説明

インテグリンのためのイメージング剤としてのクリック化学由来シクロペプチド誘導体

本願は、放射性標識環式ポリペプチド、放射性標識環式ポリペプチドを含む医薬組成物及び放射性標識環式ポリペプチドを使用する方法を対象とする。このようなポリペプチドは、陽電子放射断層撮影法(PET)又は単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)等の画像検査において使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、放射性標識環式ポリペプチド(シクロペプチド)、放射性標識環式ポリペプチドを含む医薬組成物及び放射性標識環式ポリペプチドを使用する方法を対象とする。本願は更に、放射性標識環式ポリペプチドを調製する方法を対象とする。このようなポリペプチドは、陽電子放射断層撮影法(PET)又は単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)等の画像検査において使用することができる。
【0002】
特に、この出願は、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3)をin vivoでイメージングするための放射性標識シクロペプチド類似体の調製及び使用を開示している。クリック化学を利用して、放射性標識を、Arg−Gly−Asp(RGD)断片を含有し、更にオリゴ−若しくはポリ−エチレングリコール(「PEG」)部分、極性アミノ酸部分、糖又はシクロヘキサンジオール若しくはポリオール等の糖疑似体等の親水性結合を有するシクロペプチドに結合する。本願に開示されている利点の1つは、実行しやすく、迅速で、精製しやすい放射性標識生成物を高い収率でもたらすクリック化学標識ステップである。様々なインテグリンに対する放射性標識シクロペプチド類似体の結合親和性は、細胞結合アッセイ又は表面プラズモン共鳴アッセイ等の生化学的in vitroアッセイを使用して決定されている。本願のクリック化学由来インテグリンリガンドは意外にも、生物学的ターゲットに対して高い結合親和性を示し、マウスにおいて非常に好ましい薬物動態行動(例えば、高い腫瘍取り込み及び主に腎臓経路を介しての迅速なクリアランス)を論証する。
【背景技術】
【0003】
PET及びSPECTを始めとするいくつかの医学的診断手順は、放射性標識化合物を利用する。PET及びSPECTは、非常に高感度な技術であり、少量のトレーサーと称される放射性標識化合物を必要とする。標識化合物はin vivoで、対応する非放射性化合物と全く同様に輸送され、蓄積され及び変換される。トレーサー又はプローブは、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I及び131I等のPETイメージングに有用な放射性核種で、又は99Tc、75Br、61Cu、153Gd、125I、131I及び32P等のSPECTイメージングに有用な放射性核種で放射性標識することができる。
【0004】
PETは、陽電子放射同位体を有する分子イメージングトレーサーの患者の組織内での分布に基づきイメージを作成する。PET法は、調べられる組織又は臓器内の細胞レベルで機能不全を検出するための可能性を有する。PETは、腫瘍及び転移のイメージング等のために臨床腫瘍学で使用されており、また、ある種の脳疾患を診断し、更に脳及び心臓機能をマッピングするために使用されている。同様に、SPECTは任意のガンマ線画像検査を補足するために使用することができ、ここでは、真の3D画像が、例えば、腫瘍、感染(白血球)、甲状腺又は骨のイメージングに役立ち得る。
【0005】
血管形成は、腫瘍成長及び転移の拡大において重大な役割を果たす。腫瘍血管形成は、血管形成成長因子に対する内皮細胞の走化性及び分裂誘起応答、細胞外マトリックスのタンパク質分解、並びにインテグリン受容体により仲介される細胞外マトリックスとの内皮細胞相互作用の変調を特徴とする、多段階プロセスである。これらのステップが、それぞれ、腫瘍血管形成及び転移の特徴を明らかにするための可能性のあるターゲットでありうる。インテグリンは、非共有結合的に結合したα及びβサブユニットからなる膜スパニング接着受容体のファミリーであり、これらのサブユニットは、結合して異なるリガンド認識特性を備えた様々なヘテロ二量体を形成する。数種のインテグリンは、様々な細胞外マトリックス会合接着性糖タンパク質中に存在するArg−Gly−Asp(「RGD」)アミノ酸配列を含有するポリペプチドドメインと相互作用することが判明している。細胞外マトリックスとの細胞接着に加えて、インテグリンは、また、細胞移動、増殖及び生存を制御する細胞内事象を仲介する。インテグリンファミリーの一員であるαvβ3インテグリンは、血管形成において重要な役割を果たす。これは、ビトロネクチン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、トロンビン及びトロンボスポンジン等の数種の細胞外マトリックスタンパク質と相互作用し、メタロプロテアーゼ、成長因子及びその受容体等の分子と協働する。その数多くの機能及び比較的限られた細胞分布により、αvβ3インテグリンは、診断及び治療的介入のための魅力的なターゲットである。加えて、ビトロネクチン、フィブリノーゲン及びトロンボスポンジン等の数種の細胞外マトリックスタンパク質がRGD配列を介してインテグリンと相互作用することを見出したことが、インテグリンをターゲットとするRGD配列を含有する合成直鎖及び環式ペプチドの開発に繋がっている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5及び特許文献6参照。
【0006】
また、αvβ3インテグリン発現の非侵襲性検査のためにRGDモチーフを含有する放射性標識ペプチドを使用し得ることが、多数のネズミ腫瘍モデルにおいて、論証されている。in vivoでのインテグリンαvβ3発現を可視化し定量するための非侵襲性方法の開発は、インテグリン拮抗作用に基づく抗血管形成治療の成功に緊密に関連していると思われる。インテグリン受容体レベルの正確な考証により、抗インテグリン治療方策の恩恵を最も受けるであろう患者の適切な選択が可能になる。イメージングも、また、受容体占有検査に基づき、治療に最適な用量及び時間経過を得るために使用することができる。加えて、インテグリン発現のイメージングは、抗インテグリン治療効力の評価並びに好ましい腫瘍標的化及びin vivo反応速度論を備えた新規治療薬物の開発のために使用される。
【0007】
Kessler及び協力者[非特許文献1]は、ペンタペプチドシクロ(−Arg−Gly−Asp−D−Phe−Val−)(「c(RGDfV)」)を開発したが、このものは、インテグリンαvβ3に対して高い親和性及び選択性を示した。今日まで、大抵のインテグリンαvβ3ターゲットPET検査は、その高い結合親和性(単量体及び多量体c(RGDfV)で、それぞれ、ナノモルからサブナノモル範囲)により、c(RGDfV)−ベースのアンタゴニストの放射性標識に焦点を合わせている。1990年代後期に、Haubnerら[非特許文献2]が、単量体ペプチドc(RGDyV)を125Iで標識した。このトレーサーにより、in vivoでの受容体特異的腫瘍取り込みが明らかになった。しかしながら、この標識ペプチドは、その高い親油性から生じる迅速な腫瘍洗出し及び好ましくない肝胆道系排出を示し、このことにより、その更なる適用が制限された。同様のRGDペプチドであるc(RGDyK)のリシン側鎖のグリコシル化は、親油性及び肝臓取り込みを低減させた[非特許文献3]。次いで、c(RGDfK)をベースとするグリコペプチド、[18F]ガラクト−RGDが合成された。
【0008】
【化1】

18F]ガラクト−RGD
【0009】
18F]ガラクト−RGDは、インテグリンαvβ3−特異的腫瘍取り込みをインテグリン陽性M21黒色腫異種移植モデルにおいて示すことが論証された[非特許文献4〜6、非特許文献19も参照]。更に、[18F]ガラクト−RGDは、A431ヒト扁上皮癌モデル(ここでは、腫瘍細胞がインテグリン陰性である。)を使用する腫瘍血管系から専ら生じるインテグリンαvβ3発現を可視化するために十分に高感度であった。健康なボランティア及び限られた数の癌患者での当初臨床実験により、このトレーサーは、患者に安全に投与することができ、インテグリン陽性である一定の病変を妥当な対比で描写しうることが明らかになった。[18F]ガラクト−RGDは、現在、血管形成のPETイメージングのための有望なインテグリンマーカーの一つである。単量体RGDペプチドトレーサーとして、これは、比較的低い腫瘍ターゲッティング効力を有し、このトレーサーの臨床使用は、その比較的低いインテグリン結合親和性、適度の腫瘍標準取り込み値及び好ましくない薬物動態行動により、厳しく制限される。従って、低いインテグリン発現レベルを有する腫瘍を検出することはできない。加えて、肝臓、腎臓、脾臓及び腸における顕著な放射能蓄積が、前臨床モデル及びヒト研究の両方で観察された。その結果、腹部の病変を可視化するのは困難であった。このトレーサーは、また、合成が非常に難しく、従って、その利用性は限られる。PEG(ポリ(エチレングリコール))との結合(「PEG化」)は、血漿安定性、免疫原性及び薬物動態を始めとするペプチド及びタンパク質の多くの特性を改善することが判明している。Chenら[非特許文献7〜9]は、RGD含有ペプチドを様々なサイズのPEG部分と結合させ、放射性ヨウ素化した、18F−及び64Cu−標識誘導体を合成した。PEG化により、薬物動態、腫瘍取り込み及びRGDペプチドの保持に対する効果が論証されたが、これらの効果は、元となる構造の性質及びPEG部分のサイズに強く依存しているようである。RGDモチーフを伴う、ペプチドの薬物動態行動並びに腫瘍取り込み及び保持パターンを改善するための追加の戦略には、親水性アミノ酸の導入及びRGDの多量体化が包含される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許発明第19725368号明細書
【特許文献2】米国特許第5849692号明細書
【特許文献3】米国特許第6169072号明細書
【特許文献4】米国特許第6566491号明細書
【特許文献5】米国特許第6610826号明細書
【特許文献6】国際公開第2005/111064号パンフレット
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Aumailley,M.;Gurrath,M.;Muller,G.;Calvete,J.;Timpl,R.;Kessler,H.、FEBS Lett.1991年、291、50〜54
【非特許文献2】Haubner,R.;Wester,H.J.;Reuning,U.;Senekowisch−Schmidtke,R.;Diefenbach,B.;Kesser,H.;Stocklin,G.;Schwaiger,M.、J.Nucl.Med.、1999年、40、1061〜1071
【非特許文献3】Haubner,R.;Wester,H.J.;Burkhart,F.;Senekowisch−Schmidtke,R.;Weber,W.;Goodman,S.L.;Kessler,H.;Schwaiger,M.、J.Nucl.Med.、2001年、42、326〜336
【非特許文献4】Haubner,R.;Weber,W.A.;Beer,A.J.;Vabuliene,E.;Reim,D.;Sarbia,M.;Becker,K.F.;Goebel,M.ら、PLoS Med.、2005年、2、e70
【非特許文献5】Haubner,R.;Wester,H.J.;Weber,W.A.;Mang,C;Ziegler,S.L;Goodman,S.L.;Senekowisch−Schmidtke,R.;Kessler,H.;Schwaiger,M.、Cancer Res.、2001年、61、1781〜1785
【非特許文献6】Haubner,R.;Kuhnast B,;Mang,C;Weber W.A.;Kessler,H.;Wester,H.J.;Schwaiger,M.、Bioconjug.Chem.、2004年、15、61〜69
【非特許文献7】Chen,X.;Park,R.;Shahinian,A.H.;Bading,J.R.;Conti,P.S.、Nucl.Med.Biol、2004年、37、11〜19
【非特許文献8】Chen,X.;Park,R.;Hou,Y.;Khankaldyyan,V.;Gonzales−Gomez,I.;Tohme,M.ら、Eur.J.NuI Med.Mol Imaging、2004年、31、1081〜1089
【非特許文献9】Chen,X.;Hou,Y.;Tohme,M.;Park,R.;Khankaldyyan,V.;Gonzales−Gomez,I.ら、J.Nul.Med.、2004年、45、1776〜1783
【非特許文献10】Kolb,H.C.;Finn,M.G.;Sharpless,K.B.Angewandte Chemie、International Edition 2001、40、2004〜2021
【非特許文献11】Kolb,H.C.;Sharpless,K.B.、Drug Discovery Today 2003、8、1128〜1137
【非特許文献12】Rostovtsev,V.V.;Green,L.G.;Fokin,V.V.;Sharpless,K.B.Angewandte Chemie、International Edition 2002、41、2596〜2599
【非特許文献13】Tornoe,C.W.;Christensen,C;Meldal,M.、Journal of Organic Chemistry 2002、67、3057〜3064
【非特許文献14】Wang,Q.;Chan,T.R.;Hilgraf,R.;Fokin,V.V.;Sharpless,K.B.;Finn,M.G.、Journal of the American Chemical Society 2003、125、3192〜3193
【非特許文献15】Lee,L.V.;Mitchell,M.L.;Huang,S.−J.;Fokin,V.V.;Sharpless,K.B.;Wong,C.−H.、Journal of the American Chemical Society 2003、125、9588〜9589
【非特許文献16】Lewis,W.G.;Green,L.G.;Grynszpan,F.;Radic,Z.;Carlier,P.R.;Taylor,P.;Finn,M.G.;Barry,K.、Angew.Chem.、Int.Ed 2002、41、1053〜1057
【非特許文献17】Manetsch,R.;Krasinski,A.;Radic,Z.;Raushel,J.;Taylor,P.;Sharpless,K.B.;Kolb,H.C.、Journal of the American Chemical Society 2004、126、12809〜12818
【非特許文献18】Mocharla,V.P.;Colasson,B.;Lee,L.V.;Roeper,S.;Sharpless,K.B.;Wong,C.−H.;Kolb,H.C.、Angew.Chem.Int.Ed.2005年、44、116〜120
【非特許文献19】Beer,A.J.ら、J.Nucl.Med.2006年、47、763〜769
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本出願人は、RGD含有トレーサーの多少の良好な例にも拘らず、いくつかの重要な難問が未解決のままであることに気付いた。第一に、トレーサーの薬物動態行動を改良する必要がある。グリコシル化により、多数のトレーサーの薬物動態行動がある程度改善されたが、肝臓、腎臓、脾臓及び腸における顕著な放射能蓄積が、前臨床モデル及びヒト研究の両方で、未だに観察され、このことが、腹部の病変の可視化を困難にしている。第二に、他者によって試験されたこの戦略の主な欠点は、放射性標識工程が非常に実施し難いことであり、このことが、改善された誘導体の探査及びこれらのイメージング剤の標準臨床バイオマーカーとしての使用を制限している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願は、腫瘍における血管成長(血管形成)をin vivoで検出するために開発された有効なイメージング剤を開示する。本願の標識シクロペプチドでは、RGD含有環式ペプチドは、懸垂アミノ酸側鎖上に極性残基を有し、これらの極性残基は、「クリック化学」結合を介して放射性核種を含有する部分(即ち、1,4−又は1,5−二置換1,2,3−トリアゾール)と結合している。これらのクリック化学由来化合物は、合成及び放射性標識とも容易である。この化合物は、インテグリンαvβ3に対する驚くべきほど高い結合親和性と、同じクラスに属する環式ポリペプチドと比較して、改善された薬物動態特性と示した。本願に開示されているイメージング剤は、in vivoでインテグリンをイメージングするためのマーカーとして使用される。より具体的には、本願は、ある種の癌における血管成長をin vivoで検出する手段及び癌治療の効力を監視するための手段を開示する。イメージング剤により、固形腫瘍における血管成長をin vivoでイメージングすることが可能になるので、個々の抗血管形成癌治療が可能になる。
【0014】
低い信号対雑音比の問題を解決するために、結合モチーフとしてRGD配列を使用する可能なインテグリンマーカーのライブラリが調製されている。クリック化学を使用して組立てられたライブラリを、インテグリンとの結合に関してスクリーニングした。高い結合親和性を示した化合物を、in vivoPETイメージングのために、陽電子放射同位体による放射性標識化のために又は適切なリンカー部分及び[l8F]フッ素等の放射性同位体との結合のために選択した。クリック化学を使用する本出願人のアプローチにより、PETトレーサー候補としての可能性のある多くの異なるインテグリンリガンドの迅速な合成及び試験が可能になった。
【0015】
本発明の実施側面並びにその様々な特徴及び有利な詳細を、添付図面に記載及び/又は図示し、以下の記載で詳述する非限定的実施側面及び実施例を参照しつつ、より十分に説明する。本明細書に明確に述べられていなくても、当業者であれば理解するであろうように、一実施側面の特徴を他の実施側面で使用することができることを特記する。本明細書で使用される例は、本発明を実施する方法の理解を容易にし、更に、当業者が本願の実施側面を実施することができるようにすることを意図しているにすぎない。従って、本明細書の実施例及び実施側面は、本願の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、本願の範囲は、添付の請求項によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】U87MG異種移植マウスモデルにおけるマイクロ−PETイメージングを使用した化合物7の時間経過イメージングである。
【図2A】U87MG異種移植マウスモデルにおける[18F]ガラクト−RGDの取り込みである。
【図2B】U87MG異種移植マウスモデルにおける化合物7の取り込みである。
【図3】A427異種移植マウスモデルにおけるマイクロ−PETイメージングを使用した化合物7の時間経過イメージングである。
【図4A】化合物7を静脈内投与した2時間後に集められた、A427異種移植マウスモデルにおける、横断イメージである。
【図4B】化合物7を静脈内投与した2時間後に集められた、A427異種移植マウスモデルにおける、コロナルイメージである。
【図5】U87MG異種移植マウスモデルにおけるマイクロ−PETイメージングを使用した化合物10の時間経過イメージングである。
【図6A】化合物10を静脈内投与した2時間後に集められた、U87MG異種移植マウスモデルにおける、横断イメージである。
【図6B】化合物10を静脈内投与した2時間後に集められた、U87MG異種移植マウスモデルにおける、コロナルイメージである。
【図7】A427異種移植マウスモデルにおけるマイクロ−PETイメージングを使用した化合物10の時間経過イメージングである。
【図8A】化合物10を静脈内投与した2時間後に集められた、A427異種移植マウスモデルにおける、横断イメージである。
【図8B】化合物10を静脈内投与した2時間後に集められた、A427異種移植マウスモデルにおける、コロナルイメージである。
【図9】化合物7についての、A427異種移植マウスモデルにおける腫瘍蓄積(%注入用量/g)対時間のグラフである。
【図10】化合物7についての、U87MG異種移植マウスモデルにおける腫瘍蓄積(%注入用量/g)対時間のグラフである。
【図11】A427異種移植マウスモデルにおける、化合物7の経時による腫瘍対組織(筋肉、腎臓又は胆嚢)取り込み比のグラフである。
【図12】U87MG異種移植マウスモデルにおける、化合物7の経時による腫瘍対筋肉取り込み比のグラフである。
【図13】A427異種移植マウスモデルにおける、化合物10の経時による腫瘍対組織取り込み比のグラフである。
【図14】U87MG異種移植マウスモデルにおける、化合物10の経時による腫瘍対筋肉取り込み比のグラフである。
【図15A】ラジオHPLCによる、マウスにおける化合物7の代謝安定性研究からのグラフである。
【図15B】マウスにおける化合物7の生体内分布研究からのグラフである。
【図16A】ラジオHPLCによる、マウスにおける化合物10の代謝安定性研究からのグラフである。
【図16B】マウスにおける化合物10の生体内分布研究からのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義:
本明細書中、別段で特に述べられていない限り、使用される用語の定義は、有機及びペプチド合成並びに薬学の分野で使用される標準的な定義である。
【0018】
「アルキル」基は、炭素原子の鎖を有する直鎖、分枝鎖、飽和又は不飽和の、脂肪族基であって、酸素、窒素又はイオウ原子が鎖中の炭素原子間に挿入されているか、又は酸素、窒素又はイオウ原子を示されているように有していてもよい。アルキル基は、置換されていてもよい。(C1〜C6)アルキルには、例えば、1〜6個の炭素原子の鎖を有するアルキル基が包含され、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1,3−ブタジエニル、ペンタ−1,3−ジエニル等の基が包含される。基又はリンカーの一部を形成する「C1〜C6アルキル」等のアルキル基は、二価のアルキル基であり、また、「アルキレン」基とも称されうる。同様に、二価基として示される構造中のアルケニル基、アルキニル基、アリール基等は、アルケニレニル、アルキニレニル、アリーレニル基とそれぞれ称されうる。
【0019】
例えば「アリールアルキル」と表される、アリール基等の他の基と共に述べられるアルキルは、(例えば、(C1〜C6)アルキルにおけるように)アルキル基中に示されている数の原子及び/又はアリール基を伴う直鎖、分枝鎖、飽和又は不飽和の脂肪族二価基であることが意図されているか、原子が示されていない場合には、アリール基及びアルキル基間の結合を意味している。このような基の非排他的例には、ベンジル、フェニルエチル等が包含される。
【0020】
「アルキレン」基又は「アルキレニル」基は、アルキル基中に示されている数の原子を伴う直鎖、分枝鎖、飽和又は不飽和の脂肪族二価基であり、例えば、−(C1〜C3)アルキレン−又は(C1〜C3)アルキレニル−である。
【0021】
「アルケニル」との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有する不飽和基を指し、直鎖、分枝鎖及び環式の基を包含する。アルケン基は置換されていてもよい。例示的な基には、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、1−プロペニル、2−プロペニル及びエテニルが包含される。
【0022】
「アルキニル」との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有する不飽和基を指し、直鎖、分枝鎖及び環式の基を包含する。アルキン基は、置換されていてもよい。例示的な基には、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−プロピニル、2−プロピニル及びエチニルが包含される。
【0023】
本明細書で使用される「炭素環」(又は炭素環状)との用語は、C3からC8の単環式の飽和、部分飽和又は芳香族環を指している。「−−−」と表される炭素環中の結合は、単結合及び二重結合のどちらであってもよい結合を示している。炭素環は、置換されていてもよい。炭素環の非排他的な例には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ベンジル、ナフテン、アントラセン、フェナントラセン、ビフェニル及びピレンが包含される。
【0024】
「複素環」は、環を形成する1個以上の原子が、N、O又はSであるヘテロ原子である炭素環基である。複素環は、飽和、部分飽和又は芳香族であってよい。「−−−」と表される複素環中の結合は、単結合及び二重結合のどちらであってもよい結合を示している。複素環は、置換されていてもよい。複素環基(又は複素環)の非排他的な例には、ピペリジル、4−モルホリル、4−ピペラジニル、ピロリジニル、1,4−ジアザペルヒドロエピニル、アセトニジル−4−オン、1,3−ジオキサニル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラニル等が包含される。
【0025】
「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」との用語には、二価酸素に結合している直鎖又は分枝鎖のアルキル基が包含される。アルキル基は、上記のとおりに定義される。このような置換基の例には、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシ等が包含される。「アルコキシアルキル」との用語は、1個以上のアルコキシ基で置換されているアルキル基を指している。アルコキシ基は、置換されていてもよい。「アリールオキシ」との用語は、フェニル−O−等の、酸素に結合しているアリール基を指している。
【0026】
「置換されていてもよい」又は「置換されている」との用語は、基中の1〜4個の水素原子が、アルキル、アリール、アルキレン−アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ペルハロアルコキシ、複素環、アジド、アミノ、グアニジノ、アミジノ、ハロ、アルキルチオ、オキソ、アシルアルキル、カルボキシエステル、カルボキシル、カルボキサミド、ニトロ、アシルオキシ、アミノアルキル、アルキルアミノアリール、アルキルアミノアルキル、アルコキシアリール、アリールアミノ、ホスホノ、スルホニル、カルボキサミドアリール、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、シアノ、アルコキシアルキル及びペルハロアルキルから独立に選択される1〜4個の置換基により、置換されていてもよい特定の基を指している。加えて、R2又はR3に関する「置換されていてもよい」又は「置換されている」との用語には、上記で定義されたとおりの置換基であって、更に陽電子又はガンマ線放出体を含有する1〜4個の置換基により置換されている基が包含される。このようなポジトロン放射体には、これらに限られないが、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pが包含される。
【0027】
本明細書で使用される場合、天然又は非天然のアミノ酸の「側鎖」との用語は、NH2CH(Q)CO2Hで例示されるような、アミノ酸式中の「Q」基を指している。
【0028】
本明細書で使用される場合、「極性アミノ酸部分」との用語は、極性の天然又は非天然のアミノ酸の側鎖Qを指している。極性天然アミノ酸には、これらに限られないが、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン及びリシンが包含される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「天然アミノ酸」は、天然由来のアミノ酸:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、システイン、プロリン、ヒスチジン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン及びリシンを指している。
【0030】
「非天然アミノ酸」との用語は、例えばD及びL形並びにα−及びβ−アミノ酸誘導体を始めとする、天然アミノ酸の任意の誘導体を指している。本明細書では非天然アミノ酸に分類される或る種のアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、が、ある種の生物又は特定のタンパク質内では、天然に見出されることがあることを特記する。以下の非天然のアミノ酸及びアミノ酸誘導体の非排他的例を、本願では使用することができる(括弧内は一般的な略語):β−アラニン(β−ALA)、γ−アミノ酪酸(GABA)、オルニチン、2−アミノ酪酸(2−Abu)、α,β−デヒドロ−2−アミノ酪酸(8−AU)、1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸(ACPC)、アミノイソ酪酸(Aib)、γ−カルボキシグルタミン酸、2−アミノ−チアゾリン−4−カルボン酸、5−アミノ吉草酸(5−Ava)、6−アミノヘキサン酸(6−Ahx)、8−アミノオクタン酸(8−Aoc)、11−アミノウンデカン酸(11−Aun)、12−アミノドデカン酸(12−Ado)、2−アミノ安息香酸(2−Abz)、3−アミノ安息香酸(3−Abz)、4−アミノ安息香酸(4−Abz)、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸(スタチン、Sta)、アミノオキシ酢酸(Aoa)、2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(ATC)、4−アミノ−5−シクロヘキシル−3−ヒドロキシペンタン酸(ACHPA)、パラ−アミノフェニルアラニン(4−NH2−Phe)、ビフェニルアラニン(Bip)、パラ−ブロモフェニルアラニン(4−Br−Phe)、オルト−クロロフェニルアラニン](2−Cl−Phe)、メタ−クロロフェニルアラニン(3−Cl−Phe)、パラ−クロロフェニルアラニン(4−Cl−Phe)、メタ−クロロチロシン(3−Cl−Tyr)、パラ−ベンゾイルフェニルアラニン(Bpa)、tert−ブチルグリシン(TLG)、シクロヘキシルアラニン(Cha)、シクロヘキシルグリシン(Chg)、2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr)、2,4−ジアミノ酪酸(Dbu)、3,4−ジクロロフェニルアラニン(3,4−Cl2−Phe)、3,4−ジフルオロフェニルアラニン(3,4−F2−Phe)、3,5−ジヨードチロシン(3,5−I2−Tyr)、オルト−フルオロフェニルアラニン(2−F−Phe)、メタ−フルオロフェニルアラニン(3−F−Phe)、パラ−フルオロフェニルアラニン(4−F−Phe)、メタ−フルオロチロシン(3−F−Tyr)、ホモセリン(Hse)、ホモフェニルアラニン(Hfe)、ホモチロシン(Htyr)、5−ヒドロキシトリプトファン(5−OH−Trp)、ヒドロキシプロリン(Hyp)、パラ−ヨードフェニルアラニン(4−I−Phe)、3−ヨードチロシン(3−I−Tyr)、インドリン−2−カルボン酸(Idc)、イソニペコチン酸(Inp)、メタ−メチルチロシン(3−Me−Tyr)、1−ナフチルアラニン(1−Nal)、2−ナフチルアラニン(2−Nal)、パラ−ニトロフェニルアラニン(4−NO2−Phe)、3−ニトロチロシン(3−NO2−Tyr)、ノルロイシン(Nle)、ノルバリン(Nva)、オルニチン(Orn)、オルト−ホスホチロシン(H2PO3−Tyr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸(Oic)、ペニシラミン(Pen)、ペンタフルオロフェニルアラニン(F5−Phe)、フェニルグリシン(Phg)、ピペコリン酸(Pip)、プロパルギルグリシン(Pra)、ピログルタミン酸(PGLU)、サルコシン(Sar)、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic)、チエニルアラニン及びチアゾリジン−4−カルボン酸(チオプロリン、Th)。加えて、N−アルキル化アミノ酸並びにアミンがアシル化又はアルキル化されているアミン含有側鎖を有するアミノ酸(Lys及びOrn等)を使用することができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「糖部分」は、糖部分の任意の原子を介して共有結合している酸化、還元又は置換されている糖モノラジカル又はジラジカルを指している。代表的な糖には、例えば、D−グルコース、D−マンノース、D−キシロース、D−ガラクトース、バンコサミン、3−デスメチル−バンコサミン、3−エピ−バンコサミン、4−エピ−バンコサミン、アコサミン、アクチノサミン、ダウノサミン、3−エピ−ダウノサミン、リストサミン、D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミン、D−グルクロン酸、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−D−ガラクトサミン、シアリル酸(sialyic acid)、イズロン酸、L−フコース等のヘキソース;D−リボース又はD−アラビノース等のペントース;D−リブロース又はD−フルクトース等のケトース;2−O−(α−L−バンコサミニル)−β−D−グルコピラノース、2−O−(3−デスメチル−α−L−バンコサミニル)−β−D−グルコピラノース、スクロース、ラクトース又はマルトース等の二糖;アセタール、アミン、アシル化糖、硫酸化糖及びホスホリル化糖等の誘導体;並びに2〜10個の糖単位を有するオリゴ糖が包含される。
【0032】
本明細書で使用される場合、例えば、下記で表わされ
【0033】
【化2】

【0034】
曲線
【0035】
【化3】

【0036】
を示すヘキソース構造は、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース等を始めとする任意の1種の天然糖の立体化学を有する構造並びにその非天然及び合成のヘキソース類似体及び誘導体を表わすことを意図されており、また、ある種の糖部分を包含する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「糖疑似体」は、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されている炭素環又は複素環を指している。このような炭素環基には、これらに限られないが、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン及びシクロブタンが包含され、このような複素環には、これらに限られないが、ピロリジン及びピペリジンが包含される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「PEG部分」は、酸化エチレンのポリマーであるポリ(エチレングリコール)の断片を指している。PEGは、式:
【0039】
【化4】

【0040】
を有し、ここで、m’は、1〜200、別法では1〜110又は10〜90の整数であり;m’は、また、50〜75の整数であってもよい。別法では、m’は、1〜50又は1〜15の整数であってもよい。
【0041】
本明細書で使用される「リンカー」は、1〜200個の原子を含む鎖を指し、C、−NR−、O、S、−S(O)−、−S(O)2−、CO、−C(NR)−、PEG部分等の原子又は基を含むことができ、ここで、Rは、Hであるか、それぞれ、置換又は非置換の、(C110)アルキル、(C38)シクロアルキル、アリール(C15)アルキル、ヘテロアリール(C15)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、(C110)アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシからなる群から選択される。リンカー鎖は、また、単環式(例えば、1,5−シクロヘキシレニル基、糖疑似体及び糖部分)、多環式及び複素芳香環(例えば、2,4−ピリジニル基等)を始めとする、飽和、不飽和又は芳香族環の一部を含んでよい。例えば「(C13)アルキル」の表示は、同じものを意味する「C1〜C3アルキル」と交換可能に使用される。本明細書で使用される場合、「リンカー」との用語は、環式ポリペプチド部とトリアゾール部分との結合を始めとする、−X−YR23等の相互結合部分を結合するために使用することができる。
【0042】
本明細書で使用される場合、リンカー等の二価基が、下記で示されるような構造:−A−B−により表される場合、これは、下記の2種の構造で示されるような、可能な配列のいずれでも結合することができる基を表わすことも、また、意図されている。
【0043】
【化5】

【0044】
は、以下であってもよい。
【0045】
【化6】

【0046】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる担体」との語句は、本願の組成物に包含されていてもよく、in vivo投与されても重大な不利な毒性作用を引き起こさない賦形剤を指している。
【0047】
本明細書で使用される場合、「患者」との用語は、マウス、イヌ、ヒト等の任意の温血動物を指している。
【0048】
本願の化合物は、遊離塩基又は薬学的に許容できるその酸付加塩の形態であってよい。「薬学的に許容できる塩」との用語は、アルカリ金属塩を形成するため、及び、遊離酸又は遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される塩である。塩の性質は、薬学的に許容できるならば、変動してよい。本方法で使用するための化合物の薬学的に許容できる適切な酸付加塩は、無機酸又は有機酸から調製することができる。このような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸及びリン酸である。適切な有機酸は、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸及びスルホン酸の群から選択することができ、その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルゲン酸、ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸及びガラクツロン酸である。本方法で使用される化合物の適切な薬学的に許容できる塩基付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から製造される金属塩又はN,NT−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン−(N−メチルグルカミン)及びプロカインから製造される有機塩が包含される。
【0049】
本発明の実施側面、側面及び変法
本願は、次の実施側面、側面及び変法を提供する。
本願の一側面は、式Iのシクロペプチドである。
【0050】
【化7】

【0051】
[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
7は、存在しないか、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2、R3及びR7は、全部がHであることはなく;
Xは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
Yは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
ここで、X及びYのうちの少なくとも1個(但し、X及びYの両方ではない)は、5又は6員の複素環であり;
wは、1、2、3、4又は5であり;
ここで、X、Y、R2、R3及びR7のうちのいずれか1個が、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなる。]
【0052】
本願の各実施態様及び側面の或る変法では、5員複素環は、本明細書に開示されている置換1,2,3−トリアゾリル基である。
【0053】
本明細書に開示されている任意の側面の一実施態様では、Yは、5又は6員の複素環であり;Xは、少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されている4〜6員の炭素環及び少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されている5〜6員の複素環からなる群から選択される糖疑似体を含むか又はグルコース及びガラクトースからなる群から選択される糖部分を含んでなるリンカーである。もう一つの実施態様では、Xは、ヒドロキシル化シクロヘキサニル基、ヒドロキシル化シクロペンタニル基、ヒドロキシル化ピロリジニル基及びヒドロキシル化ピペリジニル基からなる群から選択される糖疑似体を含んでなるリンカーである。更に他の実施態様では、Yは、5又は6員の複素環であり;Xは、
【0054】
【化8】

【0055】
からなる群から選択され、ここで、Zは、
【0056】
【化9】

【0057】
からなる群から選択され、
Wは、
【0058】
【化10】

【0059】
からなる群から選択され、
Aは、
【0060】
【化11】

【0061】
からなる群から選択され、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
各R6は、独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ及びアリール−アルキレン基は、それぞれ、置換されていてもよく;
各vは、それぞれ、0、1、2、3又は4であり;mは、0、1、2、3又は4であり;pは、1〜110の整数であり;qは、1、2、3又は4であり;rは、1、2又は3であり;r’は、0又は1であり;sは、1、2、3又は4であり;放射性核種は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択され;ここで、キラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよい。
【0062】
更に他の実施態様では、R1は、天然アミノ酸の側鎖であり;R7は存在せず;Xは、
【0063】
【化12】

【0064】
であり;Yは、1,2,3−トリアゾリルであり;R2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか、又はR2及びR3の両方が、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含んでなる。一変法では、Zは、
【0065】
【化13】

【0066】
であり、Aは、
【0067】
【化14】

【0068】
である。他の変法では、Zは、
【0069】
【化15】

【0070】
であり、Aは、
【0071】
【化16】

【0072】
である。更に他の変法では、Zは、
【0073】
【化17】

【0074】
であり、Aは、
【0075】
【化18】

【0076】
である。
【0077】
本願の一側面は、式IIのシクロペプチドである。
【0078】
【化19】

【0079】
[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
Wは、
【0080】
【化20】

【0081】
であり、
ここで、pは、0〜15の整数であり;vは、0、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく;R5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R5置換基を有するキラル中心の配置は、R若しくはS又はそれらの混合物であってよい]。
【0082】
更に他の実施態様では、Wは、
【0083】
【化21】

【0084】
である。
【0085】
任意の開示されている側面の一実施態様では、各R1は、ベンジルであり;R2は、Hであり;R3は、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含有する、置換されていてもよい、C1〜C6アルキルであり;Wは、
【0086】
【化22】

【0087】
であり、ここで、pは、0、1、2、3、4又は5である。
【0088】
本願の他の側面は、式IIIのシクロペプチドである。
【0089】
【化23】

【0090】
[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含有し;
Xは、ヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーである。]
【0091】
本明細書に開示されている任意の側面の一実施態様では、R1は、天然アミノ酸の側鎖であり;R2は、水素であり;R3は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択される放射性核種を含有する。他の実施態様では、R1は、ベンジルであり;R3は、11C、13N、15O、18F、124I、125I、131I及び75Brからなる群から選択される放射性核種を含んでなる。更に他の実施態様では、R1は、天然アミノ酸の側鎖であり;Xは、
【0092】
【化24】

【0093】
からなる群から選択され、ここで、R4は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
各R6は、独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ及びアリール−アルキレン基は、それぞれ、置換されていてもよく;
vは、0、1、2、3又は4であり;mは、0、1、2、3又は4であり;pは、1〜110の整数であり;qは、1、2、3又は4であり;rは、1、2又は3であり;r’は、0又は1であり;sは、1、2、3又は4であり;放射性核種は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択され;ここで、キラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよい。
【0094】
他の実施態様では、R2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方が、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;Xは、
【0095】
【化25】

【0096】
であり、ここで、R5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R5置換基を有するキラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよく;mは、0、1又は2である。
【0097】
更に他の実施態様では、R2は、水素であり;R3は、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル及びC2〜C4アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R3は、11C、13N、15O及び18Fからなる群から選択される放射性核種を含有し;R5は、水素であり;mは、0である。
【0098】
更なる実施態様では、R2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方が、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含有し;Xは、
【0099】
【化26】

【0100】
であり、ここで、R5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R5置換基を有するキラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよく;mは、0、1又は2であり;pは、1〜90の整数である。
【0101】
更に他の実施態様では、R2は、水素であり;R3は、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル及びC2〜C4アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R3は、11C、13N、15O及び18Fからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;R5は、水素であり;mは、0であり;pは、1〜15の整数である。
【0102】
本明細書に開示されている任意の側面の他の実施態様では、Xは、
【0103】
【化27】

【0104】
であり、ここで、各R6は、独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルキルオキシ、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキルオキシ基は、それぞれ、置換されていてもよく;qは、2、3又は4であり;rは、2又は3であり;r’は、0であり;sは、1又は2である。
【0105】
本願の更に他の実施態様では、Xは、
【0106】
【化28】

【0107】
であり、ここで、各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;vは、1、2、3又は4である。一変法では、各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよい。
【0108】
本願の一側面は、式IVの放射性標識シクロペプチドである。
【0109】
【化29】

【0110】
[式中、R5は、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、−(C1〜C6アルキレン)−アリール、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され;ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、
【0111】
【化30】

【0112】
結合に結合しているキラル中心は、R若しくはS又はその混合物であり;mは、0、1、2、3又は4であり;nは、1、2、3、4又は5である。]
【0113】
一実施態様では、R5は、H、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル及びC2〜C4アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、環式ペプチド中のキラル中心は、R配置であり、R5残基を有するキラル中心は、R若しくはS又はそれらの混合物であり;mは、0、1又は2であり;nは、1、2、3又は4である。他の実施態様では、R5は、−H及び置換されていてもよいC1〜C4アルキルからなる群から選択され;mは、0又は1であり;nは、2、3又は4である。
【0114】
本願の他の側面は、
【0115】
【化31】

【0116】
からなる群から選択される放射性標識シクロペプチドである。
【0117】
本願の更に他の側面は、式Iの放射性標識シクロペプチド及び薬学的に許容できる担体を含有してなる医薬組成物である。
【0118】
【化32】

【0119】
[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
7は、存在しないか、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2、R3及びR7は、全部がHであることはなく;
Xは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
Yは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
ここで、X及びYのうちの少なくとも1個(但し、X及びYの両方ではない)は、5又は6員の複素環であり;wは、1、2、3、4又は5であり;ここで、X、Y、R2、R3及びR7のうち、任意の1個が、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなる。]
【0120】
本願の更に他の側面は、式II又は式IIIの放射性標識シクロペプチド及び薬学的に許容できる担体を含有してなる医薬組成物である。
【0121】
【化33】

【0122】
[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
X及びWは、それぞれ、
【0123】
【化34】

【0124】
からなる群から選択され、
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、キラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよく;vは、0、1、2、3又は4であり;mは、0、1、2、3又は4であり;pは、1〜25の整数である。]
【0125】
本願の更に他の側面は、
【0126】
【化35】

【0127】
からなる群から選択される放射性標識シクロペプチド及び薬学的に許容できる担体を含有してなる医薬組成物である。
【0128】
本願の一側面は、患者体内のインテグリンαvβ3のレベルを監視し又はインテグリンαvβ3発現を可視化する方法であり、この方法は、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;及び(b)体内又はその一部における放射性標識シクロペプチドの分布を監視又は可視化するために、陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップを含有してなり、ここで、放射性標識シクロペプチドは、式Iを有する。
【0129】
【化36】

【0130】
[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
7は、存在しないか、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2、R3及びR7は、全部がHであることはなく;
Xは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
Yは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
ここで、X及びYのうちの少なくとも1個(但し、X及びYの両方ではない)は、5又は6員の複素環であり;wは、1、2、3、4又は5であり;ここで、X、Y、R2、R3及びR7のうち、任意の1個が、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなる。]
【0131】
本願の他の側面は、患者体内のインテグリンαvβ3のレベルを監視し又はインテグリンαvβ3発現を可視化する方法であり、この方法は、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;及び(b)体内又はその一部における放射性標識シクロペプチドの分布を監視又は可視化するために、陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップを含有してなり、ここで、放射性標識シクロペプチドは、式II又は式IIIを有する。
【0132】
【化37】

【0133】
[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
X及びWは、それぞれ、
【0134】
【化38】

【0135】
からなる群から選択され、
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、キラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよく;vは、0、1、2、3又は4であり;mは、0、1、2、3又は4であり;pは、1〜25の整数である。]
【0136】
本願の更に他の側面は、患者体内のインテグリンαvβ3のレベルを監視し又はインテグリンαvβ3発現を可視化する方法であり、この方法は、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;及び(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布を監視又は可視化するために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップを含有してなり、ここで、放射性標識シクロペプチドは、
【0137】
【化39】

【0138】
からなる群から選択される。
【0139】
本願の更に他の側面は、患者体内におけるインテグリンαvβ3の発現に基づき、固形腫瘍における血管成長をイメージングする方法であり、この方法は、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布をイメージングするために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップ;及び(c)放射性標識シクロペプチドの分布を、固形腫瘍における血管の成長に相関させるステップを含有してなり、ここで、前記放射性標識シクロペプチドは、式Iを有する。
【0140】
【化40】

【0141】
[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
7は、存在しないか、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2、R3及びR7は、全部がHであることはなく;
Xは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
Yは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
ここで、X及びYのうちの少なくとも1個(但し、X及びYの両方ではない)は、5又は6員の複素環であり;wは、1、2、3、4又は5であり;ここで、X、Y、R2、R3及びR7のうち、任意の1個が、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなる。]
【0142】
本願の更に他の側面は、患者体内でのインテグリンαvβ3の発現に基づき、固形腫瘍における血管成長をイメージングする方法であり、この方法は、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布をイメージングするために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップ;及び(c)放射性標識シクロペプチドの分布を固形腫瘍における血管の成長に相関させるステップを含有してなり、ここで、前記放射性標識シクロペプチドは、式II又は式IIIを有する。
【0143】
【化41】

【0144】
[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
X及びWは、それぞれ、
【0145】
【化42】

【0146】
からなる群から選択され、
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、キラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよく;vは、0、1、2、3又は4であり;mは、0、1、2、3又は4であり;pは、1〜25の整数である。]
【0147】
本願の更に他の側面は、患者体内でのインテグリンαvβ3の発現に基づき、固形腫瘍における血管成長をイメージングする方法であり、この方法は、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布をイメージングするために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップ;及び(c)放射性標識シクロペプチドの分布を固形腫瘍における血管の成長に相関させるステップを含有してなり、ここで、放射性標識シクロペプチドは、
【0148】
【化43】

【0149】
からなる群から選択される。
【0150】
本発明の一側面は、式Vの化合物である。
【0151】
【化44】

【0152】
[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;R2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなり;Wは、ヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される0個又は1個以上の部分を含んでなるリンカーであり;Jは、C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルケニル、−C1〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環及び天然アミノ酸からなる群から選択される部分を含んでなるリンカーであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、炭素環、複素環基は、それぞれ、置換されていてもよい]。一側面では、放射性核種は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択され;Wは、
【0153】
【化45】

【0154】
からなる群から選択され、ここで、R4は独立に、−H、−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、C3〜C7炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分であり、R5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;各R6は、独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ及びアリール−アルキレン基は、それぞれ、置換されていてもよく;pは、0〜15の整数であり;qは、1、2、3又は4であり;rは、1、2又は3であり;r’は、0又は1であり;sは、1、2、3又は4であり;mは、0、1、2、3、4又は5であり;ここで、任意のキラル中心の配置は、RであってもSであってよい。他の実施態様では、Jは、
【0155】
【化46】

【0156】
であり;放射性核種は、11C、13N、15O、18F、124I、125I、131I及び75Brからなる群から選択される。更に他の実施態様では、Jは、
【0157】
【化47】

【0158】
であり;放射性核種は、11C、13N、15O、18F、124I、125I、131I及び75Brからなる群から選択される。
【0159】
本発明の一側面は、式VIの化合物である。
【0160】
【化48】

【0161】
[式中、mは、0から4であり、nは、1〜5である]。一側面では、mは、0であり、nは、3である。
【0162】
本願の一側面は、任意の上述した化合物及び薬学的に許容できる担体を含有してなる医薬組成物である。本願の一側面では、本明細書に開示されている化合物を、陽電子放射断層撮影法(PET)又は単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)においてトレーサーとして使用することができる。
【0163】
本願の一側面は、患者体内でのインテグリン受容体のレベルを監視する方法であり、この方法は、(a)患者に上記で引用した任意の放射性標識シクロペプチドを投与するステップ、及び(b)体内又はその一部内での環式ポリペプチドの分布を監視するために、陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップを含有してなる。一実施態様では、インテグリン受容体は、αvβ3である。
【0164】
本願の他の側面は、患者体内でのインテグリン発現を可視化する方法であり、この方法は、(a)前記患者に、任意の上述の放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;及び(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布を可視化するために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップを含有してなる。一実施態様では、インテグリン受容体は、αvβ3である。
【0165】
本願の他の側面は、患者体内でのインテグリンαvβ3の発現に基づき、固形腫瘍における血管成長をイメージングする方法であり、この方法は、(a)前記患者に任意の上述の放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布をイメージングするために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップ;及び(c)放射性標識シクロペプチドの分布を固形腫瘍における血管の成長に相関させるステップを含有してなる。一実施態様では、インテグリン受容体は、αvβ3である。
【0166】
インテグリンαvβ3は、腫瘍成長及び血管形成の調節において重要な役割を果たす。患者内のαvβ3インテグリンレベルの非侵襲性可視化及び定量により、様々な応用が可能となる。このような応用の1つは、αvβ3アンタゴニストにより治療する前にαvβ3のレベルを決定することである。αvβ3発現が低い又はない患者は、αvβ3アンタゴニスト治療による利益を受けないかもしれず、別の治療を受けることができる。αvβ3陽性病変を伴う患者は、αvβ3インテグリンの阻害を評価するための本願化合物の使用に基づき最適化された治療を受けることができる。
【0167】
本願の化合物又はその誘導体の医薬組成物は、非経口投与のための液剤又は凍結乾燥粉剤として製剤することができる。粉剤は、使用に先立ち、適切な希釈剤又は他の薬学的に許容できる担体を添加することにより、再構成することができる。液体製剤は通常、緩衝された等張性水溶液である。適切な希釈剤の例は、通常の等張性食塩水、水中5%のデキストロース又は緩衝酢酸ナトリウム若しくはアンモニウム溶液である。このような製剤は、特に非経口投与に適しているが、経口投与のためにも使用することができる。ポリビニルピロリジノン、ゼラチン、ヒドロキシセルロース、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、マンニトール、塩化ナトリウム又はクエン酸ナトリウム等の賦形剤も、また、加えることができる。別法では、これらの化合物を、経口投与のためにカプセル封入し、錠剤化し、又はエマルション若しくはシロップに調製することができる。薬学的に許容できる固体又は液体担体を加えて、組成物を増強若しくは安定化するか、又は組成物の調製を容易にすることができる。液体担体には、シロップ、落花生油、オリーブ油、グリセリン、食塩水、アルコール又は水が包含される。固体担体には、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム、二水和物、石膏、ステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸、タルク、ペクチン、アラビアゴム、寒天又はゼラチンが包含される。
【0168】
担体は、また、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル等の持続放出物質を、単独で又はロウと共に、包含していてもよい。医薬品を、錠剤形態のためには、粉砕、混合、顆粒化及び必要な場合には、圧縮を含む;又は硬質ゼラチンカプセル形態のためには、粉砕、混合及び充填を含む慣用の調剤技術に従い、製造する。液体担体を使用する場合には、製剤は、シロップ、エリキシル、エマルション又は水性若しくは非水性懸濁液の形態であってよい。このような液体製剤を、そのまま経口で、又は軟質ゼラチンカプセルに充填して投与することができる。これらの投与方法それぞれに適した製剤は、例えばREMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY、A.Gennaro編、第20版、Lippincott、Williams & Wilkins、Philadelphia、Paで見ることができる。
【0169】
本願の医薬組成物は、無菌の注射可能な製剤の形態であってよい。非経口投与に適した製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び製剤を所定の受容者の血液と等張性にする溶質を含有していてもよい、水性及び非水性等張性無菌注射液;並びに、懸濁化剤及び増粘剤を含有してよい、水性及び非水性無菌懸濁液が包含される。
【実施例】
【0170】
本願で示される新規のシクロペプチド類似体は、クリック化学[非特許文献10〜18]を使用して調製される。本願において、クリック化学は、アルキルアジ化物及び末端アルキンから出発する1,4−又は1,5−二置換1,2,3−トリアゾールの迅速、選択的かつ特異的な形成を意味している。1個以上のトリアゾール部分が、環式ペプチド、親水性リンカー又は放射性標識タグに結合している。クリック化学は、高収率でモジュール式の手法であり、そうであるので、これらのシクロペプチド類似体の薬物動態特性は、容易に変更される。
【0171】
スキームIは、シクロヘキサンに基づくガラクトース疑似体を合成するための例示的反応スキームを説明している。1当量のm−クロロペルオキシ安息香酸を使用して、1,4−シクロヘキサジエンをモノエポキシ化する。緩衝塩化アンモニウム溶液中のアジ化ナトリウムを使用して、モノエポキシドを開環する。t−ブチルヒドロペルオキシドを触媒量のアセチルアセトン酸バナジルと共に使用して、残りのアルケンをエポキシ化して、エポキシドを形成する。アンモニアで第2エポキシドを開環すると、アジド、アミノ、ジヒドロキシル置換されたシクロヘキサン環が生じる。別法では、エポキシドを様々な求核性試薬で開環して、所望の官能基を導入することができる。この方法を、1個のリシンを含有する任意の環式RGDペプチドの標識に応用することができる。
【0172】
スキームI
【化49】

【0173】
スキームIIは、放射性核種のための繋ぎとしてトリアゾール環に開環糖部分を導入する、化合物合成の例示的反応スキームを示している。5−O−トリチル−D−リボフラノースに対するウィッティヒタイプ反応により、予測されたオレフィンが得られる。オレフィンを過剰のn−ブチルリチウムと反応させると、対応するアセチレン化合物が得られ、次いでこれを、アセチル基で保護する。トリチル基を除去し、生じたヒドロキシル基をトシル化すると、[18F]−標識前駆体が得られる。トシル化前駆体をフッ素化し、次いで、アセチル保護されているアジ化セリンと結合している環式RGD含有ペプチドと、クリック反応させると、最終生成物が得られる。
【0174】
スキームII
【化50】

【0175】
本願の環式RGDペプチド誘導体の1種、化合物7、の例示的調製をスキームIIIに示す。
【0176】
スキームIII
【化51】

【0177】
化合物7の合成:
化合物4の合成: 6−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−メチル)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(3)[非特許文献6](44.46mg、0.104mmol)をN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)に溶かし、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(12mg、0.104mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(19.9mg、0.104mmol)で、室温において、処理した。1時間攪拌した後に、c(RGDfK)(50mg、0.083mmol)のDMF(1mL)溶液及びN,N’−ジ−イソプロピルエチルアミン(DIPEA)(20μL、0.115mmol)を反応混合物に加え、6時間攪拌した。LCMSにより、全ての出発物質が消費されたことが示された。溶媒を高真空下に除去し、残渣を水(10mL)及びメタノール(2mL)に溶かした。濾過の後に、所望の生成物を半分取HPLCにより単離した。集めたフラクションを合一し、凍結乾燥して、化合物4(36mg、43%)が白色のフワフワとした粉末として得られた。MS(m/z)(ESI):1015.4[M+H]+
【0178】
化合物5の合成: 化合物4(36mg、0.035mmol)をDMF(5ml)中20%のピペリジンで室温において2時間処理した。高真空下に溶媒を除去した後に、残渣を水(5mL)に溶かした。濾過の後に、所望の生成物を半分取HPLCにより単離した。集めたフラクションを合一し、凍結乾燥して、化合物5(25mg、90%)を白色のフワフワとした粉末として得た。MS(m/z)(ESI):793.3[M+H]+、815.3[M+Na]+
【0179】
化合物6の合成: 2−アジド酢酸(80mg、0.039mmol、ジクロロメタン中、5w/w%)をDMF(1mL)に溶かし、NHS(4.49mg、0.039mmol)及びEDC(7.48mg、0.039mmol)で室温において処理した。1時間攪拌した後に、化合物5(25mg、0.032mmol)のDMF(1mL)溶液及びDIPEA(10μL、0.058mmol)を反応混合物に加え、3時間攪拌した。LCMSにより、全ての出発物質が消費されたことが示された。溶媒を高真空下に除去し、残渣を水(3mL)に溶かした。濾過の後に、所望の生成物を半分取HPLCにより単離した。集めたフラクションを合一し、凍結乾燥させると、化合物6(13mg、46%)が白色のフワフワとした粉末として得られた。MS(m/z)(ESI):876.1[M+H]+、898.1[M+Na]+
【0180】
化合物7の合成: 化合物6(1.5mg、1.71μmol)、5−フルオロペント−1−イン(25μL)、CH3OH(400μL)及びアスコルビン酸ナトリウム溶液(25μL、0.5M)を含有する小さいバイアルに、硫酸銅溶液(25μL、0.1M)を加えた。反応液を室温において2時間攪拌した。次いで、反応混合物を乾燥するまで濃縮し、水(3mL)に再び溶かした。濾過の後に、所望の生成物を半分取HPLCにより単離した。集めたフラクションを合一し、凍結乾燥して、化合物7(1.2mg、73%)を白色のフワフワとした粉末として得た。MS(m/z)(ESI):962.2[M+H]+、984.1[M+Na]+
【0181】
前駆体として対応するトシル化アルキンを使用して調製された[18F]フルオロアルキンを、シクロペプチドのアジド誘導体に、Cu(I)を触媒とする1,3−双極子付加環化によって、結合させると、所望の18F−標識生成物が良好な収率及び優れた放射化学的純度で得られる。スキームIV参照。
【0182】
スキームIV
【化52】

【0183】
典型的には、CH3CN中、110℃で、K222及びK2CO3の存在下に5分間、トシル酸1−ペンチニル(15mg)を18F標識するが、この間に同時に、材料を、2.3mgの化合物6、6mgのCuI、DMF200μL、CH3CN250μL、ジイソプロピルエチルアミン25μL、水250μL及びアスコルビン酸ナトリウム25mgを含有する冷却溶液へと蒸留する。反応液を室温において15〜60分間攪拌する。次いで、反応混合物を、精製のためにHPLC C18カラムに充填する。生成物を集めた後に、物質をC18充填により再構成し、EtOHで取り出し、水で希釈して、10%EtOH:水溶液を製造する。収率は約35mCiから約1mCiの間で変動する。
【0184】
本願の環式RGDペプチド誘導体の1種、化合物10、の他の例示的調製を、スキームVに示す。
【0185】
スキームV
【化53】

【0186】
化合物10の合成:
化合物9の合成: 化合物8(23mg、0.034mmol)のDMF(2mL)溶液に、c(RGDfK)(50mg、0.083mmol)を、続いてDIPEA(17μL、0.102mmol)を加えた。反応混合物を室温において12時間攪拌した。LC/MSにより、出発物質が消費されたことが示された。溶媒を高真空下に除去した後に、残渣を水(5mL)及びアセトニトリル(5mL)に溶かした。濾過の後に、所望の生成物を半分取HPLCにより単離した。集めたフラクションを合一し、凍結乾燥して、化合物9(18mg、32%)を白色のフワフワとした粉末として得た。MS(m/z)(ESI):1663.4[M+H]+
【0187】
化合物10の合成: 化合物9(3mg、1.8μmol)、5−フルオロペント−1−イン(25μL)、CH3OH(400μL)及びアスコルビン酸ナトリウム溶液(25μL、0.5M)を含有する小さいバイアルに、硫酸銅溶液(25μL、0.1M)を加えた。反応液を室温において2時間攪拌した。次いで、反応混合物を乾燥するまで濃縮し、水(3mL)に再び溶かした。濾過の後に、所望の生成物を半分取HPLCにより単離した。集めたフラクションを合一し、凍結乾燥して、未標識の化合物10(2mg、63%)を白色のフワフワとした粉末として得た。MS(m/z)(ESI):1749.3[M+H]+
【0188】
スキームIVと同様に、放射性標識化合物10を、[18F]−5−フルオロペント−1−インと化合物9との反応により調製した。HPLC C18精製カラムを使用して、生成物を反応混合物から単離した。材料をC18充填により再構成し、EtOHで取り出し、水で希釈して、10%EtOH:H2O溶液を製造した。収率は、約35mCiから約1mCiの間で変動した。
【0189】
化合物7のPET研究: U87MGヒト神経膠芽細胞腫又はA427ヒト肺癌腫の腫瘍異種移植片を有する麻酔マウスのin vivoマイクロPETイメージングを、化合物7を投与した後に行なった。in vivoマイクロPETイメージングは、化合物7が、良好な腫瘍取り込み及び保持並びに筋肉及び他の健康な組織からの迅速な洗出し速度を伴う非常に良好なトレーサーであることを示している。例えば、図1〜4参照。
【0190】
18F]ガラクト−RGD(インテグリンイメージングのための既知のトレーサー)のin vivoマイクロPETイメージングの比較により、化合物7は、U87MG異種移植マウスモデルにおいてより速い動態並びにより少ない肝臓及び胃腸取り込みを有することが論証される。例えば、図2参照。
【0191】
化合物10のPET研究: U87MGヒト神経膠芽細胞腫又はA427肺癌腫の腫瘍異種移植片を有する麻酔されたマウスのin vivoマイクロPETイメージングを、化合物10を投与した後に行なった。in vivoマイクロPETイメージングは、化合物10が、良好な腫瘍取り込み及び保持並びに筋肉及び他の健康な組織からの迅速な洗出し速度を伴う非常に良好なトレーサーであることを示している。例えば、図5〜8参照。
【0192】
化合物7の生体内分布研究: U87MGヒト神経膠芽細胞腫又はA427ヒト肺癌腫の腫瘍異種移植片を有するヌードマウスに、化合物7を静脈内注射した。動物を屠殺し、注射の一定時間後に解剖した。少なくとも血液、筋肉、胆嚢、肝臓及び腫瘍を切除し、秤量した。組織中の放射能を、ガンマカウンターを使用して測定した。結果を%ID/g(%注射用量/g)として表す。図9及び10参照。図11及び12の経時による腫瘍対組織取り込み比のグラフは、特に、化合物7が、A427異種移植マウスモデルで2時間後に3:1を超える腫瘍/筋肉比を、そして、U87MG異種移植マウスモデルで2時間後に5:1を超える腫瘍/筋肉比を示し、優れた腫瘍取り込みを示すことを、示している。
【0193】
化合物10の生体内分布研究: U87MGヒト神経膠芽細胞腫又はA427ヒト肺癌腫の腫瘍異種移植片を有するヌードマウスに、化合物10を静脈内注射した。動物を屠殺し、注射の一定時間後に解剖した。少なくとも血液、腎臓、肝臓及び尿を回収し、秤量した。組織中の放射能を、ガンマカウンターを使用して測定した。結果を、1分当たりの全臓器カウント/1分当たりの注射用量カウント×100%として表した。図17参照。図13及び14の経時による腫瘍対組織取り込み比のグラフは、化合物10が、A427異種移植マウスモデルで2時間後に3.5:1よりも高い腫瘍/筋肉比を、そして、U87MG異種移植マウスモデルで2時間後に2.5:1よりも高い腫瘍/筋肉比を示すことを示している。
【0194】
化合物7及び化合物10での代謝安定性研究: 対象の各トレーサー(放射性標識化合物)について、次のプロトコルを行なった:2匹のマウスにFloraneで麻酔をかけた。各マウスについて、食塩水200μLに溶解したトレーサー300μCiを尾静脈に注射した。出血を止めるために、注射部位に圧力を1分間掛けた。次いで、マウスを、床敷きのない清浄なケージ(マウス1匹/ケージ)に入れ、覚醒するまで観察した。放射性標識化合物7及び10の溶出時間を確認するために、トレーサー(2μL)及び対応する未標識化合物(「コールドスタンダード」)(水200μLに溶解)をラジオHPLCに同時注射した。いずれの場合でも、放射能探知器により決定されたトレーサーの保持時間は、UV検出器により決定されたコールドスタンダード化合物の保持時間と同一であった。注射後30分目又は60分目に、心臓穿刺により血液300〜500μLを抗凝血剤含有シリンジに抜き出した。次いで、血液を3分間遠心分離して、血漿を分離した。次いで、マウスを殺し、肝臓、胆嚢及び腎臓を採取し、溶解緩衝液2mLを含有する分離管に入れた。臓器を機械的に均質化した。次いで、各均質化物400μLを管に移し、クロロホルム/メタノール(50/50)混合物200μLで抽出し、ボルテックス処理した。30分又は60分の時点で全ての尿を各ケージから集め、また、水10mLを加えて、ケージ中の乾燥尿を洗った。溶液の1mLの標本を取り、管に移した。次いで、溶液の放射能を、ガンマカウンターを使用して測定した。溶解緩衝液及びクロロホルム/メタノール混合物も、また、秤量後、血漿及び尿試料に加えた(試料重量は、グラム表示である。)。全ての管をボルテックス処理し、ドライアイス中で凍らせた。管を3分間遠心分離した後に、上澄みを新しい管に移した。上澄み及び沈殿の放射能を同時にカウントして、全注射用量を計算した。試料のCPM(分当たりカウント)は、上澄み中及び沈殿中のCPMの合計である。従って、組織重量(グラム)当たりの注射用量のパーセンテージは、次の関数に従い計算することができる。
%注射用量/g組織=試料のCPM/試料重量(g)/(2μlCPM×100)
トレーサーの代謝産物がマウス身体に存在する場合、元々のトレーサーのパーセンテージ及び代謝産物のパーセンテージは、ラジオHPLCデータから計算することができる。
データは、各例で、少量の放射性代謝産物のみがマウス組織及び体液試料に存在したことを示している。従って、化合物7及び化合物10は、それぞれ、マウス身体で非常に安定である。例えば、図15及び16参照。
【0195】
それぞれ個別にその全体が参照により援用されるように、本明細書に挙げられている参考文献は全て、参照により援用される。本願の実施態様を記載する際、明快さのために、具体的な用語を使用している。しかしながら、本発明をそのように選択された具体的な用語に限定することは意図していない。本明細書中の何物も、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。示されている例は全て、代表であって、非限定的である。上記の実施態様は、上記教示を考慮すれば当業者には分かるように、本発明から逸脱することなく変更及び変動させることができる。従って、請求項及びその同等の範囲内であれば、特に記載されているものとは別に、本発明を実施することができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのシクロペプチド。
【化1】

[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
7は、存在しないか、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2、R3及びR7は、全部がHであることはなく;
Xは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
Yは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
ここで、X及びYのうちの少なくとも1個(但し、X及びYの両方ではない)は、5又は6員の複素環であり;
wは、1、2、3、4又は5であり;
ここで、X、Y、R2、R3及びR7のうち、任意の1個は、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなる。]
【請求項2】
Yが、5又は6員の複素環であり;Xが、少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されている4〜6員の炭素環及び少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されている5〜6員の複素環からなる群から選択される糖疑似体を含んでなるか又はグルコース及びガラクトースからなる群から選択される糖部分を含んでなるリンカーである、請求項1に記載のシクロペプチド。
【請求項3】
Yが、5又は6員の複素環であり;
Xが、
【化2】

からなる群から選択され、
ここで、Zは、
【化3】

からなる群から選択され、
Wは、
【化4】

からなる群から選択され、
Aは、
【化5】

からなる群から選択され、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
6は、それぞれ独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ及びアリール−アルキレン基は、それぞれ、置換されていてもよく;
各vは、0、1、2、3又は4であり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
pは、1〜110の整数であり;
qは、1、2、3又は4であり;
rは、1、2又は3であり;
r’は、0又は1であり;
sは、1、2、3又は4であり;
放射性核種は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択され;
ここで、キラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよい、請求項1に記載のシクロペプチド。
【請求項4】
1が天然アミノ酸の側鎖であり;
7が存在せず;
Xが、
【化6】

であり;
Yが1,2,3−トリアゾリルであり;
2及びR3が、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含んでなる、請求項3に記載のシクロペプチド。
【請求項5】
式IIのシクロペプチド。
【化7】

[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
Wは、
【化8】

であり、
ここで、pは、0〜15の整数であり;
vは、0、1、2又は3であり;
mは、0、1又は2であり;
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ置換されていてもよく、ここで、R5置換基を有するキラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよい。]
【請求項6】
各R1がベンジルであり;
2がHであり;
3が、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含んでなる、置換されていてもよいC1〜C6アルキルであり;
Wが、
【化9】

であり、
ここで、pは、0、1、2、3、4又は5である、請求項5に記載のシクロペプチド。
【請求項7】
式IIIのシクロペプチド。
【化10】

[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、置換されていてもよく;
ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
Xは、ヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーである。]
【請求項8】
1が天然アミノ酸の側鎖であり;R2が水素であり;R3が、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択される放射性核種を含んでなる、請求項7に記載のシクロペプチド。
【請求項9】
1がベンジルであり;R3が、11C、13N、15O、18F、124I、125I、131I及び75Brからなる群から選択される放射性核種を含んでなる、請求項8に記載のシクロペプチド。
【請求項10】
1が天然アミノ酸の側鎖であり;
Xが、
【化11】

からなる群から選択され、
ここで、各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
各R6は、独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ及びアリール−アルキレン基は、それぞれ、置換されていてもよく;
vは、0、1、2、3又は4であり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
pは、1〜110の整数であり;
qは、1、2、3又は4であり;
rは、1、2又は3であり;
r’は、0又は1であり;
sは、1、2、3又は4であり;
放射性核種が、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択され;
ここで、キラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよい、請求項7に記載のシクロペプチド。
【請求項11】
Xが、
【化12】

であり;
2及びR3が、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
5が、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R5置換基を有するキラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよく;
mが、0、1又は2である、請求項10に記載のシクロペプチド。
【請求項12】
2が水素であり;
3が、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル及びC2〜C4アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R3は、11C、13N、15O及び18Fからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
5が水素であり;
mが0である、請求項11に記載のシクロペプチド。
【請求項13】
2及びR3が、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、75Br、124I、125I及び131Iからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
Xが、
【化13】

であり;
ここで、R5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、ここで、R5置換基を有するキラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよく;
mは、0、1又は2であり;
pは、1〜90の整数である、請求項10に記載のシクロペプチド。
【請求項14】
2が水素であり;
3が、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル及びC2〜C4アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ、置換されていてもよく、R3は、11C、13N、15O及び18Fからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
5が水素であり;
mが0であり;
pが1〜15の整数である、請求項13に記載のシクロペプチド。
【請求項15】
Xが
【化14】

であり、
ここで、各R6は、独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルキルオキシ、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキルオキシ基は、それぞれ、置換されていてもよく;
qは、2、3又は4であり;
rは、2又は3であり;
r’は、0であり;
sは、1又は2である、請求項10に記載のシクロペプチド。
【請求項16】
Xが
【化15】

であり;
ここで、各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;vは、1、2、3又は4である、請求項10に記載のシクロペプチド。
【請求項17】
式IVの放射性標識シクロペプチド。
【化16】

[式中、
5は、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、−(C1〜C6アルキレン)−アリール、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され;ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
ここで、
【化17】

結合に結合しているキラル中心は、R若しくはS又はその混合物であり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
nは、1、2、3、4又は5である。]
【請求項18】
5が、H、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル及びC2〜C4アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、それぞれ置換されていてもよく;
ここで、環式ペプチド中のキラル中心は、R配置であり、R5残基を有するキラル中心は、R若しくはS又はその混合物であり;
mが、0、1又は2であり;
nが、1、2、3又は4である、請求項17に記載のシクロペプチド。
【請求項19】
5が、−H及び置換されていてもよいC1〜C4アルキルからなる群から選択され;
mが、0又は1であり;
nが、2、3又は4である、請求項18に記載のシクロペプチド。
【請求項20】
【化18】

からなる群から選択される放射性標識シクロペプチド。
【請求項21】
式Iの放射性標識されたシクロペプチド及び薬学的に許容できる担体を含有してなる医薬組成物。
【化19】

[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
7は、存在しないか、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2、R3及びR7は、全部がHであることはなく;
Xは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
Yは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
ここで、X及びYのうちの少なくとも1個(但し、X及びYの両方ではない)は、5又は6員の複素環であり;
wは、1、2、3、4又は5であり;
ここで、X、Y、R2、R3及びR7のうち、任意の1個は、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなる。]
【請求項22】
式II又は式IIIの放射性標識シクロペプチド及び薬学的に許容できる担体を含有してなる医薬組成物。
【化20】

[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
X及びWは、それぞれ、
【化21】

からなる群から選択され、
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
vは、0、1、2、3又は4であり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
pは、1〜25の整数であり;ここで、前記キラル中心の配置は、R若しくはS又はその混合物であってよい。]
【請求項23】
【化22】

からなる群から選択される放射性標識シクロペプチド及び薬学的に許容できる担体を含有してなる医薬組成物。
【請求項24】
患者体内のインテグリンαvβ3のレベルを監視し又はインテグリンαvβ3発現を可視化する方法であって、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;及び(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布を監視又は可視化するために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップを含有してなり;ここで、放射性標識シクロペプチドが、式Iを有するものである方法。
【化23】

[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
7は、存在しないか、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2、R3及びR7は、全部がHであることはなく;
Xは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
Yは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
ここで、X及びYのうちの少なくとも1個(但し、X及びYの両方ではない)は、5又は6員の複素環であり;
wは、1、2、3、4又は5であり;
ここで、X、Y、R2、R3及びR7のうち、任意の1個は、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなる。]
【請求項25】
患者体内のインテグリンαvβ3のレベルを監視し又はインテグリンαvβ3発現を可視化する方法であって、(a)前記患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;及び(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布を監視又は可視化するために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップを含有してなり;ここで、前記放射性標識シクロペプチドが、式II又は式IIIを有するものである方法。
【化24】

[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
X及びWは、それぞれ、
【化25】

からなる群から選択され、
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
ここで、キラル中心の配置は、R若しくはS又はそれらの混合物であってよく;
vは、0、1、2、3又は4であり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
pは、1〜25の整数である。]
【請求項26】
患者体内のインテグリンαvβ3のレベルを監視し又はインテグリンαvβ3発現を可視化する方法であって、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;及び(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布を監視又は可視化するために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップを含有してなり;ここで、放射性標識シクロペプチドが、
【化26】

からなる群から選択される方法。
【請求項27】
患者体内でのインテグリンαvβ3の発現に基づく固形腫瘍における血管成長をイメージングする方法であって、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布をイメージングするために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップ;及び(c)放射性標識シクロペプチドの分布を固形腫瘍における血管の成長に相関させるステップを含有してなり、ここで、放射性標識シクロペプチドが、式Iを有するものである方法。
【化27】

[式中、
1は、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
7は、存在しないか、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環及び3〜7員の複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキレン、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、R2、R3及びR7は、全部がHであることはなく;
Xは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
Yは、5若しくは6員の複素環、又はヒドロキシル、カルボニル、スルホンアミド、スルホネート、ホスフェート、極性アミノ酸部分、PEG部分、糖疑似体及び糖部分からなる群から選択される親水性部分を含んでなるリンカーであり;
ここで、X及びYのうちの少なくとも1個(但し、X及びYの両方ではない)は、5又は6員の複素環であり;
wは、1、2、3、4又は5であり;
ここで、X、Y、R2、R3及びR7のうち、任意の1個は、陽電子又はガンマ線放出体からなる群から選択される放射性核種を含んでなる。]
【請求項28】
患者体内でのインテグリンαvβ3の発現に基づく固形腫瘍における血管成長をイメージングする方法であって、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布をイメージングするために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップ;及び(c)放射性標識シクロペプチドの分布を固形腫瘍における血管の成長に相関させるステップを含有してなり、ここで、前記放射性標識シクロペプチドが、式II又は式IIIを有するものである方法。
【化28】

[式中、
各R1は、独立に、天然アミノ酸の側鎖及び非天然アミノ酸の側鎖からなる群から選択され、ここで、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸は、D又はL形であり;
2及びR3は、それぞれ独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、置換されていてもよく、ここで、R2及びR3は、両方共がHであることはなく;R2及びR3のいずれか一方又はR2及びR3の両方は、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gd及び32Pからなる群から選択される放射性核種を含んでなり;
X及びWは、それぞれ、
【化29】

からなる群から選択され、
各R4は、独立に、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6−アルキル及びPEG部分からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;
5は、−H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルオキシ、アリール、アリール−(C1〜C6アルキレン)−、3〜7員の炭素環、3〜7員の複素環、ヒドロキシ−C1〜C6−アルキル及びC1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、炭素環及び複素環基は、それぞれ、置換されていてもよく;ここで、前記キラル中心の配置は、R若しくはS又はそれらの混合物であってよく;
vは、0、1、2、3又は4であり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
pは、1〜25の整数である。]
【請求項29】
患者体内でのインテグリンαvβ3の発現に基づく固形腫瘍における血管成長をイメージングする方法であって、(a)患者に放射性標識シクロペプチドを投与するステップ;(b)体内又はその一部内での放射性標識シクロペプチドの分布をイメージングするために陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される核イメージング技術を使用するステップ;及び(c)放射性標識シクロペプチドの分布を固形腫瘍における血管の成長に相関させるステップを含有してなり、ここで、放射性標識シクロペプチドは、
【化30】

からなる群から選択される方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2010−503685(P2010−503685A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528334(P2009−528334)
【出願日】平成19年9月17日(2007.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/020175
【国際公開番号】WO2008/033561
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【Fターム(参考)】