エアビーム構造物
【課題】エアビーム構造物の本体膜材が形作る形状を従来のエアビーム構造物の場合よりも美しくする。
【解決手段】エアビーム構造物は、本体膜材とビーム部120を備えている。本体膜材は蒲鉾形をしており、半円形の前膜材及び後膜材と、使用時に断面半円形となる中膜材113を備えている。ビーム部120は、長尺のビーム膜材122の両端部が中膜材113の弧の方向に沿うようにして中膜材113に接合して作られた、ビーム膜材122と中膜材113に囲まれた閉空間を備えている。閉空間に、空気を充填されると、ビーム部120は一定の固さを持ちビームとしての機能を奏することになる。それにより本体膜材はその形状を維持する。
【解決手段】エアビーム構造物は、本体膜材とビーム部120を備えている。本体膜材は蒲鉾形をしており、半円形の前膜材及び後膜材と、使用時に断面半円形となる中膜材113を備えている。ビーム部120は、長尺のビーム膜材122の両端部が中膜材113の弧の方向に沿うようにして中膜材113に接合して作られた、ビーム膜材122と中膜材113に囲まれた閉空間を備えている。閉空間に、空気を充填されると、ビーム部120は一定の固さを持ちビームとしての機能を奏することになる。それにより本体膜材はその形状を維持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアビーム構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
エアビーム構造物が知られている。
エアビーム構造物は、気密でありその内部に気体(多くの場合は空気である。)を充填することで強度を出すことのできる袋をビームとして用いた、多くの場合複数の袋を有する膜構造物である。なお、本願では、「ビーム」の語は、水平方向に伸びるもののみを意味するわけではなく、構造物の強度を出すためのものという程度の意味で用いられている。例えば、本願では、「ビーム」の語は、通常「ビーム」の語が意味する梁、桁のみならず、縦方向等の他の方向に伸びる柱も含む。
エアビーム構造物は、膜材を用いるため、美しい曲線、曲面を実現できるのに加えて、通常の構造物に比べて構築や撤去が簡易に行えるという特徴があり、例えば、学校の体育祭等の行事に用いられるアーチや、万博のパビリオン、緊急災害時のシェルターなどに応用されている。
【0003】
従来のエアビーム構造物は、雨風等からエアビーム構造物の内部を守るための本体膜材と、それを取り付けるための、本体膜材とは別体とされた複数のチューブ状の袋を備えるものとされている。チューブ状の袋は、その内部に空気を入れることで一定の強度を有するものとなり、エアビーム構造物のフレームとしての機能を発揮する。
従来のエアビーム構造物における袋は、例えばアーチ状とする場合などそれを曲折させる場合には、膜材にて形成した複数の筒をその内部の空間を繋げながら、且つ隣り合う筒同士に適当な角度をつけながら接続して形成されているので、その袋に本体膜材を固定した場合に本体膜材が形作る曲面は、袋に存在する角張った部分が響いてくるため、設計者が望むとおりに美しくならないことがある。さらに、本体膜材と袋が別体であるため、エアビーム構造物を使用現場に設置する際に、空気を入れた袋(フレーム)と、本体膜材とを別途接続するという作業が必要となっており、緊急災害時等に使用する場合等緊急性を要する場合でも、設置に時間がかかる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、エアビーム構造物におけるかかる不具合を解消することを課題とするものである。より詳細には、本発明は、エアビーム構造物の本体膜材が形作る形状を従来のエアビーム構造物の場合よりも美しくするとともに、エアビーム構造物の設置を容易にするための技術を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するための本発明は、以下のような第1発明と第2発明に大別される。
第1発明は、膜材により形成の本体膜材と、長尺の膜材により形成されたビーム膜材であり、その幅方向の両端部を前記本体膜材に取付けられることにより、前記本体膜材との間に、使用時にそこに気体を充填させられた状態で前記本体膜材の形状を所定の形状に維持する、気密な閉空間を形成するものと、前記本体膜材又は前記ビーム膜材を介して前記閉空間に連通され、前記閉空間に気体を充填し、又は前記閉空間から気体を抜くことのできるバルブと、を備えてなるエアビーム構造物である。
第1発明のエアビーム構造物は、袋と本体膜材とを別体として備えている従来のエアビーム構造物とは異なり、ビームとしての機能を果たす閉空間を本体膜材及びそれに取付けたビーム膜材により形成することとしている。つまり、第1発明では、本体膜材の一部が袋の一部を兼ねることとなる。したがって、このエアビーム構造物は、本体膜材に袋の形状が響くことがないので、本体膜材が形作る曲面が従来よりも美しくなる。また、このエアビーム構造物は、本体膜材と閉空間(これは従来の袋が持っていたフレームの機能を有する。)とが一体となっているので、その設置が容易である。
【0006】
なお、第1発明における閉空間は、どのような形状とされていても構わない。例えば、前記本体膜材及び前記ビーム膜材のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の閉空間のその断面形状が、矩形等の多角形、或いは蒲鉾形となる形状とすることができるが、特に望ましいのは矩形である。なお、この断面形状は、閉空間に気体を充填していない場合の形状を意味する。気体を閉空間に充填した後の断面形状は、一般的に、略円形に近い形状となる。
第1発明では、一つの閉空間を作る前記ビーム膜材は、1枚物であってもよいし、複数枚の膜材からできていてもよい。一つの閉空間を作る前記ビーム膜材が複数枚の膜材である場合、前記ビーム膜材は、その長手方向に沿う複数のビーム膜材片を備えているとともに、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士が気密に接続されており、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の前記閉空間の長手方向に垂直な断面形状は、前記ビーム膜材片の数に応じた多角形となっていてもよい。
この場合、ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士は、それら端部同士が閉空間の内側に向けて折り曲げられた状態で、その折り曲げられた部分の一部(例えば折り曲げられた部分の全面)で、接合されていてもよい。そのようにすると、閉空間に気体が入れられたときにその接合部分が剥がれにくくなる。
【0007】
本願の第2発明は、膜材により形成の本体膜材と、長尺の膜材により形成されたビーム膜材であり、その幅方向の両端部を前記本体膜材に取付けられることにより、前記本体膜材との間に空間を形成するものと、前記ビーム膜材と前記本体膜材とに囲まれた前記空間に前記ビーム膜材の長手方向に沿うようにして配される気密な袋であり、使用時にその内部に気体を充填させられた状態で前記本体膜材の形状を所定の形状に維持するものと、前記袋の内部に連通され、前記袋の内部に気体を充填し、又は前記袋の内部から気体を抜くことのできるバルブと、を備えてなるエアビーム構造物である。
第2発明のエアビーム構造物は、袋を備えているが、ただし、その袋は、本体膜材とビーム膜材とに囲まれ、本体膜材と一体とされている空間に配される。つまり、例えば、袋の断面形状を、空間と同じかそれよりも大きくすることにより、間接的にではあるが、このエアビーム構造物の袋は本体膜材と一体とされる。そのため、従来のエアビーム構造物と比較した場合、本体膜材が形作る曲面を美しくすることができ、またエアビーム構造物の設置が容易である。なお、第2発明における本体膜材とビーム膜材とに囲まれる空間は、袋の形状を決定する役割を持つものであり、第1発明における閉空間とは異なり、必ずしも気密である必要はない。その代わり、第2発明では、袋が気密とされる。もっとも、前記ビーム膜材の両端と前記本体膜材を気密に接続することにより、上述の空間を気密にすることもできる。なお、第2発明では、空気が入れられたときの袋の形状を、上述の空間の形状によって(より詳細には、空間を囲む本体膜材とビーム膜材とによって)外側から規制することが可能となる。したがって、第2発明では、袋の形状を、例えば単純な円筒形等の直線的な形状とすることもできる。袋の形状をこのような単純な形状とできるのは、気密にすべき接合箇所を少なくすることに繋がるので、袋の製作の容易化に繋がる。
【0008】
なお、第2発明における空間は、どのような形状とされていても構わない。例えば、その断面形状が、矩形等の多角形、或いは蒲鉾形となる形状とすることができる。
第2発明では、一つの空間を作る前記ビーム膜材は、1枚物であってもよいし、複数枚の膜材からできていてもよい。一つの空間を作る前記ビーム膜材が複数枚の膜材である場合、前記ビーム膜材は、その長手方向に沿う複数のビーム膜材片を備えているとともに、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士が接続されており、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記袋に気体を充填する前の前記空間の長手方向に垂直な断面形状は、前記ビーム膜材片の数に応じた多角形となっていてもよい。
なお、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士、及び前記ビーム膜材片のうちの両端に位置するものの外側の端部と前記本体膜材を気密に接続することにより、上述の空間を気密にすることもできる。
また、ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士は、それら端部同士が空間の内側に向けて折り曲げられた状態で、例えば折り曲げられた部分の全面で、接合されていてもよい。そのようにすると、上述の空間の中に配される袋の中に気体が入れられたときにその接合部分が剥がれにくくなる。
【0009】
以下の内容は、第1発明と、第2発明に共通する。
ビーム膜材の両端部は、閉空間又は空間の内側に向けて、或いは外側に向けて折り返した状態で、例えば折り曲げられた部分の全面で、本体膜材に固定することができる。ビーム膜材の両端部の一方を閉空間又は空間の内側に向けて、他方を外側に向けて折り返した状態で本体膜材に固定することもできる。
第1発明における閉空間に気体が充填された場合、或いは第2発明の空間に配された袋に気体が充填された場合、ビーム膜材の両端部が反対側の端部から遠ざかる方向で折り返された状態で本体膜材に固定されていると、ビーム膜材が本体膜材から剥がれやすくなる。逆に、前記ビーム膜材の両端部がともに、反対側の端部に近づく方向に向けて折り返された状態で、前記本体膜材に固定されていれば、第1発明における閉空間に気体が充填された場合、或いは第2発明の空間に配された袋に気体が充填された場合に、ビーム膜材が本体膜材から剥がれにくくなる。
なお、ビーム膜材の折り返された両端部は、その全面が本体膜材と固定することができる。ビーム膜材と、本体膜材との固定の仕方は、溶着、融着、接着など、適当な方法で行えばよい。
【0010】
第1発明、第2発明のいずれの場合でも、本体膜材の形状には特に制限はない。
また、第1発明、第2発明のいずれの場合でも、前記本体膜材は、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられているとともに、前記ビーム膜材は、前記副本体膜材に取付けられていてもよい。このようにすると、ビーム膜材を本体膜材に固定する作業が行いやすい。特に、副本体膜材が少なくとも製造時において平面状の膜材である場合には、ビーム膜材を副本体膜材に取付けてから、副本体膜材を主本体膜材に取付けるようにすると、ビーム膜材を本体膜材に固定するのが容易である。本体膜材が主本体膜材と副本体膜材とを備える場合、前記副本体膜材は帯状とされており、且つその幅方向の少なくとも一端部に所定の余剰部分を残すようにして、前記ビーム膜材は前記副本体膜材に接続されていてもよい。このようにすることで、前記副本体膜材は、前記主本体膜材に前記余剰部分で接続できるようになる。これは、エアビーム構造物の製造時に、副本体膜材を主本体膜材に取付け易くするという効果を生じ、ひいては本体膜材にビーム膜材を取付け易くするという効果を生む。
前記本体膜材が、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられており、且つ前記ビーム膜材が、前記副本体膜材に取付けられている場合、第1発明は、前記ビーム膜材片を3枚とすることにより、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の前記閉空間の断面形状を矩形とすることができる。この場合、前記副本体膜材を帯状の矩形とし、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の両端部を他のビーム膜材片に接続されているものを矩形とし、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の一端部を前記副本体膜材に接続されているものを帯状の略半円弧形状、又は帯状の多角形とすることができる。このようにすることで、第1発明のエアビーム構造物の形状を、他の部材を特に用いずとも、略半円弧形状のビーム膜材片で規定される断面略蒲鉾形のアーチ形状にできる。本願では、「略半円弧形状」という語は、完全な半円弧形状の他、半楕円形状等の形状をも含み、或いはその外周部分を曲線とせずに直線を連続することにより実質的に半円弧状の形状としたものをも含む意味で用いられる。
前記本体膜材が、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられており、且つ前記ビーム膜材が、前記副本体膜材に取付けられている場合、第2発明は、前記ビーム膜材片が3枚とされることにより、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記袋に気体を充填する前の前記空間の断面形状を矩形とすることができる。この場合、前記副本体膜材を帯状の矩形とし、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の両端部を他のビーム膜材片に接続されているものを矩形とし、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の一端部を前記副本体膜材に接続されているものを帯状の略半円弧形状、又は帯状の多角形とすることができる。このようにすることで、第2発明のエアビーム構造物の形状を、他の部材を特に用いずとも、円弧形状、又は帯状の多角形(この多角形は、略円弧状であるのが好ましい)の膜材片で規定される断面略蒲鉾形のアーチ形状にできる。なお、各膜材片は、完全に一枚の膜材により形成する必要はなく、複数の膜材を接続して実質的に一枚の膜材としたものであってもよい。
【0011】
また、第1発明、及び第2発明におけるエアビーム構造物は、前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えていてもよい。
この場合、前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所が、前記シートに対して固定されていてもよい。このようなエアビーム構造物であれば、使用後に袋或いは、閉空間から気体を抜いたエアビーム構造物をシートごと折畳んで片付けることが可能であり、便利である。また、このようなエアビーム構造物であれば、エアビーム構造物の中心となる主構造部の形状の再現性を良くすることができる。
シートを有するエアビーム構造物は、前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所に、前記シートに対する固定を着脱自在に行うことのできる固定手段が設けられているものとされていてもよい。このようなシートと固定手段を備えているエアビーム構造物であれば、上述のエアビーム構造物と同様に使用後の片付けに便利である。また、シートと主構造部を着脱自在にすることで、エアビーム構造物の取り回しを行い易くなる。なお、固定手段は、シートの所定の位置にのみ固定できるようなものとすることができる。このようになっていれば、エアビーム構造物の形状の再現性を良くすることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本実施形態によるエアビーム構造物100の使用状態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示したエアビーム構造物100の平面図、図3は、同エアビーム構造物100の側面図、図4は、同エアビーム構造物100の正面図、図5は同エアビーム構造物100の断面図である。
【0014】
このエアビーム構造物100は、必ずしもその限りではないが、全体として略蒲鉾形の形状をしている。エアビーム構造物100は、この実施形態では、その内部の空間に、人が入ることのできる程度の大きさとされている。
エアビーム構造物100は、その全体を覆う本体膜材110と、ビーム部120とを備えている。
【0015】
本体膜材110は、これには限られないが、テント用のシートを用いて作られている。本体膜材110は、その前面を形作る略半円形の前膜材111、その後面を形作る略半円形の後膜材112、これら前膜材111及び後膜材112を繋ぐ、使用時には、半円筒形となり、不使用時(或いは、製造過程で広げた状態)では矩形となる中膜材113を備えている。
中膜材113の前端部は前膜材111と前膜材111の弧の全長にわたって接続されており、中膜材113の後端部は後膜材112と後膜材112の弧の全長にわたって接続されている。中膜材113と前膜材111、中膜材113と後膜材112の接続は、必ずしも気密である必要はない。中膜材113と前膜材111、中膜材113と後膜材112の接続はどのように行ってもよいが、この実施形態では、溶着によりこれを行っている。
【0016】
前膜材111には、開口である入り口111Aが設けられている。入り口111Aは、この実施形態では矩形である。入り口111Aには、それを覆う矩形の入り口カバー111Bが配されている。入り口カバー111Bは、その上端の辺が入り口111Aの上端の辺に接続されている。入り口カバー111Bを下から捲り、入り口111Aを通ることにより、人がエアビーム構造物100に出入りする。
前膜材111には、また、透明な膜材により形成の窓111Cが設けられている。
【0017】
中膜材113の両側面には、開口である窓113Aが設けられている。この窓113Aは矩形である。窓113Aには、メッシュ状の膜113Bが貼られている。また、窓113Aには、それを覆う矩形の窓カバー113Cが配されている。窓カバー113Cの窓113Aへの取り付け方は、入り口カバー111Bの入り口111Aへの取り付け方と同様である。
中膜材113の周囲には、ループ113Dが設けられている。ループ113Dは、図1等に示したような、直線状の棒である補助棒Lを通すためのものである。ループ113Dは、所定幅の膜材の両端を、中膜材113の表面に、例えば融着によって固定することによって形成されている。ループ113Dは、中膜材113の前方、中程、後方に取付けられているものを一組として、中膜材113の弧に沿う方向に所定の間隔で5組取付けられている。補助棒Lは、一組とされたループ113Dに通される。ループ113Dに通された補助棒Lはエアビーム構造物100の形状を維持するのを補助する。
【0018】
なお、本体膜材110それ自体は気密性を必要とされていないので、後述する閉空間を作る部分以外は、ネット状、メッシュ状の膜材によって形成することも可能である。
【0019】
ビーム部120は、この実施形態では3つとされている。3つのビーム部120は、この実施形態では、中膜材113の前方、中程、後方にそれぞれ取付けられている。
ビーム部120は、この実施形態では、略半円形のアーチ型とされており、図6に示したように、その断面形状は矩形、より詳細には正方形とされている。ビーム部120は、この実施形態では、長尺で帯状の3枚の膜材である膜材片120A、120B、120Cを接続してなるビーム膜材122両端部を本体膜材110に接合して形成されている。3枚の膜材片120A、120B、120Cのうち、膜材辺120Bの形状は矩形で、残りの2枚の膜材片120A、120Cの形状は略半円弧状とされている。膜材片120Aと膜材片120Bの隣り合う辺は、ビーム部120の内側に折り曲げた状態で、折り曲げられた部分の全面を溶着、融着などにより接合してある。膜材片120Cと膜材片120Bの隣り合う辺も同様に、ビーム部120の内側に折り曲げた状態で、折り曲げられた部分の全面を溶着、融着などにより接合してある。図6では、膜材片120Aと膜材片120Bの接合部分、膜材片120Cと膜材片120Bの接合部分をともに、Xの符号で示している。また、膜材片120A及び膜材片120Cの膜材片120Bと接合されていない辺(つまり、ビーム膜材122の両端部)は、互いに近接する方向に折り曲げられており、その折り曲げられた部分の全面を本体膜材110に溶着、融着などにより接続されている。本体膜材110と、ビーム膜材122に囲まれた空間は気密であり、ここが本願発明における閉空間となっている。なお、この閉空間を気密なものとすべく、この実施形態におけるビーム部120の長手方向の両端には、閉空間の断面形状と同じ形状の膜材がその周囲を本体膜材110及びビーム膜材122に溶着、融着などにより接合された状態で配されている。
なお、上述したように、閉空間の断面は矩形(より詳細には、本体膜材110と、膜材片120A、120B、120Cのすべてが平面であると仮定し、且つ閉空間に空気が入れられていない場合の断面形状が矩形)であるが、そこに空気を入れられた場合にもその断面形状を矩形のままに保つ必要はない。この実施形態のビーム部120は、図1では、断面正方形として図示されているが、その内部に空気を入れられた場合、断面が略円形となる。ただし、図1〜図5では、図の簡単のため、ビーム部120の断面形状を矩形として示してある。
なお、ビーム部120には、その内部の閉空間に気体(この実施形態では空気である。)を出し入れするためのバルブ121が設けられている。
バルブ121は、ビーム部120の内部の閉空間への気体の出し入れを任意に行え、且つ必要に応じて気密性を保てるようなものであればどのようなものでも用いることができる。そのような公知のバルブを、この実施形態ではバルブ121として用いている。バルブ121は、図示せぬ所定のポンプなどに接続可能とされており、そのポンプなどがビーム部120の内部への空気の充填、排気を行うようにされている。バルブ121の先端は、中膜材113の側面から外部に露出させてある。もっとも、バルブ121は、閉空間に連通していればよいのだから、ビーム膜材122に設けられていても構わない。
【0020】
上述のように、この実施形態では、ビーム膜材122の両端部は、互いに近接する方向に(つまり、閉空間の内向きに相当する方向に)折り曲げられており、その状態で本体膜材110に取付けられている。これにより、ビーム膜材122は、閉空間に空気を入れられたときに、本体膜材110から剥がれにくくなる。
また、この実施形態では、ビーム膜材122を作る膜材片120A、120B、120Cの隣り合う辺同士は、閉空間の内側に曲げられた状態で接合されている。これにより、この接合部分も、膜材片120A、120B、120Cを外側に折り曲げた状態で接合したときよりも剥がれにくくなっている。
【0021】
なお、3つのビーム部120を、図7に示したように変形することも可能である。
図7に示したビーム部120は、1枚物のビーム膜材122により形成されている。このビーム部120が備える閉空間は、図7に示したとおり略蒲鉾形である。なお、ビーム部120を図7に示したようなものとした場合には、閉空間の気密性を保つためにビーム部120の長手方向の両端に設けられる上述の実施形態では矩形であった膜材は、閉空間の断面形状と同じく蒲鉾形とされる。なお、この蒲鉾形の膜材は、その周囲を本体膜材110及びビーム膜材122に溶着、融着などにより接合される。
【0022】
また、ビーム部120は、図8、図9に示したようなものとすることができる。
図8、図9に示したビーム部120は基本的に、図6、図7を用いて説明した上述のビーム部120と同様に構成されている。ただし、図8、図9に示したビーム部120はともに、図中130の符号で示された袋を有している。この袋130は、円筒形状であり、且つ気密に形成されている。袋130の形状は必ずしも円筒形状である必要はないが、図6、図7で示した閉空間に配することができるように、柱状の形状である必要はある。例えば、袋130は、その断面がビーム部120の断面形状に対応するものとされていてもよいし、そうでなくてもよい。袋130は、また、その断面が円形とされていても、多角形形状とされていてもよい。この実施形態の袋130は、必ずしもその限りではないが、閉空間で規制されない状態で空気を入れられたときの断面形状が円形であり、且つ袋130に空気が入れられたときの袋130の断面積が、閉空間の断面積よりも大きくなるようにされている。したがって、空気が入れられた袋130は、その外側面が閉空間を囲む膜材に押接されることになる。
なお、このような袋130を用いる場合には、閉空間は必ずしも気密である必要はない。この意味で、この場合の閉空間は、本願における空間に相当する。もっとも、この変形例における閉空間は、上述の場合同様に気密であってもよい。
閉空間が気密性を必要としない場合には、膜材片120A、120B、120C同士の接合、ビーム膜材122と本体膜材110の接合の気密性に、それほど注意を払う必要はない。更にいえば、その場合には、膜材片120A、120B、120Cは、メッシュ状、ネット状等の膜材でできていても構わない。
なお、袋130を用いる場合にも、袋130を用いない場合に用いられたのと同様のバルブが必要である。バルブは、上述の場合と同様のものでよく、袋130の中に空気を出し入れすることのできるようなものであればよい。バルブは、袋130の内部に連通するようにして、袋130の適当な場所に設けられる。
【0023】
次に、このエアビーム構造物100の使用方法について説明する。
エアビーム構造物100を使用するにあたっては、上述のような、エアビーム構造物100を適当な場所に配置する。
次いで、3つのバルブ121に、順に、或いは一度にポンプなどを接続し、ビーム部120の中に空気を充填する。これにより、ビーム部120が袋130を有さないときは閉空間に、ビーム部120が袋130を有する場合には袋130の中に空気が充填される。これにより、ビーム部120は一定の固さを持ち、ビームとしての機能を有することになる。ビーム部120は、図1に示されたような半弧形の形状を維持し、ビーム部120に固定された本体膜材110の形状を維持する。なお、この形状は、前膜材111及び後膜材112がなくとも、また、補助棒Lがなくとも、中膜材113と、ビーム膜材122のみ(存在する場合には、これらと袋130のみ)で維持され得る。もっとも、前膜材111、後膜材112、及び補助棒Lは、中膜材113が上述の形状を維持するに寄与する。
次いで、5本の補助棒Lを、3つで一組とされた5組のループ113Dに通す。
このようにして、エアビーム構造物100が完成する。
なお、以下の変形例の場合も同様であるが、ビーム部120に空気を入れる前に、補助棒Lをループ113Dに通してしまうことも可能である。補助棒Lをループ113Dに通してからビーム部120に空気を送るようにすれば、ビーム部120が自立し易いので、エアビーム構造物100の設置を行うに必要な時間を短縮できる。
使用後、エアビーム構造物100を分解する場合には、基本的に、上述の場合と逆の手順を実行すればよい。
【0024】
<変形例1>
変形例1によるエアビーム構造物100は、基本的に、上述の実施形態のエアビーム構造物100と同様に構成されるが、図10にその平面図が示されたシートS1とともに用いられるようにされている。シートS1は、エアビーム構造物100の下方に敷かれるものである。
シートS1は、膜材であり、必ずしもこの限りではないが、この変形例1では、本体膜材110と同じ素材により形成されている。
シートS1は、また、複数の固定部S11を備えている。この固定部S11は、エアビーム構造物100をシートS1に着脱自在に固定できるようにするためのものであり、この実施形態では、ベルクロテープによって構成されている。固定部S11のそれぞれは、必ずしもこの限りではないが円形とされている。固定部S11は、シートS1の上にエアビーム構造物100を配したときに、エアビーム構造物100が有するビーム部120の下面が当接する部分に対応する位置に設けられている。
この変形例1におけるエアビーム構造物100の3つのビーム部120の両端の下面には、ベルクロテープによって形成された図示を省略の固定部が設けられている。このビーム部120の固定部は、シートS1の固定部S11に対して着脱自在な固定を行えるものとされている。
【0025】
次に、変形例1によるエアビーム構造物100の使用方法について説明する。
このエアビーム構造物100を用いるにあたっては、まず、シートS1をエアビーム構造物100を設置すべき適当な部分に敷く。次いで、シートS1の上にエアビーム構造物100のビーム部120の両端部を固定していく。かかる固定は、上述のように、ビーム部120に設けられた固定部を、シートS1の固定部S11に対して押圧することにより行う。
次いで、3つのバルブ121に、順に、或いは一度にポンプなどを接続し、ビーム部120が袋130を備えない場合には閉空間に、ビーム部120が袋130を備える場合には袋130の中に空気を充填する。
次いで、5本の補助棒Lを、3つで一組とされた5組のループ113Dに通す。
このようにして、エアビーム構造物100が完成する。
使用後、エアビーム構造物100を分解する場合には、基本的に、上述の場合と逆の手順を実行すればよい。シートS1を最後に折畳むことになるが、その際に、ビーム部120に設けられた固定部とシートS1の固定部S11とをそのまま固定しておいてもよい。
以上の変形例1では、ビーム部120に設けられた固定部とシートS1の固定部S11との固定を着脱自在なものとしたが、これを、着脱自在でない完全な固定にすることもできる。かかる固定は、溶着、融着、接着、縫製など、適当に行えばよい。
【0026】
<変形例2>
変形例2によるエアビーム構造物100は、基本的に、上述の実施形態のエアビーム構造物100と同様に構成される。
変形例2におけるエアビーム構造物100が上述の実施形態におけるエアビーム構造物100と異なるのは、その中膜材113の構成である。
変形例2におけるエアビーム構造物100の中膜材113は、主中膜材113aと、副中膜材113bに分かれている。副中膜材113bは、エアビーム構造物100のビーム部120が取付けられる部分である。副中膜材113bは、ビーム部120よりも若干幅広とされた帯状の矩形の膜材であり、エアビーム構造物100の使用時における中膜材113の弧に沿う方向に配されるようになっている。中膜材113の副中膜材113b以外の部分が、主中膜材113aとされる。つまり、主中膜材113aは、矩形の2枚の膜材である。
変形例2におけるエアビーム構造物100を製造する場合、ビーム部120は、まず、平面状に広げられた副中膜材113bに固定される。このとき、副中膜材113bのうち、エアビーム構造物100の中心よりに配されるものには、その両端部に所定幅の余剰部分を設けた形で、ビーム膜材122の幅方向の両端部が接続される。このとき、ビーム膜材122の両端部を内側に折り込んだ状態でその折り込んだ部分の全面を副中膜材133Bに固定する。また、副中膜材113bのうち、エアビーム構造物100の前端と後端に配されるものには、その一方の端部に所定幅の余剰部分を設けた形で、ビーム膜材122の幅方向の両端部が接続される。このとき、ビーム膜材122の両端部を内側に折り込んだ状態でその折り込んだ部分の全面を副中膜材133Bに固定する。
副中膜材113bにビーム部120を固定したものを上述のようにして3つ作った後、平行に並べた3つの副中膜材113bの端部をその両側にある外側の副中膜材113bの端部と、矩形の主中膜材113aの対向する2辺の全長を介して接続するとともに、外側の副中膜材113bの外側の端部を、それと隣接する前膜材111の弧の部分又は後膜材112の弧の部分と接続する。このとき、上述の余剰部分の全面を主中膜材113aに溶着又は融着することにより、主中膜材113aに副中膜材113bを接続する。
このようにして作られた変形例2にかかるエアビーム構造物100の一部断面図を、図11に示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態によるエアビーム構造物の使用状態を示す斜視図。
【図2】図1に示したエアビーム構造物の平面図。
【図3】図1に示したエアビーム構造物の側面図。
【図4】図1に示したエアビーム構造物の正面図。
【図5】図1に示したエアビーム構造物の断面図。
【図6】図1に示したエアビーム構造物の空気を入れていない状態のビーム部の構造を示すビーム部の長手方向に垂直な断面における断面図。
【図7】図1に示したエアビーム構造物の空気を入れていない状態の変形例によるビーム部の構造を示すビーム部の長手方向に垂直な断面における断面図。
【図8】図1に示したエアビーム構造物の空気を入れていない状態の他の変形例によるビーム部の構造を示すビーム部の長手方向に垂直な断面における断面図。
【図9】図1に示したエアビーム構造物の空気を入れていない状態の他の変形例によるビーム部の構造を示すビーム部の長手方向に垂直な断面における断面図。
【図10】変形例1によるエアビーム構造物で用いられるシートの構成を示す平面図。
【図11】変形例2によるエアビーム構造物のビーム部に空気を入れていない状態の構成を示す一部断面図。
【符号の説明】
【0028】
100 エアビーム構造物
110 本体膜材
113 中膜材
120 ビーム部
121 バルブ
122 ビーム膜材
130 袋
S1 シート
S11 固定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアビーム構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
エアビーム構造物が知られている。
エアビーム構造物は、気密でありその内部に気体(多くの場合は空気である。)を充填することで強度を出すことのできる袋をビームとして用いた、多くの場合複数の袋を有する膜構造物である。なお、本願では、「ビーム」の語は、水平方向に伸びるもののみを意味するわけではなく、構造物の強度を出すためのものという程度の意味で用いられている。例えば、本願では、「ビーム」の語は、通常「ビーム」の語が意味する梁、桁のみならず、縦方向等の他の方向に伸びる柱も含む。
エアビーム構造物は、膜材を用いるため、美しい曲線、曲面を実現できるのに加えて、通常の構造物に比べて構築や撤去が簡易に行えるという特徴があり、例えば、学校の体育祭等の行事に用いられるアーチや、万博のパビリオン、緊急災害時のシェルターなどに応用されている。
【0003】
従来のエアビーム構造物は、雨風等からエアビーム構造物の内部を守るための本体膜材と、それを取り付けるための、本体膜材とは別体とされた複数のチューブ状の袋を備えるものとされている。チューブ状の袋は、その内部に空気を入れることで一定の強度を有するものとなり、エアビーム構造物のフレームとしての機能を発揮する。
従来のエアビーム構造物における袋は、例えばアーチ状とする場合などそれを曲折させる場合には、膜材にて形成した複数の筒をその内部の空間を繋げながら、且つ隣り合う筒同士に適当な角度をつけながら接続して形成されているので、その袋に本体膜材を固定した場合に本体膜材が形作る曲面は、袋に存在する角張った部分が響いてくるため、設計者が望むとおりに美しくならないことがある。さらに、本体膜材と袋が別体であるため、エアビーム構造物を使用現場に設置する際に、空気を入れた袋(フレーム)と、本体膜材とを別途接続するという作業が必要となっており、緊急災害時等に使用する場合等緊急性を要する場合でも、設置に時間がかかる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、エアビーム構造物におけるかかる不具合を解消することを課題とするものである。より詳細には、本発明は、エアビーム構造物の本体膜材が形作る形状を従来のエアビーム構造物の場合よりも美しくするとともに、エアビーム構造物の設置を容易にするための技術を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するための本発明は、以下のような第1発明と第2発明に大別される。
第1発明は、膜材により形成の本体膜材と、長尺の膜材により形成されたビーム膜材であり、その幅方向の両端部を前記本体膜材に取付けられることにより、前記本体膜材との間に、使用時にそこに気体を充填させられた状態で前記本体膜材の形状を所定の形状に維持する、気密な閉空間を形成するものと、前記本体膜材又は前記ビーム膜材を介して前記閉空間に連通され、前記閉空間に気体を充填し、又は前記閉空間から気体を抜くことのできるバルブと、を備えてなるエアビーム構造物である。
第1発明のエアビーム構造物は、袋と本体膜材とを別体として備えている従来のエアビーム構造物とは異なり、ビームとしての機能を果たす閉空間を本体膜材及びそれに取付けたビーム膜材により形成することとしている。つまり、第1発明では、本体膜材の一部が袋の一部を兼ねることとなる。したがって、このエアビーム構造物は、本体膜材に袋の形状が響くことがないので、本体膜材が形作る曲面が従来よりも美しくなる。また、このエアビーム構造物は、本体膜材と閉空間(これは従来の袋が持っていたフレームの機能を有する。)とが一体となっているので、その設置が容易である。
【0006】
なお、第1発明における閉空間は、どのような形状とされていても構わない。例えば、前記本体膜材及び前記ビーム膜材のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の閉空間のその断面形状が、矩形等の多角形、或いは蒲鉾形となる形状とすることができるが、特に望ましいのは矩形である。なお、この断面形状は、閉空間に気体を充填していない場合の形状を意味する。気体を閉空間に充填した後の断面形状は、一般的に、略円形に近い形状となる。
第1発明では、一つの閉空間を作る前記ビーム膜材は、1枚物であってもよいし、複数枚の膜材からできていてもよい。一つの閉空間を作る前記ビーム膜材が複数枚の膜材である場合、前記ビーム膜材は、その長手方向に沿う複数のビーム膜材片を備えているとともに、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士が気密に接続されており、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の前記閉空間の長手方向に垂直な断面形状は、前記ビーム膜材片の数に応じた多角形となっていてもよい。
この場合、ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士は、それら端部同士が閉空間の内側に向けて折り曲げられた状態で、その折り曲げられた部分の一部(例えば折り曲げられた部分の全面)で、接合されていてもよい。そのようにすると、閉空間に気体が入れられたときにその接合部分が剥がれにくくなる。
【0007】
本願の第2発明は、膜材により形成の本体膜材と、長尺の膜材により形成されたビーム膜材であり、その幅方向の両端部を前記本体膜材に取付けられることにより、前記本体膜材との間に空間を形成するものと、前記ビーム膜材と前記本体膜材とに囲まれた前記空間に前記ビーム膜材の長手方向に沿うようにして配される気密な袋であり、使用時にその内部に気体を充填させられた状態で前記本体膜材の形状を所定の形状に維持するものと、前記袋の内部に連通され、前記袋の内部に気体を充填し、又は前記袋の内部から気体を抜くことのできるバルブと、を備えてなるエアビーム構造物である。
第2発明のエアビーム構造物は、袋を備えているが、ただし、その袋は、本体膜材とビーム膜材とに囲まれ、本体膜材と一体とされている空間に配される。つまり、例えば、袋の断面形状を、空間と同じかそれよりも大きくすることにより、間接的にではあるが、このエアビーム構造物の袋は本体膜材と一体とされる。そのため、従来のエアビーム構造物と比較した場合、本体膜材が形作る曲面を美しくすることができ、またエアビーム構造物の設置が容易である。なお、第2発明における本体膜材とビーム膜材とに囲まれる空間は、袋の形状を決定する役割を持つものであり、第1発明における閉空間とは異なり、必ずしも気密である必要はない。その代わり、第2発明では、袋が気密とされる。もっとも、前記ビーム膜材の両端と前記本体膜材を気密に接続することにより、上述の空間を気密にすることもできる。なお、第2発明では、空気が入れられたときの袋の形状を、上述の空間の形状によって(より詳細には、空間を囲む本体膜材とビーム膜材とによって)外側から規制することが可能となる。したがって、第2発明では、袋の形状を、例えば単純な円筒形等の直線的な形状とすることもできる。袋の形状をこのような単純な形状とできるのは、気密にすべき接合箇所を少なくすることに繋がるので、袋の製作の容易化に繋がる。
【0008】
なお、第2発明における空間は、どのような形状とされていても構わない。例えば、その断面形状が、矩形等の多角形、或いは蒲鉾形となる形状とすることができる。
第2発明では、一つの空間を作る前記ビーム膜材は、1枚物であってもよいし、複数枚の膜材からできていてもよい。一つの空間を作る前記ビーム膜材が複数枚の膜材である場合、前記ビーム膜材は、その長手方向に沿う複数のビーム膜材片を備えているとともに、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士が接続されており、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記袋に気体を充填する前の前記空間の長手方向に垂直な断面形状は、前記ビーム膜材片の数に応じた多角形となっていてもよい。
なお、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士、及び前記ビーム膜材片のうちの両端に位置するものの外側の端部と前記本体膜材を気密に接続することにより、上述の空間を気密にすることもできる。
また、ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士は、それら端部同士が空間の内側に向けて折り曲げられた状態で、例えば折り曲げられた部分の全面で、接合されていてもよい。そのようにすると、上述の空間の中に配される袋の中に気体が入れられたときにその接合部分が剥がれにくくなる。
【0009】
以下の内容は、第1発明と、第2発明に共通する。
ビーム膜材の両端部は、閉空間又は空間の内側に向けて、或いは外側に向けて折り返した状態で、例えば折り曲げられた部分の全面で、本体膜材に固定することができる。ビーム膜材の両端部の一方を閉空間又は空間の内側に向けて、他方を外側に向けて折り返した状態で本体膜材に固定することもできる。
第1発明における閉空間に気体が充填された場合、或いは第2発明の空間に配された袋に気体が充填された場合、ビーム膜材の両端部が反対側の端部から遠ざかる方向で折り返された状態で本体膜材に固定されていると、ビーム膜材が本体膜材から剥がれやすくなる。逆に、前記ビーム膜材の両端部がともに、反対側の端部に近づく方向に向けて折り返された状態で、前記本体膜材に固定されていれば、第1発明における閉空間に気体が充填された場合、或いは第2発明の空間に配された袋に気体が充填された場合に、ビーム膜材が本体膜材から剥がれにくくなる。
なお、ビーム膜材の折り返された両端部は、その全面が本体膜材と固定することができる。ビーム膜材と、本体膜材との固定の仕方は、溶着、融着、接着など、適当な方法で行えばよい。
【0010】
第1発明、第2発明のいずれの場合でも、本体膜材の形状には特に制限はない。
また、第1発明、第2発明のいずれの場合でも、前記本体膜材は、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられているとともに、前記ビーム膜材は、前記副本体膜材に取付けられていてもよい。このようにすると、ビーム膜材を本体膜材に固定する作業が行いやすい。特に、副本体膜材が少なくとも製造時において平面状の膜材である場合には、ビーム膜材を副本体膜材に取付けてから、副本体膜材を主本体膜材に取付けるようにすると、ビーム膜材を本体膜材に固定するのが容易である。本体膜材が主本体膜材と副本体膜材とを備える場合、前記副本体膜材は帯状とされており、且つその幅方向の少なくとも一端部に所定の余剰部分を残すようにして、前記ビーム膜材は前記副本体膜材に接続されていてもよい。このようにすることで、前記副本体膜材は、前記主本体膜材に前記余剰部分で接続できるようになる。これは、エアビーム構造物の製造時に、副本体膜材を主本体膜材に取付け易くするという効果を生じ、ひいては本体膜材にビーム膜材を取付け易くするという効果を生む。
前記本体膜材が、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられており、且つ前記ビーム膜材が、前記副本体膜材に取付けられている場合、第1発明は、前記ビーム膜材片を3枚とすることにより、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の前記閉空間の断面形状を矩形とすることができる。この場合、前記副本体膜材を帯状の矩形とし、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の両端部を他のビーム膜材片に接続されているものを矩形とし、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の一端部を前記副本体膜材に接続されているものを帯状の略半円弧形状、又は帯状の多角形とすることができる。このようにすることで、第1発明のエアビーム構造物の形状を、他の部材を特に用いずとも、略半円弧形状のビーム膜材片で規定される断面略蒲鉾形のアーチ形状にできる。本願では、「略半円弧形状」という語は、完全な半円弧形状の他、半楕円形状等の形状をも含み、或いはその外周部分を曲線とせずに直線を連続することにより実質的に半円弧状の形状としたものをも含む意味で用いられる。
前記本体膜材が、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられており、且つ前記ビーム膜材が、前記副本体膜材に取付けられている場合、第2発明は、前記ビーム膜材片が3枚とされることにより、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記袋に気体を充填する前の前記空間の断面形状を矩形とすることができる。この場合、前記副本体膜材を帯状の矩形とし、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の両端部を他のビーム膜材片に接続されているものを矩形とし、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の一端部を前記副本体膜材に接続されているものを帯状の略半円弧形状、又は帯状の多角形とすることができる。このようにすることで、第2発明のエアビーム構造物の形状を、他の部材を特に用いずとも、円弧形状、又は帯状の多角形(この多角形は、略円弧状であるのが好ましい)の膜材片で規定される断面略蒲鉾形のアーチ形状にできる。なお、各膜材片は、完全に一枚の膜材により形成する必要はなく、複数の膜材を接続して実質的に一枚の膜材としたものであってもよい。
【0011】
また、第1発明、及び第2発明におけるエアビーム構造物は、前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えていてもよい。
この場合、前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所が、前記シートに対して固定されていてもよい。このようなエアビーム構造物であれば、使用後に袋或いは、閉空間から気体を抜いたエアビーム構造物をシートごと折畳んで片付けることが可能であり、便利である。また、このようなエアビーム構造物であれば、エアビーム構造物の中心となる主構造部の形状の再現性を良くすることができる。
シートを有するエアビーム構造物は、前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所に、前記シートに対する固定を着脱自在に行うことのできる固定手段が設けられているものとされていてもよい。このようなシートと固定手段を備えているエアビーム構造物であれば、上述のエアビーム構造物と同様に使用後の片付けに便利である。また、シートと主構造部を着脱自在にすることで、エアビーム構造物の取り回しを行い易くなる。なお、固定手段は、シートの所定の位置にのみ固定できるようなものとすることができる。このようになっていれば、エアビーム構造物の形状の再現性を良くすることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本実施形態によるエアビーム構造物100の使用状態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示したエアビーム構造物100の平面図、図3は、同エアビーム構造物100の側面図、図4は、同エアビーム構造物100の正面図、図5は同エアビーム構造物100の断面図である。
【0014】
このエアビーム構造物100は、必ずしもその限りではないが、全体として略蒲鉾形の形状をしている。エアビーム構造物100は、この実施形態では、その内部の空間に、人が入ることのできる程度の大きさとされている。
エアビーム構造物100は、その全体を覆う本体膜材110と、ビーム部120とを備えている。
【0015】
本体膜材110は、これには限られないが、テント用のシートを用いて作られている。本体膜材110は、その前面を形作る略半円形の前膜材111、その後面を形作る略半円形の後膜材112、これら前膜材111及び後膜材112を繋ぐ、使用時には、半円筒形となり、不使用時(或いは、製造過程で広げた状態)では矩形となる中膜材113を備えている。
中膜材113の前端部は前膜材111と前膜材111の弧の全長にわたって接続されており、中膜材113の後端部は後膜材112と後膜材112の弧の全長にわたって接続されている。中膜材113と前膜材111、中膜材113と後膜材112の接続は、必ずしも気密である必要はない。中膜材113と前膜材111、中膜材113と後膜材112の接続はどのように行ってもよいが、この実施形態では、溶着によりこれを行っている。
【0016】
前膜材111には、開口である入り口111Aが設けられている。入り口111Aは、この実施形態では矩形である。入り口111Aには、それを覆う矩形の入り口カバー111Bが配されている。入り口カバー111Bは、その上端の辺が入り口111Aの上端の辺に接続されている。入り口カバー111Bを下から捲り、入り口111Aを通ることにより、人がエアビーム構造物100に出入りする。
前膜材111には、また、透明な膜材により形成の窓111Cが設けられている。
【0017】
中膜材113の両側面には、開口である窓113Aが設けられている。この窓113Aは矩形である。窓113Aには、メッシュ状の膜113Bが貼られている。また、窓113Aには、それを覆う矩形の窓カバー113Cが配されている。窓カバー113Cの窓113Aへの取り付け方は、入り口カバー111Bの入り口111Aへの取り付け方と同様である。
中膜材113の周囲には、ループ113Dが設けられている。ループ113Dは、図1等に示したような、直線状の棒である補助棒Lを通すためのものである。ループ113Dは、所定幅の膜材の両端を、中膜材113の表面に、例えば融着によって固定することによって形成されている。ループ113Dは、中膜材113の前方、中程、後方に取付けられているものを一組として、中膜材113の弧に沿う方向に所定の間隔で5組取付けられている。補助棒Lは、一組とされたループ113Dに通される。ループ113Dに通された補助棒Lはエアビーム構造物100の形状を維持するのを補助する。
【0018】
なお、本体膜材110それ自体は気密性を必要とされていないので、後述する閉空間を作る部分以外は、ネット状、メッシュ状の膜材によって形成することも可能である。
【0019】
ビーム部120は、この実施形態では3つとされている。3つのビーム部120は、この実施形態では、中膜材113の前方、中程、後方にそれぞれ取付けられている。
ビーム部120は、この実施形態では、略半円形のアーチ型とされており、図6に示したように、その断面形状は矩形、より詳細には正方形とされている。ビーム部120は、この実施形態では、長尺で帯状の3枚の膜材である膜材片120A、120B、120Cを接続してなるビーム膜材122両端部を本体膜材110に接合して形成されている。3枚の膜材片120A、120B、120Cのうち、膜材辺120Bの形状は矩形で、残りの2枚の膜材片120A、120Cの形状は略半円弧状とされている。膜材片120Aと膜材片120Bの隣り合う辺は、ビーム部120の内側に折り曲げた状態で、折り曲げられた部分の全面を溶着、融着などにより接合してある。膜材片120Cと膜材片120Bの隣り合う辺も同様に、ビーム部120の内側に折り曲げた状態で、折り曲げられた部分の全面を溶着、融着などにより接合してある。図6では、膜材片120Aと膜材片120Bの接合部分、膜材片120Cと膜材片120Bの接合部分をともに、Xの符号で示している。また、膜材片120A及び膜材片120Cの膜材片120Bと接合されていない辺(つまり、ビーム膜材122の両端部)は、互いに近接する方向に折り曲げられており、その折り曲げられた部分の全面を本体膜材110に溶着、融着などにより接続されている。本体膜材110と、ビーム膜材122に囲まれた空間は気密であり、ここが本願発明における閉空間となっている。なお、この閉空間を気密なものとすべく、この実施形態におけるビーム部120の長手方向の両端には、閉空間の断面形状と同じ形状の膜材がその周囲を本体膜材110及びビーム膜材122に溶着、融着などにより接合された状態で配されている。
なお、上述したように、閉空間の断面は矩形(より詳細には、本体膜材110と、膜材片120A、120B、120Cのすべてが平面であると仮定し、且つ閉空間に空気が入れられていない場合の断面形状が矩形)であるが、そこに空気を入れられた場合にもその断面形状を矩形のままに保つ必要はない。この実施形態のビーム部120は、図1では、断面正方形として図示されているが、その内部に空気を入れられた場合、断面が略円形となる。ただし、図1〜図5では、図の簡単のため、ビーム部120の断面形状を矩形として示してある。
なお、ビーム部120には、その内部の閉空間に気体(この実施形態では空気である。)を出し入れするためのバルブ121が設けられている。
バルブ121は、ビーム部120の内部の閉空間への気体の出し入れを任意に行え、且つ必要に応じて気密性を保てるようなものであればどのようなものでも用いることができる。そのような公知のバルブを、この実施形態ではバルブ121として用いている。バルブ121は、図示せぬ所定のポンプなどに接続可能とされており、そのポンプなどがビーム部120の内部への空気の充填、排気を行うようにされている。バルブ121の先端は、中膜材113の側面から外部に露出させてある。もっとも、バルブ121は、閉空間に連通していればよいのだから、ビーム膜材122に設けられていても構わない。
【0020】
上述のように、この実施形態では、ビーム膜材122の両端部は、互いに近接する方向に(つまり、閉空間の内向きに相当する方向に)折り曲げられており、その状態で本体膜材110に取付けられている。これにより、ビーム膜材122は、閉空間に空気を入れられたときに、本体膜材110から剥がれにくくなる。
また、この実施形態では、ビーム膜材122を作る膜材片120A、120B、120Cの隣り合う辺同士は、閉空間の内側に曲げられた状態で接合されている。これにより、この接合部分も、膜材片120A、120B、120Cを外側に折り曲げた状態で接合したときよりも剥がれにくくなっている。
【0021】
なお、3つのビーム部120を、図7に示したように変形することも可能である。
図7に示したビーム部120は、1枚物のビーム膜材122により形成されている。このビーム部120が備える閉空間は、図7に示したとおり略蒲鉾形である。なお、ビーム部120を図7に示したようなものとした場合には、閉空間の気密性を保つためにビーム部120の長手方向の両端に設けられる上述の実施形態では矩形であった膜材は、閉空間の断面形状と同じく蒲鉾形とされる。なお、この蒲鉾形の膜材は、その周囲を本体膜材110及びビーム膜材122に溶着、融着などにより接合される。
【0022】
また、ビーム部120は、図8、図9に示したようなものとすることができる。
図8、図9に示したビーム部120は基本的に、図6、図7を用いて説明した上述のビーム部120と同様に構成されている。ただし、図8、図9に示したビーム部120はともに、図中130の符号で示された袋を有している。この袋130は、円筒形状であり、且つ気密に形成されている。袋130の形状は必ずしも円筒形状である必要はないが、図6、図7で示した閉空間に配することができるように、柱状の形状である必要はある。例えば、袋130は、その断面がビーム部120の断面形状に対応するものとされていてもよいし、そうでなくてもよい。袋130は、また、その断面が円形とされていても、多角形形状とされていてもよい。この実施形態の袋130は、必ずしもその限りではないが、閉空間で規制されない状態で空気を入れられたときの断面形状が円形であり、且つ袋130に空気が入れられたときの袋130の断面積が、閉空間の断面積よりも大きくなるようにされている。したがって、空気が入れられた袋130は、その外側面が閉空間を囲む膜材に押接されることになる。
なお、このような袋130を用いる場合には、閉空間は必ずしも気密である必要はない。この意味で、この場合の閉空間は、本願における空間に相当する。もっとも、この変形例における閉空間は、上述の場合同様に気密であってもよい。
閉空間が気密性を必要としない場合には、膜材片120A、120B、120C同士の接合、ビーム膜材122と本体膜材110の接合の気密性に、それほど注意を払う必要はない。更にいえば、その場合には、膜材片120A、120B、120Cは、メッシュ状、ネット状等の膜材でできていても構わない。
なお、袋130を用いる場合にも、袋130を用いない場合に用いられたのと同様のバルブが必要である。バルブは、上述の場合と同様のものでよく、袋130の中に空気を出し入れすることのできるようなものであればよい。バルブは、袋130の内部に連通するようにして、袋130の適当な場所に設けられる。
【0023】
次に、このエアビーム構造物100の使用方法について説明する。
エアビーム構造物100を使用するにあたっては、上述のような、エアビーム構造物100を適当な場所に配置する。
次いで、3つのバルブ121に、順に、或いは一度にポンプなどを接続し、ビーム部120の中に空気を充填する。これにより、ビーム部120が袋130を有さないときは閉空間に、ビーム部120が袋130を有する場合には袋130の中に空気が充填される。これにより、ビーム部120は一定の固さを持ち、ビームとしての機能を有することになる。ビーム部120は、図1に示されたような半弧形の形状を維持し、ビーム部120に固定された本体膜材110の形状を維持する。なお、この形状は、前膜材111及び後膜材112がなくとも、また、補助棒Lがなくとも、中膜材113と、ビーム膜材122のみ(存在する場合には、これらと袋130のみ)で維持され得る。もっとも、前膜材111、後膜材112、及び補助棒Lは、中膜材113が上述の形状を維持するに寄与する。
次いで、5本の補助棒Lを、3つで一組とされた5組のループ113Dに通す。
このようにして、エアビーム構造物100が完成する。
なお、以下の変形例の場合も同様であるが、ビーム部120に空気を入れる前に、補助棒Lをループ113Dに通してしまうことも可能である。補助棒Lをループ113Dに通してからビーム部120に空気を送るようにすれば、ビーム部120が自立し易いので、エアビーム構造物100の設置を行うに必要な時間を短縮できる。
使用後、エアビーム構造物100を分解する場合には、基本的に、上述の場合と逆の手順を実行すればよい。
【0024】
<変形例1>
変形例1によるエアビーム構造物100は、基本的に、上述の実施形態のエアビーム構造物100と同様に構成されるが、図10にその平面図が示されたシートS1とともに用いられるようにされている。シートS1は、エアビーム構造物100の下方に敷かれるものである。
シートS1は、膜材であり、必ずしもこの限りではないが、この変形例1では、本体膜材110と同じ素材により形成されている。
シートS1は、また、複数の固定部S11を備えている。この固定部S11は、エアビーム構造物100をシートS1に着脱自在に固定できるようにするためのものであり、この実施形態では、ベルクロテープによって構成されている。固定部S11のそれぞれは、必ずしもこの限りではないが円形とされている。固定部S11は、シートS1の上にエアビーム構造物100を配したときに、エアビーム構造物100が有するビーム部120の下面が当接する部分に対応する位置に設けられている。
この変形例1におけるエアビーム構造物100の3つのビーム部120の両端の下面には、ベルクロテープによって形成された図示を省略の固定部が設けられている。このビーム部120の固定部は、シートS1の固定部S11に対して着脱自在な固定を行えるものとされている。
【0025】
次に、変形例1によるエアビーム構造物100の使用方法について説明する。
このエアビーム構造物100を用いるにあたっては、まず、シートS1をエアビーム構造物100を設置すべき適当な部分に敷く。次いで、シートS1の上にエアビーム構造物100のビーム部120の両端部を固定していく。かかる固定は、上述のように、ビーム部120に設けられた固定部を、シートS1の固定部S11に対して押圧することにより行う。
次いで、3つのバルブ121に、順に、或いは一度にポンプなどを接続し、ビーム部120が袋130を備えない場合には閉空間に、ビーム部120が袋130を備える場合には袋130の中に空気を充填する。
次いで、5本の補助棒Lを、3つで一組とされた5組のループ113Dに通す。
このようにして、エアビーム構造物100が完成する。
使用後、エアビーム構造物100を分解する場合には、基本的に、上述の場合と逆の手順を実行すればよい。シートS1を最後に折畳むことになるが、その際に、ビーム部120に設けられた固定部とシートS1の固定部S11とをそのまま固定しておいてもよい。
以上の変形例1では、ビーム部120に設けられた固定部とシートS1の固定部S11との固定を着脱自在なものとしたが、これを、着脱自在でない完全な固定にすることもできる。かかる固定は、溶着、融着、接着、縫製など、適当に行えばよい。
【0026】
<変形例2>
変形例2によるエアビーム構造物100は、基本的に、上述の実施形態のエアビーム構造物100と同様に構成される。
変形例2におけるエアビーム構造物100が上述の実施形態におけるエアビーム構造物100と異なるのは、その中膜材113の構成である。
変形例2におけるエアビーム構造物100の中膜材113は、主中膜材113aと、副中膜材113bに分かれている。副中膜材113bは、エアビーム構造物100のビーム部120が取付けられる部分である。副中膜材113bは、ビーム部120よりも若干幅広とされた帯状の矩形の膜材であり、エアビーム構造物100の使用時における中膜材113の弧に沿う方向に配されるようになっている。中膜材113の副中膜材113b以外の部分が、主中膜材113aとされる。つまり、主中膜材113aは、矩形の2枚の膜材である。
変形例2におけるエアビーム構造物100を製造する場合、ビーム部120は、まず、平面状に広げられた副中膜材113bに固定される。このとき、副中膜材113bのうち、エアビーム構造物100の中心よりに配されるものには、その両端部に所定幅の余剰部分を設けた形で、ビーム膜材122の幅方向の両端部が接続される。このとき、ビーム膜材122の両端部を内側に折り込んだ状態でその折り込んだ部分の全面を副中膜材133Bに固定する。また、副中膜材113bのうち、エアビーム構造物100の前端と後端に配されるものには、その一方の端部に所定幅の余剰部分を設けた形で、ビーム膜材122の幅方向の両端部が接続される。このとき、ビーム膜材122の両端部を内側に折り込んだ状態でその折り込んだ部分の全面を副中膜材133Bに固定する。
副中膜材113bにビーム部120を固定したものを上述のようにして3つ作った後、平行に並べた3つの副中膜材113bの端部をその両側にある外側の副中膜材113bの端部と、矩形の主中膜材113aの対向する2辺の全長を介して接続するとともに、外側の副中膜材113bの外側の端部を、それと隣接する前膜材111の弧の部分又は後膜材112の弧の部分と接続する。このとき、上述の余剰部分の全面を主中膜材113aに溶着又は融着することにより、主中膜材113aに副中膜材113bを接続する。
このようにして作られた変形例2にかかるエアビーム構造物100の一部断面図を、図11に示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態によるエアビーム構造物の使用状態を示す斜視図。
【図2】図1に示したエアビーム構造物の平面図。
【図3】図1に示したエアビーム構造物の側面図。
【図4】図1に示したエアビーム構造物の正面図。
【図5】図1に示したエアビーム構造物の断面図。
【図6】図1に示したエアビーム構造物の空気を入れていない状態のビーム部の構造を示すビーム部の長手方向に垂直な断面における断面図。
【図7】図1に示したエアビーム構造物の空気を入れていない状態の変形例によるビーム部の構造を示すビーム部の長手方向に垂直な断面における断面図。
【図8】図1に示したエアビーム構造物の空気を入れていない状態の他の変形例によるビーム部の構造を示すビーム部の長手方向に垂直な断面における断面図。
【図9】図1に示したエアビーム構造物の空気を入れていない状態の他の変形例によるビーム部の構造を示すビーム部の長手方向に垂直な断面における断面図。
【図10】変形例1によるエアビーム構造物で用いられるシートの構成を示す平面図。
【図11】変形例2によるエアビーム構造物のビーム部に空気を入れていない状態の構成を示す一部断面図。
【符号の説明】
【0028】
100 エアビーム構造物
110 本体膜材
113 中膜材
120 ビーム部
121 バルブ
122 ビーム膜材
130 袋
S1 シート
S11 固定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜材により形成の本体膜材と、
長尺の膜材により形成されたビーム膜材であり、その幅方向の両端部を前記本体膜材に取付けられることにより、前記本体膜材との間に、使用時にそこに気体を充填させられた状態で前記本体膜材の形状を所定の形状に維持する、気密な閉空間を形成するものと、
前記本体膜材又は前記ビーム膜材を介して前記閉空間に連通され、前記閉空間に気体を充填し、又は前記閉空間から気体を抜くことのできるバルブと、
を備えてなるエアビーム構造物。
【請求項2】
前記ビーム膜材は、その長手方向に沿う複数のビーム膜材片を備えているとともに、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士が気密に接続されており、
前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の前記閉空間の長手方向に垂直な断面形状は、前記ビーム膜材片の数に応じた多角形となっている、
請求項1記載のエアビーム構造物。
【請求項3】
膜材により形成の本体膜材と、
長尺の膜材により形成されたビーム膜材であり、その幅方向の両端部を前記本体膜材に取付けられることにより、前記本体膜材との間に空間を形成するものと、
前記ビーム膜材と前記本体膜材とに囲まれた前記空間に前記ビーム膜材の長手方向に沿うようにして配される気密な袋であり、使用時にその内部に気体を充填させられた状態で前記本体膜材の形状を所定の形状に維持するものと、
前記袋の内部に連通され、前記袋の内部に気体を充填し、又は前記袋の内部から気体を抜くことのできるバルブと、
を備えてなるエアビーム構造物。
【請求項4】
前記ビーム膜材は、その長手方向に沿う複数のビーム膜材片を備えているとともに、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士が接続されており、
前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記袋に気体を充填する前の前記空間の長手方向に垂直な断面形状は、前記ビーム膜材片の数に応じた多角形となっている、
請求項3記載のエアビーム構造物。
【請求項5】
前記ビーム膜材の両端部はともに、反対側の端部に近づく方向に向けて折り返された状態で、前記本体膜材に固定されている、
請求項1〜4のいずれかに記載のエアビーム構造物。
【請求項6】
前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士、及び前記ビーム膜材片のうちの両端に位置するものの外側の端部と前記本体膜材が気密に接続されている、
請求項2又は4記載のエアビーム構造物。
【請求項7】
前記本体膜材は、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられているとともに、
前記ビーム膜材は、前記副本体膜材に取付けられている、
請求項1又は3記載のエアビーム構造物。
【請求項8】
前記本体膜材は、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられているとともに、
前記ビーム膜材は、前記副本体膜材に取付けられており、
且つ、前記ビーム膜材片が3枚とされることにより、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の前記閉空間の断面形状は矩形とされているとともに、前記副本体膜材は帯状の矩形とされ、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の両端部を他のビーム膜材片に接続されているものは矩形とされ、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の一端部を前記副本体膜材に接続されているものは帯状の略半円弧形状とされている、
請求項2記載のエアビーム構造物。
【請求項9】
前記本体膜材は、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられているとともに、
前記ビーム膜材は、前記副本体膜材に取付けられており、
且つ、前記ビーム膜材片が3枚とされることにより、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記袋に気体を充填する前の前記空間の断面形状は矩形とされているとともに、前記副本体膜材は帯状の矩形とされ、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の両端部を他のビーム膜材片に接続されているものは矩形とされ、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の一端部を前記副本体膜材に接続されているものは帯状の略半円弧形状とされている、
請求項4記載のエアビーム構造物。
【請求項10】
前記副本体膜材は帯状とされており、且つその幅方向の少なくとも一端部に所定の余剰部分を残すようにして、前記ビーム膜材は前記副本体膜材に接続されており、
且つ前記副本体膜材は、前記主本体膜材に前記余剰部分で接続されるようになっている、
請求項7記載のエアビーム構造物。
【請求項11】
前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えているとともに、
前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所が前記シートに対して固定されている、
請求項1又は3記載のエアビーム構造物。
【請求項12】
前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えているとともに、
前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所に前記シートに対する固定を着脱自在に行うことのできる固定手段が設けられている、
請求項1又は3記載のエアビーム構造物。
【請求項1】
膜材により形成の本体膜材と、
長尺の膜材により形成されたビーム膜材であり、その幅方向の両端部を前記本体膜材に取付けられることにより、前記本体膜材との間に、使用時にそこに気体を充填させられた状態で前記本体膜材の形状を所定の形状に維持する、気密な閉空間を形成するものと、
前記本体膜材又は前記ビーム膜材を介して前記閉空間に連通され、前記閉空間に気体を充填し、又は前記閉空間から気体を抜くことのできるバルブと、
を備えてなるエアビーム構造物。
【請求項2】
前記ビーム膜材は、その長手方向に沿う複数のビーム膜材片を備えているとともに、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士が気密に接続されており、
前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の前記閉空間の長手方向に垂直な断面形状は、前記ビーム膜材片の数に応じた多角形となっている、
請求項1記載のエアビーム構造物。
【請求項3】
膜材により形成の本体膜材と、
長尺の膜材により形成されたビーム膜材であり、その幅方向の両端部を前記本体膜材に取付けられることにより、前記本体膜材との間に空間を形成するものと、
前記ビーム膜材と前記本体膜材とに囲まれた前記空間に前記ビーム膜材の長手方向に沿うようにして配される気密な袋であり、使用時にその内部に気体を充填させられた状態で前記本体膜材の形状を所定の形状に維持するものと、
前記袋の内部に連通され、前記袋の内部に気体を充填し、又は前記袋の内部から気体を抜くことのできるバルブと、
を備えてなるエアビーム構造物。
【請求項4】
前記ビーム膜材は、その長手方向に沿う複数のビーム膜材片を備えているとともに、前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士が接続されており、
前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記袋に気体を充填する前の前記空間の長手方向に垂直な断面形状は、前記ビーム膜材片の数に応じた多角形となっている、
請求項3記載のエアビーム構造物。
【請求項5】
前記ビーム膜材の両端部はともに、反対側の端部に近づく方向に向けて折り返された状態で、前記本体膜材に固定されている、
請求項1〜4のいずれかに記載のエアビーム構造物。
【請求項6】
前記ビーム膜材片のうちの隣接するものの幅方向の端部同士、及び前記ビーム膜材片のうちの両端に位置するものの外側の端部と前記本体膜材が気密に接続されている、
請求項2又は4記載のエアビーム構造物。
【請求項7】
前記本体膜材は、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられているとともに、
前記ビーム膜材は、前記副本体膜材に取付けられている、
請求項1又は3記載のエアビーム構造物。
【請求項8】
前記本体膜材は、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられているとともに、
前記ビーム膜材は、前記副本体膜材に取付けられており、
且つ、前記ビーム膜材片が3枚とされることにより、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記閉空間に気体を充填する前の前記閉空間の断面形状は矩形とされているとともに、前記副本体膜材は帯状の矩形とされ、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の両端部を他のビーム膜材片に接続されているものは矩形とされ、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の一端部を前記副本体膜材に接続されているものは帯状の略半円弧形状とされている、
請求項2記載のエアビーム構造物。
【請求項9】
前記本体膜材は、前記ビーム膜材に沿う副本体膜材と、それ以外の部分であり本体膜材の大半を占める主本体膜材とに分けられているとともに、
前記ビーム膜材は、前記副本体膜材に取付けられており、
且つ、前記ビーム膜材片が3枚とされることにより、前記本体膜材及び前記ビーム膜材片のそれぞれが平らであると仮定した場合における前記袋に気体を充填する前の前記空間の断面形状は矩形とされているとともに、前記副本体膜材は帯状の矩形とされ、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の両端部を他のビーム膜材片に接続されているものは矩形とされ、前記ビーム膜材片のうちその幅方向の一端部を前記副本体膜材に接続されているものは帯状の略半円弧形状とされている、
請求項4記載のエアビーム構造物。
【請求項10】
前記副本体膜材は帯状とされており、且つその幅方向の少なくとも一端部に所定の余剰部分を残すようにして、前記ビーム膜材は前記副本体膜材に接続されており、
且つ前記副本体膜材は、前記主本体膜材に前記余剰部分で接続されるようになっている、
請求項7記載のエアビーム構造物。
【請求項11】
前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えているとともに、
前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所が前記シートに対して固定されている、
請求項1又は3記載のエアビーム構造物。
【請求項12】
前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えているとともに、
前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所に前記シートに対する固定を着脱自在に行うことのできる固定手段が設けられている、
請求項1又は3記載のエアビーム構造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−184754(P2008−184754A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17139(P2007−17139)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
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