説明

インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターで用いられる回線割当て制御装置、方法、及びプログラム

【課題】インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターにおいて、回線の割当てを動的に変更することにより、回線を有効活用する。
【解決手段】呼制御部から送信される呼状態変更通知を基に応答率を算出し、算出された応答率を基に着信規制/発信規制を行う構内回線交換装置のトランクを決定するアウトバウンド制御部と、前記アウトバウンド制御部からの指示を受けて前記構内回線交換装置のトランクの着信規制/発信規制の設定を制御する設定情報制御部と、前記呼制御部、前記アウトバウンド制御部の制御を行うCTIミドルウェアとを備え、前記呼制御部は、呼制御要求を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部から受信して前記構内回線交換装置に送信するとともに、前記呼状態変更通知を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部へ送信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターにおける回線を、インバウンド、アウトバウンドそれぞれに動的かつ効率的に割り当てる方法、その装置、その装置を用いたコールセンターシステム、及びその方法を実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コールセンター業務には、コールセンターのオペレータから顧客に架電するアウトバウンド業務と、顧客の方からコールセンターに架電し、オペレータが応対するインバウンド業務が存在する。
【0003】
アウトバウンド業務で用いられるプレディクティブダイヤリングシステムは、架電するにあたって、予測される応答率を考慮して対応可能なオペレータの数より多めに発信してオペレータの稼動効率をあげるアウトバウンド方式の一つである。インバウンドとアウトバウンドを兼用したコールセンターにおいて、アウトバウンドにプレディクティブダイヤリングシステムを使っている場合、被呼者の応答率により使用する回線数が変動するため、インバウンド用とアウトバウンド用の回線を明確に分ける必要があり、稼働率のよい回線の割当てが重要な問題となっていた。インバウンド呼が一時的に増えるとアウトバウンド呼のための回線が占有されてしまい、アウトバウンドの効率が落ちていた。またアウトバウンド呼が増えると、その分、インバウンド呼が着信できなくなってしまっていた。更に、アウトバウンドにおいて、応答率が悪い場合に合わせて回線数を設定すると、実際には応答率が良かった場合、回線数に無駄が生じ、応答率が良い場合に合わせると、実際には応答率が悪かった場合、オペレータ数に無駄が生じていた。
【0004】
特許文献1では、この問題を解決するため、電話交換制御システムにおいて、インバウンドの着信呼の待ち時間に応じて、各電話機を自動的かつ最適に、アウトバウンドからインバウンドへ、あるいは、インバウンドからアウトバウンドへ切り換える発明が開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、顧客からコールセンターへの通信の、応答率を含む各種指標をモニタリングするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−37315号公報
【特許文献2】特開2007−228271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で開示される発明によれば、オペレータ数そのものを状況に合わせてインバウンド、アウトバウンドに振り分け直すことは出来るが、通常、インバウンド業務とアウトバウンド業務は別の内容の業務であって、各オペレータに対して、簡単に業務を切り換えてもらうことは、現実的ではない。
【0008】
また、特許文献2で開示されている発明は、あくまでモニタリングシステムにすぎず、インバウンド、アウトバウンドの回線数を自動的に切り換えるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明においては、発信電話機の数は変更せずに、発信専用の回線数を応答率に応じて自動的に変更することを目的としている。
【0010】
本発明によれば、
インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置において、
前記コールセンターシステム内の各オペレータの電話機とコールセンターシステム外部との通信を行う電話交換設備となる、複数のトランクを含む構内回線交換装置と、
呼制御要求を前記構内回線交換装置に送信し、前記構内回線交換装置から呼状態変更通知を受信する呼制御部と、
前記呼制御部から送信される前記呼状態変更通知を基に応答率を算出し、算出された応答率を基に着信規制/発信規制を行う前記構内回線交換装置のトランクを決定するアウトバウンド制御部と、
前記アウトバウンド制御部からの指示を受けて前記構内回線交換装置のトランクの着信規制/発信規制の設定を制御する設定情報制御部と、
前記呼制御部、前記アウトバウンド制御部の制御を行うCTIミドルウェアと、を備え、
前記呼制御部は、前記呼制御要求を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部から受信して前記構内回線交換装置に送信するとともに、前記呼状態変更通知を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部へ送信する回線割り当て制御装置が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
インバウンド/アウトバウンド兼用のコールセンターシステムにおいて、
各オペレータの電話機と、
前記各オペレータの電話機とコールセンターシステム外部との通信を行う電話交換設備となる、複数のトランクを含む構内回線交換装置と、
呼制御要求を前記構内回線交換装置に送信し、前記構内回線交換装置から呼状態変更通知を受信する呼制御部と、
前記呼制御部から送信される前記呼状態変更通知を基に応答率を算出し、算出された応答率を基に着信規制/発信規制を行う前記構内回線交換装置のトランクを決定するアウトバウンド制御部と、
前記アウトバウンド制御部からの指示を受けて前記構内回線交換装置のトランクの着信規制/発信規制の設定を制御する設定情報制御部と、
前記呼制御部、前記アウトバウンド制御部の制御を行うCTIミドルウェアと、
前記CTIミドルウェアによって参照される、アウトバウンド業務における架電先、及び、インバウンド業務における受電元の顧客のデータを備える前記顧客データベースと、
架電又は受電の際に、前記CTIミドルウェアによって参照された前記顧客データベースのデータを表示する前記クライアント装置と、を備え、
前記呼制御部は、前記呼制御要求を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部から受信して前記構内回線交換装置に送信するとともに、前記呼状態変更通知を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部へ送信するコールセンターシステムが提供される。
【0012】
更に、本発明によれば、
複数のトランクを含む構内回線交換装置と、前記構内回線装置に接続される呼制御部と、前記構内回線装置に接続される設定情報制御部と、前記呼制御部及び前記設定情報制御部に接続されるアウトバウンド制御部と、前記呼制御部及び前記アウトバウンド制御部に接続されるCTIミドルウェアを備え、インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置の回線割当て制御方法において、
前記アウトバウンド制御部が、発信処理の間隔分待機するステップと、
前記構内回線交換装置が、空き回線数データ及び呼状態変更通知を前記呼制御部に送信するステップと、
前記呼制御部が、前記構内回線交換装置から送信された前記空き回線数データ及び前記呼状態変更通知を前記アウトバウンド制御部に送信するステップと、
前記CTIミドルウェアが、発信先顧客データ及びオペレータデータを前記アウトバウンド制御部に送信するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、発信処理を行う時刻になると、過去の応答率を計算するタイミングか否かの判断を行うステップと、
前記アウトバウンド制御部が、自ら算出した直近の発信数のデータと、前記呼制御部から送信された前記呼状態変更通知より算出した直近の応答数のデータを用いて、直近の応答率を算出するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、前記直近の応答率を用いてアウトバウンド用の回線数を算出するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、その時点のアウトバウンド用の回線数と前記直近の応答率から算出された回線数を比較し、その差分数から、着信規制/発信規制を行うトランクを決定するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、前記設定情報制御部に対し、着信規制/発信規制要求を送信するステップと、
前記着信規制/発信規制要求を受信した前記設定情報制御部が、前記構内回線交換装置への設定用インターフェースを通じて、着信規制/発信規制を実行するステップと、
を有することを特徴とする回線割当て制御方法が提供される。
【0013】
更に、本発明によれば、
複数のトランクを含む構内回線交換装置と、前記構内回線装置に接続される呼制御部と、前記構内回線装置に接続される設定情報制御部と、前記呼制御部及び前記設定情報制御部に接続されるアウトバウンド制御部と、前記呼制御部及び前記アウトバウンド制御部に接続されるCTIミドルウェアとを備え、インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置の回線割当て制御プログラムにおいて、
前記アウトバウンド制御部に、発信処理の間隔分待機させる処理と、
前記構内回線交換装置から、前記呼制御部に、空き回線数のデータ及び呼状態変更通知を送信させる処理と、
前記呼制御部から、前記アウトバウンド制御部に、前記構内回線交換装置から送信された、前記空き回線数のデータ及び前記呼状態変更通知を送信させる処理と、
前記CTIミドルウェアから、前記アウトバウンド制御部に、発信先顧客データ及びオペレータデータを送信させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、発信処理を行う時刻になると、過去の応答率を計算するタイミングか否かの判断を行わせる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、自ら算出した直近の発信数のデータと、前記呼制御部から送信された前記呼状態変更通知より算出した直近の応答数のデータを用いて、直近の応答率を算出させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、前記直近の応答率を用いてアウトバウンド用の回線数を算出させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、その時点のアウトバウンド用の回線数と前記直近の応答率から算出された回線数を比較し、その差分数から、着信規制/発信規制を行うトランクを決定させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、前記設定情報制御部に対し、着信規制/発信規制要求を送信させる処理と、
前記着信規制/発信規制要求を受信した前記設定情報制御部に、前記構内回線交換装置への設定用インターフェースを通じて、着信規制/発信規制を実行させる処理と、
を有することを特徴とする回線割当て制御プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明による効果は、インバウンドとアウトバウンドを兼用するコールセンターにおいて、回線の割当てを動的に変更することにより、回線を有効活用できることである。その理由として、インバウンドとアウトバウンドにおいて回線を固定的に割り当てる必要が無いことと、アウトバウンドの応答率に応じて、アウトバウンドで使用する回線数を最適化し、残りの回線をインバウンド用に割り当てることができることが挙げられる。更に、先述のように、電話機ではなく発信専用の回線数を変更しているため、各オペレータが、電話機の切換に応じて、インバウンド業務とアウトバウンド業務の双方を行う必要はなく、どちらか片方の業務にのみ専念できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態による回線割当て制御装置7の各構成要素、すなわち、トランク6を含む構内回線交換装置1とCTIミドルウェア2と呼制御部3とアウトバウンド制御部4と設定情報制御部5、及びそれらの間での情報や制御指示の流れ、及び前記回線割当て制御装置7とオペレータ電話機8と各オペレータ用のクライアント装置9と顧客データベース10を用いたコールセンターシステム11と公衆回線網12と顧客電話機13とを示す図である。
【図2】本発明の実施形態による回線割当て制御装置7の各構成部分の動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態1]
(構成の説明)
図1を参照すると、本実施形態による回線割当て制御装置7は、トランク6を含む構内回線交換装置1と、プログラム制御により動作するCTIミドルウェア2、呼制御部3、アウトバウンド制御部4、設定情報制御部5を含む。
【0017】
構内回線交換装置1は、コールセンター内に設置されており、コールセンター内の各オペレータの電話機と、コールセンター外部との通信を行うための電話交換設備である。また、構内回線交換装置1は、構内回線交換装置1と公衆回線網12との間の回線及びその回線と構内回線交換装置1との間のインターフェースである、複数のトランク6を含む。
【0018】
CTIミドルウェア2はコールセンターシステムの中核となり、各オペレータのクライアント装置9の制御、顧客データベース10の制御、呼制御部3の制御、アウトバウンド制御部4の制御等のメイン制御を行うものである。呼制御部3に対しては、呼制御要求を送信する。また、アウトバウンド制御部4に対しては、アウトバウンド制御部4の起動、終了処理に加えて、パラメータの設定を行うのと共に、発信先顧客データ、オペレータのデータを送信し、アウトバウンド制御部4から、発信結果を受信する。
【0019】
呼制御部3はCTIミドルウェア2及びアウトバウンド制御部4からの呼制御要求を構内回線交換装置1に仲介する。また、構内回線交換装置1から送信される呼状態変更通知をCTIミドルウェア2及びアウトバウンド制御部4へ配信する。
【0020】
アウトバウンド制御部4はプレディクティブダイヤリング機能を持ち、構内回線交換装置1から呼制御部3経由で送信される空き回線数のデータ、CTIミドルウェア2から送信されるオペレータのデータを基に算出した空きオペレータ数のデータ等から発信呼数を決定し、呼制御部3に対して発信要求を送信するものである。その際に指定された周期で、前記発信呼数、及び、呼制御部から送信される呼状態変更通知を基にアウトバウンド制御部4自身が算出した応答数を用いて応答率を計算し、次の周期はその応答率の逆数を用いて回線数を算出し、プレディクティブダイヤリングを実現する。また、構内回線交換装置1の設定を制御するため、設定情報制御部5に指示を与える。
【0021】
設定情報制御部5は、アウトバウンド制御部4からの指示を受けて、構内回線交換装置1の設定を制御するものである。
【0022】
また、コールセンターシステム11は、上述の回線割当て制御装置7の他に、各オペレータ毎の電話機8とクライアント装置9、顧客データベース10を備える。オペレータ毎の電話機8の回線は、構内回線交換装置1を介して、公衆回線網12と結合し、公衆回線網12の先に顧客電話機13が存在する。回線割当て制御装置7は、顧客データベース10のデータを基に各顧客に発信するが、その際、各顧客のデータが、各クライアント装置9に表示される。また、顧客より受電した際、顧客データベース10のデータが参照され、クライアント装置9に表示される。
【0023】
(動作の説明)
次に、図1及び図2を参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。
【0024】
図2において、アウトバウンド制御部4が設定された発信処理の間隔分待機する(S101)。その間、アウトバウンド制御部4には、構内回線交換装置1から呼制御部3経由で、空き回線数のデータ及び呼状態変更通知が送信される(S102、S103)。また、CTIミドルウェア2からは、発信先顧客データ及びオペレータのデータが送信される(S104)。
【0025】
発信処理を行う時刻になると、過去の応答率を計算するタイミングか否かの判断を行う(S105)。
【0026】
応答率を計算するタイミングであれば(S105のYes)、直近の呼状態変更通知のデータから応答数を算出し、直近の発信数と応答数から、応答率を算出する。その応答率の逆数に比例したアウトバウンド用の回線数を算出する。その時点のアウトバウンド用の回線数と直近の応答率から算出された回線数を比較し、その差分数から、アウトバウンド制御部4が、着信規制/発信規制を行うトランクを決定する。応答率が前回の計算時よりも低くなった場合は、発信専用となっていたトランクへの着信を規制し、アウトバウンド専用のトランク数を増加させる。応答率が前回の計算時よりも高くなった場合には、アウトバウンド専用のトランク数を減少させ、発信専用となっていたトランクへの着信を許可する(S106)。そして設定情報制御部5に対し、着信規制/発信規制要求を送信する(S107)。それを受信した設定情報制御部5は構内回線交換装置1への設定用インターフェースを通じて、着信規制/発信規制を実行する(S108)。このようにして、発信専用の回線数を変化させる(コールセンターシステムスタート時、すなわち応答率がまだ計算されていない段階での回線数は、初期設定値である。)。発信専用の回線数が、全オペレータ数よりも低くなった場合には、全オペレータが同時に通話することが不可能となり、各オペレータの通話と通話との間の間隔が長くなる。
【0027】
規制処理が終わった場合、及び応答率を計算するタイミングではない場合(S105のNo)には、アウトバウンド制御部4は、応答率未計算時には、空き回線数及び空きオペレータ数等から正規の発信数を算出する。すでに応答率が計算されている際には、空き回線数及び空きオペレータ数等から発信数を算出し、その発信数に応答率の逆数を掛けることで、正規の発信数を計算する(S109)。その後、発信要求を呼制御部3へ送信する(S110)。それを受信した呼制御部3は、構内回線交換装置1への呼制御用インターフェースを通じて、発信処理を実行する(S111)。
【0028】
これらの処理を周期的にくりかえしてゆく。
【0029】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0030】
(付記1)
インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置において、
前記コールセンターシステム内の各オペレータの電話機とコールセンターシステム外部との通信を行う電話交換設備となる、複数のトランクを含む構内回線交換装置と、
呼制御要求を前記構内回線交換装置に送信し、前記構内回線交換装置から呼状態変更通知を受信する呼制御部と、
前記呼制御部から送信される前記呼状態変更通知を基に応答率を算出し、算出された応答率を基に着信規制/発信規制を行う前記構内回線交換装置のトランクを決定するアウトバウンド制御部と、
前記アウトバウンド制御部からの指示を受けて前記構内回線交換装置のトランクの着信規制/発信規制の設定を制御する設定情報制御部と、
前記呼制御部、前記アウトバウンド制御部の制御を行うCTIミドルウェアと、を備え、
前記呼制御部は、前記呼制御要求を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部から受信して前記構内回線交換装置に送信するとともに、前記呼状態変更通知を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部へ送信する回線割当て制御装置。
【0031】
(付記2)
付記1に記載の回線割当て制御装置において、
前記アウトバウンド制御部がプレディクティブダイヤリング機能を持つことを特徴とする回線割当て制御装置。
【0032】
(付記3)
付記1又は2に記載の回線割当て制御装置において、
前記アウトバウンド制御部が、前記構内回線交換装置から送信される空き回線数のデータ、前記CTIミドルウェアから送信されるオペレータデータ、及び、前記アウトバウンド制御部により算出される直近の応答率を用いて発信呼数を決定し、該発信呼数の回数分、前記呼制御部に対して発信要求をし、前記呼制御部が前記構内回線交換装置を介した発信処理を行うことを特徴とする回線割当て制御装置。
【0033】
(付記4)
インバウンド/アウトバウンド兼用のコールセンターシステムにおいて、
各オペレータの電話機と、
前記各オペレータの電話機とコールセンターシステム外部との通信を行う電話交換設備となる、複数のトランクを含む構内回線交換装置と、
呼制御要求を前記構内回線交換装置に送信し、前記構内回線交換装置から呼状態変更通知を受信する呼制御部と、
前記呼制御部から送信される前記呼状態変更通知を基に応答率を算出し、算出された応答率を基に着信規制/発信規制を行う前記構内回線交換装置のトランクを決定するアウトバウンド制御部と、
前記アウトバウンド制御部からの指示を受けて前記構内回線交換装置のトランクの着信規制/発信規制の設定を制御する設定情報制御部と、
前記呼制御部、前記アウトバウンド制御部の制御を行うCTIミドルウェアと、
前記CTIミドルウェアによって参照される、アウトバウンド業務における架電先、及び、インバウンド業務における受電元の顧客のデータを備える前記顧客データベースと、
架電又は受電の際に、前記CTIミドルウェアによって参照された前記顧客データベースのデータを表示する前記クライアント装置と、を備え、
前記呼制御部は、前記呼制御要求を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部から受信して前記構内回線交換装置に送信するとともに、前記呼状態変更通知を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部へ送信するコールセンターシステム。
【0034】
(付記5)
付記4に記載のコールセンターシステムにおいて、
前記アウトバウンド制御部がプレディクティブダイヤリング機能を持つことを特徴とするコールセンターシステム。
【0035】
(付記6)
付記4又は5に記載のコールセンターシステムにおいて、
前記アウトバウンド制御部が、前記構内回線交換装置から送信される空き回線数のデータ、前記CTIミドルウェアから送信されるオペレータデータ、及び、前記アウトバウンド制御部により算出される直近の応答率を用いて発信呼数を決定し、該発信呼数の回数分、前記呼制御部に対して発信要求をし、前記呼制御部が前記構内回線交換装置を介した発信処理を行うことを特徴とする回線割当て制御装置。
【0036】
(付記7)
複数のトランクを含む構内回線交換装置と、前記構内回線装置に接続される呼制御部と、前記構内回線装置に接続される設定情報制御部と、前記呼制御部及び前記設定情報制御部に接続されるアウトバウンド制御部と、前記呼制御部及び前記アウトバウンド制御部に接続されるCTIミドルウェアを備え、インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置の回線割当て制御方法において、
前記アウトバウンド制御部が、発信処理の間隔分待機するステップと、
前記構内回線交換装置が、空き回線数データ及び呼状態変更通知を前記呼制御部に送信するステップと、
前記呼制御部が、前記構内回線交換装置から送信された前記空き回線数データ及び前記呼状態変更通知を前記アウトバウンド制御部に送信するステップと、
前記CTIミドルウェアが、発信先顧客データ及びオペレータデータを前記アウトバウンド制御部に送信するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、発信処理を行う時刻になると、過去の応答率を計算するタイミングか否かの判断を行うステップと、
前記アウトバウンド制御部が、自ら算出した直近の発信数のデータと、前記呼制御部から送信された前記呼状態変更通知より算出した直近の応答数のデータを用いて、直近の応答率を算出するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、前記直近の応答率を用いてアウトバウンド用の回線数を算出するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、その時点のアウトバウンド用の回線数と前記直近の応答率から算出された回線数を比較し、その差分数から、着信規制/発信規制を行うトランクを決定するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、前記設定情報制御部に対し、着信規制/発信規制要求を送信するステップと、
前記着信規制/発信規制要求を受信した前記設定情報制御部が、前記構内回線交換装置への設定用インターフェースを通じて、着信規制/発信規制を実行するステップと、
を有することを特徴とする回線割当て制御方法。
【0037】
(付記8)
付記7に記載の回線割当て制御方法において、
前記着信規制/発信規制の実行が終わった場合、及び、応答率を計算するタイミングではない場合、前記アウトバウンド制御部が、空き回線数、空きオペレータ数、及び、前記直近の応答率を用いて発信数を計算するステップと、
前記アウトバウンド制御部が発信要求を前記呼制御部へ送信するステップと、
前記発信要求を受信した前記呼制御部が、前記構内回線交換装置への呼制御用インターフェースを通じて、発信処理を実行するステップと、
を更に有することを特徴とする回線割当て制御方法。
【0038】
(付記9)
複数のトランクを含む構内回線交換装置と、前記構内回線装置に接続される呼制御部と、前記構内回線装置に接続される設定情報制御部と、前記呼制御部及び前記設定情報制御部に接続されるアウトバウンド制御部と、前記呼制御部及び前記アウトバウンド制御部に接続されるCTIミドルウェアを備え、インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置の回線割当て制御プログラムにおいて、
前記アウトバウンド制御部に、発信処理の間隔分待機させる処理と、
前記構内回線交換装置から、前記呼制御部に、空き回線数のデータ及び呼状態変更通知を送信させる処理と、
前記呼制御部から、前記アウトバウンド制御部に、前記構内回線交換装置から送信された、前記空き回線数のデータ及び前記呼状態変更通知を送信させる処理と、
前記CTIミドルウェアから、前記アウトバウンド制御部に、発信先顧客データ及びオペレータデータを送信させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、発信処理を行う時刻になると、過去の応答率を計算するタイミングか否かの判断を行わせる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、自ら算出した直近の発信数のデータと、前記呼制御部から送信された前記呼状態変更通知より算出した直近の応答数のデータを用いて、直近の応答率を算出させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、前記直近の応答率を用いてアウトバウンド用の回線数を算出させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、その時点のアウトバウンド用の回線数と前記直近の応答率から算出された回線数を比較し、その差分数から、着信規制/発信規制を行うトランクを決定させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、前記設定情報制御部に対し、着信規制/発信規制要求を送信させる処理と、
前記着信規制/発信規制要求を受信した前記設定情報制御部に、前記構内回線交換装置への設定用インターフェースを通じて、着信規制/発信規制を実行させる処理と、
を有することを特徴とする回線割当て制御プログラム。
【0039】
(付記10)
付記9に記載の回線割当て制御プログラムにおいて、
前記着信規制/発信規制の実行が終わった場合、及び、応答率を計算するタイミングではない場合、前記アウトバウンド制御部に、空き回線数、空きオペレータ数、及び、前記直近の応答率を用いて発信数を計算させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、発信要求を前記呼制御部へ送信させる処理と、
前記発信要求を受信した前記呼制御部に、前記構内回線交換装置への呼制御用インターフェースを通じて、発信処理を実行させる処理と、
を更に有することを特徴とする回線割当て制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、インバウンド/アウトバウンド兼用のコールセンター、とりわけ、各々のオペレータが、インバウンド/アウトバウンド双方の業務を遂行することが困難であるようなコールセンターにおいて、電話機ではなく回線を、インバウンド、アウトバウンドそれぞれに効率的に割り当てることが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
1 構内回線交換装置
2 CTIミドルウェア
3 呼制御部
4 アウトバウンド制御部
5 設定情報制御部
6 トランク
7 回線割当て制御装置
8 オペレータ電話機
9 クライアント装置
10 顧客データベース
11 コールセンターシステム
12 公衆回線網
13 顧客電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置において、
前記コールセンターシステム内の各オペレータの電話機とコールセンターシステム外部との通信を行う電話交換設備となる、複数のトランクを含む構内回線交換装置と、
呼制御要求を前記構内回線交換装置に送信し、前記構内回線交換装置から呼状態変更通知を受信する呼制御部と、
前記呼制御部から送信される前記呼状態変更通知を基に応答率を算出し、算出された応答率を基に着信規制/発信規制を行う前記構内回線交換装置のトランクを決定するアウトバウンド制御部と、
前記アウトバウンド制御部からの指示を受けて前記構内回線交換装置のトランクの着信規制/発信規制の設定を制御する設定情報制御部と、
前記呼制御部、前記アウトバウンド制御部の制御を行うCTIミドルウェアと、を備え、
前記呼制御部は、前記呼制御要求を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部から受信して前記構内回線交換装置に送信するとともに、前記呼状態変更通知を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部へ送信する回線割当て制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回線割当て制御装置において、
前記アウトバウンド制御部がプレディクティブダイヤリング機能を持つことを特徴とする回線割当て制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回線割当て制御装置において、
前記アウトバウンド制御部が、前記構内回線交換装置から送信される空き回線数のデータ、前記CTIミドルウェアから送信されるオペレータデータ、及び、前記アウトバウンド制御部により算出される直近の応答率を用いて発信呼数を決定し、該発信呼数分、前記呼制御部に対して発信要求をし、前記呼制御部が前記構内回線交換装置を介した発信処理を行うことを特徴とする回線割当て制御装置。
【請求項4】
インバウンド/アウトバウンド兼用のコールセンターシステムにおいて、
各オペレータの電話機と、
前記各オペレータの電話機とコールセンターシステム外部との通信を行う電話交換設備となる、複数のトランクを含む構内回線交換装置と、
呼制御要求を前記構内回線交換装置に送信し、前記構内回線交換装置から呼状態変更通知を受信する呼制御部と、
前記呼制御部から送信される前記呼状態変更通知を基に応答率を算出し、算出された応答率を基に着信規制/発信規制を行う前記構内回線交換装置のトランクを決定するアウトバウンド制御部と、
前記アウトバウンド制御部からの指示を受けて前記構内回線交換装置のトランクの着信規制/発信規制の設定を制御する設定情報制御部と、
前記呼制御部、前記アウトバウンド制御部の制御を行うCTIミドルウェアと、
前記CTIミドルウェアによって参照される、アウトバウンド業務における架電先、及び、インバウンド業務における受電元の顧客のデータを備える前記顧客データベースと、
架電又は受電の際に、前記CTIミドルウェアによって参照された前記顧客データベースのデータを表示する前記クライアント装置と、を備え、
前記呼制御部は、前記呼制御要求を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部から受信して前記構内回線交換装置に送信するとともに、前記呼状態変更通知を前記CTIミドルウェア及び前記アウトバウンド制御部へ送信するコールセンターシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のコールセンターシステムにおいて、
前記アウトバウンド制御部がプレディクティブダイヤリング機能を持つことを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のコールセンターシステムにおいて、
前記アウトバウンド制御部が、前記構内回線交換装置から送信される空き回線数のデータ、前記CTIミドルウェアから送信されるオペレータデータ、及び、前記アウトバウンド制御部により算出される直近の応答率を用いて発信呼数を決定し、該発信呼数分、前記呼制御部に対して発信要求をし、前記呼制御部が前記構内回線交換装置を介した発信処理を行うことを特徴とする回線割当て制御装置。
【請求項7】
複数のトランクを含む構内回線交換装置と、前記構内回線装置に接続される呼制御部と、前記構内回線装置に接続される設定情報制御部と、前記呼制御部及び前記設定情報制御部に接続されるアウトバウンド制御部と、前記呼制御部及び前記アウトバウンド制御部に接続されるCTIミドルウェアとを備え、インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置の回線割当て制御方法において、
前記アウトバウンド制御部が、発信処理の間隔分待機するステップと、
前記構内回線交換装置が、空き回線数データ及び呼状態変更通知を前記呼制御部に送信するステップと、
前記呼制御部が、前記構内回線交換装置から送信された前記空き回線数データ及び前記呼状態変更通知を前記アウトバウンド制御部に送信するステップと、
前記CTIミドルウェアが、発信先顧客データ及びオペレータデータを前記アウトバウンド制御部に送信するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、発信処理を行う時刻になると、過去の応答率を計算するタイミングか否かの判断を行うステップと、
前記アウトバウンド制御部が、自ら算出した直近の発信数のデータと、前記呼制御部から送信された前記呼状態変更通知より算出した直近の応答数のデータを用いて、直近の応答率を算出するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、前記直近の応答率を用いてアウトバウンド用の回線数を算出するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、その時点のアウトバウンド用の回線数と前記直近の応答率から算出された回線数を比較し、その差分数から、着信規制/発信規制を行うトランクを決定するステップと、
前記アウトバウンド制御部が、前記設定情報制御部に対し、着信規制/発信規制要求を送信するステップと、
前記着信規制/発信規制要求を受信した前記設定情報制御部が、前記構内回線交換装置への設定用インターフェースを通じて、着信規制/発信規制を実行するステップと、
を有することを特徴とする回線割当て制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の回線割当て制御方法において、
前記着信規制/発信規制の実行が終わった場合、及び、応答率を計算するタイミングではない場合、前記アウトバウンド制御部が、空き回線数、空きオペレータ数、及び、前記直近の応答率を用いて発信数を計算するステップと、
前記アウトバウンド制御部が発信要求を前記呼制御部へ送信するステップと、
前記発信要求を受信した前記呼制御部が、前記構内回線交換装置への呼制御用インターフェースを通じて、発信処理を実行するステップと、
を更に有することを特徴とする回線割当て制御方法。
【請求項9】
複数のトランクを含む構内回線交換装置と、前記構内回線装置に接続される呼制御部と、前記構内回線装置に接続される設定情報制御部と、前記呼制御部及び前記設定情報制御部に接続されるアウトバウンド制御部と、前記呼制御部及び前記アウトバウンド制御部に接続されるCTIミドルウェアとを備え、インバウンド/アウトバウンド兼用コールセンターシステムで用いられる回線割当て制御装置の回線割当て制御プログラムにおいて、
前記アウトバウンド制御部に、発信処理の間隔分待機させる処理と、
前記構内回線交換装置から、前記呼制御部に、空き回線数のデータ及び呼状態変更通知を送信させる処理と、
前記呼制御部から、前記アウトバウンド制御部に、前記構内回線交換装置から送信された、前記空き回線数のデータ及び前記呼状態変更通知を送信させる処理と、
前記CTIミドルウェアから、前記アウトバウンド制御部に、発信先顧客データ及びオペレータデータを送信させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、発信処理を行う時刻になると、過去の応答率を計算するタイミングか否かの判断を行わせる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、自ら算出した直近の発信数のデータと、前記呼制御部から送信された前記呼状態変更通知より算出した直近の応答数のデータを用いて、直近の応答率を算出させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、前記直近の応答率を用いてアウトバウンド用の回線数を算出させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、その時点のアウトバウンド用の回線数と前記直近の応答率から算出された回線数を比較し、その差分数から、着信規制/発信規制を行うトランクを決定させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、前記設定情報制御部に対し、着信規制/発信規制要求を送信させる処理と、
前記着信規制/発信規制要求を受信した前記設定情報制御部に、前記構内回線交換装置への設定用インターフェースを通じて、着信規制/発信規制を実行させる処理と、
を有することを特徴とする回線割当て制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の回線割当て制御プログラムにおいて、
前記着信規制/発信規制の実行が終わった場合、及び、応答率を計算するタイミングではない場合、前記アウトバウンド制御部に、空き回線数、空きオペレータ数、及び、前記直近の応答率を用いて発信数を計算させる処理と、
前記アウトバウンド制御部に、発信要求を前記呼制御部へ送信させる処理と、
前記発信要求を受信した前記呼制御部に、前記構内回線交換装置への呼制御用インターフェースを通じて、発信処理を実行させる処理と、
を更に有することを特徴とする回線割当て制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−74840(P2012−74840A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217180(P2010−217180)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】