説明

インタラクティブアドバイザリシステム

【課題】消費者定義レベルの必要性または動的空間的位置に関連する消費者向けにカスタマイズされた通報、注意報、警報、予報および警告を自動的かつ継続的に提供する。
【解決手段】放送ネットワークから遠く離れた位置にある少なくとも1個人の位置を特定するための方法である分析ユニット12cは、ユーザプロファイル80c、コミュニケータ位置データベースに記憶された動的位置、および/または分析ユニット12cに入力された固定位置を比較する。少なくとも1個人の一致する個別化された被探索者ユーザプロファイルのデータセットが生成され、この個別化された被探索者ユーザプロファイルが探索者コミュニケータデバイス11cを介して探索者に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
近年、例えば気象情報等の詳細な情報に対する需要が急速に高まってきた。パーソナルコンピュータおよび通信デバイスは、データを収集し、操作し、送信し、受信する能力により、より多くの情報に対する需要を高めてきた。その結果、専門的情報および付加価値サービスの需要は大きなものとなっている。エンドユーザは、もはや生データを収集、操作、評価することを望んでいない。例えば、この状況は北米中の気象サービスにおいて顕著である。
【背景技術】
【0002】
数年前、ラジオやテレビ放送局は、気象情報に対して高まる視聴者からの要求を認識し、市場格付けを上げるための手段として放送する気象番組数を増やした。現在では、気象情報の詳細な内容に対する要求は、この要求を満たすには放送局の能力を超えてしまっている。事業および個人活動のあらゆる面が、良くも悪くも気象によって絶えず影響を受けていることは事実である。
【0003】
多くの国々と同様に米国においても、一般大衆向けに気象プロダクトを生成する第一義的な責任は政府機関(米国立測候所)にある。注意報、報告、および予報等のこれらのプロダクトが生成され、これらのプロダクトは、放送局、新聞社、インターネットウェブサイト、ポケベル会社、その他の当該プロダクトを公衆に配布する第三者に利用可能とされる。しかしながら、このデータ保全の連鎖は一方通行である。
【0004】
今日のライフスタイルは、ペースが速く洗練されている。特定用途の詳細な気象情報の要求数は、それらを処理する政府の能力を超えている。しかしながら、定められた責任に固執し、米国立測候所は公共消費向けの一般的なプロダクトを1日2回生成している。この状況が、公衆に対して、一般的かつ期限切れの注意報を公衆のニーズに合わせて解釈することを強いることになる。この解釈は誤ってなされることが多い。さらに悪いことに、これらのプロダクトは各地方または国全体を対象とするのが普通であり、様々な局所的活動が行われている特定の地域には適用できないであろう。
【0005】
例として、気象警告はラジオ局により米国全域に放送される。これらの警告は、指定地域内のある気象による影響を特定するものである。大抵の場合、この警告地域には数十から数百平方マイルに及ぶ1以上の郡が含まれる。ほとんどの場合、これらの脅威(激しい雷雨、竜巻等)は警告地域内の非常に小さな区域に影響を及ぼすに過ぎない。また、これらの脅威は急速に移動する。警告地域全域で、特定の区域に影響が迫るにつれ、実際にはその他の区域からは影響が遠ざかっていく。基本的に、既存の通報システムは、個人的なリスクを詳細に特定したり適切に警告したりするには不十分である。さらに、脅威が差し迫っている場合に、既存のシステムは、脅威に接近または直面した各ユーザに予防策を与えることはできないし、与えることはしない。故に、デフォルトで、遠隔地にいるかまたは影響を受けないユーザは、脅威が彼らの位置から遠ざかっている際に不必要な「警戒態勢」に置かれることになる。
【0006】
別の一般例が、この問題をより明確にする。今週末ソフトボールの選手権試合への参加を楽しみにしている家族が、地域の気象予報を注意深く監視する。この一週間、試合の日は晴れから所により曇りとの予報である。試合日早朝になって、予報は、所により曇りで午後遅くににわか雨の確率30%に変わる。家族は、雨の可能性が認知された危険レベルを下回ると考えて試合に参加することを決める。日中はこの家族にも分からなかったが、にわか雨の一団は増大してゆき、試合場上空に危険な稲妻をもたらすこととなるのである。朝の気象予報は全く不正確というわけではないが、参加者や観客は危険にさらされることになる。後で訊いたら、この家族が気象予報を聞いていなかったか覚えていなかった可能性もある。彼らは、その限られた天気の知識を自身のニーズと危険にさらされることに結びつけることもしなかった。彼らは変化する天気事象を監視しなかった。彼らは、試合中に発生しつつある危険を監視する能力がなかった可能性が最も高い。明らかに、これらの人々は期限切れの限られた情報を彼らの特定用途に合わせて解釈するよう強いられたのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、消費者定義レベルの必要性または動的空間的位置に関連する消費者向けにカスタマイズされた通報、注意報、警報、予報および警告を自動的かつ継続的に提供するためのシステムが必要である。
【0008】
本発明は、個別化された情報を配信するインタラクティブアドバイザリシステムおよび方法を提供する。より詳細には、本発明は、遠隔のコミュニケータデバイスに個別化された出力信号を選択的に送信するための放送ネットワークに関する。この放送ネットワークは、ユーザ入力データベース、コミュニケータ位置データベース、分析ユニットおよび通信ネットワークを含んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ユーザ入力データベースはユーザ定義パラメータを含み、それぞれのユーザ定義パラメータが空間的範囲識別子およびユーザプロファイルを含んでいるのが望ましい。それぞれのユーザ定義パラメータ中のユーザプロファイルは、少なくとも特定のユーザに関連付けられたコミュニケータデバイスを認識する。コミュニケータ位置データベースは、コミュニケータデバイスの空間的位置を表示するリアルタイムデータを含んでいる。本発明の好適な一バージョンでは、コミュニケータ位置データベースがコミュニケータデバイスにより自動的および/または継続的に更新される。
【0010】
この情報データベースは、少なくともコミュニケータ位置データベースに含まれる空間的位置向けのリアルタイム気象データ等のデータを含んでいる。用語「データ」は、過去および現在の気象事象の状態、テキスト形式プロダクト、図形式プロダクト等を含む広範囲のプロダクトを表すが、これに限定されない。分析ユニットは、情報データベースからリアルタイムデータを受信し、ユーザ定義パラメータに含まれる空間的範囲識別子とコミュニケータ位置データベースに含まれるこれに対応するコミュニケータデバイスの空間的位置とを自動的かつ継続的にリアルタイムデータと比較し、ユーザの要求に応じて、または継続的に、ユーザ定義パラメータについて空間的範囲識別子により識別される空間的位置内の気象情報等の個別化された出力信号を生成する。コミュニケータ位置データベースにより新たな位置が定義されると、情報データベースがリアルタイムで自動的に更新される。
【0011】
この通信ネットワークは、それぞれ個別化された出力信号を、リアルタイムデータおよび事象の予測に対応するユーザ定義パラメータに含まれるユーザプロファイルに定義された特定のコミュニケータデバイスに送信する。故に、ユーザは、ユーザの位置がその時間の間を通して固定されたままであるか動的であったかにかかわらず、ユーザの即時の空間的位置にリアルタイムの特定的な情報を受信することができる。
【0012】
一実施形態では、本発明は放送ネットワークから離れて位置する、既知または未知の少なくとも1個人の位置を特定するために用いられる。
【0013】
以下の詳細な説明を添付の図面および添付の特許請求の範囲に照らして読むことにより、当業者において本発明の他の利点および特徴が明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図面、特に図1をより詳細に参照すると、本発明に従って構築されたインタラクティブ気象アドバイザリシステムの形式で本発明の一実施形態がブロック図で示されている。この気象アドバイザリシステム8には、遠隔のコミュニケータデバイス11に個別化された気象出力信号を選択的に送信するための放送ネットワーク10が設けられている。この放送ネットワーク10は、気象分析ユニット12と、ユーザ入力データベース14と、コミュニケータ位置データベース16と、通信ネットワーク20とを含んでいる。気象分析ユニット12は、気象情報データベース21からリアルタイム気象データを受信する。気象情報データベース21は、放送ネットワーク10内または放送ネットワーク10から遠隔地に配置することができる。気象分析ユニット12と、ユーザ入力データベース14と、コミュニケータ位置データベース16と、気象情報データベース21と、通信ネットワーク20とは、信号経路22、24、26、28、30および32を介して相互に関連し通信する。
【0015】
ユーザ入力データベース14は、個別化された気象通報、注意報または事象の予測がそれぞれ個々のユーザに送信可能であるように、複数のユーザが気象通報、注意報または予報に対応するデータを入力することを可能にする。ユーザ入力データベース14は、複数のユーザのそれぞれ1人と相関がある少なくとも1つのユーザ定義パラメータを表すデータを含んでいる。本発明の一バージョンでは、それぞれのユーザ定義パラメータが、空間的範囲識別子、ユーザプロファイル、特定の気象パターンを識別するための1つ以上の気象内容識別子、ユーザが気象プロダクトを所望するある特定の時間または時間間隔を識別するための1つ以上の時間識別子、空間的位置の固定または動的コード、および、空間的位置の固定または動的コードが空間的位置が固定されることを表示する場合に、ユーザにとって関心のある特定の空間的位置を識別するための空間的位置識別子等の気象出力信号に関連する様々な情報を含んでいる。それぞれのユーザ定義パラメータにおけるユーザプロファイルは、少なくとも特定のユーザに関連付けられた特定のコミュニケータデバイス11を識別するためのユーザ識別子コードを含んでいる。
【0016】
例えば、ユーザ識別子コードは、コミュニケータデバイス11(この場合には例えば、携帯電話かポケベルであってよい)のうちの1つを識別する携帯電話番号とすることができる。気象内容識別子は、竜巻、雷雨、雹嵐、稲妻嵐、にわか雨、吹雪、猛吹雪、暴風、高層風、気圧の急上昇または急降下、あるいは他のこのような気象パターンまたは状態のうち1つまたは様々な気象状態または事象を識別するためのコンピュータコードとすることができる。時間識別子は、ユーザがインタラクティブ気象アドバイザリシステム8にユーザとの気象データ通信または特定の時間および/または日についてのリアルタイム気象データの監視を所望する特定の時間、複数の時間、または時間間隔を識別するためのコンピュータコードとすることができるのが望ましい。空間的位置識別子26は、例えば、世界のあらゆる場所の経度および緯度、町、州、郡区、住所、郵便番号、標高およびこれらの組み合わせであるがこれに限定されない、特定の予め定めた空間的位置を識別するためのコンピュータコードとすることもできる。
【0017】
前述のように、空間的位置識別子は世界のあらゆる場所および/または海抜高度の特定の空間的位置を識別する。空間的範囲識別子は、空間的位置識別子周囲の特定の空間的範囲を識別する。それぞれのユーザは、空間的位置識別子により識別され、かつ空間的範囲識別子により識別される空間的範囲内の空間的位置について、気象予報および/または気象注意報または他の任意の気象情報を受信するように、空間的位置識別子と空間的範囲識別子を選択可能である。
【0018】
例えば、図2を参照すると、本発明の異なるユーザにより選択された4つの空間的位置識別子と4つの空間的範囲識別子を表す座標系が示されている。つまり、ユーザの1人が空間的位置識別子(X1,Y1,Z1)および空間的範囲識別子(R1)を選択する。別の1人のユーザが空間的位置識別子(X2,Y2,Z2)および空間的範囲識別子(R2)を選択する。
【0019】
空間的位置識別子(X1,Y1,Z1)および空間的範囲識別子R1を選択したユーザは、彼のユーザ入力データベースで事前に定義されたとおり、空間的位置識別子(X1,Y1,Z1)および空間的範囲識別子R1により識別された空間的範囲に関する気象プロダクトおよび注意報を受信することになる。空間的位置識別子(X2,Y2,Z2)および空間的範囲識別子R2を選択したユーザは、ユーザ入力データベース14で事前に定義されたとおり、空間的位置識別子(X2,Y2,Z2)および空間的範囲識別子R2により識別された空間的範囲に関する気象プロダクトおよび注意報を受信することになる。同様に、空間的位置識別子(X3,Y3,Z3)および(X4,Y4,Z4)ならびに空間的範囲識別子R3およびR4を選択したユーザは、ユーザ入力データベース14で事前に定義されたとおり、空間的位置識別子(X3,Y3,Z3)および(X4,Y4,Z4)ならびに空間的範囲識別子R3およびR4により識別された空間的範囲に関する気象プロダクトおよび注意報を受信することになる。
【0020】
空間的範囲識別子R1、R2、R3およびR4の大きさは異なっても同じでもよい。加えて、空間的範囲識別子R1、R2、R3およびR4の大きさは広範囲で異なり得るが、ユーザにより選択されることが望ましい。
【0021】
特定のユーザが、任意の適切な方法によりユーザ定義パラメータをユーザ入力データベース14内に入力可能である。例えば、ユーザ入力データベース14は、電話の顧客サービスネットワークを通した口頭、ワイヤレスアプリケーションプロトコル技術を搭載した携帯電話ネットワーク、電子メール、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、またはインタラクティブウェブサイト等の、ユーザにより好適に選択される様々な任意のソースからそのデータを取得するように構成されるのが望ましい。さらに、ユーザは、ユーザ定義パラメータを放送ネットワーク10に郵送することもでき、放送ネットワーク10上の個人がキーボードまたは他の類似の入力デバイスを介して直接ユーザ入力データベース14にユーザ定義パラメータを入力することもできる。一実施形態では、ユーザが、ユーザのコミュニケータデバイス11を介して選択された情報をユーザ入力データベース14に入力する。
【0022】
気象情報データベース21には、少なくともコミュニケータ位置データベース16に含まれる空間的位置と、ユーザ入力データベース14の空間的位置識別子により識別された空間的位置についてのリアルタイム気象データが入っている。気象分析ユニット12は、リアルタイム気象データに基づいて全ての気象事象の予測を生成する。気象情報データベース21は、例えば、政府の気象情報リソース、民営の気象情報リソース、および他の様々な気象リソース等であるがこれに限定されない複数の可能なリソースのうちの少なくとも1つから、そのリアルタイム気象データを受信するのが望ましい。リアルタイム気象データは、気象情報データベース21の物理的位置で直接入力することもできるし、携帯電話ネットワーク、ワイヤレスアプリケーションプロトコル搭載の携帯電話ネットワーク、電子メール、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、普通のコンピュータ、または他のワイヤレスデバイスを介して入力することもできる。
【0023】
あるいは、気象情報データベース21が、少なくともコミュニケータ位置データベース16に含まれる空間的位置とユーザ入力データベース14の空間的位置識別子により識別された空間的位置についての気象予測データおよび/または気象予報データを含んでいてもよい。この実施形態では、気象分析ユニット12がリアルタイム気象データに基づいて全ての気象事象の予測を生成する。
【0024】
コミュニケータ位置データベース16は、本発明の任意の特徴であり、ユーザがユーザのコミュニケータデバイス11の動的空間的位置でリアルタイムの気象注意報または事象の予測を要求する場合に信号経路22を介して有効とされる。コミュニケータ位置データベース16は、コミュニケータ位置データベース16がコミュニケータデバイス11の空間的位置を表すリアルタイムデータを含んでいるように継続的に交信される。一実施形態では、ユーザのプロファイルのユーザ識別子コードが信号経路22を介してコミュニケータ位置データベース16に送信される。コミュニケータ位置データベース16は、携帯電話ネットワーク、ワイヤレスアプリケーションプロトコル技術を搭載した携帯電話ネットワーク、全地球測位衛星技術、インターネット、ロラン技術、レーダー技術、トランスポンダー技術、コミュニケータデバイス11の空間的位置を追跡可能、かつ放送ネットワーク10のコミュニケータ位置データベース16にこのようなコミュニケータデバイス11の位置を通信可能なその他任意の種類の技術等の様々な可能なリソースの少なくとも1つを介して、ユーザ識別子コードにより識別されたコミュニケータデバイス11からデータを受信するのが望ましい。コミュニケータ位置データベース16は、ワイヤレスアプリケーションプロトコル技術等によって、それぞれのコミュニケータデバイス11の位置について継続的かつ自動的に更新されることが好ましい。あるいは、ワイヤレスアプリケーションプロトコル技術等によって、それぞれのコミュニケータデバイス11の位置についてのユーザの要求に応じてコミュニケータ位置データベース16が更新されてもよい。
【0025】
通信ネットワーク20は、例えば、携帯電話ネットワーク、ワイヤレスアプリケーションプロトコル搭載の携帯電話ネットワーク、インターネット、ファクシミリネットワーク、衛星ネットワーク(一方向または双方向)、RFラジオネットワーク、またはソースからエンドユーザに情報を送信するその他任意の手段であるがこれに限定されないものとしてよい。
【0026】
コミュニケータデバイス11は、双方向または単方向コミュニケータデバイスとしてよい。コミュニケータデバイス11は、携帯電話、スマートフォン、ポケベル、ラップトップコンピュータ、または携帯情報端末、あるいは気象情報データを受信可能なその他の任意の電子デバイス等の携帯デバイスであるがこれに限定されないものとしてよい。さらに、コミュニケータデバイス11は、例えば、ヘルメット、自動車または飛行機等のユーザにより利用されるかアクセス可能な物体に組み込んでもよい。図1には例示のためにコミュニケータデバイス11が3個だけ示されているが、インタラクティブ気象アドバイザリシステム8は多数のコミュニケータデバイス11の利用を意図している。
【0027】
気象分析ユニット12は、ユーザ入力データベース14、コミュニケータ位置データベース16、および気象情報データベース21内のデータを信号経路22、26、および28から受信する。気象分析ユニット12は、例えば、ユーザ入力データベース14内のそれぞれのユーザ定義パラメータについての空間的範囲識別子により識別された空間的範囲内の気象情報を含む個別化された気象出力信号を生成するために、ユーザ入力データベース14、コミュニケータ位置データベース16、および気象情報データベース21内のデータを自動的かつ継続的に比較するように望ましくプログラムされたコンピュータであるがこれに限定されないものとしてよい。気象出力信号は信号経路32を介して通信ネットワーク20に送信される。
【0028】
気象分析ユニット12は、気象情報データベース21からリアルタイム気象データを収集する。用語「リアルタイム気象データ」は、本明細書において、現在またはほぼ現在の情報を表示するように継続的に更新された気象データを指す。いくつかの例では、「リアルタイム気象データ」を例えば5分、15分、または30分の比較的小さいインクリメントで遅延させることができる。他の例では、「リアルタイム気象データ」は実質的に遅延なく提供することが可能である。通信ネットワークおよび気象関連技術の速度が上がるほどインクリメントが小さくなることが予想される。
【0029】
気象分析ユニット12は、すべての気象関連事象の予測を生成し、気象情報データベース21に含まれる過去および現在の事象(将来位置、強度、軌跡等)を比較して四次元データベースを構築する。データベースの三次元は地球表面上または上空の物理的位置を定義する(空間的位置識別子(X1,Y1,Z1))。第四次元は時間、すなわち過去、現在または未来である(T1、T2、T3、T4として定義される)。高速コンピュータプロセッサーをリアルタイムで用いることにより、気象分析ユニット12は、特定の位置(X1,Y1,Z1,T1)でのすべての事象(過去、現在および予測)を同一ユーザ供給データ(ユーザ入力データベース−X1,Y1,Z1,R1,T1)と比較し、このユーザとのあらゆる一致(気象出力信号)を通信ネットワーク20およびコミュニケータデバイス11を通して認定する。
【0030】
通信ネットワーク20は、気象出力信号およびユーザ識別コードを信号経路32および30を介して受信する。これに応答して、通信ネットワーク20は、各ユーザが要求した個別化された気象情報を受信するように、個別化された気象出力信号を信号経路34a、34bおよび34cを介してユーザ識別コードに関連付けられたコミュニケータデバイス11に送信する。
【0031】
信号経路34a、34bおよび34cは、電子通信を可能にする任意の適切な通信リンクを指す。例えば、信号経路34a、34bおよび34cは、ポイントツーポイント共有および専用通信、赤外線リンク、マイクロ波リンク、電話リンク、CATVリンク、衛星および無線リンクならびに光ファイバーリンクとしてよい。
【0032】
選択された詳細な気象情報をユーザに提供するために、気象情報の様々な組み合わせをユーザ入力データベース14に組み込むことが可能である。例えば、自動車で走行中のユーザは、彼の起点から目的地まで走行する間に彼の車両の半径2.5マイル内の地域の全ての雹嵐に関して、インタラクティブ気象アドバイザリシステム8により知らせてほしいとする。このユーザは、例えば、ワイヤレスアプリケーションプロトコル搭載の携帯電話ネットワーク(通信ネットワーク20)と連携して動作する車両内の彼のスマートフォン(コミュニケータデバイス11)を通して、選択された情報をユーザ入力データベース14内に入力する。すなわち、ユーザのスマートフォン番号(ユーザ識別子コード)、雹(気象内容識別子)、半径2.5マイル(空間的範囲識別子24)および空間的動的位置(それでユーザのスマートフォンの空間的位置は自動的かつ継続的に監視される)等である。
【0033】
次に、インタラクティブ気象アドバイザリシステム8は、気象分析ユニット12における気象情報および事象の予測を監視するが、車両の移動経路に沿って移動する間に車両の半径2.5マイル以内で雹嵐が検出されるかまたは形成する可能性が高い場合には、個別化された気象出力信号をユーザのスマートフォンに送信する。
【0034】
個別化された気象出力信号は、音声、映像、テキストおよび/またはグラフィックデータ信号としてよい。例えば、個別化された気象出力信号は、WAVファイルまたは本物または仮想の人がユーザに個別化されたメッセージを話す動画表示を含むその他の適切なファイルとしてよい。上記の例では、個別化されたメッセージが車両の2.5マイル先に雹嵐があるというものであるから、ユーザは雹嵐を避けるために短時間停車することを検討するべきである。あるいは、個別化されたメッセージが車両の2.5マイル先に雹嵐があるというものであるから、ユーザは雹嵐を避けるためにもう一つの個別化された気象出力信号によりさらに通知されるまで停車することを検討するべきである。言い換えれば、気象分析ユニット12は、通信ネットワーク20およびコミュニケータデバイス11を介してもう一つの個別化された気象出力信号をユーザに送信して、気象内容識別子により識別される気象状態が空間的位置識別子により識別された空間的位置を通過したか越したかをユーザに知らせることができる。
【0035】
別の例として、ユーザが特定の動的空間的位置の特定の空間的範囲内で全てのリアルタイム気象データおよび事象の予測の通知を所望する場合もある。例えば、ユーザは、彼の航空機がオクラホマ州のオクラホマシティからタルサまで飛行する間に着氷する恐れに関心をもつ場合もある。適切なレベルの快適性および安全性を提供するため、ユーザは彼の航空機の動的空間的位置の10マイル以内の着氷状態通知を希望する場合もある。例えば、ユーザは、彼のスマートフォンまたはワイヤレスアプリケーションプロトコル搭載の携帯電話ネットワーク(通信ネットワーク20)と連携して動作する彼の航空機内の他の適切な航空電子工学デバイス(コミュニケータデバイス11)を通して、選択された情報をユーザ入力データベース14内に入力する。すなわち、ユーザのスマートフォン番号(ユーザ識別子コード)、着氷(気象内容識別子)、半径10マイル(空間的範囲識別子24)、および空間的動的位置である。それで、航空機が(X1,Y1,Z1,T1)から(X4,Y4,Z4,T4)までの時間および空間を横断する間に、ユーザのスマートフォンまたは他の適切な航空電子工学デバイスの空間的位置が自動的かつ継続的に監視される。次に、航空機の半径10マイルに関して着氷が検出されるかまたは形成される可能性が高いと識別する場合には、個別化された気象出力信号をユーザのスマートフォンまたは他の適切な航空電子工学デバイスに送信するように、インタラクティブ気象分析ユニット12が気象情報データベース21内のリアルタイム気象データと気象分析ユニット12内の予測事象を監視する。
【0036】
また別の例として、ユーザが、特定の固定された空間的位置で、コミュニケータデバイス11の即時の位置に関係ない特定の空間的範囲内での特定の気象パターンにのみ関心を持つかもしれない。このユーザの要求を遂行するために、放送ネットワーク10はコミュニケータ位置データベース16を利用しない。ユーザは選択された情報をユーザ入力データベース14内に入力する。これはすなわち、ユーザの電話番号(ユーザ識別子コード)、ユーザが関心を持つ特定気象パターン用コード(気象内容識別子)、ユーザが関心を持つ空間的位置周辺の空間的範囲(空間的範囲識別子)、およびユーザが関心を持つ空間的位置(空間的位置識別子)である。次に、ユーザが要求した空間的位置および範囲内の気象パターンに関する個別化された気象情報を送信するように、気象分析ユニット12が気象情報データベース21内のリアルタイム気象データと気象分析ユニット12内の予測事象を監視する。
【0037】
他の例として、ユーザが、特定の空間的位置で、特定の時間の特定の空間的範囲内での特定の気象状態にのみ関心を持つかもしれない。ユーザは選択された情報をユーザ入力データベース14内に入力する。これはすなわち、ユーザの電話番号(ユーザ識別子コード)、ユーザが関心を持つ特定気象パターン用コード(気象内容識別子)、ユーザが関心を持つ空間的位置周辺の空間的範囲(空間的範囲識別子およびユーザが関心を持つ空間的位置、空間的位置識別子)、および、ユーザが関心のある空間的位置での気象状態通知を望む時間と日付(時間識別子)である。これに応答して、特定の気象パターンが時間識別子により識別された時間に発生する確率を決定するために、空間的範囲識別子により識別された空間的位置および範囲、ならびに空間的位置識別子について、気象分析ユニット12が気象情報データベース21内のリアルタイム気象データを監視する。気象分析ユニット12は、信号経路32を介して個別化された気象出力信号を通信ネットワーク20に送信する。通信ネットワーク20は、ユーザ識別子コードを信号経路30を介してユーザ入力データベース14から受信し、気象分析ユニット12から受信した気象出力信号をユーザ識別子コードにより識別された特定のコミュニケータデバイス11に送信する。ユーザは、ユーザが要求した空間的位置、空間的範囲および時間に関する個別化された気象情報を受信する。
【0038】
信号経路22、24、26、28、30および32は、本発明を実施するために利用される様々なソフトウェアおよび/またはハードウェア間の論理的および/または物理的リンクとしてよい。本発明の個別のコンポーネント間で通信される情報および論理を明確に表すためだけに、本明細書でそれぞれの信号経路22、24、26、28、30および32が別個に示され説明されていることを理解されたい。実施において、信号経路は別個の信号経路でなく単一の信号経路の場合もある。加えて、様々な情報が図1に示した方法で本発明のコンポーネント間を流れることが必須とは限らない。例えば、図1はユーザ識別子コードがユーザ入力データベース14から通信ネットワーク20へと信号経路30を介して直接送信されることを表しているが、ユーザ識別子コードは信号経路24を介して気象分析ユニット12に通信され、次に信号経路32を介して通信ネットワーク20に通信可能である。
【0039】
ユーザが手動でユーザ識別子コードをユーザ入力データベース14に入力するとして説明されてきたが、ユーザ識別子コードはコミュニケータデバイス11によって自動的にユーザ入力データベース14内に入力することもできることを理解されたい。
【0040】
一旦ユーザ定義パラメータがユーザ入力データベース14に入力されれば、ユーザ定義パラメータはターゲットマーケティングのために気象内容識別子とともに気象分析ユニット12により分析することができる。複数のベンダー36が、複数の信号経路38a、38bおよび38cを介して放送ネットワーク10の気象分析ユニット12にアクセス可能であるように提供されてもよい。ベンダー36は、ベンダー36に有用な情報のデータセットを集めるために気象分析ユニット12内に検索情報を個々に入力することができる。
【0041】
例えば、除雪機販売に従事する特定のベンダー36aが、翌週少なくとも10インチの積雪が予想される米国内の全ての空間的位置のリストを要求するために、気象内容識別子および時間識別子を気象分析ユニット12に入力することができる。次に、気象分析ユニット12は、気象情報データベース21に記憶された少なくとも1つの気象内容識別子、時間識別子、およびリアルタイム気象データに基づいて、翌週少なくとも10インチの積雪が予想される米国内の全ての空間的位置のデータセットを集める。次に、このデータセットがベンダー36aに出力される。データセットに基づいて、ベンダー36aがデータセット内で識別される地域に広告または追加の除雪機を送ることができる。
【0042】
別の例として、除雪機販売に従事する特定のベンダー36aが、翌週少なくとも10インチの積雪が予想される米国内の空間的位置に住むユーザを識別する全てのユーザプロファイルのリストを要求するために、気象内容識別子および時間識別子を気象分析ユニット12に入力することもできる。次に、気象分析ユニット12は、少なくとも1つの気象内容識別子、時間識別子、ユーザプロファイル、および気象情報データベース21に記憶されたリアルタイム気象データに基づいて、翌週少なくとも10インチの積雪が予想される米国内の全ての空間的位置のデータセットを集める。次に、このデータセットがベンダー36aに出力される。データセットに基づいて、ベンダー36aがデータセット内で識別されるユーザに広告を送ることもできる。
【0043】
ユーザが放送ネットワーク10により提供されるサービスを利用することが想定される。その際、放送ネットワーク10はユーザにサービス料金を課金する場合、しない場合がある。加えて、1回の課金でいくつかのサービスが放送ネットワーク10により提供され、上乗せ課金で追加のサービスが提供される場合もある。
【0044】
処理電力を抑えるために、気象分析ユニット12は、どのコミュニケータデバイス11が電源オフされたか範囲外にあるかを定期的に判定する。一旦、これが判定されると、気象分析ユニット12は、電源オフされたか範囲外にあるコミュニケータデバイス11用の個別化された気象出力信号を何ら生成しない。一旦、コミュニケータデバイス11のうちの特定の1つが電源オンされるか範囲内に入ってくると、気象分析ユニット12は、このコミュニケータデバイス11用の個別化された気象出力信号を生成しようとする。言い換えれば、処理電力を抑えるために、気象分析ユニット12は、アクティブで範囲内にあるコミュニケータデバイス11用の個別化された気象出力信号だけを生成することもできる。
【0045】
気象分析ユニット12は、放送ネットワーク10に配置可能である。あるいは、気象分析ユニット12を放送ネットワーク10の他の部分から離して放送ネットワーク10へのサービスとして設けることができる。
【0046】
一実施形態では、ユーザがユーザ入力データベース14にユーザ定義パラメータを提供するのではなく、またはそれに加えて、ユーザ入力データベース14が、複数の事前定義ユーザプロファイルをユーザにより指定されたアクティビティを対象とした、アクティビティのデータおよび時間を任意で含む各事前定義ユーザプロファイルとともに提供するようにプログラムされる。アクティビティは、商用、個人用またはレクリエーション用でもよい。例えば、商用は、牧場経営者、建築業者、農場経営者、または塗装工等であるがこれに限定されない所望のアクティビティを実行するために、気象状態に依存またはそれにより影響を受ける任意の作業としてよい。個人用は、芝刈り、家の塗装、または木の剪定等の住宅所有者により行われる仕事であるがこれに限定されない、気象状態によりプラスまたはマイナスに影響を受ける任意の作業としてよい。レクリエーション用は、ゴルフ、サイクリング、ボート遊び、ハイキング、魚釣り、またはスノースキー等であるがこれに限定されない気象状態に依存する任意のレクリエーションまたは他の屋外アクティビティであってよい。
【0047】
このケースでは、ユーザがアクティビティまたはカテゴリーを選択、すなわちアクティビティまたはカテゴリーをユーザ入力データベース14に提供する。ユーザ入力データベース14は、このアクティビティまたはカテゴリーに関する事前定義情報を検索してこの事前定義情報を記憶またはこのユーザのユーザプロファイルとリンクする。次に、放送ネットワーク10および/または気象分析ユニット12が、上述のように機能してユーザのユーザプロファイルに含まれる情報に関する気象警告または他の情報を提供する。
【0048】
例えば、ユーザが特定の週末午前9時から午後4時の時間中にゴルフを計画する。このケースでは、ユーザが「ゴルフ」用の事前定義ユーザプロファイルとこの計画したアクティビティの時間枠を選択する。計画したアクティビティの場所をユーザ入力データベース14に入力することもできるが、コミュニケータデバイス11の位置をコミュニケータ位置データベース16により監視することもできる。事前定義ユーザプロファイルに含まれる情報がユーザ入力データベース14に入力され、出力気象警告および予報が前述のように生成される。
【0049】
事前定義ユーザプロファイルは、放送ネットワーク10および/または気象分析ユニット12の構成員により決定されるが、彼らはそれぞれの指定されたアクティビティに通常適したおよび/または不向きな気象状態を識別する。故に、例えば、「ゴルフ」用の事前定義ユーザプロファイルは風況、稲妻、雨、温度およびその他のプラスまたはマイナスにゴルフアクティビティに影響を及ぼす状態等のデータを含むことになる。事前定義ユーザプロファイルのデータは、ユーザによるアクティビティ選択の前後いずれかに決定することができる。
【0050】
ユーザが望むのであれば、放送ネットワーク10および/または気象分析ユニット12が適切なサイズの空間的範囲識別子(ユーザプロファイルまたは事前定義ユーザプロファイルを用いた場合のように)を生成することに対する責任を負うことができる。あるいは、空間的範囲識別子は気象事象の性質により決定することができる。後者のケースでは、放送ネットワーク10および/または気象分析ユニット12の構成員が、発生するであろう、または発生するかもしれない各気象事象周辺の「関心区域」を決定し、次に通信ネットワーク20が関心区域に接触するような任意のユーザすなわちコミュニケータデバイス11に通知を送信する。
【0051】
例えば、竜巻が幅1/2マイルとすると、放送ネットワーク10および/または気象分析ユニット12は、その経験、知識および/または能力に基づいて、関心区域が幅1と1/2マイルおよび長さ8マイルに及び北東に移動するであろうと決定する。前述のように、ユーザの位置が「関心区域」に接触すれば、ユーザ入力データベース14内に含まれるあらゆるユーザに通知される。
【0052】
本システムの他の用途
【0053】
図3〜図4に示したのは、他の種類の情報の配信または気象関連事象のより正確な予測のために用いることが可能なアドバイザリシステム8aおよび8bである。アドバイザリシステム8aおよび8bは、以下に説明する部分を除いて構成および機能が気象アドバイザリシステム8と類似する。明確にするために、類似のコンポーネントには同じ番号を冠して異なるアルファベットを添えている。
【0054】
アドバイザリシステム8aには放送ネットワーク10aが設けられている。一実施形態では、放送ネットワーク10aが、例えば雇用者から被雇用者へ個別化されたリアルタイム仕事割当を送信するのに用いられる。放送ネットワーク10aには、分析ユニット12aと、コミュニケータ位置データベース16aと、コミュニケータデバイス11aおよび11bが設けられている。コミュニケータデバイス11aは本明細書で「雇用者コミュニケータデバイス」と呼ばれ、コミュニケータデバイス11bは本明細書で「被雇用者コミュニケータデバイス」と呼ばれる。コミュニケータ位置データベース16aは、コミュニケータデバイス11aおよび11bの空間的位置を表示するリアルタイムデータを含むように継続的に更新される。前述のような類似の方法で、分析ユニット12aは、(ボックス80aにより表されるような)複数のユーザプロファイル、コミュニケータ位置データベース16aに記憶された複数の動的位置、ボックス82により表されるような複数の固定位置、および、複数の雇用者コミュニケータデバイス11aの1つから分析ユニット12aに入力された複数の作業割当の間において比較を行う。システム8a内で伝達される複数種類の情報を描写するために、システム8aを雇用者システム40aおよび被雇用者システム42aとしてさらに説明することもできる。
【0055】
例えば、雇用者は雇用者コミュニケータデバイス11aを用いて被雇用者情報および/または基準を、例えば作業位置、作業日程、職能要件、性格特性、その他の基準等を、ボックス84aにより表されるように、被雇用者のユーザプロファイルに入力する。さらに、雇用者が、例えば作業位置、作業日程、職能要件、性格特性、およびその他の基準等の仕事または作業割当基準を分析ユニット12aに入力する。雇用者は、例えばコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、携帯電話一体型PDA、または被雇用者情報および/または作業割当基準を分析ユニット12aに送信することができるその他任意のデバイスとしてよい雇用者コミュニケータデバイス11aの1つに上記基準を入力する。分析ユニット12aは、例えばコンピュータまたはウェブサーバとしてよい。分析ユニット12aは、被雇用者ユーザプロファイル基準を仕事割当基準にマッチングさせて少なくとも1つの個別化された仕事割当のデータセットを生成する。
【0056】
個別化されたリアルタイム仕事割当は、仕事割当基準と被雇用者ユーザプロファイルとのマッチングに基づいて被雇用者コミュニケータデバイス11bの1つに送信される。このデータセットは、雇用者がデータセットを検討して仕事割当を被雇用者の特定の1人に割り当て可能なように雇用者コミュニケータデバイス11aに送信するか、あるいは、分析ユニット12aが自動的に仕事割当を被雇用者の特定の1人に割り当てることにより雇用者による介入なしに被雇用者コミュニケータデバイス11bに仕事割当を送信してもよい。被雇用者コミュニケータデバイス11bは、例えばPDA、携帯電話、携帯電話一体型PDA、ポケベル、または、分析ユニット12aまたは雇用者が被雇用者に情報を通信できるその他任意のデバイスとすることもできる。
【0057】
それぞれの被雇用者についてのユーザプロファイルは、例えば、性格、販売方式、服装、職能、位置、日程、あるいは特定の被雇用者に関連するその他任意の特質または特性等の被雇用者の特性に関連する情報を含んでいる。さらに、ユーザプロファイルは、雇用者コミュニケータデバイス11aおよび被雇用者コミュニケータデバイス11bの双方によりアクセス可能であるのが好ましい。しかしながら、雇用者コミュニケータデバイス11aはユーザプロファイル全体にアクセスできるが、被雇用者コミュニケータデバイス11bはユーザプロファイルのサブセットにのみアクセス可能であるのが好ましい。故に、雇用者システム40aによりアクセス可能なユーザプロファイルは、被雇用者システム42aによりアクセス可能なユーザプロファイルとは異なる場合もある。
【0058】
例えば、雇用者システム40aによりアクセス可能なユーザプロファイルは、被雇用者に隠されたままか知らされていない特定の被雇用者に関連した特性を含んでもよい。例えば、被雇用者は、位置、日程、職能およびボックス86aにより表されるような他の基準等の彼のユーザプロファイルに記憶された情報にアクセスすることもでき、必要に応じて情報を更新するために彼のユーザプロファイルにアクセスすることもできる。上記の被雇用者アクセス可能情報に加えて、雇用者は被雇用者ユーザプロファイルにアクセスして性格、販売方式、服装、職能等の被雇用者特性を入力しアクセスすることもでき、アクセスして必要に応じてこの情報を更新することもできる。
【0059】
別の実施形態では、商品運送者のリアルタイムの位置に基づいて商品を配送するためにシステム8aが用いられる。より詳細には、迅速かつ効率的に商品を購入者の指定した場所に配送するため、オンラインで注文した製品の購入者に対応するようにシステム8aを用いることができる。
【0060】
分析ユニット12aには被雇用者ユーザのプロファイルおよび位置が入っている。分析ユニット12aは、購入者の位置の近くにいる配送人(被雇用者)を識別する。被雇用者のユーザプロファイルの一部が被雇用者の配送トラック上の商品の在庫品目を含んでいてもよい。被雇用者は、どのような在庫品目が彼の配送トラック上に配置されているかを知る必要はなく、彼の配送目的地だけを知っていればよい。
【0061】
例えば、購入者は生鮮商品をオンラインで注文するかもしれない。雇用者は、分析ユニット12aがどの配送人が効率的に指定された商品を購入者に配送できるかを判定することができるように、購入者の注文(仕事割当)を雇用者コミュニケータデバイス11a(分析ユニット12aに仕事割当を入力する)に入力する。また、オンラインで注文することにより、購入者は、分析ユニット12aが購入者に商品を配送する適切な配送人を自動的に決定して被雇用者コミュニケータデバイス11bを介して配送人に割当を送信するように、彼の注文を直接分析ユニット12aに送信することもできる。さらに、雇用者がユーザプロファイルを更新して被雇用者の配送トラック上に配置された正確な在庫品目、配送される在庫品目、および配送トラックから盗難されるかもしれないあらゆる在庫品目を追跡および監視する。
【0062】
また別の実施形態では、新たな顧客勧誘のため販売員を現場に送るためにシステム8aを用いることができる。例えば、会社は見込み客からの問い合わせを受けることもある。見込み客についての情報は雇用者コミュニケータデバイス11aからの作業割当として分析ユニット12a内に入力される。次に、分析ユニット12aは販売員のユーザプロファイルに記憶された情報に基づいて見込み客に適切な販売員を送る。販売員のユーザプロファイルには、販売員位置、性格特性、服装またはどの販売員が見込み客に送るのに適していそうかを決定するのに用いられるその他の属性等の情報が含まれてよい。
【0063】
図4に示したのは、本発明に従って構成された別のアドバイザリシステム8bである。アドバイザリシステム8bは、放送ネットワーク10bを含んでいる。この放送ネットワーク10bは、放送ネットワーク10bが所定のユーザに関連付けられた地理的区域に詳細に関連付けられた気象・環境センサー48bを有する個別化されたセンサーネットワーク48aを含んでいることを除いて、構成および機能が上述した放送ネットワーク10と類似する。
【0064】
例えば、気象・環境データ収集場所は世界の栽培区域において途方もなくまばらである。アイオワ州では、最小限の数の米国立測候所データ収集ポイントが存在するに過ぎない。農業従事者が彼らの作物について重大な決定を下すための気象データポイントの密なグリッドが存在しないことによる気象データの不足が農業従事者の妨げとなっている。例えば、土壌温度データ、作物湿度データ、および降水確率データが手に入らない場合に160エーカーの土地を肥沃にする方法が分かるだろうか。
【0065】
センサーネットワーク48aは、例えば、加入者すなわちシステム8bのユーザの土地上の10エーカーから40エーカーのグリッド上に配置される、一時的または恒久的データ収集センサー48bを含んでいる。各センサー48bは、それに関連付けられた例えば半径5マイルまたは20マイル等の固有の空間的範囲を有する。各センサー48bに関連付けられた空間的範囲はユーザにより選択可能であり、センサー48bの種類および目的ならびにセンサーネットワーク48aの密度の結果として規定される。例えば、ユーザが肥料処理の予定を組むために土壌湿度に関心を持った場合、選んだセンサー48bに関連付けられた空間的範囲は、例えば375フィートに設定することができる。別の例では、ユーザが地中に種をまくために土壌温度に関心を持った場合、選んだセンサー48bに関連付けられた所望の空間的範囲は、例えば2000フィートとすることができる。システム8bのユーザは上述のようなユーザプロファイルを含んでいるが、これはユーザに関連付けられた、例えばユーザの土地またはその近傍に配置された、センサー48bに関する情報で補足される。ユーザ用に特定の場所向けの気象情報を生成する際により詳細な情報を気象分析ユニット12bが使用できるように、センサー48bは特定の場所向けの個別化された情報を気象分析ユニット12bに送信する。
【0066】
センサー48bは、気象予報、現在の気象状態送信、現在の環境状態送信、および/または環境状態予報に使用可能な情報を生成するいかなる種類のセンサーでもよい。例えば、センサー48bは、大気温度、湿度、降水、日照、風速および風向、土壌温度、土壌湿度、および/または土壌中の化学成分等であるがこれに限定されない、パラメータをサンプリングまたは記録するために用いることができる。
【0067】
例えば、ユーザは、センサーネットワーク48aに監視してほしい例えば、温度、湿度および/または土壌状態等の種類の情報を彼のユーザプロファイル内に入力することができる。気象分析ユニット12bは、センサーネットワーク48aからセンサーデータを受信し、彼のユーザプロファイル内に入力された情報に基づいてユーザのコミュニケータデバイス50bを介して情報をユーザに送信する。ユーザは、彼のユーザプロファイルを修正することによって、任意の時点で特定の区域を監視するための特定のセンサーを選ぶこともできる。
【0068】
さらに、システム8bは、システム8bのユーザに送信される気象情報を増強するために、リアルタイム道路状態情報を気象分析ユニット12bに送信するために用いることができる。センサー48bはバッテリーまたはソーラー電源等のそれら自身の電源を含んでいてもよいが、センサー48bはそれ自身の電源を有するデバイス上に配置されるのが好ましい。例えば、一時的または恒久的センサー48bは、車両上、車道上または車道脇、看板、給油ポンプ、携帯電話塔、あるいは車道または線路沿いの標識上、例えばUPSおよび/またはFedEx等の配送車両上、街灯上等の車道に沿った様々な位置に配置することができる。センサー48bを車道上に配置した場合、コンクリートまたはアスファルト中に配置することができる。車道脇に配置した場合、センサー48bを例えば溝内に配置することができる。センサー48bは、例えば湿度、温度または車道、車道沿いの標識、街灯上、例えばUPSおよび/またはFedEx等の配送車両上、あるいは鉄道車両上に関連付けられた、他の任意の気象または環境状態を検出することができる。あるいは、センサー48bは、特定の車道または線路に関連する交通状態またはその他の任意の状態を検出するために用いることができる。
【0069】
例えば、各センサー48bは、車道または線路に沿った特定の区域についての状態を判定するためのセンサーネットワーク48aを作り出すために、最も近いセンサーから100フィート離して配置することができる。さらに、その塔に関連付けられた特定の携帯電話システムのユーザがシステム8bを用いて様々な状態にアクセスできるように、センサー48bを様々な携帯電話塔に配置することもできる。
【0070】
それぞれの気象センサー48aは、このような気象センサーの現在地が気象分析ユニット12bに送られるように、気象センサーの現在地を決定するためのGPSシステム等のシステムを含んでもよい。
【0071】
当業者であればシステム8bの多くの用途を認識することができる。例えば、センサーデータが車道または線路沿いに移動する車両上に配置されたセンサー48aにより収集される場合、気象分析ユニット12bはこのような気象情報をセンサーデータが収集されている場所の近傍に位置するコミュニケータデバイス11bに送信することができる。故に、Federal Expressのトラックが加入者から5マイルに離れて位置しているとすれば、Federal Expressのトラック上のセンサーから収集した情報を加入者に送信することができる。
【0072】
図5に示されているのは、他の種類の情報を配信するために使用可能なアドバイザリシステム8cである。アドバイザリシステム8cは、以下に説明する部分を除いて構成および機能がアドバイザリシステム8aと類似する。明確にするために、類似のコンポーネントには同じ番号を冠して異なるアルファベットを添えている。
【0073】
アドバイザリシステム8cには放送ネットワーク10cが設けられている。一実施形態では、放送ネットワーク10cが、放送ネットワーク10cから遠く離れて位置する少なくとも1人の既知または未知の個人の位置を特定するために用いられる。放送ネットワーク10cには、分析ユニット12cと、コミュニケータ位置データベース16cと、少なくとも1つのコミュニケータデバイス11c、好ましくは少なくとも2個のコミュニケータデバイス11cおよび11dが設けられている。コミュニケータデバイス11cは本明細書で「探索者コミュニケータデバイス」と呼ばれ、コミュニケータデバイス11dは本明細書で「被探索者コミュニケータデバイス」と呼ばれる。本明細書で用いる用語「探索者(locator)」は被探索者(locatee)の位置を特定しようとする人を指すものとする。本明細書で用いる用語「被探索者(locatee)」は位置を特定される人を指すものとする。コミュニケータ位置データベース16cは、探索者コミュニケータデバイス11cおよび被探索者コミュニケータデバイス11dの空間的位置を表示するリアルタイムデータを含むように継続的に更新される。
【0074】
前述のような類似の方法で、分析ユニット12cは、(ボックス80cにより表されるような)リモートコミュニケータデバイス11cおよび11dの一方から分析ユニット12c内に入力された(固有の性格特性を表す情報を含む)複数のユーザプロファイル、コミュニケータ位置データベース16cに記憶された複数の動的位置、ボックス82cにより表されるような複数の固定位置の間における比較を行う。システム8c内で伝達される複数種類の情報を描写するために、システム8cを探索者40cおよび被探索者システム42cとしてさらに説明することもできる。
【0075】
例えば、探索者は探索者コミュニケータデバイス11cを用いて、例えば個人的特徴(すなわち身長、体重、年齢、目の色、髪の色、性別、人種、職業等)、性格特性(すなわち、社交的、付き合いで飲む人、非喫煙者等)、写真、探索者による音声表示、探索者による映像表示、探索者による音声/映像表示、ボックス84cにより表されるようなその他のユーザ情報および/または基準)等の彼または彼女の探索者情報および/または基準を、彼または彼女のユーザプロファイル内に入力する。加えて、または、あるいは、探索者が、例えば個人的特徴、性格特性、(探索者の固定または動的位置からの距離を表す空間的範囲識別子を含む)近接性または他の任意の基準等の被探索者の望ましい基準を分析ユニット12c内に入力する。探索者は、例えばコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、携帯電話一体型PDA、または、探索者基準を分析ユニット12cに送信するその他任意のデバイス等としてよい探索者コミュニケータデバイス11cのうちの1つに上記基準を入力する。分析ユニット12cは、例えばコンピュータまたはウェブサーバとしてよい。分析ユニット12cは、被探索者ユーザプロファイル基準を探索者ユーザプロファイル基準および/または探索者所望基準にマッチングさせて探索者基準に一致する被探索者ユーザプロファイルのデータセットを生成する。
【0076】
探索者基準は、探索者基準と被探索者ユーザプロファイルとのマッチングに基づいて被探索者コミュニケータデバイス11dの1つに送信される。必要であれば、被探索者についての任意の情報を探索者コミュニケータデバイス11cに転送するに先立って被探索者の許可を得ることもできる。一旦、被探索者の許可を受信したら(必要であれば)、探索者がテキストメッセージまたはその他の任意の通信手段によりデータセットを検討して被探索者が接触することを決定することができるように、データセットを探索者コミュニケータデバイス11cに送信することができ、あるいは、分析ユニット12cが接触する被探索者を自動的に決定して、それにより探索者の介入なしに被探索者のコミュニケータデバイス11dにテキストメッセージまたはその他の任意の通信手段を送信することができる。被探索者のコミュニケータデバイス11dは、例えばPDA、携帯電話、携帯電話一体型PDA、ポケベル、または分析ユニット12cまたは探索者が被探索者に情報を通信できるその他任意のデバイスとすることもできる。
【0077】
それぞれの被探索者についてのユーザプロファイルは、例えば身長、体重、年齢、目の色、髪の色、性別、人種、職業等および/または性格特性、例えば社交的、付き合いで飲む人、非喫煙者等、あるいは特定の被探索者に関するその他の任意の性質または特性等の被探索者の個人的特徴に関する情報を含んでいる。被探索者のユーザプロファイルは、被探索者の写真、被探索者による音声表示、被探索者による映像表示、被探索者による音声/映像表示、ボックス86cにより表されるようなその他のユーザ情報および/または基準等を追加で含むこともできる。
【0078】
一旦、被探索者のユーザプロファイルが探索者コミュニケータデバイス11cにダウンロードされると、探索者は、探索者の被探索者の印象または個人的意見、あるいは探索者が被探索者に関連すると考えるその他の任意の情報等を追加することができる。この追加情報は被探索者から隠されたままであるが、アドバイザリシステム8cの追加のユーザに放送することもできる。例えば、ボックス86cにより表されるように、被探索者システム40cによりアクセス可能なユーザプロファイルは、被探索者に隠されたままか知らされない特定の被探索者に関する特性を含んでいてもよい。例えば、ボックス86cにより表されるように、被探索者が、入力された個人的特徴および/または性格基準等の彼のユーザプロファイルに記憶された情報にアクセス可能でもよく、必要に応じて情報を更新するために彼のユーザプロファイルにアクセス可能としてもよい。上記の被探索者アクセス可能情報に加えて、探索者は、個人的特徴および/または性格特性等の被探索者特性にアクセスするために被探索者ユーザプロファイルにアクセス可能としてもよい。
【0079】
例えば、探索者は、彼のユーザプロファイルに自分が独身、白人、男性、26歳、大学生、非喫煙者、および軽く付き合いで飲む人であることを含めることもできる。探索者は、同じ個人的特徴および/または性格特性を共有する白人で独身の女性を希望する。探索者は、アドバイザリシステム8cの他のユーザ(「被探索者」)により入力されたユーザプロファイルをダウンロードすることができる。探索者は、被探索者とさらに接触をするために被探索者にテキストメッセージまたはその他の通信手段を送ることもできる。本実施形態では、本発明を出会い系サービス、デートサービス、またはお見合いサービスと見なすことができる。
【0080】
別の実施形態では、システム8cが類似のユーザプロファイルを持ったユーザの間で探索を行なってエンターテインメントを提供するのに用いられる。このようなユーザの例には、よく映画見に行く人、ゲームをする人、またはエンターテインメント産業のある特定の部門に興味のあるその他の人が含まれる。より詳細には、エンターテインメント産業において類似する興味を持つ個人の位置を特定し、所望のエンターテインメントをこの個人に提供するために、システム8cを用いることができる。探索者により分析ユニット12cに入力された指定空間的範囲に関連する個人の位置を特定するために、システム8cを用いることができる。あるいは、被探索者の位置とは無関係に個人/被探索者の位置を特定するために、システム8cを用いることができる。
【0081】
前述と類似の方法で、探索者は探索者コミュニケータデバイス11cを利用して、例えばエンターテインメントの興味、(固定位置または動的位置に基づく)所望のおよび/または指定された空間的範囲、およびボックス84cにより表されるようなその他のユーザ情報および/または基準等の彼または彼女の探索者情報および/または基準を彼または彼女のユーザプロファイル内に入力する。加えて、またあるいは、探索者が、例えばエンターテインメントの興味、所望のおよび/または指定された空間的範囲、またはユーザが所望するその他任意の基準等の被探索者の望ましい基準を分析ユニット12c内に入力する。分析ユニット12cは、エンターテインメント産業における類似する興味および/または探索者により指定された区域内の近接性を有するシステム8cの他のユーザの位置を特定し一致させるために、上述したような同じ方法で探索者情報を被探索者情報に一致させる。
【0082】
例えば、システム8cの他のユーザと例えば鬼ごっこ(tag)等のゲームをしたい探索者は、彼の探索者ユーザプロファイル情報を上述したような同じ方法で探索者コミュニケータデバイス11cを介して分析ユニット12cに入力することができる。この探索者ユーザプロファイル情報の例には、例えば個人的特徴および/または性格特性、および/または被探索者の位置を特定するための所望の空間的範囲が含まれる。加えて、探索者は、例えば所望の個人的特徴および/または性格特性、所望の被探索者位置、および/または被探索者の位置を特定するための所望の空間的範囲等の、被探索者の所望の基準を分析ユニット12cに入力することもできる。
【0083】
例えば鬼ごっこ等のゲームをしたい探索者は、ゲームの種類に関する情報、性格特性および/または個人的特徴を(探索者コミュニケータデバイス11cを介して)分析ユニット12cに入力し、彼の位置から例えば50マイルの空間的範囲内の被探索者の位置を特定したいという彼の要望を指定する。指定した鬼ごっこゲームに参加するための世界を「ゲームボード」として用いて、分析ユニット12cが被探索者ユーザプロファイル基準を探索者ユーザプロファイル基準および/または探索者所望基準に一致させて、探索者基準に一致する被探索者ユーザプロファイルのデータセットを生成する。
【0084】
この被探索者のデータセットに基づいて、探索者は、被探索者/参加者を選んで指定したゲームに参加して、彼の探索者コミュニケータデバイス11cを介して、例えば「捕まえた、キミが鬼だ」等のテキストメッセージ等のメッセージを被探索者コミュニケータデバイス11dを介して指定した被探索者に送ることができる。あるいは、システム8cは接触する被探索者を自動的に決定して、それにより探索者の介入なしにテキストメッセージまたはその他の通信手段を被探索者のコミュニケータデバイス11dに送信することができる。
【0085】
エンターテインメント産業おける類似する興味を持つユーザの位置を特定してマッチングさせることに加え、システム8cは、ユーザ/ゲームをする人により、例えばビデオゲーム等のゲームをするかまたはそれに参加するために、および/または他のユーザ/ゲームをする人と交信して所望または指定したゲームをするために用いられる。上述したものと同じ方法で、システム8cは、特定のゲームに参加する各ユーザの(静的または動的)位置(ユーザの固定または動的位置からの距離を表示する空間的範囲識別子を含む)に基づいて、ユーザにゲームに参加する別の個人/ユーザと交信させる。
【0086】
加えて、探索者はシステム8cを用いて(探索者コミュニケータデバイス11cを介して)エンターテインメントの具体的な位置(すなわち、映画館、カジノ等)または具体的なイベント(すなわち、特定の映画、特定のゲームイベント等)を検索することができる。システム8cは、彼のユーザプロファイルに基づいてエンターテインメントイベントのユーザに警告するために用いることもできる。
【0087】
別の実施形態では、空間的範囲識別子の援助の有無にかかわらず、個人のリアルタイム位置に基づいて個人(「被探索者」)を追跡するためにシステム8cを用いることができる。より詳細には、指定した空間的範囲内を移動する個人の位置を特定して、ある特定の個人が指定した空間的範囲外へ移動した時にユーザに通知するために、システム8cを用いることができる。加えて、個人の位置を彼らの位置または指定した空間的範囲に関する位置に関係なく特定するために、システム8cを用いることもできる。
【0088】
分析ユニット12cには被探索者ユーザプロファイルが入っている。加えて、分析ユニット12cには、被探索者が移動する予定またはそのように指示された所望の空間的範囲または経路、すなわち被探索者が予定した移動範囲および/または被探索者の目的地が入っている。分析ユニット12cは、被探索者コミュニケータデバイス11dの位置を追跡し、被探索者コミュニケータデバイス11dが被探索者の予定した移動範囲および/または被探索者の予定目的地の外へ移動する際に探索者コミュニケータデバイス11cに警告を出すことができる。加えて、分析ユニット12cは、被探索者コミュニケータデバイス11dが「優良区域」または「劣悪区域」として地理的に参照される区域へ移動する際に探索者コミュニケータデバイス11cに警告を出すこともできる。システム8cは、必要に応じて被探索者コミュニケータデバイス11dを介して被探索者を追跡するために、被探索者の承認を必要とする。
【0089】
例えば、親がシステム8cを介して彼の子供の移動を追跡したい場合もある。親は、分析ユニット12cが被探索者コミュニケータデバイス11dを介して子供の移動を追跡し、加えて、指定した場合には、子供が所望の空間的範囲外を移動するようなことがあったら、彼の探索者コミュニケータデバイス11cを介して親に警告を出すように、子供の予定目的地を(所望の空間的範囲の有無にかかわらず)探索者コミュニケータデバイス11c(これが分析ユニット12c内に子供の予定目的地を入力する)に入力することができる。また、分析ユニット12cは、子供が地理的に参照される「優良区域」(すなわち学校等)または「劣悪区域」(すなわち飲酒バー等)内へ移動する場合に彼の探索者コミュニケータデバイス11cを介して親に警告を出すこともできる。
【0090】
加えて、ユーザは、友達の(「被探索者の」)位置を、例えばショッピングモールやフットボールスタジアム等の位置において上述したものと同じ方法で友達の被探索者コミュニケータデバイス11dを追跡することにより、追跡することができる。本実施形態では、所望の空間的範囲が指定されてもされなくてもよい。加えて、システム8cは、必要に応じて被探索者コミュニケータデバイス11dを介して被探索者を追跡するために、被探索者の承認を必要とすることができる。
【0091】
システム8、8a、8b、および8cの任意の態様は、「オペレーションズリサーチ」の遂行である。本明細書の用語「オペレーションズリサーチ」は、物体の地理的参照と物体の時間追跡の併用を意味する。本明細書の用語「地理的参照」は、X1、Y1座標(予想される位置または予想される経路)および/またはX1、Y1、Z1座標(予想される位置または予想される経路)に関連する物体の位置O1の決定を意味する。本明細書の用語「時間追跡」は、個人および/または物体の初期の出発時刻(Td)と個人および/または物体の予測および/または予想される到着時刻(Te)を意味する。オペレーションズリサーチは、本明細書に記載の本発明の実施形態のそれぞれ全てに適用可能である。
【0092】
オペレーションズリサーチは、例えば、携帯電話の商用サービス(すなわちフリート管理、資産配分、ならびに現地販売およびサービス)、エンターテインメントサービス(すなわちゲームサービス、個人の位置特定サービス、ならびに出会い系およびその他の「社交」サービス)、セキュリティサービス(すなわち子供探索者サービス、および携帯電話沿道支援)、情報サービス(すなわち注目地点識別、GPSナビゲーション支援、気象情報およびデータ、ならびに交通情報およびデータ)、またはオペレーションズリサーチの使用および適用が望まれるその他任意の分野等の様々な分野で利用することができる。
【0093】
例えば、自分の被探索者コミュニケータデバイス11dを持った子供が彼の家(X1,Y1)を午前8時(Td)に出て学校(X2,Y2)に午前8時30分(Te)に到着すると予測される。子供の親は、彼の探索者コミュニケータデバイス11cを介して、例えば(1)子供の被探索者コミュニケータデバイス11dを識別する固有の識別子コード、(2)子供の予定目的地(すなわち学校)(所望の空間的範囲の有無にかかわらず)、(3)子供の出発時刻(Td)および、(4)子供の推定到着時間(Te)を探索者コミュニケータデバイス11cに入力することにより、子供の位置(O1)を追跡する。次に、探索者コミュニケータデバイス11cは、分析ユニット12cが被探索者コミュニケータデバイス11dを介して子供の移動を追跡できるように、加えて、指定した場合に子供が所望の空間的範囲外を移動するようなことがあったら、彼の探索者コミュニケータデバイス11cを介して親に警告を出すように、および/または入力した子供の推定到着時間(Te)までに子供が学校に到着しないような場合には親に警告を出すように、および/または指定した場合に彼の予定目的地への子供の実際の到着時間(Ta)についておよび/または予想された位置および/または予想された経路からの子供の位置のずれについて親に警告を出すように、子供の被探索者コミュニケータデバイス11dを識別する固有の識別子コード、(2)子供の予定目的地(すなわち学校)(所望の空間的範囲の有無にかかわらず)、(3)子供の出発時刻(Td)および、(4)子供の推定到着時間(Te)を分析ユニット12cに入力する。また、上述のように、分析ユニット12cは、子供が地理的に参照される「優良区域」(すなわち学校等)または「劣悪区域」(すなわち飲酒バー等)内へ移動する場合に彼の探索者コミュニケータデバイス11cを介して親に警告を出すこともできる。
【0094】
別の実施形態では、分析ユニット12aが被雇用者コミュニケータデバイス11bを介して被雇用者の移動を追跡できるように、加えて、指定した場合に被雇用者が所望の空間的範囲外を移動するようなことがあったら彼の雇用者コミュニケータデバイス11aを介して雇用者に警告を出すことができるように、および/または入力した被雇用者の推定到着時間(Te)までに被雇用者が配送目的地に到着しないような場合には雇用者に警告を出すように、および/または指定した場合に彼の予定目的地への被雇用者の実際の到着時間(Ta)についておよび/または予想された位置および/または予想された経路からの被雇用者の位置のずれについて雇用者に警告を出すように、雇用者が雇用者コミュニケータデバイス11aを用いて被雇用者の予定目的地(すなわち配送目的地)(所望の空間的範囲の有無にかかわらず)、被雇用者の出発時刻(Td)および被雇用者の推定到着時刻(Te)を雇用者コミュニケータデバイス11a(これが被雇用者の予定目的地を分析ユニット12a内に入力する)に入力する。また、上述のように、分析ユニット12aは、被雇用者が地理的に参照される「優良区域」または「劣悪区域」内へ移動する場合に彼の雇用者コミュニケータデバイス11aを介して雇用者に警告を出すこともできる。
【0095】
米国特許第6,505,123号、米国特許第6,754,585号、米国特許第6,836,730号および2004年1月14日出願の米国特許出願第11/035,654号の内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
上記説明から、本発明が、目的を実行するように、ならびに本明細書に記載の利点および本発明に特有の利点を達成するようによく適合されていることが明らかである。本発明の現時点の好適な実施形態を開示の目的で説明してきたが、当業者に容易に示唆されかつ開示された本発明の思想の範囲内で達成される数多くの変更が可能であることが容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明に従って構成されたインタラクティブ気象アドバイザリシステムのブロック図である。
【図2】本発明のバージョンにより利用される空間的位置識別子および空間的範囲識別子を表す座標系である。
【図3】本発明に従って構成されたインタラクティブアドバイザリシステムのブロック図である。
【図4】本発明に従って構成されたインタラクティブ気象アドバイザリシステムのブロック図である。
【図5】本発明に従って構成されたインタラクティブアドバイザリシステムのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析ユニットから離れて位置する少なくとも1個人を追跡するためにコンピュータによって実行される方法であって、
被探索者コミュニケータデバイスから受信した当該被探索者コミュニケータデバイスに関連付けられたリアルタイム地理的参照またはリアルタイム時間追跡データを前記分析ユニットで分析し、
前記地理的参照または前記時間追跡データの少なくとも幾つかを探索者コミュニケータデバイスに送信し、あるいは、前記被探索者コミュニケータデバイスの実際の移動経路が前記予想される移動経路からそれた場合、または、前記被探索者コミュニケータデバイスが指定した空間範囲の外に位置する場合、または、前記被探索者コミュニケータデバイスが指定した到着時刻までに所定の位置に到着しない場合、または、前記被探索者コミュニケータデバイスが指定した到着時刻までに所定の位置に到着した場合、または、前記被探索者コミュニケータデバイスが指定した地理的参照区域に入ったあるいは存在する場合に、探索者コミュニケータデバイスに警告を送信する、方法。
【請求項2】
前記地理的参照および時間追跡データが、被探索者コミュニケータデバイスを識別する固有の識別コードを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記地理的参照および時間追跡データが、被探索者コミュニケータデバイスについての予定目的地を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記地理的参照および時間追跡データが、被探索者コミュニケータデバイスについての出発時刻を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記地理的参照および時間追跡データが、被探索者コミュニケータデバイスが予定目的地に到着する予測到着時刻を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記被探索者コミュニケータデバイスが、携帯電話および携帯情報端末からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記地理的参照および時間追跡データが、出発地と、予定目的地と、出発地および予定目的地間の予想される移動経路とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記指定された空間範囲は、距離である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの地理的参照区域が、前記被探索者コミュニケータデバイスが位置することが許可された区域あるいは許可されない区域であることを分類する情報を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記指定された地理的参照区域は、娯楽施設あるいは店である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
受信した地理的参照および時間追跡データを、予想される位置、予想移動経路、指定された空間範囲、予想到着時刻、指定した地理的参照区域の1つあるいは複数と比較するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
被探索者に関連するユーザプロファイルに、当該被探索者及び当該被探索者コミュニケータデバイスについての情報を格納することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
探索者に関連するユーザプロファイルに、当該探索者及び当該探索者コミュニケータデバイスについての情報を格納することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記探索者コミュニケータデバイスに、被探索者に関連するユーザプロファイルに格納された被探索者あるいは被探索者コミュニケータデバイスについての情報の少なくとも幾つかを送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記警告は、探索者コミュニケータデバイス上に表示可能なテキストメッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記分析及び前記送信は、前記分析ユニットで実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記指定された空間範囲、前記指定された到着時刻、あるいは、前記指定された地理的参照区域は、前記探索者コミュニケータデバイスから受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
放送ネットワークから離れて位置する少なくとも1個人を追跡するためのコンピュータシステムであって、当該システムは、
遠隔の被探索者コミュニケータデバイスに関連付けられたリアルタイム地理的参照あるいはリアルタイム時間追跡データを分析し、前記地理的参照または前記時間追跡データの少なくとも幾つかを遠隔の探索者コミュニケータデバイスに送信し、あるいは、前記被探索者コミュニケータデバイスの実際の移動経路が前記予想される移動経路からそれた場合、または、前記被探索者コミュニケータデバイスが指定した空間範囲の外に位置する場合、または、前記被探索者コミュニケータデバイスが指定した到着時刻までに所定の位置に到着しない場合、または、前記被探索者コミュニケータデバイスが指定した到着時刻までに所定の位置に到着した場合、または、前記被探索者コミュニケータデバイスが指定した地理的参照区域に入ったあるいは存在する場合に、前記探索者コミュニケータデバイスに警告を送信する、分析ユニットを備えている、コンピュータシステム。
【請求項19】
前記コンピュータシステムは、位置データベース、ユーザプロファイルデータベース、空間位置データベースの1つあるいは複数を備える、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
前記コンピュータシステムは、放送ネットワークを備え、
前記放送ネットワークは、ソフトウェアを備えた分析ユニットと、探索者コミュニケ―タデバイス、被探索者コミュニケ―タデバイスと、を備えている、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項21】
前記探索者コミュニケ―タデバイスは、コンピュータ、携帯電話、携帯情報端末のいずれかである、請求項18に記載のコンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−190463(P2012−190463A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83743(P2012−83743)
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【分割の表示】特願2008−551313(P2008−551313)の分割
【原出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(512085991)ロケーター アイピー,エルピー (1)
【Fターム(参考)】