エネルギー吸収ステアリングコラム
【課題】車両衝突時のステアリングコラムの収縮移動開始荷重と収縮移動中の移動荷重との制御が容易で安価なエネルギー吸収ステアリングコラムを提供する。
【解決手段】アウターチューブ10と、当該アウターチューブ10の内側に衝撃により収縮移動するように配設したインナーチューブ20を備え、インナーチューブ20の外周部とアウターチューブ10との間に衝撃時の相対収縮移動が始まる移動開始荷重を制御する初期抵抗リブ21aと、当該移動開始荷重よりも低く相対収縮の移動荷重を制御する移動抵抗リブ22とを有し、前記初期抵抗リブ21aはアウターチューブ10の内側に圧入したインナーチューブ20との圧入部であり、前記移動抵抗リブ22はアウターチューブ10の開口端に干渉するようインナーチューブ20の外周部の軸方向に所定の長さを有することを特徴とする。
【解決手段】アウターチューブ10と、当該アウターチューブ10の内側に衝撃により収縮移動するように配設したインナーチューブ20を備え、インナーチューブ20の外周部とアウターチューブ10との間に衝撃時の相対収縮移動が始まる移動開始荷重を制御する初期抵抗リブ21aと、当該移動開始荷重よりも低く相対収縮の移動荷重を制御する移動抵抗リブ22とを有し、前記初期抵抗リブ21aはアウターチューブ10の内側に圧入したインナーチューブ20との圧入部であり、前記移動抵抗リブ22はアウターチューブ10の開口端に干渉するようインナーチューブ20の外周部の軸方向に所定の長さを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の衝突時等にステアリングシャフトに印加される衝撃エネルギーを吸収するステアリングコラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングシャフトを回転自在に支持しつつ、軸方向に収縮可能なステアリングコラムを採用することで人員のステアリングホイールに対する衝撃を緩和する技術が公知である。
この場合にステアリングコラムに付与する衝撃エネルギー吸収特性としては、図11に示すように衝突初期のステアリングコラムの収縮が始まる移動開始荷重f0とそれよりも低い荷重f1で移動し、その時の抵抗力と移動量(移動ストローク)との積でエネルギーを吸収する2種類の特性が要求されていることが多い。
従って、エネルギー吸収コラムは収縮の移動開始荷重の設定範囲F0と収縮移動中の移動荷重の設定範囲F1とを制御できる構造が望ましい。
【0003】
例えば特許文献1には、アウターチューブとその内側に嵌合するインナーチューブとからなるステアリングコラムにおいて、インナーチューブの移動により塑性変形するリブをアウターチューブの内側に増設した構造を開示する。
しかし、同公報に開示するリブは前記移動荷重を制御するものであり、その他に移動開始荷重を制御するための機構が別途必要になる。
特許文献2には、インナーチューブとアウターチューブの二重管構造において、両者の圧入部に金属製弾性ブッシュを介装することで移動開始荷重を制御し、別途設けたプレートが屈曲移動することで移動荷重を制御する技術を開示する。
しかし、同公報に開示する技術は板バネ状のプレートが屈曲移動するしごきで移動荷重を制御するため、この移動を案内するガイド部等が必要となることから構造が複雑でステアリングコラムのコンパクト化が困難であるのみならず高価になる要因ともなる。
特許文献3には、コラムチューブの客室内側に同軸で円錐形構成部材を配置し、この円錐形構成部材がコラムチューブをチューリップ片状に開く過程でエネルギー吸収する構造を開示する。
同技術は前記移動荷重を制御するものであり、移動開始荷重を充分に制御できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−249764号公報
【特許文献2】特開2007−168569号公報
【特許文献3】特開平10−217980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は簡単な構造でありながら、車両衝突時のステアリングコラムの収縮移動開始荷重と収縮移動中の移動荷重との制御が容易で安価なエネルギー吸収ステアリングコラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエネルギー吸収ステアリングコラムは、アウターチューブと、当該アウターチューブの内側に衝撃により収縮移動するように配設したインナーチューブを備え、
インナーチューブの外周部とアウターチューブとの間に衝撃時の相対収縮移動が始まる移動開始荷重を制御する初期抵抗部と、当該移動開始荷重よりも低く相対収縮の移動荷重を制御する移動抵抗部とを有し、前記初期抵抗部はアウターチューブの内側に圧入したインナーチューブとの圧入部であり、前記移動抵抗部はアウターチューブの開口端に干渉する移動抵抗リブをインナーチューブの外周部の軸方向に所定の長さ有することを特徴とする。
【0007】
ここで、アウターチューブの内側に配設したインナーチューブとは一部が重なり合った二重管構造となり、インナーチューブがアウターチューブの内側に収納されるように収縮することでエネルギー吸収が行われる。
本発明において初期抵抗部とは、インナーチューブがアウターチューブの内側に移動し始めるのに必要な耐荷重を発現させるためのインナーチューブとアウターチューブとの間の抵抗部をいう。
インナーチューブとアウターチューブとの間に抵抗部の耐荷重を超えた収縮荷重が印加されると、両者間の収縮移動が始まる。
本発明においては、この収縮移動時の抵抗となる部位を移動抵抗部と表現し、この収縮移動に必要な荷重を移動荷重と表現する。
【0008】
ステアリングシャフトをインナーチューブの内側に回転自在に支持し、このインナーチューブの外側にアウターチューブを車輪側において部分的に重なるように組付けた場合に通常走行時(衝突前)には、走行振動がこのステアリングコラムに負荷されることもあり、アウターチューブとインナーチューブとは確実に相互に固定されている必要がある。
そこで本発明は、インナーチューブの外周部に軸方向のリブを形成し、このリブを用いてアウターチューブの内側に圧入し、この圧入部を初期抵抗部として作用させた。
また、インナーチューブがアウターチューブの内側に収納収縮する際に、アウターチューブの開口部にてインナーチューブのリブを塑性変形させることで移動抵抗部とした。
リブの塑性変形にはアウターチューブの開口部で軸方向にこのリブを剪断させてもよく、また、このリブをインナーチューブの内側にへこむように変形させてもよい。
従って本発明において、リブとは軸方向に沿って条状に形成される凸形状の全てを含む。
なお、移動抵抗部としてインナーチューブの外周部に内側に向けてへこむリブを形成する場合には、前記インナーチューブの外周部に前記初期抵抗部から前記移動抵抗部にわたって軸方向のリブを有し、インナーチューブの初期抵抗部に位置する内側には剛性部材を嵌装した状態でアウターチューブの内側に設けた突出部に圧入してもよい。
このようにすると、インナーチューブの圧入部において内側から剛性部材で外周方向に付勢することになり、アウターチューブとの圧入強度が向上し、剛性部材の強度や外径寸法を調整することで圧入強度、即ち、インナーチューブの移動開始荷重を調整することができ、インナーチューブがアウターチューブの内側を収納移動し始め、アウターチューブの突出部が剛性部材から外れるとインナーチューブのリブが内側にへこみ変形しやすくなりインナーチューブの収納移動により衝撃エネルギーが吸収される。
【0009】
また、移動開始荷重を制御する方法として、アウターチューブの内側に突出した段差部を形成し、この段差部の突出側部に対応して干渉する初期抵抗リブをインナーチューブの外周部に設けてもよい。
このようにすると、インナーチューブの初期抵抗リブがアウターチューブの段差部に干渉し、この初期抵抗リブの幅や突出高さを調整することで移動開始荷重を制御することができる。
また、前記インナーチューブは外周部の軸方向に沿って第1リブと、当該第1リブの上面に第2リブを形成した2段リブ構造になっていて、第1リブで初期抵抗リブを形成し第2リブで移動抵抗部を形成することもできる。
この場合にアウターチューブの内側に形成する段差部の位置をアウターチューブの開口部から所定の距離隔てた位置にし、インナーチューブに形成する第1リブと第2リブのうち、軸方向に短い第1リブのみを残し、この第1リブの塑性変形で移動開始荷重を制御しつつ、アウターチューブの開口部(開口端)での第2リブに対する剪断力で移動荷重を制御することができる。
このような構造を採用すると第1リブの幅を第2リブの幅よりも広くすることで移動開始荷重を移動荷重より高く設定することができる。
【0010】
外周部に軸方向のリブを形成したインナーチューブはアルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金の押出材や引抜材にて容易に製造できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るエネルギー吸収コラムにあっては、インナーチューブの外周部に形成したリブをアウターチューブの開口部又は内側に形成した突出部(段差部)に干渉させる二重管構造を採用したことにより、インナーチューブに形成するリブ形状を第1リブと第2リブとの二段構造あるいはインナーチューブの圧入部に位置する内側に剛性部材を嵌装するだけでステアリングコラムの収縮時の移動開始荷重と、それよりも低い移動荷重をそれぞれ目標値に合せて設定することができる。
また、このような構造を採用したことにより、インナーチューブ及びアウターチューブを軽合金の押出材や引抜材にて製作するのが容易であり、軸方向のリブがインナーチューブの剛性をアップし、簡単構造で且つ安価であり、さらにはコンパクトなエネルギー吸収ステアリングコラムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】アウターチューブとインナーチューブとからなる本発明に係るエネルギー吸収ステアリングコラムの例を示す。
【図2】アウターチューブとインナーチューブの組付前の状態を示す。
【図3】インナーチューブの構造例を示し(a)は外観図、(b)は断面図、(c)は初期抵抗リブ(第1リブ)、(d)は移動抵抗リブ(第2リブ)部の断面図、(e)はアウターチューブとインナーチューブの寸法関係を示す。
【図4】アウターチューブの構造例を示す。
【図5】アウターチューブの内側にインナーチューブを圧入する例を示す。
【図6】エネルギー吸収の流れを模式的に示す。
【図7】インナーチューブのリブ形状例及びアウターチューブの開口部の構造例を示す。
【図8】インナーチューブのリブ形状の他の例を示す。
【図9】インナーチューブの内側に剛性部材を嵌装した例を示し、(a)は外観図、(b)は断面図、(c)は圧入部拡大図、(d)は剛性部材の例を示す。
【図10】インナーチューブとアウターチューブの寸法関係を示し、(a)は圧入部断面図、(b)は移動抵抗部の正面図、(c)はリブ外接円との寸法関係、(d)は部分拡大図を示す。
【図11】ステアリングコラムの収縮ストロークと印加荷重の関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るエネルギー吸収ステアリングコラムの構成例について図面に基づいて説明するが、発明の趣旨の範囲においてこれらに限定されるものではない。
【0014】
ステアリングコラムは、図1に示すようにステアリングシャフト30を回転自在に支持するインナーチューブ20とインナーチューブ20を一部が重なり合うように内装するアウターチューブ10とを備える。
図示を省略したが、ステアリングシャフト30は例えばアッパーシャフトとロアーシャフトがスプライン結合等により回転力を伝達しつつ軸方向に相対移動可能に連結されている。
アッパーシャフトの上部には図示を省略したが、ステアリングホイールが取り付けられ、ロアーシャフトの下部は操舵機構に接続されている。
アウターチューブ10は図示を省略したが、テレスコピック機構等に連結されている。
インナーチューブ20とアウターチューブ10とは、車両の走行振動や乗員の操作荷重に耐えられるように相互に固定され、車両衝突時等の2次衝突時に乗員がステアリングホイールにぶつかると、衝撃がステアリングシャフトを介してインナーチューブ20に伝達される。
この衝撃荷重が所定の値よりも大きいと、インナーチューブ20がアウターチューブ10の内側に収納されるように収縮することで衝撃エネルギーが吸収され、乗員の保護を図る。
ここで、インナーチューブ20とアウターチューブ10との収縮が始まる移動開始荷重とその後の移動荷重とは車両の仕様によって最適な目標範囲が相違する。
移動開始荷重は衝撃の大きさを考慮して定められ、それよりも低いその後の移動荷重は移動ストロークとの積(エネルギー吸収量)を考慮して定められる。
【実施例1】
【0015】
図1〜図6に第1の実施例を示す。
インナーチューブ20は、アルミニウム合金の押出材を用いて製作した例になっている。
押出形材は、円筒状のインナーチューブの外周部に軸方向に沿って図3(d)に示すように基底側の第1リブ(圧入リブ21及び初期抵抗リブ21a)とその上の第2リブ(移動抵抗リブ22)の二段形状のリブが本実施例では4条に形成されている。
3本以上であればリブの本数に限定はない。
そのような押出形材を用いてリブの必要な部分のみそのまま残し、不要な部分を切削等にて削除した形状が図3(a)に示すようなインナーチューブ20となる。
図2及び図3にて具体的に説明すると、図2においてインナーチューブ20の後方は第2リブを除去し、第1リブのみ残して初期抵抗リブ21aを形成し、この部分から前方に所定の長さの挿入部23を形成するために第1リブも除去する。
さらに前方部分に第1リブのみ残し圧入リブ21とし、2段リブをそのまま残し第2リブを移動抵抗リブ22とした。
【0016】
アウターチューブ10もアルミニウム合金の押出材を用いて製作してあり、インナーチューブ20を内側に挿入及び圧入する開口圧入部11及びインナーチューブ20の圧入部21bを圧入する圧入段差部12がそれぞれ内側に向けて突出するように他の部分を切削除去する。
このように加工したアウターチューブ10の例を図4に示す。
インナーチューブ20をアウターチューブ10の内側に圧入する手順を図5に示し、その寸法関係を図3(c)〜(e)に示す。
インナーチューブ20をアウターチューブ10に挿入する際に干渉しないように第1リブの外径D3は、アウターチューブの開口部の内径D2よりも小さく設定し、またアウターチューブ10の挿入部の内径D4よりも小さく設定する。
第1リブの上面を部分的に切削して形成した圧入部21bの外径D5は第1リブの外径D3よりも小さいが、アウターチューブ10の圧入段差部12の内径D1よりもやや大きい。
アウターチューブの開口圧入部の内径D2は、第2リブを除去した第1リブの外径D3よりもやや小さく設定する。
このように寸法関係を設定し、図5に示すように組み付けると、インナーチューブの圧入部21bがアウターチューブの圧入段差部12に圧入され、インナーチューブの圧入リブ21がアウターチューブの開口圧入部11にそれぞれ圧入されるのでインナーチューブ20とアウターチューブ10は上記2ヶ所で圧入固定される。
このように圧入固定される際にインナーチューブの初期抵抗リブ21aはアウターチューブの圧入段差部12の段差側面に当接した状態にて干渉する。
また、アウターチューブの開口圧入部11の先端は移動抵抗リブ22の切欠き側面の近くに位置する。
【0017】
インナーチューブ20に衝撃荷重が印加されると、図6(b)に示すように初期抵抗リブ21aがアウターチューブ10の圧入段差部12の段差側面に干渉しているので、2ヶ所の圧入部の圧入強度とこの初期抵抗リブ21aが塑性変形するための荷重とが移動開始荷重となる。
初期抵抗リブ21aが塑性変形し、つぶれるとインナーチューブ20がアウターチューブ10の内側に収納移動することになるが、その際にアウターチューブ10の開口先端部11aが移動抵抗リブ22に干渉しながら収納移動する。
このときに印加される移動荷重と移動ストローク長さとの積がエネルギー吸収量となる。
図6に示した実施例では、移動抵抗リブ22が剪断片22aとなりながらエネルギーを吸収する例になっている。
よって、初期抵抗リブの幅d1や高さを調整することで移動開始荷重の調整が可能であり、移動抵抗リブ22の幅d2や高さHを調整することで移動荷重の調整が可能となる。
また、初期抵抗リブ21aの軸方向の長さはその後の移動荷重にすぐにつながるように短くないといけないが、移動抵抗リブ22の軸方向長さは、必要なエネルギー吸収量に合せて長く設定する。
また、図7に示すように移動抵抗リブ22の側面に切欠き部22bを入れたり、アウターチューブの開口先端部のテーパー角度θを調整することでも剪断力の調整が可能である。
さらには図8に示すように移動抵抗リブ23の位置に対応してインナーチューブ20の内側に薄肉部24を形成して、リブが内側に変形するようにしてもよい。
【実施例2】
【0018】
図9及び図10に第2の実施例を示す。
インナーチューブ20の断面形状において軸方向の凸部25の外接円径DAを一般部の外径DCよりも大きく設定し、この凸部25の外接円径DAはアウターチューブ10の内径DBよりも大きく設定する。
インナーチューブ20の圧入部の内側には、剛性の高いリング状の剛性部材30を嵌装してある。
このような状態でインナーチューブ20をアウターチューブ10に圧入すると、凸部25が内側にへこむように圧入されるが、内側に剛性部材30を有するので外側方向に付勢力が作用し、圧入強度が高くなる。
従って、この圧入強度が衝撃時の移動開始荷重になり、インナーチューブ20の移動が開始し、アウターチューブ10の内側に突出した開口圧入部11が剛性部材30の有する位置から外れると、凸部25が両側の薄肉部26を起点にして内側に変形し、その力が移動荷重となる。
このようなインナーチューブの構造例を採用するとリブの部分除去が不要になり、さらに安価に製作できる。
【符号の説明】
【0019】
10 アウターチューブ
11 開口圧入部
12 圧入段差部
20 インナーチューブ
21 圧入リブ
21a 初期抵抗リブ
21b 圧入部
22 移動抵抗リブ
23 挿入部
30 ステアリングシャフト
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の衝突時等にステアリングシャフトに印加される衝撃エネルギーを吸収するステアリングコラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングシャフトを回転自在に支持しつつ、軸方向に収縮可能なステアリングコラムを採用することで人員のステアリングホイールに対する衝撃を緩和する技術が公知である。
この場合にステアリングコラムに付与する衝撃エネルギー吸収特性としては、図11に示すように衝突初期のステアリングコラムの収縮が始まる移動開始荷重f0とそれよりも低い荷重f1で移動し、その時の抵抗力と移動量(移動ストローク)との積でエネルギーを吸収する2種類の特性が要求されていることが多い。
従って、エネルギー吸収コラムは収縮の移動開始荷重の設定範囲F0と収縮移動中の移動荷重の設定範囲F1とを制御できる構造が望ましい。
【0003】
例えば特許文献1には、アウターチューブとその内側に嵌合するインナーチューブとからなるステアリングコラムにおいて、インナーチューブの移動により塑性変形するリブをアウターチューブの内側に増設した構造を開示する。
しかし、同公報に開示するリブは前記移動荷重を制御するものであり、その他に移動開始荷重を制御するための機構が別途必要になる。
特許文献2には、インナーチューブとアウターチューブの二重管構造において、両者の圧入部に金属製弾性ブッシュを介装することで移動開始荷重を制御し、別途設けたプレートが屈曲移動することで移動荷重を制御する技術を開示する。
しかし、同公報に開示する技術は板バネ状のプレートが屈曲移動するしごきで移動荷重を制御するため、この移動を案内するガイド部等が必要となることから構造が複雑でステアリングコラムのコンパクト化が困難であるのみならず高価になる要因ともなる。
特許文献3には、コラムチューブの客室内側に同軸で円錐形構成部材を配置し、この円錐形構成部材がコラムチューブをチューリップ片状に開く過程でエネルギー吸収する構造を開示する。
同技術は前記移動荷重を制御するものであり、移動開始荷重を充分に制御できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−249764号公報
【特許文献2】特開2007−168569号公報
【特許文献3】特開平10−217980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は簡単な構造でありながら、車両衝突時のステアリングコラムの収縮移動開始荷重と収縮移動中の移動荷重との制御が容易で安価なエネルギー吸収ステアリングコラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエネルギー吸収ステアリングコラムは、アウターチューブと、当該アウターチューブの内側に衝撃により収縮移動するように配設したインナーチューブを備え、
インナーチューブの外周部とアウターチューブとの間に衝撃時の相対収縮移動が始まる移動開始荷重を制御する初期抵抗部と、当該移動開始荷重よりも低く相対収縮の移動荷重を制御する移動抵抗部とを有し、前記初期抵抗部はアウターチューブの内側に圧入したインナーチューブとの圧入部であり、前記移動抵抗部はアウターチューブの開口端に干渉する移動抵抗リブをインナーチューブの外周部の軸方向に所定の長さ有することを特徴とする。
【0007】
ここで、アウターチューブの内側に配設したインナーチューブとは一部が重なり合った二重管構造となり、インナーチューブがアウターチューブの内側に収納されるように収縮することでエネルギー吸収が行われる。
本発明において初期抵抗部とは、インナーチューブがアウターチューブの内側に移動し始めるのに必要な耐荷重を発現させるためのインナーチューブとアウターチューブとの間の抵抗部をいう。
インナーチューブとアウターチューブとの間に抵抗部の耐荷重を超えた収縮荷重が印加されると、両者間の収縮移動が始まる。
本発明においては、この収縮移動時の抵抗となる部位を移動抵抗部と表現し、この収縮移動に必要な荷重を移動荷重と表現する。
【0008】
ステアリングシャフトをインナーチューブの内側に回転自在に支持し、このインナーチューブの外側にアウターチューブを車輪側において部分的に重なるように組付けた場合に通常走行時(衝突前)には、走行振動がこのステアリングコラムに負荷されることもあり、アウターチューブとインナーチューブとは確実に相互に固定されている必要がある。
そこで本発明は、インナーチューブの外周部に軸方向のリブを形成し、このリブを用いてアウターチューブの内側に圧入し、この圧入部を初期抵抗部として作用させた。
また、インナーチューブがアウターチューブの内側に収納収縮する際に、アウターチューブの開口部にてインナーチューブのリブを塑性変形させることで移動抵抗部とした。
リブの塑性変形にはアウターチューブの開口部で軸方向にこのリブを剪断させてもよく、また、このリブをインナーチューブの内側にへこむように変形させてもよい。
従って本発明において、リブとは軸方向に沿って条状に形成される凸形状の全てを含む。
なお、移動抵抗部としてインナーチューブの外周部に内側に向けてへこむリブを形成する場合には、前記インナーチューブの外周部に前記初期抵抗部から前記移動抵抗部にわたって軸方向のリブを有し、インナーチューブの初期抵抗部に位置する内側には剛性部材を嵌装した状態でアウターチューブの内側に設けた突出部に圧入してもよい。
このようにすると、インナーチューブの圧入部において内側から剛性部材で外周方向に付勢することになり、アウターチューブとの圧入強度が向上し、剛性部材の強度や外径寸法を調整することで圧入強度、即ち、インナーチューブの移動開始荷重を調整することができ、インナーチューブがアウターチューブの内側を収納移動し始め、アウターチューブの突出部が剛性部材から外れるとインナーチューブのリブが内側にへこみ変形しやすくなりインナーチューブの収納移動により衝撃エネルギーが吸収される。
【0009】
また、移動開始荷重を制御する方法として、アウターチューブの内側に突出した段差部を形成し、この段差部の突出側部に対応して干渉する初期抵抗リブをインナーチューブの外周部に設けてもよい。
このようにすると、インナーチューブの初期抵抗リブがアウターチューブの段差部に干渉し、この初期抵抗リブの幅や突出高さを調整することで移動開始荷重を制御することができる。
また、前記インナーチューブは外周部の軸方向に沿って第1リブと、当該第1リブの上面に第2リブを形成した2段リブ構造になっていて、第1リブで初期抵抗リブを形成し第2リブで移動抵抗部を形成することもできる。
この場合にアウターチューブの内側に形成する段差部の位置をアウターチューブの開口部から所定の距離隔てた位置にし、インナーチューブに形成する第1リブと第2リブのうち、軸方向に短い第1リブのみを残し、この第1リブの塑性変形で移動開始荷重を制御しつつ、アウターチューブの開口部(開口端)での第2リブに対する剪断力で移動荷重を制御することができる。
このような構造を採用すると第1リブの幅を第2リブの幅よりも広くすることで移動開始荷重を移動荷重より高く設定することができる。
【0010】
外周部に軸方向のリブを形成したインナーチューブはアルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金の押出材や引抜材にて容易に製造できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るエネルギー吸収コラムにあっては、インナーチューブの外周部に形成したリブをアウターチューブの開口部又は内側に形成した突出部(段差部)に干渉させる二重管構造を採用したことにより、インナーチューブに形成するリブ形状を第1リブと第2リブとの二段構造あるいはインナーチューブの圧入部に位置する内側に剛性部材を嵌装するだけでステアリングコラムの収縮時の移動開始荷重と、それよりも低い移動荷重をそれぞれ目標値に合せて設定することができる。
また、このような構造を採用したことにより、インナーチューブ及びアウターチューブを軽合金の押出材や引抜材にて製作するのが容易であり、軸方向のリブがインナーチューブの剛性をアップし、簡単構造で且つ安価であり、さらにはコンパクトなエネルギー吸収ステアリングコラムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】アウターチューブとインナーチューブとからなる本発明に係るエネルギー吸収ステアリングコラムの例を示す。
【図2】アウターチューブとインナーチューブの組付前の状態を示す。
【図3】インナーチューブの構造例を示し(a)は外観図、(b)は断面図、(c)は初期抵抗リブ(第1リブ)、(d)は移動抵抗リブ(第2リブ)部の断面図、(e)はアウターチューブとインナーチューブの寸法関係を示す。
【図4】アウターチューブの構造例を示す。
【図5】アウターチューブの内側にインナーチューブを圧入する例を示す。
【図6】エネルギー吸収の流れを模式的に示す。
【図7】インナーチューブのリブ形状例及びアウターチューブの開口部の構造例を示す。
【図8】インナーチューブのリブ形状の他の例を示す。
【図9】インナーチューブの内側に剛性部材を嵌装した例を示し、(a)は外観図、(b)は断面図、(c)は圧入部拡大図、(d)は剛性部材の例を示す。
【図10】インナーチューブとアウターチューブの寸法関係を示し、(a)は圧入部断面図、(b)は移動抵抗部の正面図、(c)はリブ外接円との寸法関係、(d)は部分拡大図を示す。
【図11】ステアリングコラムの収縮ストロークと印加荷重の関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るエネルギー吸収ステアリングコラムの構成例について図面に基づいて説明するが、発明の趣旨の範囲においてこれらに限定されるものではない。
【0014】
ステアリングコラムは、図1に示すようにステアリングシャフト30を回転自在に支持するインナーチューブ20とインナーチューブ20を一部が重なり合うように内装するアウターチューブ10とを備える。
図示を省略したが、ステアリングシャフト30は例えばアッパーシャフトとロアーシャフトがスプライン結合等により回転力を伝達しつつ軸方向に相対移動可能に連結されている。
アッパーシャフトの上部には図示を省略したが、ステアリングホイールが取り付けられ、ロアーシャフトの下部は操舵機構に接続されている。
アウターチューブ10は図示を省略したが、テレスコピック機構等に連結されている。
インナーチューブ20とアウターチューブ10とは、車両の走行振動や乗員の操作荷重に耐えられるように相互に固定され、車両衝突時等の2次衝突時に乗員がステアリングホイールにぶつかると、衝撃がステアリングシャフトを介してインナーチューブ20に伝達される。
この衝撃荷重が所定の値よりも大きいと、インナーチューブ20がアウターチューブ10の内側に収納されるように収縮することで衝撃エネルギーが吸収され、乗員の保護を図る。
ここで、インナーチューブ20とアウターチューブ10との収縮が始まる移動開始荷重とその後の移動荷重とは車両の仕様によって最適な目標範囲が相違する。
移動開始荷重は衝撃の大きさを考慮して定められ、それよりも低いその後の移動荷重は移動ストロークとの積(エネルギー吸収量)を考慮して定められる。
【実施例1】
【0015】
図1〜図6に第1の実施例を示す。
インナーチューブ20は、アルミニウム合金の押出材を用いて製作した例になっている。
押出形材は、円筒状のインナーチューブの外周部に軸方向に沿って図3(d)に示すように基底側の第1リブ(圧入リブ21及び初期抵抗リブ21a)とその上の第2リブ(移動抵抗リブ22)の二段形状のリブが本実施例では4条に形成されている。
3本以上であればリブの本数に限定はない。
そのような押出形材を用いてリブの必要な部分のみそのまま残し、不要な部分を切削等にて削除した形状が図3(a)に示すようなインナーチューブ20となる。
図2及び図3にて具体的に説明すると、図2においてインナーチューブ20の後方は第2リブを除去し、第1リブのみ残して初期抵抗リブ21aを形成し、この部分から前方に所定の長さの挿入部23を形成するために第1リブも除去する。
さらに前方部分に第1リブのみ残し圧入リブ21とし、2段リブをそのまま残し第2リブを移動抵抗リブ22とした。
【0016】
アウターチューブ10もアルミニウム合金の押出材を用いて製作してあり、インナーチューブ20を内側に挿入及び圧入する開口圧入部11及びインナーチューブ20の圧入部21bを圧入する圧入段差部12がそれぞれ内側に向けて突出するように他の部分を切削除去する。
このように加工したアウターチューブ10の例を図4に示す。
インナーチューブ20をアウターチューブ10の内側に圧入する手順を図5に示し、その寸法関係を図3(c)〜(e)に示す。
インナーチューブ20をアウターチューブ10に挿入する際に干渉しないように第1リブの外径D3は、アウターチューブの開口部の内径D2よりも小さく設定し、またアウターチューブ10の挿入部の内径D4よりも小さく設定する。
第1リブの上面を部分的に切削して形成した圧入部21bの外径D5は第1リブの外径D3よりも小さいが、アウターチューブ10の圧入段差部12の内径D1よりもやや大きい。
アウターチューブの開口圧入部の内径D2は、第2リブを除去した第1リブの外径D3よりもやや小さく設定する。
このように寸法関係を設定し、図5に示すように組み付けると、インナーチューブの圧入部21bがアウターチューブの圧入段差部12に圧入され、インナーチューブの圧入リブ21がアウターチューブの開口圧入部11にそれぞれ圧入されるのでインナーチューブ20とアウターチューブ10は上記2ヶ所で圧入固定される。
このように圧入固定される際にインナーチューブの初期抵抗リブ21aはアウターチューブの圧入段差部12の段差側面に当接した状態にて干渉する。
また、アウターチューブの開口圧入部11の先端は移動抵抗リブ22の切欠き側面の近くに位置する。
【0017】
インナーチューブ20に衝撃荷重が印加されると、図6(b)に示すように初期抵抗リブ21aがアウターチューブ10の圧入段差部12の段差側面に干渉しているので、2ヶ所の圧入部の圧入強度とこの初期抵抗リブ21aが塑性変形するための荷重とが移動開始荷重となる。
初期抵抗リブ21aが塑性変形し、つぶれるとインナーチューブ20がアウターチューブ10の内側に収納移動することになるが、その際にアウターチューブ10の開口先端部11aが移動抵抗リブ22に干渉しながら収納移動する。
このときに印加される移動荷重と移動ストローク長さとの積がエネルギー吸収量となる。
図6に示した実施例では、移動抵抗リブ22が剪断片22aとなりながらエネルギーを吸収する例になっている。
よって、初期抵抗リブの幅d1や高さを調整することで移動開始荷重の調整が可能であり、移動抵抗リブ22の幅d2や高さHを調整することで移動荷重の調整が可能となる。
また、初期抵抗リブ21aの軸方向の長さはその後の移動荷重にすぐにつながるように短くないといけないが、移動抵抗リブ22の軸方向長さは、必要なエネルギー吸収量に合せて長く設定する。
また、図7に示すように移動抵抗リブ22の側面に切欠き部22bを入れたり、アウターチューブの開口先端部のテーパー角度θを調整することでも剪断力の調整が可能である。
さらには図8に示すように移動抵抗リブ23の位置に対応してインナーチューブ20の内側に薄肉部24を形成して、リブが内側に変形するようにしてもよい。
【実施例2】
【0018】
図9及び図10に第2の実施例を示す。
インナーチューブ20の断面形状において軸方向の凸部25の外接円径DAを一般部の外径DCよりも大きく設定し、この凸部25の外接円径DAはアウターチューブ10の内径DBよりも大きく設定する。
インナーチューブ20の圧入部の内側には、剛性の高いリング状の剛性部材30を嵌装してある。
このような状態でインナーチューブ20をアウターチューブ10に圧入すると、凸部25が内側にへこむように圧入されるが、内側に剛性部材30を有するので外側方向に付勢力が作用し、圧入強度が高くなる。
従って、この圧入強度が衝撃時の移動開始荷重になり、インナーチューブ20の移動が開始し、アウターチューブ10の内側に突出した開口圧入部11が剛性部材30の有する位置から外れると、凸部25が両側の薄肉部26を起点にして内側に変形し、その力が移動荷重となる。
このようなインナーチューブの構造例を採用するとリブの部分除去が不要になり、さらに安価に製作できる。
【符号の説明】
【0019】
10 アウターチューブ
11 開口圧入部
12 圧入段差部
20 インナーチューブ
21 圧入リブ
21a 初期抵抗リブ
21b 圧入部
22 移動抵抗リブ
23 挿入部
30 ステアリングシャフト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウターチューブと、当該アウターチューブの内側に衝撃により収縮移動するように配設したインナーチューブを備え、
インナーチューブの外周部とアウターチューブとの間に衝撃時の相対収縮移動が始まる移動開始荷重を制御する初期抵抗部と、当該移動開始荷重よりも低く相対収縮の移動荷重を制御する移動抵抗部とを有し、
前記初期抵抗部はアウターチューブの内側に圧入したインナーチューブとの圧入部であり、
前記移動抵抗部はアウターチューブの開口端に干渉する移動抵抗リブをインナーチューブの外周部の軸方向に所定の長さ有することを特徴とするエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項2】
前記初期抵抗部は、さらに、アウターチューブの内側に突出して形成した段差部に干渉する初期抵抗リブをインナーチューブの外周部に有することを特徴とする請求項1記載のエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項3】
前記インナーチューブの外周部に前記初期抵抗部から前記移動抵抗部にわたって軸方向のリブを有し、
インナーチューブの初期抵抗部に位置する内側には剛性部材を嵌装した状態でアウターチューブの内側に設けた突出部に圧入してあり、移動抵抗部はアウターチューブとインナーチューブの相対収縮に伴い、インナーチューブの外周部に設けたリブが内側に変形することでエネルギーを吸収することを特徴とする請求項1記載のエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項4】
前記インナーチューブは外周部の軸方向に沿って第1リブと、当該第1リブの上面に第2リブを形成した2段リブ構造になっていて、第1リブで初期抵抗リブを形成し第2リブで移動抵抗部を形成したことを特徴とする請求項2記載のエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項5】
前記インナーチューブは外周部の軸方向に沿ってリブを有する軽合金押出材を用いて製作されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項1】
アウターチューブと、当該アウターチューブの内側に衝撃により収縮移動するように配設したインナーチューブを備え、
インナーチューブの外周部とアウターチューブとの間に衝撃時の相対収縮移動が始まる移動開始荷重を制御する初期抵抗部と、当該移動開始荷重よりも低く相対収縮の移動荷重を制御する移動抵抗部とを有し、
前記初期抵抗部はアウターチューブの内側に圧入したインナーチューブとの圧入部であり、
前記移動抵抗部はアウターチューブの開口端に干渉する移動抵抗リブをインナーチューブの外周部の軸方向に所定の長さ有することを特徴とするエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項2】
前記初期抵抗部は、さらに、アウターチューブの内側に突出して形成した段差部に干渉する初期抵抗リブをインナーチューブの外周部に有することを特徴とする請求項1記載のエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項3】
前記インナーチューブの外周部に前記初期抵抗部から前記移動抵抗部にわたって軸方向のリブを有し、
インナーチューブの初期抵抗部に位置する内側には剛性部材を嵌装した状態でアウターチューブの内側に設けた突出部に圧入してあり、移動抵抗部はアウターチューブとインナーチューブの相対収縮に伴い、インナーチューブの外周部に設けたリブが内側に変形することでエネルギーを吸収することを特徴とする請求項1記載のエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項4】
前記インナーチューブは外周部の軸方向に沿って第1リブと、当該第1リブの上面に第2リブを形成した2段リブ構造になっていて、第1リブで初期抵抗リブを形成し第2リブで移動抵抗部を形成したことを特徴とする請求項2記載のエネルギー吸収ステアリングコラム。
【請求項5】
前記インナーチューブは外周部の軸方向に沿ってリブを有する軽合金押出材を用いて製作されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエネルギー吸収ステアリングコラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−161959(P2011−161959A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23583(P2010−23583)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000100791)アイシン軽金属株式会社 (137)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000100791)アイシン軽金属株式会社 (137)
【Fターム(参考)】
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