDB_SY_OID)の要素を含む。
【0397】
対面対称化データベース(ASDB_SY)には、元データ(RE01)の次に必ず対称化データ(RE02)が格納される。対称化されているため、元データ(RE01)と対称化データ(RE02)において開始時刻(ASDB_SY_STM)と終了時刻(ASDB_SY_ETM)は等しい。さらに、元データ(RE01)のノードID(ASDB_SY_SID)が対称化データ(RE02)の赤外線送信側ID(ASDB_SY_OID)と等しく、元データ(RE01)の赤外線送信側ID(ASDB_SY_OID)が対称化データ(RE02)のノードID(ASDB_SY_SID)と等しい。
【0398】
よって、このデータベース(ASDB_SY)のデータを忠実にプロットすれば、対面の表示は所望どおりに対称化されることになる。
【0399】
第7の実施の形態を行うことによって、対になるデータが必ず組として表現されることになる。これによって、対面データの対応関係が一目でわかるようになる。また、特定の人物に注目してインタラクションの時間的変化を見たいときには、その人物の領域だけを見ればよく、他者の領域と照合する必要がなくなる。
【0400】
さらに、対面した人物の色は必ず相手側に表示されているので、色を見るだけで多くインタラクションを行っている人物や時間帯の傾向を捉えることができるようになる。その結果、長時間・数ヶ月分のデータの表示であっても、色によって構成された「図」として俯瞰的に見ることが可能になる。
【0401】
第1から第7の実施の形態では、ユーザ(US)によるアプリケーションの起動(USST)をトリガにして、データ依頼(ASRQ)・データ処理(ASDP)からデータ表示(CLDI)までの一連の処理が実行された。しかし、毎回必要に応じてすべての処理を行うには時間がかかり、ユーザ(US)を待たせてしまうという問題がある。また、多くのユーザ(US)が一斉に画像表示を希望した場合には、アプリケーションサーバ(AS)やストレージサーバ(SS)に大きな負荷がかかるため、ストレージサーバ(SS)が新規のデータを保管できなくなった結果、データ欠損が発生するおそれもある。
【0402】
そこで、第8の実施の形態では、表示するための初期条件、及び、アプリケーションサーバ(AS)の処理を立ち上げる時刻を前もってユーザ(US)が設定しておく。そして、夜間や昼休み等、サーバに余裕のある時間に自動でデータ処理(ASDP)が実行され、処理済みのデータがアプリケーションサーバ(AS)のデータベース部(ASDB)に保管される。
【0403】
ユーザ(US)が画像を閲覧したいときには、処理済みのデータをクライアント(CL)においてプロット・表示するだけで済むので時間がかからなくなり、アプリケーションサーバ(AS)やストレージサーバ(SS)にかかる負荷を軽減することができる。
【0404】
図40は、本発明の第8の実施の形態において、センシングデータが端末(TR)からユーザ(US)に提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【0405】
端末(TR)でのセンシングデータの取得(TRGE)から、ストレージサーバ(SS)内データベース(SSDB)にセンシングデータが格納(SSPU)されるまでの流れと、時刻修正(BATM)、時刻修正依頼(BATR)、時刻修正(TRTM)の手順は第1の実施の形態(図3)と全く同一である。
【0406】
一方、ユーザ(US)は、前もって希望する処理の内容と、データ処理を開始する時刻とをアプリケーションサーバ(AS)に指示しておく。アプリケーションサーバ(AS)は、指示によって定められた時刻になれば、一連のデータ処理(ASDP)を開始し、処理されたセンシングデータをデータベース部(ASDB)に格納する。
【0407】
まず、初期条件設定の起動(USIT)は、ユーザ(US)による初期条件設定の起動である。例えば、設定用ウィンドウ等が起動し、ユーザ(US)がスタートボタンを選択することによって起動する。
【0408】
初期条件設定(CLIS)では、クライアント(CL)において処理に必要な情報が設定される。例えば、ユーザ(US)のボタン選択によって、処理を開始する時刻、及び、行う処理の種類等が設定される。さらに、クライアント(CL)は、設定した条件をアプリケーションサーバ(AS)に送信する。アプリケーションサーバ(AS)は、クライアント(CL)から受信した条件に従って、初期条件設定(ASIS)を実行する。
【0409】
これらの初期条件は、アプリケーションサーバ(AS)の記録部(ASME)に記録される。
【0410】
タイマ起動(ASTI)は、初期条件で設定された時刻になったときに処理を起動する手順である。
【0411】
データ依頼(ASRQ)では、初期条件設定(ASSC)で設定された内容に基づいて、ストレージサーバ(SS)内のデータベース部(SSDB)に、取得すべきデータの時刻及び取得の対象である端末の固有IDを送信する。
【0412】
データ検索(ASSE)からデータ受信(ASRE)、データ分類(ASDE)、データ処理(ASDP)、処理結果格納(ASPU)までの処理は第1の実施の形態と同様である。これらの処理によって、ストレージサーバ(SS)内のデータベース部(SSDB)から取得したデータが処理され、処理結果がアプリケーションサーバ(AS)内データベース部(ASDB)に格納される。
【0413】
アプリケーション起動(USST)は、ユーザ(US)によるアプリケーションの起動である。
【0414】
描画領域設定(CLTS)は、ユーザ(US)による描画領域の設定である。描画領域設定(CLTS)の内容は第1の実施の形態と同様である。
【0415】
データ依頼(CLRQ)は、表示画面を作成するために必要な情報をアプリケーションサーバ(AS)のデータベース部(SSDB)に送信する手順である。
【0416】
データ検索(CLSE)は、データ依頼(CLRQ)に基づいて、アプリケーションサーバ(AS)に対して検索を行う手順である。
【0417】
データ受信(CLRE)は、データ検索(CLSE)のコマンドに基づいて、アプリケーションサーバ(AS)内のデータベース部(ASDB)から送信された処理結果を受信する手順である。
【0418】
メンバ属性照会(CLMS)は、第1の実施の形態と同様である。
【0419】
データ加工(CLDP)は、データ受信(CLRE)によって取得した処理結果から表示に必要な情報のみを選択し、これを記録部(CLME)に格納する手順である。
【0420】
データ表示(CLDI)は、データ加工(CLDP)によって選別された情報を、記録部(CLME)に記載されている表示方法に基づいて処理することによって、画面を生成する手順である。さらに、生成した結果は、ユーザ(US)に提示される。
【0421】
アプリケーション終了(USEN)は、ユーザ(US)によるアプリケーションの終了である。
【0422】
データ依頼(CLRQ)からデータ検索(CLSE)、データ受信(CLRE)、データ加工(CLDP)、データ表示(CLDI)、アプリケーション終了(USEN)までの手順は、第1の実施の形態と同様である。
【0423】
アプリケーションサーバ(AS)のタイマ起動(ASTI)は、特定の時刻でなく、一定の周期で起動ように設定されてもよい。また、クライアント(CL)のアプリケーション部(CLAP)も自動的に起動するように設定されてもよい。その場合、クライアント(CL)は、上記の処理によって表示されたものを画像の形式で作成し、保存しておいてもよい。あるいは、アプリケーションサーバ(AS)に画像を作成するための機能を搭載し、アプリケーションサーバ(AS)が同様の画像を描画し、その画像を保管しておいてもよい。
【0424】
図41は、本発明の第8の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【0425】
図41に示す構成が第1の実施の形態の全体構成(図1)と異なる点は、アプリケーションサーバ(AS)内にいくつかの構成要素が追加されている点である。
【0426】
具体的には、アプリケーションサーバ(AS)内の制御部(ASCO)にタイマ起動(ASTI)が、記録部(ASME)に初期条件(ASME_SC)及び時計(ASME_TI)が追加される。
【0427】
タイマ起動(ASTI)は、指定時刻になったら自動で起動するためのものである。時計(ASME_TI)は、タイマ起動(ASTI)のために時刻を監視し続けるためのものである。初期条件(ASME_SC)は、ユーザ(US)による設定を記憶しておくためのものである。
【0428】
追加されたものは、すべて自動処理のための機能である。
【0429】
図42は、本発明の第8の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)において実行される自動データ処理のフローチャートである。
【0430】
処理が開始(ASST)されると、アプリケーションサーバ(AS)は、初期条件設定(ASIS)で設定された起動時刻になるまで待機する(ASWT)。
【0431】
時計(ASME_TI)が設定時刻と等しくなったとき(ASTM)、タイマ起動し(ASCO_TI)、処理が開始される。
【0432】
その後のデータ依頼(ASRQ)、データベース接続(ASDC)、データ処理(ASDP)、処理結果格納(ASPU)は第1の実施の形態(図5)と同様である。初期条件設定でにおける指定に応じて、データ処理(ASDP)によって、第3から第7の実施の形態のいずれか一つ以上の処理が実行されてもよい。
【0433】
第8の実施の形態によって、データ処理が、ユーザからの要求を受ける前に予め自動的に実行される。このため、ユーザ(US)が表示を閲覧したいときに、既に作成されている画面が短時間で表示されるという効果がある。また、アプリケーションサーバ(AS)及びストレージサーバ(SS)にかかる負荷を軽減することができるという効果も得られる。
【0434】
さらに、アプリケーションサーバ(AS)が自動的に画像を作成及び保存する場合、クライアント(CL)で行う処理は画像を表示することのみである。このため、より高速に画面を表示することができる。また、新規のデータを追加することによって定期的に画像を更新したい場合にも、人手を要しないので省力化が可能になる。
【0435】
以上に説明した本発明の観点の代表的なものとして、次のものが挙げられる。
【0436】
(1)端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示装置であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記インタラクションデータ表示装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記インタラクションデータを表示する表示部と、を備え、
前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【0437】
(2)前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(1)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0438】
(3)前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とする(2)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0439】
(4)前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とする(3)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0440】
(5)前記第2情報は、前記加速度情報に基づいて分類された前記端末装置の移動の状態を示す情報を含むことを特徴とする(4)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0441】
(6)第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報、及び、前記第1の端末装置の加速度を示す加速度情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報と、前記第2の端末装置の加速度を示す加速度情報と、を含み、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータ及び前記第2のインタラクションデータを、時刻に基づいて相互に対応付けて表示することを特徴とする(4)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0442】
(7)前記第1のインタラクションデータは、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第1の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第2の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含むことを特徴とする(6)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0443】
(8)前記表示部は、前記第1情報と、前記第1情報が対応付けられている時刻と同一の時刻に対応付けられている前記第2情報と、を対応付けて表示することを特徴とする(7)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0444】
(9)前記第1のインタラクションデータは、前記無線信号を受信した前記第1の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記無線信号を受信した前記第2の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(8)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0445】
(10)前記表示部は、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第2の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示することを特徴とする(9)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0446】
(11)前記表示部は、
前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
さらに、前記第1時間軸と同一の尺度及び同一の方向を有する第2時間軸を、前記表示画面の前記第1時間軸の延長線上に表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2情報を表示することを特徴とする(10)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0447】
(12)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報が同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2時間軸から前記第1距離の位置に前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とする(11)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0448】
(13)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の日付に対応付けられた第1部分と、第2の日付に対応付けられた第2部分とを含む場合、
前記第1部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に前記第1部分を表示し、
前記第2部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第2の前記領域に前記第2部分を表示することを特徴とする(11)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0449】
(14)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記日付及び前記日付が示す一日の中の時刻を示し、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の日付に対応付けられた第1部分と、第2の日付に対応付けられた第2部分とを含む場合、
前記第1部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第1部分を表示し、
前記第2部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第2部分を表示することを特徴とする(11)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0450】
(15)前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第1の領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第3の領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とする(11)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0451】
(16)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報とが同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示することを特徴とする(15)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0452】
(17)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記日付及び前記日付が示す一日の中の時刻を示し、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報とが同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示することを特徴とする(15)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0453】
(18)前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、
前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第4の前記領域に前記第2情報を表示することを特徴とする(10)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0454】
(19)前記インタラクションデータ表示装置は、
表示されるべき前記第1情報及び前記第2情報の範囲の指定を受けると、前記指定された範囲の前記第1情報及び前記第2情報を、前記受信部を介して取得し、
前記第1情報及び前記第2情報の表示形式の指定を受けると、前記指定された表示形式によって前記前記第1情報及び前記第2情報を前記表示画面に表示し、
前記表示形式の指定は、前記前記第1情報及び前記第2情報の前記表示画面上の表示位置、及び、前記表示画面に表示される前記前記第1情報及び前記第2情報の色彩の少なくとも一方の指定を含むことを特徴とする(10)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0455】
(20)前記端末装置は、
前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信する無線センサと、
前記他の端末装置の加速度を計測する加速度センサと、
前記第1情報及び前記第2情報を送信する無線送信装置と、を備え、
前記人物の身体に装着され、
前記第1情報は、前記端末装置を装着した前記人物が他の前記端末装置を装着した前記人物と対面したか否かを示し、
前記第2情報は、前記端末装置を装着した前記人物の活動の状態を示し、
前記インタラクションデータは、前記端末装置を装着した前記人物の間の交流の状態を示すことを特徴とする(10)に記載のインタラクションデータ表示装置。
【0456】
(21)端末装置のインタラクションデータを処理するインタラクションデータ処理装置であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記インタラクションデータ処理装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記受信したインタラクションデータを処理する制御部と、前記処理されたインタラクションデータを出力する出力部と、を備え、
前記受信部は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信し、
前記制御部は、前記受信したインタラクションデータを処理し、
前記出力部は、前記処理されたインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、時刻に基づいて相互に対応付けて出力することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【0457】
(22)前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(21)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0458】
(23)前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とする(22)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0459】
(24)前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とする(23)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0460】
(25)前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を分類し、前記分類された移動の状態を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とする(24)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0461】
(26)前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報と、所定の加速度情報とを比較し、前記比較の結果に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を、前記所定の加速度情報と対応付けられた移動の状態に分類することを特徴とする(25)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0462】
(27)前記制御部は、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を、その端末装置が移動していること、及び、その端末装置が静止していることの少なくとも一つを含む所定の移動の状態に分類することを特徴とする(26)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0463】
(28)前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報の所定の時間範囲における平均値を算出し、前記算出された平均値を前記第2情報に追加することを特徴とする(26)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0464】
(29)前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の加速度の変化量を算出し、前記算出された加速度の変化量を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とする(28)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0465】
(30)前記制御部は、測定された前記加速度情報の値と、前回測定された前記加速度情報の値との差分の絶対値を所定の時間範囲において合計した値を、前記加速度の変化量を示す情報として算出することを特徴とする(29)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0466】
(31)前記制御部は、所定の時間範囲における前記加速度情報のゼロクロス点の数を前記加速度の変化量を示す情報として算出することを特徴とする(29)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0467】
(32)前記端末装置は、前記無線信号を受信したか否かを所定の時間間隔で判別し、
前記制御部は、前記所定の時間間隔より長い所定の期間に前記端末装置が前記無線信号を受信した回数を計数し、
前記計数された回数が所定の閾値を超える場合、前記無線信号を受信した前記端末装置が、前記無線信号を送信した前記端末装置と前記所定の期間対面していたことを示す情報を前記第1情報に追加することを特徴とする(29)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0468】
(33)第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第1のインタラクションデータは、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記制御部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の時刻に前記第2の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第1の端末装置が受信したことを示す情報を含み、かつ、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を含まない場合、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を追加することを特徴とする(32)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0469】
(34)前記インタラクションデータ処理装置は、さらに、データを格納する記憶装置を備え、
前記制御部は、所定の時刻に前記インタラクションデータの処理を実行し、前記処理されたインタラクションデータを前記記憶装置に格納することを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0470】
(35)前記インタラクションデータ処理装置は、さらに、データを格納する記憶装置を備え、
前記制御部は、前記制御部の処理負荷が所定の閾値より低いときに前記インタラクションデータの処理を実行し、前記処理されたインタラクションデータを前記記憶装置に格納することを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0471】
(36)前記インタラクションデータ処理装置は、さらに、データを格納する記憶装置を備え、
前記制御部は、所定の時刻に前記インタラクションデータの処理を実行し、前記処理されたインタラクションデータを表示画面に表示するための画像データを作成し、前記処理されたインタラクションデータ及び画像データを前記記憶装置に格納することを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0472】
(37)前記インタラクションデータ処理装置は、さらに、データを格納する記憶装置を備え、
前記制御部は、前記制御部の処理負荷が所定の閾値より低いときに前記インタラクションデータの処理を実行し、前記処理されたインタラクションデータを表示画面に表示するための画像データを作成し、前記処理されたインタラクションデータ及び画像データを前記記憶装置に格納することを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0473】
(38)前記端末装置は、
前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信する無線センサと、
前記他の端末装置の加速度を計測する加速度センサと、
前記第1情報及び前記第2情報を送信する無線送信装置と、を備え、
前記人物の身体に装着されることを特徴とする(33)に記載のインタラクションデータ処理装置。
【0474】
(39)組織における人物間のインタラクションデータを取得するインタラクションデータ取得端末であって、
前記インタラクションデータ取得端末は、前記インタラクションデータを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記インタラクションデータを送信する送信部と、を備えることを特徴とするインタラクションデータ取得端末。
【0475】
(40)前記取得部は、物理情報を検出する一つ以上のセンサを備え、前記センサが検出した物理情報をインタラクションデータとして取得することを特徴とする(39)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0476】
(41)前記インタラクションデータ取得端末は、さらに、時刻を計測する時計と、前記取得部が取得したインタラクションデータを格納する格納部と、を備え、
前記格納部は、前記インタラクションデータと、前記インタラクションデータが検出された時刻とを対応付けて格納することを特徴とする(40)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0477】
(42)前記取得部は、赤外線信号を検出する一つ以上の赤外線センサと、加速度を検出する一つ以上の加速度センサと、を備え、
前記格納部は、前記赤外線センサが赤外線信号を検出したことを示す情報、及び、前記加速度センサによって検出された加速度を、前記インタラクションデータとして格納し、前記赤外線信号が検出された時刻及び前記加速度が検出された時刻をさらに格納することを特徴とする(41)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0478】
(43)前記インタラクションデータ取得端末は、さらに、前記インタラクションデータの送信を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記送信部に、前記格納部に格納された前記インタラクションデータを送信させ、
前記送信が失敗すると、前記送信が失敗したインタラクションデータを前記格納部に保持し、
前記送信部による送信が可能になったときに、前記格納部に保持された前記インタラクションデータを送信することを特徴とする(41)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0479】
(44)前記送信部は、前記インタラクションデータ取得端末に最も近い基地局に、前記インタラクションデータを無線によって送信することを特徴とする(43)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0480】
(45)前記送信部は、有線ネットワークによって基地局と接続され、前記インタラクションデータを前記有線ネットワークを介して前記基地局に送信することを特徴とする(43)に記載のインタラクションデータ取得端末。
【0481】
(46)端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示方法であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とする方法。
【0482】
(47)前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(46)に記載の方法。
【0483】
(48)前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とする(47)に記載の方法。
【0484】
(49)前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とする(48)に記載の方法。
【0485】
(50)前記第2情報は、前記加速度情報に基づいて分類された前記端末装置の移動の状態を示す情報を含むことを特徴とする(49)に記載の方法。
【0486】
(51)第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報、及び、前記第1の端末装置の加速度を示す加速度情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報と、前記第2の端末装置の加速度を示す加速度情報と、を含み、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータ及び前記第2のインタラクションデータを、時刻に基づいて相互に対応付けて表示することを特徴とする(49)に記載の方法。
【0487】
(52)前記第1のインタラクションデータは、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第1の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第2の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含むことを特徴とする(51)に記載の方法。
【0488】
(53)前記第1情報と、前記第1情報が対応付けられている時刻と同一の時刻に対応付けられている前記第2情報と、を対応付けて表示することを特徴とする(52)に記載の方法。
【0489】
(54)前記第1のインタラクションデータは、前記無線信号を受信した前記第1の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記無線信号を受信した前記第2の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とする(53)に記載の方法。
【0490】
(55)前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第2の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示することを特徴とする(54)に記載の方法。
【0491】
(56)前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
さらに、前記第1時間軸と同一の尺度及び同一の方向を有する第2時間軸を、前記表示画面の前記第1時間軸の延長線上に表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2情報を表示することを特徴とする(55)に記載の方法。
【0492】
(57)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報が同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2時間軸から前記第1距離の位置に前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とする(56)に記載の方法。
【0493】
(58)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の日付に対応付けられた第1部分と、第2の日付に対応付けられた第2部分とを含む場合、
前記第1部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に前記第1部分を表示し、
前記第2部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第2の前記領域に前記第2部分を表示することを特徴とする(56)に記載の方法。
【0494】
(59)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記日付及び前記日付が示す一日の中の時刻を示し、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の日付に対応付けられた第1部分と、第2の日付に対応付けられた第2部分とを含む場合、
前記第1部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第1部分を表示し、
前記第2部分に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に前記第2部分を表示することを特徴とする(56)に記載の方法。
【0495】
(60)前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第1の領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第3の領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とする(56)に記載の方法。
【0496】
(61)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記一日の中の時刻を示し、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報とが同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示することを特徴とする(60)に記載の方法。
【0497】
(62)前記時刻を示す情報は、日付を示す情報と、前記日付が示す一日の中の時刻を示す情報とを含み、
前記第1時間軸及び前記第2時間軸は、前記日付及び前記日付が示す一日の中の時刻を示し、
前記方法は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報とが同じ一日の中の時刻と対応付けられている場合、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1時間軸から第1距離の位置に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示することを特徴とする(60)に記載の方法。
【0498】
(63)前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記方法は、
前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に前記第2情報を表示することを特徴とする(55)に記載の方法。
【0499】
(64)前記方法は、
表示されるべき前記第1情報及び前記第2情報の範囲の指定を受けると、前記指定された範囲の前記第1情報及び前記第2情報を、取得し、
前記第1情報及び前記第2情報の表示形式の指定を受けると、前記指定された表示形式によって前記前記第1情報及び前記第2情報を表示画面に表示し、
前記表示形式の指定は、前記前記第1情報及び前記第2情報の前記表示画面上の表示位置、及び、前記表示画面に表示される前記前記第1情報及び前記第2情報の色彩の少なくとも一方の指定を含むことを特徴とする(55)に記載の方法。
【0500】
(65)前記端末装置は、
前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信する無線センサと、
前記他の端末装置の加速度を計測する加速度センサと、
前記第1情報及び前記第2情報を送信する無線送信装置と、を備え、
前記人物の身体に装着され、
前記第1情報は、前記端末装置を装着した前記人物が他の前記端末装置を装着した前記人物と対面したか否かを示し、
前記第2情報は、前記端末装置を装着した前記人物の活動の状態を示し、
前記インタラクションデータは、前記端末装置を装着した前記人物の間の交流の状態を示すことを特徴とする(55)に記載の方法。
【0501】
(66)前記方法は、さらに、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を分類し、前記分類された移動の状態を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とする(65)に記載の方法。
【0502】
(67)前記方法は、前記第2情報に含まれる加速度情報と、所定の加速度情報とを比較し、前記比較の結果に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を、前記所定の加速度情報と対応付けられた移動の状態に分類することを特徴とする(66)に記載の方法。
【0503】
(68)前記方法は、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を、その端末装置が移動していること、及び、その端末装置が静止していることの少なくとも一つを含む所定の移動の状態に分類することを特徴とする(67)に記載の方法。
【0504】
(69)前記方法は、さらに、前記第2情報に含まれる加速度情報の所定の時間範囲における平均値を算出し、前記算出された平均値を前記第2情報に追加することを特徴とする(67)に記載の方法。
【0505】
(70)前記方法は、さらに、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の加速度の変化量を算出し、前記算出された加速度の変化量を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とする(69)に記載の方法。
【0506】
(71)前記方法は、測定された前記加速度情報の値と、前回測定された前記加速度情報の値との差分の絶対値を所定の時間範囲において合計した値を、前記加速度の変化量を示す情報として算出することを特徴とする(70)に記載の方法。
【0507】
(72)前記方法は、所定の時間範囲における前記加速度情報のゼロクロス点の数を前記加速度の変化量を示す情報として算出することを特徴とする(70)に記載の方法。
【0508】
(73)前記方法は、さらに、
前記無線信号を受信したか否かを所定の時間間隔で判別し、
前記所定の時間間隔より長い所定の期間に前記端末装置が前記無線信号を受信した回数を計数し、
前記計数された回数が所定の閾値を超える場合、前記無線信号を受信した前記端末装置が、前記無線信号を送信した前記端末装置と前記所定の期間対面していたことを示す情報を前記第1情報に追加することを特徴とする(70)に記載の方法。
【0509】
(74)第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第1のインタラクションデータは、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記方法は、さらに、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の時刻に前記第2の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第1の端末装置が受信したことを示す情報を含み、かつ、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を含まない場合、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を追加することを特徴とする(73)に記載の方法。
【0510】
(75)前記方法は、所定の時刻に前記インタラクションデータの処理を実行し、さらに、前記処理されたインタラクションデータを記憶装置に格納することを特徴とする(74)に記載の方法。
【0511】
(76)前記方法は、前記制御部の処理負荷が所定の閾値より低いときに前記インタラクションデータの処理を実行し、さらに、前記処理されたインタラクションデータを記憶装置に格納することを特徴とする(74)に記載の方法。
【0512】
(77)前記方法は、所定の時刻に前記インタラクションデータの処理を実行し、さらに、前記処理されたインタラクションデータを表示画面に表示するための画像データを作成し、前記処理されたインタラクションデータ及び画像データを記憶装置に格納することを特徴とする(74)に記載の方法。
【0513】
(78)前記方法は、前記制御部の処理負荷が所定の閾値より低いときに前記インタラクションデータの処理を実行し、さらに、前記処理されたインタラクションデータを表示画面に表示するための画像データを作成し、前記処理されたインタラクションデータ及び画像データを記憶装置に格納することを特徴とする(74)に記載の方法。
【0514】
(79)前記端末装置は、
前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信する無線センサと、
前記他の端末装置の加速度を計測する加速度センサと、
前記第1情報及び前記第2情報を送信する無線送信装置と、を備え、
前記人物の身体に装着されることを特徴とする(74)に記載の方法。
【0515】
本発明は、例えば、人員管理、プロジェクト管理などによって生産性向上の支援を行うためのコンサルティング産業に利用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0516】
【図1】本発明の第1の実施の形態における、インタラクションデータを取得する端末から、取得したデータを表示するアプリケーションまでを含むシステム全体の構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態が実際に利用される場面の例を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、センシングデータが端末からユーザに提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【図4A】本発明の第1の実施の形態において作成された表示画面の例を示す説明図である。
【図4B】本発明の第1の実施の形態において実行される加速度に基づく行動パターン解析の説明図である。
【図4C】本発明の第1の実施の形態において実行されるインタラクションの分析の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、初期条件設定のために表示される画面の例を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における描画領域設定の説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態のストレージサーバが保持するデータベース部の説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態のアプリケーションサーバが実行するデータ処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態の加速度データベースの説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の赤外線データベースの説明図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態において実行されるプロットの処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態において、センシングデータが端末からユーザに提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態において実行されるデータ処理・解析の処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第3の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図18A】本発明の第3の実施の形態において表示される画面の一例を示す説明図である。
【図18B】本発明の第1の実施の形態における組織ダイナミクスの分析の例を示す説明図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第3の実施の形態において実行されるデータ処理・解析を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第3の実施の形態の行動データベース部の説明図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第4の実施の形態において実行される平均化処理を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第4の実施の形態の加速度平均化データベースの説明図である。
【図26】本発明の第5の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図27】本発明の第5の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図28】本発明の第5の実施の形態において実行される活動度計算を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第5の実施の形態の活動度データベースの説明図である。
【図30】本発明の第6の実施の形態の拡大表示処理が行われた表示画面の説明図である。
【図31】本発明の第6の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図32】本発明の第6の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図33】本発明の第6の実施の形態において実行される対面拡大処理を示すフローチャートである。
【図34】本発明の第6の実施の形態の対面拡大データベースの説明図である。
【図35】本発明の第7の実施の形態の対面対称化が実行された表示画面の説明図である。
【図36】本発明の第7の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図37】本発明の第7の実施の形態において表示画面を作成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図38】本発明の第7の実施の形態において実行される対面対称化処理を示すフローチャートである。
【図39】本発明の第7の実施の形態の対面対称化データベースの説明図である。
【図40】本発明の第8の実施の形態において、センシングデータが端末からユーザに提供されるまでの処理を示すシーケンス図である。
【図41】本発明の第8の実施の形態のシステム全体の構成を示す説明図である。
【図42】本発明の第8の実施の形態のアプリケーションサーバにおいて実行される自動データ処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0517】
TR、TR2〜TR7 端末
BA、BA2、BA3 基地局
LA ネットワーク
SS ストレージサーバ
AS アプリケーションサーバ
CL クライアント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示装置であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記インタラクションデータ表示装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記インタラクションデータを表示する表示部と、を備え、
前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項5】
請求項4において、
第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報、及び、前記第1の端末装置の加速度を示す加速度情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報と、前記第2の端末装置の加速度を示す加速度情報と、を含み、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータ及び前記第2のインタラクションデータを、時刻に基づいて相互に対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1のインタラクションデータは、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第1の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第2の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記表示部は、前記第1情報と、前記第1情報が対応付けられている時刻と同一の時刻に対応付けられている前記第2情報と、を対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記表示部は、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第2の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記表示部は、
前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
さらに、前記第1時間軸と同一の尺度及び同一の方向を有する第2時間軸を、前記表示画面の前記第1時間軸の延長線上に表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2情報を表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第1の領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第3の領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項11】
端末装置のインタラクションデータを処理するインタラクションデータ処理装置であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記インタラクションデータ処理装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記受信したインタラクションデータを処理する制御部と、前記処理されたインタラクションデータを出力する出力部と、を備え、
前記受信部は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信し、
前記制御部は、前記受信したインタラクションデータを処理し、
前記出力部は、前記処理されたインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、時刻に基づいて相互に対応付けて出力することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項15】
請求項14において、
前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を分類し、前記分類された移動の状態を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項16】
請求項15において、
前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報の所定の時間範囲における平均値を算出し、前記算出された平均値を前記第2情報に追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項17】
請求項16において、
前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の加速度の変化量を算出し、前記算出された加速度の変化量を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項18】
請求項17において、
前記端末装置は、前記無線信号を受信したか否かを所定の時間間隔で判別し、
前記制御部は、前記所定の時間間隔より長い所定の期間に前記端末装置が前記無線信号を受信した回数を計数し、
前記計数された回数が所定の閾値を超える場合、前記無線信号を受信した前記端末装置が、前記無線信号を送信した前記端末装置と前記所定の期間対面していたことを示す情報を前記第1情報に追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項19】
請求項18において、
第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第1のインタラクションデータは、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記制御部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の時刻に前記第2の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第1の端末装置が受信したことを示す情報を含み、かつ、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を含まない場合、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項20】
端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示方法であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とする方法。
【請求項1】
端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示装置であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記インタラクションデータ表示装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記インタラクションデータを表示する表示部と、を備え、
前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項5】
請求項4において、
第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報、及び、前記第1の端末装置の加速度を示す加速度情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報と、前記第2の端末装置の加速度を示す加速度情報と、を含み、
前記表示部は、前記第1のインタラクションデータ及び前記第2のインタラクションデータを、時刻に基づいて相互に対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1のインタラクションデータは、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第1の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報と、前記第2の端末装置の加速度が測定された時刻とを対応付ける情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記表示部は、前記第1情報と、前記第1情報が対応付けられている時刻と同一の時刻に対応付けられている前記第2情報と、を対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記表示部は、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第2の端末装置を識別する識別情報と対応付けて表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記表示部は、
前記表示部に含まれる表示画面に、第1時間軸を表示し、
さらに、前記第1時間軸と同一の尺度及び同一の方向を有する第2時間軸を、前記表示画面の前記第1時間軸の延長線上に表示し、
前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、前記第1情報を表示し、
前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第2情報を表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記表示部に含まれる表示画面は、前記第1時間軸及び前記第2時間軸と略垂直方向に複数の領域に区切られ、
前記表示部は、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第1の前記領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第1の領域に、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に対応付けられている時刻を前記第1時間軸に対応付けることによって、第3の前記領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報を表示し、
前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報に対応付けられている時刻を前記第2時間軸に対応付けることによって、前記第3の領域に、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第2情報を表示することを特徴とするインタラクションデータ表示装置。
【請求項11】
端末装置のインタラクションデータを処理するインタラクションデータ処理装置であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記インタラクションデータ処理装置は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信する受信部と、前記受信したインタラクションデータを処理する制御部と、前記処理されたインタラクションデータを出力する出力部と、を備え、
前記受信部は、前記端末装置から送信されたインタラクションデータを受信し、
前記制御部は、前記受信したインタラクションデータを処理し、
前記出力部は、前記処理されたインタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、時刻に基づいて相互に対応付けて出力することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1情報は、前記端末装置が対面した前記他の端末装置を識別する識別情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記第1情報は、前記他の端末装置から、前記他の端末装置を識別する識別情報を含む無線信号を受信したか否かを示す情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記第2情報は、前記端末装置の加速度を示す加速度情報を含むことを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項15】
請求項14において、
前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の移動の状態を分類し、前記分類された移動の状態を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項16】
請求項15において、
前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報の所定の時間範囲における平均値を算出し、前記算出された平均値を前記第2情報に追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項17】
請求項16において、
前記制御部は、前記第2情報に含まれる加速度情報に基づいて、前記第2情報を送信した端末装置の加速度の変化量を算出し、前記算出された加速度の変化量を示す情報を前記第2情報に追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項18】
請求項17において、
前記端末装置は、前記無線信号を受信したか否かを所定の時間間隔で判別し、
前記制御部は、前記所定の時間間隔より長い所定の期間に前記端末装置が前記無線信号を受信した回数を計数し、
前記計数された回数が所定の閾値を超える場合、前記無線信号を受信した前記端末装置が、前記無線信号を送信した前記端末装置と前記所定の期間対面していたことを示す情報を前記第1情報に追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項19】
請求項18において、
第1の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第1の前記端末装置が対面した前記第1の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第1のインタラクションデータは、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第1の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
第2の前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報は、第2の前記端末装置が対面した前記第2の端末装置以外の端末装置を識別する識別情報を含み、
前記第2のインタラクションデータは、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報と、前記第2の端末装置が前記識別情報を含む無線信号を受信した時刻とを対応付ける情報を含み、
前記制御部は、前記第1のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、第1の時刻に前記第2の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第1の端末装置が受信したことを示す情報を含み、かつ、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報が、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を含まない場合、前記第2のインタラクションデータに含まれる前記第1情報に、前記第1の時刻に前記第1の端末装置の識別情報を含む前記無線信号を前記第2の端末装置が受信したことを示す情報を追加することを特徴とするインタラクションデータ処理装置。
【請求項20】
端末装置のインタラクションデータを表示するインタラクションデータ表示方法であって、
前記インタラクションデータは、前記端末装置が他の前記端末装置と対面したか否かを示す第1情報と、前記端末装置の状態を示す情報であって、前記第1情報及び前記端末装置の位置を示す情報を除く第2情報と、を含み、
前記表示部は、前記受信部が受信した前記インタラクションデータに含まれる前記第1情報及び前記第2情報を、前記第1及び第2情報が取得された時刻に基づいて対応付けて表示することを特徴とする方法。
【図1】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図2】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図7】
【図18A】
【図18B】
【図35】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図2】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図7】
【図18A】
【図18B】
【図35】
【公開番号】特開2008−176573(P2008−176573A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−9472(P2007−9472)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]