説明

エアブローのブロワ化設計プログラム、および当該エアブローのブロワ化設計装置

【課題】配管やノズルなどの細部やブロワの能力を対象物に対する必要な衝突力を満たすように最適な仕様に設計することができるエアブローのブロワ化設計プログラム、および当該エアブローのブロワ化設計装置を提供することを目的とする。
【解決手段】当該ブロワ化設計プログラムおよび当該ブロワ化設計装置は、改善前エアブロー条件を用いて対象物に対する衝突力を算出し、ブロワの最低エア圧に基づいて決定されたブロワの吹出しエア圧を改善後エアブロー条件として用いて当該衝突力と同一衝突力となるブロワ風量を算出し、エアブローの狙いに応じたノズル型式についての当該衝突力と同一衝突力となる最適口径などを算出することにより、必要な衝突力を満たしたエアブローの仕様およびノズルなどの細部仕様の最適設計をコンピュータを用いて実施することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に噴流を当てるエアブローをブロワによって設計するプログラムおよび設計装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーの必要性にともない、工場等のエアブローをブロワによって実現するブロワ化が求められている。なお、このエアブローは、空気を配管に通して大気中に放出するときの流速を利用して対象物(ワーク)を清掃、洗浄、冷却、加熱、乾燥などするものである。
【0003】
出願人が非特許文献1において公開しているエアブローのブロワ化技術およびその設計マニュアルは、エアブローのエア元圧を改善することによりエアブローのブロワ化を狙ったものであり、その他のエアブロー条件の改善をするものではない。このため、得られる設計仕様は、安全なものではあるが、細部を考慮したものではなくおおよその仕様であった。
【非特許文献1】市橋、「エアブローのブロワ化 −デンソーがたどった道」、月刊省エネルギー、財団法人 省エネルギーセンター、2006年4月、Vol.58/No.5、p.19−62
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記非特許文献1に記載のブロワ化技術およびその設計マニュアルは、その他のエアブロー条件である配管の各部位における圧力損失、吹出しエア圧、対象物位置での風速や衝突力、などを必要な衝突力を満たすように改善するものではない。
【0005】
したがって、ブロワ化に際しての具体的な問題点を抽出するものではないので、配管やノズルなどの細部の最適設計や、必要な能力を有した省エネルギー設計を実施することができない。一方で、その他のエアブロー条件を実際に計測することは非常に困難であり、実験を踏まえた設計手法に頼らざるを得ない。しかし、実験を踏まえた設計作業を実行することは、膨大な手間と費用を要するものであった。
【0006】
そこで、本発明は、配管やノズルなどの細部やブロワの能力を対象物に対して必要な衝突力を満たすように最適な仕様に設計することができるエアブローのブロワ化設計プログラム、および当該エアブローのブロワ化設計装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、以下に記載の技術的手段を採用する。すなわち、第1の発明は、エアブローのブロワ化設計プログラムに係る発明であって、エアブローをブロワによって実施する設計のためにコンピュータを、
エアを吹きつける対象物に対応するエアブローの狙い(5)および現状の改善前エアブロー条件(6)を入力する第1入力手段、
第1入力手段で入力されたエアブローの狙い(5)および改善前エアブロー条件(6)を用いて対象物に対するエアの衝突力(15)を算出する衝突力算出手段(100)、
第1入力手段で入力された改善前エアブロー条件(6)を用いてブロワの最低エア圧(16)を算出する低圧化限界値算出手段(111)、
低圧化限界値算出手段(111)で算出された最低エア圧(16)に基づいて決定するブロワの吹出しエア圧を改善後エアブロー条件(7)として入力するとともに、第1入力手段で入力されたエアブローの狙い(5)に基づいてノズル型式を入力する第2入力手段、
第2入力手段で入力された改善後エアブロー条件(7)を用いて衝突力算出手段(100)で算出された衝突力(15)と同一衝突力となるブロワの風量を算出する風量算出手段(112)、
算出されたブロワの風量を用いて第2入力手段で入力されたノズル型式についての最適口径(17)を算出する最適ノズル口径算出手段(113)、
最適ノズル口径算出手段(113)で算出された最適口径(17)を確定エアブローノズル条件(8)として入力する第3入力手段、
第3入力手段で入力された確定エアブローノズル条件(8)を用いて第2入力手段で入力されたノズル型式についての全体風量、ノズル圧力損失、およびノズル必要圧(18)を算出するノズル設計手段(120)、
ノズル設計手段(120)で算出された全体風量およびノズル必要圧に基づいてエアを搬送する配管の条件を入力する第4入力手段、
第4入力手段で入力された配管の条件を用いて配管の各部位における圧力損失および管内風速を算出する配管圧損計算手段(14)、
あらかじめ記憶され管内風速と配管圧損の適正な関係が示されている配管特性図と配管圧損計算手段(14)で算出された圧力損失および管内風速とを比較して配管の各部位で採用する配管の条件を決定する配管決定手段(24)、および
改善後エアブロー条件(7)や配管決定手段(24)で決定された配管についての圧力損失やノズル設計手段(120)で算出された全体風量やノズル圧力損失を用いてブロワの風量および吐出圧といった必要となるブロワ能力を算出するブロワ能力算出手段(12)、
として機能させることを特徴としている。
【0008】
第1の発明によれば、改善前エアブロー条件を用いて対象物に対する衝突力を算出し、ブロワの最低エア圧に基づいて決定されたブロワの吹出しエア圧を改善後エアブロー条件として用いて当該衝突力と同一衝突力となるブロワ風量を算出し、エアブローの狙いに応じたノズル型式についての当該衝突力と同一衝突力となる最適口径などを算出することにより、必要な衝突力を満たしたエアブローの仕様およびノズルなどの細部仕様の最適設計をコンピュータを用いて実施することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、コンピュータを、配管決定手段(24)で決定された配管の条件について配管圧損計算手段(14)で算出された結果を表示する表示手段(3)として機能させ、この表示手段(3)は、配管の各部位における圧力損失とこれらの合計値を表示することが好ましい。
【0010】
第2の発明によれば、プログラムを使用する者は各部位における圧力損失とこれらの合計値の両方を確認できるので、全体の圧力損失に対する配管局部の影響を把握することができ、細部の設計仕様を改善することが容易となる。これにより、細部の問題点を解消する最適設計を提供することができる。
【0011】
第3の発明は、上記発明のいずれかにおいて、ブロワ能力算出手段(12)は周波数50Hz、55Hzのそれぞれにおける必要となるブロワ能力を算出することが好ましい。第3の発明によれば、算出されたブロワ能力を満たすブロワを選定するときに、インバータの調整幅を見込んだブロワの選定が可能になり、実際の使用条件により適合した設計仕様を提供することができる。
【0012】
第4の発明は、上記発明のいずれかにおいて、コンピュータを、改善後エアブロー条件(7)、配管決定手段(24)で決定された配管についての圧力損失、およびノズル設計手段(120)で算出されたノズル圧力損失を用いて、ブロアの吐出圧に対するノズルからの吹出しエア圧の比率を算出する手段(13)として機能させ、このように算出された比率が所定値以上である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断することが好ましい。
【0013】
第4の発明によれば、配管やノズルにおける損失を抑えた良好な吹出しエア圧を有する最適設計を提供することができる。
【0014】
第5の発明は、上記発明のいずれかにおいて、コンピュータを、改善前エアブロー条件(6)を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力と、改善後エアブロー条件(7)を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力とを算出し、両者を比較して改善後の省電効果を算出する手段(11)として機能させ、
このように算出された改善後の省電効果が所定値以上である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断することが好ましい。
【0015】
第5の発明によれば、改善前後の省電効果を基準とした最適設計を提供することができる。
【0016】
第6の発明は、エアブローをブロワによって実施可能に設計するエアブローのブロワ化設計装置であって、
エアを吹きつける対象物に対応するエアブローの狙い(5)および現状の改善前エアブロー条件(6)を入力する第1入力手段と、
第1入力手段で入力されたエアブローの狙い(5)および改善前エアブロー条件(6)を用いて対象物に対するエアの衝突力(15)を算出する衝突力算出手段(100)と、
第1入力手段で入力された改善前エアブロー条件(6)を用いてブロワの最低エア圧(16)を算出する低圧化限界値算出手段(111)と、
低圧化限界値算出手段(111)で算出された最低エア圧(16)に基づいて決定するブロワの吹出しエア圧を改善後エアブロー条件(7)として入力するとともに、第1入力手段で入力されたエアブローの狙い(5)に基づいてノズル型式を入力する第2入力手段と、
第2入力手段で入力された改善後エアブロー条件(7)を用いて衝突力算出手段(100)で算出された衝突力(15)と同一衝突力となるブロワの風量を算出する風量算出手段(112)と、
算出されたブロワの風量を用いて第2入力手段で入力されたノズル型式についての最適口径(17)を算出する最適ノズル口径算出手段(113)と、
最適ノズル口径算出手段(113)で算出された最適口径(17)を確定エアブローノズル条件(8)として入力する第3入力手段と、
第3入力手段で入力された確定エアブローノズル条件(8)を用いて第2入力手段で入力されたノズル型式についての全体風量、ノズル圧力損失、およびノズル必要圧(18)を算出するノズル設計手段(120)と、
ノズル設計手段(120)で算出された全体風量およびノズル必要圧に基づいてエアを搬送する配管の条件を入力する第4入力手段と、
第4入力手段で入力された配管の条件を用いて配管の各部位における圧力損失および管内風速を算出する配管圧損計算手段(14)と、
あらかじめ記憶され管内風速と配管圧損の適正な関係が示されている配管特性図と配管圧損計算手段(14)で算出された圧力損失および管内風速とを比較して配管の各部位で採用する配管の条件を決定する配管決定手段(24)と、
改善後エアブロー条件(7)や配管決定手段(24)で決定された配管についての圧力損失やノズル設計手段(120)で算出された全体風量やノズル圧力損失を用いてブロワの風量および吐出圧といった必要となるブロワ能力を算出するブロワ能力算出手段(12)と、からなるエアブローのブロワ化設計装置である。
【0017】
この発明によれば、上記第1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0018】
さらに第6の発明において、配管決定手段(24)で決定された配管の条件について配管圧損計算手段(14)で算出された結果を表示する表示手段(3)を備え、この表示手段(3)は、配管の各部位における圧力損失およびこれらの合計値を表示することが好ましい。この発明によれば、上記第2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0019】
さらに第6の発明以下の上記すべての発明において、ブロワ能力算出手段(12)は、周波数50Hz、55Hzのそれぞれにおける必要となるブロワ能力を算出することが好ましい。この発明によれば、上記第3の発明と同様の作用効果が得られる。
【0020】
さらに第6の発明以下の上記すべての発明において、改善後エアブロー条件(7)、配管決定手段(24)で決定された配管についての圧力損失、およびノズル設計手段(120)で算出されたノズル圧力損失を用いて、ブロアの吐出圧に対するノズルからの吹出しエア圧の比率を算出する手段(13)を備え、このように算出された比率が所定値以上である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断することが好ましい。この発明によれば、上記第4の発明と同様の作用効果が得られる。
【0021】
さらに第6の発明以下の上記すべての発明において、改善前エアブロー条件(6)を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力と、改善後エアブロー条件(7)を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力とを算出し、両者を比較して改善後の省電効果を算出する手段(11)を備え、算出された改善後の省電効果が所定値以上である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断することが好ましい。この発明によれば、上記第5の発明と同様の作用効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
本発明のエアブローのブロワ化設計プログラム、および当該エアブローのブロワ化設計装置の一実施例を図1から図6を参照しながら説明する。当該プログラムおよび当該設計装置によって設計されるエアブローは、工場のエアブローシステムに適用することができる。なお、このエアブローシステムは、油・水滴・切粉などの除去、冷却、加熱、乾燥、エア洗浄、清掃、材料の移送、エアカーテン、エアシャワー、金型離型剤のならしブローなどに用いることができる。
【0023】
図1は、本実施形態のプログラムおよび設計装置を機能実現手段で表したブロック図である。図2は、当該プログラムおよび当該設計装置の流れを表したフローチャートである。図3は、処理手段2であるエアブロー条件算出手段10、入力データ、および出力データの関係を示した図である。図4は、配管圧損計算手段14、入力画面、および出力画面の関係を示した図である。図5は、コンピュータを用いた当該プログラムおよび当該設計装置における入力画面と出力画面を示した図である。図6は、当該プログラムおよび当該設計装置によって設計されるエアブローシステムのモデル図、および各部位におけるエア圧を示した概念図である。
【0024】
まず、当該プログラムおよび当該設計装置を実現するために必要な機能について説明する。図1に示すように、当該プログラムおよび当該設計装置は、入力手段1、処理手段2、および表示手段3からなる機能実現手段で構成されている。入力手段1は、入力データを初期化するリセット手段4と、エアブローの狙いやノズル型式を入力する表示データ選択部5と、改善前エアブロー条件を入力する改善前エアブロー条件入力部6と、改善後エアブロー条件を入力する改善後エアブロー条件入力部7と、確定エアブローノズル条件を入力する確定エアブローノズル条件入力部8と、配管の条件を入力する配管仕様入力部9とから構成されている。なお、リセット手段4は、入力画面上のアイコンなどのリセットボタンで構成されている。
【0025】
処理手段2は、エアブロー条件算出手段10、改善前後の効果計算手段11、ブロワ能力算出手段12、エア圧・圧損の比率計算手段13、配管圧損計算手段14、および配管決定手段24から構成されている。
【0026】
表示手段3は、入力手段1の表示データ選択部5によって選択されたエアブローの狙いやノズル型式について、処理手段2により処理された算出結果を出力画面に表示する次の各出力項目からなる。この出力項目は、衝突力の出力項目15、低圧化の限界値の出力項目16、パイプなどの内径寸法の出力項目17、全体風量などの各種出力項目18、各部位の圧損などの出力項目19、改善効果判断の出力項目20、風量などのブロワ能力の出力項目21、ノズルからの吹出しエア圧とブロアの吐出圧に対するその比率などの出力項目22、配管各部位の圧損など出力項目23などである。
【0027】
入力手段1の各入力部や表示データ選択部5で入力されたデータは、エアブロー条件算出手段10を構成する各プログラムの演算に用いられ、上記各出力項目が出力画面に表示される。エアブロー条件算出手段10は、衝突力算出プログラム100、同衝突力となるエアブロー条件算出プログラム110、およびノズル設計プログラム120を備え、さらにこれらのプログラムをエアブローの狙い毎に備えている。ここでエアブローの狙いとは、エアを吹きつける対象物(ワーク)に対してどのような形態のエアを提供するかということであり、例えば、切り粉などを吹き飛ばすようなエア吹きつけ面積が非常に小さい場合をピンポイント用とし、ピンポイント用よりも幅広の対象に吹きつける場合を一般用としている。
【0028】
ブロワ能力算出手段12は、改善後エアブロー条件入力部7で入力されたデータや、配管決定手段24で決定された配管の圧力損失や風速などの出力項目23を用いて、ブロワの風量および吐出エア圧を演算し、ブロワ能力の出力項目21が出力画面に出力される。
【0029】
エア圧・圧損の比率計算手段13は、改善後エアブロー条件入力部7で入力された改善後エアブロー条件、配管決定手段24で決定された配管についての圧力損失、およびノズル設計プログラム120で算出されたノズル圧力損失を用いて、ブロアの吐出圧に対するノズルからの吹出しエア圧の比率を算出し、ノズルからの吹出しエア圧とブロアの吐出圧に対するその比率などの出力項目22が出力画面に出力される。
【0030】
また、エア圧・圧損の比率計算手段13は、ノズルからの吹出しエア圧とブロアの吐出圧に対するその比率の他、ノズルの圧力損失とそのロス比率、配管圧損とそのロス比率、これら各項目の合計値などを算出し、出力項目22として出力画面に出力する。
【0031】
改善前後の効果計算手段11は、ブロワ能力算出手段12において、改善前エアブロー条件を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力と、改善後エアブロー条件を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力とを比較して改善後の省電効果を算出し、この省電効果に基づいた改善効果判断項目20が出力画面に出力される。
【0032】
次に、本実施形態の当該プログラムおよび当該設計装置での処理の流れについて説明する。なお、当該プログラムおよび当該設計装置によって設計されるエアブローシステムのモデルは、エア発生源であるブロワ30、ブロワ30の吐出し部から伸長する配管40、および対象物50に向けてエアを噴き出すノズル44から構成されている。配管40はブロワ30の吐出し部から伸長するメイン配管41と、メイン配管41から分岐する枝管42と、枝管42とノズル44を接続する枝管43とから構成されている。
【0033】
図2に示すフローチャートのプログラムがコンピュータに読み込まれてスタートすると、まず、入力データを初期化する処理を行う(ステップS10)。これはコンピュータの画面でリセット手段4である「リセットボタン」をクリックすることにより、入力画面のすべての項目が削除されるものである。
【0034】
次に、ステップS15で第1入力手段としての「エアブローの狙い」および「改善前エアブロー条件」の入力を行う。コンピュータの入力画面で表示データ選択部5を操作して、ピンポイント用または一般用を選択することにより「エアブローの狙い」を設定する。以降の各処理の演算では、設定された「エアブローの狙い」に応じた近似式が読み込まれて演算されることになる。
【0035】
さらに、コンピュータの入力画面の改善前エアブロー条件入力部6を操作して「改善前エアブロー条件」を入力する。「改善前エアブロー条件」は、吹出しエア圧、全体風量、ノズル数、ノズルから対象物までの距離、といった各入力項目からなる。
【0036】
次に、入力された「エアブローの狙い」および「改善前エアブロー条件」を用いて、ステップS20で衝突力算出手段である衝突力算出プログラム100により演算が行われ、対象物に対するエアの衝突力が算出され、低圧化限界値算出手段である低圧化限界値算出プログラム111により演算が行われ、ブロワの最低エア圧が算出される。対象物に対するエアの衝突力は対象物に対するエアの風速として算出してもよい。ブロワの最低エア圧は、対象物に対して必要な噴流を提供するための最低限度のブロワのエア圧であり、エアブローをブロワで実現するため(ブロワ化するため)の指標となる。
【0037】
さらに、ステップS20で算出された結果は、出力画面に出力項目15および16として表示される(ステップS25)。このとき、出力項目15として表示された衝突力の数値を確認しながら入力画面で「改善前エアブロー条件」を修正する入力をすることにより、衝突力算出プログラム100で演算を行わせて衝突力の数値を再算出することができる。また、出力項目16として表示された低圧化の限界値を確認することにより、具体的な実験をすることなく、エアブローをブロワ化できるか否かを知ることができる。表示された低圧化の限界値がエアブローのブロワ化として問題のないものであればこれをブロワの最低エア圧として採用する。また、出力項目16は、「OK」、「困難」、「不可」などのようにブロワ化の困難さを段階的に表示するものであってもよい。
【0038】
次に、ステップS30で第2入力手段としての「改善後エアブロー条件」および「ノズル型式」の入力を行う。コンピュータの入力画面の改善後エアブロー条件入力部7を操作して「改善後エアブロー条件」を入力する。「改善後エアブロー条件」は、吹出しエア圧、ノズル数、ノズルから対象物までの距離、といった各入力項目からなる。「改善後エアブロー条件」の吹出しエア圧は、ステップS20で低圧化限界値算出プログラム111により算出され採用されたブロワの最低エア圧に基づいて決定される。
【0039】
さらに、コンピュータの入力画面で表示データ選択部5を操作し、第1入力手段で入力された「エアブローの狙い」に基づいて、先端つぶしノズル、パイプノズル、またはきり穴ノズルを選択することにより「ノズル型式」を設定する。以降の各処理の演算では、設定された「ノズル型式」に応じた近似式が読み込まれて演算されることになる。
【0040】
次に、入力された「ノズル型式」および「改善後エアブロー条件」を用いて、風量算出手段である風量算出プログラム112により演算が行われ、衝突力算出プログラム100で算出された衝突力と同一衝突力となるブロワの風量が算出され、このブロワの風量を用いて、最適ノズル口径算出手段である最適ノズル口径算出プログラム113により演算が行われ、第2入力手段で入力されたノズル型式についての最適口径が算出される(ステップS35)。つまり、算出される最適口径は、第2入力手段で入力された先端つぶしノズル、パイプノズル、またはきり穴ノズルのいずれかについての算出値である。なお、この風量算出プログラム112が有する計算式は、風量と衝突力の各データが直線近似する式で構成され、実験データを分析して求めた近似式である。
【0041】
さらに、ステップS35で算出された結果は、出力画面に出力項目17として表示される(ステップS40)。このようにして、具体的な実験をすることなく、同一の衝突力が得られるノズル等の最適口径を確認することができる。
【0042】
次に、ステップS45で第3入力手段としての「確定エアブロー条件」の入力を行う。コンピュータの入力画面の確定エアブロー条件入力部8を操作して「確定エアブロー条件」を入力する。「確定エアブロー条件」は、最適ノズル口径算出プログラム113で算出された最適口径に基づいて決定されたノズル等の口径、ノズル長さ、曲り数、といった各入力項目からなる。
【0043】
このように入力された「確定エアブロー条件」を用いて、ノズル設計手段であるノズル設計プログラム120により演算が行われ、第2入力手段で入力されたノズル型式についての全体風量、ノズル圧損、ノズル必要圧、などが算出される(ステップS50)。つまり、算出結果は、指定されたノズル形式、換言すれば、第2入力手段で入力された先端つぶしノズル、パイプノズル、またはきり穴ノズルのいずれかについての算出値である。
【0044】
さらに、ステップS50で算出された結果は、出力画面に出力項目18として表示される(ステップS55)。このようにして、具体的な実験をすることなく、確定したエアノズルでのエアブロー条件を確認することができる。
【0045】
次に、ステップS60で第4入力手段としての「配管条件」の入力を行う。これは、ステップS65の配管圧損計算手段の演算を行うに際し、ステップS50で算出されたノズル必要圧、全体風量のそれぞれが、図4に示す入力画面のエア圧、メイン配管の風量として入力されるとともに、入力されたエア圧、メイン配管の風量に基づいた配管40の各部位の配管条件が配管仕様入力部9の操作により入力されるものである。「配管条件」は、メイン配管41、枝管42、枝管43のそれぞれについて風量、管長さ、曲り数、管径、といった各入力項目からなる。なお、管径については、複数の管径を入力することができる。なお、この複数の管径の入力は、あらかじめプログラムに記憶され、画面に表示された各種管径テーブルを使用して入力するものとする。
【0046】
このように入力された「配管条件」を用いて、配管圧損計算手段である配管圧損計算プログラム14により演算が行われ、配管の各部位、つまりメイン配管41、枝管42、枝管43のそれぞれにおける圧力損失、管内風速が算出される(ステップS65)。
【0047】
さらに、ステップS65で算出された結果は、図4に示す右端の出力画面のように、配管の各部位において入力された複数の管径、例えば、管径1、管径2、管径3、・・・について表示される(ステップS70)。このようにして、具体的な実験をすることなく、管径毎の圧力損失の違いを確認することができる。
【0048】
ステップS65において配管圧損計算プログラム14により算出された各管径についての圧力損失および管内風速は、配管決定手段24により、あらかじめ記憶された管内風速と配管圧損の適正な関係が示されている配管特性図と比較されて、配管の各部位で採用する配管の条件が決定される(ステップS75)。この配管特性図は、例えば、横軸を管内風速、縦軸を圧力損失とし、管径毎の直管1m当たりの管内風速に対する圧力損失を示した曲線で表される。つまり、配管決定手段24により、各配管部位においてこの曲線に適合すると判断される管径(配管の条件)が決定される。なお、この決定は、コスト、設置スペースなどといったエアブロー設備のその他の条件を考慮しなければならない場合には、プログラム使用者が配管決定手段24に代わって行うことができる。
【0049】
また、図4に示すように、配管決定手段24で決定された配管については、選択配管の欄に「○」が入力され、配管の各部位(メイン配管41、枝管42、枝管43)における圧力損失および管内風速の合計値がそれぞれ算出されて表示される。このように、プログラム使用者は、具体的な実験をすることなく、「○」が入力された配管の各部位における圧力損失および管内風速の合計値を確認することができ、システムの細部における最適設計の程度を認識することができる。
【0050】
次に、ステップS80において、ブロワ能力算出手段12により、「改善後エアブロー条件」、配管決定手段24で決定された配管についての圧力損失、およびノズル設計プログラム120で算出された全体風量やノズル圧力損失、を用いてブロワの風量および吐出圧といった必要となるブロワ能力が算出される。この処理により、プログラム使用者は、所望の衝突力を満たすために、エアブローシステムを構成するブロワ30にはこの算出されたブロワ能力を満たすものを選ぶ必要があることがわかる。
【0051】
また、ステップS80においては、ブロワ能力算出手段12により、周波数50Hz、55Hzのそれぞれにおける必要となるブロワ能力を算出することが好ましい。この処理により、算出されたブロワ能力を満たすブロワを選定するときに、インバータの調整幅を見込んだブロワの選定が可能になる。
【0052】
次に、ステップS85において、エア圧・圧損の比率計算手段13により、「改善後エアブロー条件」、配管決定手段24で決定された配管についての圧力損失、およびノズル設計プログラム120で算出されたノズル圧力損失、を用いてブロアの吐出圧に対するノズルからの吹出しエア圧の比率と、ノズル圧力損失のロス比率、配管圧損のロス比率が算出される。
【0053】
さらに、ステップS80およびステップS85で算出された結果は、図1に示す右端の出力項目22のように表示される(ステップS90)。
【0054】
次に、ステップS95において、ここまで実行してきた設計仕様が適正であるか否かを判断する処理を行う。この処理は、改善前後の効果計算手段11によって、改善前エアブロー条件を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力と、改善後エアブロー条件を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力とを算出するとともに、両者を比較して改善後の省電効果を算出し、その効果が基準値以上である場合には、設計を終了するものである。なお、その効果が基準値に満たない場合には、改善する必要があるとしてステップS30の処理に飛び、最適化設計を継続する。
【0055】
また、ステップS95における他の処理としては、ステップS85において算出されたブロアの吐出圧に対する吹出しエア圧の比率が所定値以上(例えば80%以上)である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断して設計を終了するものである。なお、当該比率が所定値に満たない場合には、改善する必要があるとしてステップS30の処理に飛び、最適化設計を継続する。
【0056】
このような処理によって設計終了を判断することにより、当該プログラムおよび当該設計装置の最適化設計の指標を、省電効果やエア圧の有効割合の観点から精査することができ、さらなる最適化設計を提供することができる。
【0057】
なお、当該プログラムおよび当該設計装置によるコンピュータ画面の表示をまとめると図5に示すとおりである。
【0058】
以上のように本実施形態のプログラムおよび設計装置によれば、図6に示すような配管各部位におけるエア圧の分布を確認することにより、エアブローシステムのどの部位に圧力損失が大きいなどの問題点があるのか、または改善の余地があるのかがわかり、その点を改善する最適設計を行うことができる。
【0059】
また、当該プログラムおよび当該設計装置によれば、任意の衝突力にするための最適なノズル口径を知ることができる。
【0060】
また、当該プログラムおよび当該設計装置によれば、ブロワのエア元圧を固定とした場合でも、ノズル、または配管の各部位を見直す設計を行うことにより、対象物に対する衝突力を変えることなく、圧力損失を低減させて吹出しエア圧を増加させることができる。
【0061】
また、当該プログラムおよび当該設計装置によれば、エアブローの狙いに対応した個別の演算処理、または複数のノズル型式に対応した個別の演算処理を備えているので、将来のプログラムの精度向上にも幅広く対応することができる。
【0062】
また、当該プログラムおよび当該設計装置によれば、将来使用されるノズル型式の設計に対して、そのノズル型式に対応した個別の演算プログラムを本プログラムに追加するだけで将来のプログラムの精度向上に対応することができる。
【0063】
また、当該プログラムおよび当該設計装置は、改善前エアブロー条件を用いて対象物に対する衝突力を算出し、ブロワの最低エア圧に基づいて決定されたブロワの吹出しエア圧を改善後エアブロー条件として用いて当該衝突力と同一衝突力となるブロワ風量を算出し、エアブローの狙いに応じたノズル型式についての当該衝突力と同一衝突力となる最適口径などを算出するので、必要な衝突力を満たしたエアブローの仕様およびノズルなどの細部仕様の最適設計を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一例である第1実施形態のプログラムおよび設計装置を機能実現手段で表したブロック図である。
【図2】当該プログラムおよび当該設計装置の流れを表したフローチャートである。
【図3】当該プログラムおよび当該設計装置における処理手段2であるエアブロー条件算出手段10、入力データ、および出力データの関係を示した図である。
【図4】当該プログラムおよび当該設計装置における配管圧損計算手段14、入力画面、および出力画面の関係を示した図である。
【図5】コンピュータを用いた当該プログラムおよび当該設計装置における入力画面と出力画面を示した図である。
【図6】当該プログラムおよび当該設計装置によって設計されるエアブローシステムのモデル図、および各部位におけるエア圧を示した概念図である。
【符号の説明】
【0065】
1 入力手段
2 処理手段
3 表示手段
12 ブロワ能力算出手段
14 配管圧損計算手段
24 配管決定手段
100 衝突力算出プログラム(衝突力算出手段)
111 低圧化限界値算出プログラム(低圧化限界値算出手段)
112 風量算出プログラム(風量算出手段)
113 最適ノズル口径等算出プログラム(最適ノズル口径算出手段)
120 ノズル設計プログラム(ノズル設計手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアブローをブロワによって実施する設計のためにコンピュータを、
エアを吹きつける対象物に対応するエアブローの狙い(5)および現状の改善前エアブロー条件(6)を入力する第1入力手段、
前記第1入力手段で入力されたエアブローの狙い(5)および改善前エアブロー条件(6)を用いて前記対象物に対するエアの衝突力(15)を算出する衝突力算出手段(100)、
前記第1入力手段で入力された改善前エアブロー条件(6)を用いてブロワの最低エア圧(16)を算出する低圧化限界値算出手段(111)、
前記低圧化限界値算出手段(111)で算出された最低エア圧(16)に基づいて決定するブロワの吹出しエア圧を改善後エアブロー条件(7)として入力するとともに、前記第1入力手段で入力されたエアブローの狙い(5)に基づいてノズル型式を入力する第2入力手段、
前記第2入力手段で入力された前記改善後エアブロー条件(7)を用いて前記衝突力算出手段(100)で算出された衝突力(15)と同一衝突力となるブロワの風量を算出する風量算出手段(112)、
前記算出されたブロワの風量を用いて前記第2入力手段で入力されたノズル型式についての最適口径(17)を算出する最適ノズル口径算出手段(113)、
前記最適ノズル口径算出手段(113)で算出された最適口径(17)を確定エアブローノズル条件(8)として入力する第3入力手段、
前記第3入力手段で入力された前記確定エアブローノズル条件(8)を用いて前記第2入力手段で入力された前記ノズル型式についての全体風量、ノズル圧力損失、およびノズル必要圧(18)を算出するノズル設計手段(120)、
前記ノズル設計手段(120)で算出された全体風量およびノズル必要圧に基づいてエアを搬送する配管の条件を入力する第4入力手段、
前記第4入力手段で入力された前記配管の条件を用いて配管の各部位における圧力損失および管内風速を算出する配管圧損計算手段(14)、
あらかじめ記憶され管内風速と配管圧損の適正な関係が示されている配管特性図と前記配管圧損計算手段(14)で算出された圧力損失および管内風速とを比較して前記配管の各部位で採用する配管の条件を決定する配管決定手段(24)、および
前記改善後エアブロー条件(7)や前記配管決定手段(24)で決定された配管についての圧力損失や前記ノズル設計手段(120)で算出された全体風量やノズル圧力損失を用いてブロワの風量および吐出圧といった必要となるブロワ能力を算出するブロワ能力算出手段(12)、
として機能させるためのエアブローのブロワ化設計プログラム。
【請求項2】
コンピュータを、前記配管決定手段(24)で決定された配管の条件について前記配管圧損計算手段(14)で算出された結果を表示する表示手段(3)として機能させ、
前記表示手段(3)は、配管の各部位における圧力損失およびこれらの合計値を表示することを特徴とする請求項1に記載のエアブローのブロワ化設計プログラム。
【請求項3】
さらに前記ブロワ能力算出手段(12)は、周波数50Hz、55Hzのそれぞれにおける必要となるブロワ能力を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のエアブローのブロワ化設計プログラム。
【請求項4】
コンピュータを、前記改善後エアブロー条件(7)、前記配管決定手段(24)で決定された配管についての圧力損失、および前記ノズル設計手段(120)で算出されたノズル圧力損失を用いて、ブロアの吐出圧に対するノズルからの吹出しエア圧の比率を算出する手段(13)として機能させ、
前記算出されたブロアの吐出圧に対する吹出しエア圧の比率が所定値以上である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断することを特徴とする請求項1、2、または3に記載のエアブローのブロワ化設計プログラム。
【請求項5】
コンピュータを、前記改善前エアブロー条件(6)を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力と、前記改善後エアブロー条件(7)を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力とを算出し、両者を比較して改善後の省電効果を算出する手段(11)として機能させ、
前記算出された改善後の省電効果が所定値以上である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエアブローのブロワ化設計プログラム。
【請求項6】
エアブローをブロワによって実施可能に設計するエアブローのブロワ化設計装置であって、
エアを吹きつける対象物に対応するエアブローの狙い(5)および現状の改善前エアブロー条件(6)を入力する第1入力手段と、
前記第1入力手段で入力されたエアブローの狙い(5)および改善前エアブロー条件(6)を用いて前記対象物に対するエアの衝突力(15)を算出する衝突力算出手段(100)と、
前記第1入力手段で入力された改善前エアブロー条件(6)を用いてブロワの最低エア圧(16)を算出する低圧化限界値算出手段(111)と、
前記低圧化限界値算出手段(111)で算出された最低エア圧(16)に基づいて決定するブロワの吹出しエア圧を改善後エアブロー条件(7)として入力するとともに、前記第1入力手段で入力されたエアブローの狙い(5)に基づいてノズル型式を入力する第2入力手段と、
前記第2入力手段で入力された前記改善後エアブロー条件(7)を用いて前記衝突力算出手段(100)で算出された衝突力(15)と同一衝突力となるブロワの風量を算出する風量算出手段(112)と、
前記算出されたブロワの風量を用いて前記第2入力手段で入力されたノズル型式についての最適口径(17)を算出する最適ノズル口径算出手段(113)と、
前記最適ノズル口径算出手段(113)で算出された最適口径(17)を確定エアブローノズル条件(8)として入力する第3入力手段と、
前記第3入力手段で入力された前記確定エアブローノズル条件(8)を用いて前記第2入力手段で入力された前記ノズル型式についての全体風量、ノズル圧力損失、およびノズル必要圧(18)を算出するノズル設計手段(120)と、
前記ノズル設計手段(120)で算出された全体風量およびノズル必要圧に基づいてエアを搬送する配管の条件を入力する第4入力手段と、
前記第4入力手段で入力された前記配管の条件を用いて配管の各部位における圧力損失および管内風速を算出する配管圧損計算手段(14)と、
あらかじめ記憶され管内風速と配管圧損の適正な関係が示されている配管特性図と前記配管圧損計算手段(14)で算出された圧力損失および管内風速とを比較して前記配管の各部位で採用する配管の条件を決定する配管決定手段(24)と、
前記改善後エアブロー条件(7)や前記配管決定手段(24)で決定された配管についての圧力損失や前記ノズル設計手段(120)で算出された全体風量やノズル圧力損失を用いてブロワの風量および吐出圧といった必要となるブロワ能力を算出するブロワ能力算出手段(12)と、
からなるエアブローのブロワ化設計装置。
【請求項7】
前記配管決定手段(24)で決定された配管の条件について前記配管圧損計算手段(14)で算出された結果を表示する表示手段(3)を備え、
前記表示手段(3)は、配管の各部位における圧力損失およびこれらの合計値を表示することを特徴とする請求項6に記載のエアブローのブロワ化設計装置。
【請求項8】
さらに前記ブロワ能力算出手段(12)は、周波数50Hz、55Hzのそれぞれにおける必要となるブロワ能力を算出することを特徴とする請求項6または7に記載のエアブローのブロワ化設計装置。
【請求項9】
前記改善後エアブロー条件(7)、前記配管決定手段(24)で決定された配管についての圧力損失、および前記ノズル設計手段(120)で算出されたノズル圧力損失を用いて、ブロアの吐出圧に対するノズルからの吹出しエア圧の比率を算出する手段(13)を備え、
前記算出されたブロアの吐出圧に対する吹出しエア圧の比率が所定値以上である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断することを特徴とする請求項6、7、または8に記載のエアブローのブロワ化設計装置。
【請求項10】
前記改善前エアブロー条件(6)を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力と、前記改善後エアブロー条件(7)を用いて算出されたブロワ能力に対応する消費電力とを算出し、両者を比較して改善後の省電効果を算出する手段(11)を備え、
前記算出された改善後の省電効果が所定値以上である場合には、適正な設計仕様が得られたと判断することを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のエアブローのブロワ化設計装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−27393(P2008−27393A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202579(P2006−202579)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】