説明

エチレン−テトラフルオロエチレンホスフェート組成物

式(I)又は(II):
【化1】


(式中、
Aは、Rf−(CH2k−[(CF2CF)y−(CH2CH2zmOであり、炭素数約8〜約22であり、
fは、Cn2n+1であり、
nおよびkは、それぞれ独立して1〜約6であり、
y、zおよびmは、それぞれ独立して1、2、3又はこれらの混合であり、
wは、1又は2又はこれらの混合であり、
Mは、水素、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、又はアルカノールアンモニウムイオンである)
の化合物を含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリフッ素化(polyfluorinated)化合物の分野、特に、エチレン−テトラフルオロエチレン部分を含有するフルオロホスフェート、並びに、界面活性剤としての、およびコーティング用の添加剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリフッ素化組成物は、様々な表面処理材料の調製に使用されている。過フッ素化(perfluorinated)組成物から製造された様々な材料は、界面活性剤又は基材に表面効果を付与する処理剤として有用であることが知られている。表面効果としては、水分、汚れ、および染みをはじく性質、並びに、繊維基材および硬質表面などの他の基材に特に有用な他の効果が挙げられる。多くのこのような界面活性剤および処理剤は、フッ素化(fluorinated)ポリマー又はコポリマーである。
【0003】
米国特許第3,956,000号明細書には、パーフルオロエチルアイオダイド又は1,2−ジヨードテトラフルオロエチレンをテトラフルオロエチレンと、および任意に比較的少量のクロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ヨードトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、1,1−ジフルオロエチレン又はエチレンとテロメル化し、反応媒体として純粋な水相を使用すると共に特定の撹拌エネルギーを加える乳化法を使用することによって、分子量10,000〜200,000のフルオロカーボンワックスを製造することが開示されている。15%以下のテロゲンと少なくとも85%のオレフィンを使用することが開示されている。この方法では、分子量2,000未満の有用なアイオダイドオリゴマーが得られない。この特許には、テトラフルオロエチレンとエチレンをオリゴマー化して短鎖オリゴマーアイオダイド又は対応するアルコール若しくはチオールなどの他の有用なオリゴマー誘導体を製造することは開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
界面活性剤および表面保護製品に対する顧客の要件は絶えず変化しており、新規で費用効果が高く環境にやさしい化学的中間体や化学製品が引き続き必要とされている。業界では、環境に対する影響が最小限で、よりフッ素効率の高い化合物が常に探求されている。特に、高価なフルオロカーボン部分の幾つかを比較的安価で比較的容易に生分解する部分で置換した短鎖フルオロケミカル基を含有する界面活性剤および表面処理剤が必要とされている。本発明は、このような界面活性剤および表面処理剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(I)又は(II):
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、
Aは、Rf−(CH2k−[(CF2CF)y−(CH2CH2zmOであり、炭素数約8〜約22であり、
fは、Cn2n+1であり、
nおよびkは、それぞれ独立して1〜約6であり、
y、zおよびmは、それぞれ独立して1、2、3又はこれらの混合であり、
wは、1又は2又はこれらの混合であり、
Mは、水素、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、又はアルカノールアンモニウムイオンである)
を含む化合物を含む。
【0008】
本発明は、更に、液体に式(I)又は(II)の化合物又はこれらの混合物を添加する工程を含む、液体の表面の性質を変化させる方法を含む。
【0009】
本発明は、更に、基材に堆積する前に、コーティング組成物に式(I)又は(II)の1種類以上の化合物又はこれらの混合物を含む組成物を添加する工程を含む、コーティング組成物が堆積される基材に耐ブロッキング性およびレベリングを付与する方法を含む。
【0010】
本発明は、更に、式(I)又は(II)の1種類以上の化合物又はこれらの混合物を含む組成物が塗布された基材を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、商標は大文字で示す。
【0012】
本発明は、処理される基材に表面特性を付与する界面活性剤又は表面処理剤として有用な水性フッ素化化合物を含む。本発明の化合物は、また、液体およびコーティング組成物の添加剤としても有用であり、このような組成物でコーティングされる基材に、ある一定の表面特性を付与する。本発明の他の実施形態は、基材を処理して表面効果を付与する方法、および改善された表面特性を有する基材を含む。
【0013】
本発明は、式(I)又は(II):
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、
Aは、Rf−(CH2k−[(CF2CF)y−(CH2CH2zmOであり、炭素数約8〜約22であり、
fは、Cn2n+1であり、
nおよびkは、それぞれ独立して1〜約6であり、
y、zおよびmは、それぞれ独立して1、2、3又はこれらの混合であり、
wは、1又は2又はこれらの混合であり、
Mは、水素、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、又はアルカノールアンモニウムイオンである)
の化合物を含む。
【0016】
本発明の一実施形態は、式(I)又は(II)(式中、Rfは炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4であり、y、zおよびmは、それぞれ1〜2、好ましくはそれぞれ1である)の組成物である。他の特定の実施形態は、Mがアンモニウムイオン又はアルカノールアンモニウムイオンである組成物である。本発明の別の実施形態は、式(I)(式中、xは1である)のモノ(フルオロアルキル)ホスフェート約15〜80モル%と、式(I)(式中、xは2である)のビス(フルオロアルキル)ホスフェート約20〜約85モル%の混合物を含む。これらの特定の組成物は、本明細書に記載の塗布方法および処理された基材を含む本発明の他の全ての実施形態に有用である。
【0017】
式(I)および(II)のフルオロアルキルホスフェートは、五酸化リン経路を使用する米国特許第4,064,067号明細書および米国特許第2,597,702号明細書によって、又は、オキシ塩化リン経路を使用する米国特許第6,271,289号明細書および米国特許第3,083,224号明細書によって記載されている方法に従って調製され、これらの特許はそれぞれ参照により本明細書に援用される。典型的には、五酸化リン(P25)又はオキシ塩化リン(POCl3)のどちらかを、フルオロアルキルアルコール又はフルオロアルキルチオールと反応させて、モノ(フルオロアルキル)リン酸とビス(フルオロアルキル)リン酸の混合物を得る。水酸化アンモニウム若しくは水酸化ナトリウムなどの一般的な塩基、又は、例えば、ジエタノールアミン(DEA)などのアルカノールアミンを使用して中和することにより、対応するリン酸塩が得られる。過剰のフルオロアルキルアルコール又はフルオロアルキルチオールをP25と反応させた後、中和することによって、モノ(フルオロアルキル)ホスフェートとビス(フルオロアルキル)ホスフェートの混合物を得る。対応する亜リン酸塩組成物およびホスフィン酸塩組成物は類似の方法で得られる。
【0018】
次いで、得られる組成物を水、水と溶媒の混合物で希釈するか、又は、基材に最終的に塗布するための溶媒(以下、「塗布溶媒」)として適している単純なアルコールおよびケトンを含む群から選択される溶媒中に更に分散若しくは溶解させる。あるいは、蒸発により溶媒を除去すること、および当業者に既知の乳化法又は均質化法の使用により、界面活性剤を用いて従来の方法で製造される水性分散体を調製する。このような溶媒非含有エマルションは、可燃性および揮発性有機化合物(VOC)の問題を最小限にするのに好ましい場合がある。基材に塗布される最終製品は、分散体(水性である場合)であっても又は溶液であってもよい。
【0019】
本発明のホスフェート化合物の調製に有用な具体的なフッ素化アルコールを表1に記載する。
【0020】
【表1】

【0021】
本発明の化合物を生成するのに有用な具体的なフッ素化チオールとしては、上記の表1Aに記載されたアルコールの、OHの代わりにSHを有する類似体が挙げられる。
【0022】
本発明の式(I)および(II)の化合物の調製に使用されるアルコールは、オレウム処理および加水分解を使用して、対応するオリゴマーアイオダイドから調製される。例えば、約60℃で約1.5時間オレウム(15%SO3)と反応させた後、氷冷した希K2SO3溶液を使用して加水分解し、次いで、約100℃に約30分間加熱することによって、満足な結果が得られることが分かった。しかし、また他の反応条件を使用してもよい。周囲室温に冷却した後、固体を沈殿させ、単離し、精製する。例えば、その後、液体をデカントし、固体をエーテルに溶解させ、飽和NaCl水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、減圧乾燥させる。他の従来の精製法を使用してもよい。
【0023】
あるいは、本発明の化合物の調製に使用されるアルコールは、オリゴマーアイオダイド(Cn2n+124I、Cn2n+1CH2I、又はCn2n+1I)をN−メチルホルムアミドと共に約150℃に加熱し、約19時間維持することによって調製されてもよい。反応混合物を水で洗浄し、残留物を得る。この残留物とエタノールおよび濃塩酸の混合物を約2.5時間穏やかに(浴温約85℃で)還流させる。反応混合物を水で洗浄し、ジクロロメタンで希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。ジクロロメタン溶液を濃縮し、減圧蒸留し、アルコールを得る。任意に、N−メチルホルムアミドの代わりに、N,N−ジメチルホルムアミドを使用してもよい。他の従来の精製法を使用してもよい。
【0024】
本発明の化合物の調製に使用されるチオール、Cn2n+1(CH2x[(CF2CF2y(CH2CH2zmSH(式中、m、n、x、yおよびzは、式(I)に関して前述した通りである)は、文献の方法(Rondestvedt,C.S.,Jr.;Thayer,G.L.,Jr.J.Org.Chem.1977,42,2680)に従って、オリゴマーアイオダイド(Cn2n+124I、Cn2n+1CH2I、又はCn2n+1I)から、チオ尿素と反応させた後、チオウロニウム塩を加水分解することによって調製される。典型的には、オリゴマーアイオダイドをチオ尿素と共にエタノール中で約36時間還流させ、水酸化ナトリウムを使用して加水分解し、対応するオリゴマーチオールを得る。あるいは、エタノール中でNaSHを使用して置換反応を行うことにより、この変換を行ってもよい。
【0025】
前述のアルコールおよびチオールの調製に使用されるアイオダイドは、好ましくは、エチレン(ET)とテトラフルオロエチレン(TFE)の混合物を使用して、Cn2n+124I、Cn2n+1CH2I又はCn2n+1Iをオリゴマー化することによって調製される。反応は、室温〜約150℃の任意の温度で、適したラジカル開始剤を用いて行うことができる。好ましくは、反応は、約40℃〜約100℃の温度で、この範囲で約10時間の半減期を有する開始剤を用いて行われる。気相中の出発物質の供給比、即ち、Cn2n+124I、Cn2n+1CH2I又はCn2n+1Iのモル数、対、エチレンとテトラフルオロエチレンの合計のモル数を使用して、反応の転化率を制御してもよい。このモル比は、約1:3〜約20:1、好ましくは約1:2〜約5:1である。エチレン対テトラフルオロエチレンのモル比は、約1:10〜約10:1、好ましくは約3:7〜約7:3、より好ましくは約4:6〜約6:4である。
【0026】
また、最大の収量、生産性、又は製品品質を得るために、前述の方法のいずれか又は全てに多くの変更を行い、反応条件を最適化し得ることが当業者には明らかである。
【0027】
本発明は、塩基、好ましくはジアルカノールアミン塩基などのアミンで中和された式(I)又は(II)の水性アニオン性化合物の混合物を含む水性フッ素化混合物を含む。組成物は、pH約5〜約10、好ましくは約6〜約9、最も好ましくは約6〜約8に中和される。
【0028】
フルオロアルコール又はフルオロチオール、酸、および塩基の様々なモル比をフォーマット(a:1:b)で識別することができる:従って、(2:1:1)塩は、例えば、ビス(フルオロアルキル)ホスフェートアミン塩であり、(1:1:2)塩は、例えば、フルオロアルキルホスフェートビス(アミン塩)であり、(1:1:1)塩は、例えば、フルオロアルキルホスフェートアミン塩である。好ましくは、(2:1:1)塩は、ビス(フルオロアルキル)ホスフェートジエタノールアミン塩であり、(1:1:2)塩は、フルオロアルキルホスフェートビス(ジエタノールアミン塩)であり、(1:1:1)塩は、フルオロアルキルホスフェートジエタノールアミン塩である。
【0029】
反応生成物はフッ素化スルホネート界面活性剤であり、これは表面張力を低下させ、耐ブロッキング性、向上した隠蔽力(レベリング)、延展、濡れ性、浸透性、抑泡、分散性、および撥水撥油性などの改善された表面効果を付与する。これらの改善された表面効果は、インキ、塗料、およびワニス等の水性コーティングを含む多くの産業用途に有利である。
【0030】
本発明は、更に、媒体に前述の式(I)、(II)の化合物又はこれらの混合物を添加する工程を含む、媒体、典型的には液体の表面張力を低下させる方法を含む。本発明の界面活性剤は、様々な媒体の表面張力を低下させるのに有効である。好適な媒体の例としては、例えば、コーティング組成物、ラテックス、ポリマー、床仕上剤、インク、乳化剤、発泡剤、離型剤(release agent)、撥水撥油剤(repellency agent)、流れ調整剤、皮膜蒸発抑制剤(film evaporation inhibitor)、湿潤剤、浸透剤、クリーナー、研削剤(grinding agent)、電気めっき剤、腐食防止剤、エッチング液、半田剤(soldering agent)、分散助剤、微生物剤、パルプ剤、すすぎ助剤(rinsing aid)、艶出剤、パーソナルケア組成物、乾燥剤、帯電防止剤、床磨き剤、又は結合剤が挙げられる。本発明の組成物を媒体に添加すると、本発明の組成物の界面活性特性のため、媒体の表面張力が低下する。本発明の組成物は、通常、単に媒体とブレンドされるか又は媒体に添加される。これらの界面活性剤は、水、水溶液、および水性エマルションの表面張力を低下させるのにとりわけ適している。液体中の式(I)又は(II)の化合物約0.01重量%未満といった低濃度で有効である。本発明の式(I)又は(II)の界面活性剤は両性であるため、広いpH範囲で有効である。好ましくは、pHは約4より大きい。
【0031】
本発明は、更に、上記に定義した式(I)又は(II)の化合物を液体に添加する工程を含む、液体の表面の性質を変化させる方法を含む。様々な表面の性質が含まれる。例としては、濡れ、浸透、延展、レベリング、流動、乳化、安定化、および湿潤液体中での分散がある。他の例としては、処理された基材上での乾燥コーティング組成物におけるブロッキング防止、撥水撥油性(repellency)、および、防汚(releasing)が挙げられる。従って、式(I)又は(II)の界面活性剤は、様々な最終用途に有用である。
【0032】
本発明は、更に、基材に堆積する前に、上記の式(I)又は(II)又はこれらの混合物の組成物をコーティング組成物に添加する工程を含む、コーティング組成物が堆積される基材に表面特性を付与する方法を含む。本発明の式(I)又は(II)の化合物は、コーティング、塗料、顔料、ワニス、仕上剤、床用ワックス又は仕上剤、インキおよび染料に使用するのに適している。付与される表面効果としては、向上した隠蔽力、レベリング、ブロッキング防止、へこみ防止、汚れの抑制、撥水撥油性、濡れ、分散、耐ブロッキング性、発色、および顔料の浮きまだらの問題の抑制が挙げられる。
【0033】
本発明の界面活性剤と共に使用するのに適した特定のコーティング組成物(本明細書では「コーティングベース」の用語で称される)としては、アルキドコーティング、タイプIウレタンコーティング、不飽和ポリエステルコーティング、又は水分散コーティングの組成物、典型的には液体配合物が挙げられ、これらは基材表面に耐久性皮膜を作り出す目的で、基材に塗付される。これらは、従来の塗料、ステイン、および類似のコーティング組成物である。
【0034】
「アルキドコーティング」の用語は、本明細書で使用する場合、アルキド樹脂をベースにする従来の液体コーティング、典型的には塗料、透明塗料又はステインを意味する。アルキド樹脂は、不飽和脂肪酸残基を含有する複雑な分岐・架橋ポリエステルである。従来のアルキドコーティングは、バインダー又は皮膜形成成分として、硬化性又は乾性アルキド樹脂を使用する。アルキド樹脂コーティングは、乾性油から誘導された不飽和脂肪酸残基を含有する。これらの樹脂は、酸素又は空気の存在下で自発的に重合し、固い保護膜を形成する。重合は、「乾燥」又は「硬化」と称され、大気中の酸素による油の脂肪酸成分中の不飽和炭素−炭素結合の自動酸化の結果として起こる。配合されたアルキドコーティングの薄い液層として表面に塗布されるとき、形成する硬化膜は比較的硬質で、非溶融性であり、未酸化アルキド樹脂又は乾性油の溶媒若しくは希釈剤の役割をする多くの有機溶媒に実質的に不溶である。このような乾性油は、油性コーティングの原料として従来使用され、文献に記載されている。
【0035】
「ウレタンコーティング」の用語は、以下で使用する場合、タイプIウレタン樹脂をベースにする従来の液体コーティング、典型的には塗料、透明塗料、又はステインを意味する。ウレタンコーティングは、典型的にはポリイソシアネート(通常はトルエンジイソシアネート)と乾性油の酸の多価アルコールエステルとの反応生成物を含有する。ウレタンコーティングは、ASTM D−1により5つのカテゴリーに分類される。タイプIウレタンコーティングは、前述のSurface Coatings Vol.1に記載の予備反応した自動酸化性バインダーを含有する。これらはウラルキド、ウレタン変性アルキド、油変性ウレタン、ウレタン油、又はウレタンアルキドとしても知られ、ポリウレタンコーティングの最大のカテゴリーであり、これらには塗料、透明塗料、又はステインが含まれる。バインダー中の不飽和乾性油残基の空気酸化および重合によって、硬化したコーティングが形成される。
【0036】
「不飽和ポリエステルコーティング」の用語は、以下で使用する場合、モノマー中に溶解し、必要に応じて開始剤と触媒を含有する不飽和ポリエステル樹脂をベースにする従来の液体コーティング、典型的には塗料、透明塗料又はゲルコート配合物を意味する。不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和プレポリマーとして、1,2−プロピレングリコール又は1,3−ブチレングリコールなどのグリコールと、酸無水物の形態のマレイン酸(又は、マレイン酸と、飽和酸、例えば、フタル酸)などの不飽和酸との重縮合から得られる生成物を含有する。不飽和プレポリマーは、鎖中に不飽和を含有する直鎖ポリマーである。これは、例えば、スチレンなどの適したモノマー中に溶解し、最終樹脂を生成する。フリーラジカル機構による直鎖ポリマーとモノマーとの共重合により皮膜が形成される。熱により、又は、より一般的には、別々に包装され使用前に添加される過酸化ベンゾイルなどの過酸化物の添加によりフリーラジカルを発生させることができる。このようなコーティング組成物は、「ゲルコート」仕上剤と称されることが多い。室温でコーティングを硬化させるために、過酸化物のフリーラジカルへの分解をある一定の金属イオン、通常はコバルトで触媒する。塗布する前に、過酸化物とコバルト化合物の溶液を混合物に別々に添加し、十分撹拌する。フリーラジカル機構によって硬化する不飽和ポリエステル樹脂も、例えば、紫外線を使用する放射線硬化に適している。熱が発生しないこの硬化形態は、木材又は板の皮膜に特に適している。例えば、電子線硬化などの他の放射線源も使用される。
【0037】
「水分散コーティング」の用語は、本明細書で使用される時、水相中に分散した皮膜形成材料の乳濁液、ラテックス、又は懸濁液などの、水を必須分散成分として構成される基材の装飾又は保護を目的としたコーティングを意味する。「水分散コーティング」は、多数の配合物を表す一般的な分類であり、他の分類の要素と同様に前述の分類の要素を含む。水分散コーティングは、一般に、他の一般的なコーティング成分を含有する。水分散コーティングの例としては、ラテックス塗料などの顔料コーティング、ウッドシーラー、ステイン、および仕上剤などの非顔料コーティング、メーソンリーおよびセメント用のコーティング、並びに水をベースにするアスファルト乳剤が挙げられるが、これらに限定されない。水分散コーティングは、任意に、界面活性剤、保護コロイドおよび増粘剤、顔料および体質顔料、防腐剤、殺真菌剤、凍解安定剤、消泡剤、pH調整剤、融合助剤(coalescing aids)、および他の成分を含有する。ラテックス塗料では、皮膜形成材は、アクリレート、アクリル、ビニル−アクリル、ビニル、又はこれらの混合物のラテックスポリマーである。このような水分散コーティング組成物は、C.R.Martensによって「Emulsion and Water−Soluble Paints and Coatings」(Reinhold Publishing Corporation, New York, NY, 1965)に記載されている。
【0038】
「乾燥コーティング」の用語は、本明細書で使用される時、コーティング組成物が乾燥、固化又は硬化した後に得られる最終的な装飾および/又は保護皮膜を意味する。このような最終皮膜は、例えば、硬化、融合(coalescing)、重合、相互侵入、放射線硬化、紫外線硬化、又は蒸発によって得ることができるが、これらに限定されない。最終皮膜は、また、ドライコーティングにおけるように乾燥した最終的な状態で塗布することもできる。
【0039】
ブロッキングは、コーティングされた2つの表面が押し合わせられたときの、又は長時間互いに接触して配置されたときの望ましくない付着である。ブロッキングが起こったとき、表面を分離させると、その結果、一方又は両方の表面のコーティングが破壊する可能性がある。従って、耐ブロッキング性の改善は、例えば、窓枠におけるように、コーティングされた2つの表面が接触していなければならない多くの場合に有利である。
【0040】
上記に定義した式(I)又は(II)の本発明の組成物は、コーティングベースの添加剤として使用されるとき、室温又は周囲温度で入れて完全に撹拌することにより、コーティングベース又は他の組成物に有効に導入される。振盪機を使用すること又は熱を加えること又は他の方法などの、より入念な混合を使用してもよい。このような方法は必要ではなく、最終組成物を実質的に改善しない。本発明の組成物は、ラテックス塗料の添加剤として使用されるとき、一般に、湿潤塗料中に本発明の組成物の乾燥重量で約0.001重量%〜約5重量%添加される。好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%が使用される。
【0041】
床用ワックス、磨き剤、又は仕上剤(以下、「床仕上剤」)は、一般に、水ベース又は溶媒ベースのポリマーエマルションである。本発明の式Iの界面活性剤は、このような床仕上剤に使用するのに好適である。市販の床仕上剤組成物は、典型的には、1つ以上の有機溶媒、可塑剤、コーティング助剤、消泡剤、界面活性剤、ポリマーエマルション、金属錯化剤、およびワックスを含む水性エマルションベースのポリマー組成物である。通常、ポリマーの粒度範囲および固形分を調整して、製品粘度、皮膜硬度、および耐劣化性を調整する。極性基を含有するポリマーは、溶解度を高める機能をし、また、高光沢および反射像の明瞭さなどの良好な光学的特性を付与する湿潤剤又はレベリング剤の役割を果たし得る。
【0042】
床仕上剤に使用するのに好ましいポリマーとしては、アクリルポリマー、環状エーテルから誘導されるポリマー、およびビニル置換芳香族化合物から誘導されるポリマーが挙げられる。アクリルポリマーとしては、様々なポリ(アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート)、ヒドロキシル置換ポリ(アルキルアクリレート)、およびポリ(アルキルメタクリレート)が挙げられる。床仕上剤に使用される市販のアクリル共重合体としては、例えば、メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/メタクリル酸(MMA/BA/MAA)共重合体;メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸(MMA/BA/AA)共重合体等が挙げられる。市販のスチレン−アクリル共重合体としては、スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/メタクリル酸(S/MMA/BA/MMA)共重合体;スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸(S/MMA/BA/AA)共重合体等が挙げられる。環状エーテルから誘導されるポリマーは、通常、環の炭素数が2〜5であり、環上に任意のアルキル置換基を有する。例としては、様々なオキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、トリオキサンおよびカプロラクトンが挙げられる。ビニル置換芳香族化合物から誘導されたポリマーとしては、例えば、スチレン、ピリジン、共役ジエンから製造されたもの、およびこれらの共重合体が挙げられる。ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリシロキサンもまた床仕上剤に使用される。
【0043】
床仕上剤に使用されるワックス又はワックスの混合物としては、植物、動物、合成および/又は鉱物起源のワックスが挙げられる。代表的なワックスとしては、例えば、カルナバ、カンデリラ、ラノリン、ステアリン、蜜蝋、酸化ポリエチレンワックス、ポリエチレンエマルション、ポリプロピレン、エチレンとアクリルエステルの共重合体、硬化ヤシ油又は大豆油、および、パラフィン又はセレシンなどのミネラルワックスが挙げられる。ワックスは、典型的には、仕上剤組成物の重量を基準にして0〜約15重量%、好ましくは約2〜約10重量%の範囲である。
【0044】
前述の式(I)、(II)の本発明の組成物又はこれらの混合物は、床磨き剤への添加剤として使用されるとき、室温又は周囲温度で入れて完全に攪拌することにより、組成物に有効に導入される。振盪機を使用すること又は熱若しくは他の方法の提供することなどの、より入念な混合を使用することができる。本発明の組成物は、床磨き剤への添加剤として使用されるとき、一般に湿潤組成物中に本発明の組成物の乾燥重量で約0.001重量%〜約5重量%添加される。好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%が使用される。
【0045】
式(I)、(II)の化合物又はこれらの混合物は他の多くの用途に有用である。幾つかの用途の例としては、以下のものが挙げられる。
【0046】
本発明の化合物は、例えば、湿潤剤、乳化剤、および/又は分散体として消火組成物に使用するのに好適である。それらは、また、水成膜形成性消火剤の成分として、エアゾールタイプの消火器の粉末消火剤の添加剤として、およびスプリンクラーの水用の湿潤剤としても有用である。
【0047】
本発明の化合物は、農業用組成物に使用するのに好適である。例としては、除草剤(herbicides)、殺真菌剤、殺草剤(weed killers)、殺寄生虫剤、殺虫剤、殺病原菌剤(germicides)、殺菌剤(bactericides)、殺線虫剤、殺微生物剤(microbiocides)、枯葉剤(defolients)、肥料およびホルモン成長調整剤用の湿潤剤、乳化剤および/又は分散剤としての使用が挙げられる。式(I)(II)の化合物は、また、葉用の、家畜浸液用の、および家畜の皮膚を濡らすための湿潤剤として;消毒、変色、および洗浄組成物の成分として;および、昆虫忌避組成物にも好適である。本発明の化合物は、また、紙および合板ベニア製造用の湿潤剤、乳化剤、および/又は分散剤としても有用である。本発明の化合物は、また、紙、木材、皮革、皮膚、金属、テキスタイル、石、およびタイル用の撥脂剤/撥油剤として、および防腐剤含浸用の浸透剤としても好適である。
【0048】
本発明の化合物は、また、重合反応、特にフルオロモノマーの重合用の湿潤剤、乳化剤、および/又は分散剤として使用するのにも好適である。これらの化合物は、また、プラスチックおよびゴム産業で、ラテックス安定剤として;展着、はじき、および端縁の盛り上がりを制御するために泡塗布用の添加剤として;および発泡剤として、離型剤又は脱型剤として;ポリオレフィン用の内部用帯電防止剤およびブロッキング防止剤として;ホットメルトの押出、展延、均一性、窪み防止を調節するのための流動調整剤として;および、可塑剤の移行又は揮散の遅延剤としても好適である。
【0049】
本発明の化合物は、更に、石油産業で、油井処理、および掘穿泥水用の湿潤剤として;ガソリン、ジェット燃料、溶剤、炭化水素用の皮膜蒸発抑制剤として;潤滑剤又は浸透時間を改善するための切削油向上剤として;流出油回収剤(oil spill collecting agent)として;および、三次油井回収を改善するための添加剤として使用するのに好適である。
【0050】
本発明の化合物は、更に、テキスタイルおよび皮革産業で、湿潤剤、消泡剤、浸透剤又は乳化剤として;又は、テキスタイル、不織布および皮革処理用の潤滑剤として;展延および均一性のための繊維仕上剤用に;染色用の湿潤剤として;不織布のバインダーとして;および、漂白剤用の浸透添加剤として好適である。
【0051】
本発明の化合物は、更に、改善された表面効果を提供するために、鉱業および金属工業に、薬品工業、自動車、ビルメンテナンスおよびクリーニングに、家庭用品、化粧品および個人用品に、並びに写真技術およびグラフィックアートに使用するのに適している。
【0052】
本発明の組成物は、液体の表面張力を変化させる界面活性剤として有用である。この結果、液体の様々な表面特性が変化する。従来の界面活性剤と比較して低いフッ素濃度を使用してこれらの特性が得られ、処理された表面の保護において改善された「フッ素効率」が得られる、又は、比較的環境にやさしい組成物を使用してこれらの特性が得られる。
【0053】
試験方法
本明細書の実施例では次の試験方法を使用した。
【0054】
試験方法1−建築用ラテックス塗料の耐ブロッキング性
本明細書に記載の試験方法は、参照により本明細書に明示的に援用されるASTM D4946−89、建築用塗料の耐ブロッキング性の標準試験方法(Standard Test Method for Blocking Resistance of Architectural Paints)の変更である。
【0055】
試験される塗料の向かい合わせでの耐ブロッキング性をこの試験で評価した。ブロッキングは、この試験の目的では、塗装された2つの表面が押し合わせられたときの又は長時間互いに接触して配置されたときの望ましくない付着と定義される。
【0056】
試験される塗料を、アプリケータブレードを使用してポリエステル試験パネル上に流延した。塗装されたパネルは全て、油脂、油、指紋、塵埃などから保護されなければならない;表面汚染は耐ブロッキング性の結果に影響を及ぼす。典型的には、塗料を流延してから24時間後に結果を調べる。所望の時間、試験方法に規定されているように空調された室内でパネルを調整した後、塗装された試験パネルから6つの正方形(3.8cm×3.8cm)を切り取った。試験される各塗料について、切り取った部分(3対)を塗料面が向かい合うようにして配置した。試験される各塗料について、切り取った部分(3対)を塗料面が向かい合うようにして配置する。向かい合わせにした試験片を50℃のオーブン内の大理石のトレイに載せた。直径の小さい方が試験片と接触するようにして8番の栓を上に載せた後、1000gの重りを栓の上に載せた。この結果、試験片に1.8psi(12,400パスカル)の圧力がかかった。試験される各試験片について、1つの重りと栓を使用した。ちょうど30分後に栓と重りを試験片から取り除き、試験片をオーブンから取り出し、耐ブロッキング性を決定する前に30分間空調された室内で冷却した。
【0057】
冷却後、ゆっくりとした一定の力で剥離することにより、試験片を分離した。耐ブロッキング性を、この方法の実施者によって決定される主観的タック評価(塗装された試験片の分離時に出る音)又は封着(塗装された2つの表面の完全な接着)に対応する0〜10で評価した。タックの程度が実際に聞こえるように試験片を耳の近くに置いた。評価システムを表2Bに記載する。試験片の外観と接着する塗料表面の分率から封着の程度を評価した。塗料が試験パネル支持体から剥離するのは封着を示す。数値が大きいほど耐ブロッキング性が良好であることを示す。
【0058】
【表2】

【0059】
試験方法2−表面張力測定
表面張力は、装置の使用説明書に従って、Kruess Tensiometer,K11 Version 2.501を使用して測定した。Wilhelmyプレート法を使用した。既知の周囲長を有する垂直プレートを天秤に取り付け、濡れによる力を測定する。各希釈液について10回試験し、次の機械設定を使用する:
方法:プレート法SFT
間隔:1.0秒
浸漬深さ(Wetted length):40.2mm
読み取り限界:10
最小標準偏差(Min Standard Deviation):2dyne/cm
重力加速度:9.80665m/s2
【0060】
試験方法3−湿潤およびレベリング試験
湿潤およびレベリング能力におけるサンプルの性能を試験するため、サンプルを床磨き剤(Rohm & Haas(Spring House, PA)によって供給されるRHOPLEX 3829を使用して最終試験配合物を調製した)に添加し、被覆を剥がした12インチ×12インチ(30.36cm×30.36cm)のビニルタイルの半分に塗布した。脱イオン水で希釈することによって、試験される界面活性剤の1重量%溶液を調製した。製造業者のプロトコルに従って、RHOPLEX 3829配合物100g分を調製した後、1重量%の界面活性剤溶液0.75gを添加して試験床磨き剤を得た。
【0061】
タイルの中心に試験磨き剤3mL分を付け、アプリケータを使用して上から下まで広げ、最後に、アプリケータを使用してタイル全体に大きい「X」を描くことによって、試験床磨き剤をタイルに塗布した。タイルを25〜30分間乾燥させ、合計5層のコーティングを塗布した。各コーティングの後、タイル表面における磨き剤の湿潤およびレベリングを促進する界面活性剤の能力について、タイルを1〜5のスケール(1は最低であり、5は最高である)で評価した。次のスケールに従い、界面活性剤が添加されていない床磨き剤で処理されたタイルの比較に基づいて評価を決定した:
【0062】
タイル評価スケール
1 皮膜の不均一な表面被覆、顕著な縞模様、および表面欠陥
2 目に見える縞模様および表面欠陥、タイルの縁部からの皮膜の後退(withdrawal)
3 多数の表面欠陥および縞模様が明らかであるが、概ね皮膜はタイル表面全体を被覆している
4 小さい表面欠陥又は縞模様
5 目に見える表面欠陥又は縞模様がない
【実施例】
【0063】
実施例1
400mLの振盪機チューブにパーフルオロエチルエチルアイオダイド(PFEEI)(45g)と、E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE)から入手可能な重合開始剤であるVAZO64(1g)を仕込んだ。低温真空排気した後、エチレン(6g)とテトラフルオロエチレン(25g)を添加した。得られた混合物を80℃に20時間加熱した。未反応のパーフルオロエチルエチルアイオダイドを室温で減圧蒸留により回収した。残存する固体をCH3CN(3×100mL)で抽出した。CH3CN抽出物を濃縮し、減圧蒸留して、純粋なアイオダイド1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−ヨードオクタンを得た。CH3CNで抽出した後に残存する固体を温(warm)テトラヒドロフランで抽出した。テトラヒドロフラン抽出物を濃縮し、乾燥させて、純粋な1,1,2,2,5,5,6,6,9,9,10,10−ドデカヒドロパーフルオロ−1−ヨードドデカンを得た。テトラヒドロフランで抽出した後に残存する固体は、主に、式C25(CH2CH2CF2CF2nCH2CH2I(式中、n=3以上のオリゴマー)のアイオダイドであったが、これは一般的な溶媒に対する溶解度が非常に低い。
【0064】
下記に示すようにH NMRおよびF NMRにより、生成物1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−ヨードオクタンと1,1,2,2,5,5,6,6,9,9,10,10−ドデカヒドロパーフルオロ−1−ヨードドデカンのキャラクタリゼーションを行った:
1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−ヨードオクタン:mp75〜77℃:
H NMR(CDCl3)2.33(m,4H),2.68(m,2H),3.24(m,2H)ppm.
F NMR(CDCl3)−85.9(s,3F),−115.8(m,4F),−119.2(m,2F)ppm.
1,1,2,2,5,5,6,6,9,9,10,10−ドデカヒドロパーフルオロ−1−ヨードドデカン:mp 125〜8℃:
H NMR(アセトン−d6)2.46(m,8H),2.77(m,2H),3.37(m,2H)ppm.
F NMR(アセトン−d6)−86.7(s,3F),−117.1(m,6F),−117.3(m,2F),−119.5(m,2F)ppm.
【0065】
前述のように調製した1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−ヨードオクタン(136.91g、248.88ミリモル)とN−メチルホルムアミド(NMF)(273mL)の混合物を150℃に19時間加熱した。反応混合物を水(4×500mL)で洗浄し、残留物を得た。この残留物、エタノール(200mL)および濃塩酸(1mL)の混合物を2.5時間穏やかに還流した(浴温85℃)。反応混合物を水(200mL×2)で洗浄し、ジクロロメタン(200mL)で希釈し、硫酸ナトリウムで終夜乾燥させた。ジクロロメタン溶液を濃縮し、減圧蒸留して、1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−オクタノール、50.8gを得た。
【0066】
オーバーヘッド撹拌機、冷却器、窒素導入管および固体添加漏斗を備えた500mLの4−NRBFに、前述のように調製した1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−オクタノール(36.8g)を仕込んだ。フラスコを撹拌しつつ(125rpm)85℃(浴温)に加熱した。固体添加漏斗でフラスコに五酸化リン(8g)をゆっくりと添加した。反応混合物を100℃で16時間撹拌した(125rpm)。次いで、反応混合物を86℃に冷却し、撹拌を250rpmに増加して脱イオン水(144g、80℃)を添加した。水酸化アンモニウム(28%アンモニア、8.1g)を添加する前に、反応混合物を20分間撹拌した。反応混合物を更に4時間撹拌し、室温に冷却した。ゲル生成物が得られた。算出した固体重量:47.1gおよび算出した水の総量150g。これから、生成物の固形分は23.9w/w/%であった。表面張力は試験方法2を使用して測定した。結果を表3に記載する。
【0067】
【表3】

【0068】
実施例2
オリゴマーアイオダイド混合物、F(CF2CF2CH2CH2nI(式中、n=2,3が主成分であり、約2:1の比である)(46.5g)をN−メチルホルムアミド(NMF)(273mL)と混合し、150℃に19時間加熱した。反応混合物を水(4×500mL)で洗浄し、残留物を得た。この残留物、エタノール(200mL)および濃塩酸(1mL)の混合物を24時間穏やかに還流した(浴温85℃)。反応混合物を水(300mL)に注いだ。固体を水(2×75mL)で洗浄し、減圧(2torr、267Pa)下で乾燥させて、固体24.5gを得た。生成物約2gを昇華させた。オリゴマーアルコールの総収量は26.5gであった。
【0069】
オーバーヘッド撹拌機(ステンレス鋼撹拌棒)、固体滴下漏斗、冷却器、および窒素ブランケットを備えた250mLの三口丸底フラスコに、前述のように調製したアルコール混合物(34.9g)を仕込んだ。オリゴマーアルコールを120℃に加熱してアルコールを融解させた後、100℃に冷却した。五酸化リン(7.7g)をフラスコに添加した。得られた混合物を100℃で17時間撹拌した。温水(80℃、176g)を添加し、得られた混合物を10分間撹拌した後、水酸化アンモニウム(28%アンモニア、7.3g)をゆっくりと添加した。得られた混合物を更に1.5時間撹拌した。反応混合物を、それがまだ高温のときに瓶に移した。反応フラスコを熱水で洗浄し、その洗浄水を生成物と合わせた。生成物は11.9w/w%の固形分を含有すると求められた。表面張力は、試験方法2を使用して測定した。表面張力の測定にはE111879−135(固形分11.9w/w%)の一部を使用して試験溶液を作製した。結果を表4に記載する。
【0070】
【表4】

【0071】
実施例3
実施例1におけるように400mLの振盪機チューブにパーフルオロブチルエチルアイオダイド(PFBEI)(75g)とVAZO64(1.5g)を仕込んだ。低温真空排気した後、エチレン(6g)とテトラフルオロエチレン(25g)を添加した。得られた混合物を80℃に20時間加熱した。同一の実験10回分の反応混合物を合わせて、未反応のパーフルオロブチルエチルアイオダイドを室温で減圧蒸留により回収した。残存する固体(648g)をCH3CN(10×300mL)で抽出した。合わせたCH3CN抽出物を濃縮し、減圧蒸留して、アイオダイド、1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−ヨードデカンを得た。CH3CNで抽出した後に残存する固体は、主に、1,1,2,2,5,5,6,6,9,9,10,10−ドデカヒドロパーフルオロ−1−ヨードテトラデカンおよびこれより分子量の大きいオリゴマーであった。下記に示すようにH NMRおよびF NMRにより、生成物1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−ヨードデカンのキャラクタリゼーションを行った:
1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−ヨードデカン:mp72〜74℃:
H NMR(CDCl3)2.36(m,4H),2.69(m,2H),3.25(m,2H)ppm.
F NMR(CDCl3)−81.5(tt,J=10,3Hz,3F),−115.3(m,2F),−115.7(m,4F),124.7(m,2F),−126.4(m,2F)ppm.
【0072】
前述のように調製した1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−ヨードデカン(12g)とオレウム(15%SO3、215mL)の混合物を60℃に2時間加熱した。60℃の浴で、内部温度65℃〜90℃で、反応混合物にNa2SO3溶液(4g、水100mL中)をゆっくりと添加した。得られた混合物を90℃に30分間加熱した。室温に冷却した後、固体が沈殿した。液体をデカントし、固体をエーテル(150mL)に溶解させ、Na2SO3(1M、20mL)、水(2×20mL)、NaCl(飽和、20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、減圧乾燥させて残留物を得、これを更に、蒸留により精製して、1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−デカノールであるオフホワイトの固体6.2g(2torr(267Pa)でbp65〜79℃)を得た。下記に示すようにMS、H NMRおよびF NMRにより、生成物のキャラクタリゼーションを行った。
MS(m/e)392(M+,0.16%),372(3.3%),342(60%),323(53%),223(29%),95(100%).H NMR(CDCl3)1.58(s,1H),2.36(m,6H),3.97(t,J=7Hz,2H)ppm.F NMR(CDCl3)−81.5(tt,J=9,5,3Hz,3F),−114.1(m,2F),−115.4(m,2F),−116.0(m,2F),−124.8(m,2F),−126.4(m,2F)ppm.
【0073】
撹拌子、冷却器、および窒素ブランケットを備えた100mLのフラスコに、窒素下で、前述のように調製した1,1,2,2,5,5,6,6−オクタヒドロパーフルオロ−1−デカノール(3g)と、五酸化リン(0.56g)を仕込んだ。混合物を100℃に18時間加熱した。反応混合物を86℃に冷却し、温水(80℃、16.5g)を添加した。得られた混合物を1時間撹拌し、水酸化アンモニウム(アンモニア28%、2.19g)を添加した。混合物を更に1時間撹拌し、それがまだ高温のときに瓶に移した。生成物は19.2w/w%の固形分を含有すると算出された。表面張力は、試験方法2を使用して測定した。結果を表5に記載する。
【0074】
【表5】

【0075】
実施例4
Rohm and Haas Company(Philadelphia,PA)から入手可能な床磨き剤RHOPLEX3829,Formulation N−29−1に実施例1、2および3の生成物を、0.015重量%のフルオロホスフェート濃度で添加した。試験方法1に従って、ブロッキングを試験した。本発明の化合物が添加されていない床仕上剤も同様に試験した。結果を表6に記載する。
【0076】
前述の床磨き剤に実施例1、2および3の生成物を、1グラム当たり75マイクログラムの有効成分濃度で添加した。試験方法3に従って、床仕上剤の濡れ性およびレベリング性を試験した。本発明の化合物が添加されていない床仕上剤も同様に試験した。結果を表7に記載する。
【0077】
比較例A
米国特許第3,083,224号明細書に記載のように調製したフルオロアルキルホスフェートのアンモニウム塩を水に溶解させた水溶液である市販の界面活性剤(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE)から入手可能)を比較例Aとして使用した。これを、Rohm and Haas Company(Philadelphia,PA)から入手可能な床磨き剤RHOPLEX3829,Formulation N−29−1に0.015重量%の有効成分濃度で添加した。試験方法1に従って、ブロッキングを試験した。結果を表6に記載する。
【0078】
【表6】

【0079】
表6のデータから、比較的高いフッ素濃度を含有する市販の界面活性剤と比較したとき、本発明の化合物は優れたブロッキングを付与したことが分かる。
【0080】
比較例B
水とエチレングリコールの溶媒中でフッ素化アルコールとアルキレンエポキシドから調製されたフルオロアルキルエトキシレートである市販の界面活性剤(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE)から入手可能)を、Rohm and Haas Company(Philadelphia,PA)から入手可能な床磨き剤RHOPLEX3829,Formulation N−29−1に、1グラム当たり75マイクログラムの有効成分濃度で添加した。試験方法3に従って、床仕上剤の濡れ性およびレベリング性を試験した。結果を表7に記載する。
【0081】
【表7】

【0082】
表7のデータから、本発明の化合物は、比較的高いフッ素濃度を含有する市販の界面活性剤と比較したとき、床処理剤中に匹敵する濡れおよびレベリングを付与することが分かる。
【0083】
実施例5
1ガロンの反応器に、パーフルオロエチルエチルアイオダイド(PFEEI)(1997.5g)と過酸化ラウロイル(7.9g)を仕込んだ。低温真空排気した後、エチレンとテトラフルオロエチレンを25:75の比で、圧力が60psig(413.7×103Pa)に達するまで添加した。次いで、反応を75℃に加熱した。合計299gのテトラフルオロエチレンが添加される[最大圧力が160psig(1103.2×103Pa)に達する]まで、更にエチレンとテトラフルオロエチレンを25:75の比で添加した。エチレンとテトラフルオロエチレンの供給を両方とも停止した。反応を更に4時間、75℃で加熱した。室温で減圧蒸留することにより揮発性物質を除去した。オリゴマーエチレン−テトラフルオロエチレンアイオダイド(537g)の固体を得た。
【0084】
1Lの反応器に上記のオリゴマーエチレン−テトラフルオロエチレンアイオダイド(469g)とN−メチルホルムアミド(NMF)(490g)を仕込んだ。混合物を150℃に10時間加熱した。得られた生成物を水(213g)で2回洗浄し、残留物を得た。この残留物、エタノール(179g)およびメタンスルホン酸(8mL)の混合物を加熱し、反応が終了するまで揮発性物質を反応蒸留し、粗生成物を得た。粗生成物を亜硫酸ナトリウム(10重量%水溶液、95g)および水(940g)で洗浄し、湿潤生成物を得た。減圧蒸留を使用して水を除去することにより、湿潤生成物を乾燥させた。エチレン−テトラフルオロエチレンオリゴマーアルコール(290g)からなる固体を得た。
【0085】
温度計および磁気撹拌を備えた三口丸底フラスコにPOCl3(15.4g、0.1モル)を添加した。イソプロパノール6.0g(0.1モル)を室温でゆっくりとフラスコに添加した。反応混合物を70℃に加熱し、2時間撹拌した。淡黄色の液体(A)13.43gを得た。上記のエチレン−テトラフルオロエチレンオリゴマーアルコール(18.6g)を80℃に加熱し、反応混合物(A)の一部(5.31g)をゆっくりと添加した。添加後、反応混合物を95℃に加熱し、3時間撹拌した。フラスコに脱イオン水(0.21g)を添加し、更に2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、粘着性の茶色のホスフェート(B)20.0gを得た。ホスフェート(B)(7.0g)を別のフラスコに添加し、95℃に加熱した。ジエタノールアミン(2.3g)を添加して3時間撹拌し、茶色のホスフェート(8.3g)を得た。生成物を脱イオン水に溶解させ、試験方法2に従って表面張力を測定した。結果を表8に記載する。
【0086】
実施例6
熱電対、窒素導入管、および磁気撹拌子を備えた三口丸底フラスコにPOCl3(1.53g、0.01モル)と無水テトラヒドロフラン20mLを添加した。この溶液を0℃に冷却し、無水テトラヒドロフラン20mL中に実施例5で調製したエチレン−テトラフルオロエチレンオリゴマーアルコール6.67g(0.02モル)とトリエチルアミン2.53g(0.025モル)を含有する溶液を、フラスコにゆっくりと添加した。添加後、反応を2時間0〜1℃で進行させた。反応混合物を周囲温度に加熱し、終夜撹拌した。ろ過により固体を除去し、溶媒と過剰のトリエチルアミンをロータリーエバポレータで除去した。得られた油状物質をテトラヒドロフラン15mLで希釈した。NaOH(0.8g、0.02モル)を水1.2mLに溶解させ、反応混合物に添加した。溶液を室温で終夜撹拌した。ロータリーエバポレータを使用して溶媒を蒸発させた。得られた固体をハウスバキューム(house−vacuum)下、120℃で乾燥させ、固体のホスフェート5.3gを得た。生成物を脱イオン水に溶解させ、試験方法2に従って表面張力を測定した。結果を表8に記載する。
【0087】
実施例7
温度計および磁気撹拌を備えた三口丸底フラスコにPOCl3(7.7g、0.1モル)を添加した。イソプロパノール(2.9g、0.048モル)を室温でゆっくりとフラスコに添加した。反応混合物を70℃に加熱し、2時間撹拌した。実施例5で調製したエチレン−テトラフルオロエチレンオリゴマーアルコール(15.7g、0.047モル)を反応混合物に50℃でゆっくりと添加し、更に3時間撹拌した。反応混合物を80℃に加熱し、1−オクタノール6.5g(0.05モル)をフラスコにゆっくりと添加した。添加後、反応混合物を95℃に加熱し、2時間撹拌した。フラスコに脱イオン水(0.37g)を添加し、内容物を更に2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、茶色のワックス状の固体23.5gを得た。この化合物(7.0g)をフラスコに添加し、95℃に加熱した。ジエタノールアミン(2.3g)を添加し、3時間撹拌した。粘稠な茶色の液体のホスフェート8.0gを得た。生成物を脱イオン水に溶解させ、試験方法2に従って表面張力を測定した。結果を表8に記載する。
【0088】
実施例8
熱電対、窒素導入管、および磁気撹拌子を備えた三口丸底フラスコにPOCl3(1.53g、0.01モル)と無水テトラヒドロフラン20mLを添加した。この溶液を0℃に冷却し、無水テトラヒドロフラン20mL中に実施例5で調製したエチレン−テトラフルオロエチレンオリゴマーアルコール3.34g(0.01モル)とトリエチルアミン2.53g(0.025モル)含有する溶液をゆっくりと添加した。反応を2時間、0〜1℃で進行させた。次いで、無水テトラヒドロフラン10mL中にオクタノール1.3g(0.01モル)を含有する溶液を反応混合物にゆっくりと添加した。反応混合物を周囲温度に加熱し、終夜撹拌した。固体をろ過し、溶媒と過剰のトリエチルアミンをロータリーエバポレータを使用して蒸発させた。得られた油状物質をテトラヒドロフラン15mLで希釈した。NaOH(0.8g、0.02モル)を水1.2mLに溶解させ、反応混合物に添加した。溶液を室温で終夜撹拌した。ロータリーエバポレータを使用して溶媒を蒸発させた。得られた固体をハウスバキューム下、120℃で乾燥させ、黄色の固体のホスフェート4.0gを得た。生成物を脱イオン水に溶解させ、試験方法2に従って表面張力を測定した。結果を表8に記載する。
【0089】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)又は(II):
【化1】

(式中、
Aは、Rf−(CH2k−[(CF2CF)y−(CH2CH2zmOであり、約8〜約22の炭素原子を含有し、
fは、Cn2n+1であり、
nおよびkは、それぞれ独立して1〜約6であり、
y、zおよびmは、それぞれ独立して1、2、3又はこれらの混合であり、
wは、1又は2又はこれらの混合であり、
Mは、水素、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、又はアルカノールアンモニウムイオンである)
の化合物を含む組成物。
【請求項2】
fが4〜6の炭素原子を有し、y、zおよびmがそれぞれ1であり、Mがアンモニウムイオン又はアルカノールアンモニウムイオンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(I)(式中、xは1である)のモノ(フルオロアルキル)ホスフェート約15〜約80モル%と、式(I)(式中、xは2である)のビス(フルオロアルキル)ホスフェート約20〜約85モル%の混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
液体に請求項1に記載の化合物又はこれらの混合物を添加する工程を含む、液体の表面の性質を変化させる方法。
【請求項5】
前記表面の性質の変化が、表面張力の低下である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記表面の性質が、濡れ、浸透、延展、レベリング、流動、乳化、分散、撥水撥油、防汚、潤滑、エッチング、結合、および安定化からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記液体が、コーティング組成物、ラテックス、ポリマー、床仕上剤、インク、乳化剤、発泡剤、離型剤、撥水撥油剤、流れ調整剤、皮膜蒸発抑制剤、湿潤剤、浸透剤、クリーナー、研削剤、電気めっき剤、腐食防止剤、エッチング液、半田剤、分散助剤、微生物剤、パルプ剤、すすぎ助剤、艶出剤、パーソナルケア組成物、乾燥剤、帯電防止剤、床磨き剤、床仕上剤、又は結合剤である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
基材に堆積する前に、コーティング組成物に、請求項1に記載の1種類以上の化合物を含む組成物を添加する工程を含む、コーティング組成物が堆積される基材に耐ブロッキング性を付与する方法。
【請求項9】
前記コーティング組成物が、水分散コーティング、アルキドコーティング、タイプIウレタンコーティング、又は不飽和ポリエステルコーティングである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項4又は8に記載の方法に従って処理された基材。

【公表番号】特表2011−523421(P2011−523421A)
【公表日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510627(P2011−510627)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/044419
【国際公開番号】WO2009/143088
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】