説明

エアゾール容器用肩カバー及びエアゾール容器

【課題】 エアゾール容器の破裂を防止するエアゾール容器用肩カバーを提供
【解決手段】 図(a)は肩カバー40の上面図、図(b)は一部分を破断した正面図、図(c)は下面図である。肩カバー40は、図に示すように、エアゾール容器の首部の側面全体を覆う円筒形状のカバー本体部41と、肩カバー40を、エアゾール容器の口元部に装着するための円筒形状のカバー装着部43とから構成される。そしてカバー装着部43は、円筒形状の装着本体部43aと、装着本体部43aの内周面上に突出して形成され、カバー装着部43が口元部9に装着されると、口元部を被覆するマウンティンカップが口元部の外周面と当接している部分の外側(以降、マウンティンカップ外周面と称す)を押圧する押圧凸部43cとから構成される。即ち、肩カバー40がエアゾール容器の口元部に装着されると、押圧凸部43cにより、マウンティンカップ外周面の一部分が押圧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器用肩カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液状内容物を噴射剤ともに容器内に収容し、容器の上部に設けられたバルブユニットから液状内容物を噴出させるようにしたエアゾール容器が広く利用されている。
そして、このようなエアゾール容器においては、バルブユニットの噴出口を保護するとともに、エアゾール容器全体の外観を良くするために、エアゾール容器上部にカバー(以降、肩カバーと称す)が装着される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−157783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、エアゾール容器は、直射日光が照射される自動車内等のような高温状態に長時間曝されると、容器内の内圧が上昇して、容器に設けられたバルブユニットが容器から飛び出す、即ちエアゾール容器が破裂するという問題があった。
【0004】
本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、エアゾール容器の破裂を防止するエアゾール容器用肩カバー及びエアゾール容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされたエアゾール容器用肩カバーは、開口部を有する首部が形成され、液状内容物を収容する容器本体と、開口部の外周側に首部に対して突出して形成された口元部とを備え、口元部の外周面全体に当接して開口部を被覆する取付プレートにより記容器本体内の液状内容物を外部へ吐出する吐出部材が口元部に取り付けられるエアゾール容器に装着され、吐出部材を覆うエアゾール容器用肩カバーであって、このエアゾール容器用肩カバーがエアゾール容器に装着されると、取付プレートが口元部の外周面と当接している部分の外側である取付プレート外周面の一部分を押圧する部分押圧部材を備えることを特徴とする。
【0006】
このように構成されたエアゾール容器用肩カバーでは、容器内圧の上昇に抗して取付プレートが口元部の被覆を保持する能力(以降、被覆耐性と称す)を、部分押圧部材が取付プレート外周面を押圧することにより補強する。更に、容器内の内圧が上昇した場合に、取付プレート外周面にて部分押圧部材により押圧されていない部分(以降、非押圧部位と称す)において、口元部の外周面と取付プレートとの間から液状内容物および噴射剤が外部に漏洩することにより、容器の内圧の上昇を抑制する。
【0007】
つまり、取付プレート外周面にて部分押圧部材に押圧された部分(以降、押圧部位と称す)において、部分押圧部材の押圧力により吐出部材が口元部から外れることを抑制することと、非押圧部位において、液状内容物を外部に漏洩させて容器の内圧上昇を抑制することの2つの作用によって、エアゾール容器用肩カバーが装着されたエアゾール容器が高温状態に長時間曝された場合の、エアゾール容器の破裂を防止する。
【0008】
なぜならば、取付プレート外周面全体が押圧されていない場合には、被覆耐性が小さく、容器の内圧上昇によって比較的容易にエアゾール容器が破裂し、一方、取付プレート外周面全体が押圧される場合には、液状内容物が外部に漏洩する通路が形成されず、容器の内圧が上昇し続けて最終的にはエアゾール容器が破裂するため、取付プレート外周面において、押圧部位と非押圧部位の両方が設けられると良いからである。
【0009】
また本発明のエアゾール容器用肩カバーでは、部分押圧部材が取付プレート外周面を押圧する押圧力は、液状内容物を収容した容器本体の重量に抗して、当該肩カバーを容器本体に装着された状態に保持する大きさに設定されるとよい。
【0010】
このように構成されたエアゾール容器用肩カバーでは、部分押圧部材によって、当該肩カバーが容器本体に装着された状態に保持されるため、当該肩カバーを容器本体に装着するための装着部材を別途設ける必要がない。
【0011】
また本発明のエアゾール容器用肩カバーでは、取付プレート外周面全体を覆う筒状のカバー部材を備え、部分押圧部材は、カバー部材の内周面に形成された凸部であるようにしてもよい。
【0012】
またこのように構成されたエアゾール容器用肩カバーにおいて、取付プレート外周面を押圧する凸部は、カバー部材の内周面の周方向に沿って、略等間隔に形成されるようにするとよい。
【0013】
このように構成されたエアゾール容器用肩カバーでは、非押圧部位が略等間隔に形成される。つまり、取付プレート外周面において、液状内容物が外部に漏洩する通路を均等に配置することができる。
【0014】
また本発明のエアゾール容器用肩カバーは、当該肩カバーの下端部が容器本体の肩部に当接して、前記エアゾール容器に装着されるように構成されてもよい。
また、本発明のエアゾール容器用肩カバーが装着されたことを特徴とするエアゾール容器は、本発明のエアゾール容器用肩カバーと同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態について図面をもとに説明する。
図1は本発明が適用されたエアゾール装置1の側面図であり、図1(a)はレフィールキャップ60が装着された状態、図1(b)は櫛部70が装着された状態を示す。但し、肩カバー40,レフィールキャップ60及び櫛部70は断面図で示している。
【0016】
図1(a)に示すように、エアゾール装置1は、上部に開口部3a(図2参照)を有し、液状内容物(例えば、毛髪化粧剤の一種である酸性染毛料および噴射剤(例えばLPG,DME))を収容するエアゾール容器3と、開口部3aを閉塞するようにエアゾール容器3に取り付けられるバルブユニット20と、バルブユニット20の側面を覆う肩カバー40とから構成される。
【0017】
これらのうちエアゾール容器3は、有底円筒状の容器本体部5と、容器本体部5と開口部3aとを接続し、容器本体部5から開口部3aに向けて径が徐々に小さくなる首部7と、開口部3aの外周側に首部7に対して突出して形成される口元部9とからなる。尚、本実施形態では、エアゾール容器3はポリエチレンテレフタレート(PET)を材料として形成されている。
【0018】
図2はエアゾール装置1の要部断面図である。バルブユニット20は、図2に示すように、ガスケット21を介して配置されるバルブハウジング23と、バルブハウジング23中にて上下動可能となるように挿入され、側壁に横穴25aを有する公知のステム25と、ステム25を開閉すると共に、横穴25aを塞ぐためのステムラバー27と、ステム25の上部側を突出させた状態でガスケット21,バルブハウジング23及びステムラバー27をエアゾール容器3の開口部3aに一体的に取り付けるマウンティンカップ29とから構成される。
【0019】
そしてバルブハウジング23は、開口部3aの内面に嵌入される有底筒状のバルブ本体部23aと、その上部外側に広がるフランジ部23bと、バルブ本体部23aの下方に延びる筒部23cとからなる。またバルブ本体部23aの内部には、ステム25を上下動自在に収容する筒状の空所23dが設けられ、その内面にはステム25をガイドするリブ23eが放射状に設けられている。尚、空所23dと筒部23cの筒内とは孔23fで連通している。尚、フランジ部23bはバルブハウジング23をエアゾール容器3に固定するための部分である。また、エアゾール装置1が正立使用の場合、筒部23cにはディップチューブ(図示せず)が勘着されエアゾール容器3の底部まで延びている。一方、エアゾール装置1が倒立使用の場合、孔23fはバルブハウジング23の横に設けられる(図示せず)。
【0020】
また、バルブハウジング23において、バルブ本体部23aの空所23dの底面と、ステム25との間には弾性部材としてコイルスプリング31が配置され、ステム25はこのコイルスプリング31によって常に上方に付勢された状態となっている。
【0021】
このように構成されたエアゾール装置1では、ステム25が押下されると、ステムラバー27にて塞がれていたステム25の横穴25aが開放され、横穴25a,バルブ本体部23aの空所23dにおける各リブ23e間の空間,孔23f,筒部23cの筒内が互いに連通する。そして、収容された酸性染毛料が、噴射剤の圧力によって各空間(即ち、各リブ23e間,孔23f,筒部23cの筒内等、それぞれが有する空間)及びステム25内を通って外部に排出される。
【0022】
尚、エアゾール装置1の未使用時には、肩カバー40の上部に、レフィールキャップ60が装着される(図1(a)参照)。これにより、バルブユニット20が不用意に操作されることを防止する。
【0023】
一方、エアゾール装置1の使用時には、肩カバー40の上部に、ノズルとしての機能を有する櫛部70が装着される(図1(b)参照)。
この櫛部70は、肩カバー40と嵌合するためのネジ山71aが内周面に形成された円筒形状の櫛装着部71と、櫛装着部71の上部から突出し、上端が閉塞し下端が開口した有底筒状の支持体73と、支持体73の長手方向に対して直交する方向に植設された複数の櫛歯75と、ステム25を押下するために操作される操作レバー77とから構成される。尚、支持体73は櫛歯75を支持するための部分である。
【0024】
そして支持体73の内部には、ステム25から排出された酸性染毛料を導入する充填室73aが形成されている。また支持体73には、櫛歯75を植設するための植設口73bが形成され、この植設口73bそれぞれに対応して櫛歯75が植設されている。
【0025】
また櫛歯75は、その側壁途中において、各櫛歯75が向かい合う側にはノズル75aが形成され、櫛歯75の内部には櫛歯75の基部からノズル75aに向けて酸性染毛料を排出する誘導路としての誘導路75bが形成されている。つまり、充填室73aはノズル75aを通じて外部と連通される。
【0026】
尚、列設された櫛歯75の両端には、支持体73と一体に形成された両端櫛歯79が設けられている。この二本の両端櫛歯79には充填室73aと連通した誘導路が形成されていない。従ってノズルも形成されていない。
【0027】
このように、エアゾール容器3とバルブユニット20と肩カバー40と櫛部70とを備えたエアゾール装置1では、操作レバー77が操作されると、ステム25が押下される。この結果、酸性染毛料が、充填室73aに導入されて更に櫛歯75に達し、ノズル75aから吐出される。また、ノズル75aから吐出した酸性染毛料は、各櫛歯75のノズル75aの周囲付近で保持された状態となる。
【0028】
即ち、使用者は、櫛歯75に酸性染毛料が保持された状態の櫛部70にて毛髪を梳くことにより、酸性染毛料を簡便に毛髪に塗布することができる。
図3(a)は肩カバー40の上面図、図3(b)は肩カバー40の一部分を破断した側面図、図3(c)は肩カバー40の下面図である。
【0029】
肩カバー40は、図3に示すように、首部7の側面全体を覆う円筒形状のカバー本体部41と、肩カバー40を、マウンティンカップ29により被覆された口元部9に装着するための円筒形状のカバー装着部43と、レフィールキャップ60の内周面と係合するための突起45aが全周に亘って外周面に形成された円筒形状のカバー・キャップ装着部45と、櫛部70と嵌合するためのネジ山47aが外周面に形成された円筒形状のカバー・櫛装着部47とを備え、合成樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン(PP))を素材に一体成型により形成されている。
【0030】
まずカバー本体部41は、カバー装着部43を覆うように配置される円筒形状の円筒部41aと、カバー装着部43の外周面から円筒部41aの内周面に亘って放射状に伸びて、円筒部41aを補強する補強リブ41bとから構成される。なお補強リブ41bは、円筒部41aの内周面の周方向に沿って45°間隔に計8個形成されている。
【0031】
次にカバー装着部43は、口元部9を被覆するマウンティンカップ29の外周径と略等しい内周径を有する円筒形状の装着本体部43aと、装着本体部43aの下端部に形成され、マウンティンカップ29が口元部9の外周面と当接している部分の外側(以降、マウンティンカップ外周面と称す)において、その下端部と係合するための係合爪43bと、装着本体部43aの内周面上に突出して形成され、カバー装着部43が口元部9に装着されるとマウンティンカップ外周面を押圧する押圧凸部43cとから構成される。また、カバー装着部43の上方には、ステム25を露出させるための開口部43dが形成されている。
【0032】
尚、本実施形態では、装着本体部43aの内周面の周方向に沿って、係合爪43bと押圧凸部43cとが交互に形成され、係合爪43b及び押圧凸部43cはそれぞれ、装着本体部43aの内周面の周方向に沿って90°間隔に計4個形成されるとともに、1つの係合爪43b及び1つの押圧凸部43cはそれぞれは、内周面の周方向に沿って45°の角度に相当する幅をもって形成されている。即ち、装着本体部43aの内周面の周方向に沿った任意の位置を示す角度を0°とし、「0°〜45°」の範囲に1つの押圧凸部43cが形成されているとすると、残り3つの押圧凸部43cは、「90°〜135°」,「180°〜225°」及び「270°〜315°」の範囲に形成されるとともに、4つの係合爪43bは、「45°〜90°」,「135°〜180°」,「225°〜270°」及び「315°〜360°」の範囲に形成されている(図3(c)参照)。
【0033】
図4(a)は図3(a)のA−A断面部を示す図、図4(b)は図3(a)のB−B断面部を示す図、図4(c)は図4(a)と図4(b)とを重ねて示した図である。尚、図4(c)において平行斜線が施されている部分は、図4(b)に相当する。
【0034】
即ち、図4(a)は押圧凸部43cが形成された部分を示す図であり、図4(b)は係合爪43bが形成されている部分を示す図である。そして図4(c)に示すように、押圧凸部43cは、装着本体部43aの内周面から突出して形成されている(図4(c)の突出高さH参照)。
【0035】
また、押圧凸部43cがマウンティンカップ外周面を押圧する押圧力は、使用者が櫛部70をエアゾール装置1に装着して使用する際に、エアゾール容器3に装着された肩カバー40が、装着本体部43aの周方向に回転してしまうことを阻止することが可能な大きさに設定されている。
【0036】
このように構成された肩カバー40を、口元部9がマウンティンカップ29で被覆されたエアゾール容器3に装着する場合には、まず、マウンティンカップ29の上方から、肩カバー40の係合爪43bの下端部をマウンティンカップ外周面の上端部に当接させ、その状態から肩カバー40をマウンティンカップ29に押し付ける。そうすると係合爪43bが外側に弾性変形してマウンティンカップ外周面上に乗り上げる。そして更に肩カバー40を押し付けると、肩カバー40は、係合爪43bがマウンティンカップ外周面上に乗り上げた状態で下方に移動し、最終的には係合爪43bがマウンティンカップ外周面の下端部に到達する。これにより、係合爪43bがマウンティンカップ外周面の下端部に係合され(図1参照)、肩カバー40の装着が完了する。
【0037】
そして、エアゾール装置1に装着された肩カバー40は、エアゾール容器3の内圧の上昇に抗してマウンティンカップ29が口元部9の被覆を保持する能力(以降、被覆耐性と称す)を、押圧凸部43cがマウンティンカップ外周面を押圧することにより補強する。更に、マウンティンカップ外周面にて押圧凸部43cにより押圧されていない部分(以降、非押圧外周面と称す)では、エアゾール容器3内の内圧が上昇した場合に、口元部9の外周面とマウンティンカップ29との間から液状内容物および噴射剤が外部に漏洩することにより、エアゾール容器3の内圧の上昇が抑制される。
【0038】
つまり、マウンティンカップ外周面にて押圧凸部43cに押圧された部分において、押圧凸部43cの押圧力によりバルブユニット20が口元部9から外れることを抑制することと、非押圧外周面において、液状内容物および噴射剤を外部に漏洩させてエアゾール容器3の内圧上昇を抑制することの2つの作用によって、高温状態に長時間曝された場合におけるエアゾール装置1の破裂を防止する。
【0039】
また押圧凸部43cによって、肩カバー40が、装着本体部43aの周方向に回転してしまうことを阻止する。即ち櫛部70の回転を阻止する。このため、使用者が櫛部70にて毛髪を梳く際に、使用者が所望する角度で櫛部70を毛髪に当てることができなくなるということを防止できる。即ち櫛部70が装着されたエアゾール装置1の使い勝手が向上する。
【0040】
また押圧凸部43cは、装着本体部43aの内周面の周方向に沿って、略等間隔に形成されているため、非押圧外周面が略等間隔に形成される。つまり、マウンティンカップ外周面において、液状内容物および噴射剤が外部に漏洩する通路を均等に配置することができる。このため、エアゾール装置1を立てた状態あるいは横にした状態など、どのような保管状態でも均一に機能を発揮する。
【0041】
また、本発明の一実施形態におけるバルブユニット20の外径は20.9mm(a)であり、装着本体部43aの押圧凸部43cの部分の内径は20.65mm(b)である。すなわち、a−bの数値が大きくなるほど押圧凸部43cによるバルブユニット20の押圧力が強くなる。このa−bの数値の範囲は0.1mm〜1mmが好ましく、0.15〜0.6がより好ましい。一方、4つの押圧凸部43cの間には、4つの凹部が形成されて、図4(c)に示すように上部が深く下部が浅くなるよう緩く傾斜し、その部分の最上部の内径は21.2mm(c)である。このc−aの部分は、液状内容物および噴射剤の漏洩通路を形成する。この範囲は0.1〜1mmが好ましく、0.15〜0.8mmがより好ましい。
【0042】
また、肩カバー40の下端部はエアゾール容器3の肩部に当接するように装着されている。そのため、高温状態に長時間曝された場合、軟化点の低いPET製のエアゾール容器3は膨張しようとするが、耐熱性の高いPP製の肩カバー40はその膨張を抑制する働きをする。したがって、高温状態に長時間放置すると、肩カバー40の裾部はエアゾール容器3の膨張により、末広がりに変形するため、肩カバー40の裾部とエアゾール容器3の肩部が嵌着された状態になる。すなわち、押圧凸部43cによるマウンティンカップ29の被覆耐性の補強を、肩カバー40の裾部が更に増強させる効果が得られる。
【0043】
以上説明した実施形態において、肩カバー40は本発明におけるエアゾール容器用肩カバー、エアゾール装置1は本発明におけるエアゾール容器、エアゾール容器3は本発明における容器本体、マウンティンカップ29は本発明における取付プレート、バルブユニット20は本発明における吐出部材、装着本体部43aは本発明におけるカバー部材、押圧凸部43cは本発明における凸部、マウンティンカップ外周面は本発明における取付プレート外周面である。
【0044】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態にて実施することが可能である。
【0045】
例えば、上記実施形態では、押圧凸部43cがマウンティンカップ外周面を押圧する押圧力は、エアゾール容器3に装着された肩カバー40が、装着本体部43aの周方向に回転してしまうことを阻止することが可能な大きさに設定されており、更に係合爪43bによって、肩カバー40がエアゾール容器3に装着されるものを示した。しかし、押圧凸部43cがマウンティンカップ外周面を押圧する押圧力は、液状内容物を収容したエアゾール容器3の重量に抗して、肩カバー40をエアゾール容器3に装着された状態に保持する大きさに設定されるようにしてもよい。
【0046】
このように構成された肩カバー40では、押圧凸部43cによって、肩カバー40がエアゾール容器3に装着された状態に保持されるため、肩カバー40をエアゾール容器3に装着するための装着部材(係合爪43bに相当)を別途設ける必要がない。
【0047】
尚、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・45゜間隔で設けられた押圧凸部43cを、10゜〜90゜間隔にしてもよい。なお、高温状態に長時間曝された場合、押圧凸部43cによるマウンティンカップ29の被覆耐性の補強と、非押圧外周面からの液状内容物および噴射剤の外部への漏洩による破裂防止の効果の兼ね合いから、間隔は20゜〜80゜が好ましく、30゜〜60゜が特に好ましい。
・45゜の等間隔で設けられた押圧凸部43cと非押圧部の間隔の比率を5:1〜1:5の範囲に変えてもよいが、前記と同様に被覆耐性の補強と破裂防止の効果の兼ね合いから、2:1〜1:2が好ましく、1.5:1〜1:1.5が特に好ましい。
・エアゾール容器3の口元部9の外周面に、1本又は2本以上の縦溝あるいはリブを設けることにより、高温状態に長時間曝された場合、液状内容物および噴射剤の外部への漏洩を促進させることができる。
・肩カバー40の材質をPPの代わりに、耐熱性がPPと同程度あるいはそれ以上のABS、ポリアミド、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらにガラス線維を配合したもの、あるいはPPと紙をブレンドしたものに変えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】エアゾール装置1の側面図。
【図2】エアゾール装置1の要部断面図。
【図3】肩カバー40の上面図,下面図及び一部分破断側面図。
【図4】肩カバー40の要部断面図。
【符号の説明】
【0049】
1…エアゾール装置、3…エアゾール容器、3a…開口部、5…容器本体部、7…首部、9…口元部、20…バルブユニット、21…ガスケット、23…バルブハウジング、23a…バルブ本体部、23b…フランジ部、23c…筒部、23d…空所、23e…リブ、23f…孔、25…ステム、25a…横穴、27…ステムラバー、29…マウンティンカップ、31…コイルスプリング、40…肩カバー、41…カバー本体部、41a…円筒部、41b…補強リブ、43…カバー装着部、43a…装着本体部、43b…係合爪、43c…押圧凸部、43d…開口部、45…カバー・キャップ装着部、45a…突起、47…カバー・櫛装着部、47a,71a…ネジ山、60…レフィールキャップ、70…櫛部、71…櫛装着部、73…支持体、73a…充填室、73b…植設口、75…櫛歯、75a…ノズル、75b…誘導路、77…操作レバー、79…両端櫛歯。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する首部が形成され、液状内容物を収容する容器本体と、前記開口部の外周側に前記首部に対して突出して形成された口元部とを備え、前記口元部の外周面全体に当接して前記開口部を被覆する取付プレートにより、前記容器本体内の液状内容物を外部へ吐出する吐出部材が前記口元部に取り付けられるエアゾール容器に装着され、前記吐出部材を覆うエアゾール容器用肩カバーであって、
当該エアゾール容器用肩カバーがエアゾール容器に装着されると、前記取付プレートが前記口元部の外周面と当接している部分の外側である取付プレート外周面の一部分を押圧する部分押圧部材を備える、
ことを特徴とするエアゾール容器用肩カバー。
【請求項2】
前記部分押圧部材が前記取付プレート外周面を押圧する押圧力は、
液状内容物を収容した前記容器本体の重量に抗して、当該肩カバーを前記容器本体に装着された状態に保持する大きさに設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載のエアゾール容器用肩カバー。
【請求項3】
前記取付プレート外周面全体を覆う筒状のカバー部材を備え、
前記部分押圧部材は、前記カバー部材の内周面に形成された凸部である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアゾール容器用肩カバー。
【請求項4】
前記取付プレート外周面を押圧する凸部は、
前記カバー部材の内周面の周方向に沿って、略等間隔に形成される、
ことを特徴とする請求項3に記載のエアゾール容器用肩カバー。
【請求項5】
当該肩カバーの下端部が前記容器本体の肩部に当接して、前記エアゾール容器に装着されるように構成される、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のエアゾール容器用肩カバー。
【請求項6】
請求項1〜請求項5に記載のエアゾール容器用肩カバーが装着されたことを特徴とするエアゾール容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−69584(P2006−69584A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253026(P2004−253026)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)
【Fターム(参考)】