説明

エアゾール式製品のガス抜き機構および、エアゾール式製品

【課題】カバー体に対して略垂直方向に上下動するタイプの操作釦を取り付けたエアゾール容器の残留ガスを確実に抜くことを目的とする。
【解決手段】操作釦10の外筒部分11に二本の対向脚部12を形成した。対向脚部12は、エアゾール容器の使用段階では外筒部分11から垂下した形態であり、操作釦10の上下動の邪魔とはならない。使用済み容器のガス抜きを行なうには、ステム30から取り外した操作釦10の対向脚部12をそれぞれ外側に折り曲げ、次にこの操作釦10を再びカバー体20に入れてステム30に嵌合させ、さらに押圧して当該ステムを下動させる。この下動により、折曲げ状態でカバー体20の内壁部分22を通過し終えた対向脚部12は自らの復元力で少し広がってその端部12aが下面部22aに係止される。すなわちステム30が内容物放出モードと同じ位置に保持されて、容器本体60の残留ガスは確実に外部空間に排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール式製品を対象としたガス抜き機構などに関し、特にエアゾール容器に取り付けられたカバー体と、当該カバー体により形成される空間域を上下動する操作ボタンとを備えたエアゾール式製品におけるガス抜きモードの設定に関する。
【0002】
このガス抜き機構は使用済みエアゾールを廃棄するときに初めて必要となり、まだ内容物が存在しているエアゾール式製品の使用段階ではまったくの不要部分である。
【0003】
そのため、ガス抜き機構の形状・構造は、エアゾール式製品の通常の使用段階では内容物放出動作の障害とならず、また利用者にとっていわば目障りにもならず、そして最終的な廃棄段階ではガス抜きモードに簡単に設定できるようになっていることが望ましく、本発明はこの要請に応えるものである。
【背景技術】
【0004】
本件出願人は、操作部材が連結部でカバー体と一体化され、作動モードでは操作部材が連結部を軸にカバー体に対して回動してステムを押圧する、いわゆるテコ式のエアゾール容器用放出用ヘッドに、内容物使用後の残留ガスを抜くためのガス抜き機構を設けたものを開示している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この操作部材には、ガス抜きモードに設定するための垂下状の係止片がカバー体との連結部とは略反対側のみに、折り曲げ可能な態様で設けられている。
【0006】
一方、カバー体には折曲げ後の当該係止片を係止してステムの押圧状態を維持するための係止部が設けられている。
【0007】
操作部を押圧した通常の作動モードでは、操作部材が連結部を軸に下方に回動してステムも下動しており、内容物放出機構により容器本体の内容物が外部空間に放出される。なお、折曲げ前の係止片が当該放出動作の障害になることはない。
【0008】
ガス抜きモードの設定に際しては、操作部材を、作動モードとは反対側(上方)にいったん回動させてその係止片の端部までをカバー体の上面部から露出させ、その後作動モードの設定方向に戻すかたちで回動させる。
【0009】
この戻りの回動操作により(単一の)係止片の端部側はカバー体の上面部に当接して折れ曲がり、さらにはこの折れ曲がった状態の当該操作部材がステムを押し下げる。
【0010】
そして、折れ曲がった係止片は操作部材が傾いた状態でカバー体の係止部に係止され、これによりステムは作動モードと同様の押し下げ状態に維持されるので容器本体の残留ガスが外部空間に排出される。
【特許文献1】特開2003−12057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、従来の、テコ式の放出用ヘッドを備えたエアゾール容器におけるガス抜き機構はカバー体に連結された操作部材の回動特性をうまく利用したものである。
【0012】
しかしながら、当該ガス抜き機構は、回動形式の操作部材の動きを積極的に利用しているため、操作部材がカバー体とは別体で略垂直方向に下動してステムを押圧するタイプの放出用ヘッドには適用できなかった。
【0013】
本発明は、カバー体とは別部材であって上下動タイプの操作部材に最適なガス抜き機構を提供して、当該操作部材を用いたエアゾール容器のガス抜き処理の効率化、確実化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)エアゾール容器(例えば後述の容器本体60)に取り付けられるカバー体(例えば後述のカバー体20,20′)の壁状部(例えば後述の内壁部分22)間の空間域(例えば後述の開口部23)をステム(例えば後述のステム30)と嵌合した状態で上下動する操作ボタン(例えば後述の操作釦10)を、当該エアゾール容器の作動モード対応位置に保持するガス抜き機構において、前記操作ボタンの互いに反対側となる部分のそれぞれに、ガス抜きモード設定用の脚部(例えば後述の対向脚部12)を折り曲げ可能な態様で形成して、前記カバー体に、前記脚部を折り曲げられた前記操作ボタンが前記作動モード対応位置まで下動した状態で、この折曲げ部分を個々に保持するガス抜きモード設定部(例えば後述の下面部22a,連結片部22b,段部22d,垂下部22e)を備える。
(2)上記(1)において、前記操作ボタンは、前記ステムと嵌合する内側筒状部(例えば後述の筒状部13)と、前記脚部のそれぞれが垂下するかたちで形成された外側筒状部(例えば後述の外筒部分11)とを有し、前記ガス抜きモード設定部として前記カバー体の壁状部の受部分(例えば後述の下面部22a,段部22d,垂下部22e)を用い、ガス抜きモードではこの受部分に前記脚部の先端部分(例えば後述の端部12a)を当接させる。
(3)上記(1)または(2)において、前記操作ボタンを、その下動により分離される片部(例えば後述の連結片部22b)を介して前記カバー体と一体成形し、かつ、当該片部と前記脚部とが当該操作ボタンの周方向において互いにずれた位置関係に配する。
【0015】
このような構成からなるガス抜き機構を備え、かつ、放出用ガスおよび内容物を収容したエアゾール式製品も本発明の対象としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ガス抜きモードのとき、上下動タイプの操作ボタンの互いに反対側となる部分に形成した例えば一対の脚部がその折曲げ状態で個々にカバー体のガス抜きモード設定部に保持されるので、操作ボタンを作動モード対応位置に安定的に設定して、容器本体の残留ガスを効率的にかつ確実に抜くことができる。
【0017】
また、ガス抜きモード設定部としてカバー体の壁状部の受部分を用いており、当該壁状部の下端面を当該受部分とする場合には、カバー体側に当該ガス抜きモード設定部を新たに設ける必要がなく、ガス抜き機構の製造工程を簡略化することができる。
【0018】
さらに、操作ボタンに形成されたガス抜きモード設定用の脚部の位置と、当該操作ボタンおよびカバー体の一体成形用の片部の位置とは周方向に互いにずれているので、脚部を折り曲げた状態の操作ボタンをカバー体の壁状部間の空間域に入れやすく、ガス抜きモードへスムーズに移行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1乃至図4を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、ガス抜きモードへの移行手順(その1)を示す説明図であり、(a)は通常の静止モード,(b)は操作釦をステムから取り外した状態,(c)は操作釦の対向脚部を折り曲げた状態をそれぞれ示し、
図2は、ガス抜きモードへの移行手順(その2)を示す説明図であり、図1(c)の操作釦をカバー体にセットするときの様子を示し、
図3は、図2の操作釦をさらに押し下げた状態のガス抜きモードを示す説明図であり、
図4は、図2のセット状態における操作釦およびカバー体の平面図であり、
図5は、図1〜図4とは別のカバー体(操作ボタンの脚部の折り曲げ状態を保持する段部,垂下部を形成したカバー体)を用いたときのガス抜きモードを示している。
【0020】
これらの図において、
10は利用者の操作に応じて上下動する操作釦,
11は当該操作釦の外筒部分,11aは当該外筒部分の下縁部,
12は外筒部分11の対向する二箇所から垂下したガス抜きモード設定用の対向脚部,12aは当該対向脚部の端部,
13は後述のステム30に嵌合するための筒状部,
14は放出口,
20および20′は操作釦10を収容して保護するカバー体,
21は当該カバー体の外壁部分,21aは当該外壁部分に設けられ後述のマウンティングカップ50に係合する凸状部,
22は当該カバー体の内壁部分,22aは操作釦10の対向脚部12の各先端部分を係止してガス抜きモードを維持するための当該内壁部分の下面部,22bは操作釦10とカバー体20,20′との一体成形処理により生じる連結片部,22cはガス抜きモード設定の際の対向脚部12に対するガイド作用を呈するスロープ面,22dは操作釦10の対向脚部12の各先端部分を保持してガス抜きモードを維持するための段部(図5参照),22eは当該段部に対応した環状の垂下部,
23は操作釦10を押圧したり後述のステム30から取り外したりするための開口部,
30は操作釦10の筒状部13と嵌合し、当該操作釦と一体の上下動により内容物の放出弁として作用するステム,
40はステム30を収容するハウジング,
50はハウジング40を後述の容器本体60に組み込むためのマウンティングカップ,50aはクリンプ処理によりハウジング40の上側外周面と密接しているハウジング保持周面,50bは当該マウンティングカップと後述の容器本体60との巻締部分の下側に形成される凹状部,
60は容器本体,
Aは操作釦10の外筒部分11とカバー体20の内壁部分22との隙間,
Bは操作釦10の対向脚部12の端部12aとその下方のマウンティングカップ50との間の空間部,
をそれぞれ示している。
【0021】
ここで、操作釦10およびカバー体20は一体成形されており、その材質は、ポリプロピレン,ポリエチレン,ナイロン,ポリアセタール,ポリブチレンテレフタレートなどのプラスチックである。
【0022】
操作釦10は、利用者がそれを最初に使用するまでは、その下縁部11aが連結片部22bに接続されてカバー体20と一体化し、その筒状部13の下端側の開口部にステム30の上端部分が入り込んだ状態、すなわち操作ボタン10がステム30にいわば位置決めされた状態になっている(図示省略)。このときの操作釦10はまだステム30に嵌合していない。すなわち図1(a)の状態にはまだ移行していない。
【0023】
このカバー体20と一体の操作釦10を利用者が押下げると連結片部22bが破断される。そして、カバー体20から分離された操作釦10はステム30と嵌合して図1(a)の状態へ移行し、略垂直方向に上下動可能となる。
【0024】
図1(a)に示すように、操作釦10の外筒部分11には、当該外筒部分よりも薄肉の二本の対向脚部12が設けられている。図4に示すように、当該対向脚部はカバー体20の連結片部22bから逃げる位置(内壁部分22の周方向にずれた位置)に設けられている。なお、ガス抜きモード設定用の脚部の形成箇所は図示のような対向位置に限定されるものではなく、操作釦10の互いに反対側となる任意の位置でよい。
【0025】
静止モードでは、
・カバー体20は、その凸状部21aがマウンティングカップ50の凹状部50bに係合して容器本体60に取り付けられ、
・操作釦10は、その筒状部13がステム30に嵌合しカバー体20に収容されている。
【0026】
このとき、
・操作釦10の外筒部分11とカバー体20の内壁部分22とには隙間Aが形成され、
・対向脚部12は、マウンティングカップ50のハウジング保持周面50aの外側に位置し、その端部12aとマウンティングカップ50の間にも操作釦10が下動するに十分な上下方向の空間部Bが形成されている。
【0027】
操作釦10を押し下げた作動モード(図示省略)では、当該操作釦と嵌合しているステム30もカバー体20に対して略垂直方向に下動し、ステム孔部(図示省略)が開いて容器本体60の内容物が外部空間に放出される。
【0028】
このとき、前述のように対向脚部12の端部12aの下方には空間部Bが存在しているので、操作釦10の押し下げ動作時に対向脚部12がマウンティングカップ50に当たることはない。
【0029】
容器本体60の内容物を使い切った後の例えば図1(a)のエアゾール式製品をガス抜きモードに設定するには、
(1)操作釦10の前後を掴んで上方向に引き抜いて筒状部13とステム30との嵌合を解除し、当該操作釦を開口部23からカバー体20の外に取り出し[図1(b)参照]、
(2)取り出した操作釦10の対向脚部12を、外筒部分11の外周面に接するように外側に折り曲げ[図1(c)参照]、
(3)この折曲げ後の操作釦10を再び開口部23に入れ、[図2参照]。
(4)開口部23に入れた操作釦10を下方に押してその筒状部13をステム30に嵌合させ、さらに当該操作釦を押し込んでステム30を下動させればよい[図3参照]。
【0030】
なお、上記(3)において、自らの復元力で外筒部分11から離れようとする対向脚部12はカバー体20のスロープ面22cにガイドされるので、利用者は折曲げ後の対向脚部12の復帰性状を気にする必要なしに操作釦10を開口部23に入れることができる。
【0031】
また、上記(4)においても、前述のように、対向脚部12はカバー体20の連結片部22bから逃げる位置に設けられているので、利用者は(連結片部22bに引っ掛かることもなく)操作釦10とステム30とをスムーズに嵌合させることができる(図4参照)。
【0032】
図3のガス抜きモードでは、内壁部分22を通過した対向脚部12が自らの復元力(弾性力)で外筒部分11から離れる方向に広がって、その端部12aがカバー体20の内壁部分22の下面部22aに係止される。なお、この係止状態をより確実なものにするため、対向脚部12が入り込めるかたちの凹状部を下面部22aに形成してもよい。
【0033】
この係止によりステム30が作動モード対応位置に保持されて、容器本体60の残留ガスは作動モードのときと同じ経路で外部空間に放出される。
【0034】
このとき、二本の対向脚部12が内壁部分22の下面部22aに個々に係止されるので、上下動タイプの操作釦10はバランス良くカバー体に保持されて、がたつくことも少なく、当該操作釦を用いたエアゾール式製品のガス抜きモード保持の安定化を図ることができる。
【0035】
なお、対向脚部12をカバー体20の連結片部22bから上述のような逃げる位置に設けるのではなく、連結片部22bと同じ周方向位置(一体成形時に連結片部22bの略真下となる位置)に設けてもよい。
【0036】
これによりガス抜きモードでの対向脚部12の端部12aの係止対象は、内壁部分22の下面部22aと連結片部22bの下面とを合わせた広い面となるので、例えばなんらかの衝撃によって端部12aが当初の係止位置からずれたとしても対向脚部12とカバー体20との係止状態が解除される可能性は小さく、ガス抜きモードを確実に保持することができる。
【0037】
この場合、ガス抜きモードの設定に際して、折曲げ後の対向脚部12が連結片部22bの内側を通過しやすいように例えば対向脚部12を薄肉状のものにすればよい。
【0038】
図5のカバー体20′は、ガス抜きモードの対向脚部12の先端部分を確実に保持するための段部22dおよび垂下部22eを有しており、その他の構成要素は図1乃至図4のカバー体20と同様である。なお、環状の垂下部22eは連続してまたは間歇的に形成される。
【0039】
図5の場合も、上述のように、操作釦10をいったんカバー体20′の外に取り出した上で対向脚部12を外側に折り曲げ、この折り曲げ後の操作釦10をステム30に押し込んで下動させると、図示のように対向脚部12の端部12aが内壁部分22の段部22dに保持されてガス抜きモードに設定される。
【0040】
このとき、対向脚部12の端部12aは垂下部22eの内周面にも保持されるので、何らかの力を受けたとしても当該対向脚部が外側方向に逃げてガス抜きモードが解除されるようなことはなく、ガス抜き状態を確実に保持することができる。
【0041】
本発明が適用されるエアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0042】
容器本体に収納する内容物は、例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分などである。
【0043】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0044】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0045】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0046】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0047】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼインなどを用いる。
【0048】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0049】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0050】
エアゾール式製品における内容物放出用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の、操作釦のガス抜きモードへの移行手順(その1)を示す説明図であり、(a)はガス抜き対象のエアゾール式製品の静止モード,(b)は操作釦をエアゾール容器から取り外した状態,(c)は操作釦の対向脚部をそれぞれ折り曲げた状態を示している。
【図2】本発明の、ガス抜きモードへの移行手順(その2)を示す説明図であり、図1(c)の操作釦をカバー体にセットした状態を示している。
【図3】本発明の、ガス抜きモードを示す説明図である。
【図4】本発明の、図2のセット状態における操作釦およびカバー体の平面を示す説明図である。
【図5】本発明の、図1〜図4とは別のカバー体(操作ボタンの脚部の折り曲げ状態を保持する段部,垂下部を形成したカバー体)を用いたときのガス抜きモードを示しす説明図である。
【符号の説明】
【0052】
10:操作釦
11:外筒部分
11a:下縁部
12:ガス抜きモード設定用の対向脚部
12a:端部
13:筒状部
14:放出口
20,20′:カバー体
21:外壁部分
21a:凸状部
22:内壁部分
22a:下面部
22b:連結片部
22c:スロープ面
22d:段部
22e:垂下部
23:開口部
30:ステム
40:ハウジング
50:マウンティングカップ
50a:クリンプ部分
50b:凹状部
60:容器本体
A:操作釦10の外筒部分11とカバー体20の内壁部分22との隙間
B:操作釦10の対向脚部12の端部12aとその下方のマウンティングカップ50との間の空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器に取り付けられるカバー体の壁状部間の空間域をステムと嵌合した状態で上下動する操作ボタンを、当該エアゾール容器の作動モード対応位置に保持するガス抜き機構において、
前記操作ボタンの互いに反対側となる部分のそれぞれに、ガス抜きモード設定用の脚部を折り曲げ可能な態様で形成し、
前記カバー体は、前記脚部を折り曲げられた前記操作ボタンが前記作動モード対応位置まで下動した状態で、この折曲げ部分を個々に保持するガス抜きモード設定部を備えている、
ことを特徴とするエアゾール式製品のガス抜き機構。
【請求項2】
前記操作ボタンは、前記ステムと嵌合する内側筒状部と、前記脚部のそれぞれが垂下するかたちで形成された外側筒状部とを有し、
前記ガス抜きモード設定部として前記カバー体の壁状部の受部分を用い、ガス抜きモードではこの受部分に前記脚部の先端部分が当接する、
ことを特徴とする請求項1記載のエアゾール式製品のガス抜き機構。
【請求項3】
前記操作ボタンは、その下動により分離される片部を介して前記カバー体と一体成形されたものであり、かつ、当該片部と前記脚部とが当該操作ボタンの周方向において互いにずれた位置関係に配されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載のエアゾール式製品のガス抜き機構。
【請求項4】
請求項1または2,3記載のガス抜き機構を備え、かつ、放出用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−27718(P2006−27718A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213433(P2004−213433)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】