エッジ装置
【課題】VPLSにおいて、プロバイダエッジPEに対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合に、パケットの増殖を防ぎ、正常なパケット転送を行うことができるようにする。
【解決手段】プロバイダエッジPE3が、受信したパケットを複製して、仮想回線VC1,VC2へそれぞれ中継し、プロバイダエッジPE1,PE2が、それぞれ、仮想回線VC1,VC2からのそれらパケットを受信したとしても、プロバイダエッジPE1,PE2は、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信したパケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、そのパケットをカスタマエッジCE1に中継して、ホストAに転送するものの、他方のエッジでは、そのパケットを、カスタマエッジCE1に中継することなく、破棄する。
【解決手段】プロバイダエッジPE3が、受信したパケットを複製して、仮想回線VC1,VC2へそれぞれ中継し、プロバイダエッジPE1,PE2が、それぞれ、仮想回線VC1,VC2からのそれらパケットを受信したとしても、プロバイダエッジPE1,PE2は、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信したパケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、そのパケットをカスタマエッジCE1に中継して、ホストAに転送するものの、他方のエッジでは、そのパケットを、カスタマエッジCE1に中継することなく、破棄する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに、いわゆる装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合に、パケットの増殖を生じさせないようにするための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ網とユーザ網との間を、サービスプロバイダ(SP)が提供するMPLS(Multiprotocol Label Switching)網を利用して接合し、イーサネット(Ethernet)(登録商標)フレームをマルチポイント・ツー・マルチポイント(Multipoint to Multipoint)で転送する技術として、VPLS(Virtual Private LAN Service)が知られている。
【0003】
一方、従来、ネットワークの冗長構成として、IEEE802.3adで標準化されているリンクアグリゲーション(Link Aggregation)が知られている。さらに、スイッチ,ルータなどのネットワーク装置の冗長構成として、上記したリンクアグリゲーションを複数のネットワーク装置にまたがって実現する、いわゆる装置またがりのリンクアグリゲーションも提案されている。複数のネットワーク装置に対して、このような装置またがりのリンクアグリゲーションを適用することにより、一つのネットワーク装置で障害が発生した場合でも、ネットワーク全体にその影響が及ばないようにすることが可能となる。
【0004】
このような装置またがりのリンクアグリゲーションとしては、例えば、下記の特許文献1に記載のものが知られている。
【0005】
図15は2台のネットワーク装置に装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合の構成を示すブロック図である。図15においては、2台のネットワーク装置SW2−1,SW2−2に装置またがりのリンクアグリゲーションを適用することにより、それら装置に接続されている他のネットワーク装置SW1に対して、それら2台のネットワーク装置SW2−1,SW2−2を仮想的に1台で構成されているように認識させることができる。装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のネットワーク装置SW2−1とSW2−2との間では、相互に制御メッセージのやり取りがされ、他のネットワーク装置SW1と、これら2台のネットワーク装置SW2−1,SW2−2と、の間では、回線集約用メッセージのやり取りがされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許6910149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今、上記したVPLSにおいて、冗長構成を採るために、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用する場合について考えてみる。
【0008】
図16はVPLSに装置またがりのリンクアグリゲーションを適用したネットワークの一例を示す説明図である。図16に示すように、VPLSでは、各ユーザ網間に、SPによって提供されるMPLS網(以下、SP網という)が介在する。SP網内には、多数のネットワーク装置が存在し、それらが互いに回線によって接続されている。また、各ユーザ網と、SP網とは、各ユーザ網のエッジ部分に存在するネットワーク装置(以下、カスタマエッジ[Customer Edge]という)CEと、SP網のエッジ部分に存在するネットワーク装置(以下、プロバイダエッジ[Provider Edge]という)PEと、を回線にて接続することにより、互いに接続されている。
【0009】
このような構成のVPLSにおいて、例えば、2台のプロバイダエッジPE1,PE2に対して、上述した装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合、ユーザ1網のカスタマエッジCE1に対し、2台のプロバイダエッジPE1,PE2を、あたかも1台のプロバイダエッジPEであるかのごとく認識させることができる。
【0010】
しかしながら、このような場合において、装置またがりのリンクアグリゲーションを意識することなく、VPLSの規格に従って、ネットワークを運用した場合、以下に述べるような問題が発生する。
【0011】
すなわち、VPLSの規格に従って、まず、プロバイダエッジPE間において、装置またがりのリンクアグリゲーションを意識することなく、仮想回線(Virtual Circuit)VCを確立させる。ここで、仮想回線VCとは、VPLSにおける伝送路であって、或るユーザ網と他のユーザ網とを連結する仮想的な回線をいう。
【0012】
図17はユーザ1網とユーザ2網とを連結する仮想回線VCを確立した場合の様子を示す説明図である。図17では、プロバイダエッジPE1−PE3間で、仮想回線VC1を確立し、プロバイダエッジPE2−PE3間で、仮想回線VC2を確立している。
【0013】
次に、VPLSの規格に従って、装置またがりのリンクアグリゲーションを意識することなく、ユーザ2網のホストBから、ユーザ1網のホストAに対してパケットを転送させる。
【0014】
すると、転送されたパケットは、転送途中において増殖してしまうという問題が発生する。
【0015】
図18はパケットの増殖される様子を示す説明図である。図18では、図面を見やすくするために、説明上必要としないネットワーク装置や回線やユーザ網は全て省略している。
【0016】
図18において、まず、ユーザ2網のホストBが、ユーザ1網のホストA宛てのパケットをカスタマエッジCE2に対して送信すると、カスタマエッジCE2では、そのパケットをSP網のプロバイダエッジPE3に転送する。プロバイダエッジSE3では、転送されたそのホストA宛てのパケットを複製して、2つの仮想回線VC1,VC2にそれぞれ転送する。仮想回線VC1につながるプロバイダエッジPE1では、転送されたパケットをそのままユーザ1網のカスタマエッジCE1に転送し、仮想回線VC2につながるプロバイダエッジPE2でも、転送されたパケットをそのままカスタマエッジCE1に転送する。この時点で、パケットの増殖が発生し、同一のパケットが、カスタマエッジCE1からホストAに重畳して転送されることになる。
【0017】
このように、VPLSにおいて、SP網内のプロバイダエッジPEに対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合、その装置またがりのリンクアグリゲーションを意識せずに、プロバイダエッジ間で、仮想回線VCを確立させると、転送されたパケットの増殖が発生してしまうという問題があった。
【0018】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、VPLSにおいて、プロバイダエッジPEに対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合に、パケットの増殖を防ぎ、正常なパケット転送を行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の第1のデータ通信システムは、第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第3のエッジは、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、前記パケットを複製して、前記第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継し、
前記第1のエッジは、前記第1の仮想回線から送信される前記パケットを受信し、前記第2のエッジは、前記第2の仮想回線から送信される前記パケットを受信すると共に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送し、他方のエッジでは、受信したパケットを、前記第4のエッジに中継することなく、破棄することを要旨とする。
【0020】
このように、第1のデータ通信システムでは、第3のエッジが、受信したパケットを複製して、第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継し、第1及び第2のエッジが、それぞれ、第1及び第2の仮想回線からのそれらパケットを受信したとしても、第1及び第2のエッジは、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信したパケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、そのパケットを第4のエッジに中継して、第2のネットワーク内のホストに転送するものの、他方のエッジでは、そのパケットを、第4のエッジに中継することなく、破棄するようにしている。
【0021】
従って、第1のデータ通信システムによれば、第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジではパケットを中継するが、他方のエッジではパケットを破棄しているため、第2のネットワーク内のホストへは、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0022】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をしないように設定されていることが好ましい。
【0023】
このように設定されていることによって、第3のエッジは、第5のエッジを介して送信されるパケットを受信した場合、その受信したパケットを複製して、第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継するようになる。
【0024】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第3のエッジとの間に接続される、前記第1及び第2の仮想回線を確立する際に、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で前記取り決めを行うと共に、それぞれ、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示することが好ましい。
【0025】
第1及び第2の仮想回線を確立する際に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、予め、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、パケット転送に関してMAC学習をしないように設定することができる。
【0026】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジにおいて障害が発生し、他方のエッジが、その障害発生を検出した場合、その障害検出エッジは、接続される前記仮想回線から受信される前記パケットを前記第4のエッジに中継するよう、前記取り決めを更新することが好ましい。
【0027】
従って、一方のエッジにおいて障害が発生する前において、例え、障害検出エッジにおける取り決めが、受信したパケットを破棄するよう、なされていたとしても、障害発生後は、受信したパケットを第4のエッジに中継するよう、取り決めが更新されることになる。
【0028】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、
前記障害検出エッジは、前記取り決めを更新した後において、接続される前記仮想回線から送信される前記パケットを受信した場合に、更新された前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することが好ましい。
【0029】
このように、一方のエッジにおいて障害が発生した場合でも、障害検出エッジは、接続される仮想回線から受信したパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継するようになるため、パケット転送を中止することなく、継続させることができる。
【0030】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示することが好ましい。
【0031】
障害の発生していたエッジが障害から復旧した場合に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、再度、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、確立される仮想回線を介してなされるパケット転送に関してMAC学習をしないように設定することができる。
【0032】
本発明の第2のデータ通信システムは、第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第3のエッジは、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、パケット転送に関するMAC学習の内容に基づいて、前記パケットを、前記第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継し、
前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送することを要旨とする。
【0033】
このように、第2のデータ通信システムでは、第3のエッジが、受信したパケットを、パケット転送に関するMAC学習の内容に基づいて、第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継し、他方には中継しないようにしている。そして、第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から、そのパケットを受信したエッジは、そのパケットを第4のエッジに中継して、第2のネットワーク内のホストに転送するようにしている。
【0034】
従って、第2のデータ通信システムによれば、第3のエッジが、パケットを、第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継し、他方には中継しないようにしているため、第2のネットワーク内のホストへは、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0035】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1のエッジと第2のエッジとの間では、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、予め取り決めがなされていると共に、
前記第2のネットワーク内のホストから、前記第3のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジが、前記第2のネットワーク内のホストから前記第4のエッジを介して送信された前記パケットを受信すると、前記一方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットの取り扱いについて、前記取り決めに、中継する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを接続される前記仮想回線に中継し、その新たな組のパケットの取り扱いについて、破棄する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを他方のエッジに送信することが好ましい。
【0036】
こうすることにより、一方のエッジが受信したパケットは、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットが、取り決めにより、中継することになっている場合は、接続される仮想回線に中継されることになるが、取り決めにより、廃棄することになっている場合には、他方のエッジに送信されることになる。
【0037】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、前記他方のエッジが、前記一方のエッジから送信された前記パケットを受信すると、前記他方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットの取り扱いについて、前記取り決めに、中継する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを接続される前記仮想回線に中継することが好ましい。
【0038】
こうすることにより、他方のエッジが一方のエッジから受信したパケットは、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットが、取り決めにより、中継することになっている場合は、接続される仮想回線に中継されることになる。
【0039】
この結果、第1のエッジが第1の仮想回線に中継するパケットは、全て、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて、第1のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットとなる。反対に、第2のエッジが第2の仮想回線に中継するパケットは、全て、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて、第2のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットとなる。
【0040】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をするように設定されていると共に、
前記第3のエッジは、前記第1または第2の仮想回線から前記パケットを受信した場合に、前記設定に基づいて、受信した前記パケットの転送に関してMAC学習して、前記MAC学習の内容を得ると共に、受信した前記パケットを前記第5のエッジに中継することが好ましい。
【0041】
こうすることにより、第3のエッジは、第1の仮想回線からパケットを受信した場合、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについては第1の仮想回線へ送信するように、MAC学習し、第2の仮想回線からパケットを受信した場合には、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて第2の仮想回線へ送信するように、MAC学習するようになる。
【0042】
ここで、第3のエッジが第1の仮想回線から受信したパケットは、上述したごとく、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて、第1のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットである。従って、言い換えれば、第3のエッジは、第1のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットについては、第1の仮想回線へ送信するように、MAC学習することになる。
【0043】
同じく、第3のエッジが第2の仮想回線から受信したパケットは、上述したごとく、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて、第2のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットである。従って、言い換えれば、第3のエッジは、第2のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットについては、第2の仮想回線へ送信するように、MAC学習することになる。
【0044】
この結果、前述したとおり、第3のネットワーク内のホストから、第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、第3のエッジが、第3のネットワーク内のホストから第5のエッジを介して送信されるパケットを受信して、上記のMAC学習の内容に基づいて、そのパケットを中継すると、第1のエッジにおける取り決めに中継する旨の設定がされているパケットについては、第1の仮想回線へ中継し、第2のエッジにおける取り決めに中継する旨の設定がされているパケットについては、第2の仮想回線へ中継することになる。
【0045】
よって、第1のエッジは、第1の仮想回線からパケットを受信した場合、受信したパケットについては、全て、取り決めに、中継する旨の設定がされていることになるため、受信したパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継することになる。同様に、第2のエッジは、第2の仮想回線からパケットを受信した場合、受信したパケットについては、全て、取り決めに、中継する旨の設定がされていることになるため、受信したパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継することになる。
【0046】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第3のエッジとの間に接続される、前記第1及び第2の仮想回線を確立する際に、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で前記取り決めを行うと共に、それぞれ、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージを用いて、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をするよう指示することが好ましい。
【0047】
第1及び第2の仮想回線を確立する際に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、予め、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、パケット転送に関してMAC学習をするように設定することができる。
【0048】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジにおいて障害が発生し、他方のエッジが、その障害発生を検出した場合、
その障害検出エッジは、接続される前記仮想回線から受信される前記パケットを前記第4のエッジに中継するよう、前記取り決めを更新すると共に、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、前記一方のエッジに接続される仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することが好ましい。
【0049】
この結果、第3のエッジは、障害が発生したエッジに接続される仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するため、その後、第3のネットワーク内のホストから、第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、第3のエッジが、第3のネットワーク内のホストから第5のエッジを介して送信されるパケットを受信すると、そのパケットが、障害が発生したエッジに接続される仮想回線に関わるパケットである場合には、そのパケット転送に関するMAC学習の内容が消去されているため、第3のエッジは、その受信したパケットを複製して、第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継するようになる。
【0050】
従って、受信したパケットは、障害が発生していない障害検出エッジに接続される仮想回線にも、必ず、中継されることになるため、パケット転送を中止することなく、継続させることができる。
【0051】
また、一方のエッジにおいて障害が発生する前において、障害検出エッジにおける取り決めが、接続される仮想回線から受信されるパケットのうち、特定のパケットについて破棄するように、なされていたとしても、障害発生後は、そのようなパケットについても、第4のエッジに中継するよう、取り決めを更新されることになる。
【0052】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記障害検出エッジは、前記取り決めを更新した後において、接続される前記仮想回線から送信される前記パケットを受信した場合に、更新された前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することが好ましい。
【0053】
このように、一方のエッジにおいて障害が発生した場合でも、障害検出エッジは、接続される仮想回線から受信したパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継するようになるため、パケット転送を中止することなく、継続させることができる。
【0054】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をするよう指示し、さらに、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、特定のパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することが好ましい。
【0055】
障害の発生していたエッジが障害から復旧した場合に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、再度、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、確立される仮想回線を介してなされるパケット転送に関してMAC学習をするように設定することができると共に、特定のパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去させることができる。
【0056】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1のエッジと第2のエッジとの間では、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、予め取り決めがなされていると共に、
前記第2のネットワーク内のホストから、前記第3のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジが、前記第2のネットワーク内のホストから前記第4のエッジを介して送信された前記パケットを受信すると、前記一方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットについては中継するように、前記取り決めを更新し
前記一方のエッジは、他方のエッジに対して、その新たな組のパケットについては破棄するように、前記取り決めの更新を指示すると共に、前記第3のエッジに対して、その新たな組のパケットについては前記一方のエッジに接続される仮想回線に送信するように、前記MAC学習の内容を指示し、
前記一方のエッジは、受信した前記パケットを接続される仮想回線に中継し、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をしないように設定されていると共に、
前記第3のエッジは、前記第1または第2の仮想回線から前記パケットを受信した場合に、前記設定に基づいて、受信した前記パケットの転送に関してMAC学習することなく、受信した前記パケットを前記第5のエッジに中継することが好ましい。
【0057】
こうすることにより、パケットを受信した一方のエッジにおける取り決めは、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて中継するように、更新されると共に、上記パケットを受信していない他方のエッジにおける取り決めは、その新たな組のパケットについて破棄するよう、更新される。また、第3のエッジにおいては、その新たな組のパケットについて、上記した一方のエッジに接続される仮想回線に送信するように、MAC学習の内容が設定される。但し、第3のエッジにおいては、このようにMAC学習の内容が設定されるものの、第1または第2の仮想回線からパケットを受信しても、MAC学習することなく、そのパケットを第5のエッジに中継することになるため、MAC学習の内容が更新されることはない。
【0058】
この結果、前述したとおり、第3のネットワーク内のホストから、第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、第3のエッジが、第3のネットワーク内のホストから第5のエッジを介して送信されるパケットを受信して、上記の設定されたMAC学習の内容に基づいて、そのパケットを、上記した一方のエッジに接続される仮想回線に送信することになる。
【0059】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジは、更新した前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することが好ましい。
【0060】
こうすることにより、上記のごとく、第3のエッジが、第3のネットワーク内のホストから第5のエッジを介して送信されるパケットを受信し、設定されたMAC学習の内容に基づいて、そのパケットを、上記した一方のエッジに接続される仮想回線に送信した場合、その一方のエッジでは、接続される仮想回線から上記パケットを受信すると、更新後の取り決めにより、そのパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継することになる。
【0061】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、学習をしないよう指示し、さらに、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、特定のパケット転送に関して、学習した内容を消去するよう指示することが好ましい。
【0062】
障害の発生していたエッジが障害から復旧した場合に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、再度、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、確立される仮想回線を介してなされるパケット転送に関して学習をしないように設定することができると共に、特定のパケット転送に関して、学習した内容を消去させることができる。
【0063】
なお、本発明は、上記したデータ通信システムなどの装置発明の態様に限ることなく、データ通信方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のデータ通信システムが適用されるネットワークを示す説明図である。
【図2】カスタマエッジ,プロバイダエッジとして用いられ得るスイッチの構成を示すブロック図である。
【図3A】本発明の第1の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。
【図3B】本発明の第1の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図3C】本発明の第1の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図4A】本発明の第1の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図4B】本発明の第1の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図5A】本発明の第1の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図5B】本発明の第1の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図5C】本発明の第1の実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。
【図6A】本発明の第1の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図6B】本発明の第1の実施例における復旧時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図7A】本発明の第2の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。
【図7B】本発明の第2の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図7C】本発明の第2の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図7D】本発明の第2の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図7E】本発明の第2の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図8A】本発明の第2の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図8B】本発明の第2の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図8C】本発明の第2の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図9A】本発明の第2の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図9B】本発明の第2の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図9C】本発明の第2の実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。
【図10A】本発明の第2の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図10B】本発明の第2の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図10C】本発明の第2の実施例における復旧時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図11A】本発明の第3の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。
【図11B】本発明の第3の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図11C】本発明の第3の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図12A】本発明の第3の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図12B】本発明の第3の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図12C】本発明の第3の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図13A】本発明の第3の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図13B】本発明の第3の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図13C】本発明の第3の実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。
【図14A】本発明の第3の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図14B】本発明の第3の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図14C】本発明の第3の実施例における復旧時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図15】2台のネットワーク装置に装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図16】VPLSに装置またがりのリンクアグリゲーションを適用したネットワークの一例を示す説明図である。
【図17】ユーザ1網とユーザ2網とを連結する仮想回線VCを確立した場合の様子を示す説明図である。
【図18】パケットの増殖される様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.ネットワークの構成:
B.第1の実施例:
B−1.仮想回線確立動作:
B−2.通常動作:
B−3.障害発生時動作:
B−4.復旧時動作:
B−5.実施例の効果:
C.第2の実施例:
C−1.仮想回線確立動作:
C−2.通常動作:
C−3.障害発生時動作:
C−4.復旧時動作:
C−5.実施例の効果:
D.第3の実施例:
D−1.仮想回線確立動作:
D−2.通常動作:
D−3.障害発生時動作:
D−4.復旧時動作:
D−5.実施例の効果:
E.変形例:
【0066】
A.ネットワークの構成:
図1は本発明のデータ通信システムが適用されるネットワークを示す説明図である。このネットワークでは、図1に示すように、VPLSが実現されており、各ユーザ網間に、SPによって提供されるMPLS網(SP網)が介在する。SP網内には、多数のネットワーク装置が存在し、それらが互いに回線によって接続されている。各ユーザ網と、SP網とは、各ユーザ網のエッジ部分に存在するカスタマエッジCEと、SP網のエッジ部分に存在するプロバイダエッジPEと、を回線にて接続することにより、互いに接続されている。
【0067】
また、このネットワークでは、VPLSにおいて、2台のプロバイダエッジPE1,PE2に対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用しており、ユーザ1網のカスタマエッジCE1に対し、2台のプロバイダエッジPE1,PE2を仮想的に1台で構成されているように認識させている。また、プロバイダエッジPE1とPE2との間では、常時、相互に制御メッセージのやり取りがなされる。
【0068】
さらに、ユーザ1網内では、ホストAがカスタマエッジCE1に接続されており、ユーザ2網内では、ホストBがカスタマエッジCE2に接続されている。
【0069】
なお、図1では、図面を見やすくするために、説明上必要としないネットワーク装置や回線やユーザ網は全て省略している。このことは、後述する図についても同様である。
【0070】
ここで、カスタマエッジCE1,CE2及びプロバイダエッジPE1,PE2,PE3が、例えば、スイッチである場合、図2に示すような構成をなしている。
【0071】
図2はカスタマエッジ,プロバイダエッジとして用いられ得るスイッチの構成を示すブロック図である。図2に示すように、スイッチ100は、主として、制御部110と、通信部120と、を備えている。このうち、制御部110は、CPU112及びメモリ114などを備えており、CPU112がメモリ114内に格納されたプログラムを実行することにより、装置全体の管理やパケット処理などを行う。また、メモリ114には、上記プログラムが格納される他、データや、必要に応じて管理テーブルなどが記憶される。また、通信部120は、ネットワークインタフェース122などを備えており、パケットの中継処理などを行う。各ネットワークインタフェース122は、それぞれ、ポート(図示せず)を介して、イーサネットなどの物理回線(ツイストペアケーブル,光ファイバなど)に接続されている。
【0072】
B.第1の実施例:
それでは、本発明の第1の実施例について説明する。まず、図3A〜3C及び図4A,4Bを用いて、仮想回線確立動作及び通常動作について説明し、次に、図5A〜5C及び図6A,6Bを用いて、障害発生時動作及び復旧時動作について説明する。
【0073】
B−1.仮想回線確立動作:
図3Aは本発明の第1の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。また、図4Aはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、仮想回線(VC)確立の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0074】
・ステップa1:
図3Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、お互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行う。具体的には、プロバイダエッジPE1が、確立される仮想回線VC1からパケットを受信した際に、そして、プロバイダエッジPE2が、確立される仮想回線VC2からパケットを受信した際に、それぞれ、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダのいずれか、またはそれの組み合わせに基づいて、受信したパケットを中継するか、廃棄するか、について、取り決めを行う。
【0075】
そして、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、それぞれ、各々のメモリ114に、図4Aに示すようなアクションテーブルを生成して、取り決めた結果を格納する。図4Aに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0076】
・ステップa2:
図3Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、それぞれ、VC確立メッセージ(Label Mapping)を送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線(VC)についてMAC学習をしないように指示する。ここで、MAC学習とは、受信したパケットの宛先や送信元のMACアドレスを見て、どのポートや仮想回線にどのMACアドレスがつながっているかということを学習することである。
【0077】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、メモリ114に、図4Aに示すようなVCテーブルを生成して、指示された内容を格納する。すなわち、VCテーブルには、確立される仮想回線(VC)毎に、そのIDと、宛先と、MAC学習をするかしないかと、加入者回線と、が記載されており、確立される仮想回線VC1,VC2については、いずれも、MAC学習をしないと記されている。この結果、プロバイダエッジPE3では、仮想回線VC1,VC2を介してパケットが転送される際に、そのパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習がなされない。すなわち、学習されたならば、生成されるはずの学習テーブルが生成されない。
【0078】
こうして、プロバイダエッジPE1−PE3間で、仮想回線VC1が確立され、プロバイダエッジPE2−PE3間で、仮想回線VC2が確立される。
【0079】
B−2.通常動作:
図3B,3Cは本実施例における通常動作を説明するための説明図である。また、図4Bはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、通常動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0080】
・ステップa3:
図3Bに示すように、ユーザ1網のホストAが、ユーザ2網のホストB宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、予め設定されたルールに従って、SP網における、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のプロバイダエッジPE1,PE2のうち、一方のプロバイダエッジPEに中継する。本実施例においては、プロバイダエッジPE2に中継するように、設定されているものとする。さらに、そのプロバイダエッジPE2の制御部110は、送信されたパケットを、そのまま仮想回線VC2を介してプロバイダエッジPE3に中継する。
【0081】
・ステップa4:
プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを、ユーザ2網のカスタマエッジCE2に中継する。このとき、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図4Bに示すVCテーブルを参照し、仮想回線VC2について、MAC学習しないと設定されているので、そのパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習をすることなく、そのパケットを中継する。そして、カスタマエッジCE2の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストBに中継する。
【0082】
こうして、ホストAから送信されたパケットは、ホストBに転送される。
【0083】
・ステップa5:
次に、図3Cに示すように、ユーザ2網のホストBが、ユーザ1網のホストA宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままSP網におけるプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、前述したとおり、仮想回線VC1,VC2についてMAC学習を行っていない。そのため、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを複製して、両方の仮想回線VC1,VC2にそれぞれ中継する。
【0084】
・ステップa6:
プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110は、それぞれ、送信されたパケットを受信すると、各々のアクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。本実施例では、各々のアクションテーブルは、図4Bに示すごとく記載されているので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2では、送信されたパケットをユーザ1網のカスタマエッジCE1に中継する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0085】
こうして、ホストBから送信されたパケットは、途中で増殖することなく、ホストAに転送される。
【0086】
B−3.障害発生時動作:
図5A,5Bは本実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。また、図6Aはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、障害発生時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0087】
・ステップa7,a8:
図5Aに示すように、例えば、プロバイダエッジPE2において、障害が発生すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、その障害発生を検出する。前述したとおり、プロバイダエッジPE1とPE2との間では、常時、制御メッセージのやり取りがなされており、プロバイダエッジPE2において障害が発生すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、制御メッセージの交信に失敗することになるので、そのことにより、プロバイダエッジPE2で障害が発生したことを検出することができる。また、プロバイダエッジPE2において障害が発生したことにより、図6Aに示すように、プロバイダエッジPE2におけるアクションテーブルは使用不可能となる。
【0088】
・ステップa9:
こうして、プロバイダエッジPE2における障害発生を検出すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、パケット転送が停止しないように、直ちに、プロバイダエッジPE1内のアクションテーブルを更新する。具体的には、図6Aに示すように、先に述べたプロバイダエッジPE2との取り決めにより、プロバイダエッジPE1では、アクションテーブルに、宛先Aで送信元Bのパケットについては廃棄するよう設定されており、そのままではパケット転送が停止してしまうので、そのようなパケットを中継するように、設定を更新する。
【0089】
一方、プロバイダエッジPE3においても、プロバイダエッジPE2における障害発生を検出すると、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、プロバイダエッジPE2が関わる内容を消去するように、設定を更新する。この結果、図6Aに示すように、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、仮想回線VC2の行の内容が消去される。
【0090】
・ステップa10:
そこで、図5Bに示すように、ホストBがホストA宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、VCテーブルに従って、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを仮想回線VC1に中継する。
【0091】
・ステップa11:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、更新されたの後のアクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。前述したとおり、プロバイダエッジPE1のアクションテーブルは、ステップa9において、図6Aに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストBのパケットについて「中継」と更新されたので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットを中継してカスタマエッジCE1に送信する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0092】
こうして、ホストBから送信されたパケットは、途中で滞ることなく、ホストAに転送される。
【0093】
B−4.復旧時動作:
図5Cは本実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。また、図6Bはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、復旧時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0094】
・ステップa12,a13:
図5Cに示すように、プロバイダエッジPE2において、障害から復旧すると、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE1との間で、制御メッセージのやり取りを再開するので、プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2の復旧を検出する。そして、再び、ステップa1の場合と同様に、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行い、図6Bに示すように、各々のアクションテーブルに取り決めた結果を格納する。図6Bに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを中継するとの取り決めがなされている。
【0095】
・ステップa14:
図5Cに示すように、復旧したプロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線VC2についてMAC学習をしないように指示する。
【0096】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、図6Bに示すように、VCテーブルに、仮想回線VC2についての内容を追加する。すなわち、VCテーブルには、仮想回線VC2について、MAC学習をしないと記される。
【0097】
こうして、復旧したプロバイダエッジPE2と、プロバイダエッジPE3との間で、仮想回線VC2が確立される。
【0098】
B−5.実施例の効果:
本実施例によれば、ホストBからホストAへパケットを転送する場合、プロバイダエッジPE3では、パケットを複製して両方の仮想回線VC1,VC2にそれぞれ中継するものの、プロバイダエッジPE1,PE2では、予めなされた取り決めにより、一方のプロバイダエッジ(上記例では、PE2)では、送信されたパケットを中継するが、他方のプロバイダエッジ(上記例では、PE1)では、送信されたパケットを破棄するため、ホストAへは、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0099】
また、本実施例によれば、プロバイダエッジPE1,PE2に対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用しているので、一方のプロバイダエッジ(上記例ではPE2)で障害が発生したとしても、他方のプロバイダエッジ(上記例ではPE1)において、上記取り決めに基づく設定が更新され、例え、送信したパケットを破棄する設定となっていても、中継する設定に更新されるため、パケット転送が中止することがない。
【0100】
C.第2の実施例:
次に、本発明の第2の実施例について説明する。まず、図7A〜7E及び図8A〜8Cを用いて、仮想回線確立動作及び通常動作について説明し、次に、図9A〜9C及び図10A〜10Cを用いて、障害発生時動作及び復旧時動作について説明する。なお、本実施例では、ユーザ2網内において、2つのホストB1,B2がそれぞれカスタマエッジCE2に接続されている。
【0101】
C−1.仮想回線確立動作:
図7Aは本発明の第2の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。また、図8Aはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、仮想回線(VC)確立の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0102】
・ステップb1:
図7Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、お互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行う。具体的には、プロバイダエッジPE1が、確立される仮想回線VC1からパケットを受信した際に、そして、プロバイダエッジPE2が、確立される仮想回線VC2からパケットを受信した際に、それぞれ、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダのいずれか、またはそれの組み合わせに基づいて、受信したパケットを中継するか、廃棄するか、について、取り決めを行う。
【0103】
そして、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、それぞれ、各々のメモリ114に、図8Aに示すようなアクションテーブルを生成して、取り決めた結果を格納する。図8Aに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットを中継し、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットを廃棄するとの取り決めがなされ、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットを廃棄し、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0104】
・ステップb2:
図7Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、それぞれ、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線(VC)についてMAC学習をするように指示する。
【0105】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、メモリ114に、図8Aに示すようなVCテーブルを生成して、指示された内容を格納する。すなわち、VCテーブルには、確立される仮想回線VC1,VC2について、いずれも、MAC学習をすると記されることになる。この結果、プロバイダエッジPE3では、仮想回線VC1,VC2を介してパケットが転送される際に、そのパケットの宛先や送信元についての学習がなされる。なお、VPLSの規格では、MAC学習をすることが基本となっているため、実際には、VC確立メッセージによって、明示的にMAC学習をするように指示する必要はなく、規格通りに、VC確立メッセージを送信するだけでよい。
【0106】
こうして、プロバイダエッジPE1−PE3間で、仮想回線VC1が確立され、プロバイダエッジPE2−PE3間で、仮想回線VC2が確立される。
【0107】
C−2.通常動作:
図7B〜7Eは本実施例における通常動作を説明するための説明図である。また、図8B,8Cはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、通常動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0108】
・ステップb3:
図7Bに示すように、ユーザ1網のホストAが、例えば、ユーザ2網のホストB1宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、予め設定されたルールに従って、SP網における、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のプロバイダエッジPE1,PE2のうち、一方のプロバイダエッジPEに中継する。本実施例においては、プロバイダエッジPE1に中継するように、設定されているものとする。
【0109】
・ステップb4:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、まず、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析して、そのパケットの宛先と送信元の組を取得し、次に、その宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を得る。この場合、受信したパケットの宛先はホストB1であり、送信元はホストAであるので、解析により取得される組は(宛先,送信元)=(B1,A)である。次に、その宛先と送信元とを入れ替えると、宛先はホストAとなり、送信元はホストB1となるので、得られる新たな組は(宛先,送信元)=(A,B1)となる。
【0110】
プロバイダエッジPE1の制御部110は、さらに、得られた新たな組について、図8Bに示すアクションテーブルを参照して、その組が「中継」に設定されているか、「廃棄」に設定されているかを判断する。この場合、新たな組は(宛先,送信元)=(A,B1)であり、プロバイダエッジPE1のアクションテーブルでは、その組は「中継」に設定されている。そして、プロバイダエッジPE1の制御部110は、その組が「中継」に設定されている場合には、受信したパケットをそのまま中継し、仮想回線VC1を介してプロバイダエッジPE3に送信する。なお、「廃棄」に設定されている場合については、後ほど説明する。
【0111】
・ステップb5:
プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを受信し、ユーザ2網のカスタマエッジCE2に中継する。このとき、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図8Bに示すVCテーブルを参照し、仮想回線VC1について、MAC学習すると設定されているので、受信したパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習をする。具体的には、受信したパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得すると共に、そのパケットが送信されてきた仮想回線(VC)名を取得する。そして、メモリ114に図8Bに示すような学習テーブルを生成して、取得した宛先と送信元とを入れ替えた上で、仮想回線(VC)名と共に、宛先,送信元,仮想回線の組として格納する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストB1であり、送信元はホストAであり、送信されてきた仮想回線はVC1であるので、宛先と送信元とを入れ替えた上で、仮想回線(VC)名と組み合わせると、格納される組は(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B1,VC1)となる。
【0112】
次に、カスタマエッジCE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3から送信されたパケットを受信し、そのままホストB1に中継する。
【0113】
こうして、ホストAから送信されたパケットは、ホストB1に転送される。
【0114】
・ステップb6:
次に、図7Cに示すように、例えば、ユーザ2網のホストB1が、ユーザ1網のホストA宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままSP網におけるプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、前述したとおり、仮想回線VC1,VC2についてMAC学習を行っているため、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得する。そして、図8Bに示す学習テーブルを参照して、そのパケットを送信すべき仮想回線(VC)を選択する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストAであり、送信元はホストB1であるので、学習テーブルに基づいて、送信すべき仮想回線(VC)としてVC1が選択される。その結果、プロバイダエッジPE3の制御部110は、受信したパケットを、選択した仮想回線VC1のみに中継する。
【0115】
・ステップb7:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、アクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。プロバイダエッジPE1のアクションテーブルは、図8Bに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットについて「中継」と記載されているので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットをユーザ1網のカスタマエッジCE1に中継する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0116】
こうして、ホストB1から送信されたパケットは、途中で増殖することなく、ホストAに転送される。
【0117】
・ステップb8:
図7Cに示すように、ユーザ1網のホストAが、今度は、ユーザ2網のホストB2宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、予め設定されたルールに従って、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のプロバイダエッジPE1,PE2のうち、一方のプロバイダエッジPEに中継する。本実施例においては、プロバイダエッジPE1に中継するように、設定されているものとする。
【0118】
・ステップb9:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、ステップb4の場合と同様に、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析して、そのパケットの宛先と送信元の組を取得し、次に、その宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を得る。この場合、受信したパケットの宛先はホストB2であり、送信元はホストAであるので、解析により取得される組は(宛先,送信元)=(B2,A)である。次に、その宛先と送信元とを入れ替えると、宛先はホストAとなり、送信元はホストB2となるので、得られる新たな組は(宛先,送信元)=(A,B2)となる。
【0119】
プロバイダエッジPE1の制御部110は、さらに、得られた新たな組について、図8Cに示すアクションテーブルを参照して、その組が「中継」に設定されているか、「廃棄」に設定されているかを判断する。この場合、新たな組は(宛先,送信元)=(A,B2)であり、プロバイダエッジPE1のアクションテーブルでは、その組は「廃棄」に設定されている。そして、プロバイダエッジPE1の制御部110は、その組が「廃棄」に設定されている場合には、受信したパケットを、前述の取り決めにより「中継」と設定されているはずのプロバイダエッジPE2に送信する。
【0120】
・ステップb10:
プロバイダエッジPE2の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、ステップb4,b9の場合と同様に、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元の組を取得する。この場合、宛先はホストB2であり、送信元はホストAであるので、取得される組は(宛先,送信元)=(B2,A)である。次に、その宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を取得する。この場合、宛先と送信元とを入れ替えると、宛先はホストAとなり、送信元はホストB2となるので、取得される新たな組は(宛先,送信元)=(A,B2)となる。さらに、取得された新たな組について、図8Cに示すアクションテーブルを参照して、その組が「中継」に設定されているか、「廃棄」に設定されているかを判断する。この場合、新たな組は(宛先,送信元)=(A,B2)であり、プロバイダエッジPE2のアクションテーブルでは、その組は「中継」に設定されている。そして、プロバイダエッジPE2の制御部110は、その組が「中継」に設定されている場合には、受信したパケットをそのまま中継し、仮想回線VC2を介してプロバイダエッジPE3に送信する。
【0121】
・ステップb11:
プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを受信し、ユーザ2網のカスタマエッジCE2に中継する。このとき、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図8Cに示すVCテーブルを参照し、仮想回線VC2について、MAC学習すると設定されているので、受信したパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習をする。この場合、受信したパケットにおけるヘッダから取得される宛先はホストB2であり、送信元はホストAであり、送信されてきた仮想回線はVC2であるので、宛先と送信元とを入れ替えた上で、仮想回線(VC)名と組み合わせると、学習テーブルに格納される組は(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC2)となる。
【0122】
次に、カスタマエッジCE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3から送信されたパケットを受信し、そのままホストB2に中継する。
【0123】
こうして、ホストAから送信されたパケットは、ホストB2に転送される。
【0124】
・ステップb12:
次に、図7Eに示すように、例えば、ユーザ2網のホストB2が、ユーザ1網のホストA宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままSP網におけるプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、前述したとおり、仮想回線VC1,VC2についてMAC学習を行っているため、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得する。そして、図8Cに示す学習テーブルを参照して、そのパケットを送信すべき仮想回線(VC)を選択する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストAであり、送信元はホストB2であるので、学習テーブルに基づいて、送信すべき仮想回線(VC)としてVC2が選択される。その結果、プロバイダエッジPE3の制御部110は、受信したパケットを、選択した仮想回線VC2のみに中継する。
【0125】
・ステップb13:
プロバイダエッジPE2の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、アクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。プロバイダエッジPE2のアクションテーブルには、図8Cに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットについて「中継」と記載されているので、プロバイダエッジPE2では、送信されたパケットをユーザ1網のカスタマエッジCE1に中継する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0126】
こうして、ホストB2から送信されたパケットは、途中で増殖することなく、ホストAに転送される。
【0127】
C−3.障害発生時動作:
図9A,9Bは本実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。また、図10A,10Bはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、障害発生時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0128】
・ステップb14,b15:
図9Aに示すように、例えば、プロバイダエッジPE2において、障害が発生すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、その障害発生を検出する。前述したとおり、プロバイダエッジPE2において障害が発生すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、制御メッセージの交信に失敗することになるので、そのことにより、プロバイダエッジPE2で障害が発生したことを検出することができる。また、プロバイダエッジPE2において障害が発生したことにより、図10Aに示すように、プロバイダエッジPE2におけるアクションテーブルは使用不可能となる。
【0129】
・ステップb16:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2における障害発生を検出すると、パケット転送が停止しないようにするために、直ちに、プロバイダエッジPE1内のアクションテーブルを更新する。具体的には、図10Aに示すように、先に述べたプロバイダエッジPE2との取り決めにより、プロバイダエッジPE1では、アクションテーブルに、送信元B1で宛先Aのパケットについては中継するよう設定されているものの、送信元B2で宛先Aのパケットについては廃棄するよう設定されている。従って、そのままでは、送信元がB2で宛先がAのパケットについては、パケット転送が停止してしまう恐れがあるので、そのようなパケットについても中継するように、設定を更新する。
【0130】
一方、プロバイダエッジPE3においても、プロバイダエッジPE2における障害発生を検出すると、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、プロバイダエッジPE2が関わる内容を消去するように、設定を更新する。この結果、図10Aに示すように、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、仮想回線VC2の行の内容が消去される。
【0131】
・ステップb17:
次に、プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、取り消し通知メッセージを送信して、プロバイダエッジPE2が関わるMAC学習の内容の取り消しを指示する。これにより、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図10Aに示すように、学習テーブルから、プロバイダエッジPE2が関わるMAC学習の内容、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC2)の組を消去する。
【0132】
・ステップb18:
そこで、図9Bに示すように、ホストB2がホストA宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得する。そして、図10Bに示す学習テーブルを参照して、そのパケットを送信すべき仮想回線(VC)を選択する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストAであり、送信元はホストB2であるが、ステップb17において、プロバイダエッジPE2が関わるMAC学習の内容、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC2)の組は消去されているので、送信すべき仮想回線(VC)を選択することができない。そこで、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを仮想回線VC1に中継する。
【0133】
・ステップb19:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、更新された後のアクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。前述したとおり、プロバイダエッジPE1のアクションテーブルは、ステップa16において、図10Bに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットについて「中継」と更新されたので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットを中継してカスタマエッジCE1に送信する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0134】
こうして、ホストB2から送信されたパケットは、途中で滞ることなく、ホストAに転送される。
【0135】
C−4.復旧時動作:
図9Cは本実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。また、図10Cはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、復旧時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0136】
・ステップb20,b21:
図9Cに示すように、プロバイダエッジPE2において、障害から復旧すると、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE1との間で、制御メッセージのやり取りを再開するので、プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2の復旧を検出する。そして、再び、ステップb1の場合と同様に、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行い、図10Cに示すように、各々のアクションテーブルに取り決めた結果を格納する。図10Cに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットを中継し、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットを廃棄するとの取り決めがなされ、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットを廃棄し、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0137】
・ステップb22:
図9Cに示すように、復旧したプロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線VC2についてMAC学習をするように指示する。
【0138】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、図10Cに示すように、VCテーブルに、仮想回線VC2についての内容を追加する。すなわち、VCテーブルには、仮想回線VC2について、MAC学習をすると記される。
【0139】
・ステップb23:
次に、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、取り消し通知メッセージを送信して、送信元ホストB2に関わるMAC学習の内容の取り消しを指示する。すなわち、プロバイダエッジPE2において障害が発生した後も、仮想回線VC1については、MAC学習が継続されるので、ホストAからホストB2宛てのパケットが送信された場合、そのパケットは、仮想回線VC1を介してプロバイダエッジPE3に受信されるため、その際、プロバイダエッジPE3では、そのパケットについてMAC学習が行われ、学習テーブルには、図10Cに示すように、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC1)の組が格納されることになる。従って、プロバイダエッジPE1が復旧した後も、このMAC学習の内容を放置しておくと、ホストB2からホストA宛てにパケットが送信された場合、プロバイダエッジPE3では、上記のMAC学習の内容に従って、そのパケットを仮想回線VC1のみに送信することになり、その結果、プロバイダエッジPE1において、そのパケットが廃棄されてしまうことになるからである。そのため、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、送信元ホストB2に関わるMAC学習の内容の取り消しを指示する。これにより、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図10Cに示すように、学習テーブルから、送信元ホストB2に関わるMAC学習の内容、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC1)の組を消去する。
【0140】
こうして、復旧したプロバイダエッジPE2と、プロバイダエッジPE3との間で、仮想回線VC2が確立される。
【0141】
C−5.実施例の効果:
本実施例では、ホストAからホストB1またはB2へパケットを転送する場合、プロバイダエッジPE1,PE2では、予めなされた取り決めに基づき、例えば、ホストB1宛てのパケットである場合は、常に仮想回線VC1を通るようにし、ホストB2宛てのパケットである場合は、常に仮想回線VC2を通るようにした上で、プロバイダエッジPE3において、それらパケットについてMAC学習を行っている。従って、プロバイダエッジPE3では、そのMAC学習の結果に基づいて、例えば、ホストB1からホストAへパケットを転送する場合には、受信したパケットを仮想回線VC1のみに中継し、ホストB2からホストAへパケットを転送する場合には、受信したパケットを仮想回線VC2のみに中継する。よって、本実施例によれば、転送される途中でパケットが増殖することがないため、ホストAには、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0142】
また、本実施例によれば、プロバイダエッジPE1,PE2に対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用しているので、一方のプロバイダエッジ(上記例ではPE2)で障害が発生したとしても、他方のプロバイダエッジ(上記例ではPE1)において、上記取り決めに基づく設定が更新され、例え、送信したパケットを破棄する設定となっていても、中継する設定に更新されるため、パケット転送が中止することがない。
【0143】
D.第3の実施例:
次に、本発明の第3の実施例について説明する。まず、図11A〜11C及び図12A〜12Cを用いて、仮想回線確立動作及び通常動作について説明し、次に、図13A〜13C及び図14A〜14Cを用いて、障害発生時動作及び復旧時動作について説明する。
【0144】
D−1.仮想回線確立動作:
図11Aは本発明の第3の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。また、図12Aはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、仮想回線(VC)確立の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0145】
・ステップc1:
図11Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、お互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行う。すなわち、プロバイダエッジPE1が、確立される仮想回線VC1からパケットを受信した際に、そして、プロバイダエッジPE2が、確立される仮想回線VC2からパケットを受信した際に、それぞれ、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダのいずれか、またはそれの組み合わせに基づいて、受信したパケットを中継するか、廃棄するか、について、取り決めを行う。
【0146】
そして、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、それぞれ、各々のメモリ114に、図12Aに示すようなアクションテーブルを生成して、取り決めた結果を格納する。図12Aに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0147】
・ステップc2:
図11Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、それぞれ、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線(VC)についてMAC学習をしないように指示する。
【0148】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、メモリ114に、図12Aに示すようなVCテーブルを生成して、指示された内容を格納する。すなわち、VCテーブルには、確立される仮想回線VC1,VC2について、いずれも、MAC学習をしないと記されることになる。この結果、プロバイダエッジPE3では、仮想回線VC1,VC2を介してパケットが転送される際に、そのパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習がなされない。
【0149】
こうして、プロバイダエッジPE1−PE3間で、仮想回線VC1が確立され、プロバイダエッジPE2−PE3間で、仮想回線VC2が確立される。
【0150】
D−2.通常動作:
図11B,11Cは本実施例における通常動作を説明するための説明図である。また、図12B,12Cはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、通常動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0151】
・ステップc3:
図11Bに示すように、ユーザ1網のホストAが、例えば、ユーザ2網のホストB宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、予め設定されたルールに従って、SP網における、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のプロバイダエッジPE1,PE2のうち、一方のプロバイダエッジPEに中継する。本実施例においては、プロバイダエッジPE1に中継するように、設定されているものとする。
【0152】
・ステップc4:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析して、そのパケットの宛先と送信元の組を取得し、次に、その宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を得る。この場合、受信したパケットの宛先はホストBであり、送信元はホストAであるので、解析により取得される組は(宛先,送信元)=(B,A)であり、その宛先と送信元とを入れ替えると、宛先はホストAとなり、送信元はホストBとなるので、得られる新たな組は(宛先,送信元)=(A,B)となる。
【0153】
そして、プロバイダエッジPE1の制御部110は、得られた新たな組のパケットについては中継するように、ステップc1でのプロバイダエッジPE2との取り決めを更新すべく、プロバイダエッジPE1内のアクションテーブルを更新する。この場合、図12Aに示したように、ステップc1でのプロバイダエッジPE2との取り決めにより、プロバイダエッジPE1では、アクションテーブルに、新たな組(宛先,送信元)=(A,B)のパケットについては廃棄するよう設定されている。従って、図12Bに示すように、このような宛先Aで送信元Bのパケットについては中継するように、設定を更新する。
【0154】
・ステップc5:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2に対し、上記した新たな組のパケットについては破棄するように、ステップc1での取り決めの更新を指示する。これにより、プロバイダエッジPE2の制御部110は、上記した新たな組のパケットについては破棄するように、プロバイダエッジPE2内のアクションテーブルを更新する。具体的には、図12Aに示したように、ステップc1でのプロバイダエッジPE1との取り決めにより、プロバイダエッジPE2では、アクションテーブルに、新たな組(宛先,送信元)=(A,B)のパケットについては中継するよう設定されている。従って、図12Bに示すように、このような宛先Aで送信元Bのパケットについては破棄するように、設定を更新する。
【0155】
・ステップc6:
続いて、プロバイダエッジPE1の制御部110は、上記した新たな組のパケットについては仮想回線VC1に送信するように、プロバイダエッジPE3に対し、学習内容として指示する。プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、メモリ114に、図12Bに示すような学習テーブルを生成して、指示された学習内容に従って、宛先,送信元,仮想回線の組を格納する。この場合、上述したとおり、新たな組は(宛先,送信元)=(A,B)であり、仮想回線はVC1であるので、格納される組は(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC1)となる。
【0156】
・ステップc7:
さらに、プロバイダエッジPE1の制御部110は、ステップc4で受信したパケットを、仮想回線VC1を介してプロバイダエッジPE3に中継する。
【0157】
・ステップc8:
プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを、ユーザ2網のカスタマエッジCE2に中継する。このとき、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図12Bに示すVCテーブルを参照し、仮想回線VC2について、MAC学習しないと設定されているので、そのパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習をすることなく、そのパケットを中継する。そして、カスタマエッジCE2の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストBに中継する。
【0158】
こうして、ホストAから送信されたパケットは、ホストBに転送される。
【0159】
・ステップc9:
次に、図11Cに示すように、ユーザ2網のホストBが、ユーザ1網のホストA宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままSP網におけるプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、前述したとおり、仮想回線VC1,VC2についてMAC学習を行っていないが、ステップc6におけるプロバイダエッジPE1からの指示によって、図12Cに示すように、学習テーブルには、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC1)の組が格納されている。従って、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得する。そして、図12Cに示す学習テーブルを参照して、そのパケットを送信すべき仮想回線(VC)を選択する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストAであり、送信元はホストBであるので、学習テーブルに基づいて、送信すべき仮想回線(VC)としてVC1が選択される。その結果、プロバイダエッジPE3の制御部110は、受信したパケットを、選択した仮想回線VC1のみに中継する。
【0160】
・ステップc10:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、アクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。プロバイダエッジPE1のアクションテーブルは、前述したとおり、ステップc4において更新されており、図12Cに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストBのパケットについて「中継」と記載されているので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットをユーザ1網のカスタマエッジCE1に中継する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0161】
こうして、ホストB1から送信されたパケットは、途中で増殖することなく、ホストAに転送される。
【0162】
D−3.障害発生時動作:
図13A,13Bは本実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。また、図14A,14Bはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、障害発生時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0163】
・ステップc11,c12:
図13Aに示すように、例えば、プロバイダエッジPE1において、障害が発生すると、プロバイダエッジPE2の制御部110は、その障害発生を検出する。プロバイダエッジPE1において障害が発生すると、プロバイダエッジPE2の制御部110は、制御メッセージの交信に失敗することになるので、そのことにより、プロバイダエッジPE1で障害が発生したことを検出することができる。また、プロバイダエッジPE1において障害が発生したことにより、図14Aに示すように、プロバイダエッジPE1におけるアクションテーブルは使用不可能となる。
【0164】
・ステップc13:
プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE1における障害発生を検出すると、パケット転送が停止しないように、直ちに、プロバイダエッジPE2内のアクションテーブルを更新する。具体的には、ステップc5において、プロバイダエッジPE1からの取り決め更新の指示により、プロバイダエッジPE2では、アクションテーブルに、宛先Aで送信元Bのパケットについては廃棄するよう設定されているので、そのままではパケット転送が停止してしまう。そこで、図14Aに示すように、宛先Aで送信元Bのパケットについては、中継するように、設定を更新する。
【0165】
一方、プロバイダエッジPE3においても、プロバイダエッジPE1における障害発生を検出すると、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、プロバイダエッジPE1が関わる内容を消去するように、設定を更新する。この結果、図14Aに示すように、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、仮想回線VC1の行の内容が消去される。
【0166】
・ステップc14:
次に、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、取り消し通知メッセージを送信して、プロバイダエッジPE1が関わる学習内容の取り消しを指示する。これにより、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図14Aに示すように、学習テーブルから、ステップc6において、プロバイダエッジPE1からの指示により格納した学習内容(プロバイダエッジPE1が関わる学習内容)、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC1)の組を消去する。
【0167】
・ステップc15:
そこで、図13Bに示すように、ホストBがホストA宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、ステップc14において学習テーブルの学習内容が消去されてしまったので、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを仮想回線VC1に中継する。
【0168】
・ステップc16:
プロバイダエッジPE2の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、更新されたの後のアクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。前述したとおり、プロバイダエッジPE2のアクションテーブルは、ステップc13において、図14Bに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストBのパケットについて「中継」と更新されたので、プロバイダエッジPE2では、送信されたパケットを中継してカスタマエッジCE1に送信する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0169】
こうして、ホストBから送信されたパケットは、途中で滞ることなく、ホストAに転送される。
【0170】
D−4.復旧時動作:
図13Cは本実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。また、図14Cはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、復旧時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0171】
・ステップc17,c18:
図13Cに示すように、プロバイダエッジPE1において、障害から復旧すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2との間で、制御メッセージのやり取りを再開するので、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE1の復旧を検出する。そして、再び、ステップc1の場合と同様に、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行い、図14Cに示すように、各々のアクションテーブルに取り決めた結果を格納する。図14Cに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0172】
・ステップc19:
図13Cに示すように、復旧したプロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線VC1についてMAC学習をしないように指示する。
【0173】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、図14Cに示すように、VCテーブルに、仮想回線VC1についての内容を追加する。すなわち、VCテーブルには、仮想回線VC1について、MAC学習をしないと記される。
【0174】
・ステップb23:
次に、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、取り消し通知メッセージを送信して、仮想回線VC2が関わる学習内容の取り消しを指示する。すなわち、プロバイダエッジPE1において障害が発生した後に、ホストAからホストB宛てのパケットが送信された場合、そのパケットがプロバイダエッジPE2において受信されると、プロバイダエッジPE2は、そのパケットから取得した宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を取得し、その新たな組のパケットについては仮想回線VC2に送信するように、プロバイダエッジPE3に対し、学習内容として指示する。プロバイダエッジPE3では、その指示に基づいて、学習テーブルに、図14Cに示すように、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC2)の組が格納されることになる。従って、プロバイダエッジPE1が復旧した後も、この学習内容を放置しておくと、ホストBからホストA宛てにパケットが送信された場合、プロバイダエッジPE3では、上記の学習内容に従って、そのパケットを仮想回線VC2のみに送信することになるからである。そのため、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、仮想回線VC1が関わる学習内容の取り消しを指示する。これにより、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図14Cに示すように、学習テーブルから、仮想回線VC2が関わる学習内容、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC2)の組を消去する。
【0175】
D−5.実施例の効果:
本実施例では、ホストAからホストBへパケットを転送する場合、プロバイダエッジPE1,PE2のうち、パケットを受信したプロバイダエッジ(上記例ではいPE1)が、そのパケットを中継するように、プロバイダエッジPE1,PE2の両者において、予めなされた取り決めを更新すると共に、パケットを受信したプロバイダエッジ(上記例ではいPE1)は、そのパケットの宛先と送信元とを入れ替えたパケットについて、そのプロバイダエッジに接続される仮想回線(上記例ではVC1)を通るように、プロバイダエッジPE3に対し、学習内容の指示を行う。従って、プロバイダエッジPE3では、その学習内容に基づいて、ホストBからホストAへパケットを転送する場合には、受信したパケットを仮想回線VC1のみに中継する。よって、本実施例によれば、転送される途中でパケットが増殖することがないため、ホストAには、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0176】
また、本実施例によれば、プロバイダエッジPE1,PE2に対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用しているので、一方のプロバイダエッジ(上記例ではPE2)で障害が発生したとしても、他方のプロバイダエッジ(上記例ではPE1)において、上記取り決めに基づく設定が更新され、例え、送信したパケットを破棄する設定となっていても、中継する設定に更新されるため、パケット転送が中止することがない。
【0177】
E.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0178】
以上の説明においては、VPLS網を一例として採り上げたが、同じような機能を有する他のネットワーク構成においても、本発明を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0179】
100…スイッチ
110…制御部
112…CPU
114…メモリ
120…通信部
122…ネットワークインタフェース
A…ホスト
B…ホスト
B1…ホスト
B2…ホスト
CE…カスタマエッジ
CE1…カスタマエッジ
CE2…カスタマエッジ
PE…プロバイダエッジ
PE1…プロバイダエッジ
PE2…プロバイダエッジ
PE3…プロバイダエッジ
VC1…仮想回線
VC2…仮想回線
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに、いわゆる装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合に、パケットの増殖を生じさせないようにするための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ網とユーザ網との間を、サービスプロバイダ(SP)が提供するMPLS(Multiprotocol Label Switching)網を利用して接合し、イーサネット(Ethernet)(登録商標)フレームをマルチポイント・ツー・マルチポイント(Multipoint to Multipoint)で転送する技術として、VPLS(Virtual Private LAN Service)が知られている。
【0003】
一方、従来、ネットワークの冗長構成として、IEEE802.3adで標準化されているリンクアグリゲーション(Link Aggregation)が知られている。さらに、スイッチ,ルータなどのネットワーク装置の冗長構成として、上記したリンクアグリゲーションを複数のネットワーク装置にまたがって実現する、いわゆる装置またがりのリンクアグリゲーションも提案されている。複数のネットワーク装置に対して、このような装置またがりのリンクアグリゲーションを適用することにより、一つのネットワーク装置で障害が発生した場合でも、ネットワーク全体にその影響が及ばないようにすることが可能となる。
【0004】
このような装置またがりのリンクアグリゲーションとしては、例えば、下記の特許文献1に記載のものが知られている。
【0005】
図15は2台のネットワーク装置に装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合の構成を示すブロック図である。図15においては、2台のネットワーク装置SW2−1,SW2−2に装置またがりのリンクアグリゲーションを適用することにより、それら装置に接続されている他のネットワーク装置SW1に対して、それら2台のネットワーク装置SW2−1,SW2−2を仮想的に1台で構成されているように認識させることができる。装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のネットワーク装置SW2−1とSW2−2との間では、相互に制御メッセージのやり取りがされ、他のネットワーク装置SW1と、これら2台のネットワーク装置SW2−1,SW2−2と、の間では、回線集約用メッセージのやり取りがされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許6910149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今、上記したVPLSにおいて、冗長構成を採るために、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用する場合について考えてみる。
【0008】
図16はVPLSに装置またがりのリンクアグリゲーションを適用したネットワークの一例を示す説明図である。図16に示すように、VPLSでは、各ユーザ網間に、SPによって提供されるMPLS網(以下、SP網という)が介在する。SP網内には、多数のネットワーク装置が存在し、それらが互いに回線によって接続されている。また、各ユーザ網と、SP網とは、各ユーザ網のエッジ部分に存在するネットワーク装置(以下、カスタマエッジ[Customer Edge]という)CEと、SP網のエッジ部分に存在するネットワーク装置(以下、プロバイダエッジ[Provider Edge]という)PEと、を回線にて接続することにより、互いに接続されている。
【0009】
このような構成のVPLSにおいて、例えば、2台のプロバイダエッジPE1,PE2に対して、上述した装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合、ユーザ1網のカスタマエッジCE1に対し、2台のプロバイダエッジPE1,PE2を、あたかも1台のプロバイダエッジPEであるかのごとく認識させることができる。
【0010】
しかしながら、このような場合において、装置またがりのリンクアグリゲーションを意識することなく、VPLSの規格に従って、ネットワークを運用した場合、以下に述べるような問題が発生する。
【0011】
すなわち、VPLSの規格に従って、まず、プロバイダエッジPE間において、装置またがりのリンクアグリゲーションを意識することなく、仮想回線(Virtual Circuit)VCを確立させる。ここで、仮想回線VCとは、VPLSにおける伝送路であって、或るユーザ網と他のユーザ網とを連結する仮想的な回線をいう。
【0012】
図17はユーザ1網とユーザ2網とを連結する仮想回線VCを確立した場合の様子を示す説明図である。図17では、プロバイダエッジPE1−PE3間で、仮想回線VC1を確立し、プロバイダエッジPE2−PE3間で、仮想回線VC2を確立している。
【0013】
次に、VPLSの規格に従って、装置またがりのリンクアグリゲーションを意識することなく、ユーザ2網のホストBから、ユーザ1網のホストAに対してパケットを転送させる。
【0014】
すると、転送されたパケットは、転送途中において増殖してしまうという問題が発生する。
【0015】
図18はパケットの増殖される様子を示す説明図である。図18では、図面を見やすくするために、説明上必要としないネットワーク装置や回線やユーザ網は全て省略している。
【0016】
図18において、まず、ユーザ2網のホストBが、ユーザ1網のホストA宛てのパケットをカスタマエッジCE2に対して送信すると、カスタマエッジCE2では、そのパケットをSP網のプロバイダエッジPE3に転送する。プロバイダエッジSE3では、転送されたそのホストA宛てのパケットを複製して、2つの仮想回線VC1,VC2にそれぞれ転送する。仮想回線VC1につながるプロバイダエッジPE1では、転送されたパケットをそのままユーザ1網のカスタマエッジCE1に転送し、仮想回線VC2につながるプロバイダエッジPE2でも、転送されたパケットをそのままカスタマエッジCE1に転送する。この時点で、パケットの増殖が発生し、同一のパケットが、カスタマエッジCE1からホストAに重畳して転送されることになる。
【0017】
このように、VPLSにおいて、SP網内のプロバイダエッジPEに対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合、その装置またがりのリンクアグリゲーションを意識せずに、プロバイダエッジ間で、仮想回線VCを確立させると、転送されたパケットの増殖が発生してしまうという問題があった。
【0018】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、VPLSにおいて、プロバイダエッジPEに対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合に、パケットの増殖を防ぎ、正常なパケット転送を行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の第1のデータ通信システムは、第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第3のエッジは、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、前記パケットを複製して、前記第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継し、
前記第1のエッジは、前記第1の仮想回線から送信される前記パケットを受信し、前記第2のエッジは、前記第2の仮想回線から送信される前記パケットを受信すると共に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送し、他方のエッジでは、受信したパケットを、前記第4のエッジに中継することなく、破棄することを要旨とする。
【0020】
このように、第1のデータ通信システムでは、第3のエッジが、受信したパケットを複製して、第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継し、第1及び第2のエッジが、それぞれ、第1及び第2の仮想回線からのそれらパケットを受信したとしても、第1及び第2のエッジは、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信したパケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、そのパケットを第4のエッジに中継して、第2のネットワーク内のホストに転送するものの、他方のエッジでは、そのパケットを、第4のエッジに中継することなく、破棄するようにしている。
【0021】
従って、第1のデータ通信システムによれば、第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジではパケットを中継するが、他方のエッジではパケットを破棄しているため、第2のネットワーク内のホストへは、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0022】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をしないように設定されていることが好ましい。
【0023】
このように設定されていることによって、第3のエッジは、第5のエッジを介して送信されるパケットを受信した場合、その受信したパケットを複製して、第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継するようになる。
【0024】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第3のエッジとの間に接続される、前記第1及び第2の仮想回線を確立する際に、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で前記取り決めを行うと共に、それぞれ、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示することが好ましい。
【0025】
第1及び第2の仮想回線を確立する際に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、予め、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、パケット転送に関してMAC学習をしないように設定することができる。
【0026】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジにおいて障害が発生し、他方のエッジが、その障害発生を検出した場合、その障害検出エッジは、接続される前記仮想回線から受信される前記パケットを前記第4のエッジに中継するよう、前記取り決めを更新することが好ましい。
【0027】
従って、一方のエッジにおいて障害が発生する前において、例え、障害検出エッジにおける取り決めが、受信したパケットを破棄するよう、なされていたとしても、障害発生後は、受信したパケットを第4のエッジに中継するよう、取り決めが更新されることになる。
【0028】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、
前記障害検出エッジは、前記取り決めを更新した後において、接続される前記仮想回線から送信される前記パケットを受信した場合に、更新された前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することが好ましい。
【0029】
このように、一方のエッジにおいて障害が発生した場合でも、障害検出エッジは、接続される仮想回線から受信したパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継するようになるため、パケット転送を中止することなく、継続させることができる。
【0030】
本発明の第1のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示することが好ましい。
【0031】
障害の発生していたエッジが障害から復旧した場合に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、再度、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、確立される仮想回線を介してなされるパケット転送に関してMAC学習をしないように設定することができる。
【0032】
本発明の第2のデータ通信システムは、第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第3のエッジは、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、パケット転送に関するMAC学習の内容に基づいて、前記パケットを、前記第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継し、
前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送することを要旨とする。
【0033】
このように、第2のデータ通信システムでは、第3のエッジが、受信したパケットを、パケット転送に関するMAC学習の内容に基づいて、第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継し、他方には中継しないようにしている。そして、第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から、そのパケットを受信したエッジは、そのパケットを第4のエッジに中継して、第2のネットワーク内のホストに転送するようにしている。
【0034】
従って、第2のデータ通信システムによれば、第3のエッジが、パケットを、第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継し、他方には中継しないようにしているため、第2のネットワーク内のホストへは、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0035】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1のエッジと第2のエッジとの間では、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、予め取り決めがなされていると共に、
前記第2のネットワーク内のホストから、前記第3のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジが、前記第2のネットワーク内のホストから前記第4のエッジを介して送信された前記パケットを受信すると、前記一方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットの取り扱いについて、前記取り決めに、中継する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを接続される前記仮想回線に中継し、その新たな組のパケットの取り扱いについて、破棄する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを他方のエッジに送信することが好ましい。
【0036】
こうすることにより、一方のエッジが受信したパケットは、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットが、取り決めにより、中継することになっている場合は、接続される仮想回線に中継されることになるが、取り決めにより、廃棄することになっている場合には、他方のエッジに送信されることになる。
【0037】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、前記他方のエッジが、前記一方のエッジから送信された前記パケットを受信すると、前記他方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットの取り扱いについて、前記取り決めに、中継する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを接続される前記仮想回線に中継することが好ましい。
【0038】
こうすることにより、他方のエッジが一方のエッジから受信したパケットは、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットが、取り決めにより、中継することになっている場合は、接続される仮想回線に中継されることになる。
【0039】
この結果、第1のエッジが第1の仮想回線に中継するパケットは、全て、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて、第1のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットとなる。反対に、第2のエッジが第2の仮想回線に中継するパケットは、全て、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて、第2のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットとなる。
【0040】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をするように設定されていると共に、
前記第3のエッジは、前記第1または第2の仮想回線から前記パケットを受信した場合に、前記設定に基づいて、受信した前記パケットの転送に関してMAC学習して、前記MAC学習の内容を得ると共に、受信した前記パケットを前記第5のエッジに中継することが好ましい。
【0041】
こうすることにより、第3のエッジは、第1の仮想回線からパケットを受信した場合、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについては第1の仮想回線へ送信するように、MAC学習し、第2の仮想回線からパケットを受信した場合には、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて第2の仮想回線へ送信するように、MAC学習するようになる。
【0042】
ここで、第3のエッジが第1の仮想回線から受信したパケットは、上述したごとく、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて、第1のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットである。従って、言い換えれば、第3のエッジは、第1のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットについては、第1の仮想回線へ送信するように、MAC学習することになる。
【0043】
同じく、第3のエッジが第2の仮想回線から受信したパケットは、上述したごとく、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて、第2のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットである。従って、言い換えれば、第3のエッジは、第2のエッジにおける取り決めに、中継する旨の設定がされているパケットについては、第2の仮想回線へ送信するように、MAC学習することになる。
【0044】
この結果、前述したとおり、第3のネットワーク内のホストから、第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、第3のエッジが、第3のネットワーク内のホストから第5のエッジを介して送信されるパケットを受信して、上記のMAC学習の内容に基づいて、そのパケットを中継すると、第1のエッジにおける取り決めに中継する旨の設定がされているパケットについては、第1の仮想回線へ中継し、第2のエッジにおける取り決めに中継する旨の設定がされているパケットについては、第2の仮想回線へ中継することになる。
【0045】
よって、第1のエッジは、第1の仮想回線からパケットを受信した場合、受信したパケットについては、全て、取り決めに、中継する旨の設定がされていることになるため、受信したパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継することになる。同様に、第2のエッジは、第2の仮想回線からパケットを受信した場合、受信したパケットについては、全て、取り決めに、中継する旨の設定がされていることになるため、受信したパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継することになる。
【0046】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第3のエッジとの間に接続される、前記第1及び第2の仮想回線を確立する際に、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で前記取り決めを行うと共に、それぞれ、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージを用いて、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をするよう指示することが好ましい。
【0047】
第1及び第2の仮想回線を確立する際に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、予め、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、パケット転送に関してMAC学習をするように設定することができる。
【0048】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジにおいて障害が発生し、他方のエッジが、その障害発生を検出した場合、
その障害検出エッジは、接続される前記仮想回線から受信される前記パケットを前記第4のエッジに中継するよう、前記取り決めを更新すると共に、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、前記一方のエッジに接続される仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することが好ましい。
【0049】
この結果、第3のエッジは、障害が発生したエッジに接続される仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するため、その後、第3のネットワーク内のホストから、第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、第3のエッジが、第3のネットワーク内のホストから第5のエッジを介して送信されるパケットを受信すると、そのパケットが、障害が発生したエッジに接続される仮想回線に関わるパケットである場合には、そのパケット転送に関するMAC学習の内容が消去されているため、第3のエッジは、その受信したパケットを複製して、第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継するようになる。
【0050】
従って、受信したパケットは、障害が発生していない障害検出エッジに接続される仮想回線にも、必ず、中継されることになるため、パケット転送を中止することなく、継続させることができる。
【0051】
また、一方のエッジにおいて障害が発生する前において、障害検出エッジにおける取り決めが、接続される仮想回線から受信されるパケットのうち、特定のパケットについて破棄するように、なされていたとしても、障害発生後は、そのようなパケットについても、第4のエッジに中継するよう、取り決めを更新されることになる。
【0052】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記障害検出エッジは、前記取り決めを更新した後において、接続される前記仮想回線から送信される前記パケットを受信した場合に、更新された前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することが好ましい。
【0053】
このように、一方のエッジにおいて障害が発生した場合でも、障害検出エッジは、接続される仮想回線から受信したパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継するようになるため、パケット転送を中止することなく、継続させることができる。
【0054】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をするよう指示し、さらに、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、特定のパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することが好ましい。
【0055】
障害の発生していたエッジが障害から復旧した場合に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、再度、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、確立される仮想回線を介してなされるパケット転送に関してMAC学習をするように設定することができると共に、特定のパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去させることができる。
【0056】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第1のエッジと第2のエッジとの間では、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、予め取り決めがなされていると共に、
前記第2のネットワーク内のホストから、前記第3のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジが、前記第2のネットワーク内のホストから前記第4のエッジを介して送信された前記パケットを受信すると、前記一方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットについては中継するように、前記取り決めを更新し
前記一方のエッジは、他方のエッジに対して、その新たな組のパケットについては破棄するように、前記取り決めの更新を指示すると共に、前記第3のエッジに対して、その新たな組のパケットについては前記一方のエッジに接続される仮想回線に送信するように、前記MAC学習の内容を指示し、
前記一方のエッジは、受信した前記パケットを接続される仮想回線に中継し、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をしないように設定されていると共に、
前記第3のエッジは、前記第1または第2の仮想回線から前記パケットを受信した場合に、前記設定に基づいて、受信した前記パケットの転送に関してMAC学習することなく、受信した前記パケットを前記第5のエッジに中継することが好ましい。
【0057】
こうすることにより、パケットを受信した一方のエッジにおける取り決めは、その宛先と送信元とを入れ替えて得られる新たな組のパケットについて中継するように、更新されると共に、上記パケットを受信していない他方のエッジにおける取り決めは、その新たな組のパケットについて破棄するよう、更新される。また、第3のエッジにおいては、その新たな組のパケットについて、上記した一方のエッジに接続される仮想回線に送信するように、MAC学習の内容が設定される。但し、第3のエッジにおいては、このようにMAC学習の内容が設定されるものの、第1または第2の仮想回線からパケットを受信しても、MAC学習することなく、そのパケットを第5のエッジに中継することになるため、MAC学習の内容が更新されることはない。
【0058】
この結果、前述したとおり、第3のネットワーク内のホストから、第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、第3のエッジが、第3のネットワーク内のホストから第5のエッジを介して送信されるパケットを受信して、上記の設定されたMAC学習の内容に基づいて、そのパケットを、上記した一方のエッジに接続される仮想回線に送信することになる。
【0059】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジは、更新した前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することが好ましい。
【0060】
こうすることにより、上記のごとく、第3のエッジが、第3のネットワーク内のホストから第5のエッジを介して送信されるパケットを受信し、設定されたMAC学習の内容に基づいて、そのパケットを、上記した一方のエッジに接続される仮想回線に送信した場合、その一方のエッジでは、接続される仮想回線から上記パケットを受信すると、更新後の取り決めにより、そのパケットを破棄することなく、第4のエッジに中継することになる。
【0061】
本発明の第2のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、学習をしないよう指示し、さらに、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、特定のパケット転送に関して、学習した内容を消去するよう指示することが好ましい。
【0062】
障害の発生していたエッジが障害から復旧した場合に、このような処理をなすことにより、第1及び第2のエッジとの間で、再度、パケットの取り扱いについて取り決めを行うことができ、また、第3のエッジにおいて、確立される仮想回線を介してなされるパケット転送に関して学習をしないように設定することができると共に、特定のパケット転送に関して、学習した内容を消去させることができる。
【0063】
なお、本発明は、上記したデータ通信システムなどの装置発明の態様に限ることなく、データ通信方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のデータ通信システムが適用されるネットワークを示す説明図である。
【図2】カスタマエッジ,プロバイダエッジとして用いられ得るスイッチの構成を示すブロック図である。
【図3A】本発明の第1の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。
【図3B】本発明の第1の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図3C】本発明の第1の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図4A】本発明の第1の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図4B】本発明の第1の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図5A】本発明の第1の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図5B】本発明の第1の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図5C】本発明の第1の実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。
【図6A】本発明の第1の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図6B】本発明の第1の実施例における復旧時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図7A】本発明の第2の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。
【図7B】本発明の第2の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図7C】本発明の第2の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図7D】本発明の第2の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図7E】本発明の第2の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図8A】本発明の第2の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図8B】本発明の第2の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図8C】本発明の第2の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図9A】本発明の第2の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図9B】本発明の第2の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図9C】本発明の第2の実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。
【図10A】本発明の第2の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図10B】本発明の第2の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図10C】本発明の第2の実施例における復旧時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図11A】本発明の第3の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。
【図11B】本発明の第3の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図11C】本発明の第3の実施例における通常動作を説明するための説明図である。
【図12A】本発明の第3の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図12B】本発明の第3の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図12C】本発明の第3の実施例における通常動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図13A】本発明の第3の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図13B】本発明の第3の実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。
【図13C】本発明の第3の実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。
【図14A】本発明の第3の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図14B】本発明の第3の実施例における障害発生時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図14C】本発明の第3の実施例における復旧時の動作を行う際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。
【図15】2台のネットワーク装置に装置またがりのリンクアグリゲーションを適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図16】VPLSに装置またがりのリンクアグリゲーションを適用したネットワークの一例を示す説明図である。
【図17】ユーザ1網とユーザ2網とを連結する仮想回線VCを確立した場合の様子を示す説明図である。
【図18】パケットの増殖される様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.ネットワークの構成:
B.第1の実施例:
B−1.仮想回線確立動作:
B−2.通常動作:
B−3.障害発生時動作:
B−4.復旧時動作:
B−5.実施例の効果:
C.第2の実施例:
C−1.仮想回線確立動作:
C−2.通常動作:
C−3.障害発生時動作:
C−4.復旧時動作:
C−5.実施例の効果:
D.第3の実施例:
D−1.仮想回線確立動作:
D−2.通常動作:
D−3.障害発生時動作:
D−4.復旧時動作:
D−5.実施例の効果:
E.変形例:
【0066】
A.ネットワークの構成:
図1は本発明のデータ通信システムが適用されるネットワークを示す説明図である。このネットワークでは、図1に示すように、VPLSが実現されており、各ユーザ網間に、SPによって提供されるMPLS網(SP網)が介在する。SP網内には、多数のネットワーク装置が存在し、それらが互いに回線によって接続されている。各ユーザ網と、SP網とは、各ユーザ網のエッジ部分に存在するカスタマエッジCEと、SP網のエッジ部分に存在するプロバイダエッジPEと、を回線にて接続することにより、互いに接続されている。
【0067】
また、このネットワークでは、VPLSにおいて、2台のプロバイダエッジPE1,PE2に対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用しており、ユーザ1網のカスタマエッジCE1に対し、2台のプロバイダエッジPE1,PE2を仮想的に1台で構成されているように認識させている。また、プロバイダエッジPE1とPE2との間では、常時、相互に制御メッセージのやり取りがなされる。
【0068】
さらに、ユーザ1網内では、ホストAがカスタマエッジCE1に接続されており、ユーザ2網内では、ホストBがカスタマエッジCE2に接続されている。
【0069】
なお、図1では、図面を見やすくするために、説明上必要としないネットワーク装置や回線やユーザ網は全て省略している。このことは、後述する図についても同様である。
【0070】
ここで、カスタマエッジCE1,CE2及びプロバイダエッジPE1,PE2,PE3が、例えば、スイッチである場合、図2に示すような構成をなしている。
【0071】
図2はカスタマエッジ,プロバイダエッジとして用いられ得るスイッチの構成を示すブロック図である。図2に示すように、スイッチ100は、主として、制御部110と、通信部120と、を備えている。このうち、制御部110は、CPU112及びメモリ114などを備えており、CPU112がメモリ114内に格納されたプログラムを実行することにより、装置全体の管理やパケット処理などを行う。また、メモリ114には、上記プログラムが格納される他、データや、必要に応じて管理テーブルなどが記憶される。また、通信部120は、ネットワークインタフェース122などを備えており、パケットの中継処理などを行う。各ネットワークインタフェース122は、それぞれ、ポート(図示せず)を介して、イーサネットなどの物理回線(ツイストペアケーブル,光ファイバなど)に接続されている。
【0072】
B.第1の実施例:
それでは、本発明の第1の実施例について説明する。まず、図3A〜3C及び図4A,4Bを用いて、仮想回線確立動作及び通常動作について説明し、次に、図5A〜5C及び図6A,6Bを用いて、障害発生時動作及び復旧時動作について説明する。
【0073】
B−1.仮想回線確立動作:
図3Aは本発明の第1の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。また、図4Aはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、仮想回線(VC)確立の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0074】
・ステップa1:
図3Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、お互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行う。具体的には、プロバイダエッジPE1が、確立される仮想回線VC1からパケットを受信した際に、そして、プロバイダエッジPE2が、確立される仮想回線VC2からパケットを受信した際に、それぞれ、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダのいずれか、またはそれの組み合わせに基づいて、受信したパケットを中継するか、廃棄するか、について、取り決めを行う。
【0075】
そして、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、それぞれ、各々のメモリ114に、図4Aに示すようなアクションテーブルを生成して、取り決めた結果を格納する。図4Aに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0076】
・ステップa2:
図3Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、それぞれ、VC確立メッセージ(Label Mapping)を送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線(VC)についてMAC学習をしないように指示する。ここで、MAC学習とは、受信したパケットの宛先や送信元のMACアドレスを見て、どのポートや仮想回線にどのMACアドレスがつながっているかということを学習することである。
【0077】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、メモリ114に、図4Aに示すようなVCテーブルを生成して、指示された内容を格納する。すなわち、VCテーブルには、確立される仮想回線(VC)毎に、そのIDと、宛先と、MAC学習をするかしないかと、加入者回線と、が記載されており、確立される仮想回線VC1,VC2については、いずれも、MAC学習をしないと記されている。この結果、プロバイダエッジPE3では、仮想回線VC1,VC2を介してパケットが転送される際に、そのパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習がなされない。すなわち、学習されたならば、生成されるはずの学習テーブルが生成されない。
【0078】
こうして、プロバイダエッジPE1−PE3間で、仮想回線VC1が確立され、プロバイダエッジPE2−PE3間で、仮想回線VC2が確立される。
【0079】
B−2.通常動作:
図3B,3Cは本実施例における通常動作を説明するための説明図である。また、図4Bはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、通常動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0080】
・ステップa3:
図3Bに示すように、ユーザ1網のホストAが、ユーザ2網のホストB宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、予め設定されたルールに従って、SP網における、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のプロバイダエッジPE1,PE2のうち、一方のプロバイダエッジPEに中継する。本実施例においては、プロバイダエッジPE2に中継するように、設定されているものとする。さらに、そのプロバイダエッジPE2の制御部110は、送信されたパケットを、そのまま仮想回線VC2を介してプロバイダエッジPE3に中継する。
【0081】
・ステップa4:
プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを、ユーザ2網のカスタマエッジCE2に中継する。このとき、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図4Bに示すVCテーブルを参照し、仮想回線VC2について、MAC学習しないと設定されているので、そのパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習をすることなく、そのパケットを中継する。そして、カスタマエッジCE2の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストBに中継する。
【0082】
こうして、ホストAから送信されたパケットは、ホストBに転送される。
【0083】
・ステップa5:
次に、図3Cに示すように、ユーザ2網のホストBが、ユーザ1網のホストA宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままSP網におけるプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、前述したとおり、仮想回線VC1,VC2についてMAC学習を行っていない。そのため、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを複製して、両方の仮想回線VC1,VC2にそれぞれ中継する。
【0084】
・ステップa6:
プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110は、それぞれ、送信されたパケットを受信すると、各々のアクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。本実施例では、各々のアクションテーブルは、図4Bに示すごとく記載されているので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2では、送信されたパケットをユーザ1網のカスタマエッジCE1に中継する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0085】
こうして、ホストBから送信されたパケットは、途中で増殖することなく、ホストAに転送される。
【0086】
B−3.障害発生時動作:
図5A,5Bは本実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。また、図6Aはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、障害発生時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0087】
・ステップa7,a8:
図5Aに示すように、例えば、プロバイダエッジPE2において、障害が発生すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、その障害発生を検出する。前述したとおり、プロバイダエッジPE1とPE2との間では、常時、制御メッセージのやり取りがなされており、プロバイダエッジPE2において障害が発生すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、制御メッセージの交信に失敗することになるので、そのことにより、プロバイダエッジPE2で障害が発生したことを検出することができる。また、プロバイダエッジPE2において障害が発生したことにより、図6Aに示すように、プロバイダエッジPE2におけるアクションテーブルは使用不可能となる。
【0088】
・ステップa9:
こうして、プロバイダエッジPE2における障害発生を検出すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、パケット転送が停止しないように、直ちに、プロバイダエッジPE1内のアクションテーブルを更新する。具体的には、図6Aに示すように、先に述べたプロバイダエッジPE2との取り決めにより、プロバイダエッジPE1では、アクションテーブルに、宛先Aで送信元Bのパケットについては廃棄するよう設定されており、そのままではパケット転送が停止してしまうので、そのようなパケットを中継するように、設定を更新する。
【0089】
一方、プロバイダエッジPE3においても、プロバイダエッジPE2における障害発生を検出すると、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、プロバイダエッジPE2が関わる内容を消去するように、設定を更新する。この結果、図6Aに示すように、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、仮想回線VC2の行の内容が消去される。
【0090】
・ステップa10:
そこで、図5Bに示すように、ホストBがホストA宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、VCテーブルに従って、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを仮想回線VC1に中継する。
【0091】
・ステップa11:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、更新されたの後のアクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。前述したとおり、プロバイダエッジPE1のアクションテーブルは、ステップa9において、図6Aに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストBのパケットについて「中継」と更新されたので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットを中継してカスタマエッジCE1に送信する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0092】
こうして、ホストBから送信されたパケットは、途中で滞ることなく、ホストAに転送される。
【0093】
B−4.復旧時動作:
図5Cは本実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。また、図6Bはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、復旧時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0094】
・ステップa12,a13:
図5Cに示すように、プロバイダエッジPE2において、障害から復旧すると、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE1との間で、制御メッセージのやり取りを再開するので、プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2の復旧を検出する。そして、再び、ステップa1の場合と同様に、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行い、図6Bに示すように、各々のアクションテーブルに取り決めた結果を格納する。図6Bに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを中継するとの取り決めがなされている。
【0095】
・ステップa14:
図5Cに示すように、復旧したプロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線VC2についてMAC学習をしないように指示する。
【0096】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、図6Bに示すように、VCテーブルに、仮想回線VC2についての内容を追加する。すなわち、VCテーブルには、仮想回線VC2について、MAC学習をしないと記される。
【0097】
こうして、復旧したプロバイダエッジPE2と、プロバイダエッジPE3との間で、仮想回線VC2が確立される。
【0098】
B−5.実施例の効果:
本実施例によれば、ホストBからホストAへパケットを転送する場合、プロバイダエッジPE3では、パケットを複製して両方の仮想回線VC1,VC2にそれぞれ中継するものの、プロバイダエッジPE1,PE2では、予めなされた取り決めにより、一方のプロバイダエッジ(上記例では、PE2)では、送信されたパケットを中継するが、他方のプロバイダエッジ(上記例では、PE1)では、送信されたパケットを破棄するため、ホストAへは、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0099】
また、本実施例によれば、プロバイダエッジPE1,PE2に対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用しているので、一方のプロバイダエッジ(上記例ではPE2)で障害が発生したとしても、他方のプロバイダエッジ(上記例ではPE1)において、上記取り決めに基づく設定が更新され、例え、送信したパケットを破棄する設定となっていても、中継する設定に更新されるため、パケット転送が中止することがない。
【0100】
C.第2の実施例:
次に、本発明の第2の実施例について説明する。まず、図7A〜7E及び図8A〜8Cを用いて、仮想回線確立動作及び通常動作について説明し、次に、図9A〜9C及び図10A〜10Cを用いて、障害発生時動作及び復旧時動作について説明する。なお、本実施例では、ユーザ2網内において、2つのホストB1,B2がそれぞれカスタマエッジCE2に接続されている。
【0101】
C−1.仮想回線確立動作:
図7Aは本発明の第2の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。また、図8Aはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、仮想回線(VC)確立の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0102】
・ステップb1:
図7Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、お互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行う。具体的には、プロバイダエッジPE1が、確立される仮想回線VC1からパケットを受信した際に、そして、プロバイダエッジPE2が、確立される仮想回線VC2からパケットを受信した際に、それぞれ、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダのいずれか、またはそれの組み合わせに基づいて、受信したパケットを中継するか、廃棄するか、について、取り決めを行う。
【0103】
そして、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、それぞれ、各々のメモリ114に、図8Aに示すようなアクションテーブルを生成して、取り決めた結果を格納する。図8Aに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットを中継し、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットを廃棄するとの取り決めがなされ、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットを廃棄し、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0104】
・ステップb2:
図7Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、それぞれ、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線(VC)についてMAC学習をするように指示する。
【0105】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、メモリ114に、図8Aに示すようなVCテーブルを生成して、指示された内容を格納する。すなわち、VCテーブルには、確立される仮想回線VC1,VC2について、いずれも、MAC学習をすると記されることになる。この結果、プロバイダエッジPE3では、仮想回線VC1,VC2を介してパケットが転送される際に、そのパケットの宛先や送信元についての学習がなされる。なお、VPLSの規格では、MAC学習をすることが基本となっているため、実際には、VC確立メッセージによって、明示的にMAC学習をするように指示する必要はなく、規格通りに、VC確立メッセージを送信するだけでよい。
【0106】
こうして、プロバイダエッジPE1−PE3間で、仮想回線VC1が確立され、プロバイダエッジPE2−PE3間で、仮想回線VC2が確立される。
【0107】
C−2.通常動作:
図7B〜7Eは本実施例における通常動作を説明するための説明図である。また、図8B,8Cはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、通常動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0108】
・ステップb3:
図7Bに示すように、ユーザ1網のホストAが、例えば、ユーザ2網のホストB1宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、予め設定されたルールに従って、SP網における、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のプロバイダエッジPE1,PE2のうち、一方のプロバイダエッジPEに中継する。本実施例においては、プロバイダエッジPE1に中継するように、設定されているものとする。
【0109】
・ステップb4:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、まず、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析して、そのパケットの宛先と送信元の組を取得し、次に、その宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を得る。この場合、受信したパケットの宛先はホストB1であり、送信元はホストAであるので、解析により取得される組は(宛先,送信元)=(B1,A)である。次に、その宛先と送信元とを入れ替えると、宛先はホストAとなり、送信元はホストB1となるので、得られる新たな組は(宛先,送信元)=(A,B1)となる。
【0110】
プロバイダエッジPE1の制御部110は、さらに、得られた新たな組について、図8Bに示すアクションテーブルを参照して、その組が「中継」に設定されているか、「廃棄」に設定されているかを判断する。この場合、新たな組は(宛先,送信元)=(A,B1)であり、プロバイダエッジPE1のアクションテーブルでは、その組は「中継」に設定されている。そして、プロバイダエッジPE1の制御部110は、その組が「中継」に設定されている場合には、受信したパケットをそのまま中継し、仮想回線VC1を介してプロバイダエッジPE3に送信する。なお、「廃棄」に設定されている場合については、後ほど説明する。
【0111】
・ステップb5:
プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを受信し、ユーザ2網のカスタマエッジCE2に中継する。このとき、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図8Bに示すVCテーブルを参照し、仮想回線VC1について、MAC学習すると設定されているので、受信したパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習をする。具体的には、受信したパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得すると共に、そのパケットが送信されてきた仮想回線(VC)名を取得する。そして、メモリ114に図8Bに示すような学習テーブルを生成して、取得した宛先と送信元とを入れ替えた上で、仮想回線(VC)名と共に、宛先,送信元,仮想回線の組として格納する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストB1であり、送信元はホストAであり、送信されてきた仮想回線はVC1であるので、宛先と送信元とを入れ替えた上で、仮想回線(VC)名と組み合わせると、格納される組は(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B1,VC1)となる。
【0112】
次に、カスタマエッジCE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3から送信されたパケットを受信し、そのままホストB1に中継する。
【0113】
こうして、ホストAから送信されたパケットは、ホストB1に転送される。
【0114】
・ステップb6:
次に、図7Cに示すように、例えば、ユーザ2網のホストB1が、ユーザ1網のホストA宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままSP網におけるプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、前述したとおり、仮想回線VC1,VC2についてMAC学習を行っているため、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得する。そして、図8Bに示す学習テーブルを参照して、そのパケットを送信すべき仮想回線(VC)を選択する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストAであり、送信元はホストB1であるので、学習テーブルに基づいて、送信すべき仮想回線(VC)としてVC1が選択される。その結果、プロバイダエッジPE3の制御部110は、受信したパケットを、選択した仮想回線VC1のみに中継する。
【0115】
・ステップb7:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、アクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。プロバイダエッジPE1のアクションテーブルは、図8Bに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットについて「中継」と記載されているので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットをユーザ1網のカスタマエッジCE1に中継する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0116】
こうして、ホストB1から送信されたパケットは、途中で増殖することなく、ホストAに転送される。
【0117】
・ステップb8:
図7Cに示すように、ユーザ1網のホストAが、今度は、ユーザ2網のホストB2宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、予め設定されたルールに従って、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のプロバイダエッジPE1,PE2のうち、一方のプロバイダエッジPEに中継する。本実施例においては、プロバイダエッジPE1に中継するように、設定されているものとする。
【0118】
・ステップb9:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、ステップb4の場合と同様に、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析して、そのパケットの宛先と送信元の組を取得し、次に、その宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を得る。この場合、受信したパケットの宛先はホストB2であり、送信元はホストAであるので、解析により取得される組は(宛先,送信元)=(B2,A)である。次に、その宛先と送信元とを入れ替えると、宛先はホストAとなり、送信元はホストB2となるので、得られる新たな組は(宛先,送信元)=(A,B2)となる。
【0119】
プロバイダエッジPE1の制御部110は、さらに、得られた新たな組について、図8Cに示すアクションテーブルを参照して、その組が「中継」に設定されているか、「廃棄」に設定されているかを判断する。この場合、新たな組は(宛先,送信元)=(A,B2)であり、プロバイダエッジPE1のアクションテーブルでは、その組は「廃棄」に設定されている。そして、プロバイダエッジPE1の制御部110は、その組が「廃棄」に設定されている場合には、受信したパケットを、前述の取り決めにより「中継」と設定されているはずのプロバイダエッジPE2に送信する。
【0120】
・ステップb10:
プロバイダエッジPE2の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、ステップb4,b9の場合と同様に、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元の組を取得する。この場合、宛先はホストB2であり、送信元はホストAであるので、取得される組は(宛先,送信元)=(B2,A)である。次に、その宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を取得する。この場合、宛先と送信元とを入れ替えると、宛先はホストAとなり、送信元はホストB2となるので、取得される新たな組は(宛先,送信元)=(A,B2)となる。さらに、取得された新たな組について、図8Cに示すアクションテーブルを参照して、その組が「中継」に設定されているか、「廃棄」に設定されているかを判断する。この場合、新たな組は(宛先,送信元)=(A,B2)であり、プロバイダエッジPE2のアクションテーブルでは、その組は「中継」に設定されている。そして、プロバイダエッジPE2の制御部110は、その組が「中継」に設定されている場合には、受信したパケットをそのまま中継し、仮想回線VC2を介してプロバイダエッジPE3に送信する。
【0121】
・ステップb11:
プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを受信し、ユーザ2網のカスタマエッジCE2に中継する。このとき、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図8Cに示すVCテーブルを参照し、仮想回線VC2について、MAC学習すると設定されているので、受信したパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習をする。この場合、受信したパケットにおけるヘッダから取得される宛先はホストB2であり、送信元はホストAであり、送信されてきた仮想回線はVC2であるので、宛先と送信元とを入れ替えた上で、仮想回線(VC)名と組み合わせると、学習テーブルに格納される組は(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC2)となる。
【0122】
次に、カスタマエッジCE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3から送信されたパケットを受信し、そのままホストB2に中継する。
【0123】
こうして、ホストAから送信されたパケットは、ホストB2に転送される。
【0124】
・ステップb12:
次に、図7Eに示すように、例えば、ユーザ2網のホストB2が、ユーザ1網のホストA宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままSP網におけるプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、前述したとおり、仮想回線VC1,VC2についてMAC学習を行っているため、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得する。そして、図8Cに示す学習テーブルを参照して、そのパケットを送信すべき仮想回線(VC)を選択する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストAであり、送信元はホストB2であるので、学習テーブルに基づいて、送信すべき仮想回線(VC)としてVC2が選択される。その結果、プロバイダエッジPE3の制御部110は、受信したパケットを、選択した仮想回線VC2のみに中継する。
【0125】
・ステップb13:
プロバイダエッジPE2の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、アクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。プロバイダエッジPE2のアクションテーブルには、図8Cに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットについて「中継」と記載されているので、プロバイダエッジPE2では、送信されたパケットをユーザ1網のカスタマエッジCE1に中継する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0126】
こうして、ホストB2から送信されたパケットは、途中で増殖することなく、ホストAに転送される。
【0127】
C−3.障害発生時動作:
図9A,9Bは本実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。また、図10A,10Bはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、障害発生時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0128】
・ステップb14,b15:
図9Aに示すように、例えば、プロバイダエッジPE2において、障害が発生すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、その障害発生を検出する。前述したとおり、プロバイダエッジPE2において障害が発生すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、制御メッセージの交信に失敗することになるので、そのことにより、プロバイダエッジPE2で障害が発生したことを検出することができる。また、プロバイダエッジPE2において障害が発生したことにより、図10Aに示すように、プロバイダエッジPE2におけるアクションテーブルは使用不可能となる。
【0129】
・ステップb16:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2における障害発生を検出すると、パケット転送が停止しないようにするために、直ちに、プロバイダエッジPE1内のアクションテーブルを更新する。具体的には、図10Aに示すように、先に述べたプロバイダエッジPE2との取り決めにより、プロバイダエッジPE1では、アクションテーブルに、送信元B1で宛先Aのパケットについては中継するよう設定されているものの、送信元B2で宛先Aのパケットについては廃棄するよう設定されている。従って、そのままでは、送信元がB2で宛先がAのパケットについては、パケット転送が停止してしまう恐れがあるので、そのようなパケットについても中継するように、設定を更新する。
【0130】
一方、プロバイダエッジPE3においても、プロバイダエッジPE2における障害発生を検出すると、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、プロバイダエッジPE2が関わる内容を消去するように、設定を更新する。この結果、図10Aに示すように、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、仮想回線VC2の行の内容が消去される。
【0131】
・ステップb17:
次に、プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、取り消し通知メッセージを送信して、プロバイダエッジPE2が関わるMAC学習の内容の取り消しを指示する。これにより、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図10Aに示すように、学習テーブルから、プロバイダエッジPE2が関わるMAC学習の内容、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC2)の組を消去する。
【0132】
・ステップb18:
そこで、図9Bに示すように、ホストB2がホストA宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得する。そして、図10Bに示す学習テーブルを参照して、そのパケットを送信すべき仮想回線(VC)を選択する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストAであり、送信元はホストB2であるが、ステップb17において、プロバイダエッジPE2が関わるMAC学習の内容、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC2)の組は消去されているので、送信すべき仮想回線(VC)を選択することができない。そこで、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを仮想回線VC1に中継する。
【0133】
・ステップb19:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、更新された後のアクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。前述したとおり、プロバイダエッジPE1のアクションテーブルは、ステップa16において、図10Bに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットについて「中継」と更新されたので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットを中継してカスタマエッジCE1に送信する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0134】
こうして、ホストB2から送信されたパケットは、途中で滞ることなく、ホストAに転送される。
【0135】
C−4.復旧時動作:
図9Cは本実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。また、図10Cはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、復旧時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0136】
・ステップb20,b21:
図9Cに示すように、プロバイダエッジPE2において、障害から復旧すると、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE1との間で、制御メッセージのやり取りを再開するので、プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2の復旧を検出する。そして、再び、ステップb1の場合と同様に、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行い、図10Cに示すように、各々のアクションテーブルに取り決めた結果を格納する。図10Cに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットを中継し、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットを廃棄するとの取り決めがなされ、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストB1のパケットを廃棄し、宛先がホストAで送信元がホストB2のパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0137】
・ステップb22:
図9Cに示すように、復旧したプロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線VC2についてMAC学習をするように指示する。
【0138】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、図10Cに示すように、VCテーブルに、仮想回線VC2についての内容を追加する。すなわち、VCテーブルには、仮想回線VC2について、MAC学習をすると記される。
【0139】
・ステップb23:
次に、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、取り消し通知メッセージを送信して、送信元ホストB2に関わるMAC学習の内容の取り消しを指示する。すなわち、プロバイダエッジPE2において障害が発生した後も、仮想回線VC1については、MAC学習が継続されるので、ホストAからホストB2宛てのパケットが送信された場合、そのパケットは、仮想回線VC1を介してプロバイダエッジPE3に受信されるため、その際、プロバイダエッジPE3では、そのパケットについてMAC学習が行われ、学習テーブルには、図10Cに示すように、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC1)の組が格納されることになる。従って、プロバイダエッジPE1が復旧した後も、このMAC学習の内容を放置しておくと、ホストB2からホストA宛てにパケットが送信された場合、プロバイダエッジPE3では、上記のMAC学習の内容に従って、そのパケットを仮想回線VC1のみに送信することになり、その結果、プロバイダエッジPE1において、そのパケットが廃棄されてしまうことになるからである。そのため、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、送信元ホストB2に関わるMAC学習の内容の取り消しを指示する。これにより、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図10Cに示すように、学習テーブルから、送信元ホストB2に関わるMAC学習の内容、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B2,VC1)の組を消去する。
【0140】
こうして、復旧したプロバイダエッジPE2と、プロバイダエッジPE3との間で、仮想回線VC2が確立される。
【0141】
C−5.実施例の効果:
本実施例では、ホストAからホストB1またはB2へパケットを転送する場合、プロバイダエッジPE1,PE2では、予めなされた取り決めに基づき、例えば、ホストB1宛てのパケットである場合は、常に仮想回線VC1を通るようにし、ホストB2宛てのパケットである場合は、常に仮想回線VC2を通るようにした上で、プロバイダエッジPE3において、それらパケットについてMAC学習を行っている。従って、プロバイダエッジPE3では、そのMAC学習の結果に基づいて、例えば、ホストB1からホストAへパケットを転送する場合には、受信したパケットを仮想回線VC1のみに中継し、ホストB2からホストAへパケットを転送する場合には、受信したパケットを仮想回線VC2のみに中継する。よって、本実施例によれば、転送される途中でパケットが増殖することがないため、ホストAには、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0142】
また、本実施例によれば、プロバイダエッジPE1,PE2に対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用しているので、一方のプロバイダエッジ(上記例ではPE2)で障害が発生したとしても、他方のプロバイダエッジ(上記例ではPE1)において、上記取り決めに基づく設定が更新され、例え、送信したパケットを破棄する設定となっていても、中継する設定に更新されるため、パケット転送が中止することがない。
【0143】
D.第3の実施例:
次に、本発明の第3の実施例について説明する。まず、図11A〜11C及び図12A〜12Cを用いて、仮想回線確立動作及び通常動作について説明し、次に、図13A〜13C及び図14A〜14Cを用いて、障害発生時動作及び復旧時動作について説明する。
【0144】
D−1.仮想回線確立動作:
図11Aは本発明の第3の実施例における仮想回線(VC)確立の動作を説明するための説明図である。また、図12Aはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、仮想回線(VC)確立の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0145】
・ステップc1:
図11Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、お互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行う。すなわち、プロバイダエッジPE1が、確立される仮想回線VC1からパケットを受信した際に、そして、プロバイダエッジPE2が、確立される仮想回線VC2からパケットを受信した際に、それぞれ、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダのいずれか、またはそれの組み合わせに基づいて、受信したパケットを中継するか、廃棄するか、について、取り決めを行う。
【0146】
そして、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、それぞれ、各々のメモリ114に、図12Aに示すようなアクションテーブルを生成して、取り決めた結果を格納する。図12Aに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0147】
・ステップc2:
図11Aに示すように、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、それぞれ、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線(VC)についてMAC学習をしないように指示する。
【0148】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、メモリ114に、図12Aに示すようなVCテーブルを生成して、指示された内容を格納する。すなわち、VCテーブルには、確立される仮想回線VC1,VC2について、いずれも、MAC学習をしないと記されることになる。この結果、プロバイダエッジPE3では、仮想回線VC1,VC2を介してパケットが転送される際に、そのパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習がなされない。
【0149】
こうして、プロバイダエッジPE1−PE3間で、仮想回線VC1が確立され、プロバイダエッジPE2−PE3間で、仮想回線VC2が確立される。
【0150】
D−2.通常動作:
図11B,11Cは本実施例における通常動作を説明するための説明図である。また、図12B,12Cはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、通常動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0151】
・ステップc3:
図11Bに示すように、ユーザ1網のホストAが、例えば、ユーザ2網のホストB宛てにパケットを送信すると、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、予め設定されたルールに従って、SP網における、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された2台のプロバイダエッジPE1,PE2のうち、一方のプロバイダエッジPEに中継する。本実施例においては、プロバイダエッジPE1に中継するように、設定されているものとする。
【0152】
・ステップc4:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析して、そのパケットの宛先と送信元の組を取得し、次に、その宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を得る。この場合、受信したパケットの宛先はホストBであり、送信元はホストAであるので、解析により取得される組は(宛先,送信元)=(B,A)であり、その宛先と送信元とを入れ替えると、宛先はホストAとなり、送信元はホストBとなるので、得られる新たな組は(宛先,送信元)=(A,B)となる。
【0153】
そして、プロバイダエッジPE1の制御部110は、得られた新たな組のパケットについては中継するように、ステップc1でのプロバイダエッジPE2との取り決めを更新すべく、プロバイダエッジPE1内のアクションテーブルを更新する。この場合、図12Aに示したように、ステップc1でのプロバイダエッジPE2との取り決めにより、プロバイダエッジPE1では、アクションテーブルに、新たな組(宛先,送信元)=(A,B)のパケットについては廃棄するよう設定されている。従って、図12Bに示すように、このような宛先Aで送信元Bのパケットについては中継するように、設定を更新する。
【0154】
・ステップc5:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2に対し、上記した新たな組のパケットについては破棄するように、ステップc1での取り決めの更新を指示する。これにより、プロバイダエッジPE2の制御部110は、上記した新たな組のパケットについては破棄するように、プロバイダエッジPE2内のアクションテーブルを更新する。具体的には、図12Aに示したように、ステップc1でのプロバイダエッジPE1との取り決めにより、プロバイダエッジPE2では、アクションテーブルに、新たな組(宛先,送信元)=(A,B)のパケットについては中継するよう設定されている。従って、図12Bに示すように、このような宛先Aで送信元Bのパケットについては破棄するように、設定を更新する。
【0155】
・ステップc6:
続いて、プロバイダエッジPE1の制御部110は、上記した新たな組のパケットについては仮想回線VC1に送信するように、プロバイダエッジPE3に対し、学習内容として指示する。プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、メモリ114に、図12Bに示すような学習テーブルを生成して、指示された学習内容に従って、宛先,送信元,仮想回線の組を格納する。この場合、上述したとおり、新たな組は(宛先,送信元)=(A,B)であり、仮想回線はVC1であるので、格納される組は(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC1)となる。
【0156】
・ステップc7:
さらに、プロバイダエッジPE1の制御部110は、ステップc4で受信したパケットを、仮想回線VC1を介してプロバイダエッジPE3に中継する。
【0157】
・ステップc8:
プロバイダエッジPE3の制御部110は、送信されたパケットを、ユーザ2網のカスタマエッジCE2に中継する。このとき、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図12Bに示すVCテーブルを参照し、仮想回線VC2について、MAC学習しないと設定されているので、そのパケットの宛先や送信元や仮想回線についての学習をすることなく、そのパケットを中継する。そして、カスタマエッジCE2の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストBに中継する。
【0158】
こうして、ホストAから送信されたパケットは、ホストBに転送される。
【0159】
・ステップc9:
次に、図11Cに示すように、ユーザ2網のホストBが、ユーザ1網のホストA宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままSP網におけるプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、前述したとおり、仮想回線VC1,VC2についてMAC学習を行っていないが、ステップc6におけるプロバイダエッジPE1からの指示によって、図12Cに示すように、学習テーブルには、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC1)の組が格納されている。従って、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを受信すると、そのパケットにおけるレイヤ2(L2)〜レイヤ7(L7)ヘッダを解析し、宛先と送信元を取得する。そして、図12Cに示す学習テーブルを参照して、そのパケットを送信すべき仮想回線(VC)を選択する。この場合、ヘッダから取得される宛先はホストAであり、送信元はホストBであるので、学習テーブルに基づいて、送信すべき仮想回線(VC)としてVC1が選択される。その結果、プロバイダエッジPE3の制御部110は、受信したパケットを、選択した仮想回線VC1のみに中継する。
【0160】
・ステップc10:
プロバイダエッジPE1の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、アクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。プロバイダエッジPE1のアクションテーブルは、前述したとおり、ステップc4において更新されており、図12Cに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストBのパケットについて「中継」と記載されているので、プロバイダエッジPE1では、送信されたパケットをユーザ1網のカスタマエッジCE1に中継する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0161】
こうして、ホストB1から送信されたパケットは、途中で増殖することなく、ホストAに転送される。
【0162】
D−3.障害発生時動作:
図13A,13Bは本実施例における障害発生時の動作を説明するための説明図である。また、図14A,14Bはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、障害発生時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0163】
・ステップc11,c12:
図13Aに示すように、例えば、プロバイダエッジPE1において、障害が発生すると、プロバイダエッジPE2の制御部110は、その障害発生を検出する。プロバイダエッジPE1において障害が発生すると、プロバイダエッジPE2の制御部110は、制御メッセージの交信に失敗することになるので、そのことにより、プロバイダエッジPE1で障害が発生したことを検出することができる。また、プロバイダエッジPE1において障害が発生したことにより、図14Aに示すように、プロバイダエッジPE1におけるアクションテーブルは使用不可能となる。
【0164】
・ステップc13:
プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE1における障害発生を検出すると、パケット転送が停止しないように、直ちに、プロバイダエッジPE2内のアクションテーブルを更新する。具体的には、ステップc5において、プロバイダエッジPE1からの取り決め更新の指示により、プロバイダエッジPE2では、アクションテーブルに、宛先Aで送信元Bのパケットについては廃棄するよう設定されているので、そのままではパケット転送が停止してしまう。そこで、図14Aに示すように、宛先Aで送信元Bのパケットについては、中継するように、設定を更新する。
【0165】
一方、プロバイダエッジPE3においても、プロバイダエッジPE1における障害発生を検出すると、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、プロバイダエッジPE1が関わる内容を消去するように、設定を更新する。この結果、図14Aに示すように、プロバイダエッジPE3内のVCテーブルから、仮想回線VC1の行の内容が消去される。
【0166】
・ステップc14:
次に、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、取り消し通知メッセージを送信して、プロバイダエッジPE1が関わる学習内容の取り消しを指示する。これにより、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図14Aに示すように、学習テーブルから、ステップc6において、プロバイダエッジPE1からの指示により格納した学習内容(プロバイダエッジPE1が関わる学習内容)、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC1)の組を消去する。
【0167】
・ステップc15:
そこで、図13Bに示すように、ホストBがホストA宛てにパケットを送信する。カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままプロバイダエッジPE3に中継する。プロバイダエッジPE3では、ステップc14において学習テーブルの学習内容が消去されてしまったので、プロバイダエッジPE3の制御部110は、カスタマエッジCE2から送信されたパケットを仮想回線VC1に中継する。
【0168】
・ステップc16:
プロバイダエッジPE2の制御部110は、送信されたパケットを受信すると、更新されたの後のアクションテーブルを参照して、受信したパケットを中継するか、廃棄するかを判断する。前述したとおり、プロバイダエッジPE2のアクションテーブルは、ステップc13において、図14Bに示すごとく、宛先がホストAで送信元がホストBのパケットについて「中継」と更新されたので、プロバイダエッジPE2では、送信されたパケットを中継してカスタマエッジCE1に送信する。そして、カスタマエッジCE1の制御部110は、送信されたパケットを、そのままホストAに中継する。
【0169】
こうして、ホストBから送信されたパケットは、途中で滞ることなく、ホストAに転送される。
【0170】
D−4.復旧時動作:
図13Cは本実施例における復旧時の動作を説明するための説明図である。また、図14Cはその際にプロバイダエッジPE1,PE2,PE3にそれぞれ用意される管理テーブルを示す説明図である。それでは、復旧時の動作について、図にしたがって、動作ステップ順に説明する。
【0171】
・ステップc17,c18:
図13Cに示すように、プロバイダエッジPE1において、障害から復旧すると、プロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE2との間で、制御メッセージのやり取りを再開するので、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE1の復旧を検出する。そして、再び、ステップc1の場合と同様に、プロバイダエッジPE1の制御部110と、プロバイダエッジPE2の制御部110とは、互いの間で、仮想回線(VC)から受信したパケットの取り扱いについて、取り決めを行い、図14Cに示すように、各々のアクションテーブルに取り決めた結果を格納する。図14Cに示す例では、プロバイダエッジPE1は、仮想回線VC1から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを廃棄し、プロバイダエッジPE2は、仮想回線VC2から受信した宛先がホストAで送信元がホストBのパケットを中継するとの取り決めがなされたことを示している。
【0172】
・ステップc19:
図13Cに示すように、復旧したプロバイダエッジPE1の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、VC確立メッセージを送信して、そのメッセージに用いて、互いの間で確立される仮想回線VC1についてMAC学習をしないように指示する。
【0173】
プロバイダエッジPE3の制御部110は、その指示に基づいて、図14Cに示すように、VCテーブルに、仮想回線VC1についての内容を追加する。すなわち、VCテーブルには、仮想回線VC1について、MAC学習をしないと記される。
【0174】
・ステップb23:
次に、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、取り消し通知メッセージを送信して、仮想回線VC2が関わる学習内容の取り消しを指示する。すなわち、プロバイダエッジPE1において障害が発生した後に、ホストAからホストB宛てのパケットが送信された場合、そのパケットがプロバイダエッジPE2において受信されると、プロバイダエッジPE2は、そのパケットから取得した宛先と送信元とを入れ替えることにより、新たな組を取得し、その新たな組のパケットについては仮想回線VC2に送信するように、プロバイダエッジPE3に対し、学習内容として指示する。プロバイダエッジPE3では、その指示に基づいて、学習テーブルに、図14Cに示すように、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC2)の組が格納されることになる。従って、プロバイダエッジPE1が復旧した後も、この学習内容を放置しておくと、ホストBからホストA宛てにパケットが送信された場合、プロバイダエッジPE3では、上記の学習内容に従って、そのパケットを仮想回線VC2のみに送信することになるからである。そのため、プロバイダエッジPE2の制御部110は、プロバイダエッジPE3に対し、仮想回線VC1が関わる学習内容の取り消しを指示する。これにより、プロバイダエッジPE3の制御部110は、図14Cに示すように、学習テーブルから、仮想回線VC2が関わる学習内容、すなわち、(宛先,送信元,仮想回線)=(A,B,VC2)の組を消去する。
【0175】
D−5.実施例の効果:
本実施例では、ホストAからホストBへパケットを転送する場合、プロバイダエッジPE1,PE2のうち、パケットを受信したプロバイダエッジ(上記例ではいPE1)が、そのパケットを中継するように、プロバイダエッジPE1,PE2の両者において、予めなされた取り決めを更新すると共に、パケットを受信したプロバイダエッジ(上記例ではいPE1)は、そのパケットの宛先と送信元とを入れ替えたパケットについて、そのプロバイダエッジに接続される仮想回線(上記例ではVC1)を通るように、プロバイダエッジPE3に対し、学習内容の指示を行う。従って、プロバイダエッジPE3では、その学習内容に基づいて、ホストBからホストAへパケットを転送する場合には、受信したパケットを仮想回線VC1のみに中継する。よって、本実施例によれば、転送される途中でパケットが増殖することがないため、ホストAには、同一のパケットが重畳して転送されることはなく、正常なパケット転送を行うことができる。
【0176】
また、本実施例によれば、プロバイダエッジPE1,PE2に対して、装置またがりのリンクアグリゲーションを適用しているので、一方のプロバイダエッジ(上記例ではPE2)で障害が発生したとしても、他方のプロバイダエッジ(上記例ではPE1)において、上記取り決めに基づく設定が更新され、例え、送信したパケットを破棄する設定となっていても、中継する設定に更新されるため、パケット転送が中止することがない。
【0177】
E.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0178】
以上の説明においては、VPLS網を一例として採り上げたが、同じような機能を有する他のネットワーク構成においても、本発明を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0179】
100…スイッチ
110…制御部
112…CPU
114…メモリ
120…通信部
122…ネットワークインタフェース
A…ホスト
B…ホスト
B1…ホスト
B2…ホスト
CE…カスタマエッジ
CE1…カスタマエッジ
CE2…カスタマエッジ
PE…プロバイダエッジ
PE1…プロバイダエッジ
PE2…プロバイダエッジ
PE3…プロバイダエッジ
VC1…仮想回線
VC2…仮想回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第3のエッジは、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、前記パケットを複製して、前記第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継し、
前記第1のエッジは、前記第1の仮想回線から送信される前記パケットを受信し、前記第2のエッジは、前記第2の仮想回線から送信される前記パケットを受信すると共に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送し、他方のエッジでは、受信したパケットを、前記第4のエッジに中継することなく、破棄することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をしないように設定されていることを特徴とするデータ通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第3のエッジとの間に接続される、前記第1及び第2の仮想回線を確立する際に、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で前記取り決めを行うと共に、それぞれ、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジにおいて障害が発生し、他方のエッジが、その障害発生を検出した場合、その障害検出エッジは、接続される前記仮想回線から受信される前記パケットを前記第4のエッジに中継するよう、前記取り決めを更新することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載のデータ通信システムにおいて、
前記障害検出エッジは、前記取り決めを更新した後において、接続される前記仮想回線から送信される前記パケットを受信した場合に、更新された前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項6】
請求項4に記載のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項7】
第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第3のエッジは、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、パケット転送に関するMAC学習の内容に基づいて、前記パケットを、前記第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継し、
前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1のエッジと第2のエッジとの間では、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、予め取り決めがなされていると共に、
前記第2のネットワーク内のホストから、前記第3のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジが、前記第2のネットワーク内のホストから前記第4のエッジを介して送信された前記パケットを受信すると、前記一方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットの取り扱いについて、前記取り決めに、中継する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを接続される前記仮想回線に中継し、その新たな組のパケットの取り扱いについて、破棄する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを他方のエッジに送信することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項9】
請求項8に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、前記他方のエッジが、前記一方のエッジから送信された前記パケットを受信すると、前記他方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットの取り扱いについて、前記取り決めに、中継する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを接続される前記仮想回線に中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をするように設定されていると共に、
前記第3のエッジは、前記第1または第2の仮想回線から前記パケットを受信した場合に、前記設定に基づいて、受信した前記パケットの転送に関して学習して、前記学習の内容を得ると共に、受信した前記パケットを前記第5のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項11】
請求項7に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第3のエッジとの間に接続される、前記第1及び第2の仮想回線を確立する際に、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で前記取り決めを行うと共に、それぞれ、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をするよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項12】
請求項7に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジにおいて障害が発生し、他方のエッジが、その障害発生を検出した場合、
その障害検出エッジは、接続される前記仮想回線から受信される前記パケットを前記第4のエッジに中継するよう、前記取り決めを更新すると共に、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、障害の発生した前記エッジに接続される仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項13】
請求項12に記載のデータ通信システムにおいて、
前記障害検出エッジは、前記取り決めを更新した後において、接続される前記仮想回線から送信される前記パケットを受信した場合に、更新された前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項14】
請求項12に記載のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をするよう指示し、さらに、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、特定のパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項15】
請求項7に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1のエッジと第2のエッジとの間では、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、予め取り決めがなされていると共に、
前記第2のネットワーク内のホストから、前記第3のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジが、前記第2のネットワーク内のホストから前記第4のエッジを介して送信された前記パケットを受信すると、前記一方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットについては中継するように、前記取り決めを更新し、
前記一方のエッジは、他方のエッジに対して、その新たな組のパケットについては破棄するように、前記取り決めの更新を指示すると共に、前記第3のエッジに対して、その新たな組のパケットについては前記一方のエッジに接続される仮想回線に送信するように、前記MAC学習の内容を指示し、
前記一方のエッジは、受信した前記パケットを接続される仮想回線に中継し、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をしないように設定されていると共に、
前記第3のエッジは、前記第1または第2の仮想回線から前記パケットを受信した場合に、前記設定に基づいて、受信した前記パケットの転送に関してMAC学習することなく、受信した前記パケットを前記第5のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項16】
請求項15に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジは、更新した前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項17】
請求項12に記載のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示し、さらに、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、特定のパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項18】
データ通信システムを用い、第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信方法であって、
前記データ通信システムは、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記データ通信方法は、
(a)前記第3のエッジが、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、前記パケットを複製して、前記第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継する工程と、
(b)前記第1のエッジが、前記第1の仮想回線から送信される前記パケットを受信し、前記第2のエッジが、前記第2の仮想回線から送信される前記パケットを受信する工程と、
(c)前記第1及び第2のエッジが、それぞれ、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送し、他方のエッジでは、受信したパケットを、前記第4のエッジに中継することなく、破棄する工程と、
を備えるデータ通信方法。
【請求項19】
データ通信システムを用いて、第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信方法であって、
前記データ通信システムは、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記データ通信方法は、
(a)前記第3のエッジが、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、パケット転送に関するMAC学習の内容に基づいて、前記パケットを、前記第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継する工程と、
(b)前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジが、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送する工程と、
を備えるデータ通信方法。
【請求項1】
第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第3のエッジは、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、前記パケットを複製して、前記第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継し、
前記第1のエッジは、前記第1の仮想回線から送信される前記パケットを受信し、前記第2のエッジは、前記第2の仮想回線から送信される前記パケットを受信すると共に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送し、他方のエッジでは、受信したパケットを、前記第4のエッジに中継することなく、破棄することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をしないように設定されていることを特徴とするデータ通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第3のエッジとの間に接続される、前記第1及び第2の仮想回線を確立する際に、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で前記取り決めを行うと共に、それぞれ、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジにおいて障害が発生し、他方のエッジが、その障害発生を検出した場合、その障害検出エッジは、接続される前記仮想回線から受信される前記パケットを前記第4のエッジに中継するよう、前記取り決めを更新することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載のデータ通信システムにおいて、
前記障害検出エッジは、前記取り決めを更新した後において、接続される前記仮想回線から送信される前記パケットを受信した場合に、更新された前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項6】
請求項4に記載のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項7】
第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第3のエッジは、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、パケット転送に関するMAC学習の内容に基づいて、前記パケットを、前記第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継し、
前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1のエッジと第2のエッジとの間では、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、予め取り決めがなされていると共に、
前記第2のネットワーク内のホストから、前記第3のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジが、前記第2のネットワーク内のホストから前記第4のエッジを介して送信された前記パケットを受信すると、前記一方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットの取り扱いについて、前記取り決めに、中継する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを接続される前記仮想回線に中継し、その新たな組のパケットの取り扱いについて、破棄する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを他方のエッジに送信することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項9】
請求項8に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、前記他方のエッジが、前記一方のエッジから送信された前記パケットを受信すると、前記他方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットの取り扱いについて、前記取り決めに、中継する旨の設定がされている場合には、受信した前記パケットを接続される前記仮想回線に中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をするように設定されていると共に、
前記第3のエッジは、前記第1または第2の仮想回線から前記パケットを受信した場合に、前記設定に基づいて、受信した前記パケットの転送に関して学習して、前記学習の内容を得ると共に、受信した前記パケットを前記第5のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項11】
請求項7に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第3のエッジとの間に接続される、前記第1及び第2の仮想回線を確立する際に、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で前記取り決めを行うと共に、それぞれ、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をするよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項12】
請求項7に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジにおいて障害が発生し、他方のエッジが、その障害発生を検出した場合、
その障害検出エッジは、接続される前記仮想回線から受信される前記パケットを前記第4のエッジに中継するよう、前記取り決めを更新すると共に、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、障害の発生した前記エッジに接続される仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項13】
請求項12に記載のデータ通信システムにおいて、
前記障害検出エッジは、前記取り決めを更新した後において、接続される前記仮想回線から送信される前記パケットを受信した場合に、更新された前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項14】
請求項12に記載のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をするよう指示し、さらに、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、特定のパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項15】
請求項7に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第1のエッジと第2のエッジとの間では、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、予め取り決めがなされていると共に、
前記第2のネットワーク内のホストから、前記第3のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、一方のエッジが、前記第2のネットワーク内のホストから前記第4のエッジを介して送信された前記パケットを受信すると、前記一方のエッジは、受信した前記パケットから宛先と送信元の組を取得し、その宛先と送信元とを入れ替えて新たな組を得て、その新たな組のパケットについては中継するように、前記取り決めを更新し、
前記一方のエッジは、他方のエッジに対して、その新たな組のパケットについては破棄するように、前記取り決めの更新を指示すると共に、前記第3のエッジに対して、その新たな組のパケットについては前記一方のエッジに接続される仮想回線に送信するように、前記MAC学習の内容を指示し、
前記一方のエッジは、受信した前記パケットを接続される仮想回線に中継し、
前記第3のエッジは、前記第1及び第2の仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、MAC学習をしないように設定されていると共に、
前記第3のエッジは、前記第1または第2の仮想回線から前記パケットを受信した場合に、前記設定に基づいて、受信した前記パケットの転送に関してMAC学習することなく、受信した前記パケットを前記第5のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項16】
請求項15に記載のデータ通信システムにおいて、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジは、更新した前記取り決めに基づいて、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項17】
請求項12に記載のデータ通信システムにおいて、
障害の発生していた前記エッジが障害から復旧した場合に、前記第1及び第2のエッジは、それぞれ、前記第1及び第2の仮想回線を介して受信されるパケットの取り扱いについて、前記第1のエッジと第2のエッジとの間で再度取り決めを行うと共に、復旧した前記エッジは、前記第3のエッジに対して仮想回線確立メッセージを送信し、そのメッセージに用いて、確立される前記仮想回線を介してなされるパケット転送に関して、前記第3のエッジにおいて、MAC学習をしないよう指示し、さらに、前記第3のエッジに対して、取り消しメッセージ送信し、そのメッセージを用いて、特定のパケット転送に関して、MAC学習した内容を消去するよう指示することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項18】
データ通信システムを用い、第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信方法であって、
前記データ通信システムは、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第3のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記データ通信方法は、
(a)前記第3のエッジが、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、前記パケットを複製して、前記第1及び第2の仮想回線へそれぞれ中継する工程と、
(b)前記第1のエッジが、前記第1の仮想回線から送信される前記パケットを受信し、前記第2のエッジが、前記第2の仮想回線から送信される前記パケットを受信する工程と、
(c)前記第1及び第2のエッジが、それぞれ、互いの間で予めなされた取り決めに基づいて、受信した前記パケットの取り扱いを判断し、一方のエッジでは、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送し、他方のエッジでは、受信したパケットを、前記第4のエッジに中継することなく、破棄する工程と、
を備えるデータ通信方法。
【請求項19】
データ通信システムを用いて、第1のネットワークを介して第2及び第3のネットワーク間でデータ通信を行うデータ通信方法であって、
前記データ通信システムは、
前記第1のネットワーク内に存在し、装置またがりのリンクアグリゲーションが適用された第1及び第2のエッジと、
前記第1のネットワーク内に存在し、前記第1のエッジに第1の仮想回線を介して接続されると共に、前記第2のエッジに第2の仮想回線を介して接続される第3のエッジと、
前記第2のネットワーク内に存在し、前記第1及び第2のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第4のエッジと、
前記第3のネットワーク内に存在し、前記第3のエッジに回線を介して接続されると共に、前記第2のネットワーク内のホストと接続される第5のエッジと、
を備え、
前記第3のネットワーク内のホストから、前記第2のネットワーク内のホストに、パケットを転送する場合に、
前記データ通信方法は、
(a)前記第3のエッジが、前記第3のネットワーク内のホストから前記第5のエッジを介して送信される前記パケットを受信し、パケット転送に関するMAC学習の内容に基づいて、前記パケットを、前記第1及び第2の仮想回線のうち、いずれか一方に中継する工程と、
(b)前記第1及び第2のエッジのうち、接続される仮想回線から前記パケットを受信したエッジが、受信した前記パケットを前記第4のエッジに中継して、前記第2のネットワーク内のホストに転送する工程と、
を備えるデータ通信方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−209984(P2012−209984A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171596(P2012−171596)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2010−196296(P2010−196296)の分割
【原出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代高効率ネットワークデバイス技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)」
【出願人】(504411166)アラクサラネットワークス株式会社 (315)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2010−196296(P2010−196296)の分割
【原出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代高効率ネットワークデバイス技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)」
【出願人】(504411166)アラクサラネットワークス株式会社 (315)
【Fターム(参考)】
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