説明

ウオーターハンマー防止機能付止水栓

【課題】ウオーターハンマーの発生しないウオーターハンマー防止機能付止水栓を提供すること。
【解決手段】流入口12及び吐出口13を有する筒状の本体1の中央部に球状の弁体2と弁座3が設けられ、その側面に弁体2をウオーターハンマーの発生しないように任意の速さで移動し閉栓するための閉栓速度調節ネジ10及びダイヤフラム7・ダイヤフラム室8・駆動軸6等からなるウオーターハンマー防止機能付止水栓。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道等液体の配水管の制御・管理及び、出水口を制御するウオーターハンマー防止機能付止水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウオーターハンマーの防止には、止水栓にて発生したウオーターハンマー現象を吸収消滅させるウオーターハンマー防止器を使用する。(特許文献1)
また、ウオーターハンマーの発生しない程度の流水量の止水栓を採用するか、止水栓の流水量及び閉止速度を人為的に調整してウオーターハンマーを防止している。
【特許文献1】 特許公開2003−065484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ウオーターハンマーを発生させない止水栓であるので、ウオーターハンマー防止器、防止装置等を必要としない。
【0004】
各市町村及び戸建、集合住宅、企業、工場等水源及び給水方法による相違また、液体の種類により水圧・流速が異なるので、個々の末端の蛇口及び各種止水栓の手前にウオーターハンマー防止装置の設置、水圧、流速を調整又は、閉栓速度に注意しウオーターハンマーの防止対策をしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
水道等液体の配管及び、止水栓、蛇口等に採用できるウオーターハンマー防止機能を備えた止水栓である。
【発明の効果】
【0006】
従来のウオーターハンマー防止器等は、発生したウオーターハンマー現象を減少又は吸収消滅させるのが目的であるが、本発明は、ウオーターハンマーを発生させない構成なので、防止器を必要としない。
【0007】
配管の制御に採用する場合は、管の内断面積と同じ断面積の弁座3及びそれに対応した弁体2を採用することにより、流水の抵抗は皆無に近いものと思われる。
【0008】
本発明は、給水の減圧も必要なく給水路にはなんら抵抗のない構成なので、常時全開の吐水が可能な状態を維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本体1の吐出口10とシングルレバー又は2ハンドル混合栓の吐出口に継手を介して接続し駆動源12が手動の場合、指先等で押すレバーの先端を吐出口11の近くに配置する。
そのレバーを指先又はコップ等容器で押すと作動軸4が、前進弁体2を移動させ吐水する。混合栓で適温に調整しておくと常時一定の温度の水を出すことができる。
【0010】
本体1を管末の接続部に装着、駆動源12に電磁力・電動機等を用い制御に電子回路を採用するとウオーターハンマー防止機能付自動水栓となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るウオーターハンマー防止機能付止水栓の組立図、及び通水の止水状態を示す断面図。
【図2】本発明に係るウオーターハンマー防止機能付止水栓の開栓途中の状態を示す断面図。
【図3】本発明に係るウオーターハンマー防止機能付止水栓の全開栓の状態を示す断面図。
【図4】本発明に係るウオーターハンマー防止機能付の閉栓中の状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0012】
1 本体
2 弁体
3 弁座
4 弁座固定板
5 Oリング
6 作動軸
7a ダイヤフラムa
7b ダイヤフラムb
8a ダイヤフラム室a
8b ダイヤフラム室b
9 逆止弁
10 閉栓速度調節ネジ
11 逆流孔
12 流入口
13 吐出口
14 駆動源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道等液体の配管及び各種止水栓、蛇口等に採用できるウオーターハンマー防止機能付止水栓にて、弁体2が弁座3より作動軸6を介して移動させられる事により吐水する機構を特徴とする止水栓。
【請求項2】
止水栓本体側面に固着された請求項1のウオーターハンマー防止機構は、駆動源14を解放すると作動軸6が、ダイヤフラム7a及び7bの復帰力により後退すると共に弁体2も弁座3の定位置に復帰し止水することを特徴とする止水栓。
【請求項3】
作動軸6の後退速度すなわち弁体2の復帰速度は、ダイヤフラム室8a・8bに封入された気体又は液体が、駆動源14の作動によりダイヤフラム室8aから逆止弁9部を介してダイヤフラム室8b移動する。駆動源14の開放すると逆止弁は閉塞しダイヤフラム室8B内の気体又は液体は逆流孔11を介してダイヤフラム室8aに逆流するため作動軸6は後退し弁体2も復帰し止水するが、その速度を逆流孔11の流量を調節ネジ10の調整によりウオーターハンマーを発生することなく止水することを特徴とする止水栓。
【請求項4】
流入口12及び吐出口13に接続する継手を変えることにより配管に直接使用すれば配管制御、一般蛇口等各種水栓として、また、既設の各種混合栓及び、各種蛇口等の吐水口に直接取付ることも可能な、広範囲に採用できる請求項1のウオーターハンマー防止機能付止水栓。
【請求項5】
駆動源14に電磁力・電動機等を使用し、電子回路による制御をするとウオーターハンマー機能付の自動水栓に、また駆動源14が手動の場合は、押しボタン又は、レバーを上下左右前後に操作をする、半自動水栓と幅広く選択できることを特徴とする止水栓。
【請求項6】
吐水状態にするために駆動源14を作動させると、作動軸6は前進する同時にダイヤフラム7a及び、7bの作動軸に固着された中心部も前進することにより、ダイヤフラム室8a及び8bに満杯に注入された油、水等各種液体及び空気が、逆止弁9部を介してダイヤフラム室8aからダイヤフラム室8bに移動する。駆動源14を開放すると作動軸6が後退し始め同時に逆止弁9は閉止状態になるので、逆流孔11を介してダイヤフラム室8bの液体等は、ダイヤフラム室8aへ逆流を始める、その流量を調節ネジ10で加減し作動軸6の後退速度即ち弁体2の閉止速度を調整して、請求項1のウオーターハンマーを防止する機能を有する止水栓。
【請求項7】
ダイヤフラム室8a・bに挿入する気体及び液体等は制御対象液体の温度・粘度・圧力等の状態及び使用する場所の温度等環境に合わせた種類を選択できるので、利用範囲の広い止水栓。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−106646(P2010−106646A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303155(P2008−303155)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(599051258)
【Fターム(参考)】