説明

エアリンク使用の効率化をもたらす適応的マルチメディアダウンロードのためのシステムおよび方法

【課題】無線ネットワーク上のメディアダウンロードサービスの能力を知的に最大化する手段を提供する。
【解決手段】無線ネットワークの利用可能帯域幅が推定され、閾値と比較される。該利用可能帯域幅が所定閾値を超えないならば、該サービスは低帯域幅モードで動作させ、第一水準のメディアコンテンツをダウンロードする。該利用可能帯域幅が所定閾値を超えるならば、該サービスは高帯域幅モードで動作させ、第一水準の強化版に相当する第二水準のメディアコンテンツをダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に無線通信に関し、特に、メディアダウンロードサービスのためのネットワーク帯域幅の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は無線通信システム100の図である。システム100は、携帯電話機のような複数の無線装置110、および地理的領域のカバレッジを提供するために配置される複数の基地局(BTS)120を含む。典型的には、各無線装置110が通信するBTS120は一台だけである。しかし、無線装置110が複数のBTS120と通信するいくつかの状況があってもよい。
【0003】
システム100は、モバイルスイッチングセンター(MSC)130を含む。MSCは、BTS120の各々と通信し、BTS120およびMSC130を動作させる無線キャリアのキャリアネットワーク140と通信する。キャリアネットワーク140は、キャリアネットワーク140を(図示しない)他のネットワークにつなぐための1または複数のルータ150を含んでも良い。他のネットワークの例は、例えば別の無線キャリアのネットワーク、陸線キャリアのネットワーク、および/またはインターネットのようなデータデータネットワークを含む他の音声およびデータのネットワークであってもよい。システム100は、以下でより詳細に説明するメディアサーバ160を含んでいてもよい。システム100は、音声およびデータに基づいたサービスを無線装置110に提供する。従って、無線ネットワーク100は、無線装置110間で音声およびデータをルーティングするための能力を提供する。
【0004】
図2は無線装置110のより詳細な図である。無線装置110は、無線通信システム100の1または複数のBTS120(図1)と無線で通信するための無線送受信機210を含む。無線送受信機210はバス250につながれる。また無線装置210は、ユーザインタフェース220を含む。これもバス250につながれる。典型的には、ユーザインタフェース220は、ディスプレイ、小型キーボード、マイクロホン、およびスピーカを含む。無線装置110は、メモリ230を含む。これもバス250につながれる。メモリ230は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)231をサポートするコードを記憶してもよい。メモリ230のコンテンツは、1または複数の組み込みのアプリケーションを含み、1または複数のダウンロード可能なアプリケーションを受信するための記憶空間を含んでもよい。共通する組み込みアプリケーションの一つはメディアプレーヤアプリケーション232である。メディアプレーヤアプリケーション232は、音楽トラックおよびビデオを含む、異なるタイプのメディアを再生するために用いられる。
【0005】
また無線装置110は、特定用途向け集積回路(ASIC)240を含む。ASIC240もバス250につながれており、無線装置を動作し制御するために用いられる。
【0006】
ここで図1に戻って参照する。システム100はメディアサーバ160を含んでもよい。典型的に、メディアサーバ160は、メディアサーバ160から無線装置110のような他の装置まで目的メディアをダウンロードすることに対して加入者は課金されるようなメディアダウンロードサービスをサポートするために用いられる。多くの無線装置100はオーディオファイルを再生することが可能であることから、メディアダウンロードサービスの一例は、音楽ダウンロードサービスである。この場合、各目的メディアは音楽トラック、例えばソング、インストルメンタルトラックであり得る。図示のように、メディアサーバ160はキャリアネットワーク140の一部であるものとして示される。しかし、無線装置110とメディアサーバ160との間にネットワーク接続性がある限り、メディアサーバ160は他のいかなる場所に位置してもよいことが理解されるべきである。例えば、メディアサーバ160が(図示しない)インターネット上に位置し、無線装置110とメディアサーバ160との間のネットワーク接続性が、ルータ150によって提供されてもよい。
【0007】
各目的メディアは、一般に、目的メディアのファイルサイズをより扱いやすいサイズにし、おそらくはデジタル著作権管理スキームをサポートするためにエンコーディングスキームに従ってエンコードされる。ほとんどのエンコーディングスキームは、目的メディアが一連のエンコードレートを用いてエンコードされることを可能にする。典型的に、エンコードレートをより高くすることで再生の忠実度をより高くすることができるが、より大きなデータ記憶空間およびダウンロード時間長期化のコストがかかる。同様に、エンコードレートをより低くすると、再生忠実度は低下するが、データ記憶空間はより小さくなり、高速ダウンロードが可能になる。従って、各目的メディアごとに、メディアサーバ160は複数のエンコーディングを記憶してもよい。例えば、ストリーミング音楽用に低データレートエンコーディングが記憶され、携帯音楽プレーヤへのダウンロード用に中間データレートエンコーディングが記憶され、ユーザーが追記型コンパクトディスクを作成できるように高データレートエンコーディングが記憶されてもよい。さらに、メディアサーバ160は、アルバムアート、歌詞、ミュージックビデオ等のような目的メディアに関係する追加情報を記憶してもよい。
【0008】
ここ数年にわたって、無線通信システム100には数多くの改善がなされた。特に、高速データ通信を可能にする新規のエアリンクインターフェースが無線通信システム100に導入された。また、無線でのさらに高速なデータ送信を可能にする新規のエアリンクインターフェースが設計されている。しかし、エアリンクスループットにおけるこれらの進歩にもかかわらず、メディアをダウンロードするサービスでは新規の増加した帯域幅を利用していない。従って、無線ネットワーク上のメディアダウンロードサービスの能力を知的に最大化する手段の必要および要望がある。
【発明の概要】
【0009】
開示された実施形態は、ネットワーク上のメディアダウンロードサービスの能力を知的に最大化するための装置および方法を提供する。一の態様では、この発明は、ネットワークを具備することに関するメディアダウンロードサービスの能力を最大化する方法であって、前記ネットワークの帯域幅を推定すること、および、前記帯域幅を所定閾値と比較することを含み、前記比較するステップにおいて前記帯域幅が前記所定閾値より大きいならば、前記メディアダウンロードを高帯域幅モードで動作させることを含む。別の態様において、この発明は、利用可能帯域幅が前記所定閾値より大きくないならば、前記メディアダウンロードを低帯域幅モードで動作させる方法を含む。
【0010】
さらに別の態様では、この発明は、バスと、前記バスにつながれ前記無線装置を無線ネットワークに接続する無線送受信機と、前記バスにつながれたユーザインタフェースと、メディアプレーヤを記憶し前記メディアプレーヤが目的メディアをダウンロードするのを制御するための高帯域幅エアリンクマキシマイザを記憶する前記バスにつながれたメモリと、前記バスにつながれ、前記無線送受信機、前記ユーザインタフェース、および前記メモリを制御するように構成されたASICとを具備し、前記高帯域幅エアリンクマキシマイザは、前記無線ネットワークの帯域幅を推定し、前記帯域幅を所定閾値と比較し、前記比較において前記帯域幅が前記所定閾値より大きいと判定されたならば、前記ダウンロードを高帯域幅モードで動作させる無線装置を対象とする。
【0011】
別の態様において、この発明は、バス手段と、前記バス手段につながれ前記無線装置を無線ネットワークに接続する無線送受信手段と、前記バス手段につながれたユーザインタフェース手段と、メディアプレーヤを記憶し、および前記メディアプレーヤが目的メディアをダウンロードするのを制御するための高帯域幅エアリンクマキシマイザ手段を記憶する、前記バス手段につながれたメモリ手段と、前記バス手段につながれ、前記無線送受信手段、前記ユーザインタフェース手段、および前記メモリ手段を制御するように構成されたASIC手段とを具備し、前記高帯域幅エアリンクマキシマイザ手段は、前記無線ネットワークの帯域幅を推定し、前記帯域幅を所定閾値と比較し、前記比較において前記帯域幅が前記所定閾値より大きいと判定されたならば、前記ダウンロードを高帯域幅モードで動作させる無線装置を対象とする。
【0012】
別の態様において、この発明は命令が格納されたコンピュータ可読媒体を対象とし、該命令は、無線ネットワークの帯域幅を推定するための命令と、前記帯域幅を所定閾値と比較するための命令と、前記比較するステップにおいて、前記帯域幅が前記所定閾値よりも大きいと判定されたならば、メディアダウンロードを高帯域幅モードで動作させるための命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
この発明の上記および他の利点および特徴は、添付の図面を参照して以下で与えられたこの発明の実施形態の詳細な説明からより明白になるであろう。それらの説明は以下のとおりである。
【図1】図1は従来の無線通信システムの図である。
【図2】図2は従来の無線装置の図である。
【図3】図3は、この発明の一実施形態に従う無線装置の図である。
【図4】図4は、ネットワーク上のメディアダウンロードサービスの能力を知的に最大化するための処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、ネットワーク上のメディアダウンロードサービスの能力を知的に最大化するための別の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで図面を参照すると、図3には本発明の一実施形態に従う無線装置110’が示される。参照数字等は構成要素等を示す。無線装置110’は、無線通信システム100において無線装置110(図1)の代わりに用いることが可能である。
【0015】
無線装置110’は、無線通信システム100の1または複数のBTS120(図1)と無線で通信するための無線送受信機210を含む。無線送受信機210はバス250につながれる。
【0016】
また無線装置110’は、ユーザインタフェース220を含む。これもバス250につながれる。典型的には、ユーザインタフェース220は、ディスプレイ、小型キーボード、マイクロホン、およびスピーカを含む。しかし、異なるユーザインタフェースを用いてこの発明を実施可能であることを当業者は認識されよう。
【0017】
無線装置110’は、メモリ230を含む。これもバス250につながれる。メモリ230は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)231をサポートするコードを記憶してもよい。一実施形態において、APIはQUALCOMM(登録商標)社のBREW(登録商標)プラットフォームに関連するAPIである。しかし、他のAPIをサポートする無線装置においてこの発明が実施されてもよいことを当業者は認識されよう。
【0018】
メモリ230のコンテンツは、1または複数の組み込みのアプリケーションを含んでもよく、1または複数のダウンロード可能なアプリケーションを受信するための記憶空間を含んでもよい。特に、メモリ230のコンテンツは、メディアプレーヤアプリケーション232を含む。メディアプレーヤアプリケーション232は異なるメディアタイプを再生することが可能であり、メディアプレーヤ232が新規のファイル・タイプについて動作することを可能にするために、ダウンロード可能なコンプレッサ/デコンプレッサ(コーデック)と互換性をもつように設計されることが好ましい。一実施形態において、メモリ230のコンテンツは、さらに、高帯域幅エアリンクマキシマイザ332および低帯域幅エアリンクマキシマイザ333を含む。高帯域幅エアリンクマキシマイザ332および低帯域幅エアリンクマキシマイザ333は、それぞれ図4−5を参照してより詳細に以下で説明する。
【0019】
また無線装置110’は、バス250を通じて無線送受信機210、ユーザインタフェース220、およびメモリ230を制御する特定用途向け集積回路(ASIC)240を含む。
【0020】
当業者は、この発明の範囲から逸脱することなく、無線装置110’のアーキテクチャを変えることが可能であることを理解するだろう。例えば、可能性のある幾つかの変形は、複数の無線送受信機210を持つことを含み、複数の記憶装置230を持つことであり、例えば、DRAMベースのメモリユニットおよび不揮発性メモリユニット、例えばFLASH、EPROM、EEPROM、ROMメモリユニットのような異なる型の記憶装置を含む。実施形態によっては、メモリ230の少なくとも一部がASIC240上に具体化されてもよい。さらに、ASIC240は、複数のASIC、または非ASICチップおよび1または複数のASICの何らかの組合せであってもよい。
【0021】
図4は、本発明の無線装置110’による、高帯域幅ネットワーク上のメディアダウンロードサービスの能力を知的に最大化するための処理400を示すフローチャートである。ステップS0からステップS1に移ることで処理400が開始する。
【0022】
ステップS1では、利用可能帯域幅の推定を求める。無線装置の分野において、無線ネットワークは複数のエアインタフェースをサポートしてもよい。例えば、無線ネットワークが、主として音声通信のための低速インタフェース(例えばIS−95/TIA−EIA−95/cdmaOneまたはGMS)をサポートし、汎用パケット無線システム(GPRS)、IS−856/Evolution−Data Optimized(EV−DO)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーション・システム(UMTS)のような1または複数の高速インタフェースをサポートしてもよい。各エアインタフェースは、特定の帯域幅または帯域幅範囲に対応付けられる。一実施形態において、利用可能帯域幅の推定は、無線装置110’と、該無線装置110’が通信しているBTS120との間の通信のためにどの型のエアインタフェースが利用されているかに従ってなされる。
【0023】
さらに、エアインタフェースのうちのいくつかについては、利用可能帯域幅が外部要因にさらに、依存することがある。例えば、EV−DOエアインタフェースでは、無線装置110’と、該無線装置110’と通信するBST120との間の距離の関数として、利用可能帯域幅が変わることがある。その距離は、各BST120の位置が既知であり、また無線装置110’の位置が、グローバル・ポジショニング衛星(GPS)から受信された信号の使用、または無線装置110’とBST120の間で送信された信号についての三角測量、到来角、および/または到達時間技術の何らかの組合せの使用を含む何らか技術を用いて計算され得ることから、計算され得る。一実施形態において、利用可能帯域幅の推定は、エアインタフェースの型、ならびに帯域幅に影響することが既知の外部要因の計上の両者に応じてなされる。ひとたび利用可能帯域幅が推定されたならば、処理400はステップS2に移る。
【0024】
ステップS2では、推定された利用可能帯域幅を、所定閾値レベルと比較する。所定閾値レベルは、メディアサーバを動作させる無線キャリアまたはメディアダウンロードサービスによって設定されることのできるパラメータである。推定された利用可能帯域幅が所定閾値より大きい場合、処理400はステップS3に移る。一方、推定された利用可能帯域幅が所定閾値よりも大きくない場合、処理400はステップS4に移って終了する。
【0025】
ステップS3では、メディアダウンロードサービスが高帯域幅モードに従って動作する。すなわち、メディアダウンロードサービスは、高帯域幅接続を持つことにより与えられる機会を利用するよう動作する。例えば、高帯域幅モードにおいて無線装置110’ は、オポチュニスティックダウンロードを実行し、より高いエンコードレートを用い、より高いエンコードレートへの交換を行い、および/または追加マテリアルをけん引(pull)してもよい。これらの技術の各々は以下でより詳細に説明する。ステップS3の後、処理400はステップS4の終了に進む。
【0026】
ステップS4では、処理400が終了する。
【0027】
オポチュニスティックダウンロード
多くの音楽ダウンロードサービスは、コンシューマーがどのソングを好んでおり、購入つまり聞くのが好きであるかを当該コンシューマーのリスニングまたは購買履歴に基づいて予測することが可能である。オポチュニスティックダウンロードは、コンシューマーが好むと予測されるソングのプレビュー部分をさらに得るダウンロード処理のことを指す。ソングのプレビュー部分は、例えば、ソングの先頭から30秒である。しかし、当業者は、ソングの任意の部分からのプレビュー部分を選択することにより本発明を実施してもよいことを認識されよう。一実施形態において、無線装置110’が高帯域幅モードである場合、無線装置110’はオポチュニスティックダウンロードを実行する。
【0028】
より高いエンコードレートの使用
上述したように、エンコードレートをより高くすることで再生の忠実度をより高くすることができるが、より大きなデータ記憶空間およびダウンロード時間長期化のコストがかかる。しかしながら、無線装置110’が利用可能な記憶容量は増加の一途を辿っており、また近頃の無線ネットワーク帯域幅の増加により無線装置110’は、より高いエンコードレートの使用に適合する。一実施形態において、高帯域幅エアインタフェースが利用可能な場合、無線装置110’は、より低いエンコードレートを持つメディアコピーのダウンロードに代えて、より高いエンコードレートを用いてエンコードされたメディアのコピーをダウンロードするようにメディアサーバ160に指示する。
【0029】
より高いエンコードレートへの交換
あるメディアコンテンツが、当初は低いエンコードレートを用いて取得されているならば、高帯域幅を利用できるのであれば、同一の主題を持ち、かつより高いエンコードレートのメディアによって、既存のメディアを交換することが可能である。一実施形態において、高帯域幅エアインタフェースが利用可能な場合、無線装置110’は、以前にダウンロードされ、低エンコードレートでエンコードされたものを、より高いエンコードレートを持つ、対応するコンテンツに差し替える。
【0030】
追加マテリアルのけん引
メディアサーバ160は、しばしば各メディアに関連する他の情報を記憶する。他の情報の例は、各ソングに関連するアート、ビデオ、および歌詞を含んでも良い。一実施形態において、高帯域幅エアインタフェースが利用可能な場合、無線装置110’はダウンロードされているメディアに関連するアート、ビデオ、および歌詞の少なくとも1つをさらにダウンロードする。
【0031】
図5は、本発明の無線装置110’による、低帯域幅ネットワーク上のメディアダウンロードサービスの能力を知的に最大化するための処理500を示すフローチャートである。ステップS10からステップS11に移ることで処理500が開始する。
【0032】
ステップS11では、利用可能帯域幅の推定を求める。ステップS11は上述したステップS1(図4)と同一である。ひとたび利用可能帯域幅が推定されたならば、処理500はステップS2に移る。
【0033】
ステップS12では、推定された利用可能帯域幅を、(図4のステップS2に関連して上述した)所定閾値レベルと比較する。推定された利用可能帯域幅が所定閾値よりも大きくない場合、処理500はステップS13に移る。一方、推定された利用可能帯域幅が所定閾値よりも大きくない場合、処理500はステップS14に移って終了する。
【0034】
ステップS13では、メディアダウンロードサービスが低帯域幅モードに従って動作する。すなわち、メディアダウンロードサービスは、比較的小さなネットワーク帯域幅を持つネットワークリンクに敏感となるように動作する。一実施形態において、上述したオポチュニスティックダウンロード、より高いエンコードレートの使用、より高いエンコードレートへの交換、および追加けん引の機能は高帯域幅モードにおいてのみ可能であったので、これらの追加機能は無効になる。別の実施形態において、上述したオポチュニスティックダウンロード、より高いエンコードレートへの交換、および追加けん引の機能の1または複数を有効にするが、無線キャリアの「閑散」時間のような所定期間中にのみ実行するようにしてもよい。ステップS13の後、処理500はステップS14の終了に進む。
【0035】
ステップS14では、処理500が終了する。
【0036】
この発明を例示的実施形態に関して詳細に説明したが、この発明は上記の開示された実施形態に限定されないことを理解されたい。もっと正確に言えば、この発明は、これまでに説明されなかったがこの発明の精神および範囲に相応する何らかの変形、交替、置換または等価な構成を組込むように修正することが可能である。
【0037】
例えば、本出願では、無線ネットワーク、特にエアインタフェースに関してこの発明の原理の適用を述べたが、当業者は、この発明が有線ネットワーク環境において実施されてもよいことを認識するはずである。例をあげると、デジタル加入者回線(DSL)線は、加入者と、該加入者の中央局との間のローカルループの長さの関数として、部分的に変化する帯域幅を持つ。従って、該ローカルループの長さは、EV−DO環境における無線装置とそのBSTとの間の距離と多少類似しており、本発明の原理を有線DSLネットワークに適用することができるかもしれない。
【0038】
さらに、高または低帯域幅エアリンクマキシマイザを用いるかどうか判定するための単一パラメータを利用する実施形態を示したが、当業者は、本発明の原理は、2つを超えるエアリンクマキシマイザの使用に適用可能であることを認識するはずである。そのようなシステムは、どのエアリンクマキシマイザを用いるかを判定するしきい値を設定するための2以上のパラメータを使用するだろう。
【0039】
従って、この発明は、先の詳細な説明または図面によって限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のメディアダウンロードサービスの能力を最大化する方法であって、 前記ネットワークの帯域幅を推定すること;および
推定された前記帯域幅が所定閾値を超える場合に、前記メディアダウンロードサービスを高帯域幅モードで動作させることを含む方法。
【請求項2】
前記高帯域幅モードで前記メディアダウンロードサービスを動作させるアクトは、
目的メディアをダウンロードすること;および
前記目的メディアに関連するメディアのプレビューを自動的にダウンロードすることを含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記高帯域幅モードで前記メディアダウンロードサービスを動作させるアクトは、
高エンコードレートを自動的に選択すること;および
選択された前記高エンコードレートに合致する前記目的メディアをダウンロードすることを含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記高帯域幅モードで前記メディアダウンロードサービスを動作させるアクトは、
高エンコードレートを自動的に選択すること;および
前記高エンコードレートより小さいエンコードレートでの目的メディアのダウンロードの先のアクトに応答して、前記高エンコードレートで前記目的メディアをダウンロードすることを含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記高帯域幅モードで前記メディアダウンロードサービスを動作させるアクトは、
目的メディアをダウンロードすること;および
前記目的メディアに関連する追加コンテントをダウンロードすることを含む請求項1の方法。
【請求項6】
前記追加コンテントは、
前記目的メディアに関連するアルバムアート;
前記目的メディアに関連する歌詞テキスト;および
前記目的メディアに関連する音楽ビデオの少なくとも一つを含む請求項5の方法。
【請求項7】
前記ネットワークは、低速インタフェースおよび少なくとも1つの高速インタフェースを具備し、低速インタフェースおよび高速インタフェースは、それぞれに関連する異なる帯域幅を持ち、前記推定するステップは、前記インタフェースのうちのいずれが使用されているかを識別することを含む請求項1の方法。
【請求項8】
前記ネットワークは無線ネットワークであり、前記高速インタフェースは、
IS−856/Evolution−Data Optimized(EV−DO)インタフェース;
高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)インタフェース;および
ユニバーサルモバイルテレコミュニケーション・システム(UMTS)インタフェースの少なくとも一つを含む請求項7の方法。
【請求項9】
前記帯域幅は外部パラメータの関数であり、前記推定するステップは、前記外部パラメータの値を識別することを含む請求項1の方法。
【請求項10】
前記ネットワークがIS−856/Evolution−Data Optimized(EV−DO)インタフェースを使用しており、前記外部パラメータは、ダウンロードのための装置と、該ダウンロードのための装置と通信する基地局との間の距離である請求項9の方法。
【請求項11】
推定された前記帯域幅が所定閾値を超えないときに、前記メディアダウンロードサービスを低帯域幅モードで動作させることをさらに含む請求項1の方法。
【請求項12】
前記メディアダウンロードサービスを前記低帯域幅モードで動作させる前記アクトは、 目的メディアをダウンロードすること;および
前記目的メディアに関連するメディアのプレビューを自動的にダウンロードすることを含み、
前記自動的なダウンロードは、所定期間中にのみ実行される請求項11の方法。
【請求項13】
前記メディアダウンロードサービスを低帯域幅モードで動作させる前記アクトは、
より高いエンコードレートを自動的に選択すること;および
前記より高いエンコードレートより小さいエンコードレートでの目的メディアのダウンロードの先のアクトに応答して、前記より高エンコードレートで前記目的メディアを再度、ダウンロードすることを含み、前記ダウンロードが所定期間中にのみ実行される請求項11の方法。
【請求項14】
前記メディアダウンロードサービスを低帯域幅モードで動作させる前記アクトは、
目的メディアをダウンロードすること;および
前記目的メディアに関連する追加コンテントをダウンロードすることを含み、前記ダウンロードが所定期間中にのみ実行される請求項11の方法。
【請求項15】
前記追加コンテントは、
前記目的メディアに関連するアルバムアート;
前記目的メディアに関連する歌詞テキスト;および
前記目的メディアに関連する音楽ビデオの少なくとも一つを含む請求項14の方法。
【請求項16】
バスと;
前記バスにつながれ、前記無線装置を無線ネットワークに接続する無線送受信機と; 前記バスにつながれたユーザインタフェースと;
メディアプレーヤを記憶し、前記メディアプレーヤが目的メディアをダウンロードするのを制御するための高帯域幅エアリンクマキシマイザを記憶する、前記バスにつながれたメモリと;
前記バスにつながれ、前記無線送受信機、前記ユーザインタフェース、および前記メモリを制御するように構成されたASICとを具備し、
前記高帯域幅エアリンクマキシマイザは、
前記無線ネットワークの帯域幅を推定し;
推定された前記帯域幅が所定閾値を超えるときに、前記ダウンロードを高帯域幅モードで動作させるように構成される無線装置。
【請求項17】
前記高帯域幅モードでの前記ダウンロードは、
前記目的メディアをダウンロードすること;および
前記目的メディアに関連するメディアのプレビューを自動的にダウンロードすることを含む請求項16の無線装置。
【請求項18】
前記高帯域幅モードでの前記ダウンロードは、
より高いエンコードレートを自動的に選択すること;
選択された前記より高いエンコードレートに合致する前記目的メディアをダウンロードすることを含む請求項16の無線装置。
【請求項19】
前記高帯域幅モードでの前記ダウンロードは、
より高いエンコードレートを自動的に選択すること;および
前記より高いエンコードレートより小さいエンコードレートでの前記目的メディアのダウンロードの先のアクトに応答して、前記より高いエンコードレートで前記目的メディアを再度、ダウンロードすることを含む請求項1の方法。
【請求項20】
前記高帯域幅モードでの前記ダウンロードは、
前記目的メディアをダウンロードすること;および
前記目的メディアに関連する追加コンテントをダウンロードすることを含む請求項16の無線装置。
【請求項21】
前記追加コンテントは、
前記目的メディアに関連するアルバムアート;
前記目的メディアに関連する歌詞テキスト;および
前記目的メディアに関連する音楽ビデオの少なくとも一つを含む請求項20の無線装置。
【請求項22】
前記メモリは、前記メディアプレーヤが目的メディアをダウンロードするのを制御するための低帯域幅エアリンクマキシマイザをさらに記憶し、
前記低帯域幅エアリンクマキシマイザは、
前記無線ネットワークの帯域幅を推定し、
推定された前記帯域幅が所定閾値を超えないときに、前記ダウンロードを低帯域幅モードで動作させるように構成される請求項16の無線装置。
【請求項23】
前記メディアダウンロードサービスを前記低帯域幅モードで動作させる前記アクトは、 目的メディアをダウンロードすること;および
前記目的メディアに関連するメディアのプレビューを自動的にダウンロードすることを含み、
前記自動的なダウンロードが所定期間中にのみ実行される請求項22の無線装置。
【請求項24】
前記メディアダウンロードサービスを低帯域幅モードで動作させる前記アクトは、
より高いエンコードレートを自動的に選択すること;および
前記より高いエンコードレートより小さいエンコードレートでの目的メディアのダウンロードの先のアクトに応答して、前記より高エンコードレートで前記目的メディアを再度、ダウンロードすることを含み、前記ダウンロードが所定期間中にのみ実行される請求項22の方法。
【請求項25】
前記メディアダウンロードサービスを前記低帯域幅モードで動作させる前記アクトは、 目的メディアをダウンロードすること;および
前記目的メディアに関連する追加コンテントをダウンロードすることを含み、
前記ダウンロードが所定期間中にのみ実行される請求項22の無線装置。
【請求項26】
前記追加コンテントは、
前記目的メディアに関連するアルバムアート;
前記目的メディアに関連する歌詞テキスト;および
前記目的メディアに関連する音楽ビデオの少なくとも一つを含む請求項25の無線装置。
【請求項27】
バス手段と;
前記バス手段につながれ、前記無線装置を無線ネットワークに接続する無線送受信手段と;
前記バス手段につながれたユーザインタフェース手段と;
メディアプレーヤを記憶し、前記メディアプレーヤが目的メディアをダウンロードするのを制御するための高帯域幅エアリンクマキシマイザ手段を記憶する、前記バス手段につながれたメモリ手段と;
前記バス手段につながれ、前記無線送受信手段、前記ユーザインタフェース手段、および前記メモリ手段を制御するように構成されたASIC手段とを具備し、
前記高帯域幅エアリンクマキシマイザ手段は、
前記無線ネットワークの帯域幅を推定し、
推定された前記帯域幅が所定閾値を超えるならば、前記ダウンロードを高帯域幅モードで動作させるように構成される無線装置。
【請求項28】
前記メモリ手段は、前記メディアプレーヤが目的メディアをダウンロードするのを制御するための低帯域幅エアリンクマキシマイザ手段をさらに記憶し、
前記低帯域幅エアリンクマキシマイザ手段は、
前記無線ネットワークの帯域幅を推定し、
推定された前記帯域幅が所定閾値を超えないならば、前記ダウンロードを低帯域幅モードで動作させるように構成される無線装置。
【請求項29】
無線ネットワークの帯域幅を推定する命令と、
推定された前記帯域幅が所定閾値を超えるときに、メディアダウンロードサービスを高帯域幅モードで動作させる命令とを含む命令が格納されたコンピュータ可読媒体。
【請求項30】
推定された前記帯域幅が前記所定閾値を超えないときに、前記メディアダウンロードサービスを低帯域幅モードで動作させる命令をさらに記憶する請求項29の計算機可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−62798(P2013−62798A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−198714(P2012−198714)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2009−538507(P2009−538507)の分割
【原出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】