説明

ウォッシャノズル付カメラおよびウォッシャノズル

【課題】より簡素な構成とする。
【解決手段】レンズ10aを有するカメラ10と、ポンプ41より送給されるウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるためのウィンドウ用噴射口21bを有するウォッシャノズル20を備え、ウォッシャノズル20には、ポンプ41より送給されるウォッシャ液をウィンドウ噴射口21bへ導くウィンドウ用管路21と、ポンプ41より送給されるウォッシャ液をカメラ10のレンズ10aへ噴射させるカメラ用噴射口22bへ導くカメラ用管路22が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるウィンドウ用噴射口を有するウォッシャノズル付カメラおよびウォッシャノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外線を内部に取り込む赤外線透過部と、この赤外線透過部に付着した付着物を除去する付着物除去部と、車両のウィンドウの洗浄に利用される洗浄液を貯蔵するタンクと、このタンク内の洗浄液を汲み上げるポンプとを備え、付着物除去部は、一端がポンプに連通され、他端にはポンプから流入した洗浄液を赤外線透過部に噴出するノズルが設けられているように構成された赤外線カメラシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−182080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された赤外線カメラシステムは、赤外線カメラとウォッシャノズルが別体として構成され、互いに離れた位置に取り付けられるようになっているので、ウォッシャ液を送給するためのポンプからウォッシャノズルへウォッシャ液を送給するウィンドウウォッシャホース(ウォッシャノズル用管路)と、ポンプから赤外線カメラへウォッシャ液を送給するための管路(赤外線カメラ用管路)とが必要となり、各管路の長さも長くなるので大掛かりな構成となってしまうといった問題がある。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みたもので、より簡素な構成とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、レンズ(10a)を有するカメラ(10)と、ウォッシャ液を送給する送給手段(41)より送給される当該ウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるためのウィンドウ用噴射口(21b)を有するウォッシャノズル(20)と、を備え、ウォッシャノズル(20)には、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液をウィンドウ噴射口(21b)へ導くウィンドウ用管路(21)と、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液をカメラ(10)のレンズ(10a)へ噴射させるカメラ用噴射口(22b)へ導くカメラ用管路(22)と、が形成されていることを特徴としている。
【0006】
このような構成によれば、ウォッシャノズル(20)には、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液をウィンドウ噴射口(21b)へ導くウィンドウ用管路(21)と、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液をカメラ(10)のレンズ(10a)へ噴射させるカメラ用噴射口(22b)へ導くカメラ用管路(22)と、が形成されているので、送給手段(41)とウォッシャノズル(20)との間にウォッシャ液を送給するための管路(42)を設けることにより、ウォッシャ液をウィンドウ噴射口(21b)およびカメラ用噴射口(22b)へ噴出させることが可能となり、より簡素な構成とすることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、ウォッシャノズル(20)は、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液を流入するための流入口(21a)を有し、ウィンドウ用管路(21)は、流入口(21a)とウィンドウ噴射口(21b)との間を連通するように形成され、カメラ用管路(22)は、ウィンドウ用管路(21)の途中に設けられた分岐部(B)よりカメラ用噴射口(22b)へ連通するように形成されていることを特徴としている。
【0008】
このように、ウィンドウ用管路(21)は、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液を流入するための流入口(21a)とウィンドウ噴射口(21b)との間を連通するように形成し、カメラ用管路(22)は、ウィンドウ用管路(21)の途中に設けられた分岐部(B)よりカメラ用噴射口(22b)へ連通するように形成することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、ウィンドウ用管路(21)の途中に設けられた分岐部(B)に、流入口(21a)より流入されるウォッシャ液の流れをカメラ用管路(22)側へ切り替える切替部(24)が設けられていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、ウィンドウ用管路(21)の途中に設けられた分岐部(B)に、流入口(21a)より流入されるウォッシャ液の流れをカメラ用管路(22)側へ切り替える切替部(24)が設けられているので、この切替部(24)によりウォッシャ液の流れをカメラ用管路(22)側へ切り替えることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、切替部(24)は、バネ(24a)が接続された弁(24b)を有し、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液の圧力を受けて弁(24b)がバネ(24a)の付勢力に対抗して可動し、ウォッシャ液の流れをカメラ用噴射口(22b)側へ切り替えるように構成されていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液の圧力を受けて弁(24b)がバネ(24a)の付勢力に対抗して可動し、ウォッシャ液の流れをカメラ用噴射口(22b)側へ切り替えるように構成されているので、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液の圧力を変化させることによりウォッシャ液の流れをカメラ用噴射口(22b)側へ切り替えることが可能である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、ウォッシャノズル(20)は、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液を流入するための第1の流入口(21a)と、第2の流入口(22a)と、を有しており、ウィンドウ用管路(21)は、第1の流入口(21a)とウィンドウ噴射口(21b)との間を連通するように形成され、カメラ用管路(22)は、第2の流入口(22a)とカメラ用噴射口(22b)との間を連通するように形成されていることを特徴としている。
【0014】
このように、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液を流入するための第1の流入口(21a)と、第2の流入口(22a)と、を有し、ウィンドウ用管路(21)は、第1の流入口(21a)とウィンドウ噴射口(21b)との間を連通するように形成し、カメラ用管路(22)は、第2の流入口(22a)とカメラ用噴射口(22b)との間を連通するように形成することができる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、カメラ用管路(22)の断面積は、ウィンドウ用管路(21)の断面積よりも小さくなっていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、カメラ用管路(22)の断面積は、ウィンドウ用管路(21)の断面積よりも小さくなっているので、ウィンドウ噴射口(21b)から車両のウィンドウへ向けて広範囲にウォッシャ液を噴射させることができ、カメラ用噴射口(22b)からカメラ(10)のレンズ(10a)へ向けて狭い範囲にウォッシャ液を噴射させることができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、ウォッシャノズル(20)は、空気を取り込むための空気取込口(23a)を有し、ウォッシャノズル(20)には、空気取込口(23a)とカメラ用管路(22)との間を連通する空気用管路(23)が形成されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、ウォッシャノズル(20)は、空気を取り込むための空気取込口(23a)を有し、ウォッシャノズル(20)には、空気取込口(23a)とカメラ用管路(22)との間を連通する空気用管路(23)が形成されているので、空気取込口(23a)より取り込まれた空気を空気用管路(23)を介してカメラ用噴射口(22b)へ送ることにより、カメラ(10)のレンズ(10a)に付着した雨滴やウォッシャ液を除去し、乾燥させることが可能である。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、カメラ(10)のレンズ(10a)の外周に、ウォッシャ液の付着を防止するための溝部(26)が形成されていることを特徴としている。
【0020】
このような構成によれば、カメラ(10)のレンズ(10a)の外周に、ウォッシャ液の付着を防止するための溝部(26)が形成されているので、カメラ用噴射口(22b)より滴り落ちる残留ウォッシャ液は、この溝部(26)に沿って溝部(26)の最下部に集められ、残留ウォッシャ液がカメラ(10)のレンズ(10a)に付着するのを防止することが可能である。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、ウォッシャノズル(20)には、カメラ(10)のレンズ(10a)の外周に形成された溝部(26)の最下部に集められたウォッシャ液を外部へ排水するための排水管路(27)が形成されていることを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、ウォッシャノズル(20)には、カメラ(10)のレンズ(10a)の外周に形成された溝部(26)の最下部に集められたウォッシャ液を外部へ排水するための排水管路(27)が形成されているので、排水管路27を介して溝部26の最下部に集められたウォッシャ液を排水口27aより排出させることが可能である。
【0023】
また、上記目的を達成するため、請求項10に記載の発明は、ウォッシャ液を送給する送給手段(41)より送給される当該ウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるためのウィンドウ用噴射口(21b)を有するウォッシャノズル(20)であって、レンズ(10a)を有するカメラ(10)を取り付けるカメラ取付部(25)と、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液をウィンドウ噴射口(21b)へ導くウィンドウ用管路(21)と、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液をカメラ取付部(25)に取り付けられるカメラ(10)のレンズ(10a)へ噴射させるカメラ用噴射口(22b)へ導くカメラ用管路(22)と、が形成されていることを特徴としている。
【0024】
このような構成によれば、レンズ(10a)を有するカメラ(10)を取り付けるカメラ取付部(25)と、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液をウィンドウ噴射口(21b)へ導くウィンドウ用管路(21)と、送給手段(41)より送給されるウォッシャ液をカメラ取付部(25)に取り付けられるカメラ(10)のレンズ(10a)へ噴射させるカメラ用噴射口(22b)へ導くカメラ用管路(22)と、が形成されているので、送給手段(41)とウォッシャノズル(20)との間にウォッシャ液を送給するための管路(42)を設けることにより、ウォッシャ液をウィンドウ噴射口(21b)およびカメラ用噴射口(22b)へ噴出させることが可能となり、より簡素な構成とすることができる。
【0025】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るウォッシャノズル付カメラが車両に取り付けられた様子を図1に示す。本実施形態に係るウォッシャノズル付カメラ1は、車両3のリアウィンドウの上部に取り付けられている。
【0027】
車両3のエンジンルーム内には、ウォッシャ液を貯蔵するウォッシャタンク40および該ウォッシャタンク40に貯蔵されたウォッシャ液を送給する送給手段としてのポンプ41が設けられている。また、ポンプ41とウォッシャノズル付カメラ1との間には、ポンプ41より送給されるウォッシャ液をウォッシャノズル付カメラ1へ送るための管路42が設けられている。
【0028】
なお、この車両3のフロントウィンドウの前部には、フロントウィンドウを洗浄するフロントウィンドウ用ウォッシャノズル(図示せず)も取り付けられており、ポンプ41とこのフロントウィンドウ用ウォッシャノズルとの間には、ポンプ41より送給されるウォッシャ液をフロントウィンドウ用ウォッシャノズルへ送るための管路(図示せず)が設けられている。
【0029】
ポンプ41は、運転者の操作によりリアウィンドウの洗浄が指示されると、ウォッシャ液をウォッシャノズル付カメラ1に接続された管路42へ送給し、運転者の操作によりリアウィンドウの洗浄が指示されると、ウォッシャ液をフロントウィンドウ用ウォッシャノズルに接続された管路へ送給する。
【0030】
運転者によるリアウィンドウの洗浄を指示する操作に応じてポンプ41が動作を開始すると、ウォッシャタンク40に貯蔵されたウォッシャ液が管路42へ送給され、ウォッシャノズル付カメラ1から車両3のリアウィンドウへ向けてウォッシャ液が噴射され、運転者によるフロントウィンドウの洗浄を指示する操作に応じてポンプ41が動作を開始すると、ウォッシャタンク40よりフロントウィンドウ用ウォッシャノズルへウォッシャ液が送給され、フロントウィンドウ用ウォッシャノズルから車両3のフロントウィンドウへ向けてウォッシャ液が噴射されるようになっている。
【0031】
本実施形態におけるポンプ41は、運転者の操作により、ウォッシャ液を管路42へ送給する際の圧力を、高圧と低圧の2段階で切り替えることが可能となっている。
【0032】
図2に、ウォッシャノズル付カメラ1の断面構成を示す。本ウォッシャノズル付カメラ1は、レンズ10aを有する車載カメラ10と、樹脂製のウォッシャノズル20とが一体となった構成となっている。
【0033】
車載カメラ10は、車両周辺を撮影し、撮影した車両周辺の画像を車載モニタ等へ送出する。
【0034】
ウォッシャノズル20には、図1に示したポンプ41より送給されるウォッシャ液を流入するための流入口21aが形成されている。
【0035】
ウォッシャノズル20は、この流入口21aより流入されるウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるためのウィンドウ用管路21と、流入口21aより流入されるウォッシャ液を車載カメラ10のレンズ10aへ噴射させるためのカメラ用管路22と、空気を取り込むための空気取込口23aより取り込まれる空気を車載カメラ10のレンズ10aへ噴射させるための空気用管路23と、車載カメラ10を取り付けるためのカメラ取り付け用穴25と、を有している。なお、車載カメラ10は、カメラ取り付け用穴25に挿入され、ウォッシャノズル20に組み付けられている。
【0036】
ウィンドウ用管路21は、ウォッシャ液を流入するための流入口21aと、ウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるためのウィンドウ用噴射口21bとの間を連通するように形成されている。ウォッシャ液は、図中、矢印W方向に流れる。
【0037】
カメラ用管路22は、ウィンドウ用管路21の途中に設けられた分岐部Bと、車載カメラ10のレンズ10aへ噴射させるためのカメラ用噴射口22bとの間を連通するように形成されている。
【0038】
なお、カメラ10の撮影範囲にカメラ用噴射口22bが入らないようにカメラ10のレンズ10aの外面に対して略水平方向にカメラ用噴射口22bが配置されており、このカメラ用噴射口22bからカメラ10のレンズ10aへ向けてウォッシャ液が噴射されるようになっている。
【0039】
また、カメラ用管路22の断面積は、ウィンドウ用管路21の断面積よりも小さくなっている。
【0040】
ウィンドウ用管路21の途中に設けられた分岐部Bには、ウィンドウ用噴射口21b側へ流れるウォッシャ液をカメラ用管路22側へ切り替える切替部24が設けられている。
【0041】
この切替部24は、バネ24aが接続された弁24bを有しており、流入口21aより流入されるウォッシャ液の圧力を受けて弁24bがバネ24aの付勢力に対抗して可動する構成となっている。
【0042】
空気用管路23は、空気を取り込むための空気取込口23aと、カメラ用管路22との間を連通するように形成されている。
【0043】
この空気取込口23aには、車両3の前方へ向くように配置された吸気口(図示せず)が接続されるようになっており、車両3の走行時に当該吸気口に入り込んだ空気が空気取込口23aへ流入するようになっている。
【0044】
車両3が走行を開始すると、空気用管路23に流入した空気がカメラ用管路22を介してカメラ用噴射口22bより吹き出るように構成されており、車載カメラ10のレンズ10aに付着した雨滴やウォッシャ液を除去し、乾燥させることが可能となっている。
【0045】
図3に、図2に示したA部拡大図を示す。また、図3中のD方向から見た図を図4に示す。図4に示すように、車載カメラ10のレンズ10aの外周には、ウォッシャ液の付着を防止するための溝部26が形成されている。図3に示すように、この溝部26の断面は半円形状となっている。
【0046】
車載カメラ10のレンズ10aを洗浄した後、カメラ用管路22を通りカメラ用噴射口22bより滴り落ちようとする残留ウォッシャ液は、図3の矢印Cに示すように溝部26に入り込み、この溝部26に沿って溝部26の最下部に集められるようになっている。この溝部26により残留ウォッシャ液が車載カメラ10のレンズ10aに付着するのを防止している。
【0047】
また、この溝部26の最下部には、この溝部26の最下部に集められたウォッシャ液を外部へ排水するための排水管路27が形成されている。この排水管路27は、溝部26の最下部とウォッシャノズル20の底面に形成された排水口27aとの間を連通するように形成されている。なお、他の図では、これらの溝部26、排水管路27および排水口27aについては省略して示してある。
【0048】
溝部26の最下部に集められたウォッシャ液は、排水管路27へ入り込み、排水口27aより排出される構成となっている。
【0049】
次に、本ウォッシャノズル付カメラ1の作動について説明する。上述したように、本実施形態におけるポンプ41は、運転者の操作により、ウォッシャ液を管路42へ送給する際の圧力を、高圧と低圧の2段階で切り替えることが可能となっている。
【0050】
運転者の操作に応じてポンプ41より送給されるウォッシャ液の圧力が低圧となっている場合、図2に示したように、切替部24の弁24bは、バネ24aの付勢力に対抗して可動することなく、ウォッシャ液はウィンドウ用噴射口21b側へ流れる。
【0051】
また、運転者の操作に応じてポンプ41より送給されるウォッシャ液の圧力が高圧になると、図5に示すように、ウォッシャ液の圧力を受けて弁24bがバネ24aの付勢力に対抗して可動し、ウォッシャ液の流れをウィンドウ用噴射口21b側からカメラ用噴射口22b側へ切り替えるように構成されている。
【0052】
このように、運転者はウォッシャ液の圧力を変化させることで、ウィンドウ用噴射口21bからウォッシャ液を噴射させたり、カメラ用噴射口22bからウォッシャ液を噴射させたりすることが可能となっている。
【0053】
上記した構成によれば、ウォッシャノズル20には、ポンプ41より送給されるウォッシャ液をウィンドウ噴射口21bへ導くウィンドウ用管路21と、ポンプ41より送給されるウォッシャ液をカメラ10のレンズ10aへ噴射させるカメラ用噴射口22bへ導くカメラ用管路22と、が形成されているので、ポンプ41とウォッシャノズル20との間にウォッシャ液を送給するための管路42を設けることにより、ウォッシャ液をウィンドウ噴射口21bおよびカメラ用噴射口22bへ噴出させることが可能となり、より簡素な構成とすることができる。また、カメラ10とウォッシャノズル20とが別体となっている場合には、カメラ10とウォッシャノズル20を別々に車両に取り付ける必要があり、特にカメラ10の取り付け時にはカメラの位置決め作業が煩雑であるが、カメラ10をカメラ取り付け用穴25に挿入して組み付けた後、本ウォッシャノズル付カメラ1を車両に取り付けるようになっているので、車両への取り付け作業が容易である。
【0054】
また、ウィンドウ用管路21の途中に設けられた分岐部Bに、流入口21aより流入されるウォッシャ液の流れをカメラ用管路22側へ切り替える切替部24が設けられているので、この切替部24によりウォッシャ液の流れをカメラ用管路22側へ切り替えることができる。
【0055】
また、ポンプ41より送給されるウォッシャ液の圧力を受けて弁24bがバネ24aの付勢力に対抗して可動し、ウォッシャ液の流れをカメラ用噴射口22b側へ切り替えるように構成されているので、ポンプ41より送給されるウォッシャ液の圧力を変化させることによりウォッシャ液の流れをカメラ用噴射口22b側へ切り替えることが可能である。
【0056】
また、カメラ用管路22の断面積は、ウィンドウ用管路21の断面積よりも小さくなっているので、ウィンドウ噴射口21bから車両のウィンドウへ向けて広範囲にウォッシャ液を噴射させることができ、カメラ用噴射口22bからカメラ10のレンズ10aへ向けて狭い範囲にウォッシャ液を噴射させることができる。また、カメラ用管路22の断面積は、ウィンドウ用管路21の断面積よりも小さくなっているので、カメラ用噴射口22bからカメラ10のレンズ10aへ向けて高い噴射圧でウォッシャ液を噴射させることができるので、カメラ10のレンズ10aに泥や融雪剤等、汚れの落ちにくい付着物が付着していても、付着物を除去することが可能である。
【0057】
また、ウォッシャノズル20は、空気を取り込むための空気取込口23aを有し、ウォッシャノズル20には、空気取込口23aとカメラ用管路22との間を連通する空気用管路23が形成されているので、空気取込口23aより取り込まれた空気を空気用管路23を介してカメラ用噴射口22bへ送ることにより、カメラ10のレンズ10aに付着した雨滴やウォッシャ液を除去し、乾燥させることが可能である。
【0058】
また、カメラ10のレンズ10aの外周に、ウォッシャ液の付着を防止するための溝部26が形成されているので、カメラ用噴射口22bより滴り落ちる残留ウォッシャ液は、この溝部26に沿って溝部26の最下部に集められ、残留ウォッシャ液が車載カメラ10のレンズ10aに付着するのを防止することが可能である。
【0059】
また、ウォッシャノズル20には、カメラ10のレンズ10aの外周に形成された溝部26の最下部に集められたウォッシャ液を外部へ排水するための排水管路27が形成されているので、排水管路27を介して溝部26の最下部に集められたウォッシャ液を排水口27aより排出させることが可能である。
【0060】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るウォッシャノズル付カメラ1の断面構成を図6に示す。図2に示した第1実施形態に係るウォッシャノズル付カメラ1は、ウィンドウ用管路21の途中に設けられた分岐部Bとカメラ用噴射口22bとの間を連通するようにカメラ用管路22を形成したが、本実施形態に係るウォッシャノズル付カメラ1は、ウィンドウ用管路21と並行にカメラ用管路22が形成されている。なお、本実施形態に係るウォッシャノズル付カメラ1においても、図3、図4に示した第1実施形態に係るウォッシャノズル付カメラ1と同様に、溝部26および排水管路27が形成されている。ただし、本実施形態に係るウォッシャノズル付カメラ1には、切替部24および空気用管路23は設けられていない。
【0061】
ウィンドウ用管路21は、ウォッシャ液を流入するための第1の流入口21aと、ウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるためのウィンドウ用噴射口21bとの間を連通するように形成されている。
【0062】
カメラ用管路22は、ウォッシャ液を流入するための第2の流入口22aと、ウォッシャ液を車載カメラ10のレンズ10aへ噴射させるためのカメラ用噴射口22bとの間を連通するように形成されている。また、カメラ用管路22の断面積は、ウィンドウ用管路21の断面積よりも小さくなっている。
【0063】
図1に示したように、ポンプ41とウォッシャノズル付カメラ1との間には、ポンプ41より送給されるウォッシャ液をウォッシャノズル付カメラ1へ送るための管路42が設けられている。本実施形態においては、この管路42とウォッシャノズル付カメラ1との間に、この管路42より流入するウォッシャ液を2方向に分岐する分岐部(図示せず)が設けられている。分岐部の一方は第1の流入口21aに接続され、分岐部の他方は第2の流入口22aに接続され、管路42より流入するウォッシャ液が第1の流入口21aと第2の流入口22aにそれぞれ流入するようになっている。このように、ウォッシャノズル20に、ウィンドウ用管路21と並行に独立してカメラ用管路22を形成することもできる。
【0064】
運転者によるリアウィンドウの洗浄を指示する操作に応じてポンプ41が動作を開始すると、ウォッシャタンク40に貯蔵されたウォッシャ液が管路42へ送給され、第1の流入口21aと第2の流入口22aにそれぞれ流入し、ウィンドウ用噴射口22bとカメラ用噴射口22bの両方から同時にウォッシャ液が噴射するようになっている。なお、分岐部より第1の流入口21aへ流れるウォッシャ液と分岐部より第2の流入口22aへ流れるウォッシャ液を切り替える切替弁を設け、ウィンドウ用噴射口22bとカメラ用噴射口22bのいずれか一方からウォッシャ液を噴射させることも可能である。
【0065】
(その他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、車両3のリアウィンドウの上部にウォッシャノズル付カメラ1を取り付けた構成を示したが、ウォッシャノズル付カメラ1の取り付け位置は、このような位置に限定されるものではない。
【0066】
また、上記第1、第2実施形態では、車載カメラ10を備えたウォッシャノズル付カメラとして構成したが、車載カメラ10を別部品として、ウォッシャノズルのみとして構成してもよい。
【0067】
また、上記第1実施形態では、ウィンドウ用管路21の途中に設けられた分岐部Bに、バネ24aが接続された弁24bを有する切替部24を備えた構成を示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、電動モータの回転に応じて開閉する電動弁や電磁式の電磁弁を用いて切替部24を構成してもよい。
【0068】
また、上記第1実施形態では、車両3の前方へ向くように配置された吸気口を空気取込口23aに接続して空気用管路23に空気を流入させる構成を示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、電動ファン等の各種送風手段を用いて空気取込口23aに空気を流入させるようにしてもよい。
【0069】
また、図6に示した第2実施形態におけるウォッシャノズル付カメラ1には、空気用管路23が備えられていないが、図2に示した第1実施形態に示したウォッシャノズル付カメラ1と同様に、空気を取り込むための空気取込口23aと、この空気取込口23aとカメラ用管路22との間を連通する空気用管路23を備えた構成としてもよい。
【0070】
また、上記第1、第2実施形態では、カメラ10のレンズ10aに直接、ウォッシャ液を噴射する構成を示したが、カメラ10のレンズ10aの外側にレンズカバーを設け、このレンズカバーへウォッシャ液を噴射する構成としてもよい。
【0071】
また、上記第1、第2実施形態では、図3に示したように、溝部26の断面が半円形状となっていたが、半円形状に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態に係るウォッシャノズル付カメラが車両に取り付けられた様子を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るウォッシャノズル付カメラの断面構成を示す図である。
【図3】図2に示したA部拡大図である。
【図4】図3中のD方向から見た図である。
【図5】切替部の動作について説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るウォッシャノズル付カメラの断面構成を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ウォッシャノズル付カメラ
3 車両
10 車載カメラ
10a レンズ
20 ウォッシャノズル
21 ウィンドウ用管路
21a 流入口
21b ウィンドウ用噴射口
22 カメラ用管路
22b カメラ用噴射口
23 空気用管路
23a 空気取込口
24 切替部
24a バネ
24b 弁
40 ウォッシャタンク
41 ポンプ
42 管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ(10a)を有するカメラ(10)と、
ウォッシャ液を送給する送給手段(41)より送給される当該ウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるためのウィンドウ用噴射口(21b)を有するウォッシャノズル(20)と、を備え、
前記ウォッシャノズル(20)には、前記送給手段(41)より送給される前記ウォッシャ液を前記ウィンドウ噴射口(21b)へ導くウィンドウ用管路(21)と、
前記送給手段(41)より送給される前記ウォッシャ液を前記カメラ(10)のレンズ(10a)へ噴射させるカメラ用噴射口(22b)へ導くカメラ用管路(22)と、が形成されていることを特徴とするウォッシャノズル付カメラ。
【請求項2】
前記ウォッシャノズル(20)は、前記送給手段(41)より送給される前記ウォッシャ液を流入するための流入口(21a)を有し、
前記ウィンドウ用管路(21)は、前記流入口(21a)と前記ウィンドウ噴射口(21b)との間を連通するように形成され、
前記カメラ用管路(22)は、前記ウィンドウ用管路(21)の途中に設けられた分岐部(B)より前記カメラ用噴射口(22b)へ連通するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウォッシャノズル付カメラ。
【請求項3】
前記ウィンドウ用管路(21)の途中に設けられた分岐部(B)に、前記流入口(21a)より流入される前記ウォッシャ液の流れを前記カメラ用管路(22)側へ切り替える切替部(24)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のウォッシャノズル付カメラ。
【請求項4】
前記切替部(24)は、バネ(24a)が接続された弁(24b)を有し、
前記送給手段(41)より送給される前記ウォッシャ液の圧力を受けて前記弁(24b)が前記バネ(24a)の付勢力に対抗して可動し、前記ウォッシャ液の流れを前記カメラ用噴射口(22b)側へ切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のウォッシャノズル付カメラ。
【請求項5】
前記ウォッシャノズル(20)は、前記送給手段(41)より送給される前記ウォッシャ液を流入するための第1の流入口(21a)と、第2の流入口(22a)と、を有しており、
前記ウィンドウ用管路(21)は、前記第1の流入口(21a)と前記ウィンドウ噴射口(21b)との間を連通するように形成され、
前記カメラ用管路(22)は、前記第2の流入口(22a)と前記カメラ用噴射口(22b)との間を連通するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウォッシャノズル付カメラ。
【請求項6】
前記カメラ用管路(22)の断面積は、前記ウィンドウ用管路(21)の断面積よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のウォッシャノズル付カメラ。
【請求項7】
前記ウォッシャノズル(20)は、空気を取り込むための空気取込口(23a)を有し、
前記ウォッシャノズル(20)には、前記空気取込口(23a)と前記カメラ用管路(22)との間を連通する空気用管路(23)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のウォッシャノズル付カメラ。
【請求項8】
前記カメラ(10)のレンズ(10a)の外周に、前記ウォッシャ液の付着を防止するための溝部(26)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のウォッシャノズル付カメラ。
【請求項9】
前記ウォッシャノズル(20)には、前記カメラ(10)のレンズ(10a)の外周に形成された前記溝部(26)の最下部に集められた前記ウォッシャ液を外部へ排水するための排水管路(27)が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のウォッシャノズル付カメラ。
【請求項10】
ウォッシャ液を送給する送給手段(41)より送給される当該ウォッシャ液を車両のウィンドウへ噴射させるためのウィンドウ用噴射口(21b)を有するウォッシャノズル(20)であって、
レンズ(10a)を有するカメラ(10)を取り付けるカメラ取付部(25)と、
前記送給手段(41)より送給される前記ウォッシャ液を前記ウィンドウ噴射口(21b)へ導くウィンドウ用管路(21)と、
前記送給手段(41)より送給される前記ウォッシャ液を前記カメラ取付部(25)に取り付けられる前記カメラ(10)のレンズ(10a)へ噴射させるカメラ用噴射口(22b)へ導くカメラ用管路(22)と、が形成されていることを特徴とするウォッシャノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−248661(P2009−248661A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96834(P2008−96834)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】