インプラント手術後の義歯の製作方法
【課題】義歯の設計および加工製作にかかる時間を短縮することによって義歯の製作期間を削減することを可能にするインプラント手術後の義歯の製作方法を提供する。
【解決手段】ステップa)は、まず患者の口腔内にフィクスチャーが植え立ててあるという条件下で治具を選び取る。ステップb)は、デジタル修復物と第一デジタル口腔データを統合し、そののち治具およびデジタル定位用治具を第一デジタル口腔データから削除する。ステップc)は、第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成する。ステップd)は、デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、かつ口腔実体模型の製作過程においてデジタル修復物を実体化させ、雛形修復物を生成する。ステップe)は、雛形修復物の上に歯冠を製作し、口腔実体模型に基づいて歯冠を調整する。続いて完成修復物に歯冠を装着すれば義歯が完成する。
【解決手段】ステップa)は、まず患者の口腔内にフィクスチャーが植え立ててあるという条件下で治具を選び取る。ステップb)は、デジタル修復物と第一デジタル口腔データを統合し、そののち治具およびデジタル定位用治具を第一デジタル口腔データから削除する。ステップc)は、第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成する。ステップd)は、デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、かつ口腔実体模型の製作過程においてデジタル修復物を実体化させ、雛形修復物を生成する。ステップe)は、雛形修復物の上に歯冠を製作し、口腔実体模型に基づいて歯冠を調整する。続いて完成修復物に歯冠を装着すれば義歯が完成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、義歯の製作方法に関し、詳しくはインプラント手術後の義歯の製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インプラント治療計画において、インプラント手術の次は、患者の骨が結合し、傷口が癒合した後、義歯を製作することによって治療計画を完了させる。従来の義歯の製作方法は、次のとおりである。患者の骨が結合し、傷口が癒合した後、歯医者は患者にシリコンゴム材料を咬ませ、シリコンゴムの型を成形し、そののちシリコンゴムの型に基づいて口腔模型を複製する。続いて、歯科技工所は口腔模型に基づいて義歯を製作する。歯科技工所はインプラント義歯の製作過程において、アバットメントまたはデンタルバーを先に完成させないと後続の歯冠および歯茎の製作を進めることができない。上述した義歯の製作過程は、まず歯医者はシリコンゴムの型または口腔模型を歯科技工所に提供し、続いて歯科技工所は、先にアバットメントまたはデンタルバーを製作し、そののち歯冠および歯茎を製作することによって義歯製作を完了させることであるため、時間が非常にかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メーカーが開発・発売した三次元デジタルスキャナーは、患者の咬み合わせを型取りする作業の代わりに直接患者の口腔を走査し、デジタル口腔データを獲得するため、義歯の製作時間及びコストを削減することが可能である。しかしながら、三次元デジタルスキャナーは、一般の義歯製作に適用することができるが、インプラント手術を受けた患者の義歯製作に適用することはできない。
【0004】
本発明の主な目的は、義歯の設計および加工製作にかかる時間を短縮することによって義歯の製作期間を削減することを可能にするインプラント手術後の義歯の製作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明によるインプラント手術後の義歯の製作方法は次のステップa)、b)、c)、d)、及びe)を含む。ステップa)はデータを取る。まず患者の口腔内にフィクスチャー(Fixture)が植え立ててあるという条件下で治具を選び取る。フィクスチャーは頂部に連接面を有し、治具は底部にフィクスチャーの連接面に対応する対接面および特徴点を有し、特徴点は患者の口腔内の歯茎およびフィクスチャーの外部に露出する。続いて口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、第一デジタル口腔データを取り、コンピューターに保存する。ステップb)はデジタル修復物を設計する。コンピューター内に修復物のデータベースが保存してあり、修復物のデータベースは複数のデジタル修復物を有し、デジタル修復物にデジタル定位用治具が重なり、デジタル定位用治具はデジタル特徴を有し、デジタル特徴は治具の特徴に対応するため、使用者はコンピューター内の修復物のデータベースからデジタル修復物を選び取り、デジタル修復物に重なるデジタル定位用治具のデジタル特徴を第一デジタル口腔データ中の治具の特徴に重ねることによってデジタル修復物と第一デジタル口腔データを統合し、そののち治具およびデジタル定位用治具を第一デジタル口腔データから削除することによって第二デジタル口腔データを作成することが可能である。ステップc)はデジタル口腔模型を生成する。第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成する。ステップd)は口腔実体模型を製作する。デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、かつ口腔実体模型の製作過程においてデジタル修復物を実体化させ、雛形修復物を生成する。そしてデジタル修復物に基づいて完成修復物を製作する。完成修復物は結合面を有し、結合面はフィクスチャーの連接面に対応する。ステップe)は義歯を完成させる。雛形修復物の上に歯冠を製作し、口腔実体模型に基づいて歯冠を調整する。続いて完成修復物に歯冠を装着すれば義歯が完成する。
【0006】
本発明による別の一つのインプラント手術後の義歯の製作方法と上述した義歯の製作方法との違いは次のとおりである。デジタル口腔模型を生成するステップc)において、デジタル修復物と第二デジタル口腔データとを分離させ、連接面を第二デジタル口腔データから露出させ、続いて第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成する。口腔実体模型および完成修復物を製作するステップd)において、デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、続いてデジタル修復物に基づいて完成修復物を製作する。口腔実体模型は連接面を有し、完成修復物は結合面を有し、結合面は連接面に対応する。義歯を完成させるステップe)において、結合面と連結面とを連接することによって完成修復物と口腔実体模型とを結合させ、そののち完成修復物の上に義歯を製作し、かつ口腔実体模型によって義歯を調整する。
【0007】
上述した内容により、本発明は現有の技術を突破し、デジタル義歯をインプラント義歯の製作に応用することが可能である。本発明はデジタル技術によって物流時間およびコストを削減することが可能なだけでなく、加工および製作を同時に行うことによって製作期間を短縮し、市場の競争力を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法のステップを示す模式図である。
【図2】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって口腔内にフィクスチャーが植え立てられた状態を示す模式図である。
【図3】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって口腔内のフィクスチャーに治具を装着する状態を示す模式図である。
【図4】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によってコンピューター内に保存されたデータを示す模式図である。
【図5】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法におけるデジタル修復物およびデジタル定位用治具を示す模式図である。
【図6】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によってデジタル修復物および第一デジタル口腔データが統合された状態を示す模式図である。
【図7】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によってデジタル修復物および第一デジタル口腔データが統合され、治具およびデジタル定位用治具が除去された状態を示す模式図である。
【図8】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法におけるデジタル口腔模型を示す模式図である。
【図9】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法における口腔実体模型および歯冠を示す模式図である。
【図10】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法における完成修復物を示す模式図である。
【図11】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって義歯を完成させた状態を示す模式図である。
【図12】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって口腔実体模型に歯槽が形成され、雛形修復物の底部にピンが形成された状態を示す模式図である。
【図13】本発明の第二実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法のステップを示す模式図である。
【図14】本発明の第二実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によってデジタル修復物と第二デジタル口腔データとを分離させる状態を示す模式図である。
【図15】本発明の第二実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法における口腔実体模型を示す模式図である。
【図16】本発明の第二実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって義歯を完成させた状態を示す模式図である。
【図17】本発明の第三実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法における第三デジタル口腔データを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明によるインプラント手術後の義歯の製作方法を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1に示すように、本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法は次のステップを含む。
【0010】
ステップa)はデータを取る。図2から図4に示すように、まず患者の口腔内にフィクスチャー10(Fixture)が植え立ててあるという条件下で治具12を選び取る。フィクスチャー10は頂部に連接面102を有し、治具12は底部にフィクスチャー10の連接面102に対応する対接面122および特徴点124を有し、特徴点124は患者の口腔内の歯茎およびフィクスチャー10の外部に露出する。続いて対接面122と連接面102とを連接することによって治具12とフィクスチャー10とを結合させる。続いて口腔内用スキャナー(図中未表示)によって患者の口腔を走査し、第一デジタル口腔データ14を取り、コンピューター16に保存する。
【0011】
ステップb)はデジタル修復物を設計する。図4から図7に示すように、コンピューター16は修復物のデータベース162を有し、修復物のデータベース162は複数のデジタル修復物164を有し、図5に示すようにデジタル修復物164にデジタル定位用治具166が重なり、デジタル定位用治具166はデジタル特徴167を有し、デジタル特徴167は治具12の特徴124に対応する。使用者はコンピューター16内の修復物のデータベース162からデジタル修復物164を選び取り、続いて図6に示すようにデジタル修復物164に重なるデジタル定位用治具166のデジタル特徴167を第一デジタル口腔データ14中の治具12の特徴124に重ねることによってデジタル修復物164と第一デジタル口腔データ14を統合し、続いて図7に示すように治具12およびデジタル定位用治具166を第一デジタル口腔データ14から削除することによって第二デジタル口腔データ18を作成することが可能である。本発明におけるデジタル修復物164はデジタル精密デンタルバー(dental bar)およびデジタルアバットメント(Abutment)のいずれか一つである。本実施形態において、デジタル修復物164はデジタルアバットメントである。
【0012】
ステップc)はデジタル口腔模型を生成する。図8に示すように、第二デジタル口腔データ18に基づいてデジタル口腔模型20を生成する。デジタル口腔模型20は患者の口腔の形およびデジタル修復物164が患者の口腔内に装着された状態を含む。
【0013】
ステップd)は口腔実体模型を製作する。図9に示すように、デジタル口腔模型20に基づいて口腔実体模型22を製作し、かつ口腔実体模型22の製作過程においてデジタル修復物164を実体化させ、雛形修復物24を生成する。そして図10に示すようにデジタル修復物164に基づいて完成修復物25を製作する。完成修復物25は結合面252を有し、結合面252はフィクスチャー10の連接面102に対応する。本実施形態において、雛形修復物24および完成修復物25は金属材料、セラミックス材料、樹脂材料およびロウ材から一つの材料を選び取り、続いて数値制御加工機による加工成形または鋳造のうちの一つまたは組み合わせ加工を行なうことによって完成する。
【0014】
ステップe)は義歯を完成させる。図9に示すように口腔実体模型22の状況に応じて雛形修復物24の後続作業を進め、雛形修復物24の上にコーピング(coping)および歯冠(crown)の製作を行うことによって歯冠26を完成させ、続いて口腔実体模型22に基づいて歯冠26を調整する。続いて、図11に示すように雛形修復物24から歯冠26を取り外し、歯冠26を完成修復物25に固定すれば義歯27が完成する。
【0015】
以上は本発明の第一実施形態であった。続いて図12に示すように、雛形修復物24を口腔実体模型22から独立させることが可能である。口腔実体模型22は歯槽222を有し、雛形修復物24は底部に歯槽222に対応するピン242を有し、ピン242は歯槽222に差し込まれ、かつ動揺できないように制限される。
【0016】
(第二実施形態)
図13に示すように、本発明の第二実施形態はほぼ第一実施形態と同じである。第一実施形態との違いは次のとおりである。
【0017】
図14および図15に示すように、デジタル口腔模型を生成するステップc)において、デジタル修復物164と第二デジタル口腔データ18とを分離させ、連接面102を第二デジタル口腔データ18から露出させ、続いて第二デジタル口腔データ18に基づいてデジタル口腔模型28を生成する。口腔実体模型および完成修復物を製作するステップd)において、デジタル口腔模型28に基づいて口腔実体模型30を製作し、続いてデジタル修復物164に基づいて完成修復物32を製作する。口腔実体模型30は連接面102を有し、完成修復物32は結合面322を有し、結合面322は連接面102に対応する。図16に示すように、義歯を完成させるステップe)において、結合面322と連結面102とを連接することによって完成修復物32と口腔実体模型30とを結合させ、そののち完成修復物32の上にセラミックスを積み重ねて義歯34を完成させ、かつ口腔実体模型30によって義歯34を調整する。本実施形態は、完成修復物32の上にコーピング(coping)および歯冠(crown)の製作を行うことによって歯冠33を完成させ、続いて歯冠33を完成修復物32に固定することによって義歯34を完成させることも可能である。本実施形態において、完成修復物32は金属材料、セラミックス材料、樹脂材料およびロウ材から一つの材料を選び取り、続いて数値制御加工機による加工成形または鋳造のうちの一つまたは組み合わせ加工を行なうことによって完成する。
【0018】
(第三実施形態)
図17に示すように、本発明の第三実施形態と第二実施形態との違いは次のとおりである。ステップa)において、治具12とフィクスチャー10とを結合させる前に口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、第三デジタル口腔データ36を取り、コンピューター16に保存する。第三デジタル口腔データ36は連接面102を有する。続いて第三デジタル口腔データ36の連接面102と第二デジタル口腔データ18から露出した連接面102とを対照することによって第二デジタル口腔データ18の正確性を確認することが可能である。
【0019】
以上は、第一実施形態から第三実施形態についての説明である。特に第一実施形態および第二実施形態において、ステップa)は患者の口腔を複製し、咬み合せの型を獲得し、治具12を咬み合せの型に装着し、そののち口腔外用スキャナーによって咬み合せの型および治具を走査し、第一デジタル口腔データ14を取ることが可能である。
【0020】
上述した内容により、本発明は義歯の製作時間を削減する目的を達成することが可能である。使用者は本発明の技術により、第一デジタル口腔データ14を取ると、デジタル修復物164の設計およびデジタル口腔模型20、28の生成を進め、そののち完成修復物25、32および口腔実体模型22、30の加工および製作を同時に進めることが可能である。従ってアバットメントまたはデンタルバーの製作を優先し、その次に歯冠または歯茎を製作する従来の義歯製作工程に従う必要なく、製作時間を確実に削減することが可能となる。
【符号の説明】
【0021】
10:フィクスチャー、 102:連接面、 12:治具、 122:対接面、 124:特徴点、 14:第一デジタル口腔データ、 16:コンピューター、 162:修復物のデータベース、 164:デジタル修復物(デジタル精密デンタルバー、デジタルアバットメント)、 166:デジタル定位用治具、 167:デジタル特徴、 18:第二デジタル口腔データ、 20:デジタル口腔模型、 22:口腔実体模型、 222:歯槽、 24:雛形修復物、 242:ピン、 25:完成修復物、 252:結合面、 26:歯冠、 27:義歯、 28:デジタル口腔模型、 30:口腔実体模型、 32:完成修復物、 322:結合面、 33:歯冠、 34:義歯、 36:第三デジタル口腔データ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、義歯の製作方法に関し、詳しくはインプラント手術後の義歯の製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インプラント治療計画において、インプラント手術の次は、患者の骨が結合し、傷口が癒合した後、義歯を製作することによって治療計画を完了させる。従来の義歯の製作方法は、次のとおりである。患者の骨が結合し、傷口が癒合した後、歯医者は患者にシリコンゴム材料を咬ませ、シリコンゴムの型を成形し、そののちシリコンゴムの型に基づいて口腔模型を複製する。続いて、歯科技工所は口腔模型に基づいて義歯を製作する。歯科技工所はインプラント義歯の製作過程において、アバットメントまたはデンタルバーを先に完成させないと後続の歯冠および歯茎の製作を進めることができない。上述した義歯の製作過程は、まず歯医者はシリコンゴムの型または口腔模型を歯科技工所に提供し、続いて歯科技工所は、先にアバットメントまたはデンタルバーを製作し、そののち歯冠および歯茎を製作することによって義歯製作を完了させることであるため、時間が非常にかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メーカーが開発・発売した三次元デジタルスキャナーは、患者の咬み合わせを型取りする作業の代わりに直接患者の口腔を走査し、デジタル口腔データを獲得するため、義歯の製作時間及びコストを削減することが可能である。しかしながら、三次元デジタルスキャナーは、一般の義歯製作に適用することができるが、インプラント手術を受けた患者の義歯製作に適用することはできない。
【0004】
本発明の主な目的は、義歯の設計および加工製作にかかる時間を短縮することによって義歯の製作期間を削減することを可能にするインプラント手術後の義歯の製作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明によるインプラント手術後の義歯の製作方法は次のステップa)、b)、c)、d)、及びe)を含む。ステップa)はデータを取る。まず患者の口腔内にフィクスチャー(Fixture)が植え立ててあるという条件下で治具を選び取る。フィクスチャーは頂部に連接面を有し、治具は底部にフィクスチャーの連接面に対応する対接面および特徴点を有し、特徴点は患者の口腔内の歯茎およびフィクスチャーの外部に露出する。続いて口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、第一デジタル口腔データを取り、コンピューターに保存する。ステップb)はデジタル修復物を設計する。コンピューター内に修復物のデータベースが保存してあり、修復物のデータベースは複数のデジタル修復物を有し、デジタル修復物にデジタル定位用治具が重なり、デジタル定位用治具はデジタル特徴を有し、デジタル特徴は治具の特徴に対応するため、使用者はコンピューター内の修復物のデータベースからデジタル修復物を選び取り、デジタル修復物に重なるデジタル定位用治具のデジタル特徴を第一デジタル口腔データ中の治具の特徴に重ねることによってデジタル修復物と第一デジタル口腔データを統合し、そののち治具およびデジタル定位用治具を第一デジタル口腔データから削除することによって第二デジタル口腔データを作成することが可能である。ステップc)はデジタル口腔模型を生成する。第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成する。ステップd)は口腔実体模型を製作する。デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、かつ口腔実体模型の製作過程においてデジタル修復物を実体化させ、雛形修復物を生成する。そしてデジタル修復物に基づいて完成修復物を製作する。完成修復物は結合面を有し、結合面はフィクスチャーの連接面に対応する。ステップe)は義歯を完成させる。雛形修復物の上に歯冠を製作し、口腔実体模型に基づいて歯冠を調整する。続いて完成修復物に歯冠を装着すれば義歯が完成する。
【0006】
本発明による別の一つのインプラント手術後の義歯の製作方法と上述した義歯の製作方法との違いは次のとおりである。デジタル口腔模型を生成するステップc)において、デジタル修復物と第二デジタル口腔データとを分離させ、連接面を第二デジタル口腔データから露出させ、続いて第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成する。口腔実体模型および完成修復物を製作するステップd)において、デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、続いてデジタル修復物に基づいて完成修復物を製作する。口腔実体模型は連接面を有し、完成修復物は結合面を有し、結合面は連接面に対応する。義歯を完成させるステップe)において、結合面と連結面とを連接することによって完成修復物と口腔実体模型とを結合させ、そののち完成修復物の上に義歯を製作し、かつ口腔実体模型によって義歯を調整する。
【0007】
上述した内容により、本発明は現有の技術を突破し、デジタル義歯をインプラント義歯の製作に応用することが可能である。本発明はデジタル技術によって物流時間およびコストを削減することが可能なだけでなく、加工および製作を同時に行うことによって製作期間を短縮し、市場の競争力を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法のステップを示す模式図である。
【図2】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって口腔内にフィクスチャーが植え立てられた状態を示す模式図である。
【図3】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって口腔内のフィクスチャーに治具を装着する状態を示す模式図である。
【図4】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によってコンピューター内に保存されたデータを示す模式図である。
【図5】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法におけるデジタル修復物およびデジタル定位用治具を示す模式図である。
【図6】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によってデジタル修復物および第一デジタル口腔データが統合された状態を示す模式図である。
【図7】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によってデジタル修復物および第一デジタル口腔データが統合され、治具およびデジタル定位用治具が除去された状態を示す模式図である。
【図8】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法におけるデジタル口腔模型を示す模式図である。
【図9】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法における口腔実体模型および歯冠を示す模式図である。
【図10】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法における完成修復物を示す模式図である。
【図11】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって義歯を完成させた状態を示す模式図である。
【図12】本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって口腔実体模型に歯槽が形成され、雛形修復物の底部にピンが形成された状態を示す模式図である。
【図13】本発明の第二実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法のステップを示す模式図である。
【図14】本発明の第二実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によってデジタル修復物と第二デジタル口腔データとを分離させる状態を示す模式図である。
【図15】本発明の第二実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法における口腔実体模型を示す模式図である。
【図16】本発明の第二実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法によって義歯を完成させた状態を示す模式図である。
【図17】本発明の第三実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法における第三デジタル口腔データを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明によるインプラント手術後の義歯の製作方法を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1に示すように、本発明の第一実施形態によるインプラント手術後の義歯の製作方法は次のステップを含む。
【0010】
ステップa)はデータを取る。図2から図4に示すように、まず患者の口腔内にフィクスチャー10(Fixture)が植え立ててあるという条件下で治具12を選び取る。フィクスチャー10は頂部に連接面102を有し、治具12は底部にフィクスチャー10の連接面102に対応する対接面122および特徴点124を有し、特徴点124は患者の口腔内の歯茎およびフィクスチャー10の外部に露出する。続いて対接面122と連接面102とを連接することによって治具12とフィクスチャー10とを結合させる。続いて口腔内用スキャナー(図中未表示)によって患者の口腔を走査し、第一デジタル口腔データ14を取り、コンピューター16に保存する。
【0011】
ステップb)はデジタル修復物を設計する。図4から図7に示すように、コンピューター16は修復物のデータベース162を有し、修復物のデータベース162は複数のデジタル修復物164を有し、図5に示すようにデジタル修復物164にデジタル定位用治具166が重なり、デジタル定位用治具166はデジタル特徴167を有し、デジタル特徴167は治具12の特徴124に対応する。使用者はコンピューター16内の修復物のデータベース162からデジタル修復物164を選び取り、続いて図6に示すようにデジタル修復物164に重なるデジタル定位用治具166のデジタル特徴167を第一デジタル口腔データ14中の治具12の特徴124に重ねることによってデジタル修復物164と第一デジタル口腔データ14を統合し、続いて図7に示すように治具12およびデジタル定位用治具166を第一デジタル口腔データ14から削除することによって第二デジタル口腔データ18を作成することが可能である。本発明におけるデジタル修復物164はデジタル精密デンタルバー(dental bar)およびデジタルアバットメント(Abutment)のいずれか一つである。本実施形態において、デジタル修復物164はデジタルアバットメントである。
【0012】
ステップc)はデジタル口腔模型を生成する。図8に示すように、第二デジタル口腔データ18に基づいてデジタル口腔模型20を生成する。デジタル口腔模型20は患者の口腔の形およびデジタル修復物164が患者の口腔内に装着された状態を含む。
【0013】
ステップd)は口腔実体模型を製作する。図9に示すように、デジタル口腔模型20に基づいて口腔実体模型22を製作し、かつ口腔実体模型22の製作過程においてデジタル修復物164を実体化させ、雛形修復物24を生成する。そして図10に示すようにデジタル修復物164に基づいて完成修復物25を製作する。完成修復物25は結合面252を有し、結合面252はフィクスチャー10の連接面102に対応する。本実施形態において、雛形修復物24および完成修復物25は金属材料、セラミックス材料、樹脂材料およびロウ材から一つの材料を選び取り、続いて数値制御加工機による加工成形または鋳造のうちの一つまたは組み合わせ加工を行なうことによって完成する。
【0014】
ステップe)は義歯を完成させる。図9に示すように口腔実体模型22の状況に応じて雛形修復物24の後続作業を進め、雛形修復物24の上にコーピング(coping)および歯冠(crown)の製作を行うことによって歯冠26を完成させ、続いて口腔実体模型22に基づいて歯冠26を調整する。続いて、図11に示すように雛形修復物24から歯冠26を取り外し、歯冠26を完成修復物25に固定すれば義歯27が完成する。
【0015】
以上は本発明の第一実施形態であった。続いて図12に示すように、雛形修復物24を口腔実体模型22から独立させることが可能である。口腔実体模型22は歯槽222を有し、雛形修復物24は底部に歯槽222に対応するピン242を有し、ピン242は歯槽222に差し込まれ、かつ動揺できないように制限される。
【0016】
(第二実施形態)
図13に示すように、本発明の第二実施形態はほぼ第一実施形態と同じである。第一実施形態との違いは次のとおりである。
【0017】
図14および図15に示すように、デジタル口腔模型を生成するステップc)において、デジタル修復物164と第二デジタル口腔データ18とを分離させ、連接面102を第二デジタル口腔データ18から露出させ、続いて第二デジタル口腔データ18に基づいてデジタル口腔模型28を生成する。口腔実体模型および完成修復物を製作するステップd)において、デジタル口腔模型28に基づいて口腔実体模型30を製作し、続いてデジタル修復物164に基づいて完成修復物32を製作する。口腔実体模型30は連接面102を有し、完成修復物32は結合面322を有し、結合面322は連接面102に対応する。図16に示すように、義歯を完成させるステップe)において、結合面322と連結面102とを連接することによって完成修復物32と口腔実体模型30とを結合させ、そののち完成修復物32の上にセラミックスを積み重ねて義歯34を完成させ、かつ口腔実体模型30によって義歯34を調整する。本実施形態は、完成修復物32の上にコーピング(coping)および歯冠(crown)の製作を行うことによって歯冠33を完成させ、続いて歯冠33を完成修復物32に固定することによって義歯34を完成させることも可能である。本実施形態において、完成修復物32は金属材料、セラミックス材料、樹脂材料およびロウ材から一つの材料を選び取り、続いて数値制御加工機による加工成形または鋳造のうちの一つまたは組み合わせ加工を行なうことによって完成する。
【0018】
(第三実施形態)
図17に示すように、本発明の第三実施形態と第二実施形態との違いは次のとおりである。ステップa)において、治具12とフィクスチャー10とを結合させる前に口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、第三デジタル口腔データ36を取り、コンピューター16に保存する。第三デジタル口腔データ36は連接面102を有する。続いて第三デジタル口腔データ36の連接面102と第二デジタル口腔データ18から露出した連接面102とを対照することによって第二デジタル口腔データ18の正確性を確認することが可能である。
【0019】
以上は、第一実施形態から第三実施形態についての説明である。特に第一実施形態および第二実施形態において、ステップa)は患者の口腔を複製し、咬み合せの型を獲得し、治具12を咬み合せの型に装着し、そののち口腔外用スキャナーによって咬み合せの型および治具を走査し、第一デジタル口腔データ14を取ることが可能である。
【0020】
上述した内容により、本発明は義歯の製作時間を削減する目的を達成することが可能である。使用者は本発明の技術により、第一デジタル口腔データ14を取ると、デジタル修復物164の設計およびデジタル口腔模型20、28の生成を進め、そののち完成修復物25、32および口腔実体模型22、30の加工および製作を同時に進めることが可能である。従ってアバットメントまたはデンタルバーの製作を優先し、その次に歯冠または歯茎を製作する従来の義歯製作工程に従う必要なく、製作時間を確実に削減することが可能となる。
【符号の説明】
【0021】
10:フィクスチャー、 102:連接面、 12:治具、 122:対接面、 124:特徴点、 14:第一デジタル口腔データ、 16:コンピューター、 162:修復物のデータベース、 164:デジタル修復物(デジタル精密デンタルバー、デジタルアバットメント)、 166:デジタル定位用治具、 167:デジタル特徴、 18:第二デジタル口腔データ、 20:デジタル口腔模型、 22:口腔実体模型、 222:歯槽、 24:雛形修復物、 242:ピン、 25:完成修復物、 252:結合面、 26:歯冠、 27:義歯、 28:デジタル口腔模型、 30:口腔実体模型、 32:完成修復物、 322:結合面、 33:歯冠、 34:義歯、 36:第三デジタル口腔データ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の口腔内に頂部に連接面を有するフィクスチャーが植え立ててあるという条件下で、底部にフィクスチャーの連接面に対応する対接面、および、患者の口腔内の歯茎およびフィクスチャーの外部に露出する特徴点を有する治具を選び取り、続いて口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、第一デジタル口腔データを取り、コンピューターに保存することでデータを取るステップa)と、
コンピューター内に複数のデジタル修復物を有する修復物のデータベースが保存してあり、治具の特徴に対応するデジタル特徴を有するデジタル定位用治具がデジタル修復物に重なり、使用者はコンピューター内の修復物のデータベースからデジタル修復物を選び取り、デジタル修復物に重なるデジタル定位用治具のデジタル特徴を第一デジタル口腔データ中の治具の特徴に重ねることによってデジタル修復物と第一デジタル口腔データを統合し、そののち治具およびデジタル定位用治具を第一デジタル口腔データから削除することによって第二デジタル口腔データを作成することでデジタル修復物を設計するステップb)と、
第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成することでデジタル口腔模型を生成するステップc)と、
デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、かつ口腔実体模型の製作過程においてデジタル修復物を実体化させ、雛形修復物を生成し、そしてデジタル修復物に基づいてフィクスチャーの連接面に対応する結合面を有する完成修復物を製作することで口腔実体模型を製作するステップd)と、
雛形修復物の上に歯冠を製作し、口腔実体模型に基づいて歯冠を調整し、続いて完成修復物に歯冠を装着することで義歯を完成させるステップe)とを含むことを特徴とするインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項2】
デジタル修復物は、デジタル精密デンタルバーおよびデジタルアバットメントのいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項3】
雛形修復物および完成修復物は、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料およびロウ材から一つの材料を選び取り、続いて数値制御加工機による加工成形または鋳造のうちの一つまたは組み合わせ加工を行なうことによって完成することを特徴とする請求項1に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項4】
ステップa)において、患者の口腔を複製し、咬み合せの型を獲得し、治具を咬み合せの型に装着し、そののち口腔外用スキャナーによって走査を行い、第一デジタル口腔データを取ることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項5】
雛形修復物は口腔実体模型から独立することが可能であり、口腔実体模型は歯槽を有し、雛形修復物は底部に歯槽に対応するピンを有し、ピンは歯槽に差し込まれ、かつ動揺できないように制限されることを特徴とする請求項1に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項6】
まず患者の口腔内に頂部に連接面を有するフィクスチャー(Fixture)が植え立ててあるという条件下で、底部にフィクスチャーの連接面に対応する対接面、および、患者の口腔内の歯茎およびフィクスチャーの外部に露出する特徴点を有する治具を選び取り、続いて口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、第一デジタル口腔データを取り、コンピューターに保存することでデータを取るステップa)と、
コンピューター内に複数のデジタル修復物を有する修復物のデータベースが保存してあり、デジタル特徴を有するデジタル定位用治具がデジタル修復物に重なり、デジタル特徴とデジタル定位用治具とは対応付けられている同じ特徴及び対接面を有し、使用者はコンピューター内の修復物のデータベースからデジタル修復物を選び取り、デジタル修復物に重なるデジタル定位用治具のデジタル特徴および対接面を第一デジタル口腔データ中の治具に重なる特徴および対接面に対応させる方法により、対接面と連接面とを連接し、デジタル修復物と第一デジタル口腔データを統合し、そののち治具およびデジタル定位用治具を第一デジタル口腔データから削除することによって第二デジタル口腔データを作成することが可能であり、デジタル修復物を設計するステップb)と、
デジタル修復物と第二デジタル口腔データとを分離させ、対接面をデジタル修復物から露出させ、連接面を第二デジタル口腔データから露出させ、続いて第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成し、デジタル口腔模型を生成するステップc)と、
デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、かつ口腔実体模型の製作過程においてデジタル修復物を実体化させ、フィクスチャーの連接面に対応する結合面を有する完成修復物を成形することで口腔実体模型および完成修復物を製作するステップd)と、
対接面と連結面とを連接することによって完成修復物と口腔実体模型とを結合させ、そののち完成修復物の上に義歯を完成させ、かつ口腔実体模型によって義歯を調整することで義歯を完成させるステップe)とを含むことを特徴とするインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項7】
ステップb)において、デジタル修復物は、デジタル精密デンタルバーおよびデジタルアバットメントのいずれか一つであることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項8】
ステップd)において、完成修復物は、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料およびロウ材から一つの材料を選び取り、続いて数値制御加工機による加工成形または鋳造のうちの一つまたは組み合わせ加工を行なうことによって完成することを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項9】
ステップa)において、治具とフィクスチャーとを結合させる前に口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、デジタル口腔データを取り、コンピューターに保存し、そのうちのデジタル口腔データは連接面を有し、続いてデジタル口腔データの連接面と第二デジタル口腔データから露出した連接面とを対照することによって第二デジタル口腔データを確認することが可能であることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項10】
ステップa)において、患者の口腔を複製し、咬み合せの型を獲得し、治具を咬み合せの型に装着し、そののち口腔外用スキャナーによって走査を行い、第一デジタル口腔データを取ることが可能であることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項11】
ステップe)において、完成修復物の上にセラミックスを積み重ねて義歯を完成させることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項12】
ステップe)において、完成修復物の上にコーピングおよび歯冠の製作を行うことによって歯冠を完成させ、続いて歯冠を完成修復物に固定することによって義歯を完成させることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項1】
患者の口腔内に頂部に連接面を有するフィクスチャーが植え立ててあるという条件下で、底部にフィクスチャーの連接面に対応する対接面、および、患者の口腔内の歯茎およびフィクスチャーの外部に露出する特徴点を有する治具を選び取り、続いて口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、第一デジタル口腔データを取り、コンピューターに保存することでデータを取るステップa)と、
コンピューター内に複数のデジタル修復物を有する修復物のデータベースが保存してあり、治具の特徴に対応するデジタル特徴を有するデジタル定位用治具がデジタル修復物に重なり、使用者はコンピューター内の修復物のデータベースからデジタル修復物を選び取り、デジタル修復物に重なるデジタル定位用治具のデジタル特徴を第一デジタル口腔データ中の治具の特徴に重ねることによってデジタル修復物と第一デジタル口腔データを統合し、そののち治具およびデジタル定位用治具を第一デジタル口腔データから削除することによって第二デジタル口腔データを作成することでデジタル修復物を設計するステップb)と、
第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成することでデジタル口腔模型を生成するステップc)と、
デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、かつ口腔実体模型の製作過程においてデジタル修復物を実体化させ、雛形修復物を生成し、そしてデジタル修復物に基づいてフィクスチャーの連接面に対応する結合面を有する完成修復物を製作することで口腔実体模型を製作するステップd)と、
雛形修復物の上に歯冠を製作し、口腔実体模型に基づいて歯冠を調整し、続いて完成修復物に歯冠を装着することで義歯を完成させるステップe)とを含むことを特徴とするインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項2】
デジタル修復物は、デジタル精密デンタルバーおよびデジタルアバットメントのいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項3】
雛形修復物および完成修復物は、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料およびロウ材から一つの材料を選び取り、続いて数値制御加工機による加工成形または鋳造のうちの一つまたは組み合わせ加工を行なうことによって完成することを特徴とする請求項1に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項4】
ステップa)において、患者の口腔を複製し、咬み合せの型を獲得し、治具を咬み合せの型に装着し、そののち口腔外用スキャナーによって走査を行い、第一デジタル口腔データを取ることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項5】
雛形修復物は口腔実体模型から独立することが可能であり、口腔実体模型は歯槽を有し、雛形修復物は底部に歯槽に対応するピンを有し、ピンは歯槽に差し込まれ、かつ動揺できないように制限されることを特徴とする請求項1に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項6】
まず患者の口腔内に頂部に連接面を有するフィクスチャー(Fixture)が植え立ててあるという条件下で、底部にフィクスチャーの連接面に対応する対接面、および、患者の口腔内の歯茎およびフィクスチャーの外部に露出する特徴点を有する治具を選び取り、続いて口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、第一デジタル口腔データを取り、コンピューターに保存することでデータを取るステップa)と、
コンピューター内に複数のデジタル修復物を有する修復物のデータベースが保存してあり、デジタル特徴を有するデジタル定位用治具がデジタル修復物に重なり、デジタル特徴とデジタル定位用治具とは対応付けられている同じ特徴及び対接面を有し、使用者はコンピューター内の修復物のデータベースからデジタル修復物を選び取り、デジタル修復物に重なるデジタル定位用治具のデジタル特徴および対接面を第一デジタル口腔データ中の治具に重なる特徴および対接面に対応させる方法により、対接面と連接面とを連接し、デジタル修復物と第一デジタル口腔データを統合し、そののち治具およびデジタル定位用治具を第一デジタル口腔データから削除することによって第二デジタル口腔データを作成することが可能であり、デジタル修復物を設計するステップb)と、
デジタル修復物と第二デジタル口腔データとを分離させ、対接面をデジタル修復物から露出させ、連接面を第二デジタル口腔データから露出させ、続いて第二デジタル口腔データに基づいてデジタル口腔模型を生成し、デジタル口腔模型を生成するステップc)と、
デジタル口腔模型に基づいて口腔実体模型を製作し、かつ口腔実体模型の製作過程においてデジタル修復物を実体化させ、フィクスチャーの連接面に対応する結合面を有する完成修復物を成形することで口腔実体模型および完成修復物を製作するステップd)と、
対接面と連結面とを連接することによって完成修復物と口腔実体模型とを結合させ、そののち完成修復物の上に義歯を完成させ、かつ口腔実体模型によって義歯を調整することで義歯を完成させるステップe)とを含むことを特徴とするインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項7】
ステップb)において、デジタル修復物は、デジタル精密デンタルバーおよびデジタルアバットメントのいずれか一つであることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項8】
ステップd)において、完成修復物は、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料およびロウ材から一つの材料を選び取り、続いて数値制御加工機による加工成形または鋳造のうちの一つまたは組み合わせ加工を行なうことによって完成することを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項9】
ステップa)において、治具とフィクスチャーとを結合させる前に口腔内用スキャナーによって患者の口腔を走査し、デジタル口腔データを取り、コンピューターに保存し、そのうちのデジタル口腔データは連接面を有し、続いてデジタル口腔データの連接面と第二デジタル口腔データから露出した連接面とを対照することによって第二デジタル口腔データを確認することが可能であることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項10】
ステップa)において、患者の口腔を複製し、咬み合せの型を獲得し、治具を咬み合せの型に装着し、そののち口腔外用スキャナーによって走査を行い、第一デジタル口腔データを取ることが可能であることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項11】
ステップe)において、完成修復物の上にセラミックスを積み重ねて義歯を完成させることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【請求項12】
ステップe)において、完成修復物の上にコーピングおよび歯冠の製作を行うことによって歯冠を完成させ、続いて歯冠を完成修復物に固定することによって義歯を完成させることを特徴とする請求項6に記載のインプラント手術後の義歯の製作方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−110418(P2011−110418A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150(P2010−150)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【出願人】(508178021)寶▲玉▼生技股▲分▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【出願人】(508178021)寶▲玉▼生技股▲分▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]