説明

ウェットシート用包装体の蓋体

【課題】環状の枠体に開閉自在に取り付けられた蓋部材を有し、かつ既存のウェットシートの包装体に簡便に付け替え可能なウェットシート用包装体の蓋体を提供する。
【解決手段】ウェットタイプのシートtを積層して収納するとともに、上面3aにシートtを引き出す取出口21が設けられ、かつ上面3aに取出口21を密閉するフィルムラベル状の蓋22が開閉自在に設けられた包装体3に着脱自在に取り付けられるウェットシート用包装体の蓋体10であって、フィルムラベル状の蓋22を外方から囲繞する開口部1aが形成された環状の枠体1と、枠体1に開閉自在に設けられるとともに、枠体1の表面側から開口部1aを閉塞する蓋部材とを有し、枠体1の裏面には、枠体1を上面3aに直接着脱自在に固定する接着部材が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層されたウェットティッシュやウェットタイプの清掃シートを収納したウェットシート用包装体の蓋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、汚れた手や顔を清拭したり、または排泄後の乳幼児のお尻拭きとして、ウェットティッシュが使用されている。また、便座やフローリングなどを清掃する際には、ウェットタイプの清掃シートが使用されている。これらのウェットシートは、複数枚を積層して、プラスチック製のフィルムシートからなる袋状の包装体に収納され販売されている。
【0003】
また、上記シートを取り出す際には、包装体の上面に形成された取出口から、一枚一枚取り出して使用する。この際、収納されたウェットシートの水分が蒸発しないように、接着力の弱い接着剤が塗布された密閉可能なフィルムラベル状の蓋が、上記取出口に開閉自在に設けられている。これにより、上記フィルムラベル状の蓋を剥がして、上記取出口よりシートを取り出し、使用後は再度フィルムラベル状の蓋を貼着することにより、上記取出口が覆われて密閉される。
【0004】
この際に用いられる包装体としては、例えば、下記特許文献1にあるように、包装袋に封入された液体を含浸するウェットティッシュペーパーの包装袋が液体不透過性であるとともに、包装袋の取出口に設けられた切り込みが、裏面に接着剤を塗布したシール部材によって覆われており、かつ前記取出口の位置する包装袋の内面と、折り畳んで収納されたウェットティッシュペーパー積層体の最上層の1葉の外面とが、取出口の切り込みの内側に位置する少なくとも一部分で互いに接着されているものが開示されている。
【0005】
ところが、この従来の包装体は、上記ウェットティッシュペーパーの取出口を覆うシール部材に、接着力の弱い接着剤を塗布し、上記取出口に貼着されているため、ウェットティッシュペーパーを取り出す毎に、上記シール部材の開閉が頻繁に行われ、このシール部材に塗布されている接着剤の接着力が弱くなってしまう。このため、包装体内部の密閉を維持することが困難になり、使い切る前にウェットティッシュペーパーが乾燥してしまうという問題がある。
【0006】
また、包装体の取出口を覆う上記シール部材は、可撓性を有するため、丁寧に貼着しないと、上記シール部材と上記取出口とに隙間ができてしまう。これにより、ウェットティッシュペーパーが乾燥してしまうととともに、包装袋内部に埃などが入ってしまうという問題もある。
【0007】
さらに、使用する毎に、包装袋の内部に積層されているウェットティッシュペーパーの枚数が減り、柔軟性を有する包装袋の形態が崩れてしまうため、上記取出口が形成されている上面の平坦が損なわれ、上記シール部材を剥がしたり、貼り付けたりするのことが困難になってしまう。この結果、無理に剥がすことによって、上記シール部材が破損してしまうという問題もある。さらに、上記取出口の上面に正確に貼着することができないことによって、上記シール部材と上記取出口とに隙間ができてしまうため、ウェットティッシュペーパーの乾燥や埃などの侵入を許してしまうという問題もある。
【0008】
そこで、下記特許文献2においては、ウェットシートの積層体と、気密性を有し且つ積層体を収納する包装袋と、この包装袋に形成されたウェットシート取り出し用の開口部と、前記包装袋の前記開口部側に装着された蓋ユニットとを備え、当該蓋ユニットは、前記包装袋の前記開口部に対応する取り出し口を有し且つ前記包装袋に装着された取り付けベースと、この取り付けベースに開閉自在に枢着され且つ前記取り出し口を開閉する蓋体と、前記取り付けベースと前記蓋体との間に介在され且つ前記蓋体を開放方向に付勢する弾性体と、前記取り付けベース側に設けられた係合受け部と、前記蓋体側に設けられ且つこの蓋体を閉じたときに前記係合受け部に係脱自在に係合する係合部と、前記蓋体を明けるときに前記係合受け部を前記係合部から離脱させる方向に操作する操作部とを備えたウェットシート包装体が提案されている。
【0009】
この従来のウェットシート包装体は、柔軟性のある包装袋に形成されたウェットシート取り出し用の開口部に、この開口部と略同一の形状に開口された取り出し口を有する蓋ユニットが貼着されているとともに、当該蓋ユニットは、蓋体が係合手段により開閉自在に設けられているため、ウェットシートの取り出しを頻繁に行っても、蓋ユニットに設けられた開閉自在の蓋体により、密閉性を損なうことがなく、ウェットシートが乾燥してしまうことや、埃などが包装袋内に侵入してしまうことを防止することができる。
【0010】
また、ウェットシートを使用する毎に、収納されているウェットシートが減少し、包装袋の形態が崩れたとしても、剛性の蓋ユニットが貼着されていることにより、包装袋の開口部側の面は、常に平坦な状態を維持することができるため、ウェットシートの取り出しを最後まで容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−275876号公報
【特許文献2】特開2001−294254号公報
【発明の概要】
【0012】
ところが、この従来のウェットシート包装体は、ウェットシート取り出し用の開口部の形状と、包装袋に貼着される蓋ユニットの取り出し口の形状とが、略同一に形成されているため、この包装体を製造する際に、機械により正確な位置を出して、蓋ユニットを包装袋に貼着する必要があるととともに、一つ一つの包装袋に前記蓋ユニットを取り付けることになるため、製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
【0013】
さらに、上記包装袋の開口部の形状と、上記蓋ユニットの取り出し口との形状が略同一に形成されているため、ウェットシートを使い終わった後に、上記蓋ユニットを再利用しようとした場合に、包装袋の開口部の形状と合うものにしか使用することが出来ない。このため、利便性が悪く、ゴミの量を増やすことになり、環境に悪影響を及ぼしてしまうという問題もある。また、上記蓋ユニットの取り出し口の形状と、上記包装袋の開口部の形状とが略同一の包装体が見つかったとしても、それぞれの形状を正確に合わせて貼着する必要があるため、手間が掛かってしまうという問題もある。
【0014】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、環状の枠体に開閉自在に取り付けられた蓋部材を有し、かつ既存のウェットシートの包装体に簡便に付け替え可能なウェットシート用包装体の蓋体を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ウェットタイプのシートを積層して収納するとともに、上面に当該シートを引き出す取出口が設けられ、かつ当該上面に当該取出口を密閉するフィルムラベル状の蓋が開閉自在に設けられた包装体に着脱自在に取り付けられるウェットシート用包装体の蓋体であって、上記フィルムラベル状の蓋を外方から囲繞する開口部が形成された環状の枠体と、当該枠体に開閉自在に設けられるとともに、当該枠体の表面側から当該開口部を閉塞する蓋部材とを有し、当該枠体の裏面には、当該枠体を上記上面に直接着脱自在に固定する接着部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のウェットシート用包装体の蓋体において、上記枠体と上記蓋部材とは、対向する長辺部と対向する短辺部との角隅部が円弧により連続した長円形状の合成樹脂によって一体に形成され、当該長辺部の一方にヒンジ部を形成することにより開閉自在に設けられてなり、上記枠体には、上記枠体の表面側に突出するフランジ部が上記開口部に沿って周設されるとともに、当該フランジ部には、上記ヒンジ部と対向する長辺部側の中央部に係止部が形成され、上記蓋部材には、その裏面側に上記フランジ部に嵌合する凹状部が周設されるとともに、当該凹状部は、一方の長辺部の中央部が開放され、この開放部から円弧により連続された角隅部を通って両短辺部に至り、さらに他方の長辺部を閉塞して周設される平面視が略C状の内立壁と外立壁とにより形成され、かつ当該内立壁と外立壁とは、互いの上記略C状の開放部を対向させた位置に配設されていることを特徴とするものである。
【0017】
そして、請求項3に記載の本発明は、請求項1また2に記載のウェットシート用包装体の蓋体において、上記外立壁は、上記略C状の開放部が上記蓋部材の上記ヒンジ部側に配置されるとともに、上記外立壁の上記略C状の閉塞部側に、上記フランジ部に形成された上記係止部と係合する係止片部が形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウェットシート用包装体の蓋体において、上記蓋部材には、上記ヒンジ部と対向する他方の上記長辺部に、上記蓋部材を開くための指掛け部が形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のウェットシート用包装体の蓋体において、上記接着部材は、ホットメルトであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1〜5のいずれかに記載の本発明によれば、ウェットシート用包装体の蓋体は、ウェットシート用の包装体のウェットシートを引き出す取出口が形成された上面に、接着部材により直接着脱自在に取り付けることができるため、一般に販売されている既成のウェットシート用の包袋体に使用することができる。これにより、ウェットシートを使い切ってしまっても、既製のウェットシート用の包装体を購入することにより、簡便に使用することができる。
【0021】
さらに、上記蓋体の枠体に開閉自在に設けられた蓋部材は、使う毎に繰り返し開閉させても、確実に上記取出口を閉塞させることができる。この結果、既成品の包装体の取出口に設けられたフィルムラベル状の蓋の接着力が、使用するにしたがい衰退した場合でも、包装体に収納されているウェットシートの乾燥を防ぐことができる。
【0022】
また、上記蓋部材と一体に形成されている枠体は、既存の包装体に形成された上記取出口に、開閉自在に貼着されているフィルムラベル状の蓋を外方から囲繞する開口部を有しているため、包装体の当該フィルムラベル状の蓋のサイズが異なったものであっても使用することができるとともに、包袋体に取り付ける際には、上記フィルムラベル状の蓋を上記開口部内に位置させれば、包袋体内部の気密が保持され使用することができる。これにより、利便性に優れ、簡便に取り替え作業を行うことができる蓋体を提供することができる。
【0023】
そして、請求項2に記載の発明によれば、上記枠体と上記蓋部材とが合成樹脂により一体に形成されているとともに、上記蓋部材をヒンジ部により開閉自在に設けられているため、使用毎にウェットシートが減少し、柔軟性を有する袋状の包装体の形態が崩れたとしても、合成樹脂で形成された上記枠体により、ウェットシートを引き出す取出口が形成された上記包装体の上面を、常に平坦な状態に維持することができる。この結果、上記包装体の上記取出口に接着剤により貼着されたフィルムラベル状の蓋の開閉をスムーズに行うことができる。さらに、上記枠体に開閉自在に設けられた蓋部材により、最後まで包装体内部の気密を維持することができる。この結果、接着剤により貼着された当該フィルムラベル状の蓋の接着力が衰退したとしても、上記包装体内部の乾燥を防ぐとともに、埃などの侵入を防ぐことができる。
【0024】
また、上記枠体の上記開口部に、上記枠体の表面側に突出するフランジ部が周設されているため、外部からの空気または埃などの侵入を当該フランジ部により防ぐことができる。さらに、上記フランジ部に嵌合する凹状部を、平面視が略C状の内立壁と外立壁とにより形成するとともに、当該内立壁と外立壁とが、互いの上記略C状の開放部を対向させた位置に配設されているため、上記枠体の一方の長辺部の上記ヒンジ部により一体に形成された上記蓋部材を開閉する際には、上記略C状の開放部が対向する位置にあるため、上記フランジ部と上記凹状部との緩衝を極力減らすことができ、かつ上記蓋部材を閉めた際には、確実に嵌着させることができる。
【0025】
そして、請求項3に記載の発明によれば、上記外立壁は、上記ヒンジ部側に上記略C状の開放部を配置しているとともに、上記外立壁の上記略C状の閉塞部側に、上記フランジ部に形成された係止部と係合する係止片部が形成されているため、開閉自在に設けられた上記蓋部材と上記枠体とを簡単な構造により、確実に係合させることができる。この結果、上記蓋部材を上記枠体の開口部を閉塞することによって、既成の包装体の内部の気密を保持することができるとともに、コストを押さえた蓋体を製造することができる。
【0026】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、上記蓋部材には、上記蓋部材を開くための指掛け部が、上記ヒンジ部と対向する他方の長辺部に形成されているため、上記枠体の上記係止部と、上記蓋部材の上記係止辺部とにより係止された上記蓋部材を簡便に係脱させることができる。これにより、片手が塞がっている場合でも、空いているもう一方の手で簡単に上記蓋部材を開くことができるとともに、手の力の弱いお年寄りや子供でも、力を入れることなく上記ふた蓋部材を開くことができる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明によれば、上記接着部材がホットメルトであるため、蓋体を付け替える際に、包装体側に接着部材を残すことなく剥がすことができる。これにより、付け替え作業を簡便に行うことができるとともに、1つの蓋体があれば、ウェットシートを収納した既成の包装体を購入することにより、何度でも再利用することができる。この結果、ウェットシートが収納されていた包装体のみを廃棄することになり、ゴミの量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のウェットシート用包装体の蓋体の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は底面図である。
【図2】本発明のウェットシート用包装体の蓋体の一実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図、(d)は左側面図である。
【図3】本発明のウェットシート用包装体の蓋体の一実施形態を示し、(a)は図1(a)のA−A断面図、(b)は図1(a)のB−B断面図である。
【図4】本発明のウェットシート用包装体の蓋体の一実施形態を示し、一体に形成された枠体と蓋部材とを開いた状態を示す平面図である。
【図5】本発明のウェットシート用包装体の蓋体の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明のウェットシート用包装体の蓋体を包装体に貼着し、蓋部材を開いた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明のウェットシート用包装体の蓋体を包装体に貼着し、蓋部材を閉じた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1〜7は、本発明のウェットシート用包装体の蓋体の一実施形態を示す。
図1〜4に示すように、本発明のウェットシート用包装体の蓋体10は、開口部1aを有する環状の枠体1と、この枠体1にヒンジ部11により開閉自在に設けられ、枠体1の表面側から開口部1aを閉塞する蓋部材2とを有し、枠体1の裏面には、枠体1を包装体に直接着脱自在に固着する接着部材4が設けられ概略構成されている。
【0030】
また、環状の枠体1と蓋部材2とは、合成樹脂により形成され、図4に示すように、対向する長辺部5、6と、対向する短辺部7、8との角隅部9が円弧により連続した長円形状によって一体に形成されているとともに、一方の長辺部5に形成されたヒンジ部11が開閉自在に設けられている。
【0031】
そして、環状の枠体1は、平板状に形成され、外周近傍に凸部1bが周設されている。この凸部1bは、枠体1の長辺部6側の中央部が開放されている。また、開口部1aは、枠体1の外周形状と略相似形となるように、対応する長辺部と、対向する短辺部との角隅部が円弧により連続した長円形状に形成されているとともに、図6に示すように、ウェットシート用包装体3の上面3aに形成された取出口21に、開閉自在に貼着されたフィルムラベル状の蓋22を間隔をおいて外方から囲繞する大きさに形成されている。この開口部1aには、枠体1の表面側に突出するフランジ部12が、開口部1aに沿って周設されている。このフランジ部12には、枠体1の長辺部5側の中央部に、外方に突出する係止部13が形成されている。
【0032】
さらに、枠体1の裏面側には、ウェットシート用包装体3の上面3aに、直接着脱自在に貼着するための接着部材4が設けられている。この接着部材4は、ホットメルトによって、枠体1の裏面側の略全周に設けられている。
【0033】
また、蓋部材2は、図3に示すように、断面形状が略台形状に形成され、表面側に平坦部2aが中央部に形成されているとともに、裏面側に枠体1のフランジ部12と嵌合する凹状部14が、フランジ部12の位置に対応して周設されている。この凹状部14は、図4に示すように、一方の長辺部15の中央部が開放され、この開放部15aから円弧により連続された角隅部16を通って両短辺部17、17に至り、さらに他方の長辺部18を閉塞して周設されているとともに、平面視が略C状の内立壁14aと外立壁14bとにより形成されている。また、この内立壁14aと外立壁14bとは、互いの上記略C状の開放部15a、15aを対向させた位置に配設されている。さらに、外立壁14bは、上記略C状の閉塞されている長辺部18の中央部に、枠体1のフランジ部12に形成されている係止部13に係合する係止片部19が、内方に突出して形成されている。
【0034】
そして、蓋部材2の外周には、枠体1の凸部1bの外周面に当接される折返し部2bが、蓋部材2の裏面側に折り返され周設されている。この折返し部2bは、蓋部材2の長辺部6側の中央が開放され、この開放部に指掛け部20が形成されている。この指掛け部は、図2(a)、図2(c)および図5に示すように、蓋部材2の表面側に円弧状に突出して形成されている。
【0035】
以上の構成による本実施形態を用いて、ウェットシートが収納されている包装体に、蓋体10を付け替えて使用するには、まず図7に示すように、購入段階または新たな包装体に付け替えた後の蓋体10が、ウェットシート用包装体3に貼着されている状態から、図6に示すように、枠体1にヒンジ部11を介して一体に形成されている蓋部材2を開ける。このときに、枠体1の開口部1aに周設されているフランジ部12に形成されている係止部13と、蓋部材2の裏面側に設けられている外立壁14bに形成された係止片部19との係止は、蓋部材2の長辺部6に形成されている指掛け部20を指で押し上げることにより係脱させる。
【0036】
次いで、包装体3の上面3aに形成された取出口21に、開閉自在に貼着されているフィルムラベル状の蓋22を剥がし、包装体3の内部に積層されているウェットシートtを引き出して取り出し、汚れた手や顔などを清拭する。使用後は、フィルムラベル状の蓋22を取出口21に貼着して閉塞し、蓋部材2を回動させて、枠体1の表面側から開口部1aを閉塞させる。この際に、枠体1の開口部1aに周設されているフランジ部12に、蓋部材2の裏面に設けられた凹状部14が嵌合されるとともに、凹状部14の外立壁14bに形成された係止片部19と、フランジ部12に形成された係止部13とが係合される。
【0037】
そして、包装体3に積層されたウェットシートtを全て使い切ったら、包装体3の上面3aから、蓋体10を離脱させる。このときに、枠体1の裏面側に設けられた接着部材4がホットメルトであるため、無理なく離脱させることができるとともに、包袋体3の上面3aには、粘着部材の残りやべと付きを生じさせずに取り外すことができる。その後、取り外された包装体3のみを廃棄する。
【0038】
さらに、使い切った包装体3より取り外した蓋体10は、予め購入しておいた既製のウェットシート用包装体3の上面3aの取出口21に貼着されているフィルムラベル状の蓋22の外方に、枠体1の開口部1aを囲繞させて、直接上面3aに取り付ける。この際に、枠体1の裏面側には、接着部材4のホットメルトが残っているため、簡便に取り付けることができる。そして、取り付け後、再度蓋部材2を開けて、包装体3の上面3aに貼着されているフィルムラベル状の蓋22を剥がして、ウェットシートtを引き出して使用する。
【0039】
上述の実施形態によるウェットシート用包装体の蓋によれば、蓋体1を既存のウェットシート用の包装体3の取出口21が形成された上面3aに、接着部材4により直接着脱自在に取り付けることができるため、一般に販売されている既成のウェットシート用の包袋体3に使用することができる。これにより、ウェットシートtを使い切ってしまっても、既製のウェットシート用の包装体3を購入することにより、簡便に使用することができる。
【0040】
さらに、蓋体10の枠体1に開閉自在に設けられた蓋部材2は、使う毎に繰り返し開閉させても、確実に包装体3の取出口21を閉塞させることができる。この結果、既成品の包装体3の取出口21に設けられたフィルムラベル状の蓋22の接着力が、使用するにしたがい衰退した場合でも、包装体3に収納されているウェットシートtの乾燥を防ぐことができる。
【0041】
また、蓋部材2と一体に形成されている枠体1は、既存の包装体3に形成された取出口21に、開閉自在に貼着されているフィルムラベル状の蓋22を外方から囲繞する開口部1aを有しているため、包装体3のフィルムラベル状の蓋22のサイズが異なったものであっても使用することができるとともに、包袋体3に取り付ける際には、フィルムラベル状の蓋22を開口部1a内に位置させれば、包袋体3内部の気密が保持され使用することができる。これにより、利便性に優れ、簡便に取り替え作業を行うことができる蓋体を提供することができる。
【0042】
そして、枠体1と蓋部材2とが合成樹脂により一体に形成されているとともに、蓋部材2をヒンジ部11により開閉自在に設けているため、使用毎にウェットシートtが減少し、柔軟性を有する袋状の包装体3の形態が崩れたとしても、合成樹脂で形成された枠体1によって、ウェットシートtを引き出す取出口21が形成された包装体3の上面3aを、常に平坦な状態に維持することができる。この結果、包装体3の取出口21に接着剤により貼着されたフィルムラベル状の蓋22の開閉をスムーズに行うことができる。さらに、枠体1に開閉自在に設けられた蓋部材2により、最後まで包装体3内部の気密を維持することができる。この結果、接着剤により貼着されたフィルムラベル状の蓋22の接着力が衰退したとしても、包装体3内部の乾燥を防ぐとともに、埃などの侵入を防ぐことができる。
【0043】
また、枠体1の開口部1aに、枠体1の表面側に突出するフランジ部12が周設されているため、外部からの空気または埃などの侵入をフランジ部12により防ぐことができる。さらに、フランジ部12に嵌合する凹状部14を、平面視が略C状の内立壁14aと外立壁14bとにより形成するとともに、内立壁14aと外立壁14bとが、互いの上記略C状の開放部15a、15aを対向させた位置に配設されているため、枠体1の一方の長辺部5のヒンジ部11により一体に形成された蓋部材2を開閉する際には、上記略C状の開放部が対向する位置にあるため、フランジ部12と凹状部14との緩衝を極力減らすことができ、かつ蓋部材2を閉めた際には、確実に嵌着させることができる。
【0044】
そして、外立壁14bは、ヒンジ部11側に上記略C状の開放部15aが配置されているとともに、外立壁14bの上記略C状の閉塞部側に、フランジ部12に形成された係止部13と係合する係止片部19が形成されているため、開閉自在に設けられた蓋部材2と枠体1とを簡単な構造により、確実に係合させることができる。この結果、蓋部材2を枠体1の開口部1aを閉塞することによって、既成の包装体3の内部の気密を保持することができるとともに、コストを押さえた蓋体10を提供することができる。
【0045】
さらに、蓋部材2には、蓋部材2を開くための指掛け部20が、ヒンジ部11と対向する他方の長辺部6に形成されているため、枠体1の係止部13と蓋部材2の係止辺部とにより係止された蓋部材2を簡便に離脱させることができる。これにより、片手が塞がっている場合でも、空いているもう一方の手で簡単に蓋部材2を開くことができるとともに、手の力の弱いお年寄りや子供でも、力を入れることなく上記ふた蓋部材2を開くことができる。
【0046】
また、接着部材4がホットメルトであるため、蓋体10を付け替える際には、包装体3側に接着部材4を残すことなく剥がすことができる。これにより、付け替え作業を簡便に行うことができるとともに、1つの蓋体10があれば、既成のウェットシートを収納した包装体3を買うことにより、何度でも再利用することができる。この結果、ウェットシートtが収納されていた包装体3のみを廃棄すことになり、ゴミの量を減らすことができる。
【0047】
そして、枠体1の外周近傍の表面側に突出するに凸部1bが周設されているとともに、この凸部1bの外周に当接される折返し部2bが、蓋部材2の裏面側に周設されているため、枠体1と蓋部材2との嵌め合いを容易するとともに、蓋部材2を閉じた状態の際に、外部からの空気や埃などの侵入を防ぐことができる。
【0048】
なお、上記実施形態において、蓋体10の枠体1と蓋部材2とを、長円形状に形成して用いる場合のみ説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、正方形状や長方形状または円形状に形成しても、包装体3の上面3aに設けられたフィルムラベル状の蓋22を外方から囲繞する開口部1aを有する環状体であれば対応可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
ウェットシートを収納した包装体に利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 枠体
1a 開口部
2 蓋部材
2a 平坦部
2b 凸状部
3 包装体
3a 上面
4 接着部材
5 長辺部
6 長辺部
7 短辺部
8 短辺部
9 角隅部
10 蓋体
11 ヒンジ部
12 フランジ部
13 係止部
14 凹状部
14a 内立壁
14b 外立壁
15 長辺部
15a 開放部
16 角隅部
17 短辺部
18 長辺部
19 係止辺部
20 指掛け部
21 取出口
22 フィルムラベル状の蓋
t シート(ウェットシート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェットタイプのシートを積層して収納するとともに、上面に当該シートを引き出す取出口が設けられ、かつ当該上面に当該取出口を密閉するフィルムラベル状の蓋が開閉自在に設けられた包装体に着脱自在に取り付けられるウェットシート用包装体の蓋体であって、
上記フィルムラベル状の蓋を外方から囲繞する開口部が形成された環状の枠体と、当該枠体に開閉自在に設けられるとともに、当該枠体の表面側から当該開口部を閉塞する蓋部材とを有し、
当該枠体の裏面には、当該枠体を上記上面に直接着脱自在に固定する接着部材が設けられていることを特徴とするウェットシート用包装体の蓋体。
【請求項2】
上記枠体と上記蓋部材とは、対向する長辺部と対向する短辺部との角隅部が円弧により連続した長円形状の合成樹脂によって一体に形成され、当該長辺部の一方にヒンジ部を形成することにより開閉自在に設けられてなり、
上記枠体には、上記枠体の表面側に突出するフランジ部が上記開口部に沿って周設されるとともに、当該フランジ部には、上記ヒンジ部と対向する長辺部側の中央部に係止部が形成され、
上記蓋部材には、その裏面側に上記フランジ部に嵌合する凹状部が周設されるとともに、当該凹状部は、一方の長辺部の中央部が開放され、この開放部から円弧により連続された角隅部を通って両短辺部に至り、さらに他方の長辺部を閉塞して周設される平面視が略C状の内立壁と外立壁とにより形成され、かつ当該内立壁と外立壁とは、互いの上記略C状の開放部を対向させた位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のウェットシート用包装体の蓋体。
【請求項3】
上記外立壁は、上記略C状の開放部が上記蓋部材の上記ヒンジ部側に配置されるとともに、上記外立壁の上記略C状の閉塞部側に、上記フランジ部に形成された上記係止部と係合する係止片部が形成されていることを特徴とする請求項1また2に記載のウェットシート用包装体の蓋体。
【請求項4】
上記蓋部材には、上記ヒンジ部と対向する他方の上記長辺部に、上記蓋部材を開くための指掛け部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のウェットシート用包装体の蓋体。
【請求項5】
上記接着部材は、ホットメルトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のウェットシート用包装体の蓋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−25980(P2011−25980A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175307(P2009−175307)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000115968)レック株式会社 (49)
【Fターム(参考)】