説明

インフルエンザウイルスの複数のサブタイプに対する新規ワクチン

本発明の態様は、DNAプラスミド、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、複数のインフルエンザウイルスサブタイプに対する哺乳類において免疫応答を生成することが可能なDNAプラスミドワクチンを対象とする。DNAプラスミドは、哺乳類において免疫応答を誘発するのに有効な量のコンセンサスインフルエンザ抗原を哺乳類の細胞内に発現させることが可能であり、コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサス血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリクスタンパク質、核タンパク質、M2外部ドメイン−核タンパク質(M2e−NP)、またはそれらの組み合わせを含む。好適には、コンセンサスインフルエンザ抗原は、HA、NA、M2e−NP、またはそれらの組み合わせを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、1997年11月12日に出願された、米国特許仮出願第60/987,284号の利益を主張し、その内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、免疫応答を誘発するため、ならびに個体をインフルエンザに対して予防的および/または治療的に免疫化するための、改善されたインフルエンザワクチン、改善された方法に関する。
【背景技術】
【0003】
動物およびヒトの疾患に対してワクチン接種するための核酸配列の使用が研究されている。研究は、所望の抗原の必要な発現を得るための有効かつ効果的な送達手段に焦点を当てており、免疫原性反応および最終的にこの技術の成功をもたらしている。プラスミドDNA等の核酸配列を送達する1つの方法は、電気穿孔(EP)技術である。この技術は、ブレオマイシン等の抗癌剤を送達するためのヒトの臨床試験、および多数の動物種の多くの前臨床研究に使用されている。
【0004】
インフルエンザウイルスゲノムは、11個のタンパク質(HA、NA、NP、M1、M2、NS1、NEP、PA、PB1、PB1−F2、PB2)をコード化する8つの単一(非対)のRNA鎖に含まれる。ゲノムのセグメント化特性によって、細胞共存中に異なるウイルス株間での全遺伝子を交換することが可能になる。8つのRNAセグメントは、血球凝集素(約500分子の血球凝集素が、1ビリオンを形成するために必要である)をコード化するHA、ノイラミニダーゼ(約100分子のノイラミニダーゼが、1ビリオンを形成するために必要である)をコード化するNA、核タンパク質をコード化するNP、同一のRNAセグメントからの異なるリーディングフレームを使用して、2つのマトリクスタンパク質(M1およびM2)(約3000個のマトリクスタンパク質分子が、1ビリオンを形成するために必要である)をコード化するM、同一のRNAセグメントからの異なるリーディングフレームを使用して、2つの異なる非構造タンパク質(NS1およびNEP)をコード化するNS、RNAポリメラーゼをコード化するPA、同一のRNAセグメントからの異なるリーディングフレームを使用して、RNAポリメラーゼおよびPB1−F2タンパク質(アポトーシスを誘発する)をコード化するPB1、およびRNAポリメラーゼをコード化するPB2である。
【0005】
インフルエンザ血球凝集素(HA)は、インフルエンザウイルス粒子の表面に発現し、ウイルスとその宿主細胞との間の初期接触に関与する。HAは、周知の免疫原である。インフルエンザA株H5N1(トリインフルエンザ株)は、そのHAタンパク質(H5)が自然変異によって、わずかに遺伝子的に再集合された場合に、ウイルスの他の株と比較してヒト細胞の感染性を大幅に増加させるため、特に、ヒト集団に脅威を及ぼす。乳幼児および高齢者、または免疫不全の成人のウイルスH5N1株の感染は、しばしば、不良な臨床転帰に相関する。したがって、インフルエンザのH5N1株の予防は、公衆に大いに必要とされている。
【0006】
入手可能な抗インフルエンザ剤には、インフルエンザAの細胞の進入/脱外被の阻害剤(抗ウイルス性アマンタジンおよびリマンタジン等)、およびノイラミニダーゼ阻害剤(抗ウイルス性オセルタミビル、ザナミビル等)の2つの種類がある。これらの抗ウイルス剤は、インフルエンザAおよびBの両方の細胞放出を阻害する。これらの薬剤に耐性があるウイルス株の発見により、これらの薬剤の使用における懸念が報告されている。
【0007】
インフルエンザワクチンは、一般の季節性ワクチンであり、多くの人は、そのようなワクチン接種の経験がある。しかしながら、ワクチン接種は、ワクチンが、ウイルスの特定のサブタイプに特異的であるため、保護効果に限定される。米国疾病対策予防センター(Center for Disease Control and Prevention)は、3つのインフルエンザウイルス(殺滅されたウイルス)(1つのA(H3N2)ウイルス、1つのA(H1N1)ウイルス、および1つのBウイルス)を含むワクチンである「予防注射」でのワクチン接種を促進する。ワクチンのウイルスは、国際監視およびウイルスのどの型および株が所与の年に広がるかについての科学者らの予測に基づき毎年変化することも報告される。したがって、ワクチン接種は、サブタイプの予測に、そして特定のワクチンの有効性は、そのサブタイプに限定されることは、明らかである。
【0008】
経済的で数々のサブタイプにわたって有効である、有効なインフルエンザワクチンの必要性が依然として残っている。さらに、予防的または治療的にインフルエンザに対する免疫化を提供するために、DNAワクチンを哺乳類に投与するための効果的な方法の必要性が残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、哺乳類において、DNAプラスミドおよび薬学的に許容可能な賦形剤を含む、複数のインフルエンザウイルスサブタイプに対する免疫応答を誘発することが可能なDNAプラスミドワクチンに関する。DNAプラスミドは、哺乳類の細胞内に哺乳類において免疫応答を誘発するのに有効な量のコンセンサスインフルエンザ抗原を発現することが可能であり、コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサス血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリクスタンパク質、核タンパク質、M2外部ドメイン−核タンパク質(M2e−NP)、またはそれらの組み合わせを含む。好適には、コンセンサスインフルエンザ抗原は、HA、NA、M2e−NP、またはそれらの組み合わせを含む。DNAプラスミドは、コンセンサスインフルエンザ抗原をコード化するコード配列に機能し得るように連結したプロモータを含む。好適には、DNAプラスミドワクチンは、1mg/ml以上の総DNAプラスミドの濃度を有するものである。
【0010】
本発明の別の態様は、哺乳類の細胞内にコンセンサスインフルエンザ抗原を発現することが可能なDNAプラスミドに関し、コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサス血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリクスタンパク質、核タンパク質、M2外部ドメイン−核タンパク質(M2e−NP)、またはそれらの組み合わせを含む。好適には、コンセンサスインフルエンザ抗原は、HA、NA、M2e−NP、またはそれらの組み合わせを含む。DNAプラスミドは、コンセンサスインフルエンザ抗原をコード化するコード配列に機能し得るように連結したプロモータを含む。
【0011】
本発明の別の態様は、哺乳類における複数のインフルエンザウイルスサブタイプに対する免疫応答を誘発するための方法に関する。該方法は、DNAプラスミドワクチンを哺乳類の組織に送達するステップ、および細胞においてDNAプラスミドの進入を可能にするのに効果的な定電流でのエネルギーのパルスを使用して組織の細胞を電気穿孔するステップを含み、DNAプラスミドワクチンは、哺乳類の細胞内にコンセンサスインフルエンザ抗原を発現して、哺乳類において免疫応答を誘発することが可能なDNAプラスミドを含み、コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサスHA、NA、M2e−NP、またはそれらの組み合わせを含む。
【0012】
本発明の多くの目的および利点は、添付の図面を参照して当業者は、より良く理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本明細書に記載する研究に使用するDNAプラスミド構築物の略図(プラスミドマップ)を示す。コンセンサスHA、NA、およびM2e−NP構築物は、近年ヒトに致命的であることが証明された、16個のH5ウイルス、および40個以上のヒトN1ウイルスからの一次ウイルス配列(Los Alamos National Laboratory’s Influenza Sequence Database)を分析して得た。コンセンサス配列を生成した後、構築物は、Kozak配列の追加、コドン最適化、およびRNA最適化を含む、哺乳類における発現のために最適化した。次いで、これらの構築物を、pVAXベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)にサブクローニングした。プラスミドpGX2001(コンセンサスHA)、pGX2002(コンセンサスNA)、pGX2003(コンセンサスM2e−NP)を示す。示したプラスミドpCMVSEAPは、レポータタンパク質分泌性胚アルカリホスファターゼ(SEAP)をコード化する。
【図2】注入後35日目のブタの血清内のHI力価の結果の棒グラフを示す。最大力価は、0.5Aの電流設定で2mgのHA発現プラスミドが投与された群で見られた(120±40、2mg/0.3Aに対してP=0.11、そして2mg/0.1Aに対してP=0.02)。減少した用量のプラスミドが投与され、0.5Aで電気穿孔された3つの群は、HI力価の減少も示した。
【図3】IFN−γELISpot数の棒グラフを示す。数は、2mgのHAおよび2mgのNAプラスミドワクチン(合計4mgのプラスミド)が投与され、0.3Aの電流で電気穿孔されたブタ(2000スポット)、および0.8mgのHAおよび0.8mgのNAプラスミドワクチン(合計1.6mgのプラスミド)が投与され、0.5Aの電流で電気穿孔された群(934スポット)で最大であった。比較目的で、免疫化されていない対照群の細胞免疫応答を示す。
【図4】14日目および35日目における治療されたブタの筋生検からの結果を示す棒グラフを示す。図4Aは、すべての群の平均病理学スコアを示す棒グラフを示す。図4Bは、筋壊死および線維症スコアを示す棒グラフを示す。6mgの総プラスミドが注入され、0.5Aで電気穿孔された群は、最大の平均病理学スコア(対照と比較して、P<0.0002)を呈した。病理学スコアは、0.3mg/0.3A群(P=0.057)および2.4mg/0.1A群(P=1.0)を除く、すべての群(P<0.05)において、14日目と比較して、35日目に有意に減少した。
【図5】H5N1ウイルス(A/Viet/1203/2004(H5N1)/PR8−IBCDC−RG)で抗原投与した後のフェレットの体重変化の%を示す。HA、HA+M2e−NP、またはHA+M2e−NP+NAでワクチン接種されたフェレットは、抗原投与後期間9日の内に対照動物よりも体重の減少が有意に少なかった(対照に対してP<0.005)。HAワクチン群内の1つの動物は、抗原投与後に実際には体重が増加した。
【図6】抗原投与後の9日間のフェレットの体温を示すグラフを示す。対照動物は、ワクチン接種した動物よりも高い体温を示した。5日目の体温は、異なる時刻で測定されたために示されず、群に関わらず、すべての体温は、低かった。
【図7】ワクチン接種後のフェレットのHI力価からの結果の棒グラフを示し、アッセイは、米国疾患対策センター(Center for Disease Control)から得た再集合体ウイルス、A/Viet/1203/04、またはIndo/05/2005インフルエンザ株を使用して実施した。
【図8】2回目の免疫化の3週間後に測定されたHI力価からの結果の棒グラフを示す。IDの免疫化後にEPを受けたマカクは、すべての他の群よりも有意に高いHI力価を示した(P<0.03)。未処置の対照は、いかなるHI力価も呈さなかった。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好適な実施形態の詳細な説明
以下の省略または短縮された定義は、本発明の好適な実施形態の理解に役立つために提供する。本明細書に記載する省略された定義は、決して包括的でも、また当該分野で理解される定義、または辞書の意味での定義と矛盾するものでもない。省略された定義は、当該技術分野において周知の定義を補足する、またはより明確に定義するために本明細書に記載する。
【0015】
定義
本明細書に使用するヌクレオチドおよびアミノ酸の配列相同性は、FASTA、BLAST、およびGapped BLAST(参照することにより、本明細書にその全体が組み込まれる、Altschul et al., Nuc. Acids Res., 1997, 25, 3389)、およびPAUP*4.0b10ソフトウエア(D.L. Swofford, Sinauer Associates, Massachusetts)を使用して決定され得る。簡潔に述べると、基本的局所配列検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool)を表す、BLASTアルゴリズムは、配列類似性を決定するのに適する(参照することにより、本明細書にその全体が組み込まれる、Altschul et al., J.Mol.Biol., 1990、215、403−410)。BLAST分析を実行するためのソフトウエアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)から公的に入手可能である。BLASTアルゴリズムで提供される類似性の1つの尺度は、2つのヌクレオチド配列間での適合が偶然に生じる確率の指標を提供する最小合計確率(P(N))である。例えば、核酸は、試験する核酸の他の核酸との比較における最小合計確率が、約1未満、好適には、約0.1未満、さらに好適には、約0.01未満、および最も好ましくは、約0.001未満である場合に、別のものと類似すると考えられる。「類似性のパーセンテージ」は、PAUP4.0b10ソフトウエア(D.L. Swofford, Sinauer Associates, Massachusetts)を使用して算出することができる。コンセンサス配列の平均類似性は、系統樹のすべての配列と比較して算出される。
【0016】
本明細書に使用する、「遺伝的構築物」または「核酸構築物」という用語は、交換可能に使用され、タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含むDNAまたはRNA分子を指す。コード配列、または「コード核酸配列」は、核酸分子が投与される個体の細胞内での発現を誘導することが可能なプロモータとポリアデニル化シグナルとを含む、調節エレメントに機能し得るように連結された開始および終結シグナルを含む。
【0017】
本明細書に使用する、「発現可能な形態」という用語は、個体の細胞内に存在するときに、コード配列が発現されるように、タンパク質をコード化するコード配列に機能し得るように連結した必要な調節エレメントを含む、核酸構築物を指す。
【0018】
本明細書において、「定電流」という用語は、組織またはその組織を規定する細胞によって、同一の組織に送達される電気パルスの期間にわたって、受容または経験する電流を定義するために使用される。電気パルスは、本明細書に記載する電気穿孔デバイスから送達される。本明細書に提供する電気穿孔デバイスは、フィードバック要素、好適には瞬間フィードバックを有するため、この電流は、電気パルスの寿命にわたりその組織内に一定アンペア数で残存する。フィードバック要素は、パルスの期間中にわたって、組織(または細胞)の抵抗を測定することができ、同一組織内の電流が電気パルス(数マイクロ秒のオーダーで)にわたり、またパルス間で一定のままであるように、電気穿孔デバイスにその電気エネルギー出力を変更(例えば、電圧を増大)させることができる。いくつかの実施形態では、フィードバック要素は、コントローラを含む。
【0019】
「フィードバック」または「電流フィードバック」という用語は、交換可能に使用され、電極間の組織内の電流を測定し、それにしたがって電流を一定レベルに維持するためにEPデバイスによって送達されたエネルギー出力を変更するステップを含む、提供された電気穿孔デバイスの能動的な応答を意味する。この一定レベルは、パルスシーケンスまたは電気治療の開始前にユーザによって予め設定される。電気穿孔デバイス内の電気回路が電極間の組織内の電流を継続的に監視し、監視した電流(または細胞内の電流)を予め設定された電流と比較し、監視した電流を予め設定したレベルに維持するために継続的にエネルギー出力調節を行うことが可能であるため、好適には、フィードバックは、電気穿孔デバイスの電気穿孔コンポーネント、例えば、コントローラによって達成される。いくつかの実施形態では、フィードバックループは、アナログ閉ループフィードバックであるため瞬時のものである。
【0020】
本明細書で交換可能に使用される「電気穿孔」、「電気透過処理(electro−permeabilization)」または「電気動力学的促進(electro−kinetic enhancement)」(「EP」)という用語は、生体膜内の微視的経路(細孔)を誘発するための、膜貫通電界パルスの使用を指す。それらの存在により、プラスミド等の生体分子、オリゴヌクレオチド、siRNA、薬物、イオン、および水が細胞膜の一方の側から他方の側へ通過することが可能になる。
【0021】
本明細書において、「分散電流」という用語は、本明細書に記載する電気穿孔デバイスのさまざまな針電極アレイから送達された電流のパターンを定義するために使用され、パターンは、電気穿孔される組織の任意の領域における電気穿孔関連の熱ストレスの発生を最小限にする、または好適には除去する。
【0022】
本明細書に使用する「フィードバック機構」という用語は、ソフトウエアまたはハードウエア(またはファームウエア)のいずれかによって実行されるプロセスを指し、そのプロセスは、所望の組織(エネルギーのパルスの送達前、送達中、および/または送達後)のインピーダンスを受容し、現在値、好適には電流と比較し、予め設定された値を達成するために送達されたエネルギーのパルスを調節する。本明細書において、「インピーダンス」という用語は、フィードバック機構を考察するときに使用され、オームの法則に従い電流値に変換することができ、したがって、予め設定された電流との比較が可能になる。好適な実施形態では、「フィードバック機構」は、アナログ閉ループ回路によって実施する。
【0023】
本明細書において、「免疫応答」という用語は、提供されるDNAプラスミドワクチンを介するインフルエンザコンセンサス抗原の導入に対応する、宿主の免疫系、例えば、哺乳類における免疫系の活性化を意味するために使用される。免疫応答は、細胞応答もしくは体液性応答、またはその両方の形態であり得る。
【0024】
本明細書において、「コンセンサス」または「コンセンサス配列」という用語は、特定のインフルエンザ抗原の複数のサブタイプまたは血清型に対する広域な免疫を誘発するために使用することができる、特定のインフルエンザ抗原の複数のサブタイプのアラインメントの分析に基づき構成された、合成核酸配列、または対応するポリペプチド配列を意味するために使用される。コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサスH1、H2、H3、またはH5を含むHA、NA、NP、マトリクスタンパク質、および非構造タンパク質を含む。また、融合タンパク質(例えば、M2e−NP)等の合成抗原を、コンセンサス配列(またはコンセンサス抗原)に操作することができる。
【0025】
本明細書において、「アジュバント」という用語は、DNAプラスミドおよび以下に記載するコード核酸配列によってコード化されたインフルエンザ抗原の抗原性を強化するために、本明細書に記載するDNAプラスミドワクチンに追加されるいかなる分子も意味するために使用される。
【0026】
「サブタイプ」または「血清型」という用語は、本明細書で交換可能に、およびインフルエンザウイルスに関して使用され、1つのサブタイプが免疫系によって異なるサブタイプとは別に認識される(または、言い換えると、それぞれのサブタイプが異なるサブタイプと抗原特性において異なる)ように、1つのインフルエンザウイルス抗原の遺伝的変異体を意味する。
【0027】
いくつかの実施形態では、哺乳類の細胞内にコンセンサスインフルエンザ抗原を発現することが可能なDNAプラスミドがあり、コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサス血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリクスタンパク質、核タンパク質、M2外部ドメイン−核タンパク質(M2e−NP)、またはそれらの組み合わせを含む。好適には、コンセンサスインフルエンザ抗原は、HA、NA、M2e−NP、またはそれらの組み合わせを含む。DNAプラスミドは、コンセンサスインフルエンザ抗原をコード化するコード配列に機能し得るように連結したプロモータを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、本発明は、哺乳類において複数のインフルエンザウイルスサブタイプに対する免疫応答を誘発することが可能なDNAプラスミドワクチンを提供し、DNAプラスミドワクチンは、DNAプラスミドおよび薬学的に許容可能な賦形剤を含む。DNAプラスミドは、哺乳類の細胞内に哺乳類において免疫応答を誘発するのに有効な量のコンセンサスインフルエンザ抗原を発現することが可能であり、コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサス血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリクスタンパク質、核タンパク質、M2外部ドメイン−核タンパク質(M2e−NP)、またはそれらの組み合わせを含む。好適には、コンセンサスインフルエンザ抗原は、HA、NA、M2e−NP、またはそれらの組み合わせを含む。DNAプラスミドは、コンセンサスインフルエンザ抗原をコード化するコード配列に機能し得るように連結したプロモータを含む。いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、1mg/ml以上の総DNAプラスミドの濃度を有するものである。免疫応答は、細胞性または体液性応答、もしくはその両方であってもよく、好適には、免疫応答は、細胞性および体液性の両方である。
【0029】
いくつかの実施形態では、DNAプラスミドは、コード配列のN末端の端部に付着し、プロモータに機能し得るように結合したIgGリーダー配列をさらに含むことができる。また、いくつかの実施形態では、DNAプラスミドは、コード配列のC末端の端部に付着したポリアデニル化配列をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、DNAプラスミドは、コドン最適化される。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、アジュバントをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、アジュバントは、αインターフェロン、γインターフェロン、血小板由来成長因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM−CSF、上皮成長因子(EGF)、皮膚T細胞誘引ケモカイン(cutaneous T cell−attracting chemokine)(CTACK)、上皮胸腺発現ケモカイン(epithelial thymus−expressed chemokine)(TECK)、粘膜関連上皮ケモカイン(MEC)、IL−12、IL−15、MHC、CD80、CD86(シグナル配列を欠失し、任意にIgEからのシグナルペプチドを含むIL−15を含む)から成る群から選択される。有用なアジュバントであり得る他の遺伝子は、MCP−1、MIP−lα、MIP−1p、IL−8、RANTES、L−セレクチン、P−セレクチン、E−セレクチン、CD34、GlyCAM−1、MadCAM−1、LFA−1、VLA−1、Mac−1、pl50.95、PECAM、ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3、CD2、LFA−3、M−CSF、G−CSF、IL−4、IL−18の突然変異型、CD40、CD40L、血管成長因子、線維芽細胞成長因子、IL−7、神経成長因子、血管内皮細胞成長因子、Fas、TNF受容体、Flt、Apo−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c−jun、Sp−1、Ap−1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP−1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANKリガンド、Ox40、Ox40リガンド、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、TAP2、およびそれらの機能的フラグメントをコード化する遺伝子を含む。いくつかの好ましい実施形態では、アジュバントは、IL−12、IL−15、CTACK、TECK、またはMECから選択される。
【0031】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、以下を含み得るトランスフェクション促進剤である:免疫刺激複合体(ISCOMS)等の表面活性剤、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質Aを含むLPSアナログ、ムラミルペプチド、キノンアナログ、スクアレンおよびスクアレン等のベシクル、ヒアルロン酸、脂質、リポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、またはナノ粒子、もしくは他の公知のトランスフェクション促進剤。好適には、トランスフェクション促進剤は、ポリアニオン、ポリ−L−グルタミン酸塩(LGS)を含むポリカチオン、または脂質である。好適には、トランスフェクション促進剤は、ポリ−L−グルタミン酸塩であり、さらに好適には、ポリ−L−グルタミン酸塩は、6mg/ml未満の濃度でDNAプラスミドワクチン内に存在する。いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチン内のポリ−L−グルタミン酸塩の濃度は、4mg/ml未満、2mg/ml未満、1mg/ml未満、0.750mg/ml未満、0.500mg/ml未満、0.250mg/ml未満、0.100mg/ml未満、0.050 mg/ml未満、または0.010mg/ml未満である。
【0032】
いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、複数の異なるDNAプラスミドを含むことができる。いくつかの実施例では、異なるDNAプラスミドは、コンセンサスHAをコード化する核酸配列を含むDNAプラスミド、コンセンサスNAをコード化する配列を含むDNAプラスミド、およびコンセンサスM2e−NPをコード化する配列を含むDNAプラスミドを含む。いくつかの実施形態では、コンセンサスHAは、コンセンサスH1、コンセンサスH2、コンセンサスH3、またはコンセンサスH5である。好適には、コンセンサスHAは、配列番号1(H5N1HAコンセンサスDNA)、配列番号9(コンセンサスH1DNA)、配列番号11(コンセンサスH3DNA)、または配列番号13(コンセンサスH5)であるヌクレオチド配列である。コンセンサスHAは、配列番号2、配列番号10、配列番号12、または配列番号14のポリペプチド配列をコード化するヌクレオチド配列であってもよい。いくつかの実施形態では、コンセンサスNAは、配列番号3であるヌクレオチド配列、または配列番号4のポリペプチド配列をコード化するヌクレオチド配列である。いくつかの実施形態では、コンセンサスM2e−NPは、配列番号7であるヌクレオチド配列、または配列番号8のポリペプチド配列をコード化するヌクレオチド配列である。好適な一実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、コンセンサスH1をコード化する配列を含むDNAプラスミド、コンセンサスH2をコード化する配列を含むDNAプラスミド、コンセンサスH3をコード化する配列を含むDNAプラスミド、コンセンサスH5をコード化する配列を含むDNAプラスミド、コンセンサスNAをコード化する配列を含むDNAプラスミド、および、コンセンサスM2e−NPをコード化する配列を含むDNAプラスミドを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、コンセンサスインフルエンザ抗原を発現することができる少なくとも1つのDNAプラスミド、および1つのインフルエンザサブタイプ抗原を発現することができる少なくとも1つのDNAプラスミドを含む、複数の異なるDNAプラスミドを含むことができる。いくつかの実施例では、コンセンサス抗原を発現する異なるDNAプラスミドは、コンセンサスHAをコード化する核酸配列を含むDNAプラスミド、コンセンサスNAをコード化する配列を含むDNAプラスミド、およびコンセンサスM2e−NPをコード化する配列を含むDNAプラスミドを含む。いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、コンセンサスHA抗原、例えば、コンセンサスH1、H3、またはH5を発現することができるDNAプラスミド、および以下のインフルエンザA抗原のうちのいずれか1つを発現することができるDNAプラスミドを含む:H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、N9、NP、M1、M2、NS1、もしくはNEP、またはそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、コンセンサスNA抗原を発現することができるDNAプラスミド、および以下のインフルエンザA抗原のうちのいずれか1つを発現することができるDNAプラスミドを含む:H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、N9、NP、M1、M2、NS1、もしくはNEP、またはそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、コンセンサスM2e−NPを発現することができるDNAプラスミド、および以下のインフルエンザA抗原のうちのいずれか1つを発現することができるDNAプラスミドを含む:H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、N9、NP、M1、M2、NS1、もしくはNEP、またはそれらの組み合わせ。
【0034】
いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、免疫応答を誘発するように哺乳類に送達することができ、好適には、哺乳類は、ヒトおよび非ヒト霊長類を含む霊長類、ウシ、ブタ、ニワトリ、イヌ、またはフェレットである。さらに好適には、哺乳類は、ヒト霊長類である。
【0035】
本発明の一態様は、哺乳類における複数のインフルエンザウイルスサブタイプに対する免疫応答を誘発するための方法に関する。この方法は、DNAプラスミドワクチンを哺乳類の組織に送達するステップ、ならびに細胞においてDNAプラスミドの進入を可能にするのに効果的な定電流でのエネルギーのパルスを使用して組織の細胞を電気穿孔するステップを含み、このDNAプラスミドワクチンは、哺乳類の細胞内でコンセンサスインフルエンザ抗原を発現して哺乳類において免疫応答を誘発することが可能なDNAプラスミドを含み、このコンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサスHA、NA、M2e−NP、またはそれらの組み合わせを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、DNAプラスミドワクチンを皮内、皮下、または筋組織内に注入するステップを含む、送達ステップを含む。好適には、これらの方法は、生体内電気穿孔デバイスを使用して、組織に送達するのに所望される電流を予め設定するステップと、予め設定された電流と同等の定電流でのエネルギーのパルスを使用して組織の細胞を電気穿孔するステップを含む。いくつかの実施形態では、電気穿孔するステップは、電気穿孔された細胞内のインピーダンスを測定するステップと、測定されたインピーダンスと比較してエネルギーのパルスのエネルギーレベルを調節し、電気穿孔された細胞内の定電流を維持するステップとをさらに含み、ここで測定および調節ステップは、エネルギーのパルスの寿命内に行われる。
【0037】
いくつかの実施形態では、電気穿孔するステップは、分散パターンでエネルギーのパルスを送達するパルスシーケンスのパターンに従い、エネルギーのパルスを複数の電極に送達するステップを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明のDNAプラスミドインフルエンザワクチンは、コンセンサスHA、またはコンセンサスHAをコード化するヌクレオチド配列、および配列番号4、6、および8から成る群から選択されるインフルエンザタンパク質をコード化する核酸配列を含む。配列番号1および13は、それぞれ、インフルエンザウイルスのコンセンサスH5N1 HAおよびH5をコード化する核酸配列を含む。配列番号2および14は、それぞれ、インフルエンザウイルスのH5N1 HAおよびH5のアミノ酸配列を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号3または配列番号4を含む。配列番号3は、インフルエンザH1N1およびH5N1(H1N1/H5N1)NAコンセンサス配列をコード化する核酸配列を含む。配列番号4は、インフルエンザH1N1/H5N1NAコンセンサス配列のアミノ酸配列を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号5または配列番号6を含む。配列番号5は、インフルエンザH1N1/H5N1 M1コンセンサス配列をコード化する核酸配列を含む。配列番号6は、インフルエンザH1N1/H5N1 M1コンセンサス配列のアミノ酸配列を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号7または配列番号8を含む。配列番号7は、インフルエンザH5N1 M2E−NPコンセンサス配列をコード化する核酸配列を含む。配列番号8は、インフルエンザH5N1 M2E−NPコンセンサス配列のアミノ酸配列を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号9または配列番号10を含む。配列番号9は、インフルエンザH1N1 HAコンセンサス配列をコード化する核酸配列を含む。配列番号4は、インフルエンザH1N1 HAコンセンサス配列のアミノ酸配列を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号11または配列番号12を含む。配列番号11は、インフルエンザH3N1HAコンセンサス配列をコード化する核酸配列を含む。配列番号12は、インフルエンザH3N1HAコンセンサス配列のアミノ酸配列を含む。インフルエンザウイルス株H5N1HAのコンセンサス配列は、配列番号1または配列番号13に示す免疫優勢エピトープを含む。配列番号1でコード化されるインフルエンザウイルスH5N1 HAアミノ酸配列は、配列番号2であり、配列番号13でコード化されるそれは、配列番号14である。インフルエンザウイルスH1N1/H5N1 NAのコンセンサス配列は、配列番号3に示す免疫優勢エピトープを含む。配列番号3でコード化されるインフルエンザウイルス株H1N1/H5N1 NAアミノ酸配列は、配列番号4である。インフルエンザウイルス株H1N1/H5N1 M1のコンセンサス配列は、配列番号5に示す免疫優勢エピトープを含む。配列番号5でコード化されるインフルエンザウイルスH1N1/H5N1 M1アミノ酸配列は、配列番号6である。インフルエンザウイルスH5N1 M2E−NPのコンセンサス配列は、配列番号7に示す免疫優勢エピトープを含む。配列番号7でコード化されるインフルエンザウイルスH5N1 M2E−NPアミノ酸配列は、配列番号8である。本発明のワクチンは、上述の核酸分子でコード化されるタンパク質産物またはタンパク質の任意のフラグメントを含んでもよい。
【0039】
本発明は、少なくとも1つのインフルエンザサブタイプの非フラグメントの応答と実質的に同様な、哺乳類における免疫応答を誘発することが可能なポリペプチドをコード化するDNAフラグメントをも含む。DNAフラグメントは、配列番号1、3、5、7、9、11、および13を含む、本発明のさまざまなコード化ヌクレオチド配列の少なくとも1つから選択されるフラグメントであり、それは本明細書に提供する特定のコード核酸配列に適用されるため、以下に記載するDNAフラグメントのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、DNAフラグメントは、30以上、45以上、60以上、75以上、90以上、120以上、150以上、180以上、210以上、240以上、270以上、300以上、360以上、420以上、480以上、540以上、600以上、660以上、720以上、780以上、840以上、900以上、960以上、1020以上、1080以上、1140以上、1200以上、1260以上、1320以上、1380以上、1440以上、1500以上、1560以上、1620以上、1680以上、もしくは1740以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、DNAフラグメントは、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列のためのコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、DNAフラグメントは、60未満、75未満、90未満、120未満、150未満、180未満、210未満、240未満、270未満、300未満、360未満、420未満、480未満、540未満、600未満、660未満、720未満、780未満、840未満、900未満、960未満、1020未満、1080未満、1140未満、1200未満、1260未満、1320未満、1380未満、1440未満、1500未満、1560未満、1620未満、1680未満、または1740未満のヌクレオチドを含むことができる。好適には、DNAフラグメントは、配列番号1、3、7、9、11、または13のフラグメント、さらに好適には、配列番号1、5、9、11、または13のフラグメント、よりさらに好適には、配列番号1、9、または13のフラグメントである。
【0040】
本発明は、少なくとも1つのインフルエンザサブタイプの非フラグメントの応答と実質的に同様な、哺乳類における免疫応答を誘発することが可能なポリペプチドフラグメントをも含む、ポリペプチドフラグメントは、配列番号2、4、6、8、10、12、および14を含む、本発明のさまざまなポリペプチド配列の少なくとも1つから選択され、それは本明細書に提供する特定のポリペプチド配列に適用されるため、以下に記載するポリペプチドフラグメントのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、ポリペプチドフラグメントは、15以上、30以上、45以上、60以上、75以上、90以上、105以上、120以上、150以上、180以上、210以上、240以上、270以上、300以上、360以上、420以上、480以上、540以上、もしくは565以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドフラグメントは、30未満、45未満、60未満、75未満、90未満、120未満、150未満、180未満、210未満、240未満、270未満、300未満、360未満、420未満、480未満、540未満、565未満のアミノ酸を含むことができる。好適には、ポリペプチドフラグメントは、配列番号2、4、8、10、12、または14のフラグメントであり、さらに好適には、配列番号2、6、10、12、または14のフラグメントであり、よりさらに好適には、配列番号2、10、または14のフラグメントである。
【0041】
少なくとも1つのインフルエンザサブタイプの非フラグメントの応答と実質的に同様な、哺乳類における免疫応答を誘発するフラグメントの決定は、当業者によって容易に決定することができる。フラグメントは、Los Alamos National Laboratoryのインフルエンザ配列データベース等の公的に入手可能なデータベースで提供される、少なくとも1つ、好適には、それ以上の抗原エピトープを含むように分析することができる。また、免疫応答の研究は、以下の実施例に示すとおり、マウス、ならびにHI力価およびELISpotsを使用してルーチン的に評価することができる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によると、複数のインフルエンザウイルスに対する哺乳類の免疫応答を誘導または誘発する方法は、a)インフルエンザ株H5N1コンセンサスHAタンパク質、その機能的フラグメント、またはその発現可能なコード配列、およびb)本明細書に提供する、1つ以上の単離されたコード核酸分子、そのような核酸分子によってコード化されるタンパク質、またはそのフラグメントを哺乳類に投与するステップを含む。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によると、複数のインフルエンザウイルスに対する哺乳類の免疫応答を誘導または誘発する方法は、a)インフルエンザ株H1N1およびインフルエンザ株H5N1コンセンサスNAタンパク質、その機能的フラグメント、またはその発現可能なコード配列、およびb)本明細書に提供する、1つ以上の単離されたコード核酸分子、そのような核酸分子によってコード化されるタンパク質、またはそのフラグメントを哺乳類に投与するステップを含む。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によると、複数のインフルエンザウイルスに対する哺乳類の免疫応答を誘導または誘発する方法は、a)インフルエンザ株H1N1およびインフルエンザ株H5N1コンセンサスM1タンパク質、その機能的フラグメント、またはその発現可能なコード配列、およびb)本明細書に提供する、1つ以上の単離されたコード核酸分子、そのような核酸分子によってコード化されるタンパク質、またはそのフラグメントを哺乳類に投与するステップを含む。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態によると、複数のインフルエンザウイルスに対する哺乳類の免疫応答を誘導または誘発する方法は、a)インフルエンザ株H5N1 M2E−NPコンセンサスタンパク質、その機能的フラグメント、またはその発現可能なコード配列、およびb)本明細書に提供する、1つ以上の単離されたコード核酸分子、そのような核酸分子によってコード化されるタンパク質、またはそのフラグメントを哺乳類に投与するステップを含む。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態によると、複数のインフルエンザウイルスに対する哺乳類の免疫応答を誘導または誘発する方法は、a)インフルエンザ株H1N1 HAコンセンサスタンパク質、その機能的フラグメント、またはその発現可能なコード配列、およびb)本明細書に提供する、1つ以上の単離されたコード核酸分子、そのような核酸分子によってコード化されるタンパク質、またはそのフラグメントを哺乳類に投与するステップを含む。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態によると、複数のインフルエンザウイルスに対する哺乳類の免疫応答を誘導または誘発する方法は、a)インフルエンザ株H3N1 HAコンセンサスタンパク質、その機能的フラグメント、またはその発現可能なコード配列、およびb)本明細書に提供する、1つ以上の単離されたコード核酸分子、そのような核酸分子によってコード化されるタンパク質、またはそのフラグメントを哺乳類に投与するステップを含む。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、以下の配列のうちの少なくとも2つを含む:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、および配列番号14、または前述のリストからの2つ以上の配列の任意の組み合わせ。
【0049】
ワクチン
いくつかの実施形態では、本発明は、タンパク質、および免疫応答が誘導され得る免疫原としてタンパク質を特に有効にするエピトープを有するタンパク質をコード化する遺伝的構築物を提供することによって、改善されたワクチンを提供する。したがって、ワクチンは、治療的または予防的免疫応答を誘導するために提供することができる。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態によると、本発明に従うワクチンは、個体に送達され、個体の免疫系の活性を調節し、それによって、免疫応答を強化する。タンパク質をコード化する核酸分子が、個体の細胞によって取り込まれるとき、ヌクレオチド配列は、細胞内に発現し、それによって、タンパク質は、個体に送達される。本発明の態様は、プラスミド等の核酸分子上のタンパク質のコード配列を送達する方法を提供する。
【0051】
本発明のいくつかの態様によると、個体を予防的および/または治療的に免疫化する組成物および方法が提供される。
【0052】
細胞によって取り込まれるとき、DNAプラスミドは、別個の遺伝物質として、存在し続けることができる。あるいは、RNAは、細胞に投与されてもよい。動原体、テロメア、および複製起点を含む、線状ミニ染色体としての遺伝的構築物を提供することも意図する。遺伝的構築物は、核酸分子の遺伝子発現に必要な調節エレメントを含む。これらのエレメントとしては、プロモータ、開始コドン、終止コドン、およびポリアデニル化シグナルが挙げられる。さらに、エンハンサは、しばしば、標的タンパク質、または免疫調節タンパク質をコード化する配列の遺伝子発現に必要とされる。これらのエレメントは、所望のタンパク質をコード化する配列に機能し得るように連結され、調節エレメントは、それらが投与される個体内で機能し得るものであることが必要である。
【0053】
一般的に、開始コドンおよび終止コドンは、所望のタンパク質をコード化するヌクレオチド配列の一部であると考えられる。しかしながら、これらのエレメントは、核酸構造が投与される哺乳類において機能的であることが必要である。開始および終止コドンは、コード配列とインフレームでなければならない。
【0054】
使用するプロモータおよびポリアデニル化シグナルは、個体の細胞内で機能的でなければならない。
【0055】
本発明の実施、特にヒトの遺伝子ワクチンの産生において有用なプロモータの例は、シミアンウイルス40(SV40)からのプロモータ、マウス乳腺癌ウイルス(MMTV)プロモータ、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)等のヒト免疫不全ウイルス(HIV)長い末端反復(LTR)プロモータ、モロニーウイルス、トリ白血病ウイルス(ALV)、CMV最初期プロモータ等のサイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、ならびに、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、およびヒトメタロチオネイン等のヒト遺伝子からのプロモータを含むが、これらに限定されず、他の実施形態では、プロモータは、天然型または合成の筋肉または皮膚に特異的なプロモータ等、組織に特異的なプロモータであってもよい。そのようなプロモータの例は、米国特許出願公開第US20040175727号に記載され、参照することにより全体が組み込まれる。
【0056】
本発明の実施、特に、ヒトの遺伝子ワクチンの産生において有用なポリアデニル化シグナルの例は、SV40ポリアデニル化シグナル、LTRポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリアデニル化シグナル、およびヒトβ−グロビンポリアデニル化シグナルを含むが、これらに限定されない。特に、SV40ポリアデニル化シグナルと称される、pCEP4プラスミド(Invitrogen, San Diego, CA)内にあるSV40ポリアデニル化シグナルを、使用することができる。
【0057】
DNA発現に必要な調節エレメントの他に、DNA分子には、他のエレメントも含まれ得る。そのような付加的エレメントは、エンハンサを含む。エンハンサは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、ならびにCMV、RSVおよびEBVからのウイルスエンハンサ等のウイルスエンハンサを含むが、これらに限定されない群から選択されてもよい。
【0058】
遺伝的構築物は、染色体外にこの構築物を維持し、細胞内に複数コピーの構築物を産生するために、哺乳類の複製起点とともに提供され得る。Invitrogen(San Diego, CA)のプラスミドpVAX1、pCEP4、およびpREP4は、エプスタイン・バー・ウイルス複製起点、および組み込みすることなく高コピーのエピソーム複製を産生する核抗原EBNA−1コード領域を含む。
【0059】
タンパク質産生を最大限にするために、構築物が投与される細胞における遺伝子発現のために好適である調節配列が選択されてもよい。また、該タンパク質をコード化するコドンは、宿主細胞内に最も効果的に転写されるように選択されてもよい。当業者は、細胞内で機能的であるDNA構築物を生成することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するタンパク質のコード配列が、IgEシグナルペプチドに連結される核酸構築物が提供され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するタンパク質は、IgEシグナルペプチドに連結される。
【0061】
例えば、タンパク質が使用される、いくつかの実施形態では、当業者は、周知の技術を使用して、周知の技術を使用する本発明のタンパク質を産生および単離することができる。例えば、タンパク質が使用される、いくつかの実施形態では、当業者は、周知の技術を使用して、本発明のタンパク質をコード化するDNA分子を周知の発現系に使用する市販の発現ベクターに挿入することができる。例えば、市販のプラスミドpSE420(Invitrogen, San Diego, Calif.)は、大腸菌(E.Coli)におけるタンパク質の産生に使用されてもよい。例えば、市販のプラスミドpYES2(Invitrogen, San Diego, Calif.)は、酵母のサッカロマイセス・セレヴィシエ株における産生に使用されてもよい。例えば、市販のMAXBACTM完全バキュロウイルス発現系(Invitrogen, San Diego, Calif.)は、昆虫細胞における産生に使用されてもよい。例えば、市販のプラスミドpcDNAIまたはpcDNA3(Invitrogen, San Diego, Calif.)は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞等の哺乳類の細胞における産生に使用されてもよい。当業者は、慣用技術、および容易に入手可能な出発物質によって、これらの市販の発現ベクターおよび系、またはその他を使用して、タンパク質を産生することができる(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning a Laboratory Manual, Second Ed. Cold Spring Harbor Press (1989)参照)。したがって、所望のタンパク質は、原核細胞および真核細胞系の両方で調製することができ、それによって、広範なプロセシングされた形態のタンパク質がもたらされる。
【0062】
当業者は、他の市販の発現ベクターおよび系を使用してもよい、または周知の方法および容易に入手可能な出発物質を使用してベクターを産生してもよい。プロモータおよびポリアデニル化シグナル等の必要な制御配列を含む発現系、および好適にはエンハンサは、容易に入手可能であり、さまざまな宿主に関して当該技術分野において知られている。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning a Laboratory Manual, Second Ed. Cold Spring Harbor Press (1989)を参照されたい。遺伝的構築物は、構築物が形質移入される細胞株、または標的組織の細胞内で機能的であるプロモータに機能し得るように連結されたタンパク質コード配列を含む。構成的プロモータの例は、サイトメガロウイルス(CMV)またはSV40からのプロモータを含む。誘導可能なプロモータの例は、マウス乳房白血病ウイルス、またはメタロチオネインプロモータを含む。当業者は、容易に入手可能な出発物質から、本発明のタンパク質をコード化するDNAで細胞を形質移入するのに有用な遺伝的構築物を容易に生成することができる。タンパク質をコード化するDNAを含む発現ベクターを使用して、適合性のある宿主を形質転換し、次いで、これを外来DNAの発現が行われる条件下で培養し、維持する。
【0063】
産生されたタンパク質は、当該技術分野において適切かつ周知のとおり、細胞を溶解することによるか、または培地からのいずれかで、培養物から回収される。当業者は、周知の技術を使用して、そのような発現系を使用して産生されるタンパク質を単離することができる。上述のとおり特定のタンパク質に特異的に結合する抗体を使用して天然源からタンパク質を精製する方法は、組み換えDNA方法によって産生されたタンパク質を精製するステップに同様に適用されてもよい。
【0064】
組み換え技術によってタンパク質を産生する他に、単離された、本質的に純粋なタンパク質を産生するために、自動ペプチド合成器も使用してもよい。そのような技術は、当業者には周知であり、置換を有する誘導体がDNAでコード化されたタンパク質産生に提供されない場合に有用である。
【0065】
核酸分子は、生体内電気穿孔、リポソーム媒介、ナノ粒子促進、組み換えベクター(例えば、組み換えアデノウイルス、組み換えアデノウイルス関連のウイルス、および組み換えワクシニア)を使用するおよび使用しない、DNA注入(DNAワクチン接種とも称される)を含む、いくつかの周知の技術のいずれかを使用して送達されてもよい。好適には、本明細書に記載するDNAプラスミド等の核酸分子は、DNA注入を介し、生体内電気穿孔とともに送達される。
【0066】
投与経路は、筋肉内、鼻内、腹腔内、皮内、皮下、静脈内、動脈内、眼内、および経口ならびに局所的、経皮的、吸入または坐薬によるか、あるいは粘膜組織に対するもの(例えば、膣、直腸、尿道、口腔、および舌下組織に対する洗浄による等)を含むが、それらに限定されない。好適な投与経路は、筋肉内、腹腔内、皮内、および皮下注入を含む。遺伝的構築物は、従来の注射器、無針注入デバイス、「マイクロプロジェクタイルボンバードメント遺伝子銃」、もしくは電気穿孔(「EP」)、「流体力学的方法」、または超音波等の他の物理的方法を含むが、それらに限定されない方法で投与されてもよい。
【0067】
本発明のDNAワクチンの送達を促進するのに好適な電気穿孔デバイスおよび電気穿孔方法の例は、Draghia−Akliらの米国特許第7,245,963号、Smithらによって提出された米国特許広報第2005/0052630号に記載されるものを含み、その内容は、参照することによりその全体が組み込まれる。また、2007年10月17日に出願され、35USC119(e)に基づき、2006年10月17日に出願された米国特許仮出願第60/852,149号および2007年10月10日に出願された第60/978,982号における利益を主張する、同時係属および共同所有の米国特許出願第11/874072号に提供されるDNAワクチンの送達を促進する電気穿孔デバイスおよび電気穿孔方法も好適であり、それらすべては参照することによりその全体が組み込まれる。好適には、電気穿孔デバイスは、筋肉内(IM)および皮内(ID)モデルを含む、CELLECTRATMデバイス(VGX Pharmaceuticals, Blue Bell, PA)である。
【0068】
Draghia−Akliらの米国特許第7,245,963号は、体内または植物内の選択した組織の細胞への生体分子の導入を促進するためのシステムおよびそれらの使用を記載する。モジュラ電極システムは、複数の針電極、皮下注射針、プログラム可能な定電流パルスコントローラから複数の針電極への導電連結を提供する電気コネクタ、および電源を含む。操作者は、支持構造上に載置される複数の針電極を保持し、それらを体内または植物内の選択した組織内にしっかりと挿入することができる。次いで、生体分子は、皮下注射針を介して選択した組織に送達される。プログラム可能な定電流パルスコントローラは、活性化され、定電流電気パルスは、複数の針電極に印加される。印加した定電流電気パルスは、複数の電極の間の細胞内への生体分子の導入を促進する。米国特許第7,245,963号の全体の内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0069】
Smithらによって提出された、米国特許広報第2005/0052630号は、体内または植物内の選択した組織の細胞内への生体分子の導入を効果的に促進するために使用されてもよい電気穿孔デバイスを記載する。電気穿孔デバイスは、その動作がソフトウエアまたはファームウエアによって特定される、動電デバイス(electro−kinetic device)(「EKD」)を含む。EKDデバイスは、ユーザ制御およびパルスパラメータの入力に基づき、アレイ内の電極の間の一連のプログラム可能な定電流パルスパターンを生成し、電流波形データの保存および取得を可能にする。電気穿孔デバイスは、針電極のアレイを有する交換可能な電極ディスク、注射針のための中心注入チャネル、および取り外し可能なガイドディスクをも含む。米国特許広報第2005/0052630号の全体の内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0070】
米国特許第7,245,963号、および米国特許広報第2005/0052630号に記載される電極アレイおよび方法は、筋肉等の組織だけでなく、他の組織または臓器内の深部への侵入にも適合される。電極アレイの構成により、(選択する生体分子を送達するための)注射針は、標的臓器内に完全に挿入され、注入は、電極によって予め区画された領域内の標的組織に垂直に投与される。好適には、米国特許第7,245,963号、および米国特許広報第2005/005263号に記載される電極は、20mmの長さで、21ゲージである。
【0071】
以下は、本発明の方法の実施例であり、上述の特許参考文献でより詳細に記載される:電気穿孔デバイスは、ユーザによって予め設定された電流入力と同様の定電流を産生するエネルギーのパルスを哺乳類の所望の組織に送達するように構成することができる。電気穿孔デバイスは、電気穿孔コンポーネント、および電極アセンブリまたはハンドルアセンブリを含む。電気穿孔コンポーネントは、コントローラ、電流波形発生器、インピーダンス試験器、波形ロガー、入力要素、状況報告要素、通信ポート、メモリコンポーネント、電源、および電源スイッチを含む、電気穿孔デバイスのさまざまな要素の1つ以上を含み、組み込むことができる。電気穿孔コンポーネントは、電気穿孔デバイスの1つの要素として機能することができ、他の要素は、電気穿孔コンポーネントと通信する別個の要素(またはコンポーネント)である。いくつかの実施形態では、電気穿孔コンポーネントは、電気穿孔コンポーネントから分離した電気穿孔デバイスのなお他の要素と通信することができる、電気穿孔デバイスの1つより多い要素として機能することができる。本発明は、要素が1つのデバイスとしてか、または互いと通信する別個の要素として機能することができるため、電気機械または機械デバイスの一部として存在する電気穿孔デバイスの要素によって制限されない。電気穿孔コンポーネントは、所望の組織内に定電流を生成するエネルギーのパルスを送達することが可能であり、フィードバック機構を含む。電極アセンブリは、空間的に配置された複数の電極を有する電極アレイを含み、電極アセンブリは、電気穿孔コンポーネントからのエネルギーのパルスを受信し、それを電極を介して所望の組織に送達する。複数の電極の少なくとも1つは、エネルギーのパルスの送達中に中性であり、所望の組織内のインピーダンスを測定し、インピーダンスを電気穿孔コンポーネントに伝達する。フィードバック機構は、測定されたインピーダンスを受信することができ、定電流を維持するために電気穿孔コンポーネントによって送達されたエネルギーのパルスを調節することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、複数の電極は、分散パターンのエネルギーのパルスを送達することができる。いくつかの実施形態では、複数の電極は、プログラムされたシーケンスの下で電極の制御を介して分散パターンのエネルギーのパルスを送達することができ、プログラムされたシーケンスは、ユーザによって電気穿孔コンポーネントに入力される。いくつかの実施形態では、プログラムされたシーケンスは、シーケンスで送達された複数のパルスを含み、複数のパルスのそれぞれのパルスは、インピーダンスを測定する1つの中性電極を有する、少なくとも2つの活性電極によって送達され、複数のパルスの続くパルスは、インピーダンスを測定する1つの中性電極を有する、少なくとも2つの活性電極のうちの異なる1つによって送達される。
【0073】
いくつかの実施形態では、フィードバック機構は、ハードウエアまたはソフトウエアのいずれかによって実施される。好適には、フィードバック機構は、アナログ閉ループ回路によって実施される。好適には、このフィードバックは、50μs、20μs、10μs、または1μs毎に生じるが、好適には、リアルタイムフィードバックまたは瞬間(つまり、応答時間を決定するための使用可能な技術によって決定されるとおり、実質的に瞬間)である。いくつかの実施形態では、中性電極は、所望の組織内のインピーダンスを測定し、インピーダンスをフィードバック機構に伝達し、フィードバック機構は、インピーダンスに応答して、予め設定された電流と同様の値で定電流を維持するためにエネルギーのパルスを調節する。いくつかの実施形態では、フィードバック機構は、エネルギーのパルスの送達中に継続的かつ瞬間的に定電流を維持する。
【0074】
薬学的に許容可能な賦形剤は、公知であり、公衆に容易に入手可能である、ビヒクル、アジュバント、担体、または希釈剤のような、機能的な分子を含むことができる。好適には、薬学的に許容可能な賦形剤は、アジュバントまたはトランスフェクション促進剤である。いくつかの実施形態では、核酸分子、またはDNAプラスミドは、ポリヌクレオチド機能エンハンサまたは遺伝子ワクチン促進剤(またはトランスフェクション促進剤)の投与と組み合わせて細胞に送達される。ポリヌクレオチド機能エンハンサは、米国第5,593,972号、5,962,428号、および1994年1月26日に出願された、国際出願第PCT/US94/00899号に記載され、それらは、参照することにより本明細書に組み込まれる。遺伝子ワクチン促進剤は、1994年4月1日に出願された、米国第021,579号に記載され、それは、参照することにより本明細書に組み込まれる。トランスフェクション促進剤は、核酸分子との混合物として、核酸分子と組み合わせて投与する、または核酸分子の投与と同時、投与前、または投与後に別個に投与することができる。トランスフェクション促進剤の例は、免疫刺激複合体(ISCOMS)等の界面活性剤、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質Aを含むLPSアナログ、ムラミルペプチド、キノンアナログ、およびスクアレンおよびスクアレン等のベシクルを含み、ヒアルロン酸は、遺伝的構築物と組み合わせて使用して、投与されてもよい。いくつかの実施形態では、DNAプラスミドワクチンは、脂質、DNAリポソーム混合物としての、レシチンリポソームまたは当該技術分野において周知の他のリポソームを含むリポソーム(例えば、国際公開第WO09324640号参照)、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、またはナノ粒子等のトランスフェクション促進剤、または他の周知のトランスフェクション促進剤をも含んでもよい。好適には、トランスフェクション促進剤は、ポリアニオン、ポリ−L−グルタミン酸塩(LGS)を含む、ポリカチオン、または脂質である。
【0075】
いくつかの好適な実施形態では、DNAプラスミドは、そのような標的タンパク質に対する免疫応答をさらに強化するタンパク質の遺伝子であるアジュバントとともに送達される。そのような遺伝子の例は、α−インターフェロン、γ−インターフェロン、血小板由来成長因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM−CSF、上皮成長因子(EGF)、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−12、IL−18、MHC、CD80、CD86、およびIL−15(シグナル配列を欠失し、IgE由来のシグナルペプチドを任意に含んだIL−15を含む)等の他のサイトカインおよびリンホカインをコード化する遺伝子である。有用であり得る他の遺伝子は、MCP−1、MIP−lα、MIP−1p、IL−8、RANTES、L−セレクチン、P−セレクチン、E−セレクチン、CD34、GlyCAM−1、MadCAM−1、LFA−1、VLA−1、Mac−1、pl50.95、PECAM、ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3、CD2、LFA−3、M−CSF、G−CSF、IL−4、IL−18の突然変異型、CD40、CD40L、血管成長因子、線維芽細胞成長因子、IL−7、 神経成長因子、血管内皮成長因子、Fas、TNF受容体、Flt、Apo−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、DR6、カスパーゼ、ICE、Fos、c−jun、Sp−1、Ap−1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、非活性NIK、SAP K、SAP−1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANKリガンド、Ox40、Ox40リガンド、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、TAP2、およびそれらの機能的フラグメントをコード化する遺伝子を含む。
【0076】
本発明に従う医薬組成物は、約1ナノグラム〜100ミリグラム、約1マイクログラム〜10ミリグラム、または好適には、約0.1マイクログラム〜10ミリグラム、またはさらに好適には、約1ミリグラム〜2ミリグラムのDNA量を含む。いくつかの好適な実施形態では、本発明に従う医薬組成物は、約5ナノグラム〜約1000マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好適な実施形態では、医薬組成物は、約10ナノグラム〜約800マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好適な実施形態では、医薬組成物は、約0.1〜約500マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好適な実施形態では、医薬組成物は、約1〜約350マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好適な実施形態では、医薬組成物は、約25〜約250マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好適な実施形態では、医薬組成物は、約100〜約200マイクログラムのDNAを含む。
【0077】
本発明に従う医薬組成物は、使用される投与様式に従い製剤される。医薬組成物が注入可能な医薬組成物である場合では、それらは、無菌、発熱物質を含まず、および微粒子を含まない。好適には、等張性製剤が使用される。一般的に、等張性のための添加剤は、塩化ナトリウム、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、およびラクトースを含むことができる。いくつかの場合では、リン酸緩衝生理食塩水等の等張性溶液が好適である。安定化剤は、ゼラチンおよびアルブミンを含む。いくつかの実施形態では、血管収縮剤が、製剤に添加される。いくつかの実施形態では、長期間の間、室温または周囲温度で製剤を安定化させることが可能なLGS、もしくは他のポリカチオンまたはポリアニオン等の安定化剤が、製剤に添加される。
【0078】
いくつかの実施形態では、コンセンサスインフルエンザ抗原に対する哺乳類の免疫応答を誘発する方法は、粘膜免疫応答を誘導する方法を含む。そのような方法は、1つ以上のCTACKタンパク質、TECKタンパク質、MECタンパク質、およびそれらの機能的フラグメント、または、それらの発現可能なコード配列を、上述のコンセンサスインフルエンザ抗原を含むDNAプラスミドと組み合わせて、哺乳類に投与するステップを含む。1つ以上のCTACKタンパク質、TECKタンパク質、MECタンパク質、およびそれらの機能的フラグメントを、本明細書に提供するDNAプラスミドインフルエンザワクチンの投与前、その投与と同時、またはその投与後に投与してもよい。いくつかの実施形態では、CTACK、TECK、MEC、およびそれらの機能的フラグメントから成る群から選択される、1つ以上のタンパク質をコード化する単離した核酸分子が、哺乳類に投与される。
【実施例】
【0079】
本発明を、以下の実施例でさらに説明する。本発明の好適な実施形態を示しながら、これらの実施例は、説明目的のみで提供されることを理解されたい。上述の説明およびこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的特長を確認することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな使用および条件に適応するように本発明のさまざまな変更および修正を行うことができる。したがって、本明細書に示し、記載するものの他に、本発明のさまざまな修正は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれることも意図する。
【0080】
好適には、本明細書に記載する筋肉または皮膚EPデバイスとともに使用するDNA製剤は、高いDNA濃度、好適には、ミリグラム〜数十ミリグラムの量を含む濃度、好適には、皮膚への送達に最適である少容量、好適には、少注入量、理想的には、25〜200マイクロリットル(μL)中に数十ミリグラムの量のDNAを有する。いくつかの実施形態では、DNA製剤は、1mg/ml以上(mgDNA/製剤容量)等の高いDNA濃度を有する。さらに好適には、DNA製剤は、200μLの調製中のグラム量のDNA、さらに好適には、100μLの調製中のグラム量のDNAを提供するDNA濃度を有する。
【0081】
本発明のEPデバイスとともに使用するためのDNAプラスミドは、公知のデバイスおよび技術を使用して製剤または製造することができるが、好適には、それらは、2007年5月23日に出願された、共同所有で同時係属の米国仮出願第60/939,792号に記載される、最適化されたプラスミド製造技術を使用して製造される。いくつかの実施例では、これらの研究に使用されるDNAプラスミドは、10mg/mL以上または同等の濃度で製剤することができる。製造技術は、2007年7月3日に発行された、共同所有の米国特許第7,238,522号を含む、米国特許第60/939792号に記載されるものの他に、当業者に一般的に公知のさまざまなデバイスおよびプロトコルも含むか、または援用する。本明細書に記載する皮膚EPデバイスおよび送達技術とともに使用する高濃度のプラスミドにより、かなり小容量でID/SC空間内へのプラスミドの投与が可能になり、発現および免疫化効果の強化に役立つ。共同所有の出願および特許の米国第60/939,792号、および米国特許第7,238,522号は、それぞれ、その全体が組み込まれる。
【0082】
実施例1:プラスミド構築物
普遍的なサイトメガロウイルス(CMV)プロモータは、pCMV−SEAPベクター内のヒト分泌性胚アルカリホスファターゼ(SEAP)レポータ導入遺伝子産物の発現を駆動する。プラスミドは、市販されるキット(Qiagen Inc., Chatsworth, CA)を使用して得た。内毒素レベルは、Kinetic Chromagenic LAL(Endosafe, Charleston, SC)で測定されるとおり、0.01EU/μg未満であった。コンセンサスHAおよびNA構築物は、ヒトに致命的であることが近年証明された16個のH5ウイルス、および40個以上のヒトN1ウイルスからの一次ウイルス配列を分析して生成した。これらの配列は、Los Alamos National Laboratoryのインフルエンザ配列データベースからダウンロードした。コンセンサス配列を生成した後、構築物を、Kozak配列の追加、コドン最適化、およびRNA最適化を含む、哺乳類の発現のために最適化した。次いで、これらの構築物を、pVAXベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)にサブクローニングした。特に記載がない限り、プラスミド調製物を、滅菌水内で希釈し、1%重量/重量のポリ−L−グルタミン酸ナトリウム塩(LGS)(MW=10.5kDA平均)(Sigma, St. Louis, MO)とともに製剤し、さらにVGX Pharmaceuticals, Immune Therapeutics Division(The Woodlands, TX)でHPLC精製した。
【0083】
実施例2:ブタの治療
ブタは、合計40匹のブタを10個の群×1群当たり4匹のブタに分けた(表1)。ブタは、4日間順応させ、体重を計り、耳にタグをつけた。研究0日目に、ブタの体重を計り、採血し、ブタのための麻酔前組み合わせ(ケタミン−(20mg/kg)、キシラジン−(2.2mg/kg)、およびアトロピン(0.04mg/kg))を使用して麻酔をかけ、次いで、イソフルラン(5%で導入、2−3%で維持)を使用して麻酔をかけた。ブタ(n=4/群)は、0.6mLのCMV−HA(コンセンサスH5抗原を発現するpVAXベースの構築物)、CMV−NA(コンセンサスN1抗原を発現するpVAXベースの構築物)、およびCMV−SEAP(リポータ遺伝子である分泌性胚アルカリンホスファターゼ、SEAPを発現する構築物)プラスミド(「筋損傷」評価のために、プラスミド濃度、および溶液の粘度を増加するために添加された最後のもの)ならびに1.0wt%/wtLGSで、変動するプラスミド濃度および電流強度において注入した。プラスミドは、実施例1に提供する物質および方法に従い、調製した。4秒後、動物は、5つの針電極を備え、以下のパルスパラメータ(52ミリ秒パルス、パルス間の1秒、異なる電流(0.1、0.3および0.5A)の3つのパルス)で動作する適応定電流CELLECTRATM筋肉内(IM)システム(VGX Pharmaceuticals, Blue Bell, PA)を使用して電気穿孔した。
【0084】
【表1】

それぞれの注入部位を囲繞する領域は、注入後14日目および35日目の生検の迅速な同定のために刺青をした。
【0085】
ブタは、麻酔から回復させ、完全な回復を確実にするために24時間密接に監視した。治療後2〜3時間以内に完全に回復しなかったあらゆるブタを、書きとめた。ブタは、体重を計り、10日目、21日目、および35日目に採血した。ブタは、21日目に2回目のワクチン接種を施した。血液は、2つの紫色の頂部のチューブ(CBCおよび鑑別のために1.0mL(Antech Diagnostics, Irvine, CA)、HAおよびNA抗原に対するIFN−γELISpotsのために10mL)、および凝固させ、遠心分離して血清を単離する別個のファルコンチューブ内に収集し、次いで、氷上のチューブ内に等分した。35日目に、すべてのブタは、麻酔の外科的平面下で放血させ、注入部位の針パンチ生検は、組織学に用いた。
【0086】
血球凝集抑制(HI)アッセイ
ブタの血清を、3部のレセプター破壊酵素(RDE)で1部の血清を希釈することによって、この酵素で処理し、37℃の水浴で一晩インキュベートした。酵素は、56℃で30分間インキュベートすることによって不活化し、続いて、1/10の最終希釈のために6部のPBSを添加した。HIアッセイは、以前に記載されるように、4HA単位のウイルスのおよび1%のウマの赤血球を使用して、V底96ウェルマイクロタイタープレートで実施した(Stephenson, I., et al., Virus Res., 103(1−2):91−5(July 2004))。
【0087】
HIアッセイで表された最大の力価(図2)は、0.5Aの電流設定で2mgのHA発現プラスミドを投与された群由来の血清で見られ(120±40、2mg/0.3Aに対してP=0.11、そして2mg/0.1Aに対してP=0.02)、力価は、2mgのそれぞれのプラスミドを受容した群で電界の強度とともに減少し、電流のプラスミドの量のいずれかがその後減少する場合は、力価は、より変化しやすく、群間で差はなかった。
【0088】
HI力価は、2mgのHA発現プラスミドが投与され、0.5Aで電気穿孔された群で最大であった。さらに、力価は、0.5Aで電気穿孔された群においてプラスミドの用量の減少、および電界の強度とともに減少する。低いプラスミド量、または低い電流強度は、群内の変動性を増加させるように見えた。
【0089】
HAおよびNA IFN−γELISpots
以前に記載されるように、ELISpotを、IFN−γ捕獲抗体および検出抗体(MabTech, Sweden)を使用して実施した(Boyer JD, et al., J Med Primatol, 34(5−6):262−70(OCT.2005))。抗原特異的応答は、陰性対照ウェル内のスポット数をペプチドを含有するウェルから差し引いて決定した。結果は、三連のウェルから得られた平均値(スポット/百万の脾細胞)として示す。
【0090】
0.3Aの電流設定で、2mgのそれぞれのプラスミド(総量4mg)を投与された群は、100万個の細胞当たり537±322SFUのIFN−γ ELISpotsで測定されるとおり、最大の細胞免疫応答を得た。その他のすべての群の平均の応答は、アッセイのバックグラウンドレベル内であった。最大の細胞免疫応答を得た2つの動物の個別のELISpot反応を、図3に強調表示する。
【0091】
CBC結果
リンパ球は、研究の21日目に電流設定にかかわらず、ワクチンの最大用量を投与された群において最大レベルに達したが、最大用量(4mgの総プラスミド、それぞれ2mg)および最大電流設定(0.5A)の群が、対照よりも40%高い、最大のリンパ球応答を示す(それぞれ、12670±1412対7607±1603リンパ球数/100血液、P<0.002)。
【0092】
筋肉組織病理学
ブタを放血させた後に、注入部位を同定し、治療後14日目および35日目にパンチ生検を行った。組織は、24時間緩衝ホルマリン中で固定し、次いで、PBS中で3回洗浄し、70%のアルコール中で保管した。生検試料をAntech Diagnosticsに提出し、そこで、それらを処理し、切片をヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。すべてのスライドを、さまざまな組織層(表3)内の病理学的基準(表2)に関して0〜5にそれらを採点する単一の有資格病理学者によって評価した。平均得点は、それぞれの時点でそれぞれの群に対して算出した。
【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

組織病理学は、プラスミド注入後14および35日目の筋生検(図4A)および0〜5スケールの基準(表2)に基づくEPから採点した。電気穿孔に続く全体の病理学スコアは、14日目から35日目に組織層で減少した(表3)。0.3A設定で6mgの総プラスミドを受容した群は、最大平均リンパ球応答に相関して、14日目で最大の総病理学スコアを呈した(18.3±6.4、対照に対してP<0.0002)。35日目のすべての病理学スコアは、治療されていない対照レベル(6.67〜4.25の範囲)のレベルに近づいた。それにもかかわらず、筋壊死および線維症(典型的にEP手順と関連して)(Gronevik E, et al., J Gene Med, 7(2):218−27(2005 Feb))が別個に分析されたとき(図4B)、スコアは、1および2の間の範囲であり、群間、または治療された群と対照との間で差異はない一方、より高いスコアは、免疫応答によるリンパ球性、形質細胞性、または好酸球性炎症に関連した。有意に、これらのスコアも、治療後14日〜35日に減少した。
【0095】
データ分析
データを、Microsoft Excel Statisticsパッケージを使用して分析した。図に示す値は、平均±SEMである。具体的な値は、一方向ANOVAおよびその後のt検定を使用する比較で得た。p<0.05の値は、統計的有意性のレベルとして設定した。
【0096】
実施例3:フェレットの治療
生後4〜6ヶ月、または少なくとも1kgの体重の20匹のオスのフェレット(Triple F Farms, Sayre, PA)を本研究に使用し、BIOQUAL, Inc. (Rockville, MD)に収容した。フェレット研究設計は、表4である。動物は、研究前の2週間順応させた。動物は、0週目、4週目、および9週目に(麻酔下で)免疫化した。血液は、2週間毎に採血した。3回目の免疫化の後に、動物は、BSL−3施設に移動し、トリインフルエンザ(H5N1)の非常に強力な株で13週目に抗原投与し、次いで、抗原投与後さらに2週間追跡した。抗原投与後2週間、動物は、毎日監視され、体重、体温および臨床スコアを記録した。活動レベルを監視し、記録し、死亡を文書に記録した。
【0097】
この研究では、フェレットのインフルエンザ抗原投与モデルにおいて、IMに送達され、続いて、CELLECTRATM適応定電流電気穿孔筋肉内(IM)システム(VGX Pharmaceuticals, Blue Bell, PA)を使用して電気穿孔することによるHA、NA、およびM2e−NPDNAワクチンの有効性を試験した。DNAプラスミドは、実施例1に提供する物質および方法に従い調製した。表4に概説されるとおり、群2、3、および4の動物は、0.2mgのそれぞれのインフルエンザプラスミドワクチンを受けた。用量を訂正するために、1つのプラスミドワクチンを受けた群(群2および3)、またはワクチンを受けていない群(対照群1)で、あらゆる群のすべての動物が0.6mgのプラスミドの総用量を受容するように、差異を、pVAX空ベクターによって補った。5つの針電極アレイを使用した、電気穿孔の条件は、0.5アンペア、52ミリ秒パルス幅、パルス間で1秒、注入と電気穿孔との間で4秒の遅れであった。
【0098】
【表4】

血球凝集抑制(HI)アッセイ
血清を、3部のレセプター破壊酵素(RDE)で1部の血清を希釈することによって、この酵素で処理し、37℃の水浴で一晩インキュベートした。酵素を、56℃で30分間インキュベートすることによって不活化し、続いて、1/10の最終希釈のために6部のPBSを添加した。HIアッセイは、以前に記載されるように、4HA単位のウイルスおよび1%のウマ赤血球を使用して、V底96ウェルマイクロタイタープレートで実施した(Stephenson, I., et al., Virus Res., 103(1−2):91−5(July 2004))。HIアッセイに使用するウイルスは、疫病管理センターから入手した再集合体株、A/Viet/1203/2004(H5N1)/PR8−IBCDC−RG(クレード1ウイルス)およびA/Indo/05/2005(H5N1)/PR8−IBCDC−RG2(クレード2ウイルス)である。インフルエンザ感染のフェレットモデルは、ヒト疾患をより反映するものであり、より厳密な抗原投与モデルであると考えられる。フェレットは、インフルエンザに感染したヒトと同様の症状、ならびにヒトおよびトリインフルエンザウイルスに関する同様の組織親和性を呈する。研究を通して、異なる時点で収集した血清は、H5N1ウイルスに対するHI活性を検出するために使用した。図7に示すとおり、コンセンサスH5特異的HA構築物を含む群の両方は、2回の免疫化後に抗体の防御レベル(>1:40)に達し、クレード2 H5N1ウイルスを阻害することも可能であった。言い換えると、HIアッセイは、コンセンサスHA株がクレード1ウイルスに基づくにもかかわらず、ウイルス株の両方に対して陽性であった。
【0099】
データ分析
データは、Microsoft Excel Statisticsパッケージを使用して分析した。図に示す値は、平均±SEMである。具体的な値は、一方向ANOVAおよびその後のt検定を使用する比較で得た。p<0.05の値は、統計的有意性のレベルとして設定した。
【0100】
フェレットインフルエンザ抗原投与
インフルエンザ抗原投与の結果を、図5および6に示す。対照動物は、抗原投与後に平均して体重の25%を失った(図5)一方、HA(群1)またはHA+M2e−NP+NA(群4)でワクチン接種された動物は、9〜10%減少した(対照に対してP<0.004)。対照動物において、体温は、8日目までにすべての対照動物の死亡が確認されるか、または安楽死させられるまで上昇した(図6)。どのワクチンのレジメンであるかにかかわらず、ワクチン接種を受けたすべての動物は、抗原投与を生き延び、臨床スコアから明らかなとおり、対照動物と比較して少ない感染の兆候を示した(表5)。対照動物は、臨床スコア(鼻汁、咳、嗜眠)まで悪化し、抗原投与後5日目から7日目の間に死亡した。表5に示すとおり、ワクチン接種を受けた動物の臨床スコアの重症度は、抗体力価に逆相関した(より高い抗体力価で、より低い臨床スコア、より優れた臨床転帰となる)。
【0101】
【表5】

表5注記:臨床スコアは、抗原投与後の観察期間について示す。「*」は、動物が安楽死させられたことを示し、FD=死亡が確認された。それぞれの縦の欄の最初の臨床スコアは、鼻の症状についてである:0=なし、1=鼻汁、2=口から呼吸。2番目のスコアは、活動についてである:0=睡眠、1=快活および機敏、2=機敏だが、応答なし、3=嗜眠。抗原投与3週間前に測定したそれぞれの動物のHI力価は、比較目的で示す。
【0102】
実施例4:霊長類における皮内送達の筋肉内送達との比較
アカゲザルをこれらの研究において免疫化をした。動物は、実験の開始2ヶ月前に順応させた。研究は、以下のとおりに進めた。0週目に1回目の免疫化(プラスミド用量投与)およびベースライン採血を実施、2週目に採血を実施、3週目、2回目の免疫化を実施(プラスミド用量投与)、5週目に採血を実施、6週目に3回目の免疫化(プラスミド用量投与)および採血を実施、8週目に採血を実施した。
【0103】
【表6】

すべてのプラスミドは、上述の実施例に記載するとおり、注射用蒸留水+1%LGS中において10mg/mLで製剤し、研究群(上の表6の群C、D、G、およびH)当たり単一の溶液に混合した。IM CELLECTRATM EP(VGX Pharmaceuticals)、ID CELLECTRATM EP(VGX Pharmaceuticals)、およびIMシリンジと指定されるそれぞれの群について正確な注入容量を、算出した。ID投与では、必要な注入容量が部位当たり100μLを超過した場合に、製剤は、注入部位の数(総mgのワクチンがどれぐらい投与されたかによって2、3、または6)に分割した。IM注射を受けた動物は、1つの単一部位ですべての製剤を与えた。
【0104】
ブタの実験、フェレットの実験、および非ヒトの実験に使用したCELLECTRATM適応定電流デバイスを、実施例に記載した。電気穿孔条件は、以下のとおりであった。IM注射および電気穿孔群では、条件は、0.5アンペア、52ミリ秒/パルス、3パルス、プラスミド注入と電気穿孔との間で4秒の遅れであった。ID注射および電気穿孔群では、条件は、0.2アンペア、52ミリ秒/パルス、3パルス、プラスミド注入と電気穿孔との間で4秒の遅れであった。
【0105】
血球凝集抑制(HI)アッセイ−サルの血清を、3部のレセプター破壊酵素(RDE)で1部の血清を希釈することによって、この酵素で処理し、37℃の水浴で一晩インキュベートした。この酵素を、56℃で30分間インキュベートすることによって不活化し、その後、1/10の最終希釈のために6部のPBSを添加した。HIアッセイは、4HA単位のウイルスおよび1%のウマの赤血球を使用して、V底96ウェルマイクロタイタープレートで実施した。本明細書に提示するデータは、2回目の免疫化後の結果である(3回目の免疫化前に採血)。
【0106】
HI力価は、2回目の免疫化の3週間後に測定した。結果は、図8のグラフの表示で確認することができる。ID注入、続いて電気穿孔を介してHAプラスミドワクチンを受けたサルは、IM+EP群の平均力価の2倍超、およびIM群のみの平均力価の約3倍を呈した(P<0.03)。未処置の対照は、いかなるHI力価も呈さなかった。
【0107】
実施例5:霊長類の交差保護
送達方法の使用−ID注射後の電気穿孔(EP)
インフルエンザワクチン(H5、NA、およびM2e−NPコンセンサス抗原を含む、上記参照)を使用する非ヒトの霊長類における研究は、ID注射後の電気穿孔がIM注射よりも高いワクチン抗原への抗体応答を誘発したことを示した。本発明者らの非ヒト霊長類研究(NHP)のうちの1つにおいて、動物を、表7のとおりワクチン接種した。
【0108】
【表7】

それぞれの動物は3回のワクチン接種を受け、HAI力価およびマイクロ中和(microneutralization)は、同一のクレードおよび交差クレード(cross−clade)の両方で実施した。示すとおり、コンセンサスワクチンは、同一のクレード内だけでなく、交差クレードでも広域な保護を提供した。結果は、表8に含まれる。
【0109】
【表8】

ID電気穿孔デバイスの針は、より短いゲージの、ずっと短い(約5mm)ものであり、今まで試験した動物で筋収縮も目に見える疼痛応答も誘発しない。さらに、有効なID EPのために必要な電界は、最適なIM送達に必要とされる電界よりも低い。ID注射は、インフルエンザワクチン抗原へのより良い免疫応答を誘発することが明らかになっている(Holland D, et al. (2008) J Inf Dis. 198:650−58)。通常、IM送達と比較して、同様の体液性応答を達成するために、低用量しか、IDで送達されるワクチンには必要とされない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類において複数のインフルエンザウイルスサブタイプに対する免疫応答を引き起こすことが可能なDNAプラスミドワクチンであって、
前記哺乳類の細胞内に前記哺乳類において免疫応答を誘発するのに有効な量のコンセンサスインフルエンザ抗原を発現することが可能なDNAプラスミドであって、前記コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサス血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、M2外部ドメイン−核タンパク質(M2e−NP)、またはそれらの組み合わせを含む、DNAプラスミドと、
薬学的に許容可能な賦形剤と、
を含み、
前記DNAプラスミドは、前記コンセンサスインフルエンザ抗原をコード化するコード配列に機能し得るように連結したプロモータを含み、前記DNAプラスミドワクチンは、1mg/ml以上の総DNAプラスミドの濃度を有する、DNAプラスミドワクチン。
【請求項2】
前記DNAプラスミドは、前記コード配列のN末端の端部に付着し、前記プロモータに機能し得るように連結したIgGリーダー配列をさらに含む、請求項1に記載のDNAプラスミドワクチン
【請求項3】
前記DNAプラスミドは、前記コード配列のC末端の端部に付着したポリアデニル化配列をさらに含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項4】
前記DNAプラスミドは、コドン最適化されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項5】
前記薬学的に許容可能な賦形剤は、アジュバントである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項6】
前記アジュバントは、IL−12およびIL−15から成る群から選択される、請求項5に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項7】
前記薬学的に許容可能な賦形剤は、トランスフェクション促進剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項8】
前記トランスフェクション促進剤は、ポリアニオン、ポリカチオン、または脂質である、請求項7に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項9】
前記トランスフェクション促進剤は、ポリ−L−グルタミン酸塩である、請求項7に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項10】
前記トランスフェクション促進剤は、6mg/ml未満の濃度のポリ−L−グルタミン酸塩である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項11】
複数の異なるDNAプラスミドを含み、
前記複数のDNAプラスミドのうちの1つは、コンセンサスHAをコード化する配列を含み、
前記複数のDNAプラスミドのうちの1つは、コンセンサスNAをコード化する配列を含み、
前記複数のDNAプラスミドのうちの1つは、コンセンサスM2e−NPをコード化する配列を含む、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項12】
前記コンセンサスHAは、コンセンサスH1、コンセンサスH2、コンセンサスH3、またはコンセンサスH5である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項13】
前記コンセンサスHAは、配列番号2、配列番号10、配列番号12、または配列番号14である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項14】
前記コンセンサスHAは、配列番号2である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項15】
コンセンサスHAをコード化する前記配列は、配列番号1、配列番号9、配列番号11、または配列番号13である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項16】
コンセンサスHAをコード化する前記配列は、配列番号1である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項17】
前記コンセンサスNAは、配列番号4である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項18】
コンセンサスNAをコード化する前記配列は、配列番号3である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項19】
前記コンセンサスM2e−NPは、配列番号8である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項20】
コンセンサスM2e−NPをコード化する前記配列は、配列番号7である、請求項11に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項21】
コンセンサスH1をコード化する配列を含むDNAプラスミドと、
コンセンサスH3をコード化する配列を含むDNAプラスミドと、
コンセンサスH5をコード化する配列を含むDNAプラスミドと、
コンセンサスNAをコード化する配列を含むDNAプラスミドと、
コンセンサスM2e−NPをコード化する配列を含むDNAプラスミドと、
を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項22】
前記コンセンサスH1は、配列番号2である、請求項21に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項23】
コンセンサスH1をコード化する前記配列は、配列番号1である、請求項21に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項24】
前記コンセンサスH3は、配列番号12である、請求項21に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項25】
コンセンサスH3をコード化する前記配列は、配列番号11である、請求項21に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項26】
前記コンセンサスNAは、配列番号4である、請求項21に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項27】
コンセンサスNAをコード化する前記配列は、配列番号3である、請求項21に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項28】
コンセンサスM2e−NPは、配列番号8である、請求項21に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項29】
コンセンサスM2e−NPをコード化する前記配列は、配列番号7である、請求項21に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項30】
前記哺乳類は、霊長類である、請求項1〜29のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項31】
前記免疫応答は、体液性応答である、請求項1〜30のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項32】
前記免疫応答は、細胞性応答である、請求項1〜30のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項33】
前記免疫応答は、体液性応答および細胞性応答の組み合わせである、請求項1〜30のいずれか1項に記載のDNAプラスミドワクチン。
【請求項34】
哺乳類において複数のインフルエンザウイルスサブタイプに対する免疫応答を誘発する方法であって、
DNAプラスミドワクチンを前記哺乳類の組織に送達するステップであって、前記DNAプラスミドワクチンは、前記哺乳類の細胞内にコンセンサスインフルエンザ抗原を発現して、前記哺乳類において免疫応答を誘発することが可能なDNAプラスミドを含み、前記コンセンサスインフルエンザ抗原は、コンセンサスHA、NA、M2e−NP、またはそれらの組み合わせを含む、ステップと、
前記細胞において前記DNAプラスミドの進入を可能にするのに有効な定電流でのエネルギーのパルスを使用して前記組織の細胞を電気穿孔するステップと、
を含む、方法。
【請求項35】
前記送達するステップは、前記DNAプラスミドワクチンを皮内、皮下、または筋肉組織に注入するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記組織に送達されるのに所望の電流を予め設定するステップと、
前記予め設定された電流と同等の定電流でのエネルギーのパルスを使用して前記組織の細胞を電気穿孔するステップと、
を含む、請求項34〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記電気穿孔するステップは、
前記電気穿孔された細胞内のインピーダンスを測定するステップと、
前記測定されたインピーダンスと比較して前記エネルギーのパルスのエネルギーレベルを調節し、前記電気穿孔された細胞内で定電流を維持するステップと、をさらに含み、
前記測定および調節するステップは、前記エネルギーのパルスの寿命内に行われる、請求項34〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記電気穿孔するステップは、
分散パターンで前記エネルギーのパルスを送達するパルスシーケンスのパターンに従って、前記エネルギーのパルスを複数の電極に送達するステップを含む、請求項34〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
哺乳類の細胞内にコンセンサスインフルエンザ抗原を発現することが可能なDNAプラスミドであって、
コンセンサス血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、M2外部ドメイン−核タンパク質(M2e−NP)、またはそれらの組み合わせを含むコード配列と、
前記コンセンサスインフルエンザ抗原の発現を調整する前記コード配列に機能し得るように連結したプロモータと、
を含む、DNAプラスミド。
【請求項40】
前記DNAプラスミドは、前記コード配列のN末端の端部に付着し、前記プロモータに機能し得るように連結したIgGリーダー配列をさらに含む、請求項39に記載のDNAプラスミド。
【請求項41】
前記DNAプラスミドは、前記コード配列のC末端の端部に付着したポリアデニル化配列をさらに含む、請求項39〜40のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項42】
前記DNAプラスミドは、コドン最適化されている、請求項39〜41のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項43】
前記コンセンサスHAは、コンセンサスH1、コンセンサスH2、コンセンサスH3、またはコンセンサスH5である、請求項39〜42のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項44】
前記コンセンサスHAは、配列番号2、配列番号10、配列番号12、または配列番号14である、請求項39〜43のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項45】
前記コンセンサスHAは、配列番号2である、請求項39〜44のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項46】
コンセンサスHAをコード化する前記コード配列は、配列番号1、配列番号9、配列番号11、または配列番号13である、請求項39〜45のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項47】
コンセンサスHAをコード化する前記コード配列は、配列番号1である、請求項39〜46のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項48】
前記コンセンサスNAは、配列番号4である、請求項39〜47のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項49】
コンセンサスNAをコード化する前記コード配列は、配列番号3である、請求項39〜48のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項50】
前記コンセンサスM2e−NPは、配列番号8である、請求項39〜49のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項51】
コンセンサスM2e−NPをコード化する前記コード配列は、配列番号7である、請求項39〜50のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。
【請求項52】
前記DNAプラスミドは、配列番号15、配列番号16、または配列番号17を含む、請求項39〜42のいずれか1項に記載のDNAプラスミド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−506272(P2011−506272A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533340(P2010−533340)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/083281
【国際公開番号】WO2009/073330
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(500429103)ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルバニア (102)
【出願人】(510312112)ブイジーエックス ファーマシューティカルズ, エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】