説明

インテリア用制振板

【課題】 床面の歩行や隣室からの発生音を可及的に防禦することを可能にした床板や壁板の提供。
【解決手段】 肉厚寸法を凡そ10mmとなした板材の上面に対し、肉厚寸法を2mm〜3mm程度となした衝撃吸収材と、肉厚寸法を1mm〜2mm程度となした硬質板材とを、この順序に貼着し、且つその表面に突板やオレフィン樹脂フィルムなどの化粧シートを貼着したものとする。このさい、板材はホゾ及び又はホゾ溝加工が施されてなり、化粧シートをホゾの突端まで、或いはホゾ溝の内方まで到達させるように貼着させてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築内装材として、即ち専ら床板や壁板とする板材に関する。
【背景技術】
【0002】
現今、二世帯住宅などに於ける床板や壁板の使用では、防音や制振対策としてその肉厚を従来品とは大とするなどの工夫がなされるものとなっている。
【特許文献1】実開昭64−26450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は床面の歩行や隣室からの発生音を可及的に防禦することを可能とした床板や壁板に係る制振板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、肉厚寸法を凡そ10mmとなした板材の上面に対し、肉厚寸法を2mm〜3mm程度となした衝撃吸収材と、肉厚寸法を1mm〜2mm程度となした硬質板材とを、この順序に貼着し、且つその表面に突板やオレフィン樹脂フィルムなどの化粧シートを貼着したものとなすのであり、このさい板材にはホゾ及び又はホゾ溝加工を施したものとなし、上記化粧シートをホゾの突端まで、或いはホゾ溝の内方まで到達させるように貼着させるものとなす。
【0005】
このさい、板材としては専ら合板(MDFを含む)を使用するが、木材板や繊維ボード板などを使用しても良く、一方衝撃吸収材としてはウレタンフォーム、ポリオレフィン樹脂、ゴムコルク、布地などであり、他方硬質板材としてはポリプロピレン、塩ビやメラミンなどの樹脂シートを使用する。
【0006】
而して、本発明では上記に於ける化粧シートを板材のホゾの突端まで、或いはホゾ溝の内方まで到達させるように貼着させたものとなすのであり、また板材の裏面側には肉厚寸法を1mm〜3mmとなした衝撃吸収材を貼着させたりしたものとする。なお、本発明に係る制振板の全体的大きさはその巾寸法を140mm〜320mm、長さ寸法を1600mm〜2000mm程度となされるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明品は床材として、或いは壁材として使用することにより、例え幼児らが走ったり、飛んだりしても、或いは大声を出して騒いだりするようなことがあっても、良くその振動や騒音を吸収して周囲に放散させないものとなるのである。即ち、二階や隣室などに於ける人的振動や騒音は勿論のこと、物がぶつかったり、落下したりする時に生ずる振動や音などを含めて、効率良く防禦することのできるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明に係るインテリア用制振板の破断斜視図である。本図に於いて1は肉厚寸法を凡そ10mm程度となした合板であって1aはホゾ、1bはホゾ溝であり、該合板1上に対し肉厚寸法を2mm〜3mm程度となしたウレタンフォームや、ポリオレフィン樹脂或いは、ゴムやコルク材などからなる衝撃吸収材2を貼着する。而して、該衝撃吸収材2上には更に肉厚寸法を1mm〜2mm程度となしたポリプロピレン、塩ビやメラミン樹脂シートの硬質板材3を貼着させたものとなす。
【0009】
4は上記硬質板材3の表面に貼着させる突板やオレフィン樹脂フィルムなどの化粧シートであって、貼着にさいしては、該化粧シート4の片端は図示例の如くホゾ1aの突端まで到達するように、そして他端はホゾ溝1bの内方pまで到達するようになしてある。
【0010】
図2は他の実施例であって、上記実施例に於ける板材1の裏面側に対し、更に肉厚寸法1mm〜3mm程度となした衝撃吸収材2’を貼着させた例である。
【0011】
図3は上記に係る制振板を繋ぎ合わせた状態の斜視図であり、繋ぎ合わせには隣り合うホゾ1aとホゾ溝1bを相互に嵌入させて結合止着が図られるようにする。
【0012】
上記実施例はフロアー用としての使用例で巾寸法Sは専ら90mm、長さ寸法Lは1818mmとなしたものであるが、壁板材としての使用では巾寸法S’を320mm程度まで、そして長さ寸法L’は2000mm程度とする。
【0013】
本発明に於ける上記実施例で衝撃吸収材2の上面に対し、肉厚寸法を1mm〜2mm程度となした硬質板材3を貼着させるようにするのは、上面に貼着する化粧シート4が、板材1の巾方向の角部m,nでへたりを生じさせないようにするためであり、即ちこれは下方にウレタンフォームなどによる衝撃吸収材2が存在するため、これに対する一定の反射踏圧が得られるようにすること、及び上記角部m,n箇所に対するへたりが発生したりしないようにするためである。
【0014】
而して、本発明では化粧シート4の片端vは板材1のホゾ1a突端まで到達するように貼着させるのであり、そして他端wはホゾ溝1bの内方へまで入り込ませるように貼着するものとなすのであり、従来品に比べて隣接する化粧シート4各端部が夫々れホゾ溝内で結合止着されるものとなっていることから、突板端部の剥がれやめくれなど従来に於ける化粧シートに係る問題点が生じたりしないのであり、従って長期間に亘り傷みが生じ難く美観保持できるものとなる。
【0015】
上記で図2に示した実施例のものは専ら壁面材としての使用が好適である。これは裏面側の衝撃吸収材2’が遮音効果を呈するからである。他方例えば物がぶつかったり、落下したりした時などに生ずる振動や発生音は前側の衝撃吸収材2が吸収するものとなる。又、保湿性に優れるなどの効果も呈するものとなるのである。
なお、床材としての使用では足音や踏圧振動が短時間に収斂し、且つ音の発生源が可及的に防止されるものとなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本考案に係るインテリア用制振板の破断斜視図である。
【図2】他の実施例である。
【図3】上記制振板の繋ぎ合わせ状態斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1 板材
1a ホゾ
1b ホゾ溝
2,2’ 衝撃吸収材
3 硬質板材
4 化粧シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肉厚寸法を凡そ10mmとなした板材の上面に対し、肉厚寸法を2mm〜3mm程度となした衝撃吸収材と、肉厚寸法を1mm〜2mm程度となした硬質板材とを、この順序に貼着し、且つその表面に突板やオレフィン樹脂フィルムなどの化粧シートを貼着させたものとなしたことを特徴とするインテリア用制振板。
【請求項2】
板材はホゾ及び又はホゾ溝加工が施されてなり、化粧シートをホゾの突端まで、或いはホゾ溝の内方まで到達させるように貼着させたことを特徴とする請求項1記載のインテリア用制振板。
【請求項3】
板材の裏面に対し、肉厚寸法1mm〜3mmとなした衝撃吸収材を貼着させたことを特徴とする請求項1又は2記載のインテリア用制振板。
【請求項4】
板材の巾寸法を140mm〜320mm、長さ寸法を1600mm〜2000mmとなしたことを特徴とする請求項1,2又は3記載のインテリア用制振板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−2468(P2006−2468A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181256(P2004−181256)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(597169867)株式会社三協産業 (3)
【Fターム(参考)】