説明

ウィンドウズ利用の3秒で鮮やかに見せる電子文書類プレゼンテーションソフト

【課題】ウィンドウズ(登録商標)ソフト搭載サーバー又はパソコン内にある既存電子文書類を階層別に分類して、3秒以内で鮮やかに見せられるプレゼンテーションソフトを提供する。
【解決手段】プレゼンテーションソフトをウィンドウズ(登録商標)ソフト搭載サーバーまたはパソコンに結合させ、既存電子文書類を階層別に分類して「紐つけ」と「属性を付けたボタン」で体系化して配置する作業を行うことで、該当文書を3秒以内で取り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロソフト社が販売しているウィンドウズソフトを利用する文書管理やプレゼンテーション場面で利便性をもたしたパソコンソフトに関連するものであり、特にオーバーヘッドプロジェクターで大画面に映し出して説明するプレゼンテーションの場面で、質問者に対して3秒以内で該当する電子文書類を鮮やかに見せることなど、その特長を最大限に発揮できる独創的パソコンソフトである。
【背景技術】
【0002】
従来ISO9001や14001などのISO審査場面では紙による文書管理が一搬的であるが、そのためにISO事務局は多大の時間と労力を費やしている。またISOの活動を推進すればするほど紙が増え二酸化炭素の削減活動に逆行している事実があった。
また最近になりペーパーレスでのデジタル審査をする企業も増えてきたが、高額な格納型ファイルの中の文書類から公開できる文書類のみをPDF化して順番にならべて見せたり、パワーポイントの中に説明順に並べて貼り付けたりして原本の電子文書類があるにもかかわらずそれを2次加工するなど大変な作業を伴なっていた。
またISO審査員の質問に対して、即座に見せるような「紐つけ」や目印となる「属性を付けたボタン」で配置することなどがなされていないため3秒以内で見せる事は困難であった。
同様に会社の役員会など経営会議の場面でも、当初の説明順番とは違って経営トップからの質問に対して予定になかった電子文書類を即座に3秒以内で見せる事は困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したいづれの場合も該当する電子文書類を探し出して見せるまでに時間がかかっていたのでは会社全体としては時間・経費の無駄でありこれを改善しなければならない問題があるが、一方で会社の情報量は肥大化しておりサーバー内の該当する正式な文書類を検索する無駄やますます遅くなるアクセス速度の問題もあり、スピードアップしてこの両方を解決しなければならない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、各企業内のウィンドウズサーバー内(仮想サーバーの場合も含む)にある膨大な既存電子文書類(エクセル、ワード、パワーポイント、電子スキャンしたもの、動画、音声などウィンドウズで動く電子媒体全て)を、階層別(大分類、中分類、小分類あるいは1次、2次、3次など)に分類してわかりやすくして「紐つけ」と「属性を付けたボタン」で体系化して配置すること、具体的にはそれぞれの目的別仕事に必要なだけの電子文書類を1次階層ボタン1個に対し300以下の2次階層文書類を貼り付け、更に2次階層ボタン配置1個に対し300以下の3次階層文書類を配置することによりその「属性を付けたボタン」をクリックすることで膨大な電子文書類を3秒以内で鮮やかに見せられるプレゼンテーションソフトを提供することで解決することを見出した。
本発明者らはウィンドウズソフトに結合するプレゼンテーションソフトをCD版にパッケージ化しウィンドウズソフト搭載の特定パソコンにインストールして初期化を行い「紐つけ」と「属性を付けたボタン」で体系化して配置するための準備をし、USBタイプの鍵を差し込むことでそのパソコンでしかプレゼンテーションが動かないように初期設定した。
次にその特定パソコンにUSBタイプの鍵を差し込み、操作する人のパスワードを打ち込むことでそのプレゼンテーションソフトが立ち上がるようにした。
操作する人は管理者パスワードと一般閲覧するユーザーパスワードに区別しておき、管理者の場合は文書類の更新や変更履歴の確認や閲覧者・非閲覧者の確認及び特定の文書類によっては一般閲覧者も書き込みができる(文書の書き込みや電子印鑑の捺印など)システム情報の設定などができるしくみがあり、管理者は最新版の文書類を書き込みができないように設定して公開し一般ユーザーが文書閲覧した場合の閲覧者記録管理もできるようにした。さらにこのソフト内でのメール交換できる双方向情報伝達ができるしくみも追加して回覧板機能なども付加した。
各仕事の管理者は,各管理者ごと個別にプレゼンテーションソフトの名前を付けたフォルダーをウィンドウズ搭載サーバー内または社内LANの特定パソコン公開フォルダー内に格納して最新版の電子文書類を公開する。
プレゼンテーションソフトのフォルダー名は仕事別に自由に名前が付けられ、その中には「紐つけ」をした記録が残る「SYSフォルダー」と履歴が残る「履歴フォルダー」と必要なだけの既存電子文書類を格納する「DATAフォルダー」とからなっている。
その仕事の管理者は公開前に必要なだけの電子文書類を「紐つけ」と「属性を付けたボタン」で体系化して配置する作業を1次階層(大分類)、2次階層(中分類)、3次階層(小分類)ごとに必要な文書類の数だけ繰り返し行っておく。「紐つけ」と「属性を付けたボタン」の配置をする作業は管理者がこのソフトに慣れてくれば1個の電子文書類を貼り付けるのに約6秒で完了させることができる。
また「属性を付けたボタン」の属性とは、自由に名前や記号が付けられたボタンをクリックするとそれに「紐つけ」された電子文書類が1秒で画面に現れようにしていることや、そのボタンを右クリックすると「開く」や「プロパティー」や「履歴を開く」や「閲覧者情報」や「管理者開示情報」などの選択メニュー枠が登場し、各々それをクリックすると「テキストファイルのメモ帳(ISOプレゼンテーションソフトの場合はその項目の要求事項)」や「そのボタンに関するプロパティー情報(エクセルを使う文書とか読み取り専用など)や「一般ユーザーの誰が何日の何時何分に閲覧したなど」や「管理者が開示コメントを書き込んでいる場合はその内容など」が画面に現れるようにしていることである。
一方、一般ユーザーは各自使用するパソコンにUSBタイプの鍵を差し込み、自分のパスワードを打ち込みプレゼンテーションソフト立ち上げる。目的別仕事のフォルダー名から閲覧するべきフォルダー名を選ぶと1次画面が立ち上がるので、その中にならんでいる「属性を付けたボタン」をクリックして行くだけで必要な書類が次から次へと閲覧できる。
1次画面には大分類のメニュ項目のようなボタンもあれば、工場レイアウト図やデジカメ写真を貼り付けたボタンもあり多彩な仕事別プレゼンテーションツールとなっているが、どのような場合も「属性を付けたボタン」をクリックして行くことで必要な電子文書類を3秒以内で次々と閲覧できる状況になっている。
このプレゼンテーションソフトはウィンドウズソフトで動く(電子スキャンのDOCUWORKシステムなど他のアプリケーションソフトをウィンドウズに結合しているものも含まれる)全ての電子文書類を、このシステムの上でボタン1個のみに限定して開いたり閉じたりするため、変換メモリーもあまり使わずクリックから3秒以内で該当文書類を取り出すことができる。
従来のように該当文書をフォルダー群から探し、次にフォルダー内の電子文書類を探しそれから該当の文書類を立ち上げるための数秒以上の時間ロスがかかることはない。
このプレゼンテーションソフトはエクセルやワードが使える管理者であれば簡単に追加の電子文書類を「紐つけ」と「属性を付けたボタン」で配置できるため、従来のようにシステムプログラマーが保守メンテナンスをするなどの無駄な時間がなく、社内ですべて自製できるため柔軟性に富んだコスト低減に寄与できるソフトである。
各管理者は自分の仕事の最新版文書管理を常日頃から行っていれば、どのようなタイミングであろうがプレゼンテーションや文書回覧が可能となる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によればISO9001や14001などのISO審査場面では紙による文書管理が一般的であったのに対して、ペーパーレスでのISO審査が行えるため紙の削減効果が大きく名実ともに二酸化炭素削減のISO活動が行える。
またISO審査員の質問に対して、3秒以内で見せるプレゼンテーションソフトになっているため時間のロスもなく次から次へと電子文書類を見せていけるためISO事務局のメンバーのストレスもかなり解消されしかも不慣れな事務局メンバーのOJT教育もできる「見える化」・「技術伝承」ソフトとしての効果も大である。
またある仕事の管理者としては最新版電子文書だけを一般ユーザーは閲覧のみに限定して公開でき、しかもこのプレゼンテーションソフト内での双方向のメールやコメント機能があるため、自分の任された仕事全体を把握してお互いの情報の共有化・活性化がはかれることで職場の風通しが良くなり仕事が効率アップする。
さらにこのプレゼンテーションソフトはパソコンとオーバーヘッドプロジェクターさえあれば、いついかなる場所でも請求項3に記載した様々な場面で使用することができる
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】「JOB CRUISE」立ち上げを示した説明図である(実施例2)
【図2】図1の特定ボタンをクリックした説明図である(実施例2)
【図3】図2の特定ボタンをクリックした説明図である(実施例2)
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
このプレゼンテーションソフトを活用するための最良の形態としては、VPN通信での社内LANで遠隔地の拠点からサーバー内の公開フォルダーにアクセスして各地で活用することなどが好ましいが、中小企業で社内LANがない場合でも、特定のパソコンを皆で共有して各人のパスワードで閲覧することなども可能である。
また情報の共有化をはかる場合は特定のパソコンを見るのではなく、パソコンをオーバーヘッドプロジェクターに接続して関係者で会議を開くなどのやり方が好ましい。
会議メンバーには経験の浅い人もいる場合も多いと思われるので「見える化」状態でOJT教育をするほうが効果が大と思われる。
特にISOの審査や役員会などの経営会議は真剣勝負の場面であり、一刻を争うスピードで関係資料を閲覧して行く必要があり、無駄な時間は許されない。
このような場面でこのプレゼンテーションソフトは最良の効果を発揮できる可能性がある。
【0008】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【実施例1】
【0009】
プレゼンテーションソフト「JOB CRUISE」(CD版)をウィンドウズ搭載の富士通ノートブックFMVパソコンにインストールして様々な初期設定をした。またUSB型鍵も同様にインストールして初期設定をした。
初期設定後そのパソコンの機種に応じた個別の詳細設定を行なった。
具体的にはエクセル・ワード・パワーポイント・PDFなどのソフト製作年次に応じた設定や電子スキャンソフト(DOCUWORKなど)の結合設定。
このパソコンのCドライブにISO14001の文書類管理の元となるフォルダー(例:ISODAT)をつくり、その中に紐つけのフォルダー(例:SYS)と履歴をストックするフォルダー(例:履歴)とDATAを入れるフォルダー(例:DATA)の3つのフォルダーを新規に作成した。
DATAフォルダにはISO14001のISO審査で必要となる規定類や手順類や記録文書や電子写真など電子媒体すべての電子文書類を格納した。
次に「JOB CRUISE」プレゼンテーションソフトを使用しISO要求項目毎に「紐つけ」と「属性を付けたボタン」で体系化して配置する作業に入った。
ISODATの場合は、先ず1次文書にISOの要求事項である4.1一般要求事項から4.6のマネジメントレビューまでの18項目を「紐つけ」し「属性を付けたボタン」の配置をした。
次に4.2の環境方針の2次階層の文書である環境方針や社内配付記録や社外配付記録などを「紐つけ」し「属性を付けたボタン」の配置をした。
以下同様にして4.3.1環境側面に関する2次階層電子文書類を「紐つけ」し「属性を付けたボタン」の配置をした。
3次階層での例としては、4.3.3の目的、目標及び実施計画の項目では2次階層の目標計画のボタンに管理計画と見直し記録を「紐つけ」し「属性を付けたボタン」の配置をした。
以下同様にして1次階層の各項目に対して2次階層で必要なものや3次階層で必要なものを「紐つけ」し「属性を付けたボタン」の配置作業を繰り返し行った。
このISO−14001用ペーパーレス化ソフトをフォルダー名「ISODAT」で、当該パソコンのCドライブに格納して社内内部監査の場面で使用した。
【実施例2】
【0010】
実施例1で使用したパソコンを社内LANに結合させ、別のパソコンの公開共有フォルダ中のCドライブに複写(ISODAT)した。このCドライブのものを社内LANで公開共有フォルダへの「紐つけ」変換処理を行なった。(1つのパソコンから社内LANで特定パソコンをサーバーに見立てての使い方に変える処理)
社内LANケーブル及びオーバーヘッドプロジェクターに接続している他のパソコンからUSB型の鍵を差し込むことで「JOB CRUISE」を立ち上げ、ISO−14001関連の1次階層画面をプロジェクター画面に映し出して、ISO維持審査をペーパーレスで行った。そのときの1次階層画面は図−1に示し、3次階層ボタンをクリックする前の2次階層画面の一例を図−2に、3次階層画面例を図−3に示した。
その際、社外審査員の質問に対して3秒以内で必要な書類を次から次へと鮮やかに取り出して見せてその内容を説明することで、待ち時間もなくスムーズな維持審査が実行できた。
審査員の方もスムーズな流れで審査ができたため満足されていた。
当日の報告のまとめもこの「JOB CRUISE」システムに取り込み「紐つけ」と「属性を付けたボタン」配置を行い、当日の内容をペーパーレスにて審査出席者全員で確認を行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドウズソフト利用サーバー内あるいは特定のパソコン内の膨大な電子文書類(エクセル、ワード、パワーポイント、電子スキャンしたもの、動画、音声などウィンドウズで動く電子媒体全て)を、階層別(大分類、中分類、小分類あるいは1次、2次、3次など)に分類してわかりやすくして「紐つけ」と「属性を付けたボタン」で体系化して配置すること、1次階層ボタン1個に対し300以下の2次階層文書類を貼り付け、更に2次階層ボタン配置1個に対し300以下の3次階層文書類を配置することによりその「属性を付けたボタン」をクリックすることで膨大な電子文書類を3秒以内で鮮やかに見せられるプレゼンテーションソフト。
【請求項2】
請求項1のプレゼンテーションソフトが会社内あるいはアウトソーシングしたLANサーバー内に格納されているものを、USBタイプの鍵を差し込むことで特定のパソコンで見られるようにするしくみがあり、プレゼンテーションソフトを作成する管理者と閲覧する一般ユーザーとをパスワードにて区分けし、管理者以外は文書類の更新や変更履歴の確認や閲覧者・非閲覧者の確認及びシステム情報の設定などができないようにしたしくみもあり、管理者は最新版のみの文書類を公開し一般ユーザーが文書閲覧した場合に閲覧者記録管理もできるしくみがあり、さらにこのソフト内でのメール交換及び電子印鑑での承認など双方向情報伝達ができるしくみのあるソフト。
【請求項3】
プレゼンテーションする内容の文書類が、質問に3秒以内ですぐ見せて説明しながら答える必要のある電子文書類であるもの。具体的にはISO文書類、役員会など販売・製造・業務会議で使用する文書類、工場管理や危機管理など工場に関かわる文書類、販売や販促物など販売に関る文書類、国会答弁などの文書類、研究開発や市場開拓などの新規開発文書類、図面管理すべき文書類、学校や教育機関で使用する文書類、マニュアルなど技術伝承すべき文書類、会社概要などホームページに掲載するようなPR文書類、代理店や販売店に対して販売支援ツールとして必要な文書類、学会発表やマスコミ発表文書類などで、パワーポイント・エクセル・ワードなど単発で作成した文書でなく、必要なだけの電子文書類を仕事の目的別に「紐つけ」と「属性を付けたボタン」で体系化して配置して見せるようにした電子文書類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−40021(P2011−40021A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205262(P2009−205262)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(509249210)有限会社シスコムサポート (1)
【Fターム(参考)】