説明

エビデンスに基づく医療を実現するためのシステム

【課題】
研究機関、医療機関及び患者の間において、エビデンスの双方向活用を促進するためのシステムを提供し、エビデンスに基づく医療を実現すること。
【解決手段】
全国的規模において、複数の研究機関と複数の医療機関の間に、ホストサーバーを具えた中間機構が設けられ、前記複数の医療機関と中間機構の間がネットワークを介してつながっており、前記複数の医療機関の患者の個人情報を除く情報がネットワークを介して前記中間機構のホストサーバーのデータベースに保存され、或る条件に基づいて情報を検索・選別することにより、特定の病気について前記研究機関により得られたエビデンスの多数のサンプルによる検証研究、実証研究、臨床試験を可能とし、患者と医療機関の間の情報授受は携帯可能な記憶媒体を通じて行うシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エビデンスに基づく医療(Evidence Based Medicine)を実現するためのシステムに関する。「エビデンス」とは、科学的根拠のことである。
【背景技術】
【0002】
医療は、エビデンスに基づいたものであるべきであるが、それを実現するのは容易なことではない。
今日、研究機関、医療機関及び患者の間において、エビデンスの双方向の有効活用という点で、満足すべき状況にはない。満足に機能していない理由の一つとして、研究機関、医療機関、及び患者を結ぶネットワークが構築されていないことが挙げられる。また、患者に対して、有効に、エビデンスの還元ができていないこともある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、研究機関、医療機関、及び患者を結ぶネットワークを構築することにより、エビデンスに基づく医療を実現するためのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
複数の研究機関と複数の医療機関の間に、ホストサーバーを具えた中間機構が設けられ、
前記複数の医療機関と中間機構の間がネットワークを介してつながっており、 前記複数の医療機関の患者の個人情報を除く情報が前記ネットワークを介して前記中間機構のホストサーバーのデータベースに保存され、
或る条件に基づいて前記情報を検索・選別することにより、特定の病気について前記研究機関により得られたエビデンスの多数のサンプルによる検証研究を可能としたことを特徴とする、
エビデンスに基づく医療を実現するためのシステムにより、前記課題を解決した。
なお、「多数」とは、少なくとも、100以上のことである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、エビデンスに基づく医療を実践できる環境を、研究機関(製薬会社)、医療機関に提供するため、多数の患者に関する情報を共有できるように、全国規模でネットワークを構築するので、中間機構を介したネットワークにより、エビデンスが蓄積され、より質の高い医療(オーダーメイド医療)を実現することができる。
このことは、本発明のシステムを活用することによって、知財の「創出」、「検証」、「実証」、「実施」を従来とは比較にならない程、迅速に実現することができるということである。
これは、本発明においては、中間機構の存在により、全国規模にわたる多数の医療機関を、バーチュアルに、あたかも一つの医療機関であるかのように扱うことができることによっている。
従って、従来、最も時間と手間を要していた、被験者の収集が極めて容易、且つ迅速に実施できるようになる。
しかも、各医療機関及び患者の機密性の高い情報を、高度のセキュリティをもって、一元に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、具体例として「肺癌」を取上げ、本発明が、どのような業務の流れで、中間機構を介して製薬会社(研究機関)、事業会社、医療機関、患者が関わるかを、ステップごとに説明する。
ステップ1:製薬会社Yの「研究チーム」は、抗癌剤bが有効であった肺癌患者では、癌細胞中の遺伝子Bの発現量が多いことを発見した。
具体的には、製薬会社Yの「研究チーム」は、20人の肺癌患者を対象とした研究の結果、抗癌剤bが有効であった肺癌患者では、肺癌細胞中の遺伝子Bの発現量が多いことを発見した。そこで、肺癌細胞中の遺伝子Bの発現量測定が、抗癌剤bの薬効予測診断法として特許化される。
【0007】
ステップ2:製薬会社Yは、特許実用化のための委託研究を中間機構に依頼する。これにより、より多くのサンプル数での検証研究が実施される。
製薬会社(研究機関)と中間機構間は、VPN(Virtual Private Network)機能を搭載したネットワークで結ばれており、高いセキュリティ(盗聴・改ざん防止)が確保されている。
ステップ(2−1)作成される依頼内容は、例えば、次の表1のとおりである。
【0008】
【表1】

【0009】
ステップ(2−2):製薬会社Yは、作成した書類を中間機構へ提出する。提出書類は、委託研究申請書、知財対象研究内容の関連資料である。
ステップ3:次に、中間機構において、会員である医療施設のICカード情報をもとに、追試可能かどうかを調査する。
ステップ(3−1):中間機構は、次の表2のとおり、会員内の調査対象者数、研究実施期間の見積りに基づき、予測される会員内の原発性肺癌患者数:約400人、予測される研究実施期間:2年、との予測を、製薬会社Yに報告する。そして、製薬会社Yより、正式な依頼を受けて調査実施を行なう。
【0010】
【表2】

【0011】
中間機構は実証可能であると判断した場合、事業会社に書類作成を委託する。中間機構と事業会社間も、VPN機能を搭載したネットワークが構築されており、高いセキュリティ(盗聴・改ざん防止)が確保されている。
ステップ(3−2):研究実施計画書作成(事業会社に委託)
ステップ(3−3):インフォームド・コンセント用の説明文書、同意文書作成(事業会社に委託)
ステップ(3−4):症例報告書作成(事業会社に委託)
ステップ(3−5):中間機構の倫理審査委員会にて検討
事業会社が、作成した資料(3−2)〜(3−5)を基に中間機構に設置した倫理審査委員会にてヒトゲノム遺伝子解析研究に関する倫理指針とその他公約に定められているガイドライン等に基づき、研究計画の適否等について検討する。
ステップ:(3−6)倫理審査委員会にて受託の可否を決定
倫理審査委員会製薬会社Yからの依頼を受託するか、受託しないかを決定する。なお、キャッシュフローとして、各種書類の作成費が、中間機構から事業会社へと支払われる。
【0012】
ステップ4:倫理審査委員会から依頼製薬会社へ報告
中間機構の倫理審査委員会で決定した研究計画の適否等について依頼製薬会社Yに報告する。
ステップ5:中間機構は、検体を提供してくれる会員医療施設の参加を迅速に募る。中間機構と会員医療施設間も、VPN機能を搭載したネットワークが構築されており、高いセキュリティ(盗聴・改ざん防止)を確保している。
ステップ6:次に、中間機構と事業会社の2社が、製薬会社Yと委託研究に関する契約書を締結する。なお、製薬会社Yは、委託研究実施中の知財の実施権を中間機構、事業会社に、研究期間中に限って許諾する。
ステップ(6−1):事業会社は、肺癌細胞遺伝子Bの解析キットWの開発・製造を行なう。
ステップ(6−2):事業会社は、解析キットWを各研究協力医療機関へ供給する。
ここで、キャッシュフローは、製薬会社Yから中間機構へ委託研究費が支払われ、中間機構から研究協力医療機関へ再委託研究費が支払われる。又、解析キットWの開発・製造費が、中間機構から事業会社へ支払われる。
【0013】
ステップ7:各研究協力医療機関の研究実施担当者(責任医師)は、研究実施のための研究実施計画案に関する資料を医療機関内に設置されている倫理審査委員会に諮り、迅速な審査を受けて、研究実施の承認を得る。
ステップ8:次は、委託元、委託先、再委託先との契約であり、中間機構と各研究協力機関で委託研究に関する契約書を締結する。 又、中間機構と事業会社で委託研究の遺伝子検査・遺伝子解析に関する契約書を締結する。
【0014】
ステップ9:研究協力医療機関の研究担当者(責任医師)は、受託研究を実施する運びとなる。
【0015】
ステップ(9−1):次に、肺癌患者の選定が実施される。
ステップ(9−2):その後、インフォームド・コンセントを実施する必要があり、患者になって貰うために、研究内容の説明と、検体になってもらうことについての同意を得る。その後、
ステップ(9−3):組織生検の実施(肺癌細胞の遺伝子検査)、
ステップ(9−4):肺癌細胞内の遺伝子Bの発現量の測定、
ステップ(9−5):抗癌剤bの投与(遺伝子Bを持つ患者のみ)、
ステップ(9−6):抗癌剤bの薬効評価、
ステップ(9−7):診療情報、すなわち、罹患期間、症状の程度、併用薬剤、治療経過等の必要な情報の収集、
ステップ(9−8):血液検査、胸部X線、胸部CT検査(抗癌剤bの投与前と投与後に実施)、
ステップ(9−9):症例報告書へ検査結果及び診療情報の記入
という手順になる。
ここで、キャッシュフローとして、医療機関から事業会社へ遺伝子検査実施料が支払われる。
【0016】
ステップ10:研究データの取りまとめ/データ解析
事業会社が研究データの取りまとめを行い、データを解析する。キャッシュフローとして、中間機構から遺伝子解析料として事業会社へ支払われる。
ステップ(10−1):次の表3のとおり、研究データの取りまとめを実施
【0017】
【表3】

【0018】
ステップ(10−2):研究データの解析実施
事業会社が、研究結果を基に、製薬会社Yの必要とするエビデンスとして付加価値を付ける。
ステップ11:エビデンスを成果として報告
事業会社は、中間機構にエビデンスをフィードバックし、中間機構は、製薬会社Yにエビデンスを成果として報告する。
ステップ12:特許実施権に関する契約書締結
中間機構、事業会社の2社は、製薬会社Yと委託研究後の特許実施権に関する契約書を締結する。製薬会社Yは、委託研究後も知財の実施権を中間機構、事業会社に許諾する。
ここで、キャッシュフローは、特許の実施権に伴う検査キットWの販売である。キャッシュフローは、検査キットWの購入費用として、医療機関から、事業会社へ発生する。
【0019】
ステップ13:特許使用料に関して
知財活用により、利益を得た場合は、5%〜20%をロイヤリティとして、製薬会社Yに支払う。具体例として、遺伝子Bの検出のため、キットWを使用するごとに1回に付き、例えば、¥3000を特許使用料として徴収する。特許使用料は、患者から、医療機関、事業会社、製薬会社Yへと発生する。
ステップ14:中間機構は、抗癌剤bの薬効予測診断法として有効であることを実証。中間機構は肺癌細胞中の遺伝子Bの発現量測定が、抗癌剤bの薬効予測診断法として有効であることを実証する。(表4参照)
【0020】
【表4】

【0021】
ここでは、肺癌細胞中の遺伝子Bの発現量測定が抗癌剤bの薬効予測診断法として有効であることの実証研究のための費用が発生する。内容としては、研究契約書作成、検査費用、解析費用などがある。製薬会社Yから中間機構を介して、事業会社又は医療機関へとビジネスが流れて行く。また、遺伝子Bの検査を実施することで、解析キットWの販売収益を取得する。(ロイヤリティの発生)患者から、医療機関、中間機構、事業会社を経て製薬会社Yへと流れて行く。
ステップ15:知的財産の患者への還元
知的財産の患者への還元プロセスは、以下の表5のようになる。
【0022】
【表5】

【0023】
ステップ16:追加データの収集、エビデンスの検証を実施(データの質の高度化)
中間機構は、追加データを収集し、事業会社がエビデンスの検証を実施し、エビデンス・データの質の高度化を行なう。又、事業会社は、エビデンスを追加情報として、中間機構に提供し、製薬会社Yからの希望に応じて追加データを基にしたエビデンスを有償にて提供する。事業会社、医療機関から、特許使用料が製薬会社Yへ支払われる。又、製薬会社Yから追加エビデンス料として中間機構に、中間機構から事業会社に支払われる。
【0024】
<臨床試験について(肺癌の場合)>
(1)中間機構にて臨床試験の実施(製薬会社Yから委託)
検証研究、実証研究の結果から、知的財産を臨床の場で広く活用するため臨床試験を実施する。厚生労働省に申請し、添付文書記載追加として、抗癌剤bを処方する場合、肺癌細胞の遺伝子検査により遺伝子Bの発現量が多いことを確認する。
(2)中間機構にて臨床試験の実施(事業会社から委託)
臨床試験と同時に遺伝子Bの検査を実施するか解析キットWの臨床での使用を可能とするための臨床試験を実施する。解析キットWの厚生労働省へ申請し、認可、臨床使用可能(後に健康保険適応)とする。
【0025】
ここで、携帯可能な記憶媒体(将来的には携帯電話を含む。)の一例であるICカードの発行手順書(新規の場合)について説明する。
図1に示すように、患者の情報(カードID、病院ID、検査日、検査項目、服薬情報、病名)を搭載したICカードが、会員医療機関の窓口で発行される。 ICカードを新規に発行する患者は、会員医療機関であればどの医療機関からでもICカードを新規に作成できる。これは、研究機関、会員医療機関が、ホストサーバー管理している中間機構を介したネットワークが構築されているためであり、ICカードには、常に、最新情報が更新される。ICカード発行窓口は、会員医療機関が窓口となっている。ICカードから、患者の情報を読取り、データベースに保存することは、セキュリティ強化、個人情報漏洩防止のため、一切実施しない。あくまで、中間機構ホストサーバーでは、限られた情報(カードID、病院ID、検査日、検査項目、服薬情報、病名)のみを扱う。
【0026】
個人情報登録について
患者の名前、住所、性別などの個人情報を病院機関に設置されている”患者データ登録・参照”端末に入力する。入力された患者の全データは、各病院に設置されているデータベースに保存・管理される。病院グループ内は、LANが構築され、VPNが搭載されており、データの暗号化が行なわれ、盗聴、改ざんがないように環境を整備している。病院内に設置されているデータベースからは、限られた情報のみが窓口データベースに取込まれる。抽出されるデータは、カードID、病院ID、検査日、検査項目、服薬情報、病名である。それ以外の情報は抽出しない。
【0027】
登録情報(個人情報を含まない)について
各病院内に設置されている窓口データベースから、中間機構へ、患者の抽出データ(カードID、病院ID、検査日、検査項目、服薬情報、病名)のみを送信する。登録情報を送信する際は、VPNを使用する。VPN(Virtual Private Network:仮想プライベートネットワーク)とは、インターネットを利用し、認証・暗号・カプセル化の技術によって仮想的にプライベートなネットワークを構築することである。VPN技術の採用により、通信内容を暗号化し、機密性の高いデータが通信可能である。各病院から集められたデータは、中間機構に蓄積される。
【0028】
ICカード採番について
中間機構(ホストサーバー)が、受信した患者の抽出データに、ICカードに記載するID番号を採番する。採番するに当たり、Check Digit(1桁)をランダムに割振る。この作業を実施することにより、ICカード番号の機密性を高める。この情報が、患者のICカード発行元の医療機関へ送信される。
【0029】
ICカード発行について
発行されたICカードには、カードID、病院ID、検査日、検査項目、服薬情報、病名が保存される。中間機構を介した情報の一元化により、ネットワークで構築されるため、会員グループの他の病院でも、ICカードの更新、再発行が可能である。ICカードは、アプリケーションを搭載できるだけの容量を持っており、或る病気に特化した患者の遺伝子から薬の投与量を判断できるアプリケーションも搭載できる。また、病院には、ICカードの所有者を確認する認証装置を設置し、個人情報の漏洩を絶対起こさないようにする。
【0030】
また、事業会社の服薬支援機能として、タイピング機器から自動的に”患者データ登録・参照”端末にデータを取込み、遺伝子情報を用いた最適薬剤を判定する。ICカード内には、タイピング情報を保管し、中間機構を介したネットワークより、最新エビデンスが取得される。
医療機関には、ICカードリーダが設置されているため、患者の最新情報の取得が行なわれる。
【0031】
ICカードの更新について
ICカードを保持している患者は、会員医療機関であればどの医療機関からでもICカードを新規に作り直さなくても利用できる。これは、ホストサーバーを管理している中間機構を介したネットワークが構築されているためであり、ICカードには、常に最新情報が更新される。ICカードから、患者の情報を読み取りデータベースに保存することは、セキュリティ強化、個人情報漏洩防止のため、一切実施しない。あくまで、中間機構のホストサーバーでは、限られた情報(カードID、病院ID、検査日、検査項目、服薬情報、病名)のみを扱うものとする。中間機構、他の医療機関、研究機関から、患者の個人情報を特定することは、始めからできないようにネットワークを構築し、個人情報漏洩の防止に関しては、万全の体制を整えるものとする。
【0032】
各病院に設置されているカードリーダに、患者のICカードを挿入することにより、ホストサーバー(中間機構)に蓄積されている最新情報がICカードに上書きされる。
【0033】
患者の個人情報は、医療機関に設置されているデータベースに保存される。そのデータベースより、ホストサーバーへ送信するのに必要な情報(クエリ作成:テーブルから条件を充たすフィールド、レコードのみを抽出)のみを抽出したものが窓口データベースに保存される。
各医療機関(クライアントサーバー)と中間機構(ホストサーバー)間は、VPNと機能を搭載した高度なセキュリティ機能を具えたネットワークが構築されている。
窓口データベースに保存されているデータ(個人特定情報になりえない英数字を用いたIDと記号)を中間機構へ送信する。中間機構のホストサーバーでは、ICカードに明記されたICカード番号を医療機関窓口データベースから受信したデータに割振る(採番)。採番後、各医療機関にデータを送信し、医療機関でICカードが新規に発行される。
事業会社、研究機関、医療機関がVPN通信網で結ばれているため、情報が迅速に把握でき、それを有効に活用する環境が整備される。
【0034】
なお、以上の説明では、「肺癌」を例として取り挙げたが、本発明の適用範囲は、当然、これに限定されない。
例えば、血液の癌として知られている「白血病」の場合であれば、「白血病細胞においては遺伝子αが変化している。」という発見が研究機関でなされ、知財が創出されたならば、本発明を利用して、当該知財の検証、実証、実施のプロセスを従来より遥かに速やかに実現することができる。
また、「スギ花粉へのアレルギー反応には遺伝子Aが関与している。」という発見が研究機関でなされ、知財が創出された場合も同様であり、「抗うつ病薬Pの有効性には遺伝子Dの遺伝子多型が関与している。」との発見が研究機関でなされ、知財が創出された場合も同様に、本発明を利用して、当該知財の検証、実証、実施のプロセスを従来より遥かに速やかに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明におけるICカード発行フローと情報の授受の説明図。
【図2】本発明における研究機関、中間機構、医療機関の間のネットワークの構成図。
【図3】本発明における中間機構と医療機関の間の情報の蓄積・更新に関する説明図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の研究機関と複数の医療機関の間に、ホストサーバーを具えた中間機構が設けられ、
前記複数の医療機関と中間機構の間がネットワークを介してつながっており、 前記複数の医療機関の患者の個人情報を除く情報が前記ネットワークを介して前記中間機構のホストサーバーのデータベースに保存され、
或る条件に基づいて前記情報を検索・選別することにより、特定の病気について前記研究機関により得られたエビデンスの多数のサンプルによる検証研究を可能としたことを特徴とする、
エビデンスに基づく医療を実現するためのシステム。
【請求項2】
前記検証研究に続いて薬効予測診断法としての実証研究が行なわれる、請求項1又は2のシステム。
【請求項3】
前記実証研究に基づき、個々の患者に適合した診療を可能とする、請求項1から3のいずれかのシステム。
【請求項4】
前記検証研究、及び実証研究に基づき、臨床試験が行なわれる請求項1から4のいずれかのシステム。
【請求項5】
前記研究又は診療に遺伝子解析キットが使用される、請求項1から4のいずれかのシステム。
【請求項6】
前記臨床試験に基づき、前記遺伝子解析キットが臨床で使用される、請求項4のシステム。
【請求項7】
患者と医療機関の間の情報の授受が携帯可能な記憶媒体を通じて行なわれる、請求項1のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−15742(P2008−15742A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185423(P2006−185423)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(506231401)オーダーメイド創薬株式会社 (7)
【Fターム(参考)】