説明

エタノール合成方法及び装置

【課題】木材ピッチなど発酵しにくい原料や、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、バイオマス等を原料としてエタノールを合成することができ、これによりエタノール製造の原料範囲を拡大できるエタノール合成方法及び装置を提供する。
【解決手段】ジメチルエーテル(CHOCH)のカルボニル化反応により酢酸メチル(CHCOOCH)を含有する酢酸メチル含有ガスを合成する酢酸メチル合成ステップと、酢酸メチルの水素化反応によりエタノール(COH)を含有するエタノール含有ガスを合成するエタノール含有ガス合成ステップと、前記エタノール含有ガスからエタノールを分離するエタノール分離ステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材ピッチなど発酵しにくい原料や、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、バイオマス等を原料として気相反応でエタノールを合成する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エタノールは、工業的には、発酵法または化学合成により製造・合成されている。世界的にみると、発酵法による製造量が年間約2400万トン、化学合成による製造量が年間約260万トンであり、圧倒的に発酵法による製造量が多い。
【0003】
また化学合成によるエタノール製造法は、加水分解法と気相合成法の2種類が知られている。
加水分解法は、エチレン(CH=CH)を出発物質として、これに硫酸を付加し、加水分解する方法である。加水分解する際に、水で系内を、40〜60wt%に希釈するため、エタノールと希硫酸が生成される。希硫酸は、濃縮して再利用するため、エネルギーコストが高いという欠点がある。
【0004】
気相合成法は、同じく、エチレン(CH=CH)を出発物質とするが、触媒を用いて気相でエタノール合成を行う点が、加水分解法と異なる点である。触媒としては、シリカ等に担持した燐酸(HPO/SiO)を使用する。反応温度は、543K、7MPaという高圧条件が必要となる。
【0005】
なお、エチレンの水和反応によるエタノールの製造法が、例えば、特許文献1,2に開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−262475号公報、「エタノール合成用触媒の製造方法」
【特許文献2】特開平11−300207号公報、「エタノール合成用触媒」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の発酵法によるエタノールの製造では、さとうきびやトウモロコシなどに原料が制約されるため、木材ピッチなど発酵しにくい原料や、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、バイオマス等は使用できなかった。
【0008】
また、従来の加水分解法や気相合成法では、エチレンが出発物質となるため、発酵法と同じく、原料が制約され、また、エタノール合成に先立って、エチレン製造を行う必要があるため、エタノールの製造効率が低いという問題点があった。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、木材ピッチなど発酵しにくい原料や、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、バイオマス等を原料としてエタノールを合成することができ、これによりエタノール製造の原料範囲を拡大できるエタノール合成方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ジメチルエーテルのカルボニル化反応により酢酸メチルを含有する酢酸メチル含有ガスを合成する酢酸メチル合成ステップと、
酢酸メチルの水素化反応によりエタノールを含有するエタノール含有ガスを合成するエタノール含有ガス合成ステップと、
前記エタノール含有ガスからエタノールを分離するエタノール分離ステップとを有する、ことを特徴とするエタノール合成方法が提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記酢酸メチル合成ステップにおいて、ジメチルエーテルと一酸化炭素を触媒の存在下で気相反応させる。
前記酢酸メチル合成ステップの触媒は、H−MORゼオライトである。
【0012】
前記酢酸メチル合成ステップにおいて、423〜523Kの反応温度と、10〜20barの反応圧力を保持する。
前記酢酸メチル合成ステップにおいて、原料中CO:DME比率は、CO:DME=49:1〜10:1である。
【0013】
また、前記エタノール含有ガス合成ステップにおいて、酢酸メチルと水素を触媒の存在下で気相反応させる。
【0014】
前記エタノール含有ガス合成ステップにおいて、523〜573Kの反応温度を保持する。
【0015】
また本発明によれば、ジメチルエーテルのカルボニル化反応により酢酸メチルを含有する酢酸メチル含有ガスを合成する酢酸メチル合成装置と、
酢酸メチルの水素化反応によりエタノールを含有するエタノール含有ガスを合成するエタノール含有ガス合成装置と、
前記エタノール含有ガスからエタノールを分離するエタノール分離装置とを備える、ことを特徴とするエタノール合成装置が提供される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、木材ピッチ、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、又はバイオマスを原料として一酸化炭素と水素の混合ガスを合成し、これからジメチルエーテルを含有するジメチルエーテル含有ガスを合成するジメチルエーテル合成装置を更に備える。
【発明の効果】
【0017】
上記本発明の方法及び装置によれば、ジメチルエーテルを原料として、酢酸メチル合成装置による酢酸メチル含有ガスの合成と、エタノール含有ガス合成装置によるエタノール含有ガスの合成を経て、エタノール分離装置によるエタノールの分離により、エタノールを合成することができる。
【0018】
また、ジメチルエーテルは、木材ピッチ、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、バイオマスなどの様々な原料をガス化や改質して得られる合成ガス(水素、一酸化炭素を主成分)から合成できるため、本発明により、多種多様な化石燃料やバイオマス原料からエタノールを合成できることとなる。
【0019】
また、本発明は、ジメチルエーテルのカルボニル化(ジメチルエーテルと一酸化炭素の反応)、および生成した酢酸メチルの水素化によるエタノール合成を、それぞれの反応に高い効率を示す触媒上で進行させるために、最終的に高いエタノール合成効率を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0021】
図1は本発明のエタノール合成装置のブロック図であり、図1Aは全体構成、図1Bはその部分構成を示している。
【0022】
この図に示すように、本発明のエタノール合成装置は、ジメチルエーテル合成装置10、酢酸メチル合成装置12、エタノール含有ガス合成装置13、及びエタノール分離装置(図示せず)からなる。
【0023】
ジメチルエーテル合成装置10は、図1Aでは、ガス化炉10AとDME合成設備10Bとからなる。ガス化炉10Aは、水蒸気改質炉であってもよい。
この構成により、ガス化炉10Aにより、木材ピッチ、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、又はバイオマスを原料として一酸化炭素と水素の混合ガスを合成し、これからDME合成設備10Bによりジメチルエーテルを含有するジメチルエーテル含有ガスを合成することができる。
【0024】
DME合成設備10Bにおける一酸化炭素(CO)と水素(H)からジメチルエーテル(以下、DMEと呼ぶ)の合成は、触媒を用いて直接合成しても、メタノールを中間生成物として合成したのち、メタノールから合成してもよい。
【0025】
酢酸メチル合成装置12は、ジメチルエーテル(DME)のカルボニル化反応により酢酸メチルを含有する酢酸メチル含有ガスを合成する。この酢酸メチル合成は、ジメチルエーテル(DME)と一酸化炭素(CO)を触媒(好ましくはゼオライト触媒)の存在下で気相反応させる。気相反応の条件は、423〜523Kの反応温度と、10〜20barの反応圧力を保持し、反応時間を1時間以上にするのがよい。
【0026】
エタノール含有ガス合成装置13は、酢酸メチル(CHCOOCH)の水素化反応によりエタノールを含有するエタノール含有ガスを合成する。このエタノール含有ガス合成は、酢酸メチルと水素を触媒(好ましくはCu/SiO)の存在下で気相反応させる。気相反応の条件は、473〜573Kの反応温度で反応時間を1時間以上にするのがよい。
【0027】
エタノール分離装置は、エタノール含有ガスからエタノールを分離する。この装置は、例えば、エタノール含有ガスを冷却して、エタノールとメタノールを分離する装置である。
【0028】
上述した装置を用い、本発明のエタノール合成方法は、酢酸メチル合成ステップ、エタノール含有ガス合成ステップ、及びエタノール分離ステップからなる。
【0029】
酢酸メチル合成ステップでは、ジメチルエーテルのカルボニル化反応により酢酸メチルを含有する酢酸メチル含有ガスを合成する。
この反応は、ジメチルエーテルの増炭反応であり、下記(1)式で示される。
CHOCH+CO→CHCOOCH・・・(1)
【0030】
この酢酸メチル合成ステップにおいて、ジメチルエーテルと一酸化炭素を触媒の存在下で気相反応させる。また、423〜523Kの反応温度と、10〜20barの反応圧力を保持する。
触媒には、ゼオライトを用いるのがよく、さらに好ましくは、H−MORを用いるのがよい。
【0031】
エタノール含有ガス合成ステップでは、酢酸メチルの水素化反応によりエタノールを含有するエタノール含有ガスを合成する。
この反応は、酢酸メチルの水素化反応であり、下記(2)式で示される。
CHCOOCH+2H→COH+CHOH・・・(2)
【0032】
このエタノール含有ガス合成ステップにおいて、酢酸メチルと水素を触媒の存在下で気相反応させる。また、473〜573Kの反応温度を保持する。
触媒には、Cu/SiO触媒を用いるのがよく、さらに好ましくは、20wt%Cu/SiO触媒を用いるのがよい。
【0033】
エタノール分離ステップでは、エタノール含有ガスからエタノールを分離する。
【0034】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0035】
(DMEのカルボニル化反応)
エタノール合成の第一段階であるDMEのカルボニル化について実験により確認した結果を以下に示す。DMEをカルボニル化して酢酸メチルを合成する触媒として、次のゼオライトを用いて実験を行った。
ゼオライト(3種類):H−BEA25、H−ZSM5、H−MOR
【0036】
図2は、DMEのカルボニル化反応試験の装置構成図である。この図において、20は反応器、21は原料ガス、22はガス混合器、23はマスフローコントローラ、24a,24bは圧力計、31は圧力調節弁、32は切換弁、33は冷却トラップ、34はガスクロマトグラフィーである。
【0037】
実験は、ステンレス製の小型反応器20(外径9.5mm)を用いて行った。触媒(0.5g、125−250μm)は、Nガス中、773K(2hr)で前処理をした後、反応温度(420〜513K)まで降温した。その後、原料として、2wt%DME、93vol%CO(およびAr)を反応器20に導入した。
【0038】
触媒層出口のガスは、TCD型のガスクロマトグラフィー34(充填剤:Active Carbon)を用いて分析した。生成した液体成分は、冷却トラップ33で回収後、FID型のガスクロマトグラフィー(充填剤:Gaskuropack 54、Porapak N)を用いて分析した。液体成分の分析には、メタネーターを使用し、1−butanolを溶媒に、1−propanolを内部標準物質に使用した。
【0039】
反応条件は、以下の通りである。
触媒:H−BEA25(Si/Al=12.5)、H−MOR(Si/Al=9.9)、H−ZSM−5(Si/Al=22)
反応温度:423〜523K
反応圧: 10〜15bar
反応時間:2〜3hr
原料供給量:20cc/min(CO+DME+Ar)
原料中CO:DME比率:CO:DME=49:1〜10:1
ここで、Si/Alはゼオライト中に含まれるシリコンとアルミニウムのモル比である。
【0040】
(実験結果)
実験をした3種類のゼオライトのうち、H−BEA25およびH−ZSM−5では、カルボニル化は進行せず、H−MORでののみ、目的とする反応が選択的に進行することを確認した。
【0041】
表1に、H−MOR触媒上でのDMEのカルボニル化反応を、原料中のCO:DME比率を変化させて調べた結果を示す。DMEの転化率は、CO:DMEの比率が高いほど、増加することが明らかとなった。またこのことから、H−MOR触媒上で、DMEのカルボニル化が進行していることが確認された。また、反応ガス中に、酢酸エチルが生成していることも確認された。
【0042】
【表1】

【実施例2】
【0043】
(酢酸エチルの水素化反応)
酢酸エチルの水素化によるエタノール合成についても、同じく、実験により確認した。
図3は、酢酸メチルの水素化反応試験の装置構成図である。この図において、40は反応器、41は原料ガス、42は酢酸メチル混合器、43はマスフローコントローラ、44は圧力計である。
【0044】
触媒としては、20wt%Cu/SiOを使用した(0.5g)。触媒を、反応器40中、573K(2hr)、水素気流にて還元処理した。その後、続いて、酢酸メチルの蒸気を水素と共に、反応器40に導入した(反応圧:1bar)。
触媒層出口のガスは、TCD型のガスクロマトグラフィー34(充填剤:Active Carbon)を用いて分析した。生成した液体成分は、冷却トラップ33で回収後、FID型のガスクロマトグラフィー(充填剤:Gaskuropack 54、Porapak N)を用いて分析した。液体成分の分析には、メタネーターを使用し、1−butanolを溶媒に、1−propanolを内部標準物質に使用した。
【0045】
(触媒調製方法)
触媒として用いた20wt%Cu・SiOの調製方法は以下の通りである。
Cu/SiO触媒は、硝酸銅(Cu(NO・3HO水溶液)とSiO担体(20−40mesh)を用いて、含浸法により調製した。SiO担体の比表面積は、120m/g、細孔容積は、1.24cc/gである。SiO担体は、予め、マッフル炉中、673K、2hrで熱処理を行い、余分な吸着水分や有機物を除去したものを使用した。又、硝酸銅水溶液は、Cu担持量が20wt%になるように、予め濃度を調製したものを用いた。
硝酸銅を含浸した後の触媒前駆体は、393K(12hr)で乾燥し、その後、空気中、673K(2hr)で焼成した。最終的には、100%水素気流中で、573Kにて還元処理を行い、その後、1vol%酸素(窒素キャリア)中で、不動態化処理を行った。
【0046】
(実験結果)
表2に実験結果をまとめて示す。反応温度が553K以上では、反応生成物として、エタノール、メタノールおよび酢酸エチルが生成することが確認された。酢酸メチルの転化率は、反応温度が低下すると低下し、反応温度523K以下では、生成物は確認されなかった。以上の結果から、Cu/SiO触媒を使用して、酢酸メチルからエタノールを合成することが可能であることが示された。
【0047】
【表2】

【実施例3】
【0048】
(DMEからのエタノール合成)
次に、DMEのカルボニル化による酢酸メチル合成および酢酸メチルの水素化によるエタノール合成反応を結合して、一貫したプロセスとしての成立性を確認した実験結果を示す。
【0049】
図4は、DMEからのエタノール合成試験の装置構成図である。
まず、DMEの選択カルボニル化反応を、ゼオライト触媒上で実施し、その生成ガス中に、水素を添加して、20wt%Cu/SiO触媒上で水素化反応を行った。カルボニル化反応は、温度473K、圧力10〜15barの条件(ゼオライト)で行い、水素化反応は、温度573K、圧力1barの条件(20%wtCu/SiO)にて行った。触媒層出口の生成ガスおよび液体成分の分析方法は、上述した方法と同じ方法を用いた。
【0050】
(実験結果)
表3に実験結果をまとめて示す。この結果により、DMEのカルボニル化による酢酸メチルの合成、および酢酸メチルの水素化によるエタノールの合成を一貫したプロセスで行うことが確認された。なお、この表において、*印は圧力20bar、その他は13barである。
【0051】
【表3】

【0052】
上述したように本発明の方法及び装置によれば、ジメチルエーテルを原料として、酢酸メチル合成装置12による酢酸メチル含有ガスの合成と、エタノール含有ガス合成装置13によるエタノール含有ガスの合成を経て、エタノール分離装置によるエタノールの分離により、エタノールを合成することができる。
【0053】
また、ジメチルエーテルは、木材ピッチ、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、バイオマスなどの様々な原料をガス化や改質して得られる合成ガス(水素、一酸化炭素を主成分)からガス化炉10A等を用いて合成できるため、本発明により、多種多様な化石燃料やバイオマス原料からエタノールを合成できることとなる。
【0054】
また、本発明は、ジメチルエーテルのカルボニル化(ジメチルエーテルと一酸化炭素の反応)、および生成した酢酸メチルの水素化によるエタノール合成を、それぞれの反応に高い効率を示す触媒上で進行させるために、最終的に高いエタノール合成効率を得ることが可能である。
【0055】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のエタノール合成装置のブロック図である。
【図2】DMEのカルボニル化反応試験の装置構成図である。
【図3】酢酸メチルの水素化反応試験の装置構成図である。
【図4】DMEからのエタノール合成試験の装置構成図である。
【符号の説明】
【0057】
10 ジメチルエーテル合成装置、10A ガス化炉、10B DME合成設備、
12 酢酸メチル合成装置、13 エタノール含有ガス合成装置、
20 反応器、21 原料ガス、22 ガス混合器、
23 マスフローコントローラ、24a,24b 圧力計、
31 圧力調節弁、32 切換弁、33 冷却トラップ、
34 ガスクロマトグラフィー、
40 反応器、41 原料ガス、42 酢酸メチル混合器、
43 マスフローコントローラ、44 圧力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジメチルエーテルのカルボニル化反応により酢酸メチルを含有する酢酸メチル含有ガスを合成する酢酸メチル合成ステップと、
酢酸メチルの水素化反応によりエタノールを含有するエタノール含有ガスを合成するエタノール含有ガス合成ステップと、
前記エタノール含有ガスからエタノールを分離するエタノール分離ステップとを有する、ことを特徴とするエタノール合成方法。
【請求項2】
前記酢酸メチル合成ステップにおいて、ジメチルエーテルと一酸化炭素を触媒の存在下で気相反応させる、ことを特徴とする請求項1に記載のエタノール合成方法。
【請求項3】
前記酢酸メチル合成ステップの触媒は、H−MORゼオライトである、ことを特徴とする請求項2に記載のエタノール合成方法。
【請求項4】
前記酢酸メチル合成ステップにおいて、423〜523Kの反応温度と、10〜20barの反応圧力を保持する、ことを特徴とする請求項1に記載のエタノール合成方法。
【請求項5】
前記酢酸メチル合成ステップにおいて、原料中CO:DME比率は、CO:DME=49:1〜10:1である、ことを特徴とする請求項1に記載のエタノール合成方法。
【請求項6】
前記エタノール含有ガス合成ステップにおいて、酢酸メチルと水素を触媒の存在下で気相反応させる、ことを特徴とする請求項1に記載のエタノール合成方法。
【請求項7】
前記エタノール含有ガス合成ステップにおいて、523〜573Kの反応温度を保持する、ことを特徴とする請求項1に記載のエタノール合成方法。
【請求項8】
ジメチルエーテルのカルボニル化反応により酢酸メチルを含有する酢酸メチル含有ガスを合成する酢酸メチル合成装置と、
酢酸メチルの水素化反応によりエタノールを含有するエタノール含有ガスを合成するエタノール含有ガス合成装置と、
前記エタノール含有ガスからエタノールを分離するエタノール分離装置とを備える、ことを特徴とするエタノール合成装置。
【請求項9】
木材ピッチ、石炭、天然ガス、石油残渣、重質油、又はバイオマスを原料として一酸化炭素と水素の混合ガスを合成し、これからジメチルエーテルを含有するジメチルエーテル含有ガスを合成するジメチルエーテル合成装置を更に備える、ことを特徴とする請求項8に記載のエタノール合成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−239539(P2008−239539A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81397(P2007−81397)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(305060567)国立大学法人富山大学 (194)
【Fターム(参考)】