説明

インドール化合物の製造方法およびインドール化合物

【課題】触媒の使用量が少なく、穏やかな反応温度でインドール化合物を合成する方法を提供する。
【解決手段】ハロゲン化アニリン(特に、2−ヨードアニリン)と、β−ケトカルボン酸エステル類とを、銅触媒(ヨウ化第一銅など)と添加物(L−プロリン、エチレンジアミン、N−メチルグリシン、チオフェンカルボン酸、1,1’−ビ−2−ナフトールなど)の存在下で反応させ、下記一般式(III)で表されるインドール化合物を、穏やかな反応温度(室温ないし50℃)で製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なインドール化合物の製造方法およびインドール化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
インドール誘導体は、優れた生理活性を有し、医薬品、農薬、電子材料として、有用である。このようなインドール誘導体は、簡易なインドール化合物を合成原料として、合成される。したがって、簡易なインドール化合物の合成方法を開発することは重要である。簡易なインドール化合物の合成方法として、例えば、2−置換−3−インドールカルボン酸エステルの合成方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この方法では、触媒として、ヨウ化第一銅を用いる。
【非特許文献1】鈴木(Sizuki, S)、他2名、「2,3−二置換インドールの収束型ワンポット合成(AConvergent One−Pot Synthesis of 2,3−Disubstituted Indoles)」、シンセシス(Synthesis)、シーム ケミストリー(Thieme Chemistry)、ドイツ(Germany)、p.616−617、1984。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、非特許文献1に記載の方法では、2−ヨードアニリンに対して過剰のヨウ化第一銅(1.5当量)を用い、しかも反応温度が高い(120〜130℃)という問題がある。このため、触媒の使用量が少なく、穏やかな反応温度で反応させる方法の開発が望まれている。
【0004】
すなわち、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、触媒の使用量が少なく、穏やかな反応温度でインドール化合物を合成する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0006】
本発明のインドール化合物製造方法は、下記一般式(I)
【化1】



(式中、Hrはハロゲン原子を示し、Rは、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示し、nは、0から4の整数を示す。)
で表されるハロゲン化アニリンと、
下記一般式(II)
【化2】


(式中、Rは、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示し、Rは、電子吸引性基を示す。)
で表される化合物とを、触媒を用いて、下記一般式(III)
【化3】


(式中、R、R、Rは、前記と同様である。)
で表されるインドール化合物を製造するものである。
【0007】
前記ハロゲン化アニリンが2−ヨードアニリンであると好ましい。
【0008】
本発明のインドール化合物は、下記一般式(III)で表されるインドール化合物である。
【化4】


(式中、Rは、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示し、Rは、電子吸引性基を示し、Rは、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示す。)
【発明の効果】
【0009】
本発明は、触媒の使用量が少なく、穏やかな反応温度でインドール化合物を合成する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0011】
[ハロゲン化アニリン]
本発明において、化学式(I)
【化5】


で表されるハロゲン化アニリンにおいては、Hrは、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を示す。好ましいハロゲン原子は、ヨウ素である。また、Rは、置換されていてもよい例えばアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示す。nは、0〜4を示す。
【0012】
を構成するアルキル基としては、炭素数が1〜20の、より好ましくは1以上6以下の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が例示される。また、これらのアルキル基は、モノクロロメチル基、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル基などのように置換基を有していてもよい。置換基としては、特に制限はなく、例えばアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、水酸基などが挙げられる。
【0013】
を構成するシクロアルキル基としては、炭素数が3〜20の飽和脂環式炭化水素基が挙げられる。具体的には、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのシクロアルキル基が例示される。これらのシクロアルキル基においても、上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、水酸基などの置換基を有していてもよい。
【0014】
を構成する複素環基としては、炭素数が2〜20であり、炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環からなる基が挙げられる。具体的には、ピラン環、ピペリジン環、環状アミドからなる基が例示される。これらの複素環基においても、上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、水酸基などの置換基を有していてもよい。
【0015】
を構成するアルケニル基としては、炭素数が2〜20の不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的には、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基、ペンテニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基が例示される。また、4−メチル−3−ペンテニル基、4,8−ジメチル−3,7−ノナジエン基などのように、分岐を有していてもよい。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、水酸基などの置換基を有していてもよい。
【0016】
を構成するシクロアルケニル基としては、炭素数が2〜20の二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基が挙げられる。具体的には、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
【0017】
を構成するアルキニル基としては、炭素数が2〜20の三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的には、エチニル基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
【0018】
を構成するアルコキシ基としては、炭素数が2〜20のエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的には、メトキシ基などが例示される。脂肪族炭化水素基は、上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
【0019】
を構成するアルキルチオ基としては、上記アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。
【0020】
を構成するアリールエーテル基としては、炭素数が6〜40のエーテル結合を介した芳香族炭化水素基が挙げられる。具体的には、フェノキシ基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
【0021】
を構成するアリールチオエーテル基としては、上記アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。
【0022】
を構成するアリール基としては、炭素数が6〜40の芳香族炭化水素基が挙げられる。具体的には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
【0023】
を構成するヘテロアリール基としては、炭素数が2〜30である、炭素以外の原子を環内に有する芳香族基が挙げられる。具体的には、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、ピリジル基、キノリニル基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
【0024】
を構成するシアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。置換基としては例えば上記のようなアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などが挙げられる。
【0025】
[一般式(II)]
本発明において、化学式(II)
【化6】


においては、Rは、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示し、Rは、電子吸引性基を示す。Rとしては、具体的には、上記Rと同様である。
【0026】
電子吸引性基は、水素原子と比べて、結合原子側から電子を引き付けやすい置換基であれば、特に制限はない。具体的には、−COCH、−CO、−NH、−CF、−CCl、−NO、−CN、−CHO、−COH、−SOCH、−SOHなどの公知の電子吸引性基が挙げられる。
【0027】
[触媒]
本発明において使用する触媒は、銅触媒と、添加剤との混合触媒である。混合触媒を用いることで、銅触媒の使用量を減らし、穏やかな反応温度でインドール化合物を合成することができる。
【0028】
銅触媒は、公知の銅触媒を用いることができ、銅(0価)、銅(1価)、銅(2価)のいずれの状態のものであってもよい。例えば、ヨウ化第1銅のように、ハロゲン化しているものを用いてもよい。
【0029】
添加剤としては、置換基を有していてもよいアミノ酸、エチレンジアミンなどのジアミン、チオフェンカルボン酸、1,1’−ビ−2−ナフトール(以下、「BINOL」という)などを使用することができる。使用できるアミノ酸としては、特に制限はなく、公知のアミノ酸が使用できる。具体的には、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸のいずれでもよい。好ましいアミノ酸は、中性アミノ酸である。中性アミノ酸としては、例えばL−プロリンが例示できるが、これに限定されるものではない。さらに、N−メチルグリシンのように、置換基を有するアミノ酸であってもよい。また、複数のアミノ酸を使用してもよい。使用できるジアミンとしては、特に制限はなく、公知のジアミンが使用できる。具体的には、1,2−エチレンジアミンなどが挙げられる。
【0030】
銅触媒の使用量は、ハロゲン化アニリン1当量に対して、0.05〜0.6当量、好ましくは0.1〜0.5当量になるように加える。添加物は、銅触媒の2倍量になるように添加すればよい。
【0031】
[インドール化合物の製造]
本発明の下記化学式(III)で表されるインドール化合物は、例えば以下のようにして製造される。
【化7】

式中、R、R、Rは、上記と同様である。
【0032】
本発明では、反応容器に、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、トリエチルアミン、テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)などの塩基を入れて反応を行ってもよい。このような塩基を入れることで、生成するヨウ化水素等の酸性物質をトラップ(中和)できるとともに、カルボニル化合物をエノール化し、求核性を持たせることができる。塩基は、ハロゲン化アニリン1当量に対して、0.5〜5当量、好ましくは1〜4当量になるように加える。
【0033】
次に、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの有機溶媒を添加する。使用できる有機溶媒としては、DMSOに限られず、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、アセトニトリル、ジクロロエタンなどの公知の有機溶媒が挙げられる。
【0034】
上記溶液を室温〜70℃、好ましくは室温〜50℃に保ったものに、一般式(II)で表される化合物を滴下し、攪拌する。次に、この液に、ハロゲン化アニリン、ヨウ化第一銅、L−プロリン加えた後、反応容器を窒素雰囲気満たし、室温で5時間攪拌しながら反応させた。反応混合物を、飽和塩化アンモニウムで洗浄する。洗浄後の液を酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、有機層を得る。得られた有機層を、無水硫酸マグネシウムなどの乾燥剤を用いて乾燥させる。得られた有機層は、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィーにより目的物を分取する。展開溶媒の種類、混合比などは、得られるアミド化合物により異なる。また、クロマトグラフの回数は、1回に限らず、複数回行ってもよい。
【0035】
本発明のインドール化合物の製造方法を用いると、新規なインドール化合物を容易に製造できる。また、従来公知のインドール化合物であっても、温和な条件で、収率よく製造することができる。本発明のインドール化合物を合成原料とすると、種々のインドール誘導体を得ることができる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0037】
化合物の分析及び分離精製には以下の測定装置や試薬を用いて行った。
【0038】
赤外線吸収(IR)スペクトル:JASCO FT/IR−460 plus(特に明記しない限り、NaCl製溶液セルを用いて試料をクロロホルムに溶解させ測定した。吸収波長は、cm−1で示した。)
【0039】
核磁気共鳴(NMR)スペクトル:日本電子 JMTC−400/54/SS 400MHz (特に明記しない限り、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。また、文中のケミカルシフトはδ値で示した。)
【0040】
融点測定装置:BUCHI Melting point B−545(各実施例における融点は無補正値である。)
【0041】
高速原子衝撃質量分析(Fast Atom Bombardment Mass Spectrometry:FAB−MS)、高分解能マススペクトル−高速原子衝撃(High resolution mass spectrometer−Fast Atom Bombardment(HRMS−FAB):JEOL JMS−700 spectrometer
【0042】
カラムクロマトグラフィー用シリカゲル:BW−200(富士シリシア製)
【0043】
薄層クロマトグラフィー(TLC):MACHEREY−NAGEL DC−Fertigplatten SIL G−25 UV254プレート
TLC展開後、次の試薬及び発色方法を用いて化合物を確認した。また、各実施例において使用した発色方法は、以下の記号で表示したものを用いた。
UV:UV吸収
:ヨウ素発色
A:アニスアルデヒド発色
M:リンモリブデン酸発色
V:硫酸バニリン発色
【0044】
[実施例1]
(2−クロロメチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルエステルの合成)
10mLのナス型フラスコに、水素化ナトリウム(80wt%、18mg、0.46mmol)を入れ、ジメチルスルホキシド(DMSO)(1mL)を添加した。上記溶液を室温に保ったものに、一般式(II)で表される化合物として3−オキソ−4−クロロブタン酸メチル(0.2g、1.33mmol)を滴下し、攪拌する。次に、この液に、2−ヨードアニリン(0.29g、1.32mmol)、ヨウ化第一銅(44mg、0.23mmol)、L−プロリン(65.5mg、0.23mmol)加えた後、反応容器を窒素雰囲気満たし、室温で5時間攪拌しながら反応させた。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム(5mL)で洗浄した。洗浄後の液を酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、有機層を得た。得られた有機層を、無水硫酸マグネシウムなどの乾燥剤を用いて乾燥させた。得られた有機層は、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより、下記一般式に示す2−クロロメチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(38mg)を分取した(収率23%)。
【化8】

【0045】
[実施例2]
(2−ナフタレン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチルの合成)
一般式(II)で表される化合物として3−ナフタレン−2−イル−3−オキソプロパン酸エチル(0.1599g,0.66mmol)を用い、2−ヨードアニリン(0.14g、0.64mmol)、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−ナフタレン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチル(26mg)を分取した(収率26%)。
TLC:Rf=0.5(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V)
IR(NaCl):νmax=3007,1677,1521,1451,1309,1263,1218,1147,669
H−NMR(CDCl):1.29(3H,t,J=7.1Hz),4.30(2H,q,J=7.1Hz),7.15(1H,t,J=7.3Hz),7.25−7.29(2H,m),7.31−7.38(2H,m),7.53−7.62(2H,m),7.86−7.90(2H,m),8.06(1H,d,J=2.0Hz),8.25(1H,d,J=3.9),9.90(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):14.1,61.9,111.0,117.8,123.7,124.0,124.2,125,4,126.7,127.4,127.7,127.8,128.2,128.4,128.5,128.6,129.2,129.4,130.9,131.3,152.7

【化9】

【0046】
[実施例2’]
(2−ナフタレン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチルの合成)
10mLのナス型フラスコに3−ナフタレン−2−イル−3−オキソプロパン酸エチル(0.1599g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、褐色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、茶色油状物の上記一般式で表される2−ナフタレン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチル(0.1504g,収率:80%)を得た。
【0047】
[実施例3]
(2−t−ブチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルエステルの合成)
一般式(II)で表される化合物としてピバロイル酢酸メチル(0.1g、0.63mmol)を用い、2−ヨードアニリン(0.21g、0.96mmol)、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−t−ブチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(49mg)を分取した(収率33%)。
TLC:Rf=0.4(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V,A)
IR(NaCl):νmax=3000,1692,1441,1271,1169,1057,763,714,651,534
H−NMR(CDCl):1.35(9H,s),3.72(3H,s),7.09(1H,dt,J=1.2,7.6Hz),7.20(1H,dd,J=1.2,7.6Hz),7.30(1H,dt,J=1.5,8.0Hz),7.83(1H,d,J=7.6Hz),8.84(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):27.5(3×CH),38.5,52.5,115.0,125.0,125.1,125.7,128.2,129.1,130.6,136.8,173.0

【化10】

【0048】
[実施例3’]
(2−t−ブチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルエステルの合成)
10mLナス型フラスコにピバロイル酢酸メチル(0.1044g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、黄色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、黄色油状物である上記一般式に示す2−t−ブチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(0.0184g,収率:13%)を得た。
【0049】
[実施例4]
(2−フラン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチルの合成)
一般式(II)で表される化合物として3−フラン−2−イル−3−オキソプロパン酸エチル(0.05g、0.27mmol)を用い、2−ヨードアニリン(0.09g、0.41mmol)、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−フラン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチル(37mg)を分取した(収率35%)。
TLC:Rf=0.5(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V)
IR(NaCl):νmax=3019,1737,1681,1466,1420,1322,1278,1222,1155,1136,1021,773−750
H−NMR(CDCl):1.49(3H,t,J=7.2Hz),4.45(2H,q,J=7.1Hz),6.54−6.57(2H,m),7.36−7.49(2H,m),8.18(1H,t,J=1.7Hz),9.37(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):14.0,61.5,110.9,112.6,112.7,114.5,118.3,121.9,122.3,123.4,134.8,142.6,147.0,151.9,167.0

【化11】

【0050】
[実施例4’]
(2−フラン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチルの合成)
10mLナス型フラスコに3−フラン−2−イル−3−オキソプロパン酸エチル(0.1202g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、褐色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、黄褐色色油状物である下記一般式に示す2−フラン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチル(0.1461g,収率:95%)を得た。
【0051】
[実施例5]
(2−チオフェン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチルエステルの合成)
一般式(II)で表される化合物としてチオフェン−2−イル−3−オキソプロパン酸エチルを用い、2−ヨードアニリン、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−チオフェン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチルを分取した(収率46%)。
TLC:Rf=0.5(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V)
m.p.:168.8℃(decomp)
IR(NaCl):νmax=3529,3004,1610,1511,1178,1151,1047,821,719,661
H−NMR(CDCl):1.30(3H,t,J=7.0Hz),4.21(2H,q,J=7.1Hz),6.75−6.84(2H,m),7.56(1H,dd,J=3.9,1.0Hz),7.68−7.76(2H,m),7.79(2H,d,J=0.1Hz),8.01(1H,d,0.2Hz),9.79(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):14.1,111.0,117.8,123.9,124.2,127.4,128.4,129.4,131.3,133.4

【化12】

【0052】
[実施例5’]
(2−チオフェン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチルエステルの合成)
10mLナス型フラスコにチオフェン−2−イル−3−オキソプロパン酸エチル(0.1308g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、黄色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、淡黄色結晶である上記一般式に示す2−チオフェン−2−イル−1H−インドール−3−カルボン酸エチル(0.0108g,収率:7%)を得た。
【0053】
[実施例6]
(2−(2−ブロモフェニル)−1H−インドール−3−カルボン酸エチルの合成)
一般式(II)で表される化合物として3−(2−ブロモフェニル)−3−オキソプロパン酸エチルを用い、2−ヨードアニリン、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−(2−ブロモフェニル)−1H−インドール−3−カルボン酸エチルを分取した(収率9%)。

【化13】

【0054】
[実施例7]
(2−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
一般式(II)で表される化合物として5−ヒドロキシ−5−フェニル−3−オキソペンタン酸メチル(0.06g、0.27mmol)を用い、2−ヨードアニリン(0.09g、0.41mmol)、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(33mg)を分取した(収率42%)。
13H−NMR(67.5MHz、CDCl):δ=36.9, 51.0,
73.9, 104.6, 110.9, 121.4, 121.6, 122.5, 125.5, 126.5, 127.7, 128.5, 134.7, 143,7,
145.0
【化14】

【0055】
[実施例8]
(2−(2−ベンジルオキシ−エチル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
一般式(II)で表される化合物として5−ベンジルオキシ−3−オキソペンタン酸メチル(0.06g、0.25mmol)を用い、2−ヨードアニリン(0.09g、0.41mmol)、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−(2−ベンジルオキシ−エチル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(8mg)を分取した。

【化15】

【0056】
[実施例9]
(2−(4,8−ジメチル−ノナ−3,7−ジエニル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
一般式(II)で表される化合物として7,11−ジメチル−3−オキソ−6,10−ドデカジエン酸メチル(0.46g、1.83mmol)を用い、2−ヨードアニリン(0.2g、0.91mmol)、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−(4,8−ジメチル−ノナ−3,7−ジエニル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(52mg)を分取した(収率17%)。
13H−NMR(67.5MHz、CDCl):δ=15.9, 17.7,
25.7, 26.5, 27.4, 27.9, 39.6, 50.7, 103.8, 110.6, 121.4, 121.6, 122.3, 122.9, 124.1,
127.1, 131.7, 134.5, 137.2, 148.2, 116.4

【化16】

【0057】
[実施例10]
(2−(3−ブテニル)−1H-インド−ル−3−カルボン酸メチルの合成)
一般式(II)で表される化合物として3−オキソ−6−ヘプテン酸メチル(0.059g、0.38mmol)を用い、2−ヨードアニリン(0.055g、0.25mmol)、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−(3−ブテニル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(13mg)を分取した(収率22%)。
13H−NMR(67.5MHz、CDCl):δ=27.3,33.0,50.8,104.4,110.7,116.0,121.4,121.7,122.4,127.0,134.4,137.3,147.7,166.3;
FAB MS:m/z(%) 229(M).
HRMS−FAB:m/z [M+H] calcd for C14H15O2N:229.1269;found:229.1186.

【化17】

【0058】
[実施例11]
(2−(4−メチル−ペント−3−エニル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
一般式(II)で表される化合物として7−メチル−3−オキソ−6−オクテン酸メチル(ご確認ください)(0.92g、5.00mmol)を用い、2−ヨードアニリン(0.055g、0.25mmol)、を用いた以外は、実施例1と同様にし、下記一般式に示す2−(4−メチル−ペント−3−エニル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(32mg)を分取した(収率49%)。
IR(NaCl):νmax=3305,2925,1669,1457,1201,1084,749.
H−NMR(CDCl):1.55(3H,s),1.61(3H,s),2.42(2H,q,J=7.3Hz),3.18(2H,t,J=7.3Hz),3.93(3H,s),5.16−5.22(1H,m),7.16−7.25(2H,m),7.28−7.32(1H,m),8.10−8.14(1H,m),8.69(1H,s).
13C−NMR(CDCl):17.6,25.7,27.5,28.0,50.7,103.8,110.6,121.3,121.6,122.3,122.9,127.1,133.5,134.5,148.2,166.4.
FAB−MS m/z (%):258(MH,72),227(M−OMe,30),188(M−C,100).
HRMS (FAB) m/z (MH+):calcd for C1620NO,258.1494;found,258.1438.
【化18】

【0059】
[実施例12]
(2−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸エチルの合成)
10mLのナスフラスコに、水素化ナトリウム(60wt%、18mg、0.46mmol)を入れ、ジメチルスルホキシド(DMSO)(1mL)を添加した。上記溶液を室温に保ったものに、一般式(II)で表される化合物としてアセト酢酸メチル(0.2g、0.14mmol)を滴下し、攪拌する。次に、この液に、2−ヨードアニリン(0.29g、0.13mmol)、ヨウ化第一銅(44mg、0.23mmol)、L−プロリン(65.5mg、0.23mmol)加えた後、反応容器を窒素雰囲気満たし、室温で5時間攪拌しながら反応させた。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム(5mL)で洗浄した。洗浄後の液を酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、有機層を得た。得られた有機層を、無水硫酸マグネシウムなどの乾燥剤を用いて乾燥させた。得られた有機層は、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより、下記一般式に示す2−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸エチル(38mg)を分取した。収率は77%であり、文献収率(60%)より高収率であった。

【化19】

【0060】
[実施例12]
(2−エチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
10mLのナスフラスコに、プロピオニル酢酸メチル(0.0859g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、黄色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、黄色油状物である下記一般式で表される2−エチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(0.0719g,収率:60%)を得た。
TLC:Rf=0.5(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V)
IR(NaCl):νmax=3006,1683,1455,1198,1054,787−773
H−NMR(CDCl):1.31(3H,t,J=7.56Hz),3.16(2H,q,J=7.56Hz),3.92(3H,s),7.13−7.38(4H,m),9.00(br s)
13C−NMR(CDCl):13.3,21.2,50.7,103.2,110.7,121.2,121.6,122.2,127.1,134.5,166.5

【化20】

【0061】
[実施例13]
(2−イソプロピル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
10mLのナスフラスコに、4−メチル−3−オキソペンタン酸メチル(0.0952g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、黄色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、黄色結晶である下記一般式で表される2−イソプロピル−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(0.0812g,収率:62%)を得た。
TLC:Rf=0.6(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V)
m.p.:104.3℃
IR(NaCl):νmax=3464,1685,1454,1209,1075,772−742
H−NMR(CDCl):1.36(6H,d,J=6.8Hz),3.9(3H,s),7.16−7.25(2H,m),7.36(1H,dd,J=0.02,0.01),8.11(1H,d,J=0.01Hz),9.15(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):21.7,26.3,50.7,102.5,110.9,121.4,121.5,122.1,127.0,134.5,153.8,166.4

【化21】

【0062】
[実施例13]
(2−ノニル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
10mLのナスフラスコに、3−オキソ−ラウリン酸メチル(0.1507g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、橙色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、茶色油状物である2−ノニル−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(0.1157g,収率:64%)を得た。
TLC:Rf=0.3(Hexane:EtOAc=5:1,UV,V)
IR(NaCl):νmax=2928,2859,1743,1715,1609,1452,1265,1222,1166,773−747
H−NMR(CDCl):0.87,(3H,t,J=4.4Hz),1.31(10H,t,J=8.6Hz),1.59(2H,t,J=7.2Hz),2.52(2H,t,J=7.4Hz),3.74(3H,s),6.75(1H,d,J=1.5Hz),7.18(1H,dd,J=7.6,2.3Hz),7.32(1H,dd,J=6.2,3.1Hz),7.63(1H,d,J=9.3Hz),10.08(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):14.1,22.6,23.4,28.9,29.2,29.3,29.4,31.8,49.0,114.7,119.9,127.1,127.3,128.7,129.3,138.9,139.4,167.7

【0063】
[実施例14]
(2−ピリジン−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
10mLのナスフラスコに、3−オキソ−ピリジン−2−イル−プロピオン酸エチル(0.1275g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、赤褐色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、赤橙色油状物である下記一般式で表される2−ピリジン−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(0.0795g,収率:50%)を得た。
TLC:Rf=0.3(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V)
IR(NaCl):νmax=3002,1737,1699,1592,1458−1443,1380,1324,1280,1222−1189,1139,1046,771.4−750.2
H−NMR(CDCl):1.50(3H,t,J=7.3Hz),4.47(2H,q,J=7.2Hz),7.15(2H,d,J=8.3Hz),7.26−7.38(2H,m),7.95(2H,d,J=8.8Hz),8.20(1H,d,J=7.8Hz),8.84(1H,d,J=8.3Hz),10.33(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):14.1,40.9,117.9,122.1,123.9,124.3,127.3,127.5,128.4,129.4,131.2,133.5,137.0,149.0,152.8

【化22】

【0064】
[実施例15]
(2−(3−ペンテニル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
10mLのナスフラスコに、3−オキソ−6−オクテン酸メチル(0.1123g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、黄色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、黄色結晶である2−(3−ペンテニル)−1H−インドール−3−カルボン酸メチル(0.0581g,40%)を得た。
TLC:Rf=0.3(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V)
m.p.:62.9℃
IR(NaCl):νmax=3455,3016,2946,1685,1546,1453,1338,1269,1205−1196,1083,774−750
H−NMR(CDCl):1.62(3H,dd,J=2.0,1.1Hz),2.38−2.43(2H,m),3.20(2H,t,J=7.4Hz),3.93(3H,s),5.42−5.51(2H,m),7.16−7.24(2H,m),7.30(1H,d,J=7.0Hz),8.12(1H,d,J=7.9,1.4Hz),8.75(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):17.9,31.9,50.8,103.7,110.7,121.3,121.6,122.3,126.5,127.0,129.7,134.5,148.1,166.4

【0065】
[実施例15]
(2−(3−ペンテニル)−1H−インドール−3−カルボン酸−2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシルの合成)
10mLのナスフラスコに、3−オキソ−6−オクテン酸−2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシル(0.1943g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、褐色アモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、茶色油状物である2−(3−ペンテニル)−1H−インドール−3−カルボン酸−2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシル(0.0772g,35%)を得た。
TLC:Rf=0.4(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V)
IR(NaCl):νmax=2958,1682,1614,1457,1221,1210,785,774,760,744,731,669
H−NMR(CDCl):0.80(6H,d,J=6.8Hz),1.14(3H,d,J=11.4Hz),1.54−1.58(3H,m),1.63−1.68(4H,m),1.71−1.76(3H,m),2.04−2.13(2H,m),5.48−5.51(2H,m),7.10−7.30(4H,m)
13C−NMR(CDCl):16.3,17.9,21.0,22.1,23.4,26.2,28.0,31.4,32.0,34.3,41.5,47.4,73.0,84.1,110.6,114.7,120.0,121.4,121.5,126.4,129.3,129.8,138.9,146.7
【0066】
[実施例16]
(2−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成)
10mLのナスフラスコに、アセト酢酸メチル(0.0766g,0.66mmol)、2−ヨードアニリン(0.1314g,0.6mmol)、CuI(0.144g,0.06mmol)、BINOL(0.0344g,0.12mmol)、CsCO(0.1955g,0.6mmol)、無水DMSO(3mL)を入れ、5分間、アルゴンを充填した風船を用いて、反応容器内をアルゴンガスで置換した。50℃で4時間激しく攪拌した後、酢酸エチル(10mL)、sat.NHCl(10mL)で分液を行った。その後、有機層をsat.NaClで洗い、水層を酢酸エチルで再度抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥させ減圧濃縮し、黄色のアモルファスを得た。原料の残留が確認されたためシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、淡黄色結晶である下記一般式で表される2−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成(0.0885g,収率79%)を得た。
TLC:Rf=0.30(Hexane:EtOAc=3:1,UV,V,A)
m.p.:153.9℃(decomp)
IR(NaCl):νmax=3016,1687,1453,1208,1091cm−1
H−NMR(CDCl):2.72(3H,s),3.93(3H,s),7.16−7.30(3H,m),8.08(1H,d,J=7.6Hz),8.67(1H,br s)
13C−NMR(CDCl):14.2,50.8,104.3,110.5,121.2,121.7,122.3,127.1,134.5,144.2,166.6

【化23】

【0067】
[実施例17]
実施例16の2−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成において、2−ヨードアニリン1当量(1 equiv.)に対して、アセト酢酸メチル1.1当量(1.1 equiv.)としたものに、CuIの使用量、添加物の種類と添加量、塩基の種類と使用量、反応温度を変えたものについて、2−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの収率を評価した。結果を表1に示す。表1において、各々のentry数に対応する、合成条件と収率を示す。CuIのmol%は、2−ヨードアニリンに対するmol%を示す。additiveは、添加物を意味し、「L−proline」はL−プロリンを、HN/\/NHはジエチルアミンを、MeHN/\COOHはN−メチルグリシン意味する。additiveのmol%は、2−ヨードアニリンに対するmol%を示す。baseは、塩基を意味し、baseのequiv.は、2−ヨードアニリンに対する当量を示す。solventは、反応に使用した溶媒を示す。tempは反応温度を意味し、yieldは収率を意味する。
【表1】


表中、aは、単離収率を、bは、消費された2−ヨードアニリンに基づく単離収率を、意味する。
【0068】
表1から、L−プロリンを用いた場合は、CuIの使用量が多いほど、2−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの収率が増加することがわかる(entry2、3)また、CuIの使用量と添加物の使用量が多いと、室温においても反応が進行することがわかる(entry3、4)。また、添加物を、エチレンジアミン、N−メチルグリシン、チオフェンカルボン酸、BINOLに代えても、2−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸メチルの合成が進行することがわかる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)
【化1】


(式中、Hrはハロゲン原子を示し、Rは、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示し、nは、0から4の整数を示す。)
で表されるハロゲン化アニリンと、
下記一般式(II)
【化2】


(式中、Rは、置換されていてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示し、Rは、電子吸引性基を示す。)
で表される化合物とを、触媒を用いて、下記一般式(III)
【化3】


(式中、R、R、Rは、前記と同様である。
で表されるインドール化合物を製造するインドール化合物製造方法。
【請求項2】
前記ハロゲン化アニリンが2−ヨードアニリンである請求項1に記載のインドール化合物製造方法。
【請求項3】
下記一般式(III)で表されるインドール化合物。
【化4】


(式中、Rは、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示し、Rは、電子吸引性基を示し、Rは、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基を示す。)





【公開番号】特開2008−106037(P2008−106037A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179138(P2007−179138)
【出願日】平成19年7月8日(2007.7.8)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】