説明

インバータユニット

【課題】 本発明の課題は、回路基板の圧電トランス及び出力用コネクタからその周囲の電子部品に対する放電を防止し、ケーブルの絶縁被膜の耐電圧に関わらずケーブルの絶縁が確保できる、幅方向の寸法が小さいインバータユニットを提供することである。
【解決手段】 本発明のインバータユニットは、回路基板5の一方の端部の近傍から、回路基板5の長手方向に、第1の出力用コネクタ4a、第2の出力用コネクタ4b、次に圧電トランス1a及び圧電トランス1b、更に電子部材2、そして入力用コネクタ3を順に配置し、回路基板5の図示しない回路パターンを介して電気的に接続し、第1の出力用コネクタ4aを第1の絶縁部6aで覆い、2の出力用コネクタ4b、圧電トランス1a、圧電トランス1b、電子部材2、入力用コネクタ3を第2の絶縁部6bで覆い構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の冷陰極管を点灯させるインバータユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、細径の小型蛍光管である冷陰極管は、容易に明るさを調整できる特性をもつことから、液晶ディスプレイ(以下「LCD」と記す)の液晶バックライト用光源として急速に普及している。
【0003】
また、大画面化やワイド化が図られている液晶テレビやノート型パーソナルコンピュータ(以下「ノートパソコン」と記す)のLCDにおいて、液晶バックライト用光源には高い輝度が求められており、冷陰極管を複数本用いた多灯式LCDが広く用いられている。
【0004】
冷陰極管は、特殊な専用安定器である圧電インバータ回路を用いて点灯する。特に小型化が望まれるノートパソコン用LCDでは、比較的細長い形状の圧電トランスが用いられており、圧電インバータ回路は、冷陰極管を点灯させる為に約1000ボルト近い高電圧を出力する。
【0005】
複数の冷陰極管を有する多灯式LCDに使用される圧電インバータ回路は、冷陰極管毎に高電圧を印加する必要があり、複数の圧電トランスとそれに接続するコネクタを設ける方法がとられており、高電圧を発生する圧電トランス及び圧電トランスに接続するコネクタからその周囲の電子部品に対して放電する可能性が高く、圧電インバータ回路を設けた基板を絶縁素材からなるケースで覆うとともに、基板に設けた電子部品に対しても絶縁対策を図る必要がある。
【0006】
圧電インバータ回路を設けた基板を絶縁素材からなるケースで覆うとともに、基板に設けた電子部品に対しても絶縁対策を実施した圧電インバータ回路基板、いわゆるインバータユニットが特許文献1に開示されている。
【0007】
特許文献1に記載のインバータユニットは、回路基板の長手方向の一方の端部の近傍に、回路基板の中心方向に所定長さのスリットを形成し、このスリットを介して、高電圧端子を備えるコネクタ及びそのコネクタに接続する圧電トランスと、低電圧端子を備えるコネクタ及びそのコネクタに接続する圧電トランスを配置する。回路基板はスリットに挿嵌する仕切部を備えた絶縁性を有するケースにより覆われている。これにより、近接する高電圧端子を備えるコネクタ側の高電圧部と、低電圧端子を備えるコネクタ側の低電圧部とがスリットと仕切部とにより絶縁され、高電圧回路を低電圧回路とを並べて配置しても、高電圧回路からの放電を確実に防止できる。
【0008】
【特許文献1】特開2004−342997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、ノートパソコン用LCDには、2本の冷陰極管を用いた2灯式LCDが広く用いられており、例えば、特許文献1に開示されている様に、回路基板の幅方向に対して2つの圧電トランスと2つの出力用コネクタをそれぞれ並列に配置したインバータユニットが用いられている。
【0010】
図11は、従来技術の2灯式LCD用インバータユニットを示す側面図であり、例えば特許文献1に開示の2灯式LCD用インバータユニットの構成例を説明する図である。
【0011】
従来技術の2灯式LCD用インバータユニットは、回路基板95、入力用コネクタ93、電子部材92、圧電トランス91a、圧電トランス91b、絶縁カバー96、出力用コネクタ94a、出力用コネクタ94bからなり、回路基板95の一方の端部の近傍から、回路基板95の長手方向に、出力用コネクタ94a及び出力用コネクタ94b、次に圧電トランス91a及び圧電トランス91b、更に電子部材92、そして入力用コネクタ93を順に配置し、回路基板95の図示しない回路パターンを介して電気的に接続し、回路基板95を覆うように絶縁カバー96を設ける。
【0012】
従来技術の2灯式LCD用インバータユニットは、入力用コネクタ93から入力された信号を、電子部材92を介して圧電トランス91a及び圧電トランス91bに入力し、圧電用トランス91a及び圧電トランス91bで電圧を600V〜900Vまで上昇して出力用コネクタ94a及び出力用コネクタ94bに入力し、出力用コネクタ94a及び出力用コネクタ94bから図示しない冷陰極管へ高電圧を供給する。
【0013】
更に、絶縁材からなる絶縁カバー96は、高電圧を発生させる圧電トランス91a及び圧電トランス91bと、高電圧が入力される出力用コネクタ94a及びコネクタ94bから発生する可能性がある放電による周辺機器または電子部品の破壊防止や、人の接触による感電防止の為の絶縁を確保する。
【0014】
図12は、図11の部位Bの上面図であり、従来技術の2灯式LCD用インバータユニットにおける出力コネクタの位置を説明する図である。
【0015】
従来技術の2灯式LCD用インバータユニットは、回路基板95の一方の端部の近傍に、出力用コネクタ94aと出力用コネクタ94bを回路基板95の幅寸法方向に平行に並べて設け、更に、出力用コネクタ94aと出力用コネクタ94bの後部に、圧電トランス91aと圧電トランス91bを回路基板95の幅寸法方向に平行に並べて設け、更に、出力用コネクタ94a、出力用コネクタ94b、圧電トランス91a、圧電トランス91bを覆うように絶縁カバー96を設置する。
【0016】
更に近年、ノートパソコンは、持ち運びやすさ等の市場要望に対して軽量化、小型化が更に進む一方で、文字や画像の見やすさを改善する為にLCDの大型化が進んできており、その結果、インバータユニットのノートパソコンへの搭載面積がより制限され、より幅方向の寸法が小さいインバータユニットの要求が高くなってきている。
【0017】
しかしながら、従来技術の、例えば特許文献1に開示の2灯式LCD用インバータユニットでは、回路基板に実装する部品の中で一番寸法が大きい出力用コネクタを、回路基板の幅寸法方向に対して並列に配置する構造である為に回路基板の幅寸法を小さくできず、市場が要求する幅寸法が小さいインバータユニットの実現は困難である。
【0018】
更に、出力用コネクタと冷陰極管を電気的に結合するケーブルが、このケーブルの絶縁被膜の耐電圧より高い電圧が印加された出力用コネクタに接触した場合、絶縁が確保できなくなる場合がある。
【0019】
本発明の目的は、上記課題を解決し、回路基板の圧電トランス及び出力用コネクタからその周囲の電子部品に対する放電を防止し、ケーブルの絶縁被膜の耐電圧に関わらずケーブルの絶縁が確保できる、幅方向の寸法が小さいインバータユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、複数の圧電トランスと、前記圧電トランスを制御する電子部材と、複数の出力用コネクタを有した回路基板、及び前記回路基板を電気的に絶縁するように覆った絶縁材よりなる絶縁カバーで構成したインバータユニットであって、前記圧電トランスと前記出力用コネクタを電気的に接続し、複数の前記出力用コネクタを前記回路基板の一方の端部の近傍から前記回路基板の長手方向に順に並べて配置し、前記絶縁カバーで前記圧電トランス、前記電子部材、前記出力用コネクタを有した前記回路基板の表面部、及び前記回路基板の裏面部を覆うとともに、複数の前記出力用コネクタの間は覆わないよう構成することを特徴とするインバータユニットが得られる。
【0021】
また、本発明によれば、前記絶縁カバーは、前記回路基板の一方の端部の近傍に配置した第1の出力用コネクタを覆う第1の絶縁部と、前記第1の出力用コネクタの後部に配置した第2の出力用コネクタ、及び前記圧電トランス、更に前記電子部材を覆う第2の絶縁部からなることを特徴とするインバータユニットが得られる。
【0022】
また、本発明によれば、前記絶縁カバーは、前記絶縁材からなる板状の第3の絶縁部に、前記第1の絶縁部及び前記第2の絶縁部を接合して一体化したことを特徴とするインバータユニットが得られる。
【0023】
また、本発明によれば、前記第1の絶縁部及び前記第2の絶縁部は、前記絶縁材からなる絶縁シートを前記回路基板に沿って巻き、前記絶縁シート同士の重なる部分を、溶着または絶縁テープを用いて接合し、多角形断面の筒状体からなる構成としたことを特徴とするインバータユニットが得られる。
【0024】
また、本発明によれば、前記第1の絶縁部及び前記第2の絶縁部は、前記絶縁材からなる複数の断面略U字状の細長い絶縁部材により構成され、複数の前記絶縁部材を組み合わせ、前記絶縁部材同士の重なる部分を、溶着または絶縁テープを用いて接合し、多角形断面の筒状体からなる構成としたことを特徴とするインバータユニットが得られる。
【0025】
また、本発明によれば、前記第1の絶縁部及び前記第2の絶縁部は、前記絶縁部材の開口部を絶縁テープで塞いだ多角形断面の筒状体からなる構成としたことを特徴とするインバータユニットが得られる。
【0026】
本発明では、複数の圧電トランスと、電子部材および複数の出力用コネクタが実装された回路基板において、出力用コネクタを回路基板の一方の端部の近傍から回路基板の長手方向に順に並べて配置することで、回路基板の幅寸法は、ひとつの出力用コネクタの幅寸法を有してれば良く、従来技術の例えば、特許文献1に記載の二つの出力用コネクタを回路基板の幅方向に並べて配置した回路基板の幅寸法より小さくすることができる。
【0027】
更に、本発明において、第1の出力用コネクタを第1の絶縁部で覆い、第1の出力用コネクタの後部に配置した第2の出力用コネクタ、及び前記圧電トランス、更に前記電子部材を第2の絶縁部で覆うことで、高電圧を発生する圧電トランス及び出力用コネクタからその周囲の電子部品に対する放電を防止できる。
【0028】
また、第1の絶縁部と第2の絶縁部の間を絶縁材で覆わないことで、出力用コネクタと冷陰極管を電気的に結合するケーブルを第2の出力用コネクタに接続できると共に、圧電トランスから高電圧が入力される第1の出力用コネクタに接触せずに配線できるので、ケーブルの絶縁被膜の耐電圧に関わらず絶縁を確保できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、出力用コネクタを回路基板の一方の端部の近傍から回路基板の長手方向に順に並べて配置し、絶縁材からなる絶縁カバーで圧電トランス、電子部材、出力用コネクタを覆うとともに、複数の前記出力用コネクタの間は覆わないよう構成することにより、回路基板の圧電トランス及び出力用コネクタからその周囲の電子部品に対する放電を防止し、ケーブルの絶縁被膜の耐電圧に関わらずケーブルの絶縁が確保できる、幅方向の寸法が小さいインバータユニットが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【0032】
本発明のインバータユニットは、回路基板5、入力用コネクタ3、電子部材2、圧電トランス1a、圧電トランス1b、第1の絶縁部6a、第2の絶縁部6b、第1の出力用コネクタ4a、第2の出力用コネクタ4bからなり、回路基板5の一方の端部の近傍から、回路基板5の長手方向に、第1の出力用コネクタ4a、第2の出力用コネクタ4b、次に圧電トランス1a及び圧電トランス1b、更に電子部材2、そして入力用コネクタ3を順に配置し、回路基板5の図示しない回路パターンを介して電気的に接続し、第1の出力用コネクタ4aを第1の絶縁部6aで覆い、第2の出力用コネクタ4b、圧電トランス1a、圧電トランス1b、電子部材2、入力コネクタ3を第2の絶縁部6bで覆い構成する。
【0033】
本発明のインバータユニットは、入力用コネクタ3から入力された信号を、電子部材2を介して圧電トランス1a及び圧電トランス1bに入力し、圧電トランス1a及び圧電トランス1bで電圧を600V〜900Vまで上昇して第1の出力用コネクタ4a及び第2の出力用コネクタ4bに入力し、第1の出力用コネクタ4a及び第2の出力用コネクタ4bから図示しない冷陰極管へ高電圧を供給する。
【0034】
更に、絶縁材からなる第1の絶縁部6a及び第2の絶縁部6bは、高電圧を発生させる圧電トランス1a及び圧電トランス1bと、高電圧が入力される第1の出力用コネクタ4a及び第2の出力用コネクタ4bから発生する可能性がある、放電による周辺機器や電子部品等への影響を防ぐ為の絶縁性を確保する。
【0035】
図2は、図1の部位Aの上面図であり、本発明のインバータユニットにおける出力コネクタ及び絶縁カバーの位置を説明する図である。
【0036】
本発明のインバータユニットは、回路基板5の一方の端部の近傍に第1の出力用コネクタ4aを配置し、次いで第2の出力用コネクタ4bを第1の出力用コネクタ4aの後部に、回路基板5の長手方向に順に並べて配置し、更に、第2の出力用コネクタ4bの後部に、圧電トランス1aと圧電トランス1bを回路基板5の幅寸法方向に平行に並べて設け、第1の出力用コネクタ4aを第1の絶縁部6aで覆い、第2の出力用コネクタ4b、圧電トランス1a及び圧電トランス1bを第2の絶縁部6bで覆う。
【0037】
図3は、本発明のインバータユニットと外部機器との接合状態を示す図であり、すでに図2で説明した本発明のインバータユニットに図示しない冷陰極管と電気的に結合するケーブルを装着した状態を示しており、図3(a)は上面図で、図3(b)は側面図である。
【0038】
回路基板5に設けた第1の出力用コネクタ4aに冷陰極管と電気的に結合する第1のケーブル10aを装着して回路基板5の外に第1のケーブル10aを配線し、更に回路基板5に設けた第2の出力用コネクタ4bに冷陰極管と電気的に結合する第2のケーブル10bを装着し、第1の出力用コネクタ4aを覆うように設けた第1の絶縁部6aの上方を通って回路基板5の外に第2のケーブル10bを配線する。よって、第1のケーブル10a及び第2のケーブル10bは、第1の出力用コネクタ4a、第2の出力用コネクタ4b、及び第2の絶縁部6bで覆われた回路基板5上の圧電トランス1a及び圧電トランス1bに接触しない。
【0039】
上述のような構成により、回路基板の圧電トランス及び出力用コネクタからその周囲の電子部品に対する放電を防止し、ケーブルの絶縁被膜の耐電圧に関わらずケーブルの絶縁が確保できる、幅方向の寸法が小さいインバータユニットが得られる。
【0040】
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【0041】
本発明のインバータユニットは、回路基板5、入力用コネクタ3、電子部材2、圧電トランス1a、圧電トランス1b、第1の絶縁部6a、第2の絶縁部6b、第3の絶縁部6c、第1の出力用コネクタ4a、第2の出力用コネクタ4bからなり、回路基板5の一方の端部の近傍から回路基板5の長手方向に、第1の出力用コネクタ4a、第2の出力用コネクタ4b、次に圧電トランス1a及び圧電トランス1b、更に電子部材2、そして入力用コネクタ3を順に配置し、回路基板5の図示しない回路パターンを介して電気的に接続し、第1の出力用コネクタ4aを第1の絶縁部6aで覆い、2の出力用コネクタ4b、圧電トランス1a、圧電トランス1b、電子部材2、入力用コネクタ3を第2の絶縁部6bで覆い、回路基板5の部品実装がされていない面すなわち裏面に、板状の絶縁材からなる第3の絶縁部6cを設けて、第3の絶縁部6cに第1の絶縁部6a及び第2の絶縁部6bを接合し、一体化して構成する。
【0042】
本発明のインバータユニットは、入力用コネクタ3から入力された信号を、電子部材2を介して圧電トランス1a及び圧電トランス1bに入力し、圧電トランス1a及び圧電トランス1bで電圧を600V〜900Vまで上昇して第1の出力用コネクタ4a及び第2の出力用コネクタ4bに入力し、第1の出力用コネクタ4a及び第2の出力用コネクタ4bから図示しない冷陰極管へ高電圧を供給する。
【0043】
更に、絶縁材からなる第1の絶縁部6a及び第2の絶縁部6bは、高電圧を発生させる圧電トランス1a及び圧電トランス1bと、高電圧が入力される第1の出力用コネクタ4a及び第2の出力用コネクタ4bから発生する可能性がある、放電による周辺機器や電子部品等への影響を防ぐ為の絶縁性を確保する。
【0044】
また、第1の絶縁部6a及び第2の絶縁部6bを第3の絶縁部6cで接合し、一体化することによって、衝撃等に対する機械的強度を高くすると共に、絶縁部の表面の電位を均一にし、第1の出力用コネクタ4a及び第2の出力用コネクタ4bからの放電発生の可能性を抑制でき、より好ましい。
【0045】
上述のような構成により、回路基板の圧電トランス及び出力用コネクタからその周囲の電子部品に対する放電を防止し、ケーブルの絶縁被膜の耐電圧に関わらずケーブルの絶縁が確保できる、幅方向の寸法が小さいインバータユニットが得られる。
【0046】
図5は、本発明のインバータユニットの外部機器への内装を示す概略図である。ノート型パーソナルコンピュータ7の液晶ディスプレイ8の下部にインバータユニット9を内装し、ノート型パーソナルコンピュータ7及び液晶ディスプレイ8と電気的に接続する。このノート型パーソナルコンピュータ7への内装は、上述の2つの実施の形態とも同様に実施できる。
【0047】
次に、上述の2つの実施の形態に係る第1の絶縁部及び第2の絶縁部からなる絶縁カバーの実施の形態について図面を用いて説明する。
【0048】
図6は、本発明の絶縁カバーの第1の実施の形態を示す図である。
【0049】
絶縁カバーは、絶縁材からなる絶縁シート6fを、回路基板5と回路基板5に設けた出力用コネクタ4を覆うように折り曲げて四角形断面の筒状体を設け、絶縁シート6fの重なる部分とその近傍を絶縁テープ11で覆って接合し構成する。更に、回路基板5を接着剤13で絶縁カバーの内部に固定する。
【0050】
図7は、本発明の絶縁カバーの第2の実施の形態を示す図である。
【0051】
絶縁カバーは、絶縁材からなる絶縁シート6fを、回路基板5と回路基板5に設けた出力用コネクタ4を覆うように折り曲げて四角形断面の筒状体を設け、絶縁シート6fの重なる部分を溶着し溶着部12を設けて接合し構成する。更に、回路基板5を接着剤13で絶縁カバーの内部に固定する。
【0052】
図8は、本発明の絶縁カバーの第3の実施の形態を示す図である。
【0053】
絶縁カバーは、断面略U字状の細長い絶縁材からなる絶縁部材6d及び絶縁部材6eを組み合わせ、回路基板5に設けた出力用コネクタ4を覆い、四角形断面の筒状体を設け、絶縁部材6dと絶縁部材6eの重なる部分と、絶縁部材6dの底面部を絶縁テープ11で覆って接合し構成する。更に、回路基板5を接着剤13で絶縁カバーの内部に固定する。
【0054】
図9は、本発明の絶縁カバーの第4の実施の形態を示す図である。
【0055】
絶縁カバーは、断面略U字状の細長い絶縁材からなる絶縁部材6d及び絶縁部材6eを組み合わせ、回路基板5に設けた出力用コネクタ4を覆い、四角形断面の筒状体を設け、絶縁部材6dと絶縁部材6eの重なる部分を溶着し、溶着部12a及び溶着部12bを設けて接合し構成する。更に、回路基板5を接着剤13で絶縁カバーの内部に固定する。
【0056】
図10は、本発明の絶縁カバーの第5の実施の形態を示す図である。
【0057】
絶縁カバーは、断面略U字状の細長い絶縁材からなる絶縁部材6dの底面、両側面及び開口部を絶縁テープ11で覆い、四角形断面の筒状体を設けて構成する。更に、出力用コネクタ4を設けた回路基板5を接着剤13で絶縁カバーの内部に固定する。
【0058】
上述した本発明の絶縁カバーの4つの実施の形態は、いずれの形態でも同様の効果が得られ、適宜選択するのが好ましい。
【0059】
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、これら実施の形態に限られるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での部材や構成の変更があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形態では、2つの圧電トランスと2つの出力用コネクタを用い、圧電トランスと出力用コネクタを一組にした形態を説明しているが、必ずしもこのような構造である必要はなく、2つ以上の圧電トランスと2つ以上の出力用コネクタを組み合わせた構成をとっても、同様に本発明の実施の形態を成す。また、前記実施の形態では、絶縁カバーの形状を四角形断面の筒状体を用いて説明しているが、必ずしもこのような構造である必要はなく、五角形以上の断面の筒状体であっても、同様に本発明の実施の形態を成す。すなわち、当事者であれば当然なしえるであろう各種変形修正もまた、本発明に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図。
【図2】図1の部位Aの上面図。
【図3】本発明のインバータユニットと外部機器との接合状態を示す図で、図3(a)は上面図、図3(b)は側面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す図。
【図5】本発明のインバータユニットの外部機器への内装を示す概略図。
【図6】本発明の絶縁カバーの第1の実施の形態を示す図。
【図7】本発明の絶縁カバーの第2の実施の形態を示す図。
【図8】本発明の絶縁カバーの第3の実施の形態を示す図。
【図9】本発明の絶縁カバーの第4の実施の形態を示す図。
【図10】本発明の絶縁カバーの第5の実施の形態を示す図。
【図11】従来技術の2灯式LCD用インバータユニットを示す側面図。
【図12】図11の部位Bの上面図。
【符号の説明】
【0061】
1a、1b、91a、91b 圧電トランス
2、92 電子部材
3、93 入力用コネクタ
4、4a、4b、94a、94b 出力用コネクタ
5、95 回路基板
6、96 絶縁カバー
6a、6b、6c 絶縁部
6e、6d 絶縁部材
6f 絶縁シート
7 ノート型パーソナルコンピュータ
8 液晶ディスプレイ
9 インバータユニット
10a、10b ケーブル
11 絶縁テープ
12、12a、12b 溶着部
13 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圧電トランスと、前記圧電トランスを制御する電子部材と、複数の出力用コネクタを有した回路基板、及び前記回路基板を電気的に絶縁するように覆った絶縁材よりなる絶縁カバーで構成したインバータユニットであって、前記圧電トランスと前記出力用コネクタを電気的に接続し、複数の前記出力用コネクタを前記回路基板の一方の端部の近傍から前記回路基板の長手方向に順に並べて配置し、前記絶縁カバーで前記圧電トランス、前記電子部材、前記出力用コネクタを有した前記回路基板の表面部、及び前記回路基板の裏面部を覆うとともに、複数の前記出力用コネクタの間は覆わないよう構成することを特徴とするインバータユニット。
【請求項2】
前記絶縁カバーは、前記回路基板の一方の端部の近傍に配置した第1の出力用コネクタを覆う第1の絶縁部と、前記第1の出力用コネクタの後部に配置した第2の出力用コネクタ、及び前記圧電トランス、更に前記電子部材を覆う第2の絶縁部からなることを特徴とする請求項1に記載のインバータユニット。
【請求項3】
前記絶縁カバーは、前記絶縁材からなる板状の第3の絶縁部に、前記第1の絶縁部及び前記第2の絶縁部を接合して一体化したことを特徴とする請求項2に記載のインバータユニット。
【請求項4】
前記第1の絶縁部及び前記第2の絶縁部は、前記絶縁材からなる絶縁シートを前記回路基板に沿って巻き、前記絶縁シート同士の重なる部分を、溶着または絶縁テープを用いて接合し、多角形断面の筒状体からなる構成としたことを特徴とする請求項2に記載のインバータユニット。
【請求項5】
前記第1の絶縁部及び前記第2の絶縁部は、前記絶縁材からなる複数の断面略U字状の細長い絶縁部材により構成され、複数の前記絶縁部材を組み合わせ、前記絶縁部材同士の重なる部分を、溶着または絶縁テープを用いて接合し、多角形断面の筒状体からなる構成としたことを特徴とする請求項2に記載のインバータユニット。
【請求項6】
前記第1の絶縁部及び前記第2の絶縁部は、前記絶縁部材の開口部を絶縁テープで塞いだ多角形断面の筒状体からなる構成としたことを特徴とする請求項2に記載のインバータユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−104072(P2010−104072A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270600(P2008−270600)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】